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医療情報74

医療情報73
20131001~

出生で脳神経発達 セロトニンの濃度変化

共同通信社 2013年10月15日(火) 配信
 赤ちゃんの脳では、出生が引き金となって神経伝達物質「セロトニン」の濃度が変化し、神経回路の形成が始まることを金沢大などの研究チームがマウスの実験で確かめ、14日付の米科学誌電子版に発表した。
 セロトニンはうつ病などの精神疾患や発達障害に関わり、著しい早産では発達障害のリスクが高いとされる。チームの河崎洋志(かわさき・ひろし)・金沢大教授は「出生と脳発達の仕組みの一端が分かったことで、早産による発達障害の解明につながることが期待される」としている。
 チームはマウスの大脳にある「バレル構造」という神経回路に着目。バレル構造は、ひげの触覚情報を処理する回路で、出生後に発達するが、何が発達の引き金かは不明だった。そこで人工的にマウスを早産にさせると、発達が始まる時期も前にずれることが分かった。
 マウスの脳脊髄液を調べたところ、セロトニンが出生5日後には急減することを発見。そこでセロトニンの濃度を人工的に上げたところ、回路がうまく発達しなくなり、逆に濃度を下げると発達が早くなった。
 また、視覚情報を処理する回路でも同じ仕組みを確認したという。
※科学誌は「Developmental Cell」

乱雑さ認識の仕組み、脳に 人工知能応用も、山口大

共同通信社 2013年10月15日(火) 配信
 ものを見たとき、整列しているか乱雑な状態かを認識し、見分ける脳の仕組みの一部を、山口大時間学研究所のチームが世界で初めて明らかにし、11日付の英オンライン科学誌に発表した。
 チームによると、朝礼などで人が整列しているか雑然と並んでいるのかは一目で分かるが、視覚や脳がどう働いているのか、詳しいことは分かっていなかった。
 この仕組みを二足歩行ロボットなどの人工知能に応用できれば、より人間に近い視覚を持たせられ、転がった石や岩を避けたりバランスをとったりして人間のように歩ける、としている。
 宮崎真(みやざき・まこと)教授(神経科学)や同研究所に所属していた九州大の山田祐樹(やまだ・ゆうき)准教授(心理学)らのチームは、多くの点が縦と横に整列して描かれた図と、乱雑に描かれた図を被験者に同時に見せた後、少しだけ乱雑に描かれた図を見せる実験を繰り返した。
 すると、少しだけ乱雑に描かれた図を見た際に、点が実際より整列した状態に見える「残効」という見え方の反応が、脳で起きていることが分かった。
 チームは、この残効反応は、脳が乱雑な状態を認識する仕組みの一部としている。
 宮崎教授は「乱雑さの認識に関与する脳の詳細な部位を突き止めるなど、さらに研究を進めたい」と話している。
※英科学誌はサイエンティフィック・リポーツ

肺線維症、脂肪酸が影響か 群馬、筑波大が研究

共同通信社 2013年10月15日(火) 配信
 肺が炎症を起こし硬くなって呼吸困難に陥る「肺線維症」の発症に、脂質の一種の脂肪酸が関係していることを群馬大と筑波大の研究チームが突き止め、11日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版で発表した。
 肥満や糖尿病などで体内に蓄積される脂質と肺疾患の関係は、これまで明らかにされておらず、群馬大の横山知行(よこやま・ともゆき)教授は「研究を進め、新たな予防や治療につなげたい」と話している。
 チームによると、薬剤を使って発症させたマウスの肺では、ある種の酵素が減少したため、「パルミチン酸」と呼ばれる脂肪酸が他の物質に変化しづらくなっていた。パルミチン酸は増えすぎると活性酸素を発生させて細胞を傷つける性質があり、肺を正常な形に維持する機能に影響を与えた可能性がある。患者から採取した肺でも同様の傾向がみられた。
 肺線維症は、一部の抗がん剤の副作用などで発症することが確認されているが、原因不明で治療が困難な特発性の患者も国内に1万人以上いるとみられる。

がん撃退リンパ球量産 富山大など世界初システム開発

北日本新聞 2013年10月15日(火) 配信
 がん細胞やウイルスを攻撃する特定のリンパ球の遺伝子を、人の血液から短期間に取り出す世界初のシステムの開発に成功したと、富山大医学部長の村口篤教授(免疫学)らの研究グループが発表した。個別の病気の治療に有効なリンパ球を量産することが可能になり、患者一人一人に応じた「テーラーメード医療」への応用が期待される。研究成果は13日、米科学誌「ネイチャーメディスン」電子版に掲載された。
 血液中にあるリンパ球のうち、病原体を自ら攻撃するタイプはTリンパ球と呼ばれ、全体の70~80%を占める。表面にあるセンサーで標的を見つけて破壊することで、感染症になったり、がん細胞が増えたりするのを防いでいる。ただ、Tリンパ球はそれぞれ異なるセンサーを持ち無数に存在するため、特定の種類だけを取り出し人工的に増やすのは難しいと考えられてきた。
 今回開発されたシステムは、この課題を克服した。一つのTリンパ球の中から遺伝子を取り出し、増幅させる新しい遺伝子工学技術を確立。血液から特定のTリンパ球を抽出する既存技術を組み合わせることで、狙った遺伝子だけを増やせるようになった。センサーを持たない未熟なTリンパ球に、増幅させた遺伝子を組み込むことで、同一のTリンパ球を大量に生産できるようになった。
 肝がん患者2人を対象にした実証実験では、血液から3~4種類のTリンパ球を採取。そのうち、がん細胞への攻撃力が最も強い1種類を量産し、実験用に培養したがん細胞に加えたところ、大部分が消滅した。ヘルペスウイルス感染者を対象にした実験でも、増やしたTリンパ球でウイルスが減る成果が得られた。
 リンパ球などの免疫細胞を使う治療法は、がんの分野を中心に近年盛んに研究されている。
 今回の研究について、免疫細胞治療に詳しい三重大大学院医学系研究科の珠玖洋教授は「一つのTリンパ球を基に量産が可能になったという点で画期的と言える。免疫療法の可能性を大きく広げる成果だ」と評価する。
 免疫療法は、患者本人の免疫細胞を使うため副作用が少ないメリットがある一方、遺伝子操作による安全性の確保が課題になっている。
 村口教授らの研究グループは、2009年に特定の抗体をつくるリンパ球を量産する技術も確立している。今回の研究と合わせて、個別のがん患者や感染症患者に最も適した抗体医薬品や治療用リンパ球を提供する医療システムの構築を目指している。村口教授は「研究を重ねて、早い段階で臨床実験につなげていきたい」と話している。

