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医療情報69

医療情報68

20130715~

試験データ、慈恵医大も操作認める 降圧以外の効果、根拠失う バルサルタン 臨床試験疑惑

毎日新聞社 7月31日(水) 配信
バルサルタン:臨床試験疑惑 試験データ、慈恵医大も操作認める 降圧以外の効果、根拠失う
 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)に血圧を下げる以外の効果もあるとした臨床試験疑惑で、東京慈恵会医大の調査委員会は30日記者会見し、「データが人為的に操作されており、論文の撤回(取り消し)を決めた」とする中間報告を発表。販売元の製薬会社ノバルティスファーマの社員(5月に退職)が統計解析していたと認定し、「本人は否定するが、元社員のデータ操作が強く疑われる」と指摘した。ノ社は慈恵医大と既にデータ操作が判明した京都府立医大の論文(既に撤回)を使って大々的に薬を宣伝してきたが、科学的な根拠は事実上消滅した。
 ◇「元社員の不正濃厚」
 日本の医薬研究史上、類を見ない不祥事となった。橋本和弘・調査委員長は「論文から元社員の関与が伏せられ、データ操作もされていた。患者や研究者に迷惑をかけた」と陳謝した。
 バルサルタンの臨床試験は、慈恵医大、府立医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大の5大学が実施した。中でも慈恵医大と府立医大の論文は、試験の規模が大きい上、バルサルタンに種々の効果があると認める内容で、宣伝に使われた。
 論文の責任者は望月正武教授(71)=2007年に退職。研究チームは、バルサルタンの発売後、慈恵医大病院とその関連病院などで臨床試験を実施した。高血圧患者約3000人を、バルサルタン服用の約1500人と別の降圧剤服用の約1500人とに分けて、経過を比較。「バルサルタンには他の降圧剤と比べ脳卒中を40%、狭心症を65%減らす効果があった」などと結論付け、07年に一流英医学誌ランセットで発表した。
 調査委が調べると、論文に使われた解析用データの血圧値と、実際のカルテの記載とが異なるケースが多数見つかった。また、約3000人分のデータを再解析したところ、患者群の血圧の変化が論文と異なり、「論文は人為的に操作された」と認定した。
 その結果、論文が脳卒中や狭心症などの予防に効果があるとした結論については、「論文に欠陥があり、正しかったかは判断できない」と指摘した。
 研究に参加した医師らは「元社員がデータ解析をした。自分たちはデータ解析の知識も能力もない」などと、元社員による不正を推測。一方、元社員は調査委に対して関与を否定しているという。
 望月元教授は「重大な疑念を生じさせておわびします。私が全て責任を負う」とのコメントを発表。ノ社は「大学の発表を重く受け止めている」との談話を出した。【河内敏康、八田浩輔】
 ◇患者は余分な負担 高価でもメリット信じ
 降圧剤バルサルタンに宣伝された脳卒中予防などの効果に科学的な根拠がなかったということは、そうした効果を信じて服用してきた患者が余分な医療費を負ってきたことを意味する。
 高血圧治療薬のタイプには▽バルサルタンのように血管を拡張させる▽心臓の働きを抑える▽余分な水分などを体外に排出する――などがある。バルサルタンは1日160ミリグラムの服用で年間約8万1650円かかるが、最も安いものなら約3500円。健康保険が適用されても70歳以上だと1割を自己負担している。
 バルサルタンが価格の割に使われてきたのは、臨床試験で効果を確かめたという論文を現場の医師が信じたためだ。医療政策に詳しい埼玉県済生会栗橋病院の本田宏医師は「論文通りのメリットがなければ、患者にもっと安価な降圧剤を処方するという選択肢もあったはず。患者には個人負担の増加、公的には医療費の増大をもたらしたという意味で、看過できない問題だ」と批判する。
 バルサルタンの昨年度の売り上げは1083億円と、医師が処方する国内の医療用医薬品の中で最も売れた。ノバルティスファーマの二之宮義泰社長は29日の記者会見で、本来はなかったであろう利益について賠償の意思を問われ、「降圧剤としては患者様の役に立っている」と述べ、否定した。【河内敏康、八田浩輔】

「統計解析、元社員任せ」 慈恵医大が陳謝 バルサルタン 臨床試験疑惑

毎日新聞社 7月31日(水) 配信
バルサルタン:臨床試験疑惑 「統計解析、元社員任せ」 慈恵医大が陳謝
 累計1兆円を超す売り上げを誇る大ヒット薬を支えた科学的根拠が崩れ去った。降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験で論文不正を認めた東京慈恵会医大の調査結果は、製薬会社ノバルティスファーマの元社員による改ざんの疑いを強く示唆した。一方、医師が製薬企業に過度に依存した試験だったことも浮き彫りとなり、医薬業界への不信感は極まっている。【八田浩輔、河内敏康、須田桃子】
 「遺憾ながら、何者かによってデータが人為的に操作されていると考えられる」。東京都港区の慈恵医大で記者会見した橋本和弘調査委員長は、終始硬い表情を崩さなかった。
 調査報告書は「データ操作は統計解析段階でなされた」と推認し、元社員の不正への関与を強く示唆した。一方、今月27日に大学の聞き取りに応じた元社員は、データ操作への関与を否定したばかりか、統計解析を行ったことも否定したという。しかし、責任者の望月正武元教授ら大学側の研究者十数人は「統計解析をしたのは元社員だ」と証言。このため調査委は「元社員の供述は虚偽で信用できない」と判断した。
 元社員が試験に参加することになったのは、望月元教授がノ社の営業社員に統計の専門家の紹介を依頼したことがきっかけだった。この時、元社員は当時非常勤講師を務めていた大阪市立大など4種類の名刺を持っていたという。だが「試験の最終段階では、ほとんどの研究者がノ社の社員と分かっていた」(橋本委員長)とした。
 今回の調査で、資金提供元の製薬会社元社員に、事務局機能から統計解析という研究の根幹まで丸投げするという研究者側の無責任さも明らかになった。
 橋本委員長は「研究者側にとって(元社員は)非常に便利で、信頼して任せてしまった。研究チームの大きな間違いで深くおわびしたい」と陳謝。再発防止策として大学内に「臨床研究センター」を設置する方針などを示した。
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 ■解説
 ◇強制力なき調査に限界
 バルサルタンの臨床試験論文を巡る東京慈恵会医大、京都府立医大、ノバルティスファーマの調査結果が出そろった。慈恵医大は協力を断られた府立医大と異なり、試験に関与したノ社元社員からも聴取。その結果、不正操作は元社員が行ったと推認したが、「消去法」で導いたものでしかなく、元社員は関与を否定している。強制力をもたない当事者による調査の限界といえる。
 府立医大の調査では、データとカルテを突き合わせ、他の薬を服用した患者に起きていない虚偽の脳卒中の記述があるなど、バルサルタンの効果を際立たせる大胆な不正操作があった。一方、慈恵医大ではこうした症例に食い違いは無かったが、結論を導く前提となる血圧値が操作されていた。科学的な再検証で「証拠」は見つかったが、誰がなぜ操作を行ったのか特定できないのは、誰かがうそをついているか、真実を知る人間が調査対象から漏れているからだ。
 国は、新薬を承認するための治験と異なり、市販後の臨床試験が適正に行われているかをチェックする有効な手立てを講じてこなかった。このことが今回の疑惑を許した側面がある。厚生労働省は有識者検討会で調査を始める。国民が納得できる結論を導き出す責任がある。【八田浩輔】

#今回のバルサルタンの事件は、この薬品だけの問題ではない。
全ての薬品の統計解析がちゃんと行われているかという問題です。
全ての知見を見直さないと信用できない。
ただ、バルサルタンは、海外でも多く使用されていて、臨床承認されているのでしょう。ただ、この知見発表によって海外に広まったのなら、世界的な責任問題だ。

難易度高い手術 合併症のリスクも

共同通信社 7月31日(水) 配信
 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜色素上皮のシートを移植する方法は、もともとある滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性の手術を応用したものだ。技術的に難しく、リスクをどう下げていくかも課題になる。
 この病気では、網膜の下から異常な血管が生えてきて、網膜の下部にある色素上皮の層がひどく傷んでしまう。
 10年ほど前までは「新生血管抜去術」と呼ばれる手術がしばしば行われていた。網膜に穴を開け、この血管と傷んだ色素上皮をピンセットのような器具で取り除く。今回は、取り除いた跡にiPS細胞から作った縦1ミリ、横3ミリほどの色素上皮細胞のシートを置くという手順を加えた。
 ただ、この手術は眼科の分野で最も難しい部類とされる。失明につながりかねない合併症の危険も数%ある。近年は、異常な血管の増殖を抑える薬剤を注射する治療法の登場もあり「ほとんど行われなくなった」(日本眼科学会)という。
 今回の手術法について、研究を行う理化学研究所の高橋政代(たかはし・まさよ)プロジェクトリーダーは、難易度は「大きな病院の1、2番手の医師ならできるくらい」とみる。
 患者は国内で推定約70万人。症状がかなり進行した人には移植手術をしても視力改善は望めず、逆に早い段階の患者はリスクが比較的低い注射薬のほうが向くかもしれない。高橋さんは「(普及段階での)対象患者は全体の3分の1くらいになる」とみている。

