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医療情報94

医療情報93
20140801~

iPS移植に先進医療検討 京大、パーキンソン病治療

共同通信社 2014年8月15日(金) 配信

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から神経細胞を作り、パーキンソン病の患者に移植する京都大の再生医療について、自分の細胞を使う場合は保険診療と併用する先進医療として2018年度に始めることを京大の高橋淳(たかはし・じゅん)教授が検討していることが15日、分かった。

 高橋教授は、保険診療を適用すれば、多くの患者が治療を受けられることが期待されるとしている。

 他人の細胞から作ったiPS細胞のパーキンソン病患者への移植も、18年度に治験の開始を検討する。

 パーキンソン病は、脳の神経伝達物質ドーパミンを出す神経細胞が減り、手足の震えや体のこわばりが起こる難病。神経細胞の減少を根本的に食い止める方法はない。

 高橋教授らのチームは15年度から、パーキンソン病の患者にiPS細胞を移植する臨床研究を始める方針。iPS細胞を使ってドーパミンを放出する神経細胞を作り、患者の脳に移植する研究を進めており、これまで動物実験で効果を検証してきた。

##私のレーベル視神経萎縮も細胞移植でなおればいいのですがね。まだ大分先でしょうね。

偽エボラ薬にご注意 米食品医薬品局が警告

共同通信社 2014年8月15日(金) 配信

 【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)は14日、エボラ出血熱に効くと偽ってネット販売されているサプリメント商品などを購入しないよう消費者に注意を呼び掛ける文書を出した。

 米国人の感染が判明した先月以降、米メディアは西アフリカのエボラ熱流行を盛んに取り上げている。FDAによると、エボラ熱の感染予防や治療に効くとうたった商品への苦情が消費者から最近寄せられるようになった。具体的な商品名は明らかにしていない。

 FDAは「現時点でエボラ熱を対象に承認され、ネットで購入できる治療薬やワクチンは存在しない」と強調。業者に対しては、法的措置を講じる可能性もあると警告している。

エボラ薬の使用、慎重に 米衛生当局者が注意

共同通信社 2014年8月15日(金) 配信

 【ワシントン共同】米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は13日、西アフリカで流行するエボラ出血熱の治療に開発段階の薬を使う際には慎重な手続きを踏むよう求める論文を、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。

 開発中の治療薬はいくつか存在するが、薬の効き目が未知数で副作用の恐れもあり、供給可能量が少ないと指摘。「奇跡の薬が現在の流行を終わらせることはなさそうだ」として、感染者の特定と隔離といった従来の封じ込め策を国際協力で続ける重要性を強調した。

 同研究所は米国立衛生研究所(NIH)の傘下。NIHは今秋にもエボラ熱ワクチンの臨床試験を始める予定。

 ファウチ氏は、リベリアで感染した米国人らに投与された臨床試験前の治療薬について「効果があったかどうかは不明だ」と慎重な見方。日本で開発されたインフルエンザ治療薬などの候補を挙げながら、こうした薬が万一副作用を起こした場合、現地で対策に当たる医療関係者への不信につながって封じ込めに逆効果となる可能性があるとして、十分な倫理的手続きや審査に基づいて使用するよう求めた。

幹細胞移植で骨格筋再生 京大、筋ジス治療に期待

共同通信社 2014年8月15日(金) 配信

 徐々に筋肉が衰える筋ジストロフィーを発症したマウスに、マイクロRNAという微小な物質を加えた筋肉の幹細胞を移植すると、腕や足を動かす「骨格筋」が再生することを京都大のチームが突き止め、14日付の英科学誌電子版に発表した。

 メンバーは京大の瀬原淳子(せはら・あつこ)教授(発生生物学)や京都府立医科大の佐藤貴彦(さとう・たかひこ)助教ら。瀬原教授は「今後、人でも再生できるのか調べたい。人工多能性幹細胞(iPS細胞)から幹細胞を作れば、筋ジスの治療や予防に役立つ可能性がある」と話した。

 骨格筋にはもともと高い再生能力があり、激しい運動で損傷したり病気で萎縮したりしても、骨格筋内にある幹細胞が分裂して修復する。

 ただ幹細胞を人工的に培養すると、分裂やほかの細胞への変化を繰り返し、修復能力を失うという問題があった。このため修復能力を保つ詳しい仕組みを調べたところ、細胞の分裂に関わる遺伝子の働きを抑える2種類のマイクロRNAが関与していることを発見した。

 試験管で人工培養する際にも、このマイクロRNAを加えれば、修復能力を維持できることを突き止めた。

 ※英科学誌はネイチャーコミュニケーションズ

ナイジェリアで新たに死者 エボラ熱、拡大に懸念

共同通信社 2014年8月14日(木) 配信

 【キガリ(ルワンダ)共同】エボラ出血熱が猛威を振るう西アフリカのナイジェリアで13日までに、感染した西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の男性職員(36)が新たに死亡した。ロイター通信などが伝えた。同国での死者は計3人となった。

 11日までの世界保健機関(WHO)の集計によると、ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアの4カ国で疑い例を含めた死者は1069人に達した。

 ナイジェリアでは7月下旬、感染者の米国籍の男性がリベリアから空路で到着後に死亡。職員はこの男性に同行していたという。これまでに男性の治療に当たった看護師が亡くなったが、職員の死亡で医療従事者以外にも感染が広まっている懸念が強まった。

 ナイジェリアに感染が飛び火したことをきっかけに空路での拡散に対する警戒感が高まり、WHOは8日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言。12日には感染者に未承認の治療薬を条件付きで投与することを容認した。

水際対策強化を通達 中国、エボラ侵入警戒

共同通信社 2014年8月14日(木) 配信

 【北京共同】中国国家観光局は西アフリカでエボラ出血熱が猛威を振るっていることを警戒、ウイルス侵入を防ぐため全国の観光部門に、水際対策の強化を求める通達を出した。13日付の中国各紙が伝えた。

 観光局は、中国人が西アフリカへ旅行するケースは少ないとしつつも「衛生部門などと連携を強め、感染者が見つかった際は迅速な対応を取る」ことを命じた。

 中国の専門家は「潜伏期間に(別の人に)感染することはない。発症者を直ちに隔離すれば危険は少なく、中国で大流行することはない」と述べ、過剰反応しないよう呼び掛けた。

 中国では2003年に新型肺炎(SARS)が大流行した経験がある。だが、今回の感染地域が遠いこともあり、現時点では「中国への影響は心配していない」(旅行業女性)などの声が多く、関心は低い。

薬は開発途上、人員不足も 死者は千人超、過去最大 「表層深層」西アフリカのエボラ熱

共同通信社 2014年8月13日(水) 配信

 西アフリカでエボラ出血熱の死者が12日までに千人を超え、過去最大規模の感染拡大となった。世界保健機関(WHO)は緊急事態を宣言、開発段階の未承認薬の使用を容認した。現地では医療スタッフが足りなくなるなど深刻な事態が続いている。

 ▽特有の事情

 エボラ出血熱は1976年、スーダンとザイール(現コンゴ)で初めて感染者が見つかり、それ以降、アフリカ中部を中心に二十数回にわたって散発的に集団発生した。

 エボラウイルスに感染したコウモリや猿などの野生動物から人に感染、2~21日の潜伏期の後、突然の発熱や嘔吐(おうと)、下痢、吐血などの症状が出る。ウイルスの種類にもよるが致死率は20~90%と高く、ワクチンや治療法は確立していない。ダスティン・ホフマン主演の米映画「アウトブレイク」で未知の感染症のモデルとなり、都市が厳戒態勢になるなど恐怖のウイルスのように描かれた。

 しかし、実際はそこまで簡単に広がるウイルスではない。厚生労働省によると、症状のある患者に触ったり、吐いた物や便などに触れたりしなければ感染しない。

 国立感染症研究所の西條政幸(さいじょう・まさゆき)ウイルス第1部長は、アフリカで拡大しているのは葬儀で遺体を触る習慣や貧弱な医療体制など特有の事情があるためとして「先進国で流行が広がるとは考えられない」と話す。

 今回は昨年12月にギニアで死亡した2歳の男児が最初の患者とみられ、近隣のリベリア、シエラレオネ、ナイジェリアに広がった。収束の兆しは見えず、WHOは8日に緊急事態宣言を出して国際社会の協力を求めた。

 現地での医療は水分や栄養の補給が主で、治療薬やワクチンは開発途上だ。開発が遅れた背景について西條さんは「患者が少ないため(製薬企業の)収益が見込めず、多数の人に使って効果や副作用を確かめる試験もしづらい」と説明する。

 ▽現場は疲弊

 「医師や看護師の感染やストライキもあり人手がない。患者も減らない。現場がどんどん疲弊している」。WHOチームの一員として7月10~25日にシエラレオネの都市ケネマの国立病院で治療に当たった豊島病院(東京都)の足立拓也(あだち・たくや)医師は危機感を募らせる。

 病室は足りず、廊下にベッドやマットレスを置く日もあった。重症患者が横たわるベッドには穴があけてあり、下に置いたバケツで下痢便を受け止めていた。

 使った防護服などの廃棄物は外に穴を掘って積み、燃やすだけ。患者の半数は2~3週間で回復したが、半数は1週間もしないうちに死亡した。遺体は消毒後に出身地の墓地に送られていた。

 WHOによると、医療関係者も既に170人が感染し、半数近くが命を落とした。シエラレオネでも看護師や医師が死亡、遺体搬送や消毒の担当者のストも起きた。足立さんは「政府は人員を補充しようとしているが、病院で人繰りがつかなくなってきた。(人数や費用の点から)国際チームに人海戦術はできない」と事態の悪化を懸念している。

 ▽水際対策

 感染拡大を受け、日本の外務省は流行国への不要不急の渡航を控えるよう危険情報を出した。厚労省は、流行国からの入国者に発熱などの症状が出ていないかを調べるため、サーモグラフィーによる体温測定を実施、渡航先や体調に関する聞き取り調査など、空港の検疫所での水際対策を強めている。

エボラ感染の主な経過

共同通信社 2014年8月13日(水) 配信

 エボラ出血熱をめぐる主な経過は次の通り。

 1976年 ザイール(現コンゴ)とスーダン南部(現南スーダン)で集団感染を初確認。計431人死亡

 95 ザイールで254人死亡

 2000 ウガンダで224人死亡

 14・3・22 ギニア政府が感染確認と発表

 30 世界保健機関(WHO)がリベリアで感染確認と発表

 5・26 WHOがシエラレオネで感染確認と発表

 7・8 WHOが死者500人超と発表

 25 リベリアからナイジェリアに空路移動し、ラゴスの空港で倒れた米国籍男性が死亡

 27 リベリアで支援活動をしていた米国人2人の感染判明

 31 米疾病対策センター(CDC)が米国居住者に渡航自粛勧告

 8・8 WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言

 11 WHOが死者千人超と発表

 12 リベリアで感染したスペイン人男性がマドリードで死亡。アフリカ以外の場所で初の犠牲

 同 WHOが感染者への未承認治療薬の使用を条件付きで容認

 (共同)

豪でインフルエンザ流行 大半がH1N1型

共同通信社 2014年8月13日(水) 配信

 【シドニー新華社=共同】オーストラリアのインフルエンザ専門家団体は12日、今冬のインフルエンザはH1N1型が感染事例の4分の3近くを占めていると明らかにした。

 これまでに前年同期の倍以上にあたる約2万1000人のインフルエンザ感染が確認された。

 今年のインフルエンザ流行はH1N1型が猛威を振るっているためで高齢者のみならず全世代に広まっている。

発達障害「PWS」、初のガイドライン

毎日新聞社 2014年8月13日(水) 配信

発達障害:「PWS」初のガイドライン

 発達障害の一つで、低身長や過食、ものの見方が独特で、社会に適応しにくいなどの症状があるプラダー・ウィリー症候群(PWS)について、その事例と対処法などをまとめた初のガイドラインが、NPO法人「日本プラダー・ウィリー症候群協会」から発刊された。

 PWSは2009年に難病指定され、国内には約1万5000人に1人の割合で患者がいるとみられている。今回のガイドラインは、各国のPWSに関わる医師や専門職、保護者によって作られた英語版を同協会が翻訳したもの。

