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医療情報83

医療情報82
20140216~

PM2・5、1個ずつ分析 新型顕微鏡、発生源識別も

共同通信社 2014年2月28日(金) 配信

 大気中を漂う微小粒子状物質PM2・5の成分や内部構造を1個ずつ分析できる新型の顕微鏡を開発したと、工学院大の坂本哲夫(さかもと・てつお)教授(表面分析化学)の研究グループが27日、発表した。

 これまでの方法では、集めた粒子を溶かして平均の成分を調べることしかできず、粒子ごとの特徴は分からなかった。中国や日本などの発生源の識別やその分量比の解明、人体への有害度を調べるのに役立つという。

 グループは、直径が2・5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下のPM2・5を1個ずつ調べるため、分析用のイオンビームを0・04マイクロメートルまで細くする技術を開発。このビームを当てて、粒子表面にどのような元素が分布しているかを画像化することに成功した。ビームで粒子表面を削り、内部を調べることも可能になった。

 日本の大気汚染源の影響を受けにくい長崎県・福江島で採取したPM2・5の粒子を解析した結果、石炭の燃焼で出る炭素のすすが含まれる場合が多いことが分かった。中国から飛来するPM2・5の特徴とみなせる可能性がある。

 また、中国内陸部から飛来した黄砂の粒子を調べると、無害な砂粒の表面に、オイルや炭素のすす、硫酸塩がくっついていた。日本に届くまでに中国の工業都市の上空を通り、付着したとみられるという。

脳梗塞の再発予防薬、認知症の進行抑制、血流増やし、たんぱく質排出

毎日新聞社 2014年2月27日(木) 配信

認知症:脳梗塞の再発予防薬、進行抑制 血流増やし、たんぱく質排出

 国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の猪原匡史(いはらまさふみ)医長らは、脳梗塞(こうそく)の再発予防薬「シロスタゾール」に、認知症の一種のアルツハイマー病の進行を抑える効果があることが分かったと発表した。27日付の米オンライン科学誌プロスワンに掲載された。軽度の場合に有効といい、アルツハイマー病の進行予防薬としても使えるよう、臨床試験(治験)を今秋にも始める。

 シロスタゾールは血管を広げて脳の血流を増やす効果がある。認知症は、脳の血管や神経細胞に障害が起こり、記憶力など認知機能が低下する。アルツハイマー病は、異常なたんぱく質が脳内に蓄積するとされる。アルツハイマー病の治療薬は、症状の進行を遅らせる「アリセプト」(一般名・ドネペジル塩酸塩)など4種類だけで、進行を根本的に止める方法は見つかっていない。

 猪原医長らは、兵庫県洲本市内の病院との共同研究で、1996~2012年のアルツハイマー病患者を調査。軽度の患者だと、認知機能テスト「MMSE」の点数が低下(悪化)する速さが、アリセプトを服用した36人(平均年齢78・4歳)は年平均2・2点だったが、脳梗塞予防のためシロスタゾールを併用していた34人(同77・2歳)は平均0・5点だった。

 猪原医長は「シロスタゾールで脳の血流が良くなり、たまった異常なたんぱく質が外に排せつされて、認知症の進行を抑制したのではないか」とみている。【斎藤広子】

難病予防の新手法を議論 米FDA、慎重論相次ぐ

共同通信社 2014年2月27日(木) 配信

 【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)は26日までに、遺伝性の難病ミトコンドリア病が子どもに伝わるのを防ぐため、異常の恐れがある受精卵や卵子から核を取り出し、健康な卵子に移植する臨床研究を認めるかどうかの議論を始めた。

 FDAの諮問委員会が25、26日に開いた公聴会では、生まれる子どもへの影響が未知数だとして慎重な意見が相次いだ。諮問委は意見を踏まえ、FDAへの科学的勧告をまとめる。

 この病気は、卵子の細胞質に含まれるミトコンドリア遺伝子の異常が原因で、発症すると全身の臓器の働きが失われることがある。研究者らは、健康なミトコンドリアを持つ卵子の提供を受けて核を取り除き、この遺伝子に異常がある女性の卵子や人工授精後の受精卵から取り出した核を移植すると、異常なミトコンドリアを正常なものと"交換"した状態になり、子どもに異常が伝わるのを防げると想定。英国では政府の研究規制機関が認可し、臨床研究の準備が進められている。

 ただクローン技術に似た手法のため人への応用には倫理的課題が多い。米メディアは、望ましい子どもをつくる「デザイナーベビー」につながるとの懸念や、父母の染色体遺伝子と卵子を提供した女性のミトコンドリア遺伝子を持つため子どもに「3人の親」がいることになるなど、批判的な専門家の声を伝えた。

##私のレーベル視神経萎縮もミトコンドリアの異状による遺伝性疾患ですが、男に出やすい病気なので、事前に母親が認識して、こんな処置をできるかです。判らなければやらないでしょう。

脳梗塞薬、認知症に効果 進行遅らせる働き

共同通信社 2014年2月27日(木) 配信

 脳梗塞の予防に使う薬剤「シロスタゾール」に、軽度認知症の進行を遅らせる働きがあることを国立循環器病研究センター(大阪府)の猪原匡史(いはら・まさふみ)医長(脳神経内科)らのチームが発見し、米オンライン科学誌プロスワンに27日発表した。認知症を引き起こす脳内の老廃物の排せつを良くするとみられるという。

 記憶力が低下するなどの軽度認知障害(MCI)の国内推定患者は約400万人で、5年以内に半分がアルツハイマー病などの認知症になるとのデータがある。今回はカルテ記録による研究で、今秋にもMCI患者での臨床研究を三重大や京都大、神戸大など医療機関と共同で始める予定だ。

 認知症患者は血管の病気を併発することが多い。チームは、シロスタゾールが血管を広げ、脳内の血流を良くすることに着目。アルツハイマー病患者で認知症の薬のほかに、シロスタゾールを飲んでいる人と飲んでいない人とで認知機能の低下に差があったかどうかを、問診により30点満点で点数化する検査をした。

 その結果、社会生活がかろうじてできる患者のうち、服用していない36人は1年で平均2・2点下がったが、服用した34人は平均0・5点しか下がらなかった。改善した検査項目もあった。病状が進んだ患者では効果は見られなかった。

 チームはアルツハイマー病の症状が出るマウスで、シロスタゾールが脳の老廃物の排せつを進めることを発見している。

血管に良いと脳にも良い 関係者談話

共同通信社 2014年2月27日(木) 配信

 研究を主導した猪原匡史(いはら・まさふみ)国立循環器病研究センター医長の話 シロスタゾールは血管に作用し、老廃物が脳から出るのを促しているとみられる。近年、英国では生活習慣などを通じて血管の状態を管理することで、認知症の発症者を減らすのに成功した。血管に良いことは脳にも良い。将来的には、認知症の進行を抑える薬剤として、シロスタゾールが保険適用されるようにしたい。

iPSでパーキンソン病治療へ、京大が臨床申請

読売新聞 2014年2月27日(木) 配信

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使ったパーキンソン病治療の臨床研究に向け、京都大が今年6月にも、再生医療安全性確保法(昨年11月成立)に基づく第三者審査委員会の設置を厚生労働省に申請することがわかった。

 新法に沿った初の臨床研究の手続きで、再生医療のモデルとなる。

 パーキンソン病は、脳の「黒質」と呼ばれる部分で、神経伝達物質のドーパミンを放出する神経細胞が減少することで発症する。手足の震えや歩行障害などの症状が出る。

 京大iPS細胞研究所の高橋淳教授(52)らの研究グループは、人のiPS細胞からドーパミンを分泌する神経細胞を大量作製することに成功。パーキンソン病のサルの脳に移植する実験で効果を確かめた。

 臨床研究は、同研究所と京大病院が連携して行う。計画では、患者6人の血液細胞からiPS細胞を作り、それぞれ数千万個の神経細胞に変化させ、患者の脳に移植する。移植後の1年間は経過を観察し、安全性を確認する。

 第三者委員会は、再生医療を行う医療機関などに設置が義務づけられた。従来の倫理委員会とは別組織で、再生医療に関する臨床研究の安全性を審査する。

 正式な設置基準は、6月に示される見込みで、新法が施行される今年11月より前に設置できる。

 京大によると、手続きが順調に進んだ場合、来年1月ごろから第三者委員会による審査が始まる見通し。これを通過すれば、厚労相の承認を経て、早ければ来年夏には臨床研究に着手できるという。ただ、患者の選定に時間が必要で、細胞の培養などに最短でも9か月はかかるため、移植手術の実施は16年になる見込み。

「自然免疫」つかさどる遺伝子発見

毎日新聞社 2014年2月27日(木) 配信

MEMO:「自然免疫」つかさどる遺伝子発見

 生物がウイルスなどから自らを守るために生まれつき持っている「自然免疫」をつかさどる遺伝子を、東京大の秋光信佳准教授らのチームが突き止めたと、米科学誌モレキュラー・セル(電子版)に発表した。自然免疫が過剰に活発化するとリウマチなどを起こす。感染症対策や自己免疫疾患の治療法開発に役立つ可能性があるという。

 人間には2万数千個の遺伝子があるが、予想より少なかったために、リボ核酸(RNA)にも同様の働きがあるのではないかとして、機能を解明する研究が盛んだ。

 マウスをインフルエンザウイルスに感染させると、未感染マウスに比べてRNAの一種「NEAT1」が約4倍に増えていたほか、機能性分子として働き、ウイルスの増殖を抑えていた。人の細胞でもNEAT1を増やすと、同じような効果があった。NEAT1が増えると、ウイルスを攻撃する免疫細胞「マクロファージ」が働き出していたことから、秋光准教授は「NEAT1がマクロファージのスイッチ役を担っている」と話す。【渡辺諒】

