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医療情報70

20130816~

やっぱり長寿遺伝子だった 遺伝研が実験で確認

共同通信社 2013年8月30日(金) 配信
 国立遺伝学研究所(静岡県三島市)などのチームが、長寿遺伝子とされる「サーチュイン」の働きを詳しく調べ、やはり寿命を左右する遺伝子だったことを確認したと29日付の米科学誌カレントバイオロジー電子版に発表した。
 酵母の遺伝子を操作する実験で、寿命を自由に変化させることにも成功した。チームの小林武彦(こばやし・たけひこ)遺伝研教授は「サーチュインは人間にもあり、同じ働きをしている。老化の仕組みの解明や、寿命を延ばす補助食品の開発などにつながるかもしれない」としている。
 生物の遺伝情報を担うDNAは、外からの紫外線や化学物質などで傷ついたり、一部が欠損したりしている。生物は自分で修復できるが、修復を頻繁に繰り返すと細胞は老化する。
 酵母には修復が起こりやすい遺伝子があり、サーチュインの一種がこれに働きかけて過剰な修復を抑えていたという。
 酵母は約20回分裂をすると寿命を迎える。チームが酵母の遺伝子を操作し、サーチュインが常に働いている状態にした酵母は老化の始まりが遅くなり、通常の1・5倍に当たる30回分裂した。一方、サーチュインが働いていない酵母は、分裂する回数が約2割、減った。
 サーチュインは1999年に米研究者が発見したが、長寿遺伝子かどうか異論もあった。

造血する新細胞、マウスで発見…東大チーム

読売新聞 2013年8月30日(金) 配信
 骨髄の中に、赤血球や血小板などの血液の細胞に変化する新たな細胞をマウスで見つけたと、東京大の中内啓光教授らが30日、米科学誌セル(電子版)に報告する。
 中内教授は「血液の細胞ができる過程が新たにわかった。白血病などの原因究明につなげたい」と話している。
 血液の細胞は、骨髄中の造血幹細胞から、前駆細胞を経てできると考えられてきた。中内教授らは、遺伝子を操作して、紫外線を当てると光る特殊な造血幹細胞をつくり、マウスに移植。定期的に採血し、造血幹細胞から血液細胞に変化していく過程を詳しく調べた。
 その結果、赤血球や血小板などに変化する新たな細胞が見つかった。ただし、この細胞はリンパ球にはならないという。

ウイルス新たに4県で確認 マダニ感染症、厚労省 患者報告ない地域

共同通信社 2013年8月30日(金) 配信
 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」のウイルスが、これまで患者の報告がなかった福井、山梨、静岡、和歌山の4県のマダニから見つかったことが29日、厚生労働省研究班の調査で分かった。
 SFTSは、これまでに近畿、中国、四国、九州など、西日本の13県で39人の患者が報告され、うち16人が死亡している。同省結核感染症課は「限られた地域での調査で、今後、ウイルスが見つかる地域は広がる可能性もある。今回確認された地域以外でも、山に入る際は長袖、長ズボンを着用するなど、注意してほしい」としている。
 厚労省は今年春以降、マダニのウイルス保有状況や野生動物への感染の状況を調査。すでに患者が報告されている兵庫、島根、山口、徳島、高知の5県のほか、福井などの4県でも、採取された5種類のマダニでウイルスが確認された。
 またマダニに接触する可能性のあるシカ、イノシシ、猟犬の血液を調べたところ、患者報告のない富山、長野、岐阜、三重、和歌山、香川、福岡の7県で、ウイルス感染歴を示す抗体が確認された。研究班は今後、対象地域やマダニの種類を増やして、より詳しいウイルスの分布状況を調べる計画。
 SFTSは2009年に中国で集団発生し、国内では今年1月に感染が初めて確認された。
※重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
 2011年に中国の研究者が発表した新しいウイルスによる感染症。ウイルスを保有するマダニにかまれたりすることで感染する。主な症状は発熱や嘔吐(おうと)、下痢など。多くの場合、白血球や血小板の減少があり、重症化して死亡することもある。有効な薬やワクチンはない。国内では13年1月に初めて、海外渡航歴のない山口県の成人女性が感染していたことが確認された。その後の調査で、過去にも感染があったことが判明。以前から国内にウイルスがあったと考えられる。

がん増殖阻む化合物を特定 川崎医科大・深沢講師ら

山陽新聞 2013年8月29日(木) 配信
川崎医科大総合外科学の深沢拓也講師(呼吸器外科)らのグループは、肺がんなどのがん細胞に多く、その増殖に必要なタンパク質「MDK」(ミッドカイン)の発現を阻害する化合物「iMDK」を特定、マウス実験で効果を確認した。有効な分子標的薬(抗がん剤)がない肺腺がんの一種をはじめ、MDKがみられる他のがんやリウマチにも効く薬剤の開発につながる可能性がある。
 肺がんの50%以上を占める肺腺がんでは、原因となる遺伝子異常の解析と分子標的薬の開発が進展。しかし、アジア人患者の15%程度、白人の30%程度が持つ遺伝子の一つ「KRas」の変異で生じる同がんに効く標的薬は開発されていない。
 グループはKRas変異による患者のがん細胞に多く、正常な細胞にはほとんどないMDKに着目。共同研究先の米シンシナティ大が新薬開発などに向けて保管する化合物4万4千種から、MDKの活性を最も抑制する1種を絞り込み、iMDKと名付けた。
 マウスの実験では、iMDKを投与しない一群(8匹)は10日間でがんの体積が6倍に増大。一方、週に3回投与した一群は1・5倍にとどまった。
 MDKは肺のほか、肝、腎、膵臓(すいぞう)や食道、胃、前立腺などのがん細胞、リウマチなど慢性疾患でも見られる。iMDKについて深沢講師は「より効果の高い分子構造への改変や他の化合物と併用した場合などを検証し、新たな分子標的薬への可能性を探りたい」としている。
 成果は米科学誌プロス・ワンに発表した。

