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最新医療情報Ⅱ

最新医療情報Ⅱ(2010年9月27日より)

受動喫煙の被害が深刻です。

2010年10月11日 提供:毎日新聞社

働くナビ:受動喫煙の被害が深刻です。

 ◆受動喫煙の被害が深刻です。

 ◇職場の喫煙規制、義務化 来年「労働安全衛生法」改正案提出へ

 ◇現在は「努力義務」止まり 小規模事業所ほど対策遅れ

 受動喫煙の影響を調べている厚生労働省の研究班は、年間に受動喫煙が原因で肺がんや心臓病で死亡する約6800人の成人のうち「半数以上の約3600人は職場での受動喫煙が原因」との推計値を発表した。職場の受動喫煙防止は現在、健康増進法に基づく事業者の努力義務にとどまっているが、厚労省は労働者保護の観点から、受動喫煙防止の義務化を労働安全衛生法に明記する意向だ。来年の通常国会に同法改正案を提出することを目指している。

 職場での受動喫煙問題に取り組む岡本光樹弁護士(東京)は、常に10~20件の相談を抱えている。

 「建設事務所の職場は約20人の従業員がほとんどが喫煙者。分煙さえされず、このままでは体が参ってしまいそうです。でも家族を抱え、会社と対立するわけにもいきません」

 昨年11月、50代の男性会社員からはこんな相談が寄せられた。この男性のように、とりわけ小規模の職場で受動喫煙被害を訴える人は多い。

 厚労省の調査(07年)では、同省のガイドラインに沿って禁煙か分煙の対策を取っている事業所は全体の46%だった。しかし、規模別にみると、従業員5000人以上の大企業では100%だったのに対し、10~29人では44%。小規模の事業所ほど対策が遅れている実情が浮かんだ。

 不十分な分煙に苦しむ人もいる。不動産会社に勤める40代の女性は頭痛などの症状が表れ、今年4月に「受動喫煙症」と診断された。職場は喫煙スペースと禁煙スペースに分かれてはいるものの、煙が遮断されてはいなかった。女性は診断書を会社に提出し、職場は禁煙になった。だが女性は今も休職中という。

 職場での受動喫煙に苦しむ人の中には、勤務先の提訴に踏み切る人もいる。だが、多くは上司に「大げさだ」などと言われ泣き寝入りしたり、退職や休職に追い込まれる人も少なくない。

 厚労省は今年2月、健康増進法に基づき、官公庁や飲食店など不特定多数の人が利用する公共的施設は原則全面禁煙とする通知を出した。ただし、努力義務規定に過ぎず、岡本弁護士は「まだ認識の低い企業も少なくない」と指摘する。このため、厚労省は同法ではなく、労働安全衛生法で規制を強化し、「義務付け」に格上げすることにした。従来の規制対象が「公共の場での受動喫煙」なのに対し、「従業員の受動喫煙」に着目した本格的な喫煙規制といえる。【山田夢留】

 ◇飲食店、対応難しく

 政府が規制強化に乗り出す中、飲食店など客が喫煙する職場は難しい対応を迫られる。厚労省は▽浮遊粉じんの空気中濃度を基準以下に▽濃度が基準以下になる十分な換気量の確保――のいずれかを義務づける方向で検討している。いずれにせよ、排気設備の取り付けなど抜本策が必要になりそうだ。

 居酒屋やバーなどを全国展開する、ある大手飲食チェーンは、条例で受動喫煙防止が義務づけられている神奈川県内の一部店舗を除き、分煙で対応している。だが、法改正が実現すれば、全面禁煙か施設改修を迫られかねない。同社は神奈川県内の対応だけで数百万円かかったといい、担当者は「お酒にたばこはつきもの。さらに設備投資するのは苦しく、全店舗での禁煙は難しい」と頭を抱える。

 規制は、同省の専門委員会が示した「1立方メートル当たりの浮遊粉じん0.15ミリグラム以下」が有力だ。だが、それさえ世界保健機関(WHO)や米国の基準より4~6倍も緩く、「不十分」と指摘する専門家も多い。

5百万~2500万提示へ B型肝炎和解で国

2010年10月12日 提供:共同通信社

 集団予防接種の注射器使い回しを放置した国の責任が問われている全国B型肝炎訴訟のうち、北海道訴訟の第5回和解協議が12日、札幌地裁(石橋俊一(いしばし・しゅんいち)裁判長)で開かれた。

 国側は具体的な補償額として、症状に応じ500万~2500万円とする案をまとめており、初めて提示する見通し。原告側は薬害肝炎と同じ1200万~4千万円を主張。症状が出てない無症候性キャリアーを補償に含めるかどうかも双方真っ向から対立し、協議は難航しそうだ。

 補償額をめぐってはこれまでの協議で、原告側が、死亡や肝がん、肝硬変、無症候性キャリアーの症状ごとに薬害肝炎救済法に準じるよう主張。

 国側は「他の薬害に比べ証拠に乏しく、感染の因果関係が確実だとは国民から受け止められにくい」として、薬害肝炎と同水準の補償は困難との考えを表明していた。

 無症候性キャリアーについては、原告側は「発症の不安を絶えず抱える」として除外しないよう要求。国側は「民法の規定で賠償請求権が消滅した」と反論し、対象外とする見解を示していた。

来年度の9、10歳は接種を 日本脳炎ワクチンで厚労省

2010年10月12日 提供:共同通信社

 厚生労働省は9日までに、日本脳炎の予防接種が事実上中断した2005年から5年間の空白期間中に未接種だった子どものうち、来年度に9、10歳になる子どもに接種を受けるように呼び掛けることを決めた。

 ワクチンの供給量に限りがあるため、未接種の年齢層のうち来年度5~8歳の人たちは、再来年度以降、年齢の高い人から順に、接種を積極的に勧める対象とする。

 厚労省の予防接種部会がまとめた意見を受け、判断した。

 日本脳炎ワクチンは接種費用が公費でまかなわれる定期接種として、3歳で2回、4歳で1回、9歳で1回の計4回接種するが、接種後に急性散在性脳脊髄(せきずい)炎(ADEM)を発症した事例を受け、05年に「積極的勧奨とはしない」とされ、事実上予防接種が中断した。その後新しいワクチンが承認され、本年度から3歳の接種について積極的勧奨を再開した。

執行停止の「地域医療再生基金」、菅政権で一転して増額検討

2010年10月11日 提供:読売新聞

 鳩山政権の時に一部が執行停止になった「地域医療再生基金」について、政府が2010年度補正予算案で積み増しを検討していることが分かった。

 同基金は、救急医療や地域医療の充実に活用することを目的に、自民、公明両党による麻生政権当時の09年度第1次補正予算に3100億円が計上された。しかし、鳩山政権は昨年10月に「政治主導で新たな予算を組む」として、同基金の750億円分を含む1次補正の一部執行停止を行った。

 ところが、鳩山政権を引き継いだ菅政権が近くまとめる10年度補正予算案で、同基金に約2000億円を積み増す案が浮上。使途は麻生政権の時と大きく変わらないだけに、基金を所管する厚生労働省の官僚からは、「政治主導と言いながら、政策に一貫性がない」との声が出ている。

アクチン繊維の立体構造解明…阪大教授ら 筋肉形成たんぱく質

2010年10月11日 提供:読売新聞

 筋肉を形成する物質の中心であるたんぱく質アクチンがらせん状に連なった「アクチン繊維」の立体構造=写真=を、大阪大の難波啓一教授と藤井高志研究員らのグループが解明した。アクチン繊維は、がん細胞や神経細胞など様々な細胞の機能や形成にもかかわっており、医学や生物学の分野での応用が期待される。

 アクチン繊維は、たんぱく質ミオシンとともに筋肉を構成。両者がくっついたり離れたりして筋収縮を起こすことで知られるが、筋肉以外の様々な細胞内にも存在し、細胞内の物質輸送など細胞の運動や形成に重要な役割を果たしている。だが、アクチン繊維は直径約10ナノ・メートル(10万分の1ミリ)と非常に細いうえにねじれやすい構造で、電子線をあてると壊れやすいことから、電子顕微鏡などで原子レベルでの構造を調べることが難しかった。

 難波教授らは、分子構造が壊れないようにアクチン繊維を約マイナス220度に急速凍結し、低温電子顕微鏡を用いて観察。四つのかたまりからなる分子が、複雑に位置や角度を変えながら、繊維を形成していることを突き止めた。

 研究成果は英科学誌ネイチャーに発表した。

ミトコンドリア変異で排除 iPS細胞でも拒絶反応か

2010年10月12日 提供:共同通信社

 細胞の中にありエネルギーを生産する小器官ミトコンドリアが持つDNAにわずかな突然変異があると、動物がもともと持つ自然免疫系が認識し、その細胞を排除することをマウスの実験で突き止めたと、林純一(はやし・じゅんいち)筑波大教授らが11日付米科学誌に発表した。

 ミトコンドリアは、細胞の核とは異なる独自のDNAを持ち、加齢に伴って突然変異が蓄積されるが、免疫には関係しないとみられていた。

 さまざまな細胞になる能力がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、本人の体細胞から作れば治療に使っても拒絶反応は起きないと考えられている。しかし林教授は「ミトコンドリアDNAの変異で拒絶反応が起き得る。自然免疫系がどの変異を認識しているかを調べたい」と話している。

 林教授らが、マウスの細胞に本来のミトコンドリアDNAとは塩基対(DNAを構成する塩基のペア)が数十カ所異なるDNAを組み込み、マウスに注入したところ、細胞は増殖しなかった。一方、自然免疫機能をなくしたマウスで同様の実験をすると細胞は増殖し、自然免疫がDNAの違いを見分けて排除していることが確認できた。

 マウスのミトコンドリアDNAには約1万6千の塩基対があり、林教授は数十カ所の塩基対のうち特定の場所が自然免疫に関係しているとみている。

 自然免疫は外部から侵入した病原体などを排除する機構。

※科学誌はジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン電子版

拠点病院別がんデータ公表 来年から、部位や治療法

2010年10月12日 提供:共同通信社

 全国のがん診療連携拠点病院別に、がんの患者数や部位、受けた治療法などのデータを公表することを決めたと、国立がん研究センターが8日、都内で開かれた拠点病院連絡協議会で明らかにした。