 協会へは、国内の保護者や福祉関係者、教育者、施設職員などから、PWSの行動障害について、どう対応したらいいかの悩み相談が多く、翻訳に踏み切った。同協会は「対応に悩む方々の手引書になると確信している」と話している。

 1冊2000円(送料は1冊なら100円)で頒布している。購入希望者は同協会へファクス(044・433・6138)かメール(icon@y7.dion.ne.jp)で連絡を。【江口一】

封じ込めへ効果未知数 治療薬、大量生産難しく

共同通信社 2014年8月13日(水) 配信

 【ワシントン共同】世界保健機関(WHO)が条件付きで使用を容認した開発段階のエボラ出血熱治療薬は、感染した米国人に既に投与されている。期待は高いが、実際の治療効果の有無がまだ分からず、大量生産が難しいため、西アフリカの流行封じ込めに役立つか未知数だ。

 医療倫理の専門家からは、アフリカで多くの人が死ぬ一方で、米国人らに優先して投与することの問題点を指摘する声も上がっている。

 リベリアで感染した米男性医師らに使われた薬は「ZMapp」。感染直後のサルに投与すると死亡率が下がったが、人への投与は初めて。米国に帰国した医師が歩いて病院に入る姿がテレビで放映されると製薬関連企業の株式が高騰。米メディアは薬に含まれるマウス抗体を植物のタバコの葉を使って安価に生産する技術なども紹介した。

 感染したリベリア人医師の治療のため、米製薬企業からリベリア政府にZMappが供与されることも決まった。

 日本企業が開発したインフルエンザ治療薬を、エボラ熱に使うための承認手続きを米当局が急いでいることも報じられた。ウイルスの遺伝子複製を邪魔するためエボラ熱にも効果が期待できるという。

 だが、ZMappが実際の治療で効果を上げるかは不透明だ。米疾病対策センター(CDC)のフリーデン所長は「わずかな事例で効果や害は判断できない」と指摘。新薬の実用化には「数カ月から1年かかる」との見通しを示した。

 ZMappなどの抗体医薬は高価で大量生産が難しく、冷温管理などが必要。医療インフラが脆弱(ぜいじゃく)な西アフリカの現場に行き渡る望みは薄い。

感染拡大に強い危機感 異例の決定、現状追認も

共同通信社 2014年8月13日(水) 配信

 【ナイロビ共同=稲葉俊之】西アフリカのエボラ出血熱流行を受け、世界保健機関(WHO)が12日、開発段階の未承認治療薬の使用を容認する異例の判断に至ったのは、死者千人超という過去最大の感染拡大に危機感を強めたからだ。米国で既に治療薬が使用されており、現状を追認した判断という側面もある。

 WHOのキーニー事務局長補は12日の記者会見で、エボラ熱の感染拡大について「制御が困難な状況に陥っている」と指摘。感染者の早期発見と隔離という従来手法による封じ込め策が機能していない現状に危機感を示した。

 ギニアで昨年末に感染が始まり、今年3月にエボラ熱と確認されてから4カ月以上が経過。その間、WHOは有効な手だてを打てず、感染の拡大を許してきた。死者が千人を超えても感染収束の兆候が見えず、空路での拡散も懸念される中、WHOは未承認治療薬の容認という「禁じ手」に踏み切らざるを得ない状況に追い込まれた。

 感染した米国人に治療薬が投与され、症状が回復したとの報道は西アフリカ各国に衝撃を与えた。このまま西アフリカに治療薬を提供しなければ「アフリカ人を見殺しにした」との批判が出るのは避けられなかった。

 米政府は、WHOの容認を待たずにリベリアに治療薬の提供を決定、WHOがこれに逆行することは困難だった。

高知大学がリン脂質の特性解明 パーキンソン病などの研究に

高知新聞 2014年8月12日(火) 配信

 細胞膜を構成するリン脂質が、細胞膜内を流動するタンパク質を決められた場所に集めていることを高知大学医学部生化学講座の本家孝一教授、久下英明助教らの研究チームが突き止め、8日発表した。本家教授らは神経伝達物質ドーパミンを運ぶタンパク質などを研究しており、「パーキンソン病や認知症などの解明に役立つ可能性がある」と話している。

 細胞膜はリン脂質などからでき、細胞表面を取り巻いている。たくさんのリン脂質の間に埋め込まれるようにタンパク質が存在しているが、細胞膜内を高速で移動しており、なぜ決められた場所に集まって働くことができるのかという仕組みは分かっていなかった。

 本家教授らは、リン脂質の分子内にある脂肪酸の組み合わせによって生まれる「分子種」の多様性に注目し、特定の分子種(OPPC)を認識して結合する抗体を作製。ラットの細胞から培養した神経系細胞を使い、この分子種が神経突起の先端部や、シナプス(神経細胞の結合部)に集まっていることを突き止めた。

 さらに、神経細胞の先端部でこの分子種が作りだされ、一定の領域を形成していることを発見。この領域がドーパミンを運ぶタンパク質などの動きを制御していることを明らかにした。この研究についての論文が7日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」オンライン版に掲載された。

 手足の震えや体のこわばりが起こるパーキンソン病は、ドーパミンを出す神経細胞が減ることによって起こるが、減少を根本的に食い止める方法は分かっていない。久下助教は8日の会見で「ドーパミンの減少に、今回のリン脂質分子種が関連している可能性がある。今回の発見が病態解明や治療法開発に向けた基盤的知識になれば」と話した。

アルコール依存109万人 厚労省研究班推計 「医療新世紀」

共同通信社 2014年8月12日(火) 配信

 アルコール依存症で治療が必要な人は国内にどのくらいいるのか。条件の違いによりさまざまな数字があるが、厚生労働省研究班(樋口進(ひぐち・すすむ)代表)が最新の全国調査に基づき、約109万人とする推計をまとめた。

 調査は2013年7月、全国から無作為に抽出した成人のうち同意が得られた4153人(59%)に面接し、飲酒習慣や治療経験などを聴いた。

 その結果、調査時点で世界保健機関(WHO)のアルコール依存症の診断基準(ICD10)を満たす人は男性1・0%、女性0・2%で、12年時点の人口に当てはめると計約58万人だった。これに対し、過去に1度でも依存症の基準を満たした「依存症経験者」は男性1・9%、女性0・3%でそれぞれ約95万人、約14万人となり、計約109万人に上った。

 アルコール依存症で治療中と答えたのは男性0・2%、女性ゼロの計約8万人にとどまった。

 分析を担当した尾崎米厚(おさき・よねあつ)・鳥取大教授(環境予防医学)は「治療が必要なのに受けていない人の多さが明らかになった。アルコール依存症は基本的に自然には治らないので、国内の依存症人口の推計には、今回のように経験者という指標を用いるのが実態に合っているのではないか」と話す。

 研究班は08年にも同様の全国調査を実施している。その結果を基に当時の依存症経験者数を算出すると、計約60万人(男性約52万人、女性約8万人)だった。

 尾崎教授は「かなり幅をもった推計なので、この数字のみから依存症が5年で大幅に増加したとまでは言えない。しかし治療を受けている人数との差が大きいことは明らかなので、対策が必要だ」と指摘している。

多剤耐性結核の新薬承認 今秋までに発売見通し 適正使用が重要課題 「医療新世紀」

共同通信社 2014年8月12日(火) 配信

 主要な抗結核薬が効かない多剤耐性結核は、根治が非常に難しい。その治療を目指して開発された国産の新薬「デラマニド(一般名)」が7月上旬、国から製造販売の承認を受けた。国内で結核の新薬が登場するのは約40年ぶりという。今秋までには発売される見通しで、治療に行き詰まっている患者にとって大きな朗報となる。この先、長く薬の有効性を保つためには、適正使用に努めて耐性菌の出現を防ぐことが重要な課題になる。

 ▽毎年100人超

 多剤耐性結核は、第1選択薬の中でも特に強力なイソニアジドとリファンピシンの両方に菌が耐性をもつ場合を指す。

 通常の結核なら、これら2剤を主軸に別の2剤を加えた4剤併用療法を2カ月間行い、その後、主軸2剤の併用を4カ月間続ける。しかし多剤耐性では主軸2剤が使えないため、これ以外の抗結核薬や、結核薬として承認されていない一般的な抗生剤や注射剤などを組み合わせて治療する。

 治療期間も菌の陰性化を確認してからさらに約2年間と、通常に比べ格段に長い。併用できる薬が少ないと治療に失敗する危険性が高いため、病巣を切除してから薬物治療を行うこともある。

 それでも死亡したり、長期入院を余儀なくされたりする患者が後を絶たない。結核予防会複十字病院(東京)の吉山崇(よしやま・たかし)医師は「最初から多剤耐性菌に感染した人と、服薬中断や不適切な薬剤選択が原因で治療中に多剤耐性化してしまった人がいる。両者を合わせ、国内では毎年新たに100人余りが多剤耐性結核になっている」と推測する。

 ▽1万4千分の1

 デラマニドは結核菌の細胞壁を構成する脂質「ミコール酸」の生成を妨げるという、従来の薬とは異なる仕組みで殺菌効果を発揮する。大塚製薬(東京)が開発した。

 同社が結核研究を始めたのは1971年。当時は革新的治療薬リファンピシンの登場で「もはや結核は治癒する病気」との認識が広がり、抗結核薬開発からの撤退も相次いでいた。しかし「一つの新薬だけでは不十分」と考えた同社は82年、抗結核薬開発に本格着手。耐性菌の出現が世界で問題となる中、約1万4千に上る物質の化学合成を続け、2002年、デラマニドにたどり着いた。

 日本、米国など世界9カ国17施設が参加した臨床試験では、多剤耐性結核の標準治療にデラマニドを上乗せして投与すると、偽薬を上乗せした場合に比べ喀痰(かくたん)中の菌の消失率が明らかに上昇することが確認された。

 ▽感受性検査

 また、標準治療とデラマニドを6カ月以上併用すると、死亡率が低下することも判明。「QT延長」という心臓への影響がみられたものの「副作用は少なく有用な薬」(吉山さん)だという。

 同社抗結核プロジェクトの木下明督(きのした・みつよし)・グローバルプロジェクトコーディネーターは「世界の多剤耐性結核患者は45万人で年間17万人が死亡する。この薬を、そんな一番困っている人たちのために役立てたい」と話す。

 しかし、やみくもな投与は従来の薬と同様に耐性菌を生む。そこで必須なのが薬剤感受性検査。事前にどの薬が効くのかを調べ、効果のある既存薬3剤以上と組み合わせて投与する必要がある。

 だが、施設によって検査への姿勢には温度差がある。13年に培養検査で結核菌がいるとされた1万523人のうち感受性検査の結果が判明しているのは7701人。残る2822人は検査未実施や結果不明の患者だ。

 このため同社は日本結核病学会と協力。高精度の感受性検査が可能な施設を登録し、なおかつ患者ごとに投与の是非を厳格に審査するシステムを整え、薬の供給をコントロールしていく考えだ。(共同=赤坂達也)

エボラ熱、中国人医師ら8人感染か 死者1013人に

朝日新聞 2014年8月12日(火) 配信

 西アフリカのシエラレオネで、大流行しているエボラ出血熱の感染者を手当てしていた中国人の医師ら8人が、感染の疑いがあるとして隔離されていることが分かった。AFP通信が11日、現地の中国大使の発言として伝えた。

 隔離されているのは医師7人と看護師1人で、症状は不明。世界保健機関(WHO)の11日の集計では、エボラ出血熱による死者は、シエラレオネなど西アフリカ4カ国で計1013人になった。医療関係者の感染も深刻で、100人以上が感染しているとみられる。

 シエラレオネ政府は緊急事態を宣言し、軍部隊1500人を感染集中地域に配備して、人の往来を規制するなどの封じ込め策を取っている。(ヨハネスブルク=杉山正)

JICA派遣20人退避へ エボラ熱の周辺3カ国から

朝日新聞 2014年8月12日(火) 配信

 西アフリカでのエボラ出血熱の大流行を受け、国際協力機構(JICA)は現地に派遣している日本人約20人を国外に退避させ始めた。

 退避させるのは、ギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国で、農業支援や電力などのインフラ整備のために派遣しているスタッフ。世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言したことなどを受け、今月8日から避難を開始。今週中をめどに西アフリカのガーナなどに退避させる。JICAスタッフとともに、現地で政府の途上国援助(ODA)事業に取り組む日本人約30人も退避に向けて準備しているという。