直径4ミリの「脳」作製 人のiPS細胞から 病気解明に期待

共同通信社 2013年8月29日(木) 配信
 人間の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から直径約4ミリの立体的な脳組織を作ることに成功したと、オーストリアや英国の研究チームが28日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 脳組織には大脳皮質に似た構造や髄膜などが含まれており、複雑な人間の脳の一部を形作った画期的な成果。脳の成長が滞る小頭症の患者のiPS細胞からも脳組織を作り、発達異常が起きることを確認した。
 チームは「脳が出来上がる仕組みを調べたり、人間の脳に特有な病気の仕組みを解明したりすることにつながる」としている。
 チームは実験用の人間のiPS細胞を神経系の細胞へ変化させ、ゼリー状の物質の中に入れて培養。4日後、培養液の入った容器に移し、液をかき混ぜながら、さらに培養した。すると神経系の細胞への変化を始めてから2カ月で、直径約4ミリの脳組織に成長した。
 この脳組織には、大脳皮質と同じように細胞が層状に重なった構造が見られた。記憶をつかさどる海馬の細胞や、目で光を感じる網膜なども含まれていた。
 ただ各部分の位置や形は本来の脳とは異なり、全体の大きさは10カ月間培養を続けても直径約4ミリより大きくならなかった。脳組織の中央部では、酸素や栄養が行き渡らず細胞が死んでいた。
 一方、小頭症患者の皮膚の細胞から作ったiPS細胞を同様に培養したところ、発達に異常がある脳組織ができ、症状を再現できた。
 人間のiPS細胞からはこれまでに、腸や腎臓や膵臓(すいぞう)の一部、小さな肝臓などの立体的な組織が作られている。
※人工多能性幹細胞(iPS細胞)
 皮膚や血液など、特定の機能を持つ細胞に数種類の遺伝子を導入して、受精卵に近い状態にした細胞。ほぼ無限に増殖させることができ、培養条件を変えることで心臓や神経など目的の細胞に変化させることができる。病気やけがで機能を失った部分を修復する再生医療や創薬への応用が期待され、世界で初めての臨床研究が8月に目の難病を対象に始まった。2006~07年に山中伸弥(やまなか・しんや)京都大教授が開発、12年にノーベル医学生理学賞を受賞した。

早産を予防、仕組み解明 マウス実験で東大チーム

共同通信社 8月28日(水) 配信
 早産を起こしやすいマウスに、免疫抑制剤と妊娠を維持するホルモンを投与すると早産を予防できたとする研究結果を、東京大医学部などのチームが27日付の米科学誌に発表した。
 チームは子宮の細胞が老化しやすい体質と細菌による子宮内の炎症がマウスの早産発生率を高めていることを解明。「早産の仕組みはまだ不明な点が多く今後の研究が必要だが、将来、人の早産予防にも応用できる可能性がある」としている。
 チームは、約半数が早産を起こす実験用のマウスを遺伝子操作で開発。このマウスでは「mTOR」というタンパク質の働きで子宮の細胞老化が起こり、子宮が収縮して早産を起こしやすくなる。また一般的に、細菌の感染による子宮の炎症が早産の原因になることも知られている。
 実験では、正常なマウスには無害な量の細菌成分を早産マウスに投与。すると軽い炎症でも、妊娠を維持する機能がある黄体ホルモンの濃度が下がり、すべてのマウスで早産が起きた。
 そこでmTORの働きを防ぐ免疫抑制剤と、黄体ホルモンをあらかじめ投与すると、早産マウスでの早産が起きなくなった。
 一方、早産した人の子宮内膜を調べると、同様の細胞老化が起こっていることが判明。黄体ホルモンなどをあらかじめ投与すると、細菌成分によって起こる炎症を防げる可能性があることも人の培養組織を使った実験で分かった。
※米科学誌は、ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーションの電子版

妊婦の6%「陽性で中絶」 新出生前診断めぐり初調査 「命選別、加速の恐れ」

共同通信社 8月28日(水) 配信
 妊婦の血液でダウン症など胎児の染色体異常を調べる新しい出生前診断をめぐり、岡山大のグループが妊婦557人を対象に実施した意識調査で、5・7%にあたる32人が「陽性が出たら出産を諦める」と回答したことが28日、分かった。グループによると新しい出生前診断をめぐる妊婦の大規模意識調査は初めて。
 陽性の場合、胎児がダウン症である可能性は35歳以上で80~95%とされるが、最終診断ではない。グループは「(より精度が高く、最終診断の根拠となる)羊水検査などを待たずに中絶してしまうと、安易に命が選別されてしまう恐れがある」と警告している。
 岡山大の中塚幹也(なかつか・みきや)教授らのグループは、3~6月、兵庫県や広島県の病院で受診している18歳から44歳の妊婦557人にアンケートを実施した。
 回答者は検査方法や精度など診断に関する知識を確認する質問に答えた上で、診断結果の評価などについて回答。陽性の場合、74%が「羊水検査を受ける」、20・3%が「羊水検査を受けずに妊娠を続ける」としたが、32人が「羊水検査を受けずに出産を諦める」とした。
 出産を諦める理由については、59・4%が「少しでも異常の可能性がある」と回答。「週数が進んでからでは胎児がかわいそう」「羊水検査だと流産の可能性がある」という回答も多かった。
 また「陽性の場合、羊水検査で本当に異常があるか診断する必要がある」ことを理解していると答えたのは、全体の34・5%にとどまった。
 新出生前診断は4月から開始され、全国の26施設で受診できる。妊婦のおなかに針を刺し、流産の可能性もある羊水検査と比べて、血液だけで簡単にできることなどから高い関心を呼んでいる。
 別の臨床研究グループの6月末までの集計によると、開始以来1534人が受診し、29人が陽性と診断された。だが2人は確定診断で異常がなかった。
※新出生前診断
 妊婦の血液を採取し、胎児のDNA断片を解析することでダウン症の21トリソミー、心臓疾患などを伴う18トリソミーと13トリソミーの計3種類の染色体異常を調べる検査。妊娠10週から検査でき、針を刺す羊水検査のような流産の危険性がない。「陽性」と診断された場合、胎児がダウン症である可能性は35歳以上で80~95%だが、陰性の場合の的中率は99%以上とされる。日本産科婦人科学会が対象妊婦などの条件を定め、日本医学会が実施施設を認定。米シーケノム社が2011年に実用化、費用は自己負担で約21万円掛かる。

