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最新医療情報11

最新医療情報10

20110223~

出血や血便、大腸がんの場合も 痔/4 あなたの処方箋/100

2011年3月3日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/100 痔/4 出血や血便、大腸がんの場合も

 痔(じ)だと思っていたら、実は大腸がんだったというケースが少なくない。大腸がんの症状は肛門からの出血や血便で、痔と似ているためだ。しかも、大腸がんは知覚神経が通っていない結腸や直腸にできることが多いため、痛みを感じることがほとんどない。国の人口動態統計によると、国内の大腸がんによる死者はこの20年程度で急増し、年間4万人を超えており、注意が必要だ。

 千葉県内の男性(63)は07年から排便時に少量の出血が表れるようになった。市販薬を使ってみたが改善しないため、08年に病院を受診。簡単な診察で痔と診断され、軟こうを処方されたが、出血は治まらなかった。念のため別の病院で内視鏡検査を受けたところ、直腸に4センチの大きさのがんが見つかった。転移はなく、腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術でがんを切除した。その後、再発はしていないという。男性は「痛みはなかったので、まさかがんだとは思わなかった。早めに見つかって良かった」と話す。

 社会保険中央総合病院大腸肛門病センターの岡本欣也部長は「大腸がんは早期発見できれば治る確率が高い。肛門からの出血が続いたら、痔だと思い込まずに早めに大腸肛門病の専門医を受診してほしい」と訴える。

 痔と間違えやすい病気は大腸がん以外にもある。排便時に直腸の一部(長さ5~10センチ程度)が肛門から出てくる直腸脱という病気があり、内痔核に似ている。直腸脱は老化に伴い肛門を締める筋力が低下することなどが原因で、手術で治療する。また、性感染症の尖圭(せんけい)コンジロームは、肛門の内部や周囲の皮膚に2~3センチ程度の大きさのいぼが多数できる。=つづく

白血病克服し映像作家に 短編作品が映画祭で受賞

2011年3月3日 提供:共同通信社

 白血病を克服した映像作家、大野祐輝(おおの・ゆうき)さん(26)が、アジア十数カ国を旅しながら自らの顔を記録し続けた短編作品「FACE TRIP」を制作。昨年の福岡インディペンデント映画祭・5分ムービー部門でグランプリを受賞したほか、幾つもの映画祭で上映されて評判を呼んでいる。

 2008年から09年にかけ中国やインドなどを405日間で巡り、各国の風景をバックに毎日自分の顔写真を撮影した。作品では、その写真が約3分間にわたり、爽やかな音楽に乗って次々に現れる。ナレーションはない。青年の不安が自信に変わっていく様子を、表情が雄弁に語っている。

 「自分が生きた証しを残したかった」と大野さん。神奈川県で生まれ、高2の春に急性リンパ性白血病を発症。学校に通えなかった経験から「遅れた修学旅行」のつもりで旅に出た。「命を燃やした」旅は、最高の修学旅行になったようだ。

 作品のDVDは東京都港区の「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」でレンタル中。公式ホームページ(http://facetrip.web.fc2.com/html/)でも見られる。

http://facetrip.web.fc2.com/html/

台湾の出生率 世界最低?

2011年3月3日 提供:読売新聞

有力紙試算10年「1.0割れ」

 【台北=源一秀】台湾で2010年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)が初めて1・0を割り込む見通しとなった。

 地元メディアが伝えた。日本と同様、台湾でも少子高齢化が進み、現在は約2300万人の人口が5年後には減少に転じるとの予測が出ている。

 最新の人口統計では、10年の新生児数は前年比約2万4000人減の約16万7000人と過去最少を更新した。有力紙の「自由時報」は10年の合計特殊出生率について0・91、「工商時報」は0・94との試算を報じた。いずれも国連の世界人口推計(08年版)で世界最低だったマカオの0・95を下回っており、台湾が初めて世界最低となる可能性が出てきた。日本の最新の数値は1・37(09年の厚生労働省統計)だった。

 台湾は63年と76年に42万人以上の新生児が誕生するベビーブームを迎えた。しかし77年以降は新生児数は減少を続けている。女性が社会進出し非婚・晩婚化が進んだほか、高額な養育費の負担を嫌い子どもを望まない夫婦が増えていることが原因とされる。

 台湾には、2歳以下の子供を育てる共働き夫婦に補助金を出したり、育児休暇中も給与の60%の額を支給したりするなどの支援策があるが、出生率低下に歯止めはかからない。

 台湾大学の林万億教授(社会福祉専攻)は「早ければ16年ごろから人口減少が始まり、25年には台湾の168の大学の約3分の1が閉鎖することになる。育児のための補助金充実や託児施設の公営化など抜本的対策をとらなければならない」と話している。

線量が出生体重に関係? 放影研、胎内被爆者調査で

2011年3月3日 提供:共同通信社

 日米合同の研究機関「放射線影響研究所」(放影研、広島市・長崎市)は2日、広島市で専門評議員会を開き、母親の胎内で被爆した胎内被爆者について、被ばく線量が高いほど出生時の体重が少ないとする解析結果を明らかにした。

 放影研によると、追跡調査している広島、長崎の胎内被爆者計約3600人のデータを解析した。出産状況など他の要因もあることから、因果関係についてはさらに調査が必要という。

 また被爆2世のがんやその他の病気での死亡リスクについては、これまでの研究と同様に被ばくによる増加はみられなかったとの調査結果も報告された。

 専門評議員会は日米の外部研究者10人で構成、放影研の研究内容について年1回討議する。

日米豪が人道支援で連携 3月から太平洋諸国巡回

2011年3月3日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】米海軍で東太平洋を管轄する第3艦隊のウィルソン准将は2日、米軍を中心に日本やオーストラリア、フランスなどが参加してアジア太平洋地域で人道支援活動を行う「パシフィック・パートナーシップ2011」の概要をワシントン市内で発表した。

 米軽巡洋艦「クリーブランド」などが3月21日から8月上旬にかけ、トンガ王国やパプアニューギニア、ミクロネシア連邦などを回り、地域医療や学校建設などを支援、文化交流も実施する。海上自衛隊からは昨年に続き、艦船と医官らが参加するという。

 ウィルソン准将は「米軍は人道支援と災害支援に重点を置いている」と同パートナーシップの意義を強調。災害に迅速に対応するために「米軍の各地への展開は不可欠」と語り、関係国と海上航行の安全確保のために緊密に協力しているとも指摘した。

 同パートナーシップは米国が2007年から主催、海自は毎年医官らを派遣してきた。昨年は当時の鳩山由紀夫首相の「友愛ボート」構想の一環として海自輸送艦が初参加した。

世界の死者数、2003年以来310人に 鳥インフルでWHO発表

2011年3月3日 提供:共同通信社

 [東京共同]世界保健機関(WHO)は2月28日までに、カンボジア保健省が新たに2人が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染して死亡したことを確認したのを受け、2003年以来の世界全体での死者は310人になったと発表した。

 死亡が確認されたのは北西部バンテアイミアンチェイ州の母子。母親(19)は2月5日に発症し12日に入院したが当日中に死亡した。子どもは生後11カ月の男児で、2月5日に発症して15日に入院したが、17日に死亡した。

 検体を検査した結果、母子とも感染が確認された。発症前にしばしば死んだ鶏に接触していたという。

 この結果、カンボジアでの死者は累計で11人、感染者数は死亡した人を含め13人となった。

各国別の累計は以下の通り。

                感染者     死者

 アゼルバイジャン        8       5

 バングラデシュ         1       0

 カンボジア          13      11

 中国             40      26

 ジブチ             1       0

 エジプト          125      41

 インドネシア        171     141

 イラク             3       2

 ラオス             2       2

 ミャンマー           1       0

 ナイジェリア          1       1

 パキスタン           3       1

 タイ             25      17

 トルコ            12       4

 ベトナム          119      59

 合計            525     310

米臨床腫瘍学会が見解

2011年3月3日 提供:読売新聞

 今回発表された米国での臨床試験は、〈1〉がんが5センチ以下〈2〉触診で明らかな転移が見つからない〈3〉センチネルリンパ節の転移が1-2個--の患者891人を、追加のリンパ節切除をする群としない群に分けて経過をみた。

 全米の115施設で1999年に始まり、平均6.3年経過を追った。患者はすべて乳房温存手術を受け、大多数が乳房への放射線治療と、抗がん剤やホルモン剤治療を受けた。

 結果は、5年生存率が追加切除群・91.8%、切除をしなかった群・92.5%と、意味のある差はなかった。

 試験結果を受け、米国臨床腫瘍学会は今年2月に見解を発表。「乳がんは10年、15年後の再発もあり、さらに経過をみる必要がある」と指摘。さらに、乳房全摘手術の患者や、リンパ節転移が3個以上の場合は、リンパ節の追加切除を省いてもよい対象には含まれないと、注意を促した。

欧米で市販の既製薬、アルツハイマー回復効果か

2011年3月3日 提供:読売新聞

 九州大の大八木保政准教授(神経内科学)らの研究グループは2日、アルツハイマー病のマウスに、パーキンソン病の治療薬「アポモルフィン」を投与した結果、記憶障害が回復したと発表した。

 実験結果は米国の神経学専門誌「アナルズ・オブ・ニューロロジー」電子版に掲載された。大八木准教授は「アルツハイマー病の新たな治療法の開発につながる」と説明している。

 発表によると、遺伝子操作で発症させたマウスに、アポモルフィンを週に1回ずつ計5回注射した結果、神経細胞の機能を低下させる脳内たんぱく質「アミロイドβ」が減少。マウスを泳がせる実験では、ゴールまでの到達時間が6-7秒短縮されるなど、記憶障害も回復したという。

「異常なし」でも聴力低下 携帯音源の音量注意を

2011年3月3日 提供:共同通信社

 イヤホンなどを通じて携帯音楽プレーヤーを大音量で聞き続けると、雑音の中で音を聞き分ける能力が弱まるとの研究成果を、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の岡本秀彦(おかもと・ひでひこ)特任准教授らがまとめ、2日付米科学誌プロスワン電子版に発表した。

 この能力の低下は、静かな個室で一つ一つの音を聞く通常の聴力検査では発見しづらく、異常なしと診断されるが、脳や神経が負担を受けているとみられるという。

 岡本准教授は「周囲の雑音を減らす機能を使うなどし、音量は控えめに」と使用者に呼び掛けるとともに、雑音の中での検査の必要性も指摘した。

 岡本准教授らは、20代の男女のうち、日常的に大音量で携帯音楽プレーヤーを使う13人と使わない13人を対象に、特定の周波数の音に対する脳の反応を調査。雑音が少ないと聴覚に違いはなかったが、雑音がある場合、常用者は脳の反応が鈍り、音を聞き分ける能力が弱まっていたという。

幹細胞治療 再生医療学会が勧告文 手続き無視なら除名も

2011年3月3日 提供:毎日新聞社

幹細胞治療:再生医療学会が勧告文 手続き無視なら除名も

 日本再生医療学会(理事長、岡野光夫(てるお)・東京女子医大教授)は2日、全会員3475人(2月21日現在)に向け、薬事法による承認や保険適用を受けていない幹細胞治療に関与しないよう求める勧告文を発表した。

 岡野理事長は会見で「いきすぎた(関与があった)場合は除名処分なども検討したい」と述べ、会員の注意を促した。

 幹細胞は、分裂して同じ種類の細胞を生み出したり、血液や筋肉、神経、皮膚のように特定の役割を持つ細胞に変化したりできる細胞。幹細胞を患部や血液中に注入する幹細胞治療は、ほとんどが研究段階にある。しかし、一部の医療機関では、国の指針に沿った臨床研究や治験などの正規の手続きを踏まない「治療」が、医師の裁量で施されている。

 この問題に関連し、英科学誌ネイチャーが昨年11月、日本にある韓国企業の提携医療機関で、幹細胞治療を受けた韓国人患者1人が死亡した事例を報じた。会見では、同学会生命倫理委員会委員長の岡野栄之・慶応大教授が、同誌の記事をきっかけに学会内で議論した経緯を紹介。「自主診療の名の下で、安全性や有効性が疑問視されるような治療が行われている。勧告を抑止力としたい」と述べた。【須田桃子】

認知症治療薬を保険適用 11日から、新たに2種類

2011年3月3日 提供:共同通信社

 厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は2日、アルツハイマー型認知症の症状の進行を抑える新薬2種類について、公的医療保険の対象に加えることを決めた。適用は11日から。

 軽度と中等度の症状が対象の「レミニール」(ヤンセンファーマ)と、中等度と重度が対象の「メマリー」(第一三共)。同型認知症の治療薬で現在、保険適用されているのは「アリセプト」(エーザイ)のみ。中等度の場合、1日当たりの薬価はアリセプトとほぼ同じ約430円で、患者の窓口負担は原則3割となる。

はしか流行ゼロ、道遠く 「ワクチン接種は月内に」

2011年3月3日 提供:共同通信社

 2010年度のはしかワクチンの接種率は昨年末時点で、費用が公費で賄われる定期接種の対象年齢により、全国平均で58・8~70・9%だったと厚生労働省が2日、発表した。

 国内流行をなくすための予防接種率の目標95%には程遠い状況で、厚労省は「対象者の定期接種は3月末までなので、早めに接種してほしい」と呼び掛けている。

 定期接種の対象は、1歳時(1期)と小学校入学前の1年間(2期)の2回と、08年度から5年間の時限措置として中1(3期)と高3(4期)に相当する年齢。

 2期の全国平均は70・9%で、最も高いのは福井の82・6%、最低は高知の60・5%。

 3期は全国平均が68・9%、茨城の92・6%が最高で、最低は福岡の55・5%。4期の全国平均は58・8%で、最高は福井の81・4%、最低は神奈川の37・6%だった。1期は未集計。

 都市部で接種率が低いのが目立ち、都道府県間の差も大きく、4期の福井と神奈川では43・8ポイントの開きがあった。

 はしかの予防には、ワクチンの2回接種が有効とされる。国は12年度までに、はしかの国内流行ゼロを目指しており、予防接種率95%を目標としているが、これまで達成できた年はない。

 この日開かれた厚労省の麻しん対策推進会議では、海外からはしかのウイルスが持ち込まれる「輸入例」が増加し、昨年は全体の7・3%を占めたと報告された。厚労省は「予防接種率を上げ、国内で拡散させないようにすることが最も重要だ」としている。

薬ネット販売、酪農強化 6、7日に規制仕分け

2011年3月3日 提供:共同通信社

 政府の行政刷新会議は2日、首相官邸で全体会合を開き、時代に合わなくなった規制を見直すため6、7日に行う「規制仕分け」の対象12項目を正式決定した。消費者の関心が高い一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売拡大や、海外との経済連携を推進する「平成の開国」に向けた酪農の競争力強化などが課題となる。

 菅直人首相が「成長の起爆剤」と位置付ける規制改革を加速させるのが狙い。ただ統一地方選などへの影響を考慮し、農協改革など政治的色彩の濃い項目は外した。

 菅首相は全体会合で、「国民の目に見えにくかった規制の問題点を明らかにして、新しい成長の芽を見いだしたい」と強調。蓮舫行政刷新担当相は記者会見で、規制をめぐっては消費者と業界の利害が対立するため、「その場で即廃止という(結論を出す)事業仕分けの手法はなじまない」と指摘した。

 規制仕分けは東京・五反田の特設会場で実施。一般の見学者に公開し、ネットでも中継する。各項目ごとに約2時間の議論を想定。仕分け人の意見を集約後、刷新会議と各省庁が協議し、3月末にまとめる規制・制度改革方針に反映させる。

 仕分け項目には、成長の核となる新産業の育成に向けた規制緩和も列挙。リチウムイオン電池の取り扱い規制や、電気自動車の急速充電器の設置基準に加え、認定農業者制度や大規模野菜生産施設の建築に関する農地転用基準も対象とする。

 一方で、マンション投資への悪質な勧誘など消費者保護のための規制強化も議題とする。

 仕分け人には、民間から土屋了介(つちや・りょうすけ)癌研究会顧問や日本総合研究所の高橋進(たかはし・すすむ)副理事長ら19人を選定。賛成、反対双方の立場の利害関係者も参考人として参加する。

福祉手当を一律減額 障害者、ひとり親に不安 4月から、デフレで

2011年3月2日 提供:共同通信社

 障害者やひとり親の家庭への福祉手当が4月から一律に減額される。デフレに伴う措置だが、月数百円の引き下げとはいえ、受給者からは「今でも生活は手いっぱいなのに」と不安の声が上がる。福祉現場の専門家は「社会的な弱者にしわ寄せが来ないよう対策を」と訴えている。

 引き下げ幅は0・4%。法律により、消費者物価の下落を反映して公的年金の支給は減額されることになっており、福祉手当にも同様の減額が適用される決まりだ。

 障害のある子どもを育てる親に支給される「特別児童扶養手当」は、月200円減って5万550円に(1級の場合)。低所得のひとり親家庭に対する「児童扶養手当」では、年収130万円未満の世帯は170円減の4万1550円となる。重度障害の子が対象の「障害児福祉手当」や、被爆者への「健康管理手当」も0・4%カットの対象だ。