マダニ感染症、全国に分布 草木の多い場所は注意を

共同通信社 2014年2月26日(水) 配信

 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」のウイルスが、これまで患者の報告例がある西日本だけでなく、北海道や東北、関東も含む計23道府県で採取されたマダニからも見つかったことが25日、厚生労働省研究班の調査で分かった。

 厚労省は「全国に広く分布していると考えられ、草や木の多い場所に入る際は肌を出さないよう注意してほしい」と呼び掛けている。

 研究班が26道府県で植物やシカに付着したマダニを調べたところ、これまでに患者が報告されている9県のほか、北海道、岩手、宮城、栃木、群馬、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、和歌山の14道府県でウイルスが確認された。

 またシカの血液を調べたところ、患者報告のない宮城、長野、静岡、三重、滋賀、京都、和歌山、福岡の8府県でも、ウイルスの感染歴を示す抗体が確認された。

 SFTSはウイルスを持つマダニにかまれることで感染し、発熱や嘔吐(おうと)、下痢などを発症。白血球や血小板の減少もあり、重症化すると死亡することもある。これまでに近畿、中国、四国、九州など、西日本の13県で53人の患者が報告され、うち21人が死亡している。

がんのリスク、生活習慣病より低く 福島・避難区域の隣接地調査

京都新聞 2014年2月26日(水) 配信

 東京電力福島第1原発事故の避難区域に隣接する地域の2012年夏以降のがん発症リスクが放射線量調査に基づく評価で肥満など生活習慣の影響より低い結果になったと、京都大などのグループが25日に米国科学アカデミー紀要で発表する。ただ、除染されていない森林などへの立ち入りで大幅に高い外部被ばく量になる傾向が見られ、グループは「局所的に放射線量が高いホットスポットはどこにあるか分からない。注意が必要だ」としている。

 原発事故の約1年半後の2012年8月から2カ月間、福島第1原発から20~50キロの福島県の川内村、相馬市玉野地区、南相馬市原町区で調査した。この地域は「居住制限区域」や「避難指示解除準備区域」に隣接する。グループは、京大の小泉昭夫医学研究科教授や石川裕彦防災研究所教授、京都光華女子大や京都文教大などの管理栄養士ら。

 住民459人の外部被ばく量や同125人の食事による内部被ばく量、粉じん吸入による内部被ばく量をセシウムやストロンチウムの一部で測定したところ、事故の影響による12年の年間総被ばく量の推計は0・89~2・51ミリシーベルトになった。国内の自然放射線による被ばく量は年間2・09ミリシーベルトと考えられている。全被ばく量のうち外部被ばくが占める割合が99・5%を超えていた。

 測定結果に基づき、がんの発症リスクを計算。最も高かった相馬市で12年に1歳から現地に住み続けた場合、男性で自然発生率(43・92%)の0・71ポイント増の44・63%、女性で同(31・76%)の1・06ポイント増の32・82%になった。増加分は肥満や運動不足などで上乗せするリスク(2~9ポイント)の方が高かった。

 小泉教授は「放射性物質のプルトニウムやストロンチウムによる影響を測定する国際的な共同研究を行い、より精度の高い推計をしたい」と話している。

神経障害性疼痛 酵素が関与 九大チーム 原因特定、治療薬開発へ道

西日本新聞 2014年2月26日(水) 配信

 九州大大学院歯学研究院の研究チームは20日、がんや外傷で鎮痛剤が効かなくなる神経障害性疼痛(とうつう)について、脾臓(ひぞう)内のタンパク質分解酵素「カテプシンS」の増加によって痛みが慢性化することを、マウスの実験で突き止めたと発表した。同疼痛は国内に数百万人の患者がいるとされるが特効薬がなく、治療薬の開発につながる可能性がある。

 19日付の米神経科学会誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」(電子版)に掲載された。

 同疼痛は、がんや糖尿病、外傷などで神経が直接傷つけられて起こる痛み。衣服などに触れるだけでも激痛が走り、モルヒネも効かないという。

 同研究院の中西博教授(薬理学)らは、普通のマウスやカテプシンSを取り除いたマウスなどを使って実験。脾臓内でカテプシンSが増加すると、リンパ球の一種である「T細胞」が活性化し、血流とともに脊髄に入り込むことで炎症の原因物質が放出され、痛みが慢性化することを裏付けた。

 中西教授らは今後、同疼痛患者の血液や唾液を使い、人間にも応用できるか研究を進める方針。中西教授は「カテプシンSを抑制する薬を開発することで、神経障害性疼痛患者の治療が進む可能性がある」としている。

4都県でも耐性ウイルス H1N1型インフル

共同通信社 2014年2月26日(水) 配信

 国立感染症研究所は25日、タミフルやラピアクタなどの抗ウイルス薬に耐性を持つH1N1型のインフルエンザウイルスが、新たに東京、静岡、兵庫、愛媛の4都県で見つかったと発表した。

 これまでに北海道、山形、神奈川、三重、大阪でも見つかっており、調査した621株のうち約7%に当たる41株が耐性ウイルスだった。

 薬が効きにくい耐性ウイルスが増えると、重症患者の治療や感染拡大を防ぐのが難しくなる恐れがあり、厚生労働省は「耐性ウイルスがどの程度含まれているのか、まん延状況を注視していく」としている。

はしかの海外感染急増 今年に入り100人超 予防接種呼び掛け

共同通信社 2014年2月26日(水) 配信

 海外ではしかのウイルスに感染し、帰国後に発症するケースが急増している。国立感染症研究所が25日に発表した今年の患者数は1カ月半余りで103人に上り、昨年1年間の232人の半数に迫る勢いだ。専門家は、はしかと風疹の混合ワクチン(MRワクチン)の接種を呼び掛けている。

 感染研によると、はしかは感染力が非常に強いウイルスが原因で、せきなどのしぶきや接触によって感染する。高熱や全身の発疹が特徴で、患者の約3割が肺炎や腸炎などで入院する。2歳以下で感染すると、2~10年の潜伏期間を経て、歩行障害や脳の障害などを伴う亜急性硬化性全脳炎を発症する危険性が高まる。大流行した2008年には約1万1千人の患者が報告された。

 今年のはしかの患者数は2月19日までに103人。ウイルスを分析した24人のうち、20人からフィリピンで流行している型を検出、そのうち12人はフィリピンへの渡航歴があった。発症者の約6割は予防接種を受けていなかった。

 地域別では、京都府が20人で最も多く、千葉県(13人)、埼玉県(12人)、神奈川県(10人)と続いた。

 1歳と小学校入学前1年間の計2回の予防接種が無料だが、昨年4~9月の半年間の接種率は59%にとどまる。

 感染研の多屋馨子(たや・けいこ)・感染症疫学センター室長は「アジアなどの流行地域に行く前には、ワクチンを接種してほしい。海外からウイルスが入ってきても国内で広がらないように、接種率を高めておくことも重要だ」と話している。

はしか流行の恐れ 海外で感染、帰国後発症

毎日新聞社 2014年2月25日(火) 配信
はしか:流行の恐れ 海外で感染、帰国後発症
 国立感染症研究所は25日、今年のはしかの患者数が今月19日までに103人になり、前年同時期の3・2倍に上ったと発表した。既に前年1年間の患者232人の半数近くに達し、今後流行する恐れがある。今季は、フィリピンなど海外で感染し、帰国後に発症する患者が目立つという。同研究所は予防接種の徹底を呼び掛けている。
 同研究所によると、今年1月から今月6日までに、はしかが流行しているフィリピンなどから帰国した人のうち、少なくとも15人が発症した。海外から帰国して発症した患者から、周囲の免疫がない人に感染が拡大している恐れがある。
 はしかは感染力が強く、手洗いやマスクでは予防できないが、風疹と合わせた混合(MR)ワクチンが有効だ。だが、今年感染した患者の6割余りが予防接種を受けていなかった。
 1回の接種では十分に免疫がつかないケースもあり、2006年以降は2回接種になったものの、成人は1回以下の人が多いとみられる。同研究所の多屋馨子・感染症疫学センター室長は「感染したことのない人は予防接種を受けてほしい。初期症状がインフルエンザと似ているので、医療機関は患者の渡航歴を確認するなどの注意が必要だ」と話す。【奥山智己】

マダニ感染症、全国に分布 草木の多い場所は注意を

共同通信社 2014年2月26日(水) 配信
 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」のウイルスが、これまで患者の報告例がある西日本だけでなく、北海道や東北、関東も含む計23道府県で採取されたマダニからも見つかったことが25日、厚生労働省研究班の調査で分かった。
 厚労省は「全国に広く分布していると考えられ、草や木の多い場所に入る際は肌を出さないよう注意してほしい」と呼び掛けている。
 研究班が26道府県で植物やシカに付着したマダニを調べたところ、これまでに患者が報告されている9県のほか、北海道、岩手、宮城、栃木、群馬、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、和歌山の14道府県でウイルスが確認された。
 またシカの血液を調べたところ、患者報告のない宮城、長野、静岡、三重、滋賀、京都、和歌山、福岡の8府県でも、ウイルスの感染歴を示す抗体が確認された。
 SFTSはウイルスを持つマダニにかまれることで感染し、発熱や嘔吐(おうと)、下痢などを発症。白血球や血小板の減少もあり、重症化すると死亡することもある。これまでに近畿、中国、四国、九州など、西日本の13県で53人の患者が報告され、うち21人が死亡している。