「臨床研究の点検を」 国、主要117医療機関に要請 バルサルタン 臨床試験疑惑

毎日新聞社 8月27日(火) 配信
バルサルタン:臨床試験疑惑 「臨床研究の点検を」 国、主要117医療機関に要請
 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑で、厚生労働省と文部科学省が、全国の主要な医療機関に対し、外部から疑念を持たれている臨床研究がないか自主点検を求めたことが分かった。9月中旬までの報告を求めており、疑惑の真相究明と再発防止に当たる厚労相直轄の検討委員会での公表も検討している。
 要請は23日付。大学付属病院や特定機能病院など民間を含む117機関で、臨床研究に関する現行指針が施行された2009年4月以降に始まった臨床研究を対象としている。
 外部からの指摘や内部告発で疑念が生じた研究の有無▽倫理指針違反が明らかになった事案▽研究費提供元の明示など利益相反が適切に管理されていない事案――の主な3点を点検し、問題があった場合は、その調査方法や結果についても報告を求めた。【八田浩輔、河内敏康】

点鼻投与でアトピー改善 三重大、マウスで効果

共同通信社 8月26日(月) 配信
 三重大大学院医学系研究科の水谷仁(みずたに・ひとし)教授(皮膚科学)と河野光雄(かわの・みつお)講師(感染症制御医学)の研究チームは、病原性の低いウイルスに免疫機能を調整する遺伝子を組み込んだワクチンを点鼻投与することでアトピー性皮膚炎の症状が改善することをマウスを使った実験で突き止め、25日までに米科学誌(電子版)に発表した。
 免疫が過剰反応して起こるアトピーは、免疫機能を抑えるステロイド剤を塗る治療が一般的だが、対症療法に近く、長期投与で色素沈着するなど副作用もある。
 チームによると、ワクチンを鼻の粘膜から取り込むこの方法は、ストレスや副作用が少なく、体質そのものの改善にもつながるという。
 チームは、アトピーの抗原を塗り、人為的にアトピー性皮膚炎を発症させたマウスを用意。免疫調整作用のある遺伝子を組み込んだワクチンを作製し、点鼻したところ、疾患部に注射で投与したマウスよりも症状の回復が見られたという。
 このウイルスは自己増殖しないため安全性が高く、呼吸器に作用する性質があり、点鼻で使うと効果が高いという。将来的に、組み込める遺伝子の幅が広がれば、さまざまな病気に対する免疫療法にも応用可能だという。

40歳以上は推奨せず 卵子凍結、学会指針 将来の妊娠希望で歯止め

共同通信社 8月26日(月) 配信
 将来の妊娠に向けた卵子の凍結保存について、日本生殖医学会は23日、妊娠の確率が低くなる40歳以上には勧められないとのガイドラインをまとめた。
 女性の晩婚化や晩産化が進む中、若い時の卵子を保存したいという独身女性らの要望に応じ、一部の不妊治療施設で卵子凍結が広まりつつあるが、現状では法的な規制がない。同学会は「何らかの道しるべを定め、無秩序に広がるのを防ぎたい」としている。
 卵子凍結は、女性の体内から卵子を採取し、液体窒素などで凍結保存。必要に応じ、解凍して体外受精に使う不妊治療の技術だ。
 同学会は、卵子に悪影響が及ぶ放射線療法などのがん治療をする場合に加え、加齢が原因で不妊になる場合の卵子凍結のガイドラインを協議し、(1)卵子を凍結するのは40歳以上は推奨できない(2)凍結した卵子で妊娠を試みるのは45歳以上は推奨できない―とした。
 ガイドラインをまとめた学会倫理委員長の石原理(いしはら・おさむ)・埼玉医大教授(産婦人科)は「卵子を凍結すれば子どもを持てるという過剰な期待があるが、必ずしもうまくいくわけではない」とした上で、「高齢になると体外受精の妊娠率は大幅に下がり、妊娠してもさまざまな合併症が生じる可能性がある。25~35歳ぐらいの安全な時期に自然に妊娠した方がはるかによい」と話している。
 今後、公表して一般の人の意見を聞いた上で年末までに正式決定し、不妊治療施設に伝える。
 日本生殖医学会は、人や動物の生殖について研究や情報提供をする組織で、研究者ら約4500人が所属。このほかにも、日本産科婦人科学会などが不妊治療に関わっている。
※卵子凍結
 排卵誘発剤を投与して卵巣を刺激し、採取した卵子を液体窒素で凍結し保存する。卵子は細胞膜が弱く、凍結によって染色体が損傷する恐れもあり、精子や受精卵の凍結に比べ技術的に難しい。しかし近年、一部の医療施設で保存液や急速冷凍技術などの改良によって可能になってきた。従来は主に、不妊治療をしている夫婦や、がんの放射線療法などの後に妊娠の可能性を残したい患者を対象に行われてきた。

サルナシ果汁が前がん病変抑制 新庄村、酢の新商品準備

山陽新聞 8月26日(月) 配信
 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の有元佐賀恵准教授(遺伝毒性学)は、サルナシの果汁に大腸がんの前段階である「前がん病変」の発症を抑える効果があることを、ラットによる実験で確認した。有元准教授は昨年、果汁には皮膚がんを抑止する働きもあることを突き止めて公表。特産化に取り組む岡山県新庄村は、こうした成果を背景に「サルナシ酢」など新たな商品化への準備を進めている。
 サルナシはキウイの原種とされ、果実は直径2~3センチの緑色。県内唯一の産地という新庄村は「ビタミンCが豊富で滋養強壮によい」などとして、約1ヘクタールある栽培面積の拡大を図っている。
 実験では、発がん性物質を皮下注射した12匹のラットのうち半分に水道水、もう半分にサルナシ果汁を飲ませながら飼育した。5週間後に解剖して大腸の前がん病変を調べたところ、水道水グループは平均約150個見つかったのに対し、サルナシグループは平均約40個にとどまった。
 新庄村は健康への好影響をアピールする狙いで2010年、有元准教授に成分研究を依頼した。これまでの研究によると、皮膚がんの抑止をはじめ、老化の原因とされる遺伝子の酸化を防ぐ抗酸化作用や、炎症の予防効果もみられた。有元准教授は「大腸がんは今後も増加が予想されている。有効成分の特定など研究をさらに進めたい」と言う。