 これらとは別に、国民年金の任意加入時代に未加入だったため、障害基礎年金を受け取れない人に対する「特別障害給付金」は減額算定方法が異なり、0・7%引き下げ。月5万円(1級)が4万9650円に減る。

 「生活は現状維持がやっと。減額は厳しい」と札幌市の主婦徳永瑞穂(とくなが・みずほ)さん(40)。長男標(しるべ)さん(17)は両手足に障害があり、障害児福祉手当などを受給しているが、年間計3千円減ることに。「長男に必要な車いすや防寒靴は特注で高価。ぼろぼろになっても修理で乗り切らないと」と話す。

 反貧困ネットワークの湯浅誠(ゆあさ・まこと)事務局長は「もともと生活が楽ではないための手当。減額は低収入の人には重く、生活保護申請が増える心配もある。弱者へのしわ寄せを『しょうがない』で片付けない政策を用意してほしい」と話している。

4割弱「歯の治療を放置」 保険使えず受診抑制も

2011年3月2日 提供:共同通信社

 虫歯や歯周病などがあっても「治療費が心配」などの理由で治療せずに放置している人が4割近くに上ることが1日、医師や歯科医師らでつくる全国保険医団体連合会(保団連)が実施した「1万人市民アンケート」で分かった。

 保団連は「歯科は医療保険が使えない治療が多く、経済的に苦しい人は治療を控えている」と指摘。保険適用拡大や原則3割の窓口負担引き下げが必要だとしている。

 調査は昨年10~12月、歯科診療所や市民団体などの協力で実施。佐賀、沖縄両県を除く45都道府県の約1万人が答えた。

 「放置している」と答えたのは3710人。20~50歳代では40%超を占めたが、60歳代以上では30%前後、10歳代では27%だった。

 主な理由は「時間がない」「費用が心配」「治療が苦手」だった。

 また、診療所などで支払う窓口負担が「高い」とする人は全体の半数を超え、9割が保険適用の拡大を求めていた。

 保団連は「虫歯などは自然に治ることはないため放置すると重症化し、かえって医療費も増加してしまう」として、早期の発見と治療が重要だとしている。

受診遅れで71人が死亡 無保険や自己負担不能で 「制度崩壊」と民医連

2011年3月2日 提供:共同通信社

 国民健康保険(国保)の保険料を滞納して「無保険」状態になったり、保険証は持っていても医療費の自己負担分を払えなかったりして受診が遅れ亡くなった人が昨年、24都道府県で71人に上り、前年(47人)の約1・5倍に増えたことが2日、全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で分かった。

 失業者や非正規労働者が多く、民医連は「厳しい雇用状況が続く中、払いたくても払えない人が急増しており、もはや『国民皆保険制度』は崩壊している」と指摘。調査対象は民医連加盟の病院や診療所計1767施設で「背後にはもっと多くの犠牲者がいる可能性がある」としている。

 71人のうち、保険料滞納は42人。内訳はまったく保険がない「無保険」が25人、滞納のため有効期間が短くなる「短期保険証」が10人、さらに滞納が続き保険証を返して医療費全額をいったん払わなければならない「資格証明書」が7人。

 都道府県別では長野、兵庫、沖縄が4人で最多。東京、神奈川、石川が3人。職業別では無職26人、非正規10人、自営業3人、ホームレス2人、年金生活者1人。年齢別では60代18人、50代11人、40代7人、70代4人、80代と30代が各1人。

 保険証はありながら「受診控え」で亡くなったのは29人で前年の約3倍。保険別では国保が23人、後期高齢者と協会けんぽが各3人。都道府県別では長野5人、北海道と沖縄がいずれも3人。がんや糖尿病が多く、高額な治療費を心配し病院に行くのをためらったためと分析している。

※国民健康保険

 自営業や年金で暮らす人、非正規労働者などが加入する健康保険で、保険料を基に主に市町村が運営する。加入者は約3900万人。中小企業の従業員は協会けんぽ(約3500万人)、大企業の従業員は勤務先の健康保険組合(約3千万人)、公務員は共済組合(約900万人)に入る。

生活苦で命落とす 揺らぐ「国民皆保険」

2011年3月2日 提供:共同通信社

 病気になったりけがをしても、すべての人が十分な治療を受けられる国民皆保険の開始から50年。生活の苦しさから、手遅れになるぎりぎりまで我慢し命を落とした71人の事例からは、制度の理念が揺らいでいる現実が浮かび上がる。

 「保険証がなく、病院にはかかれない」。群馬県の男性(71)は、食欲がなくなり腹水などの症状が出たが、見かねた友人が病院に相談するまでの約5カ月間、我慢を続けた。非正規労働で住むところはなく、銭湯や事務所で寝泊まりした。「働かないと食べていけない」と昨年10月の初診当日も仕事に行こうとした。入院後に肝がんが見つかり、わずか12日後に亡くなった。

 山形県の男性(42)は2009年12月、体調を崩して葬儀会社を解雇され、車で寝泊まりしながら転々とする生活に。昨年9月、警察に保護され山形に戻ったが、体調が悪化。6日後に急性心不全で亡くなった。解雇後に国民健康保険に入る手続きをしなかったため、無保険だった。

 全日本民主医療機関連合会(民医連)は「私たちの調査対象は限られており、国は実態を把握するべきだ」としている。

心臓手術 切開半分で 鳥取県立中央病院、山陰で初成功 早期に日常生活へ

2011年3月2日 提供:毎日新聞社

心臓手術:切開半分で 県立中央病院、山陰で初成功 早期に日常生活へ /鳥取

 県立中央病院は1日、切開する大きさが従来の半分以下で済む「低侵襲心臓手術」に山陰で初めて成功したと発表した。出血や術後の痛みが少なく、早期に日常生活に戻れるという。

 1月下旬に手術を受けたのは、左心房と左心室の間にある僧帽弁がうまく閉まらなくなった70代の男性。血液が逆流し、心不全や呼吸困難などの症状があった。

 通常の手術では、のど元の下からみぞおちにかけて20~25センチ切開し、ろっ骨も切開する必要があった。低侵襲心臓手術は、右胸部を約7~10センチ切開。ろっ骨の間から内視鏡を挿入し、従来の1・7倍ほどの約35センチのかん子を使って手術を行うためろっ骨を切る必要がない。

 10年ほど前に提唱された手法だが、技術が確立しておらず根付かなかった。長いかん子の開発▽手術中に血液を送る体外循環システムの改善▽手術の積み重ねなどにより、この1、2年で見直されてきたという。

 男性は10日間入院し、通常の日常生活に戻っているという。

 手術を指導した森本啓介・心臓血管外科部長は「切開部分が小さく、視野が狭くなるため難しい手術になるが、お年寄りなどには負担が少ないので効果的」と話している。【遠藤浩二】

痔核と裂肛は手術せず治療 痔/3 あなたの処方箋/99

2011年3月2日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/99 痔/3 痔核と裂肛は手術せず治療

 痔(じ)の治療法は、以前は手術が多かったが、近年は痔核(いぼ痔)と裂肛(切れ痔)については、投薬と生活指導を並行する保存療法など手術以外が主流になってきている。平田肛門科医院(東京都港区)の平田雅彦院長は「患者が最も多い内痔核の手術の実施率は欧米では1割に満たないが、日本では3割以上もある。多くの痔は保存療法で改善可能で、手術はもっと少なくできる」と指摘する。

 都内の女性スタイリスト(28)は高校時代から便秘で、週1~2回しか便が出なかったが、約3年前からさらに悪化。月に数回、排便時に出血と痛みが表れるようになった。昨年秋ごろ、硬い便を強く息んで出したところ、「肛門周辺がずきずきと強く痛み、腫れも出てきた」。都内の病院を受診し、裂肛と診断された。座薬や軟こうによる薬物治療とともに食生活の指導を受け、便秘解消の効果がある食物繊維の多いシリアルやヨーグルトを毎朝食べ、豆類と海藻類も毎日取るようにした。その結果、約2カ月後には便秘が改善し、排便時の痛みや出血もなくなった。

 一方、痔核が肛門の外に出てきて戻らなくなったり、裂肛の慢性化により肛門が狭くなった場合などは手術が必要だ。ただ、内痔核については近年、レーザーで焼いて切除したり、ジオンという薬剤を注射するなど、「切らない」治療法も普及している。

 肛門の周囲からうみが出る痔ろう(あな痔)は手術をしないと治らない。うみの原発巣となっている肛門腺などを切除しないと化膿(かのう)を繰り返すためだ。=つづく

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 ■痔に使われる薬

 ◇座薬

 先が細く軟らかい固形の薬。就寝前などに肛門内に挿入すると、溶けて粘膜や上皮をカバーし、排便時の痛みや出血が緩和される。主に裂肛と痔核に用いる。

 ◇軟こう

 肛門の周囲に塗るタイプと、チューブの先端を肛門内に挿して薬を注入するタイプの2種類ある。効能は座薬と同様、痛み止めと止血で、肛門の出口付近にできた裂肛や痔核に用いる。

 ◇飲み薬

 便秘の時に便を軟らかくする緩下剤や肛門内の炎症を抑える消炎薬、抗生物質などがある。

「痩せたい、もっと...」 下剤1日400錠

2011年3月2日 提供:共同通信社

 58→32→90。横浜市に1人で暮らす里美さん(41)=仮名=は25年間、「もっと痩せたい」と思い続けてきた。

 中学3年。158センチ、58キロだった。盲腸で入院し、流動食が続き、1週間で3キロ減った。「食べなければいいんだ」。食事制限を始め、ほどなく下剤に手を出した。

 最初は薬箱に入っていた試供品の3錠。5、10、20錠と増えた。昼食は瓶詰のベビーフード一つのことも。「面白いように痩せた」

 親に連れられて行った病院で摂食障害と診断された。でも「ダイエットと便秘解消、何が悪いの」としか感じなかった。

 高校時代から付き合っていた男性と25歳で結婚したが、症状は悪くなった。1箱約3千円の220錠入りの下剤は、1日で2箱が空に。ボクサーにならって、つばも吐いた。生理は止まり、何度も倒れた。

 32キロになった32歳で結婚生活は破綻。精神科に入院し、摂食障害者らの社会復帰を支援する横浜市のNPO法人「のびの会」にも通い始めたのは、それからだ。

 同じ病気の仲間と話し、支援者に手助けされても、なかなか回復できない。下剤の量は徐々に減ったが、体がむくみ、今度は我慢していた分を取り戻すように食べ続けた。気付くと90キロだった。

 症状が落ち着いて発症前の体形に戻った今も、食べることへの恐怖と下剤の誘惑が頭をよぎる。

 「不安も何もかも流してしまえると思ってしまう。これからも、そんな感情と付き合わないといけないのかな」

 のびの会の武田綾(たけだ・あや)事務局長は「ほとんど食べていなくても、本人は痩せることに喜びを感じ、活動的になるケースもある。周囲が変化に早く気付き、手遅れになる前に専門医に診てもらうことが大切。怖さを知ってほしい」と話す。

ハチ公、がんだった 76年間保存の臓器分析

2011年3月2日 提供:共同通信社

 飼い主の帰りを待ち続けた忠犬ハチ公が死んだ後、東京大で76年間保存されていた臓器を磁気共鳴画像装置(MRI)などで分析し、ハチ公はがんだったと確認したと、中山裕之(なかやま・ひろゆき)東大教授(獣医病理学)らが1日、発表した。死んだ直後の解剖結果から、これまで死因は寄生虫によるフィラリア症とされていた。

 中山教授は「どちらが直接の死因になったかは分からないが、両方とも死因になりうる重大な病気だ」と話している。

 中山教授によると、飼い主が東京帝国大教授だったことなどから、1935年3月8日にハチ公が死んだ後、心臓と肺、肝臓、脾臓(ひぞう)がホルマリン液に漬けて保存された。

 この臓器を詳細に観察した記録がないことに中山教授が気付き、昨年暮れからMRIと顕微鏡で観察。心臓と肺の広範囲に悪性腫瘍を確認した。肺で発症し、心臓に転移した可能性が高いといい、死因の一つと結論付けた。フィラリア症に感染していたこともあらためて確認した。

 秋田県大館市によると、ハチ公は雄の秋田犬で23年生まれ。生後約2カ月で飼い主にもらわれ、その死後約10年間、帰らぬ飼い主を渋谷駅で待ち続けたという。

24時間の活動リズム復活 暗闇飼育のハエに光

2011年3月1日 提供:共同通信社

 暗闇で長期間飼育されたショウジョウバエでも、光を当てると、昼夜の変化などに応じ24時間周期で活動する「概日リズム」を取り戻すことを京都大の今福道夫(いまふく・みちお)名誉教授らのチームが突き止め、1日付の日本動物学会誌(電子版)に発表した。

 地球上のほとんどの生物が持つこうしたリズムが、どの程度暗闇にいれば失われるのかを調べるのが狙い。

 ショウジョウバエは昼行性。チームは1954年から約1300世代(1世代は約2週間)真っ暗な中で飼育され続けているものを使って実験。

 このハエを3グループに分け、一つ目のグループは12時間周期で光に当てた。二つのグループはそれぞれ3・5時間、7・5時間、一度だけ光に当てた。その後3グループを再び暗闇に戻し、活動パターンを調べた。

 各グループとも光にさらされた時間帯を中心に約12時間、行動が活発になった後、鈍くなった。チームは約24時間の周期を取り戻したとみている。暗闇飼育中は不規則に活動していたと考えられるという。

 今福名誉教授は「本来持っている体内時計が働き始めるのではないか。人間で言うと旧石器時代の終わりに洞窟に入り、その後何世代も経た後、現世代が光を見てリズムを取り戻したことになる」と話している。

肥満糖尿病 インスリンが筋肉に届きにくく、高血糖に 東大など仕組み解明

2011年3月2日 提供:毎日新聞社

肥満糖尿病:インスリンが筋肉に届きにくく、高血糖に 東大など仕組み解明

 肥満になると毛細血管の働きに異常が生じ、血糖値を下げるホルモン「インスリン」が全身の筋肉に届きにくくなることを、東京大などの研究チームがマウスの実験で解明した。インスリンが届かないと、筋肉が血液からブドウ糖を取り込めず、高血糖状態が続いて糖尿病を発症しやすくなるという。2日付の米科学誌セル・メタボリズムに掲載された。

 健康な人では、食後に血糖値が上がると、膵臓(すいぞう)のβ細胞からインスリンが分泌され、血液を通じて全身に届けられる。筋肉は、インスリンが到達したことが引き金となって、ブドウ糖を取り込みエネルギーに変えるが、インスリンが毛細血管から筋肉に届く仕組みはこれまで不明だった。

 研究チームは、インスリンが到達したことを他の分子に伝える物質「IRS2」に着目。毛細血管の細胞にIRS2を持たないマウスは、通常のマウスと比べて、筋肉に届くインスリンの量が半分程度に減っていた。「インスリンが届いた」という信号が他の分子に適切に伝わらないため、インスリンを血管の外の筋肉に送り出すための仕組みが機能しなかったからだという。

 さらに、普通のマウスに脂肪分の多い餌を8週間与えて肥満状態にしたところ、IRS2が健康なマウスの2割程度しかなく、インスリンが血管から筋肉に届きにくくなっていた。

 研究チームの門脇孝・東京大教授は「IRS2を増やす薬剤が開発できれば、生活習慣などが影響する2型糖尿病の根本的な治療になりうる」と話している。【大場あい】

損傷した視神経を再生 脳や脊髄に応用も、大阪大

2011年3月2日 提供:共同通信社

 損傷すると回復が難しいとされる視神経を、神経細胞にある特定の酵素の働きを抑えて再生させることに大阪大や東北大のチームがマウスで成功し、1日付の欧州科学誌エンボジャーナル電子版に掲載された。

 大阪大の山下俊英(やました・としひで)教授は「脳や脊髄などの中枢神経の再生にも応用でき、視神経だけでなく、事故による脳挫傷や脊髄損傷などの治療薬の開発につながるかもしれない」としている。

 チームは、神経細胞で働く酵素「SHP」が神経の再生を妨げていることを発見。生後8週のマウスの視神経を損傷させた上で眼球にSHPの働きを抑える物質を投与したところ、2週間後には視神経が再生した。

 SHPは神経細胞内で再生を阻害するタンパク質とくっついて一緒になり、再生を促すタンパク質の働きを抑えていた。SHPの働きを抑えると再生を促すタンパク質の働きが1・4倍活発になることも判明した。

