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最新医療情報

2010 12 18~12 28

電子たばこで注意喚起 消費者庁、ニコチン再確認

2010年12月28日 提供:共同通信社

 消費者庁は27日、電気の熱で煙のような蒸気を発生させる市販の電子たばこ11銘柄について、蒸気にニコチンが含まれていたとして、過去に購入した人にあらためて注意を呼び掛けた。

 国民生活センターは8月、同様の注意喚起を実施。厚生労働省も業者に販売中止を指導しており、現在11銘柄は販売されていないという。

 消費者庁が電子たばこ11銘柄について、ニコチン含有の有無の検査を厚労省に依頼。実際の使用方法と同様にカートリッジの液体を熱して発生させた蒸気から、全銘柄でニコチンが検出された。

 厚労省によると、ニコチンが含まれている場合、薬事法違反にあたる恐れがあるという。11銘柄中、9銘柄には「ニコチンを含まない」との内容の表示があった。

 11銘柄は「HARLEM Electric Cigarette」、「Health e‐Cigarette」など。

子宮頸がんワクチンで副作用、失神多発

2010年12月28日 提供:読売新聞

 子宮頸(けい)がんワクチンの副作用として、気を失う例の多いことが、厚生労働省の調査でわかった。

 

 接種者の大半が思春期の女子で、このワクチン特有の強い痛みにショックを受け、自律神経のバランスが崩れるのが原因とみられる。転倒して負傷した例もあるという。同省は「痛みを知ったうえで接種を受け、30分程度は医療機関にとどまって様子を見るなど、注意してほしい」と呼びかけている。

 子宮頸がんワクチンは、肩近くの筋肉に注射するため、皮下注射をする他の感染症の予防接種より痛みが強い。昨年12月以降、推計40万人が接種を受けたが、10月末現在の副作用の報告は81人。最も多いのが失神・意識消失の21件で、失神寸前の状態になった例も2件あった。その他は発熱(11件)、注射した部分の痛み(9件)、頭痛(7件)などだった。

妊娠高血圧の治療成功 マウスで、スタチン投与

2010年12月28日 提供:共同通信社

 妊娠中に母体の血圧が異常に上がる妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)のマウスにコレステロール低下薬「スタチン」を投与して治療することに、大阪大(大阪府吹田市)チームが成功し、27日付の米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。

 同症候群は重症になると母子ともに死に至ることもある。大阪大微生物病研究所の伊川正人(いかわ・まさひと)准教授は「治療だけでなく発症を予防する効果もあり、ヒトへの臨床応用につながる重要な成果」としている。

 チームは血管の形成を妨げる遺伝子を胎盤で過剰に働かせ、妊娠高血圧症候群のマウスを作製。胎盤の血管が正常に作られず、胎児に血液をより多く送り出そうとして、妊娠14日目ごろから血圧が上がり始め、妊娠18日目ごろには正常時の約1・2倍に達した。

 だが、血中のコレステロールの量を下げたり血管を丈夫にしたりするとされるスタチンを妊娠7日目ごろから毎日注射すると、出産まで血圧の上昇がほぼなくなった。

 注射したマウスでは、血管の形成を促すタンパク質の量が約2倍に増え、胎盤の血管が増加し、高血圧が抑えられたとみられる。

※妊娠高血圧症候群

 かつては妊娠中毒症とも呼ばれた。妊婦の7~10%にみられ、重症になるとけいれんや脳血管障害、肝機能障害、腎臓の異常などが起きる。妊娠20週以降、分娩(ぶんべん)後12週までに高血圧がみられる場合、または高血圧にタンパク尿を伴う場合などと定義されている。胎盤の形成がうまくいかないことが一因とされるが、はっきりした原因は分かっていない。

エジプトで新型インフルが再流行 1000人以上が感染、56人死亡

2010年12月28日 提供:共同通信社

 [カイロ・ロイター=共同]エジプト保健省当局者は27日、昨年世界中で大流行した新型インフルエンザが10月8日から国内で再び流行し、これまでに1172人が感染、56人が死亡したことを明らかにした。

 エジプトでは昨年6月に新型インフルエンザの感染者が初めて確認され、政府は感染源となった豚の処分や学校の一時閉鎖などの対策を講じた。

 エジプトで新型インフルエンザが流行し始めた結果、感染者の累計は1万6373人、死者は281人となった。

コレラ感染者が105人に ドミニカ共和国、11人が引き続き治療中

2010年12月28日 提供:共同通信社

 [サントドミンゴ新華社=共同]カリブ海ドミニカ共和国のロハス保健相は26日、コレラ感染者が21日に70人報告され、感染者は累計で105人に達したことを明らかにした。

 感染者のうち11人が病院で治療を受けているが、容体は安定しており、そのほかの感染者は既に退院したという。ロハス保健相は25日、感染が報告されているサンフアンデラマグアナ県など南部地方を視察した。

妊娠高血圧症のマウス、遺伝子操作で作成、新薬開発に期待、阪大グループ

2010年12月28日 提供:毎日新聞社

妊娠高血圧症:遺伝子操作でマウス作成 新薬開発に期待--阪大グループ

 妊娠の後期に血圧が上がって生命に危険を与えることもある妊娠高血圧症について、大阪大微生物病研究所の伊川正人准教授(実験動物学)らが、マウスの遺伝子を改変して人為的に発症させることに成功した。妊娠高血圧症は降圧剤などの対症療法しかなく、病気のマウスを使うことで、治療薬の開発や仕組み解明の研究に期待されるという。28日、論文が科学誌の米国科学アカデミー紀要に掲載される。

 妊娠高血圧症の患者は、遺伝子の一種「hsFLT1」が強く働くことが知られる。伊川准教授はこの遺伝子を、受精3日目のマウスの受精卵に組み込んだ。これを母親マウスに戻して妊娠させると、16日目ごろから血圧が上がり、20日目の出産で下がった。

 またこのマウスに高脂血症治療薬のスタチンを発症前に投与すると、血圧上昇を防ぐ効果が確認できた。ただスタチンは胎児が奇形になる恐れがあるとして妊婦の使用は禁じられている。伊川准教授は「スタチンのように発症を抑えられ、妊婦にも使える薬の開発に期待したい」と話している。【野田武】

「金もうけしたかった」 銀座眼科元院長を起訴

2010年12月28日 提供:共同通信社

 東京地検は27日、近視矯正のレーシック手術をした際、衛生管理を怠り患者に感染症を発症させたとして、業務上過失傷害罪で銀座眼科(東京都中央区、閉鎖)の元院長溝口朝雄(みぞぐち・ともお)容疑者(49)を起訴した。捜査関係者によると、溝口被告は「金もうけがしたかった」と供述しているという。

 起訴状によると、溝口被告は2008年9月~09年1月、手術の際、十分な滅菌処理をしていない医療器具を使うなどし、東京都や神奈川県の20~40代の男女5人に治るまで1年以上かかる細菌性角膜炎を発症させた、としている。

 捜査関係者によると、手術回数を多くするため、手術ごとに滅菌処理が必要な医療器具をそのまま使用したり、手袋を装着せずに手術したりしていた。

 銀座眼科のレーシック手術をめぐっては、8都県の患者50人が溝口被告などに計約1億3300万円の損害賠償を求め、東京地裁で係争中。

誤飲トップは「たばこ」 子どもの調査、31年連続

2010年12月28日 提供:共同通信社

 子どもが誤飲したものの中で、2009年度に最も多かったのは「たばこ」の131件(31・2%)だったことが27日、厚生労働省の調査で分かった。

 調査は小児科がある全国7病院の協力で行い、09年度は420件の報告があった。たばこの誤飲は31年連続でトップ。一人で室内を動き回るようになる1歳前後の割合が高いという。「医薬品・医薬部外品」が72件(17・1%)で続いた。

 厚労省は「たばこや灰皿を子どもの手が届くテーブルの上などに放置しないでほしい。空き缶やペットボトルを灰皿代わりにするのも原因」と注意を呼び掛けている。

虐待判別システムを開発 データと照合、確率示す 医師の判断支援、産総研

2010年12月27日 提供:共同通信社

 虐待による子どものけがを見過ごし、虐待が繰り返されて重傷化したり、最悪の場合は死亡する事態を防ごうと、事故と虐待のけがを判別するシステムを産業技術総合研究所などが26日までに開発した。実用化に向け、精度向上を進めている。

 不慮の事故でけがをし、国立成育医療研究センターを受診した子どもの情報約1万件をデータベース化。虐待をした保護者は「事故に遭った」と主張することが多いが、蓄積データと照合し、そのけがが事故で生じる確率を示すことで、医師の判断を支援する狙いだ。

 産総研デジタルヒューマン工学研究センターの北村光司(きたむら・こうじ)研究員によると、データベースには性別や年齢、発達段階、事故やけがの種類、けがの部位、当時の状況などの情報を蓄積。ある子どもがけがで受診した場合、こうした情報を入力するとデータベースと照合し「原因が、不慮の事故である確率」が出る。

 実際に虐待と判断された24件を入力すると、22件は事故の確率は数%~20%程度と低く、虐待の疑いが強いとの結果が出た。ただ50%近くだったケースもあり、精度向上が課題。虐待によるけがの事例も集め、何%なら虐待と判断するかという「基準値」を定めたいとしている。

 医師が虐待を疑った場合、児童相談所へ通告する義務があるが、確証が得られなかったり、親との関係に配慮したりしてためらう場合がある。北村さんは「医師、看護師の経験と勘に依存し、科学的な判断基準がないこともためらう要因だ」と指摘。

 虐待問題に取り組む国立病院機構大阪医療センターの山崎麻美(やまさき・まみ)副院長は「親はまず否認し、裁判になっても別の医師を証人に立てて争うことがある。裁判員裁判もあり、誰の目にも分かる基準は必要だ」と話している。

不妊治療、所得制限は維持 回数増も1年目だけ

2010年12月27日 提供:共同通信社

 体外受精や顕微授精の不妊治療費助成事業について、厚生労働省は24日、給付条件の「夫婦合算で年収730万円未満」の所得制限を維持する方針を決めた。1組の夫婦が1年間に助成を受けられる回数は、現在の2回から1年目だけ3回に増やすが、2年目以降は2回のままとする。

 厚労省は所得制限緩和と年間助成回数の増加を目指し、2011年度予算の概算要求「特別枠」で119億円を要求したが、政策コンテストでB判定となり、政府予算案では95億円に削減した。

 助成は1回15万円。夫婦1組に「通算5年で10回まで」との上限があり、最大給付総額は150万円で変わらない。

危険残る「生ワクチン」いつまで…ポリオ対策、患者ら異議

2010年12月27日 提供:読売新聞

「放置なら薬害」「新ワクチン輸入急げ」

 ポリオの生ワクチンの予防接種を受けた後にワクチンが原因とみられるまひを発症することがある問題で、海外で使われている安全性の高い不活化ワクチンを緊急輸入するよう、患者団体が国に要請した。国の対応の遅れに、独自に国内未承認の不活化ワクチンを輸入して接種を行う医療機関も増えている。(医療情報部 館林牧子、竹内芳朗)

 東京都渋谷区の「たからぎ医院」では、1日に約10人がポリオの不活化ワクチンを打ちに来る。「お金はかかるが、少しでもまひの可能性が残る生ワクチンは避けたかった」と、子供の接種を終えた母親(30)。宝樹真理(しんり)院長は、「今年5月から始めたが、希望者がどんどん増え、在庫が追いつかない状態」と話す。

 ポリオは、ウイルスの感染で手足のまひなどが起きる。国内では、1960年の大流行で約5600人が発症、61年に旧ソ連などから生ワクチンが緊急輸入された。予防接種の徹底で感染者は激減。インド、パキスタンなど海外から持ち込まれる危険があるため、今も定期接種として接種が続けられているが、国内では80年を最後に自然感染で発症した人はいない。

 ただ、生ワクチンでは、ワクチンに含まれるウイルスに感染して、ポリオを発症することがあるため、年に数人程度、予防接種によるポリオ患者が発生し続けている。

 一方、海外では、まひが出ない不活化ワクチンが普及。米国では10年前に不活化に切り替え、患者会「ポリオの会」によると約100か国が使用している。

 日本でも、不活化の必要性は早くから指摘されてきた。しかし、2001年に承認申請が出された国産メーカーのワクチンは、書類の不備で却下され、このメーカーは05年に開発を断念。現在は別の国内メーカーが治験中だが、使用のめどは立っていない。このため、しびれを切らした一部の小児科医たちが、国内で未承認の不活化ワクチンを独自輸入して不活化ワクチンの接種を始めている。

 ポリオの不活化ワクチンは海外では大手薬品メーカー数社が製造し、大部分の国は大手メーカーの輸入ワクチンを使っている。一方、日本では大流行時にすばやくワクチンが供給できるよう、「ワクチンは原則国産」という方針を採ってきた。だが、開発のための具体的な支援はなく、ある専門家は「メーカー任せにし続けた国の無策が遅れの原因」と指摘する。

 今年9月には約160人の小児科医が、不活化ワクチンの緊急輸入を国に働きかけるよう求める提言を日本小児科学会に提出。ある小児科医は「国がこのまま放置すれば薬害と非難されてもおかしくない」と話す。

 生ワクチンでポリオを発症した滋賀県の脇充希(みづき)君(3)、北海道旭川市の鈴木蒼凰(あお)君(3)ら「ポリオの会」のメンバーは今月15日、約3万5000人分の署名を携え、厚生労働省に緊急輸入を訴えたが、岡本充功政務官は「輸入はできない」と答えた。充希君の母真由美さん(39)は「これ以上、同じ思いをする親を増やしたくない」と涙ながらに訴えた。

 岡本政務官は20日の記者会見で「生ワクチンの使用が不幸なことにつながっていることは重く受け止める」としながらも、あくまで輸入はせず、国内メーカーによるワクチン開発を待つ考えを示した。

 生ワクチンと不活化ワクチン ワクチンには、生きた病原体の毒性を弱めた生ワクチンと、死滅させた病原体やその一部、病原体が作る毒素などを材料にした不活化ワクチンがある。生ワクチンの場合、まれにワクチンに含まれる病原体に感染し発症することもある。国の予防接種健康被害認定審査会は、1989年度から2007年度までに80人がポリオの生ワクチン接種後にまひを発症したと認定。今年も神戸市と神奈川県でワクチンによる感染が報告された。

 定期接種 予防接種法で定められ、子どもでは現在、ジフテリア、百日ぜき、破傷風、ポリオ、風疹、麻疹、日本脳炎、結核(BCG)が指定されている。接種の努力義務があり公費助成によってほとんどの地域で無料で受けられる。重い副作用が出て認定されれば国の補償を受けられる。

 ポリオは、日本では生後3か月から18か月に達するまでの間に2回接種が標準とされ、この間に90%以上が接種を受けている。

海外普及の予防接種…承認・補助、遅れる日本

 子どもが感染すると死に至ることもある細菌性髄膜炎の原因となる「インフルエンザ菌b型(ヒブ)」のワクチンは約20年前に開発されたが、日本で使えるようになったのは08年。約10年前に海外で開発された小児用の肺炎球菌のワクチンは、日本では今年2月にようやく発売された。いずれも世界保健機関(WHO)が推奨し、多くの国では公的な補助がある。ところが、日本では任意接種の扱いで数千円~数万円の自己負担がかかる。

 06年に開発された子宮頸(けい)がんワクチンの日本承認は09年10月で、これも任意接種だ。国は10年度から2か年の臨時措置として、この三つのワクチンに対する公費補助を決めたが、定期接種化されるかは不明だ。

 またかつては混合ワクチンとして公費で受けられたおたふくかぜのワクチンは、副作用問題から93年に使用中止。現在は副作用の少ない単独のワクチンが使われているが、任意接種の扱いだ。乳幼児に下痢などを起こすロタウイルスのワクチンは、日本未承認だ。

 ヒブ、小児用肺炎球菌、子宮頸がん、おたふく、B型肝炎、水ぼうそうの6ワクチンの定期接種化を求める270万人の要望書を16日、厚労省に提出した保坂シゲリ日本医師会常任理事は「日本の予防接種行政は大きく遅れている。防げる病気で命を落としたり、後遺症に苦しんだりする子どもがいる現状は放置できない」と話す。