バルサルタン 臨床試験疑惑 不正防止へ、初の検討委会合 日本学術会議

毎日新聞社 8月23日(金) 配信
バルサルタン:臨床試験疑惑 不正防止へ、初の検討委会合--日本学術会議
 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑に関連し、臨床試験での不正防止策などを検討する日本学術会議の検討委員会(委員長=大西隆・同会議会長)が22日、東京都内で初会合を開いた。来年1月をめどに提言を出す予定。
 この日は、米国での研究者の行動規範教育を参考に、医学部の大学院生への倫理教育に取り組む信州大から報告があった。今後、臨床試験制度に詳しい有識者からの聞き取りで問題を探り、制度改革案などをまとめる。
 この問題では、バルサルタンに脳卒中予防などの副次的効果があるかどうかを調べた京都府立医大などの臨床試験に、薬を販売するノバルティスファーマの社員が所属を伏せて参加。データ操作が発覚している。【野田武】

がん増殖阻害する仕組み解明…群大准教授ら

読売新聞 8月23日(金) 配信
 群馬大生体調節研究所の久保原禅(ゆずる)准教授の研究グループは22日、細胞性粘菌由来の化合物がミトコンドリアの機能を妨害することを発見したと発表した。
 今後、がん細胞のミトコンドリアを狙い撃つ抗がん剤の開発が期待できる。この研究成果は米電子版科学誌プロスワンに掲載された。
 従来の研究で、細胞性粘菌由来の化合物が、がん細胞の増殖を阻害することは分かっていたが、その詳細な仕組みは不明だった。
 研究グループは、細胞性粘菌由来の化合物に蛍光発色体を結合させて可視化し、がん細胞に添加して動きを調べた。その結果、化合物ががん細胞内のミトコンドリアに蓄積し、その機能を妨害することを突き止めた。
 久保原准教授は「細胞のエネルギー生産工場であるミトコンドリアを狙い撃ちすることで、がん細胞の増殖を阻害する抗がん剤の開発が期待できる」と話している。

生後11日男児に肝細胞移植 生体移植の余剰組織から 成育医療研究センター

共同通信社 8月23日(金) 配信
 国立成育医療研究センター(東京都)は23日、生まれつき肝臓が機能しない生後11日の男児に、第三者の生体肝移植で余った肝臓組織から採取した肝細胞を移植する手術を実施したと発表した。
 男児は血液透析から離脱、状態は安定しているという。子どもに肝細胞を移植する手術は国内初、生体肝移植で余った組織を利用するのは世界的にも珍しいという。
 センターによると、男児は体内の有害なアンモニアを代謝できない「高アンモニア血症」で血液透析が必要だった。同センターで2011年5月以降に実施した14件の生体肝移植で、取り出した肝臓の形を整える際に切除した組織から提供者らの同意を得て細胞を分離し、凍結保存していた。このうち血液型などの一致した細胞を、男児の肝臓に注入する手術を今月10日と13日に実施した。
 男児は順調なら1カ月半で退院できる見通し。今後さらに肝臓移植手術が必要になるか経過観察する。
 松井陽(まつい・あきら)病院長は今回の肝細胞移植の意義について「胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った再生医療へ発展する医療を安全に行えた」と話した。
 男児の両親はセンターを通じて「珍しい病気であることが分かり、日本で初めての治療を受けることになりました。自分の子どもの治療がきっかけとなって、今後、医療がさらに発展することを期待しています」とのコメントを発表した。
※高アンモニア血症
 アミノ酸が代謝されてできるアンモニアが肝臓の病気などで処理できなくなり、尿として体外に排出されなくなって血液のアンモニア濃度が異常に高くなった状態。こうした状態になると脳などの神経細胞に悪影響を及ぼし、意識障害やまひなどの後遺症が出たり、死亡したりする場合がある。

【神奈川】湘南鎌倉総合病院 幹細胞使い乳房再建 臨床研究を開始

毎日新聞社 8月22日(木) 配信
湘南鎌倉総合病院:幹細胞使い乳房再建 臨床研究を開始 /神奈川
 湘南鎌倉総合病院(鎌倉市岡本)は21日、幹細胞を使って乳がん手術で欠損した乳房を再建する臨床研究を始めたと発表した。厚生労働省の指針に基づき研究の承認を受けたのは、民間病院としては初めてという。この日、記者会見した形成外科・美容外科の山下理絵部長は「悩んでいる人は多い。よい方法があるということを知ってもらいたい」と意気込みを語った。
 幹細胞は、組織や臓器に成長する基となる細胞で、けがや病気で失われた機能を取り戻す「再生医療」への活用が模索されている。
 臨床研究では、手術で欠損した乳房を患者本人の脂肪幹細胞を利用して再建する。腹部や大腿(だいたい)部から200~520ccの脂肪を吸引し、うち半分を洗浄して5ccの幹細胞を抽出。洗浄した残り半分とともに、乳房の欠損した部分に注入する。
 山下部長によると、脂肪だけを注入する方法は以前からあるが、脂肪が体内で吸収されるため、脂肪細胞がうまく機能する割合(生着率)は10~40%と低い。また、固くなるケースも多い。
 だが、幹細胞を利用すると、細胞自体が脂肪を作り出し血管再生を促す機能もあるため、生着率は70~80%に向上する。患者自身の細胞であることから合併症も起きにくい。ただし、大量の脂肪が必要になることが欠点という。
 再建手術には3時間半程度を要する。乳がんの手術をして1年以上が経過した人が対象で、1年間で5人の再建を予定する。臨床研究のため、手術費用の患者負担はほとんど生じないとしている。医師の診察を受ける前に、専門チームによる無償相談も受け付ける。
 山下部長によると、国内で年間約5万6000人が乳がんを発症している。手術の傷痕で悩み、日常生活にも支障を来している人も多い。「実費では150万円になる。臨床研究で有効性を確認するとともに症例を増やし、最終的には保険診療になることを目指したい」と話している。【松永東久】

