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医療情報52

医療情報51

20120921~

iPS卵子からマウス 京大、世界初 「生命作製」倫理に課題 不妊、発生研究へ期待

共同通信社 10月5日(金) 配信

さまざまな組織や臓器の細胞になる能力がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って卵子を作製し、通常の精子と体外受精させてマウスを誕生させることに京都大の斎藤通紀(さいとう・みちのり)教授らのチームが世界で初めて成功し、米科学誌サイエンス電子版に4日発表した。

 チームは昨年、iPS細胞から精子を作ったと報告しており、iPS細胞から作製した卵子と精子を受精させ、新たな生命を生み出すことが理論的には可能になった。不妊症の治療法研究や生物発生の仕組みの解明に役立つが、ヒトでも生命やその源を作り出すのにつながる技術で、倫理面からの検証が重要になりそうだ。

 チームは、雌マウスの胎児の線維芽細胞から作ったiPS細胞を培養し、体のほぼ全ての細胞のもとになる多能性細胞集団に近い細胞を作製。この細胞に刺激を与え、卵子や精子のもとになる生殖細胞にした。

 この生殖細胞と、性別を決めるための卵巣の体細胞を、試験管内で一緒に培養し卵巣を作製。卵巣を雌マウスに移植して約4週間で未成熟の卵子を得た上で、体外で培養して成熟卵子にした。

 この卵子と通常の精子を体外受精してできた受精卵を雌マウスに移植し、がんなどの異常がない健常な雄と雌のマウスを誕生させた。これらのマウスを通常のマウスと掛け合わせると子どもも生まれた。

 iPS細胞と同様の能力を持つ胚性幹細胞(ES細胞)でも同じ手法でマウスを誕生させた。

 子どもが生まれた割合はiPS細胞で受精卵163個中3匹(約1・8%)、ES細胞では127個中5匹(約3・9%)で、普通の卵子の約12・7%に比べ成功率は低かった。受精卵で細胞分裂する過程に異常が見つかっており、これが一因とみられるという。

 チームは異常の原因を究明するとともに、ヒトやサルのiPS細胞とES細胞でも卵子や精子を作る計画だが、斎藤教授は「iPS細胞やES細胞はマウスとヒトで性質が違うので完全に同じやり方はできない」としている。

※人工多能性幹細胞(iPS細胞)

 筋肉や血液、神経など、さまざまな組織や臓器になる能力を持つ新型万能細胞。通常は皮膚などの体細胞に遺伝子を導入して作る。京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授が2006年にマウスで、07年にヒトでの作製に成功したと発表。自分の細胞を使うため移植しても拒絶反応がなく、事故や病気で失われた細胞や組織の機能を回復する再生医療、新薬開発、病気の原因解明への応用が期待されるが、がん化の恐れなど安全面で課題もある。胚性幹細胞(ES細胞)は受精卵の一部を取り出して作る。

再生医療や病気の研究に 幹細胞利用、政府も本腰 「大型サイド」iPS卵子からマウス

共同通信社 10月5日(金) 配信

 体を構成するさまざまな細胞に成長させることができる人工多能性幹細胞(iPS細胞)には、病気やけがで機能を失った臓器に細胞を補うことで回復を図る「再生医療」への応用に期待がかかる。加えて、脳や卵巣、精巣の中など観察が難しい部位で起こる病気の研究を飛躍的に進める狙いもある。政府も研究の後押しに本腰を入れている。

 ▽体の外で再現

 今回、斎藤通紀(さいとう・みちのり)京都大教授らのチームは、マウスのiPS細胞と胚性幹細胞(ES細胞)から精子を作製した昨年の成果に続き、成長や休眠をする卵子の複雑な形成過程を再現した。生殖細胞ができる途中で起こる異常がもとで発症する病気では、過程のどこに異常が起きるか、何に注目すれば早期に診断ができるか、解明が進む可能性があると専門家は指摘する。

 脳神経の分野では、アルツハイマー病患者の皮膚の細胞からつくったiPS細胞を神経細胞に成長させ、毒性の強いタンパク質が細胞内に蓄積する様子を体の外で再現することに鈴木則宏(すずき・のりひろ)慶応大教授などのチームが成功。治療薬の候補物質を投与すると、このタンパク質の生産が減ることも確認された。新薬の開発に役立つとみられている。

 ▽受精も議論

 政府はiPS細胞やES細胞の研究を新しい治療法や薬の開発に結び付け、日本の新しい成長産業にしたい考えだ。来年度の概算要求では幹細胞・再生医学関連で約120億円を計上した。

 さらに、細胞や動物を使った基礎研究の成果を人間の治療や産業化につなげる力が弱かった日本の支援態勢を見直す動きもある。基礎研究を受け持つ文部科学省と臨床研究担当の厚生労働省、産業化に関わる経済産業省は、連携して研究計画を支援する態勢も組んだ。

 規制面の検討も進んでいる。ヒトの生殖細胞をつくる研究が2010年、文科省指針の改正で解禁されたのに続き、昨年から政府の総合科学技術会議は、つくった生殖細胞を受精させてよいかの議論に着手。産業化を促進するための規制改正に向けた検討も始まった。

 ▽臨床目指す

 再生医療への応用では、理化学研究所のチームが来年度にも、目の網膜が傷んで視力が落ちる「加齢黄斑変性」を治療する世界初のiPS細胞を使った臨床研究を開始する見込みだ。他の国内チームも今後数年で角膜の病気や心不全、脊髄損傷などを対象にした臨床研究を始めたいとしている。

 また、iPS細胞の扱いに慣れた研究機関と厚労省の難病研究班、製薬企業が協力し、患者から提供された細胞からつくったiPS細胞で新薬の開発を目指すプロジェクトも本年度開始する。

最先端に影、慎重議論を

共同通信社 10月5日(金) 配信

 【解説】京都大チームがマウスの人工多能性幹細胞(iPS細胞)などから卵子や精子を作るのに成功したことは、生命の根源の再現と言える。不妊治療などへ活用が望まれるが、ヒトへの応用には大きな技術的課題があり、倫理面の慎重な議論も欠かせない。ノーベル賞候補とも目されるiPS細胞の開発。世界最先端の技術研究は光と影を伴いながら進展している。

 今後の研究で、iPS細胞から得た卵子と精子を受精させ、生まれたマウスに異常がないと判明すれば、iPS細胞にはあらゆる組織を生み出す「全能性」があると証明されることになる。チームはこうしたマウスを作製していないが、世界で研究が進んでおり、早晩誕生するかもしれない。