がんのリスク、生活習慣病より低く 福島・避難区域の隣接地調査

京都新聞 2014年2月26日(水) 配信
 東京電力福島第1原発事故の避難区域に隣接する地域の2012年夏以降のがん発症リスクが放射線量調査に基づく評価で肥満など生活習慣の影響より低い結果になったと、京都大などのグループが25日に米国科学アカデミー紀要で発表する。ただ、除染されていない森林などへの立ち入りで大幅に高い外部被ばく量になる傾向が見られ、グループは「局所的に放射線量が高いホットスポットはどこにあるか分からない。注意が必要だ」としている。
 原発事故の約1年半後の2012年8月から2カ月間、福島第1原発から20~50キロの福島県の川内村、相馬市玉野地区、南相馬市原町区で調査した。この地域は「居住制限区域」や「避難指示解除準備区域」に隣接する。グループは、京大の小泉昭夫医学研究科教授や石川裕彦防災研究所教授、京都光華女子大や京都文教大などの管理栄養士ら。
 住民459人の外部被ばく量や同125人の食事による内部被ばく量、粉じん吸入による内部被ばく量をセシウムやストロンチウムの一部で測定したところ、事故の影響による12年の年間総被ばく量の推計は0・89~2・51ミリシーベルトになった。国内の自然放射線による被ばく量は年間2・09ミリシーベルトと考えられている。全被ばく量のうち外部被ばくが占める割合が99・5%を超えていた。
 測定結果に基づき、がんの発症リスクを計算。最も高かった相馬市で12年に1歳から現地に住み続けた場合、男性で自然発生率(43・92%)の0・71ポイント増の44・63%、女性で同(31・76%)の1・06ポイント増の32・82%になった。増加分は肥満や運動不足などで上乗せするリスク(2~9ポイント)の方が高かった。
 小泉教授は「放射性物質のプルトニウムやストロンチウムによる影響を測定する国際的な共同研究を行い、より精度の高い推計をしたい」と話している。

神経障害性疼痛 酵素が関与 九大チーム 原因特定、治療薬開発へ道

西日本新聞 2014年2月26日(水) 配信
 九州大大学院歯学研究院の研究チームは20日、がんや外傷で鎮痛剤が効かなくなる神経障害性疼痛(とうつう)について、脾臓(ひぞう)内のタンパク質分解酵素「カテプシンS」の増加によって痛みが慢性化することを、マウスの実験で突き止めたと発表した。同疼痛は国内に数百万人の患者がいるとされるが特効薬がなく、治療薬の開発につながる可能性がある。
 19日付の米神経科学会誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」(電子版)に掲載された。
 同疼痛は、がんや糖尿病、外傷などで神経が直接傷つけられて起こる痛み。衣服などに触れるだけでも激痛が走り、モルヒネも効かないという。
 同研究院の中西博教授(薬理学)らは、普通のマウスやカテプシンSを取り除いたマウスなどを使って実験。脾臓内でカテプシンSが増加すると、リンパ球の一種である「T細胞」が活性化し、血流とともに脊髄に入り込むことで炎症の原因物質が放出され、痛みが慢性化することを裏付けた。
 中西教授らは今後、同疼痛患者の血液や唾液を使い、人間にも応用できるか研究を進める方針。中西教授は「カテプシンSを抑制する薬を開発することで、神経障害性疼痛患者の治療が進む可能性がある」としている。

4都県でも耐性ウイルス H1N1型インフル

共同通信社 2014年2月26日(水) 配信
 国立感染症研究所は25日、タミフルやラピアクタなどの抗ウイルス薬に耐性を持つH1N1型のインフルエンザウイルスが、新たに東京、静岡、兵庫、愛媛の4都県で見つかったと発表した。
 これまでに北海道、山形、神奈川、三重、大阪でも見つかっており、調査した621株のうち約7%に当たる41株が耐性ウイルスだった。
 薬が効きにくい耐性ウイルスが増えると、重症患者の治療や感染拡大を防ぐのが難しくなる恐れがあり、厚生労働省は「耐性ウイルスがどの程度含まれているのか、まん延状況を注視していく」としている。

はしか患者、今年に入り急増…昨年1年の約半数

読売新聞 2014年2月25日(火) 配信
 はしか(麻疹)の患者数が今年に入って急増し、すでに昨年1年間の半数近くに達していることが25日、国立感染症研究所のまとめで分かった。海外の流行国で感染して帰国後に発症するケースが目立っており、同研究所は予防接種を受けていない人へのワクチン接種を呼びかけている。
 はしかは2007年に高校・大学生らに流行。08年の患者数は1万1000人を超えたため、08-12年度の間、免疫が不十分だった若年層はワクチンを無料で接種できるようにした。その後、患者数は減り、昨年は232人となった。
 しかし、今年1月から2月16日までの患者数は、すでに103人。うち64%は予防接種をしていなかった。渡航歴が確認できた患者の3-4割は、フィリピンやインドネシアなど流行国へ行っていた。
 同研究所感染症疫学センターの多屋馨子室長は「感染を広げないために、ワクチンを接種したかどうか分からない人も、ぜひ接種してほしい」と話す。
 はしかは、せきやくしゃみの飛まつや、空気中のウイルスを吸い込むなどして感染し、39度前後の高熱や全身の発疹が出る。3-4割の患者は重症化し、肺炎や脳炎などで入院する。有効な治療薬はないが、ワクチンの接種で予防できる。

子宮頸部 胎児残し、がん切除 琉大病院が成功

琉球新報 2014年2月25日(火) 配信
 琉球大学は24日、同大学医学部付属病院産婦人科が、早期の子宮頸(けい)がんを患う30代の妊婦に、胎児を残したまま子宮の患部を切除する手術を実施し、成功したと発表した。手術は昨年8月に実施され、女性は1月に無事出産した。病院によると現在は母児とも退院し、健康で経過は順調だ。
 国内で同様の手術を受けて出産したのは、1例目の大阪大学医学部付属病院に次いで、琉大が2例目という。
 子宮頸がんは20~30代の若い女性に増えており、妊娠しやすい時期と重なる。県内でも子宮頸がんのタイプによっては、妊娠を継続したまま手術ができるようになり、治療の選択肢が広がった。
 同付属病院で手術を受けた女性は、妊娠14週で、がん細胞が子宮の深部に入り込む浸潤子宮頸がん(1B1期)が見つかった。17週で子宮頸部を広く摘出し、子宮体部と膣を縫い合わせる「広汎子宮頸部摘出術」を受けた。女性は今後も新たに妊娠、出産できる可能性があるという。
 妊娠中に子宮頸がんが見つかった場合、通常は妊娠を諦めて子宮を摘出する手術が標準治療だが、近年腫瘍の大きさが2センチ以下などを目安に、妊娠継続を望む人には、子宮と胎児を残す「広汎子宮頸部摘出術」ができるようになった。
 執刀医で同病院産婦人科の青木陽一教授は「妊娠中に子宮頸がんが見つかり、悩んでいる人にとって治療の選択肢になる」と話している。

多発性硬化症の新薬治験へ 精神・神経医療センター

共同通信社 2014年2月25日(火) 配信
 中枢神経を壊して、運動障害やしびれ、視力低下などを起こす難病の多発性硬化症(MS)を治療できる可能性のある薬剤を、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)が開発、3月から患者を対象とした治験を始めると24日発表した。
 9人の患者に3カ月間投与し、有効性が確認できれば大規模な治験を目指す。薬剤を開発したセンターの山村隆(やまむら・たかし)免疫研究部長は「予備的な研究で非常に良い結果が出ており、期待している」と話している。
 MSの患者は、世界では約200万人、国内では約1万5千人いるとみられる。若い女性に多く、現在も増えている。
 MSは免疫細胞のリンパ球(T細胞、B細胞)が自分の体を異物と誤認して攻撃する自己免疫疾患の一つ。リンパ球が神経細胞を攻撃し、炎症を起こさせて破壊する。
 山村部長が開発した薬剤は、合成糖脂質で免疫細胞の一種「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」を刺激して、リンパ球の攻撃を和らげたり、炎症を抑えるタンパク質を作らせたりする。
 治験では、粉末状の薬剤を水に溶かして飲んでもらうという。

第1子は糖尿病に注意? NZの小規模研究示す

共同通信社 2014年2月25日(火) 配信
 第1子は年下のきょうだいに比べ、糖尿病になるリスクが高い可能性がある。そんな研究をニュージーランド・オークランド大のチームが英科学誌サイエンティフィックリポーツに発表した。対象者は主にヨーロッパ系の50人と少ないので、より大規模な研究で裏付けられるか注目される。
 チームが調べたのは、体重が重い以外は健康上の問題がない中年男性(平均年齢45・6歳)で、第1子と第2子が26人対24人とほぼ半々。体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った肥満度を示す指数(BMI)は平均27・5だった。
 第1子と第2子の群で、身長と血圧、体脂肪率などに差はなかったが、体重は第1子の方が平均6・9キロ重く、BMIも1・6ポイント大きかった。
 また、空腹時にブドウ糖を与えて行うインスリン感受性試験の結果、第1子群の方が、感受性が33%低かった。インスリンは血糖値を下げる働きをするホルモンで、感受性が低いと血糖が高い状態が続き、糖尿病になりやすい。インスリン感受性の低さは、肥満でない中年男性でも高血圧や脳卒中、がんの危険因子になるといわれている。
 第1子のインスリン感受性の低さや肥満の危険性を示した研究はこれまでにもあったが、乳児期や10代までが中心で、中年以降の傾向は分かっていなかった。
 どんな仕組みが関与しているのかは謎だが、チームは出生前の胎内環境の影響があるのではと推定している。先進国を中心に子どもの数が減り、第1子の割合は増えるので、その健康上のリスクを理解することは重要だとチームは指摘する。

