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医療情報67

医療情報66

20130615~

「多系統萎縮症」の遺伝子を発見 東大

毎日新聞社 6月27日(木) 配信
MEMO:「多系統萎縮症」の遺伝子を発見
 国内に1万人以上の患者がいると推定される神経難病「多系統萎縮症」の発病に関係する遺伝子を、東京大の辻省次教授ら日米欧の研究グループが発見した。治療法開発に手掛かりを与えると考えられ、米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に成果を公表した。
 多系統萎縮症は脳内の神経細胞が変性する原因不明の病気で、体のふらつきや震え、筋肉のこわばり、排尿障害など、さまざまな症状を起こす。50代後半に発病することが多く、進行が速い。
 通常は遺伝性ではなく、原因遺伝子の特定が難しかったが、辻さんらは患者が複数いる家系に着目。原因となる遺伝子の候補を絞り込んだ上で、患者の全ゲノムの塩基配列を解読、「COQ2」と呼ばれる遺伝子の変異が発病に関係していることを突き止めた。通常の患者を調べたところ、同じ遺伝子の変異が発病リスクを高めていることもわかった。COQ2の働きを補うことが治療に結びつく可能性がある。
 今回の研究には、短期間に大量の塩基配列を解読できる次世代シーケンサーを用いた。辻さんは「発病のリスクを高めるにもかかわらず頻度が低いために見つけにくかった遺伝子変異を発見するのに、この方法が役立つ」と話している。【青野由利】

腸内細菌の増殖で肝がんリスク がん研究所

毎日新聞社 6月27日(木) 配信
腸内細菌:増殖で肝がんリスク がん研究所、マウスで実験
 肥満によって増えた腸内細菌が、肝臓がんを発症しやすくすることを、がん研究会がん研究所(東京都江東区)などの研究チームがマウスの実験で確認し、26日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表する。人間も同じ仕組みで肝がんを発症するケースが考えられ、研究チームは「腸内細菌の増殖を抑制すれば、肝がんの発症予防につながる可能性がある」と話す。
 肥満の人に肝がんの発症が多いことは知られている。研究チームは、太らせたマウスの便を調べたところ、特定の腸内細菌が通常の3000倍以上も増えていた。抗生物質で腸内細菌を殺すと、肝がん発症率が下がった。
 腸内細菌を殺した場合、修復できないDNA(デオキシリボ核酸)の損傷が起きた「肝星細胞」が減っていた。この肝星細胞の働きを調べた結果、種々のたんぱく質「サイトカイン」を分泌していることが確認された。このうち炎症を起こすサイトカインを作らないように遺伝子を改変したマウスでは、肝がんの発症率が下がった。【河内敏康】

「次の一手がない」iPS臨床研究承認

毎日新聞社 6月27日(木) 配信
クローズアップ2013:iPS臨床研究承認 政府挙げて、世界初 再生医療、海外としのぎ
 難病治療の切り札として期待される人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った臨床研究計画が承認された。各国の研究チームが実用化に向けてしのぎを削る中、世界に先駆けて一番乗りした形だが、再生医療の関係者からは網膜に続く「次の一手」が聞こえてこない。なぜそこまで急がなければならないのか。【再生医療取材班】
 iPS細胞の再生医療応用に向けた世界初の臨床研究は、申請から4カ月足らずで厚生労働省の審査委員会の承認を得た。背景には、海外と日本が「一番乗り」を争ってしのぎを削る現状がある。
 臨床研究計画の申請は2月28日、その後、3月と5月に審査委が開かれた。3回目は7月末の予定だったが、約1カ月前倒しされた。ある委員は「海外での臨床応用の動きがあり、事務局が結論を急いだのかもしれない」と推測する。
 実際、米国のバイオ企業が、iPS細胞から作った血小板を血小板減少症の患者に投与する臨床試験を米食品医薬品局(FDA)に申請するなど、複数の研究グループや企業が、臨床研究・試験の実施を目指す。
 再生医療は、経済成長につながる科学技術としても注目されている。安倍政権は成長戦略で欠かせないイノベーションの代表例として、日本生まれのiPS細胞を利用した再生医療や新しい薬の開発(創薬)を挙げる。この分野が成長すれば、細胞を培養する機器や試薬など、今は外国製が中心の関連産業も発展し、全体の底上げにつながるという構想だ。そのためにも日本が再生医療でトップを取り、国際的な地位を確保しなければならない――。政府にはこんな思惑がある。
 世界初のiPS細胞の臨床研究の舞台が日本と決まれば、データの評価や治療に関するさまざまな手続きなどの実践が、事実上の世界標準になり得る。とはいえ、iPS細胞を人の体に移植するのは世界でも例がない。拙速な実施で想定しないトラブルや副作用を招く可能性もある。審査委の事務局を担う厚労省の担当者は「(iPS細胞には)社会の希望や期待がある。担当課としてもそういう思いがある」と、早期承認への期待をにじませつつ、「議論は出尽くしており、拙速との(委員からの)指摘はなかった」と話した。
 ◇がん化、抑制が条件 網膜の「次」見えず
 「再生医療以外の専門家にも入ってもらい、議論を重ねた。(十分に)時間をかけ、科学的に妥当だろうと判断した」。厚労省の審査委員会で委員長を務めた永井良三・自治医大学長は26日、承認後の取材で、慎重に審議を進めたことを強調した。iPS細胞は人工的に作った細胞だけに「世界初の臨床応用」にいたる審議に注目が集まった。
 審議では、当初から指摘されてきた「がん化」の危険性に加え、iPS細胞が目的の組織とは違う種類の組織に変化して悪さをしたり、作製~培養の過程でウイルスが混入したりする恐れも指摘された。遺伝子を使う医療に詳しい専門家は「危険性はゼロにはできない」と話すが、審査委員会は「がん化のリスクを可能な限り減らす」との条件付きで承認を決めた。
 再生医療の推進は国策でもある。安倍政権は、iPS細胞をはじめとする再生医療研究に今後10年で計1100億円を拠出する方針だ。その中心となる日本最大の再生医療研究拠点、京都大iPS細胞研究所に今年4月、新しい部署ができた。「医療応用推進室」。国民が広く再生医療を受けられる時代に備え、医療用のiPS細胞を備蓄する「iPS細胞ストック事業」などを担う。
 部署の名付け親は、ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥・京大教授だ。ストック事業には27億円の予算が付き、来年度からの細胞配布を目指して準備に取り組む。
 しかし、今回ゴーサインが出た網膜以外の再生医療への応用については、不透明な部分が多い。全国4カ所の再生医療研究拠点の一つに所属する関係者は「これで成果が出なかったらどうなるだろうとプレッシャーを感じる」と明かす。
 日本再生医療学会のある幹部は「高橋政代先生(の網膜)以外は当面は望み薄」と言い切る。網膜に応用する場合、治療に必要な細胞の数は、他の組織や臓器の100分の1以下で済み、万一がんができても発見や治療が比較的容易だ。裏返せば、他の臓器への応用は培養も取り扱いも、格段に難しくなる。
 1100億円の研究費についても、懸念する声が出ている。従来は、国が臨床応用を実現することを条件に配分を決めていたが、今回は申請する研究者自らが目標を設定できる。「研究の進捗(しんちょく)をどこまで国が管理・評価できるか、患者まで届く研究になるのか疑問」と十分な成果を上げられるかという懸念も指摘されている。
 山中教授のノーベル賞受賞以降、再生医療への期待は増す一方だが、山中教授の受賞理由は「成熟した細胞の初期化の発見」という基礎的な成果への評価だった。再生医療の実現性が考慮されたものではない。医療応用は、緒に就いたばかりだ。

iPS、世界初臨床へ 厚労省審査委が承認 網膜再生、年内にも開始 理研、先端医療センター

共同通信社 6月27日(木) 配信
 厚生労働省の審査委員会は26日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って目の網膜を再生する世界初の臨床研究を承認した。国での審査は実質的に終了、上部の部会と厚労相の了承を得て、理化学研究所の高橋政代(たかはし・まさよ)プロジェクトリーダーらが先端医療センター病院(神戸市)で実施する。対象患者6人の募集が年内にも始まる見込み。
 審査は、移植した細胞が腫瘍になる危険をできるだけ減らす手順を示すことや、移植する細胞の感染検査を工夫することなどを求め、終了した。
 永井良三(ながい・りょうぞう)審査委員長は「十分に時間をかけて審議できた」と述べ、議論を尽くしたことを強調した。上部の科学技術部会は7月中旬に予定されている。
 対象は滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性という難病。網膜の下部にある色素上皮が、下から生えてきた異常な血管によって傷つき、視界がゆがんだり、視力が急激に落ちたりする。国内では高齢者を中心に推定70万人の患者がいる。
 研究では、患者の腕から直径約4ミリの皮膚組織を採取してiPS細胞を作り、色素上皮細胞に育て、シート状に成形し網膜に移植する。主な目的は安全性の確認で、腫瘍を作らず定着するかなどを確認する。視力回復の効果を本格的に評価するのは次の段階となる。
 参加する患者は、既存の治療法が効かないことなどの条件がある。細胞の安全性が未解明で、移植手術にも失明につながる合併症の危険性が数%あることなどを説明し、同意を得る。シート作製まで10カ月ほどかかるため、移植は早くて来年になる見通しだ。
 高橋さんらはラットやサルでデータをそろえ、細胞を扱う理研と、手術を実施する病院のある先端医療センターの倫理委員会に研究計画を提出。承認を受け、2月28日に厚労省に申請、今回は3回目の審議だった。
※人工多能性幹細胞(iPS細胞)
 皮膚や血液など、特定の機能を持つ細胞に数種類の遺伝子を導入して、受精卵に近い状態にした細胞。ほぼ無限に増殖させることができ、培養の条件を変えることで心臓や神経など目的の細胞に変化させることができる。病気やけがで機能を失った部分を修復する再生医療や薬の開発への応用が期待されている。心不全や脊髄損傷、パーキンソン病、筋ジストロフィーなどの臨床研究が構想されている。2006~07年に山中伸弥(やまなか・しんや)京都大教授が開発、12年にノーベル医学生理学賞を受賞した。
※加齢黄斑変性
 眼球の奥にある網膜の中でも、物を見る時に中心的な役割を果たす黄斑部の色素上皮が老化して視力が落ち、最悪の場合には失明に至る病気。厚生労働省が研究費助成対象の難病に指定している。色素上皮は、外から入ってきた光を受け取って脳に伝える信号に変える視細胞を維持する働きをする。欧米人に多く、色素上皮が縮む「萎縮型」と、日本人に多く、下から生えてきた余計な血管により色素上皮が傷む「滲出(しんしゅつ)型」がある。