 今回の技術をヒトに応用すれば、採取が容易でないヒトの卵子を大量に入手し研究に使えるようになる。「卵子の老化」など不妊に関わるとされる現象を試験管の中で観察できる可能性もある。

 ただ、今回は卵子のもととなる細胞から卵巣を作り、これをマウスに移植して卵子を作ったが、ヒトで同様の手法は難しい。また文部科学省は研究指針で、ヒトのiPS細胞から作った卵子や精子を受精させることを禁じている。

 チームも「安全性を明らかにした上で、倫理的な問題もクリアし、社会に受け入れられるようにならなければ受精させてはならない」(斎藤通紀(さいとう・みちのり)京都大教授)と強調。急進展する生命科学に対し、倫理面の議論は追いついていないのが現状だ。

解説:iPS卵子のヒト応用、生命倫理上の議論急務 

毎日新聞社 10月5日(金) 配信

解説:iPS卵子 ヒト応用、生命倫理上の問題も 具体的な議論急務

 マウスの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から卵子を作成し子供を誕生させることに、京都大の研究グループが成功した。精子や卵子といった生殖細胞は、他の細胞と異なる複雑な過程を経てできるため、人工的に作成するのは難しい。特に卵子は、その機能から、精子以上に作成が困難という見方もあり、今回の成果は画期的と言える。

 マウスでの卵子作成の成功を受け、ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞を使った生殖細胞の研究が一層、加速するとみられる。しかし、技術の進歩に議論が追いついていないのが現状だ。

 国は、生殖補助医療の研究に限って、生体から採取した卵子と精子を受精させることを認めている。だが、ES細胞とiPS細胞の取り扱いを定めた国の指針では「できた卵子や精子を受精させない」としている。ヒトiPS細胞で卵子と精子が作成できれば理論上、新たな生命を誕生させることができるようになるため、それにつながる研究に対しては生命倫理の面から慎重論が強い。一方で、受精を禁ずるのは研究の意義を損なうとの指摘もある。

 政府の総合科学技術会議は昨秋、研究のため人工的に作った生殖細胞の受精の是非について、ようやく検討を始めた。研究の進展で成果への期待が高まる中、どの段階まで研究が認められるのか、具体的な議論が急がれる。【須田桃子】

人のiPSで生殖細胞の元 慶応大、国内初か

共同通信社 10月5日(金) 配信

 人間の皮膚の細胞から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を培養し、精子や卵子の元になる「始原生殖細胞」に成長させることに慶応大の岡野栄之(おかの・ひでゆき)教授らが成功したことが5日、分かった。

 始原生殖細胞に特徴的に現れる遺伝子が確認できた。海外では既に作製例が報告されているが、国内では初とみられる。

 この細胞から精子や卵子を作るのが目標。生物の発生や、生殖細胞に原因がある病気の仕組み解明などの研究に貢献が期待される。

 文部科学省の指針で、人間では、こうした生殖細胞を受精させることは個体づくりにつながる恐れがあるため禁止されている。

 始原生殖細胞は、精原細胞、卵原細胞へ成熟した後、減数分裂など多くの段階を経て精子、卵子になる。 マウスでは、京都大の斎藤通紀(さいとう・みちのり)教授らがiPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)から精子や卵子の作製に成功、正常な卵子や精子と体外受精させてマウスを誕生させたと発表している。

ネコもアルツハイマーに? 患者と同じ脳の変化

共同通信社 10月5日(金) 配信

 長崎県対馬に生息する国の天然記念物のツシマヤマネコで、アルツハイマー病の患者と同じような脳の変化が起きたことを東京大のジェームズ・チェンバーズ特任助教(獣医病理学)らの研究チームが発見し、米オンライン科学誌に5日までに発表した。

 病気などで死んだヤマネコの解剖で判明した。チェンバーズさんは「ネコ科の動物で広くみられる現象かもしれず、ペット用のネコでも調べたい」と話している。

 チームは、ヤマネコ14匹のうち5匹の脳の神経細胞に、アルツハイマー病と同じような異常なタンパク質が蓄積しているのを確認した。

 5匹に認知症の症状が出ていたかどうかは不明だが、異常が見つかったヤマネコの多くは高齢とみられ、加齢に伴って進行する一般的なアルツハイマー病と似ていた。

 アルツハイマー病の患者の脳では異常なタンパク質の蓄積のほか、表面にシミができることが知られている。シミはこれまでイヌやサルなど多くの動物で見つかっていたが、タンパク質の蓄積がはっきり確認できたのはツシマヤマネコが初めてだという。

 チェンバーズさんは「脳の変化をさまざまな動物で詳しく比較すれば、病気のメカニズムの研究に貢献できるのではないか」と指摘している。

※科学誌はプロスワン

500ミリシーベルトで白内障リスク 放影研、国際基準を裏付け

共同通信社 10月5日(金) 配信

 広島、長崎の原爆投下で500ミリシーベルト以上の放射線量を受けた被爆者は、放射線を受けていないと考えられる被爆者に比べて手術が必要な重症の白内障を発症するリスクが高いとの研究結果を、日米共同の研究機関「放射線影響研究所」(広島市、長崎市)のチームがまとめ、5日までに北米放射線学会の専門誌に発表した。

 最近の研究で眼組織は比較的低線量でも放射線の影響を受けやすいことが分かってきており、国際放射線防護委員会(ICRP)は昨年4月、生涯の眼組織の最大許容線量を5シーベルトから500ミリシーベルトに引き下げた。錬石和男(ねりいし・かずお)非常勤研究員は「この新基準の強力な科学的裏付けになる」と話している。

 研究によると、チームが追跡調査している被爆者6066人のうち1986~2005年に初めて白内障手術を受けた人は1028人。この中で放射線を受けた642人、受けていないと考えられる386人に分け、統計解析した。

 この結果、放射線を受けた人の方が、手術が必要な重症白内障を発症しやすくなり、500ミリシーベルトを境にリスクが高くなることが分かった。1シーベルト浴びた場合は、約1・32倍まで高まった。

 錬石非常勤研究員は「手術が必要なほど重症な白内障の発症と放射線との関係が明らかになった。低線量でもリスクが増加することも分かり、今後は線量に応じた発症のメカニズムを解明していきたい」と話している。

※専門誌はRADIOLOGY

新生児遺伝病、2日で診断 血液ゲノム解析、米の病院

共同通信社 10月4日(木) 配信

 血液のゲノム(全遺伝情報)解析により、新生児の遺伝病を約2日間で診断できるシステムを米マーシー小児病院(ミズーリ州)などの研究チームが開発、3日付の米医学誌に発表した。

