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最新・医療 情報
2010 12 30~

ジョブズ氏の膵臓がん Dr.中川のがんから死生をみつめる/91

2011年1月23日 提供:毎日新聞社

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/91 ジョブズ氏の膵臓がん

 僕は、寝ている時間以外、ほとんどパソコンを手離せません。そして、米アップル社のマッキントッシュ(Mac)以外のマシンを使ったことがありません。ウィンドウズ派の人には申し訳ありませんが、私にとっては、Macの方が優れていると思っています。

 そのアップル社の創始者であり、Macの生みの親でもあるスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が膵臓(すいぞう)がんのため療養に入りました。04年にがん切除手術、09年には肝臓移植のため休養しており、これで3度目の療養となります。

 膵臓がんは、手ごわいがんの代名詞です。がん全体の治癒率は5割を超えており、がんは「不治の病」ではなくなっていますが、膵臓がんは、完治する人がほとんどいないのが現状です。全体でみると、平均して1年ほどで亡くなっています。残念ですが、この20年間、治癒率はほとんど改善していません。

 実は、膵臓のがんは一つの病気ではありません。20近くのさまざまなタイプの腫瘍が「膵臓がん」としてひとくくりにされています。そして、その腫瘍ごとに治療法も治癒率も異なります。

 膵臓には、膵液という消化液を作る外分泌機能と、さまざまなホルモンをつくる内分泌機能があります。膵臓のがんの大部分は、膵液の通り道である膵管から発生しますが、この「普通の」膵臓がんが非常に難治性なのです。

 一方、ホルモンをつくるランゲルハンス島細胞から発生するのが内分泌腫瘍で、膵臓のがん全体の2%程度と非常に珍しいものです。内分泌腫瘍にも、良性から悪性までさまざまなタイプがありますが、治癒率は一般的な膵臓がんと比べると、ぐっと良く、悪性のものでも、手術後の5年生存率は6~8割程度です。

 ジョブズ氏の膵臓がんは、この悪性内分泌腫瘍で、がんが肝臓に多数転移したため、肝臓移植が行われたのだと思います。米メディアは、がん再発の可能性を報じていますが、その場合、分子標的薬(がんにかかわる遺伝子を狙い撃ちする薬)が有効とのデータもあります。今回も復活をとげてくれると信じています。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

ナイロンタオルが原因にも 肌の乾燥/1 あなたの処方箋/73

2011年1月24日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/73 肌の乾燥/1 ナイロンタオルが原因にも

 乾燥する冬は肌がかさかさし、かゆくなりがちだ。埼玉県の女性(38)も毎年冬が来るのが憂鬱だった。寝る前に保湿剤をたっぷり塗ってもかゆみで眠れず、寝ている間にかきむしってしまうこともあった。

 昨秋、かきむしった部分が炎症を起こし、皮膚科を受診した。医師に体の洗い方を聞かれ「肌のくすみが気になるので、毎日全身をナイロンタオルで念入りに洗っている」と答えた。医師は「それが原因かもしれません」。勧められた手洗いに変えると、肌の調子が一変。この冬はかゆみに悩まされることがほとんどないという。

 生活用品メーカー、ライオンが20~30代の女性約500人を対象に昨年8月実施した「体の洗い方に関する意識調査」によると、「手洗い派」は35%で、前年より2割増。そのうち手洗いに変えて肌の状態が変わった人は6割に上り、多くが「肌の乾燥が気にならなくなった」という。それでもスポンジやタオルで洗う「ゴシゴシ派」は依然多く、全体の58%に上る。

 東京逓信病院の江藤隆史皮膚科部長は「体をナイロンタオルで洗うのは、高級な革バッグをたわしでこするようなもの」と警告する。表皮は厚さ0・2ミリ前後で、角質層、顆粒(かりゅう)層、有棘(ゆうきょく)層、基底層から成る。角質層の内側部分と顆粒層は水分保護バリアーと呼ばれ、ラップ1枚程度(約0・02ミリ)の厚さで潤いを保っている。だがゴシゴシ洗いで角質層を荒らすと、水分保護機能は瞬く間に低下する。

 肌の乾燥が気になる人は、せっけんをネットやタオルでたっぷり泡立て、手に取って洗うのが基本だ。江藤医師は「せっけんを毎日使う必要はなく、お湯で流すだけでも汚れは落ちる。手で洗いにくければ柔らかい綿タオルを使って」とアドバイスする。(山田泰蔵が担当します)=つづく

がん細胞 中性子照射で死滅させる療法、臨床研究へ

2011年1月23日 提供:毎日新聞社

がん細胞:中性子照射で死滅させる療法、臨床研究へ

 国立がん研究センター(東京都中央区、嘉山孝正理事長)は18日、加速器で発生させた中性子を照射し、がん細胞だけを死滅させる「ホウ素中性子捕捉療法」の臨床研究を、12年度をめどに開始すると発表した。

 同療法は放射線治療の一種で、特定のホウ素化合物が、がん細胞だけに集積する現象を利用。中性子とホウ素化合物を反応させることで、がん細胞だけを死滅させる。健康な細胞を傷つけない治療法として従来注目されていたが、中性子を発生させるのに原子炉を使うため、施設の規模、安全性などの観点から病院敷地内での実施が困難だった。

 同センターでは、高度医療機器を使った治療支援などを行うCICS社(東京都江東区、今堀良夫社長)が開発する直径3メートル、長さ5メートルの加速器を利用する。小型加速器を使った同療法は世界初だという。

 臨床研究は、まず悪性黒色腫、脳腫瘍などの患者を対象にし、その後、膵臓(すいぞう)がんなど難治性の他のがんへの拡大も検討するという。嘉山理事長は「日本のがん医療の向上に寄与すると同時に、世界に発信できる医療技術を確立したい」としている。【大場あい】

化学物質の影響を調査 全国10万組の親子対象 24日から参加者募集

2011年1月24日 提供:共同通信社

 環境省は24日から、全国10万組の親子を対象に、小児ぜんそくやアトピー性皮膚炎など子どもの病気や健康に化学物質が与える影響を妊娠段階から調べる「エコチル調査」の参加者を募集する。

 全国15地区、約320の医療機関で順次受け付けを開始。今後3年間で10万組を登録、子どもが13歳になるまで追跡調査する予定だ。同省によると、化学物質の影響に関する子どもを対象とした10万人規模の調査はデンマーク、ノルウェーに次いで世界3例目、アジアでは初めて。

 ぜんそくやアレルギー疾患、自閉症といった子どもの病気は近年増加傾向にあるが、遺伝子要因だけでは説明できず、胎児期や成長期に接する化学物質など周辺環境からの影響が指摘されている。調査は子どもの健康に影響する環境要因を科学的データに基づいて分析し、政府の対策に反映させるのが狙い。

 登録対象は北海道から南九州・沖縄まで15の調査地区の指定された市町村に住み、今年8月以降に出産予定の妊婦。

 質問票を使い、薬剤など化学物質や放射線への接触、喫煙、飲酒の状況、食習慣、既往歴を尋ねる。出産後は母子の血液や毛髪、母乳などを採取して分析。産後半年以降も、質問票や面接による定期調査を予定している。調査内容に応じて1回千~3千円の謝礼が商品券で支払われる。

 得られたデータは医学専門家らでつくる委員会で検討し、「5年目ごろをめどに、化学物質と子どもの成長に関する最初の分析結果を報告したい」(同省)としている。

医師の治療を受けている花粉症患者の7割が…

2011年1月22日 提供:毎日新聞社

雑記帳:医師の治療を受けている花粉症患者の7割が…

 ◇医師の治療を受けている花粉症患者の7割が「症状が抑え切れていない」と治療に不満を持っていると、製薬会社「MSD」(東京都千代田区)が21日、発表した。「治療していても普段通りの生活ができない」と訴える人は9割に達した。

 ◇調査は、昨年12月にインターネットで実施、全国の10~50歳代の患者1030人が回答した。鼻水やくしゃみ、鼻づまりなど花粉症の症状によって、効果のある薬が異なる。治療に不満が残る背景について、同社は「患者が自分の症状を、医師へ的確に説明できていないようだ」と推測する。

 ◇昨夏が猛暑だった今シーズンは、昨年の5~10倍のスギ・ヒノキ花粉が飛散すると予想されている。今年の花粉飛散に不安を感じている患者は、ほぼ全員だった。確かに、原因となるスギやヒノキは恨めしい。だが、実は己を知ることが、不満を減らす近道なのかもしれない。【永山悦子】

歯失うと認知症高リスクに 高齢者調査、かむ力も重要

2011年1月24日 提供:共同通信社

 歯がほとんどなく入れ歯も使っていない高齢者が4年間で認知症になるリスクは、20本の歯がある人の1・9倍になるとの研究結果を、厚生労働省研究班(班長・近藤克則(こんどう・かつのり)日本福祉大教授)が21日発表した。

 あまりかめない人のリスクは、何でもかめる人の1・5倍、かかりつけ歯科医院のない人は、ある人の1・4倍だった。

 担当した神奈川歯科大の山本龍生(やまもと・たつお)准教授は「歯を失う原因の多くは虫歯と歯周病で、知らない間に進行する。定期的に歯科で口の中のチェックを受け、かむ力を保つために入れ歯を入れたほうがよい」と話している。

 山本准教授らは2003年、愛知県に住む65歳以上の健康な人4425人に歯の状態をアンケートした上で、その後4年のうちに認知症を発症したかどうか調べた。4年間で認知症を発症したのは220人だった。

マイコプラズマ肺炎 今季は過去10年で最多の患者数

ルポ2011 難病患者に働く場 命の贈り物-肝移植から10年/5止

2011年1月23日 提供:毎日新聞社

ルポ2011:命の贈り物~肝移植から10年/5止 難病患者に働く場

 ◇僕も助けられたから

 パソコン技能を積んだ原田芳洋(41)は06年秋、新たな仕事に取り組んだ。大阪府立成人病センターが、がん患者向けに開設するホームページ(HP)の作成委託を受けたのだ。

 原田には苦い経験があった。肝臓移植を必要としたのは、肝静脈が詰まり肝細胞が働かなくなったからだ。この症状は国が指定する「特定疾患」の一つで、医療費助成の対象となる。しかし原田がそれを知ったのは移植手術から3年もたってからで、病院も教えてくれなかった。「素人の病人が必要な情報を自力で集めるのは難しい」と痛感していた。

 原田は徹底して患者の視点に立ち、ネット上の「駆け込み寺」を目指した。07年5月に完成した「大阪がん情報提供コーナー」(http://osaka‐gan‐joho.jp/)は、治療法や医療費助成に関する情報、難しい用語の説明に加え、条件ごとに病院の検索や比較ができる機能も持たせた。

 サイトは評判になり、大学や病院からHP作成の依頼が次々と舞い込んだ。自信を得た原田は08年6月、一人でIT関連会社を設立し、自立を果たした。「移植から8年って長そうやけど、自分の軸ができるのにちょうどいい時間やった」

 原田が今、心に抱くのは「難病を抱える人がもっと生きやすい社会にしたい」という願いだ。

 ボランティアでパソコン教室を開いていた03年、原田は難病と闘う青年に出会った。堀井孝則(29)。先天性疾患のため心臓や感覚に障害があり、19歳で骨髄移植を受けた。パソコン教室で初めて移植体験を分かち合える仲間を見つけ、就職活動の悩みも原田に相談した。

 堀井は当時40社ほど受けていたが、選考を通っても健康診断で断られることの繰り返し。やっと入った会社では、閑職に追いやられた末、契約期間満了前に辞めさせられた。別の会社では障害者雇用枠で採用されたにもかかわらず「健常者より仕事が遅い」と1カ月半で解雇された。

 堀井は今、5社目で働いている。契約社員という不安定な身分だが、「今も命があるだけで奇跡だから」と偏見を受け流す。原田は励ますつもりで堀井と会いながら、しなやかな生きざまに勇気づけられもする。

 「病気やからって世間は甘やかしてくれないけど、僕も助けてもらって今の自分になれた。それを若い人に還元したい」。会社を軌道に乗せ、病気や障害と闘う人に働く場を提供する。それが原田の目標だ。

 原田の事務所には二つの机がある。一つは自分用、もう一つは経済的余裕ができた時に働いてもらう新社員用だ。その机が埋まったとき、原田は目標への新たな一歩を踏み出す。(敬称略)=おわり

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 ■ことば

 ◇特定疾患

 原因不明で患者数が少なく、治療法が確立されていない難病の中で、特に治療が難しく患者の負担が重いと厚生労働省が指定した病。医療費の自己負担分が国と自治体から助成される。現在の対象はパーキンソン病など56疾患。

2011年1月23日 提供:毎日新聞社

医療ナビ:マイコプラズマ肺炎 今季は過去10年で最多の患者数

 ◆マイコプラズマ肺炎 今季は過去10年で最多の患者数

 ◇風邪と区別つきにくい 潜伏期間は1~3週間、1カ月以上せきが続く場合も

 国が約500カ所の基幹定点(内科と小児科を持つ病床数300床以上の医療機関)を対象に行っている調査で、今季のマイコプラズマ肺炎患者が過去10年間で最多となっている。

 秋から冬にかけてが流行時期で、今季は昨年10月に入ってから報告数が急増。今年1月9日までの15週間で報告数は4087人、昨年1年間の患者の報告数は1万333件で、いずれも過去10年間の同期比で最も多かった。患者の一部は重症化することがあるものの、多くは軽症で風邪と区別がつかず感染を広げる恐れがある。今季のピークは越えたとみられるが、依然として注意が必要で、専門家は早期の発見と治療を呼びかけている。

 国立感染症研究所の谷口清州感染症情報センター第1室長によると、マイコプラズマ肺炎は細菌の肺炎マイコプラズマによる感染症。初期症状は、高熱が出やすいインフルエンザと違って熱が少しずつ高くなるほか、全身の倦怠(けんたい)感、頭痛など。2~3日後にたんを伴わない乾いた強いせきが出始める。せきは夜間に激しく出ることが多い。また、呼吸が苦しくなるぜんそくのような症状が約4割の患者にみられる。熱は数日で下がるが、せきはその後も数週間から1カ月以上続くことがある。

 マイコプラズマ肺炎に感染しても、ほとんどが風邪と同じような症状や気管支炎などで済む。肺炎になるのは感染者の3~5%。5~35歳の年代層でかかる率が高く、特に幼児から小学生ぐらいの子どもが肺炎を起こしやすい。自然に治ることがほとんどだが、肺炎が重症化して肺に水がたまることも珍しくない。髄膜炎や中耳炎、脳炎、肝機能障害などの合併症を起こすこともある。感染すると抗体が作られるが、ほとんどが約1年でなくなってしまう。そのため、一生のうちに何度でも感染を繰り返す可能性がある。

 従来、4年周期でオリンピックが開催される年に流行したため、「オリンピック病」とも呼ばれていた。近年はその傾向が崩れているが、谷口室長によると、ある程度の周期性はみられ、今回の流行も、それが一つの要因と考えられるという。なぜ周期性があるのかは分かっていない。

 飛沫(ひまつ)感染で、潜伏期間は1~5日程度のインフルエンザよりも長く1~3週間だ。日本医科大呼吸ケアクリニック(東京都千代田区)の木田厚瑞(こうずい)所長は「この潜伏期間の長さが感染を広げやすくする」と指摘する。

 今月上旬、同クリニックを30代の男性が受診した。「とにかく体がだるく、38度を超える熱があり、せきが続いている」と症状を訴えた。胸部レントゲン写真や血液検査から、木田所長はマイコプラズマ肺炎と診断した。よく聞いてみると、男性は「昨年末ごろ、会社に同じような症状の同僚がいた」と話したという。

 木田所長は「インフルエンザのように感染後に周囲の人間が次々と発症するなら異常に気づくが、普通の風邪と考えて治療をせず、どんどん感染を広げてしまうことがある」と指摘し、「せきがでる時はマスクをし、2週間以上続くようなら、市販のせき止め薬などを飲んで放っておいたりせず、医療機関を受診して治療した方がよい」と話す。

 マイコプラズマ肺炎の治療にはマクロライド系の抗菌薬が有効だ。細胞壁を持たない特殊な細菌が原因のため、細胞壁の合成を妨げて細胞の増殖を阻む肺炎球菌の抗菌薬は効果がない。

 特別な予防方法はなく、谷口室長は「他の感染症と同様に、うがいと手洗いをきちんとすること。患者と濃厚な接触を避けること」を挙げる。インフルエンザのように一気に全国的な大流行が起こるという形ではなく、家族や学校などの小さな集団で発生するため、木田所長は「その地域で流行しているかどうかを把握し、注意することが大切」と助言する。【藤野基文】

抗生物質を壊す多剤耐性菌、国内定着の恐れ

2011年1月23日 提供:読売新聞

 厚生労働省は21日、多くの抗生物質を分解し無効にしてしまう酵素「NDM1」を持つ新型の多剤耐性肺炎桿(かん)菌が昨秋、埼玉県内の病院に入院していた80代女性から検出されたと発表した。

 NDM1を持つ細菌はインドや欧米で広がっており、国内での確認は3例目。そのうち2例は感染経路が不明で、厚労省は「すでに国内に定着している可能性もある」として、とくに抵抗力の弱い患者が集まる医療機関に注意を呼びかけている。厚労省が昨年9-12月に実施した多剤耐性菌の全国実態調査でわかった。

 女性は昨年10月、消化管出血で入院。退院後に別の病気で再入院し、12月に亡くなった。10月の入院時に採取した尿を国立感染症研究所が分析した。

倉吉の地下水飲むと脂肪肝抑制…メカニズム?

2011年1月22日 提供:読売新聞

 鳥取県倉吉市蔵内の地下約250メートルからくみ上げられる天然水(商品名・白山命水)に、マウスの実験で、飲用すると脂肪肝になりにくい効果が確認できたとして、鳥取大学医学部の汐田剛史教授(遺伝子医療学)が日本成人病(生活習慣病)学会で発表した。

 汐田教授の研究グループは、白山命水を与えるマウスと水道水を与えるマウス7匹ずつに、ココアバターなど脂肪分の多い餌を12週間にわたって食べさせ、それぞれの肝細胞を比較した。白山命水を飲んでいたマウスの肝細胞は、脂肪肝の指標となる中性脂肪やコレステロール値の上昇が水道水を飲んだマウスの約2分の1に抑えられた。

 メカニズムは不明だが、汐田教授によると白山命水は抗酸化力が強いといい「脂肪がたまることによる肝機能の低下が、抗酸化力の何らかの作用で抑制された可能性がある。仕組みを解明し、人の肝臓にも効果があるかを確かめたい」と話している。

慢性閉塞性肺疾患 ホルモンで治療効果…阪大助教ら確認

2011年1月22日 提供:読売新聞

 国内の患者が約500万人と推計され、根本的な治療法のない慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対し、体内で生成されるホルモンの一種が発症を抑え、呼吸機能を回復させる効果があることを、大阪大医学研究科の武田吉人助教らがマウスの実験で突き止めた。この物質の血中濃度を高める薬で治療できる可能性があるといい、米専門誌の電子版に発表した。

 COPDには肺気腫と慢性気管支炎があり、たばこや大気汚染が原因。肺の組織が破壊されるなどし、悪化すると呼吸不全などを発症して、年間約1万5000人が死亡する。

 武田助教は、糖尿病などを抑える効果がある「アディポネクチン」に着目。この物質を作れなくすると、マウスはCOPDを発症した。生後8週間でアディポネクチンを注射すると、1か月後に呼吸機能は、普通のマウスとほぼ同レベルに回復した。高脂血症の薬などがアディポネクチンの血中濃度を高めることが知られており、武田助教は「患者の延命につながると期待できる」と話している。

(北海道)転倒予防体操 効果あり…高齢女性の介護費、月9000円減

2011年1月21日 提供:読売新聞

 高齢者向けの転倒予防体操を自主的に行う会に参加した女性は、そうでない女性に比べて、介護費用を月に平均9000円抑える効果があったことが、東京都健康長寿医療センター研究所(板橋区)などが北海道美唄市で行った調査で明らかになった。札幌市で21日に始まった日本疫学会で報告する。

 美唄市は2004年度から高齢者を対象に、いすなどを使って足腰を鍛える転倒予防の体操などを指導する介護予防の教室を開催。教室の修了者らが自主的に体操を続ける活動も盛んで、市内に会が25団体ある。

 同センターの吉田裕人研究員らは04-08年度、美唄市の65歳以上の国民健康保険加入者を対象に調査を実施。会に1度でも参加した経験がある178人と未参加の2334人について08年度の医療費と介護費を調べ、統計上の補正をして1人あたりの経済効果をはじき出した。

 その結果、介護保険給付費と1割の自己負担分を合わせた介護費は、会に参加した女性で月あたり9000円、医療費と合計すると1万2000円抑える効果があった。男性は参加者の母数が少なく、差が出なかった。厚生労働省の昨年11月の調査によると、介護を受ける人1人あたりの平均介護費は月18万7400円だった。

 吉田研究員は「市民の自主的な転倒予防活動は、医療費や介護費の公的な支出を抑える点でも意義がある」と話している。

RSウイルス感染症流行 長野県立こども病院が注意呼びかけ 1歳未満で重症化

2011年1月21日 提供:毎日新聞社

RSウイルス感染症:流行 県立こども病院が注意呼びかけ 1歳未満で重症化 /長野

 乳幼児がかかりやすい呼吸器の「RSウイルス感染症」が流行しているとして、県立こども病院が予防を呼びかけている。子供から大人までかかるが、とりわけ1歳未満は重症化しやすいという。周囲の大人は軽症で済むため、気づかないうちに乳幼児に感染させてしまうことがあり、手洗いやうがいなど予防策がより重要とされる。

 RSウイルスの症状は鼻水やせき、発熱などで、毎年9~3月に増える。接触や飛まつで感染するなど、インフルエンザと共通部分が多い。ただし、免疫力の弱い2歳以下の場合、約30%で肺炎や細気管支炎などを引き起こすとされ、中でも1歳未満は重症化しやすいのが特徴。予防ワクチンはないという。

 同病院でも昨年12月下旬から来院患者が増え、1月14日時点で、1カ月~1歳の乳幼児3人が重症でICU(集中治療室)に入り、6人が隔離した部屋で入院。県によると、3~16日に県内55カ所の医療機関で104人の発症が確認された。昨年1年間では913人。

 診断キットが約5年前に登場してから、RSウイルス感染症と診断される事例が増え、徐々に知られるようになったが、同病院の中村友彦副院長は「インフルエンザに比べて、まだまだ知られていない」と懸念を示す。

 軽症の大人が自覚なく乳幼児に感染させてしまうケースも多く、同病院では、乳幼児を風邪の大人や子供に近づけない▽手洗い、うがいの励行▽マスクの着用などを呼びかけている。【大平明日香】

運動、食事も重要 COPD/5止 あなたの処方箋/72

2011年1月21日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/72 COPD/5止 運動、食事も重要

 COPD(慢性閉塞(へいそく)性肺疾患)患者は、発症後は常にCOPDとともに生活を送ることを余儀なくされる。「そのためには患者自身が病気を理解し、病気に向きあうセルフケアが基本」と木田厚瑞(こうずい)・日本医大教授(呼吸器病学)は指摘する。

 木田教授が挙げるセルフケアの柱は、これまでに挙げた(1)病気の理解(2)禁煙(3)薬物療法(4)急激に症状が悪化する「増悪」の予防の四つに加え、(5)運動療法(6)栄養療法の6項目だ。

 運動療法は、COPDによる呼吸困難に対処するための筋力、体力を維持するために重要だ。「動くと息切れするから」と運動しないでいると筋力が衰え、食欲もわかない。その状態が続くとさらに息切れが悪化するという悪循環に陥る。最適な運動はウオーキング。脚を鍛えることで、横隔膜が強化され息切れが軽くなる。

 呼吸法にもコツがある。鼻から息を吸い、口を軽く開いて、吸う時の3~5倍の時間をかけて長めに息を吐く「口すぼめ呼吸法」や、腹式呼吸が効果的だ。

 症状が悪化すると、酸素ボンベを使った在宅酸素療法を受けることになる。携帯用の酸素ボンベと鼻をチューブでつないだ姿は「重病人」のイメージが強いが、木田教授は「むしろ酸素療法で呼吸を楽にして、運動を続けた方が、本人にとってよい状態を保てる。酸素療法はリハビリテーションの一つと理解することが大切」と指摘する。

 食事も重要だ。COPD患者は息切れや運動不足を理由に小食になりがちだ。その結果、体重が減少すると増悪が起こりやすくなる。「体重1キロ当たり30~35キロカロリー」を目安に、高エネルギー、高たんぱくの食事をとる必要がある。適した食材として、高エネルギー食品には乳製品やナッツ類、良質のたんぱく質には肉や魚、大豆などがある。