自閉症は似たタイプに共感 福井大など共同研究

福井新聞 6月27日(木) 配信
 他人の気持ちを理解することが難しいとされる発達障害「高機能自閉症スペクトラム障害」(高機能ASD)の人は、自分と似たタイプには共感しやすいことを、京都大、福井大などの研究チームが確認した。ASDの特性やメカニズムの解明に大きく前進する成果だとして、英科学誌の電子版に発表した。
 ASDでない人を対象にした近年の研究で、自分と似た性格の主人公の物語は理解しやすく、より共感できることが明らかになっている。
 研究チームはASDでも同様の可能性があると考え、ASDとそうでない被験者各約20人を対象に実験した。ASDが登場する物語と登場しない物語を読んでもらい、読後に示した文章が物語に出てきたかどうかを尋ねて理解度を調べた。
 ASDの人はASDが登場する物語を理解しやすく、質問に早く答えられた。さらに内容と結末に一貫性のある物語の方がより理解できた。ASDの人は、自分と似た傾向の人には共感できる可能性を示しており、物語を記憶する際に、文脈を一貫性のある形で覚える傾向がうかがえるという。
 ASDに対する適切な支援者配置や療育、教育プログラムの開発につながる成果で、研究チームに参加した福井大子どものこころの発達研究センターの小坂浩隆特命准教授は「ASDは他者に対する理解や記憶が劣っているのではなく、その仕組みが異なっているだけ」と指摘する。
 その上で「ASDは他者への共感が乏しいといわれるが、自分と似ていない人に共感するのが難しいだけかもしれない」と話す。今後は子どもを対象に研究を進めるとともに、ASDの人同士が共感できるかをさらに検討する。
 また、福井大医学部附属病院では、ASDの治療で脳内ホルモン「オキシトシン」を投与する臨床研究を行っている。小坂特命准教授は「投与の効果が確認できた人は多い。さらに研究を進め、近い将来に薬剤としての認可を目指したい」とし、ASDの人の協力を呼び掛けている。
 問い合わせは、子どものこころの発達研究センターのホームページか、精神医学教室=電話0776(61)8363。

国挙げて承認後押し 普及に課題も 「表層深層」iPS臨床研究

共同通信社 6月27日(木) 配信
 皮膚の細胞に遺伝子を入れ、さまざまな種類の細胞に成長できる能力を持たせた人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使う世界初の臨床研究に事実上のゴーサインが出た。国を挙げた支援体制が敷かれるが、普及に向けた課題もある。
 ▽世界に先駆け
 「日本発の技術であるiPS細胞を利用した再生医療・創薬など、最先端の医療技術を積極的に活用して、世界に先駆けて健康長寿社会を目指します」。安倍晋三首相はことし2月の施政方針演説でiPS細胞に触れ、こうぶち上げた。
 実用化を進める姿勢は前のめりだ。安倍首相はiPS細胞を含む再生医療研究に、10年で1100億円規模の支援をすると表明している。
 4月には、再生医療の迅速な普及を国の責務と位置づけた「再生医療推進法」が国会で成立した。自民、民主、公明各党が中心となって提案し、推進が与野党共通の意思だとはっきり打ち出した。
 厚生労働省も敏感に反応。昨年12月、iPS細胞を使った臨床研究の審査には特別体制で臨むと決定した。従来は「幹細胞移植」と「遺伝子導入」に対して別々の審査を必要としたが、幹細胞の審査委員会に遺伝子の専門家を加えて迅速に審査する体制を取った。
 ▽懐疑
 「iPS細胞の安全性を示すだけでもかなり意味がある」。研究責任者である理研の高橋政代(たかはし・まさよ)プロジェクトリーダーは今回の臨床研究の意義を強調する。国内外の研究者の間に存在する、iPS細胞の臨床応用への懐疑論を意識しての発言だ。
 iPS細胞と同様の性質を持ち、研究の歴史もより長い胚性幹細胞(ES細胞)でさえ、目の治療に向けた臨床試験(治験)が欧米で進行中という段階。「iPS細胞の臨床応用は時期尚早」「腫瘍を作る。危険だ」などの声もある。だが高橋さんは「技術の進歩をご存じない」と反発する。
 米国留学中の1990年代に抱いた網膜再生治療の構想は、ES細胞、iPS細胞、臨床研究と歩を進めるたび「無理」「時期尚早」と批判され、そのたびはね返してきた。
 懐疑論の傍ら、米国立衛生研究所などはiPS細胞の臨床応用に関心を強めつつある。医療用製品としての世界標準をめぐる争いが今後激しくなるとも考えられ、世界に先駆けて応用にこぎ着け、海外展開を有利に運びたいとの考えもある。
 ▽普及戦略
 患者自身の細胞から作ったiPS細胞を使う方法は、移植時の拒絶反応はないと見込まれる。半面、京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授は「個別の患者さんから作るには、お金も時間もかかる」と指摘する。
 技術を普及させるためには、費用を大幅に下げる必要がある。そこで高橋さんらが臨床研究の次段階となる治験で利用を見込むのが、山中教授らが進める「iPS細胞ストック」計画。あらかじめiPS細胞を作り、品質を確認した上で、医療利用に備え冷凍保存しておくというものだ。
 拒絶反応を低減できるような特殊な細胞の型を持った人からiPS細胞を作る。治療を受ける人にとっては他人の細胞を移植することになるため、拒絶反応への対策として一定期間は免疫を抑える薬を投与する必要がある。しかし、実現すれば期間や費用を大幅に省けると期待されている。

二つの感染症拡大に危機感 MERSと鳥インフル

共同通信社 6月27日(木) 配信
 中東や欧州で新種の「中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス」による死者が39人に達し、中国で40人が死亡した鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)と合わせ、世界で二つの感染症が拡大を続けている。鳥インフルエンザは夏の訪れとともに拡大のテンポが鈍ったが、MERSにはワクチンも特別な治療法もない。世界保健機関(WHO)は22日にエジプトのカイロでMERS対策の国際会議を開催、危機感を募らせている。
 ▽二正面作戦
 MERSは昨年9月にサウジアラビアを訪れたカタール人男性からウイルスが初めて確認され、WHOの23日までのまとめではサウジ、ヨルダンや英国、ドイツなど9カ国で計70人が感染した。
 「今の状況は2003年以来の異常事態だ」。WHOのフクダ事務局長補は5月にジュネーブで開かれたWHO総会で繰り返し強調した。03年は、中国を中心に新型肺炎(SARS)が流行、同時に鳥インフルエンザ(H5N1型)への対処も迫られた年だ。
 MERSについては、サウジの医療施設内で「人から人への感染」が確認されている。「二正面作戦で拡大を防がないとパニックになる」とWHO担当者。フクダ氏は22日「感染例が比較的少ないうちに対策を強化する必要がある」と指摘した。
 インフルエンザの場合、09年のH1N1型の世界的大流行などを教訓に、ワクチン製造を迅速化するため検体を加盟国が共有する枠組みが確立。しかし、コロナウイルスに関してはこの枠組みはない。WHOは今回の会議をきっかけに、コロナウイルスについても検体共有の枠組みづくりを急ぐ意向だ。
 ▽警戒態勢は解除
 中国最大の経済都市、上海市。H7N9型鳥インフルエンザの感染拡大で生きた鳥の取引が禁止されてから約2カ月半がたち、市は新たな感染者の発生が収まったとして今月20日に一部の食材市場での販売を解禁した。
 「販売が再開できてうれしい」と市場の女性店員は笑顔を見せた。
 上海でH7N9型への感染者が世界で初めて確認された3月末以降、感染は北京市や、江蘇、浙江、山東、福建など計8省に拡大。感染者は台湾で確認された1人を含め計133人に上った。
 中国衛生当局は警戒態勢を解除したが、「危機が去ったと考えるのは早計だ」との声は根強い。「ウイルス拡散に関連しているとみられる渡り鳥が中国に戻ってくる秋以降、感染が再燃する可能性はある」と関係者。人への感染ルートは依然分かっておらず、上海の日本総領事館も警戒を緩めていない。
 ▽全国で検査体制
 日本政府は昨年9月から渡航者にMERSへの注意喚起を開始。今年1月には全国でMERSウイルスの感染を検査できる体制を整えた。H7N9型鳥インフルエンザについても状況を引き続き注視する方針だ。
 厚生労働省結核感染症課は、どちらのウイルスについても「対策強化が直ちに必要な段階とは考えておらず、今までの備えを堅持していきたい」としている。(ジュネーブ、上海、東京共同)

子どものHIV感染が半減 アフリカ7カ国でと国連

共同通信社 6月27日(木) 配信
 【ロンドン・ロイター=共同】国連合同エイズ計画(UNAIDS)は25日、エイズウイルス(HIV)感染が広がっていたアフリカの7カ国で、2012年の子どものHIV新規感染者が09年と比べ50%減少したとの報告を発表した。
 ボツワナ、エチオピア、ガーナ、マラウイ、ナミビア、南アフリカ、ザンビアの7カ国。これらを含むアフリカ21カ国でも38%減で、13万人もの子どもの新規感染を防いだ計算だ。
 減少の背景には、HIVに感染している妊婦の母子感染を防ぐ効果が高い抗レトロウイルス薬の普及があり、多くの国では対象者の75%以上に投与された。この結果、ボツワナと南アフリカでは母子感染率は5%以下となった。

チンパンジー研究を制限 米国立研究所、50頭に

共同通信社 6月27日(木) 配信
 【ワシントン共同】米国立衛生研究所(NIH)は26日、チンパンジーを使った医学研究を大幅に制限する方針を発表した。NIHが所管するチンパンジーは数百頭いるが、必要不可欠な研究のために50頭だけを飼育し、残りは国内の保護施設に順次移す。
 学術団体の専門家らが2011年に出した勧告を受け入れた。
 人類に最も近い動物のチンパンジーは感染症や脳科学、生殖医療研究などに有用だが、野生では森林伐採で生息環境が悪化するなどして個体数が激減。実験で健康を損なうこともあり、安易な研究利用に倫理面の問題が指摘されていた。
 NIHは、他の実験手段が使えない重要な研究に限って審査し、チンパンジーを使うことを認める。対象の50頭の間で繁殖はさせず、飼育施設はできるだけ自然環境に近づける。
 NIHのコリンズ所長は「チンパンジーは医学研究に大きく貢献してきたが、新たな研究手法などで従来のような実験の必要性がなくなりつつある」と説明した。
 この問題では、米科学アカデミー医学研究所が11年、研究を制限するよう勧告。米魚類野生生物局も今年6月、研究施設にいる個体を含むチンパンジーを絶滅危惧種に指定していた。
 日本では、文部科学省や厚生労働省などが06年に動物実験の基本指針を定めた。文科省によると、チンパンジーなどの大型霊長類を使うことを禁止はしていないが、動物実験に代わる方法がないか検討するよう求めている。またチンパンジーを傷つけるような実験は、自主規制している研究機関が多いとみられるという。

