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医療情報88

医療情報87
20140501~

脳内の行動切り替え関与物質特定、認知症治療に応用期待 福島県立医大

河北新報 2014年5月14日(水) 配信

 福島県立医科大医学部付属生体情報伝達研究所の小林和人教授らの研究チームは12日までに、動物の脳内で神経伝達物質「アセチルコリン」の働きを抑制すると、状況に応じて行動を切り替えることができるようになると発表した。行動の切り替えに障害があるとされる統合失調症や認知症の治療に応用が期待されている。

 脳中心部の神経細胞が集まる線条体にあるアセチルコリン神経細胞には、記憶や学習の機能を促進することが分かっていたが、機能を抑制する働きもあることが新たに判明した。

 研究チームは、線条体でアセチルコリンを作れなくしたラットと通常のラットを比較。同じ方向に餌がある迷路に8日間入れ、方向を覚えたら餌を逆方向に置き換える実験を行った。その結果、アセチルコリン神経細胞を除去したラットの方が、正常なラットより経路を早く把握することが分かった。

 また、アセチルコリンによる神経伝達を媒介する受容体を特定し、その機能を抑制した場合でもアセチルコリン神経細胞を除去した時と同様の結果を得ることができた。

 今回の研究で、アセチルコリン神経細胞の機能を抑制すれば、より早く行動の切り替えを促すことが明らかになり、小林教授は「脳神経疾患の治療薬開発につながることを期待している」と話している。研究は広島大や愛媛大と共同で行い、6日の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に掲載された。

筋肉の信号で動作自由 米FDAが新型義手承認

共同通信社 2014年5月14日(水) 配信

 【ニューヨーク共同】米食品医薬品局(FDA)が13日までに、立ち乗り電動二輪車「セグウェイ」の発明者が率いるベンチャー企業「DEKA」に対し、筋肉の電気信号で動く新型義手の製造・販売を承認した。鍵を差し込んでドアを開けたり、ジッパーを上げたりといった細かい動作もできる。承認により今後、商業生産が可能となる。

 義手は映画「スター・ウォーズ」の主人公が装着するロボット義手の動きからアイデアを得て開発。米国防高等研究計画局(DARPA)の資金援助を受けて8年がかりで完成させた。

 筋肉が発する電気信号を読み取ってモーターで指などを動かす。重さも形も成人の腕と同程度で比較的軽い。このタイプの義手は他にも研究・開発が進んでいるが、FDAの担当者は「今あるどんな義手よりも自然に複雑な作業ができる」と評価している。

 DARPAが動画サイト「ユーチューブ」に投稿した動画では、義手の装着者が生卵を割ることなく、スムーズに容器から移動させる様子が映っている。

「二重基準、納得できず」 小保方氏側がコメント 「研究不信」

共同通信社 2014年5月14日(水) 配信

 STAP細胞論文に関する理化学研究所調査委員会の委員の論文に画像の切り貼りが指摘され、理研が研究不正ではないとの調査結果を発表したことに対し、小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏(30)の代理人は14日、「二重基準で、納得できない」と書面でコメントした。

 書面では、代理人弁護士の弁護団名で「明らかにSTAP論文の場合と違う二重基準でなされていて、到底納得できない」と批判している。

 理研は13日、切り貼りが指摘された委員2人の過去の論文は「同じ実験条件で得られたデータを切って、寄せたり、並び順を変えたりしたもの」として、不正に当たらないとの予備調査の結果を発表していた。

難治性疼痛の原因物質発見、九大薬学部グループ

読売新聞 2014年5月14日(水) 配信

 九州大薬学部の井上和秀・主幹教授(神経薬理学)、津田誠・准教授(同)らの研究グループは、難治性の「神経障害性疼痛(とうつう)」を引き起こす原因たんぱく質「IRF5」を発見した、と発表した。治療薬開発への応用が期待される。13日の英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」(電子版)に掲載された。

 同疼痛は、がんや糖尿病などに伴って神経が傷ついて発症する。症状が重いと、わずかに肌に触れるだけで激しい痛みを感じる場合があり、鎮痛薬も効きにくい。

 グループはこれまでの研究で、「P2X4受容体」と呼ばれるたんぱく質が、脊髄内の細胞「ミクログリア」内で異常に増えることが要因の一つと解明。しかし、なぜ増加するのかはわかっていなかった。

失明ラット幅広い色感知 岩手大、藻の遺伝子注入

共同通信社 2014年5月14日(水) 配信

 岩手大工学部の冨田浩史(とみた・ひろし)教授(分子生物学)らの研究グループは13日までに、改変した緑藻の遺伝子を失明したラットに注入し、幅広い色を感知できる視覚の回復に成功したと発表した。これまでの研究では青色しか感知できなかった。12日付の海外学術誌にオンライン掲載された。

 冨田教授らは今後、ヒトに近いサルを使って副作用の有無などを実験する。光を感じる視細胞が死滅してしまう網膜色素変性症などの治療に応用したいとしている。

 冨田教授のグループは2009年、緑藻に光を感じる遺伝子があることに着目し、失明したラットの視覚を回復させることに成功した。今回は、緑藻の一種であるボルボックスの遺伝子を哺乳類で機能するように組み換え、「アデノ随伴ウイルス」と呼ばれるウイルスに組み込んでラットの網膜細胞に注入した。

 その結果、これまで感知できなかった緑、黄、赤にラットが反応した。色の違いを識別することはできないが、感知できる色の種類が広がったことで、見える対象が増えることになる。

発酵乳製品でリスク低減

共同通信社 2014年5月13日(火) 配信

 ヨーグルトなど低脂肪の発酵乳製品をよく食べると、2型糖尿病の発症リスクが下がる―。英ケンブリッジ大の研究チームがそんな研究結果をまとめ、欧州糖尿病学会誌5月号に発表した。

 チームは英国在住の約4千人を11年間にわたり追跡調査し、2型糖尿病の発症リスクと食習慣との関連を分析した。

 その結果、ヨーグルトや低脂肪チーズなど低脂肪の発酵乳製品を食べる人は、全く食べない人に比べ発症リスクが24%低かった。ヨーグルトを1日80グラム食べる人は、全く食べない人に比べ発症リスクが28%低かった。リスク低下の理由は不明。ビタミンや乳酸菌の効果が考えられるという。

カメラに勝る目の仕組み 脳がブレ補正 京大など

朝日新聞 2014年5月13日(火) 配信

 目は絶えず動いているのに、なぜカメラと違って映像がブレないのか――。そんな疑問を解く糸口を京都大の研究者らがサルの実験でつかんだ。目を動かして変化した視界に対し、直前の視界を脳の中で重ね合わせることで、動きを滑らかに感じていることが示唆された。詳しい仕組みが分かればブレないカメラの開発につながる可能性がある。

 成果は米科学アカデミー紀要電子版に13日発表した。目に入った情報は、脳の視覚野という場所で処理され、輪郭や色、明暗など段階的に実際の光景に近づく。稲場直子特定助教らはこの中で、運動の知覚に関わる神経細胞の一群に着目した。

 実験では、画面に映した点を見るよう訓練したサルを使った。まずは画面の中心に点、右側の一角に視覚を刺激する画像を映した。この時、画面の左側は真っ黒なので、左側の視界を処理する神経細胞は活動しない。続いて、画像の位置が左側の視界に入るよう、点を右に動かし、猿の目を右に向かせる。この直前に画像も消すと、画像はないのに左側の視界を処理する細胞が一時的に活動した。

 こうした神経細胞の活動が特定できたのは初めて。この問題は、ドイツの科学者が150年ほど前に「目の動きによって生じたブレを脳が補正している」と提唱しており、稲場さんは「この仮説を支持する結果。目が動く前の光景を脳が覚えていて、本来画像があるべき場所にその画像を思い起こしている可能性がある」と話す。(阿部彰芳)

飲酒原因の死者330万人 WHO「対策促進を」

共同通信社 2014年5月13日(火) 配信

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は12日、過度の飲酒が原因の病気や事故による死者が2012年に世界で約330万人に上ったとの報告書を発表した。全死者の5・9%に当たり、アルコール規制などの対策を促進させるよう各国に呼び掛けた。

 報告書によると、10年の15歳以上の1人当たりアルコール消費量(純アルコール換算)は6・2リットル。ただ、15歳以上の人口の61・7%がアルコール類を摂取していないことから、飲酒人口の1人当たりの消費量は平均を大幅に上回るとみられる。

 12年の世界全体の肝硬変による死者の50%、口腔(こうくう)がん・咽頭がんによる死者の30%、交通事故死の15%は飲酒が原因とみられるという。

 10年5月、酒類の安売りや広告宣伝の規制案を盛り込んだ決議がWHO総会で採択された。報告書は「採択後に対策が進んだ国もあるが(全体的には)一層の進展が必要だ」と指摘した。

 日本の15歳以上の1人当たりアルコール消費量(10年)は7・2リットルで、ここ数年減少傾向という。

歯1本失った人、消化器がん死の確率6%高く 九州歯科大調査

西日本新聞 2014年5月12日(月) 配信

 健康な歯を失えば失うほど、胃がんや大腸がんで死亡する確率が高まりかねない―。九州歯科大(北九州市小倉北区)の調査で、こんな結果が出た。失った歯が4本以下の人より5本以上ある人の方が、消化器系のがんで死亡する確率は約2~3倍に上がる傾向などがみられるという。福岡県北部に在住し、1998年当時、80~81歳だった男女約800人を10年以上、追跡調査して判明した。「歯が少ないと、胃腸に過度に負担がかかるのが一因では」と調査チーム。口の中の健康を保てば、がんの予防にも一定の効果がある?

