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2010 11 19~2010 12 03

ATP合成酵素 岩手医大、仕組み解明 秒単位で回転・停止

2010年12月3日 提供:毎日新聞社

ATP合成酵素:岩手医大、仕組み解明 秒単位で回転・停止 /岩手

 ◇バージニア大学と共同

 岩手医大薬学部と米バージニア大医学部の共同研究グループが、生命活動のエネルギー源となる物質「アデノシン三リン酸(ATP)」を生み出す酵素が、自ら回転と停止を繰り返す仕組みを持つことを発見した。将来、がん細胞などの増殖を抑える医薬品の開発に役立つ可能性があるという。【山中章子】

 ATPは糖を分解してエネルギーに変える過程に作られる。生物は筋肉などの部位でATPを分解することで生命活動に必要なエネルギーを得ている。

 ATPはミトコンドリアにある酵素の回転運動により合成される。継続的に回転していると思われたが、同グループは酵素を1分子ずつ特殊な顕微鏡と高性能カメラを使って観察し、酵素が秒単位で回転と停止を繰り返していることを発見した。

 停止には、酵素を構成する「イプシロンサブユニット」という部位が働いていることも分かった。回転を止めればATPも合成できないため、ATP合成酵素を持つがん細胞や病原菌の活動抑制に応用できる可能性があるという。

 研究成果は今年10月、米国の医学生物学分野の学会誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」に発表した。岩手医大薬学部の関谷瑞樹助教は「酵素は継続的に動いていると考えていたため、とても驚いた。新薬開発の一つのきっかけになればいい」と話している。

感染性胃腸炎 ノロウイルス原因、急増 集団も18件、山梨県が対策会議

2010年12月3日 提供:毎日新聞社

感染性胃腸炎:ノロウイルス原因、急増 集団も18件、県が対策会議 /山梨

 ノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎の患者が県内でも急増している。流行の始まりは過去5シーズンで最も早く、昨年同期は0件だった保育所などでの集団感染も、すでに18件確認された。県は2日、保健所など関係機関を集めた対策会議を開き、手洗いなど予防の徹底を周知するよう呼び掛けた。

 県は毎年、県内24の医療機関で患者数を集計。1医療機関あたりの1週間の患者数が15人前後になると流行のピークと判断。例年は12月にピークとなるが、今シーズンは先月15~21日の1週間で患者数が1医療機関あたり18・63人に上った。

 集団感染も、昨シーズンは12月中旬まで発生がなかったが、今月1日現在で18件、301人が確認されている。保育所や小学校などがほとんどで、県の担当者は「近隣の保育所と小学校に通う兄弟間で感染し、拡大したケースがみられる」と話す。

 ノロウイルスの感染経路は主に次のように三つある。(1)十分に加熱調理されていないカキなどの二枚貝を食べる(食べ物↓人)(2)感染者が十分手洗いせずに調理したものを別の人が食べる(人↓食べ物↓人)(3)感染者の吐しゃ物やふん便の処理が不十分で、空気中にウイルスが飛散、それを口から吸入して感染する(人↓人)。

 2日の対策会議には、各保健所のほか、学校や福祉施設を所管する県の担当課などから約40人が出席。手洗いの徹底に加え、(3)のケースを防ぐため、吐しゃ物の処理方法などについての講習会を、各保育所や学校ごとに実施することなどを決めた。【曹美河】

糖尿病は眼科も受診を 白内障/5止 あなたの処方せん/43

2010年12月3日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/43 白内障/5止 糖尿病は眼科も受診を

 糖尿病を23年間患う埼玉県加須市の主婦、五十嵐友子さん(58)は、今年9月に糖尿病の合併症による白内障手術を受けた。1年ほど前から霧の中にいるような見え方になり、両目ともに視力検査の一番大きな文字が近寄らなければ判別できない程度まで落ちた。それが手術後は自転車で買い物に出かけられるまでになった。

 糖尿病白内障は、目の中の水晶体に栄養を送る体液が高血糖になることなどが原因で起こる。発症年齢は老化による白内障に比べ約10年早く、平均すると50代後半~60代。手術は糖尿病の症状を安定させてから行う。

 五十嵐さんは白内障が回復した後も、食事に配慮するなど血糖値のコントロールに気を使っている。白内障の前に、糖尿病の3大合併症の一つ「糖尿病網膜症」を発症していたためだ。糖尿病網膜症とは、高血糖が続くことで色や明るさなどを感じる網膜の血管が傷み、出血などが起きる病気。根治は難しく、失明の恐れもある。

 カレンダーに内科の通院予定日の印を付け、定期的な受診を忘れないよう心掛けている五十嵐さん。通院する「あだち眼科」(同市)での診察時には、日本糖尿病眼学会が発行している「糖尿病眼手帳」を持っていく。視力をはじめ目の健康状態に関するデータを眼科で記入してもらい、内科の受診時にこの手帳を示して、主治医の間で情報を共有してもらうのだ。

 同眼科の足立和孝院長(52)は「糖尿病と診断されたら、必ず眼科を受診してほしい」と訴える。糖尿病患者の中には「見えにくくなってから眼科に行けばいい」「白内障の手術をしてよく見えるようになったから」と、眼科の診察や定期検査を怠る人がいる。足立院長は「見えづらくなってからでは失明の危険性が高くなる」と注意をよびかける。=おわり(遠藤和行が担当しました。6日からは「耳鳴り」です)

「春を告げるホルモン」働き、マウスで解明 理研・近畿大

2010年12月3日 提供:毎日新聞社

ホルモン:「春を告げるホルモン」働き、マウスで解明--理研・近畿大

 ◇統合失調症など治療ヒントにも

 日が長くなることによる「春の到来」を知らせる動物体内のホルモンの働きを、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)と近畿大が明らかにした。日照時間の変化は、うつ病に似た症状の季節性情動障害や、統合失調症などに関わるとされ、成果は病気の治療に役立つ可能性があるという。米科学誌「カレントバイオロジー」(電子版)に3日、論文が掲載された。

 理研の上田泰己(ひろき)プロジェクトリーダーは08年、ウズラの下垂体の一部に日が長くなると作られるホルモンがあり、春に繁殖を活発にしていることを名古屋大と共同で見つけた。

 今回は近大の升本宏平助教とともに、同じホルモンを持つマウスを、1日の日照時間が8時間のグループと16時間のグループに分けて2週間飼育。その後、秋・冬に当たる8時間グループのマウスに対し、夜になるはずの時間に光を当てて、ホルモンと関連した遺伝子の有無や機能を調べた。16時間グループでは活発ではないある種の遺伝子が活性化されてホルモンを作る引き金になり、他の複数の遺伝子が後押ししていることが分かった。

 このホルモンはヒトにもあるとみられ、病気に関わっているらしい。上田さんは「日照時間を調節して遺伝子発現を抑えれば、症状を緩和できるかもしれない」と話している。【野田武】

ヒ素で成長する細菌発見 異なる生命要素の可能性も NASA、米加州の湖で『1』

2010年12月3日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】通常の生物にとっては有毒なヒ素を、生命活動の根幹となるDNAに取り込んで成長できる細菌を発見したと、米航空宇宙局(NASA)などの研究グループが2日、米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。

 地球上の生物は、主に炭素、酸素、水素、窒素、リン、硫黄の6元素でつくられており、これらは生命活動に不可欠と考えられている。だが、この細菌はリンをヒ素に換えても生きることができるという。

 現在知られているものとは異なる基本要素で生命が存在する可能性を示すもので、生命の誕生、進化の謎に迫る発見といえそうだ。

 専門家らは生命を構成するのが6元素であることを前提に地球外の生命探しを進めているが、研究グループは「どのような物質を追跡の対象にするか、より真剣に考えなければならない」と指摘している。

 研究グループは、米カリフォルニア州にあるヒ素濃度の高い塩水湖「モノ湖」に生息する「GFAJ1」という細菌に着目。

 ヒ素が多く、リンが少ない培養液で培養すると、リンが多い培養液よりは成長は遅くなるものの、細胞数が6日間で20倍以上に増え、GFAJ1はヒ素を取り込んで成長することを確認した。

 細胞内の変化を詳しく調べると、DNAやタンパク質、脂質に含まれていたリンが、培養によってヒ素に置き換わっていた。リンとヒ素は化学的性質が似ているため、このような現象が起きたと考えられるが、どのように置き換わるかや、置き換わった分子が細胞の中でどのように働くかは分からないとしている。

識者談話 生物の在り方広げた 『2』

2010年12月3日 提供:共同通信社

 山岸明彦(やまぎし・あきひこ)・東京薬科大教授(極限環境微生物学)の話 ヒ素は生物にとって猛毒だが、リンと性質が似ているので、ヒ素を使う生物がいてもおかしくはないと考えられていた。今回、具体的に生命にとって非常に重要なDNAにまでヒ素を使っている生物が確認され、生物の在り方を広げた。これまでとは異なった形で生物が存在する可能性が広がり、地球外の生物を探す際にも、地球と似た環境にこだわるのではなく、範囲を広げる必要が出てくる。

ヒ素で成長する細菌発見 異なる生命要素の可能性も NASA、米加州の湖で『1』

2010年12月3日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】通常の生物にとっては有毒なヒ素を、生命活動の根幹となるDNAに取り込んで成長できる細菌を発見したと、米航空宇宙局(NASA)などの研究グループが2日、米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。

 地球上の生物は、主に炭素、酸素、水素、窒素、リン、硫黄の6元素でつくられており、これらは生命活動に不可欠と考えられている。だが、この細菌はリンをヒ素に換えても生きることができるという。

 現在知られているものとは異なる基本要素で生命が存在する可能性を示すもので、生命の誕生、進化の謎に迫る発見といえそうだ。

 専門家らは生命を構成するのが6元素であることを前提に地球外の生命探しを進めているが、研究グループは「どのような物質を追跡の対象にするか、より真剣に考えなければならない」と指摘している。

 研究グループは、米カリフォルニア州にあるヒ素濃度の高い塩水湖「モノ湖」に生息する「GFAJ1」という細菌に着目。

 ヒ素が多く、リンが少ない培養液で培養すると、リンが多い培養液よりは成長は遅くなるものの、細胞数が6日間で20倍以上に増え、GFAJ1はヒ素を取り込んで成長することを確認した。

 細胞内の変化を詳しく調べると、DNAやタンパク質、脂質に含まれていたリンが、培養によってヒ素に置き換わっていた。リンとヒ素は化学的性質が似ているため、このような現象が起きたと考えられるが、どのように置き換わるかや、置き換わった分子が細胞の中でどのように働くかは分からないとしている。

生命の定義変える発見 新細菌でNASAが会見

2010年12月3日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】通常の生物にとっては有毒なヒ素を、DNAに取り込んで成長できる細菌を発見したことについて、米航空宇宙局(NASA)などの研究者が2日(日本時間3日未明)、ワシントンで記者会見し、「生命の定義を変えるような重要な発見だ」などと成果を解説した。

 フェリサ・ウォルフサイモン特別研究員は「生物はわれわれの想像以上に(環境への)適応性が高いかもしれない」と説明。生命に不可欠と考えられてきた炭素、酸素、水素、窒素、リン、硫黄の6元素の代わりに別の物質を利用する地球外生物が、地球とは異なる環境で生きている可能性が示されたとしている。

 今回の発表をめぐっては、NASAが事前に「宇宙生物学上の発見」で記者会見を開くとしていたため、一部の国内外のメディアが「地球外生物の発見か?」と取り上げ、注目を集めていた。

 メアリー・ボイテック部長は「がっかりさせたかもしれないが、少なくとも教科書を変える必要がある重要な発見だ」と意義を強調した。

温泉健康効果を知る 効能以外に休養、運動効果 体に悪い場合も

2010年12月3日 提供:毎日新聞社

温泉:健康効果を知る 効能以外に休養、運動効果 体に悪い場合も

 世界有数の温泉数や湧出(ゆうしゅつ)量を誇る温泉大国日本。寒さが増すこれからの季節は、癒やしを求めて温泉地を訪れる人も多い。硫黄や硫酸など多様な泉質を持つ温泉は、どれだけ健康に影響があるのだろうか。【関東晋慈】

 温泉のもととなる地下水には、土や岩石からいろいろな物質が溶け込んでいる。環境省によると、温泉と呼ばれる条件は温泉法で定められている。水温が25度以上▽硫黄やラドンなど19種類の物質のうちどれか一つを基準以上含む--のどちらかの条件を満たしているものだ。水温が低く25度未満のものは「冷泉」と呼ばれる。

 国内の温泉地は約3000カ所、源泉数は約2万8000カ所に上る(08年度末現在)。温かい湯につかるだけでも、新陳代謝が促されて疲労回復が図れるほか、水圧の影響で心臓が圧迫され、血行もよくなるとされる。