データ操作問題で学長訓告 京都府立医大

共同通信社 2013年10月15日(火) 配信
 ノバルティスファーマ(東京)の降圧剤ディオバンを使った臨床研究の論文データ操作問題をめぐり、京都府立医大は11日、監督責任を問い、吉川敏一(よしかわ・としかず)学長(66)を訓告、付属病院の福居顕二(ふくい・けんじ)病院長(62)を文書注意とする処分を発表した。
 臨床研究を主導した松原弘明(まつばら・ひろあき)元教授(56)については、2月に退職しており、別の論文5本に写真や図表などの捏造(ねつぞう)や改ざんがあったとして退職金全額の返納を受けたため、「制度上これ以上の処分ができない」とした。退職金の額は明らかにしていない。
 松原氏は弁護士を通じ、論文改ざんについて「患者らに大きな不信を与えた。(退職金の)返納はおわびの気持ちを表すため」とのコメントを発表。データ操作問題については触れなかった。

滋賀医大もデータ操作か 降圧剤臨床研究 ノ社のディオバン

共同通信社 2013年10月15日(火) 配信
 製薬会社ノバルティスファーマ(東京)の降圧剤ディオバン(一般名バルサルタン)を使って滋賀医大で行われた臨床研究について、発表された論文に使われた患者データと、カルテに記載されていた元の数値が一致しない部分が複数あることが13日、分かった。学内調査委員会の調べで判明したもので、データ操作の可能性もある。
 滋賀医大関係者が明らかにした。月内にも調査結果を公表する。
 臨床研究にはノ社の当時の社員が関与していた。研究責任者は滋賀医大病院長の副学長で、調査に対し「原因は入力ミスなどヒューマンエラーで、論文の結果に間違いはない」と答えたという。
 滋賀医大関係者は入力ミスの可能性も否定できないとしながら「ずさんだ。改ざんや捏造(ねつぞう)も考えられる」とし、データ操作の可能性も示唆した。
 この問題をめぐってはこれまで、いずれもノ社の元社員が関与した京都府立医大、東京慈恵医大の各臨床研究でデータ操作があったことが判明している。
 滋賀医大の臨床研究では、ディオバンに血圧を下げる以外に、糖尿病にみられるタンパク尿の改善効果があるかなどを検討した。不一致の程度はデータを取った日や、論文の部分などにより異なり、平均で8~10%といい、精査を進めている。
 滋賀医大はことし5月、調査委を設置。論文の信用性や、ノ社の当時の社員の関与の仕方などを調べてきた。
 滋賀医大の臨床研究は2003~06年に実施された。ノ社はこの期間に、滋賀医大に対し6千万円を超える寄付をしている。
※降圧剤のデータ操作問題
 製薬会社ノバルティスファーマが国内で販売する高血圧症治療薬「ディオバン」を使い実施された臨床研究で、不正なデータ操作が相次いで発覚した問題。ノ社元社員が、身分を隠して研究に参加したことも問題となっている。京都府立医大と東京慈恵医大の研究論文は、血圧を下げる以外に脳卒中などを減らす効果があるとしたが、撤回された。臨床研究はほかに滋賀医大と千葉大、名古屋大で行われた。これら5大学にはノ社が総額11億3290万円の奨学寄付金を提供している。

自殺発生率20%以上減 男性と高齢者、対策導入で

共同通信社 2013年10月10日(木) 配信
 国立精神・神経医療研究センター(東京)などの研究チームが2006年7月から3年半にわたり、自殺対策プログラムを東北と九州の一部地域で実施し、自殺発生率が近接地域と比べて男性と高齢者で20%以上減ったとする研究結果をまとめた。9日付の米科学誌に掲載された。
 研究代表者の大野裕(おおの・ゆたか)・同センター認知行動療法センター長は「自殺対策を科学的に検証した意味は大きい」としている。
 研究は青森、秋田、岩手、宮崎、鹿児島5県のうち、自殺による年間死亡率が人口10万人当たり30人以上と高い計8自治体で実施。行政の協力を得て自殺対策プログラムを導入し、自殺による死亡と自殺未遂による入院を合わせた自殺発生率が、近接自治体と比べ変化したか調べた。
 実施した自殺対策プログラムは▽イベントでの普及啓発▽健診などを活用した自殺リスクが高い人の把握とフォロー▽自殺者遺族の支援▽精神疾患がある人への訪問、相談―などを組み合わせたもので、計約80項目。
 自殺発生率の変化は8自治体合計で算出した。3年半の平均を地域の人口減少率なども加味して統計的に解析した結果、近接自治体の自殺発生率に対し、プログラム実施自治体では男性で約23%、65歳以上の高齢者で約24%減少していた。
 一方、女性や若年層では変化がみられなかった。研究チームは「理由はまだ分析できていないが、現行の対策がこれらの層には伝わりにくいのではないか」としている。
※米科学誌は「プロスワン」

住民の心臓病リスク高まる 英米で航空機の騒音調査

共同通信社 2013年10月10日(木) 配信
 【ロンドン・ロイター共同】高レベルの航空機の騒音に悩まされる国際空港近くの住民は、他の地域の住民に比べて心臓疾患や心臓発作を発症するリスクがより高いことが分かった。
 9日発行の英医学雑誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に掲載された、英国と米国で実施された初の大規模調査で明らかにされた。
 極めて高いレベルの騒音にさらされる住民は、心臓発作や冠状動脈などの心臓血管の疾患にかかるリスクが高まるとの結論に達したとしている。
 英国の学者は報告について、航空機の騒音が単に耳障りで、睡眠の邪魔になるだけではなく、心臓疾患で死亡する可能性もあることを示したと述べた。
 英調査は2001~05年にロンドン近郊のヒースロー空港付近の住民360万人、米調査は2009年に、全米89空港近くに住む65歳以上の約600万人を対象に行われた。

