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医療情報103

医療情報102
20141217~

(地球24時)エボラ、英で感染確認

朝日新聞 2014年12月31日(水) 配信

 英スコットランド自治政府は29日、西アフリカでエボラ出血熱の治療に当たった医療従事者の感染を発表した。英BBCによると患者は女性で、英国内での感染確認は初めて。

 発表によると、この女性は28日午後、同僚らとシエラレオネからモロッコのカサブランカ経由で空路、ロンドンに到着。国内便を乗り継いでスコットランドのグラスゴーに着いた。その後、体調を崩したことから翌29日朝、グラスゴーの病院で隔離され、検査を受けていた。現在、接触者の確認作業が続いているが、英公衆衛生当局は国内での感染拡大のリスクを「とても低い」としている。

 世界保健機関の29日の発表によると、シエラレオネとリベリア、ギニアの3カ国での感染者は疑い例も含めて2万81人で、死者は7842人。

 (ジュネーブ)

発熱の都内男性、エボラ検査陰性 西アフリカから帰国

朝日新聞 2014年12月30日(火) 配信

 厚生労働省は29日、西アフリカのシエラレオネから帰国した東京都在住の30代の日本人男性の血液などを調べた結果、エボラウイルスが検出されなかったと発表した。この日未明に男性が発熱したと訴えたため、国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)で検査していた。男性は国立国際医療研究センター(東京都新宿区)に入院し、急性副鼻腔(ふくびくう)炎と診断された。

 厚労省によると、男性は12月21日までの8日間、シエラレオネに滞在し、23日に成田空港から帰国。検疫所で滞在歴を申告し、毎日朝夕2回健康状態を報告する「健康監視」の対象だった。自治体から外出自粛を要請され、帰国後は自宅にいたという。

 男性は29日未明に38・2度の発熱があったため、地元の保健所に連絡。午前中に国立国際医療研究センターに運ばれ、その後、平熱まで下がったという。男性はシエラレオネで17日にエボラ出血熱患者の埋葬に立ち会ったという。遺体が入った袋に素手で触れたが、患者に直接接触したことはないと説明しているという。

エボラ熱感染者、2万人超す 死者7千人超 WHO発表

朝日新聞 2014年12月30日(火) 配信

 世界保健機関(WHO)は29日、西アフリカのシエラレオネとリベリア、ギニアで、エボラ出血熱の感染者(疑い例も含む)が2万人を超えた、と発表した。これら3カ国での感染者は2万81人で、死者は7842人。

 国別では、シエラレオネが感染者9409人、死者2732人。リベリアが感染者7977人、死者3413人。ギニアが感染者2695人、死者1697人。

 これら以外の国でデータの更新があったマリは感染者8人、死者6人で変わらなかった。

 データ更新がなかった国々では、米国が感染者4人で死者1人、ナイジェリアが感染者20人で死者8人、スペインおよびセネガルがそれぞれ感染者1人と、これまで発表されている。(ジュネーブ=松尾一郎)

STAP細胞:11カ月、夢は幻 ES灰色「証拠ない」

毎日新聞社 2014年12月26日(金) 配信

STAP細胞:11カ月、夢は幻 ES灰色「証拠ない」

 新たな万能細胞として大々的に発表されたSTAP細胞の論文は、公表から約11カ月を経てほぼ全面的に否定された。理化学研究所の調査委員会は、STAP細胞は既知の万能細胞「ES細胞(胚性幹細胞)」由来とほぼ断定したが、混入の経緯は不明のままの幕引きとなった。委員長の桂勲・国立遺伝学研究所長は「証拠がなく、(混入が)過失か故意かを断定できないので、不正とは認定できない」と、一連の調査の限界を口にした。【大場あい、千葉紀和、清水健二】

 東京都千代田区で開かれた記者会見では、調査委員7人全員が登壇し、3カ月余りに及んだ調査の結果を報告。桂氏は「STAP細胞がなかったということは、科学的検証からほぼ確実だ」とはっきりとした口調で述べた。

 だが、ES細胞を誰が混入したのかの特定には至らなかった。調査委は、論文著者の小保方(おぼかた)晴子氏(31)がSTAP細胞作製時に所属していた研究室の見取り図を示しながら、混入可能な経路や鍵の取り扱いなどについても説明。無人になる時間帯も多く、誰でも混入は可能だったと結論づけた。

 「関係者に『ES細胞を混入したか』とぶしつけな質問をしたが、全員否定した。誰が混入したかが分からなければ、故意か過失かも決められない。科学者として証拠がないとしか言えない」と、桂氏は唇をかんだ。桂氏によると、小保方氏本人は混入の可能性を認めたが、「私が混入させたことは絶対にない」と答えたという。小保方氏は4月の記者会見では「混入が起こり得ない状況を確保していた」と主張していた。

 一方、今回新たに認定された画像2点の捏造(ねつぞう)について、小保方氏は意図的に行ったことを認めたという。捏造が認定された図の一つは、増殖した細胞の数を点で示したものだったが、「すべての細胞を数えたわけではない」と答えたという。

 結果的に「おかしなことがいっぱいあるのに、(論文が)非常に優れた研究者の目を通って表に出てしまった」(桂氏)要因について、桂氏は、小保方氏が所属していた若山照彦・山梨大教授の研究室の問題を強調。「生命科学の研究者は普通論文の元データをチェックするのに、若山研ではしなかった」と批判した。

 一方で「特殊な研究室で起こったことではなく、どこの研究室でも起こりえる」とも指摘した。「倫理教育も捏造改ざん盗用についての教育ではなく、広い観点から責任ある行為を身につけるものでなければならない。自然の謎を解く喜びと、社会的責任を果たすという科学者の基本を忘れてはならない」と訴えた。

 STAP細胞問題を巡っては、理研の調査委員会がいったん画像データの不正を認定した後、改めて別の疑義についての調査委ができるという異例の経過をたどった。調査委報告後の記者会見で、理研の川合真紀理事は「ここまでの事実が最初から予想されていたかというとそうではない」と弁明。「調査委のミッションはその都度決めている。(二つの調査委)合わせて全貌が解明された」と、対応が適切だったとの見解を強調した。

STAP細胞:論文すべて否定 小保方氏データ操作 理研調査委

毎日新聞社 2014年12月26日(金) 配信

STAP細胞:論文すべて否定 小保方氏データ操作 理研調査委

 STAP細胞論文を巡る問題で、理化学研究所の調査委員会(委員長、桂勲・国立遺伝学研究所長)は26日、最終報告書を発表した。論文でSTAP細胞由来とされた細胞は、既存の万能細胞であるES細胞(胚性幹細胞)だったとし、「STAP論文は、ほぼすべて否定された」と結論付けた。一方、ES細胞の混入については「誰かが故意に混入させた疑いをぬぐえない」としたが、故意か過失か、誰が行ったかは決定できなかった。また、新たに2件の図表で著者の小保方(おぼかた)晴子・元理研研究員(31)による捏造(ねつぞう)を認定した。

 STAP細胞の有無を確かめる理研の検証実験では、小保方氏本人を含め作製できなかったが、調査委も「STAP細胞がなかったことはほぼ確実」との見方を示した。

 理研の最初の調査委は3月、論文2本のうち主論文の画像2件で小保方氏の不正を認定。両論文は7月に撤回されたが新たな疑義が多数残り、理研が外部有識者7人で構成する別の調査委を9月に設置。15回の会合を開き、小保方氏や共著者の若山照彦・山梨大教授の研究室などに残っていた細胞などを詳しく調べた。

 STAP細胞を無限に増えるように変化させた複数の幹細胞の遺伝子解析をした結果、理研で作製されたES細胞と99%以上一致した。さらに、論文中で万能性を証明する根拠となったマウスや良性腫瘍なども、ES細胞による実験で作られた可能性が非常に高いと指摘した。ES細胞では作れないとされる論文中の胎盤の画像についても、「胎盤であるという証明はない」(桂委員長)と否定した。

 調査委は、ES細胞を混入させる機会があったとみられる全関係者に聴取したが、いずれも関与を否定し、小保方氏も「私がES細胞を混入させたことは絶対ない」と答えたという。

 新たに小保方氏による捏造と認定されたのは、主論文中の細胞の増殖率を比較するグラフと、遺伝子の働き方が変わる現象を示す図。さらに小保方氏が担当した実験では基になるデータがほとんど存在せず、「研究の基盤が崩壊している」と指摘した。不正認定された図表は「氷山の一角」に過ぎないとした。調査委によると、小保方氏は1点の捏造について「(共著者に)もとのデータでは使えないと言われ、操作した」との趣旨の発言をしたという。