 それぞれの病院が他の病院との違いを比較できるようにし、治療法などの改善につなげてもらう狙い。だが、病院側からは「病院のランキング化につながるのではないか」との懸念も出ている。

 公表するのは、拠点病院のうちデータが集まった357病院で、2008年に初めて受診した患者計延べ42万人分。がんの部位や進行度、治療法などを来年1月からインターネットなどで公開する。治療後の生存率は含まれない。

 同センターは、全国どこでも良質のがん治療を受けられるようにするための基礎データとして、拠点病院に対し患者についての情報を集めた「院内がん登録」の報告を07年分から求め、これまで都道府県別データは公表していた。拠点病院へのアンケートで回答した355病院中280病院が病院別データを「公表してよい」、60病院が「条件付きでよい」と答えたのを受け、病院別の公表を決めた。

ES細胞で初の臨床試験 米、脊髄損傷の患者に バイオ企業のジェロン社

2010年10月12日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】米バイオ企業ジェロン社は11日、さまざまな組織に成長する胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使った世界で初めての臨床試験を、脊髄(せきずい)損傷の患者に対して米国内で始めたと発表した。

 ES細胞は再生医療への応用が期待され、山中伸弥(やまなか・しんや)京都大教授らが開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)とともに各国で研究が進められている。同社は、不妊治療で使われなかった受精卵から作ったES細胞を利用。米食品医薬品局(FDA)から臨床試験を承認されていた。

 同社によると、試験の対象は脊髄(せきずい)を損傷してから14日以内の患者。ES細胞から分化させた、神経を保護する軸索という組織になる細胞を投与し、損傷した神経を保護して機能を回復させる。

 今回は治療の安全性を確認する第一相試験で、米南部ジョージア州アトランタの病院で実施。さらに、イリノイ州シカゴの別の病院でも患者の登録を受け付けている。

 AP通信によると、全米で8~10人の患者が対象で、各患者で1年間、全体で2年間にわたって安全性を確認し、その後は治療の有効性を調べる次の段階に移る。

 同社は「患者への試験実施は数十年かかると予測されてきた。今回の試験は、ヒトES細胞治療の分野で画期的な出来事だ」としている。

 ES細胞は受精卵を壊して作製するため、キリスト教右派などから「倫理的ではない」として、世界的に論争の種になってきた。米国ではオバマ政権の発足により、研究に対する公的助成が認められた。

※ES細胞

 受精卵の一部を取り出して培養させた胚(はい)性幹細胞のこと。さまざまな臓器や組織に分化、成長する能力を保持したまま、ほぼ無限に増殖する。万能細胞と呼ばれ、傷んだ臓器の修復など再生医療への応用が期待される一方で、受精卵を壊して作るため、生命倫理上の観点からキリスト教右派などが利用に反対。ブッシュ前米大統領は研究を規制していた。京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授らが開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)はほぼ同じ機能を持つが、皮膚などから作製でき、倫理上の問題は少ない。

小中高の体力向上鮮明に 持久力、敏しょう性で改善 11年前と比較、文科省

2010年10月12日 提供:共同通信社

 小学校高学年と中学、高校生の体力が、11年前に比べ向上傾向にあることが10日、文部科学省が体育の日に合わせて公表した2009年度の体力・運動能力調査で分かった。反復横跳びや20メートルシャトルランなど、敏しょう性や持久力を測る項目は男女ともに上昇した。

 子どもの体力は1985年ごろをピークに長期間、低下傾向が続いていたが、近年は上向きに転じており、分析を担当した順天堂大の内藤久士(ないとう・ひさし)教授は「ピーク時に比べると依然低いが、改善傾向が鮮明になった」としている。

 調査は全国の6~79歳の計約7万人に実施し、年齢層に応じて6~8項目を測定。文科省はこのうち、11歳(小6)、13歳(中2)、16歳(高2)を男女別にした6グループについて98年度以降の傾向を分析した。

 その結果、13歳(8項目)の男子は、反復横跳びなど5項目で、女子は上体起こしやボール投げなど7項目で向上。男子の50メートル走は98年度の8・00秒から7・91秒になり、高水準だった85年度(7・90秒)にほぼ並んだ。

 16歳(8項目)は男女とも上体起こしなど4項目で上昇。98年度以降、調査項目を数値化した方式の合計点(80点満点)は男子が98年度の48点から54点に、女子は46点から51点に上がり、過去最高となった。

 11歳(8項目)は、男子の握力と立ち幅跳びが低下した一方、20メートルシャトルラン(往復持久走)など3項目で上回った。女子はボール投げなど5項目で向上、低下した項目はなかった。

 一方、成年の合計点の分析では、20~30代の女性は低下傾向にあるが、40歳以上の中高年と65歳以上の高齢者は男女とも向上傾向を示した。

※体力・運動能力調査

 「走る」「跳ぶ」「投げる」という基本的な体力や運動能力について、国民全体の状況を把握し、政策に反映させるため東京五輪が開かれた1964年度に始まり、毎年10月、体育の日に合わせて発表する。身長や体重などの調査も含め、当初は12~29歳で開始。6~79歳を対象にした現行方式は98年度から続く。文部科学省はこれとは別に、全国体力テストも実施。小学5年と中学2年の全員対象から、本年度は全小中学校の約19%を抽出する方式に変更したが、目的や内容がこの調査と重複しているとの指摘がある。

トランス脂肪酸含有量を表示 消費者庁指針案、来夏義務化も

2010年10月9日 提供:毎日新聞社

トランス脂肪酸:含有量を表示 消費者庁指針案、来夏義務化も

 消費者庁は8日、心疾患などのリスクを高めるとされる「トランス脂肪酸」について、食品の含有量の表示に関する指針案を公表した。11月にも、指針に沿った表示を食品業界に求め、来夏をめどに表示の義務化も検討する。

 トランス脂肪酸はマーガリン、ショートニングなど固形油脂の製造過程で作られることがあり、それらを原料にしたパンやケーキ、ドーナツ、揚げ物にも含まれる。

 指針案はトランス脂肪酸について、100グラム当たりなどの含有量を包装やウェブサイトなどで表示するよう定めた。「トランス脂肪酸フリー」などのゼロ表示には、100グラム当たり0・3グラム未満などの条件を設定。また、同様に心疾患リスクがある飽和脂肪酸、コレステロールの含有量も併記するよう求めた。

 世界保健機関(WHO)が03年、1日当たりの平均摂取量を総エネルギー摂取量の1%(平均的な日本人の場合約2グラム)未満にするよう勧告。米国や韓国、ブラジル、台湾など表示を義務化する国が広がっている。日本でも若年層や女性などでWHOの基準を上回るとの研究があり、表示を求める声が高まっていた。【山田泰蔵】

B型肝炎の補償で増税も 桜井財務副大臣

2010年10月8日 提供:共同通信社

 桜井充財務副大臣は7日の記者会見で、乳幼児期の集団予防接種が原因とされ、一部で和解協議入りしたB型肝炎訴訟の補償について「あまり大規模になれば、予算を削減するか、増税も考えなくてはいけなくなる」との見方を示した。

 補償の総額については「薬害C型肝炎と同程度になると、5兆円を超える」と説明。その上で「国民の負担、国の対応の問題点、他の疾患とのバランスを取り、できる範囲のことはしたい」と述べた。

子宮頸がんワクチン無料化 細菌性髄膜炎も、年内実施 補正予算に計上

2010年10月8日 提供:共同通信社

 桜井充財務副大臣は7日、臨時国会に提出する予定の2010年度補正予算案に、子宮頸(けい)がんワクチンの無料接種を年内に始めるための費用を計上する方針を示した。

 乳幼児の細菌性髄膜炎の原因となるインフルエンザ菌b型(Hib)と肺炎球菌のワクチンについても、同様の措置を講じる考えも表明した。医師不足対策などのための「地域医療再生基金」も約2千億円積み増す方針。同日開かれた民主党の議員連盟で明らかにした。

 子宮頸がんは性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)感染が主な原因とされる。10代前半のワクチン接種で予防が期待できるが、費用が計4万~5万円と高額で普及が進んでいない。

 桜井氏は「補正予算で基金をつくり、10年度後半から11年度まで国と地方が半分ずつ負担する形で、本人負担なしで接種できるようにしたい」と表明。ただ、年収800万円程度で所得制限を設ける考えも示した。

 子宮頸がんワクチンをめぐっては、自民、公明両党なども公費負担制度の導入を求めており、与野党双方から国による公的助成の必要性を訴える声が上がっている。厚生労働省は11年度予算で市町村の接種助成事業の3分の1を負担するため、150億円を要求しているが、これを前倒しで実施する形だ。

 厚労省の審議会はHPV、Hib、肺炎球菌のワクチンを予防接種法上の定期接種に位置付け、無料化を恒久措置にすべきだとする意見書を6日付でまとめている。

※子宮頸(けい)がん

 子宮の入り口付近にできるがん。厚生労働省によると、20~30代の発症者が増加しており、国内で年間に推定約2500人が死亡している。効果や副作用を懸念する意見もあるが、先進7カ国でワクチンの定期接種を実施していないのは日本だけで、厚労省の予防接種部会は「有効性、安全性は高い」としている。今年7月現在、全国で126市区町村が独自にワクチン接種の助成事業を実施、または予定している。対象年齢や助成額などは自治体によって異なる。

予防接種3ワクチン、定期接種に 厚労省部会が意見書

2010年10月7日 提供:毎日新聞社

予防接種:3ワクチン、定期接種に 厚労省部会が意見書

 厚生労働省の予防接種部会は6日、インフルエンザ菌b型(ヒブ)、小児用肺炎球菌、子宮頸(けい)がんの3種類のワクチンについて、公費で接種が可能な予防接種法の定期接種に位置づけるべきだとする緊急の意見書をまとめ、同省に提出した。

 部会長を務める加藤達夫・国立成育医療研究センター総長は「ヒブなどの3ワクチンは有効性、安全性も高く、国民の要請も強い。まずは国の補助事業として早期に接種を促進するなど、将来的な定期接種化に向けた動きを加速させてほしい」と語った。