 木田教授は「COPD治療は、医師や看護師だけでなく、栄養士や理学療法士などさまざまな専門家がチームを組んで、患者を支援する必要がある」と話している。=おわり(高野聡が担当しました。24日からは「肌の乾燥」です)

iPS細胞「感動的」 ウクライナ大統領が京大に

2011年1月21日 提供:共同通信社

 来日中のウクライナのヤヌコビッチ大統領が20日、京都市左京区の京都大iPS細胞研究所を訪れ、人工多能性幹細胞(iPS細胞)について「研究の実績、将来性は感動的。ウクライナも積極的に(京都大と)連絡を取りたい」と述べた。

 大統領は、世界で初めてiPS細胞を作製した山中伸弥(やまなか・しんや)教授と約40分間懇談し、スライドを使って説明を受けた。その後、両国関係について講演し「優先事項の一つは省エネ分野で、京都議定書の枠内で協力すること。科学や教育でも関係を活発にしたい」と話した。

 「日本ではウクライナのことがあまり知られていない」として、2012年にサッカーの欧州選手権が開催されることや、同国出身の父親を持つ元横綱大鵬に勲章を贈ったことも紹介した。

こうのとり追って 第1部・不妊治療の光と影 反響特集/下

2011年1月21日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第1部・不妊治療の光と影 反響特集/下

 ◇突き刺さる周囲の言葉

 ◇理解されぬ悩み続く/圧力ではなく応援して

 「人工授精でも体外受精でも何でもやって、子供を産まなきゃダメなのよ」。東海地方の女性会社員(37)が夫の実家で食事をしていた時、義母がそう言い放った。その前夜、義母は夫に連載企画「こうのとり追って」の記事を手渡していた。連載は、長引く治療のつらさや、出生の経緯を知った子供が戸惑う姿などを紹介していた。「治療を受ける人たちが悩みを抱えているという記事を読んで、なぜあんな冷たい言葉が出てくるのか」。女性は義母に憤りを感じた。

 女性は結婚後、しばらく夫の実家で暮らしていたが、義母は当初から「年齢も年齢だから(不妊治療の)病院に行った方がいい」「子供できるの?」とせかした。一人っ子の夫は「できなかったら、それでもいい」と言った。だが、義母は「後継ぎがいないと」と孫を求め続けた。

 女性は近くの産婦人科で治療を受け始めた。麻酔や薬の影響で体が思うように動かない時もあった。「今日は家事ができないかもしれない」と言うと、義母は露骨に嫌な顔をした。昨夏のある日、自分をにらみつけて言った義母の言葉に女性は、義父母と別居することを決意する。「畑が悪いから(子供が)できないんだ」

 女性は近く体外受精を受ける予定だ。「治療をいつまで続けるか期限を決めるのは自分。でも、義母のような周囲の声に精神的に追い込まれ、やめられなくなるのではないか」と不安も抱いている。

 奈良市の会社員、藤原貴子さん(39)は今年の正月、夫の親族の集まりを欠席した。1歳になる親戚の子供を見るのがつらいからだ。誰かに「子供はまだ?」と聞かれるのも気が重い。届いた年賀状は、子供の写真をあしらったものが増え、涙が止まらなかった。

 7歳年下の夫と結婚したのは約3年前。20代のころは客室乗務員を目指して留学も経験した。仕事が忙しく、結婚を意識したのは30代半ばになってからだった。38歳で自然妊娠したが、ごく初期に流産。医師に「卵子は年齢とともに老化する」と聞き、「時間を無駄にできない」と不妊治療を受け始めた。

 「若い時に夢を追い続けたのがいけなかったのか。もっと早く結婚すればよかったのか」。夫を「父親」にしてあげられないのも切ない。

 親しい友人たちは「私にも(子供が)できたんだから大丈夫」「気にしすぎだよ」と言う。励ましだと分かっていても、生理が来ると落胆する日々のつらさを理解してもらえるとは思えない。治療中の人たちが参加する携帯電話の掲示板やブログで悩みを分かち合う。

 岩手県の男性(40)と妻は、周囲の心ない言葉に傷つき、不妊治療をやめたという。

 治療を始めて10年以上がたち、信頼できると思った病院を見つけたが、妻が市販の妊娠判定薬で調べた結果を伝えると、看護師から「素人が市販薬で判断するな」と叱責された。ショックを受けた妻は以来、治療を受けようとしなくなった。同僚や上司から「子供は気合でできる」「おれが作ってやるから奥さんを貸せ」と悪質な冗談を言われたこともある。

 男性は「不妊治療を楽しんでいる人はいない。周囲から有形無形の圧力を感じている人ばかりだ。子供を授かるまで、もしくはあきらめきれるまでは、どうか応援してほしい」という声を寄せた。

 和歌山県紀の川市の主婦、井関結加さん(41)は農家に嫁いで、4人の子供を出産した。全員が体外受精で、「出産しても自分の不妊症が治ったわけではない」と語る。

 治療を受けていることは周囲に明かしてきた。長男を出産後、「やっとできた子だから過保護に育てているのでは」という目で見られたこともあったという。2人の娘に自分の体質が遺伝しないかも気になる。「不妊に悩む人は、たとえ出産しても自分の体のことを一生抱えていくもの」と話す。メールでは連載に対する意見もつづった。「世間の好奇心を刺激するような内容でなく、こちら側(不妊の当事者)の視点に立って書いてほしい」【五味香織】

   ◇

 31日から連載企画「こうのとり追って」第2部を掲載します。

ルポ2011 終わったらあかん 命の贈り物-肝移植から10年/3

2011年1月21日 提供:毎日新聞社

ルポ2011:命の贈り物~肝移植から10年/3 終わったらあかん

 ◇術後の苦しみ越えて

 母からの肝臓移植を受けた原田芳洋(41)は、00年8月の手術翌日こそ「力がみなぎってもう起きたい」とピースサインを作ってはしゃいだ。しかし、麻酔が切れると激しい痛みと吐き気に襲われた。開腹の後遺症や拒絶反応を抑えるために投与された免疫抑制剤の副作用だった。

 「そろそろ練習しないと立てなくなる」と医師に助言されたのは術後5日目。冗談だと思って身を起こし、足に体重をかけると、体を支えきれずよろけた。友人とフットサルを楽しんでいた入院前の自分とは別人になったようだ。

 1カ月半後に退院したが、毎日十数種類の薬を飲み続けなければならなかった。副作用で頭は働かず、常に重い半透明のベールをかぶったよう。手が震えてペンも握れない。胆汁を処理する管も右腹から突き出たままだ。「移植はゴールやない」と分かって手術に臨んだはずだが、覚悟を超えていた。

 会社からは肉体的な負担の少ない事務畑での復職を勧められたが、自ら退職した。「今思えばありがたい申し出やけど、何もできず落ちるとこまで落ちていた。すがれるのは技術で食べてきたプライドだけ。なのに技術屋として失格の烙印(らくいん)を押されたようで、受け入れられなかった」と原田は振り返る。

 通院や深夜のコンビニ以外は出かけなくなった。「ここで終わったらあかん」と、ふと我に返っても、一生火種を抱える体との付き合い方が分からなかった。結婚を考えていた恋人と別れ、数カ月引きこもった。

 収入がなくても、医療費や大学時代に受けた奨学金の支払期日は決まって訪れる。愛用のバイクを売ってわずかな足しにし、クレジットカードを使ったキャッシングに手を出した。借金は550万円に膨らんだ。

 もがく原田に主治医は、京大病院のホームページ作成に携わる女性を紹介した。同い年の女性は原田の数カ月前に肝移植を受けた後、ウェブデザイナーとして自活していた。前向きな生き方に刺激を受けた原田は「ITの世界なら僕も働けるかもしれない」と考え、専門学校に通い始めた。

 運良く仕事が見つかったのはそんな頃だ。01年12月、所用で足を運んだ吹田市役所で「臓器移植患者相談」という看板を見かけた。心臓移植患者や家族を支える団体などが月1回、相談窓口を設けていた。

 すがりつくように仕事を求め、紹介された大阪府立健康科学センター(大阪市)で年明けから働き始めた。非常勤の事務職だったが、収入と社会復帰の足掛かりをつかんだ。タイミングを合わせたかのように服薬量が減り、体調も戻り始めた。【林田七恵】(敬称略)=つづく

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 ■ことば

 ◇拒絶反応

 身を守ろうとする免疫力が働き、移植された臓器を攻撃して起きる反応。発熱や出血が起き、ひどい場合は新しい臓器も機能しない。免疫抑制剤で抑えるが、服用に伴い血圧や他臓器に異常を来したり感染症にかかる危険が増す。リスク軽減のため、無菌室に入る▽殺菌のため他の薬剤を必要とする▽生ものを食べない――など生活上の制約が生じる。

花粉 今春、昨年比8.5倍 東京都検討委が飛散予想

2011年1月21日 提供:毎日新聞社

花粉:今春、昨年比8.5倍 都検討委が飛散予想 /東京

 都花粉症対策検討委員会は20日、都内の今春の花粉の飛散数は、昨年比で8・5倍、過去10年間の平均比では2・4倍程度になるとの予想を発表した。飛散が始まるのは、2月16~19日とみられ、昨年よりやや遅め。

 都は都内の9地点で85年からスギやヒノキの花粉飛散数の観測を始めており、今春の予想は、05年に続き2番目に多い値になるという。花粉の多い日数は、48日程度(例年は27日程度)と長くなる見込みで、ピークの3月中はほぼ連日となる見通し。

 花粉症の症状を訴える人は増加傾向にあり、都民の3・5人に1人が花粉症と推定されている。都では2月1日から、「とうきょう花粉ネット」の携帯電話用のサイトや、テレホンサービス(03・3233・1187)などで予報など情報提供を始める。【石川隆宣】

〔都内版〕

増える、子どもの花粉症 5-9歳の14%に

2011年1月21日 提供:毎日新聞社

花粉症:増える、子どもの花粉症 5~9歳の14%に

 ◇目鼻こするしぐさ注意、家族で防護を

 スギ花粉症の患者が低年齢化している。大人と同じく子どもの患者も増えており、入学前の発症も珍しくなくなった。間もなくスギ花粉飛散の本格シーズンを迎えるが、子どもは自分で症状を訴えるとは限らず、大人が気づいて対策をとることが大切だ。【下桐実雅子】

 国民の2~3割がスギ花粉症と推定されている。馬場広太郎・独協医大名誉教授らによる08年の全国調査では有病率が約27%、10~50代では30%を超えた。5~9歳でも約14%で、98年の同様の調査の1・8倍に増えている。

 そもそもスギ花粉症は何歳から発症する可能性があるのか。

 かつては大人中心の病気と考えられてきたが、90年代に入って低年齢化が指摘されるようになった。国立病院機構三重病院耳鼻咽喉(いんこう)科の増田佐和子医長は「最近は2~3歳で発症している子も少なくない」と話す。

 子どものスギ花粉症を数多く診ている同病院で、最年少の患者は2歳。わずか3シーズン目の花粉との接触で発症したことになる。

 子どもの症状は多彩だ。鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみのほか、せきや鼻づまりによるいびき、皮膚の赤みやかゆみも多い。増田医長によると、鼻をこすることなどによる鼻血も幼児では目立ち、花粉症と診断された2歳児の例では、鼻血が続くため受診したのがきっかけだったという。

 増田医長は「鼻すすりや口呼吸、目や鼻をこするしぐさが現れることもある。保護者が症状に気づくことが第一歩で、花粉が原因なのか診断を受けて適切な対策を取ることが大切」と指摘する。

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 診断には、鼻水を採取し、アレルギー性の炎症に関与する細胞「好酸球」を調べる方法や、スギ花粉のたんぱく質と結びつき症状を引き起こすIgE抗体の血中濃度を調べる検査などがある。一般的にはスギ花粉症の症状がある人はIgE抗体の数値が高い。症状やこれらの検査結果を総合的に判断する。

 ただしIgE抗体が陽性でも発症するとは限らない。三重病院など近畿・東海地方の4病院が共同で04年度に行った小児380人の調査では、スギ花粉のIgE抗体が陽性だった子どものうち、実際に花粉症を発症しているのは半数に満たなかった。

 千葉大病院小児科の下条直樹准教授(免疫アレルギー学)は「ダニによるアレルギー性鼻炎があったり、親が花粉症だと発症しやすい。鼻や目などの過敏性があることが発症と関係していると考えられている」と説明する。

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 治療や対策は基本的には大人と同じだ。抗ヒスタミン薬などの内服薬のほか、小児用の点鼻薬などで症状を緩和する。花粉エキスを注射し体を慣らしていく免疫療法(減感作療法)も、重症の場合には選択肢の一つになる。口に花粉エキスをふくむ「舌下免疫療法」は臨床研究段階だが、注射よりも負担が少なく小児の治療法としても期待される。

 今春は昨年の猛暑の影響で、花粉の飛散量が東北から近畿にかけて例年(過去10年平均)より多いと予測されている。飛散量が多い年は新たに発症したり、重症化も懸念される。花粉に接触しない対策が基本になる。

 だが、子どもの場合、学校や園での集団生活があり、外出を控えるのは難しい。マスクやメガネなどをつけるのも、大人のようにはいかない。

 下条准教授は「花粉をうまく避けると子どもたちの生活にもメリットがあるということを、本人に理解してもらうことが大切。マスクをした方がよいと分かれば、自分でつけるようになるのでは」と助言する。また、増田医長は「帰宅時に、衣服や髪を払い、洗顔やうがいをするなど、室内に花粉を持ち込まないようにするには、子どもだけでなく、家族の協力が欠かせない」と話している。

 ◇「天候」や「外出・外遊び」で悪化 つらい「睡眠障害」「いらいら」

 増田医長らは07年春に三重病院を受診した花粉症の子ども(2~12歳)40人の保護者に、症状や対策についてアンケートした。

 花粉症を悪化させる要因として、「天候」(晴れた日や風の強い日)と「外出・外遊び」を挙げる保護者が最も多く、「風邪」や「疲れ・寝不足」「たばこの煙」を挙げる人もいた。

 ◇子への対策、マスク着用約6割

 また、生活への影響については約半数が「睡眠障害」を訴え、就学児は「勉強などに集中できない」「いらいら」「疲れやすい」も多かった。

 実行している対策は「花粉症情報の収集」「処方薬」が約8割で、「マスク」は約6割が使用していたが、「眼鏡やゴーグル」は少なかった。「外出制限」は就学児の1割、幼児の2割だった。

インフル、成人が過半数に 流行拡大、新型最多

2011年1月21日 提供:共同通信社

 国立感染症研究所は21日、10~16日の1週間に全国の医療機関を受診したインフルエンザの患者は推計78万人と発表した。昨シーズンには全体の30%弱だった20代以上の成人が57・7%に達した。直近5週間に検出されたウイルスは新型が最も多かった。

 厚生労働省は「昨シーズンはインフルエンザにかからなかった世代で広がっている」として注意を呼び掛けている。昨シーズンは小児や学生の患者が多かった。

 この1週間に全国約5千の定点医療機関から報告された患者数は5万9832人(1医療機関当たり12・09人)で、前週(5・06人)の2倍以上に増加した。全都道府県で前週より増えた。

 都道府県別では沖縄(55・26人)、佐賀(27・87人)、福岡(24・81人)、宮崎(24・08人)、長崎(20・43人)、大分(19・98人)、宮城(17・82人)の順に多い。

 これから2月にかけて流行のピークを迎えるとみられ、厚労省は「ピーク前のワクチン接種、外出から帰った際の手洗い、周囲にうつさない配慮を」と呼び掛けている。

タンパク投与で血管形成 京大病院、患者が退院

2011年1月21日 提供:共同通信社

 京都大病院は20日、脚の血管が詰まり悪化すれば切断が必要となる病気の70代の男性患者=奈良県=に、血管の形成作用があるタンパク質を投与する再生医療を実施し成功、男性が退院したと発表した。

 治療は、血管の形成を促すタンパク質「bFGF」を含ませたゼラチンの微粒子を、脚に注射。bFGFを徐々に放出させ、新たな血管を作る。

 男性は右脚の痛みから「閉塞(へいそく)性動脈硬化症」と診断され、昨年12月に入院した。治療後、血行が改善し、今月10日に退院。「歩くのが楽になった」と話しているという。

 脚の血管が詰まり、潰瘍ができるなどの症状が出る閉塞性動脈硬化症や「バージャー病」の患者は国内に計数百万人いるといい、同病院の丸井晃(まるい・あきら)准教授は「将来的には心筋梗塞の治療にも役立てたい」と話した。

「次の手は」考えるプロ棋士、その時の脳は…

2011年1月21日 提供:読売新聞

 プロ棋士が盤面を見て「次の一手」を考える時、脳の特定の場所が活発に働くことを、理化学研究所などのチームが羽生善治名人らの参加した実験で突き止めた。

 プロ棋士の「判断」を脳科学で初めて解き明かす研究で、21日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 研究にはプロ28人とアマチュア34人が参加。実験では、脳のどの部位が活発化するかを機能的磁気共鳴画像(fMRI)で調べた。

 まず、将棋の盤面で「序盤」「終盤」といった局面を瞬間的に見せ、状況をどう把握するか探った。この時、プロでは、視覚に関係する大脳の「楔前部(けつぜんぶ)」が、アマの約3倍強く反応した。

 続いて、詰め将棋の盤面を1秒間見せた後、次の一手を2秒以内に回答してもらうと、プロでは大脳の「尾状核(びじょうかく)」が活発に働き、より活発な棋士ほど正答率が高かった。アマはほとんど活動しなかった。尾状核は、習慣的な行動に関係があることが知られている。

 この実験ではプロの場合、楔前部と尾状核が連動していることもわかった。

NHK障害者バラエティー、9割好感の秘密

2011年1月21日 提供:読売新聞

 車いすでの運動会、ハンデを逆に利用して笑いを取るクイズや漫才……。

 NHK大阪放送局制作の、障害者によるバラエティー番組「バリバラ」が注目を集めている。自らの障害をネタにする出演者の姿に「勇気がわいた」「画期的」との意見が集まる中、番組では批判の声も積極的に紹介。等身大の障害者の姿を伝えることで、真のバリアフリー(障壁のない)社会の実現につなげたい考えだ。

 教育テレビの福祉情報番組「きらっといきる」(毎週金曜午後8時-同29分)の特別企画として、昨年4月から毎月最終週に放送。「きらっと-」出演者らの「障害者だって面白いことをしたい」との声を受け、「バリアフリー社会を、バラエティーを通して考える」との思いをタイトルにした。

 人気は、障害者が漫才やコントを披露する「お笑い研究部」。ほかに、ヘルパー志望の若者が言語障害を持つ講師の指示を聞き取るクイズに挑み、珍解答に笑いが起きる「最強ヘルパー養成塾」、狭くて車いすで方向転換できないトイレなど、名ばかりの障害者用施設を報告する「バリバラ珍百景」では、実例を基に現状を考える。笑いだけを求める演出は避け、どう配慮するか議論を重ねるという。

 「障害者を見せ物にしている」などの批判も積極的に紹介し、障害を持つ司会者らが丁寧に意図を説明。先月4日に放送された「バリバラ」だけの2時間スペシャル「笑っていいかも!?」には約300件の反響が寄せられ、9割近くを好意的な声が占めたという。

還元水で脂肪肝発症を軽減 鳥取大、マウスで確認

2011年1月21日 提供:共同通信社

 鳥取県倉吉市の地下から採水された「天然還元水」を、脂肪分の多い食事を与えたマウスに飲ませたところ、肝臓の中性脂肪やコレステロールの増加が抑制、脂肪肝になるリスクが減ったと鳥取大大学院の汐田剛史(しおた・ごうし)教授が20日、発表した。

 汐田教授は「肝硬変や肝がんにつながる脂肪肝のリスクを軽減させる効果があった。人でも検証したい」とした。

 汐田教授によると、還元水は水道水より抗酸化力が強く、脂肪分の多い食事を与えたマウスに約3カ月間飲ませた結果、中性脂肪やコレステロール値が水道水を飲ませたマウスの半分になった。

睡眠不足のトーキョー人、世界5都市で最短

2011年1月21日 提供:読売新聞

 世界の主要都市に比べ、東京の30-50代の男女は睡眠に対する満足度が低く、2人に1人が睡眠に不満を抱えているという調査結果がまとまった。

 調査は昨夏、食品会社「味の素」(東京)が、東京、ニューヨーク、上海、パリ、ストックホルムの5都市の30-50代の男女計891人を対象にインターネットで行った。

 平日の標準的な睡眠時間を比較したところ、東京は5時間59分で一番短かった。最も長かった上海は7時間28分、次いでストックホルムが7時間8分。両都市と東京とは、1時間以上もの差があった。

 原因と見られるのは就寝時間の遅さ。平日の標準的な就寝時間が午前0時19分と、翌日にまたがるのは東京だけだった。ストックホルムは午後10時20分、上海は午後10時38分だった。東京の起床時間は午前6時49分で、ほかの4都市と大差はなかった。

 また、5都市とも9割以上の人が「睡眠は重要」と認識していた。しかし、睡眠の満足度について聞いてみると、「満足」と回答したのは東京では29%だけで、49%が「不満」としていた。一方、東京以外の4都市ではすべて「満足」が5割を超えていた。

 調査をした味の素の担当者は、「東京の人の睡眠時間が他都市に比べて短いのは、通勤時間の差というより、仕事の時間が長いためではないか。生活習慣を改善し、寝具などを工夫すれば睡眠を改善できることも、東京では他都市に比べ認知されていない」と話している。

乳がん新薬を承認へ 物質探しから25年で結実

2011年1月21日 提供:共同通信社

 再発または手術不能な乳がんに対するエーザイの抗がん剤「ハラヴェン」(一般名エリブリンメシル酸塩)について、厚生労働省の医薬品第2部会は20日、製造販売を承認してよいとの意見をまとめた。上部の薬事分科会への報告を経て正式に承認される。

 エーザイによると、臨床試験で既存の治療法より患者の生存期間を2・5カ月延長した。2~5分間で注射でき外来治療にも向いているという。

 この薬につながる物質「ハリコンドリンB」は1985年、故平田義正(ひらた・よしまさ)名古屋大名誉教授と上村大輔(うえむら・だいすけ)慶応大教授がクロイソカイメンから抽出し構造を特定。92年に米ハーバード大の岸義人(きし・よしと)名誉教授が人工合成に成功した後、エーザイが有効性の核となる部分を突き止め、薬として生産するための複雑な工程を確立した。物質探しから25年で実用化にたどりついた。

 昨年3月に日米欧で承認申請し、米国では昨年11月に承認された。日本では毎年約4万人が進行性乳がんと診断されているという。

肺がん新薬の開発促進へ 希少用指定、57%に効果

2011年1月21日 提供:共同通信社

 ファイザーが開発中の肺がんの抗がん剤「クリゾチニブ」について、厚生労働省医薬品第2部会は20日、優先的な承認審査など開発、実用化の促進に向けた優遇措置を受けられる「希少疾病用医薬品」に指定することを認めた。

 ファイザーによると、この薬の対象は非小細胞肺がんのうち、腫瘍の形成にかかわる「ALK融合遺伝子」を持つ約5%の患者。米国で発表された臨床試験の結果によると、既に1種類以上の薬で治療した患者らに投与し、57%で腫瘍が縮小するなど効果があった。

 米国では今年前半に承認申請する予定。日本での開発も急ぐという。

3ワクチン補助、全国で 接種費用で市区町村

2011年1月21日 提供:共同通信社

 子宮頸(けい)がん予防、インフルエンザ菌b型(Hib)、小児用肺炎球菌の3ワクチンすべてについて、接種を受ける人に公費で補助をしているか、する予定の市区町村は全体の99・7%に上るとの調査結果を、厚生労働省が20日、公表した。

 調査は昨年12月半ば。11月下旬の調査では、3ワクチンに補助との回答は85・1%だったが、ほぼ全てで補助することになった。

 全市区町村1750のうち残りは5で、うち3自治体は2ワクチン、2自治体は1ワクチンに補助する。

 日本小児科学会は、特に乳児期にワクチン接種回数が増えるため「複数のワクチンの同時接種を一般的な医療行為として行う必要がある」との見解を公表。同時接種によって効果が弱まったり副反応が増えることはなく、接種率が向上し、保護者の経済的、時間的負担が軽くなるなどとしている。

 昨年11月に補正予算が成立し、2010~11年度に市区町村が主体となり、子宮頸がん予防など3ワクチンの接種と公費補助をする場合は国が半額を負担する事業が始まった。今回の調査で10年度中に始めると回答した自治体は、子宮頸がんが62%、Hibが54%、肺炎球菌が51%。

耐性できやすいタミフル インフル治療、薬の性質か

2011年1月21日 提供:共同通信社

 インフルエンザの治療薬として広く使われているタミフルは、別タイプの治療薬リレンザに比べ、子どもの患者では薬が効かない耐性ウイルスができやすいとの研究結果を、東京大医科学研究所の河岡義裕(かわおか・よしひろ)教授と、けいゆう病院(横浜市)の小児科医、菅谷憲夫(すがや・のりお)参事らが米医学誌電子版に20日、発表した。