アルツハイマー病の原因物質の分解・排出の仕組み確認 熊大グループ

熊本日日新聞 2013年10月10日(木) 配信
 熊本大大学院生命科学研究部(薬学系)の伊藤慎悟助教(35)と大槻純男教授(45)=いずれも分子生物学=らの研究グループが、血糖値を下げる働きを持つインスリンを分解する酵素(IDE)が、アルツハイマー病の原因物質を分解・排出するメカニズムをマウスの実験で突き止めた。
 糖尿病の患者は、認知症の原因となるアルツハイマー病のリスクが高いことが指摘されており、発症を遅らせる治療薬の開発などにつながるという。
 アルツハイマー病は、脳内にアミロイドβペプチド(Aβ)という物質が蓄積し、神経細胞を破壊するなどして発症する。研究グループは2004年、脳内の血管にAβが排出される仕組みをインスリンが阻害することを確認した。
 伊藤助教らは今回、脳内のAβ量を詳細に測定する方法を開発し、IDEが脳内でAβを分解するとともに、血管へ排出していることを解明。IDEを作る遺伝子を欠損させた血管細胞にはAβが取り込まれなかったことからも、IDEの機能を裏付けた。
 マウスの脳内にインスリンとAβを一緒に注射すると、Aβの量は減らなかった。糖尿病患者の体内ではインスリンが増加し、IDEがインスリンの分解で手いっぱいになる。このため、Aβの分解・排出ができずに、脳内に蓄積すると考えられるという。
 大槻教授らは「ヒトの細胞で同様の結果になるか確認し、創薬につなげたい」と話している。
 成果は、脳血流と代謝に関する海外専門誌に掲載された。(山口尚久)

脳内物質が内臓脂肪減 ラットでメカニズム解明 自治医大

下野新聞 2013年10月10日(木) 配信
 糖尿病に伴う内臓脂肪の蓄積や、その減少に脳内神経栄養因子が影響を与えるメカニズムを、9日までに、自治医大生理学講座の矢田俊彦教授、国立環境研究所環境健康研究センターの前川文彦主任研究員らのグループが、ラットを使った研究で解明した。内臓肥満は糖尿病をさらに悪化させるとされ、人の治療薬の開発につながる可能性のある成果だ。
 2日付のスイスの学術雑誌「フロンティアズ・イン・シナプティック・ニューロサイエンス」(電子版)に、論文が掲載された。
 神経栄養因子は、脳において信号を伝達するだけでなく、神経細胞の分化や保護などに働く物質。研究グループは、同物質の一つで、エネルギー消費増進など代謝作用が知られている「BDNF」に着目した。

識者談話

共同通信社 2013年10月10日(木) 配信
 ▽新薬開発に貢献
 北海道大触媒化学研究センターの長谷川淳也(はせがわ・じゅんや)教授の話 受賞すべき3人が取れてうれしい。彼らが計算方法を開発する以前は、生体反応の大部分を含む酵素反応は計算が巨大で複雑だったため解くことは難しかった。人が薬を飲んだ場合、体の酵素がどう反応するかが重要だが、この理解が進んだ。新薬開発の分野で大きな進歩につながった研究成果だと思う。
 ▽広がる計算化学
 長岡正隆(ながおか・まさたか)・名古屋大教授(理論化学・計算化学)の話 受賞が決まった3人は、コンピューターを使って大きな分子を原子レベルから取り扱えるようにしたのが一番の功績。化学反応とは分子の中の化学結合が切れて新しい化学結合ができること。古典的な物理化学ではうまく表現できない「切れる」部分が取り扱えるようになった。現在はどの製薬会社もこうした技術で薬の開発をしており、その端緒を開いた。計算化学は材料開発などにも広がっており、今後、ほかの分野でも受賞者が出るのではないか。
 ▽サイエンスに真面目
 大阪大大学院理学研究科の石北央(いしきた・ひろし)教授(タンパク質の理論化学)の話 2006年から08年にかけて、米南カリフォルニア大のウォーシェル先生の下で学んだ。それまで面識はなかったが、先生に学びたいとメールを送ったら、すぐに了解してくれた。ストレートな物言いのため、周囲には「悪口を言われている」と感じる研究者もいたようだが、実際に仕えた身としては、上下身分の隔てなく同じ態度で接する紳士で、そこが大好きだった。サイエンスに真面目な人だから、受賞決定は本当にうれしい。

米3氏にノーベル化学賞 計算機で反応再現 新薬開発に応用

共同通信社 2013年10月10日(木) 配信
 【ストックホルム共同】スウェーデンの王立科学アカデミーは9日、2013年のノーベル化学賞を、化学反応をコンピューターで計算する方法を開発したマーティン・カープラス米ハーバード大名誉教授(83)ら3人に授与すると発表した。
 授賞理由は「複雑な化学反応のコンピューターモデルの開発」。3人の成果は、薬が効く仕組みを調べるのに使え、新薬の開発に応用されているほか、排ガスを浄化する触媒の働きや、植物の光合成の解明につながった。
 他の2人はマイケル・レビット米スタンフォード大教授(66)と、アーリー・ウォーシェル米南カリフォルニア大特別教授(72)。
 3人は1970年代、複雑な化学反応の過程を計算する時に、古典的な化学の理論と、新しい量子化学の理論を組み合わせる手法を開発。重要部分を他より詳しく計算することで、コンピューターで化学反応を再現できるようにした。
 コンピューターで事前に反応を予測すれば、実験にかかる時間や人手、資金が節約できる。化学の研究者にとって、コンピューターは試験管と同じぐらい重要な実験道具となったと評価された。
 理化学研究所によると、日本最速スパコン「京」(神戸市)で実施されている創薬やタンパク質の挙動の計算などでも、3人の考え方が土台となっている。
 同アカデミーは、この分野の発展に寄与した研究者の一人に、京都大福井謙一記念研究センター・シニアリサーチフェローの諸熊奎治(もろくま・けいじ)・米エモリー大名誉教授(79)を挙げた。
 諸熊氏はタンパク質などの巨大で複雑な分子の反応でも計算できる手法を開発。「理論化学の分野でノーベル賞が出てうれしい」と話した。
 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金800万クローナ(約1億2千万円)を3氏で等分する。
※受賞決定者の略歴
 マーティン・カープラス氏 30年、オーストリア生まれ、83歳。米カリフォルニア工科大で博士号取得。米ハーバード大名誉教授。
 マイケル・レビット氏 47年、南アフリカ生まれ、66歳。英ケンブリッジ大で博士号取得。米スタンフォード大教授。
 アーリー・ウォーシェル氏 40年、建国前のイスラエル生まれ、72歳。同国ワイツマン科学研究所で博士号取得。米南カリフォルニア大特別教授。(共同)