救急出動は今後20年増加 高齢化で609万件に 「軽症なら自力受診を」 消防庁、初の将来予測

2010年12月27日 提供:共同通信社

 救急車の出動件数は高齢化の影響を受け、2030年まで増え続けるとの将来予測を総務省消防庁が初めてまとめた。軽症でも119番通報するケースが多いことなどから、救急車の台数や態勢が追い付かず、病院収容までの時間は年々長くなっているのが現状。このままでは重症患者の搬送遅れを招きかねないため、家庭向けに「救急車利用マニュアル」を作成。出動後に緊急度や重症度が低いと判明した場合は病院に運ばず「自力受診」を求めていく方針だ。

 消防庁の予測によると、10年の救急出動件数は過去最多の約529万件(07年)を上回る約544万件。30年には10年から12%増の約609万件とピークを迎える。

 軽症の比率が高い幼児については、プッシュ回線の固定電話や携帯電話から全国共通の短縮番号「#8000」で医師や看護師らに相談できるシステムが既に導入されている。一般向けには東京都が07年、「#7119」にかけると24時間、年中無休の救急相談センターにつながるシステムを開設。消防庁は09年度、同じ番号を使い愛知、奈良両県と大阪市でモデル事業を実施、大阪は10年度から府全域に広げた。

 ただ総務省政務三役らは6月、無駄を自ら洗い出す「行政事務レビュー」で国が関与する必要性に疑問を呈し、モデル事業(10年度は3億円)を廃止と判定した。消防庁内では電話相談センターの全国展開は不可欠との見方が強いが、当面は救急車を直ちに呼ばなければいけないケースや不適切な利用例をまとめたマニュアルを作り、患者本人や家族による緊急度や重症度の判断に役立てたい考え。

※救急出動件数

 2009年に救急車と消防防災ヘリコプターが出動した件数は512万5936件で、40年前の約7倍に上った。高齢者の搬送が増えているほか、救急車をタクシー代わりに使うなど不適正な利用も指摘されている。119番通報から病院に運び込むまでの時間は出動増に伴って延びる傾向にあり、09年の全国平均は約36分と過去最長を更新した。

アルツハイマーに2新薬

2010年12月27日 提供:共同通信社

 厚生労働省の薬事分科会は24日、アルツハイマー型認知症の二つの新薬について、製造販売を承認してよいとの意見をまとめた。来春に発売される見通し。

 ヤンセンファーマの「レミニール」は軽度と中等度、第一三共の「メマリー」は中等度と高度の症状の進行を抑える。

 これまで国内で承認された治療薬はエーザイの「アリセプト」しかなかった。

脳内のアミノ酸不足関与か 統合失調症、治療に期待

2010年12月27日 提供:共同通信社

 統合失調症の患者にみられる感情や会話、社会性の喪失といった症状に関わっているとされるグルタミン酸の神経伝達異常に、アミノ酸の一種である「Lセリン」の脳内での不足が関係していることを、九州大の古屋茂樹(ふるや・しげき)教授らのグループがマウスを使った実験で24日までに突き止め、米生化学・分子生物学会誌(電子版)に発表した。

 古屋教授は脳内でLセリンを増やす方法の研究も進めており、統合失調症の発症メカニズムの一端を解明し、治療薬の開発に結び付く可能性も期待されている。

 Lセリンは、グルタミン酸の神経伝達時に、刺激を受け取る受容体を活性化させるアミノ酸「Dセリン」の元となる物質。これまで統合失調症の患者について、血液中などのDセリンの含量低下が報告されてきた。

 古屋教授らはLセリンの供給源に注目。遺伝子組み換えにより脳内でLセリンを生合成できないマウスを作成して解析したところ、脳内のLセリンは正常なマウスの15%程度、Dセリンは10%以下の含量まで低下し、グルタミン酸の受容体機能も低下したという。

 古屋教授は「特に脳内でのLセリン合成が神経伝達機能を保つために不可欠だと確認できた」と説明。今後、マウスの行動異常についても観察し、統合失調症との関連を調べるという。

※統合失調症

 幻覚や妄想、集中力の低下などさまざまな症状を伴う精神疾患で青年期に発症することが多い。発症率は人口の1%程度。詳細な原因は不明だが、脳内の神経伝達物質のバランス異常や、ストレスなどの環境要因が複合的にかかわっているとされる。

心臓形成に不可欠な遺伝子 基礎生物学研が働き解明

2010年12月27日 提供:共同通信社

 心臓や大動脈などの形成に不可欠な遺伝子の働きをマウス実験で解明したと、自然科学研究機構基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の高田慎治(たかだ・しんじ)教授らの研究チームが25日までに、英・発生生物学専門誌デベロップメント電子版に発表した。

 約3千人に1人の割合で発症する「ディジョージ症候群」など先天的な多臓器疾患の発生メカニズム解明に役立つ可能性があるという。

 役割が未解明だった「リプリー3」と呼ばれる遺伝子。

 研究チームは、胎児の頭部にあり、心臓や大動脈、胸腺などに分化する組織「咽頭弓(いんとうきゅう)」に、この遺伝子が存在することを確認。これを欠損させたマウスをつくったところ、咽頭弓の形成異常が起き、臓器が正常に発達しないことを突き止めた。

 ディジョージ症候群は「Tbx1」と呼ばれる遺伝子の異常が原因で起きることが分かっているが、リプリー3を失うとTbx1の働きが過剰になり、多臓器不全を起こすことも分かったという。

来春の花粉飛散量予測、東北から近畿は多め、スギの開始日、5日前後遅め

2010年12月27日 提供:毎日新聞社

花粉:環境省、来春の飛散量予測 東北~近畿は多め スギの開始日、5日前後遅め

 環境省は24日、来春のスギとヒノキの花粉の飛散量予測(速報)を発表した。例年(過去10年平均)に比べ、東北から近畿にかけて多くなり、中国、四国、九州は同じか少なくなると予測した。スギ花粉の飛散開始日は例年並みか5日前後遅くなる見通しで、2月上旬から日本列島を北上し始めるという。

 大津市や福井市、富山市では飛散量は例年の約2倍となると予測した。東北から近畿にかけて多めになるのは、飛散量を左右する今夏の日照時間が長く、気温が高かったためだ。一方、日照不足と大雨の影響で中国、四国、九州では例年並みか例年の5~8割になりそうだ。

 スギ花粉の飛散開始日は、来年1月の気温が平年並みになる可能性が高いことなどから、例年並みか例年より5日前後遅くなる。鹿児島県で2月上旬に飛び始め、青森県以北は3月下旬ごろになりそうだ。一方で、8割以上の地域で花粉症が重症化するレベルを超える。環境省は「薬を早めに服用したり、部屋に花粉を持ち込まないよう衣服を払ったりしてほしい」と呼びかける。【足立旬子】

iPS細胞バンク設立に向け、白血球調査へで、京大・来年度にも

2010年12月27日 提供:毎日新聞社

iPS細胞:細胞バンク設立に向け、白血球調査へ--京大・来年度にも /京都

 京都大iPS細胞研究所副所長の中畑龍俊教授がこのほど、来年度にも人工多能性幹細胞(iPS細胞)を蓄積した「細胞バンク」設立のため、ボランティアを対象に白血球の型(HLA)の調査を始めることを明らかにした。100人に1人以下というHLAが「ホモ型」の特殊なドナーが140人見つかれば、そのドナーからiPS細胞を作ることによって9割の日本人に拒絶反応のない細胞移植が可能になるという。

 中畑教授によると、同研究所は今年度中に京大の「医の倫理委員会」に申請する。審査を経た後、来年度中にもまず2人のホモ型を見つけるため、1000人規模の調査を始めたいとしている。

 具体的な調査方法について同研究所は、口の中の粘膜を採取したり、血液を調べたりして行う方法を検討。更にどのように作ったiPS細胞が治療に役立つかも研究していくという。【広瀬登】

初の緊急避妊薬を承認へ 事後に服用、厚労省分科会

2010年12月27日 提供:共同通信社

 コンドームの破損や性犯罪の被害を受けた際など望まない妊娠を防ぐため性交渉後に服用する「緊急避妊薬」について、厚生労働省の薬事分科会は24日、製造販売を承認してよいとの意見をまとめた。近く厚労省が承認する。緊急避妊を目的とした薬の承認は国内初。

 この薬は製薬会社「そーせい」(東京)のレボノルゲストレル(販売名ノルレボ錠)。来年前半にも発売する。保険は適用されない見通し。

 海外では、1999年のフランスを初め48カ国で承認。日本では医師の処方箋が必要な処方薬となる。性交渉後72時間以内に1回服用。排卵や受精卵の着床を防ぐ作用があり、海外での臨床試験では妊娠を84%防いだ。

 厚労省は「社会的関心が高い」などとして、11月上旬から1カ月間、異例の一般からの意見募集をした。578件の意見が寄せられ、賛成が80%。反対は20%で「安易な性交渉につながる」「ごく早期の妊娠中絶に当たる」などだった。

 分科会は医学、薬学研究者や法律家らで構成。この日は、適切に使われるように情報提供するよう求める意見などが出たが、最終的には全委員が承認を認めたという。

漢方など取り入れ、生活見直そう 月経困難症/5止 あなたの処方箋/57

2010年12月24日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/57 月経困難症/5止 漢方など取り入れ、生活見直そう

 漢方医学では女性ホルモンの変動によって起きる心身の状態を「血の道」と言う。血液の滞りは「お血(けつ)」と呼ばれ、頭痛や肩こり、月経不順を起こす。

 診察に漢方医療も取り入れている神奈川県立汐見台病院産科副科長の早乙女智子さんは「月経痛を月経の問題としてだけとらえるのではなく、生活全般の見直しとして考える必要がある」と強調する。ストレスがたまると交感神経が緊張して血圧が高くなり、胃腸の動きが低下し血液が停滞しやすくなる。ジーンズやガードルなど体を締め付ける服装も血の流れを悪くする。そうした生活上の注意に加え、漢方薬を上手に利用してほしいという。

 月経痛に効く漢方薬として早乙女さんが挙げるのは「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」(手足の冷え、貧血気味、虚弱体質)▽「加味逍遥散(かみしょうようさん)」(ストレス、自律神経系の症状)▽「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」(血の巡りを整える、体力のある人向き)▽「温経湯(うんけいとう)」(基礎代謝アップ)。体質により合うものが異なるので、漢方薬局で相談したほうがいい。

 また、アロマセラピーなどを暮らしの中に取り入れるのも効果的だ。しんきゅうあんま指圧マッサージ師の神崎貴子さんは「月経痛はおなかの血行不良で起きるので、温めて血流を良くするといい」と話す。

 入浴も効果的だ。月経の始まる前からゼラニウム、クラリセージ、パインなどのエッセンシャルオイル5滴ほどを浴槽にいれ、体を温める。下腹部を時計回りにマッサージすると血の巡りがよくなる。足やおなかにも、効果的なツボがある。=おわり(小川節子が担当しました。27日からは「更年期障害」です)

「終止符いつ」重い決断 こうのとり追って 第1部・不妊治療の光と影/5止 

2010年12月24日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第1部・不妊治療の光と影/5止 「終止符いつ」重い決断

 ◇可能性、否定難しく 経験基に患者支える側に

 不妊治療のため東京都内のクリニックを訪れた中野区の高倉由利子さん(48)は医師から「(妊娠の)確率は下がる。夫婦二人の生活もあるよ」と告げられた。当時44歳で、不妊治療を始めて10年になった。それまで、病院やクリニックを何カ所も回った。「先生も無理だと思っているんだな」。しばらくして、治療をやめる決心がついた。

 治療中、体質を改善しようと整体や気功も試した。「治療薬で自分が死んだとしても子供がほしい」。そんな思いに取りつかれていた時期もあった。40歳を過ぎたある日、自宅で義父に土下座した。「子供が産めなくて申し訳ありません」。義父はまったく責めなかった。

 高倉さんは昨年11月、アロマセラピストの資格を取った。治療を受けていた時、アロマセラピーで気持ちがほぐれた経験がある。治療をやめてから本格的な勉強を始めた。自分の店を持てたら、と思う高倉さんは「つらい思いをしている人の心と体をほどいてあげたい」と明るく語った。

 成功しない不妊治療にいつ区切りをつけるかは、患者と医師双方にとって重い課題だ。「妊娠する可能性がゼロではないから、医師は患者に無理だとは言えない。患者は可能性を自分でとじることを受け入れられない」。東京都港区の不妊治療施設、東京HARTクリニックでカウンセリングを行う臨床心理士の平山史朗さん(40)は語る。

 晩婚化に伴い、初産の平均年齢や治療に通う患者の年齢層は上がっている。同クリニックでも、体外受精を受ける患者の約4割は40代。しかし、高齢になるほど妊娠しにくくなるため、望みがかなわない患者も多いのが現実だ。国内の不妊治療施設で行われている体外受精の実施数は増加しているが、生まれる子が比例して増えているわけではない。

   ◇

 「治療をしなければ子供ができる可能性はない。心の安定を保つために治療に通っていたのかもしれない」。5年前、14年間の治療に終止符を打った千葉県市川市の高柳順子さん(50)は振り返る。

 結婚した翌年から、医師の勧めや患者仲間の情報を基に計7カ所の大学病院やクリニックで治療を受けた。かかった治療費は1000万円超。排卵日など体のリズムに生活を合わせる治療は予定が立たないため、フルタイムの仕事はやめた。旅行にも行けなかった。

 頭の片隅で「無理なのかな」と思うようになっても、治療をやめることはできなかった。42歳の時、友人が治療に成功したというクリニックを訪れた。そこでの治療が失敗したと知った同じ日、患者仲間から「患者を支える団体を作りたい。一緒にやってほしい」というメールが届いた。運命だと思い、「やる」と即答した。それでも44歳の時、「区切りをつけるため」と最後の治療を受けた。

 「友人はみんなお母さんになり、私だけが取り残された。でも、人生に無駄なことなんてない。子供はいないけど、それが私の人生」。高柳さんは今、不妊患者らでつくるNPO法人Fineの副理事長として活動し、治療する人たちのつらい思いを受け止めている。=おわり(須田桃子、斎藤広子、笠原敏彦、五味香織、下桐実雅子が担当しました。第2部は1月下旬から掲載します)

「父と血縁ない」告知に衝撃 こうのとり追って 第1部・不妊治療の光と影/4

2010年12月23日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第1部・不妊治療の光と影/4 「父と血縁ない」告知に衝撃

 ◇「子の権利」国が議論 当事者ら自助グループも

 提供された精子で人工授精を行う非配偶者間人工授精(AID)は男性不妊の治療法として、国内で60年以上前から行われている。提供者は匿名とされ、長く医師の間では「治療のことは夫婦間で秘密にしたほうがよい」と考えられてきた。だが、夫婦の離婚や病気などをきっかけに、AIDで生まれたことを知った子供たちの悩みは深刻だ。

 「お父さんはね、本当のお父さんやないんよ」。西日本に住む女性(44)は12年前、母親から離婚の相談を受けた際、AIDで生まれた事実を知らされた。父親は女性が幼いころに家を出て、ほとんど別居状態だった。母親は泣き崩れ、提供者については「わからない」とだけ繰り返した。

 母親が9年前に亡くなった後、女性は原因不明の頭痛や不眠、肩のしびれに悩まされるようになり、心療内科でうつ病の一種と診断された。苦しむ女性の姿を見て、19歳になった長女は「自分は子供を産まないかもしれない。不自然な生まれ方をしたことを自分の代でストップさせたい」と話しているという。

 女性は「子供たちも巻きこんでしまったことがつらい。AIDを選択した夫婦がよければそれでいい、というわけではないと思う。関わった人たち全てがよかったと思える医療の形はないのだろうか」と話す。

   ◇

 父親の遺伝性の病気に悩んでいた東京都内の女性(31)は大学院生だった8年前の夏、遺伝子検査を受けようか迷っていた時に、突然母親からAIDで誕生したことを聞かされた。「お父さんと血はつながっていないから、遺伝する心配はないよ」。女性は「こんなことがなければ、母親は言わないつもりだったのだろうか」とショックを受けたという。

 その後、母親がこの話題を避ける態度に余計に傷ついた。「隠したい技術によって生まれてきた私って何なんだろう」。一番悩みを受け止めてほしい人に拒絶され、一人になると悲しくなり、電車の中でも帰り道でも気づくと泣いていた。