 従来は4~6週間かかっていたが、速やかな治療が必要な新生児の病気の早期診断につながるという。

 チームによると、集中治療室で新生児の血液を採取しゲノムを解析、医師は病気の症状をコンピューターに入力する。すると症状に合致する遺伝子異常を自動的に検出する。約50時間で約600種類の遺伝病を診断できる。現在の費用は7666ドル(約60万円)という。

 チームによると、単一の遺伝子異常による病気は約3500種類知られており、このうち約500種類は治療法がある。例えば、知的障害とけいれんを起こすフェニルケトン尿症は特定のアミノ酸を減らした食事を取ることで治療できる。

 今年末までに検査時間を36時間に短縮できるとしており、100人以上の新生児を検査し、効果や費用、課題を明らかにするとしている。

※米科学誌はサイエンス・トランスレーショナル・メディシン

6例の脳死移植は妥当 11年1~2月に実施分

共同通信社 10月4日(木) 配信

 厚生労働省の脳死移植に関する検証会議(座長・藤原研司(ふじわら・けんじ)横浜労災病院名誉院長)は3日、2011年1~2月に実施された6例の脳死移植について、救命措置や脳死判定、臓器提供の手続きは妥当だったと結論付けた。

 6例はいずれも本人が書面で臓器提供の意思を示していない、家族承諾の事例。

 11年1月2日に福井大病院で脳死判定を受けた20代女性、13日の旭川医大病院(北海道)での50代男性、2月9日の山形県立中央病院での50代男性、20日の帝京大病院(東京)での30代女性、22日の川崎市立川崎病院での60代女性、26日の東京女子医大東医療センターでの50代女性が検証対象だった。

ことしのインフルエンザは昨年並み ロシアの伝染病専門家が見通し

共同通信社 10月4日(木) 配信

 【モスクワ・タス=共同】ロシア伝染病研究所のマレエフ副所長は2日、ことしの秋から冬にかけてのインフルエンザやウイルス性呼吸器疾患の発生見通しについて、昨年並みの水準にとどまるとの見方を明らかにした。

 同副所長は「異常に高い罹患率を予想する根拠は何もない。全国的な流行は一般に、続けて起きないことから昨年とほぼ同じ発生率となろう。前回の流行期は2009年から2010年にかけてだった」と述べた。

 同副所長によると、直近のインフルエンザ・シーズンとなったことし3月から5月にかけての罹患率は1万人当たり137人で、人口比にして約3%だった。また大人が風邪をひく率は1年に3回、子どもの場合は同6回という。

関東、東北例年の1・5倍 気象協会、来春の花粉予測

共同通信社 10月4日(木) 配信

 日本気象協会(東京)は、来春の花粉の飛散予測第1弾をまとめた。中国地方から北海道にかけて例年(2003~12年の平均値)並みか例年より多く、特に関東と東北は例年の1・5倍の量となる見込み。九州と四国は例年よりやや少ない予想。

 花粉の量が全国的に少なかった今春に比べると、関東と東北、北海道は2~5倍になるという。

 協会によると、前年の夏が高温で日照時間が長く、雨が少ないと芽が多くつくられ、花粉の飛ぶ量が多くなる。関東と東北は今夏、高温少雨だったため、飛散量が増えると予想した。一方、九州や四国は前線などの影響で日照が少なく、雨が多かった。

 花粉の量は、多い年と少ない年が交互に現れる傾向があることも考慮した。11年は多く、12年は少なかった。

 予測の対象は、スギとヒノキで、北海道はシラカバ。沖縄はスギやヒノキがないため除いた。予測は今後、順次更新し協会のホームページに掲載する。

デング熱、日本で146人発症…昨年2倍強

読売新聞 10月3日(水) 配信

 高熱を発症するデング熱が東南アジアを中心に流行している。

 今年に入り、日本に入国して発症する患者も150人近くに上り、この10年で最大だった2010年に並ぶ勢いで増えている。国立感染症研究所は、旅先での虫よけや発症時の早期治療を訴えている。

 デング熱は、デングウイルスの感染で高熱や関節痛が起き、その後発疹が出る。ショック状態となり死亡する場合もある。

 同研究所などによると、今年になりフィリピンで8万7000人、ベトナムで3万6000人など、東南アジア6か国で計18万人近い感染が報告された。国内でも9月23日までに旅行者ら計146人が発症、昨年の同時期の2倍強。この10年の中でも急増した一昨年同時期の計174人に迫っている。

 デング熱はヤブ蚊が媒介し感染が広がる。東南アジアでは都市への人口集中に伴い、屋内でも繁殖するネッタイシマカが増え、年々流行が広がっているとみられる。

気温1度上昇で熱中症死者4~6割増 気象研「災害として対策を」 1909年~昨年

毎日新聞社 10月2日(火) 配信

熱中症:気温1度上昇で死者4~6割増 気象研「災害として対策を」--1909年~昨年

 日本で夏の平均気温が1度上下すると、熱中症で死亡する人の割合が40~60%増減することが、気象庁気象研究所の藤部文昭研究室長によるデータ解析で分かった。統計が始まった1909年から昨年までの熱中症による年間死者数と、明治時代から気候監視に使われてきた国内14地点の7月と8月の平均気温のデータを統計的手法で分析した。気象学会で5日に発表する。

 熱中症による死者数は戦前100~400人台で推移し、戦後は47年の440人から減少傾向。ところが記録的猛暑で前年比18倍強の586人に激増した94年を境に急増し、夏の平均気温が平年値より約1・5度高かった10年には過去最悪の1731人が死亡した。夏の気温は過去100年で約0・8度上昇した。

 時期別に分析すると、気温1度の上下で、死者数が▽1909~43年は約40%▽47~70年は約30%▽71~93年は55%▽94~2011年は約60%――それぞれ増減していた(44~46年は戦争のためデータなし)。戦後に衛生状態が改善し、死者数が大幅減少した50年代だけは相関関係が弱くなり、47~70年全体の増減率を押し下げていた。

 94年以降の死者数増加は、高齢化や地球温暖化の影響に加え、それまで老衰などとしていた死因を熱中症と診断するケースが増えているためとみられる。藤部研究室長は「熱中症を気象災害として捉えて対策を取る必要がある」と話している。【池田知広】

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 ■ことば

 ◇熱中症

 高温下での運動や作業により体温の調節機能に異常をきたす病気で、体温上昇、めまい、けいれん、意識障害などの症状が表れる。過去の死者数統計では「暑熱」や「過度の高温及び日射病」などに、現在は「自然の過度の高温への曝露(ばくろ)」に分類されている。