滋賀医大、名大も捜索 降圧剤データ操作事件

共同通信社 2014年2月25日(火) 配信
 降圧剤ディオバンの臨床研究データ操作事件で、東京地検特捜部が薬事法違反(誇大広告)の疑いで名古屋大と滋賀医大をそれぞれ家宅捜索したことが24日、大学関係者への取材で分かった。販売元のノバルティスファーマ(東京)、京都府立医大、東京慈恵医大、千葉大なども捜索している。
 これで臨床研究に関わった5大学全てが捜索対象になった。
 名古屋大は22日、滋賀医大は21日に捜索があった。
 京都医大と慈恵医大ではディオバンの臨床研究論文でデータ操作が発覚し、不正論文を2011~12年にディオバンの広告に利用したことが誇大広告に当たる疑いがあるとみられている。
 昨年12月の厚生労働省の検討委員会で、滋賀医大は「検証の結果論文は不適切だったと結論付けた」と、名古屋大と千葉大は「意図的に操作された形跡は見られなかった」と報告した。

原発事故、がん影響小さい 住民被ばく分析、京大

共同通信社 2014年2月25日(火) 配信
 東京電力福島第1原発事故の約1年半後に約2カ月間実施した周辺住民約460人の被ばく調査データを分析したところ、生涯にがんにかかる確率が最も増えたのは福島県相馬市の1歳女児で、1・06ポイント上がったとの推計結果が出たと、京都大や福島大などのチームが24日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。京大の小泉昭夫(こいずみ・あきお)教授(環境衛生)は「被ばくで確率はわずかに増えたが、健康への影響は小さい」と話している。
 チームによると、食事や粉じんに含まれる放射性物質を体内に取り込む内部被ばくと、森林や土壌などの環境から受ける外部被ばくの線量を実測し、がんにかかる確率を推計したのは初めて。
 調査は2012年8~9月、原発から20~50キロ離れた福島県川内村、南相馬市原町区、相馬市玉野地区で、3~96歳の男女を対象に実施。1歳、10歳、20歳の男女別に固形がんや白血病、乳がんについて、89歳までの生涯にわたる発症確率を分析した。
 固形がんで上昇ポイントが高かったのはいずれも玉野地区。1歳女児で、日本人の一般的な固形がんの発症確率は31・76%だが、これが1・06ポイント上がった。ほかに10歳女児で0・82ポイント、1歳男児0・71ポイント、20歳女性で0・59ポイント増えた。
 白血病はどの地域でも男女を問わず、発症確率の増加はほとんど見られなかった。乳がんでは玉野地区の1歳女児が0・28ポイントと最も高くなった。
 調査では空気中の1時間当たりの放射線量や3食の食事、粉じんの放射線量の測定結果から被ばく線量を算出した。

自己抗体できる仕組み解明 関節リウマチで、大阪大

共同通信社 2014年2月25日(火) 配信
 自分の体の細胞や組織を攻撃してしまう「自己抗体」が作られる仕組みを大阪大などの研究チームが解明し、24日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。自己免疫疾患である関節リウマチの治療薬開発や診断に役立つと期待される。
 チームは、異物を免疫細胞に教える「主要組織適合抗原複合体(MHC)クラスII」と、本来なら細胞内で分解されるはずの特定のタンパク質が結合したものに対し、自己抗体が作られると突き止めた。
 自己免疫疾患は免疫細胞の異常が原因とされてきたが、異なる仕組みだった。
 MHCクラスII.は、炎症が起きたりすると作られ、特定の型を持っていると、自己免疫疾患の発症リスクが高まることが知られている。
 チームの実験で、MHCIIクラスと特定のタンパク質が結合した複合体は、関節リウマチ患者の血液中にある自己抗体と結合した。実際に複合体が患者の関節にあることも確認できた。
 大阪大の荒瀬尚(あらせ・ひさし)教授(免疫学)は「他の自己免疫疾患でも仕組みは同じだとみられる。MHCクラスIIが作られないようにする薬ができれば、治療に役立つ」と話した。

米加州でポリオ似の疾患 渡航歴ない子どもたち

共同通信社 2014年2月25日(火) 配信
 【ロサンゼルスAP=共同】米カリフォルニア州で2012年から、激しい衰弱と手足のまひを伴うポリオ(小児まひ)に似た症状の疾患が一部の子どもの間で散発的に発生していることが分かった。米紙ロサンゼルス・タイムズが報じた。
 調査に当たる州保健省チームのグレーザー医師は、米国ではポリオは根絶されており、発症した子どもたちも海外渡航の経験がないだけに、事態を「懸念」している。
 同医師によると、軽い呼吸器障害の後に発症。通常の呼吸器疾患とともに、今回のポリオに似た疾病にも関係しているウイルスが2人の患者から検出された。
 調査チームの一人、スタンフォード大付属小児病院のバンハレン医師によると、これまでに患者は20人程度。5人のケースについて近く学会で報告し「ポリオとは全く異なる疾患」と指摘した。

少しずつ食べて治す

共同通信社 2014年2月25日(火) 配信
 ピーナツアレルギーの子どもにピーナツの粉を少しずつ増量しながら食べさせると、ほとんどの子どもがピーナツ5個を食べられるようになった。英国の研究チームが、そんな結果を英医学誌ランセット(電子版)に発表した。
 7~16歳の約100人を二つに分け、一方はピーナツ除去食を続け、もう一方は食事にピーナツの粉を混ぜ、粉を少しずつ増量した。半年後、粉入りの食事をした子どもの84%は少なくともピーナツ5個を食べられるようになった。除去食の子どもに変化はなかった。
 同国の国家医療制度(NHS)は「ショックなど危険を伴うため、家庭では絶対に試さないで」と呼び掛けている。

女性選手の健康を守れ 無月経で骨折や不妊に ピル活用で競技力向上も

共同通信社 2014年2月25日(火) 配信
 激しいトレーニングを積む国内女性トップアスリートの4割が、無月経や月経周期の異常を抱えていることが国立スポーツ科学センター(東京)の調査で分かった。無月経は疲労骨折や不妊のリスクを高めるため、選手生命だけでなく、一生の健康に関わる問題だ。一方、大半の選手が月経による体調の変化を自覚しながら、低用量ピルなどで月経周期を調整している人はわずか6%にとどまることも判明。同センターは「選手や指導者の知識が不足している。正しい情報を提供して選手の健康と競技力を向上させたい」としている。
 ▽骨密度低下
 調査は2011年4月から12年5月にかけ、ロンドン五輪参加選手156人を含む各競技団体の強化指定選手計683人を対象に実施した。
 このうち53人(8%)が、15歳以上になっても初経が訪れないか、3カ月以上月経が止まっている無月経だった。月経が規則的にこない選手も33%おり、合わせて40%超が異常を訴えていた。
 競技別では、体操や新体操、フィギュアスケートなどの体重管理が厳しい審美系種目とマラソンに無月経が目立った。
 「運動量に見合う食事を取らないことも無月経や初経の遅れを招く原因の一つ。無月経になると女性ホルモンの分泌が低下し骨密度も下がる。そこに強度の運動負荷が加わると疲労骨折が起きます」と同センターの能瀬さやか(のせ・さやか)医師(産婦人科)は説明する。実際、全体の12%に当たる80人が疲労骨折を経験しており、その多くが無月経の多い競技の選手たちだった。
 ▽ドーピング懸念
 特に10代は骨の形成に大切な時期。この間に十分な骨量を蓄えておかないと、年を取ってからの骨粗しょう症や骨折につながる可能性がある。
 骨の問題ばかりではない。無月経は不妊症のリスクも高める。また、子宮が発育せずに小さいため、妊娠しても切迫早産になるかもしれない。
 無月経の治療にはホルモン補充療法が一般的だが「体重の増加を恐れたり、ドーピング違反になると誤解したりして『引退してから』と治療を拒まれることが多い」と能瀬さんは嘆く。
 一方、調査ではピルへの理解不足も浮かび上がった。痛みが強い月経困難症や、月経前にむくみやイライラといった不快な症状が現れる月経前症候群など、月経はさまざまな形でコンディションに影響を与える。
 そこで無月経の53人を除く630人を対象に、月経周期のうち、どの時期にコンディションが良いかを質問した。
 ▽正しい情報を
 すると、具体的な時期を挙げた選手は573人(91%)に上り、大半が体調の変化を自覚していたが、体調の良い時期を試合日程に合わせるため、低用量ピルなどで周期を調整している選手はわずか42人(683人中の6%)にとどまった。海外の選手に比べ格段に低い使用率だという。
 日本の選手でも、ロンドン五輪で月経周期を調整しメダルを獲得した実例があるが、ごく限られたケースだ。「副作用やドーピングが心配という選手もいるが、目立つのは『月経をずらせるなんて知らなかった』という選手たちです」と能瀬さんは話す。
 国内で使われている全ての低用量ピルはドーピング禁止物質に該当しない。ピル服用で吐き気や頭痛、血栓症の副作用が出ることもある。選手にはマイナス面も説明し、服用するかどうかを自分で決めてもらう。
 同センターは女性選手専用の電話相談窓口を設けている。20年東京五輪に向け、正しい情報の普及と婦人科受診率のアップを図りたい考えだ。(共同=赤坂達也)