 国の鉱泉分析法指針は、温泉の基準を満たし、さらに療養効果が期待される温泉を「療養泉」として分類している。また、環境省の委託を受けて、日本温泉気候物理医学会が06年に温泉の効能についての報告書を作成した=表。

 同省は「治療による医学的な効果は法律上、保証しておらず、医師に任せている。だが、個人的な利用による健康への効果は多くの実証例がある」と説明する。

   □   □

 科学的に温泉の健康効果を検証している一般社団法人「健康保養地医学研究機構」(東京都中央区)代表理事の阿岸祐幸(ゆうこう)・北海道大名誉教授によると、温泉に含まれる成分が皮膚から吸収され、皮膚や筋肉などの細胞、神経に作用するとしている。

 例えば、カルシウムやマグネシウムなどは、腫れや痛みを抑える働きがあり、皮膚病や切り傷、やけどなどに効き目があるとされる。また、胃腸薬にも使われている重曹を含む温泉を飲むと、薬と同様の効果も期待できるという。

 泉質だけでなく、温泉には休養や運動の効果も期待できる。温泉は山の中など、豊かな自然に囲まれている場所に多くある。日ごろ過ごしている場所と環境が変わることで気分転換になったり、ストレスを減らす効果がある。

 さらに、熱い湯に入った後は、皮膚の表面から汗や水蒸気が発散し、蒸発によって気化熱が奪われる。1グラム(1ミリリットル)の水が気化すると約0・5キロカロリーの熱が奪われる計算から、高温の入浴で300ミリリットルの汗を流せば、150キロカロリーの消費に達する。これを脂肪(体重)に換算すると、約16グラムの減少につながる計算だ。

 だが、持病や体質によっては泉質の成分と合わず、体に悪い場合もある。また、温泉に入れば体力を消耗するため、体調が悪い人が入れば、症状が悪化することもある。特に高齢者は、温度に対する皮膚の感受性が低くなり、熱さを感じにくくなることもあるため、注意が必要だ。

 環境省も「温泉地に書いてある成分や入ってはいけない禁忌症などの説明に注意してほしい」としている。

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 温泉の効能で最も議論があるのが、放射能泉だ。全国に「人工ラドン温泉センター」などの施設もあり、体の芯から温まると感じているファンも多いが、放射線被ばくを心配する人もいる。

 日本温泉気候物理医学会は、07年に環境省へ提出した報告書で、ラドンの影響を調査するため、三朝(みささ)温泉(鳥取県)のサウナと実験用ラドンサウナ、ラドンを含まないサウナを比較し、20~40歳の男性15人を対象にした実験結果を紹介した。それによると、ラドンの濃度に応じて5日目以降、血糖値を下げるインスリンなどの血中物質が有意に増加。「ラドンは高血圧、関節の痛み、糖尿病の改善に有用」と結論付けた。環境省も「自然に含まれるラドンのレベルは極めて低く、健康な人には有用と考えている」としている。

 一方、放射線の被害防止を訴える市民団体「高木学校」の崎山比早子医学博士は「放射線による健康増進の科学的根拠は乏しい。医療検査は別として、できるだけ浴びない方がいい」と話す。

 阿岸名誉教授は「温泉の効能については、これまで経験的なものが多く、放射能泉を代表に議論も多い。温泉大国として、予防医療への利用を進めるためにも、積極的な研究で科学的にしっかりした根拠を示す必要がある」と話している。

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 《代表的な療養泉と効能》

療養泉     効果                  禁忌症

単純温泉    免疫調整、脱ストレス

        不眠症

       ※歴史的な名湯が多い

二酸化炭素泉  血流循環の改善、保温、抑うつ改善    (飲用)下痢の時

塩化物泉    保温、抑うつ改善            (飲用)腎臓病、高血圧症

硫黄泉     婦人心身症改善、関節炎、皮膚疾患に適応 皮膚、粘膜の過敏な人

放射能泉    免疫調整

炭酸水素塩泉  循環促進、保温、冷え性

硫酸塩泉    塩化物泉と同じ。脱ストレス       (飲用)下痢の時

酸性泉     かゆみ軽減、皮膚炎

 (日本温泉気候物理医学会の06年度報告書などから作成)

企業が社員の禁煙支援 くじけにくい工夫で 値上げも契機に 「経済ウイークリー」

2010年12月1日 提供:共同通信社

 10月に大幅に値上げされたのを機に、たばこをやめようと思っている人も多いことだろう。禁煙補助の内服薬を使った医療機関による治療を受ける患者は急増、医薬品メーカーの製造が間に合わない事態も。そんな中、企業が社員の健康などに配慮し、禁煙を支援する取り組みが広がっている。

 ▽2人一組

 「始めて2週間くらいは仕事中にいらいらすることが多くてつらかったけれど、その後は楽になりました」。東京海上日動火災保険の本店で営業を担当する岩瀬靖史(いわせ・やすし)さん(32)は、10~12月の3月間、同社が実施する禁煙支援プログラムに参加。それまで1日10本程度吸っていたが、「10月以来1本も吸っていません」と順調だ。

 2007年から毎年実施しているが、ことしは全社で過去最高の146人が参加した。1人ではくじけやすいのでは、と原則2人一組で禁煙にチャレンジしてもらうのが特徴だ。岩瀬さんは同じ課の後輩、竹内将史(たけうち・まさふみ)さん(24)を誘った。「値上げがちょっと痛いなと思っていたところに先輩から声をかけられ決心した」と竹内さん。

 参加者にはニコチンガムなどの禁煙補助剤を使ってもらい、徐々にニコチン依存度を低下させていく。その間、看護師が生活で気をつける点や気分転換の方法などについて、きめ細かくメールを送って応援する。昨年までの達成率は参加者の30~40%台だったが、「今年はぜひ50%を超えてほしい」と健康管理室でプログラムを担当する保健師の太田一果(おおた・ひとみ)さんは意気込む。

 ▽閉鎖

 来年4月から、グループ企業のほぼ全事業所で、休憩時間以外の就業時間内の全面禁煙を決めたのがオリックス。三十数社の社員約1万3千人が対象だ。既に、ことし7月から各事業所で喫煙室を1カ所に集約。来年7月にはすべての喫煙室を閉鎖する方針で、事実上、職場ではたばこを吸えなくなる。

 担当する人事部所属の産業カウンセラー藤田万寿美(ふじた・ますみ)さんによると、「医薬品や食品メーカーでは全面禁煙を実施する企業も出てきているが、まだ非常に珍しい措置でしょう」という。もちろん締め付けるだけではなくサポートも拡充している。

 病院の禁煙外来で治療を受け、完治したとの終了証明書をもらえば、健康保険治療の自己負担分の約2万円のうち1万円を会社が補助する「卒煙キャンペーン」を10月から導入。来年3月までの予定だが、その後は健康保険組合が主体となり継続することも検討中だ。産業医によるセミナーや個別面談なども実施している。

 オリックスグループの喫煙率は男性43%、女性18%で、ここ数年低下傾向にある日本人の喫煙率に比べ高い。「いつかはやめようと思っていたので、いい機会だ」と喫煙派の反応は肯定的なものが多いそうだ。

長引くせきは要注意 胸部エックス線と喀痰検査 結核 「身近な病気、気になる検査」5回続きの(4)

2010年12月1日 提供:共同通信社

 結核を過去の病気と思ったら大間違いだ。

 2009年には約2万4千人の結核患者が新たに発生。国内の感染者数は約2600万人との推計もある。

 「若い世代が結核に対して無頓着。長引くせきなど典型的な症状があっても『風邪がなかなか治らない』と軽く考え、病院に行かない。その間に感染が広がる」と複十字病院(東京都清瀬市)の工藤翔二(くどう・しょうじ)院長は嘆く。

 結核は、結核菌が原因で主に肺に炎症を起こす感染症。患者のせきやくしゃみで空気中にまき散らされた結核菌を吸い込むことで感染する。

 ただ、感染しても発病するのは10~20%程度。免疫が働き、結核菌の増殖を抑え込んでくれるためだが、体力の低下やほかの病気などで抵抗力が落ちると発病の危険性が高まる。発病すると2、3週間続くせきやたん、微熱、倦怠(けんたい)感などが初期症状として現れる。

 09年に発生した結核患者の約半数は70歳以上。昭和20~30年代の結核がまん延していたころに感染した人が多いとみられる。長い年月にわたって体内で休眠できることも結核菌の特徴だ。一方、患者の約15%は20~30代が占める。若い世代も注意を怠るべきではない。

 検査では胸部エックス線と、喀痰(かくたん)中の結核菌の有無を調べる。採取したたんを染色し、顕微鏡で観察する。検査は約1時間で済む。費用は3割負担で2千円程度。

 結核菌が見つかれば、入院して治療する。検査時に結核菌が見つからなくても、たんの一部を培養して1、2カ月後に結核菌が検出されることがある。他人への感染の危険性が少ないと判断されれば通院治療となる。

 標準的な治療期間は6カ月。最初の2カ月は4種類の薬剤を、その後の4カ月は3種類の薬剤を服用する。

 工藤さんは「治療中、患者が絶対にやってはならないのが、薬の服用を勝手にやめてしまうことだ。症状が改善しても医師が許可するまで薬の服用は必ず継続する。服用を中断すると薬が効かない多剤耐性菌の出現につながり、治療が難しくなる」と警告する。

 【メモ】結核は、自分のためにも、他人にうつさないためにも早期発見が重要だ。感染や発病を防ぐためには、バランスの取れた食事や睡眠時間の確保など規則正しい生活を送り、体力を維持したい。若い世代の発病はストレスの関与もある。

アトピー性の人は要注意 白内障/3 あなたの処方せん/41

2010年12月1日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/41 白内障/3 アトピー性の人は要注意

 埼玉県久喜市の会社員、吉川利晃さん(32)は2年前の朝、鏡を見て目の辺りがはれていると気づいた。アトピー性皮膚炎の症状が悪化し、眠っている間にかいていたようだ。数カ月すると目の前に曇りガラスがあるような視界になり、車の運転が困難に。眼科でアトピーによる白内障と診断され、両方の目を手術。コンタクトレンズをつけても0・3だった視力が1・2に回復した。

 受診先の「あだち眼科」(同県加須市)の足立和孝院長(52)によると、重いアトピー性皮膚炎の人は、10代後半でも白内障になることがある。足立院長は「就寝中に手で想像以上の衝撃を目に与えてしまうためとみられる」と説明する。手術で切開する部分は2~3ミリのため普通は自然とふさがるが、アトピーの人はこすって傷が開く恐れがあり、縫合することが多いという。術後に目をこすらないように、花粉症対策用の2000円程度のゴーグルを使うことも勧めている。ただしゴーグルが接触する部分の肌がかゆくなってしまうこともある。

 術後も継続的なケアが欠かせない。特にアトピーの人は眼内で色や明るさを感じる網膜がはがれる「網膜剥離」に気をつけなければならない。網膜剥離の発症率は通常、1万人に1人(0・01%)の割合だが、アトピー性皮膚炎で白内障手術をした人はかゆみにより激しく目をこすることがあるため、1~10%程度と高いという。

 網膜剥離は突然発症し、半日で見えなくなることもある。足立院長は「眼科で定期検査を受けるほか、アトピーがひどくなったら、すぐに主治医を受診し、症状を抑えることが重要だ」と話す。=つづく

軽い症状なら、手術は15分程度 白内障/2 あなたの処方せん/40

2010年11月30日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/40 白内障/2 軽い症状なら、手術は15分程度

 眼球にメスを入れる白内障手術。「万が一のことがあって、見えなくなってしまったら」と不安を感じる人は少なくない。

 6年前に右目の手術をした東京都内の木村順子さん(76)もそうだった。読書好きだったが、65歳ごろから文字を読むと目の底が痛み、頭痛や吐き気がするようになった。症状は徐々に進み、世界がセピア色に見え始めた。掛かり付けの眼科医は「加齢性の白内障で、手術をする時期だ」と、実績のある病院を紹介してくれた。

 局所麻酔は目薬だったため、痛みはなかった。手術中は目に何か入ってくるのがぼんやりと分かる程度で、心配したような怖さはなかった。翌朝、眼帯を外して窓の外を見ると、街路樹の鮮やかな緑が日差しに映えていた。「世界がこんなにきれいだったなんて……。もう一度人生をいただいた」。2年後には同じ症状だった左目も手術し、今は就寝前の読書が楽しみだ。

