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医療情報100

医療情報99
20141101~

「感染者の5割超を隔離」 エボラ熱、国連支援団公表

共同通信社 2014年11月14日(金) 配信

 【ニューヨーク共同】西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱をめぐり、国連エボラ緊急対応支援団(UNMEER)のバンベリー代表は13日、現時点で感染者の55%を治療施設などに収容し、隔離が実現したと明らかにした。国連は12月上旬までに感染者の70%超を隔離することを目標にしている。

 国連総会で行われたエボラ熱に関する会合で、世界保健機関(WHO)の推計として公表した。死者を介して感染が拡大しないよう、安全な方法で埋葬が行われる割合を70%以上にする目標については、これを上回る87%まで到達したという。

 ただ、バンベリー氏は「把握できていない感染者もおり、実際の数値はもっと低い」との見方を示した。「(感染拡大を)後追いしているだけでは打ち負かせない。先手を打たなければならない」とも強調、UNMEERの要員や物資を感染地域に迅速に投入する能力の向上が重要と述べた。

 感染が拡大するシエラレオネのミナ国連大使は会合で「(感染リスクが高い)危険な方法の埋葬が今も行われている」と述べ、感染抑止のために必要な知識や情報が十分に行き渡っていない現状を報告。「依然として(国際社会との)協力が必要だ」と支援を訴えた。

12月にアビガン臨床試験へ ギニアで国境なき医師団

共同通信社 2014年11月14日(金) 配信

 【ジュネーブ共同】国境なき医師団(MSF)は13日、西アフリカを中心に流行するエボラ出血熱の治療薬をめぐり、日本の製薬会社が開発したインフルエンザ薬「アビガン(一般名・ファビピラビル)」の臨床試験が12月上旬、ギニアにあるMSFの治療施設で行われると発表した。

 アビガンは富士フイルムホールディングス(HD)傘下の富山化学工業(東京)が開発。フランスで投与されたエボラ熱の感染者が治癒しており、死者5千人を超えたエボラ熱の治療薬として国際的に期待が高まっている。

 最初の試験結果は来年2月にも得られる見通し。臨床試験はこれまで、11月中に実施されるとされていた。富士フイルムHDは今月11日、早ければ来年1月にも治療薬として承認される可能性があるとの見通しを示していた。

 臨床試験はフランスの国立保健医療研究所が担当。感染者約200人に投与し、安全性やどの程度の効果があるかなどを調べる。MSFはアビガンとは別に、血清を用いた治療と、米製薬企業が開発した抗ウイルス薬「ブリンシドフォビル」についても、12月から西アフリカでの臨床試験を受け入れる。

 世界保健機関(WHO)は12日、エボラ熱の感染者(疑い例を含む)が9日までに8カ国で1万4098人に達し、うち5160人が死亡したと発表、依然として深刻な状況が続いている。

 ※アビガン(一般名・ファビピラビル)

 富士フイルムホールディングス傘下の富山化学工業(東京)が開発したインフルエンザ治療薬で、ことし3月に国内での製造販売が承認された。ウイルス増殖に必要なタンパク質の機能を抑える効果があり、エボラ出血熱への治療には未承認だが、スペインでエボラ熱に院内感染した女性看護師に、アビガンのほか開発中の治療薬を投与したところ、完治したため有効な治療薬として期待が高まっている。

「悪玉」免疫排除の幹細胞 京大特定、機能正常化も

共同通信社 2014年11月14日(金) 配信

 自分の体の組織を異物とみなして攻撃する「悪玉」の免疫細胞を死滅させ、排除する細胞を作り出す「幹細胞」を京都大のチームがマウスで特定し、13日付の米科学誌イミュニティー電子版に発表した。

 免疫細胞は本来、ウイルスや細菌から体を守る。免疫が正常に働かないマウスにこの幹細胞を移植し、機能の回復に成功した。チームの湊長博(みなと・ながひろ)教授(免疫細胞生物学)は「関節リウマチや糖尿病など、自己免疫疾患の治療法開発に役立つ可能性がある」と話す。

 主要な免疫細胞の「T細胞」は、心臓の前にある胸腺という器官で作られる。中には、誤って体の組織を異物として攻撃し、自己免疫疾患を引き起こす悪玉もある。「胸腺髄質上皮細胞」が悪玉を排除するが、この細胞を生み出す幹細胞ははっきり分かっていなかった。

 チームはマウスの胸腺をばらばらにして培養。幹細胞の特徴である、増殖を繰り返す細胞を見つけ体内に戻すと、胸腺髄質上皮細胞に変化したため、幹細胞と特定した。

 体外で、この幹細胞を胸腺髄質上皮細胞が作れない胸腺に注入。胸腺がないマウスに移植すると、寿命に近い約1年半の間、免疫機能が正常に働いた。胸腺髄質上皮細胞が作られたためという。人でも同様の幹細胞が働き、正常な免疫機能を保つとみている。

「疑い」で隔離、流行防ぐ 公共の利益優先した小病院 エボラ出血熱抑え込んだナイジェリア

共同通信社 2014年11月14日(金) 配信

 世界保健機関(WHO)の12日の発表で死者が5千人を超えたエボラ出血熱には有効性が確認された治療薬やワクチンがなく、感染者の早期発見と隔離が抑え込みの成否を分ける。7月に感染が飛び火したナイジェリアが10月に流行終息にこぎ着けた背景には、「公共の利益」を優先して感染確認前から患者を隔離し最大都市ラゴスでの大流行を未然に防いだ私立病院の判断があった。

 7月20日夜。ラゴスの繁華街にあるファースト・コンサルタンツ病院に、リベリア財務省に勤めるパトリック・ソイヤー氏(40)が空港から搬送されてきた。症状は発熱と頭痛。西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の会議出席のため入国した直後だった。

 ベンジャミン・オヒエリ院長(70)によると、約40床の小さな病院が選ばれたのはECOWASの指定病院だったことと、ほかの大半の病院が医療関係者のストで閉鎖状態だったからだ。

 ソイヤー氏は「マラリアが再発した」と説明。だが薬を投与し翌日になっても症状が改善しない。眼球に浮かんだ赤い斑点と血尿に気付いたステラ・アダデボ医師(57)が「エボラ熱かもしれない」と疑い始めたという。

 ソイヤー氏は妹がエボラ熱で死亡したことを隠していた。アダデボ医師は感染の恐れがある人が人口約1千万人のラゴスを歩くのは危険と考え、院内にとどまるよう伝えた。

 「重要な会議があるんだ」。ソイヤー氏は隔離措置に怒り狂って点滴の管を抜き、病室内に血が飛び散った。院長は「あれで何人か感染しただろう」と苦々しげに振り返った。

 院長によると、リベリア大使館関係者は病院に対し、事実上の監禁であり「外交問題になる」と警告、法的措置を取る構えも見せた。悩んだアダデボ医師らは弁護士と相談したが、公共の利益のために隔離措置を続けるべきだと結論付けた。

 数日後に感染が確認されソイヤー氏は死亡。ナイジェリア初のエボラ熱確認例となり、アダデボ医師の判断で接触者が最小限に抑えられたことが証明された。WHOは10月20日に同国での感染終息を宣言。感染者は20人、死者8人だった。

 だが代償は大きかった。医師ら計12人が感染、うちアダデボ医師や妊娠中の看護師を含む6人が死亡した。病院は約2カ月間閉鎖を強いられ、再開後に戻った患者は以前の約1割だ。院長は「機材をほとんど入れ替え、消毒しても、エボラ熱患者がいたという汚名は消えない」と肩を落とす。

 来年引退し、21年間共に働いたアダデボ医師を後継者にするつもりだったというオヒエリ院長。「経済的損失のことをよく聞かれるが、本当の損失はアダデボ医師のような貴重な人材だ。今でも彼女が毎朝、部屋に入ってくる気がしてしまう」と寂しそうに笑った。(ラゴス共同=稲葉俊之)

「ペプチド」でがん治療 熊本大が臨床成果

熊本日日新聞 2014年11月13日(木) 配信

 他に治療方法のない頭頸[とうけい]部のがんに対して、アミノ酸が連なった物質「ペプチド」3種類を投与して、がんを攻撃する免疫力を高め、延命やがん消失の効果を得たとする臨床研究の成果を、熊本大大学院生命科学研究部の西村泰治教授らのグループが12日、米医学誌(電子版)に発表した。ペプチドを使うタイプのがん治療薬は未開発で、同タイプとして世界初の実用化を目指す。

 西村教授と同大名誉教授で伊東歯科口腔[こうくう]病院(熊本市中央区)の篠原正徳医師によると、手術や放射線での治療ができない患者37人に対して、3種類のペプチドを混合して注射で投与。すると、投与した患者の生存期間は約4・9カ月で、投与していない患者(18人)の約3・5カ月より長かった。投与した患者のうち1人は、がんが完全に消失して生存中という。

 効果が見られた患者では、ペプチドが抗原提示細胞を介して免疫細胞の一種「キラーT細胞」を活性化させていることを確認。活性化したキラーT細胞は、がん細胞の表面に顔を出すペプチドを目印に、がん細胞を攻撃するという。また、キラーT細胞を活性化するペプチドの種類が多いほど、治療効果が高いことも分かった。

 3種類のペプチドは、前東京大ヒトゲノム解析センター長で米シカゴ大の中村祐輔教授が、がん細胞の遺伝子を解析して特定した。

 現在、国内の製薬会社が医薬品としての実用化を目指して治験中。篠原名誉教授は「ほとんど副作用がなく、患者の生活の質を保てる治療法」と話している。シカゴ大の中村教授は「複数のペプチドの混合が有効なことが分かり、今後のがん治療の方向性を示す成果」としている。

早老症患者からiPS作製 新薬や再生医療に活用へ

共同通信社 2014年11月13日(木) 配信

 若くして急激に老化が進んでしまう早老症「ウェルナー症候群」の患者の細胞から、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ることに広島大や千葉大、東京女子医大のチームが成功し、12日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。