 調査委は、不正の背景について、若山氏の「過剰な期待」があったと分析。データの正当性を検証しなかった若山氏が「捏造を誘発した」として、過失責任は極めて重大とした。また、論文のまとめ役となった笹井芳樹・元理研発生・再生科学総合研究センター副センター長は8月に死亡したため調査対象としなかったが、「明らかに怪しいデータを追及する実験を怠った」責任は特に大きいと判断した。

 理研は今回の調査結果を受け、手続きが止まっていた懲戒委員会を再開させ、処分について検討する。記者会見した有信睦弘(ありのぶむつひろ)・理研理事は「調査は尽くしたので、これ以上やるつもりはない。研究費返還を求めるかどうかは決めていない」と述べた。小保方氏は11月末までの検証実験でSTAP細胞を作製できず、今月21日に理研を退職した。理研は小保方氏と連絡が取れておらず、報告書を渡していないという。【八田浩輔】

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 ■解説

 ◇後手の対応、真相闇に

 26日公表されたSTAP細胞論文を巡る調査委員会の報告書は、「新たな万能細胞を発見した」という論文の根拠となる図表類のほとんどに裏付けとなるデータがないことを明らかにした。既存の万能細胞「ES細胞(胚性幹細胞)」の混入が複数の試料に及び、故意の疑いがぬぐえないとされたことから、研究不正の深刻さは一層深まった。

 理化学研究所が設置した最初の調査委は今年3月、対象を6件に絞って調査を終えたが、6月には、共著者の若山照彦・山梨大教授の研究室に残された試料の一部や公開されていた遺伝子データの解析で、ES細胞の混入を強く示唆する結果が明らかになった。さらに主要著者が所属した理研発生・再生科学総合研究センター(当時)の有志による調査でも、論文の多くの図表類に疑義が指摘された。しかし、理研は論文の徹底的な調査を先送りにし、問題解決を長期化させた。

 この間、論文の責任著者の一人、笹井芳樹氏が自殺し、研究の中心にいた小保方(おぼかた)晴子氏は説明責任を果たさないまま退職した。結局、「ES細胞がなぜ混入したのか」や、多くの研究者がかかわる論文で不正が見過ごされた経緯など、不正の真相は今回の調査でも明らかにはならなかった。強制力のない研究不正調査に限界があることは確かだが、理研の対応の遅れが解明をより困難にした可能性は否めない。

 論文のずさんさに加え、若手研究者の教育問題▽著者間のコミュニケーションの欠如▽研究資金配分を巡る過度な競争▽研究機関の研究不正対応のまずさ――など、多くの課題が明らかになったSTAP問題。どのような教訓をくみ取り、失われた信頼を取り戻すか。科学界に突きつけられた課題も重い。【須田桃子】

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 ◇理研調査委の報告書 骨子

・STAP細胞が万能性を持つ証拠となる細胞、組織、マウスは、すべてES細胞からできていた。論文の主な結論が否定された

・ES細胞の混入は誰かが故意にした疑いをぬぐえないが、混入が故意か過失か、誰が行ったかは決定できなかった

・新たに二つの図表を小保方氏の捏造と認定。それ以外の図表も、基になるオリジナルデータや実験記録がほとんど存在しない

・若山氏ら共著者の不正行為は認定されなかったが、共著者には怪しいデータを見逃し、確認を怠った責任がある

 ■理研調査委メンバー

桂勲・国立遺伝学研究所長=委員長▽五十嵐和彦・東北大教授▽伊藤武彦・東京工業大教授▽大森一志弁護士▽久保田健夫・山梨大教授▽五木田(ごきた)彬弁護士▽米川博通・東京都医学総合研究所シニア研究員

日本帰国の男性がエボラ疑い シエラレオネで遺体袋接触

朝日新聞 2014年12月29日(月) 配信

 厚生労働省は29日、西アフリカのシエラレオネから23日に帰国した東京都在住の30代の日本人男性に発熱の症状があり、エボラ出血熱に感染した可能性があると発表した。男性はすでに国立国際医療研究センター(東京都新宿区)に入院しており、血液などを国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)に運び、感染確認検査をする。

 厚労省によると、男性は12月21日までの8日間、シエラレオネに滞在し、23日に帰国。29日未明に38・2度の発熱があり、明け方には37・2度だった。外出を自粛し毎日朝夕2回健康状態を報告するよう、検疫所などから求められており、帰国後に自宅から外出していないという。

 男性はシエラレオネで「エボラ出血熱患者との直接的な接触はないが、エボラ出血熱患者の埋葬に立ち会い、遺体が入った袋に触れた」と説明しているという。

心不全の兆候、息吹きかけるだけで診断 国循が開発着手

朝日新聞 2014年12月26日(金) 配信

 息を吹きかけるだけで、心不全の兆候をとらえよう――。将来の診断法を開発するため、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の研究チームは心不全患者の呼気に含まれる成分の解析を始めた。痛みを伴う血液検査を減らし、気軽に受けられる診断法の開発をめざす。

 研究チームの菅野康夫医師(心臓血管内科)によると、呼気を利用した検査はピロリ菌の有無判定などがあるが、ほかの病気との関連はほとんどわかっていないのが現状だという。

 菅野さんらは呼気には1800種類以上のガス成分が含まれることに着目。心不全などを起こして代謝に異常が起きると、低酸素状態になるなどして呼気中に含まれるガス成分の濃度が変わる可能性があると想定。診断の目印にできるかどうかを調べることにした。

 研究は国循に入院している心筋梗塞(こうそく)など心不全患者を対象に、2年間で計200人を調べる。呼気中にわずかに含まれるアセトンや一酸化窒素、硫化水素などの濃度を定期的に測り、血液検査の値や、症状の変化などとの関連性を解析する。

 菅野さんは「心不全患者では呼気のアセトン濃度が高いという海外の論文もある。ただ確立した説ではなく未知の部分が多いが、呼気測定が利用できるかどうか探っていきたい」と話している。(野中良祐)

歩行機能、ロボットスーツで改善治療 東大病院が計画

朝日新聞 2014年12月27日(土) 配信

 「着るロボット」として知られるロボットスーツ「HAL(ハル)」を使い、脊髄(せきずい)損傷などで歩行が困難な人の機能を改善する治療を東京大医学部付属病院(東京都文京区)が計画している。地域限定で規制を緩める国家戦略特区の制度を使い、医療機器としての申請から治療実施までの手続きをスピードアップする。「早ければ2015年夏ごろまでに実施したい」という。

 HALは、筑波大発のベンチャー企業サイバーダインが開発・製造している。筋肉を動かそうとする際に生じる「生体電位信号」をセンサーで皮膚から読み取り、関節部のモーターを動かす。装着した人と一体になって動き、歩行などの動作を支援する。

 脳卒中の後遺症などで歩行が困難な人が繰り返し装着すると、脳から手足に通じる神経が強化・再構築され、機能の改善に役立つことが分かっている。欧州で昨年、医療機器として認められ、ドイツでは脊髄損傷患者に使われ始めている。

 国内ではこれまで「福祉用」との位置づけで、歩行トレーニングに使われてきた。東京圏の国家戦略特区は、欧米などで承認済みの医薬品や医療機器の手続きの迅速化を掲げており、この制度を使って早期の医療応用を目指すことにした。この場合、HALを使う治療と保険診療の併用が認められる見通しだ。

 今年度内をめどに正式な医療機器としての国への申請手続きも予定されている。HALは国内と欧州の約170施設で約450台が稼働している。(山本智之)

野菜多く食べる男性、胃がんリスク低下

読売新聞 2014年12月27日(土) 配信

「抗酸化」影響か

 野菜を多く食べる男性は、少ない男性よりも、日本人に多い下部胃がんを発症する割合が低いという調査結果を、国立がん研究センターが発表した。

 生活習慣とがん発症の関連などについて1988年から追跡している四つの大規模調査の参加者約19万人を分析。野菜や果物を食べる量で5グループに分け、それぞれ胃がん発症の危険性を比べた。

 平均11年間の追跡期間中に2995人が胃がんになり、野菜も果物も最も多く取ったグループで発症の危険性が低下する傾向があった。一方、がんの部位別に分析できる約15万人について調べると、胃の上部3分の1に発症したのは258人、その下の部分に発症したのは1412人で、下部胃がんについては、野菜を最も多く取った男性は、最も少なかった男性に比べ、発症の危険性が78%に下がった。男性より野菜を多く取る女性については差が見られなかった。

花粉症、食べて緩和? 慈恵医大など研究 成分含んだコメ、免疫反応を抑制

朝日新聞 2014年12月28日(日) 配信

 スギ花粉の成分を含ませたコメを毎日食べると、花粉症を起こす体の免疫反応が抑えられた、とする研究を東京慈恵会医科大などがまとめた。免疫細胞が少しずつ花粉に慣れ、花粉を「異物」と認識しなくなった可能性があるという。研究チームは、コメから抽出した成分を薬として実用化することを目指している。