肥満で肝がん、細菌が原因 細胞を老化、がん研解明

共同通信社 6月27日(木) 配信
 肥満になると腸内で特定の細菌が増えて肝臓の細胞を老化させ、肝がんを発症させることをマウスの実験で発見したと、がん研究会(東京)などのチームが27日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 腸内で増えた細菌が胆汁の成分を、細胞を老化させる物質に変化させた。これが肝臓に取り込まれ、老化した細胞が発がんを促すタンパク質を周囲に分泌していた。チームは、肥満気味の肝がん患者では約3割で肝臓の細胞が老化していることから、人でも腸内細菌が肝がん発症に関わるとみている。
 がん研究会の原英二(はら・えいじ)がん生物部長は「腸内細菌の種類を調べれば、肝がんのリスクを調べることができる。特定の細菌が増えないようにできれば、肥満による肝がんを予防できるかもしれない」としている。
 チームは、がんができやすくなる薬剤を投与し、高脂肪食を食べさせて太らせたマウスは必ず肝がんになることを発見。このマウスでは肝臓の一部の細胞が異常に老化していた。
 腸内の細菌を調べたところ、通常食のマウスでは約半分しかいないグラム陽性菌という種類の細菌が、太らせたマウスでは90%以上を占めた。グラム陽性菌を殺す抗生物質を投与すると、太らせたマウスでも肝がんの数が3分の1に減った。
 グラム陽性菌の一部が、胆汁に含まれ脂肪の吸収を助けるコール酸をデオキシコール酸(DCA)に変えていた。DCAは、細胞のDNAを傷つけ老化を引き起こす。
 DCAへの変化を妨げる薬剤を投与すると、肝がんは3分の1になった。抗生物質で細菌を殺した上でDCAを投与すると、投与しなかったマウスと比べ、肝がんが10倍以上増えた。

赤ちゃんは「金色」好き? 中央大などが研究まとめる

共同通信社 6月27日(木) 配信
 赤ちゃんはオリンピックやノーベル賞のメダルに使われる金色が好き―。中央大の山口真美(やまぐち・まさみ)教授(心理学)らがこんなユニークな研究結果をまとめ、27日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。山口教授は「金色は太陽光や照明と非常に似ているので、赤ちゃんも安心感を覚えるのでは」と分析している。
 生後5~8カ月の赤ちゃん24人に、コンピューターグラフィックス(CG)で作った二つの画像をモニターで同時に見せ、注視した時間が長いほうを「好き」とみなす手法を用いた。
 従来の研究で、人間の好みの具合がほぼ同じとされている黄色と緑色の画像を用意。赤ちゃんに見せたところ、注視の時間はほぼ同じだった。
 次に黄色に光沢を付けた金色の画像と、緑色に光沢を付けた画像で比較。生後5~6カ月の赤ちゃんに注視時間の違いはなかったが、7~8カ月の赤ちゃんは金色を長く見ていた。
 赤ちゃんは生後7カ月ごろから、外界を立体的に見ることができるようになるといわれている。山口教授は「同じころに、光沢などの高度な質感を見分ける能力も身に付けると考えられる」と話している。

腎がん遺伝子異常を解明 京大、治療に期待

共同通信社 6月25日(火) 配信
 腎臓がんで起きている遺伝子異常の全体像を解明したとする研究結果を、京都大の真田昌(さなだ・まさし)助教(分子遺伝学)のチームがまとめ、24日付の米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に発表した。
 チームは、腎臓がんの8割を占める「淡明細胞型腎細胞がん」の患者を100人以上調査。一般的に腎がんは切除手術以外に完治が難しい上、進行し転移すると効果的な治療法は限られる。詳細な遺伝子異常を突き止めたことで、新たな薬剤など治療法の開発が期待できるとしている。
 チームによると、淡明細胞型腎細胞がんではVHLという遺伝子の変異が高い頻度で見られ、原因の一つとされるが、VHLに異常がない場合、どんな遺伝子が関わっているか不明だった。
 チームは、手術で切除するなどした患者106人のがん細胞のゲノム(全遺伝情報)をスーパーコンピューターなどで高速解析。約9割でVHLに異常が確認され、VHLに異常がない患者の約4割では遺伝子TCEB1に変異があった。
 また、BAP1という遺伝子の変異は死亡のリスクを、遺伝子SETD2の変異は転移リスクを高めるとみられた。
 真田助教は「治療法や薬剤の選択のほか、がんの進行予測にも役立てたい」としている。

日本医学に深まる不信 成長戦略、阻む恐れ 疑惑の薬・バルサルタン/下

毎日新聞社 6月23日(日) 配信
疑惑の薬・バルサルタン:/下 日本医学に深まる不信 成長戦略、阻む恐れ
 「医療は2兆円の輸入超過だが、日本のイノベーション(技術革新)で反転させられると信じている」。安倍晋三首相は今月14日、国民向けの動画で、「成長戦略」における医療分野への期待を熱く語った。
 カギを握るのは産学連携の成否だ。政府は、世界の健康医療産業が2030年には約530兆円と、今の約3倍に増えると試算する。iPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製してノーベル賞を受賞した山中伸弥京都大教授のような研究者の力も結集して、再生医療や創薬などを成長へのエンジンに育て上げようと意気込んでいる。
 だが、そんな戦略に水を差す形となっているのが、3月末に表面化した降圧剤「バルサルタン」の臨床試験疑惑だ。
 販売元のノバルティスファーマ(東京)は、京都府立医大など5大学に臨床試験を提案。「他の降圧剤に比べ、バルサルタンの方が脳卒中の危険性を下げるなどの優れた効果がある」と結論付けた論文を宣伝に活用してきた。だがノ社は、社員が統計解析に関与していたにもかかわらず、情報開示をしていなかったことや、府立医大側に1億円超の寄付をしていたことで、疑惑を招いている。データの不自然な一致など論文の内容自体に疑問が呈されていることも問題を大きくさせている。
 産学連携には、「企業から資金援助を受けた研究者の仕事を信用してよいのか」という疑念がついて回り、ぬぐい去るには金銭に関する情報公開が不可欠となる。「8月に東京で、アジアや太平洋地域の主要医学誌の編集部が一堂に会する国際会議がある。主要なテーマは、研究者と製薬会社の金銭関係と情報公開のあり方だ。バルサルタンの問題が話題の中心になるのは間違いない」。国際医療に詳しい渋谷健司・東京大教授はこう話す。
 米国の有力経済誌「フォーブス」も、府立医大の論文が撤回(取り消し)されたことや、ノ社が社員の臨床試験への関与を謝罪したことなど、一連の問題の記事を5本報じている。「日本の産学連携のあり方に海外から疑念を持たれたことは、日本発の医薬品の国際的な信用にとって大きなマイナスとなった」。日本医師会の今村聡副会長はこう語り、この問題が成長戦略に影響することを懸念する。
        ◇
 産学連携の一方の当事者である日本の研究者への信頼も大きく揺らいでいる。米科学誌に昨年発表された報告によると、「捏造(ねつぞう)かその疑い」で撤回された生物医学や生命科学分野の論文数は、米国、ドイツに続いて日本が3位。昨年は、元東邦大の麻酔科医による「世界最多」172本の捏造が判明。今年は既に、バルサルタンの臨床試験を行った府立医大の松原弘明元教授が関係した14本で不正が発覚している。バルサルタンとは別の研究テーマだった。
 研究不正を許す日本の土壌に厳しい目が集まる中で、今回の問題は起きた。府立医大の臨床試験論文を撤回した欧州心臓病学会誌の編集長、トーマス・ルッシャー医師は4月、誌上で世界の科学不正の歴史をまとめた。最近の問題として紹介した二つのうちの一つが、日本のバルサルタンの臨床試験だった。「日本で臨床試験に懸念が発生した。まだ詐欺かは明らかでないが、論文の正当性に影響を与える懸念だ」
 バルサルタン問題への日本社会の対応を世界が見ている。(この連載は河内敏康と八田浩輔が担当しました)

入院患者3分の1が死亡 中国のH7N9型インフル

共同通信社 6月25日(火) 配信
 この春に流行したH7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染して入院した患者のうち死亡したのは36%となり、H5N1型より死亡率は低いとする分析結果を、中国疾病予防コントロールセンターなどの研究チームが24日付の英医学誌ランセット電子版に発表した。
 チームによると、H7N9型への感染で入院した123人などの分析で、入院後の死亡率は36%と推計され、人工呼吸器が必要になった重篤なケースと合わせると69%に上るとした。症状を示したとみられる患者全体での死亡率は0・16~2・8%と推定されるという。
 一方、2003年から確認されているH5N1型は、中国国内でこれまでに43人が入院し、死亡率は70%に上るという。
 H7N9型の場合、入院患者の55%が60歳以上で当初は長江(揚子江)のデルタ地域に集中していたのに対し、H5N1型は平均年齢が26歳と若く、国内の広い地域で発生が確認されている。

微小カプセルで膵がん治療 東大チーム、マウス実験

共同通信社 6月25日(火) 配信
 抗がん剤を閉じ込めた微小な高分子カプセルを膵臓(すいぞう)がんのマウスに投与し、がんの進行を抑えることに成功したと、東京大の片岡一則(かたおか・かずのり)教授、オラシオ・カブラル特任講師らが24日付の米科学アカデミー紀要に発表した。
 実験では、遺伝子を改変し膵臓がんを発症するようにしたマウスを使用。3ミリほどの大きさの膵臓がんや、肝臓への小さな転移が見られた時点から、ダハプラチンという抗がん剤が入った直径30ナノメートル(ナノは10億分の1)のカプセルを週1回のペースで8週間、静脈から注入した。
 カプセルを投与した10匹では、がんの増殖が抑えられ、8週目で全て生きていたが、カプセルに入れずダハプラチンを投与したマウスは10匹中5匹、投薬しないマウスは同6匹が死んだ。
 抗がん剤をそのまま投与しても血管の壁から染み出てしまうため、血中に長くとどまらず、がんでない場所の細胞も殺す難点があった。これに対し、カプセルに入れるとサイズが大きくなり、がん組織にある穴の空いた毛細血管からしか外に出ないため、がん細胞を狙い撃ちできるという。
 カプセルにはさまざまな抗がん剤を封入できる。既に膵臓がんのほか、再発乳がん、大腸がんなどを対象に実用化を目指した臨床試験(治験)が国内外で始まっている。