再生医療の実現へ2人で 「見守るから頑張って」

共同通信社 7月31日(水) 配信
 「ここからがますます厳しい道のり。手伝うことはできないけど、見守ってるから、頑張って」
 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って目の網膜を再生する、世界初の臨床研究を率いている理化学研究所の高橋政代(たかはし・まさよ)さん(52)を支えてきた夫で、京都大iPS細胞研究所の高橋淳(たかはし・じゅん)教授(51)。
 「僕のラッキーチャーム(幸運のお守り)みたいなもん」と形容する妻、政代さんは、本音で議論できる相手であり、iPS細胞での再生医療実現を目指すライバルでもある。
 「それじゃ甘いんちゃうか」「あんたはいつまでサルで実験やってんの」。iPS細胞を使ってパーキンソン病を治療する再生医療の実現を目指す高橋教授。政代さんとの家での話題はもっぱらお互いの研究のこと。
 ブリティッシュロックが好きで「いけいけ派」の政代さんと、ジャズを楽しむ「慎重派」の高橋教授。ポジティブな性格の政代さんとの遠慮のないやりとりから、「自分で考えているだけでは見えなかった側面が、ポンと見えてきたりする」という。
 高校時代からの知り合いで、ともに京都大医学部に進学し、テニス部に所属。卒業してすぐに結婚した。1995年には夫婦で米ソーク研究所に留学。同じ実験室で、神経のもととなる神経幹細胞を研究したことが、政代さんが網膜の再生医療に取り組むきっかけになった。
 「夫婦が1足す1で3にも、4にもなれればいいなと思う」。お互いを頼り合うのではなく、それぞれが自分の力を発揮してこそ、夢が実現できると信じている。

「長い道のり、これから」 笑顔の高橋リーダー

共同通信社 7月31日(水) 配信
 「非常にうれしい」。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床研究にこぎつけた理化学研究所の高橋政代(たかはし・まさよ)プロジェクトリーダー(52)は、30日の記者会見で笑顔を見せる一方、「目標は治療。これからの長い道のりが頭に浮かんでいる」と話した。
 研究に臨む気持ちを報道陣に問われると「慎重にやりたい」と繰り返し、「(失敗することで)iPS細胞の再生医療分野に迷惑を掛けてはいけない」とプレッシャーものぞかせた。
 記者会見には、移植を担当する先端医療センター病院(神戸市)の栗本康夫(くりもと・やすお)眼科統括部長(52)も同席した。
 栗本部長は「最初の一歩なので、手術してすぐにいい結果が出ると誤解しないでほしい」と過度な期待が集まりがちな現状にくぎを刺し、「予想外のことが起きることも否定できない」とも言及した。
 高橋リーダーは、世界的に注目が集まる中で「再生医療は、だんだんといい治療になっていくものなので、皆さんには育てる気持ちで見守ってほしい」と理解を求めた。

iPS初の臨床開始 理研、網膜を再生 1日から患者募集

共同通信社 7月31日(水) 配信
 理化学研究所と先端医療センター病院(神戸市)は30日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、目の難病患者の網膜を再生する臨床研究を8月1日から始めると発表した。さまざまな組織や細胞に変化する能力を持つiPS細胞を用いる臨床研究は世界初。
 ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥(やまなか・しんや)京都大教授が、2006年に作製を発表したiPS細胞が再生医療に応用されることになった。
 理研などはことし2月、厚生労働省に実施計画を申請。安全性や倫理面で問題がないかの審査を経て、田村憲久厚労相が今月19日に正式に了承した。
 担当する理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代(たかはし・まさよ)プロジェクトリーダーは神戸市内で30日開いた記者会見で「世界に先駆けて適切な形で臨床研究を実施できることに感謝している」と話した。
 対象は、網膜が傷んで視力が急激に落ち、失明の恐れもある難病「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」の患者で、8月1日から6人を募集する。希望者は眼科医の紹介状と検査データを先端医療センター病院眼科宛てに郵送する。
 臨床研究では、患者の腕から採取した皮膚組織を使ってiPS細胞を作製。網膜色素上皮細胞に変化させてシート状にし、網膜に穴を開けて異常な血管や傷んだ色素上皮を取り除いた部分に移植する。シート作製には10カ月ほどかかる。
 手術や細胞の安全性を確かめ、移植した細胞がきちんと生着し、がん化していないかを調べるのが主な目的で、理研は「視力の大幅な改善など顕著な治療効果を期待するものではない」とした。
 対象患者は、50歳以上や矯正視力が0・3未満、治療薬が効かない、視野の中心部分が暗いなどの条件があり、がんと診断されたり目の感染症があったりすると除外される。移植した細胞のがん化や、手術による網膜剥離などリスクの説明を受け同意する必要がある。
 早ければ数カ月以内に1人目の患者を選び、来年夏ごろに移植。4人目からは移植する細胞シートの面積を増やす。移植後は、視力やがん化などを1年間経過観察し、さらに3年間追跡調査する。
※加齢黄斑変性
 目の奥にある光や色を感じる細胞でできた網膜の中でも、ものを見るときに中心的な役割を果たす黄斑という部分が老化し、視野の中央部がゆがんだり、視力が急激に落ちたりする病気。失明することもある。中高年の失明原因の一つで、厚生労働省が研究費助成対象の難病に指定している。網膜の老廃物を処理し、光を感じる細胞に栄養を与える色素上皮が縮む「萎縮型」と、色素上皮が、下から生えてきた異常な血管により傷む「滲出(しんしゅつ)型」がある。
※人工多能性幹細胞(iPS細胞)
 皮膚や血液など特定の機能を持つ細胞に数種類の遺伝子を導入し、受精卵のようにさまざまな細胞や組織に変化する能力を持たせた細胞。培養条件を変えることで心臓や神経など目的の細胞に変化させることができる。患者自身の体の細胞をもとに作るため、移植しても拒絶反応がなく、事故や病気で失われた組織を修復する再生医療などへの応用が期待される。心不全や脊髄損傷、パーキンソン病などの臨床研究の構想もある。山中伸弥(やまなか・しんや)京都大教授が2006年にマウスで、07年にヒトで作製を報告し、12年にノーベル医学生理学賞を受賞した。

ディオバンをめぐる経過

共同通信社 7月31日(水) 配信
 降圧剤ディオバンをめぐる問題の経過は次の通り。
 2000年11月 ノバルティスファーマが国内発売
 02・1 東京慈恵医大の望月正武(もちづき・せいぶ)教授(当時)が臨床研究を本格開始
 04・1 京都府立医大の松原弘明(まつばら・ひろあき)教授(当時)が臨床研究を本格開始
 07・4 慈恵医大の研究結果が英ランセット誌に掲載
 09・1 日本高血圧学会が「高血圧治療ガイドライン」作成。慈恵医大の論文が参考文献に
 09~12年 府立医大の研究結果が相次いで医学誌に掲載
 12・4 ランセット誌が慈恵医大のデータを疑問視する投稿を掲載
 12 府立医大の論文が撤回され始める
 13・4 慈恵医大が調査委設置を決定
 7・11 府立医大が「データ操作があった」との調査結果を発表
 29 ノ社が「元社員による意図的なデータ操作は確認できなかった」との第三者調査結果を発表
 30 慈恵医大が「血圧値のデータが操作されていた」とする中間報告を発表

識者談話

共同通信社 7月31日(水) 配信
 ▽信頼回復、容易でない
 NPO法人臨床研究適正評価教育機構の桑島巌(くわじま・いわお)理事長の話 極めて悪質で許し難い。狭心症などの発症数そのものではなく血圧値データの方を操作したのは「血圧値が同じという条件下で、発症数が減った」という結果を望んだためだろう。二つの研究でデータ操作があったことを考えると、ノバルティスファーマ元社員の不正への関与は極めて濃厚だ。誰が指示したのかが今後の焦点になるだろう。日本の臨床研究に対する信頼回復は容易ではない。医師や製薬会社は、襟を正さなければならない。
 ▽不正な利益、還元を
 上昌広(かみ・まさひろ)東京大特任教授(医療ガバナンス論)の話 データに改ざんがあれば、論文に信頼性はなく、撤回するのは当然。慈恵医大の論文が投稿されたのは世界最高峰の医学誌で、前代未聞だ。安倍政権が成長戦略の中核と位置づける医療の信頼性が失われたと言っていい。真相究明、担当者の処罰、製薬会社が不正に得た利益の国民への還元を進めなければならない。刑事告発も検討するべきだろう。