タンパク質かごに閉じ込め 創薬への応用に期待

共同通信社 10月3日(水) 配信

 分子や金属イオンが自然に集まって構造を作る「自己組織化」という手法を使い、タンパク質を丸ごと一つ閉じ込めたナノサイズの球状のかごを作ることに、藤田誠(ふじた・まこと)・東京大教授らのチームが成功、2日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。

 熱や酸性度の変化で容易に性質が変わるタンパク質をかごで保護する効果や、タンパク質の働きを強める操作が可能になると見込まれ、創薬への応用が期待できるという。

 チームは、やじろべえのような形状の有機分子にユビキチンというタンパク質をくっつけ、タンパク質のついていない有機分子や金属イオンと一緒に液体に入れて混ぜた。すると、それぞれが安定な状態を求めて自然に集まり、タンパク質を内部に入れた直径7ナノメートル(ナノは10億分の1)のかごを形成したという。

 内部の空間に金属イオンや小さな分子を取り込める環状や球状の分子は、食品や消臭剤などの分野で応用されているが、タンパク質のように巨大な分子を閉じ込められる技術はこれまでなかった。

胆管がんは肝細胞が変化 九大解明、治療法開発に道

共同通信社 10月2日(火) 配信

 肝臓がんの中でも治療が難しく、死亡率が増加している「肝内胆管がん」は、肝細胞が直接、がん化して発症することを九州大生体防御医学研究所の鈴木淳史(すずき・あつし)准教授(幹細胞生物学)らが突き止め、米科学誌電子版に2日、掲載された。胆管ががん化するとの定説を覆す発見で、新たな治療法の開発に役立つという。

 肝内胆管がんは治療法が限られ、腫瘍を完全に切除できた場合も5年後の生存率は40%程度。肝臓の内部で胆汁を運ぶ胆管が、直接がんになるというのが定説だった。

 鈴木准教授は肝細胞のがん化が起こるウイルス性肝炎患者にも肝内胆管がんを発症する人がいることに疑問を持ち、胆管の細胞(胆管上皮細胞)と肝細胞のどちらが、がんになるのか確かめる実験をした。

 まず遺伝子組み換え技術を使い、胆管上皮細胞と肝細胞をそれぞれ識別できるようにした2種類のマウスに発がん性物質を投与し、肝内胆管がんになった細胞を調べると、いずれも肝細胞ががん化したことが分かった。

 さらに、細胞の分化を制御する「Notchシグナル」が活性化すると、がん化が早まることも判明。同シグナルを抑制する薬剤は既に開発されており、肝内胆管がんの治療にも応用できる可能性があるという。

※米科学誌は、ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲイション

札幌医大など11病院で治験 カテーテルの高血圧新治療

共同通信社 10月2日(火) 配信

 米医療機器メーカーの日本法人「日本メドトロニック」(東京)は1日、カテーテルという細い管を血管に差し込んで腎臓の交感神経を遮断する重症高血圧の新たな治療法の治験を、札幌医大など全国の11病院で始めたと発表した。

 自治医大(栃木)などで先行実施していた。ほかの9病院は、弘前大(青森)、筑波大(茨城)、千葉大、東京女子医大、湘南鎌倉総合病院(神奈川)、京都大、大阪大、久留米大(福岡)、熊本大。

 新手法は「腎デナベーション(除神経)」と呼ばれる。カテーテルを太ももから腎動脈まで通し、先端から高周波電流を流して、脳と腎臓との間で血圧調整の信号を伝えている交感神経を加熱して遮断する。交感神経は腎動脈の外側にある。

 治験は、3種類以上の降圧薬を飲んでも最高血圧が160以上の重い患者を対象に、有効性と安全性を確認する。装置が公的に承認された欧州やオーストラリアでは5千人以上に実施された。

 高血圧の治療は投薬が中心で機材を用いるのは珍しく、専門家らは、薬が効きにくくなった重症者への治療の選択肢が増えると期待している。

血友病 止血効果の新抗体、奈良医大など開発

毎日新聞社 10月1日(月) 配信

血友病:止血効果の新抗体、奈良医大など開発

 血液を固める凝固因子が先天的に乏しく出血が止まりにくい血友病に、止血効果をもたらす新しい抗体を、中外製薬と奈良県立医科大のチームが開発し、動物実験で確かめた。30日付の米科学誌ネイチャーメディシン(電子版)に掲載された。

 血友病Aの患者は、止血に必要な12の血液凝固因子のうち、第8因子が不足している。患者がもともと持っている別の2種類の因子を結合すれば、第8因子と同様の効果を発揮することは知られていたが、結合は難しかった。

 チームは、遺伝子組み換え技術を使って、2種類の因子をつなぐ役割を果たす「hBS23」と呼ばれる抗体を開発。第8因子を欠いたサルに投与すると、しないサルと比べて約1・3倍の止血効果があった。【久野華代】

良性腫瘍のがん化解明 タンパク分泌で転移可能に

共同通信社 10月1日(月) 配信

 転移しない良性の腫瘍を構成する細胞がタンパク質を分泌して隣の細胞を悪性化(がん化)する仕組みを神戸大の井垣達吏(いがき・たつし)准教授らが解明し、9月30日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 腫瘍が転移するようになる悪性化の要因には遺伝子の変異が知られているが、腫瘍の細胞が別の細胞に作用してがん化を促進する仕組みはよく分かっていなかった。新しい治療法の開発につながる可能性があるという。

 チームは、生きたまま遺伝子操作ができるショウジョウバエの目の組織で、人のがんの約3割で働いている「Ras」という遺伝子を働かせて良性腫瘍を作製。この腫瘍を構成する細胞の一部でエネルギーを作り出す細胞内の小器官ミトコンドリアの機能が低下すると、周辺の細胞をがん化することが分かった。

 詳しく調べると、ミトコンドリアの機能が低下した細胞は、炎症や細胞の増殖を促す2種類のタンパク質を放出して、周辺をがん化させていることが判明した。

 井垣准教授は「これまで、がん細胞でミトコンドリアの機能が低下していることが、がんにどのように関わるのかは分かっていなかったが、再発や転移で重要な役割を果たしている可能性がある」と話している。

頭痛薬で神経変性抑止 名古屋大研究チームが発見

共同通信社 10月1日(月) 配信

 頭痛治療薬「ナラトリプタン」がタンパク質の一種「CGRP1」を減少させ、筋萎縮などを引き起こす神経変性疾患の症状を抑えることを、名古屋大大学院医学系研究科の祖父江元(そぶえ・げん)教授(神経内科学)らの研究チームが突き止め、1日に米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。

