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医療情報64

医療情報63

20130501~

脊髄に指示まとめる機能 まひ患者の治療に期待

共同通信社 5月15日(水) 配信
 国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)の武井智彦(たけい・ともひこ)室長らのグループが「つまむ」など指先を細かく動かす際の神経伝達の様子を調べ、脊髄には大脳皮質からの指示を整理し、統合する働きがあることを確認し、15日発行の米学会誌に論文を掲載した。
 これまで大脳皮質が指の動きを全て制御していると考えられてきたが、武井室長は「指示の通過点とされていた脊髄が重要な働きを持っていることが分かった。手足がまひした患者の新たな治療やリハビリ法の開発につながる可能性がある」としている。
 武井室長らは、大脳皮質が未成熟な乳児でも反射的に物をつまむことができることに着目。サルの脊髄に電極を取り付け、物をつまむ際に神経細胞から出る電気信号を記録、解析した。
 大脳皮質と神経細胞の動きを比較すると、脊髄では動作の開始を伝える細胞の割合が低下する一方、動作の開始と維持を統合して指示する細胞の割合が約20%も増加していた。
 筋肉は最終的に統合された指示でしか動かないとされており、武井室長は「脊髄の働きをさらに解明できれば、脊髄を損傷した患者でも手足の機能を取り戻すことができるかもしれない」としている。
※米学会誌は「THE JOURNAL OF NEUROSCIENCE」

iPS細胞から血液のもと 東大、マウスを利用

共同通信社 5月15日(水) 配信
 さまざまな種類の細胞に成長できる人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、血液のもとになる「造血幹細胞」を作ることに成功したと、東京大などのチームが14日付の米医学誌モレキュラーセラピー電子版に発表した。
 マウスを使って作り出した造血幹細胞からは、リンパ球や赤血球などの血液細胞が正常にできることを確認。チームの中内啓光(なかうち・ひろみつ)東京大教授は「白血病などの血液の病気で、ドナー不足が問題となっている骨髄移植にかわる治療法を開発できるかもしれない」としている。
 チームは、免疫が働かないようにしたマウスに人から作製したiPS細胞を注射。すると、このiPS細胞がさまざまな種類の細胞に成長し、良性の腫瘍ができた。チームは、このうち造血幹細胞に成長した細胞が、腫瘍から骨髄に自然に移動することを突き止めた。
 その造血幹細胞を採取して、放射線を当てて骨髄細胞を壊した別のマウスに注射したところ、骨髄で造血幹細胞が働いて血液細胞を作り出し、マウスに流れるようになった。
 これまでiPS細胞からきちんと働く造血幹細胞を作ることは難しかった。ただ治療に応用するには、豚などの大型動物で大量に作製する必要があり課題は多いという。

子宮移植の女性が中絶 胎児の心音確認できず

共同通信社 5月15日(水) 配信
 【カイロ共同】トルコからの報道によると、世界で初めての成功例となった子宮移植の後、妊娠した同国のデルヤ・セルトさん(23)が人工中絶手術を受けた。妊娠8週の検査で胎児の心音が確認できず死亡したと考えられたためで、セルトさんの健康状態に問題はない。トルコ南部アンタルヤの大学病院が14日発表した。
 先天的に子宮がなかったセルトさんは2011年8月に子宮移植手術を受け、今年4月中旬に体外受精により妊娠したことが確認されていた。
 先天的に子宮のない女性は世界平均で5千人に1人いるとされている。

若年のがん再現に成功 マウスのES細胞

共同通信社 5月15日(水) 配信
 さまざまな種類の細胞に成長する可能性があるマウスの胚性幹細胞(ES細胞)から、若い年齢で発症する「胚細胞腫瘍」と呼ばれるがんを作ることに成功したと、国立成育医療研究センターと慶応大のチームが14日、米オンライン科学誌プロスワンに発表した。
 このがんは、精子や卵子のもとになる細胞の異常が原因とされ、精巣や卵巣のほか胸や頭などでも発症するが、詳しい仕組みは分かっていない。チームは、発がんの仕組みを解明し、診断や治療法の開発につなげたいとしている。
 チームは、ベータカテニンというタンパク質を作る遺伝子が働かないES細胞を作製。これをマウスの皮膚の下に移植すると、悪性の胚細胞腫瘍ができ、この遺伝子が正常に働かないことが原因の一つの可能性があると判断した。
 このES細胞は、幹細胞に備わる特有の能力のうち、さまざまな細胞に姿を変える能力を失っていたことも判明。チームは、ES細胞の分化にベータカテニンが関わっているとみている。

がん発症リスク、糖尿病で高まる…学会の合同委

読売新聞 5月14日(火) 配信
 日本糖尿病学会と日本癌(がん)学会は14日、糖尿病が、がんの発症リスクを高める要因になると発表した。
 両学会は、野菜不足や過剰な飲酒、運動不足、喫煙は、糖尿病とがんに共通する危険因子だとし、適切な生活習慣を身につけるよう、呼び掛けている。
 両学会は合同委員会を設立し、2011年から糖尿病とがん発症との関係について検討を続けてきた。
 全国各地で実施された男性約15万人、女性約18万人分の健康状態の追跡調査のデータを解析。男性約2万人、女性約1万3000人が、がんになったが、糖尿病の人は、そうでない人に比べ、がんになるリスクが男女とも1・2倍高かった。
 中でも、大腸がんは1・4倍、肝臓がんと膵臓(すいぞう)がんは、それぞれ約2倍、高かった。子宮がんや膀胱(ぼうこう)がんも、糖尿病になるとがんのリスクが高まる傾向がみられた。一方、乳がん、前立腺がんは糖尿病との関連はみられなかった。