 同部会は年末をめどに提言をまとめる予定だったが、今年度補正予算の議論に反映させるため緊急に意見集約した。3ワクチンは、世界保健機関(WHO)が接種を勧告し、米、英など先進7カ国で定期接種のプログラムとして実施していないのは日本だけという。【佐々木洋】

ダウン症の原因遺伝子抑制…京大グループ、カエルで成功

2010年10月6日 提供:読売新聞

 先天的な形態異常や知的障害を伴うダウン症の発症に関係すると考えられている遺伝子の過剰な働きを化学物質で抑え、体の発達を正常に保つことに、京都大の萩原正敏教授らのグループがカエルを使った実験で成功した。この遺伝子が関係することで生後に進行する症状が見つかれば、薬剤で治療できる可能性が出てくる。5日の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に発表した。

 ダウン症は、人間では21番目の染色体が3本になって起きる。この染色体の中で、遺伝子「Dyrk1A」の働きが強くなり、体の構造や神経の発達に重要な役割を担うたんぱく質の働きを妨げるとされる。

 萩原教授らが、この遺伝子をアフリカツメガエルの卵で過剰に働かせると、オタマジャクシの目ができなかったり頭が小さくなったりした。遺伝子の働きを抑える物質をコンピューターの模擬実験などで探し出し、卵に注入すると、目や頭の形が正常になった。

飢餓で"スイッチオフ" てんかん抑える仕組み解明

2010年10月7日 提供:共同通信社

 低栄養状態の体内でつくられる化合物が、脳内で神経伝達物質を運ぶタンパク質の"スイッチ"を切り(オフ)、てんかん発作を抑えることを岡山大や第一薬科大(福岡市)のチームが解明し、7日付米科学誌ニューロン電子版に発表した。

 この化合物はケトン体で、飢餓状態になると肝臓で脂肪が分解されてできる物質。岡山大の森山芳則(もりやま・よしのり)教授によると、飢餓がてんかんに効くことは昔から知られているが、その理由は不明だった。「薬の効かない難治性てんかんの治療薬開発などにつながる」という。

 てんかん発作は、神経伝達物質のグルタミン酸が脳の神経細胞間で過剰に伝達され、異常な興奮状態になり起こるとされる。森山教授らは、輸送にかかわるタンパク質「小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT)」を解析した。

 VGLUTは塩素イオンが結合して活発に働く。ところが、血中で増えたケトン体は塩素イオンに置き換わってVGLUTのスイッチをオフにし、グルタミン酸を輸送する働きを阻害。発作を抑えることが判明した。

 森山教授によると、欧米などでは低タンパク、低炭水化物、高脂肪の食生活でケトン体を増やす食事療法がある。

 てんかん患者の3割強は薬が効かない難治性の患者だといい、森山教授は「研究を進め、従来の食事療法に替わる新たな治療法を確立したい」としている。【石戸諭】

ノーベル化学賞に日本人2氏 鈴木さん「教科書に載る仕事を」

2010年10月7日 提供:毎日新聞社

ノーベル賞:化学賞に日本人2氏 鈴木さん「教科書に載る仕事を」

 ◇師に最高の恩返し、兄弟弟子が金字塔

 医薬品から家電まであらゆる分野で進歩を遂げた現代の生活を優れた業績で支える日本人の兄弟弟子が、科学界最高の栄誉に輝いた。「鈴木カップリング」「根岸カップリング」。自らの名前が付いた化学反応の発見から30年以上。鈴木章・北海道大名誉教授(80)と根岸英一・米パデュー大特別教授(75)は、渡米先の亡き恩師に、最高の形で恩返しした。

 ◇北海道生まれ、北大出身

 「受賞しちゃったようだよ」--。鈴木さんは6日午後6時46分、北海道江別市の自宅玄関から姿を見せると、待機していた報道陣に向かって照れ隠しのようにそう言った。

 鈴木さんや妻の陽子さん(79)によると、スウェーデン王立科学アカデミーから電話があったのは同日午後6時25分。「ビッグニュースがある」と切り出し、受賞を伝えたアカデミーの関係者に対し、鈴木さんは「素晴らしい賞をいただき、本当にありがとうございます」と話したという。

 電話を終えると、鈴木さんは陽子さんに「なんか当たったようだよ」と伝え、陽子さんも「おめでとう、だわね」とともに淡々と会話を交わしたという。報道陣に感想を求められた鈴木さんは笑顔で「ありがたいと思います」と答えた。

 鈴木さんは同日午後8時ごろ、拍手に迎えられながら札幌市内の北大の会見場に入り、緊張した面持ちで女性職員から花束を受け取った。

 会見では「図らずも名誉な賞を受賞できてうれしい」と第一声。「今日の受賞は多くの同僚や学生たちのおかげ。(留学先の米パデュー大教授で恩師だった)ブラウン先生(79年ノーベル化学賞を受賞、故人)が研究をサジェスト(提案)してくれなければ受賞はなかったと思う。亡くなった先生に報告できなくて残念」と話した。

 鈴木さんによると、同時受賞が決まった根岸さんは、ともにブラウン氏の門下生。鈴木さんがパデュー大を離れた後、入れ替わるように同教授の研究室に入った。直接、机を並べたことはないが、その後、鈴木さんが訪米した際は、米国で研究を続けていた根岸さんの自宅に泊めてもらうなど、交流が深かったという。

 さらにパデュー大で02年、ブラウン氏の90歳の誕生日を祝う会に出席した際、同氏が愛弟子のダブル受賞を予見していたかのように「アキラとネギシをノーベル賞にノミネート(推薦)したい」と語った秘話を明かした。

 鈴木さんは「社会に貢献する研究は、なかなか思うようにできない。この研究も最初はそんなに役立つと思っていなかったが、役立ってラッキーだった」と説明。研究信条について「ブラウン先生には、『教科書に載るような仕事をしろ』と言われ、肝に銘じて帰ってきた」と明かした上で、「重箱の隅をほじくるのではなく、誰もやっていない研究をすべきだ。うまくいかなくてもいい。重要なのは真摯(しんし)な気持ちと新しいものを見つける気持ちだ」などと語った。【千々部一好、木村光則、田中裕之】

 ◇あだ名は「二宮金次郎」

 鈴木章さんは1930年、自然豊かな北海道鵡川町(現むかわ町)に生まれた。むかわ町で暮らす実弟の譲さん(76)によると、鈴木さんのニックネームは「二宮金次郎」。旧制苫小牧中学(現・苫小牧東高)まで約1時間の通学の車中でいつも本を読んでいた。

 だが、16歳の時、父が51歳で死去。6人の子どもを抱えた母ナエさん(99年、95歳で死去)が衣類の行商で家計を支えた。章さんは恩師の勧めで北大を受験したが、譲さんは「母は『落ちてくれ』と祈ったそうです」と話した。

 鈴木さんは子どものころから複数の正解がある国語より、論理的に一つの答えが導かれる算数が好きな少年だった。大学でも数学を研究しようと考えていたが、北海道大2年のとき、英語で書かれた有機化学の本に魅了され、有機化学を専攻した。

 受賞に結びついた「鈴木カップリング」の発見の端緒は、北大助教授就任後の1963年から2年間、米パデュー大のブラウン教授のもとに留学した時に訪れた。発見につながるホウ素を含んだ有機化合物の研究に着手。30人以上の留学生と切磋琢磨(せっさたくま)する激しい競争の中に身を置いたが、「一生懸命やれば面白くなる。興味を持てば負担は感じない」と思えたという。

 若手研究者には、「画期的な発見をするには、起きている現象や自然を直視する謙虚な心と小さな光も見逃さない注意力と旺盛な研究意欲が必要だ。神が与える幸運もあるが、手を抜いては決して幸運はやってこない」と助言してきた。

 「鈴木カップリング」の名は合成化学の分野で抜群の知名度を持ち、世界各国で産業応用されている。各国から招へい教授や講演に招かれ、忙しい日々を送る。【田中泰義、斎藤誠、田中裕之】

 ◇「夢のよう」--妻・陽子さん

 鈴木さんの研究生活を支えてきた妻の陽子さん(79)は「夢のようで信じられません」と声を弾ませた。

 陽子さんによると、鈴木さんは現役時代は研究に没頭し、いつも夜遅くに帰宅した。自宅では研究についてほとんど話をしないが、元来、話好きで気さくな性格。テレビの紀行番組を見ながら陽子さんによく「ここに行ったね」などと話しかける。自然や動物、そして大の子ども好き。近所で子どもに会うと、話しかけずにはいられないほどという。

 今年で結婚生活54年目。長女と次女は千葉、横浜市で暮らす。陽子さんが2人に電話で受賞を知らせると、驚きながら、「(お父さんに)おめでとうと伝えて」と喜んでいたという。【木村光則】

 ◇「誇らしい」--岡山理大学長

 鈴木さんが94年から1年間、教授として在籍した岡山理科大(岡山市北区)の波田善夫学長(62)は「大学として誇らしい。学生にとっても、ノーベル賞を受賞するような先生に教えてもらえる機会はそうないでしょう」と笑顔で話した。

 鈴木カップリングを研究で使ったことがある豊田真司副学長(46)は「10年以上前、この反応を使った研究を論文に書いたら、鈴木さんから『ありがとう』と言われた」と懐かしそうに振り返った。鈴木さんは講演会でも学生の質問に丁寧に熱く語り、数年前、講師を務めた大学院生のセミナーでは、飲み会で研究生活のことを学生に気さくに話していたという。【椋田佳代】

 ◇「うれしい驚き」--倉敷芸科大

 鈴木さんが02年3月まで7年間教えた倉敷芸術科学大(岡山県倉敷市)では、午後7時ごろから次々と電話が入り、職員は対応に追われた。窓口となった同大入試広報部の溝井利和部長(55)は「鈴木先生はここのところ毎年、『ノーベル賞候補』と言われていた。受賞者の研究領域が先生の分野に近づいていたので、今年はひょっとして、と話していた。実現してうれしい驚きだ。大学にとっても名誉だ」と話した。