台湾で鳥インフル感染者 H6N1型、世界初

共同通信社 6月24日(月) 配信
 【台北共同】台湾の中央通信社などによると、台湾の衛生当局は21日、中部に住む女性(20)が鳥インフルエンザウイルス(H6N1型)に感染したことを確認したと明らかにした。
 H6N1型は鳥に対して症状を引き起こす力が弱い低病原性の鳥インフルエンザウイルス。これまで鳥類の間での感染は確認されているが、人への感染確認は世界で初めてという。今春、中国本土で感染者確認が相次いだのはH7N9型。
 女性は5月5日の発症後、軽い肺炎を起こして入院したが、回復して11日に退院。その後、専門機関がウイルスを検査し、H6N1型への感染を確認した。
 女性は飲食店勤務で鳥類と接触しておらず、このところ台湾外へ渡航したこともないという。女性と密接に接触した36人についても、感染は確認されていない。

渡り鳥で典型的なウイルス 識者談話

共同通信社 6月24日(月) 配信
 大槻公一(おおつき・こういち)京都産業大鳥インフルエンザ研究センター長の話 H6N1型が含まれるH6型の鳥インフルエンザウイルスは鳥に対しては弱毒性で、渡り鳥の多くが保有している典型的なもの。H6型は日本でも見つかったことがある。いつ人が感染してもおかしくなく、次の新型インフルエンザの候補と考える専門家もいる。実際に人が感染した例はこれまで聞いた事がない。感染経路の特定を急ぐ必要がある。

接種呼びかけ中止は妥当 子宮頸がんワクチンで学会

共同通信社 6月24日(月) 配信
 日本産科婦人科学会は22日、子宮頸(けい)がんワクチン接種を積極的に呼びかけるのを中止した厚生労働省の勧告は「妥当」とする声明を出した。ワクチンの効果と安全性を独自に調査することも明らかにした。
 声明は「安全性が確認されるまでの間、強い推奨を一時中止するとの勧告は妥当だ」とした上で、「今後、専門家によって接種の安全性が科学的かつ速やかに確認されることを期待する」とした。
 小西郁生(こにし・いくお)理事長は、接種を受けて重い症状が出た人がいることについて「重く受け止めている。基本的には安全なワクチンと考えているが、もう一回冷静になって評価したい」と話した。
 また、風疹患者数の増加を受け、学会は不妊治療を始める女性に対してどの程度抗体を持っているか検査したり、ワクチンの接種歴を確認したりといった対策を徹底するよう学会に所属する医師に注意喚起した。
 妊娠した女性が風疹に感染すると、胎児が心臓病や難聴など「先天性風疹症候群」になる恐れがある。

#4月に推進したばかりで、子宮頸がんワクチンはどうなるのか。まあ、速やかな対応と考えればよかったというべきか。

末期がん激痛の原因突き止めた…福岡大チーム

読売新聞 6月22日(土) 配信
 末期がんなどの際に神経が傷ついて起きる「神経障害性疼痛(とうつう)」という激痛の原因を動物実験で突き止めたと、福岡大学の高野行夫教授(薬理学)らが英科学誌電子版に21日発表した。
 脊髄で「CCL-1」というたんぱく質が増えるのが原因だという。この疼痛にはモルヒネなどの鎮痛剤が効きにくいが、新たな治療法につながると期待される。
 マウスの座骨神経を縛って激痛を再現したところ、脊髄のCCL-1が通常の2倍に増加した。また、正常なマウスの脊髄にCCL-1を注射すると、通常は激痛を感じた時に示す動作を、少しの刺激でも見せるようになった。
 一方、CCL-1の働きを妨げる物質をあらかじめ注射しておくと、激痛を感じなくなる予防効果があることも確認した。

目覚まし時計頼るな…自発的目覚めは頭スッキリ

読売新聞 6月24日(月) 配信
 目覚まし時計に頼らず、朝起きる時間を意識して自発的に目覚めると、朝だけでなく昼の覚醒度も上がることが、国立精神・神経医療研究センターの池田大樹研究員の研究でわかった。
 27日から秋田市で始まる日本睡眠学会で発表する。
 池田さんは、15人の男性(平均年齢41歳)に目覚まし時計を使う場合と使わない場合で、5時間の短めの睡眠をそれぞれ4日連続でとってもらい、数字に反応してボタンを押す簡単なテストで覚醒度を比較した。その結果、寝不足がたまった4日目では、起きる時間を意識して自発的に目覚めた方が、テストの反応時間が朝で12%、眠気が強まる午後2時で20%短く、覚醒度が高かった。自身で感じる眠気には差がなかった。
 池田さんの過去の研究では、起きる時間を強く意識する訓練を1週間続けると、8割が目標時刻の前後30分以内で目覚めることができた。
 池田さんは「十分な睡眠を取るのが一番良いが、取れない場合も、起きる時間を意識して自発的に目覚めることで、覚醒度を高めることができる。目覚まし時計に頼らない生活を試してほしい」と話す。

中高生の2割以上、授業中に居眠り

読売新聞 6月21日(金) 配信
 中学、高校生の2割以上が授業中に居眠りしていることが、厚生労働省研究班(主任研究者=大井田隆・日本大教授)の約9万6000人に対する全国調査でわかった。
 居眠りする生徒の割合は、学年が上がるごとに増え、中学から高校へ進学すると、一気に2倍以上になる。就寝時刻が遅くなり、睡眠の質が低下するのが一因らしい。27日から秋田市で始まる日本睡眠学会で発表する。
 研究班は、無作為で抽出した全国244校の中学、高校に、授業中の居眠りや睡眠、生活習慣についてアンケート調査を行い、170校から回答を得た。
 居眠りについては、過去30日間に「まったくしない」「めったにしない」「時々した」「しばしばした」「常にした」の5段階で聞き、「しばしば」「常に」の合計を居眠りとした。

臨床試験に懸けた製薬企業 不透明な産学連携 疑惑の薬・バルサルタン/中

毎日新聞社 6月22日(土) 配信
疑惑の薬・バルサルタン:/中 臨床試験に懸けた製薬企業 不透明な産学連携
 「パワーが違う」
 2007年以降、こんなコピーと共に降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の広告が、大手医療雑誌に続けて掲載された。薬を車のエンジンに模し「JIKEI HEART」のエンブレムが輝く。同年4月に東京慈恵会医大が発表した臨床試験を前面に出し、他の薬と比べたバルサルタンの「強さ」をアピールしている。
 降圧剤は、体にどう作用して血圧を下げるかによって複数の種類がある。バルサルタンを含む「ARB」と呼ばれる種類は、6300億円(12年、薬価ベース)の大型市場。降圧剤の治療では一度使い始めた薬をずっと使い続ける傾向があるため、ARBを扱う多くの製薬各社がしのぎを削ってきた。
 発売は00年。ノ社はバルサルタンの商品イメージを赤色に統一した。赤は劇薬を連想させるため業界でタブー視されていたが、あえて赤を使った差別化戦略は成功し、5年後に年間売り上げ1000億円を達成する。ピーク時の09年には1400億円を売った。
 競争に勝ち抜くため、血圧を下げる効果に加え、脳卒中などの発症の危険性を下げる効果が証明されることを期待し、ノ社は大学側に臨床試験を提案していった。結局、臨床試験をしたのは5大学。このうち京都府立医大には、ノ社から1億円超の寄付金の提供があったことが3月末、情報公開請求した毎日新聞の報道で表面化した。
      ◇
 「業界全体で透明性を確保したいと取り組んでいる時期に非常に不愉快だ」。国内の製薬会社幹部は「バルサルタンの臨床試験は、企業と研究者との不透明な関係によって、公正さが失われたのではないか」という今回の疑惑に憤りを隠さない。欧米ではこの20年間で利益相反に対する取り組みが進み、日本でも本格化しているからだ。
 日本製薬工業協会(製薬協)は会員企業に対し、個々の医師に支払ったさまざまな金銭を来年度から公開するよう求めている。医学系118学会が加盟する日本医学会も、論文や学会発表の際には研究費の提供元を明示することを求める利益相反ガイドラインを11年に作成したばかりだ。
 バルサルタンの座談会形式の記事広告には、日本高血圧学会を中心に有力研究者が繰り返し登場してきた。一方で、臨床試験の結果は複数の学会の診療ガイドラインにも反映され、現場の医師の治療を左右した。しかし、今年2月に京都府立医大の論文が掲載誌から撤回(取り消し)されたため、ガイドラインを見直す動きが出ている。
 疑惑の全体像を明らかにするには、研究者側へのあらゆる資金の流れの開示が不可欠なのに、利益相反に関するルール作りを各大学に指導してきた文部科学省は「製薬企業や大学が自主的に情報を公開すべきだ」(産業連携・地域支援課)と、あくまで大学などの調査待ちの姿勢を崩さない。
 宮坂信之・東京医科歯科大名誉教授は、医学系研究費の半分を民間資金に頼る日本の現状を踏まえて指摘する。「医学の発展のためには製薬企業の支援は今後も欠かせない。国策で産学連携を進めた結果として今回のような問題が起きたのだから、国は大学や企業任せではなく、積極的な対応をとる必要がある」
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 ■ことば
 ◇利益相反
 研究者が外部から資金提供を受けたことにより、研究の公正さを疑われる状態を指す。疑いを持たれずに産学連携を推進するには、研究者と資金提供者には資金に関する情報公開が必要とされている。

関節リウマチ 2万5000人の全国検査 厚労省、定期健診で実施

毎日新聞社 6月22日(土) 配信
関節リウマチ:2万5000人の全国検査 厚労省、定期健診で実施
 関節リウマチの早期発見を目指し、厚生労働省研究班が今年度から、全国約2万5000人を対象に、定期健診での新たな血液検査を実施する。世界でもまれな大規模検査といい、手足の関節が腫れて痛んだり、曲がったりすることなく、治療できる可能性が高まると期待されている。
 研究班は、腫れや痛みという炎症の原因になる血中のたんぱく質「抗CCP抗体」に注目。過去の研究では、陽性の場合、重症になりやすい関節リウマチを数年以内に発症する確率が高く、発症しない人が紛れ込む確率も低かったという。
 そこで研究班は定期健診を活用し、三重県志摩市など自治体の協力を得て、聖路加国際病院(東京)など全国7医療機関で、抗体の血液検査を実施する。陽性の結果が出た人には発症する可能性が高いなどの情報を伝え、発症すればすぐに治療を始める。また、その患者の治療経過や自覚症状などを、検査を受けずに治療を始めた人と比較。効果が確認できれば、健診項目に抗体を加えることを提言することも検討していく。
 関節リウマチは年間約1万5000人が発症している。発症から12週間以内に治療を始めると1年後にほぼ症状を抑えられるが、診断が遅れると治療は難しく、薬代も高くなる。
 研究班代表の岡田正人・聖路加国際病院アレルギー膠原(こうげん)病科部長は「早期の症状は気付きにくい。情報提供によって早期受診を促し、リウマチで苦しむ人を一人でも減らしたい」と話す。【永山悦子】