 大鹿哲郎・筑波大大学院教授(50)によると、手術は白目と黒目の境を2~3ミリ切って細い機器を挿入し、濁った水晶体を超音波で砕いて吸い取る。その後、残った水晶体の膜の上に直径6ミリの人工の眼内レンズを丸めて挿入。レンズは時間がたつと広がり、切開部分も自然に閉じる。軽い症状ならば15分ほどで済み、日帰りできる。ただし「翌日の受診が必要なため、付き添いのいない1人暮らしの高齢者などはできれば入院を」とすすめる。

 成功率は高くなったが、術後は注意が必要だ。井上眼科病院(東京都千代田区)の若倉雅登院長(61)の話では、切開部分から細菌が感染すると、失明の恐れのある眼内炎になることがある。また、網膜がはがれやすい人の場合、網膜剥離を誘発することも。「特に高齢者の中には、白内障手術は簡単で必ず治ると信じ切っている人もいるが、100%安全ではない」と若倉院長。大鹿教授は「術後、医師の許可が出るまでは洗顔や洗髪を控え、激しいスポーツなども避けてほしい。自分で運転して帰宅しようとする人もいるが、決して軽く考えてはいけない」と注意を促す。=つづく

歯間ブラシやフロスを使って 歯周病/5止 あなたの処方せん/38

2010年11月26日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/38 歯周病/5止 歯間ブラシやフロスを使って

 歯周病の進行を防ぐには、口の中を常に清潔にしておくことが重要だ。そのためには日々の手入れが欠かせない。前回に引き続き、大阪大医学部付属病院の歯科衛生士、森川友貴さん(30)に教わったポイントをまとめた。

 前回は歯ブラシの選び方や、歯磨きのコツを紹介した。磨き残しがあるかどうかは、舌で歯を触ってみると分かる。「歯の表面は、ガラスのようにつるつるしているのが本来の姿。舌で触ってざらざらしているのは、汚れている証拠です」

 だが、どれだけ歯磨きを徹底しても、取ることのできる口の中の汚れは60~70%と言われる。これを補うのが歯間ブラシだ。歯と歯のすき間の大きさに合わせて、さまざまな太さのものがあり、いずれも薬局やドラッグストアで購入できる。

 また、歯の表面に付いた汚れをふき取る「フロス」という糸状の道具もある。歯間ブラシが入らないような、狭いすき間でも使うことができ、「歯と歯茎の間に糸を当てて汚れを取ることを意識して」とアドバイスする。

 さまざまな道具で歯や歯茎に付いたプラーク(歯垢(しこう))を取ることで、歯周病の進行は防げる。さらに森川さんは「半年から1年に1度ほど、歯科で歯の清掃を受けてほしい」と勧める。歯痛でもないのに歯科に行くのは抵抗があるかもしれないが、「歯の掃除をしてほしいと頼んでもらえれば。磨き残しの部分も指摘してもらえる」と話している。=おわり(野田武、林田七恵が担当しました。29日からは「白内障」です)

歯磨きで進行を防ぐ 歯周病/4 あなたの処方せん/37

2010年11月25日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/37 歯周病/4 歯磨きで進行を防ぐ

 歯周病は自覚症状がないまま少しずつ進行し、歯がぐらぐらするなどの症状が出た時には、既に相当悪化した状態だ。しかし症状が出る前でも、歯磨きなどで口の中を常に清潔にすることで、進行を防ぐ、あるいは遅らせることができる。日ごろの心がけ次第で、症状が大きく左右される病気でもあるのだ。大阪大医学部付属病院の歯科衛生士、森川友貴さん(30)に教えてもらった方法を、2回に分けて紹介する。

 まずは歯ブラシの選び方。「毛先が柔らかく、毛の束が3列ほどで幅が狭めのものがお勧め」という。毛先が硬いと、歯茎が必要以上に強い力で磨かれて、だんだんすり減ってしまう。また幅が広いと、歯周病の原因となるプラーク(歯垢(しこう))がたまりやすい歯と歯茎の間に毛先を当てにくく、奥歯も磨きにくい。

 注意がいるのは、歯と歯のすき間が広くて磨きにくい奥歯だ。ここは毛先の角の部分を歯のすき間に埋め込むようにすると効率がよいという。「消しゴムで字を消すのに、角を使うと力が小さくて済むのと同じ感覚です。毛先を歯のすき間に埋めたら、大きく動かさなくても、そのまま毛先を小刻みに震わせる程度で磨けます」

 また同じように磨きにくい前歯の裏側は、歯ブラシを縦にすると毛先が当たりやすい。こうして1本ずつ順番に磨くように歯ブラシをかければ、磨き残しが少なくて済むという。=つづく

喫煙が環境面で最大の危険因子 歯周病/3 あなたの処方せん/36

2010年11月24日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/36 歯周病/3 喫煙が環境面で最大の危険因子

 歯周病には、生活習慣やストレスなどの環境も影響することが知られている。中でも最大の危険因子とされるのが喫煙だ。NPO法人・日本歯周病学会(東京都豊島区)によると、たばこを吸う人が歯周病になるリスクは、吸わない人の2~8倍で、吸う本数が多い程危険も増える。

 同学会禁煙推進委員長の上田雅俊・大阪歯科大教授(歯周病学)によると、喫煙は、歯周病の症状を進行させる面と、早期発見を妨げる面がある。

 たばこに含まれるニコチンや、煙の成分の一酸化炭素には、歯茎内の毛細血管を収縮させたり、酸素の運搬を邪魔する働きがある。そのため、煙を吸うと歯茎や歯を支える歯槽骨に栄養や酸素が行き届かず、炎症を起こしやすくなる。またニコチンは白血球を傷つけるなどして、免疫機能を低下させる。本来歯茎内に存在して、傷ついた組織の修復を助ける線維芽細胞も、ニコチンにさらされると成長を妨げられる。

 また、喫煙による血管の収縮が、歯周病の早期発見をも妨げる。歯周病は自覚しにくいが、歯茎からの出血がそのサインとなる。だが血管の収縮によって出血が抑えられてしまい、気付かない間に重症化することもあるのだ。

 禁煙すると5~10年で歯周病になるリスクは非喫煙者並みに下がる。歯茎の血流は数日~数週間で正常に戻るため、既に歯周病にかかっている場合は一時的に出血したり赤くなることもあるが、炎症そのものの悪化ではない。

 上田教授は「たばこが怖いのは、本人だけでなく、他人のたばこの煙を吸い込む『受動喫煙』で、周囲まで歯周病になるリスクが増大することだ」と警告する。=つづく

菌が体内侵入、多様な病気の引き金に 歯周病/2 あなたの処方せん/35

2010年11月23日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/35 歯周病/2 菌が体内侵入、多様な病気の引き金に

 歯周病が怖いのは、歯が奪われるだけでなく、体のさまざまな場所で病気などの引き金となる点だ。

 歯周病の原因となるプラーク(歯垢(しこう))は、歯と歯茎の間の歯周ポケットに蓄積され、歯周病菌が塊になった「バイオフィルム」という状態で存在している。バイオフィルムは、外部から糖類などの栄養源を取り込んで徐々に大きくなっていく。抗菌薬などへの耐性も強いため、歯磨きなど物理的な方法でないと除去が難しい。

 こうして増えた歯周病菌が、血液や唾液(だえき)などとともに侵入すると、さまざまな悪影響を及ぼす。まず気を付けたいのが、高齢者などに多い「誤嚥(ごえん)性肺炎」だ。唾液に含まれる歯周病菌が気道に入り、感染防御機能が落ちているため感染症を起こしてしまうのだ。

 東京歯科大(千葉市)の奥田克爾(かつじ)名誉教授(微生物学)によると、歯周病菌は就寝中に口から気道へと流れ込むことが多いといい、「寝る前に歯を磨いて、できるだけ口の中を清潔にしておくのが予防のために大事」と指摘する。

 一方、動脈硬化などによって起きる心筋梗塞(こうそく)にも、歯周病菌がかかわっていることが近年わかってきた。奥田名誉教授らは、動脈硬化によって詰まった心臓の周囲の冠状動脈に存在する細菌の遺伝子が、歯周病菌の遺伝子と一致することを発見し、04年に論文発表した。

 また妊娠中の女性にとっては、歯周病が早産や低体重児出産などのリスクともなる。96年に米国の研究者が関連性を初めて報告。その後も同様の報告が相次ぎ、07年には、歯周病菌が早産した妊婦のうち3割の人の羊水中から検出されたとの内容の論文も出ている。

 歯周病菌が早産などを引き起こす仕組みは解明されていないが、血流に乗った歯周病菌が胎盤まで達し、陣痛促進剤にも含まれるプロスタグランジンなどの炎症性物質が作られて、早産につながるのではないかと考えられている。=つづく

自覚症状ないまま進行 歯周病/1 あなたの処方せん/34

2010年11月22日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/34 歯周病/1 自覚症状ないまま進行

 国民の半数以上がかかっているとも言われる歯周病。自覚症状がないまま進行し、最終的に歯が抜けてしまう病気だ。だが日々の手入れで進行を遅らせることは可能。できるだけ長く歯を保つための知恵を紹介する。

 歯周病の原因となるのは、歯周病菌と呼ばれる細菌だが、誰もが口の中に持っており、それだけでは病気にはならない。だが、口の中に食べかすなどが残っていると、そこに細菌が集まって塊となり、「プラーク(歯垢(しこう))」になる。プラークは、きちんと歯磨きをすれば取り除くことができるが、歯と歯茎の間など、磨き残しの部分があると、徐々に蓄積されていく。

 プラークは黄色がかった白色で、歯の色と区別がつきにくい。だが指で触るとぬるっとしている。大阪大医学部付属病院の歯科衛生士、森川友貴さん(30)は「食べ残しと思う人も多いが、8割方は細菌に置き換わっている。食べ物がだんだん腐って生ゴミになるようなもので、口臭のもとにもなる」。

 プラークがたまると歯茎が炎症反応を起こして腫れるため、歯と歯茎のすき間に「歯周ポケット」が形成されていく。これが歯周病への第一歩だ。歯茎の内部で細菌から体を守ろうと白血球が集まってくる。歯磨きの時に歯茎から血が出やすくなるのはこのためだ。

 この状態が長く続くと、プラークがさらにたまってカルシウムやリンなどを蓄えて歯石になり、炎症反応によって歯を支えている歯根膜や歯槽骨などの歯周組織が破壊され始める。さらに進むと、歯周組織の破壊とともに歯周ポケットはさらに深くなり、歯を支えることができなくなる。こうなると末期症状で、最終的に歯が奪われてしまう。(野田武、林田七恵が担当します)=つづく

作業時間管理し、精神的疲労を軽減 パソコン病/4止 あなたの処方せん/33

2010年11月19日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/33 パソコン病/4止 作業時間管理し、精神的疲労を軽減

 厚生労働省の08年の調査では、パソコンなど情報端末機器(VDT)の作業に対し、34・6%の人が精神的疲労やストレスを訴えている。東邦大医療センター大森病院の坪井康次教授(心療内科)は「VDT作業がうつを誘発するのではないが、仕事の内容や環境からうつになりやすいと考えられる」と話す。

 例えばVDT作業者の典型ともいえるシステムエンジニアやプログラマーは、期限に追われて徹夜が続いたり、膨大な量の情報を扱い瞬時の判断が求められるなど大きなストレスがあることが多い。また、長時間の作業で体に不快感が表れても仕事を続けなければならず疲弊し、うつになる人もいるという。また、うつになると、頭痛や肩こり、めまい、疲れやすい、倦怠(けんたい)感などの症状が出る。

 しかし、坪井教授は「VDT作業をしているのだから、そういった症状が出るのも当たり前と思ってしまう人が多いのではないか。それが発見の遅れにつながることもある」と指摘する。何をしても楽しめない、イライラしやすい、寝ても疲れが取れない、食欲がないなどの症状が2週間以上続くようなら専門家に相談した方がよい。

 精神的疲労の軽減について日本大大学院の城内博教授(労働衛生、人間工学)は、上司が時間管理に責任を持つ▽作業にローテーションを導入する▽作業の間に小休止を取る--などの方法を挙げる。

 さらに、VDT症候群(パソコン病)にならないために、城内教授は「1時間に1回はパソコンから離れ、別の仕事をして気分転換すること。パソコン作業時間が1日5時間を超えるのは週2日以下であるようにすることが望ましい。また、適正な姿勢での作業は心身の疲れを減らすことができるので見直してほしい」と話す。

 厚労省は02年、「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/04/h0405-4.html)を作成。作業者の心身の負担を軽減する方法を示している。=おわり(藤野基文が担当しました。22日からは「歯周病」です)

放置すれば「頸肩腕症候群」になることも パソコン病/3 あなたの処方せん/32

2010年11月18日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/32 パソコン病/3 放置すれば「頸肩腕症候群」になることも