 女性は「子供が生まれた時点では健康でも、その後どう成長したのか、その夫婦はどうなったのかきちんと検証されていないのではないか」と語る。

   ◇

 03年、厚生労働省の部会は精子や卵子提供について議論し、生まれた子が希望すれば、15歳以降に提供者の個人情報を全面開示するよう求めた報告書をまとめたが、法制化には至っていない。

 2人の女性はやはりAIDで生まれた男性と3人で05年に自助グループ「DOG」を設立。自分たちの思いを伝える活動を始めた。AIDを選ぶ不妊の夫婦の心情も学び、2人ともようやく「本当の父親は育ててくれた人しかいない」と思えるようになった。

 国際医療福祉大講師の清水清美さん(看護学)は7年前から、AIDを検討している親のグループ「すまいる親の会」のサポートを続けている。清水さんは「親も子供も双方が幸せになる道を探りたい。そのためには親が最低限の責任として子供に小さいころから事実を伝えられるように、偏見をなくすなど社会的な環境づくりが重要。また子供たちが提供者の情報にアクセスできる体制を整え、養子縁組のように、経験者の勉強会や同じ境遇の親子が交流し、情報交換する場が必要だ」と指摘している。=つづく

症状悪化の影に筋腫や内膜症 月経困難症/4 あなたの処方箋/56

2010年12月23日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/56 月経困難症/4 症状悪化の影に筋腫や内膜症

 痛みが年々ひどくなっても、我慢を続けている女性は多い。しかし、その原因に子宮筋腫や子宮内膜症といった病気が潜んでいることもある。

 埼玉県で両親と農業を営む女性(33)は、高校生のころから下腹部痛がひどく、体育の授業を休むほどだった。鎮痛剤を飲んでも効かないこともあったが「病院にいくのは恥ずかしい」と、28歳まで我慢を続けた。

 やがて月経期間は食事ものどを通らず、寝込むほどに。ようやく専門医を訪ねると、診断結果は子宮内膜症。病院で低用量ピルを処方され、痛みは全くなくなった。「結婚して子どももほしい。自分の体の状態と相談しながら、その時々にあった治療をしていきたい」と今は思う。

 女性を診察したウィミンズ・ウェルネス銀座クリニックの対馬ルリ子医師は「月経痛を放置している間に隠れた病気が進むことがあるので、注意が必要だ」と警鐘を鳴らす。

 子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、骨盤内炎症性疾患などによる「器質性月経困難症」は、初経数年後から症状が表れることが多く、年齢とともにひどくなる傾向がある。月経の数日前から期間中、ずっと痛みを感じるのが特徴だ。

 治療では、排卵そのものを抑制して月経を止めてしまうピルが処方されることが多い。中・高用量のピルには吐き気などの副作用を心配する人も多いが、低用量のものはこれまで子宮内膜症にしか保険が適用されなかった。そこに今年11月、月経困難症全般に保険適用される低用量のピルが発売され、治療の選択肢が広がった。=つづく

特集 「がん対策基本法」施行3年 これまでの取り組みと今後は(その2止)

2010年12月23日 提供:毎日新聞社

特集:「がん対策基本法」施行3年 これまでの取り組みと今後は(その2止)

 ◆日本の現状

 ◇受診率向上へ、積極的に啓発

 ■欧米には及ばず

 日本では、5種類(胃、肺、大腸、乳、子宮頸(けい))のがん検診について、国が科学的根拠に基づいて対象年齢や方法に関する指針を作っている。がん検診は、おおむねこの指針に従って実施される。

 ところが、日本のがん検診受診率は低い。がん検診は、職場の定期健診や人間ドックでは網羅されていないものが多い。08年度に始まった特定健診の項目には含まれない。市区町村、職場などさまざまな形態があり、3年に1度実施する厚生労働省の国民生活基礎調査によると、男性のがん検診受診率は3割前後、女性は2割前後にとどまる。一方、国際的なデータがある女性の乳がん、子宮頸がんの受診率と比較すると、欧米の乳がん受診率は4~9割、子宮頸がん受診率は7~8割と高い。

 このため、政府はがん対策推進基本計画で、検診受診率アップを目標に掲げた。がん検診の実施は、市区町村、職場などさまざまな形態があり、市区町村の検診を受けやすくするため、昨年度から一定の年齢の女性を対象に検診無料クーポン券配布を始めた。職場での検診については、「がん検診企業アクション」を支援する。企業アクションへの参加は21日現在、352企業・団体に達し、それぞれ社内の普及啓発活動、職場での検診状況の報告などに取り組む。

 厚労省は、認知の拡大を図り昨年から10月に「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン」を実施している。その一環として今年10月9日、「がん検診50%推進全国大会」が東京都内で開催され、タレントの山田邦子さんらによるトークショーなどで、がん検診の大切さを訴えた。

 11年度末までの受診率50%の目標は高いが、厚労省がん対策推進室は「少しでも目標に近づくよう、啓発活動を積極的に進めたい」と話す。

 ◆成果を上げた韓国

 ◇国の主導で検診事業

 日本が目標としている「がん検診受診率50%」を一足早く達成した国がある。隣の韓国だ。受診率が日本とあまり変わらなかった04年からの4年間で大幅に伸び、08年の5種類のがん検診の平均受診率は50%を超え、09年は53・3%に達した。

 韓国では03年、日本のがん対策基本法にあたる「がん管理法」が成立した。がん検診については、法律で「(政府閣僚の)保健福祉相が検診事業を実施しなければならない」と明記、政府の責任で検診事業を実施する仕組みになっている。

 ■低所得者に配慮

 法成立以前、低所得者のがん検診は無料だったが、03年に胃がん、乳がん、子宮頸(けい)がん、肝がんの各検診について、対象年齢のうち所得が下位3割の人が無料になった。現在、大腸がんも加えた5種類のがん検診が、所得の下位5割の人まで無料となっている。

 また韓国は、医療保険が一元化されており、対象者が検診を受診したかどうか把握しやすい。医療保険者のデータをもとに、未受診者一人一人に受診勧奨の通知を出す。さらにテレビをつければ、がん検診を推奨するコマーシャルが流れるなど、国主導のキャンペーンを展開している。

 これらの結果、胃がんの受診率が39・2%(04年)から53・5%(08年)になったほか、乳がんも33・2%(04年)から49・3%(08年)と大幅に伸びた。しかし、08年時点で肝がんは2割、大腸がんは3割にとどかず、課題となっている。

 ■精度向上が課題

 また、がん検診の平均受診率が高い一方、問題視されているのは、がん発見率の低さだ。多くのがん検診の発見率は0・1%を切り、日本より大幅に低い。検診を受けても、がんが見逃される可能性が高いという。

 韓国の取り組みを視察した祖父江友孝・国立がん研究センターがん情報・統計部長は「市町村や職場に実施をゆだねている日本と異なり、国の主導的な検診は見習うべきかもしれない。一方、公的な検診を推進する場合、発見率の低い検診の精度向上と、検診による早期発見で死亡数を減らす仕組みにしていくことが必要だ」と話す。

特集 「がん対策基本法」施行3年 これまでの取り組みと今後は(その1)

2010年12月23日 提供:毎日新聞社

特集:「がん対策基本法」施行3年 これまでの取り組みと今後は(その1)

 ◇がんの知識を深め、予防と早期発見へ

 国民の2人に1人がなる、がん対策を推進する「がん対策基本法」が施行され、今年で3年を迎えた。がんによる死亡を減らし、がん患者が十分な医療を受けるための対策が徐々に進んできた。中でも、がんの発症を早期に見つけ、重症化を防ぐがん検診の受診率が日本は低く、その動向が注目されている。がん検診の各地の取り組みを中心に、がん対策の現状を紹介する。

 ◆山形県酒田市

 ◇無料券で受診率アップ

 ■働き盛り世代対象

 「がん検診なんて受けた記憶はない。市役所から無料だって連絡がきたので、試しに受けてみようと思ってきました」

 日本海にひらけた山形県酒田市中心部にある市民健康センター。市民の健康診断や、がん検診の会場になっている。今月2日、会社員、大井良雄さん(60)がやってきた。目的は胃がん検診。受け付け後、センターに横付けにされた検診車に乗り込んだ。

 酒田市は、がん検診受診率が県内平均を大きく下回る最低レベルだった。一方、人口10万人あたりのがんによる死亡割合が全国より4割、山形県平均より2割近く高かった。特に胃がん、大腸がんの死亡が目立った。

 このため、04年度から改革に取り組み始めた。その一つが、昨年度始まった働き盛りの世代(40~60歳の5歳刻みの年齢になった人)を対象にした胃がんと大腸がんの無料検診だ。

 女性の乳がん、子宮頸(けい)がん検診は、一定の年齢の人を対象に全国で無料化が始まったが、同市は対象のがんを広げた。対象年齢の人には、それぞれの個人名が印刷された「クーポン券」を送付。60歳になった大井さんにもクーポン券が届いた。

 同市はがん検診の受診率アップのため、(1)一部の検診無料化、(2)検診案内を市民全員に郵送し、検診の受診予定・申し込みを記入した用紙を市民が返送する、(3)検診未受診者への戸別訪問、(4)検診普及のための啓発事業――に取り組んでいる。

 ■案内は全員に郵送

 (2)は06年度に始めた。従来は、対象者に案内はがきを送り、電話で申し込みを受け付けた。これを、毎年1月に全世帯へ世帯全員の名前が印刷された、一般的な健康診断とがん検診の申込用紙を郵送。それぞれの受診内容を記入し、3月中に市役所へ返送する方法に変えた。職場で受診する人も、その予定を記入して返送する。

 申込用紙の回収率は65%前後だが、同市健康課の荒生(あらお)佳代主任は「市民全体の健診や、がん検診の受診状況を把握できるようになった。また、申し込みをしていない人への働きかけも可能になった」と効果を実感する。

 06年度以降、各がんの受診率は増加傾向。08年度に始まった医療保険者ごとに実施する特定健診(メタボ健診)によって、全国と同様に制度の複雑化に伴うがん検診の受診率低下はあったが、全国よりも落ち込みは小さかった。無料クーポン券導入後も全体の受診率がアップ。クーポン券を配布しない年代より、受診者数が多い。

 ■未受診者を戸別訪問

 (3)も昨年度スタート。対象は、春にがん検診を申し込んだが未受診の人。昨年度10~12月に447戸を訪れ、未受診者のうち6割が最終的に受診した。同市郊外の松山地区では、がん検診の申し込み自体をしていない世帯も訪問する。同地区を担当する保健師、阿部まゆみさんは「申し込まない人には『がん検診は怖い』とのイメージが強い。丁寧に説明すると理解してくれ、その結果、今年の胃がん検診を受けた男性に早期のがんが見つかった。今後も続けたい」と話す。

 受診率アップは、これらのきめ細かな対策の結果ともいえる。高橋武彦・同市健康課成人保健係長は「予算は、申し込み法の改善で年約900万円、無料クーポン券で年約340万円。財政状況は厳しいが、がんが重症化した際に必要な医療費を考えれば大きな支出ではない。現状が完成形ではなく、今後も改善を進めていきたい」と意欲を示した。

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 ◇「がん難民」解消目指し、がん対策基本法

 日本では、がんによる死者が過去40年間で約3倍に増えたうえ、よりよい医療を求めて患者がさまよう「がん難民」と呼ばれる状況が広がっていた。そこで、だれでも適切な治療を受けられる体制を整備し、がんによる死者を減らすため作られたのが07年4月に施行された「がん対策基本法」だ。主な目標に、居住地域にかかわらず適切な医療を受けられる▽患者の意向を尊重して治療法が選択される体制整備――などが掲げられている。

 これらの目標実現のため国として取り組む対策をまとめたのが、「がん対策推進基本計画」(07年6月策定)だ。「国民の視点に立ったがん対策の実施」を基本方針に掲げ、放射線治療や化学療法(抗がん剤治療)の充実、治療初期からの緩和ケアの実施、がん患者の治療成績や予後などのデータを蓄積するがん登録の推進――などの実現を目指すこととした。具体的な目標として、がん検診の受診率50%のほか、在宅医療の充実、診療ガイドラインの作成、医療機関の整備などがある。

 今年6月、基本計画の進行状況について中間報告書が公表された。その中で、基本計画の策定に携わった「がん対策推進協議会」が意見を加えた。「患者の苦痛軽減を適切に測定できる指標を早急に設定し、治療による経済的負担の軽減も検討すべきだ」「患者が安心して在宅医療を選択できる医療体制の整備を」と注文。さらに、「医療機関間のネットワークなど医療連携を充実すべきだ」「がん治療後の長期生存者の相談支援も必要」「たばこ税の増税を続け、先進国並みとすべきだ」「がん検診受診への国民自身の努力に課題があり、国民の参加を促す広報活動が必要」などと要望した。これらの意見は、今後の見直し作業に反映される予定だ。

特集 「がん対策基本法」施行3年 東京大付属病院・中川恵一准教授

2010年12月23日 提供:毎日新聞社

特集:「がん対策基本法」施行3年 東京大付属病院・中川恵一准教授

 ◇緩和ケアの充実が重要 受診啓発、がん登録の促進も課題

 日本人の2人に1人が、がんになり、3人に1人が、がんで亡くなっています。また、がんが増えているだけでなく、がんの種類も変わっています。冷蔵庫の普及で胃がんが減り、「欧米型」のがんが増えているのです。

 こうした現状を背景に、「がん対策基本法」が07年4月に施行されました。この法律は、がん対策の要として、医療者や有識者のほか、がん患者・家族も委員とする「がん対策推進協議会」の設置を定めました。僕も委員の一人です。がん治療の現場で何が求められているのかを、政策にフィードバックするこの仕組みは画期的といえます。

 法律の実現を目指す「がん対策推進基本計画」は、2大目標として、がん患者・家族の生活の質の向上、がん死亡率の2割減(10年で)を掲げています。この基本計画は、5年ごとに見直しを実施し、現在は12年からの変更に向けた議論が実施されています。

 法律施行から3年以上たった今、法律の目標の達成度と、基本計画の問題点を考えてみたいと思います。

 がんの原因の3割近くがたばこですから、禁煙が最良の「がん治療」ともいえます。協議会では、「喫煙率の半減を目標」が提案されましたが、基本計画は「未成年者の喫煙率を3年以内に0%にする」という消極的な内容にとどまりました。現実には、喫煙率は、男性37%、女性9%と徐々に低下傾向にあり、今年10月からのたばこ税の大幅値上げによって、さらに下がると予想されます。

 飲酒については、お酒で顔が赤くなる人(アジア人の3~4割)は、がんの危険が高まることが分かってきました。飲酒についても国民へのメッセージが必要です。現在はあまり注目されていませんが、今後、がんの予防面で重要なテーマとなるでしょう。

 がんにならない生活習慣と早期発見、この「二段構え」が、がんで死なないための「特効薬」です。早期発見とは、がん検診です。がんの場合、症状が出れば、すでに進行がんと考えられるからです。基本計画では、11年度末までに、がん検診の受診率を50%以上に引き上げることを目標としています。これに向けて、09年度から乳がんと子宮頸(けい)がん検診の無料クーポン券を、一定の年齢の女性に市区町村から配布しています。来年度は、大腸がん検診の無料クーポン券の予算も計上されます。実際にクーポンが配布された人の受診率は3~4倍に高まっています。全体の受診率は、50%という数字を達成できるか微妙な状況のため、国民への啓発活動も重要です。

 がんの「欧米化」に伴い、放射線治療や化学療法(抗がん剤治療)を受ける患者が、急速に増えていますが、専門医の数は不足しています。医師は大学の医学部からしか生まれませんから、文部科学省が進めている放射線治療医や、化学療法にあたる腫瘍内科医育成のための「プロフェッショナル養成プラン」の役割は大きいといえます。

 今年6月にまとめられた、基本計画に関する「中間報告」によると、がん死亡率は年に約2%ずつ低下しており、10年で2割減という目標に向かって順調に推移していると分析されています。一方、2大目標のうち、残る緩和ケアについては課題が山積しています。

 基本計画では、「早期からの緩和ケア」の実現を目指していますが、最近、医学界で最も権威のある米国の専門誌に、早期からの緩和ケアの有効性を立証した研究結果が発表されました。抗がん剤だけの治療に比べ、緩和ケアを治療と同時に提供すると、生活の質が改善し、うつや不安が軽くなったばかりではなく、生存期間も大きく延びることが科学的に確認されたのです。