 祖父江教授は「他の神経変性疾患への応用が期待できる」としている。

 神経変性疾患は、神経細胞の内外にタンパク質が異常蓄積して細胞が障害を起こし死ぬことで起こる。研究チームは今回、疾患の一つで男性のみに発症し、筋力低下や筋萎縮を引き起こす「球脊髄性筋萎縮症(SBMA)」に注目した。

 SBMAを発症させたマウスの遺伝子を解析すると、CGRP1が通常より増加していた。体内でCGRP1が作られないよう遺伝子を改変したSBMAのマウスは症状が改善した。

 チームはさらに、人間の培養細胞に複数の薬を投与して効果を調査。その結果、ナラトリプタンを投与すると約5日後にCGRP1が半減するなど効果がみられた。SBMAを発症したマウスにナラトリプタンを投与すると、歩行機能や握力、生存期間で改善がみられたという。

 祖父江教授は「CGRP1は人間が通常持っているタンパク質だが、異常蓄積することで細胞に障害を起こす新たな働きを発見できた」と説明している。

HIV増殖抑制に道 タンパク質の分子構造解明

共同通信社 10月1日(月) 配信

 エイズウイルス(HIV)の増殖を抑えるタンパク質の分子構造を、国立病院機構名古屋医療センターと名古屋大の研究チームが突き止め、28日までに米科学誌電子版に発表した。

 現在のHIV治療薬は長期服用で副作用が出たり、薬剤への耐性がついたりするのが懸念されていた。同センター感染症研究室の岩谷靖雅(いわたに・やすまさ)室長は「人間の体が本来持つ防御機能を用いた、新しいエイズ治療薬の開発につながる可能性がある」と話している。

 人間は、リンパ球にウイルスを防御するタンパク質を持っているが、HIVが作り出す特殊なタンパク質「Vif」と結び付くと分解し、HIVは体内で増殖する。

 研究チームは防御タンパク質の一つ「APOBEC3C」の結晶にエックス線を当てて構造を解析し、Vifが結合する「ポケット」部分があることを発見した。ポケット部分にVifが結合し、APOBEC3Cが分解される過程も確認できたという。

 研究チームは今後、ポケット部分に当てはまる化合物を探し、効果を検証する。

※米科学誌は「ネイチャーストラクチュラル&モレキュラーバイオロジー」

新種ウイルス、感染警戒 大巡礼控えWHO

共同通信社 10月1日(月) 配信

 新型肺炎(SARS)を引き起こすウイルスと同じ仲間であるコロナウイルスの新種の感染者が確認され、世界保健機関(WHO)などが警戒を強めている。患者はいずれもサウジアラビアなど中東での感染が疑われ、10月下旬にはイスラム教最大の聖地、サウジ西部メッカへの大巡礼(ハッジ)を控え感染拡大も懸念されている。

 ▽動物起源?

 これまでWHOが確認した感染者はサウジへの渡航歴があるカタール人とサウジ人の計2人。WHOが本格的に分析を始めたのは、カタール人男性(49)が同国の病院から英国に搬送され、検査結果が判明した後だ。さかのぼって調べたところ、6月ごろ死亡したサウジ人からも発見。英国で、既に死亡した患者から疑わしい例が報告された。

 これまでの分析で、SARSの大流行につながった「人から人への感染」は起こりにくく、動物から感染したと考えられるという。

 ただ専門家の一人は「カタール人男性は同様の症状の家族がいたとの情報もあり、結論を出せるまでには至っていない」と説明する。

 ▽水際作戦

 大巡礼は毎年200万~300万人のイスラム教徒がカーバ神殿などに集結する重要な行事。WHOは渡航制限を出す予定はないとしているが、サウジ政府は玄関口での水際作戦を強化する。

 800人以上もの死者を出したSARS流行の際は、院内感染で一気に広がったと指摘されている。感染者が大人数の中に入り込めば、最悪のシナリオが待っている。

 サウジ保健省は空港などで高熱などの症状がある患者を見つけ次第、検体を分析する方針だ。

 ▽見えない脅威

 ただ、航空網が発達した現代では、感染者を水際で食い止める難しさは2003年のSARSや09年の新型インフルエンザの例で明らか。米国の専門家も今回の新種コロナウイルスが「見えない脅威」となることへの警戒を募らせている。

 SARS感染では、米疾病対策センター(CDC)が患者の検体分析や感染経路解明などに重要な役割を果たした。今回も英国などに調査チームを派遣しているとみられるが、CDC担当者は「関係機関と協力しながら詳しい状況を確認しているところだ。今後の見通しについては現時点では何も言えない」と話す。

 北半球では季節性インフルエンザの流行時期を控えており、専門家は「疑い例の報告が今後増える可能性もある」と指摘している。(ジュネーブ、ワシントン共同)

滋賀・インフルエンザ 今季県内初検出、2人からウイルス

毎日新聞社 9月29日(土) 配信

インフルエンザ:今季県内初検出、2人からウイルス /滋賀

 県は27日、今月に高熱やせき、のどの痛みなどを訴え、県内の医療機関で受診した2人からインフルエンザウイルス(A香港型)が検出されたと発表した。今季(9月3日以降)のウイルス検出は初めて。昨季より1カ月半早く、流行に注意を呼びかけている。

 県健康長寿課によると、インフルエンザの疑いがある5人のうがい液を検査し、2人からウイルスが検出された。手洗いやうがい、マスクによる「せきエチケット」、ワクチン接種、早めの受診を推奨している。【姜弘修】

マイコプラズマ肺炎患者、平年の3-4倍に

読売新聞 9月27日(木) 配信

 せきが長く続くマイコプラズマ肺炎の患者が今年、平年比で3-4倍の状態が続いていることが、国立感染症研究所のまとめでわかった。

 せきや接触感染などで広がるため、感染研はせきをしている人のマスク着用や手洗いの徹底を呼びかけている。

 マイコプラズマ肺炎は肺炎マイコプラズマという細菌に感染し、発熱やだるさが最初に表れる。熱が下がっても乾いたせきが3週間以上続く。重症の肺炎になる患者もいる。

 感染研が全国約500の病院からの報告をまとめたところ、9月10-16日の平均患者数は1・10人。平年比約3・8倍で、統計のある1999年以降の同時期で最多だった。栃木、群馬、愛知の各県で患者が多い。他の週も平年の3倍前後で推移している。

心筋梗塞の進行抑える 細胞内タンパク質活性化で

共同通信社 9月28日(金) 配信

 心筋梗塞を発症した際、心臓の筋肉細胞にある「CFTRイオンチャンネル」というタンパク質を活性化させると、症状の進行を抑えられることを、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)と仁愛大(福井県越前市)の研究チームがマウスを使った実験で突き止め、27日までに生理学・生化学国際誌電子版に発表した。