腰痛リスク高める遺伝子 理研が発見

共同通信社 2013年10月9日(水) 配信
 椎間板ヘルニアや重度の腰痛につながる病気「腰椎椎間板変性症(LDD)」の発症リスクを高める遺伝子変異を理化学研究所などのチームが発見し、8日付の米医学誌電子版に発表した。
 変異があれば、椎間板は老化しやすくなる。池川志郎(いけがわ・しろう)・理研チームリーダーは「今後、正常な椎間板を維持する仕組みを解明し、ヘルニアなどの予防や治療法の発見につなげたい」としている。
 チームは、日本人の椎間板ヘルニアの患者366人と健常者3331人のDNA配列を比べる方法で、患者に多くみられる遺伝子を調査。さらに中国人やフィンランド人も加えた約2万5千人のDNAを分析し「CHST3」という遺伝子が椎間板の変性に関わっていることを突き止めた。
 椎間板組織を使った実験から、CHST3遺伝子の一部に変異がある場合、遺伝子の機能が低下することが分かった。変異により、LDDになるリスクは、変異がない人に比べて約1・3倍に高まるという。
 CHST3の働きが弱まると、椎間板のクッションとしての機能が低下すると考えられ、痛みやヘルニアが起こりやすくなるとしている。

薬物投与で発症確率減らす てんかん予防に道、弘前大

共同通信社 2013年10月8日(火) 配信
 弘前大などのてんかん遺伝子共同研究グループは7日、前頭葉てんかんの患者から発見した遺伝子変異を組み込んだラットを使い、発症前に薬物を投与することで発症の確率を減少させることに成功したと発表した。
 共同研究グループは、遺伝子解析によっててんかん発症のリスクが高いとみられる患者に対し、発症前の投薬で予防できる可能性が出てきたと説明している。
 前頭葉てんかんは脳の神経細胞のバランスが崩れることにより発症するとされ、睡眠中に突然起き上がり、歩き出すなどの症状がある。
 グループによると、前頭葉てんかんの患者と同じ遺伝子変異を組み込んだラットはほぼ100%てんかんを発症。生後8週目から脳の神経細胞の興奮性シグナルが増加し、遅くとも12週目には発症した。
 一方、このラットに生後4週目から8週目にかけ利尿薬の一種のフロセミドを投与すると、12週目での発症を約3割に抑えられた。
 グループ代表の兼子直(かねこ・すなお)弘前大名誉教授(神経精神医学)は「実用化へ向け、別の薬物の投与も試み、発症の確率をさらに抑えられないか研究していきたい」と話した。
 研究成果は英医学専門誌の9月号(電子版)に発表された。
※英医学専門誌はEpilepsy research

【解説】外敵を攻撃する免疫や、脳からの命令を伝える神経など、私たちの体を構成する細胞同士は、情報や物資となるタンパク質やホルモンなどを受け渡しながら命を支えている。今年のノーベル医学生理学賞は、細胞の中で作られたタンパク質などの物質を細胞の内外に輸送するシステムの解明に与えられた。

 細胞内で作られた物質はまず、小胞というコンテナに入れられる。小胞は細胞膜など目的地にある鍵穴にぴったり合う鍵を持っているため、間違った場所に配達しないで済む。小胞は膜に到達して融合すると、積み荷の物質を押し出し、輸送を終える。
 この優れたシステムを担う遺伝子は、酵母から人間まで幅広い生物が持っているという。
 輸送の失敗が病気に結びつくことも分かった。インスリンを膵臓(すいぞう)のベータ細胞がうまく出せなければ、血糖値を下げられず糖尿病の発症を招く。免疫細胞が外敵の情報を伝えられないと、自分の体を攻撃する恐れがある。ある種のてんかんは、小胞と膜の融合の失敗と関連しているようだ。
 受賞が決まった3人の発見は、生命現象の解明に加え、病気の理解と治療開発への可能性を開いたとも言える。

識者談話

共同通信社 2013年10月8日(火) 配信
 ▽やっと報われた
 ランディ・シェクマン氏と30年以上前から面識があるという名古屋大大学院の遠藤斗志也(えんどう・としや)教授(分子細胞生物学)の話 20年ほど前から受賞をうわさされており、やっと報われたと思う。シェクマン氏はいつでも気さくでジョークがうまい。今年8月の学会でもお会いし、自ら編集主幹を務める科学誌「eLife」への熱意を聞いた。非常に頭が切れて、研究分野ではパイオニア的存在だ。
 ▽基礎分野の受賞うれしい
 大隅良典(おおすみ・よしのり)・東京工業大特任教授の話 受賞すべき3人であり、久しぶりにベーシックな研究分野が認められたことはうれしい。体内で物質を運ぶ仕組みは大事な機能で、うまく働かないといろんな病気に関係することが分かってきている。生命現象として物はしかるべきところに運ばれ、そこでしか機能しない。物がどうやって運ばれて機能する場所を見つけるのかは生物学の大問題だった。今回の基礎研究はそこに道を開いた大きな一歩だと思う。
 ▽3人の組み合わせには驚き
 細胞内小胞輸送が専門の福田光則(ふくだ・みつのり)東北大大学院教授の話 ロスマンとシェクマンの2教授は細胞内小胞輸送分野の重鎮で、いつかは賞を取ると思っていた。2人は細胞内で作られた物質を適材適所に運ぶ機構を見つける画期的な研究をした。スードフ教授は神経の末端にカルシウムイオンが入ってきたことを感知して輸送を促す仕組みを発見し勢いのある人だった。この分野が賞を取れてよかったが、3人の組み合わせには驚いた。

米3教授にノーベル賞 細胞内の物質輸送解明 医学生理学賞

共同通信社 2013年10月8日(火) 配信
 【ストックホルム共同】スウェーデンのカロリンスカ研究所は7日、2013年のノーベル医学生理学賞を、ジェームズ・ロスマン米エール大教授(62)ら3人に授与すると発表した。
 授賞理由は、細胞の内部で小器官の「小胞」が、物質を運ぶ仕組みの解明。この仕組みが働かないと糖尿病や免疫疾患などの病気につながる。生存に重要な役割を果たすメカニズムの解明が高く評価された。
 他の2人はランディ・シェクマン米カリフォルニア大バークリー校教授(64)と、ドイツ生まれのトーマス・スードフ米スタンフォード大教授(57)。
 小胞による輸送は、人間を含む多くの生物が持つ細胞内輸送の主要な仕組み。膜に包まれた泡状の小胞で、インスリンなどのホルモンやタンパク質を包み込み、適切な場所へと運ぶ。細胞の外から物質を取り込んだり、外へ放出したりする際にも利用される。
 シェクマン教授は、1970年代に酵母で輸送に関わる遺伝子を特定。ロスマン教授は80~90年代、小胞が目的とする場所と融合する際に働くタンパク質を発見した。スードフ教授は90年代に脳の神経細胞で、小胞が正しいタイミングで近くの細胞に向けて神経伝達物質を放出する仕組みを明らかにした。
 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金800万クローナ(約1億2千万円)を3氏で分ける。
※ノーベル賞受賞者の略歴
 ジェームズ・ロスマン氏 50年、米国生まれ、62歳。ハーバード大で博士号取得。エール大教授。02年にラスカー賞受賞。
 ランディ・シェクマン氏 48年、米国生まれ、64歳。スタンフォード大で博士号取得。カリフォルニア大バークリー校教授。02年にラスカー賞受賞。
 トーマス・スードフ氏 55年、ドイツ生まれ、57歳。米テキサス大などを経て、スタンフォード大教授。13年にラスカー賞受賞。(共同)