開発段階の薬使用を検討 エボラ熱でWHO

共同通信社 2014年8月12日(火) 配信

 【ナイロビ共同】世界保健機関(WHO)はジュネーブで11日、西アフリカで感染が拡大するエボラ出血熱をめぐり、開発段階にある治療薬の使用の是非を検討する専門家会合を開いた。結果は12日の記者会見で明らかにするという。

 エボラ熱はワクチンや治療法が見つかっていないが、開発中の治療薬はいくつか存在する。

 西アフリカでエボラ熱に感染した米国人2人に臨床試験を経ていない治療薬が投与され、症状が改善したとされる。感染地域の国からは西アフリカでの治療薬の使用を求める声が上がっている。

 会合では、医療倫理の専門家らが、開発中の治療薬の投与に倫理的な問題がないかどうかや、薬の量が限られているため、どのような基準に基づいて投与すべきなのかについて検討する。

 6日までのWHOの集計によると、疑い例を含めたエボラ熱の感染者はギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアの4カ国で1779人、うち961人が死亡した。

 フランス公共ラジオによると、ナイジェリアのチュク保健相は11日、同国内の感染者数が7人から10人に増えたと発表。リベリアの隣国コートジボワールは感染地域の国々からの航空便到着を禁止した。

7月の熱中症1万8千人 搬送数、前年比5千人減

共同通信社 2014年8月12日(火) 配信

 7月に熱中症で救急搬送されたのは1万8407人で、うち31人が亡くなったことが11日、総務省消防庁の集計で分かった。搬送者数は前年同月に比べ約5千人減った。集計を始めた2008年以降、7月では3番目の多さだった。

 消防庁は搬送者が減った理由について、東北と北陸以外で昨年よりも梅雨明けが遅かったことを挙げた。だが、多くの地域で猛暑日が続いた25日前後に一気に増えており、今後も気温が高い日が続くとして、小まめな水分補給や適度な休憩を呼び掛けている。

 消防庁によると、搬送時の症状は、3週間以上の入院が必要な重症が392人、入院が必要な中等症は5967人だった。年齢別では65歳以上が46・4%を占めた。

 都道府県別では、東京が1263人と最も多く、次いで埼玉1217人、大阪1190人、愛知1186人の順だった。

 人口10万人当たりの搬送者は、沖縄の23・82人が最多で、和歌山23・60人、鹿児島23・10人が続いた。

##8月になって、大分増えているようです。

ギニアの2歳児から拡大か コウモリと接触の可能性

共同通信社 2014年8月11日(月) 配信

 【ニューヨーク共同】米紙ニューヨーク・タイムズは10日、西アフリカ3カ国で爆発的に流行しているエボラ出血熱の最初の感染者について、3カ国の一つギニアで昨年12月6日に死亡した男児(2)とみられるとの研究チームの見方を報じた。研究チームが投稿した米医療専門誌ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの論文も参考にしている。

 ウイルスの宿主とされるコウモリとの接触が疑われるが、はっきりした原因は不明だ。

 タイムズ紙によると、男児は体調を崩して数日後に亡くなり、その後母親と姉(3)、祖母も相次いで死亡した。いずれも発熱や嘔吐(おうと)、下痢の症状を訴えた。当時は病名も分からず、エボラ熱の検査も受けなかった。

 男児はギニア南東部のゲケドゥに住んでいた。感染が広がるシエラレオネ、リベリアのいずれの国境にも近い。葬式に参列した人や地元の医療関係者に感染した後、急速に拡大したとみられる。

 コウモリが持っていたウイルスが何らかの形で果物に混入し、男児がその果物を食べて感染したようなケースが想定される。現地の医療体制は極めて貧弱で、洗い場や消毒液用のバケツもない病室がある。隔離治療を恐れてエボラ熱を申告しないケースも考えられ、感染者はもっと多いとの見方がある。

エボラ熱「緊急事態」宣言 最も深刻とWHO 国際協力が不可欠

共同通信社 2014年8月11日(月) 配信

 【ナイロビ共同=稲葉俊之】世界保健機関(WHO)は8日、西アフリカで拡大の一途をたどるエボラ出血熱の感染について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当すると宣言した。「さらなる感染拡大が招く結果は極めて深刻だ」と指摘する一方、現時点で渡航や貿易の全面的規制は必要ないとした。

 WHOのチャン事務局長はジュネーブでの記者会見で、今回の感染は「過去約40年で最も大規模で、最も深刻かつ複雑だ」と指摘。西アフリカの感染地域の各国には「(エボラ熱に)対処する能力がない」と述べ、拡大阻止には国際社会の協力が不可欠だと強調した。

 エボラ熱についてWHOは専門家による緊急委員会を6、7日に開催。今回、緊急事態を宣言することで、エボラ熱の封じ込めに向け各国に早急な取り組みを促した。

 WHOのフクダ事務局長補は会見で「エボラ熱は未知の病ではない。封じ込めが可能な感染病だ」と説明。感染者が集中する地域で「人の動きを制限することが重要だ」と語った。

 WHOは2009年に大量感染が起きた豚インフルエンザ、今年5月にポリオ(小児まひ)の感染拡大でそれぞれ緊急事態を宣言。中東を中心に感染が広がった中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスについては6月、緊急事態には至っていないと判断した。

 今回のエボラ感染は昨年12月にギニアで始まり、隣国リベリア、シエラレオネに拡大。これまでに感染が疑われる例を含め960人以上(今月6日時点のWHO集計)が死亡した。

 7月下旬にはリベリアで感染した米国籍の男性がナイジェリアに飛行機で移動後に死亡。中東のサウジアラビアでも感染が疑われる男性が死亡し、アフリカ以外に波及した恐れが出ている。

 リベリアは今月6日、90日間の非常事態を宣言し、国内の感染地域から首都モンロビアに入る人の動きを制限。シエラレオネでも治安部隊が主要道路に検問所を設け、感染地域を封鎖した。

 ※エボラ出血熱 エボラウイルスが原因の急性感染症。世界保健機関(WHO)によると、1976年にザイール(現コンゴ)などアフリカ中部で初めて集団発生が確認された。ザイールの感染集落が「エボラ川」の近くにあったことから、この名が付いた。野生のコウモリがウイルスの宿主とされる。人間同士では、感染した人の血液、分泌物、臓器、その他の体液に濃厚に接触することで感染する。会葬者が遺体に直接触る葬儀も感染の原因と指摘されてきた。症状は発熱や頭痛、下痢、内出血や皮膚などからの出血。致死率は高く、最高で90%とされる。ワクチンや治療法は見つかっていない。(

エボラ治療へ期待高まる 富山化学工業の新薬「ファビピラビル」

北日本新聞 2014年8月11日(月) 配信

 富士フイルムグループの富山化学工業(東京、菅田益司社長)が開発したインフルエンザ治療薬「ファビピラビル」が、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱の治療への利用に期待が高まっている。治療薬は富山事業所(富山市下奥井)で開発が進められた。細胞内でのウイルスの増殖を阻止する効果があり、エボラ出血熱でも、感染抑制につながる可能性がある。エボラ出血熱の治療に活用されるまでには、臨床試験や承認が必要となり、通常は数年かかるが、世界的な感染拡大から米国政府機関が手続きを迅速化させる動きもある。

 ファビピラビルは、富山化学工業が富山事業所で、抗ウイルス剤の研究によって見いだした。白木公康富山大大学院医学薬学研究部教授との共同研究で、動物実験での有効性を確認した。

 ファビピラビルは、これまでのインフルエンザ治療薬とは異なる作用メカニズムを持つ。タミフルなどの既存薬は増殖したウイルスを細胞外に放出できないようにして感染拡大を防ぐのに対し、ファビピラビルは細胞内での遺伝子複製を阻害し、増殖そのものを阻止する。このため、新型インフルエンザや既存薬に耐性を持つウイルスにも効果が期待されるという。

 インフルエンザ治療薬としての商品名は「アビガン錠200ミリグラム(開発番号T―705)」で、ことし3月に日本国内で製造販売承認を取得した。米国では富山化学工業が2007年にインフルエンザ治療薬として治験申請。現在は治験の最終段階となる第3相臨床試験(フェーズ3)が進められている。

 エボラ出血熱の治療薬としては、富士フイルムの提携先の米製薬企業メディベクターが米食品医薬品局(FDA)との手続きを経て、第1相臨床試験(フェーズ1)に着手する方針。

 米通信社が7日、米政府機関がエボラ出血熱の治療に利用する承認手続きを急いでいると報じた。富士フイルムは「今後も医療の発展に貢献したい」と話した。

◆エボラ出血熱◆

 エボラウイルスが原因の急性感染症。世界保健機関(WHO)によると、1976年にザイール(現コンゴ)などアフリカ中部で初めて集団発生が確認された。ザイールの感染集落が「エボラ川」の近くにあったことから、この名が付いた。野生のコウモリがウイルスの宿主とされる。人間同士では、感染した人の血液、分泌物、臓器、その他の体液に濃厚に接触することで感染する。会葬者が遺体に直接触る葬儀も感染の原因と指摘されてきた。症状は発熱や頭痛、下痢、内出血や皮膚などからの出血。致死率は高く、最高で90%とされる。ワクチンや治療法は見つかっていない。

iPS活用して網膜再生 「神戸アイセンター」の具体像

神戸新聞 2014年8月11日(月) 配信

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った目の網膜の再生医療施設で、神戸市などがポートアイランド2期で計画する「神戸アイセンター(仮称)」(同市中央区)について、事業の詳細が具体化しつつある。計画では30床の眼科病院を設置して先端医療振興財団(同区)が運営し、細胞培養には理化学研究所認定ベンチャーのヘリオス(東京)、大日本住友製薬(大阪市)が参加予定。目の病気のリハビリや予防医療の面でも世界的な拠点を目指す。

 先端医療振興財団と理研、ヘリオス、大日本住友製薬はいずれも、昨年8月に始まったiPS細胞を使った目の難病「加齢黄斑変性」の世界初の臨床研究や、その後の臨床試験(治験)、治療法の産業化に参加する予定。神戸市によると、センターの研究機能の担い手は未確定だが、理研の関与を想定し、建物自体は2015年に着工したいという。

 センター内には、視力の低下した人に補助器具などを使って機能を改善するリハビリや、生活訓練施設についても計画。目の不自由な人への支援を続けるNPO法人と協力するなどの運営方法を検討している。

 臨床研究を進める理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)の高橋政代プロジェクトリーダーは7月、同市内で開かれたセミナーで「アイセンターでは細胞移植だけでなく、レーザーや薬物治療を組み合わせた再生医療や、早期発見につながる新たな検査法の開発も進めたい」との意向を表明。遺伝子診断センターやカウンセリング体制の整備、海外患者の受け入れや海外医師のトレーニングなどを計画していることも明らかにした。

 また、センターでは目の病気の予防として、糖尿病などへの対策の充実を計画。大手広告会社と協力した予防啓発などを検討している。リハビリでは、最新のIT機器を活用した目の不自由な人へのケアなども進める方針。

 病床の30床は、国家戦略特区の規制緩和を活用したい考えだが、神戸市は「30床全てが認められるかどうかは、今後の国などとの協議次第」という。

 敷地は先端医療振興財団の北側で、同市立医療センター中央市民病院の駐車場の一部を予定。建設主体は未定だが、市は市以外の第三者による建設を視野に検討しており、「本年度中には詳細を固めたい」とする。

人工心肺使わず、高齢者の心臓バイパス手術急増

読売新聞 2014年8月11日(月) 配信

 心臓の主要な手術の一つ、冠動脈バイパス手術を昨年受けた8人に1人が80歳以上の高齢者だったことが日本冠動脈外科学会の調査で分かった。

 割合は10年前に比べ倍増した。体に負担をかけない手術法の普及が背景にある。20日発行の同学会英文誌に掲載する。

 冠動脈バイパス手術は、心筋梗塞や狭心症などに対する手術。調査は心臓手術をしている442病院を対象として、330病院(75%)から回答を得た。集計によると、昨年行われた初回手術9187例(緊急を除く)のうち、80歳以上は1130例(12・3%)、70歳以上は4850例(52・8%)。2003年は80歳以上が6・2%、70歳以上が44・3%だった。