 研究チームによると、心筋梗塞の発症直後にCFTRイオンチャンネルを活性化させると、細胞の容積などを決める塩素イオンが放出され、細胞死を抑えられるといい、岡田泰伸(おかだ・やすのぶ)・生理学研究所所長は「新しい治療法が開発される可能性がある」としている。

 心臓の血管を糸で縛り、30分後にほどいて心筋梗塞の状態にしたマウスに、急性心不全の治療薬と特定の酵素を活性化させる薬などを投与してCFTRイオンチャンネルを活性化させると、心筋壊死(えし)の進行を抑えられた。

 一方で、遺伝子を改変してCFTRイオンチャンネルを持たないマウスを心筋梗塞の症状にして、薬を投与しても心筋梗塞の症状は改善されなかったという。

 岡田所長は「急性心不全の治療薬が、心筋のタンパク質にも効くことが分かった。ほかにも効果がある薬剤の研究を進めたい」と話している。

※国際誌は「セルラー・フィジオロジー・アンド・バイオケミストリー」

「かわいい」で成績アップ 広島大実験、効果に期待

共同通信社 9月27日(木) 配信

 かわいい動物の写真を見ると注意力を要する作業の成績が向上することを、広島大の入戸野宏(にっとの・ひろし)准教授(心理生理学・工学心理学)らが大学生約130人を対象にした実験で明らかにし、米科学誌電子版に27日発表した。

 入戸野准教授は「日常生活や仕事場でも、かわいいものを身の回りに置くことで、作業効率を上げることができるかもしれない」と話している。

 実験では、ピンセットで小さな部品をつまんで穴から縁に触れずに取り出す作業や、数列から指定された数字を探し出す作業を各2回実施。学生を「幼い猫や犬」「成長した猫や犬」「すしなどの食べ物」の写真を見せる三つのグループに分け、1回目と2回目の作業の間にそれぞれ7枚ずつ見せて、写真を見る前後の成績を比較した。

 幼い動物の写真を見たグループの正確さや速さの成績は、部品を取り出す作業で44%、数字を探し出す作業で16%それぞれ向上。これに対し、他の写真の2グループは変化がなかった。

 入戸野准教授は「かわいいという感情には、対象に接近して詳しく知ろうとする機能があり、注意が集中する効果が生まれたのでは」と分析している。

※科学誌はプロスワン

野生マウスに高い再生能力 哺乳類で初確認

共同通信社 9月27日(木) 配信

 【ワシントン共同】体の一部が傷ついても元通りに修復するトカゲやヤモリに似た高い再生能力を、哺乳類では初めてアフリカにすむ野生のトゲマウスで確認したと、米フロリダ大やケニアの研究チームが27日付英科学誌ネイチャーに発表した。

 背中の皮膚がはがれたり耳の組織が傷ついたりしても、体毛のもとになる細胞や軟骨を含めて元通りになった。哺乳類に従来考えられていた以上の再生能力があるのを示した形で、失われた体の機能を取り戻す人の再生医療の可能性を広げる研究結果といえそうだ。

 チームはこのマウスを手などで捕まえようとすると、毛が生えた皮膚を大きく脱落させながら逃げ出そうとするのを確認。詳しく観察すると、1カ月程度で毛のもとになる細胞を備えた皮膚が再生した。耳に小さな穴を開けても軟骨を含む組織が同様に元通りになった。

 このマウスの皮膚はほかの種類より格段に軟らかくはがれやすい構造になっていた。はがれた後の再生能力と併せて、外敵から逃れて生き延びる手段になっていると研究チームはみている。

末梢神経 痛み遺伝子見つかる 薬開発に期待 国立成育医療研グループ

毎日新聞社 9月26日(水) 配信

末梢神経:痛み遺伝子見つかる 薬開発に期待--国立成育医療研グループ

 末梢(まっしょう)神経の痛みを引き起こす原因となる遺伝子を、国立成育医療研究センターなどのグループが発見した。ギランバレー症候群や糖尿病による手足の痛みの治療薬開発につながる可能性がある。25日付の米科学誌サイエンス・シグナリング(電子版)に発表された。

 末梢神経の痛みやしびれは、神経を保護する髄鞘(ずいしょう)という組織が壊れて神経がむきだしになって起こる。同センターの山内淳司・分子薬理室長(神経薬理学)らは、髄鞘の形成を促す「サイトヘジン1」と呼ばれる遺伝子を特定。マウスのこの遺伝子を壊したところ、80%以上の髄鞘が減少し、歩くことができなくなった。動けなくなったのは神経の痛みが原因とみられる。山内さんは「逆にサイトヘジン1を活性化させる薬が開発されれば髄鞘の形成につながり、手足の痛みの治療に貢献できる」と話す。【久野華代】

新型コロナウイルス発生、SARSと同じ仲間

読売新聞 9月26日(水) 配信

 【ジュネーブ=石黒穣】世界保健機関(WHO)は25日、重篤な呼吸器不全と腎臓機能の低下を急激に引き起こす新型コロナウイルスが発生したとして、症例の診断基準を発表し、流行に備えた警戒強化を各国に呼びかけた。

 新型コロナウイルスはSARS(重症急性呼吸器症候群)の原因ウイルスと同じ仲間。サウジアラビアを訪問後、今月初めに発症し移送先の英国の病院で重体となっているカタール人男性(49)と、約3か月前に死亡したサウジアラビア人(60)から検出された。

 WHOは、38度以上の発熱を伴う重症の呼吸器の炎症を起こした患者で、サウジアラビア、カタールへの渡航歴があれば感染の疑いがあるとしている。

目で通じ合うのは困難 自閉症者の脳活動で解明

共同通信社 9月26日(水) 配信

 目配せで同じ物に注意を向ける「目と目で通じ合う」のが、高機能自閉症の人とそうでない人の間では難しいことを、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)や福井大などの研究チームが、脳活動を磁気共鳴画像装置(MRI)で記録して確認した。研究成果は25日までに、欧州の科学誌電子版に発表された。

 研究チームは「一般的に、自閉症の人は視線を介したコミュニケーションが苦手とされていたが、脳活動の記録でも裏付けられた」とした上で「この記録方法で、自閉症の人とそうでない人が、よりよくコミュニケーションする方法が見つかる可能性がある」と話している。