 同症候群は遺伝性疾患で、糖尿病やがん、動脈硬化、骨粗しょう症などを合併することがある。

 今回作ったiPS細胞は、合併症の患部の細胞に体外で変化させ、さまざまな化合物の効き目を確かめ新薬を開発したり、正常な遺伝子の細胞に変化させ移植する再生医療研究に活用したりできるという。

 チームの嶋本顕(しまもと・あきら)広島大准教授らは、世界的に日本人に多い同症候群の患者の皮膚から取った細胞からiPS細胞を作製。

 合併症は、患者の細胞が分裂するたびに急速に老化し分裂回数が少なくなることや、染色体異常が起きやすいことが原因とされるが、作製したiPS細胞を約2年間にわたり調べると、老化に関わる遺伝子の働きが抑制されほぼ無限に分裂を繰り返した。一方で、患者の細胞に顕著な、分裂時に染色体異常を起こしやすいという特徴はかなり抑制されていた。

 チームは、細胞の寿命をつかさどり、細胞分裂時に通常短くなる染色体末端部分の「テロメア」の長さが維持されているためだとみている。嶋本准教授は「患者の細胞が若返っていた。症状の詳しい仕組みの解明や治療に役立てたい」と話した。

エボラ熱死者5160人 WHO、1カ月で千人増 封じ込めへ正念場

共同通信社 2014年11月13日(木) 配信

 【ジュネーブ共同=田中寛】世界保健機関(WHO)は12日、西アフリカを中心に流行するエボラ出血熱の感染者(疑い例を含む)が9日までに8カ国で1万4098人に達し、うち5160人が死亡したとの集計を発表、死者が5千人を超えたことが公式に確認された。約1カ月で死者が千人増加、依然として深刻な状況が続いている。

 特にシエラレオネで感染拡大が加速しているほか、新たにマリでも拡大が懸念されており、国際社会の一層の支援が求められる。一方、リベリアとギニアでは拡大のペースに減速がみられ、米国など先進国への飛び火は止まっている。感染封じ込めに向け今後1カ月程度が正念場となる。

 7日発表の前回集計より感染者が830人、死者が200人増加した。うちマリの死者が前回の1人から4人に増えた。

 国別の死者はほかにリベリア2836人、シエラレオネ1169人、ギニア1142人、ナイジェリア8人、米国1人。医療従事者は10日までに計564人が感染し、うち320人が死亡した。

 世界最貧国で医療インフラが貧弱なリベリア、シエラレオネ、ギニアでは治療用ベッドの不足が深刻。WHOは12月上旬までに少なくとも感染者の70%を治療施設に収容し、死者も70%は二次感染しないように埋葬できる態勢を整え、新たな感染者の減少を目標にしているが、3カ国の治療用ベッドは必要数の24%にとどまっている。

 今回のエボラ熱感染は昨年12月にギニアで始まり周辺国に拡大。米国、英国が支援のため軍兵士を西アフリカに派遣するなどし、日本や欧米などでは水際対策が強化されている。

 WHOのエイルワード事務局長補は10月29日の記者会見でエボラ熱の死者が5千人を超えたとみられると述べたが、WHOはその後の発表で死者数を下方修正していた。

 ※エボラ出血熱

 エボラウイルスが原因の急性感染症。世界保健機関(WHO)によると1976年にザイール(現コンゴ)などアフリカ中部で初めて集団発生を確認。野生のコウモリやサルがウイルスの宿主とされ、人間同士では感染者の血液や汗などの体液に接触して感染する。高熱や頭痛、下痢、内出血や皮膚などからの出血を伴う。発症までの潜伏期間は2~21日程度で致死率は25~90%。WHOは来年末までの数百万人分のワクチン準備を目標とし、大手製薬各社が開発に乗り出している。(共同)

エボラ出血熱 疑い患者診察した医師語る 「水際、検証必要」 一般医療機関受診は想定外

毎日新聞社 2014年11月13日(木) 配信

エボラ出血熱:「水際、検証必要」 一般医療機関受診は想定外 疑い患者診察した医師語る

 エボラ出血熱の流行国リベリアに滞在した東京都町田市の60代男性が7日、渡航歴を伏せて一般医療機関を受診していた問題で、男性を診察した医師が毎日新聞の取材に応じた。「水際対策をかいくぐって(疑い患者が)来ることはない、という先入観があった」などと振り返る一方、国の対策の「抜け穴」が露呈した今回のケースを検証すべきだと話した。【平野美紀】

 医師によると、男性が来院したのは7日午前10時ごろ。発熱やのどの痛みなどを訴え、38・9度の熱があった。インフルエンザの簡易検査で陰性だったため、「急性へんとう炎」と診断。抗生物質などの薬を出し、1時間ほどで帰宅させた。その後、検疫所からの電話で男性に渡航歴があったことを知った。

 午後は休診とし、待合室にいた可能性がある10~15人のリストを保健所の要請で作成。院内を消毒し、スタッフを自宅待機とした。リスト作成の理由について「万一(陽性だった場合)に備えて行政が接触する可能性がある」と保健所から説明があったという。

 翌8日早朝、「感染なし」との連絡を受けて、診療を再開した。

 医師は「水際対策をかいくぐって来ることはまずないだろうと思っていた。それが起こった」と困惑気味に語る一方、検疫関係者からも「一般医療機関受診は想定外だった」と言われたと話した。

 厚生労働省は医療機関に対して、熱のある患者には必ず渡航歴を確認するよう求めている。医師も知っていたが、問いただすことはしなかった。「聞かなかったことが過ちだったと指摘されるならば、その通りだ」と冷静に認めた。「個人的な考え方を言うと、北海道から沖縄までの開業医がそこまでやっているか、というと疑問」とも指摘した。

 男性は入国時には渡航歴を告げ、検疫所は一般医療機関を受診しないよう口頭で伝えていたが、男性は検疫所への連絡より受診を優先した。

 万一感染していれば、多くの人を2次感染の不安に巻き込みかねない事態。医師は「本人が受診時に渡航歴を言わなかったこと、国の水際対策、渡航歴を聞かなかった私、いずれも気をつけるべき点があった。事後検証をするなら協力したい」と語った。

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 ◇今回の経緯

 (※厚生労働省、診察した医師らの情報をもとに作製)

9月末~10月26日 60代男性がリベリアに滞在

11月4日      男性が羽田空港から入国

6日夜        男性が発熱

7日

午前10時ごろ    東京都町田市内の医療機関を受診、「へんとう炎」と診断され帰宅

  11時ごろ    男性がリベリア滞在歴と受診の事実を検疫所にメールで連絡

  11時半ごろ   検疫所から医療機関に照会の電話、医師が事実を知る

午後         医療機関は休診を決定、院内を消毒

           保健所が男性を「入院措置」とし、自宅を訪問

           指定医療機関の国立国際医療研究センターに男性を搬送

深夜         男性の検体を国立感染症研究所村山庁舎に運び、感染の有無を検査

8日早朝       男性はエボラウイルスに感染していないことが判明

午後         男性が同センターを退院

11日        厚労省が2次感染防止対策の強化を発表。流行国滞在歴がある人だけでなく、家族の連絡先も把握し所管の保健所に情報提供するという内容

ダーツ へぼダーツは見るな 上級者、どんどん下手に 命中予測で悪影響、実証

毎日新聞社 2014年11月12日(水) 配信

ダーツ:へぼダーツは見るな 上級者、どんどん下手に 命中予測で悪影響、実証

 ダーツの上級者が下手な人のプレーを見て結果を予測しているうちに自分も下手になるとの実験結果を、独立行政法人・情報通信研究機構が11日、オンライン科学誌サイエンティフィック・リポーツで発表した。他者の動作を予測する時と、自分が動作する時の脳内の情報処理に共通する部分があるため、と結論づけている。【根本毅】

 同機構脳情報通信融合研究センター(大阪府吹田市)の池上剛研究員らは、ダーツの上級者16人に下手な人が投げる瞬間の映像を見せ、的の11区分のうちどこに命中するか予測して答え合わせをする実験を、120回繰り返した。的から外れた場合の映像は使っていない。

 全員が徐々に予測精度を上げ、最終的に平均正答率は当初の2倍以上の約2割になった。比較のため、別のグループを対象に予測のみで答え合わせをしない実験もした。この場合、予測精度は上がらなかった。

 実験後にダーツをしてもらうと、予測精度が上がったグループは、実験前の成績と比べて中心からのずれが平均約1センチ大きくなり、技量が低下していた。予測精度が変わらなかったグループに変化はほとんどなかったという。

 脳がどのように他者の動作を理解し、結果を予測するかについてはほとんど解明されていない。今回の実験で、他者の動作の結果を予測する能力が学習によって変化すると、無関係に見える自分自身の動作にも影響が及ぶと分かった。人間の運動能力が、他者の動作から影響を受けていることが示された。

 池上研究員は「『下手な選手の動きは見ない方がいい』と言う一流選手がいるが、その理由が科学的に実証された。この仕組みを逆に利用し、運動を改善させるようなリハビリテーションや運動トレーニングの方法開発を目指す」と話している。

心筋症悪化の物質特定 患者のiPSで研究

共同通信社 2014年11月12日(水) 配信

 心臓の壁が厚くなり、全身に血液を送り出しにくくなる肥大型心筋症の患者の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から心筋細胞を作り、病気を悪化させる体内物質を突き止めたと、慶応大医学部の福田恵一(ふくだ・けいいち)教授、湯浅慎介(ゆあさ・しんすけ)専任講師らが12日、米心臓協会誌に発表した。

 既存の薬が状態を改善する可能性があることも分かったとしている。

 健康な人の心筋細胞の内部では、筋原線維という糸状のタンパク質が整然と並んでいるが、患者の心筋細胞では並びが乱れていた。エンドセリン1という物質を加えると乱れがひどくなったが、細胞がこの物質を受け取れないようにする薬を与えると、異常が治った。