 対象は98年当時、旧9市町村(北九州市戸畑区、宗像市、行橋市、豊前市、苅田町、築城町、勝山町、豊津町、新吉富村)に住んでいた17年生まれの男女計824人。まず体と口の健康状態をチェック。その後は数年に1回、本人や家族に聞き取りをしたり、居住地の自治体を通じて死亡や死因を確認したりし、現在も調査を続けている。

 2010年の調査時点では、追跡できた697人のうち414人の死亡を確認し、うち死因ががんだったのは71人。内訳は肺がん16人▽肝臓がん13人▽胃がん12人▽大腸がん6人▽膵臓(すいぞう)がん4人―など。亡くなった人がそれぞれ1998年当時、永久歯28本のうち、入れ歯やインプラント(人工歯根)も含め、健康な歯を何本失っていたかを照合した。

 飲酒や喫煙の有無など医学統計上の誤差も加味した結果、虫歯や歯周病で歯を1本失った人は、全部そろっていた人に比べ、胃がんや大腸がんなど消化器系がんで死亡する確率が6%高いと判明。比較的母数は少なかったが、失った歯が5~9本の人は0~4本の人に比べ、消化器系がんで死亡する確率は2・2倍、同じく10本以上の人は3・2倍だった。一方、脳卒中や心臓疾患で死亡した人は、健康な歯の数とのこうした“因果関係”はみられなかったという。

 消化器系がんによる死亡は、がんで亡くなる人の6割を占める。調査チームを率いた同大の安細(あんさい)敏弘教授(予防歯科)は「歯を失うと、入れ歯やインプラントをしてもそしゃく力が落ち、栄養の摂取状態が悪くなることもあり得る」と分析。「日ごろの手入れと、歯科での定期チェックを怠らないで」と呼び掛ける。

老化抑える物質解明 長寿遺伝子をサポート

共同通信社 2014年5月12日(月) 配信

 肺で活発に働いている二つのタンパク質が、老化を抑制するとともに、長生きにつながる長寿遺伝子の作用を保っていることを大阪大の武田吉人(たけだ・よしと)助教(呼吸器病学)のチームがマウスを使って12日までに明らかにした。

 これらのタンパク質がないと脂肪や筋肉が早く萎縮し寿命が短くなったほか、肺の呼吸機能が低下する慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)の症状も示した。武田助教は「老化が進み、COPDになったと考えられる。二つのタンパク質を増やし、健康に長生きできる薬を開発したい」と話す。

 タンパク質はテトラスパニンCD9とCD81。テトラスパニンは細胞膜上にあり、細胞間の情報のやりとりや細胞増殖などを制御している。

 チームは喫煙や有害物質の吸入が原因とされるCOPDの研究で、CD9とCD81を作れないようにしたマウスを作製し、飼育していた。

 普通のマウスをCOPDにするには、たばこの煙に半年間さらさなければならないが、このマウスは何もしなくても生後2カ月半でCOPDになった。

 骨粗しょう症や白内障、組織の萎縮といった老化も早く進んだほか、老化した細胞が多く見つかった。長寿遺伝子「Sirt1」の働きも下がり、通常2年の寿命が1年半になった。

神経細胞増→古い記憶忘却…幼児期健忘解明か

読売新聞 2014年5月10日(土) 配信

 記憶に重要な役割を果たす脳の海馬のうち、情報の入り口にあたる部位で、新しい神経細胞が増えれば古い記憶の忘却が進むことを確認したと、藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)の宮川剛教授(神経科学)らとカナダ・トロント大学の共同研究グループが発表した。

 研究成果は9日に米科学誌「サイエンス」(電子版)に掲載された。

 発表によると、実験でマウスに電気ショックを与えた後、薬物投与や運動で新しい神経細胞ができるようにしたところ、電気ショックを思い出して身動きをしなくなる「すくみ反応」が短くなった。海馬の情報の入り口にあたる部位で若い頃に盛んに生まれる神経細胞は、新しい記憶の形成に重要とされる一方、古い記憶を忘れることも促進していることがわかった。

 宮川教授は、乳幼児の頃の出来事をほとんど覚えていない「幼児期健忘」のメカニズムの解明が進むとともに、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で、障害の元となった体験の記憶を薄れさせて治療につなげることなども期待できるとしている。

 生理学研究所の鍋倉淳一副所長(神経生理学)は「幼児期健忘を全く新しい視点で説明した興味深い研究だ」と話している。

[インフル] 4月14日~4月20日のインフル患者数2万2955人、7週ぶり増加

厚生政策情報センター 2014年5月9日(金) 配信

 厚生労働省は4月25日に、インフルエンザの発生状況(第16週・平成26年4月14日~4月20日)を公表した。

 インフルエンザの定点当たりの患者数は、第16週は総数で4.65(患者報告数2万2955人)で、7週ぶりに増加している(p2参照)。

 定点当たり報告数は、都道府県別では山梨県11.43、岩手県11.09、山形県10.92、福島県10.43、沖縄県10.31、青森県10.25の順になり、16都県で前週よりも減少したが、29道府県では増加がみられた(p2参照)。

 警報レベルを超えた保健所地域は15ヵ所、12都道府県で、前週から減少。注意報レベルを超えた保健所地域は40ヵ所、18道県となっており、前週より増加した(p2参照)。

 入院報告総数は165例で前週より減少し、報告は42都道府県からされている。年齢別では、0歳10例、1~9歳63例、10代12例、20代6例、30代2例、40代2例、50代10例、60代12例、70代22例、80代以上26例だった(p2参照)。

 資料には、都道府県別の報告数の詳細な表(p3~p4参照)と、保育所・学校等の学級閉鎖数等の表(p5~p6参照)、入院患者概況の表(p7参照)が添付されている。
資料1 P1~P7(0.5M)

歯1本失った人、消化器がん死の確率6%高く 九州歯科大調査

西日本新聞 2014年5月12日(月) 配信

 健康な歯を失えば失うほど、胃がんや大腸がんで死亡する確率が高まりかねない―。九州歯科大(北九州市小倉北区)の調査で、こんな結果が出た。失った歯が4本以下の人より5本以上ある人の方が、消化器系のがんで死亡する確率は約2~3倍に上がる傾向などがみられるという。福岡県北部に在住し、1998年当時、80~81歳だった男女約800人を10年以上、追跡調査して判明した。「歯が少ないと、胃腸に過度に負担がかかるのが一因では」と調査チーム。口の中の健康を保てば、がんの予防にも一定の効果がある?

 対象は98年当時、旧9市町村(北九州市戸畑区、宗像市、行橋市、豊前市、苅田町、築城町、勝山町、豊津町、新吉富村)に住んでいた17年生まれの男女計824人。まず体と口の健康状態をチェック。その後は数年に1回、本人や家族に聞き取りをしたり、居住地の自治体を通じて死亡や死因を確認したりし、現在も調査を続けている。

 2010年の調査時点では、追跡できた697人のうち414人の死亡を確認し、うち死因ががんだったのは71人。内訳は肺がん16人▽肝臓がん13人▽胃がん12人▽大腸がん6人▽膵臓(すいぞう)がん4人―など。亡くなった人がそれぞれ1998年当時、永久歯28本のうち、入れ歯やインプラント(人工歯根)も含め、健康な歯を何本失っていたかを照合した。

 飲酒や喫煙の有無など医学統計上の誤差も加味した結果、虫歯や歯周病で歯を1本失った人は、全部そろっていた人に比べ、胃がんや大腸がんなど消化器系がんで死亡する確率が6%高いと判明。比較的母数は少なかったが、失った歯が5~9本の人は0~4本の人に比べ、消化器系がんで死亡する確率は2・2倍、同じく10本以上の人は3・2倍だった。一方、脳卒中や心臓疾患で死亡した人は、健康な歯の数とのこうした“因果関係”はみられなかったという。

 消化器系がんによる死亡は、がんで亡くなる人の6割を占める。調査チームを率いた同大の安細(あんさい)敏弘教授(予防歯科)は「歯を失うと、入れ歯やインプラントをしてもそしゃく力が落ち、栄養の摂取状態が悪くなることもあり得る」と分析。「日ごろの手入れと、歯科での定期チェックを怠らないで」と呼び掛ける。

老化抑える物質解明 長寿遺伝子をサポート

共同通信社 2014年5月12日(月) 配信

 肺で活発に働いている二つのタンパク質が、老化を抑制するとともに、長生きにつながる長寿遺伝子の作用を保っていることを大阪大の武田吉人(たけだ・よしと)助教(呼吸器病学)のチームがマウスを使って12日までに明らかにした。

 これらのタンパク質がないと脂肪や筋肉が早く萎縮し寿命が短くなったほか、肺の呼吸機能が低下する慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)の症状も示した。武田助教は「老化が進み、COPDになったと考えられる。二つのタンパク質を増やし、健康に長生きできる薬を開発したい」と話す。

 タンパク質はテトラスパニンCD9とCD81。テトラスパニンは細胞膜上にあり、細胞間の情報のやりとりや細胞増殖などを制御している。

 チームは喫煙や有害物質の吸入が原因とされるCOPDの研究で、CD9とCD81を作れないようにしたマウスを作製し、飼育していた。

 普通のマウスをCOPDにするには、たばこの煙に半年間さらさなければならないが、このマウスは何もしなくても生後2カ月半でCOPDになった。

 骨粗しょう症や白内障、組織の萎縮といった老化も早く進んだほか、老化した細胞が多く見つかった。長寿遺伝子「Sirt1」の働きも下がり、通常2年の寿命が1年半になった。

リウマチ薬、神経難病も改善

読売新聞 2014年5月10日(土) 配信

 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市)神経研究所の山村隆・免疫研究部長らの研究グループが、神経難病の視神経脊髄炎(NMO)の症状改善に、関節リウマチの治療薬「トシリズマブ」が有効であることを臨床研究で実証した、と発表した。

 研究成果は、米神経学会誌「ニューロロジー」の電子版に掲載された。

 山村部長らは、ステロイドや免疫抑制剤が効かず再発を繰り返していた7人のNMO患者に、月1回トシリズマブを投与する治療を1年間続けた。その結果、7人とも体の痛みや疲労が改善され、うち5人は再発を起こさなかった。

 30代の女性は、背中や足腰の痛みのために100メートルほどしか歩けなかったが、トシリズマブの治療を始めて3か月後には、痛みがほとんどなくなり、1キロほど歩けるようになった。また、30代の男性は、両目に重度の視力障害があり、介添えなしでは歩くことができなかったが、治療後、視界が少し明るくなり、病院内で一人で歩くことができるようになった。

 山村部長らは2011年、NMOの発症を関節リウマチの治療薬トシリズマブで抑制できる可能性があることを基礎研究で突き止めた。その効果を実証するため、トシリズマブの適応外使用について、同センターの倫理委員会の承認を得て、同年から臨床研究を始めた。

 山村部長は「神経難病に対してこんなに治療がうまくいった経験は初めて。難病でも研究を続ければ解決できることを示すことができた。痛みで苦しんでいる患者のために、早期の新薬承認が望まれる」と話す。