赤ちゃん股関節脱臼、診断遅れ増加?実態調査へ

読売新聞 2013年10月7日(月) 配信
 赤ちゃんの時に脚の付け根の関節が外れる「先天性股関節脱臼」で、診断が遅れて治りにくくなった患者が目立つとして、日本小児整形外科学会は実態調査に乗り出した。
 早期診断を徹底するため、専門家が作成した統一のチェックリストを3か月健診で導入するよう呼びかけている。
 先天性股関節脱臼は女の子に多い。生まれつき関節がはずれやすく、出生時には異常は見られなくても、その後に脱臼するケースが大半だ。
 脚を締め付けずにおむつをしたり、脚をM字に開いて正面から抱いたりするなど、日常的な工夫で脱臼を回避できる。啓発の効果や少子化で、患者数は数十年前の10分の1(1000人中1-3人)まで激減した。
 しかし、同学会によると、患者減少で知識のある医師や保健師が減ったため、0歳児の定期健診で見つからず、歩き始めてようやく異常に気づく例が報告されるようになった。生後3か月程度で治療すれば治りが早いが、1歳過ぎてからでは関節が外れたまま成長が進み、治りにくくなる。

母乳育児で子の肥満リスク軽減 岡山大グループが確認

山陽新聞 2013年10月7日(月) 配信
 岡山大大学院環境生命科学研究科の頼藤貴志准教授(人間生態学)と山川路代非常勤研究員(同)らのグループは国のデータを解析し、母乳だけで育児した場合、粉ミルクだけで育てるより、7歳の時点で肥満になるリスクが低いとする研究結果をまとめた。世界的には欧米での臨床実験などを踏まえ、母乳による肥満抑制の効果はないとする説が主流だったが、覆す結論となった。
 国が2001年1、7月に生まれた子ども4万3367人について8歳まで追跡調査したデータを利用。7歳時と8歳時の体重、身長から割り出した体格指数(BMI)を分析し、それぞれ標準体重と比較して肥満などのリスクを算出した。
 7歳時の場合、生後6~7カ月までの授乳方法を(1)母乳だけ(2)粉ミルクだけ(3)混合―の群に分けて比較したところ、(1)群の肥満(BMIが男20・63以上、女20・51以上)となるリスクは(2)群より45%低かった。また過体重(男17・92以上、女17・75以上)のリスクは15%低かった。
 一方、(2)群の子どもたちは(3)群より肥満や過体重となるリスクは高かった。8歳時も肥満、過体重ともに同様の結果になった。
 母乳育児は母親の免疫が子どもに与えられるため、乳児期の呼吸器感染症や下痢を防ぐとして注目され、世界保健機関(WHO)なども推奨。頼藤准教授は「母乳の成分を分析して肥満を抑制する仕組みを解明するとともに、母乳育児を提言していきたい」としている。

リンゴ病で流産、死産 11年に49人、子からも感染 初の全国調査、妊婦健診を

共同通信社 2013年10月7日(月) 配信
 頬や体が赤くなり、風邪のような症状が出ることもある伝染性紅斑(リンゴ病)に妊娠中にかかり、胎児に感染した女性が2011年に69人確認され、うち約7割の49人が流産、死産していたことが厚生労働省研究班(主任研究長・山田秀人(やまだ・ひでと)神戸大教授)の全国調査で5日、分かった。
 妊婦を対象に実施した初の大規模調査。69人のうち家族もリンゴ病にかかっていたのは37人。このうち34人が子どもだった。育児中の妊婦が子どもから感染するケースが多いとみられ、研究班は、風邪の症状がある人に近づかず、定期的に健診を受けるよう、妊婦に注意を呼び掛けている。
 リンゴ病の原因はパルボウイルスB19。せきやくしゃみを介して感染し、頬や腕、足などが赤くなるほか、頭痛や関節痛が生じることもある。ほとんどは自然に回復するが、妊婦が感染すると、胎児の組織などに水分がたまる「胎児水腫」や流産の恐れがある。
 研究班は昨年、妊婦健診を実施する全国2714施設に、妊娠中のウイルス感染について11年を対象に調査した。
 回答があった1990施設を分析した結果、母から胎児へのパルボウイルスB19感染を69人確認。うち35人が流産、14人が死産、3人が中絶で、残り17人が出産だった。妊婦の半数はリンゴ病の症状がなかった。
 山田教授は「11年は流行年だったこともあり、今回の調査で妊婦への影響の大きさが明らかになった。パルボウイルスB19を知っている妊婦は少ないとの調査結果もあり、何らかの対策が必要だ」と話している。
※リンゴ病
 正式名称は伝染性紅斑。感染すると10~20日の潜伏期間を経て発症し、頬などに赤い発疹が現れることから、リンゴ病とも呼ばれる。子どもの発症が多いが、成人がかかることもある。有効なワクチンや決め手となる治療法はなく、妊婦らは人混みを避け、手洗いやうがいなど感染症の一般的な予防対策が重要になる。国立感染症研究所によると、5~9歳での発生が最も多く、次いで0~4歳が多い。発疹が出た時には、原因ウイルスの排出はほとんどなく、感染力はほぼなくなっているとされる。