 ところが、基本計画で「5年でがんに関わる10万人の医師が、緩和ケア研修を受ける」と示した目標に対し、現在のところ、受講者は2万人程度です。基本計画の見直しにおいても、緩和ケアの充実がさらに重要となるでしょう。

 がん登録も進んでいません。データの蓄積は以前より進んでいるものの、全国のがんの発症率は、いまだに推計値でしか出せません。病院内のがん登録が義務づけられている「がん診療拠点病院」(医療圏ごとのがん診療の中核病院)でも、治療後の状態や生死など、生存率などの算出に必要な調査は74%で実施されていませんでした。個人情報の取り扱いに関する国民の不安は根強く、基本計画でも「院内がん登録を実施する医療機関を増加させる」という抽象的な目標しか掲げられていません。

 一方、韓国は、がん登録を個人情報保護法の対象外とする法律を制定しています。がん登録は100%把握され、がん対策向上につながっています。日本も基本計画の見直しでは、がん登録の法制化を目指す姿勢を示す必要があると考えます。

 以上のように、日本のがん対策は「瀬戸際」にあります。国民一人一人が自分の問題として、がん対策に思いを寄せることが必要です。まずは国民が「がんを知る」ことが出発点になるでしょう。学校でのがん教育も新しい基本計画では重要な柱になると思います。新基本計画が、がん患者さんと家族、そして国民全体に幸せをもたらすバランスのとれた内容になることを願っています。

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 ■人物略歴

 ◇なかがわ・けいいち

 東京都生まれ。1985年東京大医学部卒業。東大医学部放射線医学教室助手、専任講師などを経て、02年から准教授。03年から東大病院緩和ケア診療部長兼任。毎日新聞で「がんから死生をみつめる」を連載中。

「命が大切」「営業が...」 職場の禁煙、意見二分

2010年12月24日 提供:共同通信社

 毎年6千人以上が肺がんなどで死亡する原因とされる受動喫煙。厚生労働省は職場の全面禁煙か分煙を義務付ける法改正案を早ければ来年の通常国会に提出する。受動喫煙で健康を害した人たちは対策の徹底を求めるが、顧客が喫煙する飲食店などは客離れやコスト増を懸念している。

 都内のビル管理業に勤める40代の女性は今年6月、「慢性受動喫煙症」と診断された。17年前に入社以来、鼻や目、のどの痛みに悩まされ、常時マスクが欠かせない。フロアにいる約20人のうち、半数以上が喫煙者。5年前に喫煙室が設置されたが、換気設備がなく、扉が開放状態で煙が漏れ、症状は治まるどころか悪化した。

 手足のしびれやストレス性の婦人科疾患なども加わり、「たばこの煙がつらい」と改善を訴え続けたが、上司は「がまんしろ」と取り合わず、「あなた以外にも働ける人はたくさんいる」などと暗に退職を迫られた。

 今年9月からは休職状態に。女性は「喫煙は仕事に必要なものではない。人の命とどちらが大切ですか」と話す。

 厚生労働省研究班は9月、受動喫煙が原因で肺がんや心臓病で死亡する成人は毎年約6800人に上り、うち約3600人は職場での受動喫煙が原因との推計値を発表している。

 東京都目黒区の商店街にある居酒屋。店の入り口には「喫煙できます」と記されたステッカー。全部で17席のこぢんまりした店内は21日夜も、常連たちのたばこの煙でもうもうとしていた。

 店長の男性(70)は国の全面禁煙に向けた動きに「店内が狭く、喫煙室設置のスペースがない。客の手前、マスクを着けるわけにもいかない」と渋い表情。受動喫煙対策として換気や浮遊粉じん濃度で基準達成を求められていることにも「国にやれと言われればやるしかないが、これ以上コストはかけられない」。

 客の男性(49)は「友人の中には居酒屋でも禁煙の店を探す人もいる。たばこを吸う者は肩身が狭い」と首をすくめた。

健康食品から劇薬成分 横浜、男性が動悸や吐き気

2010年12月24日 提供:共同通信社

 横浜市は22日、広島市の業者がインターネット上で販売していたダイエット食品から、医薬品成分で劇薬指定されている「ヨヒンビン」が検出されたと発表した。

 商品はダイエット用の健康食品「FASTIN(ファスティン)」。錠剤タイプで、服用した横浜市内の30代男性から15日、動悸(どうき)や吐き気などの症状が出たと保健所に相談があった。男性の体調は回復している。

 市は薬事法違反の疑いがあるとして、販売業者を所管する広島市に通報した。ヨヒンビンは性的不能治療薬などに含まれる成分で、専門家の指示のない使用は禁止されている。

健診でストレスをチェック 禁煙、分煙を義務化 職場の新安全衛生対策

2010年12月24日 提供:共同通信社

 厚生労働省の労働政策審議会分科会は22日、職場における新たな安全衛生対策として、定期健康診断で職場に起因するストレスをチェックすることや、事業者に全面禁煙か喫煙室設置を義務付けることを柱とする報告書をまとめ、細川律夫厚労相に提出した。

 ストレスチェックは医師が健診に併せ、「ひどく疲れた」「不安だ」「憂鬱(ゆううつ)だ」などの質問をするよう義務付け。うつ病の兆候を確認し、専門医の面接が必要と判断した場合、労働者のみに通知する。希望する労働者は事業者に申し出て、事業者は産業医や地域産業保健センターの医師に労働者との面接を依頼する。

 産業医らは事業者から労働者の仕事の状態について情報を得ながら、配置転換や時間外労働の制限などを助言する。事業者には、労働者の申し出や面接指導の結果を理由として、解雇など不利益な取り扱いをしないよう明記した。

 受動喫煙対策では、一般の事業所や工場では全面禁煙か分煙を義務付け。客が喫煙する飲食店やホテル、旅館など禁煙措置が困難な場合は、換気や従業員のマスク着用によって浮遊粉じん濃度、換気量の基準達成を求めた。実施しなかった場合の罰則規定は事業者側に配慮し、見送った。

 いずれも早ければ来年の通常国会に労働安全衛生法の改正案を提出する。政府は6月に閣議決定した新成長戦略で、2020年までに職場でメンタルヘルスサービスが受けられる割合を100%とし、職場から受動喫煙被害をなくすとの目標を掲げた。

悪環境で細菌の変異多発 多様性を保つ仕組みか

2010年12月24日 提供:共同通信社

 大腸菌を通常より厳しい環境で増やし続けると、突然変異が多発するように菌が変化することを大阪大と東邦大(千葉県)、弘前大(青森県)のチームが23日までに突き止めた。523日をかけ、7560世代にわたる培養実験をした結果。

 チームによると、この変化で、予期せぬ環境の異変に菌が対応しやすくなるという。四方哲也(よも・てつや)大阪大教授は「生物が多様性を保つ仕組みが働いたのだろう」としている。

 チームは37度が増殖に最適な大腸菌を41度で培養。いったん増殖速度が落ちるが、環境に適応する突然変異が起き、盛んに増えるようになった。この大腸菌を43度、45度で培養しても、同じような経過で適応した。

 各温度で培養した大腸菌のゲノム(全遺伝情報)の配列を調べると、45度で長期培養した菌では突然変異の発生速度が約10倍になっており、熱に適応するような突然変異だけでなく、適応や生存には関係しない突然変異が大幅に増えたことも分かった。

 チームによると、病院での院内感染が問題となる多剤耐性菌の発生過程でも、抗菌薬にさらされるという悪環境に置かれる中で、突然変異が多発する変化が起きた可能性があるという。成果は米科学誌に掲載された。

※科学誌はプロス・ジェネティクス

腸内細菌 免疫異常抑制、マウスで確認 潰瘍性大腸炎の治療法へ期待 東大チーム

2010年12月24日 提供:毎日新聞社

腸内細菌:免疫異常抑制、マウスで確認 潰瘍性大腸炎の治療法へ期待--東大チーム

 マウスの腸内に共生するある種の細菌が、免疫機能の異常を抑える細胞の数を増やすことを、東京大の本田賢也准教授(免疫学)らが突き止めた。免疫異常が原因の一つと考えられている潰瘍性大腸炎やクローン病の治療法につながる成果で、23日付の米科学誌サイエンス電子版に掲載された。【斎藤広子】

 潰瘍性大腸炎とクローン病は、腸の粘膜に潰瘍ができる難病で、免疫機能の異常が関与していると考えられている。国内の患者数は潰瘍性大腸炎が約10万5000人、クローン病は約3万人。根本的な治療法はない。

 本田准教授らは、無菌環境で飼育したマウスの大腸では、免疫異常を抑えるT細胞の一種「Treg細胞」の数が通常のマウスの約3割しかないことを見つけた。無菌環境マウスにさまざまな腸内細菌を接種し調べたところ、クロストリジウム属の細菌を接種した場合に、通常マウスと同程度までこの細胞が増えた。クロストリジウム属の腸内細菌が多いマウスはこの細胞が多く、炎症性腸炎に抵抗性があることも分かった。

 クロストリジウム属の細菌は、ボツリヌス菌など有害なものもあるが、無害なものは人間の腸内に多数共生している。

 人間の場合も、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者は健康な人に比べ、クロストリジウム属の腸内細菌が大幅に少ないという報告がある。本田准教授は「細菌のどの分子が免疫異常を抑える細胞を増加させるのか、詳しいメカニズムを解明し、治療薬の開発につなげたい」と話している。

インフルエンザ全国流行 A香港型が主流

2010年12月24日 提供:共同通信社

 国立感染症研究所は24日、全国約5千の定点医療機関から報告された13~19日の1週間のインフルエンザ患者数が6758人(1医療機関当たり1・41人)になったと発表した。全国的な流行入りの指標である「1医療機関当たり1人」を上回った。

 厚生労働省によると、この時期の流行入りは平年並みだという。

 1医療機関当たりの患者が多かったのは、都道府県別では、佐賀(8・26人)、長崎(7・36人)、北海道(5・87人)、大分(2・55人)、宮城(2・52人)の順。

 最近検出されているウイルスは季節性のA香港型が6割程度と最も多く、昨年発生し大流行した新型、B型と続く。

 厚労省は「今季は特に高齢者が重症化しやすい季節性と、子どもや成人を含め広い年齢層で重症化することがある新型がいずれも流行する可能性がある」として、すべての年齢層で注意が必要だとしている。

 昨年は春に新型の患者が国内で初めて確認され、流行入りは異例の8月だった。今年3月の沈静化までに約2千万人が新型にかかったと推計されている。

現代人の祖先、別人類「デニソワ人」と交雑

2010年12月23日 提供:読売新聞

 現代人の祖先が、別の人類とされるデニソワ人と交雑していたことが、独マックス・プランク進化人類学研究所などの国際チームの研究でわかった。

 現代人の祖先が、世界各地で先住の人類を絶滅させつつ広がったとする従来の説を、覆す可能性がある。23日付の科学誌ネイチャーに発表する。

 シベリアのアルタイ山脈の遺跡で発見されたデニソワ人の骨を使い、細胞核のゲノム(全遺伝情報)の一部を解読した。世界各地の現代人のゲノムと比較したところ、オーストラリア北東の島々に住むメラネシア人は、ゲノムの4-6%がデニソワ人固有のものと一致していた。

 研究チームによると、人類の祖先は40万-30万年前にアフリカを出て、ヨーロッパに移動した集団がネアンデルタール人に、アジアに広がった集団がデニソワ人になった。それに遅れて6万-5万年前にアフリカを出た現代人の祖先が先住者と交雑し、今に至ったらしい。欧州やアジアなどの現代人の祖先とネアンデルタール人との交雑を示す研究成果は、今年5月に発表されている。異なる人類どうしの交雑、共存が一般的だった可能性が出てきた。

胃に二つ目のリスク あきらめない 塚本英夫がん闘病記/4

2010年12月22日 提供:毎日新聞社

あきらめない:塚本英夫がん闘病記/4 胃に二つ目のリスク /群馬

 ◇明日へのリハビリ

 肝細胞がんの治療が一段落した10月29日、桐生厚生総合病院の主治医、斎藤秀一医師に呼び出された。採血、CTスキャン(X線によるコンピューター断層撮影)、経口胃カメラによる検査で、新たに胃がんが確認されたという。「ステージ2です。すぐに治療に移りましょう」

 肝臓からの転移ではなく、胃そのものから発症した「原発性」の胃がんだった。発見が早ければ5年生存率は9割を超すとも言われており、悲観はしなかった。それでも、いつ肝細胞がんが再発するか分からず、二つのリスクを背負ったことになる。

 初期がんではないため内視鏡治療では済まなかった。内科の斎藤医師は直ちに外科の執刀医、尾辻英彦医師らと治療方針を協議。胃の3分の2を切除し、腸までは新しいバイパスを通す方針が決まった。

 11月16日午前9時、ストレッチャーに乗せられ手術室に入った。妻ら家族は公共交通機関の遅れで間に合わず、心細くなった。不安に支配されそうになったが、医師らスタッフが手際よく準備を進めたため、落ち着きを取り戻した。そして全身麻酔が施され、意識が遠のいた。

 手術に要したのは約5時間。麻酔から覚めると集中治療室(ICU)へ移動した。妻と子供2人がいた。私は妻を手招きして手を握りしめた。「この命を大事にし、一日も長く生きてやる」。感極まり、知らないうちに涙を流す自分がいた。

 手術は、みぞおち付近からへそまで約19センチ開腹した。術後の痛みは驚くほど小さかった。しかし、腹筋を切開したため、数日間は腹に力を加えることができなかった。体を動かすことを強く勧められ、翌日には集中治療室から出て病棟内を歩いた。その後も数本のチューブを引きずりながら病棟内を歩き回り、看護師からは「脱走兵」と失笑を買った。一歩一歩、前へ進むことが、明日への橋渡しになるような感覚でリハビリに取り組んだ。

 11月26日に退院。尾辻医師は「胃がんの再発は95%ないでしょう。肝細胞がん治療に専念してください」と励ましてくれた。入院と手術を繰り返す生活からひとまず抜け出すことができた。翌朝、自宅で起床した。何気ない日常を迎えることが、これほど素晴らしいとは思いもしなかった。

 闘いが続く肝細胞がんは「完全治癒」することはないため、「生きる力」を高めていくしかない。一方、「生きる」ことと並行して、もう一つ学んだことがある。「死」と向き合うことだ。【桐生通信部記者・62歳】=つづく

10代に多い「機能性」、投薬が有効 月経困難症/3 あなたの処方箋/55

2010年12月22日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/55 月経困難症/3 10代に多い「機能性」、投薬が有効

 日本産科婦人科学会によると、月経困難症の症状は「下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、いらいら、下痢、憂うつ」の順で多い。

 9歳と6歳の子がいる40歳の女性は、16歳で初経を迎えた。その前日、突然下腹部に針を刺されるような激しい痛みを感じ、救急車で病院に運ばれた。以来、年に数回同じような痛みを覚えていたが、妊娠後は数年に1回と大分改善されてきた。専門医で調べたところ、疾病は見つからず「機能性月経困難」と診断された。

 月経困難症は「機能性」と子宮内膜症、子宮筋腫などの疾病による「器質性」に大きく分けられる。

 「機能性」は月経時に子宮内膜から発痛物質プロスタグランジンが大量につくられて子宮が強く収縮するのが痛みの原因だ。この収縮が強いと体を動かすこともできず、脂汗を流すような激痛に襲われることもある。

 体質的なもので、初経後1~2年以内に発症し、10代の若い女性に比較的多い。聖路加国際病院(東京都中央区)女性総合診療部部長の百枝幹雄さんは「子宮の収縮が強いことや、子宮口が狭いために月経血が排出される時の抵抗が強いことが原因」と説明する。年齢とともに子宮が成熟したり、結婚や妊娠を経験することで症状が緩和されることも少なくない。

 治療法は、プロスタグランジンの生成を抑える「非ステロイド抗炎症薬」を服用するのが一般的だ。うずくまるほどひどい痛みには、即効性の高い座薬もある。重症の場合はすぐ受診して、ズファジランやブスコパンなどの「鎮痙(ちんけい)剤」を注射してもらうと、30分程度で症状が治まるという。=つづく