 この研究成果などをもとに、トシリズマブを関節リウマチの薬として販売している中外製薬は現在、NMO患者を適応症とした新薬承認に向け、最終段階の治験を計画している。

 新薬は、トシリズマブなど従来の抗体製剤に比べ、投与間隔が長く、静脈ではなく皮下注射で投与できるうえ、効果も同等以上のものを目指している。治験は、世界で70人ほどのNMO患者を対象に、6月から行われる予定だ。

重い副作用10例報告せず 白血病治療薬でノ社 薬事法違反か、厚労省調査

共同通信社 2014年5月12日(月) 配信

 製薬会社ノバルティスファーマが、昨年4月から今年1月にかけて実施した医師らへのアンケートを通じ、白血病治療薬の重い副作用10例を把握しながら国に報告していなかったことが9日、関係者への取材で分かった。ノ社は4月、この10例を含め、報告が必要だった可能性がある33例を国に報告した。

 重い副作用は15日または30日以内の報告が義務付けられているが、期限を過ぎていることから、厚生労働省は薬事法に違反する可能性があるとみて調査している。

 ノ社の白血病治療薬をめぐっては、東大が中心となって実施した臨床研究で社員の不適切な関与が発覚した。今回、報告漏れが明らかになったのは臨床研究とは別に、ノ社が薬剤師や医師を対象に実施したアンケートで把握した症例。

 関係者によると、アンケートでは軽いものを含めて約700例の副作用情報が集まった。このうち、ノ社が社内調査で医師に聞き取りをするなどした結果、重症と判断したケースが10例あった。

 ノ社によると、アンケートは営業担当社員が実施していた。社内規定では、営業担当社員が副作用情報を把握した場合、社内の安全性評価部門に報告することになっていたが、多くの情報が伝わっていなかったという。

 ノ社の社外調査委員会は4月、東大の臨床研究でノ社が患者アンケートを通じ把握した副作用2例が未報告で、薬事法に違反する可能性があると指摘したが、この2例はその後の厚労省などの調査で、薬事法の報告義務の対象となる重症例ではないとされた。

 ノ社は、これまで同社が関わった医学研究について調査を実施中。他にも副作用の報告漏れがあるとの情報があり、詳しく調べている。厚労省は薬事法違反が確認された場合、業務停止や改善命令などの行政処分を出すことを検討する。

 ノ社は「今後、副作用の報告遅れがないよう原因を究明し、再発防止に取り組む」としている。

患者発生地に多数のマダニ 「農作業に注意」と感染研 野生動物が持ち込む?

共同通信社 2014年5月12日(月) 配信

 マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」による死亡者が出た西日本の集落で、30分間に100匹以上のマダニを捕まえたとの調査結果を10日、国立感染症研究所が明らかにした。周辺に出没するシカやイノシシなどの野生動物がマダニを持ち込んだとみられる。

 沢辺京子(さわべ・きょうこ)・同研究所昆虫医科学部長は「100匹は非常に多い。野生動物が出没する地域は感染のリスクが高い可能性がある」と指摘。「昨年の患者数は5月が最も多かった。田や畑で作業するときには、地面に直接座ったり肌を露出したりしないでほしい」と注意を呼びかけている。

 同研究所は4月中旬、SFTSによる死亡者が昨年出た西日本の集落周辺を調査。旗のような形状の布で地面をなでるように動かし、30分間で捕まるマダニの数を調べた。

 ほぼ同時期にシカがいない別の場所で捕れたのは40匹程度だったが、死亡者の自宅周辺にある田のあぜ道や畑の周辺では、最多で140匹いた。ほぼすべてがマダニの一種であるフタトゲチマダニだった。

 同研究所は、今回捕れたマダニがウイルスを持っているかどうか調査中。他の地域での状況を調べるため、全国規模での調査も実施している。

 集落周辺にはシカのフンが落ちており、イノシシがわなに掛かることもある。環境の変化で人里に下りてきたシカやイノシシにマダニが付いており、人の生活圏に侵入した可能性がある。

 マダニは体長数ミリ程度で、家庭にいる小さなイエダニとは別の種。森林や草地に生息する。同研究所は都道府県名など調査地点の詳細は明らかにしていない。

 ※重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

 2011年に中国の研究者が発表した新しいウイルス感染症。ウイルスを持つマダニにかまれると、6日~2週間ほどの潜伏期を経て、発熱や吐き気、頭痛などの症状が出る。重症化すると死亡することもある。これまで国内では近畿、中国、四国、九州地方で59人が感染し、このうち24人が死亡した。患者のほとんどが50代以上だった。厚生労働省研究班によると、患者が報告されていない北海道や東北、関東のマダニからもウイルスが見つかっている。

腸の難病、治療に便活用 豊富な菌、患者に注入 慶応大病院が臨床試験

朝日新聞 2014年5月10日(土) 配信

 下痢や腹痛などを繰り返し、薬で治らない腸の病気に悩む患者の腸に、健康な人の便を移す臨床試験を、慶応大病院が始めた。患者の腸内では免疫力を高める細菌などが適切に働いていないが、菌の宝庫である便を移植することで、症状が治まる可能性がある。

 人間の腸内には数百種類、数百兆個の細菌がすんでおり、免疫や栄養素の分解などにかかわっている。しかし、大腸粘膜に潰瘍(かいよう)ができる潰瘍性大腸炎など腸の病気の患者では、細菌の種類も個数も少ない。

 慶応大は3月下旬、臨床試験の1例目となる潰瘍性大腸炎の40代男性に親族の便を移す「便微生物移植」を行った。

 方法は、便を生理食塩水と混ぜてフィルターで濾過(ろか)した液体を注射器に入れ、50~300グラムほど内視鏡で大腸に注入する。提供者は配偶者か2親等以内の家族としている。

 臨床試験は、潰瘍性大腸炎のほか、下痢を繰り返す過敏性腸症候群や難治性感染症、消化管に炎症が起きる腸管ベーチェット病の患者計45人が対象。潰瘍性大腸炎の患者は国内に約14万人、過敏性腸症候群は約1200万人との推計がある。

 便移植は欧米で研究が進む。昨年、米医学誌に掲載された論文では、難治性感染症の患者約40人を従来の薬による治療と便移植とに分けて経過をみたところ、前者は20~30%しか治らなかったのに対し、後者は94%に効果があった。

 消化器内科の金井隆典教授は「便1グラムには乳酸菌飲料1本分の数百倍の細菌が含まれている。便の解析で病気と関連する菌がわかれば、新たな治療法につながる可能性がある」と話す。(岡崎明子)

忘却は神経細胞新生が原因 PTSD治療にも期待

共同通信社 2014年5月9日(金) 配信

 藤田保健衛生大(愛知県豊明市)の宮川剛(みやかわ・つよし)教授(神経科学)らの研究チームは、脳の海馬にある「歯状回(しじょうかい)」という部位で新たに神経細胞が生まれることで記憶が失われ「忘却」が起きることを、マウスを使った実験で確認したと、8日に米科学誌サイエンスで発表した。

 宮川教授は「詳しいメカニズムが分かれば、将来的には、嫌な記憶をわざと忘れさせて心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを治療する方法も期待できる」と話している。

 研究チームによると、神経細胞が生まれることで新たな記憶が形成される一方、既存の神経回路が妨げられ、蓄えていた記憶が失われる可能性があると指摘されていた。

 この指摘を実証するため、箱の中のマウスに電気ショックを与え、箱に入るとショックを思い出して足をすくめるよう学習させた。その後、大人と子どものマウスを5分ずつ箱に入れて足をすくませる時間を調べた。

 神経細胞が作られにくい大人のマウスは学習から4週間後も記憶が残り、足をすくませる時間が長かったが、神経細胞が活発につくられる子どものマウスは、1週間後には足をすくませる時間が大幅に短くなり、2週間後にはすくませなくなった。

 さらに、神経細胞と記憶の因果関係を確認するため、大人のマウスで神経細胞が作られる数を人為的に通常の1・5倍ほどに増やしたところ、足をすくませる時間が通常の半分程度まで短縮。逆に、子どものマウスで神経細胞が作られる数を抑えると、すくませる時間が長くなった。

 研究チームは、ヒトが幼いころの出来事を思い出せない「幼児期健忘」という現象の解明につながる可能性もあり、さらに詳しい仕組みを調べる必要があるとしている。

「STAP細胞できず」 香港の研究者が報告

共同通信社 2014年5月9日(金) 配信

 【ワシントン共同】理化学研究所の小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏らの手法では「STAP細胞は作製できなかった」とする論文を、香港中文大の李嘉豪(り・かごう)教授が英オンライン科学誌に8日発表した。

 李氏は小保方氏らの英科学誌ネイチャー論文発表を受けてさまざまな手法で再現実験に取り組んだがいずれも失敗。4月には「個人的にはSTAP細胞は存在しないと考える」と明かしていた。

 李氏は論文で、生まれたばかりのマウスの脾臓(ひぞう)の血液細胞と肺の線維芽細胞を弱酸性の溶液に浸す小保方氏らの手法を試したが、さまざまな組織に分化できる能力を示す遺伝子の働きは観察できなかったと結論付けた。

 発表当初からSTAP細胞論文に疑念を示していた米カリフォルニア大デービス校のポール・ナウフラー准教授は「残念だがSTAP細胞は存在しないというのが単純な説明だ」とブログで指摘。今後ネイチャーが編集判断で論文撤回することになるとの見通しを示した。

新生児から保湿、アトピーリスク3割減 成育医療センター研究

朝日新聞 2014年5月9日(金) 配信

 赤ちゃんが生まれた直後から皮膚の保湿を続けると、アトピー性皮膚炎になるリスクを約3割下げられるとする研究結果を、国立成育医療研究センターなどがまとめた。アトピーは乾燥などで皮膚の防御機能が乱れると発症すると考えられている。新生児のうちから適切な対処をすれば、予防できる可能性が高いという。京都市で9日に開かれる日本アレルギー学会春季臨床大会で発表する。

 親か兄姉がアトピー性皮膚炎と診断されている赤ちゃん116人を対象に調べた。1日1回以上体を洗った後、皮膚が乾燥している部分だけにワセリンを塗るグループと、全身に乳液状の保湿剤を塗るグループにくじ引きで分け、32週後のアトピー発症率を比べた。ワセリンを塗った子は58%が発症したが、保湿剤を塗った子の発症は37%にとどまった。統計学的にみて発症のリスクを約3割下げられたという。アトピーの発症はその後、食物アレルギーやぜんそくなどが次々と現れる状態のきっかけになると指摘されており、早期予防が重要とされる。(岡崎明子)