終末期患者 透析中止に手順 学会提言案、意思疎通を重視

毎日新聞社 6月22日(土) 配信
終末期患者:透析中止に手順 学会提言案、意思疎通を重視
 日本透析医学会は21日、終末期患者の血液透析治療の見合わせを検討する際、患者の意思決定の手順や医療者のかかわり方を示した提言案を福岡市内で開催中の学術集会で公表した。医療チームが十分な情報を提供し、患者や家族の意思に基づいて透析を開始しなかったり中止したりすることを想定している。提言案は年度内にも正式決定する。
 同学会によると、透析患者の高齢化や治療期間の長期化などを背景に、透析を開始・継続することで病状が悪化するケースが増えている。国内の透析患者は30万人(2011年末)に達し、極度に血圧が低い状態の透析は命にかかわることもある。このため同学会は今年1月に提言案のたたき台を公表、会員以外からも意見を募った。
 提言案では、意思決定の前提として、医療チームが患者に治療の選択肢などを分かりやすく提供すること、患者の自己決定を尊重することを求めた。見合わせを検討するのは、身体状況が悪化したり、透析が悪影響を及ぼしたりする場合や、患者が拒否した場合などを想定した。【大場あい】
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 ■解説
 ◇日ごろから「最善」、家族と話し合いを
 2006年に富山県射水市民病院で人工呼吸器取り外し問題が発覚後、治療の中止などについての議論が活発化した。厚生労働省が07年に延命治療の中止を判断する際の指針を示し、日本救急医学会、日本小児科学会なども終末期医療や治療中止に関する指針を公表した。
 日本透析医学会の提言案は、患者教育など情報提供と自己決定の援助を冒頭に位置づけ、患者の判断を支えるコミュニケーションを重視したのが特徴だ。
 高齢者の終末期医療を巡っては、医療費高騰を背景に、政治家から「さっさと死ねるようにしてもらわないと」との発言が飛び出すなど治療継続へ否定的なとらえ方もある。同学会のたたき台に「弱者切り捨て」と批判も寄せられたが、同学会は「医療経済的な問題は考慮していない」と強調する。
 自分や家族にとって何が最善かを決めることは簡単ではない。同学会理事の岡田一義・日本大准教授は「健康なときから家族間で希望を話し合っておくことも必要だ」と指摘する。提言や指針の整備だけではなく、日ごろから望む医療を話し合ったり、社会での議論を根付かせたりすることも大切だ。【大場あい】

疑惑の薬・バルサルタン:/上 血圧データ、不自然な一致 4大学、別々の臨床試験

毎日新聞社 6月21日(金) 配信
 昨年度の国内医療用医薬品の売り上げランキングが14日、発表された。1位はノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」(商品名ディオバン)の1083億円。大ヒット薬は業界で「ブロックバスター」と呼ばれ、この薬もその一つ。ところが今、厳しい視線にさらされている。
 「バルサルタンには多くの効果があり、血圧を下げるだけではない」と、発売後に実施された臨床試験を基に宣伝されてきた。「だが科学的な根拠がなかったなら、国民は貴重な保険料や税金を収奪されたことにもなる」。国の薬の承認審査に携わってきた谷本哲也医師は疑惑の構図をこう解説する。
 宣伝に活用された臨床試験は、東京慈恵会医大と京都府立医大で実施された。バルサルタンと別の降圧剤を服用した二つの患者グループを対象に、血圧が影響する脳卒中などの発症状況の違いを比べた。患者グループの最高血圧(収縮期血圧)の平均値やばらつきは同じだったのに、バルサルタンの方が脳卒中などを発症した患者が少なかった。「この薬には降圧に関係なく、脳卒中などのリスクを低下させる力がある」とする論文が07、09年に発表されていた。
 ところが昨年4月、世界有数の医学誌ランセットに、これらの臨床試験への「懸念」を示す論文が掲載された。執筆した京都大病院の由井芳樹医師は、降圧剤の効果で血圧はいずれも下がるものの、下がり方には当然差が出るはずだと指摘した。臨床試験の対象となる患者を、年齢や性別、元々の血圧など属性が偏らないように二分したとはいえ、血圧が一致することは考えにくいことだった。
 さらに調べると、千葉大と滋賀医大でも、種類が異なる降圧剤を服用した二つの患者グループで、試験終了時の最高血圧の平均値が一致していた。
 由井医師は「前提として血圧が一致していないと、他の薬を飲んだグループと比較して、『バルサルタンには降圧効果以外にも優れた効果がある』と説明しにくい。血圧の値がこれだけそろうとは奇妙だ」と指摘する。
 由井医師は、バルサルタンなどの降圧剤に関する国内外の36の臨床試験結果も調べてみた。比較する2グループで、最高血圧と、最低血圧の平均値がそれぞれ一致していたのは、慈恵医、京都府立医、千葉、滋賀医だけだった。由井医師はこの結果も昨秋に発表している。
      ◇
 新薬の承認を目指す「治験」には、薬事法で試験中の厳格なモニタリングや監査が製薬会社に義務付けられている。しかし、今回のように市販後に行われる大学の臨床試験をチェックする公的な仕組みはない。疑惑を受け、薬の試験制度に詳しい景山茂・慈恵医大教授は「臨床試験の不正を防ぐには、各大学にサンプル調査する独立した部署を置く必要がある」と訴える。
 同様の臨床試験を実施した名古屋大を含む5大学は、疑問に答えるため、データの検証を始めている。だが学会に促されて始めた京都府立医を除けば、いずれもノ社による試験への不透明な関与が毎日新聞の報道で表面化した今年3月以降と、動きは鈍かった。
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 「日本最大の薬と研究者に関わるスキャンダル」とも言われるバルサルタン問題。影響の大きさと真相究明への課題を報告する。

緑内障 自己チェックで早期発見 谷原秀信・熊本大教授が講演

熊本日日新聞 6月21日(金) 配信
 日本人の失明の1位を占めるようになった緑内障。40歳以上で5%の人が緑内障とされ、加齢とともに増えていく。眼圧が高いほど視神経が障害を受け、緑内障になりやすいことが分かっている。
 4月に開かれた日本眼科学会の市民公開講座で「緑内障 正しい知識と生活指針」をテーマに講演した熊本大医学部眼科教室の谷原秀信教授は「緑内障は視神経の病気で、視野が徐々に欠けていく。欠けた視野は元に戻らないが、進行は止められる。早く気付けば生活に支障は出ない。早期発見が一番大事」と話す。
 以前は糖尿病網膜症が失明原因の1位だったが、7年前に緑内障がトップになった。失明原因の約21%を占める。
 緑内障は、自分でなかなか気付かないまま、徐々に視野が欠けていく。通常、真ん中は見えるが、その周辺が見えなくなったり、視野が狭くなったりする。さらに悪くなると、真ん中も見えなくなって失明する。
 「網膜から視神経の束が出て脳につながっているが、その神経の束の根元に弱いところがある。眼圧が高くなったりすると、神経がやられて見えない所ができてくる」
 平均的な眼圧は14~15ミリHg(水銀柱)。眼圧が高いほど視神経に無理がかかって視野が次第に失われていく。眼圧を下げれば、進行を遅らせたり、止めたりできるという。
 「目の中では循環した水(房水)が出口から出て行くが、加齢や病気で水はけが悪くなると、眼圧が上昇し、高いほど緑内障になる確率が上がる」
 最近は、眼圧が10~20ミリHgの正常範囲でも緑内障が起こることが分かってきた。「日本人は視神経が弱いようで、緑内障全体の7割近くが、この正常眼圧緑内障。昔は『まれ』とされたが、国が豊かになって、長生きするようになると正常眼圧緑内障が増加するとみられる。ただ進行はゆっくりということが分かってきた」
 緑内障の発見は、自分で気付くことが一番多いが、最近は眼鏡を作るときや人間ドックの際の眼圧や眼底検査で見つかることが増えてきた。
 「自己チェックの方法は、開いた新聞紙の真ん中に、何か中心となる『点』を置いて片目をふさぐ。目を点に固定し、動かさないようにして、見えないところや欠けている所がないか調べるのが簡単。気付いたら眼科専門医に相談すること」
 肥満や逆立ちなどは目によくないが、心配はほどほどにして、まずメタボリック症候群を避け、野菜を食べ、適度な運動をすること、という。
 専門医では、眼圧や欠如した視野の程度を診て、緑内障の進行状態を把握。年齢や生活レベル、家族の意向などを相談の上、目標眼圧を設定する。
 治療は眼圧を下げる目的で行う。中心は薬物療法で、効き方を考え、点眼薬を組み合わせて複数使用することが多い。
 谷原教授は「間違った目薬の差し方をしている人が多い。失明した人を調べた結果、目薬をうまく差せていない人は1・8倍失明率が高かった。ただ緑内障を過剰に怖がったりせず、正しく理解して、うまく付き合ってほしい」と話している。

神経障害性疼痛の「原因」を特定 福大・九大共同チーム

西日本新聞 6月21日(金) 配信
 福岡大薬学部と九州大大学院薬学研究院の共同研究チームは20日、末期がんなどで既存の鎮痛剤が効かなくなる「神経障害性疼痛(とうつう)」は、細胞内で「CCL―1」と呼ばれるタンパク質が増えることによって引き起こされていることを突き止めた、と発表した。痛みを抑える新薬への応用が期待されるという。
 神経障害性疼痛は炎症や外傷による痛みと異なり、末期がんや糖尿病合併症などで神経が直接傷つくことで発症。難治性でモルヒネなども効かず「人類最悪の痛み」といわれる。国内では数百万人が苦しんでおり、シーツが肌に触れるような小さな刺激で激痛を感じる人もいるという。
 福岡大の高野行夫教授(薬理学)によると、マウスの腰にある座骨神経の一部を糸で縛り、人工的に神経障害性疼痛を起こして実験。足を刺激して痛みの度合いを測ったところ、縛った後では約8倍の痛みを感じていた。この際、マウスの脊髄細胞内のCCL―1の量は約2倍に増えていた。
 一方、CCL―1が増えないよう、あらかじめ脊髄に抗体を投与したマウスで同様の実験を行ったところ、痛みは半分程度に抑えられたという。
 高野教授は「高齢化の進行で神経障害性疼痛に悩む人も増えているが、特効薬がない。マウス実験で用いた抗体のように、人間向けにCCL―1を抑制する新薬が開発されれば、生活の質向上にもつながる」と話している。

iPS臨床研究、26日審議 世界初狙いペース加速

共同通信社 6月21日(金) 配信
 厚生労働省は20日までに、理化学研究所などのチームが計画している人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った網膜再生の臨床研究が妥当かどうかを審議する審査委員会を、26日午後に開くことを決めた。妥当性が認められれば国での審議は実質的に終了。上部の部会での議論を経て厚労相の了承意見が出されれば、理研と先端医療センター(神戸市)のチームは研究を開始できる。
 審議は3回目。審査委は通常2カ月に1回程度の頻度で開かれるが、今回は5月27日の2回目からほぼ1カ月での開催となる。厚労省によると、iPS細胞を使った世界初の臨床研究となることが期待されている事情を踏まえ、審議ペースを速めることにしたという。
 3回目はiPS細胞の作製方法に関係する安全性などについて議論。
 研究では、目の網膜が老化し、急速に視力が失われる「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」の患者の皮膚細胞から作ったiPS細胞を、網膜の色素上皮細胞に成長させ、6人の患者に移植する。チームは2月28日に厚労省へ計画を申請した。