急性心筋梗塞、04~11年で2割減 熊大病院など調査

熊本日日新聞 2013年10月7日(月) 配信
 熊本大病院など県内の19病院と県、熊本市消防局でつくる熊本急性冠症候群研究会(研究責任者・小川久雄熊本大大学院教授)は5日、急性心筋梗塞の県内での発症件数が、2011年は04年に比べ19・8%減の869件だったと発表した。
 全県的な調査は東日本では宮城で実施しており、西日本では熊本のみ。県内では04年から、19病院に入院した患者の状況を調べた。
 同研究会は「治療薬の普及や、食事・運動療法などで重症化を予防できているのが一因」と分析。ただ、病院への搬送前に死亡した場合などは統計に含まないため、実際の発症数はこれより多い可能性もあるという。
 04年以降で発症数のピークは07年の1095人で、10年以降は2年連続で千人台を下回った。発症後の病院での死亡率は04年の7・7%から11年は9・6%に上昇。心臓の病気による死亡率は横ばいだったが、患者の高齢化に伴って肺炎や脳卒中など合併症による死亡率が上昇した。
 急性心筋梗塞は心臓の周囲にある冠動脈が詰まって発症する。熊本大病院の小島淳医師は、「30代など若年者の患者は増えている。高血圧や糖尿病、高コレステロール、喫煙などがリスクとなり、注意が必要」と話している。(田中祥三)

助産師だけの出産、医師立会いと安全性の差なし

読売新聞 2013年10月4日(金) 配信
 通常の経過をたどる一般のお産は、助産師だけで介助する院内助産で実施しても、医師が立ち会う出産と比べて安全性に差がないという調査結果を、神戸大の斎藤いずみ教授らがまとめた。
 院内助産は産科医不足を補うものとして全国で普及しつつあり、同大学によると、複数の施設の調査で安全性を確認したのは初めてという。5日、さいたま市で開かれる日本母性衛生学会で発表する。
 斎藤教授らは2011-12年に、院内助産のある近畿地方の3病院での出産を調査。合併症がなく、高齢でないなどリスクの低い妊婦のうち、院内助産355人、医師が立ち会う一般産婦人科病棟380人の記録を分析した。
 出産時の多量出血、お産の進み具合、新生児の健康状態と入院の有無などの違いを院内助産と一般病棟で比較したところ、差がないことがわかった。院内助産では16人、一般病棟では18人がお産の進行がうまく行かず、途中で帝王切開に切り替えたが、新生児の状態に差はなかった。
 リスクの低い妊婦に対して助産師が妊婦健診の一部を行う助産師外来も調査。助産師外来を利用した場合と、産科医が健診を全て行った場合で妊娠の経過に違いはなかった。斎藤教授は「緊急時に医師と連携して対応できる態勢が整っていれば、院内助産や助産師外来は安全に行えることを示せたと思う」と話している。
院内助産 医師不足対策として、2008年に厚生労働省が打ち出した「医療確保ビジョン」に、助産師外来と共に普及が盛り込まれた。同省によると11年現在で院内助産は160施設、助産師外来は894施設で実施されている。

iPS細胞 大量の肝細胞の製造方法を開発 阪大など

毎日新聞社 2013年10月4日(金) 配信
iPS細胞:大量の肝細胞の製造方法を開発--阪大など
 大阪大と医薬基盤研究所(大阪府茨木市)は3日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から肝臓の細胞を大量に効率よく作る方法を開発したと発表した。肝臓の細胞は新薬の開発で毒性を調べる際に使われ、開発を安価に早く行うのに役立つという。同日付の米科学誌「ステムセル・リポーツ」に掲載される。
 肝臓の細胞は新薬の毒性試験や肝細胞移植に利用され、現在はヒトの培養細胞が使われている。しかし、大量に必要なうえ高価で、iPS細胞から作る場合も手間がかかり、増殖が難しかった。
 大阪大の水口裕之教授(基盤研招聘(しょうへい)プロジェクトリーダー併任)らの研究チームは、肝臓の細胞のもとになる「肝幹前駆細胞」に注目。まずiPS細胞からこの細胞を作り、「ラミニン111」というたんぱく質の上で培養すると、そのまま100億倍に増やせることを発見した。
 また、人工的に肝臓を病気にしたマウスに肝幹前駆細胞を移植すると、肝臓の機能が回復したという。【斎藤広子】

時差ぼけしないマウス 防止薬開発に期待、京大

共同通信社 2013年10月4日(金) 配信
 時差ぼけをしないマウスを京都大などのチームが遺伝子操作で作ることに成功し、3日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。
 時差ぼけが起きる分子レベルのメカニズム解明に迫る成果で、チームは「時差ぼけにならない薬の開発につながるかもしれない」としている。
 脳内の視交叉(しこうさ)上核は、ほぼ24時間周期の体内リズムをつかさどる。チームは、視交叉上核の神経細胞から出る神経伝達物質バソプレシンを働かないようにしたマウスを遺伝子操作で作製した。
 そして午前8時から午後8時までを明るく、それ以外の時間を暗くした室内で2週間飼育した後、午前0時から正午までを明るくする環境に突然切り替えることで、「時差」をつくり出した。
 すると普通のマウスでは新しい環境に適応した生活を始めるまでに約10日かかったが、バソプレシンが働いていないマウスは翌日から順応して生活を始めた。視交叉上核でのバソプレシンの働きを抑える薬剤を与えたマウスも順応が早かった。
 チームは、もともとの体内リズムを保つバソプレシンが働かなくなることで、周囲の明るさなどの環境に適応しやすくなったとみている。
 チームの岡村均(おかむら・ひとし)教授(時間生物学)は「マウスは夜行性だが、人間もマウスと同じような仕組みで時差ぼけになると考えられる」と話している。

ワクチンで百日ぜき防止を 米研究チームが発表

共同通信社 2013年10月4日(金) 配信
 【ボルティモア(米メリーランド州)UPI=共同】米カリフォルニア州で2010年に1947年以来最大の9120件もの百日ぜき患者が発生した原因について、米ジョンズ・ホプキンス大の研究チームは、ワクチン接種を拒否したことが大きな要因だったと明らかにした。
 同チームは、05~10年の幼稚園入園前の幼児へのワクチン接種を非医学的理由で除外した39例と、百日ぜき大量感染の2例を検討した。
 この結果、接種対象から除外された幼児の感染率が、その他の百日ぜき感染率を2・5倍も上回った。
 同グループは、はしかや百日ぜきなど感染率の高い病気の場合、ワクチン接種対象外の幼児などを除き、95%以上の人はワクチン接種によって感染を防止できると推定している。