 同大生命科学部の岡憲明教授(48)は「鈴木先生とはこの大学で1年間一緒だった。専門分野は違ったが、同じ北海道大の後輩ということでかわいがってもらった。記憶にあるのは愛妻家だったこと。いつも『ワイフが、ワイフが』と言っておられた」と懐かしそうに話した。また、新入生との1泊研修があった時は「枕が変わると眠れないから行かない」と言ったといい、「子どもっぽい一面もあった」という。【小林一彦】

ノーベル化学賞の授賞理由 【5】

2010年10月7日 提供:共同通信社

 鈴木章(すずき・あきら)氏、根岸英一(ねぎし・えいいち)氏らへのノーベル化学賞授賞理由は「有機合成におけるパラジウム触媒によるクロスカップリング反応の開発」。医薬品やプラスチックといった複雑な有機化合物を作るには、複数の炭素原子を結合させる必要があるが、炭素原子は安定していて他の炭素原子と反応しにくい。反応しやすくする手法も開発されたが、多くの不純物ができるなどの難点があった。パラジウム触媒によるクロスカップリング反応はそうした問題を解決、効率良い有機合成が可能になった。(共同)

識者談話 【4】

2010年10月7日 提供:共同通信社

▽有機化学の概念覆す研究

 鈴木章(すずき・あきら)氏と親しい柴崎正勝(しばさき・まさかつ)・東京大名誉教授の話 受賞の対象となった研究は、有機化学の概念を根底から覆すようなものだ。医薬品や液晶、材料など工業的に広く利用され、社会的影響も極めて大きい。この分野は5年ぐらい前から、いつノーベル賞が出るかといわれていた。優秀な日本人の研究者も多く、受賞に十分値する研究者はほかにもいる。受賞者の選定は非常に難しかったのではないか。

▽さまざまな物質合成の鍵

 クロスカップリング反応に詳しい理化学研究所基幹研究所の玉尾皓平(たまお・こうへい)所長の話 日本人が先導してきた分野での受賞は、仲間の一人として大変うれしく思う。3人が開発した業績は、抗がん剤などの医薬品合成のほか、有機半導体や、有機EL発光剤を合成するのに鍵となる反応として非常に多く使われている。従来の有機合成化学では不可能だったもので、非常にインパクトが大きい。関連するほかの研究分野を先導しているとも言え、有機合成化学は持続可能な社会に貢献する科学となった。

医薬品や液晶、製造に活用 日本の得意分野 【3】

2010年10月7日 提供:共同通信社

 日本人2人のノーベル化学賞受賞が決まった有機合成の革新的手法「クロスカップリング反応」は、私たちの生活に密着したさまざまな製品づくりに活用されている。

 例えば医薬品。薬として効果が期待される化合物の合成に使われる。サイエンスライターで東京大特任助教の佐藤健太郎(さとう・けんたろう)さんによると、鈴木カップリングを利用した医薬品は年間数千億円の規模で売れている。米国の製薬企業メルク社の血圧降下剤「ロサルタン」もその一つ。年間約1トンが製造され、日本でも「ニューロタン」の製品名で販売されている。

 ほかにも抗がん剤や抗菌剤、殺菌剤、農薬など、製造過程でクロスカップリングを利用した医薬品は数多い。

 テレビの液晶や、携帯電話のディスプレーとして使われる有機ELの製造技術としても使われており、工業生産の縁の下の力持ちともいえる。

 実はクロスカップリングは、日本が得意とする有機化学の中でも特に強い分野。東京工業大の碇屋隆雄(いかりや・たかお)教授(有機金属化学)は「ノーベル賞を取ってもおかしくない人がたくさんいる」と話す。

 専門家の間では、鈴木氏や根岸氏のほかにも玉尾皓平(たまお・こうへい)理化学研究所基幹研究所所長や、辻二郎(つじ・じろう)東京工業大名誉教授らの名前が有力候補として挙がっていた。

 炭素と炭素はそのままでは結合しにくい。クロスカップリングを使えば「結合させて複雑な化合物を作ることができる」(碇屋教授)。柴崎正勝(しばさき・まさかつ)東京大名誉教授は「有機化学の概念を覆すような反応だ。利用は幅広く、社会的影響も極めて大きい」と話す。

 日本人2人と同時受賞したリチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授が発見した反応については、国内専門家の間で、東京工業大の溝呂木勉(みぞろき・つとむ)氏(故人)が先に発見したとの声が上がる。

 林民生(はやし・たみお)京都大教授(有機化学)は「ヘック反応は溝呂木・ヘック反応とも呼ばれている」と指摘。碇屋教授は「もし溝呂木さんがご存命だったら、受賞は3人とも日本人だったかもしれない」と語った。

有機化合物を効率よく結合 【2】

2010年10月7日 提供:共同通信社

 【解説】炭素原子を素材とし、生物の体や有用な物質を形づくる有機化合物。ことしのノーベル化学賞の授賞理由となったクロスカップリングという化学反応は、有機化合物同士をくっつけ、思い通りの構造や機能を持つ医薬品、工業材料を合成する革新的な技術だ。

 有機化合物の中の炭素原子は安定しているため、ほかの有機化合物の炭素原子とくっつけるのが難しい。だが、2種類の有機化合物のくっつけたい炭素原子に特定の分子を目印として付け、金属のパラジウムを含む物質を加えると、この目印とパラジウムが一時的な"連結器"として働き、その後外れることで有機化合物同士が結合する。

 受賞が決まった鈴木章(すずき・あきら)氏は目印としてホウ素、根岸英一(ねぎし・えいいち)氏は亜鉛、リチャード・ヘック氏はハロゲンを、それぞれ使うことで、反応の効率を飛躍的に向上させたことが高く評価された。

 この手法は、抗がん剤やエイズ薬をはじめとするさまざまな医薬品の効率的な合成に道を開いただけでなく、コンピューターの画面にも使われる有機発光ダイオードの品質向上にも寄与した。

 自然界にある有用な有機化合物を人工的に大量合成し、さらにその働きを高めることも可能になった。

鈴木、根岸氏にノーベル賞 有機化合物の合成法開発 2年ぶり計18人、化学7人 製薬、電子産業に応用 【1】

2010年10月7日 提供:共同通信社

 【ストックホルム共同】スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、2010年のノーベル化学賞を、製薬や電子産業などの幅広い分野で使われる有機化合物の合成技術を開発した鈴木章(すずき・あきら)・北海道大名誉教授(80)と、根岸英一(ねぎし・えいいち)・米パデュー大特別教授(75)、リチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授(79)の3人に授与すると発表した。

 授賞理由は「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング反応」。医薬品などの役に立つ物質は複雑な有機化合物であることが多いが、もとになる有機分子の炭素原子同士をつなげるのが難しい。3氏は金属のパラジウムを触媒に使って結合させ、化合物を簡単に作る方法をそれぞれ開発。有機化学の発展に貢献した。

 日本人の受賞は08年の益川敏英(ますかわ・としひで)・京都大名誉教授ら4人以来、2年ぶりの快挙。化学賞では下村脩(しもむら・おさむ)・米ボストン大名誉教授に続き計7人、ノーベル賞全体では計18人となる。

 鈴木氏は北海道大での記者会見で「名誉ある賞をいただけてうれしい」と語った。根岸氏は共同通信の電話取材に「おとぎ話のような存在だったノーベル賞の夢が現実になった」と述べた。

 3氏の方法は、1個のパラジウム原子が有機分子中の炭素原子の出合いを媒介し、炭素原子同士を結び付けて複雑な有機化合物を得られるようにする。根岸氏は亜鉛、鈴木氏はホウ素、ヘック氏はハロゲンと、それぞれが結合の鍵を握る物質を工夫した。

 根岸氏の方法は1977年に発表、鈴木氏はさらに幅広い実用につながる方法を79年に発表した。「根岸カップリング」「鈴木カップリング」の名で知られ、医薬品や液晶の製造などに応用されている。

 3氏の方法が広がるまでは、複雑な有機化合物を合成するには不要な副産物がたくさんできてしまう問題があった。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金1千万クローナ(約1億2千万円)を3氏で分け合う。

※ノーベル化学賞

 化学分野の最高の栄誉。アルフレド・ノーベルの遺言によると「前年に人類に最も貢献し」「最も重要な化学の発見・進歩を成し遂げた人」に贈られるが、実際には授賞対象は過去の業績の場合もある。日本からは福井謙一(ふくい・けんいち)博士(1981年、故人)、白川英樹(しらかわ・ひでき)・筑波大名誉教授(2000年)、野依良治(のより・りょうじ)・理化学研究所理事長(01年)、田中耕一(たなか・こういち)・島津製作所フェロー(02年)、下村脩(しもむら・おさむ)・米ボストン大名誉教授(08年)が受賞した。

コレステロール「一律基準値好ましくない」

2010年10月6日 提供:読売新聞

 コレステロールは下げるべきかどうかの論争について、医学研究の中立的評価を目指す「臨床研究適正評価教育機構J-CLEAR」(理事長=桑島巌・東京都健康長寿医療センター副院長)は、「一律の基準値は好ましくなく、男女差や心臓病の経験、高血圧などの有無に応じた基準とするべきだ」との見解をまとめ、ホームページで公表した。

 桑島理事長は、「下げるべきだ」との考えは心臓病患者などを対象にした研究が根拠なのに対し、「高めが良い」との主張は一般住民調査に基づくため、論議がかみ合っていないと指摘。

 心臓病などの危険性が高い人を対象にした研究結果を、一律に一般人に当てはめると、不要な治療を促しかねない。特に女性は動脈硬化になりにくい。一方、一般住民調査は虚弱体質でコレステロールが低い人の死亡も含む可能性があり、これを基に高い方が良いと一概に結論づけることも危険だ、としている。

花粉症つらくなりそう 来春、気象会社が予測

2010年10月6日 提供:共同通信社

 気象情報会社「ウェザーニューズ」(東京)は6日までに、来春のスギとヒノキ(北海道はシラカバ)の花粉飛散量予測を発表した。全国平均で今年の5倍、近畿だと10倍、関東は7~8倍とみている。シラカバ花粉は今年と同等か多くなる見込み。

 今夏の記録的猛暑と日照時間の長さから、雄花生産量が多くなるとみられるという。同社は「花粉症は無関係と思っていた人も来春は油断できなくなりそう。早めの対策を」と呼び掛けている。