名古屋大も家宅捜索 降圧剤データ操作事件

共同通信社 2014年2月24日(月) 配信
 降圧剤ディオバンの臨床研究データ操作事件で東京地検特捜部が薬事法違反(誇大広告)の疑いで名古屋大を家宅捜索したことが24日、大学関係者への取材で分かった。販売元のノバルティスファーマ(東京)、京都府立医大、東京慈恵医大、千葉大なども捜索している。
 京都医大と慈恵医大ではディオバンの臨床研究論文でデータ操作が発覚し、不正論文を2011~12年にディオバンの広告に利用したことが誇大広告に当たる疑いがあるとみられている。
 名古屋大も臨床研究をしたが大学の調査委員会は昨年12月、「論文にデータ操作なし」と発表した。

千葉大も家宅捜索 降圧剤データ操作事件

共同通信社 2014年2月24日(月) 配信
 降圧剤ディオバンの臨床研究データ操作事件で東京地検特捜部が21日、薬事法違反(誇大広告)の疑いで千葉大を家宅捜索したことが同日、大学関係者への取材で分かった。特捜部は19日以降、販売元のノバルティスファーマ(東京)、京都府立医大、東京慈恵医大などを家宅捜索している。
 京都医大と慈恵医大についてはディオバンの臨床研究論文でデータ操作が発覚しており、不正な論文を2011年~12年にディオバンの広告に利用した行為が誇大広告に当たる疑いがあるとみられている。
 千葉大も臨床研究をしたが昨年12月、「データ操作は見いだせなかった」との内部調査結果を発表している。

「ささいな誤り」と米教授 STAP細胞の疑念に

共同通信社 2014年2月24日(月) 配信
 【ワシントン共同】理化学研究所が英科学誌ネイチャーに発表した新たな万能細胞「STAP細胞」の論文画像に不自然な点があるとの指摘について、論文の共著者のチャールズ・バカンティ米ハーバード大教授は21日、「ささいな誤りがあったが、論文の内容には影響しない」とする見解を発表した。
 論文は理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方晴子(おぼかた・はるこ)研究ユニットリーダーらが執筆。画像データに加工されたように見える部分があるなどの指摘を受けて理研が調査している。
 バカンティ教授は所属するブリガム・アンド・ウィメンズ病院の広報を通じ「疑念が持ち上がったが、これは編集段階のささいな誤りに起因するもので、論文全体の内容には影響を与えないと考えている。調査が終わるまでは論文以上の情報を出すことは控える」と表明した。
 また同病院は「高い倫理と研究の整合性を維持するのが私たちの責務。注意を引いた疑問や懸念はこうした方針に沿って精査される」と説明し、この問題を調査する可能性を示唆した。

新しい受精卵診断を議論 産科婦人科学会 「命の選別」批判も

共同通信社 2014年2月24日(月) 配信
 日本産科婦人科学会は22日、体外受精した受精卵を子宮に戻す前に検査する受精卵診断で、全ての染色体の検査が可能な新しい手法を導入するかどうかを検討する小委員会をつくり、議論を始めると発表した。
 受精卵に含まれる染色体の数などの異常を調べ、異常がない受精卵を子宮に戻すと、流産率が下がるとの指摘がある一方、科学的な証拠はないとの報告もある。生殖医療や倫理の専門家でつくる小委員会はデータを集めてこの手法が流産回避などに有効かどうかを議論し、1年程度で結論を出す予定だ。
 学会倫理委員長の苛原稔(いらはら・みのる)・徳島大教授は「現時点で診断の対象者は未定で、議論の結果、導入しないという選択肢もある」と話した。
 現行の受精卵診断は、染色体の構造の異常や、染色体にある一部の遺伝子だけを調べ、流産を繰り返す患者やデュシェンヌ型筋ジストロフィーなどの重い遺伝病を避けたい人を対象に実施されている。
 一方で、欧米で実施が先行する新しい診断は、23対あるすべての染色体の異常が調べられる。染色体が通常よりも1本多いダウン症などの広範な染色体異常を判別できるため「命の選別」の拡大につながるとの批判があり、慎重に議論する。
 全ての染色体を調べる新しい受精卵診断は、2012年7月に神戸市の産婦人科医院「大谷レディスクリニック」が流産を避ける目的で、同学会の承認を得ずに実施したと明らかにした。
 妊娠後に妊婦の血液で胎児の異常を調べる新出生前診断が昨年4月から導入されており、受精卵の段階での診断を検討するよう求める声が一部で上がっていた。
 ※受精卵診断
 受精卵が複数の細胞に分裂した初期段階で一部の細胞を取り出し、染色体や遺伝子の異常を調べる検査。着床前診断ともいう。異常がない受精卵を子宮に戻して出産につなげる。日本産科婦人科学会はデュシェンヌ型筋ジストロフィーなどの重い遺伝病や、一部の習慣流産に限って検査を認め、医療機関からの申請に基づき個別に審査、これまで約300例が認められている。妊娠後に検査する出生前診断と異なり中絶する必要がなく女性の心身の負担が少ない一方、特定の症状を持った子供が生まれないように最初から決めてしまう倫理的な問題や、流産率が下がる医学的証拠がないとの指摘もある。

インフルエンザ ピークを過ぎる

毎日新聞社 2014年2月22日(土) 配信
インフルエンザ:ピークを過ぎる
 厚生労働省は21日、16日までの1週間に全国の医療機関を受診したインフルエンザ患者が推定147万人で、2週続けて減少したと発表した。前週から11万人減った。定点報告を受けている約5000の医療機関の患者数は平均28・18人で、大流行の恐れを示す警報レベル(30人)を下回り、ピークを過ぎたとみられる。
 一方、42都道府県では警報レベルを超えている地域があり、同省は注意を呼びかけている。
 今季は2009年に新型として世界的に流行したH1N1型の感染が最も多いという。【奥山智己】

ノバルティス強制捜査 組織の関与、焦点 立件に向け課題多い クローズアップ2014

毎日新聞社 2014年2月20日(木) 配信
クローズアップ2014:ノバルティス強制捜査 組織の関与、焦点 立件に向け課題多い
 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑で東京地検特捜部が19日、薬事法違反(誇大広告)容疑で強制捜査に乗り出した。厚生労働省による刑事告発から1カ月余り。製薬会社と医学界との「癒着」とも言える構図を浮かび上がらせた疑惑は、新たな局面を迎えた。不正に関わったのは誰なのか、組織的な関与はあったのか。実態解明に向けた捜査が始まった。
 特捜部が製薬会社ノバルティスファーマの家宅捜索に踏み切ったのは、強制力のない厚労省の調査には限界があり、バルサルタンの臨床試験から誇大広告に至るまでにどのような議論があったのかを解明するには社内資料を押収する必要があると判断したためだ。ノ社や大学側に、不正への組織的な関与がなかったかが捜査のポイントになるとみられるが、立件に向けた課題は少なくない。
 厚労省は昨年10月以降、ノ社関係者や臨床試験に関わった大学関係者らから事情聴取を進めてきたが、ノ社側はデータ操作への関与を否定している。厚労省は1月9日、薬事法違反(誇大広告)容疑で、法人としてのノ社に対する告発状を東京地検に提出したが、データ操作に関与した個人については「氏名不詳」とした。ノ社への立ち入り検査は見送り、「完全な実態解明には至らなかった」と捜査機関に委ねた。
 一方、特捜部は19日現在、告発状の受理を保留している。ある検察幹部は「容疑者の特定がまず必要」と強調する。臨床試験が行われた各大学の調査でも「誰が」データを操作したかまでは特定されておらず、刑事責任を問える状況には至っていない。特捜部は既に厚労省から行政調査の資料の提出も受けており、今回の家宅捜索で押収した資料と合わせて不正に関与した個人の特定を進めるとみられる。
 薬事法は虚偽や誇大な表現を使った医薬品の広告を出すことを禁じており、違反した場合は2年以下の懲役か200万円以下の罰金が科せられる。法人を罰する「両罰規定」も設けられているが、適用には社員らの立件が前提で、個人の犯罪の立証ができなければ法人も罪には問われない。
 また厚労省の告発対象となっている東京慈恵会医大と京都府立医大の臨床試験では2002~07年、複数の病院に依頼して患者にノ社製とそれ以外の降圧剤を投薬して経過を観察した。それぞれ3000人超の患者データを集め、データの統計解析にノ社の社員(昨年5月に退職)が関与したとされる。2大学は内部調査で「データ操作されていた」と明らかにしたが、元社員と操作との関係は解明されておらず、特捜部は今後、元社員の果たした役割を詳しく調べるとみられる。
 別の検察幹部は「本当にデータ操作があったという根幹部分が解明されないと先に進めず、検察として明らかにする必要がある。医学的な知識が必要で、人と時間を使った捜査になるだろう」と語った。【島田信幸】
 ◇患者不在、根深い癒着
 バルサルタンの臨床試験疑惑は、国民から見えないところで構築されていた製薬企業と医学界のもたれあいの構造を白日の下にさらした。
 京都府立医大と東京慈恵会医大で試験を率いた医師の各研究室には、ノ社から計5億6940万円の使途を限定しない奨学寄付金が提供されていた。両大学の調査では、ノ社の社員が研究チームの事務局機能から統計解析という研究の根幹までを担っていた。だが、こうしたノ社の支援は外部に伏せられ、論文は一流医学誌に発表されていた。
 「製薬会社は、一流誌に載った臨床試験の論文を販売促進に使うことで膨大な利益につなげられる。医師側は製薬企業から研究資金を提供してもらえるだけでなく、名誉も得られる。今回の疑惑は両者の癒着ぶりをあらわにした」。厚生労働省の検討委員会委員である桑島巌医師は、今回の構図をこう説明する。
 データ操作された論文は、宣伝だけでなく、関係学会が全国の医師に示す診療ガイドラインにも引用され、高血圧の治療の処方に影響を与えた。その結果、バルサルタンは2000年の発売以来、累計1兆2000億円を売り上げる国内有数のヒット薬となった。しかし、同剤より安価な降圧剤もあることなどから、厚労省の検討委員会は昨年9月の中間報告で、バルサルタンが不当に売り上げを伸ばしたことが保険財政に与えた影響も検討すべきだと指摘。国民が保険料としてどれだけ余計に負担したのか調べるよう求めた。
 また、一連の臨床試験は「患者不在」だったことも指摘されている。ノ社の社内文書には、バルサルタンの宣伝を目的に各大学に試験を提案していたことが生々しく残されている。
 全国薬害被害者団体連絡協議会代表世話人の花井十伍さんは「試験に取り組んだ理由をノ社や医師側に尋ねても、利益や自分たちの業績など患者以外の話しか出てこない。本来必要のない試験に参加させるという患者を愚弄(ぐろう)した行為で憤りを感じる」と話す。
 一連の問題は、業界の自主規制や制度改正にも向かいつつある。製薬70社が加盟する日本製薬工業協会は、自社の薬を使った臨床試験に奨学寄付金の提供を制限するよう調整を進めている。厚労省は、薬事法に基づく承認を目的としていない今回のような臨床試験に「法的な歯止め」が必要か、今年秋までに検討する。【河内敏康、八田浩輔】
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 ◇降圧剤バルサルタンを巡る経緯
2000年  ノバルティスファーマが日本で販売開始
02年~   東京慈恵会医大で試験開始。京都府立医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大でも試験へ
07~12年 慈恵医大を皮切りに5大学が論文発表
13年
 3月28日 毎日新聞が「府立医大試験に社員関与。寄付1億円」と報道
 5月 2日 毎日新聞が「すべての試験に社員関与」と報道
   22日 ノ社が「試験に疑念を生じさせた」と謝罪
   24日 日本医学会が「国際的な信頼が揺らいだ」と批判
   29日 日本医師会が「公正性を欠く製薬企業の関与だ」と批判
 7月11日 府立医大がデータ操作を公表、謝罪
   30日 慈恵医大がデータ操作を公表、謝罪
 9月30日 厚労省検討委員会が「誇大広告の恐れ」と指摘
10月31日 滋賀医大が「データ操作の疑い」と公表、謝罪
12月13日 名古屋大が「現時点で恣意(しい)的なデータ操作なし」と発表
   17日 千葉大が「現時点で意図的なデータ操作なし」と発表
14年
 1月 9日 厚労省がノ社を刑事告発
 2月19日 東京地検がノ社を家宅捜索