 タミフルに耐性があるインフルエンザウイルスの検出例は多い一方で、リレンザではまれ。タミフルの使用量の方が多いのが原因の可能性もあったが、今回の研究結果は、耐性ウイルスのできやすさは薬の性質の違いによる可能性が大きいことを示した。

 河岡教授らは2005~09年の4シーズンに、4病院で、感染したウイルスの型や男女、ワクチンの予防接種を受けていたかなどの条件をそろえ、4~15歳でタミフルとリレンザを投与された72人ずつを比較。タミフル投与のうち6人から耐性ウイルスが検出されたが、リレンザではゼロだった。

 また、リレンザ投与の患者のうち5~7日後にウイルスが検出されたのは13%だが、タミフルでは23%と高かった。

 インフルエンザウイルスは感染し、薬を投与された患者の体内で変異し、耐性を持つウイルスが出現。大人より子どもの患者の方が耐性ウイルスができやすいとされる。

※医学誌はCLINICAL・INFECTIOUS・DISEASES

タミフル投与患者、8%に耐性ウイルス 治療に影響、懸念 東大など調査

2011年1月20日 提供:毎日新聞社

タミフル:投与患者、8%に耐性ウイルス 治療に影響、懸念--東大など調査

 インフルエンザ治療薬「タミフル」を投与した患者のうち約8%で耐性ウイルスが現れていることが、東京大医科学研究所などの調査で明らかになった。タミフルが他の治療薬と比べ、臨床現場での治療により耐性ウイルスを出しやすいことが分かったのは初めて。19日、感染症の米専門誌電子版に発表した。【関東晋慈】

 河岡義裕・同研究所教授(ウイルス学)らの研究チームは05~09年の過去4シーズン、けいゆう病院(横浜市)でタミフルと治療薬「リレンザ」を投与した患者各72人計144人を調べた。その結果、タミフルで治療した患者6人から耐性ウイルスが確認されたが、リレンザで治療した患者からは現れなかった。

 患者はいずれもタミフルの投与で回復したが、体内でインフルエンザウイルスが増殖する過程で一部が耐性を獲得した可能性があるという。こうした耐性ウイルスは増殖力が比較的弱いとされ、これまで治療が原因による感染拡大は起きていない。だが、感染力や増殖力が強まれば、タミフルが治療に使えなくなるなど、今後の治療に影響する懸念がある。

 同病院の菅谷憲夫小児科部長は「国内では経口薬のタミフルのほか、吸入薬のリレンザ、イナビル、点滴薬のラピアクタの計4種類のインフルエンザ治療薬がある。バランスよく使っていくことが大切だ」と話している。

インフルエンザ流行注意報、東京都発令 20歳以上が4割超え

2011年1月20日 提供:毎日新聞社

インフルエンザ:流行注意報、都発令 20歳以上が4割超え /東京

 都福祉保健局は19日、インフルエンザの流行注意報を発令した。過去10シーズンでは、09年9月の発令だった昨シーズンに続き2番目に早く、予防の徹底を呼びかけている。

 都ではインフルエンザの419の定点医療機関から毎週報告を受けており、1月10~16日分は1定点あたり9・88人。都内31保健所中15保健所で定点あたりの患者が10人を超え発令の基準に達した。検出されたウイルスは、A香港型が52%、新型が44%だが、昨年12月以降は新型が多くなっている。今シーズンの特徴は20歳以上の患者の割合が4割を超え、過去10シーズンに比べて最も多い。昨シーズンの流行で免疫ができたとみられる10~14歳の年齢層の割合は減っていた。【石川隆宣】

〔都内版〕

販売後40年余、効果に疑問 武田薬品の消炎酵素薬

2011年1月20日 提供:共同通信社

 武田薬品工業は19日、1968年から販売している消炎酵素薬「セラペプターゼ」(商品名ダーゼン)に、たんの切れを改善したり腫れを鎮めるという添付文書に書かれた効果がないとの試験結果が出た、と厚生労働省の医薬品再評価部会に報告した。

 ダーゼンは医師の処方が必要な飲み薬。厚労省は、試験結果を医療機関に情報提供するよう同社に要請、有効性を再検証するか検討する。有効性が認められなければ承認取り消しの可能性もある。ダーゼンの2009年の国内売上額は67億円。

 他のメーカーからも似た薬が数種類発売されており、厚労省はデータ提出要請を検討する。

 同社は薬の再評価のため、00~09年に慢性気管支炎患者のたんの切れや、足の捻挫による腫れへの効果を確認する3種類の試験をしたが、いずれも薬の投与の有無による症状改善の差はなかった。足の腫れは一部の患者に効く可能性も示された。安全性は問題なかったという。

尿漏れ40代女性、7割が「相談せず」

2011年1月20日 提供:読売新聞

ユニ・チャーム調査

 ユニ・チャームが「尿漏れ」を自覚している40歳代の女性約620人に聞いた調査によると、尿漏れという言葉に9割が抵抗を感じ、7割が尿漏れの問題をオープンにしたがらないことがわかった。

 実際には軽度の人が多く、「自分の症状を正しく理解することが心の負担軽減になる」と専門家は話している。

 調査は昨年11月に実施。尿漏れという言葉に抵抗感を「とても強く感じる」「強く感じる」「感じる」は合計で92%に達した。尿漏れの症状について「人に相談してみたいと思うができない」「してみたいと思わない」は計74%で、「相談したことがある」は8%。

 一方で、尿漏れの頻度は「月1回-数回」が41%で最も多く、1回当たりの尿漏れの量は「下着にしみる感じ」が89%。頻度と量から判断する尿漏れ症状のレベルで「軽度」の人は55%と半数を超えた。

 名古屋第一赤十字病院の女性泌尿器科部長、加藤久美子さんは「口にしにくい症状だが、週1回ないくらいの軽度の尿漏れは女性によくある。冷え対策などをして、水分やカフェインの取りすぎに注意を」と話す。

 一方で生活に大きな支障のある例もあり、専門医への相談が必要な場合も。不安だけにとらわれず、自分の尿漏れの状況をよく振り返ることが大切という。

 また、尿漏れはせきやくしゃみをした時に起きるという人が多かった。冬場や花粉の多い季節に起こりやすいようだ。「せきなどが出そうなときは、出口をきゅっと引き締めるようにして」と加藤さんは助言する。

併存症にも注意が必要 COPD/4 あなたの処方箋/71

2011年1月20日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/71 COPD/4 併存症にも注意が必要

 COPD(慢性閉塞(へいそく)性肺疾患)について、世界保健機関(WHO)は「予防ができ、治療もできる病気」と説明する。

 治療の大前提となるのが禁煙だ。COPDは、有害物質によって気管支や肺の組織に炎症が起こり発症する。原因となる有害物質は、ばいじんなどの大気汚染のケースもあるが、多くはたばこの煙。木田厚瑞(こうずい)・日本医大教授(呼吸器病学)は「日本でも患者の90%以上が喫煙者で、非喫煙者は5%以下」と話す。禁煙すれば、肺の機能は一定程度回復する。しかし喫煙期間が長いほど、その度合いは小さい。一方で、症状が軽ければ、禁煙だけで回復する患者もいる。

 さらに薬物による治療がある。現在推奨されているのが、長時間作用型の吸入薬だ。気管支を拡張する働きがあり、1日1回の吸入で済む。重症度に応じて、他の薬を併用する。

 「肺の生活習慣病」といわれるCOPDは、他の疾患も一緒に発症することが多い。虚血性心疾患や肺がん、骨粗しょう症、呼吸器感染症、糖尿病、睡眠障害などだ。木田教授によると、これらの疾患とCOPDは、明確な理由は判明していないが、共存していることが多く、併存症と呼ばれる。木田教授は「呼吸困難からうつ病になる人も多く、それも併存症の一つだ。COPDは、他の疾患に隠れて気付きにくいという認識が重要だ」と説明する。

 健常な人なら数日で治るインフルエンザや肺炎球菌による肺炎もCOPD患者にとっては、急激に症状が悪化する「増悪」を引き起こしやすく、元の状態に戻るまでに数週間かかる。感染予防のため、インフルエンザや肺炎球菌のワクチン接種は、COPD患者にとって欠かせない。=つづく

重い費用負担(4)収入減で治療ためらう

2011年1月20日 提供:読売新聞

 「原因不明の体重減少があり、精密検査を受けるように病院を紹介したが、受診せず、後日亡くなった」

 「十二指腸潰瘍で薬を処方しようとしたが、患者が断り、痛みをこらえている。時々、母親に出された痛み止めを飲んでいるようだ」

 患者が、治療費を払えないなどの経済的な理由で治療を中断・中止する事例が、全国で相次いでいる。全国保険医団体連合会(保団連)が2010年5-10月に行った調査(医科診療所、歯科診療所、病院約1万施設が回答)では、約4割の施設が、過去半年間に経験があると答えた。

 福島県に住む建築業のAさん(40歳代)は3年前、自宅で突然、ろれつが回らなくなり、脳の血管が詰まる脳梗塞と診断された。約2か月後に退院したが、右手と右足にまひが残り、仕事を続けられなくなった。しばらくして、事務関係の仕事に就いたが給料は下がった。

 1か月または3か月に1回通院し、脳のCT(コンピューター断層撮影)検査を受け、血を固まりにくくする薬や血圧を下げる薬を毎日飲む。費用負担は、通院の交通費など含め月に3万円になることもあった。

 妻、子ども2人の4人家族。暮らしは楽ではない。出費を抑えるため、飲む薬の量を医師に内緒で減らしたり、服薬を一時やめたりしたこともあった。実家の母から仕送りされる年金の一部を、生活費の一部に充てた。

 同県猪苗代町の矢吹医院院長、矢吹孝志さんは「地方では年収が低い世帯が多く、医療費の負担は深刻。通院をやめたり、検査を断ったりする患者が増えている。不景気が続き、患者の経済的格差は広がっており、安心して治療を継続できるような体制作りが急務」と訴える。

 一家の大黒柱が病気で倒れると、家族全員に大きく影響する。

 がん患者を支援するグループ「がん経験者の就労・経済問題を考えるプロジェクト」が10年6-7月行った調査では、がん患者の67%が発病に伴い収入が減少し、年収減少率は平均36%に及んだ。

 回答した就労者770人のうち、「依願退職」(18%)、「廃業」(4%)、「休職・休業中」(10%)、「解雇」(2%)と、3人に1人が仕事を続けられなくなったと答えた。「生活を切り詰めている」(56%)、「子どもの進路・進学を変更した」(5%)、「住宅取得をあきらめた」(4%)、「配偶者が働き始めた」(3%)、「離婚した」(2%)などの回答もあり、生活面への影響も大きい。

 

情報プラス
全国保険医団体連合会(保団連)の調査

 保団連加盟する全国の医療機関を対象に調査を行い、9677施設(医科診療所6035、歯科診療所3105、病院527)から回答があった。

 「この半年間に、主に患者の経済的理由から、治療を中断または中止する事例がありましたか」との質問に対し、38・7%が「あった」と回答した。施設別にみると、病院の23・3%、医科診療所の33・6%、歯科の51・3%。「命にかかわらないから」と、虫歯など歯科治療が後回しになっている実態が明らかになった。

 歯科診療所から寄せられた具体的な実例としては、「欠損した歯があるが、部分義歯の作成は3か月待ってほしい」「治療の支払いは(給料が出る)月末まで待ってほしい」「(虫歯はあるが)痛くないので、今はお金がないから痛くなってから治療する」などがあった。

こうのとり追って 第1部・不妊治療の光と影 反響特集/上

2011年1月20日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第1部・不妊治療の光と影 反響特集/上

 不妊治療を取り上げた連載企画「こうのとり追って 不妊治療の光と影」(昨年12月20~24日)や、衆院議員の野田聖子さん(50)が第三者から卵子提供を受け6日に男児を出産したニュースに、多くの反響をいただきました。治療を経て出産した我が子との関係に悩む人、身近な人の無理解に苦しむ人、治療のあり方への意見と多様です。みなさんの声を2回にわたり紹介します。【五味香織】

 ◇家族の数だけ答えある

 ◇子の苦しみ思い、事実伝えず 夫との関係悩む

 首都圏に住む40代の主婦は、夫に精子をつくる機能がなく、第三者の精子を使う非配偶者間人工授精(AID)で長女(18)を出産した。養子縁組や、子供をあきらめる選択もあったが、夫が「君の血が入った子供がほしい」と背中を押した。治療前、大学病院内にある小部屋で「治療について口外しない」という趣旨の書類に署名し、長女に出生の事実を伝えようと思ったことはなかった。

 連載では、AIDで出産した女性が娘に出生のいきさつを伝えた話を紹介した。主婦は、記事中の女性が娘に事実を隠し続けなかったことに疑問を感じた。

 「長女が自分のことを一生、知らないままでいいのだろうか」という思いがよぎることはある。しかし、事実を伝えたら、きっと精子提供者を捜そうとするだろう。提供者は誰にも分からない仕組みになっている。長女が苦しみを抱えて生きていくのはつらい。何より、長女をかわいがってきた夫を含め、家族が壊れてしまう気がする。「子供の性格や家庭によって考え方は違う。記事の女性はうそをついていることに負い目を感じたのかもしれないが、ついていいうそもあると思う」

   ◇

 4回目の体外受精で男女の双子を産んだ兵庫県の主婦(36)は、50歳の高齢で出産した野田さんに驚きながらも「何とかして子供が欲しいという思いには共感できる」と語る。一方、不妊治療や子育てに消極的な夫の姿に「無理してまで子供が必要だったのか」と悩んでいる。

 夫の精子の数が少ないことが不妊の原因だったが、夫は積極的に治療にかかわろうとはしなかった。主婦は治療で毎日、注射を打ちに病院に通いながら「何で自分がここまでしなきゃならないのか」と思った。「子供ができれば夫も変わるのでは」と期待しながらもいら立ちは募り、30歳になる直前に体外受精を受ける際、「今回ダメなら、別れてやり直そう」とひそかに離婚届を用意した。その治療で妊娠。夫は喜び、出産後は毎日、病院に来たが長くは続かなかった。

 夫が子供に情が薄いのは妊娠・出産に直接かかわらなかったからではないか、と主婦は思う。「女は子供をおなかの中で育て、産んで母になる。だから、野田さんも自分の卵子じゃなくても、自分の子だと思えるんだろう」

 長男に、精子が少ない夫の体質が遺伝しないか不安もある。将来、不妊治療を受けたことを話し、結婚前に検査を受けるよう勧めたい。不妊原因の有無が分かれば、自分たち夫婦のように、結婚してからつらい思いをしなくてもいいのでは、と考えるからだという。

 ◇野田聖子さん出産 第三者卵子でも賛成/線引き必要

 野田さんの出産には賛否両論が寄せられた。不妊治療中の茨城県の主婦(40)は「夫の遺伝子を受け継いだ子供を産んであげたい」と第三者の卵子による出産に賛成する。川崎市の女性会社員(48)も「どうしても子供が欲しい時、自分の卵子に固執しなくてもいいと思う」。

 一方、体外受精で長男を出産した神奈川県鎌倉市の女性会社員(43)は、野田さんのように海外で治療を受けるケースについて「経済力がある人が試みる治療は、万人にできるものではない。夫婦の数だけ答えがあり、単純に是非を語るべきではない」と考える。沖縄県の会社経営男性(60)は「不妊治療そのものは否定しない」としたものの、野田さんの方法には「子供は親の所有物ではない。未来を親の身勝手で強制していいのか」と疑問を投げかけた。

 出産の現場にいる埼玉県春日部市の助産師(31)は「卵子や精子の提供、代理出産がビジネスとして成り立つことに違和感を感じる。生殖能力がなくなる年齢での妊娠は体にも負担。欲しいと思ったら何歳になっても手に入れていいのか」と指摘。不妊治療について「どこかで線を引くべきでは」という意見を寄せた。

ウイルス抑制技術を導入 南海電鉄の新型特急

2011年1月18日 提供:共同通信社

 南海電気鉄道は17日、大阪・難波と和歌山を結ぶ特急「サザン」の新型車両「12000系」を、今年秋ごろに導入すると発表した。ウイルスを抑制するとされるシャープの空気清浄技術「プラズマクラスター」を大手私鉄で初めて採用、車内の快適度を高める。

 新型車両は、座席の幅を広くし、パソコンを置ける大きさのテーブルを設置。床面を低くしてホームとの段差を小さくするなどバリアフリー化も進めた。導入するプラズマクラスターは、カビ菌などを分解・除去する効果もあるとされ、鉄道車両では山形新幹線で採用されている。

細胞がくっつき合う力測定 がんや再生医療に期待

2011年1月18日 提供:共同通信社

 生物の組織や臓器を形作る細胞が互いにくっつき合う力を、特殊なレーザーと顕微鏡を用いて計測する技術の開発に奈良先端科学技術大学院大と近畿大のチームが成功し、17日発表した。

 成果は米科学アカデミー紀要電子版に掲載。

 チームによると、がん細胞が血管内側の細胞に強く接着して起きると考えられるがんの転移メカニズムの解明や、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った組織や臓器の細胞同士が正常にくっついているかの測定にも応用が期待できる。

 チームは細胞を入れた培養液の中に、超高密度の光エネルギーを持つフェムト秒レーザーを集光して当て衝撃波を発生させた。超微細な世界を捉えられる原子間力顕微鏡で、衝撃波を検出し力の単位に換算。レーザーの強さを変え、どの程度の衝撃波で細胞同士が分離するかを調べることでくっつき合う力を計測した。

 奈良先端大の細川陽一郎(ほそかわ・よういちろう)特任准教授によると、これまで、細胞は非常に小さくもろい構造なのに互いに強く接着しているため、引き離して、くっつく力を測定することは困難だった。

優良規格建材で児童不調 消えないシックハウス/中

2011年1月18日 提供:毎日新聞社

消えないシックハウス:/中 優良規格建材で児童不調

 ◇「F☆☆☆☆」も防げず メーカーは換気促す

 岩手県南部・奥州市の市立胆沢第一小学校(児童415人)で昨年7月中旬~10月初め、校舎の使用が全面的に中止された。前年度からの大規模改修工事で、教室の壁や床など内装材を一新したが、体調不良を訴える児童が相次いだためだ。

 当時4年生の女児が、最初に頭痛を訴えたのが3月初め。工事から出る化学物質が原因、との医師の診断書が提出され、翌4月には新4年の男児も、同様の症状を訴えた。

 市教委は大型扇風機などで換気を強化し、工事途中で接着剤の種類も替えた。だが、ホルムアルデヒド、トルエンなどの「特定測定物質」5物質の濃度を測っても国の指針値を超える値は出ず、原因は不明だった。

 その後も児童が相次いで体調を崩し、7月にようやく教室の使用が中止に。市長は市議会で陳謝した。結局、不調を訴えた児童は74人に上り、22人がシックハウス症候群と診断された。

 診断を受けたある女児の父親は「娘は頭痛を抱えながらも通学し、重症化してしまった。しばらくは歩いて通えなかった」と話し、別の女児の母親は「子どもはシャンプーでさえ、気分が悪くなった。だるい時は、周囲には怠けているように見えてしまい、つらい」と訴える。

 同市教委の及川敏幸・学校建設推進室長補佐は「シックスクールが起きるとは『まさか』という感じだった。国の基準をクリアした『F☆☆☆☆』(エフ・フォースター)規格の建材を使えば、問題は起きないと考えていた」と肩を落とす。

      *

 「F☆☆☆☆」の「F」はシックハウスの原因となるホルムアルデヒドを指し、星の数が多いほど放散量が少ない。ホルムアルデヒドは建築基準法で規制されているが、最良の四つ星「F☆☆☆☆」は使用面積に制限がなく、今はこの規格の建材を使うのが業界標準だ。「F☆☆☆☆使用でシックハウス対策も万全」などとうたった分譲住宅のチラシも目立つ。

 だがF等級は、ホルムアルデヒド以外の化学物質は無関係。シックハウス対策に詳しい京都市北区の建築士、渡辺公生さんは「建築関係者でもF☆☆☆☆さえ使えばシックハウス対策はOK、と思っている人が多い。室内と関係ない外装にF☆☆☆☆を使ったとPRする業者もあり、いかにシックハウス問題が理解されていないかを示している」と嘆く。

      *

 昨年12月に横浜市で開かれた「室内環境学会」では、耳慣れない化学物質が原因のシックハウスが相次いで報告された。

 北海道立衛生研究所の小林智・生活保健科長らのグループは、道内のマンションや小学校で使われた水性塗料から、高濃度の「テキサノール」が揮発していたと発表。塗料は「F☆☆☆☆」だったが、マンションを購入した30代の女性は入居直後、気分が悪くなり実家に戻った。空気調査に立ち会った際も、立っていられなかったという。

 無色無臭の「イソドデカン」や、「2エチル1ヘキサノール」などの検出例も報告され、いずれも「F☆☆☆☆」の建材を使った建物からだった。

 小林さんは「問題の中心は、ホルムアルデヒドなどから規制外の物質に移っている」とし、「どんな毒性があるか分からない物質を使うより、トルエンなど特性が知られたものを注意して使った方がましかもしれない」と問題の複雑化を指摘する。

 塗料メーカーでつくる「日本塗装工業会」の和田英男・製品安全部長は「ホルムアルデヒドやトルエンを放散する樹脂や添加剤を避け、ミネラルスピリット(シンナーの一種)などの弱溶剤が代用されている」と説明。「室内で使う時は有機溶剤系でなく水性塗料を勧めているが、水性でもVOC(揮発性有機化合物)はゼロではない。業界団体で塗装後の換気を促す張り紙を作成しており、工事関係者や利用者への周知に努めている」と話す。

 シックハウスの原因物質の多様化は、診断や治療も難しくしてしまう。宮田幹夫・北里大名誉教授は「最近はシックハウスの影響を示す眼球運動に異常が見られるのに、ホルムアルデヒドやトルエンの測定値には問題のないケースが大半」という。「原因物質が不明でもシックハウスは起きていることを、社会が認める時期に来ている」と訴えている。【田村佳子】

心身合併症、搬送・転院要請 都内の総合病院、患者3割入院できず

2011年1月18日 提供:毎日新聞社

こころを救う:心身合併症、搬送・転院要請 都内の総合病院、患者3割入院できず

 ◇満床など理由--07年厚労省調査

 精神障害者が身体疾患にかかる心身合併症の受け入れ病院不足問題で、救急搬送や転院で精神科病床のある東京都内の総合病院へ入院要請した合併症患者の約3割が、要請された病院に入院できなかったことが、厚生労働省研究班の調査で分かった。うち約7割は「満床」が理由だった。総合病院は合併症治療の要として患者が集中しているだけに、専門家は「予想以上に深刻な状況だ。手術が必要な重い合併症ほど断られていた。一時的な処置だけ受け自宅に帰った患者も少なくないのでは」と指摘する。【堀智行】

 調査は順天堂大医学部付属練馬病院の八田耕太郎先任准教授の研究班が実施。07年4~5月の2カ月間、大学病院や都立病院を含む精神科病床を持つ都内の全総合病院を対象に調査を依頼し、75%にあたる21病院から回答を得た。救急搬送のほか、一般病院や精神科病院から転院してきた合併症患者数をまとめた。

 調査結果によると、入院治療が必要として受け入れ要請があった合併症患者は262人で、うち88人が要請した病院に入院できなかった。

 理由は▽満床で対応できない=68%▽(隔離する個室がない)開放病棟のため管理が困難=7%▽当該身体疾患の専門医がいない=5%――だった。

 88人のうち31人は自殺を図った後に搬送された患者だった。症状別では大腸がんなど手術を要する重い症状が多かった。

 その後、他の病院で治療を受けられたかどうかは不明。

 一方、要請した病院に入院できた174人について、依頼時の重症度と入院までにかかった日数を調べたところ、即日入院が必要な緊急性の高い患者88人のうち約3割の30人はその日のうちに受け入れられず、入院待ちとなっていた。また2日以内での入院を要する66人のうち約2割の14人が入院までに3日以上かかっていた。

 八田先任准教授は「自殺未遂のように精神症状が重かったり、手術が必要な患者ほど断られていた。即日の入院希望も時間がかかっており、十分対応できていない。総合病院の精神科病床をこれ以上減らさないことに加え、一般病院でも合併症治療ができるよう常勤の精神科医の配置を促す手立てが必要だ」と指摘している。

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 情報やご意見をメール(t.shakaibu@mainichi.co.jp)、ファクス(03・3212・0635)、手紙(〒100-8051毎日新聞社会部「こころを救う」係)でお寄せください。

医師にも低い認知度 COPD/2 あなたの処方箋/69

2011年1月18日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/69 COPD/2 医師にも低い認知度