 今春と比べた各地域の予測は以下の通り。

 北海道1~2倍▽東北北部5~6倍▽東北南部2~3倍▽関東、甲信、北陸、東海7~8倍▽近畿10倍▽山陰2~3倍▽山陽5~6倍▽四国6~7倍▽九州2倍。

死者数は09年の10・4倍 熱中症で最終速報値

2010年10月5日 提供:共同通信社

 熱中症で7~9月の3カ月間に医療機関に搬送された人は5万3843人、搬送直後に死亡が確認されたのは167人に上り、いずれも集計を開始した2008年以降で最多となったことが5日、総務省消防庁の速報値で分かった。09年と比べると搬送者は4・2倍、死者は10・4倍になる。

 今年の集計対象期間とした5月31日から10月3日までの約4カ月間をみると、医療機関に救急搬送された人は5万6184人で、死者は172人だった。都道府県別の搬送者数は東京が4365人で最多。搬送された時点の症状は重症が3・3%、中等症が34・9%、軽症が58・3%だった。年代別では65歳以上の高齢者が46・3%を占めた。

 9月27日から10月3日までの1週間の搬送者は86人で、5月末以降の週間集計では初めて2けたとなった。消防庁は搬送者が大幅に減っていることから、この週を今年の熱中症搬送速報値の最終集計とした。

関節周辺のがんに新ワクチン・・・札医大

2010年10月5日 提供:読売新聞

腫瘍を縮小させる効果

 札幌医大の和田卓郎准教授らの研究グループは4日、関節周辺に発症するがん「滑膜(かつまく)肉腫」を治療するワクチンを開発し、腫瘍(しゅよう)を縮小させるなどの効果が確認されたと発表した。

 研究グループは、滑膜肉腫近くのリンパ球を活性化させて免疫細胞の働きを高めるため、アミノ酸をつなげたペプチドを使ったワクチンを開発、これを患者に注射して投与する臨床試験を2002年から始めた。

 投与方法を改善するなどして、これまでに症状が重く、切除手術などが行えない18人の患者に治療を行ってきた。このうち3人について、腫瘍が縮小したり、増大を防いだりする治療効果が認められ、延命につながっているという。

 研究グループでは、08年からひざ周辺にできる骨のがん「骨肉腫」についてもワクチンを使った臨床試験を始めている。和田准教授は「臨床例を重ね、どのような治療効果があるかを検証していきたい」と話している。

識者談話 【3】

2010年10月5日 提供:共同通信社

▽倫理乗り越えた受賞だ 

日本初の体外受精による出産を成功させた鈴木雅洲(すずき・まさくに)スズキ記念病院長(東北大名誉教授)の話 体外受精は優れた研究だが、ドイツや米国で反発を招くなど倫理問題が絡み、ノーベル賞の受賞は難しいかもしれないと思っていたので、大変良かった。昔は国際的な研究会でも小さかったが、今では研究も非常に盛んになっている。日本国内でも、体外受精で生まれる赤ちゃんの数は世界で1、2位とトップクラスでニーズは高い。人口が減り始めている中、有効な治療手段になっている。

▽「人救えて幸せ」と話す

 エドワーズ氏と親交がある入谷明(いりたに・あきら)・京都大名誉教授(発生工学)の話 約10年前に英国で会った際に「動物分野が専門だが、人を救うような仕事ができて幸せだ」と言っていた。ノーベル賞は研究成果だけでなく宗教的な配慮が必要。倫理的議論が起きた体外受精技術での受賞は難しいと彼は感じていたようだが、不妊症に悩む多くの人に大きく貢献したことでゴーサインが出たと思う。仕事面では非常に厳しいが、普段の付き合いでは人懐こくて優しい人だ。

▽生殖医療、評価する機会に

 生命倫理に詳しい米本昌平(よねもと・しょうへい)東京大特任教授(科学史)の話 体外受精は開発当初「人間の誕生は神の恵み」と考えるキリスト教圏で「人の手を加えていいのか」という問題を提起した。その後も技術は多様化し、第三者の子宮を借りる代理出産や、受精卵の段階で病気の有無を調べる受精卵診断などさまざまな倫理問題のもとになった。今回の授賞は、現代の不妊治療には欠かせない重要技術であることが重視されたとみられるが、生殖補助医療全般を総合的に評価し直す良い機会になるのではないか。

50人に1人は体外受精 不妊治療に道 【2】

2010年10月5日 提供:共同通信社

 ノーベル医学生理学賞の受賞が決まったロバート・エドワーズ氏が体外受精の方法を開発したことで、不妊治療に道が開かれた。国内でも1983年10月、初の赤ちゃんが東北大病院(仙台市)で誕生。現在では日本で生まれてくる子どもの約50人に1人がこの技術で誕生する時代になった。

 「生殖補助医療の技術はこの30年間で大きく進展した。原点はエドワーズさんだ」。生殖補助医療に詳しい森崇英(もり・たかひで)京都大名誉教授はエドワーズ氏の功績をこう評価。「不妊で悩む人たちに光を与えた」と意義を語る。

 通常の妊娠は、卵子が卵管で精子と受精し、発育しながら子宮に着床するが、この流れの中のどこかに問題があると自然妊娠は難しい。生殖補助医療は、受精や受精卵の発育を人工的に補助することで妊娠を成立させるが、出発点はエドワーズ氏の技術だった。

 さらに高度な技術である顕微鏡を使って卵子に精子を直接注入する顕微授精も既に一般化。日本産科婦人科学会によると、2008年末の段階で、同学会に体外受精の実施施設として登録しているのは全国で609施設。同年に体外受精で生まれた新生児は2万1704人で、累計では21万5755人に上っている。

ノーベル医学生理学賞に、英のエドワーズ氏 体外受精を開発

2010年10月5日 提供:毎日新聞社

ノーベル賞:医学生理学賞に、英のエドワーズ氏 体外受精を開発

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は4日、10年のノーベル医学生理学賞を英ケンブリッジ大名誉教授のロバート・エドワーズ博士(85)に授与すると発表した。エドワーズ博士は、生殖補助医療(不妊治療)の体外受精技術を開発し、世界初の体外受精児を誕生させた。世界のカップルの10組に1組以上が不妊と言われるが、この技術で子を持つ道が開けた。授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金1000万スウェーデン・クローナ(約1億2800万円)が贈られる。

 エドワーズ博士は1950年代、ウサギの卵子を試験管内で精子と受精させる技術をヒトに応用することを着想。69年、ヒトの卵子を試験管内で初めて受精させることに成功した。産婦人科医のパトリック・ステプトー氏(88年死去)と連携して採卵技術を改良し、78年7月25日、世界初の体外受精による女児、ルイーズ・ブラウンさんを誕生させた。

 この技術の普及により、400万人近くの赤ちゃんが誕生。日本産科婦人科学会によると、国内でも年間約2万人が生まれ、累計で約20万人にのぼるとみられる。カロリンスカ研究所は「彼の研究は現代医学の発展の中で一里塚となっている」とたたえた。

 一方、この技術によって、当事者以外の女性から卵子提供を受けて出産したり、自分の卵子を使って他人に出産してもらう代理出産が可能になり、倫理的な問題も提起した。【須田桃子、河内敏康】

 ◇不妊治療に道

 日本初の体外受精(83年)に携わった星合昊(ほしあいひろし)・近畿大教授(産婦人科)は博士の業績を「人の卵子と精子の受精を初めて直接観察できるようにした。それが不妊治療の技術開発につながった」と話した。大型動物で世界初の体外受精に成功した入谷(いりたに)明・近畿大教授は「ある時『君はノーベル賞に値する研究者だ』と言うと『ありがたいが、人の体外受精は倫理的問題があると言われた。それでひっかかる面があるのかも』と話していた」と振り返る。「世界中の不妊カップルが彼らの技術の恩恵を受けるようになった」と話した。【永山悦子、奥野敦史】

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 ■ことば

 ◇体外受精

 卵子を卵巣から取り出し、培養液の中で精子と受精させ、その受精卵を子宮に戻して妊娠させる不妊治療。排卵時に合わせ、精子を特殊な器具で直接子宮内に入れる不妊治療は「人工授精」と呼ばれる。

ネバネバ菌が鉄道網…日本人にイグ・ノーベル賞

2010年10月1日 提供:読売新聞

 【ワシントン=山田哲朗】愉快な科学研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が30日、米マサチューセッツ州のハーバード大で行われ、単細胞生物の粘菌が最適な鉄道網を設計できることを見つけた中垣俊之はこだて未来大教授らのチームが「交通計画賞」を受賞した。

 中垣教授らは、粘菌に迷路を解かせる研究で2008年にも「認知科学賞」を受賞している。

 ネバネバの粘菌の集合体はエサを求めて細長く伸びる。迷路のゴールにエサを置けば、粘菌は入り口から出口まで最短距離でつなぐほか、都市に当たる場所にエサを配置すると、粘菌はエサの間に鉄道網とそっくりの効率的なネットワークを形成する。

 このほか、「靴の外側に靴下をはけば凍結路での転倒頻度が低下する」研究が「物理学賞」、「従業員をランダムに昇進させると組織の効率が上がる数学的証明」が「経営賞」を受賞。メキシコ湾で原油流出事故を起こした英石油大手BPには「油と水は混じらないという古い定説を否定した」として「化学賞」が与えられた。

70~74歳、窓口負担2割に 現行1割から引き上げ 13年度から5年かけ 新高齢者医療で厚労省方針

2010年10月4日 提供:共同通信社

 厚生労働省は2日、2013年度に導入予定の新たな高齢者医療制度で、医療機関の窓口で支払う患者の自己負担割合について、現在は暫定的に1割となっている70~74歳の負担を見直し、早ければ13年度から段階的に2割負担に引き上げる方針を固めた。

 新制度では現役世代の負担増が避けられない見通しとなったことから、厚労省は高齢者にも応分の負担を求める考え。高齢者の窓口負担は総額で1700億円増える一方、公費投入は同程度減ると試算している。ただ、負担増には政府、与党内にも慎重な意見があり、調整は難航しそうだ。

 厚労省の方針では、早ければ13年度に70歳を迎えた人(10年度に67歳)から引き上げを開始。5年間かけて年度経過ごとに順次、70歳になる人へ対象を広げ、70~74歳の全体が2割負担となるのは17年度の見通しだ。現在68歳以上の人は1割負担のまま。