 駿河台日本大学病院の折目由紀彦心臓血管外科部長は「心臓を動かしたままで行うオフポンプ手術が普及してきた。脳梗塞などの心配が低く、回復も早いため、高齢者にも広がった」と話す。

エボラ出血熱「緊急事態」 WHO「40年で最大の流行」

朝日新聞 2014年8月9日(土) 配信

 致死率の高いエボラ出血熱が西アフリカで大流行し、世界保健機関(WHO)は8日、「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」を宣言した。現地では医師も職場から逃げ出すほどの深刻な事態だという。発生国への渡航自粛の動きも広がっている。

 緊急事態の宣言は、現在の基準になった2007年以降、09年の新型インフルエンザ、今年5月のポリオに続いて3件目。

 宣言とともに勧告も公表された。各国に十分な医療や監視の体制を整えるよう要請。感染が広がっている国では、大規模な集会の制限や、出国者に対する健康調査の徹底などを求めた。

 WHOのマーガレット・チャン事務局長は「(エボラ出血熱の)約40年の歴史の中で、最も大きく、最も厳しく、最も複合的な大流行」と述べた。多くの死者が出ているギニア、シエラレオネ、リベリアについて「保健システムがとても貧弱」と指摘し、国際社会の協力を求めた。

 ケイジ・フクダ事務局長補は、エボラ出血熱が空気感染しないとされることから「ミステリアスな病気ではない」と指摘。「封じ込めはできる。そのためには感染者を把握し、正しい治療を受けさせられるかどうかにかかっている」と強調した。さらに「一般的な旅行や通商の禁止措置はない」とも繰り返した。

 現場で活動する国際医療NGO「国境なき医師団」は、患者が増え始めた今年3月時点で大流行の可能性を警告。医師の派遣や医療機材などの支援を続けてきたが、封じ込めはできなかった。今回のWHOの緊急事態宣言と勧告で、国際社会で一致した対策がとれるかが注目される。

 (松尾一郎)

 ■封じ込め躍起 逃げ出す医師も 西アフリカ

 大流行しているギニア、シエラレオネ、リベリアでは、軍が感染集中地域に続く道路を封鎖するなど「封じこめ」に躍起だ。

 リベリアは6日、90日間の非常事態を宣言。大部分の国境検問所を閉鎖し、人の往来を規制している。地元紙記者アロシアス・デビッドさん(36)は電話取材に「みんなパニックを起こしている」と話した。

 商店の店先など、あらゆるところに消毒液が置いてある。「生活が一変した。親類ですら握手や体を触るのを避けている」。人が容易に入れない森林地帯の集落では感染者の把握すらできていない。「患者は放置され、遺体が野ざらしになっている」という。

 西アフリカ一帯で感染した医療関係者は100人以上とみられるが、デビッドさんは「職場放棄する医療関係者がたくさんいる」とも語った。首都モンロビアに派遣されている国立国際医療研究センターの加藤康幸医師(44)は、医療関係者の感染について「手袋などが使われてこなかったことや、防護服を脱ぐ際に過って外側に触れることで感染する可能性がある」とした。

 主な病院は消毒のため一時閉鎖された。モンロビアにいる国連職員の池田明子さん(47)によると、エボラ出血熱以外の病気で死亡する患者も出始めており、どう対応するかが課題になっている。

 感染は西アフリカ以外にも広がりつつあり、影響も出始めた。ロイター通信によると、シエラレオネから帰国したサウジアラビア人男性が6日に死亡。同国保健省は男性の血液を検査機関に送って調べている。リベリアで感染したスペイン人も7日、治療のため母国に戻った。ブリティッシュ・エアウェイズやエミレーツ航空は、発生国に乗り入れる便を運休した。

 米国も危機感を強める。リベリアで医療支援していた米国人男女2人が感染したためだ。米疾病対策センター(CDC)は7月末、ギニア、シエラレオネ、リベリアに不必要な渡航を控えるよう勧告。6日には国内の警戒態勢を最高の「レベル1」に格上げした。

 感染した米国人2人は専用機で帰国。ジョージア州の病院の特別治療室に入院中だ。2人は米製薬ベンチャー企業が開発した試験段階の未承認薬の投与を受けた。うち男性は、呼吸困難で危機的な状態だったとされる症状が大幅に改善したという。ただ、安全性が確認されていない治療薬を投与したことに、倫理面から「慎重にすべきだ」との意見も出ている。

 (杉山正、ワシントン=小林哲)

感染遺体放置で抗議デモ リベリア、病院も閉鎖

共同通信社 2014年8月11日(月) 配信

 【ナイロビ共同】AP通信によると、エボラ出血熱が猛威をふるう西アフリカ、リベリアの首都モンロビアで9日、路上などに放置された感染者の遺体の収容が遅れていることに抗議するデモが発生し、高速道路が封鎖されたため、治安部隊が出動する事態となった。

 また、国境なき医師団(MSF)によると、モンロビアでは多数の医療従事者の感染によりほとんどの病院が閉鎖され、混乱が広がっている。

 リベリアでは市民が感染を恐れて遺体を埋葬せずに放置し、政府は火葬のために収容を進めている。

 6日までの世界保健機関(WHO)の集計によると、エボラ熱の疑い例を含めた感染者はギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアの4カ国で1779人、うち961人が死亡した。

貧困がエボラ流行起こす 森でコウモリと接触

共同通信社 2014年8月8日(金) 配信

 【ワシントン共同】西アフリカで拡大するエボラ出血熱の流行は、長年の内戦や政情不安に伴う貧困から住民が森林に分け入り、ウイルスを保有するコウモリと人が接触する機会が増えて引き起こされたとする分析を、米チューレーン大のダニエル・バウシュ准教授らが米医学誌に7日までに発表した。

 手袋など基本的な防護手段がない診療所で患者を手当てしたことで医療関係者が感染を広げた恐れもあると指摘。バウシュ氏は「短期的な感染対策は重要だが、森林伐採や経済悪化など将来の流行につながる要因についても注意を払う必要がある」としている。

 今回のエボラウイルスはザイール株と呼ばれ、過去にガボンやコンゴなど中央アフリカで流行したものと遺伝子が類似。ウイルスを持つコウモリが西アフリカに移動した可能性がある。

 昨年冬に人への感染が始まったとみられるギニア南東部は、政情不安で道路や診療所などのインフラが荒廃し続けている地域。貧困にあえぐ人々が生存のため森深くに入り込み、食料となる小動物や薪を集める過程でコウモリと接触したり、汚染された肉を食べたりしたのがきっかけとバウシュ氏はみている。

 中央アフリカでも無計画な伐採や焼き畑などによる森林破壊が流行の一因となった。今回のギニアとリベリア、シエラレオネ国境の多くでは人の行き来が自由なため、短期間で流行が広がったとバウシュ氏は指摘している。

 ※医学誌はプロス・ネグレクテッド・トロピカル・ディジーズ

エボラ薬「数カ月先」 米CDC所長が証言

共同通信社 2014年8月8日(金) 配信

 【ワシントン共同】米疾病対策センター(CDC)のフリーデン所長は7日、エボラ出血熱について、開発段階にある治療薬やワクチンの実用化には「数カ月から1年かかる」との見通しを示した。下院外交委員会の公聴会で証言した。

 フリーデン氏は、リベリアでエボラ熱に感染した米国人2人が臨床試験前の薬の投与を受けたことに関し「わずかな事例で効果が期待できるか、人体に害があるかどうかは判断できない」と述べた。

 新たな治療法開発に向けて米国立衛生研究所(NIH)や食品医薬品局(FDA)、国防総省などと連携しているが、候補となる薬剤は「片手の指より少ない」と指摘。取り扱いが難しく副作用もあり得るため、広く使えるようになるまでに数カ月かかるとの認識を示した。

 その上でフリーデン氏は「現時点で患者の命を救うには、水分補給や輸血、合併症の防止などの手当てが肝心だ」と述べた。

富士フイルムの薬を申請へ 米政府機関、エボラ治療で

共同通信社 2014年8月8日(金) 配信

 【ニューヨーク共同】米通信社ブルームバーグは7日、米政府機関が富士フイルムホールディングスのインフルエンザ治療薬を、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱の治療に利用する承認手続きを急いでいると報じた。

 この治療薬は富士フイルム傘下の富山化学工業が開発した「ファビピラビル」。米国ではインフルエンザ治療薬として治験の最終段階にある。

 ブルームバーグは米国防総省報道官の話として、富士フイルムの提携先である米製薬会社メディベクターが、エボラ出血熱の治療薬として申請をする方向で米食品医薬品局(FDA)と協議していると伝えている。

 エボラ出血熱に感染したサルを使った試験を進める方針で、暫定的なデータは9月中旬に得られる見通しだとしている。

 メディベクターはこの薬を抗ウイルス剤に耐性を持つインフルエンザなどに広く使えるようにするための開発研究をしており、米国防総省は2012年に1億3850万ドル(約142億円)の助成金を出している。

網膜色素変性の発症遅らす物質開発 中途失明の原因、京大グループが

京都新聞 2014年8月8日(金) 配信

 中途失明の原因として国内で第3位の病気である網膜色素変性の発症を遅らせる物質を、京都大の垣塚彰生命科学研究科教授や池田華子医学部付属病院准教授らのグループが開発した。マウスで効果を確認しており、数年内に類似する目の病気で臨床研究を始めたいとしている。英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で6日発表した。

 網膜色素変性は網膜の中にある視細胞が減少する難病で、国内に約3万人の患者がいるとされる。約半数が遺伝性とされ、根本的な治療法はない。

 グループは、視細胞の減少は細胞内での過剰なエネルギー消費が原因と考え、消費を抑える物質を網羅的に探した。その結果、赤い色素の一種が有効であることを確認し、効果を高めるために赤い色素を基に新しい化合物を作った。

 網膜色素変性を発症するマウスにこの化合物を投与すると、通常の生後約25日目での失明を約8日遅らせることができた。目立った副作用はなかったという。

 臨床研究は、虚血性視神経症など類似した病気の患者を対象に始める計画。垣塚教授は「新開発の化合物は、細胞死が原因であるアルツハイマー病などの神経、筋疾患にも有効な可能性がある。効果を確かめたい」と話している。

世界各国で水際強化 ロは欧州便全チェック エボラ感染拡大

共同通信社 2014年8月8日(金) 配信

 西アフリカで広がるエボラ出血熱は7日までに1700人以上が感染、うち死者は900人を超えた。感染が疑われるサウジアラビアの男性が帰国後に死亡。空路によるウイルス侵入を防ぐため、欧米やアジアなど世界各国で空港の検疫強化や渡航自粛勧告を実施、自衛策を強めている。

 ▽最高レベルの警戒

 欧米では米国、ドイツ、フランス、ギリシャが、ギニア、リベリア、シエラレオネなどへの不要不急の渡航を自粛するよう勧告している。

 タス通信によると、モスクワの複数の空港では、欧州方面からロシアに入国する全乗客の体温を計測、平熱を上回る人を隔離する措置を取った。ギニアなどから渡航する感染者が欧州経由で流入するのを防ぐためだ。

 インド政府も6日、渡航自粛勧告を出し、感染地から到着する入国者を水際でチェックすると発表。新華社によると、中国当局も特定の動物由来製品の禁輸など検疫強化を打ち出した。

 世界保健機関(WHO)はジュネーブで6~7日、緊急委員会を開き「国際的な公衆衛生上の緊急事態」に該当するかを協議。該当するとなれば、水際対策強化がさらに広がることになる。

 米疾病対策センター(CDC)は、ジョージア州アトランタの本部に設置した24時間体制の緊急対策センターの警戒を最高レベルに引き上げた。感染者の追跡調査など現地政府の対策を支援するため、30人以上の専門家チームを既に派遣。今後、増員する構えだ。

 ▽現場は混乱

 現場での封じ込めは困難を極めている。「支援活動に従事している医療関係者が一部の住民から敵対的に扱われ、激しく疲弊している」とある米専門家。「ウイルスを注射される」と治療を拒否するケースも出ている。

 もともと医療スタッフやインフラが脆弱(ぜいじゃく)なところに、過去最大のエボラ感染が発生し、医療現場は混乱。リベリアでは医療スタッフの死亡、感染や出勤拒否で多数の病院、診療所が閉鎖された。