抗ウイルス薬研究への貢献でエリオン賞を受賞した鹿児島大教授馬場昌範さん

共同通信社 6月20日(木) 配信
 抗ウイルス薬研究でノーベル賞を受けた故ガートルード・エリオン博士の名を冠した国際学会賞を受賞した。「これを一区切りに、また頑張らなければ」と話す。
 「CCR5拮抗(きっこう)薬」「フェスティナビル」とエイズ治療薬の二つの有力候補物質を見つけたことなどが高く評価された。
 きっかけは1986年のベルギー留学。ようやく知られ始めたエイズの患者が、アフリカからたくさん来ていた。謎の多いウイルスに同僚の多くが尻込みする中、指導教官に研究を託された。
 「朝昼晩、没頭できた」と楽しげに振り返るが、実務は地道な積み重ねだった。培養したウイルスに候補物質を添加して抑制効果を見極める。数値を比べ、さらにふるいに掛ける。ほとんどはこの段階で消えてしまう。
 94年、鹿児島大のウイルス病研究機関に招かれ、他大学や製薬会社、工学系研究者との共同研究を次々に計画。「少人数で力任せに実験した。調べた物質は何千か、万か...」。その成果への授賞に「こつこつやれば国際的な仕事ができると分かってもらえた」と喜ぶ。
 医学に強い志望があったわけではない。私大法学部にも合格したが、母の勧めもあって医学部へ。研究室に入ったあとも病院で患者を診る時間が長かった。「今も、ウイルスを見るのではなく、患者を、病気を診るつもりでやっている」。今後の目標として、発展途上国の人々が苦しむ数々のウイルス病の克服を挙げた。
 大阪市出身の58歳。妻と2人暮らし。

東北大、NK細胞の急減を解明

毎日新聞社 6月20日(木) 配信
MEMO:東北大、NK細胞の急減解明
 感染などに対抗する免疫機能を担う体内のナチュラルキラー(NK)細胞が、がん細胞を攻撃すると急減してしまう仕組みが分かったと、東北大医学部の小笠原康悦教授(免疫学)、中村恭平研究員のグループが発表した。この仕組みを制御できれば「効果的ながん免疫療法の開発につながる」と期待している。
 グループは、がん化した細胞の表面に出現するたんぱく質(NKG2DL)を目印にしてNK細胞が攻撃する際、がん細胞は死んでも、このたんぱく質がNK細胞自身の表面に付着することを確認。この結果、付着したNK細胞が攻撃されて死に、がん細胞を攻撃する効果が弱まってしまう仕組みを解明した。
 NK細胞を使うがん免疫療法の場合、急速なNK細胞死が起きて治療効果が出ないことがあり、これまで原因が謎だった。【山越峰一郎】

てんかん研究で国際的評価「大使賞」受賞

デーリー東北新聞 6月20日(木) 配信
 てんかん研究で国際的に貢献した医師や研究者に贈られる2013年「てんかん大使賞」に、日本てんかん学会理事長で湊病院(八戸市)名誉院長の兼子直(かねこ すなお)氏(67)が選ばれた。抗てんかん薬による奇形発現の原因や予防の研究、てんかんを引き起こす遺伝子の解析など、長年の功績が評価された。兼子氏は23~27日にカナダ・モントリオールで開かれる国際てんかん会議で表彰される。
 同賞は国際抗てんかん連盟と国際てんかん協会が1961年に創設。2年に1度、優れた研究者を表彰しており、13年は世界で12人を選んだ。日本人の受賞は通算6人目。
 兼子氏は78年から99年にかけて、抗てんかん薬の血中濃度を測定することで、妊娠期の抗てんかん薬の投与量と、胎児の奇形発現の関連性を解明。奇形防止のガイドライン策定に携わった。
 てんかんの遺伝子解析にも尽力し、症状を引き起こす遺伝子を見つける世界初の検査チップを開発した。発症前の治療につながる可能性があり、てんかんの予防が実現するかどうか期待されている。
 兼子氏は「受賞は多くの共同研究者がいたからこそできた。仲間と賞を分かち合いたい」と感謝。「日本人の受賞が少なく、風穴をあけなければならない。国際化の中で日本人が評価されるような状況をつくっていきたい」と抱負を語った。
 兼子氏は北海道出身で、弘前大医学部大学院卒。英国のブリストル大とケンブリッジ大の客員教授、弘前大医学部長などを歴任。湊病院が12年4月に「北東北てんかんセンター」を開設したのに合わせ、同病院名誉院長に就任し、てんかん治療のネットワーク化に力を注いでいる。(三浦典子)

青魚のDHA、怖い記憶緩和…動物実験で効果

読売新聞 6月19日(水) 配信
 イワシやサバなどの青魚に多く含まれる「オメガ3系脂肪酸」の割合が多い食事を取ることで、恐怖や苦痛を伴う記憶を緩和させる傾向があることが動物実験でわかったと、国立精神・神経医療研究センター(東京都)の関口正幸室長らの研究チームが19日、発表した。
 不安障害などの発症予防に役立つ可能性があるという。20日から京都市内で開かれる脳神経分野の合同学会で報告する。
 オメガ3系は、DHA(ドコサヘキサエン酸)やαリノレン酸などの不飽和脂肪酸。実験では、オメガ3系と、植物油に多いオメガ6系(リノール酸など)の含有割合を変えた餌を食べさせた複数のマウスに、怖がって動かなくなる程度の電気ショックを与えた後、再び動きだすまでの時間を比較。3系、6系はいずれも必須脂肪酸だが、食事の欧米化が進み、日常生活での3系の摂取量は、6系に比べて減っている。3系と6系の割合を1対7~8にした餌を与えた32匹は、動き出すまでに平均80秒かかったのに対し、この割合を1対1にした32匹では平均42秒に縮まった。関口室長は「魚をたくさん食べて3系の割合を増やすことで、不安障害の発症を抑えられるかもしれない」としている。
 食生活が心身に与える影響について詳しい明智龍男・名古屋市立大教授(精神腫瘍学)は「オメガ3系が豊富な食事をしているがん患者は病名告知後、うつの発症が少ない傾向がみられ、今回の結果と矛盾しない」と話す。

向精神薬依存 8割、投薬治療中に発症 「医師の処方、不適切」 専門機関調査

毎日新聞社 6月19日(水) 配信
向精神薬依存:8割、投薬治療中に発症 「医師の処方、不適切」--専門機関調査
 ベンゾジアゼピン(BZ)系といわれる向精神薬の依存や乱用に陥った患者の8割以上が、アルコール依存など別の疾患の治療中に発症していたことが、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)の調査で分かった。BZ系は用量内でも乱用・依存に陥る可能性が指摘され、欧米では処方を避ける傾向にある。診察せずに処方されたケースも4割あり、調査した専門家は、医師の不適切な処方が発症につながったと指摘している。【和田明美】
 2011年12月、同センターなど首都圏の薬物依存症専門医療機関4カ所が、BZ系と、近い系統の睡眠薬や抗不安薬を乱用するなどしていた20~60代の87人(男性37人、女性50人)を調査。うち84%の73人が、調査対象の専門機関にかかる前の通院先で、アルコール依存や気分障害、不安障害、睡眠障害などの治療中に乱用や依存に至っていた。
 依存、乱用するようになった薬は、調査対象者の89%の77人が精神科医療機関で処方されたものだった。知人や密売人などから入手したのは、いずれも1割未満だった。
 処方時の問題は、BZ系で特に依存の危険がある薬を処方(7割)▽患者が薬をためている可能性を考えず漫然と処方(同)▽多種類の処方(5割)▽用量を超えた大量処方(同)▽診察なしの処方――などがあった。
 一方、患者は「不眠の解消」「不安・緊張感の緩和」「いやなことを忘れる」などを求めて乱用したものの、調査対象者の6割が暴力をふるったことを忘れるなどトラブルを起こしたほか、5割が過量服薬で救急搬送され、3割が交通事故や転倒で救急搬送されるなどしていた。
 BZ系は、不眠や不安の解消などさまざまな場合で処方され、国内での向精神薬の依存や乱用の原因の約9割を占めるとされる。飲み過ぎるともうろう状態になり、健忘や転倒などの副作用が出る。1970年代に欧米で乱用・依存が問題化し、英国国立医療技術評価機構のガイドラインでは2~4週間を超える使用は推奨されておらず、米国食品医薬品局も長期の使用は承認していない。
 また、米国などでは90年代以降、新型の抗うつ薬が使われたことに伴い、BZ系抗不安薬の処方が激減した。日本では精神科以外でも広く処方され、抗不安薬の処方件数は欧米の6~20倍とも言われる。
 同センター薬物依存研究部の松本俊彦・診断治療開発研究室長は「患者の不安が強いと、一時的にBZ系を使わざるをえない場合もある」としながらも、「医療機関が依存性の高い薬を処方し続けたり、多種、大量に処方したりすることが発症につながる。診察なしの処方は兆候を見過ごすことになり、絶対すべきでない」と指摘している。