 宮城県利府町に住む菅田方南(まさみ)さん(68)は06年ごろから、かぜが治った後もたんが出続けることが気になっていた。09年秋ごろからは、就寝時に息苦しさを感じるようになり、その頻度は次第に増していった。10年夏に呼吸のしにくさを自覚し、仙台市の病院の人間ドックを受診した。

 肺活量測定や胸部エックス線撮影の結果、医師は「正常と病気の境界ぐらい。かぜだけはひかないように」と説明し、薬の処方はなかった。しかし症状はその後も改善しなかった。「ほかの病気では」と心配になり、独力で調べた日本医科大呼吸ケアクリニック(東京都千代田区)で、木田厚瑞(こうずい)教授(呼吸器病学)の診察を受けた。

 肺機能検査の結果、「軽度の慢性気管支炎に肺気腫を合併したCOPD(慢性閉塞(へいそく)性肺疾患)」と診断された。現在は月1回、宮城県多賀城市の呼吸器クリニックに通い、気管支拡張の吸入薬の処方を受けている。「呼吸も楽になったし、病名が分かったことで気持ちも落ち着いた」と菅田さんは話す。

 菅田さんの場合のように、かかりつけの地域の開業医でCOPDが見逃される例は少なくない。その理由について木田教授は「医師にCOPDの知識がないため、高血圧などの循環器系疾患と診断してしまうケースが多い。肺機能検査に使う機器『スパイロメーター』も普及していない。機器があっても使えない医師も多い」と指摘する。

 菅田さんは喫煙歴48年。「COPDと診断されて禁煙したが、少しずつ悪化し、数十年後に発症することをもっと早く知っていればと後悔している。喫煙歴のある人に毎年肺機能検査をするなど、この病気の怖さが伝わる体制を作ってほしい」と話す。=つづく

東京・インフルエンザ流行で村立小笠原小を4日間学校閉鎖

2011年1月18日 提供:毎日新聞社

インフルエンザ:流行で村立小笠原小を4日間学校閉鎖 /東京

 小笠原村教委は17日、村立小笠原小学校(125人)を18日から4日間学校閉鎖にすることを決めた。インフルエンザが流行しているため。都内の今冬の学校閉鎖は初めて。

 都教育庁によると昨年9月6日~今月17日正午現在に公立の幼稚園と小学校、中学校、特別支援学校で延べ計106学級が学級閉鎖となった。学級閉鎖は昨年12月中旬から増えており、今後も流行が予測されるという。【田村彰子】

糖尿病、がんのリスク

2011年1月18日 提供:読売新聞

 糖尿病の患者は人種や民族を問わず、がんにかかったり、がんで死亡する危険性が10%以上高く、日本人を含む東アジア人では死亡のリスクが32%も高いことを、国立国際医療研究センター(東京)のグループが突き止めた。

 1960年代以降の世界の論文をもとに、男女約25万7000人分のデータを解析。糖尿病患者は糖尿病でない人に比べ、何らかのがんにかかる率は11%、がんが原因で死亡する率は16%高かった。

遺伝子研究で競技力向上に 福島大は陸上練習で試み 「スクランブル」

2011年1月17日 提供:共同通信社

 陸上男子100メートルで世界記録を持つウサイン・ボルト選手を筆頭に、ジャマイカにトップスプリンターが多いのはなぜか-。遺伝子研究の観点からアスリートの能力に迫る報告が相次いでいる。日本のトップ選手を育てるチームでは「スポーツ遺伝子」の特性を把握し、競技力向上に生かそうとする動きが出てきた。

 ▽スポーツ遺伝子

 運動能力に関係するとみられる遺伝子は60~70あるとされ、研究者はその中のACTN3遺伝子に注目する。この遺伝子には瞬発系競技に必要な瞬間的に強い力を発揮する速筋のタンパク質を作れるRR型とRX型、作れないXX型の3タイプが判明し、一般のジャマイカ人やアフリカ系米国人の9割以上がRR型かRX型に属する報告がある。筋骨隆々の黒人は速筋がつきやすい体質と言える。

 白人スプリンターにも黒人と同様の結果が出たという研究もある。2008年北京五輪陸上男子400メートルリレー銅メダリストの朝原宣治(あさはら・のぶはる)さんはRR型。東京都健康長寿医療センター研究所の福典之(ふく・のりゆき)研究員は「瞬発系競技でトップ選手になるためにはRR型とRX型が鍵となる遺伝子」と説明する。

 福研究員が日本人で五輪出場選手と一般人のエネルギー代謝を担うミトコンドリアDNAを調べた結果、五輪選手の中で特定の型に持久系と瞬発系の競技者が集中したことが判明した。「遺伝子で自分がどの競技向きなのか特性が分かれば、日本人が欠けているものをトレーニングで補うことができるんじゃないか」と研究意義を語る。

 ▽福島大の試み

 実際に陸上女子400メートル日本記録保持者の千葉麻美(ちば・あさみ)選手(ナチュリル)らを指導する福島大の川本和久(かわもと・かずひさ)教授は、スポーツ遺伝子を生かしたトレーニングを試みている。千葉のACTN3遺伝子は短距離向きではないXX型だが、エネルギー効率の特性を示すUCP1遺伝子では「省エネ型」。現在は筋肉量を増やす練習をやめ、スピードの持続力を磨く練習に取り組む。

 最近ではスポーツ遺伝子の簡易検査を行うスポーツスタイル社(千葉県船橋市)に子どもを持つ保護者からの申し込みが増えている。しかし、スポーツ遺伝子の有無や特性だけが運動能力のすべてを左右するわけではなく、研究途上の分野だ。

 遺伝子検査は「選手の選別に使われる」と危ぶむ声もある中で、川本教授は「遺伝子を通じて自分の特徴を知れば、必要のない練習を削ることができる。選手も才能を伸ばす一つの手段と理解している」。千葉選手は来年のロンドン五輪で自らの特性を生かし、800メートルで挑む計画を持っている。

指針値クリアでも発症 消えないシックハウス/上

2011年1月17日 提供:毎日新聞社

消えないシックハウス:/上 指針値クリアでも発症

 新改築時に建材から出る化学物質(VOC=揮発性有機化合物)で体調を崩す「シックハウス症候群」。90年代後半から社会問題となり、対策が進んだが、住宅や学校などで今も発生している。原因物質が複雑化し、形を変えた最近のシックハウスの実態を追った。【田村佳子】

 ◇規制外物質で複雑化 対策とれず重症にも

 東京・永田町に昨年7月開館した衆参両院の議員会館。12階建てビル3棟に1787億円が投じられたが、議員や秘書が相次いで体調の異常を訴えた。

 民主党の福田衣里子衆院議員は入居から数週間、会館に来ると首がかゆくなり、外に出ると落ち着いたという。同僚議員から「顔が赤い」とも言われた。「部屋が臭かったから窓開けはしていたが、最初はシックハウスとは気づかなかった」と振り返る。

 桜井充・同党参院議員は「ツンとする臭い」でめまいや頭痛を起こし、約1カ月半、会館にほとんど入れなかった。秘書の小林太一さんは「友人の秘書も頭がクラクラすると訴えていた。目が真っ赤になったり、涙が止まらないと話す人も。『何とかしてくれ』と大勢の人に言われた」。

 医師でもある桜井氏は8月の参院予算委で問題を取り上げた。会館建築を所管する前原誠司・国土交通相(当時)は「供用開始前に5物質の室内濃度の測定を行い、いずれも厚生労働省が定めた指針値以下であることが確認されている」と答弁するのにとどまった。換気が強化されたことで、会館内の異臭は次第に治まった。

   *

 化学物質の規制は建築基準法の03年改正で、白アリ駆除剤「クロルピリホス」が全面禁止、「ホルムアルデヒド」が使用面積を制限された。住宅品質確保法に基づく「住宅性能表示制度」では、ホルムアルデヒド、トルエンなど計5物質を「特定測定物質」とし、厚労省の指針値と照らして任意の検査対象としている。公共建築物でチェックされるのもこの5物質が一般的で、議員会館も同様だった。

 東大大学院の柳沢幸雄教授(室内環境学)は昨年8月、参院議員会館内の計3室で、空気中のVOC濃度を測定した。確かに5物質は指針値を大幅に下回ったが、朝方のVOCの総計(TVOC)が1立方メートル当たり902~2452マイクログラムだったことに着目。「シックハウスを起こすのに十分」と判断した。

 TVOCは規制外の化学物質を含み、大気の汚れを示す。厚労省は「暫定目標値」として、400マイクログラムと設定しているが、成分分析やリスク評価が難しいため、実際の建築では、ほとんど測定されていない。

   *

 住民や利用者が症状を訴えても、原因がよく分からない--こんなケースが最近、増えている。京都市の病院でシックハウス外来を担当する内山巌雄・京大名誉教授は「以前のような激烈な症状はないが、新築物件で不調になる人はまだまだ多い。原因不明で対策をとれないまま症状が進み、化学物質過敏症になる人も増えているのでは」。

 国民生活センターによると、シックハウスに関する相談は、03年度の607件をピークに減少傾向にあるものの、09年度も280件と今なお多い。「シックハウス対策をした健康住宅を建てたが、住み始めたら症状が出た」(30代女性)、「シックハウス対策の材料を使った工事を依頼したはずが、対策になっていなかった」(男性)などの苦情があったという。

 柳沢教授は「住民が体調不良を訴えても、施工側は『5物質はクリアしている』と反論する。シックハウスは以前は『気のせい』と否定される病気だったが、今は『この建物では起こりません』と言われる病気になってしまった」と懸念する。

確立された災害看護 専門家「長期ケア必要」「大震災16年」

2011年1月17日 提供:共同通信社

 阪神大震災は、看護の世界に「災害看護」という分野を確立させるきっかけになった。看護教育にも取り入れられるようになり、国際的な学会もできた。看護師個人が持つ知識や教訓の共有も進む。震災は17日で発生から16年になるが、専門家は被災者への長期的なケアの必要性を訴えている。

 災害看護について、日本看護協会は「看護独自の知識を用いるとともに、他の専門分野と協力して、生命や健康生活への被害を極力少なくする活動」と位置付ける。災害時はけがや病気の治療だけでなく、被災者の精神的ケアや避難所での健康維持など、医療という枠を超えた連携や協力が必要なためだ。

 災害看護の考え方を中心的に訴えてきたのは、看護師の経験がある近大姫路大(兵庫県姫路市)の南裕子(みなみ・ひろこ)学長(68)。看護師は災害現場の最前線で常に働いてきたが、看護師の間で教訓が十分共有されず、知識も体系化していないとの思いが強かった。

 1998年には日本災害看護学会を設立。その後、国際的な学会もでき、最初の国際会議が昨年、神戸市で開かれた。災害看護は現在、看護学生の基礎教育カリキュラムに含まれ、兵庫県立大は専門的に学ぶ学生のために修士・博士課程も設けた。

 被災者の中には、家族や財産を失って引きこもったり、アルコール依存症になったりするケースもある。南さんは「被災した方の心の傷は長年かかってやっと癒やされることが少なくない。生活の立て直しには、長い目で見ていくことが必要」と話している。

間寛平さんの挑戦と治療 Dr.中川のがんから死生をみつめる/90

2011年1月16日 提供:毎日新聞社

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/90 間寛平さんの挑戦と治療

 昨年8月、食道がんの手術を受けたサザンオールスターズの桑田佳祐さん(54)が、年末の紅白歌合戦で元気な姿を見せてくれました。少しやせてはいましたが、以前と変わらない歌声に、ファンの一人として、とてもうれしく思いました。

 もう一人、この年末年始に活躍が注目された、がん患者がいます。前立腺がんを告白しながら、マラソンとヨットで地球を一周する「アースマラソン」に挑戦しているタレントの間寛平さん(61)です。寛平さんは今月4日、ヨットで福岡に「上陸」しました。

 08年12月、大阪を出発した寛平さんは、千葉・鴨川から太平洋を横断し、北米大陸を走破した後、大西洋を渡ってフランスに入り、ベルギー、オランダ、ドイツ、ブルガリア、トルコ、イラン、トルクメニスタン、カザフスタン、中国など計18カ国を走り抜きました。ところが、昨年初め、トルコで受けた検査で、前立腺がんと診断されたのです。それにもかかわらず、寛平さんは男性ホルモンを抑える注射を打ちながら、アースマラソンを続けました。

 そんな寛平さんも、いったんはマラソンを休止し、米国・サンフランシスコに渡って放射線治療を受けました。外部照射を5週間受けた後、前立腺内に放射線を放出するアイソトープを送り込む「組織内照射」をし、昨年6月に退院しました。将棋の米長邦雄永世棋聖も同じ治療を受けて治癒しています。寛平さんは、退院後2週間で中央アジアのトルクメニスタンに戻り、マラソンを再開しました。

 がんになったら「静かに養生するのが一番」と考える人が多いと思いますが、骨への転移で骨折する危険がある場合を除き、実は、生活上の制限はほとんどありません。むしろ、再発を予防するためにも「適度の運動」が勧められます。また、放射線治療というと、副作用が多いように思われていますが、「マラソンとの両立」が可能なほど身体に優しい治療なのです。

 寛平さんはいよいよ、今月21日に大阪でゴールを迎えます。寛平さん、本当にご苦労さまでした。完走後は、ゆっくり休んでください。(中川恵一・東京大付属病院准教授・緩和ケア診療部長)

万能細胞を1個ずつ培養 新薬開発に応用も

2011年1月17日 提供:共同通信社

 再生医療への応用が期待される万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、塊ではなく、細胞1個ずつが独立した状態で培養し、肝臓の細胞に高効率で分化させる方法を開発したと、赤池敏宏(あかいけ・としひろ)東京工業大教授らが14日発表した。

 今回の方法を使えば肝臓細胞を効率よく作製でき、新薬開発での肝臓細胞を使った毒性などの評価にも応用できそうだ。万能細胞を人の治療に使う際、均一な細胞をつくるのにも役立つことが期待される。

 新しい方法は、細胞と細胞を接着する「カドヘリン」というタンパク質を改良し、細胞どうしがくっつきにくい培養用の土台(培地)を作った。培地は「細胞用まな板」と命名した。

 従来の培養法は細胞が塊になりやすく、薬を使って塊をバラバラにすると細胞にダメージを与えてしまうのが難点。細胞を増やしたり他の細胞に分化させる際にも均一なものができにくかった。

 チームは、カドヘリンの一種「Eカドヘリン」と特殊な抗体を組み合わせて培地を作製。マウスの万能細胞を培養すると、細胞は培地だけに接着し、細胞どうしがくっつかずに1個ずつ独立して培養できた。一定の条件にすると、90%以上が均一な肝臓細胞になり、ダメージを与えずに培地から簡単にはがすこともできた。

在任中に認知症の兆候 レーガン氏、息子が証言

2011年1月17日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】故レーガン元米大統領の息子ロンさんは14日放送のABCテレビとのインタビューで、在任中の元大統領に認知症の一種、アルツハイマー病の兆候があったと証言した。事実なら大統領としての職務遂行能力に大きな疑問を投げ掛けるが、当時の側近は「元大統領は徹頭徹尾、意識がはっきりしていた」と否定している。

 元大統領は1989年に退任した後の94年、自らアルツハイマー病を告白した。

 ロンさんは在任中の元大統領を「何かがおかしかった」と振り返り、不安からホワイトハウスで一日密着した際、紙に書かれたメモを読みながら電話する元大統領の姿が印象に残ったという。

 2月6日は元大統領の生誕100周年に当たり、ロンさんは近く回顧録を発売。米メディアによると、著書にはアルツハイマー病の兆候に触れた部分もあり、今回の証言は宣伝を狙ったものだとの見方もある。

喫煙による「肺の生活習慣病」 COPD/1 あなたの処方箋/68

2011年1月17日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/68 COPD/1 喫煙による「肺の生活習慣病」

 札幌市のイベント会場に昨年10月、高さ5メートル、幅5・8メートルの巨大な肺の模型が登場した。COPD(慢性閉塞(へいそく)性肺疾患)啓発のため、製薬会社が製作し、ギネスにも認定された。正面はピンク色だが、裏側に回ると、組織が壊れ、どす黒く変色した状態に。一目瞭然の病変は、来場者の度肝を抜いた。

 私たちの呼吸は、のどの奥にある気管支が細気管支へと枝分かれし、先端にある肺胞という組織で酸素と二酸化炭素を交換して成立している。COPDは、細気管支や肺胞が炎症を起こし、呼吸機能がゆっくりと低下していく病気だ。せきやたんが毎日のように続き、次第に呼吸が困難になっていく。

 従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれていた疾患をまとめて、01年に国際ガイドラインに明記された。患者の90%以上は喫煙が原因とされ、長期の喫煙習慣が数十年後に発症につながる「肺の生活習慣病」ともいわれる。

 厚生労働省の調査(08年)によると、治療中の患者数は17万3000人。しかし01年に、40歳以上の男女を対象に、福地義之助・順天堂大客員教授らが行った大規模疫学調査で、推定患者数は500万人以上とされ、未治療の患者が多いことが問題となっている。09年の日本人の死亡原因では、全体の10位の約1万5000人だが、WHO(世界保健機関)は20年には世界の死亡原因の3位に上昇すると予想する。

 未治療患者が多い理由の一つが認知度の低さだ。福地客員教授は「息が切れる人はCOPDの可能性があるが、多くは『年のせい』と片付けてしまう。年のせいでは息切れは起こらない。肺がんと同じくらい恐ろしい病気だ」と指摘する。(高野聡が担当します)=つづく

iPS細胞から心疾患細胞を作成 薬効予測に有用 イスラエル工科大

2011年1月17日 提供:毎日新聞社

iPS細胞:心疾患細胞を作成 薬効予測に有用--イスラエル工科大

 突然死の恐れがある遺伝性心疾患「QT延長症候群」の患者の皮膚から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)から心筋細胞を作成することに、イスラエル工科大のチームが成功した。得られた細胞に薬を与え患者への投与前に副作用の有無や効果を把握できる。iPS細胞を使ったオーダーメード医療の一歩として注目される。16日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表した。

 心電図の波形のQTと呼ばれる部分が正常より長い疾患で、立ちくらみや動悸(どうき)が起き、突然死する場合がある。日本人の患者数は数千人とも言われる。

 チームは、28歳の女性患者から皮膚細胞を採取し、iPS細胞を作成した後、心筋細胞に変化させた。この心筋細胞を調べると、QT部分が正常より長く、細胞レベルでの症状の再現に成功した。

 iPS細胞からつくった心筋細胞は日米のベンチャー企業が製品化したが、いずれも健康な人の細胞だった。【須田桃子】

「はしか流行ゼロ」道半ば 患者は最少に、接種率課題

2011年1月17日 提供:共同通信社

 全身に発疹ができ、高熱が出て、肺炎や脳炎になることもある感染症、はしか。以前はたびたび流行が起き、他の国からは「はしか輸出国」とも批判されていた日本は、予防接種を進めた効果で患者が減少、昨年の患者数は過去最少となった。だが「接種率95%」の目標は未達成で小規模な流行も起きており、政府が目指す「国内での流行ゼロ」の実現は道半ばだ。

 ▽20分の1

 国立感染症研究所によると、はしかと診断された患者の全数報告が始まった2008年は1万1015人だったが、09年は741人と一気に減少。10年の患者数の速報値は457人で、2年間で患者が20分の1以下になった。専門家は「定点医療機関からの報告だった07年以前を含め、昨年の患者数は過去最少だろう」と話す。

 はしかは、麻疹ウイルスが原因で、免疫がない集団に患者が1人いたとすると、12~14人にうつるほど感染力は極めて強い。特効薬はないが、予防にはワクチン接種が効果がある。

 予防接種は以前は乳幼児期に1回だったが、学校での集団発生防止などを目的に、06年から1歳と小学校入学前の計2回が公費で負担される定期接種になった。また接種が1回だった世代での流行を受け、08年から5年間の時限措置で中学1年と高校3年へ追加接種をしている。こうした対策の効果が出てきたようだ。

 ▽韓国では実現

 世界保健機関(WHO)によると、08年のはしかによる死者はアフリカや南東アジア地域を中心に世界で16万4千人に上る。流行地域では死者減少を目指す一方、可能な国は流行をゼロにする「はしか排除」を目標にし、北米と南米大陸、韓国は既に排除を実現している。

 日本は「12年度までに国内流行ゼロ」が目標。達成できたかどうかの指標の一つは、人口100万人当たりの患者が1人未満だが、10年は3・6人。達成には患者総数を120人程度までに抑える必要がある。ただ、昨年末から今年にかけて愛知県岡崎市の小学校で集団発生が起きるなど、今後も小さな流行は起こる可能性があり、完全になくすのは難しい。

 また「予防接種率95%以上」も流行ゼロの条件となるが、09年度は対象年齢により77・0~93・6%にとどまっている。

 同研究所感染症情報センターの多屋馨子(たや・けいこ)室長は「はしかに感染すると約1カ月免疫機能が低下し、その間にインフルエンザなどにかかると重症化する恐れがある。高い接種率を維持しなければ、患者が発生した場合に拡大する可能性がある」と指摘、対象者はワクチン接種を受けるよう呼び掛けている。

3ワクチン接種、全額助成へ 子宮頸がん予防など 東京・杉並区

2011年1月15日 提供:毎日新聞社

杉並区:3ワクチン接種、全額助成へ 子宮頸がん予防など /東京

 国の半額助成が始まった子宮頸(けい)がん予防など3ワクチンについて、杉並区は11年度から全額公費負担とする方針を決めた。現行では中学1年生のみとしている子宮頸がん予防ワクチンの対象を中学1年~高校1年の女子に拡大する。また来年度には高校2年生になり、助成対象とならない現高校1年生には2月~3月まで全額助成の措置をとる。

 ほかに全額助成されるのは生後2カ月~4歳児が対象で、現行制度では費用8300円中4000円を助成しているインフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンと、新設する費用1万1000円の小児用肺炎球菌ワクチンで、ともに2月から助成が始まる。区は3ワクチンで総額約1億円の補正予算案を2月議会に提出。来年度予算案には約7億円を計上する。

 区にはこれまで、「何で対象が中学1年生だけなんだ」「4000円でなく、全額助成してほしい」などの要望が区民から寄せられていた。接種は任意で、区は「多くの人に接種してもらいたい」としている。【神足俊輔】

〔都内版〕

しんきゅう 腰痛や神経痛など医師の同意が必要

2011年1月16日 提供:毎日新聞社

医療ナビ:しんきゅう 腰痛や神経痛など医師の同意が必要

 ◆しんきゅう 腰痛や神経痛など医師の同意が必要

 ◇6疾患には保険が適用

 ◇少ない有効性示すデータ 海外の比較試験で効果確認も

 しんきゅうはどんな疾患に効くのか。医師の同意書を必要とするものの、神経痛や腰痛などで健康保険の適用が認められている。有効性を示す信頼度の高いデータが少ない課題もある。

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 日本鍼灸(しんきゅう)師会(東京)によると、保険が利くのは(1)腰痛(2)神経痛(3)五十肩(4)リウマチ(5)頸椎(けいつい)ねんざ後遺症(むち打ち症)(6)頸腕症候群(首から肩にかけた痛みやしびれ)の6疾患。

 保険適用を受けたい場合、患者は治療施設で受け取った所定の同意書の用紙を医師に持っていき、必要事項を記入してもらい、治療施設に渡す手続きが必要だ。医師による同意の確認は3カ月ごとに必要になる。

 日本鍼灸師会保険局長を務める大口鍼灸治療院(埼玉県所沢市)の大口俊徳院長によると、保険適用は約40年前に始まり、7年前までに期間・回数の制限も撤廃された。健康保険組合によっては、いったん患者が治療費の全額を立て替え、本人が支給申請することを条件としているところがあるので確認が必要だ。大口院長は「保険制度をうまく活用していない治療院が少なくないので、もっと患者に知らせてほしい」と話す。

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 しんきゅうは国家資格をもつはり師、きゅう師が治療にあたるが、課題もある。皮膚や神経への刺激で血液循環がよくなるなどと考えられているが、効くメカニズムはよく分かっておらず、有効性を示すデータも少ない。

 現代医学では治療の有効性を証明する方法として、無作為(ランダム化)比較試験が最も信頼度が高い。薬の場合、大規模な集団を本物の薬と偽薬(プラセボ)の群に分けて、投与後の効果を比較する。

 しんきゅうの場合は、どの治療でも皮膚に触れるため、偽のはりを打つのが難しく、はりの深さが浅い術と比較される場合が多い。

 しんきゅうの科学的なデータを集めた「エビデンスに基づく腰痛症の鍼灸医学」(医歯薬出版)を刊行した全日本鍼灸学会によると、はり治療の盛んなドイツでは約10年前から、腰痛患者などを対象に大規模な四つの比較試験が行われた。たとえば、ハイデルベルク大などが参加して行われた約1800人の腰痛患者を3群に分けて比較した試験では、深いはりと浅いはり(プラセボ)に差はなかったものの、電気刺激やマッサージなどの標準治療に比べると、どちらのはりも有効という結果が得られた。