 このコメは農業生物資源研究所や日本製紙、サタケが遺伝子組み換え技術を使って開発した「花粉症緩和米」。慈恵医大の斎藤三郎・分子免疫学研究部長らは昨年12月から今年5月まで、花粉症患者30人を対象に効果を調べた。

 この結果、緩和米80グラムを毎日食べた人は花粉の飛散が始まってもスギ花粉に反応する免疫細胞がほとんど増えなかったのに対し、普通のコメを食べた人は、研究開始時に比べ3~4倍に増えていた。副作用は特になかった。

 アレルギーの原因となる物質を少しずつとり、体を慣れさせて体質改善を目指す治療法は減感作療法と呼ばれる。スギ花粉を原料とする薬も発売されている。

 農業生物資源研究所ではさらに効果を高めた「花粉症治療米」を開発した。コメのままでは安定して保管しにくく、薬局にも置きにくいことなどから、研究チームは、この米を原料にした花粉症の薬の開発を目指している。高野誠・遺伝子組換え研究センター長は「来年度にも治験を始めたい」と話す。

 国立病院機構相模原病院の海老沢元宏アレルギー性疾患研究部長は「血液中の免疫細胞の増殖が抑えられても症状が抑えられるかどうかはわからず、この点の検証が必要だ」と話している。

 (岡崎明子)

インフルエンザ:97人が院内感染、患者2人死亡、静岡の病院

毎日新聞社 2014年12月27日(土) 配信

インフルエンザ:97人が院内感染 静岡の病院、患者2人死亡 /静岡

 静岡済生会総合病院(静岡市駿河区)は26日、患者35人、職員62人が院内でインフルエンザに集団感染したと発表した。このうち肺炎で入院中の70代男性と80代女性の2人が感染後に死亡しており、病院は「インフルエンザ感染が影響した」と説明している。

 23日に職員の感染が確認され、その後、患者も含めて感染者が増えたため、25日に市保健所に報告した。ほとんどの発症者がインフルエンザA型だった。

 来院者や面会者らから広がったとみられ、感染者が多かったフロアは新規入院を中止し、患者隔離や面会制限などを行っている。

 県庁で記者会見を開いた石山純三院長は「誠に申し訳ない。感染が広がった経緯を検証していきたい」と述べた。【平塚雄太】

精子や卵子の元を作製 ES、iPS細胞から

共同通信社 2014年12月26日(金) 配信

 精子や卵子の元である「始原生殖細胞」とみられる細胞を、人間の胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)から効率的に作製できたと、英ケンブリッジ大とイスラエルのワイツマン科学研究所のチームが25日、米科学誌セル電子版に発表した。

 マウスでは既に京都大チームが作製。正常な精子や卵子を作ることにも成功している。一方、人間の始原生殖細胞を作ったとする報告はあるが、形成過程は十分に解明されていなかった。

 チームは、培養方法を工夫して作製した始原生殖細胞とみられる細胞を分析したところ、この細胞になる過程でSOX17という遺伝子が重要な働きを担っており、働く遺伝子がマウスと違っていることを突き止めたという。

 精子や卵子の作製は今後の課題となる。日本では、できた精子や卵子を受精させる研究は指針で禁じられているが、解禁の是非が政府の生命倫理専門調査会で議論されている。こうした研究は、生殖細胞に原因がある病気の診断法開発などに貢献するとの期待がある。

来春の花粉、関東・東北などで多め…環境省予測

読売新聞 2014年12月26日(金) 配信

 環境省は25日、2015年春のスギとヒノキの花粉飛散予測を発表した。

 例年に比べて、関東、東北、東海、中国地方で多く、甲信、北陸地方は同程度、近畿、四国、九州地方では少ないとみている。

 同省によると、スギの雄花は飛散量が少なかった年の夏以降に、多くつくられる傾向がある。関東や東北地方などでは、14年春の飛散量が少なかった反動などで、15年春は前年に比べてかなり多くなると予測。逆に14年春に大量飛散した四国、九州地方では少なくなるという。

 スギ花粉の飛散時期は、全国的にほぼ例年並みと予測している。

甲状腺がん、新たに4人疑い 福島県「被曝の影響考えにくい」

朝日新聞 2014年12月26日(金) 配信

 福島県は25日、東京電力福島第一原発事故の被曝(ひばく)による影響を調べる甲状腺検査で、4月から実施している2巡目の検査で4人が甲状腺がんの疑いがあると診断されたと発表した。4人は事故後1年目に受けた1巡目の検査では異常がないと判定されていた。

 甲状腺検査は事故当時18歳以下の全県民が対象で、今年3月末で1巡目が終わっている。10月末現在の1巡目の結果も発表された。結果の出た受診者29万6253人のうち、109人ががんやがんの疑いがあると判定され、84人が手術でがんと確定診断された。

 2巡目は10月末までに約6万500人の結果がまとまった。がんの疑いと判定された4人は事故当時6~17歳で、腫瘍(しゅよう)の大きさは7・0~17・3ミリだった。うち2人は1巡目は何もなく、残り2人は1巡目で5ミリ以下の結節(しこり)などがあった。

 県は、チェルノブイリ原発事故で甲状腺がんが増えたのは3~4年後からで、乳幼児が中心だったことなどから、1巡目で見つかった甲状腺がんは「被曝の影響とは考えにくい」とする。2巡目でがんの疑いとされた4人についても「断定的なことは言えないが、年齢分布も1巡目と変わらないことなどから、被曝の影響は考えにくい」との見方を示した。

 25日の県の検討委員会では、国立がん研究センターの津金昌一郎氏が「4人のがんは1巡目で見つからなかったなど複数の可能性がある。まだ2巡目の途中で結論は出せない。慎重に評価すべきだ」と述べた。

 県は、1巡目と2巡目以降の結果を比較し、被曝の影響の有無をみる計画だ。放射線の専門家の高村昇・長崎大教授から「できる限り甲状腺の被曝線量を推計し、被曝とがんとの相関関係を検討していく必要がある」との意見が出された。

 (大岩ゆり)

ヒト万能細胞から精子・卵子のもとを作製 英大学など

朝日新聞 2014年12月25日(木) 配信

 ヒトの万能細胞から、精子や卵子のもとになる「始原生殖細胞」を安定的につくることに成功したと、英ケンブリッジ大などのチームが24日付の米科学誌セル電子版に発表した。マウスでは京都大のチームがすでに成功しているが、ヒトでは安定してつくるのが難しかった。

 受精卵を壊してつくるES細胞と、体の細胞からつくったiPS細胞を万能細胞として使い、それぞれ始原生殖細胞に変化させた。これまでも作製に成功したとの報告例はあったが、今回の研究では、マウスと違って「SOX17」という遺伝子が重要な役割を果たすことを突き止め、安定的につくれるようになったという。

 この始原生殖細胞を精子や卵子に変えられるようになれば、精子や卵子ができる仕組みを詳しく調べることができるようになり、将来的には不妊の原因解明にも役立つ可能性がある。

 マウスではすでに京都大の斎藤通紀教授(細胞生物学)らが万能細胞から精子や卵子をつくって出産させるところまで成功している。ヒトの場合は技術的な難しさに加え、倫理的な問題も指摘され、万能細胞からつくった精子や卵子を受精させることは文部科学省の指針で禁じられている。

 斎藤教授は「今回は途中経過がわかるやり方で非常に初期の始原生殖細胞をつくっている。マウスとヒトとの違いを明らかにできたことは意義深い。今後はこの細胞が実際に精子や卵子になるか調べる研究が進むだろう」と話している。

インフルエンザワクチン、小児に効果大 流行のA香港型で6割

毎日新聞社 2014年12月25日(木) 配信

インフルエンザ:ワクチン、小児に効果大 流行のA香港型で6割

 この冬に流行中のA香港型インフルエンザについて、15歳以下の小児でワクチンの効果が予想以上に高いことが、慶応大の研究グループの調べで分かった。接種を受けた小児の約60%に発病を抑える効果が見られるという。グループ代表でけいゆう病院小児科の菅谷憲夫医師は「予想外の結果だ。未接種の人は早めにワクチン接種を受けてほしい」と呼び掛けている。

 グループは、11月中旬~12月中旬、関東を中心とした14医療機関の生後6カ月~15歳の受診者を分析。迅速診断でA型のインフルエンザ陽性だった109人のうち、67%に当たる73人がワクチン接種を受けていなかった。陰性の人の接種の有無の割合なども考慮し、統計学的にA型に対するワクチンの効果を60%と算出した。

 菅谷医師によると、ワクチン接種により、ウイルスを攻撃するヒトの抗体が、標的となるウイルスに対して幅広く効果を示すようになる。今季の流行の主流はワクチンの効果が低いとされるA香港型(H3N2)だが、ワクチンによって得られる抗体の効果が今回のウイルスに有効だと考えられるという。【藤野基文】