 この薬は肺動脈性肺高血圧症の治療に使われている。細胞実験の段階だが、肥大型心筋症の発症や重症化を抑える可能性を示したとしている。

 肥大型心筋症の患者は多くが軽症だが、スポーツ選手が突然死する原因となることもある。遺伝子の異常で起こるが、異常があっても発症しない人がいるため、引き金となる環境要因があると考えられていた。エンドセリン1は運動などで心臓に負荷がかかると出るホルモン。

STAP、確認できず 近畿大、独自に検証 2月から実験30回

朝日新聞 2014年11月13日(木) 配信

 STAP細胞の問題をめぐり、理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーによる検証実験の期限が11月末に迫っている。近畿大は独自に、体の細胞を酸に浸すことでSTAP細胞ができるか試みてきたが、作製できなかった。理研で小保方氏とは別に検証を進める丹羽仁史プロジェクトリーダーの中間報告と同じく、理研以外の研究機関でも再現できていない。

 近大の検証実験は、朝日新聞大阪科学医療部が2月中旬、STAP細胞を理研以外の研究機関で再現できるか調べる企画を打診。すでに実験を始めていた近大がこの企画に応じたことから、記者が実験の経過を追う形で取材を進めていた。

 近大医学部によると、実験には、万能細胞特有の遺伝子が働くと、緑色に光る処理をした生後3週間前後のマウスの尾から採った線維芽細胞を使った。理研は主にリンパ球を使っていたが、STAP細胞の論文(1月発表、7月撤回)では、体のどの細胞でも作製できるとし、線維芽細胞からの作製効率も25%程度とグラフで示していた。

 近大は塩酸などでpH5・7の弱酸性にした溶液に細胞を約30分間浸し、4日間程度培養。10月末までに約30回の実験を繰り返した。

 実験1回ごとに細胞の塊は複数できたといい、緑色のみに光る細胞の塊と、緑色と赤色の光があわせてみられる細胞の塊が混在していた。緑色のみが光れば、万能細胞特有の遺伝子が働いていると考えられる。一方、他に赤色などの光も見られる場合は、死にゆく細胞で起きる特徴的な現象とされる。

 そこで万能細胞特有の遺伝子が働いている量を解析したところ、ほとんど働いていない元の線維芽細胞よりも増えていたが、ES細胞と比べると、数分の1から数十分の1しかなかった。

 論文共著者でハーバード大のチャールズ・バカンティ教授は9月、酸にATPという細胞の代謝にかかわる物質を使う方法を公表しており、近大はこの方法も試したが、再現できなかった。

 実験を主に担った近大医学部の竹原俊幸助教(幹細胞生物学)は「培養環境を変えると遺伝子の働きが変わることはある」と説明。万能細胞特有の遺伝子でも「機能しているかどうかとは別の話だ。今回は遺伝子の働く量が少なく、意味はあまりないとみられる」と話す。マウスの体に入れていろいろな組織になれるか万能細胞の確認をする実験には進めないと判断した。

 大阪大の仲野徹教授(幹細胞学)は「万能細胞でみられる遺伝子が、ストレスに応じて働くのはあり得る話だ」と指摘する。ただ、遺伝子の働く量は細胞の性質を大きく変えるほどではないとして「初期化と結びつくとは言えない」と話している。

 ■理研の調査、迫る期限

 理研の検証は、4月から取り組んでいる丹羽氏のチームと、7月から始まった小保方氏による実験が別々に進んでいる。

 撤回となった論文では、マウスのリンパ球を塩酸でpH5・7にした弱酸性の溶液に浸し、STAP細胞を作ったと主張。マウスに注射していろいろな組織になることや、胚(はい)に移植して「STAP細胞」由来のマウスになったと記載していた。検証で万能細胞ができたことを証明するには、このマウス作製まで進む必要がある。

 論文発表直後から、関西学院大学や香港の研究者らが再現を試みたが、STAP細胞は作製できなかった。

 丹羽氏は8月、検証の中間報告を公表。7月末までに論文の方法で22回実験したが、再現できなかった。検証は3月末まで継続し、今はマウスの種類を変えたり、酸以外の刺激を与えたりして調べている。

 小保方氏による検証は、理研が「熟練した技術が必要になる可能性がある」として丹羽氏とは別に実施。実験するのは小保方氏1人で、監視カメラの付いた部屋で第三者の立ち会いのもと、論文通りに作製できるかを検証する。期限は11月末で、理研は「進展がみられない場合には打ち切る」とする。

 (野中良祐)

感染症法改正案成立へ 検体の採取可能に

共同通信社 2014年11月12日(水) 配信

 衆院厚生労働委員会は12日の理事会で、感染症法改正案を13日の委員会で採決する日程で合意した。先に審議した参院で無所属議員を除き各党が賛成して可決されており、今国会での成立が確実となった。

 改正案はエボラ出血熱や結核、新型インフルエンザなど国民生活に重大な影響を与える感染症の疑いがある場合に、患者が拒否しても強制的に血液などの検体を採取できるようにすることが柱。

パーキンソン病の認知症併発に脳機能低下が関与 東北大医学部の研究グループ

河北新報 2014年11月12日(水) 配信

 東北大大学院医学系研究科の森悦朗教授(高次機能障害学)らの研究グループは、認知症を併発することの多いパーキンソン病の患者を3年にわたって追跡調査し、認知障害が現れる前に脳機能が低下していたことを発見した。認知症が発症する前に進行が予測できることから、適切な治療の開始につながるという。

 研究グループは、認知症を発症していない患者53人を対象に、陽電子放射断層撮影装置(PET)を用いて脳内でのブドウ糖の代謝を検査。3年後に認知機能や運動機能がどのように変化したかを調べた。

 PET検査で側頭葉、頭頂葉、後頭葉などの代謝が低下していた患者は3年後、認知機能や運動機能が著しく悪化していた。病気の初期の段階で大脳新皮質に何らかの異常が発生し、これが原因となって急速に症状が進んだ可能性がある。

 パーキンソン病の症状は運動障害が主だが、認知症を発症するリスクも高く、8年間で患者の約8割が認知症を発症したとの報告もある。

 森教授は「長い期間追跡したことで症状の変化がより詳細に分かった。脳の検査で症状の進行を予測できれば、発症を遅らせる薬剤の選択にも工夫ができる」と話す。

[パーキンソン病]脳の神経細胞が減ることで手足の震え、筋肉のこわばりなどの症状が出る厚生労働省指定の難病。50代後半~60代で多く発症し、10万人に100~150人の割合で患者がいるとされる。

肥大型心筋症、ホルモンで悪化 慶大教授ら確認 患者のiPS細胞で病気再現

朝日新聞 2014年11月12日(水) 配信

 心不全を引き起こす肥大型心筋症の悪化に、特定のホルモンが関わっていることが、慶応大の福田恵一教授、湯浅慎介専任講師らの研究でわかった。患者の細胞由来のiPS細胞で心筋細胞を作り、病気を再現した。12日、米国の医学誌電子版に発表する。

 肥大型心筋症は、心臓の壁が厚く硬くなり動きが悪くなる病気。軽症を含めると250人に1人いるとされる。進行すると心不全や突然死を引き起こすこともある。重症化する原因ははっきりしていなかった。

 研究グループは、40~70代の患者3人と、健康な20~40代の3人の皮膚細胞とリンパ球からiPS細胞を作った。さらに、そのiPS細胞から心筋細胞を作って比べた。患者の心筋細胞は細胞内の線維がきれいな層にならず、収縮がうまくできなくなっていた。

 培養するときに、ホルモンの一つ「エンドセリン」を加えると層構造の乱れがさらに悪化。エンドセリンの働きを妨げる受容体拮抗(きっこう)薬を与えると修復され、正常な細胞に戻った。エンドセリンは運動などで心臓に負荷がかかると心筋細胞から分泌される。

 福田教授は「エンドセリン受容体の拮抗薬は別の病気で使われ、安全性が確認されている。細胞だけでなく、実際の患者に効くかを調べる必要はあるが、発症予防や進行の抑制に期待が持てる」と話す。

 (合田禄、竹石涼子)

アビガン、エボラ薬1号か 来年1月承認の可能性 富士フイルムHDが見通し

共同通信社 2014年11月12日(水) 配信

 富士フイルムホールディングス(HD)は11日、子会社が開発したインフルエンザ薬「アビガン(一般名・ファビピラビル)」が、早ければ来年1月に、エボラ出血熱の治療薬として国際的に承認される可能性があると明らかにした。承認されれば、世界初という。この日の中期経営計画発表の席で説明した。

 富士フイルムHDによるとフランス、ギニア両政府が11月中旬からギニアで臨床試験を実施し、12月末に結果が出る見通し。事態の緊急性を踏まえて、関係当局が1カ月程度の短い期間で安全性や有効性の審査を終える見込みだ。

 治療薬として承認されれば、多くの患者が発生している西アフリカ諸国に日本政府を通じて提供する方針だ。さらに要請があれば、他地域の国にも提供する。

 古森重隆(こもり・しげたか)会長は「アビガンは(エボラ熱の問題を)解決できる有力な薬だ」と語った。

 アビガンは、富士フイルムHD傘下の富山化学工業(東京)が開発したインフルエンザ薬で、ことし3月に国内での製造販売が承認されたばかり。

エボラ疑いの発熱、厚労省「絶対に医療機関行かないで」

朝日新聞 2014年11月11日(火) 配信

 エボラ出血熱を疑われる男性が一般の医療機関を受診し、陽性ならば感染を広げる恐れがあったことを受け、厚生労働省は、検疫で流行国からの入国者に配る指示書に受診しないよう明記するなど対策を強化することを決めた。塩崎恭久厚労相が11日の閣議後会見で明らかにした。

 厚労省は、流行国滞在者が帰国後に発熱があった場合、検疫所や保健所に連絡して一般の医療機関を受診しないように呼びかけているが、口頭で伝えるのみだった。リベリアから帰国後に発熱した東京都の60代男性が、7日に自宅近くの医療機関を直接訪れ、医療機関も渡航歴を把握しなかった。その後、男性は検査でエボラウイルス陰性と判明した。