 しんきゅうなどの代替医療問題に詳しい大野智・早稲田大先端科学・健康医療融合研究機構客員准教授によると、米国の国際統合腫瘍学会は09年の治療ガイドラインで、がんの痛みや抗がん剤服用後の吐き気防止に関する比較試験ではりの効果があったとして推奨しているという。

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 世界的には比較試験のデータが増えつつあるが、日本では信頼度の高いデータは少ないのが現状だ。

 最近は、長さ0・6ミリの短いはりを丸いシールに張り付けた円皮鍼(えんぴしん)というはりが開発され、はりのない偽シールと比べて有効性を比較する方法も誕生した。

 人の腕に円皮鍼を打って、腕の曲げ伸ばし回数がどうなるかを試験した呉竹学園東洋医学臨床研究所(東京都新宿区)の古屋英治所長は「円皮鍼は偽シールに比べ、曲げ伸ばし回数が増えた」として、筋肉疲労への効果をさらに調べている。

 大野准教授はしんきゅう治療について、「健康保険が適用される漢方や現代医学の治療にも、無作為比較試験を経ていないものは多い。とはいえ、しんきゅうは比較試験をもっと増やして信頼度を高めていく努力が必要だ」と指摘する。【小島正美】

iPS細胞から色素細胞を作成 慶応大など

2011年1月15日 提供:毎日新聞社

iPS細胞:色素細胞を作成--慶応大など

 ヒトの皮膚細胞で作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、皮膚や毛髪などの色素をつかさどる色素細胞を、慶応大などのチームが作成した。14日の米科学誌プロスワン電子版に発表した。生まれつき色素細胞がなかったり、少ない白皮症や白髪化、色素細胞ががん化してできる悪性黒色腫など、色素異常症の解明や治療法開発に役立つとみられる。

 チームは、受精卵から得られる胚性幹細胞(ES細胞)からの色素細胞の作成法を参考に手法を開発。メラニン色素を作り出す色素細胞特有の特徴を確認した。【永山悦子】

9日までの1週間、インフルエンザ患者倍増 新型が8割超す

2011年1月15日 提供:毎日新聞社

インフルエンザ:9日までの1週間、患者倍増 新型が8割超す

 9日までの1週間に報告されたインフルエンザ患者数は1医療機関あたり5・06人と、前週の2・30人に比べて2倍以上に増加したと、国立感染症研究所が14日、発表した。検出されたウイルスは昨年世界的に流行した新型が最も多く、8割以上を占めた。流行のピークは2月初めごろと予想され、手洗いとうがいの徹底が求められている。

 全国約5000の定点医療機関を調べた。

 それによると、3~9日に報告された医療機関あたりの患者数は、沖縄が最も多い25・90人で、福岡県が11・53人、佐賀県が11・41人と続き、北海道以外のすべての都府県で前週を上回った。

 患者数は2万4841人だった。検出されたウイルスは新型が約83%、A香港型が約18%、B型の検出はなかった。

 厚生労働省によると、今季の感染者のほぼ半数を20~40代が占めている。また、昨年12月中旬の流行入り後、A香港型から新型が目立ち始めた。その背景は不明という。

 今後の対策について、二木芳人・昭和大教授(感染症)は「予防接種すれば感染しにくくなるほか、感染しても重症化を防げる。今からでも受けてほしい」と助言する。【藤野基文】

ドライアイ、新しい型「BUT短縮型」 涙と違う原因、目の肌荒れ状態に

2011年1月14日 提供:毎日新聞社

ドライアイ:新しい型「BUT短縮型」 涙と違う原因、目の肌荒れ状態に

 空気が乾燥する冬、目が充血しやすくなったり、目に痛みを感じたりしている人はドライアイが原因かもしれない。最近、涙の量が少ないなどといった従来のドライアイの概念に当てはまりにくい新しいタイプの「BUT(涙液層破壊時間)短縮型ドライアイ」が注目されている。【西川拓】

 昨年12月上旬、京都府立医科大付属病院(京都市)を訪れたエステティシャンの女性は「2、3年前から、まぶしくて目を開けていられないときがある」と、横井則彦准教授(眼科学)に訴えた。

 従来のドライアイは、涙の量が少ない「涙液減少型」か、涙の表面の油分が不足して蒸発が早まる「蒸発亢進(こうしん)型」に大別された。だが、この女性は涙の量にも油分にも問題はなかったが、まばたきをした瞬間から、角膜の表面の涙の層が安定せず、すぐに乾いた部分(ドライスポット)が現れた。横井准教授は「BUT短縮型ドライアイ」と診断した。

 「黒目(角膜)の表面の水ぬれが悪く、涙をはじいてしまう。いわば、目の肌荒れのような状態だ」と同准教授は説明する。涙の量は十分あるため、ドライアイの診断基準にあるように目の表面にあまり傷ができず、ドライアイと診断されないことが多い。

 角膜の表面には「膜型ムチン」という分子が突起のように分布しており、涙の中にも含まれるムチンと協力して、角膜の細胞と水(涙)との相性をよくする働きをしている。BUT短縮型ドライアイは、この膜型ムチンの働きが悪くなっていると考えられるが、詳しい原因はよく分かっていないという。

 横井准教授は「約80人の患者を調べたが、はっきりした傾向はなかった。ある日突然発症したケースも多い」と話す。

 BUT短縮型ドライアイは目の細胞に原因があると考えられるため、涙の異常に起因する従来のドライアイの治療法ではなかなか症状が改善しない。参天製薬(大阪市)は10年12月、水分と同時にムチンの分泌を増やす働きのある新しいタイプの点眼薬を発売した。臨床試験では涙液層の破壊時間が延びることが確認されており、治療薬として期待されている。

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 国内のドライアイ人口は800万~2200万人と推定されている。まばたきの回数が減るパソコンでの作業の多い人や、コンタクトレンズ使用者に多い。コンタクトレンズメーカーのボシュロム・ジャパン(東京都品川区)の調べでは、コンタクトレンズ使用者では半数がドライアイの自覚症状があるという。

 横井准教授らの実験では、ソフトコンタクトレンズの使用者は、秋に相当する気温15度、相対湿度20%で目の乾燥感を持ち始め、冬を想定した気温5度、相対湿度10%の環境下では乾燥感が増すことが分かった。湿度の低下よりも温度の低下の影響の方が大きく、風があるとさらに乾燥感が強まることも明らかになった。

 「コンタクトレンズを装着するだけで涙の分布は変わる。レンズの表面の涙は薄く安定しないため乾きやすく、黒目に隣接する白目の部分がレンズとこすれて乾燥感を生む」と横井准教授。「コンタクトレンズ使用者は、乾燥やエアコンの風などの環境に一層気を使う方がよい。室内に洗濯物を干すだけでもかなり違う」とアドバイスする。親水性の高いレンズ消毒液を選ぶのもよいという。

 また、特に若い女性は、アイメークがドライアイの原因になることもあるので要注意だ。涙の表面を覆う油分は、まぶたの縁にある「マイボーム腺」の出口から分泌される。化粧品や汚れがここにたまると、涙の油分が減って蒸発しやすくなる。二重まぶたにするための化粧品は、使い方によっては、まばたきがスムーズにできなくなり、目が乾きやすくなることがあると指摘している。

痛くても、汚れは放置しないこと 口内炎/5止 あなたの処方箋/67

2011年1月14日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/67 口内炎/5止 痛くても、汚れは放置しないこと

 抗がん剤治療などを受けている人は免疫力が低下しているため、口の中の潰瘍や傷口から細菌に感染しやすい。国立がん研究センター中央病院で治療を受けていた乳がんの女性は、抗がん剤投与を受けて約1週間経過するといつも小さな潰瘍ができ、回復したころまた投与を受けるパターンを繰り返していたが、約半年後、「今回の口内炎はいつもと違う。痛みが強くなかなか治らない」と主治医に訴えた。潰瘍から細菌が入って炎症が悪化し、じっとしていてもびりびりと激痛が走った。痛みが強くなってからは歯磨きができず、口の中はますます汚れた。主治医に歯科を紹介され、痛み止めを使用しながら、歯科医に口の中をきれいにしてもらうと、数日で、潰瘍に触れなければ痛みもないという程度に戻ったという。

 同病院の歯科医、上野尚雄さんは「痛いからと汚れを放っておくと感染を起こして口内炎が悪化したり、全身に感染が広がることもある」と話す。

 自分でケアをする場合は、痛みのある部分に触れないよう、子ども用など毛の部分が小さく、できるだけ柔らかい歯ブラシを使う。歯磨きができない場合は、ぬるま湯や生理食塩水(水1リットルに食塩9グラムを溶かす)でうがいをする。口の中の粘膜全体が弱っているため「アルコールを含んだ洗口液や強い殺菌作用のあるうがい薬は控えてほしい」(上野さん)という。

 同センターと日本歯科医師会は昨年、がん患者の歯科治療、口腔(こうくう)ケアを推進するための医科歯科連携事業を始めた。身近な歯科でがん患者に定期的な治療やケアを行い、口の中のトラブルが原因でがん治療が妨げられることがないようにするのが目的だ。今月末から、手術を受ける患者を対象に虫歯や歯周病の治療、口内の汚れを取るケアを関東地方で実施する。上野さんは「歯科で専門家に歯石や歯の着色などを取ってもらうと、その後汚れが付きにくくケアも容易になる。抗がん剤などで口内炎ができるリスクを持つ人は、事前に歯科を受診し、徹底的にきれいにしてもらってほしい」と話す。=おわり(大場あいが担当しました。17日からは慢性閉塞(へいそく)性肺疾患です)

インフルエンザ患者倍増 新型が最多

2011年1月14日 提供:共同通信社

 国立感染症研究所は14日、3~9日の1週間に全国約5千の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者は2万4841人(1機関当たり5・06人)で、前週(2・30人)の2倍以上になったと発表した。検出されるウイルスは新型が最も多いという。

 都道府県別では、沖縄(25・90人)、福岡(11・53人)、佐賀(11・41人)、長崎(9・29人)、宮城(9・15人)の順。北海道以外のすべての都府県で前週より増加した。

 昨年12月上旬までは季節性のA香港型が多かったが、全国流行入りした年末ごろから新型が上回っている。

インフル 「超」注意報…静岡

2011年1月14日 提供:読売新聞

 静岡県疾病対策課は13日、1月3-9日の県内137定点医療機関のインフルエンザ患者数は658人、1定点あたり4・80となったと発表した。

 前週(12月27日-1月2日)の約3・6倍に増えたうえ、御殿場保健所管内では19・40と、今後4週間以内にインフルエンザの大きな流行が発生する恐れがあることを示す注意報レベル(基準値10)を大きく超えた。同課はうがいや手洗いの励行などを重ねて呼びかけている。

 同課によると、県内9保健所のうち、前週に唯一、流行入りの基準1を下回っていた浜松市も1定点あたり3・11となり、県内全域で流行入りした。そのほかの保健所の1定点あたりの患者数は、富士6・93、賀茂6・00、熱海5・20、中部5・19、西部4・47、東部3・74、静岡市3・00だった。

[医療費] 1人当たり医療費、高知で最高、千葉で最低  20年度医療費マップ

2011年1月14日 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

平成20年度 医療費マップ(12/17)《厚労省》

  厚生労働省はこのほど、平成20年度の医療費マップを公表した。医療費マップとは、「1人当たり実績医療費」と「地域差指数」を地域別(都道府県別等)にまとめ、地図として表したもの。「地域差指数」とは、医療費の水準の地域差に関するさまざまな要因のうち、年齢構成の相違による分を補正し、指数化(全国を1)したものである。

  市町村国民健康保険の1人当たり実績医療費は、診療種別計では広島県が最も高く33万9000円(全国比1.224)、沖縄県が最も低く23万1000 円(同0.834)となっている。地域差指数については、診療種別計では長崎県が最も高く1.178、千葉県が最も低く0.889という状況(p6-p9参照)。

  一方、後期高齢者医療制度の1人当たり実績医療費は、診療種別計では福岡県が最も高く107万7000円(同1.264)、新潟県が最も低く70万 4000円(同0.826)。地域差指数については、診療種別計では福岡県が最も高く1.238、長野県が最も低く0.831となっている(p10-p12参照)。

  市町村国保と後期高齢者医療制度を合わせた場合の1人当たり実績医療費は、診療種別計では高知県が最も高く55万円(同1.278)、千葉県が最も低く 35万円(同0.814)であった。また、地域差指数については、診療種別計では福岡県が最も高く1.212、長野県が最も低く0.868という具合だ(p13-p15参照)。

  なお、厚労省は、平成20年度は後期高齢者医療制度の創設に伴い、平成19年度までとは給付費等の範囲が大きく異なっているため、過去の地域差指数との比較は困難であることに留意が必要である、としている(p4参照)。

夕方の遺伝子は昼夜で制御 体内時計の仕組み解明

2011年1月14日 提供:共同通信社

 ほぼ24時間周期でリズムを刻む生物の「体内時計」で、夕方に働く特定の遺伝子は、昼と夜に働くDNA上の配列の組み合わせによって制御されていることを、理化学研究所の上田泰己(うえだ・ひろき)プロジェクトリーダーらが明らかにした。13日付の米科学誌セル電子版に発表した。

 この遺伝子が働く時刻を人工的にずらすと、体内時計の動きが弱くなってほとんど止まりかけたり、約4時間も周期が延びて遅れたりすることも分かった。

 体内時計の仕組みを理解する上で大きな前進だといい、上田さんは「一部の睡眠障害は体内時計の異常によるもの。今回の結果は治療方法を開発するための指針になる」と話している。

 体内時計はヒトを含め多くの生物に存在。朝、昼、夜のどの時刻に遺伝子を働かせるか決めるDNAの配列と、その配列につながって機能する約20の遺伝子による複雑な"設計図"で動いているが、なぜ特定の遺伝子が夕方に働くのかは不明だった。

 上田さんらは、体内時計を持つマウスの細胞にホタルの発光タンパク質を入れ、夕方の遺伝子が働くと光るようにして観察。昼と夜それぞれで遺伝子を働かせるDNA配列によって、その中間の夕方に遺伝子が働くことを突き止めた。

 体内時計を失った細胞でも、昼と夜のDNA配列を組み合わせて入れると夕方の遺伝子が働き、時計が再び動きだしたという。

ペースメーカー細胞抽出 不整脈の再生医療目指す

2011年1月13日 提供:共同通信社

 鳥取大の久留一郎(ひさとめ・いちろう)教授ら研究グループがマウスの胚性幹細胞(ES細胞)を使った心臓ペースメーカー細胞の抽出に成功したことが12日、分かった。今後、大型動物でも実験を行い、再生医療による不整脈患者の治療を目指す。

 久留教授によると、ペースメーカー細胞の特異な遺伝子を特定。それを目印にすることで、マウスのES細胞から、ペースメーカーとして同じ役割を持つ細胞だけを抽出することに成功した。

 その後、人工的に脈を遅くしたラットに、抽出したペースメーカー細胞約30万個を注射したところ、拍動のパターンが変化。心臓の動きに影響を与える効果があることが確認された。

 同教授によると、人工ペースメーカーは、電磁波の影響を受けたり、電池の交換が必要だったりするが、細胞を使うことで、その欠点を補える可能性があるという。

 研究が本格的に始まったのは2003年ごろ。昨年に国際特許に出願し、受理された。13日に鳥取県米子市の鳥取大学付属病院で会見が開かれる予定。

「セックス嫌い・無関心」急増、男性でも17%

2011年1月13日 提供:読売新聞

 男女とも草食化が進んでいる?--性交渉に対して嫌悪感を抱いたり、関心がなかったりする日本人が急増していることが12日、厚生労働省研究班(主任研究者=竹田省・順天堂大医学部教授)の調査でわかった。

 調査は2010年9月、16-49歳の男女3000人を対象に手渡しによるアンケート形式で実施し、1540人が回答した。性交渉に対して「関心がない」、「嫌悪している」と回答した人を合わせると、男性では17・7%(08年調査10・4%)、女性では48・4%(同37・0%)を占めた。特に女性ではほぼ全年齢層で08年調査より10ポイント以上増加。男性でも16-19歳、20-24歳で18・6ポイント、9・7ポイントそれぞれ増加した。

 一方、1か月以上性交渉しない「セックスレス」の夫婦は08年調査より4・3ポイント増加して40・8%となり、04年の調査以来初めて4割を超えた。理由は「出産後何となく」や「面倒くさい」、「仕事疲れ」が多く、これまでと同様の傾向を示した。

 調査した日本家族計画協会の北村邦夫常務理事は「セックスレスの理由に『面倒くさい』とあるように、人とのかかわりが厄介だと感じる人が増え、人間関係が希薄になっているのでは」と話している。

がん治療時の口腔ケア、重要に 口内炎/4 あなたの処方箋/66

2011年1月13日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/66 口内炎/4 がん治療時の口腔ケア、重要に

 口内炎は、がん患者が抗がん剤や放射線治療を受けているときに頻繁に起こる副作用の一つだ。単発的なアフタ(浅い潰瘍)とは異なり、口の中の広い範囲が赤く腫れ、痛みも強い。潰瘍からの出血で口の中に血の塊ができて舌がうまく動かせなくなり、食事はもちろん会話もままならないがん患者もいるという。

 国立がん研究センター中央病院の歯科医、上野尚雄さんによると、抗がん剤治療を受ける患者の4割、骨髄移植治療のため大量に強い抗がん剤を投与される患者の8割が口内炎を発症する。同センターのウェブサイトで、「口内炎」という単語で情報を探す人も目立つという。上野さんは「以前は医師も患者も『がんを治すには口内炎くらい我慢しなければならない』という考えがあり、口内炎対策の情報も十分ではなかった」と指摘する。

 口内炎が、がん治療そのものの妨げになることも明らかになってきた。米テキサス大MDアンダーソンがんセンターの分析によると、出血があるなど口内炎のひどい人は口内炎がない人に比べ、抗がん剤の減量を余儀なくされるリスクが3倍高くなり、治療が予定通りに進められないケースが増えることがわかった。また、感染症による死亡の危険性は3倍高い。口から食事を取ることができないため、点滴で栄養補給を受けるリスクは10倍になる。入院期間も平均で7日延びるという。

 上野さんは「治療でできた口内炎によって治療の中断や長期化のリスクが生じるのは本末転倒だ。がん治療そのものを安全、円滑に進めるためにも、痛みを和らげたり悪化を予防するための口腔(こうくう)ケアの重要性が広く認識されつつある」と話す。=つづく

冬の感染症猛威 拡大防止に手洗いと消毒を(1月13日付・読売社説)

2011年1月13日 提供:読売新聞

 冬季に多いノロウイルスやインフルエンザウイルスによる感染症が、猛威を振るっている。

 昨冬は、新型インフルエンザの出現で、社会全体が感染症への警戒感を高めていた。このため、新型インフルエンザを除き、ノロウイルスを含むほとんどの感染症で患者数が例年を大きく下回った。

 ところが、今冬は、その警戒感が薄れたスキを病原体に突かれた形になった。流行の拡大を防ぐため、消毒や手洗いといった感染症対策の基本を、改めて徹底する必要があろう。

 ノロウイルスを主な原因とする感染性胃腸炎については、患者の急増を受け、「警報」を発令する自治体が相次いでいる。

 飲食店を利用した多数の客が下痢や嘔吐(おうと)の症状を訴えたり、保育園でも園児たちが、同様の症状に陥ったりする例が目立つ。中には幼児が死亡した例もある。

 食を通じた感染例が多い。二枚貝の生食や、調理する際の食品汚染などが原因となる。

 患者の吐しゃ物の処理や消毒が十分でない場合、残ったウイルスが乾燥して舞い、それを吸い込んで感染することもある。

 問題は、このウイルスに対する予防ワクチンがなく、発症しても治療薬がないことだ。水分を十分に取り、回復を待つしかない。

 しかも、このウイルスは、一般的なアルコール消毒では死滅させることができない。このため患者の吐しゃ物を処理する際には、きれいに洗い流すか、塩素系の消毒剤を使う必要がある。

 公的な施設の入り口などに置かれているアルコール系の消毒剤への過信は禁物だ。

 インフルエンザも、厚生労働省が「全国的な流行開始」を宣言して注意を呼びかけているが、拡大に歯止めがかからない。

 当初は、A香港型という旧来のウイルスが主流だった。だが、最近は、昨春まで流行していた新型インフルエンザが感染者の6割に達している。

 新型は感染力が強い。抗ウイルス薬の種類が増え、治療の幅は広がってきたものの、重症化することもある。やはり手洗いやマスク着用などによる予防が一番だ。

 冬の寒さはこれからが本番である。この寒さと乾燥で、ウイルスなどの病原体は生き延びやすくなる。一方で人間は体力、免疫力が落ちる。

 感染症に対する国民の警戒感を高めるため、政府や自治体は、きめ細かく情報提供すべきだ。

意外な"汚染源" 海外こぼれ話

2011年1月13日 提供:共同通信社

 英国の抗菌専門の会社が、現金自動預払機(ATM)は公衆トイレと同じ病原菌で汚れているとの調査結果を発表した。

 調査ではATMと、近くのトイレの便座から細菌を採取。ATMは下痢などを起こす細菌でトイレと同じぐらい汚染されていることが判明した。

 同社の別の調査で、英国人はATMを汚染源としてあまり認識していないとの結果が出ており、担当者は「ATMがこれほど汚れているとは驚きだ」と話している。(ロンドンUPI=共同)

韓国からノーベル賞を…優秀学生に440万円

2011年1月13日 提供:読売新聞

 【ソウル=仲川高志】韓国教育科学技術省などは12日、ノーベル賞受賞者の輩出を目指し、今年3月に同国内の大学院博士課程に入る成績優秀な韓国籍学生300人に、2年間で6000万ウォン(約440万円)ずつ支援する「グローバル博士フェローシップ」事業を始めると発表した。

 対象者の8割が理系学生という。

 韓国のノーベル賞受賞者は2000年に平和賞を受賞した金大中(キムデジュン)大統領(当時)のみで、日本の計18人に大きく後れを取っている。国民の悲願である自然科学3賞(生理学・医学、物理学、化学)受賞に向けた国を挙げての支援だ。

 同省によると、書類と面接審査で選抜された学生は、支援金を授業料や生活費、海外研修など自由に使える。政府が選んだ内外の研究者で構成される特別チームの指導・助言も受けられる。優秀な学生にはさらに3年間支援金を支給するという。

 同省は「ノーベル賞を受賞するため、学生には、学費や生活費を心配せず、脇目もふらず研究に没頭してほしい」としている。

多剤耐性菌対策を強化 WHO、まずマラリアから

2011年1月13日 提供:共同通信社

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は12日、マラリアの特効薬とされる「アルテミシニン」に耐性を持つマラリア菌封じ込め計画の開始を発表した。昨年、日本などで感染が拡大した多剤耐性菌に関する世界規模での対策強化の第1弾。5月のWHO総会に向け、結核などでも同様のキャンペーンを行っていく。

 多剤耐性菌の問題は衛生状態の悪い途上国だけでなく、先進国でも深刻化しており、加盟国間での情報共有や対策強化が急務となっている。

 「アルテミシニン」耐性のマラリア菌に関しては、WHOが2009年5月に以前から指摘されていたタイ・カンボジア国境地帯での発生を確認。マラリア撲滅運動に致命的な影響が出かねないため、感染拡大を防止すると同時に、他の薬剤との併用を徹底する。

 WHO幹部によると、多剤耐性菌対策はこれまで各部署ごとに行われていたが、新型インフルエンザ対策に奔走したフクダ事務局長補が責任者として各部署を束ねる。

 多剤耐性菌にはほとんどの抗生物質が効かず、昨年8月、医療費の安いインドやパキスタンで美容整形手術などを受けていた欧米人を中心に、NDM1という酵素をつくる遺伝子を持つ新種の腸内細菌に感染した患者の増加が報道された。日本でも昨秋、アシネトバクターの院内感染による死亡例が相次いで発覚した。

印にちなんだ命名間違い 耐性菌で英医学誌謝罪

2011年1月13日 提供:共同通信社

 【ニューデリー共同】12日付のインド紙タイムズ・オブ・インディアなどによると、英医学誌ランセットのリチャード・ホートン編集長は11日、インドなどへの渡航歴のある患者から見つかった抗生物質が効かない多剤耐性菌をニューデリーにちなんで命名したことについて「大きな間違いだった」と述べ、謝罪した。インドを訪れた同氏が記者団に語った。

 同誌は昨年、多剤耐性菌をニューデリーを意味する「ND」を付け「NDM1」と名付けたが、同様の耐性菌はインド以外の世界各国で確認されている上、インドのイメージを傷つけ、安い医療費で外国人にも人気の同国への「医療観光」に影響を及ぼすとして、インド国内から強い批判が出ていた。