 神経の再生には、再生を妨げるタンパク質を働かなくするとともに、再生を促すタンパク質を活発にすることが必要で、SHPを阻害すれば両方が可能という。

幹細胞治療 血管の詰まり防止、自治医大開発 点滴組み合わせ

2011年3月2日 提供:毎日新聞社

幹細胞治療:血管の詰まり防止、自治医大開発 点滴組み合わせ

 幹細胞治療で、幹細胞が血管に詰まる副作用を防ぐ手法を、自治医科大のチームが開発し、1日、東京都内で開かれた日本再生医療学会で発表した。同学会は、科学的根拠がなく、安全性が確認されていない幹細胞治療について、「実施を断固容認しない」との勧告を全会員に出す方針。幹細胞治療の安全性を確保する方法の一つとして注目されそうだ。

 幹細胞治療は、損傷した組織を修復、再生するため、幹細胞を血管に点滴したり、患部に直接移植する。

 同大は大塚製薬工場などと協力したブタの肝臓再生を目指す研究で、血管から人の美容整形などの幹細胞治療でも使われる「間葉系幹細胞」入りの生理食塩水を注入したところ、数日で幹細胞が固まって血管に詰まり、ブタが死んだ。マウスの実験でも、血管閉塞(へいそく)によって死ぬ例が確認されている。分析の結果、間葉系幹細胞は、もともと粘着性が高く、培養の処理で細胞膜が傷つくと、より接着しやすくなることが判明。生理食塩水に間葉系幹細胞を入れると、約30分で底に沈み、くっつき始めた。

 そこで、市販されている医療用点滴薬のうち、代用血液などに使う点滴薬を組み合わせた液体を作ったところ、間葉系幹細胞を入れても、沈殿や接着が起きず、浮遊状態が続くことが分かった。

 小林英司・同大客員教授(移植・再生医学)は「治療の科学的検証を続けることは必要だが、現状の安易な点滴は危険だ。この成果が、少しでも危険を減らすことに役立ってほしい」と話している。【永山悦子】

摂食障害、100人に2人 女子中生「予備軍は数倍」 危険ダイエットに警鐘 厚労省研究班が初調査

2011年3月2日 提供:共同通信社

 女子中学生の100人に2人は専門医の治療や指導が必要な摂食障害と推計されることが1日、厚生労働省研究班の初の大規模調査で分かった。

 調査した国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の小牧元(こまき・げん)・心身医学研究部長は「予備軍はこの数倍はいるだろう」とした上で、「過度の食事制限は成長期の中高生に特に悪影響が大きい。ダイエットをよしとする風潮が子どもを危険にさらしている可能性もある」と指摘。摂食障害は、自覚がなく治療が難しいケースが多く、きちんと食べるよう教える予防策や、専門機関によるサポート体制の充実が求められそうだ。

 調査は2009~10年、関東と中国地方の計2都市の36中学校に通う約8千人を対象に実施。国際的な標準に基づき、体形や食事への意識など28項目を尋ね、5161人(女子2604人、男子2557人)から有効回答を得た。その結果、女子の1・9%、男子の0・2%が、身体だけでなく心の問題にも対応できる専門の医師の下で治療や指導を受ける必要がある摂食障害と判断された。

 拒食症につながりかねない痩せることを目的にした行為(直近の4週間に2回以上)をみると、「下剤を使った」は女子1・1%、男子0・7%▽「口に手を突っ込むなどして吐いた」は女子1・4%、男子0・9%▽「食事を抜いた」は女子3・6%、男子2・6%▽「過度の運動をした」は女子6・8%、男子3・8%-だった。

 一方、過食症への入り口にもなる「むちゃな大食いを直近の4週間に8回以上した」のは女子3・5%、男子1・3%だった。

 摂食障害とされた女子は(1)夜遅くまで起きている(2)家族との食事は楽しくない(3)家族から「もう少し痩せたら」と言われる(4)気持ちを本当に分かってくれる人は誰もいない-などに当てはまる傾向があった。

※摂食障害

 拒食症と過食症に大別される精神疾患の一種。主に女性がかかり、死に至ることもある。拒食症の場合、病気の自覚がないまま、食事の量を極端に減らし、食後に口に手を突っ込んで吐いたり、下剤を大量に飲んだりする。過食症では、食欲のコントロールが効かず、大食いを繰り返す。一つの原因として、人間関係や家庭環境などから生じるストレスにうまく対処できないためとの指摘もあるが、はっきりしていない。厚生労働省研究班の調査では、1980~98年の間に約10倍に増えた。

家族の心のケアで医師派遣 富山県が現地に

2011年3月1日 提供:共同通信社

 ニュージーランド地震で現地入りしている富山外国語専門学校生らの家族の心のケアや健康管理のため富山県は28日、新たに精神科の医師ら6人を現地に派遣すると発表した。同県高岡市も看護師ら2人を現地に送り家族の支援に当たる。

 県が25日に派遣した医療チームは3月3日に帰国する予定。身元の判明につながる情報が少なく、家族の多くがストレスを抱えていることもあり、新潟県中越地震など被災地でも心のケアに当たった医師らの派遣を決めた。

 富山県から現地入りしている医師3人は安否不明の生徒らの身体的特徴を家族から聞き取り、DNA鑑定に役立つ資料をまとめているという。

長時間の座り仕事は要注意 痔/2 あなたの処方箋/98

2011年3月1日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/98 痔/2 長時間の座り仕事は要注意

 痔(じ)の原因は、便秘と下痢(排便の異常)が最も大きい。硬い便を息んで出したり、下痢が勢いよく出る時に肛門の粘膜が傷つきやすいためだ。また、パソコンを使うなど座って仕事をする時間が長い人も、肛門周辺がうっ血して痔になりやすい。

 千葉県の建築設計士の男性(34)は約5年前から、長く座っていると肛門が痛み、排便時に出血することもあったが、「数日で治まっていたので放っておいた」。だが昨年秋になって、仕事で徹夜をして便秘になり、無理に息んで排便したところ出血と痛みが出現した。数日後には肛門が腫れてきたため、心配になって東京都内のクリニックを受診した。痔核(いぼ痔)と裂肛(切れ痔)の併発と診断された。

 男性はパソコンで建物の設計図を描いており、毎日午前9時から遅い日は午後10時ごろまでほぼ座りっぱなし。座薬や飲み薬を処方されたほか、仕事中は一定時間ごとに席を立って歩き回り、早く就寝するよう生活指導を受けた。約3カ月後には痛みや出血がなくなった。社会保険中央総合病院大腸肛門病センターの岡本欣也部長は「便が硬かったり残便感があっても、長時間息み続けると良くない。座る時間が長い職業の人は肛門周辺のうっ血を防ぐため、1時間ごとに1分程度でも歩いた方がいい」とアドバイスする。

 また、疲労やストレスがたまると免疫力が低下し、肛門内部の炎症が起こりやすくなるほか、体が冷えると肛門周辺の血管が収縮して血液の循環が悪くなり、うっ血しやすくなる。夏でもエアコンの利きすぎには注意が必要だ。女性は月経前後に便秘や下痢になるなど、肛門の粘膜に炎症が起こるケースが少なくないという。=つづく

メタボ改善、国民の半数超に…食育基本計画案

2011年3月1日 提供:読売新聞

 政府の「食育推進基本計画」の改定案が28日、明らかになった。

 生活習慣病を引き起こすメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防・改善のため、バランスの良い食事や適度な運動を継続する国民の割合を、現在の33%から、5年以内に50%以上に引き上げるとの目標値を盛り込んだ。3月1日に開かれる有識者による政府の「食育推進評価専門委員会」の会合に提出される予定だ。

 改定案は、生活習慣病の予防・改善を「国民的課題」と位置づけ、市町村と地域社会が連携して食育活動を推進することや、消費者と農林水産業従事者との交流促進などを目的に、全市町村に食育推進計画の策定を求めた。

 基本計画は、国民の食生活改善のための施策や目標を示したもので、現行計画(2006-10年度)の改定作業を政府が進めている。改定案は3月下旬に菅首相を会長とする「食育推進会議」で正式決定する。

患者、家族の伴走者 普通に暮らせる社会目指す 「いのちのコンパス-認知症・そのとき何が」7回続きの(7)

2011年3月1日 提供:共同通信社

 福岡県大牟田市に住む60代の小林孝子(こばやし・たかこ)さん=仮名=は、一語一語かみしめるように、記者に切り出した。「気持ちに余裕ができた今だから、話せるんです」

 隣に座る夫の治(おさむ)さん=同=は2008年1月、50代で若年性認知症と診断された。周囲に打ち明けられず、苦しんできた孝子さん。「この人に出会えて良かった」。視線の先で認知症コーディネーター、大谷(おおたに)るみ子さん(53)が優しくほほ笑んでいた。

 孝子さんが治さんの異変に気付いたのは5年ほど前。同じことを何度も言う。いら立ち始めると止まらず、物を投げることも。もの静かで優しかった夫の変化がつらかった。病気が分かり、治さんは会社を辞めた。「何かおかしい」とうわさが広まり、友達も去った。

 「離婚することも死ぬことも考えた」と孝子さん。追い詰められた2人は09年3月、当時住んでいた愛知県から出身地の大牟田に戻った。

 「周囲とうまくいかなくなっているみたい」。大谷さんが、市地域包括支援センターから相談を受けたのは、その年の夏。すぐに若年性認知症の人を積極的に受け入れているデイサービスを紹介し、支援が始まった。

 「イライラして母ちゃんに文句を言ってしまう。後悔するんだけど」「今後、どうなるんでしょう」。2人が吐き出す悩みや不安に、大谷さんはじっと耳を傾けた。「本人や家族には『伴走者』が必要なんです」

 「同じ病気の人と話してみたい」。昨年春、治さんが漏らした言葉に「じゃあ話しましょうか」と提案した。医師の紹介などで当事者3人と家族が集まり"本人交流会"が実現。今は月1回開かれ、家族と一緒に参加する人は6人に増えた。

 「共通の悩みを持つ人に『自分もそうだったよ』と言ってもらうだけで気持ちが和む」と孝子さん。治さんも「楽しみ」と心待ちにしている。

 「私の役割は全体の環境作り。周囲の理解を深め、できるだけ良い環境で暮らせるように」。大谷さんの原点は福祉先進国デンマークだ。勤務する医療法人の派遣で1996年に短期留学。「障害や病気があっても普通に暮らせる国があるなんて」。以来、毎年足を運ぶようになった。

 認知症でも生き生きとした表情の人たち。「日本と何が違うの?」。目に映ったのは自宅、病院、施設と駆け回り、橋渡し役を務めるコーディネーターの姿だった。

 「こんな人がいたら絶対いい」。現地から専門家を呼び講演会を開くなどしていた大谷さんに、認知症対策を進めようと大牟田市から声が掛かったのは01年。大谷さんの助言でコーディネーター養成講座が始まり、これまで約60人が修了、活動の裾野は広がっている。

 市民向け勉強会や子どもの絵本教室、徘徊(はいかい)患者への対応を学ぶ模擬訓練...。「地域全体で理解を深めることが大切」と大谷さん。デンマークで見た、認知症になっても普通に生きられる社会へ。

 「少しずつだけど、思い描いた絵に近づいているかな」

被爆2世医師の会設立へ 体験、知識を次世代に

2011年3月1日 提供:共同通信社

 広島県医師会は28日、高齢化する被爆者から体験や知識を引き継ぎ次世代に伝えていくため、同医師会所属の被爆2世でつくる「被爆2世医師の会」を設立すると発表した。

 3月30日に設立総会と勉強会を開催する。2012年8月に広島市で開かれる核戦争防止国際医師会議(IPPNW)世界大会で被爆の実態や影響を伝える予定。

 被爆者を親に持つ広島県の医師たちが「高齢化する親たちの経験を伝えるのは、広島の医師としての義務」と設立を呼び掛けた。被爆3世の医学生からも参加を希望する声があるという。

 県医師会は会員約6500人。被爆2世、3世の人数は不明だが、同じ世代がほとんどを占める。会の世話人で、被爆2世の医師でもある松村誠(まつむら・まこと)さん(61)は「親の悔しさや無念さを直接見続けてきた子どもの私たちが、次の世代に医学的な知識を伝えていきたい」と話した。

入管施設に収容された外国人への問診を続ける医師山村淳平さん 「時の人」

2011年3月1日 提供:共同通信社

 3畳ほどの無機質な面会室で、アクリル板越しに症状を聞き取り、悩みに耳を傾ける。視線の先にいるのは、査証(ビザ)を持っていなかったり、期限が切れたりして茨城県牛久市の東日本入国管理センターに収容された外国人だ。

 横浜市神奈川区の「港町診療所」に勤める内科医。2001年から月に1度、センターを訪れ、延べ約千人に無償で問診を続けてきた。不眠、頭痛、食欲不振...。外国人たちが訴える症状や体調の変化を記録し、難民認定申請者の仮放免のための意見書や、外部の病院への紹介状を作る。

 「母国で迫害や差別を受けて日本に逃れてきた人もいる。同じ人間として、彼らの生きる希望を大切にしたい」

 山形大医学部を卒業後、東京都内の研究所に勤めたが「安定と引き換えに自由を失っているんじゃないか」と疑問を抱き、1年半の欧州自転車旅行に出た。帰国後の1991年から、非政府組織(NGO)の誘いを受け、フィリピンやバングラデシュなどで医療支援に携わってきた。

 問診を始めたきっかけは、診療所を訪れたアフガニスタン人から収容の実態を聞いたことだった。何人もが同居する大部屋は感染症のリスクが高く、期限の分からない長期収容でうつ状態に陥るケースも。強制送還への恐怖から自殺を図った難民申請者もいた。

 手弁当の活動。「見返りは、人を助けたいという気持ちをあらためて実感できたことかな」。落ち着いた語り口が弾んだ。岐阜県出身、56歳。

さくら診療所、有機作物を入院患者に提供 農業専門の職員雇い 徳島・吉野川

2011年3月1日 提供:毎日新聞社

さくら診療所:有機作物を入院患者に提供 農業専門の職員雇い--吉野川 /徳島

 安全な食事を入院患者に出したいと、吉野川市山川町の「さくら診療所」が農業専門の職員を雇い、有機栽培した米や野菜を入院食として提供している。発展途上国で医師として支援活動をしている吉田修理事長(52)が、食の大切さを訴えて発案したもので、全国でも珍しい取り組みという。【山本健太】

 診療所は99年の開設で、現在の入院患者は約20人。無農薬野菜の提供は入院患者を受け入れ始めた約10年前に始めたが、毎日出すのは難しかった。そこで、04年に農業の知識を持った男性1人を専属で雇用。診療所近くの広さ約6000平方メートルの畑で栽培を始めた。

 今では、ジャガイモやキャベツ、ニンジンなど年30種類以上を栽培。米も数百キロ収穫し、白米と玄米の中間で栄養価が高いとされる「七分つき米」を出し、その日の収穫に合わせて献立を考えたりしている。

 吉田理事長は約20年間、医療活動などで発展途上国の支援に携わり続け、現地を見るうちに食の問題を重視するようになった。ザンビアやカンボジアでは、干ばつや食糧難で苦しむ人が多数いる。一方、日本では食料自給率が低いのに、糖尿病や飽食が問題になっていることを矛盾に感じている。

 同診療所は、有機農法を通じて食の大切さを伝えようと、地産地消の食事などを提供する地域の拠点「コミュニティー・レストラン」を年内にも開設する予定という。

 吉田理事長は「日本は食料を作れる環境があるのに、生産しないのは疑問だ。日本の農業は10年もすれば高齢化で大きく衰退する恐れがあり、今こそ、食育活動を進める必要がある」と話している。

豆腐店起源の酵素、宇宙へ…エイズ、高血圧解明に期待

2011年3月1日 提供:読売新聞

構造解析「きぼう」の実験候補に

 長岡技術科学大(長岡市)などのグループが、たんぱく質分解酵素の結晶構造解明を目指し、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」での実験実施を目指している。

 「DAP B2」と呼ばれるこの酵素は、たんぱく質分解の仕方が非常に珍しく、そのメカニズムを調べることで、病人への栄養補給に応用したり、たんぱく質分解が関係しているとみられるエイズや高血圧の発症の仕組みを解明したりなどの成果が期待されるという。

 この酵素は、ある微生物(バクテリア)から生成されるが、それは約20年前、豆腐製造の廃液の中から発見された。当時同大の学生だった小笠原渉准教授と、教授だった森川康・名誉教授が、特殊な能力を持つ微生物を採集するため、長岡市上除町の「今井豆富店」で廃液を調べる中で、行き当たった。

 たんぱく質は、アミノ酸が鎖のようにつながった構造をしているが、この酵素は、たんぱく質をアミノ酸2分子からなる「ジペプチド」単位で、規則的に切断していく働きがあるという。

 ジペプチドは、栄養素として、アミノ酸より消化吸収が早い。この酵素の働きがわかれば、たんぱく質からジペプチドを大量に生成させて、病気で栄養補給が困難な患者に対し、利用が可能になるという。