対峙するのは自分 あきらめない 塚本英夫がん闘病記/3

2010年12月21日 提供:毎日新聞社

あきらめない:塚本英夫がん闘病記/3 対峙するのは自分 /群馬

 ◇散歩で体力充実

 肝臓内のがん細胞を「兵糧攻め」にする「肝動脈塞栓術(そくせんじゅつ)」は3月4日だけでは終わらず、6月3日と9月28日にも行われた。がん細胞は当初、5カ所で確認されたが、抗がん剤を注入して「たたく」にはまだ小さすぎたり、がん細胞に注入した抗がん剤が漏れだしたりしたため追加手術が必要になったからだ。

 手術は1回だけで済むと思っていただけに、考え方の転換を迫られた。がんを告知された当初は、書店通いやネット検索が多くなった。「どうすれば治るのか」「延命法はないのか」。情報に飢え、民間療法などもいろいろと調べた。しかし2回目の手術を受けると「死への恐怖と追いかけっこしても意味がない」と吹っ切れるようになった。

 肝臓は、がんが再発しやすい臓器だ。患者の5年生存率は3~4割と言われ、胃がんなどに比べ治りにくい。しかし、桐生厚生総合病院の主治医、斎藤秀一医師によると、再発しても早期に発見してたたけば、5年後、10年後も健康な暮らしを続けることができるケースもある。

 長期戦を覚悟した私は、日の出とともに1時間の散歩を始めた。夏は朝の4時台から愛犬と約1時間歩く。私の自宅は赤城山のふもとにあり、標高約550メートル。平地に比べ3度ほど気温が低い。平野部を見渡しての早朝の散歩は、猛暑に見舞われた今夏でも、すがすがしい気分にさせてくれた。なによりも朝の陽光を浴びて日焼けするのがうれしかった。汗で失われる塩分対策として、ポケットにはしょっぱい梅干しをしのばせた。

 散歩は体力と気力を充実させてくれる。休日には自転車でツーリングしたり、冬の薪(まき)ストーブに使う薪割りなどでさらなる体力増強に努めた。がんにはさまざまなノウハウ本があり、「絶対に治る」「みるみる消える」などとうたっているが、私は手を出さなかった。「家族と医師が自分をサポートしてくれる。この病気に対峙(たいじ)するのは自分だ」。気力が充実すると、そう思えるようになった。

 がん細胞は新たに1カ所で見つかったが、すべて消滅させた。3回目の手術で治療が一段落して間もなく、来年1月から3年分を書き込むことができる卓上日記を買った。「死のカウントダウン」と決別するためだ。元旦から1096日間、充実した生活を送り、詳細を記録したい。そう思った矢先、さらなる試練が待ち受けていた。【桐生通信部記者・62歳】=つづく

医師の説明で安心 あきらめない 塚本英夫がん闘病記/2

2010年12月20日 提供:毎日新聞社

あきらめない:塚本英夫がん闘病記/2 医師の説明で安心 /群馬

 ◇手術前、何度も質問

 肝細胞がんには、肝臓そのものから発症した「原発性」と、他臓器から転移した「転移性」の2種類がある。私の場合は原発性だった。精密検査で肝臓には直径2センチ以内の腫瘍が5カ所確認された。初期がんの「ステージ1」は2センチ以内の腫瘍が1カ所にとどまっている状態だが、私の場合はやや進行しており「ステージ2」。担当の斎藤秀一医師はがんを告知した今年2月25日、「すぐに治療を始めましょう」と言った。

 肝臓の重さは1~1・5キロ。人間の臓器では脳と並び最も重いとされる。毎日の食事をエネルギーに変換したり、解毒・排せつなど生きていく上で欠かせない重要な機能を担っている。

 治療法としては、肝臓の一部を切り取る「肝切除術」などがあるが、私の場合は腫瘍が5カ所に広がっているため、「肝動脈塞栓術(そくせんじゅつ)」を勧められた。これは、足の付け根の動脈からカテーテルを体内に挿入し、造影剤を注入してモニターを見ながらがん部位に近づく。そしてがん細胞に抗がん剤を注入し、がん細胞に栄養を運んでいる動脈を栓でふさぐ。がん細胞に対する「兵糧攻め」だ。

 1回目の手術は3月4日。不安がほとんどなかったのは、斎藤医師のインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)のお陰だと思う。病期(ステージ1~4)による治療法の違いやそれぞれの治療法のメリット、デメリットを懇切丁寧に教えてくれた。肝切除術や肝動脈塞栓術以外にも、純粋アルコールを患部に注射する「経皮的エタノール注入法」、ラジオ波で患部を焼く「ラジオ波焼灼(しょうしゃく)法」などの治療法があった。

 私は入院中、「先生、私にとっては大事な問題なので、いくつか質問していいですか」と分からないことは何度も尋ねた。斎藤医師は「何でも聞いてください」と答えてくれた。ノートを手に矢継ぎ早に質問し「こういう患者は迷惑ですか」と聞くと、「いや、やりがいがあります」と言ってくれた。

 がんを告知され、大きく変わったことがある。目に入る景色やにおい、愛犬のまなざし、花々……それらすべてが痛いように鋭敏に感じられるようになった。春の草花の芽吹き、沈丁花(ちんちょうげ)や金木犀(きんもくせい)の香り、夏空の雲などを眺めると「あと何回この季節を迎えられるのだろう」との思いが絶えず湧いてくるようになった。【桐生通信部記者・62歳】=つづく

告知、不思議と冷静 あきらめない 塚本英夫がん闘病記/1

2010年12月19日 提供:毎日新聞社

あきらめない:塚本英夫がん闘病記/1 告知、不思議と冷静 /群馬

 ◇妻の口調に救われ

 桐生市役所の記者クラブで記者会見の取材中、便意が突然襲ってきた。今年1月20日。トイレに駆け込んだが、夜間で消灯されており、この時は下血に気付かなかった。会見は市幹部が緊急に開いた。内容は、合併前の旧新里村で、住宅を建てられないはずの農地に数多くの住宅が建っていた事案についてだった。自宅に帰り、再びトイレに行くと、便器に真っ赤な血が飛び散っていた。

 2日後。血は止まらず、桐生厚生総合病院(桐生市織姫町、病床数514、丸田栄院長)で診察を受けた。事前に知人から「下血の色が黒でなく赤であれば、あまり深刻な病気ではないはずだ」と言われ、私も「一過性のものだろう」程度に考えていた。

 大腸や胃カメラ、CTスキャン(X線によるコンピューター断層撮影)による腹部撮影などが行われ、内科の消化器担当、井上照基医師による診断は、大腸にできた憩室(けいしつ)と呼ばれる突起が炎症を起こす「憩室炎」。8日間の入院で治癒した。しかし、井上医師は一連の検査で、肝臓に別の病変を認めていた。

 「詳細は肝臓専門の医師からお伝えします」。2月15日、精密検査結果が出たため病院に行くと、井上医師にそう告げられた。診察室を移動すると、斎藤秀一医師が電子カルテを見ていた。「ステージ2の原発性肝細胞がんです」。告知はあっという間に終わった。

 私は軽口をたたいた。「これって、がんの告知ですよね。もっと厳かにやるとか、家族を呼んで告げるとか、何かセレモニーはないんですか」

 自分でも不思議なくらい冷静だった。怒りも落胆もなかった。親しい友人が最近、末期になるまでがんを見過ごし、愛する妻子を残して旅立ったのを見ていたからかもしれない。「自分は妻子に何を残せるのだろうか」と自問する日々での告知だった。

 がんの進行を示すステージ(病期)は4期に区分される。ステージ1は、腫瘍が小さく、隣接する組織に広がっていない初期がん。ステージ2は腫瘍が比較的小さく、広がりも隣接する組織にとどまっている状態を指す。

 病院を出て、すぐに妻に電話を入れた。よく晴れた日だったと記憶している。「肝細胞がんらしい。子供たちにはおれから後でいう。いい先生に巡り合ったから、心配するな。がんばるから応援してほしい」。妻は「うん、分かった」。いつもと同じ口調で、救われた気持ちになった。がんと闘う気力が湧いてきた。

    □

 毎日新聞社に入社して36年。私は01年から桐生、みどりの両市のニュースをカバーしている。がんと闘う日々だが、早期発見・治療で「クオリティー・オブ・ライフ」(生活の質)の高い人生が送れるということを知ってほしい。そんな思いでペンを握った。【桐生通信部記者・62歳】=つづく

「誰に似たの?」に傷つき こうのとり追って 第1部・不妊治療の光と影/3

2010年12月22日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第1部・不妊治療の光と影/3 「誰に似たの?」に傷つき

 ◇他人の卵子・精子で出産「秘密抱え、つらい」

 「不妊と分かってから十数年、わらにもすがる思いで治療に望みを託した。他に方法がなく卵子提供を受けたが、妻の悩みは今も深い」。東日本に住む50代の男性は、こう明かす。

 病気や高齢で卵子の状態が悪くなり、妊娠しないケースがある。体外受精の技術を使えば、第三者から提供を受けた卵子を夫の精子と受精させて妊娠し、子供をもうけることは可能だ。妻の遺伝的特質は残らないが、産むことで母親にはなれる。ただ、日本では公的に認められておらず、海外で治療を受けるカップルが少なくない。

 この夫婦も米国で日本人から卵子提供を受け、待望の赤ちゃんを抱くことができた。卵子提供の事実はどちらの親にも明かしていない。

 子供が成長するにつれて妻は「(夫婦の)どっちに似ているんだろうね」という周囲の何気ない言葉に傷つくようになったという。子供の性格や振る舞いに、卵子提供者の存在を感じることも多い。「誰にも言えない思いを押し殺して生きていくしかありません。妊娠したときはうれしかった。でも、出産がゴールじゃなかった」

   ◇

 卵子提供より歴史が古い非配偶者間人工授精(AID)では、1万人以上が生まれているとされるが、医師はAIDの事実を周囲に話さないように勧めることが一般的だった。

 「家族の間で秘密を抱えているのがつらかった」。関東地方に住む40代の女性は、AIDで子供を授かった後に訪れた葛藤をこう振り返った。娘は提供者に似たのか、くっきり二重に彫りの深い顔立ちの少女に育ち、近所の人が「ハーフですか」と聞いたほどだ。赤ちゃんの頃はまめに面倒をみていた夫が、娘から距離を置くようにみえた。本人に「私は誰に似ているのかな」と無邪気に聞かれるのが怖かった。眠れなくなって、心療内科も受診した。

 そんな頃、AIDを検討している人向けの勉強会に参加し、この治療で生まれ「家族にうそをつかれていた」と傷ついた子供たちの話に衝撃を受けた。「みんな、幸せな家庭を思い描いてこの治療を受けたはずなのに」。女性は娘に事実を告げることを考え始めた。

 娘が12歳になった年の大みそか、「大切な話があるの」と、恐る恐る切り出した。「変な顔の人じゃなくてよかったよ」。娘は笑ったが、「泣いてもいいよ」と呼びかけると、一瞬顔をゆがめてしがみついてきた。

 「(提供者は匿名が前提なので)将来、娘が提供者のことを知りたいと思っても手段はない。好きになった男性が、娘の出自を受け入れてくれるだろうか」と女性の悩みはつきない。

   ◇

 慶応大病院はここ数年、告知を親に勧めるようになった。同大病院でAIDを受けた夫婦に対する調査では「子供に対して(治療の事実を)絶対に話さないほうがよい」と答えたのは02年の75%以上から、08年は約60%に減少。当事者の意識が少しだが、変わりつつあるようだ。

 同大病院では現在、看護師がAIDを希望する夫婦への説明を担い、出産後の相談にも応じている。久慈直昭専任講師(産婦人科)は「子供ができたら終わりではなく、チームとしてサポートを続けていきたい」と話している。=つづく

世界に進出、超微小手術 0・3ミリの血管つなぐ はしの文化を背景に 「日本の実力」「繊細さ」「超微小手術」

2010年12月22日 提供:共同通信社

 東大病院の手術室のモニター画面に映るオレンジ色の脂肪の中で、特殊なピンセットでつまんだ銀色の針が踊る。「こんな細い針を扱う技術は、はしで米粒を拾うのと同じなんだわ」。形成外科の光嶋勲(こうしま・いさお)教授(58)は顕微鏡をのぞき込みながら、極細のリンパ管を静脈に縫い付けていく。光嶋教授が20年来開発してきた超微小手術。手先の器用さとものづくりの結晶といえる手術法は世界に広がった。

 ▽筋肉を温存

 この日の患者はリンパ液の流れが滞って脚が腫れ上がる原発性リンパ浮腫の60代女性。リンパ液が静脈に流れるように、直径0・3ミリのリンパ管を直径0・8ミリの静脈に6針で縫い付けた。これを数カ所で行う。リンパ浮腫はがん治療後の後遺症として現れることも多いが、最近まで治す方法がなかった。

 その治療を可能にしたのは、シャープペンシルの芯の太さ(0・5ミリ)に匹敵する直径0・3~0・8ミリの血管や神経、リンパ管をつなぐ超微小手術だ。脳外科など通常の手術でつなぐ血管は細くても直径1ミリ程度までとされる。

 形成外科では、失われた体の一部を再建するため、「皮弁(ひべん)」と呼ばれる血流のある皮膚や脂肪、筋肉を患者自身の体から採取して移植する。光嶋教授は1980年代、大きな皮弁は筋肉を含めて採取するとの常識を覆し、0・5ミリ程度の細い血管が付いていれば筋肉を含めなくても移植先で生着すると報告。この「穿通枝(せんつうし)皮弁」を使った新しい再建術を次々に開発していった。

 例えば、乳がん切除後の乳房の再建では、以前は腹筋を含むおなかの一部を切除して移植していたが、脱腸などの副作用も多かった。穿通枝皮弁による乳房再建術では筋肉は温存される。患者の負担が少ない乳房再建術として注目され、世界の標準となった。頭や手足の損傷に太ももの皮弁を移植する手術なども、日本から世界に進出した。

 ▽海外で講習会

 進化はそこにとどまらない。神経に栄養を供給する細い血管を付けたまま足の感覚神経を採取すると、顔面まひの治療に使えることが分かった。神経束を割いて長くして使う手術、リンパ浮腫の治療など、数多くの独創的な術式を編み出した。

 光嶋教授は、97年からベルギーや米国、シンガポールなど20カ国以上で手術の講習会を開催、これまでに5千人以上の外科医らが参加した。

 カナダ・トロント大のステファン・ホーファー准教授(形成外科)=(44)=は「ドクター光嶋の穿通枝皮弁を使った手術は世界中で再建外科の基礎になった。たくさんの外科医がその技術に取り組んでいる間に、超微小手術という一分野を開拓してしまった。高度な技術なので今のところ世界でも一握りの人しか習得できない。手術の結果は上々で、数年後には多くの外科医が追随するだろう」と評価する。

 ▽世界最小

 微小な血管をつなぐ手術は、奈良医大の医師が世界で初めて完全に切断された指をつなげるのに成功した65年ごろから、日本が世界をリードしている。光嶋教授によると、手術は日本のほか、はしの文化圏である韓国や台湾、中国などの医師が上手だが、「違うのは道具。針は日本の職人でないと作れない」という。

 光嶋教授がリンパ浮腫の手術で使った針は長さ2・5ミリ、直径0・05ミリ。目を凝らしてやっと見える大きさだ。この針を含め、直径0・03ミリの世界最小の手術針を製造している医療器具メーカー、河野製作所(千葉県市川市)は、別の医師からの依頼を受け、硬いステンレスの材料を研ぐ砥石(といし)の研究から始めて3年で完成にこぎ着けた。今では海外から引き合いも来る。河野淳一(こうの・じゅんいち)社長(47)は「海外の先生は0・5ミリ以下の組織の手術ができるとは思っていないので、世の中にこういう針があること自体知らなかった」と笑う。

 どんな思いで超微小手術を生み出したのか。「元通りに治してほしいという患者さんの願いと、どこまできれいにできるか知りたいという医者の好奇心だね」と光嶋教授は答えた。

埼玉・来春のスギ花粉飛散量、過去10年で最多? 夏の猛暑影響、雄花指数が最大

2010年12月22日 提供:毎日新聞社

スギ花粉:来春の飛散量、過去10年で最多? 夏の猛暑影響、雄花指数が最大 /埼玉

 県農林総合研究センター(熊谷市)は、花粉の飛散量を予測するために行う雄花着生調査で、今秋の値が調査を始めた01年以降最も多かったと発表した。来春のスギ花粉量はここ10年で最多となる可能性がある。