 ホートン氏は今後、新たな菌などの命名に際しては、特定の国名や都市名ではなく、発見者にちなんだ命名にする方針も示した。

ドコモ、花粉情報の携帯無料サイト…14日から

2011年1月12日 提供:読売新聞

 NTTドコモは12日、携帯電話で全国の花粉の飛散状況が見られる無料サイト「ドコモ花粉ライブ!」を1月14日-4月30日の期間限定で開設すると発表した。

 当面は「iモード」などに対応した携帯電話が対象で、後日、高機能携帯電話(スマートフォン)でも利用できるようにする。

 花粉量を「極めて多い」「多い」「ほとんど無し」など、6段階に分けて表示し、花粉への対策方法などのアドバイスも併せて掲載する。月額利用料は無料だが、インターネット接続のパケット通信料がかかる。

 ドコモは2009年から、携帯電話の基地局などに、気温や湿度、風速、降水量などの気象状況や、花粉量を計測するセンサーを設置している。現時点で全国約2500か所をカバーしており、11年度末までに約9000か所に増やす予定だ。

脳の回復、血中酸素の割合で予測

2011年1月12日 提供:読売新聞

濃度26%以上 4割社会復帰

 救急搬送された心肺停止患者の脳機能の回復見通しを、脳の局所的な血中酸素の割合「酸素飽和度(rSO2)」から予測する方法を、大阪府済生会千里病院千里救命救急センター(大阪府吹田市)の伊藤賀敏(のりとし)・心血管内治療室長らが開発した。

 rSO2が25%以下だと9割が24時間以内に死亡した一方、26%以上の場合は4割が社会復帰し、値が高い人ほど回復程度が良かった。適切な治療法を素早く選択し、救命率を高めることに生かせる。阪神大震災などの大規模災害時に搬送された患者の治療優先順位を決める「トリアージ」にも活用できる可能性がある。

 脳の神経細胞は、心停止で血流が長時間止まると死滅するが、心拍再開後も細胞死が進み、脳死や植物状態に至るケースがある。

 伊藤室長らは、心臓のバイパス手術などをする際、麻酔科医が前頭葉の大脳皮質を流れる血液中のrSO2を計測して脳の状態を把握し、呼吸や血圧などの管理の目安にしていることに着目。rSO2は、酸素を運搬するヘモグロビンの血中濃度から求められ、近赤外光を額に10秒程度あてるだけで計測できる。

 同センターへ一昨年4月から1年間に搬送された18歳以上の82人について、来院から3分以内のrSO2を測定。健康な人のrSO2は80-50%だが、82人のうち、25%以下だった52人は、47人が24時間以内に死亡。残りの5人も脳機能が回復せず、感染症などで亡くなった。

 一方、26-40%の9人は6人が死亡、1人が植物状態になったが、2人は社会復帰できた。41%以上では21人中、5人が死亡し、5人が脳に重い後遺症が残った状態で転院したものの、10人が社会復帰し、1人は軽い後遺症で済んだ。

 4月からは大阪大、京都大、慶応大など国内の計10施設と共同研究を計画している。伊藤室長は「rSO2の値を高く保つ治療をすれば、社会復帰の可能性が高まるだろう。数値の常時監視で、効果的な蘇生治療も行える」と話す。

長引くときは医療機関受診を 口内炎/3 あなたの処方箋/65

2011年1月12日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/65 口内炎/3 長引くときは医療機関受診を

 「口の中にはすぐに治るアフタ(浅い潰瘍)しかできないと思っている人が意外と多い。いつも『単なる口内炎』と思いこんで安心してはいけない」。山根源之・東京歯科大教授(歯科・口腔(こうくう)外科)は強調する。

 「ほおの口内炎が治らない」と訴えてきた患者がいた。この患者は以前、アフタができて医療機関を受診したときにステロイドの入った軟こうを処方され、すぐに治ったことがあった。今回も同じだろうと思い、残っていた薬を1カ月ほど使い続けていたが、実は口腔がんで、山根さんが診たときにはかなり進行した状態だった。

 がんに限らず、長引いたり繰り返しできる口内炎は、深刻な病気が原因であることも多い。山根さんは「口内炎に気づいたら、症状が口の中だけか、全身や体の他の部位にも症状が出ているかを確認してほしい」と言う。

 水疱(すいほう)はつぶれると一見、普通のアフタのようにも見えるが、ヘルペス性口内炎やヘルパンギーナなどウイルスが原因の場合は、発熱など全身症状がある。手足口病では手足にも発疹が出る。難病の全身性炎症疾患「ベーチェット病」は、患者の9割が最初の症状として口の中のアフタを訴え、他に外陰部、皮膚、目に主な症状が出る。

 長引く口内炎で口の中以外の異常の有無や原因が分からないときは、口腔外科、耳鼻咽喉(いんこう)科、歯科などを受診し、必要に応じて別の診療科や専門医を紹介してもらう。

 口内炎の原因がどんな病気であっても、2次感染を防ぐために常に口の中を清潔にしておくことが大切だ。痛みが非常に強いときは、軟らかい食べ物や流動食を勧めるという。栄養も取れるし、口の中に食べかすが残りにくくなるからだ。歯科などでは、歯ブラシの毛の部分がスポンジになった専用のケア用品、粘膜に刺激を与えない口腔粘膜湿潤剤などを使って汚れを取ったり、症状を和らげる。=つづく

SOSで世界へ出動 スイスの救急搬送システム

2011年1月12日 提供:共同通信社

 医師が搭乗し、治療をしながら患者を運ぶ救急医療用ヘリコプター「ドクターヘリ」。日本では各地の自治体などが救命率向上を目指して導入を進めているが、アルプスを抱え山岳事故が多いスイスは、ヘリや小型飛行機での救急体制が整っている。昨年7月、日本人死傷者を出したアルプス観光列車脱線事故でも、負傷者搬送でヘリが活躍。民間のドクターヘリや飛行機の派遣会社は、世界中からの救急要請にも対応している。

 ▽現場まで15分

 NPO法人「レガ(REGA)」はスイスの最大都市チューリヒに本部を置く、この分野の最大手。国際空港の一角にあるコールセンターには、繁忙時なら1日100~300件の救急要請が飛び込むという。6人が24時間、3交代で電話を受け、国内ならどこでも15分以内にヘリが到着できるよう各地の基地に指示を出す。

 オペレーター歴10年の女性は「山岳遭難の場合は、現場の手掛かりをつかむのが難しい」と説明。「短時間に7人から遭難の救急要請が来たときには頭を抱えたわ」と話す。

 ▽やりがい

 レガはヘリ17機のほか、小型ジェット機3機を所有。政治的理由で着陸できない北朝鮮などを除き、スイス在住者による世界中からの救急要請に応じている。10年には10年ぶりにイラクのバグダッドで患者を迎え、スイスに搬送した。

 民間航空会社を退職してレガのパイロットになったマーク・ベルティさん(32)は09年、20カ国に駆け付けた。「給料は航空会社の時と同じでも、人の命を救うことにやりがいを感じる」と目を輝かせる。

 つい最近もグリーンランドに飛び、肺の疾患で地元病院に運ばれた1歳男児をスイスの病院に緊急搬送。「でも、到着前に死亡する例が年に2~3件はある。遺体は運べないので、むなしい気持ちになる」と語る。

 ▽年間2600円

 レガは1952年、公的機関の一部として発足。60年に独立した基金での運営を始めたが、当初は財政難が続いた。だが、現在ではスイス人口の3割近くの200万人もの会員を抱え、経営は安定。個人なら年間30スイスフラン(約2600円)の会費を支払うだけで救助を受けられる。年間の総出動回数は約1万4千回に上る。

 「患者の救命は一瞬の判断に懸かっている。電話を受けるオペレーター、現場に急行するパイロットと医師の連携が重要だ」。20年の経歴を持つフライトドクター、ウルス・クレマーさん(57)は強調する。

 レガは海外での大災害時にも、積極的に支援の手を差し伸べていく意向だという。(チューリヒ共同)

薄毛の仕組み分かった!

2011年1月12日 提供:読売新聞

 体質的な薄毛は、毛髪の元になる細胞が足りないのではなく、その細胞が次の段階に変化できないことが原因であることを、米ペンシルベニア大学などの研究チームが突きとめた。

 この細胞変化を促す薬が開発できれば、薄毛の新たな治療法になる可能性がある。米医学誌に発表した。
新しい治療法期待 毛が生える際には、頭皮にある「幹細胞」が別の「前駆細胞」に変わり、それが「毛母細胞」「角化細胞」などに変化して毛髪を生む。

 研究チームは、体質的に薄毛の男性型脱毛症患者54人(40-65歳)の頭皮を採取し、細胞の種類と数を調べた。薄毛部分と毛が生えた部分を比べたところ、幹細胞の数はほとんど同じだった。ところが、前駆細胞の数は、薄毛部分で10分の1に減っていた。

病原性を自ら抑制 MRSA、遺伝子を発見

2011年1月12日 提供:共同通信社

 院内感染の原因菌になるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に、自らの病原性を抑える遺伝子があるのを見つけたと、関水和久(せきみず・かずひさ)東京大教授らが11日発表した。新たな治療法や薬の開発に役立つという。

 関水教授は「病原菌は、宿主である人間を攻撃するだけでなく、病原性を抑えて宿主の生存を図る"生かさず殺さず"の戦略を取っているのではないか」と話している。

 MRSAには、普通の黄色ブドウ球菌にはない「SCCmec」という遺伝子があり、これによってメチシリンという抗生物質が効かなくなったと考えられている。

 関水教授らは、この遺伝子の中で、MRSAにはあるが、病院外で感染し病原性が高い「市中型MRSA」には存在しない部分を見つけた。

 マウスの実験で、血液に黄色ブドウ球菌を入れると30時間以内にすべて敗血症で死んだが、この部分の遺伝子を導入した菌を使った場合は生存率が高く、130時間以上経過しても生きていたマウスがいた。

 黄色ブドウ球菌は食中毒の原因にもなり、健康な人の鼻の中や皮膚などに存在。免疫力が落ちている人に日和見感染し敗血症などを引き起こす。

※研究結果は近く専門誌プロスパソジェンズに掲載される

「我慢」の時には活発に セロトニン出す脳の細胞

2011年1月12日 提供:共同通信社

 欲しい物を得るために我慢している時には、睡眠や精神活動に関係する脳内物質「セロトニン」を出す神経細胞の働きが活発になっていることを、沖縄科学技術研究基盤整備機構のグループがラットの実験で突き止め、12日付の米科学誌に発表した。

 複雑な心の動きを制御するメカニズムの解明につながる成果。衝動的な行動を伴う精神疾患の診断や治療、人間により近いロボットの開発などに応用が期待される。

 欲しい時にすぐに出てくる少量の餌か、しばらく待って出てくる大量の餌のどちらかをラットに選ばせる過去の研究では、脳内のセロトニンの量が少ないラットは、すぐに出てくる方をより好むことが示されている。

 同機構のグループはこれを踏まえ、セロトニンを出す神経細胞が集中するラットの中脳の部位に電極を固定。餌を待っている時の神経活動を記録したところ、神経細胞がセロトニンを出す頻度は通常の3倍程度にまでなった。

 待ちきれずに餌を食べるのを諦める時は、その直前に、セロトニンを出す頻度が待ち続ける場合の半分以下になっていることも分かった。

※米科学誌はジャーナル・オブ・ニューロサイエンス

ES細胞から心臓ペースメーカー細胞…マウスで

2011年1月12日 提供:読売新聞

 様々な細胞に変化できる胚性幹細胞(ES細胞)を使って、心臓の拍動のリズムを刻むペースメーカー細胞を作ることに、鳥取大の久留一郎教授(再生医療)らがマウスで成功した。

 細胞をマウスより大きいラットの弱った心臓に移植すると、心臓の拍動が活発になることも確認。人でも実現すれば、不整脈などの根本治療になると期待される。

 心臓の拍動は、司令塔であるペースメーカー細胞(洞結節細胞)の電気信号が制御している。この電気信号に異常が発生すると不整脈となり、治療法として、電気刺激を与える心臓ペースメーカーの埋め込み手術がある。国内では年間約6万人がこの手術を受けるが、電磁波の影響を受けやすいほか自律神経の活動に合わせてリズムを変えられないなどの欠点があった。

自生キノコから抗がん物質発見 青森県立保健大が特許出願 県と共同研究

2011年1月12日 提供:毎日新聞社

抗がん物質:自生キノコから発見 県立保健大が特許出願--県と共同研究 /青森

 ◇薬などへの応用も期待

 県立保健大(青森市)は、県内に自生するキノコから抗がん作用のある生理活性物質を発見し、特許出願したと発表した。今後、動物実験などで作用が確認されれば、薬などへの応用も期待できそうだ。【矢澤秀範】

 栄養学科の乗鞍敏夫助教(生活科学)のグループが県産業技術センターとの共同研究を進め、中国で食用とされるキノコ・ボタンイボタケから発見した。

 アルコール抽出物に含まれる「テレファンチンO(オー)」は正常な肝細胞などには影響ないが、肝がん細胞や大腸がん細胞と交ぜると、増殖を抑えたという。

 また、抗がん作用が確認されている「バイアリニンA」がボタンイボタケに含まれていることも確認、抽出に成功した。抗アレルギー作用に加え、細胞死を起こすたんぱく質(カスパーゼ)を阻害する作用がある。

 食品成分から発見されたことは珍しく、肝疾患や虚血性疾患、パーキンソン病などの疾病対策効果への応用が期待されるという。

 ボタンイボタケは直径5~10センチ。八重咲きの花のような形をしている。松林などに多く分布するという。乗鞍助教は「地域資源を地域の知的財産とし、地域企業で商品化していきたい」と話している。今回の発見は3月末の日本農芸化学会11年度大会(京都市)で発表する。

[医療費] 2008年度推計の生涯医療費は男性2200万円、女性2400万円

2011年1月12日 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

生涯医療費(2008年度推計)(12/24)《厚労省》

  厚生労働省は平成22年12月24日に、生涯医療費の2008年度推計を公表した。生涯医療費とは、年齢階級別1人当たりの国民医療費および死亡率が該当年度(この場合は2008年)から変化しないと仮定した場合に、1人の人が生涯でどのぐらいの医療費を必要とするかを推計したもの。今回の推計は、 2008年度の年齢階級別1人当たりの国民医療費をもとに、平成20年簡易生命表による定常人口を適用して推計している。

  資料には、(1)男女計(2)男性(3)女性の3つのグラフが掲載されている。(1)の男女計では、生涯医療は2300万円。70歳未満でその51%を消費する。50代に入ると年間医療費が100万円を超え、65歳-69歳では199万円となる。70歳-74歳で256万円、75歳-79歳で277万円、80歳-84歳で253万円と、この3つの年齢区分で最も年間医療費が高くなることがわかる。

はしか感染"現場"を解明 抗ウイルス薬開発に期待

2011年1月11日 提供:共同通信社

 はしかの原因となる麻疹(ましん)ウイルスが細胞に侵入する際、ウイルス側で重要な役割を担う「Hタンパク質」と、細胞側の受容体との結合部の詳細な立体構造を、九州大の柳雄介(やなぎ・ゆうすけ)教授らの研究グループが解明し、米科学誌「ネイチャー構造・分子生物学」電子版に10日、発表した。

 ウイルスが細胞に侵入する"現場"を押さえたことで、未開発となっている結合部を標的とする抗ウイルス薬開発の大きな足掛かりとなる可能性が高いという。

 柳教授らは、結合した部分を大量に結晶化し、エックス線で観察することに成功。タンパク質を構成するアミノ酸レベルでの結び付きを明らかにした。

 はしか予防にはワクチン接種が有効だが、近年はワクチンを打っていなかったり、免疫が低下したりした若年層の間で流行。柳教授は「結合部を切断する抗ウイルス薬の開発により、治療の選択肢を増やすことができる」と話している。

 抗ウイルス薬には、はしか感染後に数年の潜伏期間を経てまれに発症し、有効な治療法がない難病「亜急性硬化性全脳炎(SSPE)」の治療法としても期待がかかる。

※はしか

 感染力が極めて強い麻疹(ましん)ウイルスによる感染症で、くしゃみやせきで広がる。高熱や全身の発疹が主な症状で、合併症として重い肺炎や脳炎を起こすことも。2007年春には若者を中心に感染が拡大し、全国で大学や高校などの休校が相次いだ。厚生労働省は12年までに国内流行ゼロ実現を目指している。

菅原文太さんの場合 Dr.中川のがんから死生をみつめる/89

2011年1月9日 提供:毎日新聞社

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/89 菅原文太さんの場合

 俳優の菅原文太さんは、ぼうこうがんを患いましたが、私の勧めで「ぼうこう温存療法」を受け、治っています。今は、ビールのコマーシャルに出演されるなど、元気いっぱいですが、最初に私の外来に来たときには、軽いうつ状態と見受けました。「ぼうこうを全摘する」と宣告されていたからです。

 大きさ3センチに進行した浸潤がんで、がんのタイプも一番たちの悪い「グレード3」でした。別の病院で内視鏡による切除をしましたが、そのままでは再発する可能性が高く、全摘を勧められていました。

 ぼうこうをとってしまうと、尿をためられなくなってしまいますから、おなかに穴をあけてビニールの袋に尿を出すことになるのが普通です。しかし、文太さんは私の診察室でこう言いました。

 「立ちションベンができないようじゃあ、菅原文太じゃねえ!」

 文太さんの「切りたくない」という気持ちがよく分かりましたので、温存療法に取り組む筑波大病院を紹介しました。筑波大病院の「ぼうこう温存療法」は、まず通常の放射線治療と同時に、細い管を脚の付け根からぼうこう付近の動脈に挿入し、抗がん剤をがんの病巣に直接注入します。さらに、仕上げに「陽子線治療」を追加して再発を防止します。

 文太さんが最初に受けた放射線は「エックス線」で、光の一種です。ほとんどの放射線治療では、このエックス線が使われますが、光は体を突き抜けてしまいます。がん病巣に照射したつもりでも、どうしてもがんの周りの正常な臓器にも当たって、副作用の原因となります。

 ところが陽子は定めた目標で止まり、その先にほとんど影響を与えません。ダンプカーが壁に当たると止まるようなもので、ピンポイントにがん細胞だけを狙い撃ちできる特徴があります。

 全員に同様の効果が望めるとは限りませんが、文太さんの場合も、副作用や後遺症はほとんどなく、仕事も続けています。一方、ぼうこう温存が可能でも、多くの人が全摘手術を受けています。新しい年が始まりました。臓器を温存するがん治療が、もっと広まる年になればと願います。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

「お泊まりデイ」ドアと門施錠 介護・医療の現場で 千葉・老いの未来図

2011年1月11日 提供:毎日新聞社

老いの未来図:介護・医療の現場で 「お泊まりデイ」ドアと門施錠 /千葉

 ◇施設側「事故防ぐため」 福祉関係者「たまゆら」悲劇を想起

 ◇取材直後、解錠する

 民家に10人ほどの高齢者を預かり、建物のドアや道路に面する門扉をチェーンなどで施錠している。日帰りが原則のデイサービス施設だが、利用者の多くを寝泊まりさせている――。こんな福祉施設が県北西部に存在していた。「火災時に避難のさまたげになる」と施錠を懸念する声もあるが、施設側は「重い認知症の利用者の事故を防ぐため」と説明。各地で急速に増えている「お泊まりデイ」のあり方を巡る議論に一石を投じそうだ。【森有正】

 デイサービスは、老人福祉法に基づく介護施設「老人デイサービスセンター」で提供される食事や排せつ、入浴の介助、機能訓練、レクリエーションなどの介護サービスのこと。自宅に閉じこもりがちな高齢者の健康維持や介護する家族の負担軽減などを目的とし、利用者は通所(日帰り)を原則とする。

 ところが、自治体の用意する特別養護老人ホームの不足や、高齢者を短期間預かるショートステイ施設の使い勝手の悪さなどを背景に、「お泊まりデイ」と称し、実費を取って利用者を寝泊まりさせるデイサービス施設が急増。行政の監督が届かない介護保険制度外の事業者の自主的なサービスで、高齢者が長期間連泊するケースも珍しくない。

 問題の「お泊まりデイ」施設は県内に数カ所あり、同一の法人が運営している。

 このうち1カ所は県北西部の私鉄沿線の住宅地にあり、一般の民家を施設に転用。道路に面した観音開きの門扉には、自転車の駐輪時に使うチェーンロックがかかり、鍵を差さないと開かないようになっていた。

 そこから車で20分ほどの別の施設は、同じように民家を利用。道に面した門扉には頑丈なボタン式ロックが備わり、番号を知らないと開けられない状態だった。

 さらに、両施設とも門扉だけでなく建物のドアの内側にもチェーンが頑丈に巻き付けられ、開かないようになっていた。昨年、この施設を訪れた県内の福祉関係者は、門扉やドアの厳重な施錠に奇異な印象を受け、「火災などいざという時、避難の妨げになるのではと不安を覚えた」と証言。火災で10人が犠牲となった群馬県渋川市の老人施設「たまゆら」の悲劇を想起したと話している。

 施設を運営する法人の代表者は、取材に対し施錠の事実を認め、「重い認知症の高齢者を受け入れており、勝手に鍵を開け外へ出ないようにするための措置。事故に遭ったら取り返しがつかない」と説明。「火災時には椅子でサッシのガラスを割って避難するようにと職員に言っている」と語った。

 毎日新聞が取材した直後、両施設は施錠を解除した。

 代表者によると、両施設はそれぞれ、日中と夜間で出入りはあるものの常時10人近くを預かり、日中は3人、夜間は1人の職員が介護や炊事に当たっているという。両施設とも自治体に届けが出されている。

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 介護や医療など高齢者を取り巻く問題について体験談や情報、意見、記事への感想、要望をお寄せください。あて先は〒260―0026千葉市中央区千葉港7の3毎日新聞千葉支局「老いの未来図」取材班。ファクス043・247・0508、電子メールchiba@mainichi.co.jp

預け先なく精神科入院(その1) 介護・医療の現場で 千葉・老いの未来図

2011年1月8日 提供:毎日新聞社

老いの未来図:介護・医療の現場で 預け先なく精神科入院(その1) /千葉

 ◇認知症男性、帰らぬ人に 妻倒れ万策尽きる

 緊急避難的な預け先が見つからず、精神科病院へ――。外房地域でデイサービス施設を営む女性が、通所していた認知症の高齢男性を巡る5年前の苦い記憶を打ち明けた。「助けて」。男性を自宅で介護し、病気で倒れた妻から助けを求められ、要介護者を一時的に預かる施設に電話を掛け続けた。受け入れ先はなく、やむを得ず精神科病院へ入院させ、男性はそのまま帰らぬ人となった。「仕方なかった」。取材に、女性は何度か繰り返した。仕方がないその背景とは、何だったのか。【黒川晋史】

 ◇デイサービス経営の女性「仕方なかった」

 女性によると、男性はもともと自宅で妻と2人で暮らし、妻に介護されていた。ともに80代の、典型的な老老介護世帯。男性は04年6月から女性が運営する施設のデイサービスを利用し始めた。

 男性には戦時中、軍紀の乱れをただす憲兵だった過去があり、性格は頑固。デイサービスの最中に他の利用者をしかり飛ばすこともあった。高齢者が進んで話す戦争体験は一切語らなかったという。女性は「思い出したくないことがあるのか。心に闇を抱えているようだった」と振り返る。

 以前、暴力や暴言が目立つとして他の施設で利用を断られていたが、女性の施設では利用者の行動を縛らない方針が性に合ったのか、特段の問題行動はなかった。

   ◇  ◇

 妻の“SOS”は翌年の正月、松がとれぬころ発せられた。「熱が出て家で主人の面倒を見られない。どうすればいいでしょうか」。施設のデイサービスは午後4時まで。やむを得ず男性を施設で一晩預かることにした。夜、明かりの消えた施設のホールを行ったり来たりする男性に、「遅いので休みませんか」と声を掛けた。

 この時の様子を、女性は書き残している。「(男性は)崩れていく自分に戸惑うように、両手で私の手をちぎれるほど握りしめた。『これから自分はどうしたらいいのか』。泣きそうな顔だ。『もうおしまいだ』。独り言が漏れる」

 その晩は何とか寝かせた。男性を担当するケアマネジャーは、妻から連絡を受けた直後から短期で預かるショートステイ施設などに次々電話し、翌日も掛け続けた。「うちでは見られません」。ベッドに空きがないなどを理由にすべて断られた。施設は男性をもう1泊預かり、万策尽きて2日目の夕方、近隣市の精神科病院へ入院させた。ケアマネジャーが車で連れていった。