乳幼児発疹の感染解明 ウイルス結合防ぎ治療に

共同通信社 5月14日(火) 配信
 高熱や発疹のほか、脳炎やけいれんを起こすこともある乳幼児の突発性発疹症の原因となる「ヒトヘルペスウイルス6B」(HHV6B)が感染するヒトの細胞の部位を、神戸大大学院医学研究科の森康子(もり・やすこ)教授(臨床ウイルス学)のチームが解明し、13日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
 部位は、免疫機能に関わるT細胞にある受容体「CD134」。HHV6Bの受容体を発見したのは世界初で、この働きを抑えると、感染を防げることも確かめた。
 森教授は「ウイルスと受容体がどの部分で結合するのか突き止め、結合を防ぐ薬剤を5年以内に作り、予防や治療に役立てたい」と話している。
 チームはこれまでに、HHV6Bの表面にある4種類の糖タンパク質が感染に関係すると突き止めていた。
 これらの糖タンパク質をT細胞に接触させた後に取り出すと、CD134と結合していた。
 さらに、ヒトの臍帯血(さいたいけつ)から取り出したT細胞のCD134がよく働くようにしてHHV6Bを接触させると、感染が広がった。一方、CD134の働きを抑える抗体を使った場合は、ほとんど感染しなかったことから、HHV6Bがヒトの体に侵入するための受容体はCD134と特定した。
 チームによると、HHV6Bに対する効果的な予防法や治療法は見つかっていない。
※ヒトヘルペスウイルス6B(HHV6B)
 生後6カ月~1歳ごろの乳幼児が感染し、40度近い高熱を伴った突発性発疹症を引き起こして脳炎に悪化するケースが年間150~200例ある。ウイルスは症状がおさまった後も体内に潜伏し、成人になっても保持されている。臓器や骨髄の移植を受けた後、拒絶反応を防ぐため免疫を抑制すると活発に働きだして脳炎を起こすこともある。

「人から人」は限定的 中国の感染、収束も

共同通信社 5月14日(火) 配信
 中国で感染が広がっている鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)について、日本政府の新型インフルエンザ等対策有識者会議の尾身茂(おみ・しげる)会長が13日、東京都内の日本記者クラブで会見。限定的な人から人への感染の可能性を指摘しながらも、鳥の殺処分など中国当局の対策で世界的な大流行には至らず「収束に向かう可能性もある」と期待を示した。
 尾身氏は、鳥と接触していない人や感染者の家族が発症した例などから、家族内など「限局的な人から人への感染が起きている可能性がある」とする一方、大流行につながるような「効率的な感染の証拠はない」と述べた。
 H7N9型が鳥に対して低病原性のため「鳥の感染がどこまで広がっているかが分からず、コントロールを難しくしている」と分析。「感染が鳥の間で静かに続いている可能性を否定できない」とした。
 また「ウイルスの駆逐は難しい。高齢者が感染すると重症化しやすいと考えられ、感染した人を早く発見することが一番大切」と話した。
 世界保健機関(WHO)と中国の衛生当局はこれまで、人から人に感染したと結論付けるまでの証拠はないとの見解を示している。(共同)

リウマチ発症の物質発見 大阪大、治療薬に期待

共同通信社 5月14日(火) 配信
 関節リウマチなどの自己免疫疾患を起こすインターロイキン6(IL6)という物質の過剰生産に関与するタンパク質を、大阪大や京都大などのチームが発見し、13日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
 タンパク質は「Arid5a」で、この働きを阻害して治療することを狙っており、チームの岸本忠三(きしもと・ただみつ)大阪大教授は「作製に手間のかからない安価な治療薬の開発につながる可能性がある」と話している。
 自己免疫疾患の患者の血液中ではIL6が著しく増えている。チームは、Arid5aが細胞内で、IL6を作るのに必要なメッセンジャーRNA(mRNA)と結合し、mRNAが分解されないようにしていることを突き止めた。
 通常、作られた直後のmRNAは、酵素によって破壊されるが、Arid5aは分解酵素の作用を阻害しており、IL6が過剰に作られる異常が起きていた。
 マウスの実験でArid5aを働かなくすると、IL6の生産を促す毒素を投与しても、IL6の量は普通のマウスより少なくなった。また、自己免疫疾患と考えられている多発性硬化症になるようにしたマウスでは、感覚障害や運動まひなどさまざまな症状が抑制された。

問題発生時の補償制度を 識者談話

共同通信社 5月14日(火) 配信
 前日本産科婦人科学会理事長の吉村泰典(よしむら・やすのり)慶応大教授の話 募集の対象が無償の提供者ということで、実際にどれくらいの応募があるかは疑問だったが、取り組みは染色体異常のターナー症候群の患者などに妊娠の道を開く。今後の動きを見守っていきたい。ただ提供者は麻酔をかけて採卵するため、一定のリスクを負うことになる。制度として問題が起きた時の補償を厳密に考えておくべきではないか。子どもの出自を知る権利についても認めるべきだが、そのためには、提供者の情報を長期間にわたって管理する公的な機関を設置する必要がある。

見切り発車、否めず 課題山積、定着するか 「表層深層」卵子バンク

共同通信社 5月14日(火) 配信
 国内で初めて、親族・知人以外の女性から提供を受けた卵子で体外受精を行う「卵子バンク」による不妊治療が始まる。だが、採卵に伴うリスクや生まれた子どもに障害が出た場合にどう対処するかは手探り状態。子どもの法的な立場も確立はしていない。山積する課題を残したままの見切り発車は否めず、果たして有効な不妊治療法として定着するのか。
 ▽「人権侵害」
 海外での卵子提供ビジネスでは、患者夫婦はまず卵子を提供してくれる女性を選ぶ。そのための「カタログ」には、女性の写真はもちろん、生年月日、生い立ち、趣味、家族関係、血液型など個人情報が満載だ。全員が日本人。患者夫婦は学歴を中心に容姿や、妻に似ているかなどを基準に「品定め」する。
 あっせん業者の男性は「意外と重要なのは目が二重かどうかだ。だから目を整形した人は提供者に選ばない」と話す。
 日本の若い女性が数十万円の謝礼で海外に行き、医療機関で採卵手術を受ける。人気のある女性には依頼が集中し「中には血液型が全く合わない夫婦から"ご指名"を受けることもある」。
 患者が支払う金額も跳ね上がる。あっせん業者の男性は「ひどいところは何百万円も請求するが、うちは良心的。人助けでやっている」と話す。だが、救われるのは裕福な層だけだ。「女性の人権を侵害している」「命の売買だ」などの批判も根強い。
 ▽こんなはずでは
 国内で卵子提供を受ける場合も、想定される問題は多い。諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘(ねつ・やひろ)院長は、これまで提供卵子や精子による体外受精を200組以上の夫婦に実施、150人以上の出産にこぎ着けているが、いずれも親族や友人らからの提供だ。
 こうした人間関係の中で、常に提供者が見つかるとは限らない。だからこそ第三者からの提供が求められる。
 しかし根津院長によると、トラブルは採卵による健康への悪影響が出た場合や、生まれた子に障害があった場合に起こる可能性が考えられ、「赤の他人同士だと『こんなはずではなかった』と、こじれる可能性があるのではないか」と指摘する。事前に保険会社と契約するなど、補償体制を整えることが大事だとしている。また金銭だけで解決できない問題もあり、国が関与して対応を準備する必要性を指摘する専門家もいる。
 ▽子どもの立場
 「実際に卵子提供がされて治療に結びついた場合に、残念ながら法整備が十分にできていない」と指摘するのは日本生殖医学会倫理委員長の石原理(いしはら・おさむ)埼玉医大教授だ。民法ではこうして生まれた子どもは想定しておらず、子の母親が産んだ女性か卵子提供者なのかは、必ずしも明確ではない。精子や胚の提供の場合の親子関係も同様だ。
 石原教授は「今回の動きが、法整備やシステム作りへのきっかけになってくれれば一番良い。たくさんの問題を抱えながらの船出というのは間違いない」と話す。
 子どもに出自を知らせるかどうかも、夫以外からの精子の提供を受けて行う人工授精で生まれたケースで既に問題になっている。唐突に真実を知らされ「自分は何だったのか」と悩む人も多い。
 根津院長は「内緒にするのではなく、親が堂々と説明すべきだ」と話す。提供を受けた卵子で生まれた子を特別な目で見ない社会づくりも必要だと強調した。