 研究チームは、脳の機能が分析できるMRI2台を使用。画面を通じてまず互いに目を見つめ合い、一方が目配せで自分が注意を向けている方向を相手に伝え、2人が同じ場所に目線を向ける時の脳活動を記録することに成功した。

 その結果、自閉症でない人同士では同じ物を見ている時に、脳で他人との協調など社会性を担う「右下前頭回」で活動の同調が見られたが、自閉症とそうでない人のペアでは同調はみられなかった。

 また、自閉症でない人が自閉症の人の目を見る際は、通常より右下前頭回の活動が活発になっていたという。研究チームは「自閉症の人の視線をより頑張って読み取ろうとしたからではないか」と説明している。

※欧州科学誌は「フロンティアーズ・イン・ヒューマン・ニューロサイエンス」

刷り込みにホルモン関与 学習臨界期の解明に道

共同通信社 9月26日(水) 配信

 生後間もないひな鳥が初めて見た相手を親とみなす「刷り込み」には、脳内での甲状腺ホルモンの働きが不可欠であることを発見したと、帝京大(東京都)や北海道大のチームが25日付の英科学誌に発表した。

 刷り込みが起こるのはふ化してから数日に限られ、その期間が過ぎると学習ができなくなる。こうした特定の発達段階は「学習臨界期」と呼ばれ、人でも言語の習得や絶対音感の獲得などに適した臨界期があるとされる。チームの本間光一(ほんま・こういち)帝京大教授は「人にも共通している可能性のあるメカニズムの究明につなげたい」と話している。

 チームは、ふ化したばかりのニワトリのひなにおもちゃの鳥を見せる訓練を行い、解剖して大脳の状態を観察。訓練が始まると、それまで体の血中にあった甲状腺ホルモンが大脳に流入し、記憶が可能になる臨界期が始まることが分かった。一方で、脳内の神経細胞と甲状腺ホルモンが結合するのを薬剤の投与で抑えると、刷り込みが起こらなかった。

 刷り込みの期間が過ぎた後でも、甲状腺ホルモンを脳に注射することでおもちゃの鳥を覚えることができるようになり、甲状腺ホルモンの作用が臨界期を決定していることが分かったという。

※英科学誌はネイチャーコミュニケーションズ

マグネシウムが糖尿病抑制  久山町研究で九州大確認 「医療新世紀」

共同通信社 9月25日(火) 配信

 食事でマグネシウムを多く取る人は、生活習慣病の2型糖尿病になりにくい―。欧米の疫学研究では以前から指摘されていた傾向が、福岡県久山町の住民の健康診断データを21年間にわたって追跡した九州大チームの調査で確認された。アジアでの研究は少なく、結果も一致していなかった。

 チームは、1988年の健診で糖尿病ではなかった40~79歳の住民1999人を2009年まで追跡。うち417人が糖尿病を発症した。

 住民が食事で取るマグネシウムの量は、88年に70項目にわたる質問で把握。1日の平均摂取量によって四つのグループに分け、糖尿病発症との関連を調べた。

 すると、マグネシウム摂取量が148・5ミリグラム以下の最も少ないグループと比較すると、摂取量が増えるほど糖尿病のリスクが下がるという結果になった。また、インスリンの効きが悪い「インスリン抵抗性」の人、習慣的に酒を多く飲むなど一般に糖尿病のリスクが高いとされる人で、マグネシウム摂取による予防効果がより高い可能性も示された。

 データは、横浜市で開かれた日本糖尿病学会で発表された。

 マグネシウムは豆や海藻をはじめ精製していない食品に広く含まれる。厚生労働省は30~49歳の男性に1日370ミリグラム、同年代の女性に同290ミリグラムの摂取を推奨しているが、実際の摂取量は男性平均250ミリグラム、女性同224ミリグラム(2010年国民健康・栄養調査)とだいぶ下回っている。食品による取り過ぎの報告はないが、サプリメントなどで過剰に摂取すると下痢などを起こすことがあるという。

HIV増殖を抑制 名古屋医療センターなど

読売新聞 9月24日(月) 配信

たんぱく質の構造解明

 国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター(名古屋市中区)の岩谷靖雅室長や名古屋大大学院生の北村紳悟さんらの共同研究チームは、エイズウイルス(HIV)の増殖を体内にあるたんぱく質で抑制する仕組みを解明した。研究成果は米科学誌「ネイチャーストラクチュアル・アンド・モレキュラーバイオロジー」電子版に掲載された。

 体内にはHIVの増殖を抑制する「APOBEC(アポベック)3C」というたんぱく質がある。しかしHIVはこのたんぱく質に対抗するためVifというたんぱく質を出し、Vifがアポベック3Cにくっついて分解する。このため、アポベック3Cは本来の力を発揮できず、HIVは抑制されずに増殖するという仕組みがわかっていた。

 しかし、アポベック3Cの分子の形はこれまで謎で、分子のどこに、どのようにしてVifがくっつくのかはわからなかった。

 岩谷室長らのグループは結晶にしたアポベック3CにX線をあて、原子の配列データをコンピュータで解析し、分子の形を三次元的に解明した。形が明らかになったことで、Vifがアポベック3Cにくっつく場所になっている「ポケット」と呼ばれる部分があることもわかった。

 このポケット部分を分子でふさぎ、Vifがくっつくことを防げば、アポベック3Cは分解されず、本来の力を発揮することができ、HIVの増殖を防げるようになるという。

 岩谷室長らのグループは今後、ポケットをふさぐ分子の発見に全力を注ぐ。

ヒト脳巨大化は出生前から チンパンジーは成長鈍る

共同通信社 9月25日(火) 配信

 ヒトの脳の巨大化は、胎児期から既に始まっていることを京都大霊長類研究所(愛知県)や滋賀県立大のチームが解明し、25日付の米科学誌カレントバイオロジー電子版に発表した。

 ヒトは生まれる直前まで脳が急速に大きくなるが、比較したチンパンジーでは胎児期の中期に成長の速度が鈍くなった。チームは「こうした発達の仕方は、ヒトの祖先が、チンパンジーとの共通祖先から分かれた後に独自に獲得したと考えられる」としている。

 同研究所などは、ヒトの心や行動の基盤を理解するには脳の進化過程の解明が重要として、ヒトと最も近縁の現生霊長類のチンパンジーで研究を進めている。両者は妊娠期間に大差はないが、出生時の脳はヒトが約3倍大きいことが以前から知られていた。ヒトは脳の巨大化が著しいが、胎児期の発達過程の違いはよく分かっていなかった。

 チームは林原類人猿研究センター(岡山県)と共同で、妊娠14週目から出生直前に当たる34週までチンパンジー胎児の脳容積の増加を週1回程度超音波撮影で調べ、ヒトの胎児と比べた。