 住民にもパニックが広がっている。隔離治療を恐れ、感染遺体を路上に放置する例も。国境なき医師団(MSF)の看護師としてシエラレオネに派遣された吉田照美(よしだ・てるみ)さん(43)は帰国後「感染地域が次々と見つかり、人手が足りず対応に限界がきている」と話した。

 ▽日本の備えは

 日本ではウイルスの国内侵入に備え、国際便が発着する空港で発熱した人の警戒や注意の呼び掛けを強化している。

 感染者が日本に入ってきた場合の危険性はあるのか。厚生労働省の担当者は「体液に触れるなど濃厚接触しないと感染しないので、広がる可能性は低い」と話す。流行地と日本を行き来する人も年に300人程度といい、過大な心配は必要なさそうだ。

 ただ、感染していても症状の出ない「潜伏期間」は2~21日とされ、感染者が空港で見つかるとは限らない。担当者は「現地での感染症対策だけでなく、帰国後の体調不良についても意識を持ってほしい」と強調する。(ナイロビ、ワシントン、東京共同)

6歳女児が腎不全の合併症 静岡O157、388人に

共同通信社 2014年8月7日(木) 配信

 静岡市の花火大会で冷やしキュウリを食べた客から腸管出血性大腸菌O157が検出された問題で、市は6日、市内の女児(6)が腎不全などを伴う合併症「溶血性尿毒症症候群(HUS)」となり、人工透析を受けていると発表した。腎臓が機能せず貧血の状態という。市によると、合併症を伴う重症者が確認されたのは今回の食中毒で初めて。

 また、市保健所は6日午後3時現在で、食中毒の発症者は5日より67人増えて計388人、重症による入院患者数は6人増えて98人になったと発表した。重症者には、合併症の女児も含まれている。

 発症者はいずれも、7月26日に静岡市で開催された安倍川花火大会の露店で買った冷やしキュウリを食べ、31日ごろから腹痛や発熱などの食中毒症状を訴えた。4人からO157が検出されている。

 静岡市駿河区の男性が責任者として、露店2カ所で冷やしキュウリ約千本を販売。キュウリは残っていないが、保健所は販売した男性ら6人の検便や調理器具などを検査し、感染経路を調べている。

スパコン「京」で創薬成功…東大など がん新薬候補物質

読売新聞 2014年8月7日(木) 配信

 東京大と富士通、製薬会社の興和は、理化学研究所の世界最速級のスーパーコンピューター「京けい」(神戸市)を活用して、抗がん剤の候補物質を作製することに成功した。

 「IT創薬」と呼ばれる方法で、高い治療効果が見込める薬を効率的に作る新たな技術として注目される。

 研究チームは、がん細胞の表面にある増殖に重要な役割を果たすたんぱく質に着目。たんぱく質の「鍵穴」に「鍵」のように入り込み、細胞増殖を抑える化学物質をスパコンで設計した。たんぱく質と化学物質が引き合う力や体内の水分の影響など複雑な計算を、スパコンを使うことで精密に行うことが可能になった。

 スパコンでの化学物質の設計は富士通が担当。興和が実際に化学的に合成できるか検証した。東大は設計方法の改良などを担った。

 8個の化学物質を合成し、そのうち1個が、たんぱく質と実際に強く結びつくことが確かめられた。従来は、10万種類以上もの既知の化学物質の中から、鍵穴にぴったりの物質を探す方法が主流だったが、スパコンを活用することで全く新しい未知の構造の化学物質を設計して検証することができる。

 児玉龍彦・東大教授は「異分野の力を結集することが、これからの創薬には重要だ」と話す。

CDCが最高レベルの警戒 エボラ熱の流行拡大で

共同通信社 2014年8月7日(木) 配信

 【ワシントン共同】西アフリカでのエボラ出血熱の流行拡大を受け、米疾病対策センター(CDC)は6日、24時間体制で国内外の情報収集にあたる緊急対策センターの警戒を最高レベルに引き上げた。組織を挙げて対応に当たる。

 ギニアやリベリア、シエラレオネでの死者が900人を超え、ナイジェリアでも感染が疑われる例が相次いでいるため。サウジアラビアでは感染が疑われる男性が死亡し、アフリカ以外に波及した懸念も高まっている。

 緊急対策センターは大規模な災害や集団感染が起きた際にたびたび設置される。2009年の新型インフルエンザ流行時にも最高レベルの警戒が取られた。

開発段階の薬使用検討へ WHO、エボラ熱で会合

共同通信社 2014年8月7日(木) 配信

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は6日、西アフリカで感染が拡大するエボラ出血熱をめぐり、開発段階にある治療薬の使用の是非を検討するための専門家会合を来週前半にも開くとの声明を発表した。

 エボラ熱はワクチンや治療法が見つかっていないが、開発中の治療薬はいくつか存在する。

 米メディアによると、西アフリカでエボラ熱に感染した米国人2人が、人での臨床試験を経ていない治療薬の投与を受けて症状に改善がみられたとされている。

 会合では、医療倫理の専門家らが、開発中の治療薬を投与することに倫理的な問題がないかどうかや、薬の量が限られている場合、どのような基準に基づいて投与すべきなのかについて検討するとみられる。

 WHOは声明で「われわれは異常な事態に直面している。高い致死率の病気が存在するのに、有効と立証された治療法やワクチンがない」と指摘、対応を急ぐ必要性を強調した。

エボラ検査法を緊急認可 米FDA、国防総省が開発

共同通信社 2014年8月7日(木) 配信

 米食品医薬品局(FDA)は6日、国防総省が開発したエボラ出血熱の診断検査法の使用を認可したと発表した。西アフリカで猛威をふるうエボラ出血熱の封じ込めに役立てるのが狙い。

 この診断検査法は、エボラ出血熱の症状を示す人や感染した可能性のある人を対象に感染の有無をチェックするため国防総省が開発した。これまで未認可だったが、国防総省の指定した施設での使用に限り使用を認可した。

 FDAは、代替が利かない場合は、未承認の医薬品や認可されていても使用が許可されていない医薬品の使用を緊急避難的に承認することができる。(ロイター=共同)

緑茶で認知症改善?特集、「おしえてドクター」

毎日新聞社 2014年8月7日(木) 配信

特集:おしえてドクター 緑茶で認知症改善?

 <Doctor’s View>

 緑茶を飲むことは健康に良いとのイメージがあるが、実際はどうなのか。体内で脂肪の吸収を抑えるなどの作用は以前から指摘されていたが、最近は認知症の予防を示唆するデータも出てきた。緑茶と認知症の関連をリポートする。【小島正美】

 ◆予備的試験で効果確認--山田浩・静岡県立大教授

 認知症は、記憶や時間、場所などを判断する能力が低くなって、社会生活を営むことが難しくなる。認知症になる要因は主に三つあり、代表的なのはアルツハイマー病によるもの。認知症患者のおよそ半分を占める。この他、脳卒中などによって生じた脳血管疾患に伴う認知症、たんぱく質の異常な構造物(レビー小体)が脳内にたまって生じるレビー小体型認知症などがある。

 治療に関しては、いまのところ認知症の症状の進行を遅らせる薬はあるものの、根本的に治す薬はない。このため、生活習慣の改善を通じた予防策が重要となる。

 ◇カテキンなどの含有成分に注目

 そうした中で緑茶に含まれるカテキンやテアニン(アミノ酸の一種)の機能性が注目されている。細胞を使った実験で脳神経細胞を保護したり、ネズミを使った実験で認知機能の低下が改善されたりする研究報告があるからだ。

 緑茶に含まれる成分の働きに注目した山田浩・静岡県立大薬学部教授(医薬品情報解析学)は伊藤園中央研究所、社会福祉法人・白十字会(東京都東村山市)と共同で緑茶が認知症の改善に効果があるかどうかの試験を一昨年に行った。

 老人ホームに入居する認知症の高齢者12人(平均年齢88歳、男性2人、女性10人)を対象に、緑茶の粉末2グラム(カテキンの総量は1日227ミリグラム)を毎日、3カ月間飲んでもらい、3カ月後に認知機能検査の点数が上がるかどうかを調べた。12人の内訳は脳血管疾患による認知症8人、アルツハイマー病3人、レビー小体型認知症1人。

 認知機能の検査は世界的に使われているMMSE(ミニメンタルステート試験)日本語版を使った。「いま季節は何ですか」「きょうは何曜日ですか」などの質問をして、点数の合計点(30点満点のスコア)で認知症の程度を知る検査法だ。

 この試験の結果、12人の平均スコアは、飲む前は15・3点だったが、3カ月後の検査では17点に上がった。特に「近時記憶」の検査では、12人のうち8人のスコアが上がった。

 この「近時記憶」は、試験者から出された「ボール」「旗」「桜」の3語を繰り返して言えるかどうかをまず答え、次の別の質問のあとに、この3語の単語を覚えているかどうかを尋ねるものだ。この検査では平均点も上がったことから、近時記憶の改善が目立ったといえる。

 ◇一般的煎茶なら1日に2~3杯

 この試験で認知症の高齢者が飲んだ緑茶の量はどれくらいか。

 人によってお茶のいれ方に差はあるものの、一般的に食卓で煎茶を飲む場合、100ミリリットルあたり80ミリグラム前後のカテキンが含まれる。この80ミリグラムを基にすれば、1日に2~3杯の緑茶で効果があったことになる。通常の300ミリリットル容器の緑茶飲料は、煎じた場合よりもカテキンはやや少ないため、2本程度に相当するという。

 これまでは緑茶を実際に人に飲んでもらって、認知症の症状の改善に効果があるかどうかの試験はほとんどなかっただけに、今回の試験の意義は大きい。ただ、山田浩教授によると、今回の試験では参加総数が12人と少なく、さらに緑茶を飲んだ群と飲んでいない対照群(プラセボ群)との比較がないのが課題として残った。

 そうしたことから、山田浩教授は「今回の試験は予備的な試験」と位置づけ、昨年秋から、同じ施設の認知症の高齢者30人を対象に、1年間の緑茶飲用の効果を見るための本格的な試験を始めている。結果は来年に出る予定だ。

 共同研究した提坂(さげさか)裕子・伊藤園中央研究所長は「これまでの研究で、緑茶が人の認知症予防に効果がある可能性が示されていたが、今回の研究はそれを支持する結果ではないか」と話す。

 いま続けている試験について、山田浩教授は「認知症の高齢者は他にも病気があることが多く、試験を1年間継続するのはとても難しいが、なんとか結果を出したい」と意欲的だ。

 ◇コーヒーや紅茶、差は見られず

 一方、緑茶の摂取が認知症の予防になるのを示唆する新たな疫学研究結果も出ている。金沢大の山田正仁教授(神経内科)や篠原もえ子助教らの研究グループが行ったもので、米国科学誌プロスワンにも掲載された。

 同研究グループは2007~08年、石川県七尾市中島町に住む60歳以上の高齢者を対象にお茶を飲む習慣を聞き出し、認知機能などを検査したうえで、認知機能が正常な490人を約5年間追跡した。

 その結果、緑茶を全く飲まない138人では43人(約31%)が認知症か軽い認知障害の認知機能低下が見られた。これに対し、週に1~6日飲む195人では認知機能低下は29人(約15%)と低く、毎日緑茶を飲む157人では同18人(約11%)とさらに低かった。コーヒーや紅茶では差は見られなかった。

 統計的な解析の結果、緑茶を全く飲まない場合に比べ、緑茶を毎日飲むと認知機能低下のリスクは3分の1に、週に1~6日飲むと2分の1に減ることが分かった。

 山田正仁教授によると、この研究手法は、研究開始時に生活習慣と認知機能を確かめたうえで追跡していくため、「前向き縦断試験」といい、信頼性は高い。緑茶のどんな成分が効いているかの解明は今後の研究課題だが、今度の疫学研究を受けて、山田正仁教授らは現在、アルツハイマー病の脳に蓄積するアミロイドという異常たんぱく質を阻害する作用をもつポリフェノールのカプセルをアルツハイマー病の患者に投与する比較対照試験を始めている。今後が注目される。