#他の薬品は大丈夫なのですかね。統計解析ができない大学に臨床知見ができるのか。

甘いだけじゃない…高血圧や動脈硬化抑える果物

読売新聞 7月30日(火) 配信
 和歌山県立医科大(和歌山市)や国立和歌山高専(御坊市)などでつくる共同研究グループは29日、桃から抽出したエキスに高血圧や動脈硬化の抑制効果があることを確認したと発表した。
 研究者らは「県特産の桃が、心疾患などの予防にも役立つ果実であることを広く知ってほしい」と話している。
 県立医科大の宇都宮洋才准教授(細胞生物学)らが5年前から、桃の健康効能について研究を開始した。
 ストレスや食生活の乱れで体内に過剰に分泌され、動脈硬化や高血圧の原因となるホルモンの一種「アンジオテンシン2」に着目。培養した動脈細胞にアンジオテンシン2を加え、桃の抽出物を入れた場合と入れなかった場合を比較した。その結果、抽出物が入っている場合、ホルモンの活動が大幅に抑制されたという。
 研究グループは今月、イギリスの食品化学専門誌に研究結果をまとめた論文を掲載した。桃に多く含まれているポリフェノールの一種がホルモンの活動に影響を与えたとみており、今後、産地の住民らを対象に、心疾患や生活習慣病の発生率を調べ、食生活との関連性などを探っていく。
 生活習慣病予防の指導に取り組む日本食生活指導センター(大阪市)の野々村瑞穂会長は「桃には高血圧の予防効果があるといわれていたが、その理由がはっきりしたと思う。産地のブランド力を生かしながら、健康にも役立つ魅力を広めてほしい」と話していた。

アトピー治療に一定効果 三重大がマウス実験 ワクチンを点鼻投与

伊勢新聞 7月30日(火) 配信
 三重大(津市)は26日、同大医学系研究科の水谷仁教授(皮膚科学)と河野光雄講師(感染症制御医学)らのグループが、病原性が低いウイルスに免疫調整タンパク質の遺伝子を組み込んだウイルスをマウスに点鼻投与したところ、アトピー性皮膚炎の治療に一定の効果があったと発表した。オンライン科学雑誌「プロスワン」に今月7日掲載された。
 マウス実験では従来、注射などによる腹腔内投与が一般的だったが、点鼻投与にすることで痛みがなく安全にできるようになるという。将来的には人間への応用も期待される。
 グループは、病原性が低い非増殖型の「パラインフルエンザ二型ウイルス」(PIV2)に着目。PIV2に、アトピーの免疫を調整するタンパク質「Ag85B」の遺伝子を組み込んだ点鼻ワクチンを開発した。
 実験では、アトピー性皮膚炎のような症状に感染させたマウスに3週間に2度、Ag85Bを組み込んだPIV2と、そうでないPIV2を点鼻や注射で投与。Ag85Bを組み込んだPIV2を点鼻投与したマウスでは、アトピーの症状はほとんど見られなかった。
 河野講師は会見で「PIV2には、インフルエンザなどのウイルスの遺伝子を組み込むこともでき、治療への応用が期待できる」と話した。

資金提供は236億円 ノバルティス、研究費など

共同通信社 7月30日(火) 配信
 ノバルティスファーマ(東京)は29日、2012年に医療機関や医療関係者に資金提供した研究費などが計約236億円だったと発表した。
 日本製薬工業協会が資金提供の透明性を確保するために11年に作成したガイドラインに基づく情報公開。主な内訳は臨床試験などの研究開発費が89億円、大学への寄付金などの学術研究助成費が21億円、原稿執筆料などが15億円、講演会の開催などの情報提供関連費が99億円だった。

元社員、広範に研究関与 降圧剤問題でノバルティス

共同通信社 7月30日(火) 配信
 降圧剤ディオバン(一般名バルサルタン)を使った臨床研究のデータ操作問題で、販売元のノバルティスファーマ(東京)は29日、元社員が統計解析のほか、研究方法の検討や論文執筆などに幅広く関与していたとの第三者調査結果を発表した。
 また、上司の中には、元社員が研究に関わっていることを知り、支援した人がいたことも明らかにした。ただ、元社員による意図的なデータ操作や改ざんがあったとは断定できなかったとし、これまでのノ社の社内調査と同じ見解を示した。
 元社員の統計解析以外の役割や、ノ社の所属は研究論文には表示されていなかった。
 記者会見した二之宮義泰(にのみや・よしやす)社長は「患者や家族、医療従事者、国民に心配と迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる」と謝罪。一方で「調査としては手が尽くされたが、真相究明されていない」とし、研究データを持つ研究実施大学の調査と連携したい考えを示した。
 元社員は、京都府立医大や東京慈恵医大など5大学が実施した臨床研究に統計解析の担当などとして参加し、研究の中立性に疑義が持たれている。
 京都府立医大の研究は、ディオバンが他の薬に比べ脳卒中や狭心症を減らせるとの内容だったが、府立医大の調査で、実行者は特定できないものの解析データが操作されたとの結果が出た。

水俣病認定基準は誤り 精神神経学会が国批判

共同通信社 7月30日(火) 配信
 日本精神神経学会(武田雅俊(たけだ・まさとし)理事長)は29日までに、行政判断より幅広く水俣病患者を認定した4月の最高裁判決を受け、手足の感覚障害と他の症状との組み合わせを原則条件とする現行の国の認定基準は「科学的に誤りだ」として、撤回するよう環境省に求める声明を発表した。
 同学会は1998年にも、国の基準は「医学的根拠となり得るデータが見いだせない」と批判する見解を発表している。
 今回の声明であらためて「98年以降に発表された論文、データを含めても複数症状の組み合わせに基づく診断は誤り」と指摘。「感覚障害のみの水俣病が存在しないという科学的実証はない」とした最高裁判決は「学会の見解が採用された」と評価した。
 環境省が最高裁判決を受けても基準を見直さない方針を示したことについては「混乱を継続させるだけの意味しか持たない」と厳しく批判した。

膵がん登録制度、開始へ 家族性、発症予測目指す

共同通信社 7月29日(月) 配信
 日本膵臓(すいぞう)学会は26日、遺伝が大きく関係する家族性膵臓がんの予防や早期発見に役立てるため、膵臓がん患者の家族を登録する制度を始めることを決めた。
 制度の責任者を務める高折恭一(たかおり・きょういち)京都大病院膵臓がんユニット長は同日、厚生労働省で記者会見し「年内にも登録を始めたい。家族性膵臓がんの原因遺伝子の特定や新治療法の開発、発症予測につなげたい」と述べた。
 登録の対象となるのは患者の家族で、既往歴や喫煙の有無、体格などの情報を収集し、健康状態を追跡する。京都大をはじめ、東北大や九州大、国立がん研究センターなど、国内約10施設が開始を検討している。
 高折ユニット長によると、膵臓がんは、発症すると膵臓がんでの死亡率が98%と非常に高く、国内では毎年3万人近くが死亡する。欧米の調査では、膵臓がん患者の5~10%が家族性という。
 膵臓がんで夫ら親族3人を亡くした静岡県磐田市の石森恵美(いしもり・えみ)さん(51)は「家族性膵臓がんへの意識が低い医師もいる。制度が浸透し、早期発見のための検査が定着してほしい」と訴えた。

C型肝炎治療薬を併用、悪性前立腺がんに効果

読売新聞 7月28日(日) 配信
 抗がん剤が効かない前立腺がんに対し、C型肝炎の治療薬を合わせて投与すれば、抗がん剤が効くようになる可能性が高いことがわかったと、慶応大と産業技術総合研究所の研究チームが日本癌(がん)学会誌の電子版に発表した。
 悪性度の高いがんの治療法開発に生かせると期待される。
 須田年生慶大教授らは、抗がん剤が効かない前立腺がんとの関連が知られる遺伝子「Oct4」に着目。Oct4の働きが強い悪性度の高いがん細胞を選び出し、通常のがん細胞と比べて悪性化にかかわる遺伝子を調べた。
 約1300の薬の候補物質によるがん細胞の遺伝子への影響をまとめたデータベースを活用し、がんの悪性化にかかわる遺伝子の働きを抑えられる見込みの候補物質を探し、9の候補物質を見つけた。その一つであるC型肝炎の治療薬「リバビリン」を、抗がん剤と合わせて、悪性度の高い前立腺がんを背中に移植したマウス6匹に投与。がんは2週間後、当初の平均150立方ミリ・メートルから同190立方ミリ・メートルに若干大きくなったが、抗がん剤だけ投与して同300立方ミリ・メートルになったケースよりも進行を抑制できた。