データの長期保存を 臨床研究の倫理指針

共同通信社 8月22日(木) 配信
 臨床研究や疫学研究に関する倫理指針の見直しをしている厚生労働省と文部科学省の合同の有識者会議は22日、臨床研究データの長期保存を求める規定を盛り込んだ中間報告をまとめた。
 降圧剤ディオバン(一般名バルサルタン)を使った臨床研究に対する疑惑が持ち上がったことなどを受け、研究に疑念が生じた場合にも検証ができるように、倫理指針に追加することにした。
 これまで新薬の承認・販売に向けた薬事法に基づく臨床試験(治験)ではデータ保存に関して厳格な規定があったが、法律に基づかない臨床研究では研究責任者らの判断に委ねられていた。
 このほか、研究の進み具合を公開のデータベースで明らかにすることなどを求めた。

がん転移、脂質が指標に 高精度顕微鏡使い京大

共同通信社 8月22日(木) 配信
 乳がんの組織の中にある特定の脂質が、がん転移のリスクを判別する指標になる可能性があることを京都大などのチームが突き止め、21日発表した。転移の早期予測に役立てたいとしている。
 脂質などの物質の分布を分子レベルで高精度に画像化し観察できる「質量顕微鏡」を使った研究成果で、日本癌(がん)学会誌電子版に掲載された。
 チームはこの顕微鏡で、乳がん患者9人の組織を対象に、さまざまな脂質の分布を解析し、がん細胞と一緒に存在する2種類の脂質に注目した。
 このうち特定の1種類の量が多い4人のうち3人は、リンパ節への転移があった。このため、この1種類の脂質が多いと、がん細胞が体の組織深くに広がりやすくなり、転移リスクが高まる可能性があるとみている。
 チームの京都大大学院生川島雅央(かわしま・まさひろ)さんは「リンパ節への転移があると、死亡や再発リスクが高まる。より多くの症例で検証し、転移を正確に予測したい」と話している。
 研究は、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一(たなか・こういち)さんが所長を務める島津製作所田中最先端研究所と共同で実施した。

  • *がん慢性痛の関与物質判明 治療薬開発に期待も
    共同通信社 8月22日(木) 配信
     末期がんや糖尿病、神経痛に伴う慢性的な痛みは、リウマチとの関連が知られる炎症性物質のタンパク質「HMGB1」が関与していることを、広島大大学院の仲田義啓(なかた・よしひろ)教授(薬理学)らのグループが突き止め、22日付の米オンライン科学誌プロスワンで発表した。
     岡山大大学院との共同研究。モルヒネなどの既存鎮痛薬では効きにくい慢性期の痛みが、HMGB1の抗体で抑えられることも確認した。研究グループは「新たな治療薬の開発につながることが期待される」としている。
     仲田教授によると、ラットの腰部にある座骨神経を縛って慢性的な痛みを生じさせる実験で、開始3日目から脊髄の神経細胞にHMGB1が増加し、痛みが起きた。その後も痛みは続き、HMGB1の関与が裏付けられた。
     実験開始後21日目の慢性期に、ラットにHMGB1の抗体を投与したところ、痛みを緩和させることができたが、痛みの急性期に当たる3日目に投与しても、緩和効果はほとんどなかった。

自家膵島移植 阪大病院が国内初成功 膵臓摘出後に分離

毎日新聞社 8月21日(水) 配信
自家膵島移植:阪大病院が国内初成功 膵臓摘出後に分離
 大阪大病院は21日、慢性膵炎(すいえん)の患者から膵臓(すいぞう)を摘出し、インスリンを分泌する膵島(すいとう)だけを分離して体内に戻す自家膵島移植に国内で初めて成功した、と発表した。患者は口で食事ができなくなるほど症状が悪化していたが、数年ぶりに口で食事ができるまで回復したという。
 担当した伊藤寿記(としのり)教授(消化器外科)によると、患者は30代女性。5歳で膵炎と診断され、約10年前に慢性の中でも激しい炎症を繰り返す遺伝性と判明した。
 膵炎患者は食事をすると、自分で分泌した膵液によって膵臓が消化されてしまい、激しい痛みが生じる。遺伝性はこの症状を繰り返し、食事ができなくなることがある。今回の患者も数年前から食事ができず、静脈に栄養液を注入していた。
 患者はこれまでに膵臓の大部分を摘出しており、他人からの膵臓移植を待ったが、伊藤教授は拒絶反応を懸念し、本人から残りの膵臓全てを摘出し、膵島だけを分離して体内に戻す方法を採用。7月3日に手術を実施し、肝臓の門脈(血管)に移植した膵島は正常に機能しているという。
 国内で10万人あたり約40人いる慢性膵炎患者のうち遺伝性患者はまれだという。これまでの遺伝性の治療法は膵臓を全て摘出するため、その後はインスリンの注射が不可欠だったが、この手法だと、注射が不要になる場合がある。ただ、今回は分離した膵島がわずかなため、注射は今後も必要だという。
 患者は近く退院する予定。21日に記者会見し、「食べても痛みがなくなり、とてもうれしい」と笑顔で話した。【吉田卓矢】