涙あふれるほどうれしい 卵子提供受ける女性手記 不妊「自分を責めた」

共同通信社 5月14日(火) 配信
 民間団体「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」の岸本佐智子(きしもと・さちこ)代表(49)は13日の記者会見で、卵子提供を受けるレシピエントに選定された女性から受け取った手記を一文ずつ、かみしめるように読み上げた。
 「お話をいただき、涙があふれて止まらないほどうれしかった。ドナー(提供者)になっていただける方がいることに、心から感謝したい」
 女性は「子どもを授かることができないと知ったとき、主人にとても申し訳ないという気持ちがあり、いつも自分を責めていました」と振り返る。海外での卵子提供も試みたが「多額の費用が掛かり、言葉も分からず、慣れない環境でとても大変でした」。だが望んだ結果は出ず「正直、もう諦めるしかないと絶望していた」と苦しかった胸の内を明かした。
 提供を受けられることが決まった喜びと感謝の気持ちを表すとともに「卵子提供はそう特別なことではなく、子どもを望む夫婦が希望を持てるようになってほしい」と制度の普及を望んだ。
 一方、記者会見ではドナーとして登録された女性2人の声も紹介された。「卵子のない方に私の卵子を使っていただいて産んでほしい。少子化、少子化と言うけれど、こういうところに力を入れてほしいと思います」
 「私は『できちゃった婚』で苦労もなく子どもに恵まれたので、悩んでいる人の力になれるのはとてもうれしい」
 また卵子提供者として応募し、将来提供を考えている横浜市の女性(26)は13日、取材に「望む人がいるなら、ぜひ自分が助けになりたい」と語り、提供への気持ちを強くした様子だった。
 2009年に結婚して長男(3)をもうけ、昨年離婚。今は看護師や助産師を目指し勉強中だ。今年1月にOD―NETの卵子バンク事業を知り、すぐ応募を決めた。
 採卵時に使う排卵誘発剤には卵巣が腫れるなどの副作用リスクがあると説明も受けたが、「自分の体の一部を生かしてもらい誰かが喜んでくれれば、うれしい」。提供への報酬はないが「むしろ報酬が支払われたら人身売買のようで、絶対に応募しなかった」という。
 岸本代表は会見で「提供者の優しさを大事にしたい」と強調し、引き続きドナーの登録作業を進めると説明。「卵子提供で生まれた子どもの出自を知る権利など、将来のことも長い目で検討しなければいけない。責任を感じるし身が引き締まる思いだ」と語った。

卵子提供 3組成立 年内にも体外受精 NPO仲介

毎日新聞社 5月14日(火) 配信
卵子提供:3組成立 年内にも体外受精--NPO仲介
 病気で卵子のない女性患者を支援するため、無償ボランティアの卵子提供者をあっせんするNPO法人「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」(神戸市)は13日、申込者42人から9人が提供者として正式に登録され、うち3人の提供相手が決まったと発表した。家族以外の匿名の第三者から卵子提供を募る国内初の試み。不妊治療施設でのカウンセリングや倫理的な審査を経て、年内にも1例目の卵子提供による体外受精が実施される。
 同団体によると、募集を始めた1月以降、提供を希望する100人以上の問い合わせがあり、うち42人が登録申込書や問診票を返信した。その後、感染症の有無を調べる血液検査や電話による意思確認を経て、9人が正式に登録された。今月2日に小児科医や弁護士、看護師など5人で構成する「マッチング委員会」を開き、登録中の患者13人との最適な組み合わせを検討。患者の年齢や両者の居住地域、血液型など数十項目を協議し、3組が決定したという。3組はそれぞれ提携先の五つの不妊治療施設のいずれかで治療を受ける。
 両者の年齢や居住地域、治療施設、マッチングの詳細な検討内容について同団体は「当事者の特定につながる可能性がある」として公表しなかった。ただし、患者選定では年齢や不妊治療歴などを考慮し、より切実性の高いと判断された人を優先したと説明した。
 今後は治療施設で提供者、患者それぞれのカウンセリングが始まる。両者の最終的な同意が得られれば、施設内倫理委員会による承認などを経て治療に入る。治療で余った受精卵は、患者が第2子を希望した時のため凍結保存するが、卵子が余っても他の患者への提供は当面しない方針。
 岸本佐智子理事長は記者会見で「私は苦労もなく子どもに恵まれたので、悩んでいる人の力になれるのはとてもうれしい」など提供者の声を紹介。「予想以上の応募を頂き驚いた。責任をもってドナー(提供者)の方を大切にしていきたい」と話した。【須田桃子】
 ◇法的裏付けないまま
 今回のNPO法人「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」のあっせん事業は、親族や知人以外の提供者に協力を求める点が新しい。また、精子提供による非配偶者間人工授精の提供者は原則匿名だが、今回は生まれてくる子どもの出自を知る権利を守るため、子どもが15歳以降に希望すれば、卵子提供者の氏名や治療時の住所などの個人情報が開示される。提供者の個人情報は治療施設で管理し、仮に廃業した場合は施設が加盟する「日本生殖補助医療標準化機関(JISART)」が代わって管理し、治療実施から80年間は対応可能にするという。
 しかし、子どもに事実を伝える際の精神的サポートなど、当事者家族の長期的な支援体制のあり方は、JISARTでもまだ定まってはいない。子どもが15歳以上になって提供者に会うことを希望する場合もあるが、これに同意していた提供者がその後、心境が変化することもあり得る。公的ルールがないため、情報管理やトラブル発生時の責任の所在も不透明だ。
 卵子提供に関する法整備が進まないまま実施に踏み切ることについて、同団体の岸本佐智子理事長は記者会見で「これから生まれる子や患者のためにも、法制化やガイドラインの整備を進めてほしい」と語った。
 不妊治療に詳しい長沖暁子(さとこ)・慶応大准教授(女性学)は「法的裏付けがないままスタートするのは問題。卵子提供で一人の人間を世の中に送り出すという事実を提供者がしっかり認識しているか、検討が必要だ」と注文する。【須田桃子】
 ◇体外受精実施機関
 OD―NETがあっせんした提供卵子で体外受精を実施するのは次の5施設。京野アートクリニック(仙台市)▽英ウィメンズクリニック(神戸市)▽醍醐渡辺クリニック(京都市)▽広島HARTクリニック(広島市)▽セントマザー産婦人科医院(北九州市)。
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 ◇卵子提供の主な条件
 <提供者>
▽原則35歳未満の成人女性で、すでに子がいる
▽夫が同意している
▽卵子提供や生まれてくる子の出自を知る権利を十分理解している
▽提供は無償
 <提供を受ける患者>
▽生まれつき卵巣機能が低下しているターナー症候群や若くして月経が止まる早発閉経で、医師から卵子がないと診断されている
▽登録申請時40歳未満
▽法律上の夫がいる