人工繊維で毒素を吸着 携帯型の透析装置に期待

共同通信社 2014年2月20日(木) 配信
 腎臓の働きが低下する腎不全患者の血中に含まれる尿毒素を、吸着することができる人工繊維を開発したと物質・材料研究機構(茨城県つくば市)の荏原充宏(えばら・みつひろ)主任研究員らのチームが19日、英科学誌電子版に発表した。災害時に携帯できる小型の透析装置の開発につながると期待される。
 慢性腎不全の患者は、血中の老廃物や尿毒素を腎臓でろ過しきれず、透析が必要となる。チームは、代表的な尿毒素のクレアチニンを吸着する性質がある鉱物ゼオライトを樹脂に混ぜ、極細の繊維の作製に成功。布状にして血清で実験したところ、約16グラムの繊維があれば、体重60キロの人が1時間に作る量のクレアチニンを全て吸着できることを確認した。
 国内で透析治療を受けている患者は30万人超とされる。透析には大量の水と電気を使う大掛かりな装置が必要で、東日本大震災では被災地の患者が遠方に避難を迫られる事態となった。
 荏原主任研究員は「吸着率を向上させれば、腕時計型の装置でも透析治療が可能になるかもしれない」と話している。
 ※科学誌はバイオマテリアルズサイエンス

「疑念払拭」と反論記事 降圧剤問題、ノ社が雑誌に 専門家集め座談会 特捜部、広告の経緯捜査

共同通信社 2014年2月20日(木) 配信
 降圧剤ディオバンの研究データ操作問題で、論文公表後の2012年に「データが不自然」との疑念が英医学誌への投稿で指摘された際、販売元のノバルティスファーマが「問題はない」との趣旨の反論記事を日本の医療雑誌に提供していたことが19日、分かった。専門家の座談会形式で、日本高血圧学会幹部らが「疑念を払拭(ふっしょく)できた」などと発言していた。
 東京地検特捜部は同日、不正な論文を広告に利用した疑いが強まったとして薬事法違反(誇大広告)容疑でノ社を家宅捜索。研究を実施した京都府立医大や、データ管理を請け負っていた神戸市東灘区の会社も捜索先に含まれる。特捜部は今後、データ操作やディオバン広告の経緯の解明を進める方針。
 疑念を指摘されたのは、大学側の調査で13年にデータ操作が認定された東京慈恵医大の臨床研究。京都大の医師が12年4月に「異なる患者グループ間で血圧の平均値などがほとんど一致しているのは不自然」と英医学誌ランセットへの投稿で指摘し、京都府立医大の研究にも同様の疑念があるとした。これに対し、ノ社は反論記事を日本の雑誌ファルマメディカ12年7月号に提供した。
 記事では、森下竜一(もりした・りゅういち)・大阪大大学院教授らが「降圧目標に基づいて薬剤使用量を細かく調整することで、血圧値が同じ範囲に収まっていく」などと発言。堀内正嗣(ほりうち・まさつぐ)・愛媛大大学院教授が「投書が指摘した懸念に対する回答になりますね」「疑念を払拭できたと思います」と応じた。2人は当時、日本高血圧学会の幹事と理事で、現在は森下氏が理事、堀内氏が理事長。
 ノ社は、疑念を投稿した京都大の医師には座談会への出席を求めていなかった。同社は「問題提起があった部分だけでなく、幅広い観点で意見をうかがうための座談会だった」と説明。疑念を投稿した医師は「私に対して直接反論すべきだった」と話した。
 情報公開請求に基づく開示文書によると、堀内氏の研究室には08~12年度に計1千万円、森下氏の研究室には同期間に計約5600万円が、奨学寄付金や研究助成金などとしてノ社から支出された。堀内氏は「寄付金をもらったから有利な発言をしたということは100パーセントない」、森下氏は「まさか(データに)不正があるとは思わなかった。資金は他社からも受けており、ノ社だけに良い発言をすることはない」とした。

医師と業界、ゆがむ構造 特捜部、全容解明目指す ノバルティス社に家宅捜索

共同通信社 2014年2月20日(木) 配信
 高血圧の治療に使う降圧剤の研究データ操作問題は、東京地検特捜部による製薬会社ノバルティスファーマへの家宅捜索で刑事事件に発展した。「氷山の一角」と、医師と製薬業界との構造的なゆがみを指摘する声が上がるが、業界関係者には「必要悪」との開き直りも。日本の研究への信頼を失墜させた不祥事の全容解明は進むのか。
 ▽過信
 「主従関係で言うと医師が主、製薬会社は従だ。なぜメーカーばかりが責められるのか」。取材に応じたノ社の元幹部は、こう心情を吐露した。
 ノ社が降圧剤ディオバンの広告に使った論文は、医師が自ら企画、実施する「医師主導」の臨床研究。データに不正があれば医師が責任を負うべきだ、というわけだ。
 だが、研究は社員が関わってデータ解析を担当、ノ社から大学に巨額の奨学寄付金も出ていた。丸抱えに等しいが、元幹部は「ある意味で必要悪。金がないと新たな研究は出ない」と言い切る。
 データには数年前から疑義を指摘する声もあった。それでも広告に使い続けた責任について元幹部は、論文が海外の著名な科学誌に掲載されたことを挙げ「何人もの目を通ったデータだけに過信があったかも」と力なくつぶやくだけだった。
 ▽氷山の一角
 「通常、臨床研究をやる上で、ある程度のヒューマンエラーが伴うのはご理解いただきたい」
 昨年9月、厚生労働省で開かれたディオバンの臨床研究をめぐる検討委員会。ノ社の担当者は海外の文献を示し、臨床研究では平均9・6%の誤りがあると釈明した。
 論文内容の誤りの正当化とも取れる発言に、委員の一人が「絶対に許容される範囲ではない。10%もエラーがあれば科学論文として成り立たない」と切り捨てると、担当者は黙ってうつむいた。
 厚労省が昨年12月にまとめた調査結果では、2009年4月以降に全国の大学や特定機能病院が行った臨床研究で、国の倫理指針を守らなかったなどの不適切事例が137件あったことも判明。臨床研究での認識の甘さをうかがわせ、表面化する問題は氷山の一角であることを示した。
 一方で、調査を進めた厚労省が1月、東京地検に出した薬事法違反(誇大広告)容疑の告発状は、広告に関わった個人を特定できず「容疑者不詳」のままで、検察には「調査が不十分」と不満が漏れる。ある検察幹部は「厚労省から持ち込まれた内容だけではなく、他にも事件にできる材料がないか調べる必要がある」と表情を引き締めた。
 ▽証明困難
 誇大広告でディオバンを処方する医師が増え、医療保険財政に影響を与えた、との論点も浮かんでいる。保険料や税金から余分な医療費が支払われた恐れがあるためだ。
 厚労省検討委も影響の有無を評価するよう中央社会保険医療協議会に求めた。結論はまだだが、ある同省幹部は「証明するのは難しい。試算しても影響があったとは確認できない」と明かす。
 ただ、医療の研究開発や国際展開を進める政府内には日本の研究の信頼を損ねたとして「ペナルティーなしでは済まされない」と批判の声が強く、ディオバンの薬価を下げるよう求める意見まである。厚労省幹部は「こうした問題で薬価を変える規定はない」と話すが、捜査の進展を見て行政処分を検討する構えだ。