RSウイルスの患者増続く…4週連続で最悪更新

読売新聞 2014年12月24日(水) 配信

 乳幼児の重い肺炎や気管支炎の原因となるRSウイルスの流行の拡大が続き、国立感染症研究所は24日、1週間あたりの患者数が4週連続で過去最悪を更新した、と発表した。
 小児科のある全国約3000医療機関が報告した患者数は今月8~14日で8180人に達し、前週(12月1~7日)の6851人を大きく上回った。2003年の調査開始以降、初めて8000人を超えた。北海道、大阪、東京の患者数が多かった。

 RSウイルスは、感染者のせきやくしゃみなどの飛まつを吸い込んだり、付着した手で口や鼻に触れたりして感染する。2歳までにほぼ全ての子どもが感染するとされ、年長の子供や健康な大人の大半は、鼻水や軽い喉の痛みなど普通の風邪の症状で治まる。

中国でH5N6型感染 鳥インフル、世界で2人目

共同通信社 2014年12月25日(木) 配信

 【広州共同】中国広東省の地元メディアは24日、広州市の58歳の男性が鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)に感染したことが確認されたと報じた。同省衛生当局が23日に発表した。

 H5N6型は今年5月、四川省で49歳の男性の感染が世界で初めて確認されており、地元メディアによると今回が2人目だという。

 広州の男性は重体で入院している。専門家は偶発的な例で、人から人への感染は起きていないとしている。

免疫細胞「マスト細胞」のがん 糖たんぱく質変異体に異常

毎日新聞社 2014年12月25日(木) 配信

MEMO:免疫細胞「マスト細胞」のがん 糖たんぱく質変異体に異常

 免疫細胞の一種「マスト細胞(肥満細胞)」のがんでは、細胞増殖を促す糖たんぱく質の変異体が細胞内部の小器官の表面で異常に働いていることが分かった。東京理科大生命医科学研究所の小幡裕希助教や安部良所長らが英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。急性骨髄性白血病や肺がんなどでも同様の仕組みが見つかる可能性があり、新治療薬を開発する手掛かりになるという。

 マスト細胞は感染症などから身を守る役割がある。糖たんぱく質「Kit」は、通常はマスト細胞内の小器官で生み出されて細胞膜に浮上して細胞の増殖を促す。その後は細胞内で分解処理される。

 しかし、小幡助教らによると、マウスのマスト細胞の腫瘍で、Kitの変異体が分解処理されず、表面で働き続けていた。人間のマスト細胞白血病の場合も同じだった。この分解処理を進めるか、異常な移動を防げれば、新薬につながるという。

「データ改ざんなし」 認知症研究で第三者委 東大、研究者を厳重注意

共同通信社 2014年12月24日(水) 配信

 アルツハイマー病の大規模臨床研究(J―ADNI)で不適切なデータ管理があった問題で、弁護士らで構成する東京大の第三者委員会は22日、「組織的で不正な修正や改ざんがなされた事実は認められなかった」とする調査結果を公表した。

 一方で「研究開始にあたっての準備不足からデータチェック上の混乱などが生じた。管理体制を整える責任は一義的には研究代表者にあった」と指摘。東大は、主任研究者の岩坪威(いわつぼ・たけし)教授を口頭の厳重注意処分にした。

 調査報告書によると、参加施設のうち美原記念病院(群馬県)で14人の研究対象者から同意書を取得しないままに研究を始めていたほか、一部の研究者の判断で参加条件を満たさない対象者を例外的に組み入れる研究計画違反もあった。

 問題発覚後、予算が凍結され研究は停止していたが、厚生労働省は「来年以降の実施に向けては再発防止策を踏まえた適切な体制の整備が必要」としている。

 臨床研究は国内38施設の共同研究で、2007年に開始。軽度認知障害を含む約550人を登録し、アルツハイマー病発症に向かう過程で脳に起きる変化を画像などで検査していた。今年1月、不適切なデータ修正が行われたとの指摘が研究組織の内部から厚労省に寄せられ、東大は6月、「データに不適切な修正があったが、悪意のある改ざんとは断定できない」との内部調査結果を公表した。

「人食いバクテリア」患者263人…最悪に

読売新聞 2014年12月24日(水) 配信

 手足の壊死や意識障害を引き起こし、死に至る恐れもある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の今年の患者数が、12月中旬で263人となり、調査を始めた1999年以降最悪となった。

 国立感染症研究所は、激しい喉の痛みや手足の腫れなど、感染が疑われる症状があれば、医療機関を速やかに受診するよう呼びかけている。

 感染研によると、2010年までの患者数は多い年でも年100人前後だったが、12年以降は200人を超えている。今年は12月14日までで263人となり、最悪だった12年(242人)をすでに上回った。東京(41人)、神奈川(19人)、愛知(18人)が多い。

 子どもの咽頭炎やとびひを起こすA群溶連菌などが原因。喉などの粘膜や皮膚の傷口から感染するとされるが、どういう場合に劇症化するのかなど詳しいことはわかっていない。

 38度を超える発熱や傷口の激しい痛みや腫れなどの初期症状から急激に悪化し、数日以内にショック症状や多臓器不全などに陥ることがある。抗菌薬による早期治療が重要だが、昨年は20人が亡くなった。手足や顔などの筋膜組織が壊死することもあり、「人食いバクテリア」とも呼ばれる。

福島で甲状腺がん増加か 子ども4人、前回異常なし 放射線影響か慎重に確認

共同通信社 2014年12月24日(水) 配信

 福島県の全ての子どもを対象に東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べる甲状腺検査で、事故直後の1巡目の検査では「異常なし」とされた子ども4人が、4月から始まった2巡目の検査で甲状腺がんの疑いと診断されたことが23日、関係者への取材で分かった。25日に福島市で開かれる県の検討委員会で報告される。

 甲状腺がんと診断が確定すれば、原発事故後にがんの増加が確認された初のケースとなる。調査主体の福島県立医大は確定診断を急ぐとともに、放射線の影響かどうか慎重に見極める。

 1986年のチェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの甲状腺がんが急増した。このため県立医大は、事故から3年目までの1巡目の結果を、放射線の影響がない現状把握のための基礎データとしてとらえ、2巡目以降でがんが増えるかなどを比較し、放射線の影響を調べる計画。

 検査の対象は1巡目が事故当時18歳以下の約37万人で、2巡目は事故後1年間に生まれた子どもを加えた約38万5千人。それぞれ1次検査で超音波を使って甲状腺のしこりの大きさや形状などを調べ、程度の軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定し、BとCが血液や細胞などを詳しく調べる2次検査を受ける。

 関係者によると、今回判明したがんの疑いの4人は震災当時6~17歳の男女。1巡目の検査で2人が「A1」、残る2人も「A2」と判定され、「異常なし」とされていた。4人は、今年4月からの2巡目検査を受診し、1次検査で「B」と判定され、2次検査で細胞などを調べた結果「がんの疑い」と診断された。腫瘍の大きさは7~17・3ミリ。

 4人のうち3人は、原発事故が起きた2011年3月11日から4カ月間の外部被ばく線量が推計でき、最大2・1ミリシーベルトだった。4人はそれぞれ大熊町、福島市、伊達市、田村市に居住していた。

 また、1巡目で、がんの診断が「確定」した子どもは8月公表時の57人から27人増え84人に、がんの「疑い」は24人(8月時点で46人)になったことも新たに判明した。

 ※甲状腺がん

 甲状腺は喉の部分にある小さな臓器で、成長などにかかわるホルモンを分泌する。原発事故で出た放射性ヨウ素が呼吸や飲食を通じて体内に取り込まれると甲状腺にたまりやすく、放射線によってがんを引き起こすとされる。特に子どもが影響を受けやすく、1986年のチェルノブイリ原発事故後、周辺では子どもの甲状腺がんが急増した。早期に治療すれば高い生存率が期待できる。

「支持療法」の効果に注目 エボラ熱で専門家ら 「医療新世紀」

共同通信社 2014年12月24日(水) 配信

 西アフリカで拡大が続くエボラ出血熱。治療薬やワクチンの普及がすぐには望めない中、下痢などで失われた大量の水分などを補う地道な「支持療法」の重要性に着目した報告が増えている。

 典型的なエボラの症状は高熱から始まり、3~5日後に激しい嘔吐(おうと)や下痢が加わる。これら消化器症状は1週間以上続くこともある。嘔吐や下痢によって1日に5~10リットルという大量の水分が失われ、神経や筋肉の正常な活動に欠かせないナトリウム、カリウムといった電解質も不足するため、患者は脱水症状やショックに陥る。