 同センターは毎年、JR八高線以西の11市町村50地点でそれぞれ、スギ40本の雄花の着生状況を調査。花粉の飛散量の目安となる「雄花指数」を算定している。11月下旬に実施したところ、指数7636を記録。例年の2・25倍で、翌年が大飛散となった04年を上回ったという。

 同センターによると夏の猛暑が大きく影響したとみられる。また、昨年の飛散量が少なかったことも要因の一つという。

 県内のスギ林は約3万6000ヘクタール。県は補助金を出してスギの間伐を促しているほか、07年には上田清司知事がマニフェストで来年3月までに2800ヘクタールの伐採を約束、削減を進めている。

 また、03年からは花粉の少ない品種の育成に取り組んでおり、新たに植林されるスギは現在、この品種になっている。だが植林面積は43ヘクタールで全体の0・1%にとどまっている。【町田結子】

新たに2種類の遺伝子発見 心筋梗塞発症に関連

2010年12月22日 提供:共同通信社

 三重大(津市)などの研究チームは21日、塩基配列が一つ違うだけで心筋梗塞が約1・3~1・5倍発症しやすくなる遺伝子2種類を新たに発見したと発表した。同様に心筋梗塞の危険性を高める遺伝子は、これまでに3種類見つかっている。

 三重大によると、遺伝子の中でも、人によって塩基配列がわずかに違う「多型」と呼ばれる部分がある。チームは心筋梗塞の既往歴のある人4088人と、ない人1万3359人の血液を採取して解析。既往歴のある人に多く、ない人に少ない多型を抽出した結果、塩基配列が一つだけ異なる遺伝子の多型2種類を確認した。

 一つは「BTN2A1」という遺伝子で、この多型を持つ人は、血管の炎症で血栓ができやすくなり、心筋梗塞の発症比率が約1・5倍高かった。もう一つは「ILF3」という遺伝子で、発症比率は約1・3倍。

 三重大の山田芳司(やまだ・よしじ)教授(分子遺伝疫学)は「遺伝子診断で危険型が分かれば、予防や投薬による副作用の予測など、個人に最適な治療ができる」と話している。

大腸がん確率、計算できる 年齢、体格、生活習慣で

2010年12月22日 提供:共同通信社

 40~69歳の男性が今後10年間に大腸がんになる確率を、年齢や身長、体重などのデータと生活習慣から簡単に導き出す計算法を国立がん研究センターなどが開発、22日発表した。確率は0・2~7・4%になるという。

 同じ年代でも、生活習慣によって確率は数倍違う。開発に携わった笹月静(ささづき・しずか)同センター予防研究部室長は「確率の数値そのものを気にするよりも、生活習慣を見直すきっかけにしてほしい」と話している。

 計算法では、40~44歳を0点、45~49歳を1点などと数値化。体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数(BMI)が25未満は0点、25以上は1点。飲酒は、飲む頻度や量に応じて0~2点。ほかに喫煙習慣と運動する量に応じた点数を設定。5項目の合計点に対応した大腸がんの発症確率が分かる。

 茨城など6府県の40~69歳の男性約2万8千人を1993年から2005年まで追跡した疫学調査から、大腸がんの発症確率を予測する計算法を開発。別の地域の約1万8千人に当てはめると、予測とほぼ同じ発症割合になったという。

 女性では大腸がんのリスクを予測する項目がはっきりせず、こうした計算法はできないという。

脳脊髄液減少症、理解を

2010年12月21日 提供:読売新聞

 交通事故などの後遺症で、頭痛やめまいが起こる「脳脊髄(せきずい)液減少症」の患者団体が20日、診断基準の確立などを求め、約25万人分の署名を厚生労働省に提出した。

 その中には、栃木県真岡市の患者、粂谷由喜子さん(48)と、その家族らが集めた300人分以上の署名が含まれる。粂谷さんは「理解や支援の輪が少しでも広がってほしい」と願っている。

 同症は、交通事故や転倒などの衝撃が原因で、脳脊髄液が漏れる病気。頭痛や目まい、倦怠感など様々な症状を引き起こす。治療法には、脳脊髄液が漏れ出す部分を血液でふさぐ「ブラッドパッチ」が有効とされるが、保険が適用されないため、高額な治療費の全額が患者の負担となる。また、診断指針がなく、頸椎(けいつい)ねん挫などと診断されてしまうケースも多いという。

 粂谷さんは1988年2月、日光市内で車に乗っていた時に事故に遭い、足をけがし、数か月通院した。しかし次第に眠気や頭痛に襲われるようになった。症状には波があり、楽な時は外出もできたが、つらい時は布団からも起きあがれない状態だった。

 その都度、整形外科に神経内科、婦人科や精神科など幅広く受診したが、原因は分からぬまま。特にひどい症状に悩まされていた2005年にテレビで同症について知り、インターネットで調べた結果、治療をしている国際医療福祉大熱海病院にたどり着いた。同症との診断を受けブラッドパッチ治療を何回か受け、症状は徐々に改善し、短時間なら一人で運転し、買い物ができるまでになった。

 その後、粂谷さんは、同じ症状に苦しむ人のためにと、県内の患者と一緒に、県に同症の周知を働きかけた。各市町にも手紙や電話で訴え続け、今年3月には全国に先駆け、県内全市町のホームページでの掲載が実現した。23市町では広報紙でも扱ってもらえた。

 今回の署名では両親や妹が協力したほか、夫は職場でも声を掛けてくれた。また、高校生の息子の友人に保護者あての手紙を託したところ、直接の面識がなかったのにもかかわらず、署名を集めてくれた。

 粂谷さんは、「誰にでも起こりうる病気なので、1人でも多くの人にこの疾患について知ってもらいたい」と訴えている。

ストレス多い現代女性に増加 月経困難症/2 あなたの処方箋/54

2010年12月21日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/54 月経困難症/2 ストレス多い現代女性に増加

 女性の体内では「卵胞期、排卵、黄体期、月経」が25~38日周期で繰り返される。卵胞期にはエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌され、卵胞が成熟し子宮内膜も厚くなり、排卵を迎える。黄体期にはエストロゲンに加え、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が盛んになり、子宮内膜を柔らかくして受精卵が着床しやすい状態を作る。

 妊娠しなければ子宮内膜がはがれ月経として体外へ出される。この時、プロスタグランジンという発痛物質がつくられる。これが月経痛の原因になる。痛みの程度はプロスタグランジンの量によって変わってくる。

 東京都中央区にあるウィミンズ・ウェルネス銀座クリニックの医師、対馬ルリ子さんは「月経は本来女性にとって当たり前のこと。いつもよりだるいとか腰が重く感じることはあっても、日常生活に支障を来すような痛みを感じるのは不自然だ」と話す。

 なのにそうした女性が増えてきた理由はなぜか。対馬さんは現代女性の月経回数の多さを指摘する。昭和初期ごろまでの女性は10代後半から30代半ばぐらいまでほとんど間を開けずに子を産み続け、閉経は早かった。一方、現在は体の発達が良くなり初経年齢が早くなっているのに結婚、妊娠時期が遅くなり、出産回数も減少。その結果、月経回数が約9倍になったとの試算もある。回数に比例して、月経に伴うトラブルが増えてきている。

 ライフスタイルの変化も影響しているようだ。神奈川県立汐見台病院(横浜市磯子区)の産科副科長、早乙女智子さんは「働く女性が増え、心身ともにストレスにさらされ、女性ホルモンの分泌がうまくいかない人が増えている」と話す。ストレスをためこまず、規則正しい生活を送ることが大切だ。=つづく

施設選び、判断難しく こうのとり追って 第1部・不妊治療の光と影/2

2010年12月21日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第1部・不妊治療の光と影/2 施設選び、判断難しく

 ◇公的基準なく、技術に差も 転院で即成功「驚いた」

 不正出血が続き、おなかが張る感覚が消えない。首都圏の主婦(47)は昨夏、転院先の医師の言葉にショックを受けた。「排卵誘発剤の影響ですね」

 44歳で結婚し、ほどなく地元の不妊治療クリニックに通い始めた。妊娠するには高齢のため、医師は「時間との勝負。体外受精の成功率は数%」と告げ、主婦は「そんなに低いのか」と驚いた。しばらく人工授精を試みたが、昨年6月に体外受精に踏み切った。その際、卵子を採取するため排卵誘発剤の投与を受けた。

 だが、妊娠はせず、体調も回復しない。医師に体調不良を訴えても「様子を見ましょう」と言うばかり。「私には時間がないのに治療できない」。焦りを感じながら本やインターネットで情報を集め、排卵誘発剤に副作用があると知った。転院先で、卵子を包む卵胞が大きくなったまま卵巣に残り、次の排卵を妨げていることが分かった。

 地元のクリニックでは、治療内容や副作用が書かれた書類を渡されたが、詳しい説明はなかった。卵胞が残っていることは診察時のエコー検査で分かったはず。「なぜ説明してくれなかったのか。治療で体を痛めるとは思いもしなかった」。今も不信感が消えない。

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 1978年に世界初の体外受精児が誕生して以降、不妊治療は急速に広がった。日本でも日本産科婦人科学会に登録している治療施設は1985年の30カ所から15年間で500カ所を超えた。現在は大学病院や専門クリニックなど約600カ所で、欧州全体の数に匹敵するとも言われる。

 「日本の治療施設は飽和状態」。首都圏の大学病院で不妊治療に携わる医師は指摘する。「治療器具や薬剤のセットが購入できるため、不妊治療の経験がない医師でもクリニックを開業できる」という。東京都内の大手クリニック関係者は「治療の成功率は、採取した卵子の質に左右される面が大きい。だが、体外受精の実施例が年間100件に満たない施設と多い施設とでは、技術に差がある」と指摘する。

 日本には治療施設の公的な規制や基準がない。治療成績を公表している施設も患者数や年齢層が異なり、比較は難しい。地域による偏在も大きく、日産婦の登録施設は東京都が70カ所と最も多く、最も少ない佐賀県は1カ所だ(10年7月現在)。都内の大手クリニックにはスーツケースを手に、遠方から通う患者もいる。

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 福島県白河市の主婦(39)は来年2月に出産を控えている。昨春、都内のクリニックに転院し、1回目の体外受精で妊娠した。喜びよりも「私でも妊娠するんだ」という驚きが大きかった。それまで別の施設で10年間、不妊治療を続けてきたからだ。

 自宅近くには専門の治療施設がなく、片道1時間かかるクリニックに通っていた。人工授精を13回、体外受精を5回繰り返したが妊娠できず、医師は「原因不明」と言った。「子宮に問題があるのか。卵子の質が悪いのか」。治療が失敗に終わるたび、思い悩んだ。

 5回目の体外受精では排卵のタイミングを逃し、採卵すらできなかった。排卵誘発剤の注射の痛みを我慢し、全身麻酔で採卵に臨んだのに、時間もお金も体の痛みも無駄になったことに悲しみがこみあげた。

 思い切って転院したクリニックでは、排卵誘発剤を長年使うと採卵しにくくなると聞き、衝撃を受けた。「もっと早く転院すればよかった」。でも、今は日ごとに大きくなるおなかと胎動に喜びを感じている。=つづく

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 ◇排卵誘発剤

 卵巣を刺激して排卵を促す薬。比較的刺激が少なく脳に働きかける経口薬と、卵巣に直接作用する注射薬の2種類がある。排卵の機能が不十分な場合や、体外受精で多くの卵子を採取するために使う。刺激が強いと多数の排卵が起き、多胎妊娠となる可能性がある。腹痛や吐き気などの副作用を伴うことがあり、卵巣が腫れる卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の原因となる。重症化すると、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞を引き起こすこともある。

冬の朝、布団出るまで13分 最短は徳島、宮崎県民

2010年12月21日 提供:共同通信社

 冬の朝、目覚めてから布団を出るまでの全国平均は13・3分、最短は徳島と宮崎県民-。気象情報会社「ウェザーニューズ」(東京)のアンケートでこんな結果が出た。

 「みんなの冬の朝事情」をテーマに、同社会員を対象に今月、携帯サイトを通じて調査。有効回答は約1万1千人。

 都道府県別で最も布団を出るのが早いのは徳島県と宮崎県の11・0分。次いで山口県の11・3分、福井県と奈良県の11・5分と僅差で続いた。

 近畿全府県で全国平均の13・3分より早いなど、暖かい西日本で早く、北日本は遅い傾向だが、最も遅いのは鳥取県の16・6分、次いで熊本県16・1分、広島県15・7分と、なぜか「のんびりトップ3」も西日本。

 朝起きてから家を出るまでの男女別の時間も調査。全国平均は女性87・2分、男性59・9分と女性の方が27・3分長かった。男性の最短は佐賀県の47・1分、女性の最長は鳥取県の99・1分で、1時間近い開きが出た。

 寒い朝、布団から出るのに一番必要なのは「気合」が56%で最多、2位は「部屋を暖める」の33%。

電子カルテ、共通化へ…京都大病院と京都府立医大病院

2010年12月20日 提供:読売新聞

〈生涯カルテ〉実現も

 京都大病院(21科、1182床)と京都府立医大病院(26科、1065床)で、それぞれの病院で受けた検査結果や処方薬を共通の電子カルテに記録し、両病院で利用できるサービスが年明けにも始まる。これほど大きな病院同士の連携は例がなく、検査や薬の重複を防ぎ治療を効率化できる利点も大きい。両病院は、他の医療機関にも参加を促し、誕生から死亡まで全診療内容を網羅した〈生涯カルテ〉の実現を目指す。

 京都大病院は、会員登録した患者1500人分の検査結果や処方の内容、診療の要約、手術記録などの電子カルテを作成。データを、2007年7月から、診療情報共有システムに登録している。府立医大病院も、同じシステムに参加。来年1月から共通カルテの会員を募集し、半年後に本格運用する予定。情報は検査と処方の履歴だけだが、同じ患者が両院で受けた診療内容が時系列で記録され表示できるようになる。

 共通カルテは、患者がパソコンや携帯電話で見て、日々の症状を書き込み、両院でチェックすることも可能。また患者が希望すれば他の病院での診療でもデータを利用でき、所定欄に診療結果を書き込める。

医療廃棄物2万8千個漂着 日本海沿岸中心に

2010年12月20日 提供:共同通信社

 日本海沿岸を中心とした島根など18府県で9月下旬以降、ガラス製の薬瓶や注射器など医療廃棄物の漂着が確認され、11月末時点で計2万8830個に達していることが17日、環境省の集計で分かった。

 府県別では島根が1万1138個、鳥取が8583個、長崎が3717個など。廃棄物のうち1702個に中国語、1650個にハングルの表記があり、同省は中国と韓国に外交ルートを通じて調査を求める。品目別では薬瓶が1万6351個、注射器が2738個で、ほかはカテーテルや点滴器具などだった。

 2005年には約2万4千個、06年に約2万7千個の医療廃棄物の漂着が確認されたが、その後は漂着が少ない年もあり、全国調査をしていなかった。環境省によると瓶の表記などから製造企業が特定できても、誰が投棄したかを突き止めるのは難しく、対策は進んでいないという。

 漂着した医療廃棄物は、原則として都道府県か市町村が回収、自治体の負担で焼却や埋め立て処分している。

仕事にやりがいない人、燃え尽き症候群にご用心

2010年12月19日 提供:読売新聞

 仕事に意味ややりがいを感じられない人は、精神的な疲労が重なるなどして虚脱感に襲われる「燃え尽き症候群」を起こしやすい--。

 こんな傾向を、京都大こころの未来研究センターのカール・ベッカー教授と近藤恵・特定研究員らがアンケートで導きだし、18日に京都市内であった研究会で発表した。調査対象は近畿の新人看護師たち。過酷な労働と離職率の高さが問題になっている看護師をはじめ、職場での対策を考えるうえで役立ちそうだ。

 ベッカー教授らは、ストレス対処能力を測る指標で、日常や人生に意味があると思える感覚「SOC」(首尾一貫感覚)に着目。「これまでの人生に明確な目的があったか」「毎日に喜びや満足を感じるか」などの設問を用意し、近畿2府4県の114病院の1330人に、新人研修時(今年3月末-4月上旬)と配属後(6-8月)の2回、答えてもらった。

 結果を分析したところ、仕事に意味ややりがいを感じないと回答した人、課題を自分で処理できず対策を考えられない様子がうかがえた人は、職場での対人ストレスなどを感じやすく、患者に冷たく対応したり、精神的に疲弊したりする傾向があった。ストレスや非人間的な感情、疲労感は、燃え尽き症候群につながりやすいとされている。