 この酵素がなぜこうした働きを持つのかは不明で、これを調べるには、結晶の構造解析が必要。無重力状態で結晶を生成させれば解析できる可能性が高く、小笠原准教授らは昨年、「きぼう」内で行う実験として応募し、最終選考候補に残った。選考結果は4月下旬にわかる。

 小笠原准教授や、同大出身で岩手医科大(岩手県)の野中孝昌教授らがグループを作り、共同研究を進めている。選考されれば、今年6月21日にカザフスタンで打ち上げられるプログレス補給船に搭載され、宇宙飛行士により「きぼう」で結晶生成の実験が行われた後、ソユーズ宇宙船で9月16日に同国へ帰還する予定。

 小笠原准教授は「長岡の豆腐店から広がる、宇宙への道。応用範囲が広く科学的にも期待が大きいので、ぜひ実現して、構造解析を成功させたい」と話している。

薬事法改正へ厚労省が部会 イレッサ原告協議求める

2011年3月1日 提供:共同通信社

 厚生労働省の厚生科学審議会は28日、医薬品の安全性確保策を充実させるため必要な薬事法の改正に向け、検討部会を設置することを決めた。安全面と、海外で普及している医薬品の導入が遅れる「ドラッグ・ラグ」の解消との両立策を中心に話し合う。

 肺がん治療薬「イレッサ」の訴訟では、副作用による死亡が相次いだことについて国の対応が争点となった。大阪地裁の判決は、国の賠償責任を認めなかったが、細川律夫(ほそかわ・りつお)厚労相は被害を防止する仕組みを検討すると約束していた。

 部会は医療や法律の専門家、薬害被害者ら15人程度で構成。来年の通常国会への改正法案提出を目指す。

 イレッサ訴訟の原告・弁護団は28日、大阪地裁判決を受け、「国の社会的な責任は免れない」として、早期解決のため協議を始めるよう求める申し入れ書を厚労省に提出した。

緩和医療医・大津秀一さんインタビュー全文(6)残された時間で、どう生きたいか

2011年3月1日 提供:読売新聞

 --大津さんの著書「死ぬときに後悔すること25」に、精神分析学者フランクルの「どれだけ長く生きたかはどうでもいいことで、人生の質や意味には関係ない」という趣旨の言葉が書かれています。それを実感した体験はありますか。

 大津 ええ、あります。10代、20代でも、すごく安らかな顔で、「先生、いい人生でした」と言って逝かれる方がいます。「僕は幸せです。後悔はありません」と言い残していった25歳の青年もいました。人間の底知れない強さを感じます。一方で、高齢になっても「人生、不幸ばかりだった」と言って亡くなる方もいます。

 --「私の中のあなた」という洋画があります。白血病の娘を救おうと、彼女に骨髄提供するためにもう一人、娘を産んだ母親の話です。10代になった上の娘は、妹からの骨髄提供を拒否して、逍遥として死を受け入れます。10代でもこのような心境になれるのか、と印象に残りました。

 大津 生まれながらに難病の総胆管拡張症があり、20代半ばで末期の胆管がんになった青年がいました。僕が会った時には、ホスピスで淡々と生活していた。「前の病院では治療の連続で苦しかったけれど、ここではみんな優しくしてくれて幸せです」と言うのです。最期の日まで安らかでした。誰よりも深く人生や死について考えたのでないでしょうか。

 骨肉腫のため14歳で亡くなった猿渡瞳さんは、生前の弁論大会で「病気になって、生きることが大切なものだとわかりました」とスピーチしていました。彼女は「瞳スーパーデラックス」という闘病記を出しています。彼や彼女たちのように、生と死に本気で向き合えば、生きていることがどれだけ幸せなのかに気がつきます。

 そうした心境にたどり着けるかどうかは、年齢に関係ない。できるだけ長生きして、たくさんの人に囲まれて死にたいと考えがちですが、周りの人に文句を言ってばかりで、家族はたくさんいるのに誰も死に際に来てくれなかった、という例もあります。

 「ありがとう」と言い残して亡くなっていった若い子たちの10分の1でも力を発揮すれば、人生への感謝の度合いは増えるし、QOLも高まると思います。そして、そういう力は本来誰もが持っているものなのではないかと私は思います。

 --そう考えると、延命効果が少しある程度の抗がん剤治療や、さまざまな延命治療は、むなしい感じがしますね。

 大津 抗がん剤で根治する可能性がある白血病などを別にして、そうした治療を受けること自体では、人生の満足度は変わらないと思います。それは本質ではないでしょう。残された時間でどう生きたいかが大切で、ほとんどの方にとって本来、生きる目的はただ命を延ばすことではないはずです。抗がん剤を使って、その間にたくさん旅行に行こう、家族と一緒の時間をなるべく過ごそう、そういう方にとって抗がん剤は有益なものです。けれども、「治ること」だけが目的だと、それはほぼ裏切られますので、結局満たされることは難しい。抗がん剤の副作用で、かえって辛い目にあったのではないか、と後悔される方もおられます。

 自分が治療を受ける意味は何か、こういうことを話しあい、「私はこれがしたいからまだ生きたい」とか、「今の自分にとって、治療はもうそれほど重要ではない」とか率直に話せるようになれば、救われる人も多くなるでしょう。

 時が来て死んでいくこと自体に善悪はありません。医療者やご家族の一部が死を必要以上にタブー視していることが、患者さんの孤独を招いていると思います。皆が迎える死はタブーでも何でもありません。むしろ私たちはよき人生のために、タブー視しないで話し合うべき時代を迎えているのだと思います。それが世界で高齢化社会をリードし、2040年には年間170万人が亡くなる(現在は114万人)」死の大国」たる日本が率先して行い、範を示していくべきものでしょう。

 15年前に、がんの告知はタブーでしたが、今は告知することが当たり前になっています。それと同じように、今は死がタブーでも、世の中は変わっていくと思います。(おわり)

[医療情報] どこでもMY病院、電子版お薬手帳などからスタートか

2011年3月1日 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部 医療情報化に関するタスクフォース(第8回 2/28)《首相官邸》

  政府が2月28日に開催した、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)の医療情報化に関するタスクフォースで配付された資料。この日は、どこでもMY病院について、運営主体に関するルールや具体的イメージを議論したほか、報告書骨子案が事務当局より提示されている。

  どこでもMY病院は、標準化された電子的医療情報等を、情報提供機関が、医療機関や患者・国民に提供できる環境を実現する構想のこと。情報提供機関には、膨大な分量の、きわめてセンシティブな診療・健康情報が集積されるため、厳格なルールの下で情報を取扱う必要がある。この日は、事務当局から、そのルール案が提示されている。たとえば、個人情報の安全管理については、当面、既存の医療分野の個人情報保護ガイドラインを準用するが、情報内容に応じた見直しが検討される予定だ。また、個人情報の利活用については、(1)個人が診療に役立てる場合などは、「一次利用」として認める(2)匿名化による「二次利用」は禁止する(3)レセプト情報等の提供について制度改正等が整った場合には、匿名化情報の利活用を再検討する-としている(p6-p9参照)。

  どこでもMY病院の具体的イメージとしては、第1期サービス(2013年度)では「電子版お薬手帳」から、第2期サービス(2014年度以降)では「個人参加型疾病管理への活用」からスタートしてはどうかとの提案が事務当局からなされている(p52-p80参照)。

  さらに、この日は、二次医療圏を超えた地域連携ネットワークの拡大についても議論が行われた。これは、既存の中核病院を中心としたネットワークではコストや利便性の面から限界があるため、都道府県単位で共通データベースを構築・運営し、広域ネットワークを一元管理するというもの。この際、委員からは「都道府県レベルで、医療情報連携を推進するための地域協議会を設置してはどうか」との意見が出されている。協議会は、情報連携のためのハブ機能、連携パス情報の提供、診療情報提供書保管サービスなどを行うことが構想されている(p81-p102参照)。

接種で痛み、情報収集要請 子宮頸がんワクチン

2011年3月1日 提供:共同通信社

 子宮頸(けい)がんの予防ワクチンの接種で、重い副作用として強い痛みが相次いで報告されているため、厚生労働省は28日、製造販売するグラクソ・スミスクラインに、海外での副作用発生状況などの情報を収集し、提供するよう求めることを決めた。

 2009年12月の発売開始から今年1月末までに、約101万回が67万人(推定)に接種され、入院相当以上の重い副作用などの報告は225件(99人)。この日開かれた厚労省の調査会は「全体としては現時点で安全性に重大な懸念はない」と結論付けた。

 ただ、調査会委員の医師らは、副作用の中で「注射部位の痛み」(10件)の多さを重視。さらに、最も多かった「失神」(21件)にも痛みが原因になったものが混じっているのではないかとの指摘もあり、詳しい情報を集めることにした。

インフルワクチン懸念なし 今季分で厚労省

2011年3月1日 提供:共同通信社

 今シーズンのインフルエンザ予防接種の副作用について、厚生労働省の調査会は28日、「現時点で安全性に重大な懸念はない」との結論をまとめた。

 使われたのは、新型、季節性のA香港型、B型の3種類を混合したワクチンで、昨年10月~今年1月に約5100万回分が出荷され、医療機関から報告された入院相当以上の重い副作用は123人、うち死亡は16人だった。

 昨シーズンは、新型用のワクチンが約2300万回分出荷され、重い副作用は416人、うち死亡は133人。減少の原因について、厚労省は「明確には分からないが、昨シーズンは接種時期に流行のピークが重なり、副作用報告の中にインフルエンザの症状が紛れ込んでいたのではないか」としている。

医薬品安全対策検討へ

2011年3月1日 提供:毎日新聞社

ファイル:医薬品安全対策検討へ

 厚生労働相の諮問機関・厚生科学審議会は28日、肺がん治療薬「イレッサ」で多数の副作用による死者が出た問題などを受け、医薬品の安全対策の強化に向け話し合う医薬品等制度改正検討部会を新たに設置することを決めた。添付文書(医師向けの説明書)の記載の在り方や迅速な承認などについて検討し、同省は12年の通常国会に改正薬事法案などの提出を目指す。

幹細胞培養液で脳梗塞回復 名古屋大、ラットで実験

2011年3月1日 提供:共同通信社

 人の乳歯の幹細胞を培養した液体を脳梗塞のラットに投与し、運動機能を回復、脳梗塞の範囲を縮小させることに名古屋大の上田実(うえだ・みのる)教授らが成功した。詳しいメカニズムは不明だが、液体に含まれるタンパク質が脳の細胞の修復を促したとみている。

 機能が損なわれた臓器や組織の再生医療として、細胞の移植などが考えられているが、細胞自体は使わない新たな治療法となる可能性がある。

 3月1日から都内で始まる日本再生医療学会で発表する。

 上田教授らは幹細胞を培養後、幹細胞を取り出して液体だけをろ過、濃縮し、保存のため凍結乾燥し粉末にした。これを生理食塩水に溶かし、脳梗塞のラットの脳に直接投与すると、全く動かなかった足が6日後には動くようになった。

 ラットの鼻に、この培養液を2週間、毎日投与する方法でも同様に運動機能が回復した。鼻の粘膜を通じ脳に到達するらしい。脳梗塞の範囲は、液体を投与しないラットの約3分の1になった。

 液体には乳歯幹細胞が出すタンパク質が含まれ、神経細胞の保護や血管の誘導、脳内の別の幹細胞の働きを促すなどの作用をしているとみられるという。

 上田教授は「細胞を使う場合に比べ、安全性が高くコストも安い。製剤化できるので、脳梗塞や脊髄損傷の急性期の患者にも使える可能性がある」と話している。

iPSから高効率に心筋 再生医療に期待、京都大

2011年3月1日 提供:共同通信社

 さまざまな組織になれるとされるヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)に免疫抑制剤として知られる「サイクロスポリンA」という物質を加えて培養し、高効率に心筋細胞を作ることに京都大iPS細胞研究所の山下潤(やました・じゅん)准教授らのチームが成功し28日、発表した。

 これまでの胚性幹細胞(ES細胞)の研究で、ヒトではマウスと比べ心筋細胞ができる効率が低いことが分かっていた。

 チームは「正常なものに近い心筋細胞を効率よく作る技術を確立できた。心筋細胞移植などの再生医療や新薬開発に貢献できる」としている。

 チームは、マウスiPS細胞をサイクロスポリンAを加えて培養すると、加えない場合の約12倍の心筋細胞ができることを発見。ヒトiPS細胞でも、培養を始めて12日目には拍動する心筋細胞の数が、加えない場合に比べ4倍以上に増えた。

 ヒトiPS細胞からできた心筋細胞は10カ月以上拍動し、心臓の心室の細胞と同じ性質を持っていた。「Z帯構造」という心筋細胞の特徴を持っていることも確認した。

 成果は米科学誌プロスワン電子版に掲載された。
iPSから高効率に心筋 再生医療に期待、京都大

2011年3月1日 提供:共同通信社

 さまざまな組織になれるとされるヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)に免疫抑制剤として知られる「サイクロスポリンA」という物質を加えて培養し、高効率に心筋細胞を作ることに京都大iPS細胞研究所の山下潤(やました・じゅん)准教授らのチームが成功し28日、発表した。

 これまでの胚性幹細胞(ES細胞)の研究で、ヒトではマウスと比べ心筋細胞ができる効率が低いことが分かっていた。

 チームは「正常なものに近い心筋細胞を効率よく作る技術を確立できた。心筋細胞移植などの再生医療や新薬開発に貢献できる」としている。

 チームは、マウスiPS細胞をサイクロスポリンAを加えて培養すると、加えない場合の約12倍の心筋細胞ができることを発見。ヒトiPS細胞でも、培養を始めて12日目には拍動する心筋細胞の数が、加えない場合に比べ4倍以上に増えた。

 ヒトiPS細胞からできた心筋細胞は10カ月以上拍動し、心臓の心室の細胞と同じ性質を持っていた。「Z帯構造」という心筋細胞の特徴を持っていることも確認した。

 成果は米科学誌プロスワン電子版に掲載された。
iPSから高効率に心筋 再生医療に期待、京都大

2011年3月1日 提供:共同通信社

 さまざまな組織になれるとされるヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)に免疫抑制剤として知られる「サイクロスポリンA」という物質を加えて培養し、高効率に心筋細胞を作ることに京都大iPS細胞研究所の山下潤(やました・じゅん)准教授らのチームが成功し28日、発表した。

 これまでの胚性幹細胞(ES細胞)の研究で、ヒトではマウスと比べ心筋細胞ができる効率が低いことが分かっていた。

 チームは「正常なものに近い心筋細胞を効率よく作る技術を確立できた。心筋細胞移植などの再生医療や新薬開発に貢献できる」としている。

 チームは、マウスiPS細胞をサイクロスポリンAを加えて培養すると、加えない場合の約12倍の心筋細胞ができることを発見。ヒトiPS細胞でも、培養を始めて12日目には拍動する心筋細胞の数が、加えない場合に比べ4倍以上に増えた。

 ヒトiPS細胞からできた心筋細胞は10カ月以上拍動し、心臓の心室の細胞と同じ性質を持っていた。「Z帯構造」という心筋細胞の特徴を持っていることも確認した。

 成果は米科学誌プロスワン電子版に掲載された。

幹細胞治療 「未承認行為認めず」 再生医療学会、会員に勧告へ

2011年3月1日 提供:毎日新聞社

幹細胞治療:「未承認行為認めず」 再生医療学会、会員に勧告へ

 日本再生医療学会(理事長、岡野光夫(てるお)・東京女子医大教授)は28日、理事会を開き、薬事法による承認や保険適用を受けていない幹細胞治療に関与しないよう会員を対象に勧告を出すことを決めた。勧告は3月2日、全会員3475人(2月21日現在)に配信する。安全性や治療効果が確立していない、不適切な治療による健康被害が広がることを懸念し、注意喚起するのが狙い。同学会が勧告を出すのは初めて。(3面に「質問なるほドリ」)

 日本では、人間の幹細胞の取り扱い方を定めた指針に沿った臨床研究や、薬事法に基づく治験といった正規の手続きを踏まなくても、研究段階の治療を医師の裁量で行うことが認められている。

 勧告文では、正規の手続きを経ないまま「医師の裁量権」を根拠に、幹細胞を血液中に入れたり、患部に移植する「医療と称する行為」が行われていると指摘。さらに、それらの不適切な幹細胞治療を海外から訪れた患者に施す「医療ツーリズム」によって医療事故が発生しているとして、指針に沿わず、臨床研究や治験を経ていない幹細胞治療などの再生医療を「断固容認しない態度」を認識するよう求めた。

 岡野理事長は「正規の臨床研究や治験が厳しい基準のもとで行われている一方で、自由診療で効果のはっきりしていない治療行為が野放しになっている。患者を守るため、不適切な幹細胞治療はしないことを会員に強く求めたい」と話す。【須田桃子、八田浩輔】