ヒト臓器 動物体内で作製「容認」 一定の要件条件に 政府科技会議調査会

毎日新聞社 6月19日(水) 配信
ヒト臓器:動物体内で作製「容認」 一定の要件条件に--政府科技会議調査会
 政府の総合科学技術会議の生命倫理専門調査会は18日、動物の受精卵(胚)にヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを移植した「動物性集合胚」を、動物の子宮に着床させて個体を産ませ、ヒトの臓器を作製する基礎研究について、一定の要件を条件に認めうるとする方針で合意した。将来の移植医療などのための基礎研究を想定している。次回会合で容認にあたり議論すべき論点を整理した見解をまとめる予定。
 現在の文部科学省の指針は、動物性集合胚を作製すること自体は目的を限定したうえで認めているが、動物の子宮に入れて育てることを禁止している。
 同調査会では、海外での規制や研究の進展状況を踏まえ、動物性集合胚を動物の子宮に移植することの研究上の意義や、人の尊厳への影響、どこまで育てることを認めるか――について議論。人の尊厳の保持に影響を与える恐れがなく、科学的合理性と社会的妥当性に関する一定の要件を満たせば認めうるとする方針で合意した。
 また、移植用の臓器の作製以外に、病気のヒトの臓器を持つ動物を作り、病気の解明や新薬の開発に役立てたり、ヒトの多能性幹細胞の性質を調べたりするなど、研究目的の多様な可能性も認めた。
 動物体内でのヒトの臓器作製を巡っては、東京大などの研究チームがブタの体内でヒトの臓器を作る研究を目指しており、生まれつき膵臓(すいぞう)ができないブタの体内で別のブタの細胞を持つ完全な膵臓を作り出すことに成功している。【須田桃子】
 ◇代替法検討を
 生命倫理に詳しい〓島次郎・東京財団研究員は「動物性集合胚は生命操作の度合いが高い。実施の審査では、動物性集合胚よりもリスクが低い動物の胎児を使った臓器作製など、代替法についても検討すべきだ。また日本は個別の研究施設に実験の管理が任されており、生命操作の度合いが高い動物実験を認める体制が整っているのかという視点からの検討も求められる」と話している。

技術、倫理面に課題

共同通信社 6月19日(水) 配信
 【解説】動物と人間の細胞が混ざった動物性集合胚を動物の子宮に移植する研究が容認される方向になった。人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を利用し、ブタの体内で本当に人の臓器が作れるのかを確かめる実験が一歩進むとみられるが、実用に向けた技術開発や倫理面で課題が多い。
 まず、現行の技術で作った人のiPS細胞では、ブタと人の細胞が混ざった個体を作れない可能性が指摘されている。できたとしても、iPS細胞が狙った臓器以外にならないよう制御できるかも課題だ。
 人の脳神経や生殖細胞を持った「人の性質の多い動物」を避ける技術が可能か、作った臓器が安全に移植できるかも確かめる必要がある。
 また昨年、一般の人約3千人と再生医療の研究者約900人に行った意識調査では、こうした研究を「許されない」とした人が45%おり、許容意見の25%を上回った。
 研究用の細胞提供者にどう説明し同意を得るのか、移植用臓器のための動物を誕生させることが動物愛護の点から妥当なのかなどを含め、社会としての受け入れ可能性を引き続き議論すべきだ。

若者にも痛風リスク 遺伝子変異で22倍

共同通信社 6月19日(水) 配信
 体から尿酸を排出する働きに関係する遺伝子に変異がある男性は、20代以下と若くても痛風を発症するリスクが最大約22倍高まることを、防衛医大(埼玉県)や東京大、東京薬科大などのチームが突き止め、18日付の英科学誌に発表した。
 防衛医大の松尾洋孝(まつお・ひろたか)講師は「痛風は『ぜいたく病』といわれるが、遺伝子の影響も大きい。遺伝子検査でリスクの高い人が分かれば予防につながる」としている。
 痛風は、血中の尿酸濃度が高まって発症し、激しい関節痛を起こす。チームは、尿酸を腸から体外に出すのに関わる遺伝子「ABCG2」に着目。この遺伝子は、日本人の約半数で変異があるとみられ、変異の度合いと病気の関係を調べた。
 痛風の男性705人と健康な男性1887人を調査。複数の変異があり遺伝子の働きが大幅に落ちている人は、変異のない人と比べ、20代以下で発症するリスクが22・2倍高いとの結果になった。日本人の1%程度が該当するという。
 この遺伝子の働きが半分の人は15・3倍、少し働きの下がった人も6・5倍リスクが高かった。
 患者のうち、働きが大幅に落ちている人は平均38・2歳で発症し、変異のない人より6・5歳若かった。
 ABCG2遺伝子の変異に関しては、既に民間で検査事業が始まっており、医療機関などを通じて検査可能という。
※英科学誌はサイエンティフィックリポーツ

糖尿病の合併症 目薬で治療…島根大が開発

読売新聞 6月18日(火) 配信
 糖尿病の合併症で、失明の恐れもある「糖尿病黄斑(おうはん)浮腫」を治療する点眼薬を、島根大の大平明弘教授(眼科学)らが開発したと発表、米国の眼科専門誌「IOVSペーパーズインプレス」に掲載された。
 様々な分子を取り込むオリゴ糖・シクロデキストリン(CD)を活用し、薬剤を目の奥の患部に届ける仕組み。従来の治療法より安全で早ければ3年後に実用化できるといい、試験を続けている。
 糖尿病黄斑浮腫は、網膜の毛細血管が血液中の糖分で傷み、水分や脂肪が漏れて網膜の中心の黄斑が腫れる病気。物がゆがんで見え、悪化すると視力が低下する。国内の糖尿病患者約890万人(推計)の4割に発症の恐れがあるとされる。従来は、血管にレーザーを当てて固めたり、ステロイド剤を眼球に注射したりして治療するが、注射ではまれに炎症が起きる。
 大平教授らは目薬による治療法を模索するなかで、水に溶けやすく、分子を取り込みやすいCDに着目。CDの内側は水に溶けにくいステロイドでもなじみやすく、目薬に含ませることが可能になった。CDには取り込んだ物質を少しずつ放出する性質もあり、ステロイドの量を調節して、網膜に達する頃に適量が出るよう工夫した。
 島根大病院(島根県出雲市)で患者19人に4週間、毎日点眼したところ、うち18人の腫れが軽減し、14人の視力が0・1程度改善した。現在、効き目の違いや副作用の表れ方の比較試験を実施中。大平教授は「目薬の性能をさらに高めたい」と話している。
 日本眼科学会指導医で網膜の病気に詳しい山本修一・千葉大病院副病院長の話「従来の治療は合併症の危険もあったので朗報。今後の研究に注目したい」
 シクロデキストリン ブドウ糖分子が直径100万分の1ミリほどの筒状に連なった化合物。バケツの底が抜けたような構造で、中に分子を取り込む。におい成分をとらえる消臭剤などに広く使われている。

風疹 今年累計1万人突破 昨年1年間の4倍

毎日新聞社 6月18日(火) 配信
風疹:今年累計1万人突破 昨年1年間の4倍
 国立感染症研究所は18日、妊娠初期に感染すると赤ちゃんの目や耳、心臓などに重い障害を引き起こす恐れがある風疹の患者数が、今年1月から今月9日までの23週間の累計で1万102人となり、1万人を突破したと発表した。昨年1年間の患者数(2392人)の4倍を超えた。
 男性の患者が77%を占め、8割は20~40代の若い男性だ。今年は、1月に首都圏から感染が拡大、現在は全ての都道府県に広がっている。患者数は、首都圏と近畿地方に多く、東京都2565人▽大阪府2243人▽神奈川県1220人▽兵庫県855人――の順となっている。
 風疹は風疹ウイルスによる感染症で、発熱や全身の発疹、リンパ節の腫れなどの症状が出る。潜伏期間は2~3週間で、感染者のせきやくしゃみによって感染する。
 感染症に詳しい理化学研究所の加藤茂孝さんは「深刻な状況だ。患者の多い成人男性にワクチンを一斉に接種する以外、流行の抑制はできない」と話す。【藤野基文】

眠気 睡眠前の行動が左右 興奮したマウス寝付けず 筑波大など確認

毎日新聞社 6月18日(火) 配信
眠気:睡眠前の行動が左右 興奮したマウス寝付けず 筑波大など確認
 嫌々起きている場合と自ら進んで起きている場合では、眠りに落ちるまでの時間が違うことを、筑波大と米テキサス大の柳沢正史教授のチームがマウスを使った実験で確認し、17日発表した。起きている時の行動パターンで「眠気」の強弱が変わることを裏付けた形で不眠症対策などに役立つという。18日付の米科学アカデミー紀要に掲載される。
 2グループのマウスを使い、一方はなでるなどして睡眠を邪魔し、他方は1時間ごとに巣箱を変えて新しい環境で眠気を覚ますようにし、6時間断眠させた。その後自由にさせると、嫌々起きていたグループは2~3分で眠りに落ちたが、眠気が覚めたグループは約15分と眠るまでに長い時間を要した。睡眠時の脳波で調べると、脳が求めている睡眠量はほぼ同じだった。さらに、チームは、睡眠の必要量と眠気には、脳内で異なるたんぱく質が関わっていることを解明した。【相良美成】

側彎症の関連遺伝子発見 進行予測の開発目指す 「医療新世紀」

共同通信社 6月18日(火) 配信
 思春期に背骨が横に湾曲する原因不明の疾患「思春期特発性側彎(そくわん)症(AIS)」の発症に関与する遺伝子を、理化学研究所と慶応大のチームが見つけ、米科学誌に発表した。発症の仕組みの解明や、早期治療につながることが期待される。
 側彎症は、神経や筋肉の病気に伴って起きる場合もあるが、最も多いのが10歳以降に発症するAISで、同年代人口の2%程度にみられる。女性に多く、複数の遺伝子と生活習慣などが影響し合って起こると考えられている。曲がる角度が20度以上になると装具着用など何らかの治療が必要で、40度以上は手術が行われる。重度になると肺機能の低下や腰痛などが起きて治療も困難になるため、早期発見が大切だ。
 チームはまず、日本人のAIS患者約千人と患者でない約1500人について、ゲノム(全遺伝情報)の中にあるDNA配列のわずかな違いを約55万カ所調べ、AISと関係がありそうなものに狙いを付けた。次に、より大きな集団でも検証し、軟骨組織で強く働いている「GPR126」という遺伝子と関連があることを突き止めた。
 同チームは2011年にも「LBX1」という関連遺伝子を今回と同様の方法で発見している。こちらの遺伝子は脊髄の神経や筋肉の発生に関わっているという。
 チームの松本守雄(まつもと・もりお)・慶応大医学部准教授(整形外科)は「AISに関与する遺伝子はもっとあるはずなので、さらに解析を進める。将来的には、複数の関連遺伝子と生活習慣などを組み合わせて発症や進行のリスクを予測するシステムを開発し、早期の診断・治療に役立てたい」と話している。