期待しては裏切られ こうのとり追って 第1部・不妊治療の光と影/1

2010年12月20日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第1部・不妊治療の光と影/1 期待しては裏切られ

 ◇10年続け、44歳で断念「生理が来ると、どん底」

 「随分、時間がたったんだ」。10月上旬、東京都国分寺市内に住む女性(64)は、今年のノーベル医学生理学賞発表のニュースを、特別な感慨をもって受け止めた。受賞者は英国のロバート・エドワーズ博士(85)。博士が産婦人科医の故パトリック・ステプトー氏とともに、世界初の体外受精児ルイーズ・ブラウンさんを誕生させてから32年がたつ。

 女性は大学時代に卵巣のう腫で右側の卵巣を摘出。後遺症の腹部の癒着で左側の卵管がつまったため、不妊症になった。卵巣から採取した卵子と精子を受精させて体に戻す体外受精の成功を知った時、「やらないと一生後悔する」と感じた。

 女性はその後、卵管を通す開腹手術をしたが癒着が悪化、妊娠の可能性はほぼなくなった。80年の夏、女性はいちるの望みを抱いて英文の手紙を書き、ステプトー医師に送った。「私は34歳。あなたが試験管ベビーの専門病院を開くことを知って筆をとりました。ぜひ入院させてください」

 約1カ月後、「すでに順番を待っている人たちが大勢いる」と、丁重な断りの手紙が届いた。「もっと遅く生まれていれば」。身をよじって泣いた。

 養子縁組も模索したが、44歳のころ、子どもを持つことを断念。思いを振り切るため、集めた不妊治療の資料は全て捨てた。

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 英国ケンブリッジ市郊外にエドワーズ博士とステプトー医師が開いた世界初の体外受精施設「ボーンホール・クリニック」。「ルイーズが生まれて最初のころは助けを望む手紙が毎日ポストに入りきらないほど届いた。彼女の誕生が世界中の何百万の人に希望をもたらした。当時は年間3万件の依頼があったはず」。マイク・マカナミー所長(52)はそう話す。

 マカナミー氏によると、エドワーズ博士はある不妊の夫婦から悲しみや心の痛みを聞いたのをきっかけに人の体外受精の研究に乗り出した。エドワーズ博士には5人の娘がおり、「子どものいない人生は考えられない」と話していたという。

 ルイーズさん誕生から数年間に体外受精は各国で成功し、瞬く間に日本を含む世界中に広がった。研究所は89年から国内外の医師や科学者を対象とした実習プログラムを組み、普及を後押しした。

 マカナミー氏は「我々は不妊に悩む世界中の夫婦を手助けできる」と胸を張る。

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 国分寺市の女性は治療の日々を「一番つらかったのは、自分の中での葛藤」と振り返る。「可能性が低いと分かっていても期待してしまい、生理が来るとどん底になる。その繰り返しだった」。体外受精の技術が普及した今も、同様の葛藤に長期間苦しむ患者は多い。

 つい最近、20年来の友人が不妊治療を受けていたと知って驚いた。15歳年下。「体外受精もやったけど駄目だった」と打ち明けられ、「遅く生まれていても、子どもを持てなかった可能性があるのか」と初めて実感した。

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 身近になった不妊治療。しかし、全ての夫婦に福音をもたらすわけではない。「現代のこうのとり」の技術の光と影を追った。=つづく(須田桃子、斎藤広子、笠原敏彦、五味香織、下桐実雅子が担当します)

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 ◇不妊症

 性交渉がありながら2年以上妊娠しない症状。原因は男性側と女性側がそれぞれほぼ半々、さまざまな検査をしても原因不明の場合が1割程度ある。男性側の主な原因は、精液中の精子の数が少ない▽動きが悪い▽正常な精子が少ない--など。女性側は、卵子を子宮に届ける卵管や排卵の障害、子宮や卵巣、卵管に癒着を起こす子宮内膜症、高齢に伴う卵子の老化など。複数の要因が複合的に影響していることもある。

体外受精 2人の「母」重い選択 広がる卵子提供、公的ルールないまま

2010年12月19日 提供:毎日新聞社

体外受精:2人の「母」重い選択 広がる卵子提供、公的ルールないまま

 <追跡>

 新たな生命を生み出すため、卵子と精子を体外で受精させ、子宮へ戻す体外受精技術が今年のノーベル医学生理学賞に選ばれた。開発から約30年、世界の不妊カップルに福音をもたらす一方、カップル以外からの卵子提供で2人の「母」が生じる事態も生んだ。国内では公的に認められていない、卵子提供による治療で妊娠した女性と、卵子を提供した女性が毎日新聞の取材に応じた。提供側とそれを受ける側がともに取材に応じるのは初めて。(3面にクローズアップ)

 ◇妊娠女性「何があっても母は私」/提供の義妹「産めないつらさ理解」

 「自分(の卵子)じゃなくてもいいけど、夫の子が本当にほしかった。それが、ようやくかないます」

 西日本に住む女性(37)は今秋、夫の精子と、弟の妻(37)が提供した卵子による体外受精で妊娠した。卵子提供でなければ妊娠できない人への卵子提供を容認する「日本生殖補助医療標準化機関(JISART)」(田中温(あつし)理事長=セントマザー産婦人科医院院長)の会員クリニックで成功。来年初夏、待望の子を抱く予定だ。

 女性は20代前半で結婚したが、月経が来なかったり、異常に早く閉経する「早発閉経」のため卵子が成熟せず、不妊治療を続けた。30歳ごろ、主治医から「もう難しい」と告げられ、養子、子のいない人生、離婚――。あらゆる選択肢を夫婦で話し合った。卵子提供も検討したが、主治医に「国内で認められていない」と言われた。

 同じ頃(03年)、厚生労働省の部会が、卵子提供による治療を認め、法制化を求める報告書をまとめた。女性は「報告書は知っていた。『国内でもいつかどうにかなるかもしれない』と感じた」。

 だが、法制化は遅々として進まない。35歳になった女性は、ネットでJISARTが卵子提供の治療を始めたことを知った。不妊を相談していた義妹は、以前から「(卵子提供も含め)力になる」と言ってくれていた。夫も「2人で育てることが一番」と賛成した。最初の治療で妊娠した。

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 「私自身が不妊治療を受けていたから、お姉さんの思いが理解できた」。義妹は、こう口を開いた。義妹も結婚後、子ができず、体外受精も受けた。排卵障害が原因と分かり、治療を受けると自然に妊娠した。今、3人の子がいる。

 卵子提供のための採卵では、排卵誘発剤などによる副作用の恐れが指摘される。だが、義妹は体外受精治療の経験があり、採卵に不安はなかった。

 彼女には別の事情もあった。6年ほど前、30代半ばの兄が、がんで亡くなった。治療法を探したが、なすすべもなく兄は逝った。「自分の協力でお姉さんの苦しみが解消されるのなら……。治らないつらさを、分かっていたからこそ協力した」

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 女性が産む子は、遺伝的には夫と義妹の子、民法解釈で母は出産した女性と、複雑な親子関係になる。女性は子にすべてを話すつもりだ。「何があっても母親は私だから」

 だが、卵子提供は、米国などで認められている一方、日本は国も日本産科婦人科学会も認めていない。女性は「子の将来を考えると、この治療を社会全体で認める制度ができてほしい」と訴える。義妹は「(家族関係の複雑さは)考えないようにしている。将来、公的制度ができても、私のような経験のない人は簡単には協力しないのでは」と語った。

 国内外の不妊治療の事情に詳しい柘植あづみ・明治学院大教授(医療人類学)は「一般に『子を産むことが幸福だ』という前提があり『産めないのも自然』とは考えられていない。また『子がほしい』という望みを医療がどこまで支えるか、国のルールがなく医師の判断に任されている。技術が広がった今こそ、その使い方や子を持つ意味について社会で議論すべきだ」と指摘する。【永山悦子】

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 ■ことば

 ◇卵子提供

 日本産科婦人科学会(日産婦)の指針では、夫婦以外の体外受精の実施を認めていない。国内では98年に長野県の根津八紘(やひろ)医師が卵子提供治療の実施を公表、日産婦から除名された(03年復帰)。JISART(全国25施設が参加)は倫理委員会による審査など独自の手続きを定め、08年に実施に踏み切った。

体外受精、応用多岐に 倫理の検討、置き去り クローズアップ2010

2010年12月19日 提供:毎日新聞社

クローズアップ2010:体外受精、応用多岐に 倫理の検討、置き去り

 世界で初めて体外受精児を誕生させた英ケンブリッジ大名誉教授、ロバート・エドワーズ博士に今年のノーベル医学生理学賞が贈られた。その技術は、不妊治療の可能性を広げ、これまでに世界で400万人以上の子が誕生した。一方で、第三者からの卵子提供や代理出産など、倫理的な問題もはらむ技術も登場し、子を求める不妊カップルの希望に応えてきた現場からも、戸惑いの声が上がっている。【須田桃子、斎藤広子、五味香織】

 12月10日、スウェーデン・ストックホルムで開催されたノーベル医学生理学賞の授賞式。健康上の理由で欠席した受賞者のエドワーズ博士に代わり、研究仲間でもあった妻ルースさんが、国王からメダルと証書を贈られると、大きな拍手に包まれた。最終選考に携わったカロリンスカ研究所ノーベル賞選考委員会のクリステル・ホーグ教授が「あなたの仕事の結果、数百万人の不妊のカップルが子という貴重な贈り物を授かり、我々すべてを感動させた」と功績をたたえた。

 子を求める夫婦のうち10組に1組が不妊に悩むとされる。日本では08年に2万1704人(日本産科婦人科学会調べ)が体外受精などの技術を利用して誕生した。50人に1人が体外受精などの技術で生まれた計算で、不妊治療として体外受精はもう珍しくない。

 一方で、遺伝上の母親と産んだ親が異なる卵子提供や、第三者に受精卵を託して出産してもらう代理出産も可能になった。体外受精の技術が親子関係の複雑化や、報酬目的の代理出産といった現代社会に新しい問題をもたらしている。この点について、ジョラン・ハンソン同委員会事務局長は毎日新聞の取材に「我々は体外受精の開発を評価はしたが、応用方法は議論しておらず、授賞対象にも含まれない」と語り、卵子提供や代理出産に対する評価を避けた。

 排卵誘発剤による副作用や、高齢での妊娠、出産を可能にしたことによる母子への影響も指摘される。慶応大の久慈直昭講師(産婦人科)が国内医療施設に行った調査では、海外で卵子提供を受けたとみられる妊娠が04~08年に計23例あり、平均年齢は45歳だった。妊娠高血圧の合併症、出産時の異常出血が多いことや、低出生体重の赤ちゃんが多いなどの特徴があったという。

 国内で公的なルールがないまま、先進技術の利用だけが進む。生まれてくる子や親たちが直面する問題の答えはまだ出ていない。

 ◇技術の行使「社会が決めて」 日本の先駆者にも迷い

 エドワーズ博士ら英国の後を追うこと5年、大学間の激しい競争の末、国内で初めて体外受精による出産に成功したのは83年10月の東北大だった。同大チームで女性からの採卵を担当した星合昊(ほしあいひろし)・近畿大教授(65)は「当時、世界ですでに300人が生まれ、先天異常などの報告はなかった。しかし、100%安全が確立されたわけでもないと考え、この技術でなければ妊娠が不可能な卵管閉塞(へいそく)の患者に対象者を限定した。子に恵まれない夫婦に福音をもたらそうという思いだった」と振り返る。

 同年、日本産科婦人科学会(日産婦)は、同大の倫理憲章を参考に会告を作り、体外受精対象者を夫婦間に限定した。しかし、その後、長野県の根津八紘医師らが夫婦以外の精子や卵子を使う体外受精による出産や娘の卵子を使って親が出産する代理出産の事実を公表するなど、国内の法整備が進まないまま、公的に認められていない治療例が相次ぐ状態になっている。

 83年当時「神の領域」に人が手を出す行為として強かった体外受精に対する社会からの反発も、やがて収まっていった。星合さんは「体外受精に限らず、医師側が可能な技術を提示し、患者の希望をかなえることが医師の役割になり、今さら何がいい、悪いということが言えなくなった。その結果が、現在の状況だ」と指摘する。

 日産婦の統計では体外受精1回あたりの妊娠率は2割程度。星合さんは「年齢が高くなっても妊娠に希望を持つ人が増えたが、実現性の低い夢を抱かせてしまった、という面はある。医師は技術を提供できる。その技術を使ってよいかどうかは、社会が決めてほしい」と問いかける。

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 ◇あすから連載

 不妊治療の技術は進みましたが、社会の理解や制度が追いついているとはいえない状況です。20日からくらしナビ面で連載「こうのとり追って 第1部・不妊治療の光と影」を始めます。治療がもたらした成果や問題点、患者や医師らの悩みを取り上げながら、私たちの社会が目指すべき道を探ります。

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 ◇不妊治療に関する出来事

1948年 慶応大が日本で初めて非配偶者間人工授精(AID)を実施

  78年 英国で世界初の体外受精児ルイーズ・ブラウンさんが誕生

  83年 東北大病院で国内初の体外受精児が誕生

  91年 日本産科婦人科学会が顕微授精を条件付き容認

  92年 宮城県で国内初の顕微授精児が誕生

  98年 長野県の諏訪マタニティークリニックで、妹から卵子提供を受けた女性が体外受精で出産と発表

2001年 同クリニックで、妻に子宮がなく妊娠できない夫婦の受精卵を使い、妻の妹が代理出産

  03年 厚生労働省の生殖補助医療部会が、第三者による精子や卵子の提供について匿名で無償などを条件に容認、実施には法整備が必要とする報告書をまとめる。代理出産は禁じた

  04年 国が体外受精や顕微授精の経済的負担軽減を図るため、助成事業を開始

  09年 日本生殖補助医療標準化機関(JISART)が、第三者からの卵子提供による治療を2件実施し、出産したと発表

  10年 ルイーズ・ブラウンさんを誕生させた英国のロバート・エドワーズ博士(85)がノーベル医学生理学賞を受賞

苦痛抱える160万人、我慢せず受診を 月経困難症/1 あなたの処方箋/53

2010年12月20日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/53 月経困難症/1 苦痛抱える160万人、我慢せず受診を

 月経中に起きる病的な症状を「月経困難症」と呼ぶ。厚生労働省研究班の00年調査によると、月経困難症に苦しむ女性は160万人。だが病院を受診する人は12%しかいない。

 「月の半分はふらふらしているかもしれない」と話すのは、東京都内に住む会社員(31)。排卵日前後は一日中眠く、気分がひどく落ち込む。月経の数日前には腹部の膨満感がひどく、始まると下腹部、腰、頭、足の痛みに加え、下痢などが約1週間続く。さらにその後数日間、ひどい貧血状態に襲われる。それでも、頭痛がひどい時に市販の鎮痛剤を飲むぐらい。「月経は病気じゃないから我慢するしかない」と思い込んでいるためだ。

 バイエル薬品が今年9月、月経痛の重い20~49歳の女性312人にインターネット調査を実施したところ、月経困難症の状態が15年以上続いている人は45%に上った。仕事への影響も大きく、全体の7割は休んだり時間を短縮。4割が「月経のつらさを誰も分かってくれない」と感じており、職場での理解を求める声が多かった。

 多くの女性が働くいま、月経困難症による労働損失は年間3800億円に相当するとの国の試算もある。だが、社会的理解は乏しい。聖路加国際病院(東京都中央区)の百枝幹雄・女性総合診療部長は「症状に個人差が大きいことが一因では」と分析する。

 百枝さんは「月経痛への対応は、女性自身のQOL(生活の質)の面からみても大変重要。月経中に鎮痛薬を飲む人は、一度専門医で調べた方がいい」と勧める。症状がひどい人は子宮筋腫や子宮内膜症など、別の疾病がある恐れもある。毎日を楽しく過ごすためにも、我慢は禁物だ。=つづく(小川節子が担当します)