 厚労省は、発熱しても「絶対に直接医療機関に行かないで下さい」などと指示書に記す。これまでの指示書は、発熱に加え、頭痛などの症状が出た場合に検疫所にすぐに連絡するように求めていた。

 男性は受診後にメールで発熱を検疫所に伝えたが、検疫所はすぐに連絡をとれなかった。そのため、厚労省は、流行国滞在者に義務づける朝夕の連絡はメールだけでなく、電話でも必ずするように求める。家族の連絡先も届けてもらう。流行国滞在者の情報を、住まいなどがある保健所に事前に伝える。

 また、厚労省は発熱患者が受診する際に渡航歴を確認するための資料をウェブサイトに掲示し、全国の医療機関に利用するよう呼びかける。

 厚労省は、エボラ出血熱患者を治療する指定医療機関がない8県に対し、早急に整備するよう求めることも明らかにした。

iPSで薬の毒性予測 肝細胞を作製、大阪大 オーダーメード医療期待

共同通信社 2014年11月11日(火) 配信

 薬剤を分解する働きを持つ肝臓の細胞を人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作り、薬剤が肝臓に毒性を示すかどうかを体外で調べる手法を開発したと、大阪大と独立行政法人医薬基盤研究所のチームが10日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

 患者の皮膚などの細胞から作製するiPS細胞は本人と同じ遺伝情報を持つ。今回の手法は個々人の肝臓の特質を体外で再現でき、人によって違う薬剤の毒性や効き目を一人一人予測するオーダーメード医療につながる可能性がある。

 肝臓ではさまざまな代謝酵素が働いて薬剤を分解している。薬の解毒がうまくいかないと肝障害などの副作用を起こすことがあり、新しい薬の開発では肝臓に毒性を示すかどうかが問題になる。

 また、代謝能力の強さや薬剤が毒性を持つかどうかには個人差があるが、現在は動物の細胞や研究用の人の肝細胞を使って調べるため、個人差を踏まえた予測が難しい。

 チームは、12人の肝細胞を使ってiPS細胞から作った肝細胞は、それぞれの元の肝細胞と同じ代謝能力や薬剤への反応を示すことを確認した。

 さらに、「CYP2D6」という代謝酵素がほとんどない人のiPS細胞を変化させて作った肝細胞に、特定の薬剤を加え、実際に解毒できないことを確かめた。

 医薬基盤研究所招へいプロジェクトリーダーの水口裕之(みずぐち・ひろゆき)大阪大教授は「これまでは薬への平均的な反応を調べていたが、個人差に応じて毒性を予測できる技術につながる」と話す。

 ※人工多能性幹細胞(iPS細胞)

 皮膚や血液など特定の機能を持った細胞に数種類の遺伝子を導入し、受精卵のようにさまざまな細胞や組織に変化する能力を持たせた細胞。培養条件を変えることで、神経や心臓など特定の細胞に変化させられる。事故や病気で機能を失った組織や臓器を修復する再生医療や新薬開発への応用が期待されている。京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授が開発し、2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した。

物質増減、体内時計リズム ES細胞使い京都府立医大

共同通信社 2014年11月11日(火) 配信

 「ピリオド」というタンパク質が周期的に増減を繰り返すことで、約24時間周期で生体機能を生み出す「体内時計」のリズムを生み出していることを京都府立医大の八木田和弘(やぎた・かずひろ)教授(生理学)のチームがマウスの胚性幹細胞(ES細胞)を使って解明し、10日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

 体内時計は、受精卵がさまざまな細胞に変化する過程で個々の細胞に備わることが知られるが、どのような仕組みで働いているのかは未解明。

 八木田教授は「体内時計はがんの発生と関連があるとされ、その関係性を明らかにできる可能性がある」と話す。将来は、生活リズムが乱れ、心身に影響が出た子どもを改善させる研究にも役立つ可能性があるという。

 チームは、体内時計がまだできていないマウスのES細胞と、正常な体内時計を持つ皮膚の細胞を比較。皮膚の細胞では、細胞核の中で「ピリオド」が周期的に増減を繰り返し、体内時計のリズムを生み出すことを発見した。ES細胞では、ピリオドが細胞核の外にとどまり、リズムを生み出していなかった。

 ES細胞は、受精卵の内部から細胞を取り出して作るもので、さまざまな細胞に成長できる。

家族の連絡先も把握 エボラ熱で健康監視強化

共同通信社 2014年11月11日(火) 配信

 塩崎恭久厚生労働相は11日、エボラ出血熱が流行する西アフリカの3カ国に滞在歴があり、日本に入国の際に21日間の健康監視の対象となった人と必ず連絡が取れるように、家族や同居人、宿泊先などの連絡先を把握する取り組みを検疫所で始めると明らかにした。

 検疫所で症状がなかった人に渡す文書には、発熱した場合には直接医療機関に行かずに検疫所に連絡することを指示する文章を加える。健康監視の対象者からメールで連絡があった場合には、必ず本人に電話をかけるようにする。

 また日本医師会に協力を依頼し、医療機関や診療所などで、エボラ熱の流行国に渡航歴がある場合には申し出るよう促す文書を掲示してもらう。

 リベリアに滞在歴があり、帰国後に発熱した東京の男性が7日、一般の診療所を受診後、検疫所に症状をメールで連絡。その後自宅で休んでいたため、一時連絡が取れなくなったケースを検証、対策を打ち出した。

腸チフス、国内感染が増加 初の食中毒も発生 「医療新世紀」

共同通信社 2014年11月11日(火) 配信

 アジア、アフリカなどの発展途上国に旅行した際の感染が大半だった腸チフスに、国内で感染する例が増えている。今年9月には、国内の飲食店で集団食中毒も発生した。国立感染症研究所は、徹底した手洗いによる予防を飲食店などに呼び掛けている。

 腸チフスはチフス菌による感染症。感染した人の便や尿に汚染された水や食品を飲食することで、菌が口から体内に入って感染する。

 1~3週間の潜伏期間の後、発熱や頭痛、発疹、下痢または便秘といった症状が出て、重症の場合は腸から出血することもある。治療は、抗菌薬をある程度長期にわたって服用する。

 感染研によると、終戦直後までは国内でも年間数万人の患者が発生していたが、衛生水準の向上とともに大幅に減少し、近年は年間の報告数が20~30人台で、そのほとんどは海外での感染という状況だった。地域別では南アジア、東南アジア、アフリカなどが高リスクとされる。

 ところが昨年は、海外渡航歴がない患者が9月末までに計18人に達した。今年は、ほぼ同時期の9月21日までに36人が報告され、うち13人が国内感染だった。

 さらに国内感染のうち7人は、東京の同一の飲食店で調理された食事や弁当を原因とする食中毒と判明した。腸チフスによる国内での食中毒は、感染症法に基づく発生動向調査が15年前に始まって以来初めてだという。

 腸チフスは人にしか感染しない。予防策はせっけんでの十分な手洗い。感染研は「調理や食事の前、トイレの後などに励行を」としている。

幹細胞でがんを退治 「医療新世紀」

共同通信社 2014年11月11日(火) 配信

 がん細胞を退治する幹細胞を開発したという研究結果を米ハーバード幹細胞研究所などのチームが米科学誌に発表した。

 チームは、正常な細胞には働かず、がん細胞にだけ働く毒素に着目。遺伝子工学の技術を使い、人の神経幹細胞に毒素への耐性と毒素を放出する機能を持たせた。

 マウスを使った実験で、脳腫瘍の大部分を除去した後、体内で分解するゲルに包んで、この幹細胞を入れたところ、毒素でがん細胞が死滅し、マウスの生存率が改善したという。

 チームはさらに効果を上げる方法を研究して人への応用を目指す計画で、5年以内には臨床研究を始めたいとしている。

重症化の原因は免疫増強か 「医療新世紀」

共同通信社 2014年11月11日(火) 配信

 妊娠中にインフルエンザにかかると重症化しやすいのは、ウイルスへの免疫反応が強まるためではないかとする研究を米スタンフォード大チームがまとめ、米科学アカデミー紀要に発表した。

 妊婦21人と妊娠していない女性29人の血液中のリンパ球を、2009年に流行したH1N1型のウイルスと試験管内で反応させたところ、妊婦の方が強力な免疫反応が起きた。免疫反応が強すぎると肺炎など重い症状につながる可能性がある。

 体内で胎児という「他者」を育てる妊娠中、女性の免疫反応は一般に低下するとされる。チームは「インフルエンザ特有の反応かもしれない。より大きな集団で検証が望まれる」としている。

アルツハイマー、発症前に血液判定 国立長寿研など発見

朝日新聞 2014年11月11日(火) 配信

 アルツハイマー病を発症する前に、原因物質が脳内に蓄積しているかを数滴の血液で判定する方法を、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)や島津製作所(京都市)の研究チームが発見した。11日、日本学士院の学術誌電子版に論文を発表する。ノーベル化学賞を受けた、同社の田中耕一・シニアフェローの技術を応用した。早期診断や治療薬の開発に役立てたいとしている。

 アルツハイマー病の原因物質のアミロイドベータは、軽度の認知障害などの症状が出る15~20年前から脳内で蓄積が始まるとされる。検出には腰の部分から針を刺して脳脊髄(せきずい)液を採取するなどして調べるが、体への負担が大きい。

 研究チームは、田中さんらが開発した質量分析の感度を高めた技術を使い、血液約0・5ミリリットル(数滴分)でアミロイドベータに関連する2種類のたんぱく質の量を比較。9割以上の精度でアミロイドベータの蓄積の有無を判定できた。

 アミロイドベータが蓄積しても認知障害を発症しない場合もあり、アルツハイマー病の早期診断法の実用化にはさらに検証が必要だ。だが、治療薬の開発などに役立てられるという。

 10日、東京都内で記者会見した、国立長寿医療研究センターの柳沢勝彦・認知症先進医療開発センター長は「費用や安全性、正確性でこれまでの技術を大幅に超えるものができた」。田中さんは「診断に役立てるには基礎研究をさらに5年以上続ける必要がある。健康診断などで数千円で検査できるようにしたい」と話した。(伊藤綾)