風疹で胎児障害、11人目…9年前の流行上回る

読売新聞 6月18日(火) 配信
 風疹にかかった妊婦の胎児に障害が出る「先天性風疹症候群(CRS)」が今月上旬、東京都内で新たに報告されたことがわかった。
 今回の流行が始まった昨年後半から11人目の報告例で、推定3・9万人の風疹患者が出た2004年の10人を上回った。
 風疹患者の増加に歯止めがかからないため、CRSの子どもを持つ親らが17日、国が費用を負担した臨時の予防接種を実施するよう、厚生労働省に申し入れた。
 同省などによると、新たなCRSの患者は今月9日までに東京都へ報告された。同省は近く、11人目の報告例として正式発表する。風疹の患者は昨年後半から増え始め、今年は今月2日までに全国で9408人の患者が報告され、今月中に1万人を超えそうだ。昨年1年間との比較でも、既に4倍近くに上っている。
 患者の8割近くは男性。中心は20-40歳代で、男性全体の8割以上を占める。今年4月時点で34歳以上は自治体の予防接種の対象外だったことなどから、特に患者が多い。子育て世代でもあり、夫が妊婦にうつさないよう、同省などは自主的に予防接種を受けるよう呼びかけている。
#ワクチンが足りなくなっています。製造に1年半くらいかかるそうです。国は、先のみ投資が全くありません。

歩幅狭いと認知症リスク増…70歳以上調査

読売新聞 6月17日(月) 配信
 歩幅が狭い高齢者ほど認知症になりやすいとの調査結果を、東京都健康長寿医療センター研究所の谷口優研究員らがまとめた。
 歩幅を手がかりに、認知症の早期発見や予防が可能になると期待される。
 研究チームは、群馬県と新潟県に住む70歳以上の1149人を対象に暮らしぶりや身体機能を調べ、介護が必要な人や認知症が疑われた人などを除く666人を、追跡調査(平均2・7年)した。
 その結果、年齢や一人暮らし、血液中の赤血球数の少なさ、低コレステロールなどが、認知機能の低下と関係していた。中でも、特に関連が深かったのが、歩幅の狭さだった。
 年齢や身長などの条件を調整して、歩幅を「広い」「普通」「狭い」の3群に分けて分析。普通の速さで歩く時に、歩幅が狭い群は、広い群に比べて、認知機能が低下するリスクが3・4倍高かった。特に女性ではその差が5・8倍になった。男性では速く歩いた時の差が大きく、狭い群のリスクは広い群の4・4倍になった。

熱中症疑い搬送相次ぐ 西日本各地で猛暑、死者も

共同通信社 6月17日(月) 配信
 西日本各地では14日も強い日差しが照りつけ、大阪府豊中市で36・7度、岡山県高梁市で36・6度、京都府京田辺市で36・1度を記録する猛暑日となり、熱中症の疑いによる搬送者が相次いだ。
 滋賀県長浜市では80代の男性が田んぼで作業中に体調不良を訴え、病院に搬送されたが死亡。共同通信のまとめでは、大阪府内で病院に搬送された人は4~94歳の65人に上った。兵庫県でも神戸市と姫路市、たつの市で12人が搬送された。京都市でも15人が運ばれ、このうち閉め切った自宅でぐったりしていた80代の女性が心肺停止。
 大阪市生野区の市立生野中などによると、グラウンドで運動会の団体競技中の午前11時50分ごろ、女子生徒3人が手足のしびれや吐き気を訴えた。体調不良となる生徒が続出し、午後0時20分ごろに119番。最終的に女子計15人が病院に運ばれた。午後の競技は中止され、運動会は延期となった。
 大阪府松原市の市立天美小によると、小学5年の児童全員が体力測定の授業中にグラウンドを走った後、14人が体調不良を訴え、午後3時ごろ119番。病院に運ばれた14人のうち5人が入院中という。

熱と薬でがん同時攻撃 磁場利用のシート開発

共同通信社 6月17日(月) 配信
 がん細胞に貼って磁場をかけ、熱と抗がん剤という2通りの方法でがん細胞を攻撃するシートを開発したと、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)のチームが14日、専門誌に発表した。
 二つの治療法はこれまで別々にしかできなかったが、がん細胞を使った実験で、このシートは高い効果を示した。がんの手術後に貼っておくと、必要な時に体の外から磁場をかけて治療できるという。荏原充宏(えばら・みつひろ)主任研究員は「再発、転移防止に役立つのではないか」と話している。
 がん治療の中心は手術、放射線、抗がん剤。がん細胞は熱に弱く、45度程度に温める「温熱療法」も研究されている。
 荏原さんらは、熱に反応する高分子と磁気を帯びた粒子、抗がん剤を混ぜた材料で直径約500ナノメートル(ナノは10億分の1)の繊維を作り、網目状のシートにした。磁場をかけると粒子が発熱し45度程度になる。すると熱に反応してシートが縮み、抗がん剤が放出される。
 皮膚がんの培養細胞にシートを載せ、1日に5分間磁場をかけると、2日後に細胞は19%に減った。抗がん剤だけだと26%、温めるだけだと69%だった。
 対象は、表面を覆う上皮の扁平(へんぺい)上皮がんが想定される。食道がんや子宮頸(けい)がんなどに多い。

福島民友新聞 6月17日(月) 配信

 心にストレスを抱えると、「日常生活に支障を及ぼすような腰痛」の発症が増加する―。福島医大医学部整形外科学講座の加藤欽志助教(35)=富山県射水市出身、同大卒=が、東日本大震災、東京電力福島第1原発事故を経験した同大生を対象に行った調査からそんな研究結果をまとめた。この研究は5月、米国アリゾナ州スコッツデールで開かれた学会の年次集会で発表され、同集会の最優秀演題賞に選出された。
 周囲の出来事に起因する「心理社会的ストレス」の腰痛への影響は以前から指摘されていたが、加藤助教は世界で初めて証明に成功。受賞について「研究が評価されうれしい。この研究が、ストレスで腰痛が悪化してしまっている患者の治療につながればと思っている」と話している。
 加藤助教らのグループは2011(平成23)年1月、同大医学部と看護学部の学生を対象に腰痛とストレスに関する調査を開始。同3月11日に震災、原発事故が起きたため、震災で学生に加わった心理社会的ストレスが腰痛の発症に関与したかどうかを調べようと、同7月に追跡調査を実施した。
 追跡調査をした学生94人のうち、アンケートにより震災前よりストレスが悪化したと判断されたのは3割。7割は、ストレスに変化がなかった。
 震災後に腰痛を発症した人数の割合を、ストレスが悪化したグループと変化がなかったグループとで比較すると、いずれも全体の3~4割で違いはなかった。
 しかし、日常生活に支障を及ぼすような腰痛が発症した割合を特別の評価法を用いて調べると、ストレスが悪化したグループでは22.2%に上り、変化がなかったグループでは7.5%にとどまった。

高齢出産、リスク高く 多胎、免疫の問題指摘も

共同通信社 6月17日(月) 配信
 不妊治療の手法として関心の高まる卵子提供。提供を受けて出産する女性には高齢妊娠が多く、専門家は「妊娠合併症などのリスクを知ってほしい」と訴えている。
 高齢の妊娠・出産では妊娠高血圧症候群、糖尿病、早産などが起きやすい。帝王切開になる確率も高く、出産時の出血量も多い傾向にある。
 また妊娠を最優先して、一度に複数の受精卵を子宮に戻すことがあるため、2人以上の赤ちゃんを同時に妊娠する多胎妊娠も多い。多胎妊娠は妊婦にも赤ちゃんにも危険が大きいとして、日本産科婦人科学会は子宮に戻す受精卵を原則1個にするとの会告(倫理指針)を出しているが、卵子提供による体外受精の大半は海外で行われており、会告が守られている保証はない。
 他人の卵子を使うことから、免疫面で問題が起こるとの指摘もある。厚生労働省研究班のアンケートでは「卵子提供後の分娩(ぶんべん)は合併症が多い」と回答した施設は62・6%。原因として67施設が「高齢だから」、15施設が「免疫学的な問題がある」と答えた。
 今回の調査を集計した日本医大の竹下俊行(たけした・としゆき)教授(不育症)は「自然では絶対にあり得ない妊娠で拒絶反応が起きている可能性もある。今後の研究課題だが、母体の高齢化による合併症に加えて免疫学的な問題が加わることで、卵子提供後の出産には大きなリスクを伴うことに注意する必要がある」と指摘している。

卵子提供の出産、3倍超 年推計300人余り誕生 3年で急増、高齢化も 厚労省研究班調査

共同通信社 6月17日(月) 配信
 卵子提供による出産の割合は2012年に3年前の約3倍に増えたことが、厚生労働省研究班(主任研究者・吉村泰典(よしむら・やすのり)慶応大教授)の調査で15日、分かった。大半が海外からの提供で平均年齢は45・2歳と高齢出産である実態も明らかになった。吉村教授は「年間の出生数は約100万人なので、年間300~400人が卵子提供で生まれている推計」と指摘しており、高齢での出産リスクの注意喚起や卵子提供のルール作りを求める議論が活発化しそうだ。
 研究班は大学病院や総合病院など全国302施設を対象に、09年1月から12年9月までに扱った出産総数と卵子提供による出産数などを問うアンケートを郵送し、163施設が回答。卵子提供の出産件数は117件だった。
 年別では、09年に14件(出産割合0・015%)だったのが、10年に30件(0・031%)、11年に37件(0・038%)、12年に36件(0・051%)と、3年で卵子提供の出産割合が3・4倍に増えた。
 この期間の平均は0・032%。04~08年に104施設から回答を得た前回の調査では平均0・009%で、約3・6倍となった。
 117件中、卵子提供を受けた国について回答があったのは97件。内訳は米国65件、タイ18件、日本7件、韓国4件、台湾、マレーシア、ロシアがそれぞれ1件だった。
 出産した女性の年齢が分かった100人で、平均年齢は45・2歳。5歳刻みでは45~49歳の年齢層が最多で46人、55歳以上も4人いた。妊娠高血圧症候群など、妊娠合併症を伴ったのは68%と多く、研究班は「高齢以外にも、提供卵子で免疫的に通常の妊娠と異なることが関係している可能性がある」としている。
 国内では卵子のない早発閉経などの患者に卵子の提供者を仲介する「卵子バンク」が今年初めから活動を始めており、これまでに3組が決まっている。
※卵子提供
 子宮には問題がないが、病気などで卵子ができない女性や、高齢で妊娠しにくくなった女性が、健康な女性から卵子の提供を受け、夫の精子と体外受精させて出産を目指す生殖補助医療。卵子採取に伴う副作用や生まれた子どもの法的な地位、遺伝的な親を知る権利にどう対応するかなどの課題がある。国内では法律に基づく指針や規制はなく、法整備を求める声も多い。民間の「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」が卵子のない患者を対象に提供者を仲介する「卵子バンク」の運営を始めた。

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