 パソコンなどの情報端末機器(VDT)を使う作業は注意、集中して行うため、首(頸部(けいぶ))や肩、腰に力を入れた姿勢で長時間仕事を続けてしまう。そのため、筋肉が過度に緊張した状態が持続し、こりや痛みを引き起こす。放っておくと、頸肩腕(けいけんわん)症候群になることもある。

 新小岩わたなべクリニックの渡辺靖之院長(神経内科)によると、頸肩腕症候群は、VDT症候群(パソコン病)の基本となるものだ。首と肩に特に強い痛みが出て、腕から全身にかけてこりや痛みが生じる。腕や手先にしびれがあり、疲れやすく、倦怠感(けんたいかん)も伴うという。

 瞬発力が低下するため、握力と背筋力の低下が目立つ。男性は握力が35キロ以下(標準値40~45キロ)、背筋力が90キロ以下(同110~130キロ)になったら要注意だ。女性も握力が20キロ以下(同25~30キロ)、背筋力が40キロ以下(同70~80キロ)になったら、男性と同様に気を付けないといけない。

 こりや痛みのある場所をマッサージしたり、湿布を張っても、一時的な効果しかなく、回復するまで、とにかく休むしかない。血行をよくするための軽いストレッチはいいが、激しい運動は逆効果になることがある。

 通常の精神的、肉体的な疲労とは違う神経疲労のため、なかなか気づきにくいのも問題として指摘されている。

 渡辺院長は「神経を休めることが大事。重症化するとなかなか治らないので、疲れをためず、1週間単位で解消することを心がけるといい。休みの日にゴロゴロするとか、睡眠時間を30分~1時間長くするだけでも大分違うので、ぜひ実践してみてほしい」と話す。=つづく

がん中心に重点投資 医療分野成長へ政府会議

2010年12月1日 提供:共同通信社

 政府の新成長戦略の柱の一つである医療分野での取り組みを話し合う「医療イノベーション会議」(議長・仙谷由人官房長官)の第1回会合が30日開かれ、当面はがん分野を中心に重点的な予算配分をする方針を確認した。

 医薬品や医療機器の臨床研究をする全国的なネットワークの立ち上げなど、研究機関が協調する体制整備に取り組むことも決めた。これらを通じて日本発の技術の実用化や、海外に比べて日本への導入に時間がかかるドラッグ・ラグやデバイス・ラグの解消を図る。

 近く内閣官房に担当室を設置し、産官学から人を集めて取り組む。

突発性難聴 特殊ゼラチンを使用、新療法 京大病院

2010年12月1日 提供:毎日新聞社

突発性難聴:特殊ゼラチンを使用、新療法--京大病院

 京都大病院の中川隆之講師(耳鼻咽喉(いんこう)科・頭頸(とうけい)部外科)らの研究グループが、特殊なゼラチンシートを使った治療が突発性難聴患者の治療に効果的であることを臨床試験で確かめ、医学専門誌「BMCメディシン」に発表した。

 突発性難聴の治療法はステロイドの全身投与が一般的だが、約20%の患者には全く効果がない。そこでグループは、死にそうな内耳の聴覚細胞を生きながらえさせる特殊な成分をゼラチンシートにしみ込ませ、内耳と中耳の境界に張り付ける臨床試験を、25症例について実施した。

 その結果、投与12週後には12例、24週後には14例が厚生労働省基準で「回復」とされる域にまで聴力が改善し、うち1例では聴覚がほぼ正常に戻った。ただし、改善したのは発症後26日以内の症例に限られていた。【広瀬登】

HIV検査減少に歯止め 感染は増加傾向続く

2010年11月30日 提供:共同通信社

 厚生労働省のエイズ動向委員会は29日、エイズウイルス(HIV)感染の有無を調べるため自治体が行った抗体検査は7~9月は3万4184件で、4~6月(3万1691件)と前年同期(3万2898件)をいずれも上回ったと発表した。

 新型インフルエンザが流行した昨年4~6月以降、前年同期より下回る状態が続いていたが、ようやく持ち直した。ただ一昨年同期の4万3741件には及ばなかった。

 新たに報告された感染者は257人、感染に気付かないままエイズを発症した患者は111人。いずれも4~6月より減ったが前年同期よりは多く、増加傾向は変わらないとしている。

 母子感染は4年ぶりに報告された4~6月に続き、1件報告された。委員会は「事前に適切な感染防御対策を講じることで、感染率を1%以下にすることが可能だ」として、妊婦らに十分知らせることが必要と強調している。

外国人歯科医の制限撤廃 都市部で開業も 在留資格を改正

2010年11月30日 提供:共同通信社

 法務省は30日、在留に関する省令を改正、日本の歯科医、看護師、助産師・保健師の国家資格を持つ外国人の就労年数や活動地域の制限を撤廃した。

 法務省は、少子高齢化が進む中で医療関係の人材を確保するには、専門技術を持つ外国人を幅広く受け入れる必要があると判断。永住資格を持たない外国人の看護師や保健師が国内の医療機関で働き続けられるほか、歯科医は都市部での開業や民間診療所勤務といった道も開かれた。

 これまでの省令では、「医療」の資格で働く外国人の就労年数は、歯科医が免許取得後6年、看護師が7年、助産師・保健師が4年と規定。さらに歯科医には(1)大学病院などでの研修による就労(2)法相が定めたへき地に限り制限年数を超えた就労が可能-という制限もあった。

 制限撤廃は3月に政府が策定した「第4次出入国管理基本計画」で検討項目になっていた。同じ「医療」の在留資格の医師は2006年に6年の制限を撤廃した。

 医師を含む「医療」資格の外国人登録者は00年は95人で、02年には114人、09年は220人と微増傾向にある。

C型肝炎患者へ生体肝移植手術、遺伝子と治療効果関係 判明

2010年11月30日 提供:読売新聞

九大グループ 学術誌掲載

 生体肝移植手術を受けたC型肝炎患者に、特定の塩基配列を持つ遺伝子があると、C型肝炎ウイルスを消滅させる薬剤を投与しても効果がないことが、九州大第2外科の前原喜彦教授らのグループの研究で分かった。

 この型の遺伝子が提供者にあると、効果は20%、双方になければ、半数以上でウイルスが消滅した。移植分野を担当した調憲(しらべけん)・診療准教授は「複数の提供者がいる場合、条件のより良い提供者を選ぶこともできる」としている。

 グループによると、生体肝移植手術での提供者に着目、遺伝子と治療効果の関係を明らかにしたのは世界初という。研究成果は、米国の学術誌「Gastroenterology(胃腸病学)」に掲載された。

 移植手術を受けたC型肝炎患者の体内では、手術後にウイルスが急増する。拒絶反応を抑える免疫抑制剤を使用するためで、インターフェロン2Bと抗ウイルス薬「リバビリン」を投与するのが一般的だが、ウイルスが消滅しない事例もあった。その場合、ほかの種類のインターフェロンを投与していくが、患者の負担も大きかった。

 グループは、九州大で実施したC型肝炎患者への生体肝移植のうち、2薬剤の効果の有無が判別できた77例(半年後に消滅は41例)に着目。患者と提供者双方の遺伝子を精査し、特定の塩基配列を持つ遺伝子と治療効果との関係を調べた。

 その結果、薬剤の効果を阻害する遺伝子の型が2種類あり、患者にどちらかの型があればウイルスが減らなかった。患者にはなくても提供者にどちらかの遺伝子の型があった場合、薬剤の効果があったのは20%、双方にない場合は53%だった。

 グループは「遺伝子チェックで、効果的に薬剤投与ができる。研究が進展すれば、肝炎や肝硬変が発症する仕組みが分かるかもしれない」と期待している。

新型は"09年型"へ 来年春に季節性に移行か

2010年11月30日 提供:共同通信社

 昨年発生し世界的に流行した新型インフルエンザの名称が「インフルエンザ(H1N1)2009」となる見通しとなった。厚生労働省の専門家会議が29日に大筋合意した政府の行動計画改定案に盛り込まれた。

 患者が報告され始めた場所や豚由来のウイルスだったことには触れず、世界保健機関(WHO)による呼称にならい、流行が始まった「09年」を名前に取った。

 厚労省は今季、新型インフルエンザが季節性インフルエンザと大きく異なった流行をしなければ、来年3月末をめどに季節性としての扱いに移行する方針。季節性には1968年に流行が始まった「A香港型」(H3N2)や77年の「Aソ連型」(H1N1)と、地名を含む呼び名がついたものがある。

返答に窮す…ショックだ 山梨・甲状腺がん治療日記/1

2010年11月29日 提供:毎日新聞社

甲状腺がん治療日記:/1 返答に窮す…ショックだ /山梨

 ◇医師「治るからこそ告知」

 「悪性だね」--。中央市の山梨大医学部付属病院で今月15日、医師が、パソコンで患部の画像を示しながら淡々と告知した。31歳でのがん宣告。「仕事休むのか」「金かかるな」。脳裏にさまざまな思いが巡る中、紹介状を手にそのまま、甲州市立勝沼病院を訪ね、来月2日に切除手術を受けることが決まった。告知から治療まで、記者の体験を余すことなく伝えたい。【中西啓介】

 甲状腺は、首の気管の正面にチョウの羽のように広がる内分泌腺。新陳代謝に関係するホルモンや、カルシウム量を調節するホルモンを分泌する。

 31歳の誕生日を迎えた先月27日は、会社の健康診断の日でもあった。のど仏の下部を両手で触れた男性医師が「甲状腺の右側に腫瘤(しゅりゅう)がありますね」と指摘したのだ。さらに「体を元気にしたりするホルモンを出す臓器ですから、すぐに専門の先生に診てもらってください」と勧めた。

 がんや腫瘍(しゅよう)といえばもっと年を取ってからの話だと思っていたが、慌てて今月1日、甲府市下石田2のさいとう内科クリニックを受診した。

 甲状腺の状態は超音波検査、いわゆるエコーで調べるのが一般的だ。ゼリーを付けた器具を首に押し当て、画面に映し出される白黒の画像を調べる。

 「大きい腫瘤ですね」とクリニックの医師。甲状腺腫瘍の種類や、問題がない良性腫瘍、治療が必要ながんがあることなどの説明を受けた。診断結果は「エコーだけでは判断が付かない。良性か悪性かを判断するため、直接針を刺して細胞を取って調べる必要があります」。山梨大医学部付属病院への紹介状を書いてもらった。

 翌日、同大病院で細胞を取る検査をした。結果が出るのは2週間後。長く思えた。

 「がんかもしれない」という不安を頭の片隅に抱きながら過ごす時間は、一種独特なものだった。「死ぬのかも」という直接的な怖さより、入院や手術について考えると、これからやりたいことがたくさん思い浮かび、同時に「やり遂げられるのか」という不安が頭をよぎる。

 結果が知らされる15日、同大病院の診察室に入った。男性医師から「悪性だね。甲状腺の乳頭がんです」と告げられた。心の隅で腹はくくっていたつもりだったが、一瞬返答に窮した。ショックだ。「甲状腺がんは適切に治療すれば治るがんです。だから、告知するのです」と医師は続けた。

 がんの切除手術のため、同大病院と甲州市立勝沼病院を紹介してくれた。「勝沼病院の院長は経験豊富ですし、入院時期などの融通も利きます」という医師のアドバイスがあり、勝沼病院を選んだ。記者として1年半担当したことがある勝沼という町への愛着も、決断の決め手だった。

 「人に心配はかけたくないな」。紹介状を手に診察室を出ると、そんな考えが真っ先に頭に浮かんだ。結果を待つ彼女に「がんでした。ガーン!」とメールを打ちながら、両親に知らせるのは気が重かった。=つづく

つめが混濁、ぼろぼろに 水虫の原因菌検出を つめ白癬 「身近な病気、気になる検査」5回続きの(2)

2010年11月29日 提供:共同通信社

 つめが分厚くなり、白色や黄色に濁ったら要注意。つめにできる水虫「つめ白癬(はくせん)」かもしれない。原因は足の水虫と同じ白癬菌。水虫歴の長い人ほどかかるケースが目立つ。痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんど無いが、放置すれば、もろくなったつめがぼろぼろと欠けてしまう。足のつめが多いが、手のつめに起こることもある。

 「つめ白癬は高齢者に多く、年齢のせいでつめが変形したと勘違いしている人もいる。自然に治ることはなく、欠けたつめが落ちると家中に白癬菌をばらまくことになる」と帝京大医学部皮膚科の渡辺晋一(わたなべ・しんいち)教授。

 つめの中で生き続ける白癬菌は、バスマットやスリッパなどを介して家族に水虫をうつす。足の水虫を治しても、白癬菌の貯蔵庫ともいえるつめ白癬がある限り、家族や他人への感染源となる。