メタボ症候群の慢性炎症 抑制の仕組み解明 久留米大グループ

西日本新聞 7月29日(月) 配信
 メタボリック症候群の人は慢性的な炎症が全身に起き、それが動脈硬化を誘発して脳梗塞や心筋梗塞を招いて寿命が短くなるとされる。この炎症を抑える仕組みの一部を、久留米大学医学部内分泌代謝科の山田研太郎教授らの研究グループが解明したとして、4日付の米国電子ジャーナル「プロスワン」で発表した。
 メタボリック症候群は、タンパク質の一種であるアディポネクチンの血中濃度が低くなる特徴もある。この点に着目しながら研究を実施。小田辺修一臨床研究員らが既に開発していた「長生きネズミ」(アディポネクチンの血中濃度が高くなるように遺伝子を改変したネズミ)を使った動物実験と、細胞培養実験に取り組み、約3年間かけて今回の成果を上げた。
 その内容について、中心メンバーである和田暢彦助教は「アディポネクチンが慢性炎症の抑制に関係があることは予想されていた。今回の実験では、その血中濃度が高くなるほど、体の形成に関与する『ウィントシグナル(タンパク質のネットワーク)』に作用して慢性炎症が抑えられるようになることが分かった」と説明。山田教授は「今回の研究が深まれば、健康寿命を延ばす創薬開発につながる可能性がある」と話す。

乳がん治療薬の働き阻害 ハーセプチン、岡山大解明

共同通信社 7月26日(金) 配信
 乳がん全体の2~3割を占める「HER2陽性乳がん」の治療薬ハーセプチン(一般名トラスツズマブ)が効かない場合の仕組みを解明したと、岡山大の妹尾昌治(せのお・まさはる)教授らのチームが25日、発表した。
 カベオリンというタンパク質が、ハーセプチンの働きを邪魔していたことを突き止めたもので、チームは「カベオリンを作る遺伝子の有無を調べれば、他の治療方法を選択できる」とした。
 ハーセプチンは乳がんのうち、がん細胞表面にあり、がん増殖を促進するHER2というタンパク質を多く持つ患者に使われる。
 ハーセプチンは投与すると、HER2タンパク質と結合して目印となり、免疫細胞ががんを攻撃しやすくなって治療する。だが、チームによると、患者の約3割には効果が表れないという。
 チームは、ハーセプチンが結合したHER2が細胞内部へ取り込まれるケースがあることに注目し、患者の乳がん細胞を使って調べた。
 すると、カベオリンが取り込みに関与し、ハーセプチンと結合したHER2が細胞内部に隠れてしまうことで、免疫細胞ががん細胞を見つけにくくなり、効果が出ないことが分かった。
 成果は米科学誌に掲載された。
※米科学誌はジャーナル・オブ・キャンサー

東大元教授、41論文撤回へ…改ざん・捏造指摘

読売新聞 7月25日(木) 配信
 東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授(54)(2012年3月辞職)の研究室が関わった複数の論文に改ざんの疑いがあるとして、東京大学が調査をしていた問題で、加藤元教授は25日、読売新聞の取材に対し、論文43本について「撤回が妥当」と指摘されたことを明らかにした。
 加藤元教授の研究室メンバーらによる論文について、東大は昨年1月、学外から改ざんや捏造の指摘を受けて調査委員会を設置。1996年以降に発表した、骨粗しょう症やがんの基礎研究などの論文165本について調査を進めていた。
 加藤元教授によると、今月上旬、同研究所から調査結果の要旨が郵送で届いた。英科学誌ネイチャーなどに掲載された論文の実験結果を示す画像に改ざんや捏造が認められ、43本については「撤回が妥当」、10本については「訂正が可能」と指摘されたという。調査結果では、改ざんが認められた画像について、加藤元教授は作成に直接関わっていないが、「重大な責任を負うべき」と結論づけた。
 加藤元教授は、調査結果を受け入れると、同研究所にメールと文書ですでに通知した。「撤回が妥当」とされた43本中、すでに撤回済みの2本を除く41本について、撤回手続きを進めているという。
 加藤元教授は「画像処理などを行った研究室のメンバーを信じた。私の監督責任。ご迷惑をおかけしたことをおわびしたい」と話している。

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性ホルモンを抑制する大麻の仕組み一部解明 第一薬科大グループ

西日本新聞 7月25日(木) 配信
 乱用される薬物として社会問題になっている大麻。一方で、性ホルモンの働きを抑制することでも知られているが、メカニズムは謎だった。その一部を解明したとして、第一薬科大学の荒牧弘範教授と広島国際大学の竹田修三准教授(今年3月まで第一薬科大学講師)らの研究グループが、米国化学会の「ケミカル・リサーチ・イン・トキシコロジー誌」(15日付)で発表した。
 研究グループは第一薬科大学で今年2月までの約3年間、実験を続けてきた。その結果、大麻の主成分テトラヒドロカンナビノールが、女性ホルモンの働きを抑制させる「ER〓(〓はベータ)(タンパク質の一種)」の発現を顕著に増加させることを初めて突き止めた。
 荒牧教授は「内分泌かく乱の新たなメカニズムの一端が分かったことになり、環境ホルモンが引き起こす異常の原因を探る手掛かりとして活用できる」と話している。

研究不正根絶目指す 学術会議、改革提言へ検討会 バルサルタン 臨床試験疑惑

毎日新聞社 7月24日(水) 配信
バルサルタン:臨床試験疑惑 研究不正根絶目指す 学術会議、改革提言へ検討会
 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)を巡る臨床試験疑惑で、日本学術会議の大西隆会長は23日、研究不正の根絶を目的とした検討会を発足させることを明らかにした。科学者の行動規範の周知や臨床試験に関わる制度改革などについて、半年程度で結論をまとめ、政府に提言する。
 記者会見した大西会長は、論文不正を認めた京都府立医大の報告について「研究者が企業から金銭の提供を受け、結果をゆがめることがあれば、科学者の行動規範にもとる重大な不正行為だ」と指摘。「製薬会社と研究者との癒着が起こりがちな構造の改革には、関係者全体の取り組みが必要だ」と述べた。
 全国約1800の医療・福祉施設でつくる全日本民主医療機関連合会も同日、声明文を公表。府立医大の論文が宣伝に利用されてきたことから、バルサルタン販売元のノバルティスファーマに対して「研究結果の誤りが明確になったのであれば、その結果がもたらした収益は国に返還すべきだ」と求めた。【八田浩輔】

メントールたばこは危険 米FDA、規制を検討

共同通信社 7月24日(水) 配信
 【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)は23日、メントールを含むたばこは通常のたばこに比べ、より中毒性が高い可能性があるとする評価結果をまとめた。販売禁止も含めた規制の在り方を検討するため、一般の意見募集を始めた。
 FDAの専門家チームは、メントールたばこと通常のたばこに関するさまざまな研究結果を分析。肺がんや呼吸器疾患など健康への直接の害では差が見られなかったが、メントールたばこは若年層がたばこを吸い始めるきっかけになることが多い上、ニコチンに対する中毒症状を示す度合いが高く、禁煙も成功しにくい傾向があるとした。
 FDAは味覚の爽快さに加えて粘膜をまひさせる効果があり、煙を吸う抵抗感が少なくなって依存性が高まる可能性を指摘している。
 FDAによると、米国では成人喫煙者の約30%がメントールたばこを吸っており、特に若年層や女性に多い傾向がある。

朝食抜きは心臓発作の危険 米研究、発症率27%高い

共同通信社 7月24日(水) 配信
 【アトランタ(米ジョージア州)AP=共同】45歳以上の人で朝食をいつも食べない人は、食べる人に比べ心臓発作を起こすリスクが27%高いことが22日、米ハーバード大学の研究者らの調査で明らかになった。研究は循環器雑誌に掲載された。
 朝食を抜くとなぜ心臓発作のリスクが高くなるのかは明らかではないが、研究者らの推定によると、朝食を取らない人はあとで空腹感が強まり昼食や夕食でより大量の食事を摂取する傾向にあり、この結果、体が短時間に大量のカロリーを処理しなければならず、血糖値が急速に上昇、動脈の梗塞を招く可能性があるという。
 研究者らは1992年に45歳以上の2万7000人近くを対象に食習慣を調査、その16年後の経過を比較検討した。その結果、喫煙、飲酒、ダイエット、高血圧などの要因も加味すると、朝食を取らない人は取る人に比べ心臓発作を起こす可能性が27%も高いことが明らかになったという。