小保方氏の懲戒審査に1カ月 原則、懲戒解雇か諭旨退職

朝日新聞 2014年5月9日(金) 配信

 理研は8日、小保方氏の処分を検討する内部職員らで構成する「懲戒委員会」を設置した。記者会見した理研の米倉実理事によると、委員会が1カ月程度で結論を出し、理事会で決定する。理研内の共著者や所属長も審査の対象になるが、理研を離れた若山教授は対象にはならないという。

 理研の規程では、研究の不正行為が認定された場合、原則として最も重い「懲戒解雇」か本人に自主的な退職を促す「諭旨退職」にすると定めている。ただ、情状により、「出勤停止」「減給」「譴責(けんせき)」といったより軽い懲戒処分にとどめることもできる。

 同委員会の決定に不服があるときは再審査を請求できるほか、懲戒解雇などの処分が出れば、地位確認などの法的措置をとることができる。小保方氏の代理人は、「訴訟も選択肢のひとつ」としつつ、「方向性はまだ決まっていない」と話している。

 一方、STAP細胞が存在する可能性は否定できず、研究者生命を絶つような厳しい処分は避けるべきだとの声もある。ある与党の国会議員は「小保方氏の論文が不正なのは明白だが、彼女が将来的に才能を発揮する選択肢があってもよい。STAP細胞があったときは、日本は知的財産を確保しなければならない」と話す。

人工膣の移植に成功 米・メキシコチーム

朝日新聞 2014年5月8日(木) 配信

 生まれつき膣(ちつ)がない女性に対し、外陰部の細胞をもとに膣を作製して移植することに成功した、と米国とメキシコの研究チームが発表した。最長で8年間、正常に機能しているという。先天的な病気のほか、がんやけがで膣を失った女性にも応用できるという。英医学誌ランセットに掲載された。

 手術を受けたのは、生まれつき膣や子宮がない「ロキタンスキー症候群」と診断された13~18歳(当時)の4人。手術は2005~08年に実施された。自身の外陰部からわずかに採取した組織をもとに、筋細胞と膣上皮細胞を作製。膣の形をした型で7日間培養した後、移植した。移植後の組織や機能を毎年確認したところ、普通の膣と変わらないことが確認できた。

 おなかやお尻の皮膚をもとに作る方法などもあるが、大規模な手術が必要。担当したウェイクフォレスト大医学部のアンソニー・アタラ教授は「この方法は体に負担が少なく、合併症も少ない。今後さらに症例を増やし実用化を目指したい」と話している。(岡崎明子)

バカンティ教授所属の病院も検証へ STAP論文

朝日新聞 2014年5月9日(金) 配信

 STAP細胞の論文をめぐる問題で、主要著者の米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授が所属する病院は8日、朝日新聞の取材に対して「我々の研究に対するいかなる質問や懸念、申し立ても内部で評価される」などとする声明を出し、必要な検証は独自にする考えを明らかにした。

 理化学研究所が小保方晴子ユニットリーダーの不服申し立てを退け、研究不正を認定したことについて、病院側は「別の研究機関による調査にコメントするのは適切ではない」と言及を避けた。バカンティ教授は取材に応じられないとしている。

 バカンティ教授は、かつてハーバード大に留学していた小保方氏を指導し、STAP細胞につながる研究テーマを与えたとされる。論文への疑義の発覚後は、「データが誤りである証拠がない以上、論文を撤回すべきだとは思わない」などと声明で繰り返し反論を続けている。(ワシントン=小林哲)

##バカンティ教授は確か博士号もなく、なぜハーバードの教授になれたのかも判らない。

日付なく「メモ書き程度」 小保方氏の実験ノート

共同通信社 2014年5月9日(金) 配信

 研究者が研究内容に疑いをかけられた場合、不当だと思えば科学的根拠を示して反論する。そのよりどころが実験の記録を記したノートだ。理化学研究所の調査委は8日、「メモ書き程度で、日付もない」などと小保方晴子氏のノートの不備を指摘した。

 理研によると、2012年1月24日にSTAP細胞からできた「テラトーマ」と呼ばれる腫瘍を取り出したと主張しているが、それを記録したという75ページに日付はない。近くの73ページは「6/28」、3ページ先の76ページは「2/19」または「2/29」と8カ月も飛んでいるように見える。

 小保方氏側も7日、「ちゃんと実験していることを示したい」としてノートを公開したが詳細な記録はなく、「陽性かくにん!よかった」「12/27に10の5乗ずつ移植☆」との記述も。調査委員の真貝洋一(しんかい・よういち)・理研主任研究員は「メモ書き程度に要点を書いたというのかもしれないが、他人による検証はほとんど不可能なレベル」と切り捨てた。

 注)☆はハート(白)

高齢妊娠による染色体異常、一因はたんぱく質

読売新聞 2014年5月9日(金) 配信

 女性が年齢を重ねるにつれて、ダウン症などの染色体異常の子の出生や不妊、流産の頻度が増える要因の一つが分かったと、藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)の倉橋浩樹教授らの研究グループが発表した。

 研究グループは、染色体同士をつなぎとめ、染色体数を正常に保つたんぱく質「コヒーシン」に注目。19~49歳の女性8人から提供された卵細胞で、コヒーシンの量を調べたところ、20歳代よりも40歳代で減少していたという。

 8日に米科学誌プロスワン電子版に掲載された。倉橋教授は「コヒーシンの減少を防ぐ方法が解明されれば、高齢妊娠での染色体数異常のリスクを軽減できる」と話している。

「統合失調症」治療薬に期待 福島医大・小林教授チーム

福島民友新聞 2014年5月8日(木) 配信

 福島医大医学部付属生体情報伝達研究所の生体機能研究部門の小林和人教授(53)が代表を務める共同研究チームが、脳内にある神経伝達物質「アセチルコリン」を含む神経細胞に、動物が状況に応じて頭を切り替えて行動することを抑制する働きがあることを突き止め、6日付の英科学誌ネイチャーの電子版姉妹誌に発表した。小林教授によると、統合失調症などの治療薬の開発につながることが期待されるという。

 アセチルコリンを含む「アセチルコリン神経細胞」は記憶や学習を促進させる機能があるとされてきた。しかし研究で、頭の切り替えに重要な役割を果たす脳の「線条体」と呼ばれる領域では、頭の切り替えを抑制する機能を持つことが分かった。特定の細胞などが脳の働きを抑制するケースは、あまり知られていないという。研究チームには同部門の西沢佳代助教(31)のほか広島、愛媛両大の研究者が参加した。

 小林教授は「統合失調症などでは頭の切り替えに障害が生じるケースがある。線条体のアセチルコリンの伝達を抑制すれば頭の切り替えが早くなるという今回の成果は、治療薬の開発につながる」と説明した。

パーキンソン病 目印の物質解明 早期発見に道 都医学総研チーム発表

毎日新聞社 2014年5月8日(木) 配信

パーキンソン病:目印の物質解明 早期発見に道 都医学総研チーム発表

 神経難病「パーキンソン病」の原因となる細胞内の異常を除去する際に作り出される物質を突き止めたと、東京都医学総合研究所の田中啓二所長、松田憲之プロジェクトリーダーらの研究チームが、7日発表した。

 この物質の増加を検査で確認できれば、パーキンソン病を早期発見できる可能性がある。

 論文は英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。

 チームは、マウスやヒトの細胞を使い、環境や生活習慣と関係なく家族内で発症する遺伝性パーキンソン病(全体の1~2割)を調べた。

 遺伝性パーキンソン病は、二つの遺伝子「ピンク1」と「パーキン」が働かず、細胞内の小器官「ミトコンドリア」の不良品が蓄積し、神経細胞が失われて発病する。

 今回、二つの遺伝子が異常ミトコンドリアを除去する詳細な仕組みが分かった。ピンク1が異常ミトコンドリアを見つけると、「ユビキチン」というたんぱく質にリン酸を結び付ける。この結合が合図となってパーキンが働き始め、異常ミトコンドリアの分解を促していた。遺伝性でないパーキンソン病でも同様の仕組みが働いている可能性があるという。

 松田さんは「パーキンが働かない場合、もしくはピンク1やパーキンの処理能力を超える異常ミトコンドリアが生じた場合は、リン酸と結びついたユビキチンが急増し、パーキンソン病を発病する。このユビキチンを測定すれば早期発見できるようになるかもしれない」と話す。【永山悦子】

STAP論文問題 再調査せず 小保方氏申し立て退け 理研調査委方針

毎日新聞社 2014年5月8日(木) 配信

万能細胞:STAP論文問題 再調査せず 小保方氏申し立て退け 理研調査委方針

 新たな万能細胞とされる「STAP細胞」の論文不正問題を巡り、理化学研究所の調査委員会(委員長・渡部惇弁護士)は7日、筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が求めていた再調査をしない方針を決めた。この日の理事会での了承は見送られたが、調査委の最終報告に対する小保方氏の不服申し立ては退けられ、論文中の2件の画像に不正があったとする結論が確定する見通しとなった。【大場あい、斎藤有香】

 理研の規定によると、小保方氏の処分は、懲戒委員会が決める。懲戒委設置後約1カ月で結論をまとめる予定で、諭旨退職もしくは懲戒解雇となる可能性がある。また、理研は英科学誌「ネイチャー」に掲載された論文について、小保方氏ら著者に撤回を勧告する見通し。撤回されれば研究成果は白紙に戻る。

 小保方氏側は、4月1日に調査委が「2件の画像にそれぞれ改ざん、捏造(ねつぞう)の不正があった」と公表した最終報告について、同8日に不服申し立てをした。さらに、同20日と今月4日、主張の詳細を説明する理由補充書をそれぞれ提出した。

 しかし、小保方氏側が提出した資料は、改ざん・捏造の定義や画像取り違えの経緯に関する反論が大半で、小保方氏が「調査委に渡した2冊以外にもある」としていた実験ノートなどは提出されなかった。

 このため調査委は「再調査が必要な新たな資料には当たらない」と判断したとみられる。

 懲戒委では、調査委の報告で「責任は重大」とされた共著者の笹井芳樹・発生・再生科学総合研究センター副センター長、若山照彦・山梨大教授(理研客員主管研究員を兼任)の処分も検討される可能性がある。