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 ■解説

 ◇安易な実施懸念、信頼損なう恐れ

 日本再生医療学会が、不適切な幹細胞治療を容認しない強い姿勢を打ち出した背景には、科学的根拠が低く、安全性が疑問視される幹細胞治療が想像を超えるスピードで広がっている現実がある。実際には研究段階ながら、美容整形や糖尿病などで幹細胞治療の実施をホームページなどに掲げる医療機関は全国各地に存在する。学会は「安易な実施が、幹細胞治療自体への信頼を損なう恐れがある」と危機感を強めている。

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使った幹細胞治療は、再生医療の切り札として、難病患者らの期待が高い研究分野だ。一方、例えば骨髄や脂肪細胞から作られ、美容整形などで多く使われている「間葉系幹細胞」は、そもそも粘着性が高く、塊を作りやすい特徴がある。動物実験では、血管が詰まって死ぬ重大な副作用が確認されている。

 学会の勧告には、強制力はない。しかし、現場の医師は患者に対し、治療の危険性も含めた説明を尽くす責任を負ったと言える。【永山悦子、八田浩輔】

9割が「決断難しい」 栄養補給、中止経験も4割 認知症の末期患者で医師

2011年2月28日 提供:共同通信社

 認知症の末期で食事を取れなくなったお年寄りに対し、胃に穴を開ける「胃ろう」や点滴で水分と栄養を補給することについて、医師の約9割が取り組むかどうかの決断に難しさを感じ、始めた後も4割以上が途中でやめた経験があることが27日、日本老年医学会の調査で分かった。

 調査を担当した東大大学院の会田薫子(あいた・かおるこ)特任研究員(死生学)は「栄養補給の手段がありながら実施しないことに抵抗を覚えるのは自然な感情。補給するとかえって患者の苦痛が増したり、家族から『自然にみとりたい』と懇願されたりすることもある。どちらを選ぶか医師は悩んでいる」と分析している。

 今回の調査対象は、認知症末期患者への胃ろうや点滴による水分と栄養の補給。「方針を決める際にどの程度の困難を感じたか」の問いに「非常に感じた」が16%、「ある程度感じた」が46%、「少し困った」は27%で、約9割が何らかの抵抗を感じていた。「感じなかった」は6%。

 補給を始めた後、中止した経験は「なし」が53%、「あり」は44%。

 補給するかどうかの決定が困難な理由(複数回答)は「本人の意思が不明」(73%)が最も多く、「口から食べさせることによる肺炎や窒息の危険」(61%)、「家族の意思が統一されていない」(56%)の順。「補給を控えることの倫理的問題」(51%)、「補給に踏み切る判断基準」(45%)、「補給することに関する倫理的問題」(33%)のほか、「刑事面での問題」(23%)、「民事訴訟の懸念」(14%)と法的な問題を挙げた人もいた。

 中止を決めた理由(複数回答)は「下痢や肺炎を起こすなど医学的理由」(68%)に続き、「家族が中止を強く望んだ」(43%)、「継続は患者の苦痛を長引かせると判断した」(23%)など。

 昨年10~11月、学会の会員医師4506人に調査用紙を郵送し、1554人から有効回答を得た。医師の勤務先は病院や療養型医療施設、老人保健施設など。

治療中止7%の病院が経験 回復困難な子どもの患者 「家族に選択肢示す」60%

2011年2月28日 提供:共同通信社

 救命したが回復が見込めない子どもの救急患者に、投薬量を減らしたり人工呼吸を止めたりする「延命治療の中止」をしたことがある病院は7%、投薬量を現状より増やさないなどの「差し控え」は34%が経験したとの調査結果を、阪井裕一(さかい・ひろかず)国立成育医療研究センター総合診療部長らの研究班が26日までにまとめた。

 今後そうした患者の家族に、選択肢として治療中止や差し控えを示す可能性があるという医師は、60%以上だった。

 終末期の子どもに延命治療を続けると、子どもの尊厳を冒す場合もあると考える医師もおり、研究班は、その一端がうかがえる結果とみている。

 調査では、中止や差し控えに関する法律や指針などの公的システム整備を求める声が強く、治療の選択を判断する医療現場の戸惑いも浮かび上がった。

 研究班は2009年、日本小児科学会と日本救急医学会の約950の専門医研修施設にアンケート。498施設から回答があった。

 過去3年間に、臨床的に脳死と判断した15歳未満の子どもがいたのは37%。延命治療の中止経験は7%で5例以上が5施設、差し控えは34%で10例以上が20施設あった。

 この498施設の小児科医らに昨年再びアンケートし、255人が回答。治療中止・差し控えが許される医学的条件として、60%以上の人が「臨床的脳死」を選んだ。脳死と判断した後の対応は「治療差し控えや中止の選択肢があるべきだ」「基本的に家族の希望に沿う」がそれぞれ半数以上だった(複数回答可)。

 選択肢として家族に示す可能性があるのは「人工呼吸の中止」が61%、「循環維持薬などの減量」が69%、「心臓マッサージをしない」が91%などだった。

ブタ膵臓 体内で再生、東大・明大が成功 大型動物で初

2011年2月27日 提供:毎日新聞社

ブタ膵臓:体内で再生、東大・明大が成功 大型動物で初

 生まれつき膵臓(すいぞう)ができないブタの体内で、完全なブタの膵臓を作ることに東京大と明治大のチームが成功した。大型動物では世界初。同チームは将来、ブタの体内でヒトの膵臓を作る研究を計画しており、実現に向けて前進した。東京で開かれる日本再生医療学会で3月2日に発表する。

 チームはまず、遺伝子操作で膵臓を作れないブタを作り、その体細胞を利用して「クローン胚」と呼ばれる受精胚を作った。一方、正常な膵臓を作れるブタの体細胞からもクローン胚を作成。この中の細胞を、遺伝子操作ブタのクローン胚に注入した。異なる遺伝情報を持つ細胞が混在した、この状態の胚は「キメラ胚」と呼ばれる。

 このキメラ胚を、代理母ブタの子宮に入れ、出産させたところ、誕生した4匹の子ブタはすべて、正常な膵臓を持ち、血糖値を正常にコントロールした。これとは別に、胎児の段階で子宮から取り出して調べた7匹にも膵臓があり、100%、正常なブタの細胞に由来していた。この結果からチームは、本来できないはずの膵臓が、正常なブタの細胞によって再生され、機能すると結論付けた。

 責任者の中内啓光・東大医科学研究所教授(幹細胞生物学)らは昨年、同様の手法を使ってマウスの体内でラットの膵臓を作り出すことに成功している。今回、その原理が大型動物でも通用することが示された。

 二つの成果を発展させ、膵臓を作れなくしたブタのクローン胚に、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を注入すれば、ブタの体内でヒトの膵臓ができる可能性がある。しかし、国内の規制によって、動物とヒトとのキメラ胚を子宮に入れることは禁じられている。中内教授は「予想を上回る速さで研究が進んでいる。規制を見直してほしい」と話す。【須田桃子】

細胞での「人工心臓」に期待…生体外で心筋組織

2011年2月28日 提供:読売新聞

 心臓の細胞をシート状にする技術を用いて、血管が通った心筋組織を生体外で作ることに、東京女子医大と早稲田大のチームが成功した。

 人工的な心臓作製につながる技術で、数年以内には医薬品の効果や副作用を調べる薬理試験への応用を目指す。3月に東京で開かれる日本再生医療学会で発表する。

 心筋の細胞シートでは、ラットの背中に貼り付け、毛細血管が通った心筋を再生することに成功している。一方、生体外でシートを作る技術では、栄養を運ぶ血管を通すことができず、心臓作製を阻んでいた。

 東京女子医大の岡野光夫教授と清水達也准教授らは、微少な流路をつくったコラーゲンを土台にして、その上にシートを載せた。シートに血管の基になる細胞を加え、流路に特定のたんぱく質を培養液として流すことで、毛細血管が通った心筋組織を作り出した。

iPSで毒性検査チップ 心臓再現、新薬開発で利用

2011年2月28日 提供:共同通信社

 万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心筋細胞を並べネットワークを構成、心臓に近い状態を再現し、新薬の毒性を調べるチップを東京医科歯科大生体材料工学研究所の安田賢二(やすだ・けんじ)教授らが開発した。

 薬の心臓への副作用を正確に予測でき、既に海外の大手製薬会社数社が、このチップを利用する動きがあるという。安田教授は「人の心臓の一部を直接チップ上で測っていることと同じで、この方法が確立できれば新薬の開発段階で動物実験をしなくても、人の臨床試験に進める可能性がある」と話している。

 3月1日から都内で開かれる日本再生医療学会で発表する。

 安田教授らは、ガラス基板に直径1ミリ程度のリング状の電極を置き、約千個の人の心筋細胞を規則的に配置。それぞれの細胞の電位と、細胞間の電気的興奮の伝達状態を把握することができ、「心電図」を取ることに成功。毒性のある物質を添加すると、不整脈を起こすことを確認した。

 今後は薬の副作用で不整脈が起きる病気の患者のiPS細胞から心筋細胞を作製し、このチップに応用したいという。

 製薬会社にとって、新薬候補の物質に毒性があるかどうかを早い段階で見極め、重大な副作用を未然に防ぐことが重要。毒性検査にiPS細胞を利用する研究が急速に進んでいる。

岡山・ロボットスーツ無料貸与 歩行リハビリに活用

2011年2月28日 提供:毎日新聞社

ロボットスーツ:無料貸与 歩行リハビリに活用--岡山

 岡山県は4月から、足が不自由な人の歩行を助けるロボットスーツを県内の病院や施設に無料で貸し出す事業を始める。筋力が衰えた高齢者や脳卒中患者のリハビリへの活用の可能性を探る。地方自治体によるロボットスーツ普及支援は全国初で、予算は3年間で約6200万円。県は「ロボット大国・日本の有望株に先行投資して新産業を誘致したい」としている。

 貸し出すロボットスーツは「HAL」。「ハイブリッド補助手足」を意味する。開発した筑波大の山海嘉之教授が岡山市出身という縁で普及支援を決めた。全身型(重さ約23キロ)と下半身型(同約15キロ)があり、山海教授が設立したベンチャー企業「サイバーダイン」(茨城県つくば市)が09年からレンタル販売し、全国で約160台が稼働している。

 HALは白い樹脂でカバーした近未来型デザイン。皮膚に付けたセンサーが、脳が出す電気信号を感知すると、股や膝など関節部分にあるモーターが動いて、人間の動きを補助する。

 県は下半身型HALを、年間20台前後貸し出す。従来のリハビリ装具に比べてリハビリ期間の短縮につながるか、脊髄(せきずい)損傷など重度のリハビリへの対応ができるかなどを調べる。【井上元宏】

医療現場に仏教を、「臨床僧」誕生 介助法など習得、今夏までに派遣開始

2011年2月28日 提供:毎日新聞社

心のページ:医療現場に仏教を、「臨床僧」誕生 介助法など習得、今夏までに派遣開始

 患者やその家族が、心穏やかに過ごすための手助けをしようと、僧侶の有志の会「臨床僧の会・サーラ」が今月16日、京都市で発足した=写真は発足の会。代表は、禅僧で医師でもある対本(つしもと)宗訓さん(56)。対本さんは臨済宗仏通寺(広島県)派の管長まで務めたが「医学が扱う生命と、宗教が説く『いのち』の双方を知りたい」と、45歳で帝京大医学部へ入学し医師になった。

 「医学部の6年間、命という言葉がほとんど出てこなかった。科学だけでは、患者の『死んで私はどこへ行くのか』という質問に答えられない。かと言って、衣を着た僧侶がいきなり病室で説法しても患者には届かない。日常の言葉で法を説く力が求められる」

 しかし、免疫力が低下している患者もおり、知識なく病室に入るのは危険だ。そこで会では、参加希望の僧侶にヘルパーなどの資格を取ってもらう。さらに人体の基本的な仕組みや医療倫理の基礎を研修し、病院で実習する。教義や説法は脇に置き、まずは食事や入浴の介助、花壇の手入れなどを通して汗をかき、患者に信頼してもらう道を取る。

 多くの病院にとって僧侶は葬式イコール死のイメージが強く、白眼視されがちなゆえ、僧侶の派遣を長続きさせるシステムづくりを重視しているという。

 僧侶の宗派は問わないが、現在は臨済宗の禅僧約30人が参加を希望している。長野県下諏訪町の福田精裕・慈雲寺住職(43)は、僧堂で修行中に父母が相次いで病気で倒れ、見送った経験がある。「修行してはいても、介護中は精神的に参った。死期が近づいたり、介護が長引いて苦しんでいる人を今度は助けたい。求められれば、人は死ななくてはならず、死は受け入れるべきものだと語らせていただく」と話した。

 事務局長の児玉修さん(63)の口調は厳しい。「エリートコースを歩んだ傲慢な医者と、悩み苦しむ人に対して何もしない怠慢な僧侶、どちらも動かすのは大変だ。当面は、貴重な残り時間を無為に過ごさざるを得ない終末期の患者のために働く。決してボランティアではなく、死を語れる存在の僧侶として受け入れてくれる病院を探している」。今夏までに派遣を開始する予定。事務局の電話とファクスは(075・954・1005)。【鶴谷真】

365日、家族ごと支える はざま埋める多機能ホーム 「いのちのコンパス-認知症・そのとき何が」7回続きの(6)

2011年2月28日 提供:共同通信社

 「家に帰ってくると、やっぱり安心するんですよ」。福岡県大牟田市の八巻徹(やまき・とおる)さん(87)=仮名=は、和室のベッドで眠る妻節子(せつこ)さん(86)=同=に目を向けた。日が沈み、薄暗くなった室内を電球の黄色い光が照らす。徹さんの言葉に、節子さんを送り届けた小規模多機能ホーム「いまやまの家」のホーム長、松嶋明子(まつしま・あきこ)さん(58)の顔にも自然と笑みが広がった。

 ホームは365日態勢。利用者の希望や生活スタイルに合わせられるのが売りだ。泊まっても、通ってもいい。細かな決まり事はない。特別養護老人ホームなどの入所施設と、自宅介護の"はざま"を埋める小規模多機能ホームは、全国で整備が進む。

 節子さんは認知症の症状が進み、会話も難しい状態。週の半分はホームに泊まり、残りの半分は徹さんたっての希望で自宅で夜を過ごす。棚に飾られた写真は、並んで立つ若いころの2人だ。

 「この家には、思い出がたくさん詰まっているんでしょうね」

 松嶋さんは4年前、徹さんの体調が一時的に悪化した際、節子さんを施設に入所させるか尋ねた。徹さん自身、脚が悪く、右耳がほとんど聞こえない。掃除や買い物はヘルパーが頼り。だが、徹さんはきっぱりと答えた。

 「あんたのところがよければ、死ぬまで見たい」。松嶋さんは「もちろん協力しますよ」と約束した。今は節子さんの分に加え、徹さんにも毎日、夕食の弁当を作って届ける。「患者だけでなく家族のケアも大切な仕事。家族が喜んでいる瞬間が、一番うれしい」

 子育てが一段落した30代で、人の役に立ちたいと看護師になった松嶋さん。民間の医療法人に就職し、病院勤務から2000年にデイケア部門に移った。「そこで、どうしても手が届かない部分があることを知った」

 今も忘れられないのは、認知症のためデイケアに通っていた冗談好きのおばあちゃんのこと。職員からも他の利用者からも愛されていたが、同居の家族との会話は少ないように見え、職員も家族と接する機会はほとんどなかった。

 知り合って1年ほどが過ぎた夏。デイケアはお盆の3日間が休みだったため、松嶋さんは「元気にしとってね」と声をかけた。また、すぐに会えると思っていたから。

 休み明けの日は朝から強い雨が地面を打った。自宅に迎えに行った職員の電話が異変を告げる。すぐに駆けつけると、和室の簡易ベッドの上で、おばあちゃんは亡くなっていた。家族は外出中。

 「もっとフォローできていれば...」。宅配の夕食を一人で食べる姿が今も目に焼き付いている。

 小規模多機能ホームは06年に医療法人が開設。現在利用者16人に、職員11人。ホームだけでみると赤字だが、家族も含めてきめ細かく目配りし、以前よりやりたいことができるようになった。

 大事な家族との時間。「ともに過ごすことに意義があると思う」。少しでも長く一緒にいられるよう、できることは何でもしてあげたい。

3人に1人が持つ生活習慣病 痔/1 あなたの処方箋/97

2011年2月28日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/97 痔/1 3人に1人が持つ生活習慣病

 多くの人が悩む痔(じ)。国の国民生活基礎調査(07年)によると、国内で「痔による痛み、出血などがある」人は18万人だが、恥ずかしさなどから症状を訴えない人が多いとみられる。平田肛門科医院(東京都港区)の平田雅彦院長は「痔は3人に1人が持つとも言われる生活習慣病だが、日本人はタブー視する傾向が強く、正しい情報が伝わりにくい」と指摘する。