菅氏「実態解明が必要」 ノバルティスの家宅捜索

共同通信社 2014年2月20日(木) 配信
 菅義偉官房長官は19日の記者会見で、降圧剤ディオバンの研究データ操作問題をめぐり東京地検特捜部が製薬会社ノバルティスファーマ東京本社などを家宅捜索したことに関し「事実関係をうやむやにすることなく、実態解明に向け調査する必要がある。厳正に対処すべきだ」と述べた。
 同社がデータ改ざんに基づく不正な論文を広告に利用した疑いがあることには「さまざまな施策の前提となる臨床研究の信頼性を揺るがす由々しき問題だ」と指摘した。

本社捜索、緊迫ムード 臨床研究の信用失墜

共同通信社 2014年2月20日(木) 配信
 日本の臨床研究の信用を失墜させた降圧剤ディオバンの研究データ操作問題は19日、東京地検特捜部が関係先の強制捜査に乗り出す事態に発展した。研究には、世界的な巨大製薬企業の日本法人社員(既に退職)が深く関与。捜索を受けた東京の本社は緊迫した雰囲気に包まれた。
 オフィスビルやマンションが立ち並ぶ都心の一等地、西麻布。ノバルティスファーマのオフィスがあるビルには午前9時半ごろ、東京地検の係官が捜索に入った。
 午後1時すぎには、敷地内に「撮影・取材等禁止」と記された看板が立てられ、撮影のため敷地に入ろうとしたカメラマンが警備員に制止される場面も。出入りする社員らは記者の問い掛けに「ノーコメント」とだけ話し、足早に立ち去った。
 関係者によると、ノ社では19日午前、マスコミの質問に答えないよう求めるメールが社員に送信された。同社元幹部は取材に「会社はこれまで捜査に協力する姿勢を示してきた。なぜ強制捜査する必要があるのか」といぶかしげに話した。
 ノ社はスイスを拠点に国際展開する「メガファーマ」と呼ばれる巨大製薬企業の日本法人。民間市場調査会社によると、2012年の国内売上高は3901億円で業界6位だった。
 一方、ディオバンの臨床研究をした東京慈恵医大(港区)。当時研究を率いた循環器内科の医局では、医師らが時折出入りしていた。ある男性職員は「何も聞いていないので分からない」と困惑した表情を見せた。
 同大学の高橋誠(たかはし・まこと)・広報推進室長は「(ノ社への)捜索を真摯(しんし)に受け止める。大学に捜査があった場合は全面的に協力する」と話した。
 同じく臨床研究をした京都府立医大の吹田慎一(すいた・しんいち)研究支援課副課長は「東京地検の捜査についてお答えできることは何もない」と顔をこわばらせた。

C反応たんぱく質の微増でパーキンソン病患者に幻覚

毎日新聞社 2014年2月20日(木) 配信
MEMO:C反応たんぱく質の微増でパーキンソン病患者に幻覚
 難病のパーキンソン病患者は、いないはずの人が見えるなど、幻覚や錯覚に悩まされることがある。国立病院機構宇多野病院(京都市)の研究チームが、血液中のC反応たんぱく質(CRP)のわずかな増加が、原因の一つとなることを突き止めた。米科学誌プロスワン電子版に発表した。
 CRPは感染症などによる炎症で増え、肺炎など激しい炎症が起きた際、幻覚や錯覚を生じさせることがある。今回の研究では、正常な範囲でもパーキンソン病患者に影響を与えることが分かった。
 研究チームは、パーキンソン病と診断され、感染症にかかっていない111人の患者を調査。その結果、CRPの量が多くなるほど、幻覚や錯覚が生じる割合が高かった。CRPの値が2倍になると、幻覚や錯覚のリスクが1.57倍高かった。澤田秀幸・宇多野病院臨床研究部長は「血液検査で事前にリスクを予想するなど、治療法の改善につながる」と話す。【藤野基文】

ノバルティスを家宅捜索 降圧剤問題で東京地検 誇大広告容疑

共同通信社 2014年2月19日(水) 配信
 降圧剤ディオバンの臨床研究問題で東京地検特捜部は19日、データ改ざんに基づく不正な論文を広告に利用した疑いがあるとして、薬事法違反(誇大広告)の疑いで販売元の製薬会社ノバルティスファーマ(東京)を家宅捜索した。
 ディオバン(一般名バルサルタン)をめぐっては、東京慈恵医大や京都府立医大の臨床研究でデータが操作され、他の降圧剤より有利な結果が出ていたことが判明。厚生労働省の聞き取りにノバルティス側が関与を否定し、同省は任意の行政調査では実態解明に限界があるとして地検に告発状を提出していた。
 厚労省や各大学などの調査によると、ディオバンの臨床研究は2002年から5大学で実施。このうち東京慈恵医大と京都府立医大では血圧値などのデータが改ざんされ、論文で「血圧を下げる以外に、脳卒中や狭心症などを減らす効果もある」と発表された。
 ノバルティスは06年以降、医学情報誌の広告や医師向けの講演会資料などで両大学の論文を約700回にわたって引用。臨床研究には当時の社員が参加し、同社から両大学に計約5億7千万円の奨学寄付金が提供されていた。
 厚労省の検討委員会は昨年9月の中間報告で、不正論文を販売促進に利用したことについて「結果的に誇大広告に該当する恐れがある」と指摘していた。
 薬事法は医薬品などの虚偽、誇大な広告を禁じており、違反した場合は2年以下の懲役または200万円以下の罰金刑が科される。

iPSで網膜再生支援 「神戸アイセンター」整備

神戸新聞 2014年2月19日(水) 配信
 神戸市は2014年度、ポートアイランド2期の神戸医療産業都市で世界最高水準の技術を生かす試みに乗り出す。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った目の網膜の再生医療施設「神戸アイセンター(仮称)」の整備に向けた調査を始めるほか、スーパーコンピューター(スパコン)「京」の次世代機「エクサ級スパコン」の誘致を視野に入れ、開発拠点の整備にも着手する。新しい万能細胞「STAP細胞」の開発などで注目度を増す神戸発の医療技術を世界に発信する構えだ。
 医療産業都市では昨夏、iPS細胞を使った世界初の臨床研究がスタート。早ければ今夏にも理化学研究所(理研)や先端医療センターなどが、網膜の病気「加齢黄斑変性」の患者に対し、iPS細胞を網膜色素上皮細胞に分化させ移植する。
 市は18日に発表した総額1兆7646億円の14年度当初予算案で、アイセンターの整備調査検討費として1千万円を計上した。
 センター内に研究や病院、リハビリ、細胞培養の機能を一体化させ、網膜再生医療の実用化を加速させたい考え。14年度は最適な事業形態やセンターの具体的な機能などについて調査する。15年度着工、16年度の完成・開設を目指す。
 一方、「京」の100倍の処理能力を持つ「エクサ(1兆の100万倍)級スパコン」は神戸での建設が有力視されている。決定はまだ先だが、先手を打った取り組みで誘致競争を有利に展開する狙いもある。
 スパコンの開発主体は理研だが、市は14年度、開発者チームが使う“受け皿”の整備を開始。「京」の近くに賃貸の研究室が入るビルを建設するため、市が2年かけて用地を取得する。14年度予算案に8億7500万円を盛り込んだ。ビルは16年度の開設を目指す。
 (金井恒幸、武藤邦生)

突然死防ぐタンパク質 大動脈解離、解明に一歩

共同通信社 2014年2月19日(水) 配信
 久留米大循環器病研究所(福岡県久留米市)を中心とする研究チームが18日、突然死の一因となる「大動脈解離」を防ぐタンパク質を発見したと発表した。
 大動脈解離は高血圧や動脈硬化を抱える50代以上の男性に多く、国内で推定年間1万人が発症するが、研究があまり進んでいない。今回の発見は病態解明や予防への一歩になると期待される。
 大動脈解離は、心臓近くの大動脈で、3層構造になっている血管壁内側に裂け目が生じ、そこに血液が流れ込む突発性の病気。脳に送られる血液が減って、数分で死に至ることが多い。
 研究チームの青木浩樹(あおき・ひろき)教授らは人間の体内で生成されるタンパク質「テネイシンC」の働きを調べるためマウスで実験。テネイシンCを生成するマウスは大動脈解離を発症しないが、生成できないようにしたマウスは半数が発症したため、テネイシンCが解離を防いでいると結論づけた。
 青木教授は「血液検査でテネイシンCの量を測定することで病気を予防できるよう、研究を進めたい」と話している。

母乳に抗HIVタンパク 「医療新世紀」

共同通信社 2014年2月18日(火) 配信
 母乳に含まれる「TNC」と呼ばれるタンパク質に、エイズウイルス(HIV)の感染力を失わせる働きがあることを米デューク大の研究チームが突き止めた。TNCは傷の修復などに関わることが知られていた。HIVの母子感染予防に役立つ可能性がある。
 チームは、感染していない母親の母乳をHIVと反応させる実験でウイルスを中和させる作用を持つ物質を絞り込んでいき、TNCを特定した。
 母子感染は妊婦が抗HIV薬を服用することでかなり防げるようになったが、検査や薬に手が届かない妊婦も発展途上国には多い。母乳由来で安全性が高いとみられる点も有望だという。
※米科学アカデミー紀要2013年10月21日付で公表

ネイチャーもSTAP調査 画像に不自然な点?