 世界保健機関(WHO)の専門家も加わったチームが米医学誌に2014年11月に発表した論文によると、今回の流行の発端となったギニアで流行初期に患者37人の経過を分析したところ、97%の患者が経口で水分などの補給を受け、76%の患者はこれに加えて点滴による補液治療を受けた。

 最終的に43%の患者が死亡したが、これは従来報告された致死率を下回った。下痢が原因とみられる脱水で急性の腎障害に陥ったある患者は、1日5リットルの点滴を3日間受けて回復したという。

 嘔吐がひどいエボラ患者の場合、口からの補給は難しいため、点滴による治療が重要になるが、流行地では医療スタッフの数が全く足りない。また、暑さの中で厳重な防護服を着て医療行為を継続できる時間にも限界があるため、点滴を受けられない患者も多い。

 英国とデンマークの感染症専門家は12月初め、抗体や抗ウイルス薬などの未承認薬に比べ、注目度が低い支持療法について「望ましいやり方を研究すべきだ」との見解を英医学誌に発表した。

個人責任に終わらせるな 厳格な事実確認、欠如

共同通信社 2014年12月22日(月) 配信

 STAP細胞の存在は幻に終わった。論文や研究不正は、理化学研究所に限らず相次ぎ日本の科学に不信を招いた。基本的倫理観や社会的使命感を見失ったことの重さ。痛感するのはこんな当たり前のことだ。責任があるのは「未熟な研究者」だけではない。厳格な事実確認より、予算や特許の獲得を優先させた組織風土ではないだろうか。

 STAP問題の皮切りは、小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏と論文作成を指導した笹井芳樹(ささい・よしき)氏=8月に自殺=らが1月末、新たな万能細胞作製を発表したこと。

 弱酸性液に漬けただけの体細胞がさまざまな細胞や組織に分化していく。複雑な過程を多くの画像や動画に基づき説明した。笹井氏は生命科学のトップランナー。細胞の立体組織化など数々の研究で著名だった。

 一定の合理性がある論文や、高度な知見を持つ専門家の説明に対し真偽を見抜くのは難しい。同じ分野の研究者にSTAP論文を読んでもらったが、「画期的だ」との評価だった。しかし、2週間足らずで疑義が生じ、分析の結果、5月に研究不正が確定した。

 研究の成果を世に還元するのが科学の責務だが、それもデータが信頼できて成り立つ。ベテランの研究者らが十分に重要データを吟味せずに見逃したのは、著名科学誌への掲載と特許獲得のためだったのではないか。

 後に理研の改革委員会が「成果主義の負の側面が一つの原因」と指摘した。解明されるべきは構造的な体質だ。

 論文の多くは仮説だが、医科学の進展や社会への影響を見極め、報道している。事実に謙虚に向き合うのは報道も科学も一緒だ。理研がその姿勢をどう取り戻すのかが問われている。(共同通信科学部長 楢原晃)

研究で何が、残る謎 存在示せず検証終了 「表層深層」幻と消えたSTAP細胞

共同通信社 2014年12月22日(月) 配信

 「夢の万能細胞」として華々しく登場したSTAP細胞は、小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏(31)の手による検証実験で幻と消えた。小保方氏は「困惑」の言葉とともに理化学研究所を去る。一連の研究で何が行われたか、謎は残ったまま。再発防止の決定打は見いだせず、研究者の悩みは深まっている。

 ▽光る細胞

 疑惑の当事者による検証に批判が出る中、7月に始まった予備実験。実験の様子を知る関係者によると、開始まもなく「STAP細胞を再現できるのではないか」と楽観的なムードが漂った。論文では脾臓(ひぞう)の細胞を塩酸で刺激してSTAP細胞を作ったとしていたが、細胞のエネルギー源である「ATP(アデノシン三リン酸)」という酸を使うと「光る細胞ができる効率が上がる」と小保方氏から聞いたからだ。

 実際にATPを使うと、塩酸よりも緑色に光る細胞が多くなった。脾臓の代わりに肝臓の細胞を使うと、さらに増えた。小保方氏は、検証チームの丹羽仁史(にわ・ひとし)氏らよりも光る細胞をたくさん作ってみせ、ある種の「こつ」の存在もうかがわせた。

 だが9月に本格的な検証実験に移ると、ATPの効果はなく、さまざまな臓器の細胞が混在する腫瘍や、光る細胞が体中に混ざるキメラマウスは作れないことが分かった。「光る細胞がごく少数できるのは間違いないが、万能性を確認できず、科学的に意味はない」と結論付けられた。

 ▽敗北

 存在を否定する検証結果に、小保方氏は「魂の限界まで取り組んだが、今は疲れ切り、このような結果にとどまってしまったことに大変困惑している」とのコメントを公表、理研を退職する道を選んだ。

 「今後の人生のためにも、今回の結果に向き合って清算してほしかった。それをさせられなかったのなら、検証チームとして敗北だ」。結果を受け止めあぐねている小保方氏について、関係者は親心ともいえる心境をのぞかせた。検証実験の終盤では小保方氏は心を閉ざしてしまうのか、会話にならないこともあったという。

 STAP細胞は存在を証明できず決着した。しかし、論文に掲載された数々の図表や、全身が光って万能性を証明できたというマウスはどのように作られたのか。

 理研の別の研究者の解析などから、胚性幹細胞(ES細胞)と呼ばれる既存の万能細胞とすり替えたのではないか、複数の種類の細胞を使い分けたのではないかといった疑惑が指摘されている。

 ▽性善説

 理研は不正疑惑の調査を続ける。しかし、雇用関係がなくなる小保方氏を調査する権限は失われ、真相にどこまで迫れるかは不透明だ。

 研究の信頼性をどう確保するか、課題を突き付けたSTAP細胞問題。似たような問題が再び起きない保証はない。共同研究者の一人でもある丹羽氏は記者会見で「科学は性善説。私は小保方氏と若山先生(若山照彦(わかやま・てるひこ)・現山梨大教授)が出したデータを信じた。共同研究者の結果を信じず、一から自分でやることが望ましいかどうか、なんとも判断できない」と苦悩の表情を見せた。

 「こうすれば(不正を)防げるということは、自分でも言い切れない」という。

##全く笹井氏は、浮かばれない。どうしてあんなすぐに自殺したのか。

STAP検証結果要旨

共同通信社 2014年12月22日(月) 配信

 理化学研究所が発表した、小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏らによるSTAP細胞の有無を調べる検証実験結果は次の通り

 【検証のポイント】

 一、論文では、生後間もないマウスの脾臓(ひぞう)などの細胞を弱酸性の溶液に浸すことで、緑色に光る細胞が出現することが第一の指標とされた。そこで検証では、光る細胞の出現頻度をまず調べた。さらに光る細胞がどこまで万能性を持つ状態に初期化されたのか検討した。

 一、STAP現象が科学的に注目されたのは、光る細胞塊を別のマウスの受精卵に注入することによって、細胞の混ざり合った「キメラマウス」ができたほか、増殖能のないSTAP細胞から、増殖能のあるSTAP幹細胞が得られた点にある。これらの現象の再現性も検証した。

 【小保方氏の実験】

 一、100万個のマウスの脾臓の細胞を塩酸やATPという別の酸で処理してどのくらいの数の細胞が光るかを見た。何も処理をしないと一つも光らなかったが、塩酸処理すると10個ぐらい光る細胞の塊が認められた。しかしこの数は論文発表よりも1桁少ない。マウスの種類を変えても大きな差はなかった。実験は計48回やった。

 一、細胞は、万能性を持っていなくても光ることがあるため、色や遺伝子、タンパク質を解析して万能細胞特有なものかどうかを評価した。しかし、光る原因を判定することはできなかった。

 光る細胞塊を別のマウスの受精卵に移植して、キメラマウスをつくることを1615回試みたが、できなかった。

 一、論文のキメラ実験は山梨大学の若山照彦(わかやま・てるひこ)教授が担当したが、検証実験は理化学研究所の清成寛(きよなり・ひろし)研究員が行った。

 【丹羽仁史(にわ・ひとし)氏の実験】

 一、脾臓の細胞のほかに肝臓、心臓についても検討した。肝臓細胞を使った実験では、49回のうち37回、STAP細胞のような特徴的な細胞の塊が出現した。しかし、キメラマウスは244回試してもできなかった。STAP幹細胞もできなかった。

 【結論】

 STAP現象を確認できなかったことから、2015年3月までを期限としていた検証計画を終了する。

監視下での実験を批判 検証責任者の相沢氏

共同通信社 2014年12月22日(月) 配信

 理化学研究所が19日開いたSTAP細胞検証実験の記者会見で、検証チーム責任者の相沢慎一(あいざわ・しんいち)特任顧問は、小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏の実験が厳しい監視下で実施されたことについて「科学のやり方ではない」と激しい口調で批判した。