インフルエンザウイルス 型を5分で判定、阪大准教授が検査手法開発 町の医師も診断可能

毎日新聞社 8月21日(水) 配信
インフルエンザウイルス:型を5分で判定、阪大准教授が検査手法開発 町の医師も診断可能
 大阪大の開発邦宏特任准教授(医薬品化学)は20日、インフルエンザウイルスを5分程度で細かい型まで区別して検査できる手法を開発したと発表した。スーパーコンピューターで事前に型ごとに特有の遺伝子を特定し、プレート上の試薬に反応させて判別する。新型インフルエンザの流行などに備えて、製薬会社と協力して簡易迅速診断キットを開発し、空港や地域の診療所などで正確に素早く診断できる体制づくりを目指す。
 現在の検査法は、ウイルスが作るたんぱく質の有無を調べる簡易法と、遺伝子の一部を増幅させる方法がある。たんぱく質の手法では5~15分で感染の有無を判別できるが、細かい型は分からない。一方、遺伝子の一部を調べる方法は、新型か季節性かなどを見分けられるが、診断に数時間程度かかり、研究所などでしか使えない。
 同じインフルエンザウイルスでも新型や季節性などの細かな型によって、特有の遺伝子部分が異なる。そこで開発特任准教授らは、スパコンを活用し、あらかじめ特有の遺伝子部分を特定することにした。さらにその部分に反応する試薬をつくることで、5分程度での判別を可能にした。
 現在、医療機関で使われている簡易診断キットを応用し、今後、今回の手法による簡易迅速診断キットを開発、普及させたい考えだ。開発特任准教授は「新たなタイプのインフルエンザが出現しても簡単に検査できるようになる」と話している。【斎藤広子】

「食事の怖さなくなった」 患者女性が喜び

共同通信社 8月21日(水) 配信
 膵島(すいとう)の自家移植を受けた30代の女性や大阪大病院の主治医らが21日記者会見し、女性は「食べても痛みが起こらず、食事への怖さがなくなった。自分の体が維持できるカロリーが取れるのは信じられない」と言葉を選びながら喜びを語った。
 女性は30年来、本来は消化管で活性化するタンパク質の分解酵素が膵臓で働いてしまい、膵臓を溶かしてしまう遺伝性の膵炎に悩まされてきた。5歳の時から腹痛で入退院を繰り返し、手術や薬剤治療を続けてきた。
 昨年夏、大阪大病院に転院。食事は一切できず点滴で栄養を維持している状態だった。痛みを取る治療も効果が乏しく、膵臓の摘出しか方法がなくなり、ことし7月上旬に手術に踏み切った。
 残った膵臓は、150~200グラムある成人の5分の1程度の36グラムと非常に小さくて硬く、状態が悪かったが、通常の膵臓の場合の約3分の1に当たる15万個の膵島を取り出すことに成功し、肝臓に生着させた。
 主治医の永野浩昭(ながの・ひろあき)准教授は「度重なる手術で癒着もあり、厳しい手術だった」と振り返った。
 術後、女性は病院食を食べ、鎮痛剤も全く必要ないという。女性は「今後は血糖の管理をしながら、今までできなかったことにチャレンジしたい」と感激を口にした。

神経難病のHAMに経口ビタミン剤有効

長崎新聞 8月21日(水) 配信
 長崎大大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学の中村龍文准教授らが、厚生労働省指定の神経難病「HTLV1関連脊髄症(HAM)」にビタミンB1製剤の経口薬「プロスルチアミン」が有効とする研究結果を発表した。薬事承認に向けた臨床実験を今秋にも始め、実用化を目指す。
 英国の15日付電子版医学誌「BMCメディシン」で発表。この薬をHAM患者24人に1日1回、12週間投与し続けると、足につっぱりがあった19人中15人の症状が軽減し、ぼうこうの筋肉が無意識に収縮する症状は16人中11人が消失した。重篤な副作用はなかったという。
 効果があった理由は不明だが、中村准教授はビタミンB1を神経内に取り込みやすくする作用が良い影響を与えているとみる。
 HAMは、HTLV1ウイルスが血液中のリンパ球に感染して脊髄で慢性的な炎症を起こす病気。主に下半身まひや排尿・排便障害の症状が出る。疫学調査で約3千人と推定される国内患者の半数が九州にいる。
 プロスルチアミンの商品名は「アリナミン」というが、同じ名前の栄養ドリンクとは違う。中村准教授は4年前に注射薬で効力があることを突き止めていたが、今回の研究を通じ「継続的に投与することを踏まえると、注射より実用性がある飲み薬で効果があったことは大きい」としている。

倫理委通さずに研究 岡山大、多重投稿の准教授

共同通信社 8月20日(火) 配信
 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の40代の男性准教授がほぼ同じ内容の論文を複数の専門誌などに多重投稿していた問題で、准教授が学内の倫理委員会の審査を通さずに研究し、論文を発表していたことが分かった。岡山大が20日、記者会見で明らかにした。
 岡山大によると、准教授は多重投稿で問題となった研究を倫理委員会にかけずに始め、論文を投稿した。英国の専門誌に論文を投稿する際には、付属書類に審査を経て承認されたと虚偽の記載をしていた。
 問題となった研究は肝臓手術を受けた患者のカルテデータを考察する疫学研究で、厚生労働省指針では倫理委員会の審査を経て、ホームページなどで研究に利用することを明らかにすべきだとされている。岡山大によると、問題になった研究は倫理委員会にかければ承認を得られる内容だった。
 多重投稿を受け、岡山大病院が研究論文について調査をして発覚した。許南浩副学長は記者会見で「患者に不利益を与えるものではないが、研究者としてモラルに著しく反する行為」と話した。今後は外部の有識者も入れた特別調査委員会を設置し、詳細を調べる。