思春期特発性側彎症の原因発見

山田留奈(m3.com編集部) 5月14日(火) 配信
 理化学研究所と慶應義塾大学医学部整形外科脊椎外科研究グループは5月13日、思春期特発性側彎症(AIS)の発症に関連する新たな遺伝子「GPR126」を発見したと報告した。2011年に同定した遺伝子「LBX1」に次ぐ発見で、複数人種で共通するAIS関連の遺伝子としては今回が初めての発見となった。
 AISは10歳以降に発症する側彎症で、発症頻度は人口の約2%と高い。遺伝的因子と環境的因子の相互作用で発症する多因子遺伝病だ。研究グループは、日本人女性のAIS患者1033人と対照者1473人でゲノムワイド相関解析を行い、AISに強い相関を示す6つのSNPを確認。これを別の日本人集団で調べると、6番染色体上の1つのSNP(rs6570507)で相関が再現され、このSNPを持つと発症のリスクが1.28倍に高まることが分かった。また、中国人および欧米人集団でも調査し、同様の相関が多人種でも見られることを突き止めた。
 このSNPはヒトの身長に関与する遺伝子「GPR126」のイントロン内にある。研究グループは、軟骨組織で高く発現しているGPR126に異常があることで、軟骨の形成障害が起こり、AIS発症につながると推察している。また、GPR126は神経細胞の髄鞘形成にも関わるため、神経系もAIS発症に関連している可能性も指摘している。

タミフル投与「2倍に」…鳥インフル発生なら

読売新聞 5月13日(月) 配信
 中国で広がっている鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染者が国内でも発生する場合に備え、日本感染症学会は通常のインフルエンザよりも抗ウイルス薬の投与量や治療期間を2倍に強化することなどを柱とした治療指針をまとめた。
 提言として近く公表する。
 指針では、治療薬として原則、飲み薬のタミフル(商品名)と点滴薬のラピアクタ(同)を使うよう求めた。インフルエンザの治療では、吸入薬のリレンザ(同)、イナビル(同)も使われているが、H7N9型では重い肺炎を発症するケースも多い。こうしたケースでは、肺の状態が悪化しているため、粉末の薬を吸引しても、患部に行き届かず、効果が十分に得られない危険性があるためだ。
 また、H7N9型の患者中には、発症直後にタミフルの治療を始めたものの、効果が乏しく重症化して急性肺障害となった症例も報告されているため、抗ウイルス薬の投与量や投与期間をそれぞれ通常の2倍に増やし、初期から強力な治療を行うとした。成人の場合、タミフルの投与期間は10日間、原則1回だったラピアクタは状況を見て反復使用も考慮する。

コロナウイルス 新型「人・人」感染可能性 WHO発表

毎日新聞社 5月13日(月) 配信
コロナウイルス:新型「人・人」感染可能性 WHO発表
 【ローマ福島良典】世界保健機関(WHO)は12日、新型肺炎(SARS)と同じウイルスの仲間であるコロナウイルスの新型ウイルスについて、人から人に感染する可能性があると発表した。新型ウイルスの感染により、これまでに欧州と中東で少なくとも18人が死亡している。
 新型ウイルスは2003年に大流行したSARSとは別の種類。ロイター通信によると、世界で34人の感染、18人の死亡が確認されている。サウジアラビアで感染者24人中15人が死亡したほか、アラブ首長国連邦(UAE)からフランスに帰国した感染者と仏北部の病院で同室だった入院患者が感染した。WHOは12日の報道声明で、多数の国で感染が同時多発していることから、「密接な接触」がある場合、「人から人に感染する可能性がある」と警鐘を鳴らした。その一方、「ヒト・ヒト感染は限定的で、今のところ、ウイルスが大規模な感染を引き起こす能力を持っている証拠は見つかっていない」とも指摘した。
 WHOによると、新型ウイルスに感染すると、重い肺炎を発症する場合が多い。感染者の多くは高齢男性。感染経路などの詳しい事情は分かっていない。

線量、腎臓病リスク高める 放影研が被爆者調査

共同通信社 5月13日(月) 配信
 原爆の被爆者が浴びた放射線量が多いほど慢性腎臓病(CKD)のリスクが高まることが12日、日米共同の研究機関「放射線影響研究所」(放影研、広島市・長崎市)の研究で分かった。米放射線影響学会の学術誌に発表した。放影研によると、被爆者の慢性腎臓病と線量の関係が判明したのは初めて。
 世羅至子(せら・のぶこ)研究員らが、2004~07年に放影研で成人健康調査を受けた長崎原爆被爆者のデータを分析。うち慢性腎臓病の患者162人を含め、線量が判明している746人を対象に、腎疾患と線量の関係を調べた。
 その結果、計算上で被ばく線量が1シーベルト上がると発症リスクは1・29倍に、より重度の腎機能障害のリスクは3・19倍に高まることが分かった。
 世羅研究員は「『慢性腎臓病』は近年定着した病名で、被ばくとの関係は研究が進んでいない」と指摘。今回は患者数が少なかったため、今後は広島の被爆者を加えた約5千人のデータで詳しく分析する。
 慢性腎臓病は進行すると腎不全になるほか、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患にかかりやすくなる。