 理研は、小保方氏の実験に関し、客観性を担保するとして特別な環境を整備。小保方氏が使う約25平方メートルの実験室内に監視カメラを置いて24時間撮影し、実験に第三者を立ち会わせ、入退室はIDカードで管理するなどした。

 19日に記者会見を終えていったん退席した相沢氏は、一人で会見場に戻り「今後、何かあるたびに、このように犯罪人扱いをしたような形で科学の行為を検証するということは、あってはならない」と強調。そうした状況での実験実施を認めたことに関し「検証実験の責任者として責任を痛感している」と述べた。

名古屋大「不正関与ない」 降圧剤研究のノ社元社員

共同通信社 2014年12月22日(月) 配信

 製薬会社「ノバルティスファーマ」の降圧剤ディオバンを使った臨床研究にノ社の元社員が関与していた問題で、名古屋大の調査委員会は19日、「研究論文に恣意(しい)的な変更が加えられた形跡はなかった」として、元社員による不正関与はなかったとの最終報告をまとめた。

 ノ社が関わった京都府立医大、東京慈恵医大、千葉大、滋賀医大の臨床研究論文ではデータ操作などが見つかったが、名古屋大だけ問題がなかったと結論付けたことになる。

 一連の問題では、東京地検特捜部が7月、京都府立医大の論文に改ざんデータを掲載させたとして、医薬品医療機器法(旧薬事法)違反(誇大広告)の罪で元同社社員白橋伸雄(しらはし・のぶお)被告(63)と、法人としての同社を起訴した。

 名古屋大の最終報告書は、白橋被告はデータベースにアクセスするパスワードを持っておらず「アクセスした形跡は確認できなかった」とした。白橋被告はデータ解析に関わったが、外部の研究機関が検証した結果、データ内容は正しく、不正はなかったと確認した。

エボラ熱の死者7千人超 WHO、感染増加続く

共同通信社 2014年12月22日(月) 配信

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は20日までに、エボラ出血熱の感染が深刻な西アフリカのリベリア、シエラレオネ、ギニアの3カ国での感染者(疑い例を含む)が17日時点で1万9031人に達し、うち死者が7373人に上ったとの集計を発表した。感染者、死者ともに依然として増加が続いている。

 17日発表の前回集計に比べ、感染者が462人、死者が473人増加した。ただWHOは、エボラ熱の感染拡大のペースは以前に比べて鈍化しているとの見方を示している。

 国別の死者は、リベリア3346人、シエラレオネ2477人、ギニア1550人。

 米国やナイジェリアなど、これまでに発表されている3カ国以外の死者数計15人を合わせると死者は計7388人になる。

小児がん晩期合併症 「ずっと頭痛、分かって」 4歳で手術の14歳、脳機能障害

毎日新聞社 2014年12月21日(日) 配信

小児がん晩期合併症:「ずっと頭痛、分かって」 4歳で手術の14歳、脳機能障害

 小児がんの晩期合併症に光が当てられようとしている。国立成育医療研究センター(東京都)などが検討を始めた患者の登録体制。背景に、抗がん剤や放射線、がんそのものを原因とする障害に多くの人が苦しんでいる現状がある。「登録体制を患者への長期的な支援につなげてほしい」。家族らはそう願っている。【関谷俊介】

 神奈川県厚木市の中学2年、冨塚優大(ゆうた)さん(14)は4歳の時、脳腫瘍と診断された。腫瘍は脳の深部にあり、約10時間に及ぶ手術で摘出した。

 手術を受けるまでの優大さんは温和な子だったが、手術後は別人のように変わった。頻繁に頭痛を訴え、たびたび感情を爆発させる。看護師に「てめえ、殺すぞ」と叫んだこともあった。

 周りは、一時的な心理状態の変化と受け止めた。だが退院後も穏やかな性格に戻ることはなく、母親の七枝さん(42)に激しい感情をぶつけた。そんな自分を抑えることができないことが、優大さん自身をも追い詰めた。発作的にマンションの部屋から飛び降りようとしたこともある。「ぼくがぼくじゃなくなった」「ママと一緒に死にたい」。泣きじゃくりながら七枝さんに訴えた。

 脳腫瘍で受けた手術による晩期合併症だと明らかになったのは今年の春。2カ月に及ぶ医師の観察で「高次脳機能障害」と診断された時だ。脳腫瘍の手術にリスクがあることは聞いていたが、これほどの苦痛の原因が、治療にあるとは想像しなかった。

 患者と家族でつくる「小児脳腫瘍の会」の馬上(もうえ)祐子代表によると、脳腫瘍の治療後、友達づきあいや学習がうまくできなくなる例は10年ほど前から聞かれるようになったという。しかし、こうした症状の人も含め、晩期合併症に苦しむ小児がんの経験者がどれぐらいいるのかは把握されていない。支援制度もないのが現状だ。馬上代表は「晩期合併症への対策のためには、患者の登録体制が整い、長期的に追跡調査ができるようになることが必要だ」と指摘する。

 優大さんの父親の繁男さん(44)は「家族の支えだけでは限界がある。小児がんの治療後の苦しみを、多くの人に知ってもらいたい」と訴える。優大さんは声を絞り出すように話した。「ずっと頭痛がやまない。同級生にも理解してもらえず、毎日生きるのがつらい」

小児がん 治療歴登録 後遺症対応に活用 拠点15病院検討

毎日新聞社 2014年12月21日(日) 配信

小児がん:治療歴登録 後遺症対応に活用 拠点15病院検討

 国立成育医療研究センター(成育研、東京都)など15の小児がん診療の拠点病院が、治療を終えた患者の長期支援を目的に、患者の登録体制を導入する検討を始めた。小児がんは治癒率が高くなる一方、抗がん剤や放射線などの治療を原因とする「晩期合併症」を抱える患者が増えている。それぞれの患者が受けたがん治療の情報を登録しておくことで、晩期合併症を発症した際の適切な対応につなげるのが狙いだ。

 小児がんの患者は、成長段階で抗がん剤や放射線、手術など負担の大きい治療を受けることから、がんの治癒後もその影響が身体に残りやすいとされている。中には新たな病気や障害にいたるケースもあり、初期のがんと区別して「晩期合併症」と呼ばれる。症状は低身長や肥満、臓器や脳に起きる障害、放射線治療に誘発される二次がんなどさまざま。がん自体の後遺症も、晩期合併症に含まれる。

 しかし、がんを治すために受けたどの治療が原因なのかを特定するのは難しいことが多い。がんの治療から10年、20年後に発症することもあり、晩期合併症を抱える人がどれぐらいいるのかもわかっていない。長引く障害に苦しむ人もいるため、継続的な診察や、生活に関わる助言など、適切な支援を求める声が患者や家族から高まっている。

 患者の登録体制は、こうした支援の前提となる仕組みとして検討が始まった。今年10月、国の指定を受けた15の小児がん診療の拠点病院が初会合を開き、専門部会設置を決めた。登録対象には患者の名前やがんの種類、治療に関する情報が想定される。支援に結びつけるため、治療内容をどこまで詳しく登録しておくべきかが課題となる。病院間で共有できる情報の範囲も検討テーマとなる。

 成育研の松本公一・小児がんセンター長は「長期的な患者のフォローアップには、治療に関する詳細な情報が欠かせない。現場に大きな負担をかけずに永続性を保つことができるような登録のあり方を考えたい」と話している。【関谷俊介】

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 ■ことば

 ◇小児がん

 一般的に15歳以下で発症するがん。白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫、神経芽腫などが多く、年間約2000人が発症していると推定される。1980年代から90年代にかけて抗がん剤や放射線を使った治療法が進歩し、現在は約8割が治癒する。

クッシング病 特効薬に道 ホルモン過剰分泌、仕組み解明

毎日新聞社 2014年12月21日(日) 配信

クッシング病:特効薬に道 ホルモン過剰分泌、仕組み解明

 ホルモンが過剰に分泌される難病「クッシング病」が起きる仕組みを初めて解明したと、東京工業大など日独の研究チームが英科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」電子版に発表した。完治のためには難度の高い手術を受けるしか方法がなかったが、特効薬の開発につながる可能性のある成果という。

 クッシング病は脳の脳下垂体に腫瘍ができ、特定ホルモンの分泌が過剰になる病気で、厚生労働省研究班によると患者数は全国で約1000人。

 ホルモン分泌の際、2種類のたんぱく質がアクセルとブレーキの役割をそれぞれ担い、生産量を調整している。チームは「USP8」と呼ばれるアクセル役のたんぱく質に注目し、患者の遺伝子を解析したところ、17人のうち35%で過剰に働く変異が起きていた。研究チームの駒田雅之・東工大教授(薬学)は「治療薬を開発できる期待が高まる」と話す。【清水健二】