 ◇実験ノート一部を公表

 小保方氏の弁護団は7日夜、理研の調査委員会が論文不正の再調査をしない方針を決めたことを受け、小保方氏の実験ノートの一部を公表した。

 捏造(ねつぞう)とされた画像について、「小保方氏の説明とノートを照らし合わせれば、きちんと実験したことが分かる」として、捏造を否定している。

 公表したノートは、弁護団が先月20日に理研調査委に提出した追加資料に含まれていた。

 弁護団によると、公表部分はノートの75ページ目で、2012年1月24日の記載。「テラトーマ解析について」としてマウス2匹の図があり、「テラトーマPFA固定」などと記されている。

 これとは別に同日撮影のマウスの写真があり、奇形腫(テラトーマ)の位置や大きさ、耳の切り込みなどが、両者で一致したという。

 小保方氏は公表について「エア(架空)実験のように言われるのは情けない。ちゃんと実験していることを公にしたい」と話しているという。【吉田卓矢】

 ◇失望と怒り--弁護団

 小保方氏の弁護団は7日、理研調査委員会が再調査をしない方針を決めたことについて、「到底承服できない。調査の不備や事実誤認について指摘したのにもかかわらず、拙速で粗雑な扱いに深い失望と怒りを感じる」とのコメントを発表した。同日夕までに、理研から小保方氏側に再調査に関する連絡はないという。

 弁護団の三木秀夫弁護士によると、小保方氏は「とても信じられないが、事実ならとても悲しい」と驚いた様子だったという。

 今後、小保方氏の処分が決まれば、訴訟に持ち込まれる可能性がある。

 三木弁護士は「小保方氏の今後の研究人生などを考えると、いたずらに長引かせることがいいのか。本人や弁護団であらゆる選択肢を検討したい」と話した。【吉田卓矢】

筋力・活力の老化は「フレイル」 学会が命名、予防提言

朝日新聞 2014年5月8日(木) 配信

 日本老年医学会は、高齢になって筋力や活力が衰えた段階を「フレイル」と名付け、予防に取り組むとする提言をまとめた。これまでは「老化現象」として見過ごされてきたが、統一した名称をつくることで医療や介護の現場の意識改革を目指している。

 フレイルは「虚弱」を意味する英語「frailty」から来ている。健康と病気の「中間的な段階」で、提言では、75歳以上の多くはこの段階を経て要介護状態に陥るとしている。高齢になるにつれて筋力が衰える現象は「サルコペニア」と呼ばれ、さらに生活機能が全般的に低くなるとフレイルとなる。

 米国老年医学会の評価法では、(1)移動能力の低下(2)握力の低下(3)体重の減少(4)疲労感の自覚(5)活動レベルの低下のうち、三つが当てはまると、この段階と認定している。国立長寿医療研究センターの調査によると、愛知県大府市に住む65歳以上の高齢者約5千人(脳卒中などの持病がある人を除く)のうち11%が該当したという。

 たんぱく質を含んだ食事や定期的な運動によって、この段階になるのを防いだり、遅らせたりできるとされる。提言を作成した荒井秀典・京都大教授は「適切に対応すれば、心身のよい状態を長く保つことができるという考えを浸透させたい。医療や介護の費用の抑制にもつながる」と話す。(土肥修一)

■フレイルの予防法

(1)十分なたんぱく質、ビタミン、ミネラルを含む食事

(2)ストレッチ、ウオーキングなどを定期的に行う

(3)身体の活動量や認知機能を定期的にチェック

(4)感染予防(ワクチン接種を含む)

(5)手術の後は栄養やリハビリなど適切なケアを受ける

(6)内服薬が多い人(6種類以上)は主治医と相談

(荒井秀典・京都大教授による)

「コメント適切でない」 米共著者の所属病院

共同通信社 2014年5月8日(木) 配信

 【ワシントン共同】STAP細胞論文の共著者のチャールズ・バカンティ米ハーバード大教授が所属する米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院は7日、「われわれの研究に対する疑問や懸念、疑惑については内部で評価される。他の機関による調査結果についてコメントするのは適切ではない」との声明を発表した。

 STAP論文を再調査しないとの理化学研究所の結論を受け、共同通信の取材に答えた。

 バカンティ氏はこれまで病院を通じ「論文の誤りは研究結果に影響しない」との声明を発表してきた。今回は「バカンティ氏は取材に応じられない」として病院が声明を出した。

インフルや虫歯抑制に効果 静岡、紅茶成分の粉末開発

共同通信社 2014年5月8日(木) 配信

 焼津水産化学工業(静岡県焼津市)と静岡県立大は、紅茶由来のポリフェノール「テアフラビン」の高濃度粉末素材を共同開発した。緑茶などに含まれ、抗菌効果や抗酸化作用が知られているポリフェノールの一種・カテキンに比べ、約15倍のインフルエンザウイルスの不活性化効果があるという。

 カテキンと比べ、約2倍の虫歯菌の増殖抑制効果があることも分かったが、口腔(こうくう)内の環境維持に必要な細菌には影響しないという。動物試験で、血流改善効果があることも判明した。

 同社によると、テアフラビンは紅茶の赤色のもととなる成分で、緑茶を紅茶に発酵させる過程でカテキンが変化してできる。開発した粉末素材中の濃度は約40%で、高濃度の粉末素材の市販化は国内初という。

 中性脂肪値を低下させるなどカテキンと同様の性質も持つことから、食品メーカーなどに販売し、機能を生かした飲料や洗口液など衛生用品への利用が期待される。

 静岡県産業振興財団の担当者は「お茶の消費が減りつつある中で、新しい静岡発の素材として広く利用してほしい」と話している。

加齢で卵細胞のタンパク減 ダウン症児出生にも影響

共同通信社 2014年5月8日(木) 配信

 藤田保健衛生大(愛知県豊明市)の堤真紀子(つつみ・まきこ)助教(分子遺伝学)らの研究チームは、女性の卵細胞内で染色体をつなぐタンパク質「コヒーシン」が加齢に伴って減少し、不妊や流産のほか、ダウン症など染色体異常がある子どもの出生につながると8日、米科学誌電子版に発表した。

 堤助教らは「コヒーシンの減少を防ぐ方法が開発されれば、将来、高齢妊娠での染色体異常のリスクを軽減できる可能性がある」と話している。

 チームによると、19~49歳の女性8人から、病気で摘出した卵巣の提供を受けて内部の卵細胞を調べ、年齢とコヒーシンの量の関係を解析した結果、個人差はあるが、高齢女性の卵巣ほどコヒーシンが少なくなる傾向が見られた。マウスを使った研究ではコヒーシンがないと染色体異常が増えることが分かっていた。

 コヒーシンが少ないと、排卵時に染色体が均等に分かれず、卵細胞に含まれる染色体数が通常より多くなったり、少なくなったりする。受精卵にも異常が生じ、流産の頻度が増えたり、ダウン症の子どもが生まれたりするという。

 チームは、不妊などの原因はコヒーシンだけではないとした上で「コヒーシンに関係する遺伝子を調べることで、染色体異常を起こしやすいかどうか判別できるようになることも期待できる」としている。

 ※米科学誌はプロスワン

理化学研究所が発表した声明(全文)

朝日新聞 2014年5月8日(木) 配信

 理化学研究所が野依良治理事長名で8日発表した声明文は以下の通り。

    ◇

 今般、研究論文の疑義に関する調査委員会(以下「調査委員会」)から、平成26年3月31日付調査結果に対する不服申し立てに関し、再調査は行わないとの結論に至った旨の報告を受けました。

 調査委員会の審査結果は、慎重に検討を重ねた上での結論であると承知しており、研究所は、この報告を受け、再調査は行わないことを決定し、不服申立者に対し、このことを通知するとともに、研究不正と認定された論文一編について、取り下げの勧告を行いました。今後、研究所の規程に基づき必要な措置を講じてまいります。

 なお、本調査委員会の委員が発表した過去の研究論文について、研究不正の疑義があると指摘を受けていますが、調査委員会のこれまでの調査については、的確に対応頂いたと受け止めており、結論に影響するものではないと判断しています。理研に所属する委員にかかわる疑義については、理研の規程に基づき対応してまいります。外部委員の場合には、それぞれの所属機関の規程に基づく対応となります。

 改めて今回の事案を厳粛に受け止め、研究不正行為の防止と、研究活動に対する信頼回復に努めてまいります。

妊産婦死、23年間で45%減 WHOが報告書

共同通信社 2014年5月8日(木) 配信

 【パリ共同】世界保健機関(WHO)や国連児童基金(ユニセフ)などは7日までに、妊産婦の死亡者数が1990年に52万3千人だったが、2013年には28万9千人と、23年間で約45%減少したとの報告書をまとめた。

 国連のミレニアム開発目標では、妊産婦死亡率を15年までに1990年比で4分の1まで削減するとしているが、WHOによると、現段階で達成した国はネパールやルワンダなど11カ国にとどまっている。

 WHOは「サハラ砂漠以南のアフリカ諸国の多くは依然として妊産婦死亡率が高く、削減の速度を一層速める必要がある」としている。

糖尿病など“判別”溶けて薬放出 ゼリー状物質開発

岐阜新聞 2014年5月7日(水) 配信

 ◆岐阜大・池田准教授ら 治療に応用へ

 京都大と岐阜大の研究グループが、糖尿病やがんなどの疾病の指標となる物質を見分けて溶けるゼリー状物質を共同開発した。医薬品を中に閉じ込め、病気の進行度を示す血液や尿内の物質の存在、濃度に応じて放出させることが可能。糖尿病治療などへの応用が期待できるという。

 京都大大学院工学研究科の浜地格教授、岐阜大工学部の池田将准教授(39)が共同執筆した論文が4日、英国科学雑誌ネイチャー・ケミストリーのオンライン版に掲載された。

 ゼリー状物質は「ヒドロゲル」と呼ばれる。水を加熱しながら試薬(ゲル化剤)と混ぜ、冷やすことで寒天のように容易に作成できる。冷やして固まる前に酵素や医薬品を加えると、ゼリー状物質に内蔵できる。ゲル化剤が集まってできた極細繊維がスポンジのように水を閉じ込めて固形を保つが、糖尿病や前立腺がん、痛風の指標物質に反応する内蔵の酵素がこれらの物質と出合うと化学反応で過酸化水素が生成され、繊維のつながりが切れて液体になる。