 「見た目に分かりやすいつめ白癬だが、似た症状で別の疾患もある。診断では、混濁したつめの一部をメスで削り取り、顕微鏡で白癬菌を検出することが必須だ。つめの外見だけで診断すると誤診の危険性がある」と渡辺さんは解説する。

 つめを削り取る際に痛みはなく、顕微鏡による観察は30分程度で済む。費用は3割負担で600円程度だ。

 治療には抗真菌剤を内服する。塗り薬では、つめの中に入り込んだ白癬菌まで成分が届かない。内服薬は2種類あり、それぞれ飲み方が異なる。1日1回、半年間飲み続ける方法と、1日2回ずつ1週間飲んで3週間休むサイクルを3回繰り返すパルス療法。

 1日1回のタイプは、パルス療法と比べて胃の不快感や下痢などの副作用が多い。一方、飲み合わせると、いずれかの薬の効き目が弱くなったり強くなったりする「薬物相互作用」を起こす薬の数は、パルス療法より少ない。薬代は1日1回タイプの方が安い。

 渡辺さんは「2種類の薬のどちらを選ぶかは医師と相談して決めることになる。服用中の薬があれば医師に伝えてほしい」と話している。

 【メモ】足のつめは完全に生え替わるまでに1年程度かかるが、薬の有効成分はつめの中にとどまるため、服用期間はそれより短くて済む。服用後は根元から伸びてきた新しいつめが、混濁した部分を徐々に押し出し、正常なつめに戻っていくことが実感できる。

かすみ、二重…9割は加齢が原因 白内障/1 あなたの処方せん/39

2010年11月29日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/39 白内障/1 かすみ、二重…9割は加齢が原因

 埼玉県加須市の教諭、須藤和久さん(57)は少年時代に右目を失明し、左目を頼りに生活してきた。その目がかすみ始めたのは約3年前。眼鏡をかけた視力は1・2から0・3に落ち、やがて手元の教科書の文字が二重に見えるようになった。

 定期健診で白内障の疑いを指摘され、同市内の「あだち眼科」で加齢性白内障と診断された。生活に支障も出ており、足立和孝院長(52)は人工の眼内レンズと取り換える手術を勧めた。須藤さんは「このままでは全盲になる」と決心し、今年8月に手術を受けた。

 翌日。眼帯を取ると、かすみが取れ、視力は裸眼で1・2まで回復していた。「見えにくかったころはイラつきがちでしたが、心に余裕ができました。もっと早く手術すればよかった」

 白内障は目の中でレンズの役割をしている水晶体が白く濁ってしまう病気だ。臨床経験が豊富な大鹿哲郎・筑波大大学院教授(50)=眼科学=によると、メカニズムはまだ解明されていないが、濁りの原因は水晶体の主な成分であるたんぱく質の質が変化するためとみられている。症状は主に、視界に霧がかかったように見える▽光をまぶしく感じるようになる▽視力が落ちる▽物が二重に見える--などだ。

 原因の9割以上が老化で、80代ではほとんどの人に水晶体の濁りがあるという。そのほかにも、糖尿病やアトピー性皮膚炎の合併症として発症したり、外傷により起きることもある。

 高齢で症状が進むと、抑うつ状態になったり、認知機能が落ちる人もいる。大鹿教授は「手術で見えるようになると、顔つきが明るくなり、認知機能が上がることもあります」と話す。(遠藤和行が担当します)=つづく

不妊に関与の遺伝子特定 マウスで、初期の妊娠維持 東大、人で調査へ

2010年11月29日 提供:共同通信社

 着床した受精卵が育つように子宮を適切な状態にし、初期の妊娠維持に重要な役割を果たす遺伝子を宮崎徹(みやざき・とおる)東京大教授(疾患生命科学)らが27日までにマウスで特定した。実験では、この遺伝子が機能しないと受精卵は育たなかった。

 人間も同様の遺伝子を持っており、妊娠の仕組みも似ている。研究チームは、不妊治療を受ける女性から血液などの提供を受け、この遺伝子に異常がないか調べるため、近く東大医学部の倫理委員会に申請する。

 カップルの約1割は不妊とされ、専門家によって見解は分かれるが、1~3割は検査でも原因が判明しない不妊とされる。特に受精卵が着床してから胎盤ができるまでの経過は「ブラックボックス」(不妊治療の専門家)で、詳しい仕組みが分かっていない。

 宮崎教授は「現在の不妊治療は精子や卵子、排卵などの問題を主な対象にしているが、着床後の子宮内の環境も非常に重要だ」と指摘。この遺伝子が不妊の新たな仕組み解明や診断の手掛かり、治療の標的になる可能性があるとしている。

 教授らによると、マウスの場合、受精卵が子宮に着床すると、子宮の内膜が肥大化して「脱落膜」となる。やがて胎盤ができると血管を介して母胎から栄養が送られるが、胎盤が形成されるまでは、この脱落膜が受精卵を包み込み、直接栄養を与える。

 研究では、雌のマウスで、「DEDD」という遺伝子を働かなくしたところ、受精卵が着床しても脱落膜が十分にできず、受精卵は胎盤が機能し始める前に死んだという。雄でこの遺伝子を働かなくしても、雌が正常だと無事出産できた。

酵素抑え1型糖尿病改善 膵臓の細胞破壊抑える

2010年11月29日 提供:共同通信社

 体内にあるT細胞に含まれる酵素の働きを抑えて、1型糖尿病を改善させることに徳島大大学院の林良夫(はやし・よしお)教授らのグループがマウスで28日までに成功した。

 1型糖尿病は小児や若年期に発病することが多く、T細胞などが、インスリンを出す膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島を攻撃、破壊し、インスリンが不足して起きる。

 グループは、T細胞では、タンパク質分解酵素の「カテプシンL」の活動が盛んなことを確認。

 1型糖尿病のマウスにカテプシンLの働きを抑える阻害剤を投与したところ、攻撃のために使われる別の酵素を作るのに必要な物質ができなかった。その結果、攻撃が抑えられ、血糖値は3分の1、尿糖値はほぼゼロまで改善した。

 また、特定の遺伝子の発現を抑えるRNA干渉法でカテプシンLを抑制したところ、同様の結果が得られた。

 林教授は「効果的な治療法がない1型糖尿病の患者にとって朗報。阻害剤は一般に販売されていない特別なもの。薬剤の開発につなげたい」としている。成果は米科学誌プロスワン電子版に掲載された。

小腸幹細胞に"相方"必須 機能維持に

2010年11月29日 提供:共同通信社

 小腸の粘膜表面を覆う「腸管上皮細胞」のもととなる幹細胞には、機能を維持するためにパートナーの細胞の存在が欠かせないとの研究結果を、オランダ・ユブレヒト研究所の佐藤俊朗(さとう・としろう)研究員らが28日付英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。

 佐藤さんは「炎症性腸疾患や薬によって傷ついた粘膜の治療などへの応用が期待できる」と話している。

 幹細胞は粘膜の奥深くに存在しており、佐藤さんらは幹細胞に常にくっついている「パネート細胞」に注目。この細胞が分泌する3種類のタンパク質が、幹細胞の増殖を制御していることを突き止めた。うち1種類の分泌を止めると、幹細胞は生存できなかった。

 培養皿で幹細胞とパネート細胞をくっつけて培養すると、体内の腸管上皮細胞と同じような立体構造を形成。遺伝子操作でパネート細胞の数を減らしたマウスは、腸管の幹細胞の数も減少した。

 パネート細胞は幹細胞が分化してできたもので、幹細胞が"子孫"の細胞に養われていることが明らかになった。

受動喫煙で60万人が死亡 うち16万人が5歳未満 WHOが初の推計

2010年11月29日 提供:共同通信社

 他人のたばこの煙を周囲の人が吸い込む受動喫煙による死亡者数は、世界全体で毎年60万人に達するとの推計を、世界保健機関(WHO)の研究チームが27日までに、英医学誌ランセットに発表した。うち16万5千人を5歳未満の子どもが占めるとみている。

 受動喫煙による世界的な死亡者数の推計は初めて。チームはたばこ価格の引き上げや広告の禁止など、国連のたばこ規制枠組み条約に基づく法規制の強化を訴えている。

 チームは192カ国のデータを分析し、15歳未満の子どもの40%、非喫煙女性の35%、非喫煙男性の33%が受動喫煙にさらされていると想定。これが心臓病やぜんそく、呼吸器感染症、肺がんなどを引き起こし、全死亡の1%に当たる60万3千人が2004年に亡くなったと推計した。

 特にアフリカや南アジアなどの発展途上国で、子どもの健康に及ぼす影響が大きかった。WHOはこれまで、たばこが原因で死亡する喫煙者は年間510万人と推計しており、受動喫煙を加えると570万人の死亡原因になっているとチームは結論付けた。

新型インフル「せき先行」は肺炎の危険信号

2010年11月29日 提供:読売新聞

 新型インフルエンザで肺炎に至る小児患者は、発熱よりせきが先に出る場合が多いとの調査結果を、大阪医科大の河上千尋助教(小児科)らが27日、仙台市での日本小児感染症学会で発表した。

 肺炎の兆候の早期発見につながる可能性がある。

 調査は、昨年秋ごろに同大病院を受診した小児患者が対象。「38度以上の発熱より12時間以上前にせきが出始めた」という人が、肺炎を起こして入院した小児患者では13人中10人(77%)に上った。軽症患者では112人中10人(9%)にとどまった。

 季節性インフルエンザは通常、発熱後にせき症状が出る。新型の場合は、ウイルスが感染初期から肺の奥に侵入しやすいため、せきが先行すると考えられるという。

BPA使用の哺乳瓶禁止 EU、11年から

2010年11月26日 提供:共同通信社

 【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)は25日、化学物質のビスフェノールA(BPA)を含有する哺乳(ほにゅう)瓶を2011年半ばからEU全域で禁止すると発表した。

 BPAはプラスチック製の食品用容器などに使用されているが、ごくわずかな量でも体内に入ると、妊婦や胎児、乳幼児の健康に悪影響を及ぼすとの懸念が指摘されている。カナダは10月に、世界で初めてBPAを有毒な化学物質と認定した。

 ダリ欧州委員(保健・消費者保護担当)は「欧州の親たちは、11年半ば以降は哺乳瓶にはBPAが含有されていないと確信できる」との声明を発表した。

 EUの決定を受け、加盟全27カ国は来年3月1日から、BPAを使用した哺乳瓶の生産を禁止、6月1日からはEU全域での販売、域内への輸入が禁止される。

 同様の禁止はカナダのほか、オーストラリア、米国の一部の州で実施されているという。

「ヘビ怖がるのは本能」京大発表、3歳児も反応

2010年11月27日 提供:読売新聞

 「人がヘビを怖がるのは本能」とする研究結果を京都大学の正高信男教授らが発表した。

 ヘビによる恐怖体験がない3歳児でも、大人と同じようにヘビに敏感に反応し攻撃姿勢を見分けられることを示した。

 研究チームは3歳児20人を対象に、「8枚の花と1枚のヘビ」の写真からヘビを選ぶ場合と、「8枚のヘビと1枚の花」の写真から花を選ぶ場合で、反応する速さを比較した。ヘビを選ぶ時間は花を選ぶののほぼ半分の2・5-3秒だった。ヘビの中でも、とぐろを巻いて攻撃姿勢を取る写真への反応時間が短かった。

 4歳児34人、大人20人の実験でも同じ傾向が示され年齢による変化はなかった。ムカデやゴムホースの写真を使った場合、花との違いがなく、細長いものや気持ち悪いものに反応しているわけではないという。

 世界中でヘビを恐れない文化はなく、本能なのか学習なのかの論争が19世紀から続いてきた。正高教授は「経験で恐怖感が身につくのなら年齢によって反応が変わるはず。今回の結果はヘビへの恐怖が本能であることを示す」と話している。

除菌治療で胃がん予防を 感染の有無、30分で判明 ピロリ菌 「身近な病気、気になる検査」5回続きの(1)

2010年11月26日 提供:共同通信社

 感染しているのに気が付かない。症状があるのに「体質だから」と思い込み-。その間に、病気はわたしたちの体をむしばんでいく。どうしたら早期に発見し治療できるのか。五つの身近な病気について検査法などを紹介する。

 胃潰瘍(かいよう)や十二指腸潰瘍の原因となり、胃がんの発症とも関係するとされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)。主に口から感染し、胃の粘膜に好んですみつく細菌だ。多くの場合、5歳ぐらいまでに感染し、国内には高齢者を中心に5千万~6千万人の感染者がいると推定されている。

 「ピロリ菌は長い年月をかけて胃に炎症を起こし、関係する病気の発症率を高めていく。現在、胃に異常がない人も除菌治療を受け、発症のリスクを下げることが大切だ」と北海道大病院光学医療診療部の加藤元嗣(かとう・もとつぐ)診療教授は指摘する。