 痔は肛門の炎症が原因で起こり、主に痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)の3種類がある。

 痔核は、肛門内の細い血管が集まってできたクッション組織に、排便で強く息むなど繰り返し負担をかけると、うっ血して肥大化し、いぼのように膨らんで垂れ下がる症状を指す。排便時に血管が破れて出血する場合もある。肛門内にできるものを内痔核、外側なら外痔核という。平田医院が90年から10年間の患者約1万人を調べたところ、男女とも痔核が約6割と最も多く、そのほとんどは内痔核だった。

 内痔核は悪化すると、排便時の息みで痔核が肛門の外に出てきて戻らなくなる。平田院長は「排便時に痛みがないのに出血したり、肛門に何かがぶら下がった感じで残便感がある場合は内痔核を疑い、早めに治療した方がいい」とアドバイスする。

 裂肛は硬い便を無理に出そうとする時などに肛門の上皮が切れて、激痛や出血を伴う。便秘になりやすく出産もする女性に起こりやすい。痔ろうは肛門の周囲からうみが出て尻が腫れ、激痛や38度以上の発熱を伴う。下痢が勢いよく出る際に肛門内のくぼみ「肛門腺窩(か)」に便が入り込み、肛門腺が大腸菌などに感染した場合に起こる。(福永方人が担当します)=つづく

B型肝炎 ウイルスの増殖を抑える新薬が登場

2011年2月27日 提供:毎日新聞社

医療ナビ:B型肝炎 ウイルスの増殖を抑える新薬が登場

 ◆B型肝炎 ウイルスの増殖を抑える新薬が登場

 ◇治療現場は様変わり 主流はインターフェロン→核酸アナログ製剤

 ◇体への負担小さく、経済的 検査体制の整備が課題

 全国のB型肝炎患者らが予防接種時の注射器の使い回しが感染の原因だとして、国に損害賠償を求めている「B型肝炎訴訟」。裁判所の和解勧告についての報道とともに、B型肝炎という病気そのものへの関心も高まりつつある。ウイルスの増殖を抑制する新薬も登場し、ここ数年の間に、治療の現場も大きく変化している。

 「私も予防接種が原因で肝炎になったんでしょうか?」。肝臓病患者の治療を数多く手がける関西医大滝井病院(大阪府守口市)。訴訟の報道が増えるとともに、同病院の肝疾患センター長を務める関寿人副院長の外来では、こうした疑問を投げかける患者が増えているという。

 B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)に感染することで起こる肝臓病だ。感染すると肝機能が弱まり、症状が進むにつれ肝臓の組織が破壊され、肝硬変や肝がんにつながり、生命を脅かす。感染は血液や体液などを介して起こる。厚生労働省によると患者は全国約7万人。持続的に感染している「キャリアー」は約110万~140万人と推定されている。

 ヒトの免疫系は15歳ごろに確立されるが、この時期以降にウイルスに感染すると、急性肝炎を発症し、体のだるさや黄だんなどの症状が表れる。一方、出産の際に母親から感染したり、免疫が発達していない幼少期に感染するとキャリアーになりやすい。肝硬変になる確率は年2%。がんになる確率は年1・2~8・1%という。

 B型肝炎がやっかいなのは、病状が進行しても自覚症状はない点だ。痛みなど症状が出たときはすでに肝硬変や肝がんに悪化し、重症化している可能性もある。関副院長は「気づいたときはすでに末期がんというケースもある」。中高年だけでなく、30代で重症化するケースもあり、注意が必要だ。

   ■   ■

 治療法としてはこれまでインターフェロン治療が一般的だった。これを大きく変えたのが「核酸アナログ製剤」という抗ウイルス薬の登場だ。B型肝炎ウイルスは肝臓でDNAを複製しながら増殖し、症状を進行させる。核酸アナログ製剤はDNAの複製を阻むように作用し、ウイルスの増殖を抑え込む仕組みだ。ウイルスそのものを薬によって除去するわけではない。

 核酸アナログ製剤は登場以降数年で治療の主流になり、現在は3種類が認可されている。B型肝炎に詳しい関西労災病院(兵庫県尼崎市)の林紀夫院長は「肝炎の症状が進行するのを食い止めることができる薬」と評価する。

 このうちもっとも新しいのが「エンテカビル」(商品名バラクルード)だ。抗ウイルス薬を飲み続けるとウイルスに変異が生じ、薬が効かなくなるケースもあるが、変異が表れる率はこれまで主流だったもので4年で約60%。一方、エンテカビルは1%台と大幅に低くなっているという。

 飲み薬で服用も1日1回でよく、副作用の大きなインターフェロン治療と比べ、体への負担が小さいのも利点だ。厚労省のB型肝炎治療ガイドラインでも、35歳以上の慢性患者には最初に投与すべき治療薬としてエンテカビルが挙げられている。各自治体の補助もあり、全国的に1万~2万円の自己負担で服用することができ、患者にとって金銭的な負担も少ない。

 年齢制限があるのは、妊娠中の女性が使うと、胎児の奇形を招く恐れがあるためで、35歳未満の場合は、インターフェロン治療がガイドラインでも推奨されている。

   ■   ■

 感染しているかどうかは血液を調べれば分かるが、企業などが実施する健康診断の血液検査には、HBV検査は含まれていない場合が多い。林院長は「感染者のうち血液検査をした人は約3割と推定される」と話す。つまり約7割は感染に気づいていないということだ。

 厚労省も肝炎対策について基本指針を策定中だ。今月10日には、同省の審議会「肝炎対策推進協議会」に、すべての国民が少なくとも1回は肝炎ウイルス検査を受けるための体制整備を図ることを明記した指針案を提示した。同協議会の会長でもある林院長は「B型肝炎から肝がんになって亡くなる人は年間約5000人おり、ここ数年減っていない。多くの人が検査をすべき現状に変わりはない」と話した。【曽根田和久】

華岡青洲の功績 Dr.中川のがんから死生をみつめる/96

2011年2月27日 提供:毎日新聞社

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/96 華岡青洲の功績

 先日、和歌山県紀の川市を訪れました。目的の一つは、江戸時代の医学者、華岡青洲の足跡をたどることでした。

 青洲は200年以上も前の1804年に、世界で初めて、全身麻酔による手術を実施したことで有名です。西洋でエーテルによる全身麻酔がされるより、40年以上も前のことでした。洋の東西を問わず、画像診断などなかった時代、がんと言えば「乳がん」を指しました。がんの「外科手術」もまた、乳がんを中心に続けられていました。

 しかし、麻酔がなかった時代の手術は「拷問」でした。痛みに耐えかねて泣き叫び、暴れる女性を、押さえつけて実施する手術がうまくいくはずはありません。当然、治療結果も惨憺(さんたん)たるものでした。

 青洲が考案した全身麻酔は、西洋式のガスの吸入や、静脈からの注射を使うものではありませんでした。朝鮮アサガオやトリカブトなど、自宅兼医院だった「春林軒」の周りに自生していた薬草を調合した「通仙散」によるものでした。

 僕は、科学者でなければ名医にはなれないと思っていますが、青洲も「実験科学者」でした。動物実験を繰り返したため、春林軒のあった「平山の里」から犬が消えたと言われたほどです。さらに、母と妻の協力を得て、人体実験を繰り返し、20年に及ぶ研究を経て、通仙散は完成しました。しかし、妻は、副作用によって失明してしまいます。この話は、有吉佐和子の小説「華岡青洲の妻」で有名です。

 乳がんの麻酔手術の最初の患者は、大和国五條(現・奈良県五條市)から紀州までやってきた「勘」という60歳の女性でした。手術は成功し、勘は二十数日で故郷へ帰ることができたそうです。

 その後、青洲の名は日本中に知れ渡り、全国から乳がん患者が集まりました。青洲が手術した乳がん患者は152人に上り、その功績によって紀州徳川家の侍医も命じられました。しかし、青洲は平山での「町医者」を続け、飢饉(ききん)の年には私財をなげうって貯水池を作るなど、常に民衆に寄り添いました。見習いたい真の臨床医の姿です。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

漢方最前線(5)高齢社会に養生の知恵

2011年2月25日 提供:読売新聞

 「おなかの底から、気味の悪い冷気がどっと上がってきて、動悸(どうき)が止まらない」

 「のどの奥に梅干しのタネのようなゴロゴロしたものが詰まって、せきをしても取れない……」

 診療室では時々、びっくりするような訴えがある。臨床検査を繰り返してもこれといった原因が見当たらず、医師、患者双方が苦しむケースも多い。

 平馬直樹・日本医科大学講師(58)は、現代医学では相手にされないような症状でも、漢方医学には治療の手がかりがあるという。

 「それぞれ奔豚気(ほんとんき)病、梅核気(ばいかくき)と呼ばれる症状。現在ではパニック症候群や自律神経失調症に属しますが、昔からこうした患者がいたのでしょう。中国・漢時代から治療法が記録されています」。「気」の巡りを改善させる治療薬で、症状が軽減する例も多いという。

 漢方医療には内科、精神科などの診療科はない。心と身体をことさら区別しない「総合診療」が持ち味だ。「医療の根幹をになうのは西洋近代医学。漢方は、野球でいえば外野の外の球拾いの役割です。でも主力陣が持てあます症状の中には、漢方医学で対処できるものもある。両医学をうまく組み合わせることが大切です」と、平馬医師はいう。

 その総合診療の良さが発揮されるのは、高齢者医療だ。そこでは、医師に頼るだけではなく患者本人の健康への自覚も問われる。

 漢方薬はこの30年で日本の医療に広く普及したが、「漢方医学そのものの理解は進んでいない」と、ベテラン医師たちは指摘する。

 丁(てい)宗鉄(むねてつ)・日本薬科大学教授(63)は、「大切なのは養生の知恵です。未病のうちに気づく、節制し、保養すること。年齢と共に臓器や組織にトラブルが起こるのは人の当たり前の姿です。不具合を全部取り除くのではなく、不自由でもその範囲で快適さ、生活の質を維持できればよい。西洋医学も含めて、医療の考え方をこうした方向に組み替えていくべきです」と語る。

 石田秀実・九州国際大学名誉教授(60)は「世界の伝統医学の多くが過去のものとなった中で、中国伝統医学は、心身を全体的に把握するとりわけて豊かなシステムと現実的有効性を持っている」と評価している。その文化資産を上手に活用できるかどうかは、私たちの老後にも大きな影響を与えるだろう。(おわり)(編集委員 小出重幸)

緩和医療医・大津秀一さんインタビュー全文(5)死をタブーにせず、家族と話し合う

2011年2月28日 提供:読売新聞

 --「自分の生きた証しを残さなかった」と後悔することがあるといいます。生きた証しとは何ですか。

 大津 自分の人生で成し遂げたことがある、という思いがあれば、生きた意味や証しになると思います。それを残すためには、人生で成し遂げるべきことを考えて、それに向かって努力することが必要です。

 --生きた証しを残したという意味で、思い出深い患者はいますか。

 大津 中学生と小学生くらいのお子さんがいて、50代だった女性は、「子供に何か残したい」と言って、病床で子供たちの顔をスケッチブックに描きました。手先が器用で、デザインの仕事をしていた彼女は、フクロウの粘土細工も作っていました。それを同じくアートの仕事をしている妹さんが焼いてきて、病室にフクロウが増えていく。並ぶと、彼女の家族のように見えました。

 病室で短歌をつくり、生まれてからのことを歌にした女性もいます。手紙やビデオレターに残す人もいます。自分自身にとっても「伝え終えた」とバトンタッチをした気持ちになるし、残される家族にとっても精神的に大きな支えになります。

 --死をタブーにしないで、家族と率直に語り合うための方法やヒントはありますか。

 大津 「おやじ、もしもの時なんだけどさ」などと切り出すのはなかなか難しい。デリケートな話題ですからね。逆に、親のほうからそういうことを言いだしても、子供たちに「何言ってるんだ」と話を止められたりする。そういう時に、「この本なんだけど」と、僕の本を取り出してくれたらいい。実際にそうやって使ってくれている方もいるようで、とても嬉しく思います。

 --そういう会話をしていた家族は、そうでない場合に比べて、最期を迎える時に違いますか。

 大津 本人や家族も、私たち医療者も楽です。うそをつくのは疲れるし、良心が痛む。率直に真実を語り合ったほうが、その時は衝撃を受けても、結局はみんなで支えあっていくことができる。一度は家族がぶつかり合っても、それを機にわかり合い、まとまることもあります。腫れものに触るように接するほうが、患者は孤独になるし、家族も後悔することになる。

 --普段、死について考えるきっかけはありますか。

 大津 家族や親しい人などの身近な死を大切にすることではないでしょうか。それを機に、自分の人生を点検することも重要だと思います。

 子供がいる40代の女性の死に際して、夫としゅうとめが、「トラウマになるから」と言って、子供を母親の病床に呼び寄せなかった、ということがありました。その子は、母親が死んだという実感がないまま大人になります。母親の存在があいまいなままくすぶり続け、かえって精神的にマイナスになるのではないか、心配です。(続く)

緩和医療医・大津秀一さんインタビュー全文(4)やりたいことした人は輝いている

2011年2月27日 提供:読売新聞

 --大津さんの著書「死ぬときに後悔すること25」では、まず「健康を大事にしなかったこと」をあげています。これを最初に持ってきたのはなぜですか。

 大津 健康をおろそかにしたから、死に至る病になったと考える人が多いからです。人は重病になった時に理由を探し、「親を大事にしなかったから」「先祖の墓参りに行かなかったから」という人もいます。10代、20代でもがんになる人がいて、一言でいうと「運」だとは思うのですが・・・。ただそうやって、健康に気を使わなかったから重病になった、あるいは病院に行かなかったから発見が遅れた、と悔やまれる方がいらっしゃいますね。

 --「治療の意味を見失ったこと」を後悔する人がいるそうですが、どういうことですか。

 大津 50代の経営者で、緩和医療で苦痛がとれて元気になった人がいました。すると「抗がん剤治療を受けたい」と言い出した。「今の体調では危ない」と止めたのですが、「どうしても受けたい」「子供も従業員もいる。絶対死ねない」と言って、自分の友人の病院に転院して抗がん剤治療を受けました。しかし、副作用で状態が急激に悪化して、10日くらいで亡くなってしまった。亡くなる前に、「これでよかったのかな」とおっしゃっていたようです。

 --抗がん剤治療が進歩して、多くの医師は治療を勧めます。患者にとって、逆効果になることもあるわけですか。

 大津 治療を受ける患者が増え、現代の医療システムのゆえもあって診察時間も短い。副作用で、手足がしびれたり、皮膚がむけたりしても医師に言えないし、言っても「治すには仕方ない」と言われたりする。医師が見逃しているだけで、副作用に耐えている人は多いのではないでしょうか。

  • 「自分のやりたいことをやらなかった」という後悔ですが、たとえばどんなことですか。

 大津 終末期になって、家に帰りたい、外食したい、遠くに旅行したいとか、ささいと思えることでも、家族に遠慮してできない人もいます。「まさか自分がこんな病気に」「まさかこんなに早く悪くなるとは」と、まさかだらけです。やろうと思っていたことができなくなってしまう。

 --逆に、やりたいことをしてきた人は輝いているといいます。印象の残っている患者はいますか。

 大津 亡くなる前日に海を見に行った人がいます。ジェットスキーなどマリンスポーツが好きで、海が大好きだった方です。京都から日本海を見に、看護師が同乗して海まで行きました。とても満足そうでした。

 --「故郷に帰らなかったこと」という後悔もあります。死が近くなると、望郷の思いが強くなるのですか。

 大津 死が近くなると、ライフレビューといって、自分の人生を想起します。それが本人の癒やしにもなるのですが、皆さん、自分のルーツからさかのぼって話すことが多い。認知症の人でも、子供のころのことは心に焼き付いています。

 --次に「仕事ばかりで趣味に時間をさかなかった」という後悔について。日本人は働き過ぎということですか。

 大津 自分が思っている以上に、仕事人間の人が多いのではないでしょうか。脳梗塞などで働けなくなった時、趣味など、ほかの引き出しがあれば、乗り越える力になります。

 --「結婚しなかったこと」「子供を育てなかったこと」と、家族をつくらなかったことを後悔する人が多いようです。家族を持つことは人生で大きな事ですか。

 大津 皆がそうであるわけではありませんが、後悔される方の理由は、自分は親に生んでもらったのに、自分は次の世代に継いでいくことができなかったという、不全感のようなものだと思います。子供については、女性は後悔することが多いようです。もちろんそれが人生のすべてではないのですが、女性は本能的にそう感じるのかもしれません。(続く)

緩和医療医・大津秀一さんインタビュー全文(3)長寿になって死が遠ざかった現代

2011年2月26日 提供:読売新聞

 --最期が近いことは、患者本人はわかるものですか?