 池田准教授らは、がん組織の周辺で濃度が高くなるとされる乳酸に反応する酵素を内蔵したヒドロゲルも作成。乳酸との化学反応によりNADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が生成され、繊維が壊れて液化する。これら2種類のゼリー状物質を混ぜ合わせることで複数の指標物質がそろった場合に液化するヒドロゲルも開発した。

 ヒドロゲルは9割以上が水でできており、生物の体になじみやすいのが特徴。池田准教授は「血中の血糖値を下げるインスリンを閉じ込めたゼリー状物質を皮下注射しておき、血糖値の上昇時に反応してインスリンを自動的に放出するといった糖尿病の治療や疾病の診断キットなどとして多方面に応用できる技術だ」と話している。

小保方氏、理研に追加資料「重圧などから画像取り違え」

朝日新聞 2014年5月7日(水) 配信

 STAP(スタップ)細胞の論文問題で、小保方(おぼかた)晴子・理化学研究所ユニットリーダーの代理人の三木秀夫弁護士は7日、論文の不正を認定した理研に対し、不服申し立ての理由補充書などを追加資料として4日に提出したことを明らかにした。

 三木弁護士によると、追加資料(A4判32枚)は小保方氏への聞き取りや研究の報告書などをもとに作成。

 資料では、小保方氏は英科学誌ネイチャーに掲載された論文を執筆していた2013年1月ごろ、研究室の移転やユニットリーダーに就く準備などで極めて多忙だったと説明。論文発表を急ぐ共同研究者らからの重圧などが重なる特殊事情のもとで、画像の取り違えが起きたと主張している。ただ、実験ノートなどの新たなデータは示していない。

 補充書ではこのほか、捏造(ねつぞう)や改ざんは司法的解釈に基づいてなされるべきだとして判例を提示。また、理研が1年かけて実施しているSTAP細胞の存在の有無を検証する実験の結果を待って不正の有無の判断を見直すべきだとしている。

ポリオ感染が拡大 WHO、緊急事態宣言

共同通信社 2014年5月7日(水) 配信

 【パリ共同】世界保健機関(WHO)は5日、パキスタンやシリアなど10カ国でポリオ(小児まひ)の感染が拡大傾向にあり、国境を越えて広がるケースも出ているとして「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言、各国に予防接種の徹底など警戒を呼び掛けた。

 WHOが公衆衛生上の緊急事態を宣言したのは、豚インフルエンザの大量感染があった2009年4月以来。

 WHOによると、13年のポリオの感染者は世界で417人。今年は既に74人が感染し、うち多くがパキスタンでの感染という。

 今年に入り、パキスタンからアフガニスタン、シリアからイラク、カメルーンから赤道ギニアに国境を越えて感染が広がるケースがみられた。

 WHOは「このままではポリオ根絶は失敗に終わる」と警告、国際社会が連携して問題に取り組むよう訴えた。

 ポリオは口から感染するポリオウイルスが神経を侵し、手足などがまひする病気で、乳幼児がかかることが多い。

ペルー女性が世界最高齢? 先住民、116歳4カ月か

共同通信社 2014年5月7日(水) 配信

 【リオデジャネイロ共同】南米ペルー政府は3日までに、山間部に暮らす先住民女性の年齢を116歳4カ月と認定した。地元メディアが伝えた。事実とすれば、ギネス・ワールド・レコーズ社が認定する世界最高齢の大川(おおかわ)ミサヲさん(大阪市、116歳1カ月余り)より2カ月半早く生まれたことになる。

 この女性は南部ワンカベリカ県のアンデス山中に住むフィロメナ・タイペ・メンドサさんで、政府が発行した身分証明書には1897年12月20日生まれと記載されている。ただ、ペルー山間部の戸籍には不透明な部分が多く、信ぴょう性には疑問も残る。

 メンドサさんは「100年以上生きる秘訣(ひけつ)は自然食材。炭酸飲料は飲まない」と強調。ジャガイモや豆、ヤギのチーズや乳を主食にしているという。

 厳寒の山中にある土で塗り固めた家に1人暮らしをしており、子どもは9人生んだが、既に6人が亡くなった。年金受給の申請に訪れ、世界最高齢に当たることが発覚。地元メディアの取材に元気に応じた。

「先越されないか焦り」 小保方氏、背景を書面提出 「研究不信」

共同通信社 2014年5月7日(水) 配信

 STAP細胞の論文問題で、理化学研究所の小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏(30)は7日までに、不正とされた画像取り違えが起きた当時の状況について「早く論文を発表しないと先を越され、新たな発見がなされるかもしれないという焦りがあった」とする書面を、理研の調査委員会に提出した。

 代理人の三木秀夫(みき・ひでお)弁護士が7日明らかにした。特殊な状況下での取り違えだったことを調査委は把握しておらず、再調査すべきだと求めた。書面は4日付で、これまでの不服申し立ての内容を補充するもの。

 書面で小保方氏は、問題となった論文を執筆していた2013年1、2月の状況について、客員研究員として、理研で実験の指導を受けていた若山照彦(わかやま・てるひこ)氏が山梨大へ移る時期であり、極めて多忙だったと指摘。「移籍前に若山氏のチェックを受ける必要もあって投稿を急がざるを得ず、画像の差し替えを忘れてしまった」と説明した。

 また論文の早期提出をめぐっては「共同研究者からのプレッシャーもあった」とした。

 その上で、大学での研究不正が争いになった過去の判例なども引き合いに「故意の『改ざん』ではない」と従来の主張を繰り返した。

 また三木弁護士は、民放のバラエティー番組の予告で、小保方氏を題材にした場面の一部が放映され、局宛てに抗議したと明かした。番組の本番では放映されなかったが、「人権侵害への意識が薄い。一私人をたたくような笑いの取り方はやめてほしい」と批判した。

仕事の生きがい長寿に影響 日本一長野、県が分析

共同通信社 2014年5月7日(水) 配信

 都道府県別平均寿命が日本一となった長野県の研究チームが、長寿の理由を調査し「働く意欲が高く生きがいを持っていることや、減塩などの地域ぐるみの食生活改善運動が長寿につながっているようだ」と分析する中間報告を2日、発表した。

 チームは昨年6月以降、1日の野菜摂取量や人口10万人当たりの医師数など、平均寿命に影響を与えそうなデータを他の都道府県と比べて分析。健康づくりに関する県内の活動も調査した。

 その結果、就業率の都道府県順位が男性5位、女性4位(いずれも2007年)、ボランティア参加率が女性14位(06年)と比較的高く、生きがいを持って暮らしていると分析。

 禁煙運動や食生活改善推進員の活動も盛んで、男性の喫煙率が全国44位(06~10年)、メタボリック症候群該当者・予備軍の割合が男女合算で45位(10年度)と低く、長寿に貢献しているのではないかと推察した。

 県の本格的な研究は初めてで、これまで長寿要因と考えられていた内容とおおむね一致した。チーム座長の佐々木隆一郎(ささき・りゅういちろう)飯田保健福祉事務所長は「県内の地域ごとの違いなど、研究をさらに進めたい」と話している。

 厚生労働省によると、10年の都道府県別平均寿命は、長野県が男性80・88歳、女性87・18歳でともに1位。

H5N6型で初の死者 中国、鳥インフル

共同通信社 2014年5月7日(水) 配信

 【上海、台北共同】中国四川省の衛生当局は6日までに、急性肺炎で死亡した同省南充市の49歳の男性から鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)が検出されたと発表した。中国側から通報を受けた台湾の衛生当局によると、H5N6型に感染した人の死亡が確認されたのは初めて。鳥インフルエンザに詳しい鳥取大の伊藤寿啓(いとう・としひろ)教授は、人への感染確認自体も「初めてではないか」としている。

 H5N6型は、鳥に対して毒性の強いH5型の一種で、中国で人への感染が拡大したH7N9型とは別のタイプ。男性は死んだ鳥と接触していたという。

 中国の衛生当局は、男性と密接に接触した人に異常はなく、H5N6型の人への感染が拡大するリスクは低いとしているが、台湾当局は四川省への渡航に注意を呼び掛けた。

震災1年、大学生の「海馬」が萎縮…恐怖癒えず

読売新聞 2014年5月6日(火) 配信

 震災前から仙台市内に住む大学生に、記憶をつかさどる脳の「海馬」が、震災後1年たってから萎縮する傾向がみられることが、東北大加齢医学研究所の調査で分かった。

 同研究所は、震災の恐怖が癒えず、長期にわたりストレスを受け続けた結果とみている。

 調査は、震災前から仙台市内に住む大学生の男女37人(平均21歳)を対象に、震災前後の2009年から12年まで、脳を磁気共鳴画像(MRI)で撮影して比較した。

 海馬は一般的に、10歳代後半をピークに徐々に萎縮する。震災後3-4か月では大きな変化はなかったが、1年後に測定したところ、右側の海馬の体積が5%程度小さくなっていたという。調査対象には津波にのまれたり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したりする学生はいなかったが、震災当時、仙台市内にいなかった学生と比べても、萎縮は顕著だったという。

 研究結果は29日、英科学誌ネイチャー系医学誌「モレキュラー・サイカイアトリー」電子版に掲載された。

 同研究所の関口敦講師(40)(脳画像解析医学)のグループは「津波被害を受けた被災者なら、さらに脳が萎縮している恐れがある。被災者には継続的なケアが必要だ」としている。

理研、全研究者の論文自主点検を指示 約3千人

朝日新聞 2014年5月4日(日) 配信

 STAP細胞の論文問題を受けて、理化学研究所は、所内の研究室や研究グループのトップを務める研究者約280人に対し、自分と部下の研究者全員の過去の論文に不正がないか自主点検するよう求めた。理研に所属する全ての研究者約3千人が関わった論文を対象にするという。

 理研によると、自主点検は野依良治理事長が4月25日付の文書で指示。画像などデータの取り扱いや、文献の引用の記載方法などに不正がないかを調べるよう求めた。対象となる論文は年間約2500本あるが、何年さかのぼって点検するかは指定していないという。また、結果の報告期限も設けていない。

 STAP論文をめぐっては、不正を調べる調査委員会が3月末、小保方晴子ユニットリーダーに研究不正があったとする報告書をまとめた。一方、委員長を務めた石井俊輔上席研究員の過去の論文にも、画像の切り張りが見つかり、石井氏は論文を訂正。4月25日に委員長の辞任を表明した。