 加藤さんも加わった研究で、早期の胃がんを内視鏡で切除した患者に除菌治療を施すと、除菌しない人に比べて胃がんの再発率が約3分の1に低下することが判明している。また、健康なうちに除菌をした人はしない人に比べ、将来、胃潰瘍を発症する確率が約10分の1に激減するという。

 検査は、内視鏡で胃粘膜を採取して調べる方法や、吐いた息の成分を分析する「尿素呼気試験法」が一般的。特に呼気試験は簡便で精度も高い。

 手順は(1)検査容器に息を吐く(2)試薬(錠剤)を飲む(3)約20分間、安静にする(4)もう一回検査容器に息を吐く-で終了。呼気の分析装置を備えた病院なら開始から結果が出るまで約30分で済む。

 病気の予防が目的の場合、検査に医療保険は適用されず、費用は病院によって異なる。北海道大病院では呼気試験に約1万5千円かかる。

 除菌治療は1日2回、抗生物質など3種類の錠剤を7日間飲み続ける。通院の必要はない。除菌の成功率は70~80%程度。失敗したら薬を一部変更して除菌を再開する。2回目までに成功する確率は95%を超える。

 日本ヘリコバクター学会は2009年、感染者全員に除菌を強く推奨する指針を打ち出した。加藤さんは「症状が無いのに感染検査や除菌治療を受けることに抵抗を感じる人もいるだろうが、胃がんの発生を抑制できる効果は大きい。感染の有無だけでも調べてほしい」と呼び掛けている。

 【メモ】感染は家庭内が中心。ピロリ菌感染者の親が乳幼児に食べ物をかみ与え、うつすケースが多いとみられる。大人になって感染することはまずない。衛生状態の悪い戦後の時期に生まれ育った60代以上の感染率は80%を超えるが、20代では10%程度とみられる。

歯間ブラシやフロスを使って 歯周病/5止 あなたの処方せん/38

2010年11月26日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/38 歯周病/5止 歯間ブラシやフロスを使って

 歯周病の進行を防ぐには、口の中を常に清潔にしておくことが重要だ。そのためには日々の手入れが欠かせない。前回に引き続き、大阪大医学部付属病院の歯科衛生士、森川友貴さん(30)に教わったポイントをまとめた。

 前回は歯ブラシの選び方や、歯磨きのコツを紹介した。磨き残しがあるかどうかは、舌で歯を触ってみると分かる。「歯の表面は、ガラスのようにつるつるしているのが本来の姿。舌で触ってざらざらしているのは、汚れている証拠です」

 だが、どれだけ歯磨きを徹底しても、取ることのできる口の中の汚れは60~70%と言われる。これを補うのが歯間ブラシだ。歯と歯のすき間の大きさに合わせて、さまざまな太さのものがあり、いずれも薬局やドラッグストアで購入できる。

 また、歯の表面に付いた汚れをふき取る「フロス」という糸状の道具もある。歯間ブラシが入らないような、狭いすき間でも使うことができ、「歯と歯茎の間に糸を当てて汚れを取ることを意識して」とアドバイスする。

 さまざまな道具で歯や歯茎に付いたプラーク(歯垢(しこう))を取ることで、歯周病の進行は防げる。さらに森川さんは「半年から1年に1度ほど、歯科で歯の清掃を受けてほしい」と勧める。歯痛でもないのに歯科に行くのは抵抗があるかもしれないが、「歯の掃除をしてほしいと頼んでもらえれば。磨き残しの部分も指摘してもらえる」と話している。=おわり(野田武、林田七恵が担当しました。29日からは「白内障」です)

胎児仮死や子宮破裂も…陣痛促進剤で注意喚起

2010年11月27日 提供:読売新聞

 出産事故で脳性まひとなった子どもに補償金を支給する「産科医療補償制度」で、事故原因の分析がまとまった支給対象14件のうち、陣痛促進剤の使用法や量が学会の指針を逸脱していた例が5件に上ることがわかった。

 日本産婦人科医会は、近く全国の産科医に注意を呼びかける。同制度は2009年1月に始まった。医療側の過失の有無にかかわらず総額3000万円が支給される。支給対象のケースは専門家が個々に原因を分析し、報告書にまとめる。

 今年10月までに支給が決まった86件中、報告書がまとまったのは14件。5件は、同会と日本産科婦人科学会の指針に照らし、陣痛促進剤の使用量が多すぎたり、投与間隔が短すぎたりした不適切な使用例だった。

 原因分析にあたった医師によると、薬の不適切な使用が事故の直接的な原因となった事例はないが、日本産婦人科医会は「医療安全の観点から、指針を守ってもらう必要がある」とし、改めて注意喚起すべきだと判断した。陣痛促進剤は強すぎる陣痛を招いて胎児の仮死や子宮破裂などに至ることがあり、不適切な使用が事故につながる恐れが指摘されてきた。

性行為後の緊急避妊薬、承認の意見…厚労省部会

2010年11月27日 提供:読売新聞

 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第1部会は26日、避妊に失敗したときなどに服用し、望まない妊娠の可能性を下げる緊急避妊薬ノルレボ(成分名レボノルゲストレル)について、製造販売を承認しても差し支えないとする意見をまとめた。

 同省は12月上旬まで一般から意見を募り、同下旬の薬事分科会で最終結論を出す予定。

 ノルレボは女性ホルモンの一種である黄体ホルモンの製剤で、医師の処方により性行為後72時間以内に1回服用。排卵の抑制などで妊娠を80%以上抑える効果があり、欧米など48か国で承認されている。国内では製薬会社「そーせい」(本社・東京)が昨年9月に承認申請していた。

 性行為後の避妊薬を巡っては、安易な使用を招き、性感染症も予防できるコンドームの普及を阻むといった慎重論がある。その一方で、女性の心身を深く傷付ける人工妊娠中絶を避けられるようになるとして、医師らが導入を要望していた。

海苔抽出物に「抗腫瘍効果」 崇城大学など確認

2010年11月26日 提供:毎日新聞社

海苔:抽出物に「抗腫瘍効果」 崇城大学など確認

 海苔(のり)製造販売の大森屋(本社・大阪市)は、崇城大学生物生命学部(熊本市)の上岡龍一教授との共同研究において、海苔の抽出物に高い「抗腫瘍(しゅよう)効果」などがあることを細胞と動物を用いた試験で確認。大阪市で9月に開かれた第69回日本癌(がん)学会学術総会で成果を発表した。

 上岡教授は同学部応用生命科学科の所属で、海苔を巡る同社との共同研究は08年にスタート。同社によると、研究では海苔からの「抽出物」をカプセルに包み、細胞レベルでの抗腫瘍効果と、動物レベルでの、免疫を活性化する「免疫賦活(ふかつ)効果」を調べた。その結果、「ヒト乳がん細胞」に対し顕著な「がん細胞増殖抑制効果」がみられ、その効果は「がん細胞の死滅の誘導」を示唆。マウスの自然免疫機能を高める可能性も示されたという。

 同社が独自開発した抽出法による海苔抽出物をマウスに経口投与した試験では、ウイルスや細菌から体を守るため、体内で作られるたんぱく質「インターフェロン」の産生を誘導すると共に、ウイルスや細菌、がん細胞を死滅させる役割を果たす「ナチュラルキラー細胞」を活性化させる傾向がみられたという。

 研究で使われた海苔からの抽出物は大判の海苔80枚分に相当。しかし、この80枚の海苔を摂取したとしても、人はその大半を消化・吸収できないという。このため、同社では抽出法や摂取法の改良を図るなど、研究を一段と深化させる方針だ。

タンパク阻害で糖尿病改善 京都大、マウスで確認

2010年11月26日 提供:共同通信社

 細胞の核にあるタンパク質「TBP-2」の働きを阻害することで、肥満であってもインスリンの分泌が促進され糖尿病が改善することを、京都大の増谷弘(ますたに・ひろし)准教授(分子生物学)らのチームがマウスの実験で突き止め、25日発表した。

 日本人に多い2型糖尿病は肥満に伴って起きることが多く、体内でインスリンが十分に出なかったり作用しなかったりする。増谷准教授は「分子レベルの仕組みを調べ、このタンパク質を働きにくくする薬剤の開発につなげたい」としている。

 チームは、食欲抑制ホルモンができないようにして肥満にしたマウスでは血糖値が大幅に上昇し、糖尿病のような状態になることを確認。

 この肥満マウスと、TBP-2をなくしたマウスを交配させたマウスでは、肥満でありながら、インスリンの分泌量や作用が通常のマウスと同程度まで改善した。

 成果は英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した。

花粉症、来春増える花粉に注意を

2010年11月26日 提供:毎日新聞社

花粉症:来春増える花粉に注意を

 来春は、花粉症の人にとって憂うつな季節になりそうだ。気象情報会社などが発表した、来春のスギ・ヒノキの花粉飛散予測によると、今年より飛散量がかなり多くなりそうだからだ。「日本人の3割が花粉症」とのデータもあり、多くの人が花粉飛散に備える必要があるが、本格的な飛散前の対策がポイントといえそうだ。【永山悦子】

 ◇今年の10倍予想も

 今春のスギ・ヒノキの花粉飛散量は全国的に少なく、花粉症の人には過ごしやすいシーズンだった。ところが、来春は一転して増加するとの予測が出ている。気象情報会社「ウェザーニューズ」は、全国平均で今年の5倍(関東7-8倍、近畿10倍)、日本気象協会も「全国で今春のおよそ2-10倍になる」と予想する。

 花粉飛散予測に詳しい佐橋紀男・東邦大理学部訪問教授(花粉学)は「7月の日照時間が長いと、花芽(かが)がたくさんできる。今年の夏は猛暑だったため花芽が多く、今春の飛散量を上回るのは間違いない」と話す。一方、猛暑が長引いた結果、一部の花芽が枯れるなど成長に遅れが見られるという。「飛散量は、過去10年で最多の05年春より少なく、例年並みかやや多い程度。飛散開始も例年並みかやや遅いのではないか」と分析する。

 ◇発症者増える恐れ

 佐橋さんも参加するNPO花粉情報協会の全国調査によると、スギ・ヒノキの花粉飛散量は過去10年、増加傾向が続く。全国の耳鼻咽喉(いんこう)科医と家族を対象にした調査では、花粉症の人が過去10年で1・5倍の3割に増えた。今井透・東京慈恵会医大柏病院耳鼻咽喉科診療部長は「飛散量が多くなる年には、新たな発症者が増えることが分かっている。これまで症状のない人も、花粉に触れる機会が多ければ発症する恐れがある」と注意を促す。

 ◇黄砂の刺激で症状悪化

 最近は黄砂の影響も指摘される。今年は、5年ぶりに11月に黄砂の飛来が各地で観測された。福井大の研究チームが今年、花粉症患者約150人の日記を分析したところ、黄砂が飛来した日に症状が悪化する傾向が明らかになった。黄砂に含まれる化学物質の刺激が加わって症状が悪化するとみられ、花粉症の人は、黄砂対策も必要になりそうだ。

 ◇初期療法が重要 症状に合った薬選びも

 「鼻アレルギー診療ガイドライン(2009年版)」によると、花粉症対策の大前提は「抗原回避」だ。「抗原」とはアレルギーを起こすもと、つまり「花粉」のことだ。

 さらに花粉症の治療では、症状が出る前やごく軽い時期の「初期療法」が、重症化するかどうかを左右する。初期療法は、花粉飛散の初観測日から本格飛散が始まるまでの間の治療をいい、毎年強い症状が出る花粉症患者に勧められる。完全に症状を止めることは難しいものの、花粉症の症状を起こす炎症の進行を遅らせ、重症化が抑えられるという。

 初観測日は地域によって1-3月と異なり、例年では関東地方など早いところで1月初旬。本格飛散は、関東以西で主に2月中旬から、東北以北で3月以降とされる。

 診療ガイドラインによると、初期療法では抗ヒスタミン剤など5種類の薬のうち一つを服用する。これらには保険が適用される。服用開始時期は、飛散開始予測日か少しでも症状が出た時から飲むものや、予測日の1-2週間前から飲むものなどがある。

 症状に合った薬選びも大切だ。大久保公裕・日本医大教授(耳鼻咽喉科)は「鼻水やくしゃみを抑えるのに適した薬、鼻づまりを起こしにくくする薬など、薬には『得意分野』がある。患者一人一人が、どの症状を改善したいかを正確に医師に伝えることが必要」と話す。

 また、大久保教授らは現在、花粉症の新治療法の臨床試験に、東京都とともに取り組んでいる。スギ花粉エキスを染み込ませた食パンを舌の下に置き、アレルギーの原因物質を取り込んで、症状が出ない体質に改善する「減感作療法」だ。これまでの試験で約7割の症状が改善した。大久保教授は「13年には承認申請が可能だろう」と話す。