関節リウマチの新検査法 微小RNA、血中で増

共同通信社 7月22日(月) 配信
 血液中の微小なリボ核酸(マイクロRNA)を調べ、関節リウマチかどうかを高い確率で特定できる新たな手法を京都大の吉富啓之(よしとみ・ひろゆき)特定准教授(リウマチ学)らのグループが開発し、19日発表した。
 グループによると、関節リウマチの患者は全国に約60万人いるとされるが、従来の検査法では、3割程度の患者で早期発見が難しい。吉富特定准教授は「関節リウマチは早期に治療を始めることが重要。従来の検査法と組み合わせることで、診断精度を上げられる」としている。
 グループは、関節の痛みや変形が起きる関節リウマチの患者約100人の血液を検査。すると、遺伝子の働きを調節するマイクロRNAのうち「24」と「125a―5p」の2種類が増加していることが分かった。
 この二つを指標に、実際に患者を調べたところ、約9割の確率で特定できた。
 成果は米オンライン科学誌プロスワンに掲載された。吉富特定准教授は「マイクロRNAが関節リウマチの発症にどう関与しているか調べることで、新しい治療法の開発につながるのではないか」とした。

研究者の知識低すぎる 臨床研究不正でNPO

共同通信社 7月22日(月) 配信
 ノバルティスファーマの降圧薬ディオバンを使い京都府立医大で行われた臨床研究がデータ操作された問題で、医師らでつくるNPO法人臨床研究適正評価教育機構(桑島巌(くわじま・いわお)理事長)は20日に記者会見し、臨床研究に関わった医師の知識や技術が低すぎると非難した。
 同大の報告や独自の聞き取りをもとに、データ操作には、研究に参加していたノ社の元社員が関与した可能性が高いとの見方を示したが、総括責任者である松原弘明元教授の「無責任な姿勢がもっとも大きな原因」と指摘。医局にも臨床研究の知識を持つスタッフがいなかったとした。
 また患者に対しては、今回は副作用の隠蔽(いんぺい)をしたようなケースではないため、現在ディオバンを使っている場合、服用を続けたとしても問題はないとした。その上で「効率よく血圧を下げうる薬が他にある可能性があるので、現在の担当医に相談して」と呼び掛けた。

カネミ油症で死産2倍か 岡山大准教授調査で判明

共同通信社 7月22日(月) 配信
 1968年に西日本一帯で起きた食品公害・カネミ油症の被害が集中した長崎県五島市の玉之浦町と奈留町で、被害発生から10年にわたり死産率が通常の2倍超となっていたことを、岡山大大学院の頼藤貴志(よりふじ・たかし)准教授(環境医学)らが20日までに突き止めた。カネミ油症の影響が胎児にまで及んだ可能性を示す研究として注目されそうだ。
 調査では、厚生労働省の人口動態統計に基づき、58年から94年までの両町の死産率を算出した。被害発生前の58~67年の10年間は両町の出生児数は3036人、死産は73人。死産数の割合を示す死産率は2・3%だった。
 被害発生後の68~77年は出生児数1495人に対し死産が80人に急増。死産率は5・1%で、発生前の約2倍に達した。その後、78~87年も死産率は4・2%に高止まりし、88~94年にようやく1・2%に減少した。
 また、出生児のうち男児の割合も減少していた。女児に比べ、男児は化学物質に弱いことが影響したとみられる。
 玉之浦町と奈留町は、長崎県西部の五島列島にそれぞれ位置し、住民の多くが有害な米ぬか油を使い、カネミ油症被害を受けたことで知られる。
 頼藤准教授は「カネミ油症による胎児への影響は未解明の部分が多い。国は実態把握を急ぐべきだ」と指摘した。
 成果は国際的な環境科学誌に掲載された。

iPS初臨床、正式了承 厚労相、網膜再生で 理研、患者選定へ 来夏にも移植

共同通信社 7月19日(金) 配信
 田村憲久厚生労働相は19日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って目の網膜を再生する世界初の臨床研究を正式に了承した。厚労省は「(研究を)実施してよい」とする意見書を、研究を実施する理化学研究所と先端医療センター(神戸市)に送付。厚労省内での手続きが終了した。
 この後、理研とセンターは実施を正式決定し、患者の選定手続きに入る。理研の高橋政代(たかはし・まさよ)プロジェクトリーダーは「実際の治療は(厚労省での手続き終了後)1年後くらいだろう」と話しており、移植は早ければ来年夏にも行われる見通し。
 意見書では、がんを作るような変化が遺伝子に起きていないかのチェックなど、移植に使う細胞の安全対策の状況を随時報告するよう求めた。これまで臨床で使われた経験のない細胞のため、慎重を期した。
 臨床研究は高橋氏らが中心となり、滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性の患者から作ったiPS細胞を網膜色素上皮細胞に変化させ、シート状にして傷んだ部分に移植する。手術や細胞の安全性を確かめるのが主な目的だ。
 厚労省内での安全性や倫理面で問題ないかを確認する審査は12日の科学技術部会で終わっていた。大臣意見の送付までには審査終了から2週間前後かかるのが通常だが、今回は約1週間での送付となった。
 手続きが異例の早さで進んだことについて、厚労省研究開発振興課は「来週に入ると会議が立て込むなどして幹部決裁が大幅に遅れる恐れが出たためで、iPS細胞だからといって特別扱いをしたわけではない」と説明した。
※人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った臨床研究
 目の網膜が傷み、視界がゆがんだり、視力が急激に落ちたりする難病「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」を、さまざまな細胞に変化できるiPS細胞を使って治療する試み。iPS細胞で網膜の色素上皮という組織の細胞を作って移植する。手術や細胞の安全性を確かめるのが主な目的で、実施されればiPS細胞を使った臨床研究は世界初。理化学研究所の高橋政代(たかはし・まさよ)プロジェクトリーダーが中心となって進める。

#私のレーベル視神経萎縮が治せるのはいつになるのでしょうかね。
一時的でも視力が戻りたいですね。

「大変誇りに感じる」

共同通信社 7月19日(金) 配信
 神戸市の矢田立郎(やだ・たつお)市長は「世界初の臨床研究が神戸で行われることを大変誇りに感じている。治療技術が確立し、日本のみならず世界中の患者に一刻も早く届けられることを期待している」とコメントした。

iPS細胞をめぐる経過

共同通信社 7月19日(金) 配信
 人工多能性幹細胞(iPS細胞)をめぐる経過は次の通り。
 2006年8月 山中伸弥(やまなか・しんや)京都大教授がマウスの皮膚からiPS細胞作製と発表
 07・11 山中教授と米国のジェームズ・トムソン博士がそれぞれ、人のiPS細胞作製と発表
 12・10・26 理化学研究所の高橋政代(たかはし・まさよ)プロジェクトリーダーが所内の倫理委員会に臨床研究を申請。11月からは先端医療センターでも審査
 12・10 山中教授と英国のジョン・ガードン博士がノーベル医学生理学賞受賞
 13・2・28 理研と先端医療センターが厚生労働省に臨床研究を申請
 6・26 厚労省の審査委員会が3回目の審査で、条件付きで承認
 7・19 厚労相が臨床研究実施を正式に了承

肥満抑制遺伝子を新発見 欠損で体重2倍のマウスも 名古屋大グループ

共同通信社 7月19日(金) 配信
 名古屋大大学院の浅井真人(あさい・まさと)特任講師(腫瘍病理学)らの研究グループが、マウスの実験から、肥満を防ぐ遺伝子「MRAP2(エムラップツー)」を新たに見つけたと、19日付の米科学誌サイエンスに発表した。
 この遺伝子の欠損したマウスの中には、正常なマウスと比べて体重が約2倍になる個体もいた。MRAP2はヒトにも存在し、浅井特任講師は「摂取カロリーが同じでも、遺伝子の違いで体重が異なることがあると分かった。今後、遺伝子面から肥満の解明がさらに進む可能性がある」としている。
 同大学院が、米ハーバード大や英ケンブリッジ大と共同で研究した。
 浅井特任講師によると、マウスやヒトの体内では、太ると脂肪細胞が「レプチン」という物質を放出。脳に届いて「αMSH(アルファエムエスエイチ)」というホルモンが分泌され、神経細胞がこれを受け取ることで、食欲抑制や、代謝の向上など体重抑制が図られる。
 今回、研究グループは、MRAP2を欠損させた複数のマウスを使って実験。すると、正常なマウスと同じ量のエサを食べた場合でも、遺伝子欠損のマウスは太りやすく、生後5カ月の体重が、正常なマウスの2倍近くになるものもいた。
 実験用細胞で仕組みを検証すると、MRAP2がない場合、αMSHを受け取る神経細胞の感度が、通常の4分の1ほどまで鈍ると分かった。この結果、体重抑制が働きにくくなるとみられる。
 また、ヒトの肥満者の一部からも欠損したMRAP2を発見。ただ、肥満との因果関係は不詳で、今後、関連を特定する実験を進めるという。
 浅井特任講師は、肥満の要因は多数あるとした上で「どのようなMRAP2の変異がヒトに肥満をもたらすかまで解明できれば、遺伝子を見て将来の肥満を予測する一助になるかもしれない」としている。