 ◆女性胃がん予防にも--若林敬二・静岡県立大特任教授

 ◇お酒はほどほどに 禁煙、減塩もお忘れなく

 毎年約5万人が死亡する胃がん。緑茶と胃がんの関係については、これまで数多くの研究報告がある。それらを総合的に解析した結果では、女性では胃がんの予防効果があるようだ。

 ◇リスク3割減、男性は差なし

 国立がん研究センターの研究者らは2年前、日本で報告されている八つのコホート研究(コホートは集団の意味)と三つの症例対照研究を総合的に解析した研究結果を報告した。それによると、1日当たり5杯以上の緑茶を飲む女性は、1杯未満の女性に比べ、胃がんになるリスクが3割程度低かった。男性では差はなかった。

 胃がんは、食道に近い方の上部(噴門部)にできるがんと出口に近い下部にできるがんがある。日本人に多いのは下部のがんで、緑茶を多く飲んで予防効果が見られたのは下部のがんだった。男性で差が見られなかった理由の一つは、男性は女性ほど緑茶を飲んでいないことが挙げられるという。

 では、緑茶はどんなメカニズムで胃がんにつながる炎症を抑えるのだろうか。食品とがんの研究で知られる若林敬二・静岡県立大食品環境研究センター長(特任教授)らは、胃がんを起こす原因の一つとされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)に感染しやすいスナネズミを使って実験を行った。

 強い酸性の胃の中でもピロリ菌が生きていられる理由の一つは、ウレアーゼという酵素を生成しているからだ。ウレアーゼは胃の粘液に含まれる尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する。ピロリ菌はこのアルカリ性のアンモニアで自身の体を守っているわけだ。ところが、このアンモニアなどの生成物は人の胃の粘膜に炎症を起こす作用がある。

 若林特任教授らはウレアーゼの作用を抑える食品はないかとキノコ、ハーブ類などさまざまな食品を調べたところ、緑茶がウレアーゼの作用を抑えることが分かった。

 そこでピロリ菌を感染させたスナネズミに緑茶抽出物を飲ませて実験したところ、緑茶抽出物を飲んだネズミでは、ピロリ菌の活性が抑えられていた。こうした疫学研究や動物実験から、若林特任教授は「確定的なことは言えないものの、女性では緑茶に胃がんを予防する働きがあるようだ」と話す。もちろん、がんの予防には他にも大切なこと=表=はあるので、それらを心がけることも重要だ。

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 ◇がん予防、心がけたいこと

(1)喫煙をやめる

(2)塩分の過剰摂取を控える

(3)酒はほどほどに

(4)野菜・果物を多く取る

(5)脂肪の過剰摂取を控える

(6)適度な運動

(7)ピロリ菌、肝炎ウイルスなどの感染予防と除去(治療)

(8)胃がんなどがん検診

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 ■人物略歴

 ◇やまだ・ひろし

 1956年生まれ。自治医科大卒。同大学院博士課程修了。聖隷浜松病院総合診療内科部長、浜松医科大助教授などを経て現職。専門は内科、臨床薬理学、臨床統計学など。日本内科学会総合内科専門医。

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 ■人物略歴

 ◇わかばやし・けいじ

 1949年生まれ。静岡薬科大卒、同大学院薬学研究科博士課程修了。国立がんセンター(現国立がん研究センター)研究所長などを経て、2011年から静岡県立大教授。専門はがん予防など。日本癌学会評議員。日本癌学会奨励賞などを受賞。

理研・笹井氏、辞意繰り返す 自殺10日前に体調悪化

神戸新聞 2014年8月6日(水) 配信

 STAP細胞論文の責任著者の一人で、自殺した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区、理研再生研)の笹井芳樹副センター長(52)について、理研再生研の竹市雅俊センター長は5日、問題発覚後の3月ごろから「副センター長を辞めたい」と繰り返し申し出ていたことを明らかにした。10日ほど前には、笹井氏の体調が悪化し、投薬や診療を受けていたことも分かった。

 笹井氏は5日朝、同センターに隣接する研究棟で首をつった状態で見つかった。兵庫県警や理研などによると、遺書は現場近くのかばんに3通、秘書の机の上に1通見つかった。関係者によると、遺書は、STAP細胞の論文執筆で笹井氏が指導した理研の小保方晴子氏(30)や理研幹部宛てなどで、「疲れた」などの趣旨や謝罪する内容だったという。

 理研再生研の竹市センター長は5日夕、取材に応じ、「一緒にセンターを築き上げてきた。痛恨の思いとしか言えない」と沈痛な表情で語り、「論文問題が調査中だったため(笹井氏は辞任を)思いとどまったが、本人は強い責任を感じていた」と説明した。

 笹井氏の様子については、10日ほど前、研究所のスタッフから「ディスカッション(議論)ができない状態」と聞き、家族からも通院していると連絡を受けていたという。

 理研の加賀屋悟広報室長も同日午後に東京で会見。笹井氏は3月に心理的なストレスで1カ月弱入院していたと明かした。最近は、副センター長としての仕事はほとんどしておらず、研究室のグループディレクターとしての仕事が主体だった。「心身ともに疲れていた。心のケアはしていたがこのようなことになり残念」と唇をかみしめた。

 理研再生研では、小保方氏が参加してSTAP細胞の検証実験が行われているが、加賀屋室長は「(笹井氏の自殺に)小保方氏は非常にショックを受けていると報告を受けている」としており、影響が懸念される。

「STAP必ず再現を」 小保方氏宛て遺書に笹井氏

神戸新聞 2014年8月6日(水) 配信

 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)の笹井芳樹副センター長の自殺現場で見つかった遺書3通のうちの1通は、STAP論文を執筆した理研の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)宛てで、「STAP細胞を必ず再現してください」という趣旨の言葉が記されていたことが5日、関係者への取材で分かった。

 関係者によると、小保方氏宛てのほかは、センターの幹部と研究室のメンバー宛て。さらに、研究室の秘書の机の上にも総務課長、人事課長宛ての1通があった。

 現場にあった遺書はパソコンで書いたとみられ、文末には直筆とみられる署名があり、それぞれ封筒に入れられていた。「疲れた」といった趣旨や謝罪があり、小保方氏へは「あなたのせいではない」といった言葉もあったという。別の遺書には「今日、あの世に旅立ちます」との記述もあったという。

 兵庫県警は5日、笹井氏の自殺について事件性はないと判断した。

「悲劇」とネイチャー誌 笹井氏自殺で声明

共同通信社 2014年8月6日(水) 配信

 理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹(ささい・よしき)副センター長の自殺について、STAP細胞論文を掲載した英科学誌ネイチャーは5日、「これは悲劇だ」とする同誌編集主幹の声明を発表した。

 声明は笹井氏が幹細胞や発生生物学の分野で、先駆的な業績を挙げた非凡な研究者だとした上で、「科学研究コミュニティーにとって多大な損失だ。ご家族や友人、同僚の方々にお悔やみ申し上げる」と結んだ。

 ネイチャーのニュースブログも「科学者の死で日本に衝撃」という記事を掲載した。笹井氏が胚性幹細胞(ES細胞)を別の細胞に誘導・分化させる技術で有名だったと紹介し、「2011年には自然な発生過程を試験管内で再現し、ES細胞から立体的な目の組織を作り、世界を驚かせた」と業績を高く評価した。

 日本国内の報道を引用し、自殺した笹井氏が発見された状況や、「かけがえのない科学者を失った」とする野依良治(のより・りょうじ)・理研理事長のコメントも紹介した。

 ネイチャーは1月30日付の誌面でSTAP細胞論文を掲載したが、問題発覚などを受け7月に取り下げた。

エボラ熱「対応に限界」 邦人看護師が報告会

共同通信社 2014年8月6日(水) 配信

 エボラ出血熱の感染拡大が深刻な西アフリカのシエラレオネに、国境なき医師団(MSF)の看護師として派遣された吉田照美(よしだ・てるみ)さん(43)が5日、東京都内で報告会を開き「感染地域が次々と見つかり、人手が足りず対応に限界がきている」と述べ、国際社会の支援を訴えた。

 吉田さんは6月中旬から約1カ月間、東部カイラフンに設けられたMSFの医療施設で活動。入院患者の飲食を手伝ったり、採血や点滴を行ったりした。

 患者と接触する区域では防護服を着用し、2人一組で対応した。防護服の耐久性から活動時間に制限があった上、看護師が20人ほどしかいなかったため、患者に呼ばれても応じられないこともあったという。「防護服は蒸し暑く、緊張も強いられ、精神的にも体力的にも厳しかった」と振り返った。

 感染拡大の要因として、遺体を触って清める現地の風習を挙げたほか、「MSFが感染を広げた」という流言も飛び交っており「地元の人を教育するための人材も必要だ」と強調した。

 エボラ熱の致死率は25~90%で、ワクチンや治療法はない。世界保健機関(WHO)によると、西アフリカで過去最大規模の流行となり、ギニア、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリアの4カ国で1日までに887人が死亡した。(共同)

*STAP論文の笹井氏自殺 研究棟内、複数の遺書 理研小保方氏の指導役 真相究明に影響も

共同通信社 2014年8月5日(火) 配信

 STAP細胞論文の共同執筆者だった理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹(ささい・よしき)副センター長(52)が、センターに隣接する研究棟内で自殺しているのが5日見つかった。兵庫県警や理研によると、秘書の机の上などから、複数の関係者に宛てた遺書のようなものが見つかった。

 笹井氏はSTAP論文を執筆した理研の小保方晴子(おぼかた・はるこ)研究ユニットリーダー(30)の指導役で、再生医療研究の第一人者。STAP細胞の有無を確かめる検証実験が続いているが、論文に関係する主要研究者の1人が亡くなったことで真相究明への影響も懸念される。

 県警と理研によると、笹井氏はセンターの敷地内にある「先端医療センター研究棟」5階の階段部分の手すりに、ひも状のものをかけて、首をつっていた。半袖シャツにスラックス姿で、踊り場に靴がそろえてあった。

 巡回中の先端医療センター関係者が発見し、午前9時すぎに110番があったという。午前11時ごろ、死亡が確認された。研究棟は5階建てで、2階に笹井氏の研究室があるという。

 理研関係者によると、STAP細胞の論文問題が起きてから、笹井氏は心療内科を受診しており、体調が悪そうだったという。

 笹井氏は今年1月に理研が成果を発表した記者会見にも同席しており、論文疑惑が発覚した後も、細胞が存在する可能性を強調していた。

 STAP論文は1月30日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。画像が不自然との指摘を受けて理研が調査し、4月、捏造(ねつぞう)と改ざんの不正を認定。小保方氏は不服申し立てをし、「STAP細胞はある」と記者会見で主張した。笹井氏も別に記者会見し「STAP現象は現在最も有力な仮説」と述べていた。

 笹井氏は兵庫県出身。1986年に京都大医学部を卒業後、米カリフォルニア大ロサンゼルス校への留学を経て98年に京都大再生医科学研究所の教授になった。2003年に理研に拠点を移し、13年から副センター長。

 理研発生・再生科学総合研究センターの斎藤茂和(さいとう・しげかず)副センター長は5日、STAP細胞の検証実験の中間報告を今月にも発表するかについて「約束したことなので、予定通りやります」と答えた。

 ※STAP細胞問題

 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏と笹井芳樹(ささい・よしき)副センター長らが、体の細胞に刺激を与え新たな万能細胞「STAP細胞」を作ったと1月30日付の英科学誌ネイチャーに論文を発表した。画像や文章の流用などが相次いで発覚、理研の調査委員会は小保方氏に捏造(ねつぞう)や改ざんがあったと認定した。理研の改革委員会は、笹井氏の「責任は重大」と指摘し、センターの解体を提言した。ネイチャーは7月に論文を撤回した。STAP細胞の有無を確かめる理研の検証実験が、小保方氏も参加して進められている。

トップランナーの死に驚き 笹井氏自殺に研究者ら

共同通信社 2014年8月5日(火) 配信

 理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹(ささい・よしき)副センター長が5日午前に自殺したとの知らせに関係者は驚き、発生生物学のトップランナーとも言われた優秀な研究者の死を残念がった。

 STAP細胞問題を受け、理化学研究所が設置した改革委員会の委員を務めた信州大の市川家国(いちかわ・いえくに)特任教授は一報に接し「えっ」と驚き、絶句した。「かわいそうだ。本人も、ご家族も。日本の研究を引っ張ってきた非常に優秀な研究者だ。改革委としては厳しい意見を言わざるを得なかったが...」とろうばいした。