無精子症でも80人誕生 未熟な細胞で体外受精

共同通信社 5月13日(月) 配信
 無精子症の男性の精巣から精子が成熟する前段階の細胞を取り出し、安定的に体外受精を成功させる手法を確立したと、セントマザー産婦人科医院(北九州市、田中温(たなか・あつし)院長)が10日発表した。
 移植した胚のうち出産にいたったのは1割弱だが、2012年6月に最初の女児が誕生し、これまでに80人の赤ちゃんが生まれたという。田中院長は「不妊に悩む男性が自分の子どもを持てる可能性を広げる成果だ」と話している。
 田中院長によると、無精子症の男性の一部は未熟だが受精能力のある円形の「前期精子細胞」まではつくれる。同医院は大きさや中身の違いからこの細胞とそれ以外の細胞を区別できることを発見。卵子に電気刺激を与える方法で、受精率を向上させた。
 赤ちゃんにはこの手法の影響とみられる重い異常は見つかっていないという。ただ成長してから判明する異常もあることから、10年間程度は発育を検証する。
 前期精子細胞による体外受精での出産は1996年のフランスからの報告が世界初だが、成功率が非常に低く、2000年以降はほとんど実施されていなかったという。
 成果は12日、札幌市で開かれている日本産科婦人科学会学術講演会で報告する。

パートで高い早産リスク 正社員、主婦の2・5倍

共同通信社 5月13日(月) 配信
 パートタイムで働く女性は正社員などのフルタイムで働く女性や専業主婦と比べ、出産時に早産となるリスクが約2・5倍高いとの研究成果を厚生労働省研究班(代表研究者・斎藤滋(さいとう・しげる)富山大教授)がまとめ、札幌市で開かれている日本産科婦人科学会学術講演会で12日発表した。
 早産は低体重で生まれたり呼吸障害が出たりする懸念があり、日本産科婦人科学会によると全妊婦の約5%に発生。予防が課題になっている。
 研究班は2008~10年に妊娠、出産した1365人を調査。内訳はフルタイム勤務が560人、パートタイム192人、専業主婦が573人、不明が40人だった。
 調査では37週未満の出産となった早産率は、全体で7・5%。フルタイム勤務は6・6%、専業主婦は6・5%だったのに対し、パートタイマーは12・5%で、統計処理すると、早産のリスクが約2・54倍高いと見込まれた。
 調査した斎藤教授は「詳しい勤務実態は不明だが、パートでは立ち仕事が多かったり、休みが取りにくかったりする労働環境が影響している可能性がある。おなかの張りなどの異常を感じた時に休みを取りやすくする支援が必要だ」と話した。

死別悲しみ、2週間で「うつ」…米学会が新基準

読売新聞 5月11日(土) 配信
 米国精神医学会が近く公表する精神疾患の新たな診断基準「DSM-5」で、子どもや配偶者などを亡くした後の気分の落ち込みを、安易にうつ病と診断する恐れのある改定がなされたことがわかった。
 米国精神医学会の診断基準は、日本を含む世界各国で用いられている。病気ごとに代表的な症状が列記され、当てはまる症状の数などで診断する。
 うつ病は、「抑うつ気分」「興味または喜びの喪失」の一方または両方と、ほぼ毎日の「不眠や睡眠過多」など、計五つ以上の症状が2週間続き、生活に支障がある場合に診断される。ただし、死別の場合は、症状が2か月以上続く場合に診断できる、と規定されていた。
 新基準ではこの規定が削除され、脚注で正確な診断のポイントなどが記載される。背景には、うつ病を早期に治療することを重視する流れがある。だが、子どもや配偶者を不慮の事故などで失った時も、2週間で立ち直らなければ病気とされる可能性があり、日本の精神科医からも疑問の声が上がっている。

子宮移植のサル出産 慶応大など、霊長類で初 人に応用では倫理課題も

共同通信社 5月10日(金) 配信
 慶応大や東京大などの研究チームは、雌のカニクイザルから子宮を摘出して再び移植し、妊娠と出産に成功した。札幌市で開かれる日本産科婦人科学会学術講演会で10日発表する。子宮移植後の出産は霊長類では世界初という。
 人間では海外で妊娠までの報告がある。今回は自らの子宮を使う自家移植だが、チームは別のサルからの移植実験も進めている。病気などで子宮を失った女性が子どもを持てる医療の開発につながる一方、心臓や肝臓のように生命維持に必須の臓器ではないため、どこまで移植が許されるかなど倫理面の問題も指摘されている。
 チームは6歳のカニクイザルから子宮を摘出し、同じサルに戻す移植手術を実施。微小な血管4本を顕微鏡で見ながらつないだ。手術から35日目に月経が再開し、116日目に自然妊娠を確認。交配から143日目に帝王切開で出産した。妊娠中、胎児の発育に問題はなかったという。
 チームの木須伊織(きす・いおり)慶応大助教は「サルは子宮の形状や月経周期が人に近い。移植手術の技術は確立したと言える。将来、先天的に子宮がなかったり、子宮を失ったりした患者が、出産できるようになるための医療技術開発につながる可能性がある」としている。
 チームはすでに、カニクイザルから摘出した子宮を別のサルに移植し、拒絶反応を抑えるため免疫抑制剤を使った実験も進めている。
※子宮移植
 生まれつき子宮がなかったり、病気や事故などで子宮を失ったりした女性が、子宮の提供を受け妊娠、出産するための移植手術。世界中で研究が進められており、動物実験ではマウスなどで出産例がある。人間では、サウジアラビアで世界初の生体からの子宮移植が実施されたが、血栓が生じて摘出されたことが2002年に判明。11年に提供者から子宮の移植を受けたトルコの20代女性が初の成功例とされ、13年4月、この女性が体外受精により妊娠したことが明らかとなった。スウェーデンの大学も12年、母から娘への子宮移植を2例発表している。