 すると、チンパンジーは17~22週ごろまではヒトと同じような成長速度だったが、22週ごろで鈍くなった。ヒトは32週ごろまで急成長。32週時点の成長速度は、週当たりヒトは約26立方センチ、チンパンジーは約4立方センチで、6倍以上だった。一方、チンパンジーの脳の大きさは16週時点でヒトの半分と判明した。

4人に1人が救急で判明 英国のがん患者

共同通信社 9月24日(月) 配信

 【ロンドン共同】英国のがん患者の4人に1人が、症状が悪化してから救急部門で初めてがんと診断され、うち大半は数週間以内に死亡しているとの調査結果を英研究機関がまとめた。21日付の英紙タイムズが報じた。

 専門家からは「驚くべき結果。患者が医者に行きたがらないのが一因とみられるが、家庭医がもっとがん検査をするようにすべきだ」との声が上がっている。

 英国では日本のような定期健康診断は一般に広がっておらず、専門病院で受診するには、登録した家庭医の紹介が原則として必要。

 調査では2006~08年の患者約75万人について、どのようにがんの診断を受けたか、さかのぼって調べた。高齢の患者では、救急で初めてがんと診断されたケースが全体の3分の1を占めた。

DNAワクチン用特殊カプセル開発…北海道大学

読売新聞 9月23日(日) 配信

 がんやインフルエンザなどに使う研究が進められている「DNAワクチン」の効果を高める特殊なカプセルを、北海道大学の原島秀吉教授と秋田英万(ひでたか)准教授らが開発した。札幌市で開かれた日本癌学会で20日、発表した。

 DNAワクチンは、がん細胞などに特有なたんぱく質(抗原)の遺伝子を小さなカプセルで包んだもの。注射して免疫細胞である樹状細胞に取り込ませ、樹状細胞ががん細胞などを認識・攻撃できるようにする。

 開発したワクチン用カプセルは150-200ナノ・メートル(1ナノ・メートルは100万分の1ミリ・メートル)とウイルス程度の小ささで、表面にアミノ酸からなる分子が多数付着しているのが特徴だ。マウスの実験では、このカプセルを使うと樹状細胞の免疫活動が盛んになった。

 樹状細胞に特定の遺伝子を導入するには、電気刺激や無毒化したウイルスを使う方法も研究されているが、カプセルは、より安全で簡単に使える。すでに、がん抗原が数種類見つかっている皮膚がんの一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)などのほか、インフルエンザの予防や治療への応用が期待できるという。

胆管がん 印刷会社で多発 死亡リスク2900倍 大阪の会社元従業員ら、男性平均と比べ

毎日新聞社 9月21日(金) 配信

胆管がん:印刷会社で多発 死亡リスク2900倍 大阪の会社元従業員ら、男性平均と比べ

 全国の印刷所で胆管がんが多発している問題の発端となった大阪市中央区の印刷会社「サンヨー・シーワィピー」で、校正印刷に関わった元従業員らの胆管がんによる死亡リスクは日本人男性の平均の約2900倍に及んだことが、熊谷信二・産業医科大学准教授の調査で分かった。21日の日本胆道学会で発表する。【遠藤拓】

 調査によると同社の校正印刷部門では91~06年、1年以上働いた従業員の男性が計62人おり、このうち6人について診断書で胆管がんが死因と確認。日本人男性の死亡率に基づき62人のうち胆管がんで亡くなる予想人数0・00204人と比べると、死亡リスクは約2900倍に上った。

 厚生労働省が把握している、同社元従業員の胆管がんによる死者は7人で、これと比較すると死亡リスクは約3400倍となる。

 調査対象の91~06年は換気の不十分な社屋で、がんの原因と疑われる化学物質「1、2―ジクロロプロパン」が印刷機の洗浄剤として使われた時期と合致する。熊谷准教授は「明らかに異常な数値で、業務で胆管がんが引き起こされたのは間違いない」と話している。

 熊谷准教授は今年5月、当時把握していた元従業員ら33人(死亡4人)について「胆管とその周辺臓器のがん」による死亡リスクが約600倍に上ると指摘したが、その後の調査対象者などの増加を受け、数値を約500倍に修正した。

水素水で歯周病予防 活性酸素が減少、岡山大

共同通信社 9月21日(金) 配信

 分子状の水素を溶かした水「水素水」を飲むことで、歯周病を予防できるとの研究結果を岡山大の森田学(もりた・まなぶ)教授(予防歯科学)のチームがラットを使って明らかにし、20日発表した。

 チームによると、歯周病悪化の一因となる活性酸素が血液中で減っており、水素水が減少させたとみられる。今後、ヒトでも研究を進める。

 実験では、歯周病を引き起こしたラットを2グループに分け、一方に水素水、もう一方に蒸留水を1カ月飲ませた。すると、水素水のグループは、歯周病の進行により発生する細胞の数が半分程度に抑えられ、血液中の活性酸素の濃度も低かった。

 チームによると、分子状水素は活性酸素を抑制できるとして、糖尿病や動脈硬化への治療効果が報告されている。

 チームの粕山健太(かすやま・けんた)医師は「これまで歯周病の予防は歯磨きや歯石除去など口の中に限った方法が多かった。今回の発見を新しい予防法の開発につなげたい」とした。

3Dで解剖を立体再現 世界初のシステム、岡山大

共同通信社 9月21日(金) 配信

 3D技術を使ってあらかじめ撮影した解剖の様子を、立体画像で多角的に再現できるシステム「仮想解剖アトラス」を岡山大とパナソニックが世界で初めて開発したと20日、発表した。医師の教育に活用し、診療の精度を向上させるのが狙い。

 岡山大の武田吉正(たけだ・よしまさ)准教授(麻酔学)は「神経や血管の正確な位置を知りたくても、専門書の平面図だけでは把握しづらかった。臓器の立体構造を学ぶことで、より正確な治療ができるようにしたい」と話した。今後、解剖の映像を3Dで見られるシステムも共同開発していく。

 岡山大病院で消化器外科、呼吸器外科など約10診療科の専門医が実施した気道や心臓、直腸などの解剖の様子を、立体的に再現できるようにパナソニックが上下左右から多角的に写真撮影した。

 報道陣向けの説明では気道周辺の解剖を公開。3D眼鏡を掛けると、解剖写真が立体的に浮かび上がった。写真は解剖の進行に応じて撮影されており、パソコンを使って見たい角度、深さを自由に変えて見られる。

 10月14日に高松市で開かれる香川県医学会で、解説する予定。

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