 センターの男性研究者によると、笹井氏は問題が明るみになって以降、精神的に落ち込み、一時回復したが最近はまた悪化していたという。「STAP細胞問題を一気に引き受け、責任を取ろうとしていた」と明かす。

 日本分子生物学会の理事長を務める大隅典子(おおすみ・のりこ)東北大教授は「大変お気の毒。研究不正で人が死ぬことはあってはならなかった。周囲が彼の心のケアに注意を十分払っていたのだろうか」と心を痛めた。また「研究不正の防止には学会としてきちんと取り組みたい」と話した。

 センターの男性研究者は「本人は周囲に『辞める』と何度も言っていたが、理研上層部が認めなかった。笹井氏を追い込んだ責任は大きい」と指摘する。

「なぜ」「残念」 文科省幹部にも戸惑い

共同通信社 2014年8月5日(火) 配信

 理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(神戸市)で、笹井芳樹(ささい・よしき)副センター長(52)が自殺したことに、文部科学省の幹部は5日、「まだ詳しい状況が分かっていない。なぜこんなことになったのか」と戸惑うように語った。

 文科省には午前9時半すぎに一報が入ったといい、担当者が関係部署に慌ただしく出入りして情報の確認に追われた。

 ある幹部は「命まで絶つ必要はない」と絶句。STAP細胞論文の問題について「笹井氏は処分を受けて反省するべきだった」と漏らした上で「日本の(研究)コミュニティーで成果を出してもらいたいと思っていた」とぽつりと話した。

 別の文科省幹部は、笹井氏のことを「日本の再生医療の代表的な研究者だった」と評価した上で「大変な損失だ」と肩を落とした。

 元文科相の塩谷立衆院議員も記者団に「非常に残念な思いだ。今回の問題がこういう結果を導いたということだ。(理研の)改革はしっかり進め、状況を聞きながら対応したい」と述べた。

再生医学の世界的研究者 STAP論文に深く関与

共同通信社 2014年8月5日(火) 配信

 理化学研究所の笹井芳樹(ささい・よしき)副センター長(52)は、再生医学の分野で世界的な注目を集める研究者で、不正が認定されたSTAP細胞論文では小保方晴子(おぼかた・はるこ)研究ユニットリーダーの論文執筆の指導や研究デザインなどに深く関与した。

 小保方氏は一時、笹井氏の研究室でもSTAP細胞の研究をしていた。笹井氏は4月に開いた記者会見で、小保方氏を「非常に豊かな発想力があり、研究への集中力が高かった」と評価。一方でデータ取り違えなどの不正に関しては「弱い部分を強化してあげることができなかった」と悔いていた。その上で「STAP現象は合理性の高い仮説」と釈明していた。

 再発防止策を策定した理研の改革委員会は、笹井氏について「(STAP論文の)生データの検証を全く行うことなく自らの職責を果たさなかった」と厳しく批判した。

 笹井氏は1986年に京都大医学部を卒業し、98年に36歳の若さで京都大再生医科学研究所の教授になった。2013年から理研の発生・再生科学総合研究センターで副センター長を務めた。

 京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授と共に12年にノーベル賞を受賞した英国のジョン・ガードン博士の孫弟子。ばらばらの細胞が集まってひとりでに構造を作る「自己組織化」という手法を用いて、胚性幹細胞(ES細胞)から立体的な脳や目の組織をつくり大きな話題を呼んだ。

 13年度にはES細胞や人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った目の病気の治療を目指す国のプロジェクトの拠点長に選ばれ、研究成果の医療応用にも乗り出していた。

##網膜移植の懸賞が大きく遅延してしまう。

エボラ熱死者887人に 西アフリカ、急増続く

共同通信社 2014年8月5日(火) 配信

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は4日、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱について、1日までに感染が確認または疑われる死者がギニアなど4カ国で計887人に上ったとの声明を発表した。死者は急増しており、WHOは封じ込めに向け対応を強化している。

 米政府はワシントンで4~6日に開かれる米アフリカ首脳会議と関連会合を利用してエボラ熱の封じ込めへ向けた連携を確認したい考え。バーウェル米厚生長官は4日、ギニアのコンデ大統領らと対策を協議した。

 WHOの声明によると、感染が確認または疑われるケースは4カ国で計1603人。うち死者はギニア358人、シエラレオネ273人、リベリア255人、ナイジェリア1人。特にリベリアで死者の増加が目立っている。

 WHOは7月31日、死者が7月27日までに計729人に上ったと発表。5日間で死者が158人増えた計算になる。

 WHOは国連機関などを通じ、4カ国に対する支援態勢の拡充を急いでいる。世界銀行は4日、ギニアなどに対する最大2億ドル(約205億円)の緊急支援を発表した。

 米メディアは4日、西アフリカを旅行した男性が発熱などの症状を訴え、ニューヨークの病院でエボラ熱の検査を受けたことを大きく報じるなど高い関心を示している。

 ロイター通信によると、シエラレオネは感染地域に約750人の軍部隊を派遣。リベリアでは警察が検問所を設けて、感染地域からの人の出入りを制限した。

試験前の治療薬が効果か エボラ感染の米医師ら

共同通信社 2014年8月5日(火) 配信

 【ワシントン共同】米CNNテレビは4日、西アフリカでエボラ出血熱に感染した米国人2人が、人での臨床試験を経ていない治療薬の投与を受けて症状が回復したと報じた。

 2日に米国に帰国した男性医師は歩いて病院に入った。一時は重篤な状態だったとされ、CNNは「奇跡的だ」とする医療関係者の声を伝えた。

 治療薬は米カリフォルニア州の製薬会社が開発する「ZMapp」。マウスを使った抗体を含み、免疫機能の働きを助けてウイルスによる細胞への感染を防ぐ。感染後1~2日のサルに投与すると死亡を防ぐ効果が示されたが、人での安全性や効果は未知数だった。

 CNNによると、米国立衛生研究所(NIH)が提供した治療薬を先週リベリアに輸送。男性医師らは説明を受けた上で投与に同意し、感染から7~10日後にもかかわらず劇的な効果がみられたとしている。

 この治療薬の開発には、米陸軍感染症医学研究所など米国防総省傘下の研究機関が関わっている。

「言葉にならない」 施設に遺書、関係者に驚き

共同通信社 2014年8月5日(火) 配信

 「こんなことになるとは」「言葉にならない」―。STAP細胞の論文問題は5日、理化学研究所の小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏(30)の論文執筆を指導した笹井芳樹(ささい・よしき)氏(52)が神戸市内の勤務先で自殺するというショッキングな事態になった。施設内には遺書。関係者は驚きを隠せなかった。

 理研関係者によると、心療内科に通い、体調が優れない様子だったという笹井氏。「こんなことになるとはみじんも思わなかった。毎日出勤していたが元気な姿が少し衰えているように見えた」。笹井氏が勤めていた理研の発生・再生科学総合研究センターで取材に応じた斎藤茂和(さいとう・しげかず)副センター長は言葉を詰まらせた。

 再生医学の分野で世界的な注目を浴び、2013年からセンターの副センター長を務めていた笹井氏。7月に論文撤回をした際は「痛切に後悔し反省している。重い責任を感じ、進退については理研の判断に従う」と謝罪していた。

 ある理研関係者は数日前、「笹井さんは研究室のメンバーに『来年、研究室はないかもしれないから就職活動するように』と話をしたらしい」と明らかにしていた。笹井氏をよく知る理研の男性研究員は「言葉にならないぐらい驚きだ」と声を震わせながら答えた。

 神戸市内のセンター内には5日朝、パトカーや救急車が集まり、慌ただしい雰囲気。警察官が出入りし、近隣住民が不安そうに見守った。

 論文問題をめぐり小保方氏は、4月に記者会見した笹井氏を「尊敬する笹井先生が私の過ちのため、厳しい質問に答えている姿を見て、本当に申し訳ない気持ちでいっぱい」と涙ながらに話していた。

 小保方氏の代理人の三木秀夫(みき・ひでお)弁護士は大阪市内で取材に応じ「大変驚いている。心よりご冥福を祈る」とコメント。小保方氏の精神面のケアについて「一番心配。早く対応したい」と話した。

ヒト祖先に感染ウイルス遺伝子がiPSの質左右

読売新聞 2014年8月5日(火) 配信

 人類の祖先に感染し、細胞内に定着したウイルスの遺伝子が、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の質に大きな影響を与えることを突き止めたと、京都大iPS細胞研究所の山中伸弥教授と高橋和利講師らのチームが発表した。

 質の高いiPS細胞を効率よく作製する技術につながるという。5日の米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。

 iPS細胞は、基本的には皮膚細胞など通常の細胞に4種類の遺伝子を入れて作る。できたiPS細胞の中には、筋肉や神経など様々な細胞に変化する性質が弱いなど、質の悪い細胞もあるが、その詳しい原因は不明だった。

 発表によると、チームは通常の細胞からiPS細胞を作製する際、「LTR7」と呼ばれる遺伝子が活発に働くことを発見した。この遺伝子の働きは、正常なiPS細胞では、ある時点を境に弱まるが、質の悪いiPS細胞では活発に働き続けており、iPS細胞から通常細胞を作る際の妨げとなることがわかった。

 LTR7は、大昔、人類の祖先に感染した、レトロウイルスという種類のウイルスの遺伝子が、人類の遺伝子として取り込まれたもので、害はない。山中教授は「レトロウイルス由来の遺伝子の一部がiPS細胞にとって大事なのは予想外だった。iPS細胞の謎の一端が解明された」と話す。

埋葬前に遺体を手で洗う風習、エボラ感染拡大か

読売新聞 2014年8月4日(月) 配信

 AFP通信によると、エボラ出血熱の感染拡大が続くシエラレオネ、ギニア、リベリアなどで作る国際機関「マノ川同盟(MRU)」は1日、感染患者の7割が集中する3か国の国境地帯を、軍と警察で隔離すると発表した。

 西アフリカ各国と世界保健機関(WHO)の会議で決定した1億ドルの対応策の一環。隔離地域では治療や検査、感染の疑いのある患者の追跡などを強化するという。埋葬する前に遺体を手で洗う風習が、感染につながっているケースもあることから、埋葬の方法についても指導する。

 隔離地帯の正確な範囲は明らかになっていないが、感染者の多いシエラレオネのケネマ地区から、ギニアのマセンタ地区は約300キロ離れている。(ヨハネスブルク支局 上杉洋司)

小保方氏らの処分審査、理研「検証実験と関係なく再開」

朝日新聞 2014年8月4日(月) 配信

 STAP細胞論文の問題で、理化学研究所は4日、一時停止している小保方晴子ユニットリーダーらの懲戒処分の審査について、新たな疑義に対する調査結果が出た後に、細胞の存在を検証する実験とは関係なく再開する、とする考えを発表した。日本学術会議が、処分審査の速やかな実施などを理研に求めていた。

 理研は、新たな不正が認定されれば、「共著者の処分の重さに影響する可能性がある」と、審査を中断した理由を説明している。

 検証実験については、社会の中に理研が真相を解明し、STAP細胞の有無を明らかにすべきだとする意見が多くあると認識している、としている。

マウスiPSから別種がん幹細胞 岡山大大学院妹尾教授ら

山陽新聞 2014年8月4日(月) 配信

 2012年にマウス由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、腺がんのもとになるがん幹細胞の作製に世界で初めて成功した岡山大大学院自然科学研究科の妹尾昌治教授(生物工学)らのグループは、同様にマウスのiPS細胞から悪性脂肪肉腫を形成するがん幹細胞の作製にも成功した。成果は7月、がん研究の国際科学雑誌に掲載された。

 がん幹細胞は体内でがん細胞を次々と生み、転移や再発のほか、抗がん剤や放射線治療などが効きにくくなる原因となる。がん幹細胞はがん組織にごくわずかしかなく研究は困難。iPS細胞から異なる種類のがん幹細胞を作りだした今回の成果を応用すれば、さまざまながん幹細胞の研究の進展が期待され、新たな抗がん剤の開発につながる可能性もある。