世界初 8K内視鏡手術…杏林大病院

読売新聞 2014年11月11日(火) 配信

鮮明画像で安全性向上

 ハイビジョンの16倍の画素数がある超高精細な「8K」のカメラを使った世界初の内視鏡手術が10日、杏林大学病院(東京都三鷹市)で行われた。

 従来の内視鏡では見づらかった細い血管や神経、臓器同士の境界が鮮明になり、手術の安全性の向上が期待できる。

 実施したのは、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)やNHK放送技術研究所(同)などによる共同研究組織。同研究所の技術を医療分野に応用しようと昨年8月に設立された。医療、工学の専門家、企業が参加し、8K内視鏡の開発を進めている。

 この日行ったのは胆のうを摘出する手術2件で、有効性と安全性を確かめる臨床研究として行われた。執刀した杏林大外科の森俊幸教授は「8Kの豊富な画像情報は、より安全で高度な手術につながる可能性がある」と話した。

 ただ、今回のカメラは重さ約2・2キロ・グラム。現在使われている内視鏡と違い、片手で操作できないなど課題もある。今後、軽量化など改良を進め、早ければ2、3年以内の実用化を目指す。

記憶関わるタンパク質特定 名古屋大院グループら

共同通信社 2014年11月10日(月) 配信

 名古屋大大学院の山田清文(やまだ・きよふみ)教授(医療薬学)らの研究グループは8日までに、マウスを使った実験で、脳の海馬にある「ガーディン」と呼ばれるタンパク質がリンと結合することで、記憶が形成、維持されていることを確認し、米科学誌の電子版に発表した。「認知症の新薬開発や新たな診断方法に活用できる可能性がある」と話している。

 研究グループによると、海馬の細胞中には、ガーディンのほか、BDNFやNMDA受容体などのタンパク質が存在。そのタンパク質の間を電気信号が伝わることで記憶が形成、維持されている。

 グループはさまざまなタンパク質の中でも、細胞中のリンと結合し、活性化したガーディンが電気信号を仲介していると推測。通常のマウスと、遺伝子操作でリンと結合するガーディンを持たないマウスとを比較する実験を行った。

 それぞれのマウスを床に電気が流れるケースに入れ、刺激を与えた上で、24時間後に同じケースに入れると、電気を流していなくても、通常のマウスはおびえた様子で動かなかったが、変異させたマウスは床の上を動き回り、電気刺激の記憶が低下しているように見られたという。

 注)米科学誌はジャーナル・オブ・ニューロサイエンス

慢性肉芽腫症に遺伝子治療 成育センター、国内初

共同通信社 2014年11月10日(月) 配信

 国立成育医療研究センターは7日、白血球の機能が生まれつき異常で重い感染症を繰り返す「慢性肉芽腫症」の20代男性に対し、7月に国内初の遺伝子治療を行ったと発表した。男性は10月下旬に退院、感染症の兆候はないが、健康状態のチェックを続けるという。

 小野寺雅史(おのでら・まさふみ)成育遺伝研究部長によると、慢性肉芽腫症は遺伝子の異常により白血球が体に侵入した細菌やかびを殺せない病気。患者は国内に200人前後いる。男性も肺や肝臓の感染症で10回以上入院した。白血球や赤血球などを生み出す造血幹細胞を健康な人から移植する方法もあるが、提供者が見つからずにいた。

 今回の治療では、男性の造血幹細胞を体の外に取り出し、正常な遺伝子を組み込んだウイルスを細胞に感染させた。こうして正常な遺伝子を導入した造血幹細胞を、注射で体に戻した。検査では、男性の血液の中に3~4%は正常な白血球がある状態が続いていることが確認されているという。

 ただ、他の病気に対する遺伝子治療では患者が白血病になった例もある。今回と同じ方法で8年ほど前から行われた米国立衛生研究所の3例では発症はないが、センターでは長期的な安全性や効果を調べる。今回の治療は臨床研究として計5人に行う計画という。

 ※遺伝子治療

 遺伝子の異常が原因で起こる病気に対し、正常な遺伝子を患者の細胞に組み込むことによる治療法。ウイルスなどを使って細胞への遺伝子導入を図る。1990年、アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症という先天性の免疫不全症の治療として米国で初めて行われ、95年には同じ病気に対して北海道大で国内初の治療が行われた。その後、海外で治療を受けた患者に白血病が発生し下火になったが、近年は遺伝子導入方法の改良が進み、欧州では治療薬として承認される例も出た。国内ではこれまでに40以上の臨床研究が行われている。

腎不全の悪化抑制たんぱく質突き止めた

読売新聞 2014年11月8日(土) 配信

岡山の研究所 米科学誌電子版に発表へ

 腎不全の悪化を食い止めることに重要な働きをするたんぱく質をマウスの実験で突き止めたと、重井医学研究所(岡山市)などの研究チームが7日、米科学誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」電子版に発表する。腎臓病の新たな治療方法の開発が期待できるという。

 日本透析医学会によると、国内の腎不全などによる慢性透析患者数は、2013年12月現在約31万4000人で、県内は約4700人。腎臓病が進んで慢性的な腎不全になると、人工透析を受け続けるか、腎移植が必要になる。

 チームは、脊髄形成などに関係する「Sfrp1」というたんぱく質に着目。大人のマウスで、二つある腎臓につながる尿管の片方を縛り、人為的に腎不全の状態にすると、7日目にはSfrp1が正常なマウスの2倍以上に増えた。

 また、体内でSfrp1を生成できないマウスを作り、同様に腎不全の状態にした場合、症状が重くなった。この結果、腎不全が起きるとSfrp1が作られ、腎臓細胞の修復に関与していると結論づけた。

 同研究所の松山誠・主任研究員(分子生物学)は「人にも同様のたんぱく質がある。腎臓にだけ働き、Sfrp1を増やす治療薬を開発できれば、腎不全の進行を遅らせ、透析患者を減らせる可能性がある」としている。

感染疑い2人はエボラ陰性 ギニア人女性と都内男性

共同通信社 2014年11月10日(月) 配信

 厚生労働省は8日、エボラ出血熱の感染が疑われ、関西空港から大阪府内の病院に搬送された20代のギニア人女性と、リベリアから帰国後に発熱した東京都内の60代男性は、いずれも血液検査で陰性と判定されたと発表した。2人とも体調は回復、男性は退院した。

 ギニア人女性は搬送先の特定感染症指定医療機関「りんくう総合医療センター」(大阪府泉佐野市)で熱帯熱マラリア、男性は「国立国際医療研究センター」(東京都新宿区)で咽頭炎と診断されていた。厚労省は念のため、国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)で血液検体の検査を実施、エボラウイルスは検出されなかった。

 厚労省によると、男性は7日夜に体温が37度台前半まで下がった。女性は8日の検温で平熱だった。エボラ熱は発症直後には血液中のウイルスが少ないことから、検査で陰性となる可能性がある。しかし、2人の順調な回復状況から、担当医はエボラ熱感染の疑いはなく、体調が急激に悪化しない限り、再検査の必要はないと判断した。2人とも帰国、入国した日から3週間は健康状態を報告してもらう。

 国内でエボラ熱が疑われた患者は10月のカナダ国籍の40代男性以来、3人続けて陰性となった。厚労省結核感染症課は「疑わしい事例については今後も同様に慎重に検査していくしかない」としている。

日本の追加支援に謝意 エボラ熱、国連報道官

共同通信社 2014年11月10日(月) 配信

 【ニューヨーク共同】国連のドゥジャリク事務総長報道官は7日、日本政府がエボラ出血熱対策として新たに最大1億ドル(約115億円)の支援を行う方針を決めたことについて「日本政府の惜しみない貢献に対し、潘基文(バン・キムン)事務総長は非常に感謝している」と述べた。

 共同通信の取材に答えた。日本の国連代表部によると、支援はエボラ熱による混乱で機能不全に陥った感染国の医療システム再建などに充てられる見通し。ドゥジャリク氏は、こうした支援は「エボラ熱を制圧した後も(一般の病気の治療などで)長期にわたり貢献するだろう」と歓迎した。

認知症患者21%に抗精神病薬を処方…医療経済研究機構調査

読売新聞 2014年11月7日(金) 配信

 認知症患者の5人に1人が、主に統合失調症に用いられる抗精神病薬を処方されているとする調査結果を医療経済研究機構がまとめた。

 抗精神病薬は認知症患者の死亡リスクを高めるとされ、欧米では処方が大幅に減っているが、国内では逆に微増していた。

 同機構は、2002~10年に認知症治療薬を処方された65歳以上の患者のべ1万5600人分の診療報酬明細書を分析。08~10年に、合わせて抗精神病薬も処方されていた患者の割合は21%で、02~04年の1・1倍だった。抗精神病薬は認知症患者への投与は本来認められていないが、症状を抑えるために医師の判断で処方されている。

「もらい乳」32施設で実施、無殺菌で感染例も…厚労省研究班調査

読売新聞 2014年11月6日(木) 配信

 母親の母乳の出の悪さや病気などで母乳をもらえない早産児らに、病気の予防のため、別の女性の母乳を与えるもらい乳を、全国の新生児集中治療室(NICU)の25%が実施していることが、厚生労働省研究班による初の実態調査で分かった。

 殺菌していないもらい乳を通じ、早産児が感染症にかかったとみられる例もあり、研究班は今年度中に殺菌の手順などをまとめた運用基準を策定する。

 松山市で10日から始まる日本未熟児新生児学会で発表される。

 小さく生まれた早産児の場合、母乳は人工乳と比べて、命にも関わる腸炎の発症を減らしたり、消化吸収機能の発達を促したりする効果が高いため、なるべく早くから母乳を与えるのが望ましい。