 大津 そうだと思います。家族が告知を拒否した方から、「先生、隠してもわかります」と言われることはあります。

 かつて死が身近だった時代は、死はいつか来るもの、我が身のものとして感じられていたように思います。現代は長寿になって死が遠ざかり、まさか自分にそういう不幸が訪れるとは思わない。

 --100年前の死の風景について、大津さんは著書「死ぬときに人はどうなる 10の質問」に、死期を悟った剣豪、山岡鉄舟と、勝海舟のやり取りを紹介していますね。

 死に装束に着替えた鉄舟に、勝はこう尋ねます。

 「いよいよご臨終と聞き及んだが、ご感懐はいかがかな」

 「現世での用事が済んだので、お先に参ることにいたす」

 「さようか、ならば心静かに参られよ」

 このやり取りはすごいですね。

 大津 奥歯にものが挟まった感じのない、すがすがしい会話です。死は自分でもわかったろうし、隠すものでもなかったのでしょう。勝海舟の言葉は、現代では考えられないものですが、そういうふうに言われたほうがすっきりするかもしれません。美しくさえあります。当時は治療の手段もなかった、という事情もあるかもしれません。

 --鉄舟ががんで、その時代に抗がん剤治療があったら、治療を勧めてしまうかもしれませんね。

 大津 もし、勝海舟も現代にいたら「何を言っているんだ、あきらめないで頑張れ」と言ってしまうかもしれない。今の常識が百年前の常識ではなかったと思います。時代によっていろいろな死の形があるのだと思いますが、こうした形の死を望んでいる人も多いでしょうし、復興してもいいのではないかという気もします。

 --死がタブーになったのは、20世紀の初めにアメリカで起きたことだ、とのことですが、どういうことですか。

 大津 フランスの歴史家アリエスによると、西洋では「飼いならされた死」の時代が長く、死が特別視されず死期も自ら悟るというような時代が1000年くらい続いたといいます。それがいくつかの変遷を経て「タブー視される死」に移っていく。死が持つ荒々しさや、家族の死によって受ける辛さゆえに、死はなるべく遠ざけたいものとなり、タブー視されていきました。

 --大津さんは、「日本人は最も死を恐れる国民になった」とカール・ベッカー京大教授が述べていることを紹介しています。

 大津 戦後、無宗教の人が多くなり、死の後は無である、と考える人が増えていることと関係があるのではないでしょうか。死んだら「仏になる」「あの世に行く」と考える人と、死んだら無であり、すべてが終わると考える人では、死への恐怖感は違うと思います。

 --日本では、胃ろう(食べられなくても胃に管で栄養補給する方法)や人工呼吸器といった延命治療がたくさん多く行われています。死を恐れることと関係があるような気がします。

 大津 そうですね。西洋は善悪の判断は抜きとして合理的で、もう助からないと思えば、延命措置はしない。日本人は、生が無上の価値を占めている。来世がある、と考える西洋人と、死んだら終わり、と考える現代の日本人では、延命治療に対する考え方は違うと思います。(続く)

反TPP、強まるうねり 医療や「人の移動」懸念

2011年2月28日 提供:共同通信社

 菅直人首相を取り巻く政治状況が厳しさを増す中、首相が推進する環太平洋連携協定(TPP)参加に反対する動きが勢いを増している。農産品の関税自由化に加え、医療面での規制緩和や労働力が自由に移動できることへの懸念も広がり、政府は警戒を強めている。

 「TPPは非常に大きな分野にまたがっている。農業だけでないことをご理解願いたい」。26日、甲府市で開かれた「TPPを考える国民会議」の対話集会。民主党の舟山康江参院議員は医療など非関税障壁分野への影響を挙げ、国民へ情報提供がないまま議論が進んでいると批判した。

 看護師や医師ら「人の移動」の自由化に慎重な日本医師会などは、TPP参加が公的医療保険制度の崩壊につながると強調する。国民会議は今後、農業団体だけでなく日本医師会などと連携、反TPPを「国民運動にしたい」(代表世話人の宇沢弘文東大名誉教授)考えだ。

 こうした動きに対し、ある政府関係者は、TPPに参加しても反対派が予想するような事態には決してならないとして「非関税障壁に関する懸念には根拠がない」といらだちを隠さない。

 菅政権の金看板である「平成の開国」。国民の理解を求める「開国フォーラム」と対話集会は初日から日程がぶつかり、統一地方選直前の3月下旬まで同様に続けられる。開国フォーラムが国論を二分するきっかけになりかねないとして、民主党内では「このタイミングで開くべきなのか」と疑問の声も根強い。

 TPPをめぐり菅首相は、米国など関係9カ国が進めるルールづくりへの乗り遅れと、党内の亀裂拡大の両面をにらみながら調整を迫られる。

出生前検査・診断 結果、十分な説明必要 日産婦が見解案

2011年2月27日 提供:毎日新聞社

出生前検査・診断:結果、十分な説明必要 日産婦が見解案

 産婦人科医らでつくる日本産科婦人科学会(理事長、吉村泰典慶応大教授)は26日、胎児の状態を調べる「出生前検査・診断」についての見解案を発表した。技術の進歩などにより、ほぼすべての妊婦が医療施設で受ける超音波検査や「母体血清マーカー検査」で異常の可能性が分かるようになった。結果を知った妊婦が不安を感じないよう、妊婦に対する十分な説明を会員に求めている。6月に正式決定する。

 超音波検査は奇形や染色体異常の可能性も分かる。母体血清マーカー検査はダウン症など染色体異常を持っている可能性を調べる。

 両検査とも分かるのは可能性の有無に過ぎず、健康な子が生まれることも多い。しかし医師の説明が十分でない場合、妊婦が動揺したり不安を感じてしまう。特に妊娠22週未満の妊婦は中絶手術を選択する可能性もある。【藤野基文】

「親子認定されず」説明を 性同一性障害の不妊治療

2011年2月28日 提供:共同通信社

 日本産科婦人科学会は26日、性同一性障害のため女性から性別を変えた夫が、非配偶者間人工授精(AID)で妻との間に子どもをつくる場合、夫と子どもの法的な親子関係は認められないと十分説明し同意を得ることが重要と、会員の医療機関に注意喚起することを決めた。

 AIDは第三者から精子の提供を受ける不妊治療。注意喚起は、法務省の見解を受けた措置。

 民法では、妻が婚姻中に妊娠した場合、子どもは夫の子と推定する「嫡出推定」が規定されている。だが性同一性障害で性別を変えた場合は戸籍に記録が残り、夫と子どもの間に血縁関係はないことが明らかなため、法務省は学会に「嫡出推定は不可能」との見解を示した。

 昨年、戸籍の性別を変えた兵庫県の男性が、AIDで妻との間に生まれた子どもを嫡出子として届け出たが、拒否されたことが判明。学会は対応を検討するため、法務省に正式な見解を求める質問状を提出していた。

 法務省の回答によると、嫡出推定や認知などによる嫡出子の認定は「生物学的なつながり」を想定しており、性同一性障害の夫には当てはまらないという。

※非配偶者間人工授精(AID)

 夫が男性不妊の夫婦に、第三者から提供された精子を使う生殖補助医療。日本では1940年代末に始まり、日本産科婦人科学会のデータによると、98~2008年に約1500人が生まれた。これまでの合計は1万人以上とされる。生まれてくる子どもの福祉を重視し、学会は倫理指針で、精子の提供を受けるのは戸籍上の夫婦に限るよう求めている。

思い描こう幸せな未来 地震前、サイトに言葉

2011年2月25日 提供:共同通信社

 ニュージーランド地震で崩壊したクライストチャーチ市の語学学校「キングズ・エデュケーション」で被災した可能性がある看護師早坂美紀(はやさか・みき)さん(37)。22日の地震発生の数時間前、インターネットの交流サイト「フェイスブック」に、Miki Hayasakaの名前でこんな言葉がつづられていた。

 「青い空を見上げ、いつも自分の周りを見て、自分自身を見て、幸せな未来を思い描こう ミキティー」(原文は英語)

 早坂さんは盛岡北高校を卒業後、東京で看護学校に通い、横浜市にある脳神経外科病院で1997年から8年間働いた。

 この病院を辞め、1年間、クライストチャーチの別の語学学校で英語を学んで帰国。昨年7月から今年2月の出国前まで、同じ病院で今度はパートの看護師に。

 「絶対にニュージーランドで看護師になる。それが夢。現地の病院で働きたい」と周囲に語っていた。

 東京の留学あっせん会社によると、同国の看護師は国家試験不要の登録制で、外国人看護師の割合は2004年は24%に増加。医療ミスを防ぐため高度な語学力が求められており、断念し帰国する看護師も多いという。

 2月。早坂さんは再びニュージーランド入りし、留学をあっせんした「M・I・海外留学」(京都市)の職員に電話で「より専門性の高い医療英語のクラスに入れることになった」と期待に声を弾ませていた。

 フェイスブックには地震後、多くの人が「大丈夫か」とメッセージを寄せた。サイトの顔写真を見た元高校教諭の父七郎(しちろう)さん(70)は「本人です。今、どうしているのか...。頑張れ、と言ってやりたい」と声を詰まらせた。

海外協力隊でアフリカに 寄稿「一度きりの人生」

2011年2月25日 提供:共同通信社

 ニュージーランド地震で被災したとみられ行方が分からない神戸市垂水区の看護師大坪紀子(おおつぼ・のりこ)さん(41)は、青年海外協力隊に参加したのをきっかけに「恵まれない人の役に立ちたい」と医療の道を志した。病院勤務の傍ら、医療ボランティアでアジア各国を訪問。1月から、語学学校「キングズ・エデュケーション」の医療英語コースで学んでいた。

 父修(おさむ)さん(72)によると、紀子さんは兵庫県の姫路独協大を卒業後、協力隊員としてアフリカのニジェールなどで活動。帰国後、看護師資格を取った。神戸市の病院で7年間働き昨年退職した。

 大学の中国語学科でゼミの指導教官だった伊井健一郎(いい・けんいちろう)さん(70)は「優秀で、熱心な学生だった」と振り返る。中国のスポーツ政策をテーマに卒業論文を書き、1992年に卒業した。

 病院で同僚だった看護師女性(45)は「明るく真面目で、安心して仕事を任せられた。一刻も早く無事が確認されることを祈っている」と話す。

 2003年、大学の同窓会報に寄稿。家庭科教師として活動したニジェールでの経験を「平等に治療が受けられない現実を目の当たりにして、医療の重要性を強く感じた」と記した。さらに「一度きりの人生です。何事もやってみなくちゃわかりません」とも書いた。

 修さんは今回の留学に反対したい気持ちもあったが「初志貫徹する子。猪突(ちょとつ)猛進というか、あまり親の干渉を受けない性格だからしょうがない」と送り出した。26日にニュージーランドに出発する。「もう少しで救助隊が来るよ、と言いたい。ただ祈るのみです」と話している。

不明男性は石川の看護師 名古屋の女性も判明

2011年2月25日 提供:共同通信社

 ニュージーランド地震で、現地の語学学校「キングズ・エデュケーション」が行方不明者として発表した男性の1人が石川県津幡町の百万元輝(ひゃくまん・はるき)さん(27)だったことが25日、地元関係者の話で分かった。また女性の1人が、名古屋市守山区の鈴木陽子(すずき・ようこ)さん(31)とみられることも判明した。

 関係者によると、百万さんは金沢西高を卒業後、金沢大病院に看護師として勤務。国際看護師として働くために病院を辞め、東京の留学あっせん会社「ワールドアベニュー」の手配で昨年7月、クライストチャーチに留学した。今年11月に帰国の予定だった。

 現地では別の留学生と共同生活していたといい、関係者は「最後に連絡を取ったのは地震のあった日の午前6時半。とにかく命だけは助かってほしい」と話した。

 一方、鈴木さんも看護師で、父親が24日午後2時ごろ、近隣住民に「娘が被災した。これから妻と一緒にニュージーランドに行く」と伝えた。25日午前9時すぎの電話で、父親は住民に「状況は非常に厳しい」と話したという。

原因食材を「食べて治す」免疫療法 食物アレルギー/5止 あなたの処方箋/96

2011年2月25日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/96 食物アレルギー/5止 原因食材を「食べて治す」免疫療法

 食物アレルギーの治療法として、食べて治す経口免疫療法が注目されている。「毒をもって毒を制す」という言葉があるが、原因食材を食べて体に耐性をつけることを目指す治療法だ。

 国立病院機構相模原病院(相模原市)では08年夏に免疫療法を始めて以来、約220人を治療した。急激なショック症状が出る人は5日間入院して治療を受け、退院後も自宅で続ける。

 病室を訪ねると、小麦アレルギーの5歳の男児がうどんを食べていた。入院初日にカボチャのケーキ約40グラムを食べて嘔吐(おうと)などの症状が出たが、この日はうどんを100グラム食べられた。母親は「コロッケを食べて救急搬送されたこともあった。こんなに食べられるなんてびっくり」。男児も「早くクッキーが食べたい」と笑った。

 免疫療法は、最初に食物負荷試験をして原因食材をどの程度食べられるか見極めた上で実施する。医師の立ち会いのもとで徐々に食べる量を増やし、症状が出たら量を減らして様子を見る。国立病院機構仙台医療センター▽神奈川県立こども医療センター▽国立病院機構三重病院▽あいち小児保健医療総合センター--などでも実施しているが、医療機関ごとに食べる量や治療期間が異なるため、厚生労働省研究班が治療法の確立などのために臨床研究を続けている。

 ただし、「すべての人が順調に改善するとは言えない」と相模原病院の海老澤元宏医師は話す。人によっては胃腸炎などの副作用を引き起こす。治療に時間がかかる人も多く、同院で免疫療法を受けた9歳の女児は牛乳を1日120ミリリットル飲めるようになるまで1年かかった。海老澤医師は「専門医に有効性と危険性の両方の説明を聞いた上で、受けるかどうかを慎重に判断してほしい」と呼び掛ける。=おわり(中西拓司が担当しました。28日からは「痔(じ)」です)

「早寝早起き」親の工夫が必要

2011年2月25日 提供:読売新聞

時刻記録、意欲促す ■一緒に寝る■朝早く家事

 なかなか実行できないのが、子どもの早寝早起き。親の上手な働きかけや工夫が必要だ。4月に入園や入学を控えている家庭では、早めに生活のリズムを整えたい。

 京都市左京区の小学2年生の前田凪彩(なぎさ)さん(8)は、今年1月から、学校で配られた「早起き・早寝カレンダー」への記入を続けている。毎日、起床と就寝の時刻を点で記し、つなげて折れ線グラフにすることで、変化が見えるようになっている。

 これまで夕食が午後8時、就寝が10時、起床が午前7時過ぎと遅めだった。親子で話し合い、夕食を午後7時にしたところ、就寝が少しずつ早まり、9時に寝られるように。姉や弟も刺激を受け、朝も声を掛け合って午前6時半には起きるようになり、8時前の登校班の集合時間に遅れることもなくなった。

 母親の栄美さん(38)は「カレンダーでやる気が出たようです。朝からせかさずに済み、子どもとの口論が減りました」と話す。

 早寝早起きは子どもの成長にどんな意味があるのだろう。兵庫県立総合リハビリテーションセンター中央病院(神戸市)内にある「子どもの睡眠と発達医療センター」のセンター長、三池輝久さんは「十分な量と質の高い睡眠を取ることは、子どもの心身を育て、能力を発揮することにつながる。そのためには、早寝と早起きがセットで必要です」と話す。

 乳幼児期や小学校低学年までに必要な睡眠時間の目安は9-10時間。「成長期の子どもは、夜間に熟睡することで、脳細胞や神経の発育が促される」と三池さん。同じ10時間でも、夜9時ごろ寝るのと夜ふかし後の午前0時ごろから寝るのとでは、睡眠の質が違うという。

 また、起床後、頭が働き活動できるまでには一定の時間が必要なので、「登園や登校の時間から逆算して、早めに寝かせなければなりません」と指摘する。

 文部科学省などは、授業への集中力を高めようと、2006年から、「早寝早起き朝ごはん」を提唱し、家庭にも働きかけている。行動に移すための具体的なポイントは何だろうか。

 保育関係者や小児科医らでつくる「子どもの早起きをすすめる会」の発起人で、南和歌山医療センター小児科医の星野恭子さんは「まずは早起きから。思い切って普段より1時間ほど早く子どもを起こして、それを1週間続けると、次第にリズムができる。さらに起床や就寝の時間を記録すれば、行動を振り返りやすい」と話す。

 また、仕事で帰宅が遅い親も多く、寝かせる時間も遅くなりがちだ。「難しいとは思うけれど、子どもと一緒に寝て、朝早く起きて家事をしたり、触れ合ったりするなど、生活リズムを合わせるよう努めて。早寝早起きは子どもの健やかな成長につながるので、家族全員で協力して、身につけてほしい」と星野さんは話している。

   ◇  ◇  ◇  ◇

 ◆子どもに早寝早起きをさせるポイント(星野さんの話などを基に作成)