がん細胞、ウイルスで破壊 東大、脳腫瘍の治験開始

朝日新聞 2014年12月19日(金) 配信

 がん細胞をウイルスに感染させて破壊する日本初の「ウイルス療法」の治験を脳腫瘍(しゅよう)の患者で始めると、東京大医科学研究所が18日、発表した。ウイルス療法は手術、抗がん剤治療、放射線治療に次ぐ第4の治療法として期待されている。研究チームは、3~4年以内の実用化を目指す。

 対象は、脳腫瘍の中でも最も治療が難しい「膠芽腫(こうがしゅ)」で、手術でがんを摘出後、放射線と抗がん剤を使ってもがん細胞が残っていたり、再発したりした30人。口唇ヘルペスウイルスの遺伝子を改変し、がん細胞だけで増殖し、正常な細胞では増えないようにした。このウイルスを針で腫瘍に注入して、がん細胞に感染させて破壊する。

 安全性を確認するための臨床研究では、副作用はほとんどなかった。通常診断から1年ほどの平均余命だが、10人中3人が3年以上生存した。今回は医師主導で治験を行い、生存期間がどの程度延びたか、治療効果をみる。

 (岡崎明子)

「アトピー多い傾向」 津波経験の子ども、東北大

共同通信社 2014年12月18日(木) 配信

 東北大は17日、宮城県の25市町村の子どもを対象にした健康調査で、東日本大震災で津波を直接経験したり住む家が変わったりした子どもは、アトピー性皮膚炎の症状がやや出やすい傾向にあるとの分析結果を発表した。これまで県内で行った別の調査と同様の傾向だという。

 小中学生約2万8200人の保護者に学校を通じて回答を求め、約6500人から有効回答を得た。

 実際に津波を見たり津波の音を聞いたりした子どものうち、アトピー性皮膚炎の症状が出たのは24・5%。こうした経験のない子どもで症状が出たのは20・5%だった。

 仮設住宅に移るなど居住環境が変わった子どもの分析では、症状が出たのが23・1%だった。居住環境に変化がない場合、発症率は20・4%だった。

 ほかにも、津波や住居の変化の影響を受けた子どもは、周囲に溶け込めなかったり落ち着きがなかったりする傾向にあることが確認された。

 調査した菊谷昌浩(きくや・まさひろ)准教授(疫学)は「震災のストレスが、時間がたっても子どもの体や心に大きな影響を及ぼしていると考えられる」と話した。

小保方氏STAP作れず 細胞の存在を事実上否定 理研、検証打ち切りへ 週内にも公表

共同通信社 2014年12月18日(木) 配信

 STAP細胞の有無を調べている理化学研究所の検証実験で、小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏自身の実験でもSTAP細胞ができなかったことが18日、関係者の話で分かった。STAP細胞が存在する可能性は極めて低くなった。

 理研は、検証実験を打ち切る方向で検討しており、STAP細胞の存在を事実上、否定することになる。週内にも都内で記者会見し実験結果を発表する。小保方氏は出席しない見通し。

 小保方氏は7月から検証チームに参加し、第三者の立ち会いや監視カメラの下で実験した。万能細胞の目印となる遺伝子が働くと緑色に光るように遺伝子操作したマウスの脾臓(ひぞう)の細胞を使い、STAP細胞の作製を試みた。

 関係者によると、小保方氏の実験で緑に光る細胞が得られることもあったが、割合は非常に低かった。検証チームは、万能性があるかを調べるため、光る細胞を別のマウスの受精卵に注入し「キメラマウス」の作製を繰り返し試みたが、1回も成功しなかった。増殖能力がある「STAP幹細胞」も作れなかった。

 検証チームは8月、細胞を酸で刺激する論文通りの方法では、STAP細胞は作製できなかったとする中間報告を公表している。

 STAP論文は撤回されているが、これまでに捏造(ねつぞう)や改ざんと認定された項目以外にも複数の疑問点が指摘されており、理研の調査委員会が調査を進めている。調査委の結果がまとまり次第、中断している小保方氏らの懲戒処分の検討を再開する予定。

 ※STAP細胞問題

 理化学研究所の小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏らが1月、体の細胞に刺激を与えて万能細胞「STAP細胞」を作ったと英科学誌ネイチャーに論文を発表した。画像や文章に不自然な点が相次いで発覚、理研調査委員会は小保方氏に捏造(ねつぞう)と改ざんがあったと認定した。ネイチャーは7月に論文を撤回、成果は白紙に戻った。外部の理研改革委員会は発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の解体を提言。理研はセンターの規模を半減した。STAP細胞の有無を確かめる検証実験が続く中、共著者の笹井芳樹(ささい・よしき)氏が8月に自殺した。

実験は失敗で決着 STAP細胞できず

共同通信社 2014年12月18日(木) 配信

 【解説】STAP論文の著者の一人で、検証実験に取り組んだ理化学研究所の丹羽仁史(にわ・ひとし)チームリーダーだけでなく、「200回以上成功した」と断言した小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏もSTAP細胞を作製できなかった。STAP細胞が存在することの証明は失敗で決着する。

 科学の世界には、再現が難しく、何十年もの時間を経て存在が証明されるものもある。STAP細胞についても、将来存在が証明される可能性が完全にないわけではないが、現時点で「存在する」と主張する根拠はなくなった。

 一方で、著名な科学誌ネイチャーも信用させた論文中の「さまざまな種類の細胞になれる能力」の証拠写真やデータがどのように作り出されたのかは未解明のままで、謎が残る。

 小保方氏は「悪意のある捏造(ねつぞう)はない」と主張しているが、論文のデータと、衆人環視の下で行った実験結果の間の落差はあまりに大きい。

 STAP細胞をめぐる一連の混乱により、日本の科学技術に対する信頼は大きく揺らいだ。こうした事態を二度と招かないよう徹底的な真相解明が望まれる。

がん細胞 悪性化、体内特定酵素が影響 群馬大など発見

毎日新聞社 2014年12月18日(木) 配信

がん細胞:悪性化、体内特定酵素が影響 群馬大など発見 /群馬

 体内に含まれる特定の酵素グループが、がん細胞の悪性化に大きく影響していることを、群馬大などの研究チームが発見した。8日の米学術誌「モルキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー」(電子版)で発表した。がん細胞が悪性化する仕組みの一部が解明され、今後医療現場での実用化が期待される。

 この酵素グループは「Yファミリー・ポリメラーゼ」。がん細胞の悪性化は、DNAの過剰な複製(再複製)が代表的異常の一つだが、そのメカニズムはまだ十分に明らかになっていない。群馬大の山下孝之教授(腫瘍学)によると、Yファミリー・ポリメラーゼは、正常細胞のDNA複製には大きく影響を与えないが、今回の発見で、がん細胞DNAの再複製の促進に、重要な役割を果たすことが分かったという。

 今後は、Yファミリー・ポリメラーゼの阻害薬を開発することで、がん細胞の治療薬への抵抗性を抑制するなど医療現場での実用化が期待される。山下教授は「これまでにないタイプのがん治療の開発につながれば」と語った。【田ノ上達也】

「今年の10人」に高橋氏 英科学誌、iPS応用

共同通信社 2014年12月18日(木) 配信

 英科学誌ネイチャーは、科学分野で注目を集めた「今年の10人」の1人に、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜細胞の移植手術を世界で初めて実施した高橋政代(たかはし・まさよ)・理化学研究所プロジェクトリーダーを選び、18日付の最新号で発表した。

 同誌は、高橋氏が所属した理研の発生・再生科学総合研究センター(現・多細胞システム形成研究センター)で起きたSTAP細胞問題に触れ「トラブルの年に希望をもたらした」と評価した。

 高橋氏は「一仕事終えて選ばれ、うれしくほっとしている。将来多くの方を治療できるように今後もさらに開発を進める」とのコメントを発表した。

 高橋氏は「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」の70代女性のiPS細胞から網膜細胞を作り9月、女性の目に移植した。経過は順調で、安全性や病気の進行を防ぐ効果があるかを調べている。

 ほかは、世界初の彗星(すいせい)着陸に成功した欧州の探査機ロゼッタの飛行責任者や、西アフリカで猛威を振るうエボラウイルスの遺伝子解析をした研究者らが選ばれた。

ヒト受精卵の遺伝子制御解明

毎日新聞社 2014年12月18日(木) 配信

MEMO:ヒト受精卵の遺伝子制御解明

 ヒトの受精卵で、遺伝子の働きの制御状態が変わっていく様子をとらえることに成功したと、東北大の岡江寛明助教や有馬隆博教授らのチームが米科学誌に発表した。その過程は、実験で使われるマウスの受精卵と違いが大きく、ヒトで基礎研究を進める重要性が再認識されそうだ。