 調査は今年7月、NICUがある全国179施設に実施した。回答した126施設中、32施設(25%)がもらい乳を使っていた。

 もらい乳は、冷凍保存したものが早産児に提供されるが、低温殺菌していないため、早産児にウイルスや細菌が感染する危険性がある。今回の調査では、もらい乳が原因と考えられる感染症の有無を尋ねたところ、早産児が感染すると重症化するサイトメガロウイルスと、薬が効きにくいタイプの大腸菌の2件が報告された。

 米国や英国など多くの国では、専用装置で低温殺菌し、感染の危険がない母乳を提供する母乳バンクが専門組織や病院単位で整備されている。しかし、国内の取り組みは遅れており、専用装置を備えた施設は昭和大江東豊洲病院(東京都江東区)のみだという。

 調査をまとめた同病院の水野克己小児内科教授は、「早産児は年々増えており、母乳バンクの需要は高まっている。安全な母乳を提供できるシステムを広めたい」と話している。

マウスの全身透明に がんや糖尿病研究に応用

共同通信社 2014年11月7日(金) 配信

 特殊な試薬を使い全身を透明にしたマウスの標本を作ることに成功したと、理化学研究所や東京大のチームが6日付の米科学誌セルに発表した。解剖しなくても臓器の様子が観察でき、がんや糖尿病など病気の研究に応用できるという。

 これまでマウスの脳や胎児を透明にする技術は開発されていたが、血液を多く含む臓器や体の大きな成体は色素を抜くことが難しかった。

 チームは、血液の色素を効率的に溶かす試薬で実験。血管を通して試薬を臓器の内部に行き渡らせる処理をしてから試薬に浸すと、10~14日間で心臓や肝臓などの臓器や全身が透明なゼリーのようになった。

 特定の働きをする細胞だけに色を付けておくと、体内の細胞一つ一つを立体的に見分けることもできる。糖尿病にしたマウスで、膵臓(すいぞう)の内部にあるインスリンの分泌に関わる組織の細胞を着色し、膵臓を透明にしたところ、この組織が減っていることが確認できた。

 東京大の田井中一貴(たいなか・かずき)講師(医化学)は「臓器でがんが進行する過程の研究など、さまざまな分野に役立つだろう」と話している。

エボラ熱ワクチン試験へ スイスで、カナダ開発

共同通信社 2014年11月7日(金) 配信

 【ジュネーブ共同】スイスの医薬品認可当局は6日、カナダ政府が開発したエボラ出血熱の予防ワクチンについて、ジュネーブの病院での臨床試験を認可したと発表した。

 世界保健機関(WHO)が有望視している2種類のワクチンの一つ。ボランティア115人に投与し、安全性や効果を確認する。既に米国やケニアなどでも試験が行われているという。

 英製薬大手グラクソ・スミスクラインなどが開発するもう一つのワクチンもスイスや米国などで臨床試験が行われており、ワクチンの早期導入に向けた動きが急ピッチで進んでいる。

同傾向の人に共感 自閉スペクトラム症

共同通信社 2014年11月6日(木) 配信

 他人の気持ちを読み取るのが難しいなどコミュニケーションに問題が生じる「自閉スペクトラム症」の人は、同様の障害傾向を持つ人によく共感できることを京都大や福井大などのチームが解明し、5日付の英科学誌電子版に発表した。

 京大の米田英嗣(こめだ・ひでつぐ)特定准教授(認知心理学)は「自閉スペクトラム症の人は共感性に乏しいと考えられていたが、それを覆せた」と話す。同様の傾向のある人は、患者の支援に向いている可能性があるという。

 自閉スペクトラム症は、自閉症や、かつてアスペルガー症候群と呼ばれた症状を含む総称。

 チームは、「興味の範囲が著しく狭い」など自閉スペクトラム症傾向のある人に関して記述した文章と、「日常会話の流れに乗ることが得意だ」などこうした傾向のない人についての記述を、自閉スペクトラム症の15人に示した。

 この際、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で脳の活動を調べると、自閉スペクトラム症傾向に関する文章を読んだ時は、共感に関わる脳の部位が特に活発に働いており、チームは「同様の傾向を示す人に理解を示し、共感しているとみられる」とした。
 注)英科学誌は「ソーシャル・コグニティブ・アンド・アフェクティブ・ニューロ

筋肉で動く人工関節 東大チーム、ラットの細胞培養

朝日新聞 2014年11月6日(木) 配信

 東京大生産技術研究所の竹内昌治教授(機械工学)らの研究チームは、伸縮する二つの筋肉で動く人工関節を作製し、米テキサス州で開かれた国際会議で発表した。この技術を発展させると、ロボットの駆動部分をより生物に近いものにできる可能性があるという。

 研究チームは、ラットの後ろ脚から、筋肉のもとになる筋芽細胞を採取。この細胞をコラーゲンなどで出来たゲルに混ぜて固め、縦4ミリ、横8ミリ、厚さ500マイクロのシートを作った。シート3枚を重ね合わせて筋芽細胞を培養、細胞がつながった筋肉組織に変化させた。

 出来た筋肉を二つ対に並べ、長さ約2・5センチの人間の指のような人工関節に互いに引っ張り合うように装着した。培養液の中で、筋肉組織に片方ずつ電気刺激をあたえると、関節を前後に動かすことができたという。

 この技術を発展させると、筋肉の病気に対する薬の有効性を試すモデルとしても利用できる可能性があるという。竹内教授は「筋肉と神経を接合させることにも成功している。将来的には血管や神経、皮膚がある人間の指と同じような立体組織ができるかもしれない」と話している。(合田禄)

肺区域移植の2歳退院 大きな声で歌も、岡山大

共同通信社 2014年11月6日(木) 配信

 岡山大病院で8月、母親の左肺の一部を、肺として働く最小単位の「区域」に分割し、両肺として移植する世界初の手術を受けた埼玉県の男児(2)が6日、同病院を退院した。病院によると、男児は手術時2歳9カ月で、国内最年少の肺移植患者となった。

 ことし4月下旬、肺が硬くなり縮んで働かなくなる特発性間質性肺炎を発症していた。母親は今月5日、病院で取材に応じ「発病前のように、大きな声で歌を歌ってくれてうれしい。小さな体で、手術をよく乗り越えた」と話した。

 男児は8月中旬に人工呼吸器を使用しても十分な酸素が取り込めないほど悪化。8月31日に手術を受け順調に自力呼吸を回復、9月中旬に人工呼吸器を外した。

 退院後も投薬や定期検査が必要だが、母親は「人並みに毎日楽しく過ごしてほしい。幼稚園にも入れたい」と喜んでいた。

 執刀した呼吸器外科の大藤剛宏(おおとう・たかひろ)准教授は6日取材に応じ、「子どもらしくやりたいことをやってほしい。この子が幼稚園で泥んこになって遊んでいるのを見るのがきっと一番うれしいと思う」と笑顔で述べた。

認知症の国際会議開幕 ケアと予防で意見交換

共同通信社 2014年11月6日(木) 配信

 英国で昨年12月に開かれた「主要国(G8)認知症サミット」の後継イベントとなる国際会議が5日、東京都内で始まった。世界保健機関(WHO)などの国際機関、各国の政府当局者のほか、研究者や認知症の当事者も参加して「新たなケアと予防のモデル」をテーマに2日間、議論する。

 5日は専門分科会で約300人が参加。6日は本会議が開かれ、各国代表らが将来に向けた課題を検討する。日本政府は新たな対策を「国家戦略」として内外に表明する見通しだ。

 厚生労働省の三浦公嗣(みうら・こうじ)老健局長は冒頭のあいさつで「認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らせる社会をつくることは、高齢化が進むわが国の喫緊の課題。日本の優れた取り組みを紹介したい」と述べた。

 午後の専門分科会では四つの議題について意見交換。「適時適切な支援の提供」の分科会では「いろいろな相談に乗る案内役の専門職を1人決めて、配置する手法が有効だ」などの意見が出た。

 別の分科会では、中国の専門家が「国内では診断を下せる診療所や、認知症の人が過ごせる施設がほとんどない」と、対策が遅れている状況を報告した。

 サミットの後継イベントは今年から来年にかけて英国、カナダ、日本、米国で開催。来年3月にはWHOが各国の保健相会合を開き、認知症を世界共通の政治課題に位置付ける見通し。

早食いの肥満リスク4.4倍 岡山大が学生追跡調査

山陽新聞 2014年11月5日(水) 配信

 早食いの大学生が肥満になるリスクは、そうでない学生の4倍を超えることが、岡山大の調査で明らかになった。これまでも早食いと肥満の関連は指摘されてきたが、肥満でなかった人が早食いを続けて肥満になるまでの追跡調査は珍しいという。脂っこい料理を好んだり、満腹まで食べる学生よりも肥満傾向が高いことも分かり、「ゆっくりよくかんで」という食習慣の大切さをあらためて裏付けた形だ。

 同大大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授(予防歯科学)らは2010年の新入生約2千人を対象に、食べるスピードが早いか▽脂っこいものが好きか▽満腹まで食べるか▽インスタント食品やファストフードが好きかなど、12項目を質問した。

 肥満度の目安とされる体格指数(BMI)が入学時点で25以上の肥満の学生を除き、3年後に健康診断を受けた1314人を調べたところ、肥満になったのは38人。肥満度と質問項目との関係を統計学的に分析した結果、肥満になったのは「早食い」と答えた405人のうち6・2%(25人)、「早食いではない」と答えた909人のうちでは1・4%(13人)で、肥満リスクは4・4倍だった。肥満前段階(23以上)になった72人を同様の手法で調査すると、リスクは3・5倍に上った。

 また、早食いかどうかは関係なく、男性676人と女性638人の肥満リスクを比較すると、男性の方が2・8倍高かった。

 「脂っこいものが好き」「満腹まで食べる」と答えた学生についても肥満の傾向はあったが、統計的な有意差はなかった。

 歯科医師で大学院博士課程2年の山根真由さんは「よくかむことは肥満治療に効果的とされている。若いうちから早食いの習慣を改善することが、将来の肥満や生活習慣病予防につながる可能性がある」と話している。