 自主点検は、石井氏の辞任表明を受け、他の研究者の論文にも不正の疑いがないか確認するために必要だと判断した。

 加賀屋悟・広報室長は「すみやかに点検してもらう。論文に対する疑義の通報が研究者にあった場合も、監査・コンプライアンス室に報告してもらう」と話した。(合田禄)

血管広げ息苦しさ改善 肺高血圧症、研究センター

共同通信社 2014年5月2日(金) 配信

 国立循環器病研究センター(大阪府)は1日、息が苦しくなったり胸が痛くなったりする肺の難病「慢性血栓塞栓(そくせん)性肺高血圧症」に、風船状の器具を入れて肺の血管を広げる治療が有効との研究結果を発表した。手術ができず治療法がない患者が対象。

 センターによると、この病気は血の塊が肺の血管に詰まる。国内の推定患者数は約1500人で、60代前後の女性を中心に多い。血の塊を取り除く手術が一般的だが、細い血管が詰まっている患者には実施できなかった。

 こうした男女の患者20人(40~80代)にカテーテル(細い管)を使って風船状のバルーンを肺の血管に入れ、経過を解析。患者が6分間で歩ける距離が伸び、息苦しさが改善することが判明した。

 この病気では肺に血液を送る心臓に負担がかかり、心不全で死亡することもあるが、今回、心臓が正常に近い状態に戻ることも分かった。

 どんな症状に特に有効かや、長期的な生存率をどれだけ改善できるかの解明が今後の課題。

 肺循環科の大郷剛(おおごう・たけし)医長は「新しい治療法なので、多くの人に知ってほしい」と話した。

出産多い女性、残る歯減る傾向 「妊娠中も十分ケアを」

朝日新聞 2014年5月1日(木) 配信

 出産回数の多い女性は将来、残る歯が少なくなりやすいことが、東京医科歯科大の植野正之准教授(健康推進歯学)と国立がん研究センターなどの共同研究でわかった。妊娠中はホルモンバランスが変化して虫歯などになりやすい上、治療を避ける傾向があるためらしい。

 1990年に秋田県の40~59歳の男女に健康状態や生活習慣を尋ね、15年後の2005年に歯科検診を受けてもらった。1211人(男性562人、女性649人)について、親知らずを除く永久歯28本のうち何本残っているかを、年齢や喫煙経験、甘い物好きかといった食習慣の影響を取り除いて調べた。

 その結果、出産回数0回の女性は18・6本の歯が残っていた。しかし、出産回数2回で18・3本に減り、3回では16・4本だった。4回以上だと15・6本となり、0回の人に比べて約3本少なかった。上下でかみ合っている奥歯の数も出産回数が増えると減った。男性について子どもの数で同様に分析したが、歯の数との関連はなかった。

 植野さんによると、妊娠中の女性はホルモンや口の中の細菌のバランスが変化して免疫力が落ち、虫歯や歯周病になりやすい。つわりの影響などで歯磨きがおろそかになり、治療も避ける傾向があるという。

 植野さんは「きちんとケアをすれば、歯を失うリスクを減らせる。妊娠中でも、一般的な歯科治療は問題もない。積極的に歯の病気の予防に取り組んでほしい」と話している。(伊藤綾)

がん細胞転移の仕組み解析 タンパク質発現、けん引

共同通信社 2014年5月2日(金) 配信

 名古屋大大学院の高橋雅英(たかはし・まさひで)医学系研究科長(腫瘍病理学)と加藤琢哉(かとう・たくや)特任助教(同)のグループは1日、がん細胞の集団が別の組織へ入り、がんが広がったり転移したりしていく際の詳細な仕組みを解析したと、米科学誌電子版に発表した。

 集団の表面にある細胞内で、動きを制御するタンパク質の発現が促進され、隣接する内側の細胞を引っ張って動く仕組みを確認。高橋研究科長は「このタンパク質を阻害する薬など、新たな治療法の開発につながる」と話している。

 グループは皮膚がんや口腔(こうくう)がん、子宮頸(けい)がんなどにみられるヒトの扁平(へんぺい)上皮がんを使用。がん細胞の集団を表面の「先導細胞」と内部の「後続細胞」に分類して調べた。

 その結果、先導細胞では細胞の動きに関わるタンパク質「インテグリンベータ1」が強く発現することが判明。このタンパク質の阻害剤を加えてがん細胞を培養すると、周辺の組織への移動がみられなくなった。

 さらに、インテグリンベータ1が発現するまでの仕組みも解析した。先導細胞は自身の外側にがん細胞がいないことを感知すると、細胞内で酵素を活性化させ、物質を結合。これによりインテグリンベータ1の発現が促進されていた。

 遺伝子操作により、結合される物質を抑えたがん細胞を作製し、マウスの舌に移植して実験すると、リンパ節への転移率が、通常の75%から、10~20%程度まで抑制された。

 高橋研究科長によると、がんの転移では、細胞が個別に分離して移動するケースの研究が中心になっているという。高橋研究科長は「集団移動のケースの方を研究の真正面に掲げ、仕組みの解明に努めなければいけない」と話している。

 ※米科学誌はセル・リポーツ

「抗生物質効かない」世界中で WHO、使いすぎ警告

朝日新聞 2014年5月1日(木) 配信

 世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)は4月30日、感染症治療などに使われる様々な抗生物質が多くの国々で効かなくなってきている現状を発表。「ただちに対策を打たなければ、ありふれた感染症や、ささいなけがで再び命を落とす時代に戻ってしまう」と警告した。

 WHOは、114カ国のデータを詳細に分析。肺炎や淋病(りんびょう)、尿路感染症、敗血症などの原因になる7種の主な細菌が抗生物質に耐性を持ち、効かなくなっている傾向があると報告した。

 これらの病気は適切に治療しないと、重篤な症状を引き起こしたり、感染を広げたりする可能性がある。例えば、淋病の治療には特定の抗生物質が切り札だが、日本や欧米、南アフリカなど10カ国で効かない事例が確認された。淋病には世界で毎日100万人以上が感染しているとされる。

 抗生物質は20世紀前半から発見・開発が進み、病気による死亡率を下げてきた。ただ、使いすぎると、細菌が耐性を持つようになり、効き目がなくなる。そのため、死亡率や医療コストの上昇につながる。

 国によっては、抗生物質を医師の処方箋(せん)なしに買えるため、抗生物質が過剰に使われている可能性もある。WHOは、患者には処方箋通りの正しい服用をすることや他人からの譲り受けをしないように呼びかけている。医療関係者には感染症になりにくい対策を、政策当局には医薬品の正しい使用に向けた規制などを求めている。(ジュネーブ=松尾一郎)

はしか、既に300人 厚労省、予防接種呼びかけ

共同通信社 2014年5月1日(木) 配信

 国立感染症研究所は30日、今年に入ってはしかと診断された患者が23日までに300人になったと発表した。2007年、08年に10~20代を中心に大流行した後は減少が続いていたが、おととしの283人、昨年の232人を既に上回った。

 フィリピンなど海外からウイルスが持ち込まれ、国内で小規模な感染拡大が起きたことが影響したとみられる。1歳と小学校に上がる前の1年間の計2回、ワクチンの定期接種の対象になっており、厚生労働省の担当者は「対象年次になったらすぐに接種を」と呼び掛けている。

 患者の77%は、予防接種をしていないか、したかどうかが不明な人だった。都道府県別の患者数は、東京が59人で最も多く、静岡(28人)、千葉(24人)、埼玉と愛知(各23人)が続く。

 はしかのウイルスは非常に感染力が強く、患者と同じ部屋にいるだけで空気を介して感染する。高熱や発疹のほか、肺炎や中耳炎などの症状が出ることもあるが、特効薬はない。春から初夏に患者が増える傾向がある。患者の全数報告が始まった08年は約1万1千人だった。

遺伝子変異で知的障害 発症の原因解明…富山大

読売新聞 2014年5月1日(木) 配信

 富山大大学院医学薬学研究部の水口峰之教授(42)(構造生物学)らの研究グループは30日、知的障害を引き起こす遺伝子の変異が障害の発症につながる原因を解明したと発表した。

 水口教授は「将来的に知的障害の分子メカニズム解明や治療につながることが期待される」としている。同日付の英電子版科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。

 研究対象としたのは、共同研究者の岡沢均・東京医科歯科大教授が発見した「PQBP1」というたんぱく質の遺伝子。知的障害の原因遺伝子はこれまで多数見つかっている。

 中でもこの遺伝子の変異は知的障害者に高い頻度で見られるが、なぜ知的障害の原因となるのかは解明されていなかった。

 水口教授らがPQBP1の立体構造を解析した結果、この遺伝子に変異が生じると、たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、特定の四つのアミノ酸の配列が失われ、ある別のたんぱく質に結合できなくなることがわかった。

 PQBP1が結合する相手のたんぱく質は、遺伝子DNAの情報からたんぱく質を作るための伝令役となるRNAが作られる際に、不要な部分を切り捨てて情報を担う部分だけをつなぐ「スプライシング」に関わっている。この機能が損なわれると、脳神経細胞が正常に作られるのが妨げられ、知的障害につながると考えられる。

 今後はマウスやショウジョウバエを使った実験で、PQBP1遺伝子の変異による影響などを調べていくという。

変わる「実験ノート」 電子データ急増で多様化 STAP細胞論文問題

共同通信社 2014年5月1日(木) 配信

 STAP細胞の論文問題で、細胞が本当にあるのかを探る鍵として注目が集まる理化学研究所の小保方晴子(おぼかた・はるこ)研究ユニットリーダー(30)の「実験ノート」。実験ノートは研究者が日々の研究を記録し、成果の証拠にもなるが、記録の仕方に一律の基準はなく、電子データの急増で記録法は多様化している。

 ▽知財担当がサイン

 表紙に研究室名と通し番号が書かれたA4サイズのノートを、神戸大大学院医学研究科iPS細胞応用医学分野の青井貴之(あおい・たかし)特命教授が手に取って広げた。

 中には日付や実験の目的、内容、結果などが日本語や英語で書かれ、画像が貼り付けてあった。余白には斜線を引き、後から書き加えるのを防いだり、貼り付けた画像と下のページに割り印のように名前と日付をサインしたりしてある。

 所々に「Page35へ」などと矢印付きの書き込みも。「どの実験同士が関連しているのかをページでたどれるようにしています」と青井教授。

 こうしたノートの使い方は、昨年3月まで所属していた京都大iPS細胞研究所時代からのものだ。青井教授は「iPS細胞研究所はさらに厳密で、記録した実験の内容などを知的財産の担当者が定期的にチェックし、ノートに確認のサインをしていた」と話す。