 方針通り見直されれば、高齢者の窓口負担は、一般的な所得の人で(1)75歳以上が1割(2)70~74歳が2割(3)69歳以下は3割-と整理される。

 ただ、70歳以上でも課税所得が145万円以上で、かつ夫婦の合計年収が520万円以上(単身は年収383万円以上)の世帯は「現役並み所得」と扱われ、現行通り3割負担だ。

 70~74歳の窓口負担は本来、自公政権の法改正に基づき08年度から2割になる予定だった。だが同年度の後期高齢者医療制度開始に伴う高齢者の負担軽減策の一環で、それまでの1割を維持し引き上げを凍結していた。

 後期医療制度廃止後の新制度では、75歳以上は国民健康保険か、健康保険組合など被用者保険に移る予定。高齢者医療の枠組みが変わるのに合わせ、厚労省は現在の負担軽減策を見直し、本来の規定に戻すことにした。

※新高齢者医療制度

 後期高齢者医療制度を2012年度末に廃止し、13年度から75歳以上は国民健康保険(国保)か被用者保険に加入。国保に約1200万人、被用者保険に約200万人が後期医療から移る。75歳以上の国保は都道府県単位の運営とし、財政も区分し別会計とする方向。厚生労働省は、一連の見直しを盛り込んだ関連法案を11年の通常国会に提出することを目指している。

CAR細胞 白血病治療にも期待 京大再生医科学研“司令塔細胞”突き止める

2010年10月2日 提供:毎日新聞社

CAR細胞:白血病治療にも期待 京大再生医科学研“司令塔細胞”突き止める /京都

 京都大再生医科学研究所の長沢丘司教授らの研究グループは、赤血球や白血球など血液細胞の元となる「造血幹細胞」の維持や増殖の指揮を執る“司令塔細胞”があることを突き止めた。抗がん剤の効かない白血病治療などへの応用が期待されるという。米専門誌「イミュニティー」(電子版)で発表した。【広瀬登】

 血液細胞は骨髄内の造血幹細胞から作られる。しかし、試験管の中では正常な血液細胞は作られず、骨髄には造血幹細胞が分化するうえで必要となる細胞があると考えられていた。

 研究グループは、造血幹細胞の増殖に必要なたんぱく質に注目。このたんぱく質を多く出す細胞が蛍光で光る特殊なマウスを作り、骨髄内から「CAR細胞」という新たな細胞を見つけた。顕微鏡で観察すると、造血幹細胞はCAR細胞から出ている長い突起を“命綱”として、未分化状態を維持していたという。

 また、正常なマウスと違いCAR細胞を持たないマウスは、造血幹細胞が少なく、赤血球や白血球、リンパ球などに分化する前段階の細胞に分化していることが判明。CAR細胞が造血幹細胞の維持と増殖の両方の役割を担い、司令塔的な役割を持っていることが分かった。

 抗がん剤の効かない白血病では「白血病幹細胞」がCAR細胞を“命綱”としていると考えられ、長沢教授は「CAR細胞が出すたんぱく質を抑える薬を使い、がんの幹細胞を“命綱”から離せば、これまで効かなかった抗がん剤が効く可能性がある」としている。

ノーベル生理学・医学賞、日本人の受賞なし

2010年10月4日 提供:読売新聞

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は4日、2010年のノーベル生理学・医学賞を発表したが、日本人の受賞はなかった。

大分・A香港、流行も きょうインフルエンザワクチン接種開始

2010年10月1日 提供:毎日新聞社

インフルエンザ:A香港、流行も きょうワクチン接種開始 /大分

 インフルエンザワクチンの接種が10月1日から始まる。昨季は夏場以降、新型が大流行した半面、高齢者が感染しやすい季節性(A香港、Aソ連)は全く見られず、県内の死者は例年の10人前後よりずっと少ない2人。ところが、ここ数週間、感染者数は少ないものの、A香港が新型並みに出現するようになった。県健康対策課は流行の可能性があるとして、接種を呼び掛けている。

 ワクチンは、新型、A香港、Bの3種混合。市町村によるが、1回接種で三千数百円。13歳未満は2回目の接種(最高3000円)が必要だ。10月中に全国5000万回分が供給され、昨季のような優先接種はない。

 例年は年末年始となる流行期は、今季は予測できず、春先になる可能性もある。しかし、ワクチンの効果は半年はあるとされ、同課は「春先にも効果は持続しているので、まずは10月に接種を」としている。【梅山崇】

万能細胞、安全で効率的に 米チームが新手法

2010年10月1日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】さまざまな組織になることができる人の新型万能細胞(iPS細胞)を、安全に効率よく作製する方法を米ハーバード大の研究チームが開発し、米科学誌セル・ステム・セル電子版に30日発表した。

 もとになる体細胞の遺伝子を改変せずに、必要なタンパク質だけをつくるRNAという遺伝子を細胞に導入する手法。AP通信によると、チームに加わっていない外部の専門家は「治療に使うことができる初めての実用的なiPS細胞の作製法になるかもしれない」と指摘している。

 京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授らが最初に開発した手法では、ウイルスを使って体細胞の遺伝子に外部から特定の遺伝子を挿入する。ただ作製効率が低く、動物の体内に移植するとがんが発生しやすいなどの難点があった。

 ハーバード大チームは、人工的に合成したRNAを人の皮膚細胞に導入。すると従来の方法よりも劇的に効率よく、多能性を持った細胞を作れるようになった。

 iPS細胞は、共通点が多い胚(はい)性幹細胞(ES細胞)と異なり、受精卵を壊さなくても作れるのが利点。病気になった臓器などを再生、修復する医療に有用と世界的に期待されている。

食物アレルギー仕組み解明 マウス実験、治療に道

2010年9月30日 提供:共同通信社

 本来、異物である食べ物が体内に入っても、免疫機構が攻撃を仕掛けない「経口免疫寛容」の仕組みをマウスの実験で明らかにしたと、理化学研究所の佐藤克明(さとう・かつあき)チームリーダーらが30日付の米科学誌ブラッド電子版に発表した。

 生きるのに必要な食べ物を異物と判断してしまうと、食物アレルギーを引き起こし、命にかかわることもある。佐藤さんは「アレルギー治療につながる成果」と話している。

 佐藤さんらは、食べ物が吸収される腸の粘膜では、免疫細胞の一種「樹状細胞」の表面に「B7H1」と「B7DC」という2種類の分子が顔を出し、免疫を抑制するT細胞を作り、異物を攻撃する抗体の生産を抑えるなど重要な役割を果たしていることを突き止めた。

 普通のマウスに、あらかじめアレルギー物質のタンパク質を食べさせると、1週間後に同じタンパク質を皮下注射した場合にできた抗体の量は、事前に食べさせなかったマウスの約20%に減り、経口免疫寛容が成立することを確認。遺伝子操作でこの2種類の分子をなくしたマウスで同様の実験をすると、抗体は70~80%できた。

細胞のセンサー機構解明 がんやアトピーに関与

2010年9月30日 提供:共同通信社

 細胞表面にあるセンサータンパク質が、周りにあるタンパク質の信号を受け取り、細胞内に周囲の情報を伝える仕組みを大阪大(大阪府吹田市)と横浜市立大のチームが明らかにし、29日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。

 体内での信号のやりとりは神経などの形成のほか、がんや自己免疫疾患、アトピー性皮膚炎などの病気の進行に関与。信号を遮断すれば免疫の働きを抑え自己免疫疾患の治療につながり、信号を強くすればアトピー性皮膚炎を抑えられるという。

 チームは、マウスの信号タンパク質「セマフォリン」と細胞表面のセンサー「プレキシン」の結晶構造を大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)などで解析。

 通常は細胞表面でくっついている2個のプレキシンが、近くに来たセマフォリンを間に挟み込み、細胞内に情報を伝えるとみられる。

 大阪大蛋白質(たんぱくしつ)研究所の高木淳一(たかぎ・じゅんいち)教授は「信号授受の様子を原子レベルで明らかにできた。信号の働きを調節する薬をコンピューターでデザインできるかもしれない」としている。

医師2万4千人が「不足」 地域の偏りも浮き彫りに 厚労省が初の全国調査

#「これは、ずいぶん前に日本は医師が余るからと学校も学生も減らしたのではないか.」

2010年9月29日 提供:共同通信社

 全国の医療機関で実際に働く医師数が計約16万7千人なのに対し、医療機関側はさらに計約2万4千人が必要と考えていることが28日、厚生労働省が初めて行った「必要医師数実態調査」で分かった。現在の1・14倍の人数が必要で、医師不足の深刻な実態があらためて浮き彫りになった。地域による偏りがあることも分かった。

 厚労省は昨年度の補正予算で各都道府県に50億円の「地域医療再生基金」を設置しており、基金を活用した医師の配置を促す方針。文部科学省が検討している、医学部新設の容認に向けた議論にも拍車がかかりそうだ。

 都道府県別で、現在の医師数に対する倍率が最も高かったのは岩手の1・4倍で、次いで青森1・32倍、山梨1・29倍。逆に低いのは東京(1・08倍)、大阪(1・09倍)、埼玉・神奈川(1・1倍)と大都市圏が中心だった。

 分娩(ぶんべん)を扱う医師は山梨(1・59倍)、高知(1・55倍)、青森(1・34倍)が高かったのに対し、長崎(1・0倍)、熊本(1・04倍)、新潟・福岡・宮崎(1・05倍)は低い。

 診療科別ではリハビリ科1・29倍、救急科1・28倍、産科1・24倍の順だった。

 各医療機関が回答した医師不足の背景は「求める診療科医師の絶対数が地域で少ない」38%、「大学の医師派遣機能が低下」20%、「勤務条件と医師の希望との不一致」14%。