局所陰圧閉鎖療法 糖尿病による足の皮膚の潰瘍や床ずれ…

2010年12月19日 提供:毎日新聞社

医療ナビ:局所陰圧閉鎖療法 糖尿病による足の皮膚の潰瘍や床ずれ…

 ◆局所陰圧閉鎖療法 糖尿病による足の皮膚や潰瘍や床ずれ、心臓手術の傷などを閉じる。

 ◇格段に早い治り具合 今年から保険適用、周囲より圧力下げ新組織形成促す

 糖尿病の合併症で生じた足の皮膚の潰瘍や重い床ずれなど、通常の手術や処置では治りにくい重い傷を治す「局所陰圧閉鎖療法」に今年4月から健康保険が適用されるようになった。すでに世界では50カ国以上で使われていたが、日本でもやっと普及し始めた。

 糖尿病の症状が重くなると、足の血行が悪くなって皮膚が黒ずみ、穴があいたような潰瘍(皮膚の欠損)が生じることがある。手術で皮膚を縫い合わせようとしても傷口が閉じず、皮膚が壊死(えし)して、足の切断を余儀なくされるケースもある。

 こういう治りにくい皮膚の傷を「難治性創傷」という。糖尿病のほか、お尻や腰にできる重い床ずれ▽手や足を切断したあとの傷▽心臓手術後に縫合では閉じにくくなった胸の傷、などでよく見られる。

 この傷の治療法が米国で開発された「局所陰圧閉鎖療法」だ。傷口を黒いスポンジ(フォーム材)と薄い接着フィルムで密閉する。フィルムには小さな穴が開き、そこから細いチューブが、圧力を自在に制御できるコンピューター内蔵の医療機器につながり、傷にたまった浸出物や老廃物を吸引・除去する。傷の部分の圧力を周りより低い「陰圧」状態にすることで血行をよくし、新しい組織の形成を促すのが特徴だ。

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 閉鎖療法で多くの患者の治療にあたる波利井(はりい)清紀・杏林大医学部教授(形成外科)は「陰圧専用の機器がなかったときには、傷の上にガーゼとフィルムをのせ、病室の壁に取り付けてあった従来の吸引装置でやっていた。圧力のコントロールがうまくいかず、傷の浸出液がもれたりする課題があった」と医療機器のメリットを話す。

 波利井さんらは、06年から1年間、全国11カ所の病院で閉鎖療法の臨床試験を実施、計80人の患者を対象に傷の治り具合を調べた。既存のカルテの症例と比べた結果、傷の治り具合は従来の方法が約33~90日だったのに対し、同閉鎖療法は約13~26日と格段に早いことが分かった。この成果が保険承認に結びついた。

 心筋梗塞(こうそく)で血管が詰まり、心臓手術を受けた東京都小金井市の男性(67)。手術後、胸の骨が見えるくらいに傷口が開いたままになった。今年8月、杏林大で閉鎖療法を受けると、2週間の入院で傷口が閉じた。男性は服をたくし上げて長さ2~3センチの傷口を見せた。「赤い部分が閉じた部分。痛みは全くない」と治りの早さに驚いていた。

 男性を治療した大浦紀彦・同大講師(形成外科)は「昔なら、おなかや背中の筋肉を切除して、胸の欠損部分に移植する手術が必要だった」と閉鎖療法の成果を話す。

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 医療機器は持ち運び可能で、使い方を習得すれば、どこの病院でも導入できる。現在は大学病院など大規模な病院で普及している。埼玉医科大病院(埼玉県毛呂山町)では今年4月から今月7日までに計109人の患者を治療した。糖尿病などによる足の潰瘍が約5割、重い床ずれが約4割を占める。

 閉鎖療法の国際ガイドライン諮問委員会のアジア代表を務める市岡滋・埼玉医科大教授(形成外科)は「治療法は画期的だが、保険承認に多大な時間と費用がかかるのが問題だ」と話す。

 閉鎖療法の正式承認は欧米より約10年も遅れた。市岡さんは「海外で有効性と安全性が確立されているのに、日本ではゼロから独自の臨床試験が要求される。これでは時間と費用がかかり、患者にもマイナスだ。今後予想される先進的な技術導入に対して、もっと速く柔軟な対応をしてほしい」と国に改善を求めている。【小島正美】

予防体操 「老い」と生きる 認知症家族会30年/下

2010年12月18日 提供:毎日新聞社

「老い」と生きる:認知症家族会30年/下 予防体操 /群馬

 ◇生活習慣を重視

 「運動しますよ。集まってくださーい」

 高崎市内の有料老人ホームで今月11日昼、デイサービスを利用する高齢者14人が男性施設長の掛け声で集まった。

 「右、左、右、左」。このホームでは毎日20分、認知機能の低下防止や筋力維持などを目的に、両手、両足を交互に上げ下げするなどの簡単な運動を行っている。参加者からは自然と笑みがこぼれる。

 脳の活性化を目的とした運動は全国各地で行われているが、代表的なのは、茨城県利根町で認知症予防策の一つとして始まった「フリフリグッパー体操」。筑波大の朝田隆教授が考案した。腕を振ると同時に手を開いたり閉じたりする体操で、腰や足も使って脳を刺激する。

 朝田教授はこの体操に加え、脳の動きを活発にするとされるドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取と昼寝を取り入れた実証実験を同町の保健センターで3年間実施した。実験に参加した住民は、参加しなかった住民に比べて記憶力が改善した例が多く、認知症状が進行する人の割合も低いという結果が出た。

 「肉より魚。脳内の不要なたんぱく質を溶かすとされるポリフェノールが多く含まれる赤ワインも予防に役立つ」。伊勢崎市東小保方町の精神科病院「大井戸診療所」の大澤誠医師は、認知症に効くとされる食べ物や飲み物を挙げ「薬を飲むだけでなく、患者の生活習慣から病気にアプローチしていくことが重要だ」と予防の重要性を強調する。

 内閣府が今年5月に公表した「2010年版高齢者社会白書」によると、日本の平均寿命は女性86歳、男性83歳。65歳以上の高齢者は過去最高の2901万人を記録した。55年の平均寿命は女性90歳、男性83歳と推定する。高齢化と比例して、認知症患者は今後も増え続けることになる。

 予防に向けた取り組みが広がりを見せる一方、「認知症の人と家族の会」県支部の田部井康夫代表(63)は「人と人のつながり」の大切さを訴える。同会は月1回、認知症患者を介護する家族が集まり、悩みを話し合う場を設けている。田部井さんは「話し合いで解決できることはないが『何でも話して大丈夫だ。つらいと言ってもいい』と思える場所があるのは全然違う。心が軽くなる」と話す。

 認知症の母とし子さんが99年に亡くなっても、会の代表を務める田部井さん。「思うような介護を母にできなかったという自分の失敗と悔いを伝えることで、励まされる人もいるのでは」。この思いが原動力となっている。【鳥井真平】

多剤耐性菌の特効薬、病院の1割が輸入計画

2010年12月18日 提供:読売新聞

 ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性菌の特効薬とされ、国内では未承認の抗生物質コリスチンを、全国の医療機関の約1割が独自に輸入して備蓄する計画を持っていることが、日本化学療法学会の調査でわかった。

 昨年の調査に比べ約1・7倍に増加した。多剤耐性菌に対する警戒感が医療機関で高まっていることが背景にあるとみられる。

 コリスチンは、1950年に日本で発見され、広く使われたが、神経障害などの副作用が出て90年代には使われなくなり承認が取り消された。欧米では、多剤耐性菌の特効薬として使われており、厚生労働省は再承認に向け、優先的に審査する方針を決めている。

 調査は今年5-10月に実施。感染対策の専門医がいる全国445施設のうち11施設(2・5%)が「既にコリスチンを備蓄している」と回答、35施設(7・9%)が「準備中」と答えた。

がん患者 治療外の出費、年55万円 交通費、宿泊費など NPO調査

2010年12月20日 提供:毎日新聞社

がん患者:治療外の出費、年55万円 交通費、宿泊費など--NPO調査

 がん患者の治療費以外にかかる出費は年間で平均約55万円に上ることが、NPO法人「がん患者団体支援機構」(浜中和子・理事長代行)などの調査で分かった。東京都内で19日開かれたがん患者大集会で発表した。治療時の交通費や宿泊費、治療以外の定期検査費などが主な原因という。

 調査は、がん患者や家族を対象に9月から3カ月間実施し、615人から回答(回収率約20%)があった。治療費以外の出費は、年間で平均約54万6000円。内訳は20万~50万円が4分の1を占め、100万円以上も2割近くあった。主な出費は、交通費・宿泊費や定期検査費以外にも、健康食品・サプリメントの購入費などが多かった。

 治療法や薬の種類を変更・断念した経験があるかとの質問(複数回答)には、12%が「治療や薬をあきらめたことがある」、9%が「希望の治療や薬以外で治療したことがある」と答えた。

 一方、治療しながら仕事を続ける上で困った点を聞いたところ、「治療のための休暇が取れない」が37件と最も多かった。また、仕事を辞めた患者に理由を尋ねると、「治療との両立が難しい」が42件と最多で、「休職したが、復帰を認めてもらえなかった」など、がん患者の厳しい就労実態を訴える声もあった。【河内敏康】

ヤマブシタケ「がん治る」 効能なし、業務停止命令

2010年12月20日 提供:共同通信社

 効能がないのに「がんも治る」「認知症にならない」と電話で勧誘し、キノコの一種ヤマブシタケを売っていたとして、消費者庁は17日、特定商取引法違反(不実告知など)で健康食品販売会社「幸(さち)の華」(東京)に3カ月の業務停止命令を出した。

 消費者庁によると、これまでに契約者は延べ5万人、約12億円の売り上げがあるという。同社の担当者は「客に迷惑を掛けおわびする」と話しており、商品の販売を取りやめる方針。

 問題の商品は「ヤマブシタケ幸の華」と「宮廷からの贈り物『双』」。価格は90包または360粒で3万9900円。

 同社は2006年から10年にかけて、東京や大阪、北海道など全国の消費者に「免疫力がついてがんも治る」「飲み続けると認知症にならない」などと電話で勧誘、販売した。

 消費者庁の調べでは、ヤマブシタケにがんなどの病気を予防したり改善したりする効能がないことが確認された。

iPS利用、豚で人の膵臓 東大と明治大が計画

2010年12月20日 提供:共同通信社

 豚の胎児に人間の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を移植し、この胎児に人間の膵臓(すいぞう)を作らせる計画を、東京大医科学研究所の中内啓光(なかうち・ひろみつ)教授と明治大の長嶋比呂志(ながしま・ひろし)教授らが17日、文部科学省の専門委員会で明らかにした。

 iPS細胞はさまざまな細胞になる能力があり、再生医療への応用が期待されている。中内教授は「慎重に研究を進め、将来は人間に移植可能な臓器を作りたい」と話している。

 計画では、遺伝子操作で生まれつき膵臓ができない豚を利用。この豚が母豚の子宮内にいる胎児の段階で、人間のiPS細胞かiPS細胞から分化させた膵臓の前駆細胞を移植する。もともとは豚の膵臓ができる場所に人間のiPS細胞由来の膵臓ができる可能性があるという。

 細胞は、受精の約40日後に相当する妊娠初期の段階で移植する。この段階は膵臓ができ始める時期という。

 中内教授は、膵臓ができないマウスの実験で、受精卵が分割を繰り返して胚盤胞という状態になった段階で異種の動物であるラットのiPS細胞を注入、生まれたマウスの体内にラットの膵臓を作ることに成功している。

 現在の国の指針では、人間の細胞を含む胚を動物の胎内に移植することは禁止されており、人間のiPS細胞を胚盤胞に移植する方法で膵臓を作ることはできない。動物の胎児への移植は、指針上は可能という。

乳児の重症頻拍を治療 国内初、異常心筋焼く 大阪市の医療センター

2010年12月20日 提供:共同通信社

 心拍数が異常に多い重症頻拍(先天性接合部頻拍)の生後6カ月の乳児の体内にカテーテル(細い管)を入れ、心臓の異常な心筋を焼いて死滅させ、根本的に治療することに大阪市立総合医療センターが成功し、18日発表した。

 センターによると、先天性接合部頻拍の乳児でこの治療が成功したのは国内初で、世界的にも少ない。脈に異常が出る不整脈治療の幅が広がりそうだ。

 乳児は心臓が小さく、使えるカテーテルが少ないなどこれまで実施が難しかったが、今回は両親が早期に実施を決断し、容体も安定していたことが成功の要因という。

 治療を受けたのは長野県駒ケ根市の塩沢茉莉(しおざわ・まり)ちゃんで、18日退院。茉莉ちゃんらと一緒に同日記者会見した母親の綾乃(あやの)さん(39)は「普通の生活をさせたかった。夢のよう」と目を赤くした。父親の団体職員真洋(まさひろ)さん(35)は「チャンスに託そうと思った」と治療を決めた時の心境を振り返った。

 重症頻拍は心臓を拍動させるのに必要な刺激が正常に伝わらず、心拍数が異常に多くなる不整脈の一種。薬剤でコントロールするのが難しく、心不全で死亡することもある。

 茉莉ちゃんは妊娠後期に不整脈と診断され、母体を経由して頻拍を抑える薬物治療を受けた。6月の誕生後、先天性接合部頻拍と診断され抗不整脈薬を投与されていたが治らず、血圧低下や心機能の悪化も起き、今月3日に長野県内の病院から同センターにヘリコプターで搬送された。

 6日と10日に太ももの付け根から静脈にカテーテルを挿入し、心室と心房の間にある異常な心筋を、カテーテルの先から流した高周波電流で焼く「経皮的カテーテル心筋焼灼(しょうしゃく)術」を受けた。その後、再発や合併症はない。検査のため通院は必要だが、運動を含め通常の生活が期待できる。

 同センター小児不整脈科の中村好秀(なかむら・よしひで)部長によると、先天性接合部頻拍は非常にまれな疾患で、国内では多くても年間数例程度とみられるという。

神奈川・来春のスギ花粉飛散量、大幅増の予想 猛暑で雄花生育

2010年12月18日 提供:毎日新聞社

スギ花粉:来春の飛散量、大幅増の予想 猛暑で雄花生育 /神奈川

 県自然環境保全センター(厚木市)は17日、来春のスギ花粉の飛散量について「少なかった今年と比べると大幅に増え、例年よりも非常に多くなる」との予想を発表した。花粉を飛散させる雄花は、前年の夏が高温少雨の場合はよく生育するため、今夏の猛暑が影響したとみられる。

 同センターは先月11~18日、県内のスギ林30カ所で雄花の着花量の調査を実施し、着花点数(100点満点)の平均値は75・3点だった。昨年(15・7点)の4・8倍、例年値(42・2点)の1・8倍に上り、97年度の調査開始以降最高となっている。

 同センターは、今回の着花点数が高かった原因について「7月から8月にかけての高温少雨と日照時間が非常に長かったことが影響した」と分析している。花粉の飛散量は来年1月からホームページで公開する予定で、スギ花粉は2~4月に多く飛散する。【木村健二】

赤ワイン、認知力向上 マウスの脳神経細胞倍増 名古屋市大

2010年12月19日 提供:毎日新聞社

赤ワイン:認知力向上 マウスの脳神経細胞倍増--名古屋市大

 赤ワインが、記憶に関わる脳の神経細胞の数を倍増させ、認知能力を高めることが、岡嶋研二・名古屋市立大大学院教授(展開医科学)のチームの動物実験で分かった。白ワインでは効果がなかった。近く米国の栄養生化学雑誌に発表する。

 これまでに赤ワインを1日400ミリリットル(グラス3杯程度)を飲む人は、飲まない人に比べ、認知症の症状が表れにくいことが、フランス・ボルドー大などの疫学調査で分かっていた。チームは、赤ワインに含まれ、心疾患減少に効果のある「レスベラトロール」という成分に注目。マウスにレスベラトロール含有量の多い赤ワイン0・2ミリリットルを毎日、3週間にわたり飲ませた。

 その結果、脳の中で記憶をつかさどる「海馬」と呼ばれる部分の神経細胞が、飲まないマウスに比べ2倍に増えていた。迷路でゴールにたどりつく時間も訓練開始から5日目に、飲まないマウスに比べてほぼ半分になった。白ワインを飲んだマウスは、飲まないマウスと同じ結果だった。効果がどこまで継続するかはこれからの課題だが、持続して摂取する必要があるという。

 レスベラトロール濃度が高いのは、フルボディーや色の濃いタイプの赤ワインという。

 岡嶋教授は「赤ワインの健康効果は欧州の人々の間で言われてきたが、やはり科学的な裏付けがあった。しかし、アルコールの過剰な摂取は肝臓への悪影響もあり、飲み過ぎないでほしい」と話す。【田中泰義】

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