 ▽ハードディスクに

 「電子データが増えて、全てをノートに書くのは現実的でない」

 こう強調する理研のある研究者は日付や実験内容はノートに記録し、画像や表は全てを印刷せず、ハードディスクやオンラインで保存し、互いに照合できるようにしている。ノートは整理がしやすいルーズリーフを愛用。「生データは必ず保存し、実験が再現できるよう十分な記録を残しつつ、効率を重視している。でもノートは年間千ページ程度になる」と明かす。

 ノートを全く使わないケースもある。コンピュータープログラムを扱う男性研究者は、研究の進み具合、プログラムの修正、テスト結果などのデータを、パソコンを通じてほぼ自動で記録する仕組みを利用している。

 ▽厳格に書く

 文部科学省のガイドラインは、研究機関が所属の研究者に対し、実験ノート作成や細胞などの試料の保存をするよう求めることを定めている。不正行為が疑われた際、基本的な証拠を示せないと、不正と認定される恐れがあるからだ。

 実験ノートに関する著書のある埼玉医科大の岡崎康司(おかざき・やすし)教授(ゲノム医学)は「ノートだけで記録しきれない情報は多いが、個々人に方法を任せている現状が問題を引き起こしている」と指摘。「誰もが実験を再現できるような、研究内容をいつでも確認できるような厳格なノートの書き方を理解した上で、現場のニーズに合わせて運用するのが良い」と提言する。

ブタ組織を移植、ヒトの筋肉再生 米大学など成功

朝日新聞 2014年5月1日(木) 配信

 事故やけがで足の筋肉の大半を失った患者に、ブタの組織を移植して筋肉を再生させることに成功した、と米ピッツバーグ大などが30日付の米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに発表した。

 研究チームは、スキー事故や兵役中の爆発事故で片足の筋肉を58~90%失った20~30代の男性5人に、ブタの膀胱(ぼうこう)細胞の周りにあるたんぱく質複合体「細胞外マトリックス(ECM)」を移植した。ECMにはコラーゲンなどが含まれており、幹細胞を呼び寄せたり、組織を再生したりする働きがあると考えられている。

 5人は手術後3~6カ月間の理学療法を終え、これ以上は機能が回復しない状態だった。ECMを負傷した足に移植して再び理学療法を実施したところ、5人とも新しい筋肉や血管が再生し、生活の質が改善したという。うち3人は足を上げることや、階段を上ることなどの機能が移植前より25%以上よくなり、負傷した足での片足跳びの距離が8センチから約90センチにのびた人もいた。

 研究チームはこれまでにも、指先が切断された傷口にECMの粉をふりかけ、数週間後に指や爪が再生したと明らかにしている。スティーブン・バディラック教授は「ECMは様々な再生医療に応用できるだろう」と話している。

 (岡崎明子)

父が思春期前に喫煙、息子肥満 英大調査、娘は影響なし

朝日新聞 2014年5月1日(木) 配信

 思春期前にたばこを吸い始めた父親をもつ男性は、肥満になりやすい傾向にあることが英ブリストル大の調査でわかった。親の喫煙習慣が次世代の体形に影響することを示唆する結果だが、同じ喫煙習慣をもつ父親でも娘の体重には大きな影響は見られなかった。欧州人類遺伝学会誌(電子版)に論文が掲載された。

 90年代前半に子どもが生まれた英国の親子約1万5千人を対象にした追跡調査の一環。研究チームは、喫煙者の父親をもつ男性5157人と女性4516人について、父親がたばこを始めた年齢ごとに、子どもの肥満指数(BMI)などを比べた。

 その結果、父親が11歳より若いときに喫煙を始めたグループで、息子のBMIが13~17歳にかけて有意に大きく、肥満傾向が裏付けられた。5~10キロ分の体脂肪が多かったことになるという。娘の場合も、父親の喫煙開始が早いほどBMIが増える傾向がみられたが、男性ほど有意差は確認できなかった。なぜ父親の喫煙習慣が息子に影響するか、詳しい仕組みはわかっていないという。

 (ワシントン=小林哲)

遺伝子変異で知的障害 発症の原因解明…富山大

読売新聞 2014年5月1日(木) 配信

 富山大大学院医学薬学研究部の水口峰之教授(42)(構造生物学)らの研究グループは30日、知的障害を引き起こす遺伝子の変異が障害の発症につながる原因を解明したと発表した。

 水口教授は「将来的に知的障害の分子メカニズム解明や治療につながることが期待される」としている。同日付の英電子版科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。

 研究対象としたのは、共同研究者の岡沢均・東京医科歯科大教授が発見した「PQBP1」というたんぱく質の遺伝子。知的障害の原因遺伝子はこれまで多数見つかっている。

 中でもこの遺伝子の変異は知的障害者に高い頻度で見られるが、なぜ知的障害の原因となるのかは解明されていなかった。

 水口教授らがPQBP1の立体構造を解析した結果、この遺伝子に変異が生じると、たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、特定の四つのアミノ酸の配列が失われ、ある別のたんぱく質に結合できなくなることがわかった。

 PQBP1が結合する相手のたんぱく質は、遺伝子DNAの情報からたんぱく質を作るための伝令役となるRNAが作られる際に、不要な部分を切り捨てて情報を担う部分だけをつなぐ「スプライシング」に関わっている。この機能が損なわれると、脳神経細胞が正常に作られるのが妨げられ、知的障害につながると考えられる。

 今後はマウスやショウジョウバエを使った実験で、PQBP1遺伝子の変異による影響などを調べていくという。

貼り薬で胎児に副作用 妊娠後期は使用禁止

共同通信社 2014年5月1日(木) 配信

 厚生労働省は30日、痛みや炎症を抑える医療用貼り薬「モーラステープ」(一般名ケトプロフェン)を使用した妊婦に、胎児の動脈管収縮や羊水過少症の副作用が5例あったと発表した。いずれも後遺症はなく、回復したという。

 厚労省は同剤と副作用の因果関係が否定できないとして、モーラステープなど、ケトプロフェンを有効成分として含む貼り薬や塗り薬を製造する久光製薬などに対し、妊娠後期の妊婦は使用しないよう、添付文書の使用上の注意の改訂を指示。久光製薬は「禁忌」の項目に妊娠後期の女性を盛り込むなどの改訂を済ませた。

 厚労省によると、妊娠後期に使用した後、胎児の心臓につながる胎児動脈管が収縮し、胎児に肺高血圧症などが起きた症例が4例あったほか、妊娠中期の使用で羊水が少なくなる羊水過少症が1例あった。

 モーラステープは1995年に販売開始し、年間約917万人が使用している。

理研100年、「楽園」の足跡 研究員は対等/起業し費用捻出/STAP問題

朝日新聞 2014年4月30日(水) 配信

 STAP(スタップ)細胞の論文問題で注目が集まる理化学研究所(理研)は、2017年に創立100年を迎える。その足跡をたどると、科学研究の環境や予算をどうすべきかという、日本の科学史について回る古くて新しい問題が浮かび上がる。

 うまみ調味料の発明者池田菊苗、ノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎と湯川秀樹、身近な現象を解明した寺田寅彦、日本初の女性化学者黒田チカ……。

 理研には逸材が集まり、彼らが育てた研究者らも日本科学史に刻まれる業績を残した。「全く自由な空気である。先生たちも若いものも、お互い全然遠慮なく討論する」と朝永は若き日を過ごした理研を回顧し、「科学者の自由な楽園」と表現した。

 この環境を整えたのが1921年、第3代所長に就いた大河内正敏とされる。『寺田寅彦』(中公新書)の著書がある早稲田大の小山慶太教授(科学史)は「寅彦は大河内所長に頼み、ツバキを敷地に植えている。実用的な研究じゃなくても認める懐の広さがあった」と話す。寺田は独自の研究を貫き、師事した夏目漱石の俳句「落ちさまに虻(あぶ)を伏せたる椿哉(かな)」の情景を下敷きに、「空気中を落下する特殊な形の物体―椿(つばき)の花―の運動について」という論文をまとめた。

 部制を廃止し、主任研究員制度を導入したのも大河内所長だった。研究内容や予算、人事を主任研究員に委ね、部長も一研究員という対等の関係にして風通しをよくした。

 時代にも後押しされた。「第1次世界大戦で、国のために役立つ研究をしようという声が高まった」と日本科学史学会の板倉聖宣(きよのぶ)会長は話す。工業原料などの輸入が途絶え、欧米依存のもろさを痛感したからだ。

 しかし一方で、財団法人として始まった当初から台所事情は厳しかった。そこで大河内所長は理研自ら研究費を稼ぐ決断をした。研究成果を実用化する会社を次々と立ち上げ、63社の「理研コンツェルン」を形成。研究費の8割近くをまかなった。この流れをくむ企業に事務機器大手のリコー、「ふえるわかめちゃん」を販売する理研ビタミンなどがある。

 戦後、財閥とみなされた理研コンツェルンは解体。理研本体は株式会社として再出発したが再び経営難に陥り、国の資金援助を受けた半官半民の特殊会社となる。58年には「特殊法人理化学研究所」、2003年に現在の独立行政法人となった。

 研究費を獲得するには、成果を上げる必要がある。00年前後には「研究センター」と呼ばれる組織を次々と立ち上げた。STAP細胞論文を発表した「発生・再生科学総合研究センター」もその一つ。センターの設立ラッシュによって研究者の人員と研究予算が一気に膨らみ、センター群では任期制の研究者が多く採用されるようになる。

 近年は、世界最高水準の研究成果を追求する「特定国立研究開発法人」への移行を目指していたが、今回の問題で不透明になった。

 板倉会長は「輝かしい成果のみを追い求めると、たいがい間違いが起こる」と言う。5月に再版される『「科学者の楽園」をつくった男』(河出書房新社)で著者の宮田親平さんは、国家や大企業の管理体制下に入ることを促した結果を「科学者間の競争はいよいよ激甚となって、そこでは研究の喜びどころか、ときには地位や営利が目的だけの研究者さえ生み出しかねない状況になっているのではないだろうか」と憂えている。

 小山教授は問いかける。「今も、寺田がいた頃の科学者たちの精神が息づいているだろうか」と。(高橋昌宏)

##理研として論文を発表するなら、内容の懸賞と、責任があるだろう。

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