   ◇  ◇

 妻は発熱で5日間ほど寝込んだ。回復したが、自宅で介護を続ける自信をすっかりなくしていた。男性はそのまま入院を続けた。

 2月の誕生日に1日だけ男性は外出を許され、帰宅した。施設の職員が花束とすしを持って訪ねた。「誕生日おめでとう」。入院前と明らかに様子が違っていた。うつむいたまま、じっと黙り込んでいる。その日のうちに病棟へ戻り、1週間後に息を引き取った。

 「入院させた時、そのまま帰ってこないとは思わなかった。ショックだった」。女性は沈んだ声で振り返る。「知らない場所で、知らない人に囲まれ、気力も体力も尽きたのではないか。治療薬の影響もあったのか」。病院でどのような状況だったのか、今も分からないという。

 「かといって、うちで面倒を見るのは厳しかった。あの時、入院させる以外、ほかに何もできなかった」。女性は、自らに言い聞かせるかのように「仕方がなかった」を何度か繰り返した。

 「同じようなケースは、多数あるのではないか」と女性は言う。「今日(昨年12月)もショートステイ施設に電話し、『いっぱいなので無理』と断られたばかりです」

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 介護や医療など高齢者を取り巻く問題について体験談や情報、意見、記事への感想、要望をお寄せください。あて先は〒260―0026千葉市中央区千葉港7の3毎日新聞千葉支局「老いの未来図」取材班。ファクス043・247・0508、電子メールchiba@mainichi.co.jp

預け先なく精神科入院(その2止) 介護・医療の現場で 千葉・老いの未来図

2011年1月8日 提供:毎日新聞社

老いの未来図:介護・医療の現場で 預け先なく精神科入院(その2止) /千葉

 ◇ショートステイ不足 「治療外入院」問題に

 男性のように、治療以外の目的で医療機関の精神科に緊急入院するケースは「社会的入院」として問題視されている。淑徳短期大社会福祉学科の亀山幸吉教授は、「病的な症状が少しでもあれば、精神科病院は簡単に入院させる傾向がある」と指摘する。認知症で要介護認定を受けた高齢者は必ず何らかの心身の不調があるため、入院の条件を満たす可能性が高い。入院後に投薬などで状態が悪化するケースも少なくないという。

 一方、緊急避難時の預け先となるべきショートステイ施設の大部分は満杯で、数カ月前からの予約で埋まっている。自治体が用意する特養などの長期入所施設に入れず、複数のショートステイ施設を渡り歩く利用者も少なくないという。

 ショートステイ施設の不足や使い勝手の悪さは以前から指摘されており、国は06年度の介護保険制度の改正で、緊急時の受け入れ体制を整える施設に介護報酬を増やす「緊急短期入所ネットワーク加算」などを盛り込んだ。

 だが、亀山教授によると、ベッドに空きがある状態は経営上マイナスで、緊急対応用に一部を空けておく施設は少ないという。さらに、仮に空きがあっても、トラブルを起こすリスクのある高齢者は入所させない場合も多い。同教授は「預け先がない場合、自治体同士連携して空きを探したり、施設への行政指導で急きょベッドを増やすなどの対応はできるはず。対策を取らない自治体が多いのは問題だ」と指摘する。

 男性の精神科入院を見守っていた女性も「ショートステイ施設は今も同じメンバーが入れ替わり使い、入所経験に乏しい緊急の利用者は相変わらず行き場がない」と嘆く。

 また、介護施設を経営する別の専門家によると、仮に入所できても、慣れない環境へ急に投げ込まれ弱ってしまうお年寄りも多く、「受け皿が足りないのは明らかだが、入所後のサービスの質の確保も重要だ」としている。

イレッサ訴訟で和解勧告 「国、会社に救済責任」 東京、大阪両地裁

2011年1月11日 提供:共同通信社

 肺がん治療薬「イレッサ」の副作用の危険性を知りながら対策を怠ったとして、患者や遺族計15人が国と輸入販売会社「アストラゼネカ」(大阪市)に計約1億8千万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(松並重雄(まつなみ・しげお)裁判長)と大阪地裁(高橋文清(たかはし・ふみきよ)裁判長)は7日、「被告は患者や遺族の救済を図る責任がある」として和解を勧告した。

 800人以上の副作用死を出したイレッサの薬害をめぐり、両地裁が国とア社の責任を前提とした勧告をしたことで、安全対策に違法性はなかったとしてきた国などの対応が注目される。

 両地裁は、原告側が昨年11月に和解勧告を求めたのを受け「統一的解決を図る観点」で和解の枠組みを協議。イレッサが承認された2002年7月5日の時点で、致死的な間質性肺炎の副作用に関する国やア社の添付文書などでの注意喚起が不十分だったと判断した。

 その上で、国が緊急安全性情報を出した同年10月15日までに服用し、副作用による重い間質性肺炎で死亡するなどした原告や遺族を対象に、被告側が和解金を支払い、救済する責任があるとの見解を示した。具体的な金額は盛り込んでいない。

 一方で全面解決に向け、緊急安全性情報が出された後に服用し、副作用を発症した患者とも誠実に協議するよう要請。和解勧告の所見に対する双方の意見を今月28日までに伝えることを求めた。

 訴訟はいずれも既に結審しており、東京地裁が3月23日、大阪地裁が2月25日に判決期日を指定している。

 原告側は結審後の昨年11月、和解勧告を求める上申書を両地裁へ提出。この日の勧告後、「国と企業の責任を明確にした点で高く評価できる」との声明を出した。

 イレッサは英国のア社本社が開発。02年7月に世界に先駆け日本で輸入承認、販売された。

目指すは"人工光合成" 金属触媒使い、根岸氏計画

2011年1月11日 提供:共同通信社

 ノーベル化学賞を受賞した根岸英一(ねぎし・えいいち)・米パデュー大特別教授が、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)から医薬品など有用な化合物をつくり出す"人工光合成"の実現を目指し、研究計画を10日までに立ち上げた。化学反応を促す触媒として金属を使う。

 光合成は、植物や藻類がCO2と水から炭水化物を合成し、酸素を出す反応。温暖化防止にはCO2を吸収する森林の保全が重要とされているが、今回の計画はCO2を原料として役立てようとの狙いだ。

 根岸さんが特別招聘(しょうへい)教授に就任した北海道大触媒化学研究センターを中心に、東京工業大、東京大、京都大などの研究者100人以上が参加予定の大型プロジェクト。根岸さんは18日に文部科学省に計画を説明する。

 化学賞の受賞対象は、炭素でできた化合物を自在に結び付け、別の化合物をつくる「クロスカップリング反応」。触媒として根岸さんは「遷移(せんい)金属」と呼ばれる特定の金属のうち、パラジウムを使用した。

 新たな計画は、パラジウム以外の遷移金属も広く対象とし、CO2から別の化合物を合成するのが目標。複数のグループに分かれ、有用なものだけを選択的に作りだす「不斉合成」の研究や、クロスカップリングで新材料を探す研究も進める。

 どの金属を触媒にすれば効率よく反応を繰り返すかを突き止めるのが課題で、根岸さんは「既成概念を捨てるプロセスがないといけない。しばらく時間はかかるが、自然の世界でできている光合成を、われわれができなかったら恥ずかしい」と意気込んでいる。

臓器移植が仮釈放の条件 米南部で服役姉妹ら出所

2011年1月11日 提供:共同通信社

 【ニューヨーク共同】米ミシシッピ州で1993年に起きた武装強盗事件で終身刑となり服役中だった姉妹が7日朝、人工透析の必要な姉に妹が腎臓を移植するという異例の条件で、約16年ぶりに同州内の刑務所から仮釈放された。米各メディアが報じた。

 バーバー同州知事が先月、2人の刑の執行停止を決めたことに伴う措置で、姉妹の支持者からは称賛される一方、医学的、倫理的な批判も呼んでいる。

 姉妹はジェーミー・スコット(38)、グラディス・スコット(36)両元受刑者。知事は刑務所での人工透析は多額の費用がかかるなどとして姉の仮釈放を決定するとともに、妹についても「1年以内に姉に腎臓を提供する」ことを条件に仮釈放を決めた。

 報道によると、妹の腎臓が姉に適合するかどうかは不明で、今後、姉妹が高額の医療費を負担していけるかどうか問題も残っているという。

 CNNテレビ(電子版)によると、弁護側は引き続き姉妹の恩赦を求めていく意向。訴訟記録によると、姉妹が共犯3人とともに奪った金は11~200ドル(現在のレートで約900~1万6600円)とされ、人権団体などは判決が厳しすぎると指摘していた。

単発の浅い潰瘍、うがいと薬で対応 口内炎/2 あなたの処方箋/64

2011年1月11日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/64 口内炎/2 単発の浅い潰瘍、うがいと薬で対応

 アフタ(浅い潰瘍)が単発的にできる口内炎(孤立性アフタ)の多くは原因が不明で、確立された予防法はない。山村幸江・東京女子医科大講師(耳鼻咽喉(いんこう)科)によると、孤立性アフタの多くは、何も治療をしなくても、1週間から10日程度で治る。ただし、数日間は舌や食べ物などが患部に当たると強い痛みがある。自分でできるケアは「アフタのある場所をできるだけ刺激しないことと、口の中を清潔にすること」(山村さん)。しみて歯磨きができないときは、うがいだけでもする。汚れを洗い流すことが目的なので、必ずしもうがい薬を使う必要はない。うがい薬や冷たい水道水がしみる場合は、ぬるま湯を使う。

 併せて、市販のアフタ用の軟膏(なんこう)や貼り薬を使い、炎症を抑えるとともに、アフタ表面を保護して食べ物などをしみにくくする。うがいなどで患部を清潔にしたうえで、毎食後と寝る前に綿棒を使って塗るといい。

 山村さんは「2週間程度たっても症状が改善しないと、医療機関を受診した方がいい」と話す。虫歯治療のかぶせ物などが常時炎症部分に当たり治りにくくなっている場合もある。医療機関では軟膏、口の中に噴霧するタイプのステロイド薬、重症の場合は痛み止めの飲み薬が処方されることもある。

 決まった場所ではなく、あちこちに頻繁にアフタができる人は全身の病気も疑われるが、「アフタの多発」というだけで、明確な診断がつかないことも多い。だが、例えば、睡眠が十分に取れないとき、女性の場合は生理周期によって決まった時期にできる人もいる。発症しやすい状況を確認しておくと、生活習慣の改善によって予防につながる可能性がある。=つづく

全身の健康状態のバロメーター 口内炎/1 あなたの処方箋/63

2011年1月10日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/63 口内炎/1 全身の健康状態のバロメーター

 口内炎が痛くて食事も満足にできないなどの経験のある人は多いだろう。激しい痛みの割には1週間程度で治るものが大半だが、舌がんなど深刻な病気が隠れていることもある。

 口内炎は、口の中の粘膜の炎

症一般を指す言葉で、症状や原因はさまざまだ。主な症状には、潰瘍・びらん(浅い潰瘍)▽水疱(すいほう)(水ぶくれ)▽紅斑(盛り上がらずに赤くなっているもの)▽白斑▽血腫--などがある。

 口内炎で多くの人が想像する状態は「アフタ」と呼ばれ、浅い潰瘍の一種だ。多くは直径1~2センチ未満で、口の粘膜の表面の細胞がなくなって中心が白っぽく見える。その周辺は炎症が起こって赤い。食べ物などが患部に触れると、灼熱(しゃくねつ)感と呼ばれる激痛が走る。

 山根源之・東京歯科大教授(歯科・口腔(こうくう)外科)によると、口の中は、話したり食べ物を処理する役割を担うためとても柔軟にできている。ほおの内側の粘膜の厚さは0・5ミリ程度。抗菌物質を含んだ唾液に覆われているうえ、表面に近い場所に毛細血管がたくさんあり、栄養分が頻繁に供給されるので、体の他の部位より傷は治りやすい。

 一方、目や鼻の粘膜と同じく非常にデリケートで、ウイルスに感染したり、全身に異常があるとすぐ影響が出る。高齢者や免疫力の低下した人は、カビの一種のカンジダが原因で、口の中に白いこけのようなものができることがある(口腔カンジダ症)。風邪をひいたり疲労がたまるとアフタができやすい人もいる。山根さんは「口の中の症状は全身状態のバロメーター。口内炎ができたら、体のほかの場所に異常はないか、偏った食生活をしていなかったかなど、健康状態を見直すことが重要だ」と話す。(大場あいが担当します)=つづく

お口ポカン要注意 フィルター・加湿機能持つ鼻、病気や虫歯の恐れ

2011年1月9日 提供:毎日新聞社

お口ポカン:要注意 フィルター・加湿機能持つ鼻、病気や虫歯の恐れ

 電車の中などで、口を開きっ放しにしている子どもを見かけることがある。人間は一般的に鼻で呼吸する。口呼吸が癖になると細菌などを取り込みやすくなり、病気にかかるリスクが増えるほか、歯の成長にも影響する。インフルエンザや花粉が気になる季節に、子どもの「お口ポカン」問題を考えてみた。【中西拓司】

 神戸市内の主婦(35)は4歳になる長男が、生後半年ごろから日常的に口を開いていることが気がかりだ。「たまに閉じることもあるが、寝ている時も含めていつも開いている」といい、歯がいつもむき出しになっているので、転倒した際に前歯が欠けたこともあった。口を開ける癖がない長女(7)に比べて虫歯になりやすく、すでに5本治療した。「口を閉じようね」と促しても、すぐに忘れて口を開けてしまう。「健康にも悪そうなのですぐに直したい。どうすればいいのか」と医師を受診したこともあった。

 「恒常的に口呼吸しているようなら、早めに耳鼻咽喉(いんこう)科の診察を受けてほしい」。千葉大大学院医学研究院の岡本美孝教授(耳鼻咽喉科・頭頸(とうけい)部腫瘍学)はこう語る。口呼吸が長引けば「のどの炎症や睡眠障害など、さまざまな病気を招く恐れがある」という。

 鼻の内部には、左右それぞれに複雑な形をした三つの突起があり、表面の粘膜や繊毛でホコリや微生物などの異物を取り除く働きがある。また、のどを痛めないように外部の乾いた空気に湿り気を与え、温めてから体内に取り込む加湿や加熱の機能もある。鼻はにおいを感じる機能だけでなく、体内に異物が入るのを防ぐフィルターの役目を果たしているというわけだ。

 岡本教授によると、子どもが口呼吸する原因としてアレルギー性鼻炎などによる鼻づまりのほか、鼻の奥にある「アデノイド」の肥大などが考えられるという。アデノイドは微生物に対する免疫力を作るリンパ組織の一種とみられており、通常は3~4歳をピークに一時的に大きくなるが、その後は小さくなる。しかし、炎症などによって腫れてしまうと鼻呼吸をしづらくなり、いつの間にか口呼吸が習慣化する場合がある。

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 乳児用品メーカー「ピジョン」などが01~02年にかけて、2~23歳までの約1000人を対象に普段、口が閉じているかどうかを聞いたところ、「閉じる習慣がついている」と答えた保護者や本人は39%だった。一方、「いつも開いている」と答えた人は22%で、3歳以下では29%と最も多く、13歳以上でも15%を占めていた。

 口呼吸は歯の成長にも影響を与えると言われている。ひかり歯科医院(東京都東大和市)の三谷寧院長(歯学博士)は「口を開けたままにしておくと唇や舌の位置が定まらず、歯並びも悪くなる恐れがある」と話す。

 歯並びをよくするためには、(1)唇を結ぶ(2)上下の歯を軽く閉じている(3)舌は上あご部分に触れる位置に落ち着いている――の三つの習慣を身につけることが重要だ。三谷院長は「歯やあごなど顔面の成長が著しい3歳ぐらいまでに、習慣付けてほしい」と話す。

 また、口呼吸は虫歯になるリスクも高い。三谷院長は「口を開いたままだと口内が乾いて、唾液の循環が悪くなり、歯を溶かす細菌が増えやすくなる」と指摘する。歯を守るためにも早めに鼻呼吸を定着させたい。

 ◇口笛、鼻歌で改善

 茨城県日立保健所は、独自の「お口ポカン度チェック」で、保護者に指導を行っている。一つでも思い当たれば、口呼吸が習慣になっている可能性があるという。また、口を閉じる癖をつけさせる遊びなども勧めている。同保健所の担当者は「口笛など遊びを通して鼻呼吸を習慣化させてほしい」と呼び掛けている。

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 ■「お口ポカン度チェック」

・テレビを見ている時などに口が開いていませんか?

・のどがよく渇きませんか?

・口から歯や舌が見えていませんか?

・食事の際、くちゃくちゃ音をさせていませんか?

・歯ぐきが赤く腫れていませんか?

 ■口を閉じる習慣を身につけるには

・口の中に空気を入れほおを膨らませる

・にらめっこ

・ハミング(鼻歌)

・口笛を練習する

速く歩く人ほど長生き…米医師が65歳以上調査

2011年1月8日 提供:読売新聞

 【ワシントン=山田哲朗】歩くのが速い高齢者ほど長生きする傾向があるという研究結果を、米ピッツバーグ大学の医師らがまとめ、米医師会雑誌で発表した。

 研究チームは、65歳以上の男女計3万4485人の歩行速度を記録した過去のデータを解析。普通に歩いた時の速さは、平均で秒速0・92メートル(時速約3・3キロ・メートル)だったが、どの年齢でも同1メートル以上で歩く人は比較的長く生き、歩くのが速い人ほど余命が長かった。一方、同0・6メートル以下の人は早く亡くなることが多かった。

 速く歩くには強い心肺機能や筋力が必要で、歩行速度が健康度の目安になったと考えられる。現在、高齢者の余命を予測する良い指標はないため、研究チームは「歩行速度に注目すれば、高齢者の健康管理などに役立つ」と話している。

女性の涙に「逆フェロモン」…男性の興奮鎮静化

2011年1月7日 提供:読売新聞

 【ワシントン=山田哲朗】女性の涙には男性の感情に影響する化学物質が含まれているとの実験結果をイスラエルにあるワイツマン科学研究所のチームがまとめ、米科学誌サイエンス電子版で6日、発表した。

 昆虫では、情報伝達の役割を担う微量の化学物質「フェロモン」が生殖行動に影響し、マウスでも雄の涙腺から分泌される物質が雌に交尾を促すことが報告されている。今回、動物の世界で知られる促進フェロモンとは異なる作用のフェロモンが人間に備わっている可能性が強まった。

 研究チームはまず、複数の女性ボランティアに悲しい映画を見せ、涙を採取。涙と、塩水がしみこんだシートを男性被験者24人の鼻の下に別々にはりつけると、涙のシートをつけた場合でのみ、女性の顔写真に性的魅力を感じる度合いが減った。

 唾液中の男性ホルモン「テストステロン」の濃度も低下したほか、脳の活動を調べる機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)でも、性的興奮にかかわる視床下部などで活動が低下していることを確認した。

薬効かないがんに効果 極小カプセル投与法を開発

2011年1月6日 提供:共同通信社

 抗がん剤を封じ込めた極小のカプセルを使って、通常の方法では薬が効かなくなったがん細胞に効率的に抗がん剤を送り込む方法を開発したと、片岡一則(かたおか・かずのり)東京大教授らが5日付の米医学誌に発表した。

 カプセルは、標的となる細胞の核の近くに到達後に壊れ、抗がん剤が出てくるよう設計しており、抗がん剤を効かなくするタンパク質の影響を避けられるという。片岡教授は「本丸の近くで一気に敵をやっつける『トロイの木馬』のようなものだ」と話している。

 片岡教授らは、抗がん剤の"容器"として、直径が約40ナノメートル(ナノは10億分の1)の球状のカプセル「高分子ミセル」を利用した。抗がん剤を入れる内側は水になじみにくい「疎水性」、外側は水になじみやすい「親水性」になっており、異物を攻撃する体の免疫機構から逃れられるという。

 通常の抗がん剤が効かなくなった大腸がんのマウスに蛍光物質で着色したカプセルを注射すると、12時間後にがん細胞の中にカプセルが侵入、抗がん剤を放出したことが顕微鏡で観察できた。

 がんは、通常の方法で抗がん剤を投与した場合の5分の1程度に小さくなったという。

 こうした詳細な仕組みはこれまで不明だったが、カプセルを利用した4種類の製剤の臨床試験が既に始まっている。

※米科学誌はサイエンス・トランスレーショナル・メディシン

飲酒→仮眠→運転は危険、吸収・分解遅れる

2011年1月6日 提供:読売新聞

 飲酒後に睡眠を取ると、アルコールの吸収や分解が大幅に遅れることが、国立病院機構久里浜アルコール症センター(神奈川県横須賀市)と札幌医科大(札幌市)の共同研究でわかった。

 飲酒後に仮眠して車を運転することの危険性を裏付けるものとして注目される。

 同大で昨年3月、20歳代の男女計24人を対象に実験を実施。体重1キロ当たり0・75グラムのアルコール(体重60キロで45グラム=ビール約1リットルに相当)を摂取し、直後に4時間眠った場合と4時間眠らずにいた場合の呼気中のアルコール濃度を比べたところ、眠った場合は眠らない場合の約2倍だった。同大の松本博志教授は、睡眠により、アルコールを吸収する腸の働きと分解する肝臓の活動が弱まった可能性が高いと分析している。

 また、同センターの樋口進医師が海外の研究を調べたところ、アルコール分解後、少なくとも3時間は運転技能が低下することもわかった。樋口医師は「飲酒後に『仮眠を取ったから大丈夫』と考えるのは危険。酔いがさめても、すぐには正確な運転ができない」と指摘。寝不足による居眠り運転にも注意が必要なため、「飲酒後、十分な時間を取れないなら運転しないでほしい」と話している。

国産エイズ予防ワクチン、来年から米で臨床試験

2011年1月6日 提供:読売新聞

 国産のエイズ予防ワクチンとしては初めてとなる臨床試験を、国立感染症研究所などが2012年から米国で始める。

 エイズワクチンは世界で開発が進められているが、実用化した製品はまだない。研究チームは動物実験でワクチンの感染予防効果を確認しており、世界初の実用化をめざす。

 臨床試験には、東京大医科学研究所とベンチャー企業「ディナベック」(茨城県つくば市)が参加。非営利組織の国際エイズワクチン推進構想(IAVI)が資金提供する。

 開発したのは、「センダイウイルス」という人間に病気を起こさないウイルスを使ったワクチン。このウイルスに、エイズウイルスのたんぱく質を作る遺伝子を組み込んで、未感染者に注射する。体内で遺伝子からエイズウイルスのたんぱく質が作られると、エイズウイルスが感染した細胞を狙い撃ちする免疫細胞ができ、発症を予防する。

救急車出動が初の70万件超 過去最多、熱中症が影響

2011年1月6日 提供:共同通信社

 東京消防庁は5日、昨年1年間の救急車の出動件数が70万808件となり、救急業務を開始した1936年以降、過去最多となったと発表した。70万件を超えたのは初めてで、45秒に1回の割合で出動したことになるという。

 同庁は、昨夏の猛暑により熱中症患者の搬送が多発したことや、都内で高齢化が進んだことが原因とみている。また昨年4月以降、東京都東久留米市が、それまで市単独だった消防事務を同庁に委託するようになったことも一因とみられる。

 同庁によると、昨年6月から9月に熱中症で救急搬送されたのは約4600人で、前年同時期の6倍以上となった。一方、昨年1年間の65歳以上の搬送者数は約27万7千人に上り、09年から約2万7千人増加した。

 これまでの最多は、05年の69万9971件。同庁は「必要な場合に救急車が不足すると困るので、自分で症状の判断がつかない時は救急相談センターを利用してほしい」と呼び掛けている。

異常気象が人口減らす?