アルツハイマー病 脳内遺伝子、糖尿病と同じ状態 九大研究所が発表

毎日新聞社 5月8日(水) 配信
アルツハイマー病:脳内遺伝子、糖尿病と同じ状態 九大研究所が発表
 九州大学生体防御医学研究所は、アルツハイマー病患者の脳内で、糖の代謝などに関係する複数の遺伝子の量が少なく、糖尿病と同じ状態になることを見つけ、7日発表した。中別府雄作教授(脳ゲノム機能学)は「アルツハイマー病の病態変化の一過程が分かった。脳内での健全な糖代謝やエネルギー代謝の維持が予防や治療で大事になる」としている。
 中別府教授らは、九大が福岡県久山町で実施している疫学調査「久山町研究」で、糖尿病患者にアルツハイマー病の発症率が高い点に注目した。08年12月~11年2月、亡くなったアルツハイマー病患者26人を含む88人の脳を調べ、約40人の遺伝子解析に成功した。
 中でも、短期的な記憶をつかさどる「海馬」で、アルツハイマー病患者は健常者に比べ、糖代謝を制御する遺伝子や、血糖値を調節するインスリンを作る遺伝子が減っていることが分かった。さらに、アルツハイマー病モデルのマウスを作製し調べた結果、ヒト同様にインスリンを作るのに必要な遺伝子が激減していた。【金秀蓮】

「大流行の可能性低い」 H7N9型で統計分析

共同通信社 5月9日(木) 配信
 中国で感染者が相次ぐH7N9型の鳥インフルエンザで、鳥との接触歴などから統計的に分析し、「即座にパンデミック(世界的な大流行)が起こる可能性は低い」とする研究成果を、香港大の西浦博(にしうら・ひろし)医師らのチームが8日までに国際医学誌に発表した。
 感染症のうつりやすさを示す指標として、1人の患者が平均で何人にうつすかを示す「基本再生産数」がある。この数値が1より大きいと大規模流行が一定の確率で発生、1以下だと流行は起こらないとされる。
 チームは5月1日までにH7N9型の感染が確認された129人について、鳥との接触歴や発症時期をもとに数理モデルで分析。仮に人から人への感染があるとしても基本再生産数は0・36で、1より小さくなることが分かった。
 季節性インフルエンザでは約1・3、2009年に流行したH1N1型の新型インフルエンザは1・4、東南アジアなどで死者が出ているH5N1型の鳥インフルエンザは0・06とされる。
 西浦医師は「感染源が不明の患者の多くは、鳥からの感染が引き続き起きていると考えられる」として、詳細な接触歴の調査が必要としている。
※国際医学誌は4日付「理論生物学・医学モデリング誌」

風疹患者数が5千人超 厚労省、ワクチン検討を

共同通信社 5月9日(木) 配信
 国立感染症研究所の8日の発表によると、今年の全国の風疹患者数が4月28日までに累計5千人を超えた。過去5年で最多だった昨年1年間の倍以上になっており、厚生労働省は免疫を持たない人が多い20~40代を中心にワクチン接種の検討を呼び掛けている。
 風疹は感染症法に基づきすべての患者が報告される。4月22~28日の新規患者数は526人で、年初からの累計は5442人となった。昨年は計2392人だった。
 4月に入ってからの新規患者は毎週500人超の高水準が続いている。4月22~28日の週について都道府県別では大阪(135人)、東京(124人)、神奈川(61人)、兵庫(43人)の順に多かった。
 妊娠初期の女性が風疹に感染すると赤ちゃんに心臓疾患や難聴といった「先天性風疹症候群(CRS)」が起こる恐れがある。だが厚労省によると、適齢期の20~40代は過去のワクチン接種率が低かったことなどから、男女ともに約15%が十分な免疫を持っていないとみられるという。
 厚労省の担当者は「免疫を持っているかどうか不安な人は積極的に予防接種を検討してほしい」と話している。

脳内、糖尿病と同じ状態に アルツハイマー患者を調査

共同通信社 5月8日(水) 配信
 九州大の生体防御医学研究所(福岡市東区)は7日、亡くなった88人の脳を解剖した結果、アルツハイマー病患者は、脳内の遺伝子が糖尿病と同じ状態に変化することが判明したと明らかにした。
 同研究所の中別府雄作(なかべっぷ・ゆうさく)教授によると、血糖値を調節するインスリンが脳内で働く仕組みを解明し、糖尿病状態から回復させる方法が分かれば、アルツハイマーの進行を防ぐことができる可能性があるという。
 中別府教授らの研究チームは、福岡県久山町と協力した調査の結果、糖尿病を患うとアルツハイマー発症率が3~4倍に高まる点に注目。65歳以上の88人を解剖すると、脳が萎縮するなどアルツハイマーを発症した人が26人いた。
 さらに約40人の脳の遺伝子解析にも成功。アルツハイマー発症者は、糖代謝を制御する遺伝子や、インスリンを作る遺伝子が激減、脳内が糖尿病状態になっていた。
 また、糖尿病患者は脳内の代謝が悪いため、神経細胞が死んでアルツハイマーの発症や進行の危険因子になることも判明した。

アヒルや渡り鳥が起源 鳥インフルで研究結果

共同通信社 5月7日(火) 配信
 【上海共同】新華社電によると、中国政府系の研究機関、中国科学院の研究者らは4日までに、人への感染が相次いでいる鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)について、アヒルや渡り鳥などが持つ複数のインフルエンザウイルスを起源として生まれたとの研究結果を発表した。
 ウイルスの遺伝子を分析すると、上海市を中心とする長江河口地域のアヒルやニワトリ、東アジアの渡り鳥などが持つ遺伝子が含まれていることが分かった。野鳥が持っていたウイルスが、アヒルを仲介役として食用の鳥類に伝わった可能性があるという。
 H7N9型は3月末、世界で初めて人への感染が中国で確認された。発生の仕組みや感染ルートには謎が多いが、新華社は「ウイルス拡散の防止に向けた意義ある研究成果だ」としている。
 福建省政府は4日、69歳の男性農民の感染が確認されたと発表。全体の感染者は台湾の1人を含め130人(うち27人が死亡)となった。中国の衛生当局は大流行につながりかねない「人から人」への感染は、今のところ確認されていないと説明している。