販売会社、元社員のデータ操作関与を否定 バルサルタン 臨床試験疑惑

毎日新聞社 7月18日(木) 配信
バルサルタン:臨床試験疑惑 販売会社、元社員のデータ操作関与を否定
 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)に血圧を下げる以外の効果もあるとした臨床試験疑惑で、販売元のノバルティスファーマが17日、データ操作があったとした京都府立医大の11日の発表について「あたかも元社員の関与でデータに不正操作があったかのように報道され、深く憂慮している」とするコメントを発表した。
 「社内調査によると、元社員がデータの意図的な操作や改ざんに関与したことを示す事実はない」と強調。一方で、府立医大に調査協力を申し出たことを明らかにした。【八田浩輔】

MERSの臨床検査を許可 米食品医薬品局

共同通信社 7月18日(木) 配信
 【ワシントン・ロイター=共同】米食品医薬品局(FDA)は16日付の官報で、米疾病対策センターから要請が出ていた新型肺炎(SARS)を引き起こすウイルスと同じ仲間であるコロナウイルスの新種「中東呼吸器症候群(MERS)」コロナウイルスを検出するための臨床実験を緊急に許可したと発表した。
 セベリウス厚生長官は、MERS感染による死者は全世界で少なくとも40人に上っており、米国の公衆衛生にとって潜在的な脅威となっていると述べていた。
 世界保健機関(WHO)は5日、MERSはパンデミック(世界的流行)のレベルには達しておらず、いずれ消滅する可能性があると指摘した。

新種ウイルス注視継続を WHO、緊急委開催

共同通信社 7月18日(木) 配信
 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は17日、新型肺炎(SARS)を引き起こすウイルスと同じ仲間であるコロナウイルスの新種「中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス」に関して緊急委員会を開き、MERSウイルスの感染状況に関して引き続き注視していく方針を決めた。
 WHOの9日時点のまとめでは、報告のあった感染例は80で、45人が死亡。サウジアラビアなど中東・北アフリカと英国、フランスなど欧州で感染が確認されているが、現状では世界中に感染が広がる恐れはないという。
 ただ、WHO当局者によると、医療機関では感染が連鎖的に起きたケースも確認されており、十分な注意が必要という。

流産リスク避けられた 関係者談話

共同通信社 7月18日(木) 配信
 臨床研究のデータを集計した昭和大の関沢明彦(せきざわ・あきひこ)教授(産婦人科)の話 高齢妊娠の増加で検査を希望する人が多いと考えられる。検査の陰性的中率(陰性との判定が正しい確率)は高く、多くの方は流産リスクを伴う羊水検査を避けられたのではないか。ただ検査は確定診断ではなく、誤って陽性となる可能性もあることなど、十分に内容を理解した上で受診することが重要だ。今後より詳しい検査ができるようになる可能性もあり、臨床研究を続け、技術の進歩に対応できる遺伝カウンセリングにしていきたい。

診断めぐる議論継続を

共同通信社 7月18日(木) 配信
 【解説】臨床研究の開始から3カ月で約1500人が受診した新出生前診断。高齢妊娠の増加を背景に、多くの人が利用したといえる。診断は命の選別につながるとの批判があり、なし崩しに検査を拡大させるのではなく、研究の動向を注視しながら出生前診断全般に社会がどう向き合うかの議論を続けるべきだ。
 集計では12人がカウンセリングを受けた後で受診を取りやめたという。検査は血液だけでできる簡便さと検査結果の重大性のギャップが大きく、受診に直面した妊婦の迷いも相当大きい。妊婦や家族の不安に寄り添いながら、検査や染色体異常への理解を導き、自発的な選択につながるような遺伝カウンセリング体制の整備が急務だ。
 また既に運用されているほかの診断法との使い分けも曖昧で、どの検査がどんな状況に適しているのかは明確にされていない。超音波検査や妊婦の血液中のタンパク質を調べる「母体血清マーカー」など、ほかの出生前診断の中に今回の検査をどう位置付けていくのか、国民的な議論の継続が求められている。

新出生前診断で陽性2% 2人が中絶、誤って陽性も 3カ月で受診1534人 研究グループ集計

共同通信社 7月18日(木) 配信
 妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる新しい出生前診断で、検査が始まった4月からの3カ月間で1534人が受診し、染色体異常の可能性があることを示す「陽性」と診断されたのは約2%の29人だったことが17日、臨床研究グループの集計で分かった。このうち少なくとも6人が羊水検査などで異常が確定し、2人が人工妊娠中絶をした。また、出生前診断で誤って陽性とされ、確定診断で異常がないと分かった人も2人いた。
 千人以上の集計で新出生前診断の実態が浮かび上がってきた。
 グループによると、4月から6月末までに全国の22施設で1534人が受診。陽性は29人(1・9%)、陰性は1502人、3人が判定保留だった。陽性のうち、21番染色体の数の異常があるダウン症(21トリソミー)が16人、心臓疾患などを伴う18番染色体の異常「18トリソミー」が9人、「13トリソミー」は4人とされた。
 新出生前診断は確定診断ではないため、陽性と出た場合はおなかに針を刺して子宮内の羊水を採取する羊水検査か、胎盤組織を採取する絨毛(じゅうもう)検査で確定診断をする必要がある。
 陽性の29人のうち羊水検査などを受けたことが確認されたのは10人で、異常が確定したのは6人、結果的に異常がなかったのは2人、結果待ちが2人だった。羊水検査の結果が今後報告されてくる人もある。
 異常が確定した6人の内訳はダウン症3人、18トリソミー3人で、うち2人が中絶を選択した。結果的に異常がなかったのは18トリソミーと13トリソミーで各1人だった。この二つの異常では、誤って陽性と診断される可能性が比較的高いとされる。
 受診した妊婦は27~47歳で、平均38・3歳。妊娠週数は平均13・5週。受診理由は高齢妊娠(おおむね35歳以上)が94・1%と大半を占めた。検査に先立つ遺伝カウンセリングを受け、少なくとも12人が受診を取りやめた。
※新出生前診断
 妊婦の血液を採取し、胎児のDNA断片を解析することでダウン症の21トリソミー、心臓疾患などを伴う18トリソミーと13トリソミーの計3種類の染色体異常を調べる検査。妊娠10週から検査でき、針を刺す羊水検査のような流産の危険性がない。「陽性」と診断された場合、胎児がダウン症である可能性は35歳以上で80~95%だが、陰性の場合の的中率は99%以上とされる。日本産科婦人科学会が対象妊婦などの条件を定め、日本医学会が実施施設を認定。米シーケノム社が2011年に実用化、費用は自己負担で約21万円掛かる。

iPS使わずに心筋細胞再生…慶大チームが成功

読売新聞 7月17日(水) 配信
 人間の心筋細胞を、心臓にある別の細胞に遺伝子を導入して再生する実験に成功したと、慶応大の家田真樹特任講師らのチームが発表した。
 心筋梗塞の新たな治療法につながる成果で、米科学アカデミー紀要電子版に近く論文が掲載される。
 心筋以外の細胞から、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を一度作り、それをさらに心筋細胞に変える実験は、国内外で既に成功していた。今回のように、iPS細胞などの形を経ずに直接変化させる手法が実現すれば、治療までの期間を短縮できると期待される。
 心筋梗塞を起こすと、拍動する心筋細胞が失われるが、心臓線維芽細胞は残る。チームは線維芽細胞を提供してもらい、これに5種類の遺伝子を導入。心筋細胞に変化することを確認した。