2011年1月6日 提供:読売新聞

 厚生労働省によると、昨年の人口動態統計年間推計で、死亡数が出生数を上回る「自然減」が12万3000人となり、統計を取り始めた1899年以来、初めて10万人を突破した。

 死亡数が大幅に増加したためだが、その背景には異常気象があったのだという。日々の天気と人口の自然減との間に、どんな因果関係があるのだろうか。

 日本では2005年に初めて死亡数が出生数を上回る「人口減社会」に突入した。少子化が主な要因で、終戦直後、年270万人近かった出生数は、昨年は107万1000人まで減った。2020年代には70万人台となることが予測され、高齢化も進むことから、今後も人口の自然減は続いていく見込みだ。

 さらに、昨年の場合、出生数は前年比1000人増の107万1000人だったのに対し、死亡数が同5万2000人も増えて119万4000人と、戦後最多を更新し、自然減に拍車をかけた。厚労省によると、ここに昨夏の記録的猛暑が影響しているという。

 死亡数の約8割は高齢者(65歳以上)が占めている。例年、死亡数は冬場に多く、夏場は比較的少ない傾向にあるが、昨年は、7月の死亡数(速報値)が前年同月比約8000人増の約9万6000人、8月は同7000人増の約9万7000人と、夏場の増加幅が突出していた。

 気象庁によると、昨年は観測史上最も暑い夏だったといい、ヒートアイランド現象の影響を受けにくい全国17地点の記録を見ても、記録がある過去113年間で、6-8月の気温が最も高かった。熱中症患者も続出し、総務省消防庁によると、7-9月に救急搬送された人は約5万4000人で前年同期の4倍で、その半数近くが高齢者だった。

 各自治体では高齢者の熱中症対策に追われた。東京都新宿区の大久保高齢者総合相談センター相談員の渡辺光亮さんは「連絡が取れなくなったお年寄りの自宅を訪問すると、脱水症状を起こし、すでに亡くなっていた方もいた。こんなことは近年なかった」と振り返る。

 ただ死者が増えたのは夏だけではない。月別の死亡数を見ると、4、5月も前年より4500-5000人増えている。気象庁によると、この時期は、全国的に気温の変動が大きく、4月中旬には東日本の広い範囲で季節はずれの降雪を観測するなど、空模様は不安定だった。

 厚労省人口動態・保健統計課は「猛暑の影響に加えて、春から夏にかけて、寒暖の差が激しかったことも、高齢者の健康には負担をかけたようだ」と分析。猛暑に限らず、不順な天候はお年寄りを中心に人の健康をむしばみ、昨年の人口の動向に少なからず影響を与えていた。(小泉朋子)

乳がんが最も気になる「自己触診法知りたい」9割 佐川急便・働く女性調査

2011年1月6日 提供:毎日新聞社

働く女性調査:乳がんが最も気になる「自己触診法知りたい」9割--佐川急便 /京都

 働く女性が最も気になる婦人科系の病気は乳がんであることが、佐川急便(本社・京都市南区)のインターネットを通じた健康意識調査で分かった。また、多くの女性が「乳がんの自己触診方法を知りたい」と回答した。

 調査対象は20~49歳の有職女性500人。気になる婦人科系の病気は乳がん(64%)、子宮頸(けい)がん(51%)、子宮筋腫(45%)、子宮内膜症(31%)などの順。実際に乳がん検診を受けた人は47%だが、自己触診のやり方については、「とても知りたい」(32%)と「まあまあ知りたい」(57%)を合わせると約9割の女性が「知りたい」と回答した。

 同社は乳がんの自己触診方法を紹介する啓発ポスターを企業や団体に無償配布し、ホームページ(http://www.sagawa-exp.co.jp/active/bc.html)で一般公開している。【北出昭】

卵がダイオキシン汚染 独で捜査、飼料に問題

2011年1月6日 提供:共同通信社

 【ベルリン共同】ドイツで、がんなどを発症させる恐れのあるダイオキシンが家畜飼料に混入して鶏卵などが汚染されていたことが発覚し「ここ数年で最悪の食料スキャンダル」(ドイツ民放テレビ)と大騒ぎになっている。警察当局は5日、同国北部の飼料関連メーカーを家宅捜索、本格的な捜査に乗り出した。

 飼料の原料にダイオキシンが含まれていたのが原因とみられるが、混入の経緯は分かっていない。事態を重視したドイツ政府は同日までに、飼料などの安全規制強化を検討することを明らかにした。

 同政府などによると、問題の原料は最大3千トンが生産され、この原料を混ぜて作られた飼料は最大で計15万トンに上る。一部の鶏卵などから基準を上回るダイオキシンが検出されたため、この飼料を使った養鶏場など計千カ所以上が閉鎖され、ニワトリ8千羽以上が殺処分された。

 ダイオキシン汚染は、昨年12月下旬に判明。それまで問題の飼料原料が約1カ月も流通していた疑いがあり、野党は「もっと早期に汚染の実態を把握し、流通を停止できなかったかどうか解明する必要がある」と批判している。

 政府関係者は「大量の卵を長期間にわたり食べなければ、健康を害することはない」と強調しているが、今回の騒動は消費者の安全志向を一段と強める結果となっている。

デング熱撲滅へ世界初の野外実験 オーストラリア・クイーンズランド大研究者

2011年1月5日 提供:共同通信社

 [キャンベラ新華社=共同]オーストラリア北東部のクイーンズランド大研究グループは3日、AAP通信に対し、発展途上国を中心に毎年数万人が死亡しているデング熱を撲滅するため媒介役の蚊にワクチンの役割を果たすバクテリアを注入し、蚊から人へのデング熱感染を阻止する世界で初めての方法を4日から野外で実験すると述べた。

 ボルバキアと呼ばれるこのバクテリアは屋外に生息する蚊の間で急速に感染を広げ、蚊の生殖システムや寿命に大きな影響を及ぼす力がある。スコット・オニール教授を中心とする同グループは既にこのバクテリアに感染した約6000匹の蚊を実験室で飼育しており、これらの蚊をクイーンズランド州の遠隔地で野外に放つことになっている。テストは12週間続ける予定。

 同教授によると、この方法は環境的な有害な殺虫剤を使う必要がなく、最も安全で最も安価な方法だという。

iPS臨床研究13年度にも実施…眼病患者に

2011年1月5日 提供:読売新聞

 現在は治療が困難な眼病患者に対し、様々な臓器や器官の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)を使った臨床研究を、先端医療センター(神戸市)などが2013年度に始めることがわかった。

 慶応大も15年に脊髄損傷患者に始める方針。

 iPS細胞の臨床応用例は世界初で、日本発のiPS細胞研究が実用化される可能性が出てきた。

 臨床研究は治療法の安全性や有効性を確認するため人間に行われる。昨年11月に厚生労働省のiPS細胞に関する指針ができた。

 同センターの平見恭彦・眼科副医長によると、臨床研究は理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(同市)などと共同で行う。

 光を受けて脳に信号を伝える網膜の異常で視力が低下する「加齢黄斑変性症」の患者ら5人程度が対象。

 患者自身の皮膚細胞から作製したiPS細胞を培養して網膜の細胞に変えておき、患者の網膜中心部(直径約3ミリ)と取り換える。手術後2年間、経過を観察する。今秋、先端医療センター内の倫理委員会に実施を申請する。

ニンテンドー3DS 「6歳以下、長時間プレーだめ」 目の発達期、悪影響も

2011年1月5日 提供:毎日新聞社

ニンテンドー3DS:「6歳以下、長時間プレーだめ」 目の発達期、悪影響も

 任天堂が、裸眼で3D(三次元)映像を楽しめる新たな携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」について、6歳以下の子供は3Dで長時間の使用を控え、2D(平面)表示にするよう注意喚起していることが4日、分かった。発達段階にある子供の視覚に悪影響を与えないため。保護者が暗証番号を入力しない限り、3D映像が表示されない制限機能を搭載する。

 3D映像については、長時間見続けると、大人も眼精疲労などの症状が出ることが報告されている。電子情報技術産業協会(JEITA)などは10年4月、3D映像機器を家庭で安全に楽しむためのガイドラインをまとめた。視覚機能が発達段階にある子供に不適切な映像を与えると、悪影響を及ぼす可能性を指摘した。特に物を立体的に見る機能は5歳前後に完成するとされ、この時期に強烈な3D映像を見ないよう「大人が視聴の可否を判断し、時間制限するのが望ましい」と指導している。

 任天堂は今年2月26日、3DSを発売予定。これに先立ち、千葉市で今月8日から開催する体験会で、6歳以下の参加者は2D使用に限定することをホームページで告知した。6歳超の子供についても、映像の立体感を最大から最小の平面表示まで段階的に調整できる機能を使い、自分に合った画像で遊ぶよう勧めている。

 任天堂は主力の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDSシリーズ」や据え置き型の「Wii(ウィー)」などの販売が伸び悩んだほか、3DSが年末商戦に間に合わず、2月に発売延期したことなどにより、11年3月期連結最終利益見通しは大幅減。業績回復の切り札として、3DSは注目されている。【宇都宮裕一】

"復活"した男性 海外こぼれ話

2011年1月5日 提供:共同通信社

 英ウェールズの男性が自宅で椅子に座ったまま心肺停止に陥った。妻の通報で駆け付けた救急隊員が電気ショックを実施、男性は心肺停止と蘇生を8度、繰り返した。

 意識が戻る度に何事もなかったかのように会話を交わしたというが、救急隊員は「最悪の結果になるんじゃないかとひやひやしたよ」。男性は心臓病の専門医による診察を受けているという。(キルゲティUPI=共同)

代理母はアフリカ象、凍結細胞でマンモス再生

2011年1月5日 提供:読売新聞

 約1万年前に絶滅したマンモスをクローン技術で復活させる計画を進める入谷(いりたに)明・近畿大生物理工学研究科教授(京都大名誉教授)らの研究グループが、今年から取り組みを本格化させる。

 凍結細胞から正常なDNAを取り出す技術を確立したほか、良質なマンモス組織が今夏、ロシアのマンモス研究所から入手できる見込み。入谷教授は「実現可能な体制がようやく整った」と自信をみせる。

 計画では、核を抜いた象の卵子にマンモスの細胞の核を入れて、マンモスの遺伝子を持つクローン胚を作製。それを代理母となる象の子宮に移し、赤ちゃんマンモスを誕生させる。研究は1997年に始まり、3回のシベリア凍土の発掘調査でマンモスの皮膚や筋肉組織を得た。だが、細胞核の大半が氷の結晶で傷付いていて利用できず、計画はいったん頓挫した。

 2008年、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の若山照彦博士が、16年間凍結保存したマウスの死体の細胞からクローンマウスを誕生させることに世界で初めて成功。入谷教授らはこの手法をベースに、解凍組織に2-3%含まれている、状態の良い細胞核を、壊さずに取り出す技術を確立した。

 また、大阪市天王寺動物園長を昨春退官し、近畿大教授に就任した宮下実さんをグループに迎え、全国の動物園に対し、メスの象が死んだ際にクローン胚作製に必要な卵子を提供してもらえるよう依頼してもらった。ロシアのマンモス研究所長と米国のアフリカ象研究者の2人も客員教授として近畿大に招き、日米露で共同研究を始めている。

 マンモスのクローン胚作製に成功すれば、動物の体外受精に詳しい宮下さんや米研究者らが、代理母のアフリカ象への移植を手がける。順調にいけば今後5、6年でマンモスの赤ちゃん誕生が期待できるという。

 入谷教授は「クローン胚ができれば、子宮に移植する前に、飼育や公開のあり方を議論する必要がある。誕生後は生態や遺伝子を詳しく調べ、絶滅理由などの研究を進めたい」と話す。

インフルエンザ脳症、特定遺伝子変異の人に多発…徳島大

2010年12月31日 提供:読売新聞

 主にインフルエンザの発症に伴ってけいれんや意識障害を引き起こす「インフルエンザ脳症」は、特定の遺伝子変異を持つ人に集中していることが、木戸博・徳島大教授らのグループの研究で明らかになった。この遺伝子型は日本人の3%程度が持っているが、重い脳症患者では約60%と高率だった。重症化の予測や新たな治療薬開発に生かせる可能性があるという。

 同脳症は、国内では5歳以下の子どもを中心に、多い年では200人以上の患者が発生。死者や重い後遺症が残る患者は2-3割にも上る。グループが全国の同脳症患者約300人の血液から遺伝子を解析したところ、脂肪をエネルギーに変える酵素の遺伝子「CPT2」の一部に変異のある人が、重い脳症患者の約60%を占めていた。このタイプの遺伝子は、平熱時には異常を示さないが、5-6時間発熱が続くと働きが大幅に弱まることを、実験で確認した。

 木戸教授によると、CPT2の働きが弱まると、血管の細胞がエネルギー不足に陥って機能が低下し、組織にむくみが生じる。「頭蓋骨に覆われた脳では、わずかなむくみでも神経細胞が圧迫され、重い症状が引き起こされる」と推測。エネルギー源を脂肪に依存する割合が大人より高い乳幼児は重症化しやすいという。

 木戸教授は「高熱でけいれんを繰り返す子どもはこの遺伝子型の可能性があり、早めの解熱を心がければ、重い脳症を防げるのではないか」と話している。

ワクチン原因はでっちあげ 自閉症研究で英医学誌

2011年1月6日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】麻疹(ましん)(はしか)、おたふくかぜ、風疹(ふうしん)の新3種混合(MMR)ワクチンの接種と自閉症との関連性を指摘した1998年の論文は医師のでっちあげだったとの報告を、英国のジャーナリストが英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル電子版に5日発表した。

 英国では論文の信ぴょう性をめぐって論争が続き、掲載した英医学誌ランセットは昨年2月、論文が「無責任で不正直な方法でまとめられた」との評議会の裁定を受けて掲載を取り消している。

 ジャーナリストのブライアン・ディアー氏は今回、論文の対象となった患者の親への聞き取りや診療記録の調査を実施。接種後に自閉症の症状が出たとされる12人のうち、5人は以前から症状があり、3人は自閉症ではなかったと結論付けた。

 欧米では論文発表後にワクチン接種が減ってはしかが流行。今も副作用を疑う人が少なくないという。

若い人や高学歴は肯定的 脳死、移植で国際比較

2011年1月4日 提供:共同通信社

 日本は欧米諸国に比べ、脳死が人の死の妥当な診断基準だと思う人や、臓器移植を積極的に評価する人は少ないが、若い人や高学歴の人では肯定的な傾向との意識調査結果を、国立保健医療科学院(埼玉県和光市)のグループが29日までにまとめた。

 2005~10年に日本、ドイツ、フランス、英国、米国で、それぞれ約千人に電話で調査した。こうした国際比較は珍しいという。日本の調査は改正臓器移植法が成立した後の09年秋。

 脳死が死の診断基準として「妥当」との回答は、欧米4カ国では60~71%、日本は43%。日本では「脳死がどのようなものか分からない」が29%と比較的多かった。「(妥当と)思わない」は日本が23%、欧米4カ国が12~20%で、さほど大きな差はなかった。

 日本では、大学程度の教育を受けた人では「妥当」は52%で、高校程度では42%、中学程度では33%だった。

 「臓器移植は望ましいことで、大いに進めるべきだ」との回答は欧米4カ国で61~82%、日本は34%。日本では「あまり納得できないが、まあよい」が54%で「望ましくない」は8%だった。年齢別では「望ましい」の割合は34歳以下で56%、35~49歳では42%、50歳以上では28%だった。

 日本は欧米諸国に比べ臓器提供が少ない。研究グループは「脳死や移植に積極的な反対が特に多いわけではなく、世代ごとのきめ細やかな情報提供などに取り組めば、理解が深まるのではないか」としている。

中枢神経失わず細胞再構築 「ホヤ」の変態で解明

2011年1月4日 提供:共同通信社

 海にすむ脊索動物で、成長過程で変態する「ホヤ」が幼生から成体になる際、幼生の中枢神経系が残ったまま成体の神経細胞をつくり出していることを、筑波大下田臨海実験センター(静岡県)の笹倉靖徳(ささくら・やすのり)准教授らが解明した。

 ホヤでは幼生の中枢神経系はいったん失われた後、成体で再構築されるとの従来の説を覆した。2日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 哺乳類では神経細胞などの元になる幹細胞が中枢神経系に存在することが分かり、損傷した神経の再生などに応用が期待されている。笹倉さんは「脊椎動物と遺伝的に近く、中枢神経系の細胞数が300個程度と少ないホヤで研究を進め、幹細胞から神経細胞がつくられる仕組みの解明につなげたい」としている。

 笹倉さんらは遺伝子組み換え技術などを応用。ホヤ幼生の中枢神経系の細胞が、紫外光を当てると赤く光るようにした上で、成体になるまで観察した。その結果、中枢神経系にあるものの神経細胞ではない「グリア細胞」の一種が消えずに残り、神経細胞を新たにつくっていることが分かった。

多発性硬化症 新薬に光 マウス実験、悪化の仕組み解明 日本・スイス共同研究

2011年1月4日 提供:毎日新聞社

多発性硬化症:新薬に光 マウス実験、悪化の仕組み解明 日本・スイス共同研究

 厚生労働省が特定疾患に指定する難病「多発性硬化症」が悪化する詳しい仕組みの解明と、症状を緩和させる薬剤の開発に、東京都神経科学総合研究所など日本・スイスの共同研究チームがマウスの実験で成功した。チームは「新たな薬剤療法につながる」と期待している。欧州分子生物学機構機関誌で発表した。【須田桃子】

 多発性硬化症は脳や脊髄(せきずい)、視神経などの中枢神経に炎症が起き、視覚や歩行に障害が出る病気で、国内に1万2000人以上の患者がいる。その8割が20~40代と若く、悪化すると失明したり、寝たきりになることもある。発症の仕組みは不明で、治療法は炎症を抑えるステロイド剤や免疫抑制剤などの対症療法が主流だ。

 多発性硬化症による障害は、視神経や脊髄の神経線維を覆うカバー(髄鞘(ずいしょう))が炎症で壊れ、情報を伝える電気信号が漏れることで起きる。同研究所の郭暁麗研究員(神経科学)と原田高幸部門長(眼科学)らは、脳神経細胞の働きを支えるグリア細胞で働く遺伝子で、生物が生まれつき持つ自然免疫の仕組みを制御するASK1(アスクワン)に着目。発症すると、細胞内でASK1が過剰に活性化し、炎症を起こすたんぱく質が多量に分泌されると推測した。

 ASK1を欠損させたマウスに、多発性硬化症と同様な症状を人工的に起こさせたところ、下半身まひなど症状は悪化せず自力で歩けたうえ、髄鞘の破壊もわずかだった。さらに、ASK1の働きを阻害する薬剤を開発し、同様な症状のマウスに毎日飲ませると、症状が改善した。ASK1と同様の遺伝子はヒトにもあり、原田さんは「ASK1阻害剤のような新薬ができれば、中枢神経の炎症を抑制しやすくなる」と話す。

乳房再生、本人の幹細胞で治験へ…九大など

2011年1月2日 提供:読売新聞

 乳がんで乳房を切除した患者のため、九州大や大阪大などは今春に複数の国立大や医療機関などによる研究組織を設立し、来年3月までに本人の幹細胞を使って乳房を再生させる治験(薬事法に基づく臨床試験)に乗り出す方針を決めた。

 国の承認を受けるためのデータを集め、健康保険が適用される医療を目指す。

 乳房修復は現在、シリコーンや本人の脂肪移植が主流。しかしシリコーンには感染症の危険性、脂肪は体内に吸収され効果が持続しないなどの欠点がある。また健康保険も適用されない。

 一方、幹細胞は体を作る大もとの細胞で特定の細胞に変化したり自分をコピーしたりできる。九州大などの再建法は、本人の腹部から200-400ミリ・リットル前後の脂肪を採取。専用の分離器で幹細胞を多く含む細胞群を取り出し、乳房を失った部分の筋肉と皮膚の間に2-3ccずつ30-40回注入、生着すると修復される。拒絶反応が起きにくく、より自然な形になるという。

インフルエンザ流行本格化 新型、季節性を逆転 過去3週間

2010年12月31日 提供:毎日新聞社

インフルエンザ:流行本格化 新型、季節性を逆転--過去3週間

 インフルエンザの流行が本格化している。特に昨年、世界的に大流行した新型インフルエンザが急増し、今季主流を占めていた季節性のA香港型と割合が逆転した。日本感染症学会など関連する学会は早期診断、早期治療の徹底を呼びかけている。

 国立感染症研究所(感染研)によると、今シーズン国内各地で検出されたウイルスはA香港型が7割近く、新型が3割弱、残りがB型。だが、流行入りした最新の1週間(12月13~19日)に新型はA香港型の約3倍と逆転し、12月6~26日の3週間の速報値(28日現在)では新型が182件でA香港型の71件を大幅に超えた。

 新型は、感染から4~5日後に急激に呼吸状態が悪化し死亡する例がある。肺で増殖しやすい性質のため、鼻やのどの粘膜をとって調べる簡易検査では陰性となるケースが多い。

 厚生労働省は昨シーズン、症状がある患者全員に詳細な遺伝子検査を実施するよう通知していた。だが、今シーズンは通知内容が変わり、簡易検査で陽性となり、さらに集団感染などの例に限って遺伝子検査を行うよう求めている。

 日本呼吸療法医学会の竹田晋浩・日本医科大准教授は「治療の遅れは致命的になる。遺伝子検査による確定診断があれば投薬などの処置が全く異なる。保健所は積極的に遺伝子検査をしてほしい」と要望する。

 また、感染研の調査によると、12月16日現在、新型に対する免疫の保有率は10~19歳の若年層が65%と高い一方、25~49歳は30~39%、0~4歳と50歳以上は13~24%と低く、従来の季節性とは異なる傾向がある。日本感染症学会は今シーズンのインフルエンザ対策として「季節性と新型がともに流行することで幅広い年齢層で注意が必要」と指摘している。【関東晋慈】

鼻噴霧型インフルワクチン、効果を確認

2010年12月30日 提供:読売新聞

 高濃度のインフルエンザワクチンを鼻の内側の粘膜に噴霧すると、従来の注射型ワクチンでは難しかった感染防止効果が出ることを、国立感染症研究所の長谷川秀樹室長らが臨床研究で確かめた。

 粘膜特有の免疫反応が誘導できたためと見られる。遺伝子が毎年変化するインフルエンザウイルスにも対応し、新たなワクチン開発につながる成果だ。

 研究チームは20-60歳代の健康な男性5人の鼻に、季節性のA香港型インフルエンザに対するワクチンを、通常の3倍の濃度で吹き付けた。3週間の間隔をあけて2回接種すると、全員で鼻汁に含まれる、粘膜特有の免疫物質(抗体)が感染予防に十分とされる量まで増えた。

 この抗体は、10年前のA香港型など過去のウイルスに対しても、感染予防効果が

良い食事と運動の習慣を 更年期障害/5止 あなたの処方箋/62

2010年12月31日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/62 更年期障害/5止 良い食事と運動の習慣を

 更年期障害を予防・改善するため、どんなことを心がければいいのか。日本更年期医学会理事長の水沼英樹・弘前大教授(産婦人科)は「更年期は老年期への準備期間ととらえ、良い食事と運動の習慣を身につけることが必要だ」と訴える。

 食事は野菜や魚を多めに取り、高カロリーのものや脂質の多い卵黄、肉の脂身などは控える。特に、閉経後の女性に起こりやすい骨粗しょう症の予防のため、カルシウムやビタミンDの摂取を心がける。カルシウムは牛乳や乳製品、大豆製品に多く含まれ、1日に1000~1500ミリグラム取ることが推奨されている。ビタミンDはアンコウやニシンなどの魚類、キクラゲなどのキノコ類に豊富に含まれる。

 飲酒は適度ならストレスを取るなどの効果があるが、飲み過ぎると骨折などのリスクが高まる。ワインなら1日グラス3杯程度にとどめた方がいい。

 運動はウオーキングやジョギング、水泳など無理なく続けやすいものが適しており、1日30分、週3回以上が目安。肩甲骨を動かしたり肩を大きく回す体操や、背骨をまっすぐにして上体をゆっくり回す体操は、肩こりや不眠の改善に効果がある。

 水沼教授は「過労やストレスは自律神経が乱れる原因となる。休養と睡眠を十分取り、趣味や旅行も重要だ」とアドバイスする。=おわり(福永方人が担当しました。1月10日からは「口内炎」です)

男性のうつ、不調は泌尿器科へ 更年期障害/4 あなたの処方箋/61

2010年12月30日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/61 更年期障害/4 男性のうつ、不調は泌尿器科へ

 更年期障害は男性にも起こる。40代後半~50代前半に男性ホルモンの減少により、ほてりや発汗、動悸(どうき)、不眠など女性と同様の症状に加え、勃起障害(ED)などの性機能低下も表れる。ただ、女性ホルモンは閉経前後に激減するのに対し、男性ホルモンは20代から徐々に減っていくため、男性は女性に比べ発症者が少なく、症状の表れ方も緩やかな傾向がある。

 長野県内の男性会社員(55)は3年前、営業マンから支店長に抜てきされた。営業時代は抜群の成績で、「バリバリのエリート社員」と評されていたが、異動して間もなく体に異変が起きた。「カーッとなる」ほてりと多汗などが定期的に表れ、集中力が低下。気力の低下や不安感も激しく、午前中で支店を早退しがちになった。病院に行っても原因が分からず、休職を余儀なくされた。

 約1週間後、妻が新聞で男性の更年期障害に関する記事を読んだことがきっかけで、県内の総合病院の泌尿器科を受診。男性ホルモンの筋肉注射と漢方薬の服用により、ほてりと脱力感は数日で緩和した。うつ的な精神症状も徐々に改善し、約1年で通院を終えて復職した。

 長野赤十字病院の天野俊康・第2泌尿器科部長によると、治療はホルモン剤の注射が中心だが、抗うつ薬や漢方薬も併用する。EDには「バイアグラ」を使うこともある。天野部長は「きちょうめんで仕事をきっちりこなす人ほど更年期にうつになりやすく、会社の人間関係や家庭のトラブルを機に発症するケースが多い。更年期障害が疑われる場合は泌尿器科に相談してほしい」と話す。=つづく

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