睡眠不足、遺伝子にも影響 小グループで英研究 「医療新世紀」

共同通信社 5月7日(火) 配信
 寝不足が1週間程度続いただけで、数百もの遺伝子の働きに影響が出る可能性があるとの研究を英サリー大のチームがまとめ、米科学アカデミー紀要に報告した。
 睡眠不足が肥満や心臓病、認知機能の低下などにつながることは数多くの疫学研究で示されてきたが、分子レベルの仕組みはよく分かっていなかった。そこでチームは、たっぷり寝た後と睡眠が短いときで遺伝子の働きに違いがあるかどうか、少人数のグループで調べることにした。
 被験者は健康な26人(男性14人、女性12人)。平均年齢は27・5歳で、普段の睡眠時間は平均8・2時間だった。
 大学の研究施設で十分な睡眠(平均8・5時間)を取る生活を7日間続けてもらった後にチームが採血、遺伝子が活動する際にできるRNAという物質が血液中にどれだけあるかを分析し、遺伝子の働きぶりの目安とした。同じ被験者で、睡眠6時間未満の生活を7日間継続する実験も行い、同様に採血してRNAレベルを比較した。
 その結果、睡眠を減らした生活の後では、計711種類の遺伝子の働きが変化していた。この数は人間の遺伝子全体の3%程度に当たる。うち444の遺伝子(62%)は働きが抑制され、残り267遺伝子(38%)は働きが活発化していた。影響を受けた遺伝子は、炎症や免疫応答、ストレス対応などに関わるものだという。
 チームは今回、こうした遺伝子の働きの変化が健康にどんな影響を与えるかまでは分析していないが、短期間の睡眠不足でこれほど変化が出たことに注目。さらに検討を続けたいとしている。

亜鉛運ぶタンパク質が免疫に関与 岡山大大学院教授、院生ら発見

山陽新聞社 5月7日(火) 配信
 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の榎本秀一教授(核薬学、生体機能分析学)と大学院生谷口将済さん(同分析学)らは、健康を維持するための必須元素・亜鉛を運ぶタンパク質「ZIP9」(亜鉛トランスポーター)が、抗体をつくって免疫機能をつかさどるB細胞の働きに関与していることを突き止めた。免疫不全や味覚障害といった疾患の新しい治療法の開発につながる成果という。
 亜鉛はヒトの小腸などから吸収されて血液で循環し、複数のタンパク質と結び付き、健康を維持している。ただ、単独では細胞膜を通過しないため、2種類のトランスポーター「ZIP」「ZnT」で細胞膜内外への輸送が行われている。これらが免疫機能に重要な役割を果たすことは分かっていたが、抗体をつくるB細胞との関係は不明だった。
 グループは細胞内にあり、ホルモンなどの分泌に関わっている器官「ゴルジ体」に存在するが、役割が分からなかったタンパク質「ZIP9」に着目。ニワトリ由来のB細胞株の遺伝子を組み換えてZIP9遺伝子をなくした細胞株を作り、通常の同株と比較した
 両株の培養中に亜鉛を加えるなどしたところ、通常株は生理的なリン酸化反応が増大したが、ZIP9遺伝子がない株(ノックアウト株)はほとんど反応がなかった。さらに、ノックアウト株にヒトの同遺伝子を導入すると通常株と同じ反応が起こることを確認した。

免疫の司令塔、大量生産する細胞発見

読売新聞 5月2日(木) 配信
 外敵の侵入から体を守る免疫の司令塔となる「樹状細胞」を大量に生み出す細胞を、東京医科歯科大の樗木(おおてき)俊聡教授らのグループが見つけた。
 効果の高いワクチンや免疫が原因となる皮膚病の治療薬の開発につながる成果で、米免疫学専門誌に発表した。
 病原菌やウイルスなどが体内に侵入すると、免疫細胞が活性化されてウイルスなどを排除する。樹状細胞は、外敵が侵入した情報を免疫細胞に伝達したり、自ら迎撃したりして、免疫で中心的な役割を果たす。
 中でも特定のタイプの樹状細胞は感染初期に、ウイルスを撃退するインターフェロンを爆発的に生み出し、他の免疫細胞を活性化させる重要な働きがある。しかし、このタイプの樹状細胞を優先的に生み出す細胞は見つかっていなかった。

DV目撃で子どもの脳萎縮 心の病との関連指摘 福井大など共同研究

共同通信社 5月2日(木) 配信
 両親間の暴力や暴言を吐く場面などドメスティックバイオレンス(DV)を日常的に目撃した子どもは、目で見たものを認識する脳の「視覚野」の一部が萎縮する傾向があるという研究成果を、福井大子どものこころの発達研究センターの友田明美(ともだ・あけみ)教授らがまとめ、2日までに米オンライン科学誌に発表した。
 DVの目撃が成長後も心の病といった形で影響を与えると心理学などで指摘されている。友田教授は「DVを見た嫌な記憶を何度も思い出すことで脳の神経伝達物質に異変が起き、脳の容積や神経活動が変化してさまざまな精神症状を引き起こすのではないか」と推測している。
 友田教授は米ハーバード大と共同で、直接虐待を受けたことはないが、夫婦間のDVを目撃してきた18~25歳の男女22人と、目撃した経験がない同年代30人の脳を、磁気共鳴画像装置(MRI)を使い比較。
 その結果、右脳の視覚野にある一部は、目撃した経験がある男女が平均で約6・1%小さく、約6・5%薄かった。左脳の視覚野にある一部も約6%薄かった。
 目撃した時期などの聞き取りから、脳が最も影響を受けやすい年齢は11~13歳で、身体的な暴力より暴言の方が、子どもの脳に深刻な影響を与えることも分かった。
 友田教授は「DVを目撃した子どもには、早期にしっかりした心のケアをすることが必要だ」とし「幼少期の体験が脳を変えるメカニズムが明確になれば、治療などに生かせるだろう」と話している。
 友田教授らは2005年に調査を開始。米マサチューセッツ州にある町の地下鉄やバス停に協力を呼び掛けるチラシを張り出し、集まった1662人から聞き取りなどをして52人を抽出、脳を解析した。
※ドメスティックバイオレンス(DV)
 配偶者や元配偶者ら親密な関係にある人から受ける身体的、精神的、性的な暴力。親や子ども、兄弟からの家庭内暴力は含まない。警察庁によると、全国の警察が2012年に認知したDVの件数は前年比28%増の4万3950件となり、9年連続で最多を更新。20~40代が8割近くを占める。04年の児童虐待防止法の改正では、児童の前で暴力をふるう行為が心理的虐待として盛り込まれた。
※米オンライン科学誌はプロスワン