がん浸潤の原因たんぱく質を発見…阪大教授ら

読売新聞 2013年10月4日(金) 配信
 がんが周囲の正常組織に広がる「浸潤」を引き起こす新たなたんぱく質を、石井優(まさる)・大阪大教授らがマウスの実験で発見したと、3日から横浜市で始まった日本癌(がん)学会で発表する。
 石井教授は「このたんぱく質を抑えれば、がんが縮小することも確認した」と話し、様々な種類のがん治療薬の開発につなげたいという。
 石井教授らは、生きている臓器でがん細胞がどのように動くかを観察できる画像装置を開発し、人間の大腸がんの細胞をマウスに移植して浸潤する様子を調べた。浸潤していくがん細胞の先端部のほとんどが分裂の盛んなタイプであることが分かった。
 分裂の盛んながん細胞では、今回見つけたたんぱく質が多いほか、人間でも進行の進んだがん細胞ほど、このたんぱく質が多くなることも突き止めた。細胞内でこのたんぱく質が増えないようにする薬をマウスに与えると、がんの大きさが半減し、浸潤が抑えられることも確かめた。
 今回見つけたたんぱく質の特許申請を進めるとともに、約4万種類の候補物質から、このたんぱく質の働きをより抑える物質の探索を始めている。
 公益財団法人がん研究会がん化学療法センターの藤田直也副所長の話「生きたまま臓器の奥まで観察できる画像装置を使っており、研究の精度が高い。見つけたたんぱく質を抑える物質は、大腸がんなどの浸潤や転移を抑える薬として有望だ」

脊柱側彎症重症化の遺伝子領域を発見

読売新聞 2013年10月3日(木) 配信
 理化学研究所と慶応大整形外科のグループは、思春期に起きる原因不明の脊柱側彎そくわん症の重症化に関わる遺伝子領域を発見したと発表した。
 脊柱側彎症は、背骨が横にねじれて「く」の字に曲がる病気。思春期に発症するタイプが最も多く、日本人の約2%に起きるとされる。湾曲がごく小さければ治療の必要はないが、大きければ手術が必要になる。これまでいくつかの原因遺伝子が発見されたが、同じ遺伝子変異があっても、重症化する人としない人がいることがわかっている。
 研究チームでは、40度以上の湾曲がある比較的重度の患者に限定し、全遺伝情報(ゲノム)を解析。17番染色体上の側彎症を起こす遺伝子の近くの領域に変異を発見した。この変異が重症化に関わっている可能性があるという。
 研究チームの慶応大整形外科准教授、松本守雄さんは「重症度が予測できれば早くに治療方針が決まり、患者さんの負担も減る。さらに研究を進め、原因遺伝子と今回の変異の関係を解明したい」と話している。

人工細胞を作製 子孫残しやすく進化

共同通信社 2013年10月4日(金) 配信
 天然の細胞と同じように遺伝子を複製し、子孫を残しやすいように遺伝子が変化する人工細胞を大阪大のチームが作製し、3日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した。
 変化を直接観察できるため、生命の初期進化解明の手掛かりになると期待される。四方哲也(よも・てつや)教授(実験進化学)は「初期生命のように、無生物の材料から生物世界に最初の一歩を踏み入れつつある」と話した。
 チームが使ったのはウイルスの遺伝情報、リボ核酸(RNA)を複製する酵素を作る遺伝子。酵素の材料のアミノ酸など約100種類の物質を含んだ水溶液と鉱物油を混ぜ、鉱物油中に、水滴でできた直径約2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の人工細胞を作った。
 この人工細胞の中では、RNAを基に酵素が作られ、酵素はRNAを複製する、というウイルスに感染した天然の細胞内と同じ反応が継続。
 2時間ごとに必要な栄養を与えてかき混ぜる作業を180回行うと、分裂した細胞内に残ったRNAに、38カ所の突然変異が起きていた。この変異は、子孫を残しやすくするもので、子孫のRNAを増やす能力も、元のRNAより約30倍上がっていた。

肺気腫発症の仕組み解明 近畿大、治療に期待

共同通信社 2013年10月4日(金) 配信
 たばこを吸うとリスクが高まり、呼吸が苦しくなる肺の病気「肺気腫」の詳しい発症メカニズムを近畿大や広島大のグループが突き止め、3日発表した。治療薬の開発に役立つとしている。
 肺気腫は呼気から血管に酸素を受け渡す肺胞が壊れ、呼吸が難しくなる。肺気腫や慢性気管支炎は慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)と呼ばれ、国内の患者は500万人以上、年間の死者は約1万5千人と推計されている。
 これまでの研究では、たばこに含まれる有害物質がタンパク質分解酵素の働きを活発にし、肺胞の細胞が死んでしまうことが分かっていたが、酵素が何にどう作用するのかは不明だった。
 近畿大医学部の伊藤彰彦(いとう・あきひこ)教授らは、がんの手術の際に採取した、肺気腫患者とそうでない人の肺組織を比較。患者の肺胞では、細胞をつなぎ合わせる接着剤の役割を果たすタンパク質が、酵素によって切断されていたことが明らかになった。
 さらに、切断されたタンパク質の破片が細胞内の小器官に蓄積し、肺胞の細胞が死滅するきっかけになっていた。
 肺気腫はたばこをやめた後も症状が進むとされ、根本的な治療法は見つかっていない。伊藤教授は「酵素の働きや、タンパク質の蓄積を薬剤で邪魔できれば進行を止められるのではないか」と話した。研究成果は英医学誌電子版に掲載された。
※英医学誌はソラックス

肺の一部、子どもに移植へ 脳死で基準見直し

共同通信社 2013年10月3日(木) 配信
 移植医などでつくる厚生労働省の作業班は2日、脳死した人の肺の一部を切除して、体格の小さな人や子どもの患者などに移植できるよう患者の選択基準を見直すことを決めた。厚労省は年内に臓器移植委員会で了承を得た上で早期運用を目指す。同省は肺移植が年間数件増えるとみている。
 これまでは肺の大きさが一致することが移植を受ける候補者の条件だった。医療技術の進歩で、臓器提供者の肺が大きくても炎症部分などを切除して安全に移植できる場合があり、日本呼吸器外科学会が制度の見直しを要望していた。
 見直し案では、提供者の肺が大きくても、血液型が合えば移植候補者リストに加える。これにより、体格の大きな人から小さな患者や、大人から子どもへの移植が可能になる。
 厚労省によると、今年3月までに検証が終わった150例の脳死移植のうち、139例で肺の提供の承諾があった。このうち68例は、肺炎などの影響から両肺または片肺の移植を断念した。
 肺移植では7月、岡山大が母親の肺の一部「中葉」を男児に生体移植することに成功。子どもへの移植の選択肢を広げるとして注目を集めた。