小児MRI「見守りを」 鎮静薬で呼吸停止 医師らの配置要請 3学会が提言

共同通信社 8月19日(月) 配信
 大きな音を発する磁気共鳴画像装置(MRI)で子どもを検査する際、鎮静薬の投与で呼吸停止などの重い合併症が報告されているとして、日本小児科学会など3学会が子どもの見守りに専念できる医師や看護師の配置を求めた共同提言をまとめたことが、16日分かった。
 鎮静薬は子どもが動くのを避け、眠らせるために投与するが、呼吸数を減らすなどの危険がある。医師が別室にいて対応が遅れることもあり、病院側の体制整備が求められそうだ。
 共同提言では、検査の前に患者の気道の状態やアレルギー、心臓病の有無などを調べ、鎮静薬投与の危険性を判断するとした。さらに検査中は患者の様子を見守って記録を取るよう求め、緊急時に備える人員の態勢や救命機器、薬剤などを例示した。
 鎮静中は、胃の中のものが誤って気道に入る「誤嚥(ごえん)」が起こり得るため、検査前の飲食を制限。検査後も、患者が完全に目を覚ますまでは見守るよう求めた。
 日本小児科学会が2010年に実施した調査では、全国の416施設のうち147施設(35%)が「鎮静による合併症を経験したことがある」と回答。うち73施設で呼吸停止が発生し、3施設では心停止が起きていた。死亡例や重い障害が残った例も報告されているという。
 磁気を使って臓器や血管を撮影するMRI検査では、患者はトンネル構造の装置の中で20分以上動かずにいる必要がある。だが磁場を発生させるコイルが振動して出る騒音が激しく、子どもはじっとしているのが難しい。子どもの患者が多い国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)では、MRI検査の約4割で鎮静薬を投与したり全身麻酔をしたりしている。
 子どものMRI検査は、頭を強打したときの診察のほか、股関節や心臓に異常がないかなどの検査にも使われる。
 提言の取りまとめに加わった同センターの阪井裕一(さかい・ひろかず)総合診療部長は「MRIは鎮静が必要な子どもに適した装置になっていない。患者を観察するモニター装置を増やすなどメーカーにも改善を求めたい」と話している。
※磁気共鳴画像装置(MRI)検査
 原子の「核磁気共鳴」という現象を利用し、磁力と電波で体内の断面画像を得る検査。コンピューター断層撮影(CT)と比べ、脳や内臓などの軟らかい組織を画像化でき、放射線による被ばくがない。一方でトンネル構造の装置から出る騒音が激しく、検査時間が長いため、子どもや閉所恐怖症の患者では深く眠らせたり全身麻酔をかけたりする。日本は、2009年時点で人口100万人当たりのMRIの台数が43台と、世界で最も普及している。

白血病抑える遺伝子発見 診療や薬剤開発期待、京大

共同通信社 8月19日(月) 配信
 血液を作る細胞ががん化する「骨髄性白血病」などを抑えている遺伝子を、京都大や東京大などのチームが患者のゲノム(全遺伝情報)を解析して発見し、18日付米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に発表した。
 患者ではこの遺伝子が変異しているが、体外の細胞実験で遺伝子を正常に働かせると、がん増殖が抑えられた。チームは、通常はがん抑制遺伝子として働いているとしており、診療や治療薬開発に役立てられるという。
 チームは、感染症や出血など重い症状が出る骨髄性血液がんの一つ、骨髄異形成症候群の患者29人のがん細胞を解析。これまで知られている遺伝子変異とは別に、約1割の患者でSTAG2という遺伝子に変異が見つかった。
 STAG2は、遺伝子の働きの調節などを担うタンパク質複合体「コヒーシン」を作る四つの遺伝子の一つ。
 さらに、急性骨髄性白血病を含む5種類の骨髄性血液がんの患者610人で解析。すると、骨髄増殖性疾患を除く4種類の患者のそれぞれ1割前後で、コヒーシンを作る4遺伝子のいずれかに変異が見つかった。
 チームは4遺伝子はがんを抑えているが、変異があるとコヒーシンが働かなくなり、細胞ががん化するとみている。
 京都大の小川誠司(おがわ・せいし)教授(腫瘍生物学)は「変異があると死亡や再発のリスクが高まる傾向がある。患者の予後予測にも役立てたい」としている。

膵炎の原因遺伝子を発見 東北大大学院のグループ

共同通信社 8月19日(月) 配信
 東北大大学院の正宗淳(まさむね・あつし)准教授(消化器病態学)や米ボストン大などの国際共同研究グループが、膵炎(すいえん)の原因となる新たな遺伝子変異を発見し、18日付の米科学誌電子版に発表した。新しい治療法の開発などが期待できるとしている。
 正宗准教授によると、膵炎は飲酒が原因のアルコール性が大半を占めるが、非アルコール性のうち、若い時に発症する膵炎は、遺伝子の異常が背景にあるという。一部については、膵臓(すいぞう)から分泌される消化酵素「トリプシン」に関わる遺伝子変異が原因と判明しているが、全容は解明されていない。
 今回、日本や米国、欧州などの病院・研究施設が協力し、非アルコール性慢性膵炎患者約2千人と健常者約7千人の遺伝子を解析。20歳までに発症した患者の4・6%、10歳までに発症した患者の9・7%で、別の消化酵素「カルボキシペプチダーゼA1(CPA1)」をつくる遺伝子の変異を確認した。健常者では見つからなかった。
 遺伝子変異の影響を受けたCPA1が、膵臓の中で異常なタンパク質を生成することで、膵炎が発症するという仕組みも判明した。
※科学誌はネイチャージェネティクス

悪性前立腺がん 遺伝子の働き操作、抗がん剤効果向上 慶大・産総研

毎日新聞社 8月17日(土) 配信
悪性前立腺がん:遺伝子の働き操作、抗がん剤効果向上--慶大・産総研
 悪性度の高い前立腺がんの遺伝子の働き方を薬で操作し、抗がん剤を効きやすくすることに、慶応大と産業技術総合研究所などの研究チームが試験管内の実験で成功した。日本癌(がん)学会機関誌に論文を発表した。慶大は、抗がん剤が効かない悪性がん患者への応用を検討している。
 チームの永松剛(ごう)・慶大助教(発生・分化生物学)らは、悪性の前立腺がん細胞で特定の遺伝子「OCT4」が活発に働いていることに注目。OCT4は人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製にも使われ、他の多くの遺伝子の働きを変化させる。遺伝子の働き方の変化は、がんの悪性度を高めると考えられる。
 チームは、ヒトの悪性前立腺がん細胞でOCT4によって働いたり休んだりする遺伝子を調べ、それらの遺伝子の働きを抑える薬を、既存薬データベースから探した。
 その結果、C型肝炎治療薬「リバビリン」が候補に挙がった。悪性がん細胞にリバビリンを加えると、一般的ながん細胞と同程度に抗がん剤が効くようになった。
 チームの須田年生(としお)・慶大教授は「遺伝子への影響を調べて既存薬から役立つ薬を探す方法は、新薬開発に役立つだろう」と話している。【野田武】