生まれ変わる細胞、音楽に 佐賀の新病院

共同通信社 5月2日(木) 配信
 病院ロビーに流れる、独特の間合いで奏でられるハープやピアノの調べ―。佐賀県医療センター好生館(こうせいかん)(佐賀市)が、7日に開院する新病院で流す音楽に特定のリズムはない。ベースになったのは、人間の組織再生のために細胞が生まれ変わる時に発する振動や、有明海の干潟などの「自然の音」だ。
 病院が音楽制作を依頼したのは、2005年の愛知万博(愛・地球博)や、06年オープンの表参道ヒルズの音楽を担当した、サウンドスペースコンポーザー井出祐昭(いで・ひろあき)さん(57)。
 「病院に来る時の不安感をどうやって軽減するかが一番のテーマ。体と関係した音の法則が根底にあれば自然性が増すのでは」と考えたという井出さん。注目したのは、人間の細胞が生命維持のため自ら死んでいく「アポトーシス」という生理現象だ。
 アポトーシスに音はないが、引き起こすタンパク質の分子振動を数値に変換し、周波数27・5~4186ヘルツのピアノの範囲に当てはめると、まるで作曲したかのような"音楽"が出現した。
 また昨年12月には、佐賀市の有明海を訪れ、干潟の音や、県内でカンツバキが水を吸う音などを録音。スタジオに持ち帰りアポトーシスの音に加えて曲を完成させた。
 曲はロビーや外来患者の待合場所などで流す予定。新病院の建設担当者は「音が自然に体に入ってくる。患者は気持ちよく診察に臨めるのではないか」と期待を込める。
 佐賀県立病院好生館の施設が老朽化したため新病院を建設、1日に入院患者全員が移り、名称を佐賀県医療センター好生館に変更した。病床数は450床で、総事業費は約240億円。

てんかん患者のiPS細胞 病態を再現、福岡大チーム

共同通信社 5月2日(木) 配信
 てんかん患者の皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作って神経細胞に成長させ、脳内で起きている病態を再現することに成功したと、福岡大と慶応義塾大のチームが2日付の英医学誌に発表した。
 脳は神経細胞で起きる電気活動の興奮と抑制のバランスで正常な機能を維持している。チームは作った神経細胞を使い、一部のてんかんは抑制機能が低下して発症するとの従来の説を確認した。今後、てんかんの仕組みの解明や、新たな治療の開発につなげたいとしている。
 チームは、薬で発作が抑えられない難治てんかんのうち、乳児に突然発症する「ドラベ症候群」の患者の皮膚細胞からiPS細胞を作り、複数の神経細胞に成長させた。電気信号の測定などにより、脳の抑制機能を担う細胞で電気活動が低下していることが分かった。
 てんかんは多様な発作が起きる脳の疾患で、全人口の1%が発症するとされる。
 さまざまな細胞に成長させられるiPS細胞は、これまでにアルツハイマー病や筋ジストロフィーなどの患者から作られ、実験室で病態を再現して病気の仕組みの研究などに利用されている。
※医学誌は「モレキュラー・ブレイン」

感染6日後でも症状改善 インフルエンザ新薬に期待

共同通信社 5月2日(木) 配信
 致死量のインフルエンザウイルスに感染したマウスに、炎症を抑える治療薬の候補物質を感染6日後に投与しても症状が改善したとする研究成果を、米メリーランド大などの研究チームがまとめ、1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。インフルエンザの新薬開発につながる可能性があるという。
 化合物は製薬大手エーザイが細菌感染で起きる重症の敗血症治療のために開発し、臨床試験を進めている「エリトラン」という薬剤。細菌から出る毒素が細胞表面にある「TLR4」という免疫に関わる受容体に結合するのを阻害することで炎症を抑える。
 チームは致死量のインフルエンザウイルスに感染させたマウス10~15匹のグループで実験。エリトランを投与しなかったグループでは感染の14日後に10%しか生き残らなかったが、感染から2日後に投与したグループは90%、4日後の投与では53%、6日後では33%がそれぞれ生き残った。投与が早いほど、体毛の乱れや浅い呼吸などの症状が軽くて済んだ。
 チームは、ウイルスによって引き起こされた免疫の過剰反応などをエリトランが抑えたとみている。
 インフルエンザの治療薬にはタミフルやリレンザなどウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬があるが、発症から2~3日の早期に投与する必要がある。これらの治療薬に耐性を持つウイルスもあり、新しい仕組みで働く新薬が待たれている。

致死性骨異形成症、「致死性」病名外す、医療向上で学会

毎日新聞社 4月30日(火) 配信
 生まれつき骨に異常があり、生後は呼吸障害などを伴う難病、致死性骨異形成症について、日本整形外科学会は「致死性と言えない」として、病名を変更することを決めた。出産直後に死亡するとされていたが、人工呼吸器など医療技術の向上で、現在は生まれた子の半数が60日以上生存していることが理由。患者の家族らからは「希望につながる」と歓迎の声が上がっている。
 致死性骨異形成症は遺伝子の突然変異で2万~5万人に1人生まれるとされる。胎児の段階から大腿(だいたい)骨や肋骨(ろっこつ)などの成長が遅れ、現在の患者数は75~150人と推計される。1967年に海外で初めて報告され、出生後数日以内に死亡するケースが大半だったため、国内では「致死性」と訳された。
 しかし、厚生労働省研究班(班長、澤井英明・兵庫医科大准教授)が、全国の産科などに05~10年の患者について調査したところ、回答した計428施設では、この病気で生まれた子ども51人のうち、24人(47%)が60日以上生存、うち16人(31%)が1年以上生存し、最大では23年生存の患者がいた。病名は、回答した産科医の41%、小児科医の45%が不適切と考えた。
 このため同学会は、ギリシャ語の原語を生かした「タナトフォリック骨異形成症」に病名変更することを今年2月、決定。7月発行の学会誌に掲載する。【斎藤広子】

大腸がん、増殖の阻害3物質発見、神戸大チーム

毎日新聞社 4月30日(火) 配信
 大腸や膵臓(すいぞう)のがんなどの発症に関係するたんぱく質の働きを止める物質を見つけたと、片岡徹・神戸大教授(分子生物学)らの研究チームが発表した。マウスを使った実験で有効性が確認され、新たな抗がん剤候補として期待されるという。成果は、米国科学アカデミー紀要(電子版)に近く発表する。
 この物質で、働きを止めることを確認できたのはRasたんぱく質。がん細胞の増殖を促す信号を伝える役割を担う。
 チームは、Rasたんぱく質の構造を大型放射光施設、スプリング8を使って分析。コンピューターシミュレーションと実験で、約4万個の候補から、Rasたんぱく質の構造にぴったり合い、その働きを阻害する三つの物質を発見した。ヒトの大腸がん細胞を皮膚の下に移植したマウスに、この化合物を口から投与すると、投与しなかったマウスに比べて腫瘍の大きさが4~5割程度まで小さくなったという。片岡教授は「3年以内に人を対象に安全性試験をしたい」と話した。【吉田卓矢】

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