早老症のサルを初確認、老化の解明に期待 京大霊長類研

朝日新聞 2014年11月4日(火) 配信

 老化と同様の体の変化が急速に現れる早老症のニホンザルを、京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)のグループが見つけた。人では数種類の早老症が確認されているが、サルでの発見は初めてだという。サルは人の老化と進み方が似ており、老化の基本的な仕組みを解明する助けになると期待される。

 米学術誌プロス・ワン電子版に4日発表した。ニホンザルは25歳ごろ老化が始まり、40歳近くまで生きる。今回見つかったサルは同研究所で4年前に生まれ、間もなく皮膚がしわだらけになった。通常は20歳ごろからみられる「白内障」も1歳弱で起き、早老症だとわかった。

 このサルを詳しく調べると、健康な20歳以上のサルよりも糖尿病の傾向が強く、1歳半ですでに脳が萎縮していた。細胞の老化も進み、細胞分裂にかかる平均時間は同年代の子ザルの1・4倍だった。また、細胞内のDNAの損傷も健康なサルより明らかに多く、人の早老症と同様の特徴がみられた。

 早老症は非常にまれな遺伝病で、複数の原因遺伝子が見つかっている。だが、今回のサルのこれらの遺伝子は、健康なサルと違いがなく、別の遺伝子変異による新しいタイプと考えられるという。

 このサルは老化と関係のない消化器の病気で昨夏に死んだ。ただ、細胞は保存しており、これを使って原因遺伝子の特定や、様々な細胞に変えられるiPS細胞の作製を目指している。グループの大石高生准教授(神経科学)は「サルの老化は人と似ており、早老症のサルの知見は通常の老化研究にも役立てられるのではないか」と話している。(阿部彰芳)

被災児、ぜんそく発症2倍…仮設生活影響か

読売新聞 2014年11月4日(火) 配信

 東日本大震災で被災した子供のうち6・3%の子供がぜんそくを発症し、被災していない子供の発症率3・3%を大きく上回っていることが、厚生労働省研究班の調査でわかった。

 アトピー性皮膚炎の割合も高く、研究班は震災後の住環境の変化が影響している可能性があるとして分析を進めている。

 調査は、震災時に3、4歳(調査時5、6歳)だった子供を対象に、2012年9-11月に実施した。被災地を含む全国の保育所を通じ、計約6万人分のデータを集めた。

 それによると、「被災あり」と回答した約850人のうち、6・3%の子供が医師からぜんそくとの診断を受けていた。

 アトピー性皮膚炎と診断された子供も4・8%に上り、「被災なし」でアトピー性皮膚炎の診断を受けた3・4%を上回っていた。

 また、「被災した」子供のうち「家が全半壊」した子供では、「被災なし」の子供に比べ、ぜんそくやアトピーを発症する可能性が、ぜんそくで2・1倍、アトピーで1・6倍高かった。

 調査にかかわった東北大災害科学国際研究所の栗山進一教授(疫学)は、「被災した子供にぜんそくやアトピーの割合が高いのは、避難所や仮設住宅へと住環境が変化する中で、アレルギーの原因となるカビやダニに触れる機会が増えた可能性がある」と指摘する。

 仮設住宅は、天井や畳の裏などにカビが生えやすく、国立医薬品食品衛生研究所(東京都)の調査では、室内の空気中のカビ濃度が一般的な住宅の50-100倍に達していた部屋もあった。

糖尿病 脂肪分原因 東大チーム解明 胃潰瘍薬に治療効果

毎日新聞社 2014年11月5日(水) 配信

糖尿病:脂肪分原因 東大チーム解明 胃潰瘍薬に治療効果

 脂肪分の多い食べ物を取り過ぎると糖尿病になる仕組みをマウスを使った実験で解明したと、広川信隆・東京大特任教授(細胞生物学)のチームが米科学誌デベロップメンタル・セルに発表した。この成果を応用し、既存の胃潰瘍の薬に治療効果のあることも確かめた。今後、人での有効性を検証していく。

 チームは、45種見つかっている「分子モーター」と呼ばれるたんぱく質のうち、働きが謎だった「KIF12」をマウスで調べた。

 その結果、KIF12は膵臓(すいぞう)と腎臓に多く分布していることが判明。その働きを失わせると、血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓の細胞で、細胞内の反応を調整している小器官の働きが損なわれ糖尿病を発症した。脂肪分の多い食べ物を与えたときも、KIF12が減少し、同じ小器官が働かなくなり糖尿病を発症した。

 この過程に関与するさまざまな物質の構造から、胃潰瘍の薬テプレノン(商品名セルベックス)が有効と考え、2週間投与するとインスリンの分泌量が正常なマウスとほぼ同じになった。

 広川教授は「KIF12は人にもある。テプレノンが、糖尿病の治療薬や予防薬として使えるか調べると同時に、明らかになった仕組みを活用し、より効果のある薬剤を製薬会社と協力して開発していきたい」と話す。【田中泰義】

検査時に疑い患者公表 指定医療機関は全県整備へ エボラ熱で政府対応

共同通信社 2014年11月5日(水) 配信

 エボラ出血熱の感染が疑われる患者の公表方法について、厚生労働省と国土交通省は4日、ウイルスの検査をするために医療機関から国立感染症研究所に血液などの検体を搬送する時点で一定の患者情報や航空便名などを公表すると明らかにした。

 公表内容は、患者の年代、性別、滞在国、症状、滞在国での患者との接触歴、居住地の都道府県名、外国人の場合は国籍。患者が搭乗していた航空機の便名や乗客、乗員数も公表する。

 10月末にリベリアに滞在歴のある40代男性の疑い例があり、公表方法について検討していた。厚労省はこれまで検査で感染が確定するまでは公表しない方針だったが、「無用の心配や混乱を避けるため」と方法を変更した。

 航空機に同乗した乗客向けに専用の問い合わせ電話を設置し、番号を公表する。「同乗した乗客の感染リスクは極めて低い」など、国民向けのメッセージも併せて発表するという。

 また、塩崎恭久厚労相は4日の参院予算委員会で、エボラ出血熱の患者を受け入れる第1種感染症指定医療機関が9県で未整備であることについて「全県設置に向けて、自治体と調整を前向きにしていかないといけない」と述べ、全都道府県での早期整備を目指す考えを明らかにした。

 エボラ熱など1類感染症の患者の治療に当たる医療機関は、廃棄物の滅菌設備や病原体を外部に出さないための特別な排気、排水装置を備えていることなどが必要で、都道府県が指定する。

 現在、青森、秋田、宮城、石川、香川、愛媛、大分、宮崎、鹿児島の9県で未整備。このうち、青森、宮城、大分などで整備の動きがある。

 指定医療機関がない県でエボラ熱の疑い患者が発生した場合は、近隣都道府県の指定医療機関に搬送する対応が求められ、厚労省は対応の流れを再確認するよう都道府県に通知している。

患者経過の判断に支障 ウイルス取り扱い施設なく 「表層深層」エボラ出血熱

共同通信社 2014年11月5日(水) 配信

 西アフリカでのエボラ出血熱の流行は終息が見通せず、10月には疑い患者が羽田空港で見つかるなど、日本上陸の懸念も高まっている。患者は国内45の指定医療機関で治療を受けることになる。しかし現在、国内ではエボラウイルスを含む血液検体を扱い、検査する施設が動いていない。ひとたび感染が確定すると、患者の経過把握や退院の判断に支障が出かねない事態となっている。

 ▽地元の懸念

 ウイルスや細菌などの病原体を扱う施設は、病原体が引き起こす病気の重篤さや治療法の有無に応じて1~4のバイオセーフティーレベル(BSL)に分類されている。エボラウイルスは最も危険なレベル4だが、国内にはレベル3までに対応する施設しかない。

 国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)にはレベル4施設が1981年に建設されたが、稼働させていない。国内になかった危険なウイルスを持ち込むことに対する地元の反対が背景の一つとされる。市は「建設時に説明がなく、報道で危険な病原体を扱うと分かった。これまで20回以上、実験停止や移転を要請した」とも説明する。

 しかしエボラ熱の流行が未曽有の規模となった今回、施設が動かないことで「侵入したウイルス」への対処が十分にできない問題が浮かんだ。

 ▽治療の条件

 感染研の西條政幸(さいじょう・まさゆき)ウイルス第1部長は「エボラウイルスの遺伝子の検出やウイルスを分離する検査は今でも、診断が確定するまでならできる」と指摘する。だが、診断後は明らかにウイルスが含まれた血液検体を扱うことになるため「(治療薬候補の)アビガンを使って体内のウイルスの増減を調べたり、退院の判断のため体液にウイルスが出ているか調べたりするのは難しい」と話す。

 「確定患者の検体が来れば、容器を開ける段階からレベル4施設で行うべきだ」と厚労省の担当者も認める。10月に開かれた専門家会議は「効果が期待される未承認薬の使用も許容される」としたが、「治療データを集め、世界と共有すべきだ」と条件を付けた。情報発信のためにもレベル4施設は必須との認識だ。

 「万全の対応をするのに不可欠な施設。地元の同意は稼働の要件ではない」と厚労省の関係者は指摘し、患者が確認された際の緊急対応も想定する。一方「不安に思う人がいるのも現実。説明の努力は続ける」と話す。

 理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県)にもレベル4施設があるが、稼働していない。

 ▽新設の動きも

 新設を目指す動きもある。長崎大は治療薬やワクチンの開発、ウイルスの性質を調べるなど研究が主目的の施設を造り、2020年ごろには稼働させたい考え。世界的には約20カ国・地域に40施設以上あり、日本の研究者も使ってきたが、バイオテロ対策が厳しくなり、外国人の利用が制限されてきたことにも危機感を募らせる。

 長崎大熱帯医学研究所の森田公一(もりた・こういち)所長は「3年前から住民と話し合いをしている。公開講座も30回以上開いた」と紹介。「安全のための施設だ。排水は滅菌する、排気はフィルターを通すなど、説明を重ねてきた。リスクは限りなくゼロに近づけられる」と主張する。