患者拡大で対策急務

共同通信社 8月16日(金) 配信
 【解説】認知症と診断される前段階の「軽度認知障害」や健康な人の脳を調べる大規模な臨床研究が始まる。認知症の患者は国内で約462万人に上るとの調査結果もあり、対策が急務となっていることが背景にある。
 認知症はさまざまな原因で発症するが、最も多いのがアルツハイマー病だ。異常なアミロイドタンパク質が脳に蓄積し、神経細胞が死んで脳が縮むことが原因の一つとして考えられている。薬で進行を遅らせることができる場合があるが、根本的な治療法は確立されていない。
 アルツハイマー病に先行する段階として軽度認知障害がある。記憶力などが普通より低下しているが日常生活は送ることができる状態で、一定割合が認知症に移行するとされる。軽度認知障害の人も400万人に上ると推計され、65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍といえる。
 今回の研究の中心メンバーは、軽いアルツハイマー病の患者や軽度認知障害の人らを対象とした同様の臨床研究を続けており、軽度認知障害ではアルツハイマー病と同程度にこのタンパク質が蓄積している場合があることを明らかにしてきた。
 研究チームはさらに前の段階に着目。より早い段階で認知症に移行するサインをつかみ、進行を遅らせるなどの先制的な治療法開発につなげる狙いだ。

認知症、発症前から追跡 早期診断へ臨床研究 東大、筑波大など9月から

共同通信社 8月16日(金) 配信
 認知症の一種アルツハイマー病を発症する前の段階で、脳内にどのような変化が起きているかを探る大規模な臨床研究を、東京大や筑波大を中心としたチーム(代表者・岩坪威(いわつぼ・たけし)東京大教授)が早ければ9月にも始める。研究にはこれら2大学を含め、国内約40の医療機関が参加する予定。
 発症前の人に参加を呼び掛け、原因と考えられているアミロイドタンパク質の脳への蓄積状況と認知機能の変化を調べる。発症の仕組みの解明や超早期の診断法の開発を目指す。
 対象は、健康で物忘れのない65~84歳の約300人と、認知症には至っていないが物忘れが顕著な「軽度認知障害」と診断された60~84歳の約200人。物忘れのない人は陽電子放射断層撮影装置(PET)で診察し、アミロイドタンパク質が蓄積しているグループと、蓄積していないグループに分ける。
 3年間追跡し、半年から1年ごとに、アミロイドタンパク質の蓄積状況のほか、磁気共鳴画像装置(MRI)で脳の血流や萎縮程度も測定する。さらに記憶などの心理検査をし、脳の状態や症状の経過を調べる。
 アミロイドタンパク質が蓄積してもアルツハイマー病にならない人もおり、早期の段階で脳の老化の評価方法や、将来アルツハイマー病になりやすいかどうかの要因を探る。研究を行う筑波大の朝田隆(あさだ・たかし)教授(老年精神医学)は「早期診断の手がかりをつかみ、将来的に発症前の先制治療へとつなげる足がかりとしたい」と話した。
 倫理委員会の承認を得た機関から順次開始する。問い合わせは日本臨床研究支援ユニット・コールセンター、フリーダイヤル(0120)717411。
※認知症
 正常に発達した知能や精神機能に障害が起き、物忘れや妄想、徘徊(はいかい)などの症状が出て日常生活に支障がある状態。脳の神経細胞がゆっくりと死んでいくアルツハイマー病が半分以上を占める。ほかに、脳卒中の後遺症や脳に髄液がたまる水頭症の合併症などもある。アルツハイマー病などに先行する軽度認知障害は、認知機能が同年齢の水準より低下してはいるものの、日常生活は送ることができ、ほかの知的機能に問題はない。一定割合の人が加齢とともに認知症に移行するとされる。

うつ治療体の痛み注目を 高知大医学部河村さん 米医学誌に発表

高知新聞 8月16日(金) 配信
 うつ病患者のうち、肩凝りや頭痛など体の痛みが多い人ほど日常生活に支障を来していることを、高知大学医学部医学科5年の河村葵さん(32)がインターネット調査を基に解析。米精神医学誌にこのほど発表した。うつ病と痛みの関連は医療関係者でも認知度が低く、河村さんは「患者のQOL(生活の質)向上のため、治療の際には痛みに注目してほしい」と話している。
 うつ病になると、神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが脳内で減少。気分の落ち込みや意欲の低下を引き起こす。脊髄神経内でも同様に減少するため、患者は痛みを感じやすくなるとされている。
 うつ病と痛みの研究は近年、注目されている。河村さんは同学部神経精神科学教室で下寺信次准教授らの指導を受けながら、研究に取り組んでいる。今回は痛みと日常生活に着目。過去5年以内にうつ病と診断された全国の20~59歳663人に、インターネットを通じてアンケート。身体的な痛みの箇所数と、生活機能や治療満足度との関連を分析した。
 その結果、痛みの箇所が増えるにつれて、「入浴や着替えなどの活動を自力で行うことが難しい」と感じる割合が増加。仕事や普段の活動の際、「身体的、心理的理由で問題があった」と感じる割合も増えた。
 一方で、痛みの箇所数と患者の治療満足度との関連は低く、患者がうつ病と痛みを関連付けて捉えていないことが裏付けられた。河村さんは「うつ病患者が生活に問題を抱えている場合、体の痛みが影響している可能性がある。痛みの有無を聞き取り、取り除く治療が必要」と指摘する。
 論文は7月発行の「インターナショナル・ジャーナル・オブ・サイカイアトリー・イン・メディシン」に掲載された。「医師免許を持たない学生が医学系の論文を書くことは極めて珍しい」と下寺准教授。「これまで医師の経験上で語られてきたうつ病と痛みの関連について、生活機能に着目して実証した画期的な研究。実際の診療に役立てていきたい」と話している。

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