 一方、正常な免疫機能や鼻粘膜の状態を保つため、日ごろからストレスや睡眠不足、酒の飲み過ぎを避け、喫煙を控えるなど、生活習慣を見直すことも大切だ。

歯磨きで進行を防ぐ 歯周病/4 あなたの処方せん/37

2010年11月25日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/37 歯周病/4 歯磨きで進行を防ぐ

 歯周病は自覚症状がないまま少しずつ進行し、歯がぐらぐらするなどの症状が出た時には、既に相当悪化した状態だ。しかし症状が出る前でも、歯磨きなどで口の中を常に清潔にすることで、進行を防ぐ、あるいは遅らせることができる。日ごろの心がけ次第で、症状が大きく左右される病気でもあるのだ。大阪大医学部付属病院の歯科衛生士、森川友貴さん(30)に教えてもらった方法を、2回に分けて紹介する。

 まずは歯ブラシの選び方。「毛先が柔らかく、毛の束が3列ほどで幅が狭めのものがお勧め」という。毛先が硬いと、歯茎が必要以上に強い力で磨かれて、だんだんすり減ってしまう。また幅が広いと、歯周病の原因となるプラーク(歯垢(しこう))がたまりやすい歯と歯茎の間に毛先を当てにくく、奥歯も磨きにくい。

 注意がいるのは、歯と歯のすき間が広くて磨きにくい奥歯だ。ここは毛先の角の部分を歯のすき間に埋め込むようにすると効率がよいという。「消しゴムで字を消すのに、角を使うと力が小さくて済むのと同じ感覚です。毛先を歯のすき間に埋めたら、大きく動かさなくても、そのまま毛先を小刻みに震わせる程度で磨けます」

 また同じように磨きにくい前歯の裏側は、歯ブラシを縦にすると毛先が当たりやすい。こうして1本ずつ順番に磨くように歯ブラシをかければ、磨き残しが少なくて済むという。=つづく

過去最高の34・8兆円 08年度の国民医療費

2010年11月25日 提供:共同通信社

 厚生労働省は24日、2008年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が34兆8084億円で、国民1人当たりでは27万2600円と発表した。いずれも過去最高額。

 2年連続の増加。07年度と比べ、全体で6725億円、1人当たりで5400円のいずれも2%増となった。国民所得比は国民所得の減少もあり、07年度に比べ0・88ポイント増の9・9%。

 厚労省では「高齢化進展と医療技術の向上に伴う増加」と分析、25年度までは2%程度増加するとみている。

 年齢別では65歳以上の医療費は18兆9999億円で全体の54・6%を占めた。08年度は後期高齢者医療制度の初年度だったが、75歳以上の医療費は10兆9711億円と全体の31・5%。

 1人当たり医療費は65歳未満の15万8900円に対し、65歳以上は67万3400円、70歳以上は76万円、75歳以上では83万円で、高齢者は現役世代の約4~5倍。

 医療費を賄う財源の内訳は、患者の自己負担が14・1%で、国と自治体による公費負担が37・1%、保険料が48・8%。07年度とほぼ同じ構成比だが、後期高齢者医療制度の導入に伴う高齢者の負担軽減策などにより国庫負担分が前年度比2・9%増となった。

※国民医療費

 病気やけがの治療で医療機関に支払われた医療費の総額。1954年度分から毎年調査、発表している。経済協力開発機構(OECD)によると、各国で医療費の定義に差があるものの、国内総生産(GDP)に占める医療費の割合(2007年)は、日本は8・1%。先進7カ国(G7)の中で一番高いのは米国で15・7%。ドイツ(10・4%)フランス(11%)なども高い。日本は英国(8・4%)と並んで低い水準だが、増加傾向にある。

(京都)インフルエンザ 今季初の学級閉鎖

2010年11月25日 提供:読売新聞

洛北中

 京都市教委は、市立洛北中(左京区)の2年生の1クラスで欠席した5人がインフルエンザと診断されたため、25日から2日間、学級閉鎖にすると発表した。同市教委、府教委によると、府内で学級閉鎖が実施されるのは今季初めて。

 市教委によると、同中では24日、32人が欠席。うち7人が医療機関でインフルエンザと診断された。そのうち5人が所属するクラスを学級閉鎖とする。

心臓細胞分化に新手法 人工足場で立体的に 物材機構とローマ大

2010年11月25日 提供:毎日新聞社

心臓細胞:分化に新手法 人工足場で立体的に--物材機構とローマ大

 物質・材料研究機構(茨城県つくば市)はローマ大と共同で、心臓になる前の細胞を人工の「足場」に組み込み、立体的な心臓細胞に分化させることに成功したと24日、発表した。現在はネズミを使った実験だが、将来的には、心筋梗塞(こうそく)などヒトの心臓病に対する再生医療に応用できる可能性があるとしている。

 物材機構の国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の主任研究者、エンリコ・トラベルサ博士らは、生体内で分解する有機物「ポリ乳酸」の薄いシート(厚さ0・01ミリ)に正方形の穴を開け、波形に加工して3枚重ね(厚さ約0・1ミリ)にした。凹凸を互い違いに重ねてできたすき間を使って、層状に重なった心臓細胞に分化させられると考えた。

 ネズミの心臓になる前段階の「前駆細胞」と呼ばれる細胞を取り出して増やし、この足場に組み込んだところ、3日間で24%が心臓細胞に分化した。足場を使わない実験では、この割合が17%にとどまった。

 臓器移植以外に治療法がない重い心臓病の患者に、本人の細胞から作った心臓細胞を移植する再生医療研究では、平面(シート状)の細胞を移植する方法も模索されているが、複数回の移植が必要。立体化が実現すれば、1回の移植手術で済むという。【安味伸一】

安全性高いiPS細胞作製 動物由来の材料使わず

2010年11月25日 提供:共同通信社

 動物由来の材料を用いず、組成が明らかな材料だけを使って安全性が高い人工多能性幹細胞(iPS細胞)を培養、作製することに成功したと、東京大の浅島誠(あさしま・まこと)特任教授と長岡技術科学大、医薬基盤研究所のチームが24日、米科学誌プロスワンに発表した。

 培養にはマウスの細胞やウシの血清などを使うのが一般的だが、動物のウイルスなどが混入する恐れがあり、人間の治療や薬の毒性試験などiPS細胞の実用化に向けた課題の一つだった。

 研究チームは、bFGFという細胞増殖因子やヘパリンなど組成が明らかな物質を使い、ヒトの皮膚細胞からiPS細胞を作り、長期間安定して培養することに成功した。このiPS細胞を分析すると、移植した場合に拒絶反応の原因となる恐れがある動物由来のシアル酸も減少していた。

 従来は、培養皿でウシなどの血清を使ってマウスの胎児組織に由来する細胞を増やし、これを下敷きにしてiPS細胞を培養していた。

民主WTが初会合 難病対策の制度設計について検討

2010年11月24日 提供:Japan Medicine(じほう)

 民主党障がい者政策プロジェクトチーム(PT)に設置された難病対策ワーキングチーム(WT、主査=谷博之参院議員)は18日、初会合を開いた。谷主査によると、厚生労働省が2011年度予算の特別枠で要求している「健康長寿のためのライフ・イノベーションプロジェクト」(233億円)のうち、難治性疾患克服研究関連分野(40億円)の確保に向けた議論が交わされたという。WTでは今後、高額療養費制度の見直しも視野に入れ、難病対策の制度設計に取り組む姿勢だ。

  難病を障害の中に含め、障害者政策と足並みをそろえて改革に取り組むべきとの考えから、障がい者政策PTがWTを設置した。初会合では、厚労省の難波吉雄・健康局疾病対策課長と吉田学・保険局保険課長が、難病対策に関する11年度予算の概算要求や、高額療養費制度の検討状況などについて説明した。

  会合終了後、WT事務局長の玉木朝子衆院議員は記者団に対し、難病患者の医療費助成制度である特定疾患治療研究事業に限界が生じているのではないか、との考えを示した。「『特定疾病の中に自分たちも入れてほしい』と多くの患者から要望が出ている中、現状を打開したいとの思いでWTをつくった」と話し、現在の特定疾患を高額療養費制度で扱うことも選択肢の1つとの意見を述べた。

  WT事務局次長の小西洋之参院議員は難病対策に関して「こういう分野こそ憲法の生存権が最も反映されなければならず、安定した制度を持っていないことは極めておかしい」と話した。

高齢者虐待1万5千件 過去最多、32人が死亡 施設も76件、厚労省調査

2010年11月24日 提供:共同通信社

 65歳以上の高齢者に対する家族からの虐待件数は2009年度、4・9%増(前年度比)の1万5615件で、調査を始めた06年度以降で最多となったことが22日、厚生労働省のまとめで分かった。虐待による死者も8人増の32人で、最も多かった06年度に並んだ。

 特別養護老人ホームやグループホームなど施設での職員による虐待も8・6%増の76件で最多。

 相談や通報を受けた自治体が調べ、実際に虐待があったと確認した件数をまとめた。

 厚労省は「実際に起きている虐待の大部分か氷山の一角か、明確には分からない。『虐待は市町村に通報する』という高齢者虐待防止法の趣旨が浸透してきた面もあるのではないか」としている。

 家族や親族、同居人による虐待に関する相談・通報件数は7・9%増の2万3404件で、うち1万5615件の虐待を確認。被害者数は1件で複数の場合もあるため、1万6002人。女性が8割近くを占めた。

 亡くなった32人の理由は「介護者による殺人」17人、「介護放棄(ネグレクト)による致死」6人、「暴行などによる致死」5人など。

 虐待の加害者は「息子」が41%で最も多く、次いで「夫」17・7%、「娘」15・2%。

 内容別(複数回答)では、「身体的虐待」63・5%、暴言など「心理的虐待」38・2%、財産を取り上げるなど「経済的虐待」26・1%、「介護放棄」25・5%の順。

 一方、施設職員による虐待では、408件の相談・通報があり、76件を確認した。

 施設別では「特別養護老人ホーム」30・3%、「グループホーム」22・4%、「老人保健施設」14・5%。内容別(複数回答)は「身体的虐待」69・7%、「心理的虐待」34・2%、「性的虐待」10・5%。

 調査は06年に施行された高齢者虐待防止法に基づくもので4回目。

※高齢者虐待防止法

 65歳以上の高齢者に対する虐待を防止するため、2006年4月に施行された。虐待行為を(1)身体的暴力(2)世話をしないなどの介護放棄(3)暴言を吐くなどの心理的虐待(4)性的虐待(5)財産を勝手に処分する経済的虐待-に分類。生命、身体に危険のある虐待を受けている高齢者を発見した人は市町村に通報する義務がある。市町村は、こうした場合の立ち入り調査や警察への援助要請、高齢者の保護などができる。

エイズ感染者3330万人 09年死者は180万人

2010年11月24日 提供:共同通信社

 【ジュネーブ共同】国連合同エイズ計画(UNAIDS)が23日発表した2010年版の報告書によると、世界のエイズ感染者総数は09年末時点で推計3330万人だった。前年比では10万人減少したが、10年前と比べると700万人以上増加した。

 09年のエイズに関連した死者は180万人、新たな感染者は260万人で、いずれも前年比では減少した。サハラ砂漠以南のアフリカ諸国では治療薬が普及し、延命する患者が増えているが、依然として世界全体のエイズ関連の死者は7割以上をこの地域が占める。女性の感染者も多く、世界全体の女性感染者の約76%に上る。

 また、東欧・中央アジアで09年の新たな感染者のほぼ90%をロシアとウクライナが占めた。汚染した注射針による薬物使用や薬物使用者との性交が主な感染原因。

iPS細胞から血小板 マウスで止血効果

2010年11月24日 提供:共同通信社

 ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から効率よく血小板を作製し、マウスの実験で止血効果があることを確認したと、東京大医科学研究所の江藤浩之(えとう・こうじ)特任准教授(幹細胞生物学)らが22日付米科学誌に発表した。

 江藤さんは「血小板には細胞核がなく、輸血する前に放射線を照射したりフィルターを通すので、iPS細胞を臨床応用する場合に懸念されている腫瘍(しゅよう)化の危険性がない」と話している。

 現在、輸血に使う血小板は献血に頼っているが、将来的には供給源としてiPS細胞の利用が期待できると強調している。

 江藤さんらはヒトの皮膚の線維芽細胞からiPS細胞を作製。数種類の血液細胞増殖因子や栄養細胞を組み合わせて培養し、血小板のもとになる巨核球を作製、血小板もできた。

 iPS細胞から巨核球を効率よく作るには「cMyc」という遺伝子がよく働く必要があり、巨核球から血小板を作る際には逆に、この遺伝子が働かないようにすることが重要という。