 求人をしなければならなくなった理由は「前任者の転職、開業、定年」34%、「大学の派遣機能の低下による減少」20%、「地域ニーズの増大への対応」18%。

 現在取っている医師確保策は「手当など処遇改善」25%、「院内保育所の設置」18%、「事務補助者の設置」16%と続いた。

 調査は全国の病院8683施設と、分娩を扱う診療所1579施設の計1万262施設が対象。計8698施設が6月1日時点で回答した(回答率85%)。

※医師不足

 病院や診療科の閉鎖、救急患者の拒否などが各地で相次ぎ社会問題化した。2004年度からの臨床研修制度で研修医が地方の大学病院を敬遠し、条件の良い都市部の民間病院に集中したことなどが、原因とされる。各地の大学では、国の地域医療再生基金を活用し、その地域での就職を約束した学生に奨学金を出すなどの対策を開始。さらに厚生労働省は来年度予算に、医師をあっせんする「地域医療推進センター」(仮称)を全都道府県に置くため17億円を計上した。民主党は参院選マニフェストで医師数1・5倍を掲げた。

BSE原因は国内で1人 CJD、金沢大教授ら調査

2010年9月29日 提供:共同通信社

 1999~2008年に国内で確認されたクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の患者約1200人のうち、牛海綿状脳症(BSE)が原因の変異型は1人しかおらず、硬膜移植が原因の患者が欧米に比べて多いことが28日、山田正仁(やまだ・まさひと)金沢大教授(神経内科学)が委員長を務める研究グループの調査で分かった。

 ヤコブ病は異常なタンパク質「プリオン」が増殖することで引き起こされる。脳がスポンジ状に萎縮(いしゅく)、脳神経の障害が急速に進み、一度発症すると治療法はなく、数年で死に至るとされる。

 山田教授のグループは日本で発症が確認された患者1222人を調査。高齢者に多く、発症原因が不明の「孤発性」が全体の76%、「遺伝性」が18%、「硬膜移植」が6%などで、BSEが原因の1人は英国に滞在歴があった。

 また硬膜移植が原因の患者が欧米諸国に比べ多く、同時期に世界で確認された硬膜移植を原因とする患者の半数以上を占めているという。

 山田教授は「BSEが原因の患者が多い英国など欧米とは異なる特徴が出た。今後も調査を継続し、新たな診療方法や治療薬開発に役立てたい」と話している。

歯のばんそうこう実用化へ 近畿大、極薄シートを開発

2010年9月29日 提供:共同通信社

 近畿大(本津茂樹(ほんつ・しげき)教授)と大阪歯科大(吉川一志(よしかわ・かずし)准教授)の共同研究チームは28日、歯の主成分ハイドロキシアパタイトを0・005ミリの薄さでシート状に加工することに世界で初めて成功したと発表した。

 本津教授らによると、ハイドロキシアパタイトは硬いがもろいため、薄く削っても曲げるとすぐ割れて加工が困難。極薄シートは、ばんそうこうのように歯にそのまま張り付けられ、歯質の修復や知覚過敏の治療に応用できるという。

 すでに特許出願し、11月に広島市で開催される日本バイオマテリアル学会で発表する。

 チームによると、高エネルギーの紫外線レーザーを用いた薄膜化の技術でハイドロキシアパタイトを透明なシート状に加工。鋳型を使えばドームや歯冠の形にもなる。

 歯のエナメル質とほぼ同成分で人体となじみやすい上、薄いので歯の表面に張り付きやすく、唾液(だえき)による再石灰化作用で一定期間たてば定着が見込めるという。

 本津教授は「象牙質がむき出しになった部位に張れば知覚過敏を防げ、小児向けの予防歯科にも使える。耐久性などの問題をクリアして早期の実用化を目指したい」と話している。

「赤ワインの認知症予防効果」メカニズムを解明

#「ワインのアルコールを飛ばせば量を飲めるのでは?それともブランデーを作ったあとに残ったものはどうですか?」

2010年9月29日 提供:読売新聞

 名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授(56)と原田直明准教授(43)らのグループが、赤ワインに含まれる植物成分のポリフェノールが学習機能や記憶をつかさどる脳の海馬を活性化するメカニズムを突き止めた。

 認知症の予防や改善につながる研究結果で、近く研究論文が米化学誌に掲載される。

 1日にワイングラス2杯程度(250-500ミリ・リットル)を飲むと、認知症に効果があることは従来、別の研究者の実験で知られていたが、メカニズムは解明されていなかった。

 岡嶋教授らのグループはマウスの知覚神経を培養、ポリフェノールを加える実験をしたところ、脳の海馬を刺激する物質「CGRP」の放出量が増加することが分かった。

入院患者の2割に健康被害 副作用や「薬剤エラー」

2010年9月29日 提供:共同通信社

 京都大の森本剛(もりもと・たけし)講師らが国内三つの総合病院の入院患者約3400人のうち、約2割に医療関係者の「エラー」や薬による副作用などの健康被害が発生していることを突き止め、28日発表した。

 こうした研究は国内で初めて。100回の入院で29件発生している計算になり、米国で実施された調査と同様の水準になるという。

 2004年1~6月、聖路加国際病院(東京都中央区)、洛和会音羽病院(京都市)、麻生飯塚病院(福岡県飯塚市)で実施。15の診療科などで3459人を観察した。

 この結果、21%に当たる726人に薬による健康被害が1010件発生。このうち6%は命にかかわる健康被害であり、33%は重い症状を引き起こしていた。

 1010件のうち14%(141件)には、医師や看護師による処方指示や投与量の「エラー」が関与していた。その他は薬の副作用だった。

 森本講師は「医師の経験が浅い場合や投与する薬剤の種類が多い場合など、エラーが出やすい状況が見えてくる。電子カルテの導入や薬剤師が医師の巡回に立ち会うことなどで減らせる可能性がある」と話した。

 研究成果は米専門誌電子版に発表した。

受動喫煙で6800人死亡 女性に大被害、半数は職場 厚労省研究班

2010年9月28日 提供:共同通信社

 受動喫煙が原因で肺がんや心臓病で死亡する成人は、国内で毎年約6800人に上るとの推計値を厚生労働省研究班が28日、発表した。女性が約4600人と被害が大きく、全体のうち半数以上の約3600人は職場での受動喫煙とみられる。

 主任研究者の望月友美子(もちづき・ゆみこ)・国立がん研究センタープロジェクトリーダーは「年間の労災認定死が約千例であることを考えると、甚大な被害だ。行政と事業者は、労働者の健康を守る責任があることを認識すべきだ」と話している。

 研究班は、2005年に実施された受動喫煙状況に関する調査を基に、たばこを吸わない成人約7600万人のうち、女性(約4800万人)の約30%と男性(約2800万人)の約6%は家庭で、女性の約20%と男性の約30%は職場でそれぞれ受動喫煙にさらされていると推定(重複あり)。

 受動喫煙により、肺がんや虚血性心疾患などの病気になる危険性が1・2~1・3倍になることが国際機関や同センターの疫学調査により明らかになっており、受動喫煙によって増えるリスクから死者数を推計した。

 その結果、肺がんで死亡した女性(年間約1万8千人)の約8%と男性(同約4万9千人)の約1%、虚血性心疾患の女性(同約3万4千人)の約9%と男性(同約4万2千人)の約4%の計約6800人は受動喫煙が原因と判断した。女性が約4600人、男性が約2200人で、このうち職場での受動喫煙は男女とも約1800人。

※受動喫煙

 健康増進法では「室内かそれに準ずる環境で、他人のたばこの煙を吸わされること」と定義。喫煙者がフィルターを通して吸った「主流煙」よりも、たばこの先端から立ち上る「副流煙」に、より多くの有害物質が含まれるとされる。健康被害を防ぐため厚生労働省は2月、飲食店やホテル、百貨店など多くの人が利用する公共的な施設に対し、建物内での全面禁煙実施を求める通知を出した。神奈川県は4月に、全国初となる受動喫煙防止条例を施行した。

メタボは効き目少ない 生活習慣病の治療薬

2010年9月27日 提供:共同通信社

 メタボリック症候群の診断基準より腹囲が大きい高血圧患者のうち、薬で血圧を目標値まで下げられているのは36%にとどまり、腹囲が小さい場合の59%を下回ることが24日、日本心臓財団の生活習慣病に関する調査で分かった。財団は「太っていると、薬を使っても数値をコントロールするのが難しいようだ」としている。

 腹囲に関するメタボリック症候群の診断基準は、男性85センチ、女性90センチ。ほかの病気でも、脂質異常症の数値を薬で目標まで下げられているのは、腹囲が大きい患者が54%だったのに対し、小さい患者は66%。糖尿病も腹囲が大きい患者は26%、小さい患者は39%だった。

 調査対象は、生活習慣病の治療を続けている全国の男女1351人。日本高血圧学会などが「脳卒中や心筋梗塞(こうそく)などになりにくい」として定めた目標値を満たしているか調べた。

肺がん関連の2遺伝子特定 日本人などリスク最大4倍

2010年9月27日 提供:共同通信社

 日本人と韓国人の肺がんに関連が深い二つの遺伝子を東京大や滋賀医大の研究チームが特定、26日付米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に発表した。二つの遺伝子により発症リスクは最大約4倍高まるという。

 チームは肺がんの半分以上を占める肺腺がんについて調査。醍醐弥太郎(だいご・やたろう)滋賀医大教授(臨床腫瘍(しゅよう)学)によると、二つの遺伝子は「TERT」と「TP63」で、TERTはこれまで欧米で肺腺がんとの関連が指摘されていたが、日本と韓国でも関連があることを確認。TP63は欧米では関連が確認されていなかった。

 二つの遺伝子がともに、個人差によって塩基配列が一カ所だけ異なる「ハイリスク型」だと、発症リスクは4・26倍に高まった。配列の違いがTERTだけの場合1・27倍、TP63だけの場合は1・31倍だった。

 肺腺がんを発症した日本、韓国の計約2100人とがんでない計約1万1千人の遺伝子を比較解析した。

乳がん転移、血液から検出 阪大が開発

2010年9月25日 提供:毎日新聞社

乳がん:転移、血液から検出 阪大が開発

 乳がん患者から採取した血液中から、小さながん細胞を見つけ出す検出法を、大阪大大学院医学系研究科の金昇晋講師と野口真三郎教授(乳腺・内分泌外科学)らが開発した。血液中からがん細胞が検出されれば、別の部位に転移している可能性があり、外科手術だけでなく抗がん剤治療が重要になる。このため、この検出法が実用化できれば治療法の決定に役立つという。大阪市で開かれた日本癌(がん)学会で24日、発表した。