 さらに、細胞内外に物質を輸送する働きのある小胞が、がん化に関与していると従来から言われていたが、がん細胞が分泌する小胞に、iPS細胞をがん幹細胞に誘導する物質が含まれていることも発見した。

 研究グループは、マウス由来のがん細胞株を2、3日培養した液から遠心分離して抽出した小胞で4週間、iPS細胞を培養した。マウスに移植したところ、約1カ月後に悪性脂肪肉腫の発症を確認した。その後、転移も見られたという。

 妹尾教授は「今回の研究で、iPS細胞から複数の種類のがん幹細胞が作れる可能性が示された。基礎研究に必要な量のがん幹細胞を確保できれば、がん治療の進展に大きな貢献ができる」と話している。

米、エボラで渡航自粛勧告 封じ込めに3~6カ月 西アフリカ3カ国

共同通信社 2014年8月4日(月) 配信

 【ワシントン、ジュネーブ、ナイロビ共同】西アフリカでのエボラ出血熱の流行拡大を受け、米疾病対策センター(CDC)は7月31日、ギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国への不要不急な渡航を控えるよう求める米国居住者向けの勧告を出した。

 同日電話で記者会見したCDCのフリーデン所長は「エボラ熱の流行は悪化している。最もうまくいった場合でも封じ込めに3~6カ月かかるのではないか」と述べ、長期化は避けられないとの見通しを示した。

 3段階の勧告のうち最も高い「レベル3」。2003年の新型肺炎(SARS)の際にも出されたが、健康上の高いリスクがある場合に限られる異例の措置。世界保健機関(WHO)は渡航自粛勧告を出しておらず、米国の対応が先行した。

 ドイツやフランスも渡航自粛勧告を出した。

 WHOのチャン事務局長は7月31日、「『新たな段階』に対応する必要が出てきた」と声明を出し、3カ国支援のため1億ドル(約103億円)の対策を取ると発表した。

 WHOは1日、ギニアの首都コナクリで感染地域の各国首脳とともに緊急会議を開いた。エボラ熱対策を協議、封じ込めに全力を挙げる。

 チャン事務局長は会議で「状況が悪化し続ければ死者が増えるだけでなく、社会や経済が混乱し、他の国に拡散するリスクも高まり、壊滅的な結果を招く」と危機感を示した。 一方で「エボラ熱にワクチンや治療法はないが、流行を抑え込むことは可能だ。基本は早期の発見と感染者の隔離だ」と訴えた。

 WHOは、医師や看護師、感染症の専門家が不足しているとして、近隣諸国の支援を求めた。

 CDCは既に3カ国の政府対応を支援するための専門家チームを派遣しているが、50人を追加派遣することも決めた。

 WHOの7月31日の発表によると、これまでにギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアの4カ国で1323人が感染、うち729人が死亡する過去最大の流行となっている。

ノバルティス捜査終結 別の告発を不起訴

共同通信社 2014年8月4日(月) 配信

 ノバルティスファーマの降圧剤ディオバンの臨床研究データ改ざん事件で、東京地検特捜部は1日、医師や弁護士らでつくる「薬害オンブズパースン会議」が告発していた薬事法違反(誇大広告)などの容疑について、同社を嫌疑不十分で不起訴処分にした。一連の捜査を終えた。

 告発状は、データ操作があった論文を引用した広告を雑誌に掲載したのは誇大広告に当たるとしていたが、特捜部は広告担当の社員が改ざんを認識していた証拠がなかったと判断した。

 特捜部は厚生労働省の告発を受け、京都府立医大の論文に改ざんデータを掲載させたとして、元社員白橋伸雄(しらはし・のぶお)被告(63)と法人としての同社を誇大広告の罪で起訴している。

がん攻撃の新手法開発 東北大、正常細胞と区別

共同通信社 2014年8月4日(月) 配信

 正常な細胞との違いを見分けてがん細胞だけを攻撃する新たな手法を開発したと、東北大の加藤幸成(かとう・ゆきなり)教授(腫瘍生物学)らの研究グループが1日付の英科学誌電子版に発表した。グループは「将来、副作用のない医薬品の開発が期待できる」としている。

 抗がん剤の中には、がん細胞にあるタンパク質を識別して攻撃するものがある。しかし、正常細胞にも同じタンパク質がある場合が多く、副作用を引き起こす危険性が高い。このため実用化は白血病など一部を対象にしたものにとどまっている。今回の手法は、タンパク質表面の違いを見分け、がん細胞だけを攻撃できるという。

 加藤教授によると、がんの転移を促す「ポドプラニン」というタンパク質を攻撃する特殊な抗体を作製した。

 このタンパク質は肺がんや悪性脳腫瘍、卵巣がんなど治療が難しいがんによく見られる一方、正常細胞にも存在する。チームは、タンパク質の表面に付着している糖の化合物の位置や種類、数が、がん細胞と正常細胞で異なることに着目。新たな抗体で、違いを見分けてがん細胞だけで作用させ、死滅させることに成功したという。

 加藤教授は「副作用の危険性のために研究が進んでいなかった種類のがんに対する治療の可能性が広がる」と指摘し、今後、臨床研究をしたいとしている。

 注)英科学誌は「サイエンティフィック・リポーツ」

9月にも臨床試験 エボラワクチン、米紙報道

共同通信社 2014年8月4日(月) 配信

 【ワシントン共同】1日付の米紙ワシントン・ポストは、米国立衛生研究所(NIH)がエボラ出血熱のワクチンについて、初期段階の臨床試験を9月にも始める方向で作業を加速させていると伝えた。NIH傘下の国立アレルギー感染症研究所当局者の話としている。

 開発段階のワクチンはサルを使った実験で「極めて勇気づけられる」結果を出しており、臨床試験の許可取得に向けた手続きを食品医薬品局(FDA)と行っている。初期段階の臨床試験は約20人を対象に行い、来年1月にも終了させたい意向。結果が良好なら、さらに規模の大きな臨床試験に進む。

 エボラ熱にはワクチンや治療法が見つかっていない。仮にワクチンを開発しても、見込まれる市場規模が小さいという理由から、これまで製薬業界の関心が低かったが、西アフリカでの現在の流行により、状況は変わりつつあるという。

細胞死、食品成分が抑制 赤ワインやゴマ、京大解明

共同通信社 2014年8月1日(金) 配信

 細胞内の不要なタンパク質が分解できなくなるなど機能が低下した細胞の生存率を上げるのに、赤ワインに含まれるポリフェノールやゴマの成分が有効なことを、京都大のチームがハムスターを使って明らかにし、31日付の英科学誌電子版に発表した。アルツハイマー病の予防などに役立つ可能性があるという。

 過剰な摂取は避ける必要があるが、チームの阪井康能(さかい・やすよし)教授(分子細胞生物学)は「一般に健康に良いとされる食品成分が、細胞レベルでも効果があることを示す成果だ」と話している。

 細胞内にあるタンパク質を分解する機能が落ちた細胞では、内部に異常なタンパク質が蓄積。エネルギーを作るミトコンドリアの機能障害が生じ、細胞を傷つける活性酸素が発生するなどして神経細胞死が起き、アルツハイマー病などになる。

 チームは、活性酸素を減らす働きがあるポリフェノールの一種「レスベラトロール」とゴマの成分「セサミン」を、タンパク質が分解できなくなったハムスターの細胞にそれぞれ添加。

 いずれの場合も、添加しなかった細胞に比べ、8時間後の生存率が1~2割上昇することを確認した。細胞を保護する効果があるとみられる。

 注)英科学誌はサイエンティフィック・リポーツ

神経細胞つなぐタンパク質 脳卒中の再生医療に期待

共同通信社 2014年8月1日(金) 配信

 においの情報を処理する脳の部位「嗅球」にある神経細胞のタンパク質は、神経細胞同士のネットワーク形成を促し、情報処理の効率を上げる働きがあることを、奈良県立医大などのチームがマウスを使った実験で明らかにし、31日付の米科学誌電子版に発表した。

 このタンパク質はNPAS4。チームの坪井昭夫(つぼい・あきお)教授(分子生物学)は「脳卒中などで神経細胞が死滅した際、薬剤などでNPAS4を働かせたり、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製したこの神経細胞を移植したりすれば再生が期待できる。新たな治療法の開発に役立つ」と話す。

 チームは、においの刺激があると神経細胞で活発に働くNPAS4に着目。遺伝子操作により、マウスでNPAS4を作れないようにした。

 すると、刺激の強弱にかかわらず、細胞同士が情報をやりとりするシナプスの数が通常に比べ3割減少。情報伝達がうまくいかず、マウスは似通ったにおいを嗅ぎ分けられなくなった。一方、NPAS4が過剰にあるとシナプスが3割増えるなど、神経細胞のネットワーク形成を促進していることが分かった。

 この神経細胞は大人のマウスでも作られ、脳梗塞を起こしたマウスでは、脳の損傷部分に一部が移動して神経を修復することが既に報告されており、人でも同様の現象があるとみられている。

 注)米科学誌はセル・リポーツ

根津院長「出自の告知は夫婦の問題」、夫の父精子118人誕生

毎日新聞社 2014年8月1日(金) 配信

体外受精:夫の父精子118人誕生 根津院長「出自の告知は夫婦の問題」

 妻が夫の実父(義父)から精子提供を受ける不妊治療で17年間に118人が誕生した長野県の「諏訪マタニティークリニック」の根津八紘院長が31日、東京都内で記者会見した。生まれた子どもへの出自の告知に積極的な夫婦はほとんどいないことを明らかにした上で、「必要な時には必ず告知するように話はしているが、基本的に夫婦が決める問題」と述べた。

 近親者からの精子提供による不妊治療には「家族関係が複雑になる」という指摘があるが、根津院長によるとこれまで家族関係に問題が生じた例はないという。

 義父からの提供による体外受精では、受精卵の移植1回あたりの妊娠率が約38%で、匿名の第三者からの提供による非配偶者間人工授精(AID)の約5%(日本産科婦人科学会)より高いという。

渡航予定者に注意喚起 エボラ出血熱で厚労省

共同通信社 2014年8月1日(金) 配信

 西アフリカでのエボラ出血熱に関し、厚生労働省は、感染の報告が増え始めた3月以降、流行地域への渡航予定者に情報提供を強化し、感染予防を注意喚起するなど警戒態勢を続けている。

 日本から流行地域への直行便はなく、仕事やボランティアなど現地で活動している邦人は限定的とみられる。ただ感染から発症までは潜伏期間があるため、厚労省は、流行地域から帰国後、体調不良を感じた場合には、医療機関に相談するよう呼び掛けている。

 厚労省は世界保健機関(WHO)の要請を受け、5月以降、医師をリベリアやシエラレオネへ派遣。「引き続きWHOと連携し、情報収集に努める」としている。

空路のエボラ熱拡大懸念 検疫強化、運航停止も

共同通信社 2014年8月1日(金) 配信

 【ナイロビ共同】西アフリカの3カ国で流行し、これまで670人以上が死亡したエボラ出血熱の空路での感染拡大に懸念が高まっている。3カ国と国境を接していないナイジェリアの政府が、感染者を確認したと発表したからだ。各国も検疫態勢を強化したり、航空便の運航を一時停止したりするなど、対応に追われている。

 「西アフリカで感染し(英国で)発症する人が出てくるかどうかが問題だ」。ハモンド英外相は英BBC放送とのインタビューで警戒感をあらわにした。英メディアは7月30日、ナイジェリアから入国した男性が検査を受けたが、感染していなかったと報じた。

 ナイジェリア最大都市ラゴスの空港では20日、リベリアから到着した男性(40)が倒れ、5日後に死亡した。これまで感染者はギニア、シエラレオネ、リベリアの国境沿いに集中していたが、ナイジェリアに空路で飛び火した。

 ナイジェリアやトーゴの航空会社はリベリアとシエラレオネを発着する便の運航を一時停止。リベリア政府は27日、検疫態勢の整った場所を除き、国境を封鎖した。

 AP通信によると、リベリアで感染した米国人の男性医師は家族と同居。家族は医師が発症する数日前に米国に帰っていた。症状は出ていないが、米疾病対策センター(CDC)は「慎重を期する」として家族の健康状態の確認を続けている。

 一方、世界保健機関(WHO)は今回の流行が過去最大規模としながらも、渡航や通商の制限は推奨していない。

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