 作製した血小板を、レーザーを照射して血管を傷つけたマウスに輸血する実験で、傷ついた部分で血栓ができ、止血効果を確かめた。

※科学誌はJOURNAL OF EXPERIMENTAL MEDICINE

(宮城)「超低体温」肝臓がん手術成功

2010年11月23日 提供:読売新聞

国内初、仙台厚生病院

 右心房まで達した肝臓がんで心臓手術を経験した患者に対し、人工心肺をつないで体温を極めて低温にした手術を、仙台厚生病院(仙台市青葉区)が国内で初めて成功したことがわかった。低体温にして心臓の循環を停止させて行う肝臓がん手術では、世界で4例目とみられる。

 執刀した石山秀一・副院長(消化器外科)によると、手術が行われたのは今月12日。患者は県内の男性(66)で、B型肝炎から肝臓がんになったとみられる。がんの大きさは7センチで、広がった一部が右心房の中に達し、すぐに手術が必要だった。

 しかし、男性は18年前、心臓の冠動脈バイパス手術を受けており、再び胸部を切開する手術は難しかった。このため、開胸せずに手術中の出血も抑える方法として、人工心肺につなぎ、低体温にして心臓の拍動を停止させた上での手術を選んだ。

 拍動停止による臓器へのダメージを防ぐため、体温は24・8度まで下げた。これほどの低体温での肝臓がん手術は世界でも例がないという。手術は9時間かかったが成功。容体は安定し、15日から一般病棟に移ることができたという。

 石山副院長は「難しい手術だったが、心臓血管外科、麻酔科との連携もあって成功した。この方法が確立すれば、心臓の合併症を持つ肝臓がん患者に朗報になる」と話している。

抗生物質で神経細胞成長 損傷回復の仕組み解明

2010年11月22日 提供:共同通信社

 にきびの治療などに使われる抗生物質ミノサイクリンに、神経細胞を長く伸ばし成長させる働きがあるとの研究結果を橋本謙二(はしもと・けんじ)千葉大教授(神経科学)らが20日までにまとめた。

 橋本教授らは、覚せい剤中毒で脳の神経細胞を損傷させたサルにミノサイクリンを投与し、神経の機能を回復させることに成功している。パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患でも、動物実験で改善したとの報告もある。橋本教授は「今回の研究で、なぜ効くかという仕組みの一端が分かった」としている。

 橋本教授らは試験管内の実験で、ラットの神経前駆細胞にミノサイクリンを投与。濃度の高さに応じて、軸索という細長い突起が伸びる細胞が増えた。細胞の中で、遺伝子情報を読みとりタンパク質の合成を始めさせる働きがある分子が増えていた。この分子がないと、ミノサイクリンを投与しても軸索が伸びる細胞は増えなかった。

 ミノサイクリンはこの分子に働きかけて、神経細胞の成長を助けているらしい。

 研究結果は米科学誌プロスワン電子版に発表した。

山中教授に伊バルザン賞 ローマで表彰

2010年11月22日 提供:共同通信社

 【ローマ共同】イタリアとスイスに本部のあるバルザン財団により世界の優れた研究者や人道活動家に与えられる今年のバルザン賞の授与式が19日、ローマのイタリア大統領官邸で行われ、ナポリターノ大統領が山中伸弥(やまなか・しんや)京都大教授(48)ら受賞者4人を表彰した。

 神経や内臓などさまざまな組織に成長できる人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発に世界で初めて成功したことが評価された。山中氏は今年のノーベル医学生理学賞の有力候補にも挙げられた。賞金は100万スイスフラン(約8400万円)。 山中教授は受賞スピーチで「時に幸運な科学者は(科学的)真実を見つけ権威ある賞をもらえるが、そこに至るまで真実追究に向けた積み重ねがあったことを忘れてはならない」と語った。

 同賞はこれまでマザー・テレサや、カーボンナノチューブを発見した飯島澄男(いいじま・すみお)名城大教授らに与えられた。同財団は、イタリアの日刊紙の名記者だった故エウジェニオ・バルザン氏を記念して設立。毎年、自然科学、人文科学分野各2人の計4人に、数年おきに人道、平和に貢献した人に授与される。

 山中氏は神戸大卒。マウス細胞からiPS細胞の作製に成功、2006年に発表した。

「肥満防止薬」実験成功…食事減らさず体重抑制

2010年11月19日 提供:読売新聞

 食事の量を減らさなくても体重の増加を抑える「肥満防止薬」を合成することに、米ジョンズホプキンス大などのチームが成功した。成果は18日付米サイエンス誌に掲載された。

 チームは、人間や動物の中枢神経に作用して強い食欲を引き起こし、肥満をもたらすホルモン「グレリン」に着目。グレリンは特定の酵素の助けが必要なことから、この酵素を邪魔する物質を合成した。

 この物質を注射したマウスと、しないマウスに高脂肪のエサを与えた体重を比較した。食べる量は変わらないのに、注射したマウスの約1か月後の体重増加は10%以内にとどまったのに対し、投与しないマウスは、20%程度体重が増えた。

 合成した物質は食欲を抑えるのではなく、糖などの代謝能力を高めていた。摂取したエネルギーを消費して、体重増を抑えているらしい。

カロリー制限で難聴予防 酵素関与の仕組み解明

2010年11月19日 提供:共同通信社

 摂取カロリーを抑えると、加齢に伴い聴覚が低下する「老人性難聴」になりにくくなり、それには長寿に関係する酵素がかかわっていることをマウスの研究で解明したと、田之倉優(たのくら・まさる)東京大教授(食品科学)らが18日付米科学誌セル電子版に発表した。

 田之倉教授によると、老人性難聴は内耳で音の刺激を電気信号に変換する「有毛細胞」や、それを脳に伝える神経細胞が加齢とともに死滅するのが原因。米国では65歳以上の40%以上が発症、日本でも増えると予想される。教授は「今回の結果は、老人性難聴の予防法や治療薬の開発に役立つ」と話している。

 田之倉教授らは、カロリー制限でマウスの寿命が延びるとの研究報告や、長寿との関係が知られる「Sirt3」という酵素を作る遺伝子に注目。

 生後2カ月のマウスを使った実験で、与える餌のカロリーを25%減らすと10カ月後でも聴覚は正常だったが、この遺伝子を働かなくしたマウスで同様の実験をすると、大きな音しか聞こえなくなっていた。カロリー制限をしない場合は、いずれも大きな音しか聞こえなくなった。

 難聴になったマウスは、有毛細胞や神経細胞が生後2カ月の約25%に減っていた。

 田之倉教授は、カロリー制限によってSirt3が活性化し、聴覚にかかわる細胞が壊れるのを防いでいるとみている。

肥満手術は長期フォローを 対象はBMI35以上

2010年11月19日 提供:共同通信社

 日本肥満症治療学会は18日、重症肥満の人の胃を小さくするなどして体重を減らす外科手術の基本方針を示した声明を発表した。糖尿病や脂質異常症などの疾患の治療を主目的とし、手術後も患者の経過を長期間追跡することが重要だとしている。

 対象は、18~65歳で内科的治療を受けても十分な効果が得られない患者で、減量が主目的の場合は体格指数(BMI。体重を身長の2乗で割った値)が35以上、疾患の治療が目的の場合は32以上とするなどの基準も盛りこんだ。今後は症例を集め、日本人に合った指針としてまとめる。身長170センチの人の場合、体重が約101キロあるとBMIが35になる。

 担当医師は消化器外科の分野で資格認定を持ち、高度肥満症の治療に関する研さんを積んでいることが望ましいとした。医療機関には、栄養や運動の指導などができ、手術5年後に少なくとも75%の患者を追跡できる体制を求めた。

 海外では年間30万件以上の手術が行われているが、日本では1982年から累計で約500例。今後は手術が必要な人が増えると考えられている。

ジアルジア症集団感染か 千葉の会社で28人

2010年11月19日 提供:共同通信社

 千葉県は18日、同県成田市の会社の従業員28人が、腸の粘膜に原虫が寄生し下痢を発症するジアルジア症に集団感染した疑いが強いと発表した。

 県によると、ジアルジア症は東南アジアへの渡航者などにみられる感染症で、集団発生は国内で初めて。

 この会社の従業員43人のうち、20~50代の男女28人が9月10日から今月5日にかけ、激しい下痢などの症状を訴えた。検便した9人のうち4人から、病原体のランブルべん毛虫を検出。いずれも軽症で回復に向かっているという。

バードハウス再開、監視回数減を決定 北海道・鳥インフルエンザ強毒性検出

2010年11月18日 提供:毎日新聞社

鳥インフルエンザ:強毒性検出 バードハウス再開、監視回数減を決定 /北海道

 ◇連絡会議

 稚内市の大沼でカモのふんから強毒性の鳥インフルエンザウイルスが検出された問題で、道や稚内市は17日、関係団体と3回目の連絡会議を開き、監視を週1回程度に減らすことや、閉館していた大沼バードハウスを18日からオープンさせることなどを決めた。

 大沼ではウイルス検出が明らかになった10月26日以来、週に2~3回の監視と週1回のふんの調査をしてきたが、今月4日の調査で「異常なし」との結果が出たため。ただし、湖岸への立ち入り制限などは継続する。大沼では17日朝現在でカモ類が60羽いるが、例年なら11月26日ごろには渡りが終息し、姿が見られなくなるという。【金子栄次】

放置すれば「頸肩腕症候群」になることも パソコン病/3 あなたの処方せん/32

2010年11月18日 提供:毎日新聞社

あなたの処方せん:/32 パソコン病/3 放置すれば「頸肩腕症候群」になることも

 パソコンなどの情報端末機器(VDT)を使う作業は注意、集中して行うため、首(頸部(けいぶ))や肩、腰に力を入れた姿勢で長時間仕事を続けてしまう。そのため、筋肉が過度に緊張した状態が持続し、こりや痛みを引き起こす。放っておくと、頸肩腕(けいけんわん)症候群になることもある。

 新小岩わたなべクリニックの渡辺靖之院長(神経内科)によると、頸肩腕症候群は、VDT症候群(パソコン病)の基本となるものだ。首と肩に特に強い痛みが出て、腕から全身にかけてこりや痛みが生じる。腕や手先にしびれがあり、疲れやすく、倦怠感(けんたいかん)も伴うという。

 瞬発力が低下するため、握力と背筋力の低下が目立つ。男性は握力が35キロ以下(標準値40~45キロ)、背筋力が90キロ以下(同110~130キロ)になったら要注意だ。女性も握力が20キロ以下(同25~30キロ)、背筋力が40キロ以下(同70~80キロ)になったら、男性と同様に気を付けないといけない。

 こりや痛みのある場所をマッサージしたり、湿布を張っても、一時的な効果しかなく、回復するまで、とにかく休むしかない。血行をよくするための軽いストレッチはいいが、激しい運動は逆効果になることがある。

 通常の精神的、肉体的な疲労とは違う神経疲労のため、なかなか気づきにくいのも問題として指摘されている。

 渡辺院長は「神経を休めることが大事。重症化するとなかなか治らないので、疲れをためず、1週間単位で解消することを心がけるといい。休みの日にゴロゴロするとか、睡眠時間を30分~1時間長くするだけでも大分違うので、ぜひ実践してみてほしい」と話す。=つづく

弱視に関与のタンパク発見 大人でも治療可能に?

2010年11月12日 提供:共同通信社

 眼鏡やコンタクトレンズでも物がよく見えない「弱視」が大人で治りにくいのには、成長してから脳でつくられるタンパク質が関係していることを、ヘンシュ貴雄(たかお)・米ハーバード大教授(分子細胞生物学、神経学)らのチームがマウスを使った実験で明らかにし、11日付の米科学誌サイエンスに発表した。大人の弱視治療につながる可能性があるとしている。

 弱視は屈折異常などによる視力の低下とは異なり、目から脳へ像を伝える神経回路の異常が原因で起こる。数%の人が発症するという。視神経の機能が発達段階にある「臨界期」(3~13歳)までに治療すれば改善する可能性もあるが、過ぎてしまうと治療は難しい。

 チームによると、臨界期の後に視神経の機能を安定させる働きを持つとみられる「Lynx1」というタンパク質の作製を抑えると、視神経の"柔軟性"が復活することが分かった。

 チームはマウスの臨界期(生後19~33日)を含め約40日間、片目のまぶたを縫合し、人為的に弱視にした。その後縫合を解いて両目を開いても、普通のマウスの視力は回復しなかったが、遺伝子操作でLynx1を作製できなくしたマウスは、特別な治療なしに視力を取り戻した。

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