 反対もある。同僚らと片峰茂(かたみね・しげる)学長への公開質問状を出した勝俣隆(かつまた・たかし)教授(古典文学)は「予想外のことは起こり得る。致死率が高く対処法もないウイルスをあえて国内に入れ研究する必要はない」と主張。署名を集め、行政に働きかけるという。

 ※バイオセーフティーレベル(BSL)

 細菌やウイルスなど病原体の危険性に応じた実験施設の分類。扱う病原体が起こす病気の深刻さや感染の広がりやすさ、予防や治療の方法があるかを考慮し、病気を起こす可能性がほぼないレベル1から、重い病気の原因となり、治療も確立していないレベル4までに分けている。取り扱う研究者らの安全を確保し、病原体が外部へ漏れるのを防ぐために実験施設が取るべき対策はレベルに応じて厳重になる。各国は世界保健機関(WHO)の指針を参考に施設運営のルールを整備、日本では感染症法などに基づいた規制がある。

肝臓がん 日本人特有変異 遺伝子解析で判明 国立がんセンターなど

毎日新聞社 2014年11月4日(火) 配信

肝臓がん:日本人特有変異 遺伝子解析で判明--国立がんセンターなど

 日本人の肝臓がんの患者だけに特徴的な遺伝子の変異があることを、国立がん研究センター、東京大などの研究チームが、患者らの遺伝子解析から見つけた。チームは「日本人だけが持つ新たな発がん要因の解明に役立てたい」と説明している。2日付の米科学誌(電子版)に掲載された。

 研究は日米共同で実施され、肝臓がんの9割を占める「肝細胞がん」の患者のがん組織を調べた。対象は日本人414人▽欧米人103人▽米国在住アジア人38人――など計608人。解析の結果、加齢による遺伝子の変異は共通して見られたが、日本人には、この他に特徴的な変異のパターンがあった。

 一般に肝臓がんの原因は、B型・C型肝炎ウイルスへの感染が多いとされるが、ウイルスが関係しない非ウイルス性のがんも増えている。見つかった日本人特有の遺伝子の変異はウイルス感染とは関係なく、いずれの患者にも見られ、新たな治療法の開発に役立つ可能性があるという。

 国立がん研究センターの柴田龍弘・分野長(がんゲノミクス研究分野)は「患者の食事など生活環境のデータと合わせれば、日本人の肝臓がんの新たな原因が分かるかもしれない」と話す。【下桐実雅子】

エボラ熱死者4951人 WHOが最新集計

共同通信社 2014年11月4日(火) 配信

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は10月31日、西アフリカを中心に流行するエボラ出血熱の感染者(疑い例を含む)が29日までに8カ国で1万3567人に達し、うち4951人が死亡したとの最新の集計を発表した。

 29日発表の前回集計より死者が31人増えたが、感染者は136人減っている。ギニアでの疑い例からエボラ熱と関係がないものを除外する作業を行ったためという。前回集計で死者数が下方修正されたリベリアについては、今回の集計で死者数の増減がなかった。

 国別の死者はリベリア2413人、シエラレオネ1510人、ギニア1018人、ナイジェリア8人、米国1人、マリ1人。

 医療従事者計523人が感染し、うち269人が死亡した。

 セネガルとナイジェリアでは流行が終息したが、リベリア、シエラレオネ、ギニアの3カ国では依然として終息の見通しが立っていない。

デング熱ワクチンが効果 仏、来年にも実用化

共同通信社 2014年11月4日(火) 配信

 【パリ共同】フランスの製薬会社サノフィは3日、デング熱に対する世界初のワクチンの効果が臨床試験で確認されたと発表した。来年後半にも実用化するとしている。

 臨床試験は感染が広がっているアジアと中南米の10カ国で、約3万1千人を対象に実施。重症化して入院するリスクが80・3%減少したという。

 サノフィは過去20年間デング熱のワクチン開発に取り組んできた。

 デング熱はもともと熱帯に多い感染症だったが、日本でもことし8月に約70年ぶりに国内で感染した患者が確認されるなど感染地域が拡大している。有効な抗ウイルス薬やワクチンはなく対症療法が基本とされてきた。

外出禁止は「非合理的」 米看護師隔離で裁判所

共同通信社 2014年11月4日(火) 配信

 【ニューヨーク共同】米東部メーン州の裁判所は10月31日、エボラ出血熱の感染防止を理由に女性看護師ケイシ・ヒコックスさん(33)を自宅から外出禁止にするのは「非合理的」とする判断を示した。ヒコックスさんが州の指示を無視して30日に外出したため、州は外出を禁止する裁判所の命令を求めていた。

 感染症の拡大防止という公共の利益と個人の自由をめぐり続いた議論は一つの結論をみた。エボラ熱患者と接触した医療関係者を21日間強制隔離する措置を最初に導入した東部ニューヨーク州などの今後の方針にも影響しそうだ。

 西アフリカでエボラ熱の医療活動に当たったヒコックスさんは検査で陰性を示し、発熱などの症状もない。裁判所は「(隔離しなくても)人々は恐れを感じずに行動できるし、恐れ自体が合理的ではない」と断じた。毎日の健康チェックは命じた。

 ヒコックスさんは記者団に「いい日です。(ボーイフレンドに)お気に入りの日本食をつくってもらう」と語った。メーン州のルパージュ州知事は「裁判所の判断は残念」と述べたが、決定に従う考えを表明した。

エボラ出血熱 「他人から1メートル離れよ」 米州地裁、看護師隔離せず制限

毎日新聞社 2014年11月1日(土) 配信

エボラ出血熱:「他人から1メートル離れよ」 米州地裁、看護師隔離せず制限

 【ワシントン及川正也】米北東部メーン州オーガスタの裁判所は31日までに、西アフリカでエボラ出血熱患者を治療して帰国した女性看護師、ケーシー・ヒコックスさん(33)に対し、人が集まる場所への立ち入り禁止など外出を制限するよう求める暫定的な命令を出した。州がヒコックスさんに要請していた「自宅隔離」は求めていない。ヒコックスさん側の対応を待ち、同日中に新たな命令を出すという。AP通信などが伝えた。

 米メディアが伝えた命令は(1)定期的な体温測定(2)旅行について州衛生当局の許可を得る(3)ショッピングセンターなど人が集まる場所への立ち入り禁止(4)外出する場合は他人の1メートル以内に近づかない――など。強制的な「自宅隔離」は命じていない。エボラ熱の潜伏期間は21日で、ヒコックスさんの場合は11月10日までという。

 ヒコックスさんは10月24日にシエラレオネから帰国した際にニュージャージー州で隔離された。陰性と判明した後、27日に自宅のあるメーン州に戻ったが、同州から「自宅隔離」を要請されていた。

 裁判所の命令内容は、エボラ熱感染流行国で治療に携わった医療従事者に関する米疾病対策センター(CDC)の統一指針を準用したもの。ただ、感染の兆候がない場合の外出の制限は「特定の所見」が認められる場合に限られ、ヒコックスさん側の反発も予想される。

エボラ熱防護服で新指針 WHO

共同通信社 2014年11月4日(火) 配信

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は31日、エボラ出血熱の治療の際に医療従事者らが着用する防護服についての新たな指針を発表、手袋を重ねて着用するなど感染防止に向けた対策を強化するよう求めた。

 指針は、頭や首を露出しないタイプの防護服を着用することなども新たに求めている。

 エボラ熱の防護服をめぐっては、米テキサス州ダラスの病院で女性看護師が相次いで感染したのを受け、米疾病対策センター(CDC)も20日、肌が露出しないタイプの防護服を着用するよう求める新たな指針を発表している。

エボラ熱封じ込め、要員不足 WHO・フクダ事務局長補インタビュー

朝日新聞 2014年11月2日(日) 配信

 世界保健機関(WHO)のケイジ・フクダ事務局長補が10月31日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。西アフリカで大流行しているエボラ出血熱対策について「封じ込めるにはたくさんの要員が必要。だが、(要員確保が)とても難しい」と現状を述べた。現地で必要な人材について「医療従事者だけではなく、(統計など)データを扱う要員、(流行の)監視を補助する要員、輸送を担う人などすべてに及ぶ」と指摘した。

 WHOは31日、エボラ出血熱について、疑い例も含む感染者数が1万3567人、死者数が4951人になったと発表している。フクダ氏は、4月の時点で、封じ込めにかかる期間の目安として「4カ月」という数字を挙げていたが、いまも感染の拡大が止まらない状況だ。このことについて、「(状況の)評価は常に変わる。なぜなら、(感染症の大流行では)多くの予期できないことがあるからだ」と説明した。

 また、今回のエボラ出血熱の特徴として、感染者数や死者数といった実際の数字以上に、社会・経済に影響を与えている点に言及。「感染症は世界中に『恐怖』を生み出し、国内政治状況も変えうる」との見方を示した。「恐怖の根本は人々が『本当に知らない』ということだ」とし、「恐怖」を乗り越えるために「人々とコミュニケーションを重ね、情報を提供する。(専門家である)私たちが、同じ質問にも何度でも答えていかなくてはならない」と強調した。

 (ジュネーブ=松尾一郎、浜田陽太郎)

エボラ熱の医療従事者「差別しないで」 国際赤十字

朝日新聞 2014年11月1日(土) 配信

 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は10月31日、西アフリカで大流行中のエボラ出血熱の対策に関連して、「エボラ出血熱の感染国から戻ってきた医療従事者が、差別なく尊敬をもって扱われることを保障するように強く求める」との声明を出した。

 背景には、米国の一部の州が西アフリカの感染国でエボラ患者と接触した人の隔離を義務づけたことなどがある。IFRCは、医療従事者に対して「科学的知見に基づかない隔離を含む差別」が、医療従事者の確保を難しくし、さらなる感染拡大につながりえると主張している。

 この問題ではオバマ米大統領も10月26日、「(現地で治療に当たる)医療従事者のやる気をそがないよう工夫すべきだ」と述べていた。(ジュネーブ=松尾一郎)

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