白血病の重症化関与、遺伝子を発見…京大・名大

読売新聞 7月15日(月) 配信
 血液がんの一つ「骨髄異形成症候群」が白血病に進行したり、小児の白血病が悪化したりするのに、共通の遺伝子の変異が関与しているとの研究結果を、京都大や名古屋大などのグループが、科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」に発表した。
 治療薬の開発などにつながると期待される。
 研究グループは、正常な血液を作れなくなる血液がんの一種、骨髄異形成症候群の患者20人について、がん細胞の全遺伝子を解読した。その結果、うち2人で「SETBP1」と呼ばれる遺伝子に変異をみつけた。
 患者727人の細胞を詳しく分析すると、発症時のこの遺伝子に変異がある割合は4%だったが、白血病に進行した患者では、変異の割合は17%に上った。
 さらに、乳幼児が発症する「若年性骨髄単球性白血病」の患者13人の全遺伝子を解読したところ、3人にSETBP1の異常があった。患者92人の遺伝子を分析すると、白血病発症後の悪化時に変異が起きている可能性が高かった。変異がない患者の5年生存率は65%だが、変異がある患者では33%と低かった。

「夜型」体質、皮膚細胞でわかる簡単手法を発見

読売新聞 7月15日(月) 配信
 早起きが苦手な「夜型」の体質かどうかを、皮膚の細胞で簡単に調べる手法を見つけたと、国立精神・神経医療研究センターなどの研究チームが、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。
 睡眠障害の診断や治療への貢献が期待できるという。
 人間は、ほぼ24時間の周期で、寝起きなどのリズムを刻む体内時計を持っている。周期には個人差があり、周期が長いと寝る時間が遅くなって夜型の生活になりやすいと考えられる。
 同センターの肥田昌子(ひだあきこ)・精神生理機能研究室長らは皮膚などの細胞でリズムを刻む「Bmal(ビーマル)1」という遺伝子に着目。20-30歳代の男性17人の皮膚の細胞を採取し、遺伝子が働いてたんぱく質が作られる周期を調べた。周期は、22-25時間と個人差があり、長い周期を持つ人は夜型の傾向が強かった。

筋ジスの一因を発見 神戸大などのグループ

神戸新聞 7月16日(火) 配信
 全身の筋力が徐々に衰える難病、筋ジストロフィー(筋ジス)に、細胞内にある生理活性物質「プロスタグランジン」による炎症が強く関わっていることを、神戸大や神戸学院大、神戸薬科大などの研究グループが発見した。この物質の働きを抑える治療薬の開発につながるといい、オランダの医学誌「クリニカ・シミカ・アクタ」に発表した。
 筋ジスは遺伝子の異常によって筋力が低下する病気。このうちグループが研究する「デュシェンヌ型」は筋ジスで最も多いとされ、男児約3500人に1人が発症する。幼児期から筋細胞の壊死(えし)が起こり筋肉の萎縮が進むが、発症の詳細な仕組みは分からず、根治薬がない。
 プロスタグランジンは、痛みや発熱などに関連するとされる生理活性物質。グループは4~15歳の患者と健康な人の計188人を対象に、尿に含まれるプロスタグランジンの代謝物質(化学変化を受けて生成される物質)を調査した。その結果、特に歩行障害などが進行する8歳以降で、患者の代謝物質の量は健康な人の平均2~3倍と目立って増えていた。4~7歳でも、患者は平均で健康な人の1・5倍ほどの量だった。
 神戸大大学院医学研究科小児科学分野の竹島泰弘特命教授は「プロスタグランジンの働きを抑える薬は解熱剤や鎮痛剤などの形で既に存在しており、それらが筋ジス治療に役立つ可能性がある。プロスタグランジンの量を、筋ジスの進行の指標として使うこともできるかもしれない」と話す。(金井恒幸)

がん治療にiPS細胞活用 千住熊大准教授ら開発

熊本日日新聞 7月16日(火) 配信
 熊本大大学院生命科学研究部の千住覚准教授(51)=免疫識別学=らの研究グループが、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った免疫細胞を、がんが腹腔[ふくくう]に広がって治療が難しいがん性腹膜炎や、膵臓[すいぞう]がんの治療に活用する技術を開発した。2~3年以内に臨床試験に向けた審査を学内の倫理委員会に申請する方針。
 千住准教授らによると、がん性腹膜炎は、胃の外側まで進行した胃がんが、腹腔内にがん細胞をばらまくことなどによって起きる。確認された場合、胃がんの切除手術は断念せざるを得ず、抗がん剤などで治療しても平均生存期間は約1年間という。膵臓は胃の裏側にあり、がんの発見が難しく、見つかった場合は既に進行しているケースも多い。
 同准教授は2011年までに、iPS細胞からマクロファージという免疫細胞を大量に作る技術を確立。免疫細胞が細菌など特定の対象を攻撃する仕組みを、がん治療に応用する研究を進めてきた。
 グループは、免疫機能をなくしたマウスの腹腔内に、ヒトの胃がんや膵臓がんの細胞を移植。作製した免疫細胞を腹腔に注射すると、がん組織の内部に入り込んだ。この細胞の遺伝子を操作して抗がん作用があるインターフェロンを生産する機能を持たせたところ、がんの領域が小さくなり、細胞の増殖を抑える効果を確認できた。
 特に、膵臓がんの細胞を移植したマウスの中には、がんがほぼ消滅する個体も出るなど効果が大きかった。
 一方、治療しなかったマウスは、約2週間で腹腔全体にがんが広がった。
 治療が実用化されれば、がん性腹膜炎が確認されても、胃がんを切除できる可能性が出る。千住准教授は「がん患者には待ったなしの人が多い。治療に役立つ研究を急ぎたい」という。
 今後、共同して臨床研究を進める熊本大の馬場秀夫教授(55)=消化器外科=は「ヒトのがん組織に対する効果を確かめられれば、手術や抗がん剤との併用で、治療の新たな戦略となる」と話した。
 研究成果は、米オンライン科学誌プロスワンに掲載された。(山口尚久)

パーキンソン病 一酸化窒素で緩和? 奈良医大など仕組み解明

毎日新聞社 7月16日(火) 配信
パーキンソン病:一酸化窒素で緩和? 奈良医大など仕組み解明
 奈良県立医大などの研究グループが、血液中の一酸化窒素(NO)に、パーキンソン病の原因とされる神経細胞の異常を防ぐ作用があることを世界で初めて解明した。英科学雑誌「サイエンティフィックリポーツ」(電子版)に16日掲載された。
 パーキンソン病は、細胞に不要なたんぱく質が蓄積することで、神経伝達物質のドーパミンを作る神経細胞が減少して起きる。手足の震えや動作の緩慢などの症状がある。
 たんぱく質の一つ「パーキン」が働かなくなると、不要なたんぱく質が分解できなくなり、パーキンソン病の発症につながると考えられている。研究グループは、パーキンがNOと結合すると活発に働くメカニズムを解明。実験ではパーキンにNOを3時間投与すると、機能が活性化して不要なたんぱく質の分解を促進し、神経細胞の保護につながった。
 研究グループの小沢健太郎・奈良県立医大准教授(薬理学)は「NOを用いてパーキンソン病の症状を緩和できると考えている」と話している。【矢追健介】

データ操作を学会が批判 京都府立医大の調査で

共同通信社 7月16日(火) 配信
 製薬会社ノバルティスファーマが販売する降圧剤ディオバンの臨床研究データに「人為的操作があった」とする京都府立医大の調査報告について、日本循環器学会は12日、「臨床研究の信頼性を揺るがす事態で、深く憂慮せざるを得ない」と批判する見解を公表した。研究を実施した同医大とノ社に詳しい調査と再発防止を求めた。
 臨床研究の論文は2011~12年に同学会誌に掲載されるなどしたが、会員から内容に疑問が示され、論文は取り下げられた。学会の調査要請に対し同医大は今年2月、論文のデータは「故意の捏造(ねつぞう)とは認められない」と回答。学会がさらにデータを検証するよう促した経緯がある。
 学会は見解で、ノ社の元社員がかかわった他大学の臨床研究についても「大学はカルテを調査し、データ操作の有無を含めた実態を調べるよう強く要望する」とした。