別の出生前診断を臨床研究 血液と超音波で検査

共同通信社 2013年10月3日(木) 配信
 胎児にダウン症などの染色体異常があるかどうかを妊娠初期に調べる出生前診断の新たな方法を、昭和大と国立成育医療研究センターなどが臨床研究として10月中にも始めることが3日、分かった。妊婦の血液検査と胎児の超音波検査を組み合わせる。
 今春始まった「新出生前診断」は妊婦の血液だけの検査だが、対象は高齢妊娠に限られ費用は21万円。今回の方法は2万5千円で、年齢制限はない。ただ異常を見つける精度は、「新出生前診断」より低いという。
 同センターによると、今回の方法は欧米では広く行われている。ダウン症は83%、18番染色体が3本ある18トリソミーは80%の確率で検出できるとのデータがある。
 検査は妊娠11週以降という比較的早い段階から可能。染色体異常の胎児は首の後ろが膨らむことがあり、これを超音波検査で確認する。血液検査では、母体血清マーカーで特定のタンパク質を調べる。
 「新出生前診断」は、妊婦の血液を採取し、中に含まれる胎児のDNA断片を解析する。精度はより高く、妊娠10週から受けられる。
 いずれも結果は染色体異常の可能性を示すにとどまり、診断の確定には羊水検査などが必要。
 同センターの左合治彦(さごう・はるひこ)周産期センター長は「今回の検査は国内の一部の施設が既にやっている。広く実施される場合に対応できるよう準備するのが目的だ」としている。

涙や唾液作る機能を再生 マウス、胎児の細胞で

共同通信社 2013年10月2日(水) 配信
 マウスの胎児から採取した細胞を使い、大人のマウスの涙腺や唾液腺を再生する実験に、東京理科大の辻孝(つじ・たかし)教授らが成功、1日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。
 目の表面を守る涙が減って視力低下を招くドライアイや、唾液が出にくくなり虫歯や味覚障害などを引き起こすドライマウスの根本治療につなげたい考え。
 ただ、人に応用する場合、胎児から細胞を取るわけにはいかないため、同様の細胞を人工多能性幹細胞(iPS細胞)で作製する方法を開発する必要があるという。
 チームは、胎児から「上皮細胞」「間葉細胞」と呼ばれる細胞を集め、体外で培養し、涙腺と唾液腺になる細胞の塊を作製、涙腺や唾液腺のない大人のマウスに移植した。30日後までには天然の組織と同じような構造ができ、涙や唾液を運ぶための体内にある管とつながった。
 涙腺は神経ともつながり、目に冷たい刺激を与えると涙が出た。涙が目の表面を保護する機能も確認できた。唾液も舌への酸っぱい刺激に反応して分泌され、口の中の殺菌や、食べ物を飲み込むのを助けるなど本来の働きを示した。
 辻教授らはこれまで、同様の方法で歯や毛の作製に成功している。

不適切な研究118件 全国の自主点検で

共同通信社 2013年10月1日(火) 配信
 厚生労働省は30日、全国の大学や特定機能病院が実施した臨床研究の自主点検で、国の倫理指針を守らなかったなどの不適切事例が118件、見つかったとの調査結果をまとめた。
 降圧剤ディオバンを使った臨床研究問題を受け、同省は117機関に対し、2009年4月以降に始まった研究について点検を求めていた。
 計2万4414件の研究中、不適切な点があったのは118件。うち103件が指針違反で、研究機関の代表者に対する進行状況の報告を忘れたり、研究開始時に内容を公開のデータベースに登録していなかったりしていた。
 企業と研究者の関係の透明性を確保するための内部委員会に申告し忘れた例も14件あった。

早発閉経 初の出産 患者の卵子のもと、成熟させ体外受精 不妊治療に道 聖マリアンナ医大

毎日新聞社 2013年10月1日(火) 配信
早発閉経:初の出産 患者の卵子のもと、成熟させ体外受精 不妊治療に道--聖マリアンナ医大
 妊娠が難しい「早発閉経」の患者から卵巣を摘出し、その中の卵子のもとになる細胞を卵子に成熟させる方法で、日本人患者1人が世界で初めて出産したと、聖マリアンナ医大など日米のチームが30日付の米科学アカデミー紀要で発表した。臨床研究として実施した。早発閉経患者の妊娠への道を開く治療法として注目される。
 研究で用いた卵子のもとになる細胞は「原始卵胞」。女性の卵巣には、思春期に約50万個の原始卵胞があり、毎月成熟した1個が排卵される。閉経時は数千個に減る。早発閉経は、卵巣機能の低下によって40歳未満で排卵が止まり、月経がなくなる病気で、女性の約1%が発症し、国内の患者数は推計10万人に上る。
 聖マリアンナ医大の河村和弘准教授(産婦人科学)らのチームは、20代後半~40代前半の早発閉経患者27人の卵巣を腹腔鏡(ふくくうきょう)手術で取り出し、液体窒素(氷点下196度)で急速冷凍して保存。そのうち原始卵胞が残っていた13人について、解凍した卵巣の切片を2日間培養した。成熟前の原始卵胞は休眠状態にあり、チームは原始卵胞の目覚めを促す物質を加えた培養液を使った。
 培養後、卵子の成熟に適した卵管付近に移植し、数週間~約1年後に5人から成熟した卵子を採取できた。体外受精の一つ、顕微授精で受精卵を作り、子宮へ戻した3人中2人が妊娠、うち1人が男児を出産した。出産した女性は29歳で卵巣を摘出、出産時は31歳だった。赤ちゃんや胎盤に異常は見つかっていない。【須田桃子】
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 ■解説
 ◇対象患者の見極め確立を
 早発閉経は不妊治療を受けても妊娠が難しいことが多く、卵子の提供を受ける不妊治療に望みを託す患者は多い。日本でも、2008年から不妊治療クリニックのグループが早発閉経などの患者を対象に提供卵子による不妊治療を始め、今春にはボランティアからの卵子提供をあっせんする事業を民間団体が始めた。だが、現状では提供を受けられる患者は少なく、実施要件などの公的ルールがないなど課題も多い。
 今回の聖マリアンナ医大などの成果は、自分自身の卵子で妊娠を望む患者の新たな希望となる。ただし、卵巣を摘出した27人のうち卵子を得られたのは5人、出産は1人と、成功率は高くない。過大な期待を防ぐため、対象患者を見極める手法の確立が求められる。
 そもそも閉経から時間がたつほど卵巣内の原始卵胞が減り、この方法でも妊娠は難しくなる。また、卵巣を取り出し、人為的に卵子の成熟を促すことが、子どもの発育に影響を及ぼさないか、長期的な調査が必要だろう。
 チームは論文で、加齢で妊娠できなくなった女性にも、この手法を応用できるとする。その場合も、高齢妊娠・出産のリスクは消えない。対象の拡大には慎重な議論が求められる。【須田桃子】

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