 卵子と精子が受精し、受精卵が発育する過程では、遺伝子の働きを制御するメカニズムがいったん初期化されるなど、ダイナミックな変化が起こる。チームは、不妊治療の患者から研究用に譲り受けた余った受精卵や卵子、精子の全遺伝情報(ゲノム)を解析。遺伝子が働かないようにしている目印が外れて、働き始めるようになる現象「脱メチル化」の起こる時期が、複数の遺伝子でマウスと異なることなどを突き止めた。

 遺伝子の制御状態の異常は、先天性の病気やがんなどさまざまな疾患にかかわる。それだけに、この仕組みの解明は、新たな予防法や治療法、生殖補助医療の安全性向上に役立つ可能性がある。【須田桃子】

子宮移植実施で要望書 慶大、京大などが3学会に

毎日新聞社 2014年12月18日(木) 配信

子宮移植:実施で要望書 慶大、京大などが3学会に

 子宮がなくても出産を望む女性への「子宮移植」の臨床研究について慶応大や京都大などのチームが17日、実施に対する見解を求める文書を、日本産科婦人科学会、日本移植学会、日本生殖医学会の3学会に提出した。スウェーデンで子宮移植を受けた女性による出産が報告されたが、安全な妊娠が成立するのかなど不明点も多い。子宮移植をめぐる議論が活発化しそうだ。

 チームは8月、臨床研究にあたっての指針を作成した。指針では、移植を受けられるのは生まれつきの病気などで子宮がない女性で、提供に当たっては提供者の自発的な意思決定と安全の確保が必要だとしている。また、営利目的の子宮提供のあっせんは禁止した。

 文書では、この指針への各学会の意見を求めているほか、移植学会には他の臓器と子宮との違いなどの見解も求めた。チームはこれらの意見を踏まえ、議論を深める方針。

 子宮移植をめぐっては、臨床研究を検討している慶応大などが2012年、サルの子宮を摘出、移植し直して出産に成功した。スウェーデンのチームは今年10月、子宮移植の手術を受けた女性の世界初の出産を発表。今月に入って、新たに2人の出産を公表した。提供者は知人女性や母親。【下桐実雅子】

鳥インフル急死の謎解明 京都府立大、エボラ熱に共通か

京都新聞 2014年12月17日(水) 配信

 高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の感染でニワトリが急死するメカニズムの一端を、京都府立大生命環境科学研究科の塚本康浩教授らのグループが解明し、このほど米医学誌に発表した。血管収縮物質と、結合して作用する受容体がともに増加しており、受容体をブロックする薬剤が致死率を大幅に下げることを突き止めた。エボラ出血熱など出血性の感染症でも同様の仕組みが考えられ、新しい治療法の開発につながる成果という。

 高病原性鳥インフルエンザを引き起こすウイルスのうち、強毒性のH5N1型はヒトへの感染例も多い。感染したニワトリは他の多くの病気のように徐々に弱るのではなく、急に死に至ることが謎だった。

 グループは、インドネシアでニワトリのひなを使って強毒性H5N1型ウイルスの感染実験を実施。各臓器で血管に出血やうっ血などの症状が見られることに注目した。

 肺の分析で、血管収縮物質のエンドセリンが通常の約3倍、エンドセリンの受容体が約1・5倍に増えていた。エンドセリンが急激な出血や虚血状態を引き起こし、急死すると考えられるという。エンドセリン受容体の阻害剤を投与すると、感染から5日目の致死率を100%から約20%に抑えることができた。ただ、感染でエンドセリンと受容体が増加する仕組みはよく分かっていないという。

 高病原性インフルエンザに感染したニワトリは殺処分が法律で定められている。治療することはないが、塚本教授は「ヒトのエボラ出血熱などの治療で、エンドセリンの阻害剤が治療薬として有効かもしれない」と話している。

「不良品」分解の鍵解明 蓄積タンパク質で京大

共同通信社 2014年12月17日(水) 配信

 異常な構造を持つ「不良品」のタンパク質が分解処理される際の鍵となる物質を京都大の森和俊(もり・かずとし)教授(分子生物学)のチームが明らかにし、17日までに米科学誌電子版に発表した。

 森教授は「アルツハイマー病など異常なタンパク質が、分解されずに蓄積して起こる病気の発症メカニズムの解明につながる可能性がある」と話している。

 タンパク質の表面には「糖鎖」と呼ばれる鎖状の糖が付着している。不良品のタンパク質は、糖鎖から一部の糖が切り取られることにより分解の対象となるが、切り取られる際の詳しい仕組みは不明だった。

 チームは、細胞内でタンパク質の合成や分解に関わる小器官「小胞体」にある酵素「EDEM2」に着目。

 EDEM2を作る遺伝子が働かない、人の細胞を作製したところ、異常なタンパク質がたまった。

 この異常タンパク質の糖鎖を詳しく調べると、糖が切り取られた跡がなかったため、EDEM2が糖の切り取りを行うことで、不良品タンパク質の分解を促していると判断した。

 EDEMは1と3もあるが、チームは、EDEM2が糖除去の最初の段階を担う重要な役割を果たしているとみている。

 注)米科学誌はジャーナル・オブ・セル・バイオロジー

羊のプリオン病、人に感染可能性 研究者「脅威にはならない」

朝日新聞 2014年12月17日(水) 配信

 プリオン病の一種で羊の伝染病「スクレイピー」が人に感染する可能性があるとする動物実験の結果を、国際研究チームが17日、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表する。スクレイピーの人への感染の可能性が動物実験で示されたのは初めて。

 仏などの研究機関のチームは、ヒトの正常なプリオンたんぱくを持つようにしたマウスの脳に、スクレイピーの羊からとった異常なプリオンたんぱくを注射。さらに、そのマウスのプリオンたんぱくをマウスに注射したところ、プリオン病になったマウスがいた。

 牛のプリオン病である牛海綿状脳症(BSE)は人に感染するが、羊のスクレイピーは人に感染しないとする説もあった。ただし、人のプリオン病であるクロイツフェルト・ヤコブ病は100万人あたり年間1~2人が発症するというまれな病気で、研究チームは「新たな脅威になることはない」としている。

 東北大の北本哲之教授(病態神経学)は「羊のスクレイピーが人には感染しないという従来の常識にとらわれてはいけない。人のヤコブ病で非典型的な症例があった場合はスクレイピー由来の感染である可能性も考える必要がある」と話す。

 (合田禄)

ノバルティス社 副作用の未報告3264例 試験不適切関与も発表

毎日新聞社 2014年12月17日(水) 配信

ノバルティス社:副作用の未報告3264例 試験不適切関与も発表

 製薬会社ノバルティスファーマ(東京)は16日、薬の副作用情報を国に報告していなかった問題に関する最終的な調査報告書を厚生労働省に提出した。未報告の重い副作用情報は26品目で計3264例だった。厚労省は医薬品医療機器法(旧薬事法)違反の疑いで調査している。

 ノ社の社員が白血病治療薬の臨床試験に過剰に関与していたことや、副作用情報を報告していなかったことが今年に入って発覚。これを受け、ノ社が全社員を対象に副作用の未報告例を調査した結果、約1万例が放置されていたことが判明していた。

 今回はこの約1万例を精査し、3264例が国に報告すべき重い副作用情報だったと結論付けた。

 薬の注意事項などの添付文書を変更しなければならない新たな内容は含まれていなかったと説明している。

 厚労省は「報告義務を怠った違反件数が(厚労省内で)確定すれば、件数の多さを考慮して業務停止も含め行政処分を検討する」とした。

 またノ社は、2011年以降に行われた医師主導の臨床試験で、社員が研究関連書類を作成するなど不適切に関与した新たな事例が見つかったこともホームページで公表した。調査はスイス本社が依頼した第三者機関が実施したという。ノ社は件数や関与の詳細について「お話しできない」(広報部)と明らかにしなかった。

 ノ社を巡っては、降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の虚偽広告事件で東京地検特捜部が元社員と同社を薬事法違反で起訴している。【八田浩輔、河内敏康、桐野耕一】

添付文書変更の必要なし 副作用問題でノ社発表

共同通信社 2014年12月17日(水) 配信

 製薬会社ノバルティスファーマが販売する薬の多数の副作用報告を放置していた問題で、ノ社は16日、症状や頻度は既に注意喚起している副作用の範囲内だったとして「薬の添付文書の変更は必要ない」と発表した。厚生労働省はノ社からの報告を精査した上で対応を決める。

 ノ社によると、薬との因果関係が否定できない重篤な症例は最終的に26品目で3264例だった。内訳は、慢性骨髄性白血病治療薬のグリベック(1645例)とタシグナ(639例)、輸血による慢性鉄過剰症の治療薬エクジェイド(394例)、抗がん剤アフィニトール(272例)など。死亡例もあったが「薬との因果関係が強く疑われるものはない」として件数は明らかにしていない。

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