元社員、大阪市大調査も拒否 データ解析担当 バルサルタン 臨床試験疑惑

毎日新聞社 7月12日(金) 配信
バルサルタン:臨床試験疑惑 元社員、大阪市大調査も拒否 データ解析担当
 降圧剤バルサルタンに血圧を下げる以外の効果もあるとした臨床試験疑惑で、京都府立医大の試験に「大阪市立大」の肩書で加わり、統計解析していた販売元製薬会社ノバルティスファーマの社員(既に退職)が、過去に非常勤講師を務めた大阪市大の調査にも応じていないことが分かった。大阪市大は、疑惑が表面化した5月以降の調査で、元社員に大学での勤務実態がほとんどなかったことや、大学としては試験に一切関わっていなかったことを確認している。元社員は府立医大の調査への協力も拒んでおり、真相究明の大きな障害となっている。
 大阪市大によると、元社員には2002年から今年3月まで1年ごとの更新で非常勤講師を委嘱していた。この間、講義は1~2回程度しかなく、勤務実態も報酬もなかったが、大学側は「統計解析のアドバイスができるので担当してもらっていた」と説明する。
 大阪市大は、バルサルタンを巡る5大学の臨床試験に、元社員が関与していたことが明らかになったことを受けて調査を開始。大学によると、ノ社に協力を要請したが、「既に退職している。居場所を把握していない」などの理由で取り次いでもらえなかったという。その後も大学は、元社員と連絡が取れず、聴取のめどは立っていない。
 ノ社の調査によると、元社員は一連の臨床試験が行われた02~07年、循環器マーケティング部門の学術企画グループに所属していた。医師に学術情報を提供して支援する部署だった。研究チームにはノ社の別の社員が「統計の専門家」として紹介していた。
 ◇元教授、人心掌握狙う?
 一方、府立医大の調査では、試験を実施した研究チームとノ社との関係も明らかになった。研究を主導した松原弘明元教授(56)は03年4月に関西医科大から府立医大に赴任。今回の臨床試験はその3カ月後に企画された。11日の会見で伏木信次・府立医大副学長は「松原元教授は外から来たばかりで、(循環器内科)全体をまとめたい意向があった。一方でノバルティス側も大規模臨床研究をする意向があり、(思惑が)一致した」と説明した。
 府立医大の調査関係者は「研究者が企業に依存した結果、答案作成者が自分で採点するような構図となった。科学的な臨床試験ではなくビジネス試験。企業の企図と、論文で名誉を得たいという研究者の野心の結合の産物だ」と厳しく批判している。【八田浩輔、河内敏康】

現場医師ら憤慨「患者の信頼失う」 バルサルタン 臨床試験疑惑

毎日新聞社 7月12日(金) 配信
バルサルタン:臨床試験疑惑 現場医師ら憤慨「患者の信頼失う」
 降圧剤バルサルタンの臨床試験疑惑で、京都府立医大が11日に論文不正を認めたことの影響は大きい。医療現場で高血圧治療に当たる医師からは「患者からの信頼をなくし、治療に悪影響が出かねない」と懸念する声が上がり、府立医大病院の患者らには失望や戸惑いが広がった。
 高血圧治療に当たるナビタスクリニック立川(東京)の久住英二院長(40)は「患者の医師への信頼を失わせる重大な問題だ。高血圧治療を『信じられない』と勝手にやめてしまう患者が出てくる恐れがあり、高血圧治療の普及が妨げられかねない」と憤慨する。
 NPO法人「臨床研究適正評価教育機構」の桑島巌理事長は「バルサルタンの問題が明らかになってから、日本の臨床研究は受け付けないという海外の学術誌が出始めている。今回の論文不正発覚で、日本の研究への不信感が広がり、さらに悪影響が出るだろう。実に悪質で、許し難い行為だ」と指摘した。
 府立医大病院は5月に「ノバルティスファーマとの癒着を疑われかねない」と、ノ社の医薬品を原則取引停止にすると発表したが、桑島理事長は「試験は、大学とノ社双方の思惑から始まっており、まさに癒着していたと言えるのではないか」と厳しく批判する。
 「長い間、この病院を信頼して治療を受けてきただけに、残念だ」。12日、府立医大病院の循環器内科で受診したという京都市左京区の男性(82)は「医師から薬を処方される患者は、薬が効くと信じているだけに、少しでも間違いがあっては困る。製薬会社も含め、患者のために間違いのない研究をしてほしい」と訴えた。【河内敏康、五十嵐和大】

降圧剤不正、京都府立医大謝罪 誰が操作「特定できず」 後ろ向き答弁終始 バルサルタン 臨床試験疑惑

毎日新聞社 7月12日(金) 配信
バルサルタン:臨床試験疑惑 降圧剤不正、京都府立医大謝罪 誰が操作「特定できず」 後ろ向き答弁終始
 日本で最も売れている医療用医薬品である降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床試験疑惑は11日、京都府立医大が初めて不正を認めたことで新たな局面に入った。データ操作は、誰が何のために行ったのか。販売元のノバルティスファーマ(東京)の社員(既に退職)はどう関与したのか。当の元社員は大学の聴取を拒んでおり、疑惑は深まるばかりだ。【八田浩輔、野田武、五十嵐和大】
 「今回の事態を招いたことを極めて重く受け止め、心からおわびします。関与した者の厳正な処分を行いたい」。この日、京都市内の京都府立医大で行われた記者会見で、吉川敏一学長は深々と頭を下げて陳謝した。
 報告書では、統計解析を担当した元社員や、研究を主導した松原弘明元教授(56)を含む複数の人物がデータ操作に関わることが可能だったとした。しかし、調査委員長の伏木信次副学長は「意図的な操作かどうかも含めて特定することはできなかった」と、明言を避け続けた。
 大学の問題点として「研究室には統計解析に通じた人材がおらず、製薬企業従業員の力を期待した点に問題があった」と指摘。再発防止策として、統計の専門家を学内に配置、製薬企業からの研究費の寄付や研究者の講演料の受け取り状況についてもホームページで公開するとした。薬を日常的に利用する患者などからの問い合わせに応じるため、近く大学病院内に専用相談窓口を設ける。
 厚生労働省研究開発振興課は「調査結果は、捏造(ねつぞう)や改ざんを強く示唆していると理解している。極めて遺憾な事態だ。具体的な責任は誰にあるのか、大学には引き続き調査を求める」(一瀬篤課長)とし、文部科学省と再発防止対策を協議する方針を示した。文科省ライフサイエンス課は「事実関係がすべて出そろった段階で、文科省としてどんな対応ができるかを検討、判断する」(彦惣(ひこそう)俊吾専門官)と話した。
 日本医学会の利益相反委員長、曽根三郎・徳島大名誉教授は「操作された結果を基に販売促進に利用したことは極めて悪質であり、再発防止のためにも企業は大学の調査に協力し、説明責任を果たすべきだ」と指摘する。
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 ◇降圧剤バルサルタンの臨床試験を巡る動き
00年11月   ノバルティスファーマが日本での販売を開始
02年~     東京慈恵会医大チームが試験を開始
         京都府立医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大の各チームも順次試験を始める
07~12年   慈恵を皮切りに5大学が論文を公表。バルサルタンのPRに利用される
12年4月~   英医学誌ランセットなどに名大を除く4大学の論文の結果を疑問視する意見が掲載される
13年2月 1日 欧州心臓病学会誌が京都の主論文を「重大な問題がある」として撤回
     12日 ノ社が社長会見で京都チームについて「会社としての関与はない」と見解
     28日 京都チームの責任教授が辞職
   3月28日 本紙が「京都チーム試験に社員が関与」と報道
   5月 2日 本紙が「全ての試験で社員関与」と報道
     22日 ノ社が社内調査を経て「不適切だった」と一転謝罪
     24日 日本医学会が「試験の国際的な信頼が揺らいだ」と批判
     27日 厚生労働省がノ社を厳重注意
     29日 日本医師会が「製薬企業による公正性を欠く関与は許されない」と批判
   6月 3日 ノ社が社長らの報酬をカット

マウスの精子、宇宙で保存 山梨大とJAXAが実験

共同通信社 7月12日(金) 配信
 山梨大は11日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などとの共同研究グループで、国際宇宙ステーションでマウスの精子を長期保存し、宇宙放射線が哺乳類の生殖に与える影響を調べる実験をすると発表した。
 実験に携わる山梨大の若山照彦(わかやま・てるひこ)教授(発生工学)は「哺乳類が宇宙で繁殖することができるかを調べることにつながり、楽しみ」と話している。
 若山教授によると、生殖細胞を宇宙に運ぶ際、ロケット内で一時的に常温にさらされるため、実験することが難しかった。しかし、若山教授が独自に開発したフリーズドライ技術で、精子は常温の場合でも数カ月保存できるという。
 国際宇宙ステーションでは約半年~2年間、冷凍保存した上で、順次地上へ回収。DNAの損傷具合などを調べた上で、卵子と受精させて「宇宙マウス」を生み出して健康状態や寿命を調べ、宇宙放射線が次世代に与える影響を調べる。
 精子は8月4日に打ち上げられるH2Bロケット4号機で打ち上げる無人補給機「こうのとり」に搭載される。早ければ12月にも、最初の精子が地球に戻る予定。

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