 金講師らは臨床研究として、リンパ節などにがん転移の確認された乳がん患者約90人から、それぞれ血液検体7・5ミリリットルの提供を受けた。この検体へ、がん細胞だけに感染し、蛍光たんぱくで光るようにしたアデノウイルスを混ぜて、検出装置でがん細胞の有無を調べた。すると約8割の検体で見つかった。

 ウイルスと検出装置は岡山大の藤原俊義教授(消化器・腫瘍(しゅよう)外科学)が医療機器会社と共同開発したもので、他部位のがん細胞検出の研究も進められている。従来法は5割程度の検出率のため、より正確に見つけられるという。金講師は「乳がんを治療した人をこの方法で定期的に検査すれば、再発を素早く見つけられる」と話している。【野田武】

乳がん転移、血液から検出 阪大が開発

2010年9月25日 提供:毎日新聞社

乳がん:転移、血液から検出 阪大が開発

 乳がん患者から採取した血液中から、小さながん細胞を見つけ出す検出法を、大阪大大学院医学系研究科の金昇晋講師と野口真三郎教授(乳腺・内分泌外科学)らが開発した。血液中からがん細胞が検出されれば、別の部位に転移している可能性があり、外科手術だけでなく抗がん剤治療が重要になる。このため、この検出法が実用化できれば治療法の決定に役立つという。大阪市で開かれた日本癌(がん)学会で24日、発表した。

 金講師らは臨床研究として、リンパ節などにがん転移の確認された乳がん患者約90人から、それぞれ血液検体7・5ミリリットルの提供を受けた。この検体へ、がん細胞だけに感染し、蛍光たんぱくで光るようにしたアデノウイルスを混ぜて、検出装置でがん細胞の有無を調べた。すると約8割の検体で見つかった。

 ウイルスと検出装置は岡山大の藤原俊義教授(消化器・腫瘍(しゅよう)外科学)が医療機器会社と共同開発したもので、他部位のがん細胞検出の研究も進められている。従来法は5割程度の検出率のため、より正確に見つけられるという。金講師は「乳がんを治療した人をこの方法で定期的に検査すれば、再発を素早く見つけられる」と話している。【野田武】

児童2人が新型インフルエンザ感染 長野・松本・学年閉鎖

2010年9月27日 提供:毎日新聞社

新型インフルエンザ:児童2人が感染 松本・学年閉鎖 /長野

 県は25日、松本市内の小学校の3年生の児童12人が発熱などの症状を訴え、うち2人から新型インフルエンザの感染が確認されたと発表した。この小学校の3学年は25日から学年閉鎖した。新型インフルエンザの集団発生は6月7日以来、15週ぶり。

 県健康長寿課によると、24日に3学年の児童42人中11人が発熱などの症状で欠席。うち2人にPCR(遺伝子)検査を実施したところ、新型インフルエンザの感染を確認したという。【小田中大】

耐性菌、薬に合わせて対抗力も進化

2010年9月19日 提供:読売新聞

 複数の抗菌薬(抗生物質)が効かない多剤耐性菌が、国内各地の病院で検出され、問題となっている。耐性菌は、どのようにして生まれるのだろうか。

 世界最初の抗菌薬「ペニシリン」がアオカビから発見されたように、抗菌薬の多くは、自然界に存在していた物質を利用している。だが、細菌も、そうした物質に対抗する能力を進化させてきた。賀来満夫・東北大学教授は「細菌は、抗菌薬が使われ始める前から、いろいろな耐性遺伝子を備えていた」と指摘する。

 独協医科大学病院で8月に見つかった多剤耐性大腸菌が持つ酵素「NDM1」や、九州大学病院で検出された多剤耐性肺炎桿(かん)菌が持つ酵素「KPC」は、様々な細菌に効果があるとされた「カルバペネム系」の薬すら分解してしまう。

 これらの酵素を作る遺伝子は、「プラスミド」と呼ばれる小さな環状のDNAの中にあり、通常のDNAにある遺伝子より、別種の細菌へ移りやすい。赤痢菌や食中毒の原因になるサルモネラ菌など、病原性の高い菌がこの遺伝子を獲得するとやっかいだ。

 細菌表面のたんぱく質(受容体)に結合して作用するタイプの抗菌薬に対抗するため、受容体の形を変えたものもある。多剤耐性緑膿(りょくのう)菌は、内部に入ってきた薬をどんどん排出してしまう能力を進化させた。

 「耐性菌の割合が5%を超えると、日本中に広まる恐れがある」と二木芳人・昭和大学教授は心配する。医療現場でできる努力は、抗菌薬を適切に使うこと。むやみに使ったり、不十分な量で治療したりすると、耐性菌の勢力が強まってしまう。

 海外から耐性菌が持ち込まれることも多い。多剤耐性アシネトバクターは、国内にも常在しているが、福岡大学病院で昨年問題になった院内感染は、韓国で感染した患者が持ち込んだ菌が原因とみられている。

 国立感染症研究所の荒川宜親・細菌第2部長は「耐性菌を早く見つけ、迅速に対応することが大切だ」と強調する。

 新たな耐性菌が出現しても、新薬を開発すれば対処できた。だが、最近、抗菌薬の発見や発売が滞り、専門家は危機感を募らせる。

 背景には、抗菌薬がほぼ探索しつくされていることに加え、製薬会社が開発に熱心でないことがある。患者数が多いとは言えず、新薬を開発しても耐性菌は必ず生じるため、長期間売り続けられないからだ。二木教授は「強力な耐性菌に対抗する薬がなくなってしまう。国は新薬の開発支援策を考えてほしい」と訴えている。(木村達矢)

明日はある…か? どうする負担増 保険料頼み限界 膨張する社会保障費

2010年9月20日 提供:毎日新聞社

明日はある…か?:どうする負担増 保険料頼み限界 膨張する社会保障費

 少子高齢化の影響で、医療、年金、介護などを賄う社会保障費は、保障の水準を切り下げない限り、毎年1兆円超も膨らみ続ける。支える財源は税金と社会保険料だが、景気低迷と減税で税収は落ち込み、企業や個人の社会保険料逃れも後を絶たない。本格的な増税に踏み切るか、毎年保険料を引き上げるかという具体的な財源論議を進めない限り、給付増の借金による穴埋めが増え、将来世代へのツケは大きくなるばかりだ。【田畑悦郎、永井大介】

 「保険料を生活費に使えると楽になるが、子どもが急に病気になったりすれば大変なことになる」。社会保険加入の建設会社で働く男性(32)の今年6月の月給は45万円。健康保険と厚生年金の保険料計約5万5000円が天引きされ、税金なども差し引くと手取りは約38万円。住宅ローンなどの返済も月約17万円あり、妻、子ども2人との生活は「かつかつ」。子どもが大きくなれば教育費もかさむ。「保険料がこれ以上、引き上げられたら、払えなくなる」

 ◇企業収益も圧迫

 大和総研によると、年収600万円のサラリーマン世帯で、10年度の厚生年金、健康、介護、雇用の各保険の負担総額は年84万2900円。所得税の13万円、住民税の24万円を大きく上回る。10年前の70万2300円から約20%、20年前の60万500円から約40%も社会保険料は増えた。

 サラリーマンの社会保険料は企業が折半負担するため、上昇すると企業収益も圧迫される。価格競争の激化で「聖域なきコスト削減」を迫られている企業は正社員を減らし、社会保険の加入条件から外れた非正規社員に置き換える動きを加速。90年に20・2%だった非正規の割合は09年、33・7%と3分の1を上回るまでになった。第一生命経済研究所の熊野英生氏は「社会保険料の上昇は、コストを下げたい企業に従業員の非正規化を促す要因になっている」と話す。

 ◇逆進性も問題

 社会保険料の逆進性も問題だ。厚生年金や中小企業などが入る協会けんぽの保険料には上限があるため、収入に占める保険料負担の割合は高所得層ほど低くなる。年収900万円以下では14・05%だが、2000万円で9・81%、3000万円は6・99%にとどまる。一方、厚生年金や協会けんぽに加入できず、国民年金、国民健康保険に入っている非正規社員の場合、収入が低いほど保険料負担率は高くなる。

 国保の保険料が全国平均に近い兵庫県西宮市のケースを大和総研が調べたところ、年収400万円世帯の社会保険料負担率は20・46%、300万円は24・44%、200万円では30・79%に上った(年金は夫婦2人分、免除申請しない想定)。試算した是枝俊悟研究員は「国民年金は定額負担。国保も定額部分があり、子どもがいれば負担が増える。低所得者に重い逆進的な制度だ」と分析する。

 社会保障に詳しい小塩隆士・一橋大教授は「これ以上、保険料負担が増えると、社会保障による安全網の枠外に弱者が放り出されてしまうという皮肉な状況になりかねない。税財源の充実が必要」と指摘する。

 ◇安定財源か、将来にツケか 安心できる制度、不可欠

 社会保障の公費負担分は税金で賄うのが建前だが、国の一般会計歳入の約半分は国債発行による借金。社会保障分野も借金なしでは成り立たないのが現状で、現役世代や高齢者が受けているサービスのコストを事実上、将来世代が負担していることになる。「ある程度負担をしても、安心できる社会を目指す」と、社会保障充実のための負担増を検討する意向を示している菅直人首相にとり、試金石となるのが基礎年金の国庫負担割合引き上げの財源探しだ。

 自民党政権は04年の法改正で「安定財源の確保」を前提に、09年度から国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げることを決めた。年2・5兆円の財源が必要だが、09、10年度予算分は安定財源を見つけられず、特別会計の積立金など「埋蔵金」の取り崩しで充当。麻生太郎首相(当時)は09年1月、「11年度までに消費税を含む税制抜本改革に必要な法制上の措置を講じる」と釈明した。

 ところが、08年秋のリーマン・ショック後の景気後退で増税論議は霧消。11年度予算では、より少子高齢化が深刻化する将来世代にツケを回すか、安定財源のめどをつけるかの選択を迫られる。みずほ総研の中島厚志チーフエコノミストは「借金を財源にした社会保障に永続性はない。国民の安心できる制度構築が不可欠だ」と話す。

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