共同通信社 2014年2月18日(火) 配信
 英科学誌ネイチャーは18日、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方晴子(おぼかた・はるこ)研究ユニットリーダーらが開発した新しい万能細胞「STAP細胞」の論文の画像に不自然な点があるとの指摘があったため、調査を開始したと発表した。
 外部からの刺激でさまざまな組織や細胞になる能力を持つSTAP細胞の論文は今年1月、ネイチャーに掲載された。
 ネイチャーによると、小保方氏らが同誌に発表したSTAP細胞の二つの論文で、画像データに加工されたように見える部分があることや、別々の実験による画像データがよく似ているといった指摘があった。
 論文共著者の若山照彦(わかやま・てるひこ)山梨大教授はネイチャーに対し「私自身STAP細胞を作製したが、結果は完全に正しい」と説明したという。
 小保方氏らが2011年に別の科学誌に発表した幹細胞に関する論文にも問題が見つかり、論文の責任者のハーバード大教授が既に訂正を申し入れているという。教授は「純粋なミスで、論文のデータや結論には影響がない」と説明している。

大気汚染で妊婦が高血圧に 米大学、2万2千人調査

共同通信社 2014年2月17日(月) 配信
 【ワシントン新華社=共同】妊娠中に大気汚染にさらされると高血圧になる懸念があることが13日、米フロリダ大学研究チームの疫学調査で明らかになった。調査結果は疫学・地域保健誌に掲載された。微小粒子状物質や二酸化硫黄、一酸化炭素などの大気汚染物質は妊娠した女性に有害だとしている。
 調査はフロリダ州ジャクソンビルで2004~05年に妊婦2万2000人を対象に実施。米環境保護局(EPA)が毎日発表する大気汚染データを基に妊婦が浴びた汚染量を計測。4・7%が高血圧症状を起こした。
 研究チームは、喫煙などほかのリスク要因を考慮した上で、妊娠初期と中期を通じて大気汚染物質にさらされた場合、高血圧を引き起こすリスクが高まると結論した。

大動脈解離防ぐタンパク質発見 久留米大など

西日本新聞 2014年2月17日(月) 配信
 ■予防法、新薬開発に期待
 久留米大循環器病研究所(福岡県久留米市)などの研究グループは、大動脈の壁が内側から裂ける「大動脈解離」の発生を防ぐタンパク質を世界で初めて発見した。研究グループは同様の役割を持つタンパク質が他にもあるとみて研究を続け、突然発生して死に至ることもある大動脈解離の予防・診断法の確立や、新薬の開発につなげたい考えだ。
 研究所の青木浩樹教授によると、大動脈解離は国内で年間1万人前後が発症しているとみられる。動脈硬化や高血圧が主因で、50~70代の男性に多い。
 青木教授は大動脈瘤(りゅう)が専門で、2006年からマウスを使って人為的に動脈硬化と高血圧の状態にした大動脈を研究。その過程で、血管が正常でない状態になると発生することで知られるタンパク質「テネイシンC」の役割に注目した。
 マウスの体内でテネイシンCが発生しないようにすると、半数近い割合で大動脈解離を引き起こすことが判明。テネイシンCがあるマウスでは解離が生じないことから、研究チームは「大動脈を守る安全装置の役割を持つ」と結論づけた。
 ただ、テネイシンCがなくても解離が生じないマウスがいることから、青木教授らは「安全装置となるタンパク質は他にもある」と推測。他のタンパク質の解明や、テネイシンCの詳しい働きについて研究を進める。研究成果は11日発行の英科学誌「Scientific Reports」に掲載。3月下旬に東京である日本循環器学会で発表する。
 ●画期的な成果
 ▼今中恭子三重大マトリックスバイオロジー研究センター長(実験病理学)の話 大動脈解離などの疾患で、テネイシンCが大量に存在することは判明していたが、役割が分かっていなかった。今回、動物実験だが、明らかに大動脈を守る役割があることが分かったことは画期的だ。将来、血管が裂けそうな場所にテネイシンCを使った薬剤を塗るような治療法につながっていくのではないか。

【愛媛】県内でもタミフル耐性遺伝子変異 最終確認へ

愛媛新聞 2014年2月17日(月) 配信
 2009年に新型インフルエンザとして流行したH1N1型の中から、「タミフル」など抗インフルエンザ薬が効きにくい耐性ウイルスへの遺伝子変異が県内でも確認されたことが14日、愛媛県への取材で分かった。国立感染症研究所(東京)で詳細に分析し、最終確認する。
 同研究所によると、耐性型ウイルスは13年のシーズンに入り、札幌市を皮切りに神奈川や三重などで検出が相次いでいる。10日までに全国で28例確認されているが、四国での検出はない。
 県立衛生環境研究所(松山市)が、1月~2月3日に東・中予を中心に定点医療機関から採取されたH1N1型ウイルスのうち8検体を遺伝子検査。うち1検体で薬剤耐性の変異を確認し、12日に県へ報告した。

万能細胞 STAP論文、理研調査 「画像が不自然」の指摘受け

毎日新聞社 2014年2月15日(土) 配信
万能細胞:STAP論文、理研調査 「画像が不自然」の指摘受け
 新しい万能細胞「STAP細胞(刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得細胞)」を作ったと発表した小保方晴子・理化学研究所研究ユニットリーダーら日米の研究チームの論文について、インターネット上で「不自然な画像データが使われている」と指摘があり、理研広報室は14日、外部の専門家も加えて調査を始めたと明らかにした。理研は「研究成果そのものに問題はないと考えている」と説明する。
 調査対象は、1月30日付の英科学誌ネイチャーに掲載された論文2本。マウスのリンパ球に刺激を与えるだけで、体のあらゆる細胞になる多能性を獲得するという内容。しかし、ネット上のさまざまなサイトで、▽論文の画像データの一部に操作した跡がある▽STAP細胞から作ったとする胎盤の写真が使い回しされている――などと指摘された。このため、理研は複数の専門家による調査を13日に開始した。結果はまとまり次第、公表する。
 理研は13~14日、小保方さんらに聞き取りも実施し、「現時点では研究成果は揺るぎないと判断しているが、外部から指摘があったため調査を始めた」と述べた。【須田桃子】

滋賀医大病院長が辞職 バルサルタン 臨床試験疑惑

毎日新聞社 2014年2月15日(土) 配信
バルサルタン:臨床試験疑惑 滋賀医大病院長が辞職
 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑で、滋賀医大の研究責任者を務めた柏木厚典(あつのり)・付属病院長(副学長)が14日、責任を取って辞職した。販売元の製薬会社ノバルティスファーマの元社員が関与した一連の臨床試験疑惑では、京都府立医大の松原弘明氏が昨年2月に教授を辞めているが、疑惑の責任を明確化して辞職したのは初めて。
 柏木氏は論文を掲載した米国糖尿病学会誌から取り消しの通知を受け、先月20日に全ての職を辞める意向を表明していた。
 柏木氏は取材に対し「研究の結論は間違っていないが、科学者として責任を取る。今後はデータ管理や検証のあり方など国内の臨床研究の態勢づくりに、今回の経験を役立てたい」と述べた。病院長と副学長の後任には松末吉隆・副病院長が15日付で就任する。【千葉紀和】

iPS細胞 血小板、安定的に量産 技術、江藤・京大教授ら手法を改良

毎日新聞社 2014年2月14日(金) 配信
iPS細胞:血小板、安定的に量産 技術、江藤・京大教授ら手法を改良
 京都大iPS細胞研究所の江藤浩之教授(血小板生物学)らの研究グループは13日、ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から血小板を作る方法を改良し、医療現場で必要な量を供給できる生産方法を確立したと発表した。14日付の米科学誌「セル・ステム・セル」に掲載される。
 血小板は献血で集めて止血剤の原料にしたり、血液成分の一つとして輸血されたりすることもあるが、保存期間が4日間と短く、慢性的に不足している。
 研究グループは既に、血小板を生み出す細胞である「巨核球(きょかくきゅう)」をiPS細胞から分化させ、血小板を生産する手法を開発。今回は更に、分化させた巨核球に、細胞の自然死を抑制する遺伝子を追加することで、ほぼ無限に自己複製する巨核球を作製することに成功し、より安定的に量産が可能になった。
 この巨核球を10ミリリットルの培養液で培養すると、200万~400万個の血小板が生み出された。50リットルの培養液で培養すれば、1回の輸血に必要とされる約1000億個の血小板が5日間程度で確保できるという。iPS細胞から直接、血小板を作る方法もあるが、26日間程度かかっていた。
 江藤教授は「2015~16年に慢性血小板減少症の患者への臨床研究を計画している。10年後の実用化を目指したい」と話している。【堀智行】

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