 〈1〉朝、カーテンを開けて日光を浴びさせる。体内時計をリセットする効果があるとされる

 〈2〉朝食にスープなど子どもが好きなメニューを作り「できたよ」と言って起こす

 〈3〉昼間たっぷり活動させる

 〈4〉夜遅い時間のテレビ番組を見たい場合は録画する

 〈5〉ゲームは「夜8時まで」などとルールを決める

 〈6〉寝室を暗くする

 〈7〉絵本の読み聞かせや子守歌、おやすみのあいさつなど「入眠儀式」を設けるのも効果的

 〈8〉安心して眠れる環境が大切なので、小学生でも添い寝していい

「年寄りも勉強あるでね」 記憶呼び覚ます木造校舎 「いのちのコンパス-認知症・そのとき何が」7回続きの(5)

2011年2月25日 提供:共同通信社

 自動ドアを抜け、木製の引き戸を開けると、昭和の木造校舎にタイムスリップしたようだ。黒板わきの古い柱時計が時を刻み、水鉢でメダカがすいすい泳ぐ。

 名古屋市中川区にある医療法人生生会の「デイサービスセンターとみたDC」。ここは子どものころの記憶を呼び覚まし、認知症の進行を食い止める「回想法」を取り入れている認知症専門の施設だ。利用者が安らげるよう、懐かしい学びやを再現している。

 午前10時、送迎バスで到着したお年寄り10人がそろい、朝礼が始まった。先生役の職員がその日の当番を決める。日めくりカレンダーをめくる係、メダカの餌やり、配膳...。それぞれの症状に応じた係が割り振られた。

 「学校は楽しいよ。年寄りには年寄りの勉強があるでね」。利用者の水野和子(みずの・かずこ)さん(91)が塗り絵の紙を広げ、色鉛筆を握ってにっこりした。利用者の多くはここを「学校」と呼ぶ。

 所長の民谷好美(たみや・よしみ)さん(58)は「幼いころの楽しかった記憶に刺激を与えれば、認知症の引きこもりや鬱(うつ)状態が改善することが多いんです」と実感を込める。

 開所のきっかけは2007年。昭和の暮らしを再現して展示している民俗資料館を訪ねたデイサービスの遠足だった。普段は口を閉ざしていた認知症のおじいさんが目を輝かせ、メンコに描かれた俳優の思い出を話し始めた。「これだ!と思いました」と民谷さん。

 一般のデイサービスセンターの一室を木造校舎風に改装。09年1月、定員12人の認知症専門施設として独立させた。

 回想法のグループ療法では、かまどや壁掛け式の黒電話など昔使った道具の写真をスライドに映し出す。「これは何ですか」。職員の問い掛けに、利用者たちが口々に思い出を話し合う。

 月1回はみんなでカレーライスを作る。同じ料理を作ることで、手順を忘れるのを防ぐプログラムだ。

 「カレーの材料は何ですか?」。すらすらと言えたのはこの日の配膳当番の平野(ひらの)よし子(こ)さん(84)。クルックルッと器用に包丁を回しジャガイモの芽を取った。ただ「家で料理はせん。長男が心配するから」とも。

 平野さんはとみたDCの開所前、デイサービスに行ってもうつむいて流動食しか食べなかった。でも、ここに通い始めてすぐに変化が。塗り絵の配色に気を使って上達し、ほかの利用者に目配りして「あの人、危ないよ」と職員に忠告できるようにもなった。

 そんな平野さんがふと「家が一番落ち着くよ」とつぶやく。利用者の多くは症状が進むと在宅介護が難しくなり、住み慣れた家を離れ、老人ホームなどに移っていく。

 「ここで安らぎを感じ、穏やかな笑顔や、自信に満ちた表情が見られるとうれしい」と民谷さん。「わたしたちが支えることで、できるだけ長く自宅にいさせてあげたい」と思いを込めた。

古川飛行士、ISS医学実験の訓練の様子を公開

2011年2月25日 提供:読売新聞

 宇宙航空研究開発機構は24日、国際宇宙ステーション(ISS)に5月末から長期滞在する宇宙飛行士の古川聡さん(46)が、ISSで行う医学実験の訓練の様子を、同機構筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で報道陣に公開した。

 医師でもある古川さんは、ISSで宇宙飛行士の健康状態を管理するシステムがきちんと働くかなどの実験を行う。この日の訓練では、電子聴診器や心電図、脳波計などで取得した医学データをその場で解析、地上とも情報共有できるパソコンソフトの使い方を学んだ。

 このソフトは宇宙機構が開発。実験は滞在中3回行う予定で、古川さんの心機能や睡眠の質などがどう変化しているかを調べる。

 訓練後の記者会見で古川さんは、1999年に宇宙飛行士候補者に選出後、初飛行まで12年が経過したことに「長かったとも言えるが、それだけ勉強もできた。医師の目で見た自分の体の変化などを紹介し、宇宙を身近に感じてもらえるようにしたい」と話した。

緩和医療医・大津秀一さんインタビュー全文(2)「死ぬときに後悔する」25項目

2011年2月25日 提供:読売新聞

 --「死ぬときに後悔すること25」を書いたきっかけは何だったのですか。

 大津 がんの末期など重い病気の時、残りの時間を知らずに過ごす人が少なくない。がんは、余命が2か月くらいになると急に状態が悪くなり、放物線のようにすとんと落ちます。やりたいと思っていたことをする時間や体力がなくなり、「あれをやっておけばよかった」と後悔することがとても多いのです。

 亡くなる前に「先生、生きているだけでも幸せなんだ。もっとやるべきことをちゃんとやらないといけない。残り時間を大事に過ごすことの大切さを社会に伝えてほしい」と言います。そういう声を伝えなくてはいけないと思いました。

 --自分のことだけでなく、残される人のことを考えるわけですね。

 大津 それが人間のすごいところですね。苦痛が強いと、早く楽にして欲しいと思ってしまうが、緩和医療で苦痛がとれれば、家族のことを考える。ほかの患者の世話をする人もいます。

 --「もう思い残すことはない」と言って亡くなる人はいますか。

 大津 全く後悔がないという人は少ないです。だいたいの人は、大なり小なり後悔はあるし、それは普通のことだと思います。

 --「後悔はない」という方に共通することはありますか。

 大津 性別も生い立ちもさまざまですが、生きること、死ぬことをすごく考えてきた、ということは言えます。だいぶ前から「死は不幸ではなく、その時が来たら迎え入れるもの」という心の準備があったのではないでしょうか。穏やかに生きてきた人もいるし、浮き沈みの激しい波乱万丈の人生の人もいて、端から見た幸福や不幸には、あまり関係ないように思います。

 --元気な時に、人生や死について考えるのは、なかなか難しいかもしれません。がんになると、治すことが最大の目標になって、死ぬことは考えてはいけないような状況があるように思います。

 大津 本人が「もうだめかな」などと言おうものなら、周囲から「何言ってるの、頑張らなきゃだめじゃない!」と言われたりします。弱気になったら負け、死や最期について考えてはいけない、という雰囲気があります。死をタブー視して逃げたくなるのですが、逃げれば逃げるほど追いかけてくる。終末期の患者に抗がん剤を使うと、副作用で衰弱が早まってむしろ命を縮めるとか、「生きたい」と思ってやることが、苦しみを増すこともあります。

 逆に、あるところで治療をやめた人が、かえって元気で長生きすることもあります。余命1か月くらいと思われたところから、無治療で1年くらい生きた方が3、4人います。そういう方たちは楽天的で、がんのことなど忘れたかのように過ごしていました。体に、がんという異物があって、それと全力で闘うとイメージすることは、体を損ねるかもしれない。戦闘状態はストレスになります。

 --患者が「もうだめかな」と言った時、周囲の人はどう接したらいいでしょう。
本人が何を望んでいるか、しっかり理解して、それをそのまま受け止めてあげることが大事なのではないでしょうか。(続く)

死ぬときに後悔すること25
1 健康を大切にしなかったこと
2 たばこを止めなかったこと
3 生前の意思を示さなかったこと
4 治療の意味を見失ってしまったこと
5 自分のやりたいことをやらなかったこと
6 夢をかなえられなかったこと
7 悪事に手を染めたこと
8 感情に振り回された一生を過ごしたこと
9 他人に優しくしなかったこと
10 自分が一番と信じて疑わなかったこと
11 遺産をどうするかを決めなかったこと
12 自分の葬儀を考えなかったこと
13 故郷に帰らなかったこと
14 美味(おい)しいものを食べておかなかったこと
15 仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと
16 行きたい場所に旅行しなかったこと
17 会いたい人に会っておかなかったこと
18 記憶に残る恋愛をしなかったこと
19 結婚をしなかったこと
20 子供を育てなかったこと
21 子供を結婚させなかったこと
22 自分の生きた証しを残さなかったこと
23 生と死の問題を乗り越えられなかったこと
24 神仏の教えを知らなかったこと
25 愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと

緩和医療医・大津秀一さんインタビュー全文(1)治る人も治らぬ人も同じ治療でよいか

2011年2月24日 提供:読売新聞

 人生の最後に、人は何を思うのだろうか。患者の苦痛を和らげる緩和医療医として、1000人以上をみとった経験から「死ぬときに後悔すること25」を書いた大津秀一さんに聞いた。

大津秀一(おおつ・しゅういち)
 1976年、茨城県生まれ。岐阜大医学部卒。東邦大医療センター大森病院緩和ケアセンター勤務。近著に「死ぬときに人はどうなる 10の質問」。

 --なぜ緩和医療医になったのですか。

 大津 医師になって3年目、消化器内科を担当していた時、末期のがんで重い病状の患者が多く、なかなか苦痛がとれませんでした。そんな時、大阪大学の緩和ケア医、恒藤暁教授が書いた「最新 緩和医療学」を読んで、症状を和らげる方法があるのを知り、目からうろこが落ちました。その本に従い、胸水がたまって苦しんでいた患者にステロイド剤を使ったところ、ピタリと治まった。これは驚きで、緩和医療はすごいなと思いました。同じように、腸閉塞や、骨転移の強い痛みもコントロールできるようになり、緩和医療の世界に飛び込みました。

 それまでは、がん患者が亡くなる時、ご家族には外に出ていただいて、30分ほど蘇生措置をして、呼吸や心拍が元に戻らないことを確認して家族に戻ってきてもらい、死亡宣告していた。テレビドラマにあるような、患者が「ありがとう」と最後に言う光景とはあまりに違う。「患者や家族は、こんな蘇生措置を望んでいるのだろうか。患者が最後にそばにいて欲しいのは、僕たち医者じゃないはず」と考えていました。治る人も治らない人も同じように治療されていて、「これでいいのか」と迷いがあった時に、大事なのはQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)だ、その人を支えてあげるのが医療だと思ったのです。

 --治る人も治らない人も、同じような治療がされていますか。

 大津 ある日、当直していたら、膵臓がんの患者さんが、糖尿病もあるのに、インスリン注射を拒否している、と看護師に呼ばれた。病棟に行くと、その患者は「僕は余命1、2か月と宣告されています。1日4回、血糖値を測って、インスリン注射することに意味があるのですか。血糖値は何年後かに合併症を出さないために下げるものでしょう。なぜ余命わずかな僕に必要なのですか」と聞く。彼の言う通りです。それまでは何の疑問もなく、血糖が高ければコントロールするものだと思っていた僕にとって、雷が落ちたような衝撃でした。

 僕たちがよかれと思ってしていたことは、患者から見ると全然見当違いなのではないかと思うようになりました。末期がん患者に点滴をすると、むくみが出てかえって苦しくなる。そこで点滴を減らすと、緩和医療を知らない病院では「安楽死させる気ですか」と言われる。みんなを納得させられる経験を積もうと、緩和医療をしている京都の日本バブテスト病院に移りました。そこで、患者の家族を支えることや、看護師やソーシャルワーカー、宗教家、ボランティアの力も合わせるチーム医療を学びました。

 --次回から、「死ぬときに後悔すること」について聞きます。(続く)

視覚の喪失、ひげが補う ラットでメカニズム解明

2011年2月24日 提供:共同通信社

 ラットが視覚を失うと、外界の情報を得るのに重要なひげに関連する脳内の情報伝達が盛んになり、ひげの機能も向上することを横浜市立大の高橋琢哉(たかはし・たくや)教授らが分子レベルで突き止め、23日付の米科学誌ニューロン電子版に発表した。

 ラットのひげは人間で言うと、手で外界の情報を調べるのに近い機能を持つという。視覚を失っても、残された感覚の機能が向上して障害を補うメカニズムが分かったことで、感覚機能を失った人のリハビリ効果を高める薬の開発につながることなどが期待される。

 高橋教授らが調べたのは、ひげからの入力を受ける大脳の「バレル皮質」。視覚を失ったラットは、脳内の情報を伝える神経伝達物質のセロトニンが正常なラットよりも増えたほか、信号をやりとりするシナプスの中にある受容体の数も2倍になり、触覚の機能が鋭敏になった。

 ひげの一本一本に、バレル皮質の細かな領域がはっきりと対応していることも判明。対象物のわずかな長さや大きさの差を見極める能力が上がったとみられる。

生きてますと伝えたい 脚切断し生還の19歳 強い揺れ、床ごと落下 病室で被災状況証言

2011年2月24日 提供:共同通信社

 【クライストチャーチ共同】ニュージーランド地震のビル倒壊現場から、右脚を切断する手術を受けて救出された富山外国語専門学校1年の奥田建人(おくだ・けんと)さん(19)が24日、病室で共同通信の取材に応じた。「家族や友だちに『生きてます』と伝えたい。それで十分です」と気丈に話し、がれきの下敷きになってから救出されるまでの状況を証言した。

 3週間の語学研修でクライストチャーチを訪れていた奥田さんは22日昼、語学学校の授業を受けた後、ビル4階のカフェテリアに向かった。サンドイッチを食べていた時、突然強い揺れに襲われた。

 揺れはどんどん強くなる。「やばくない?」。級友と話していると、床ごと下に落ちた。気が付くと周囲は真っ暗で何も見えず、体はがれきの下敷きになっていた。右脚に強い痛みを感じ、立ち込めるほこりで息が苦しかった。

 「助けて」「息ができない」。近くに何人も同じ学校の仲間がいた。「落ち着こう」「体力を温存しよう」と励まし合い、じっとして動かないように努めた。

 携帯電話で富山にいる兄(23)に助けを求めた。兄から日本の警察や外務省に連絡が伝わったらしく、しばらくしてクライストチャーチの警察から電話がかかってきた。そばで同様に閉じ込められていた富山外国語専門学校教員の亀遊知子(きゆう・ともこ)さん(43)が通話を代わり、英語で場所や状況を説明。このころ、地震発生から既に10時間ほどたっていた。

 それから約2時間。駆け付けた救助隊ががれきを取り除き始めた。「助かったよ」。級友たちの声が次々に聞こえる。自分を助け出そうとした隊員が英語で「脚を切るぞ」と言った。

 「生きていられるだけでいい」。つらかったが、自らにそう言い聞かせた。麻酔で意識が途切れた。目が覚めると、病院の手術室だった。強烈な光に目がくらみ、再び意識が遠のいた。

 今回の語学研修が、初めての海外渡航だった。「こんなことがあったけど、またいろいろな国に行きたいし、英語を使う仕事に就きたい」。ベッドの上で笑顔を見せ、将来の夢を語った。

「救出されてくれれば...」 29歳女性の安否、募る不安

2011年2月24日 提供:共同通信社

ニュージーランド地震で福岡市出身の波多祐三子(はた・ゆみこ)さん(29)が安否不明となっていることが関係者への取材で判明、クライストチャーチ市で家の部屋を波多さんに貸している香月玲子(かつき・れいこ)さん(31)が24日、 共同通信の電話取材に応じ「救出のニュースを聞くたびに、そこに波多さんがいてくれればと祈っています」と、不安な心情を語った。

 香月さんによると、波多さんは語学学校「キングズ・エデュケーション」に留学し、昨年11月末ごろから同居。日本で看護師をしていたといい、英語を勉強して海外でも通用する看護師資格を取るのが目標だった。

 地震前日の夜。「ちょっと多くできたので食べてください」。波多さんはキッチンで、弁当用のハンバーグを作った。

 「ありがとう。明日いただきます」と香月さん。波多さんは、同校の先生やクラスメートにも弁当を作ることがあり、香月さんの子供2人の面倒もよく見てくれた。「しっかりした優しい人」という。

 生活費などがかかるため、3月末に日本に一時帰国し、元の職場で働く予定だった。波多さんは「職場でも『じゃあ待ってるよ』と受け入れてくれた」と話していた。

 地震で同校のビルは倒壊。香月さんは、波多さんの携帯に何度も電話した。呼び出し音は鳴るが留守電になってしまう。日本大使館や警察にも連絡。何か情報がないかとインターネットサイトにも書き込んだが、「メッセージが帰ってこない」という。不安は募るばかりだ。

妊婦エコーは遺伝学的検査 慎重な扱いを、学会指針案

2011年2月24日 提供:共同通信社

 日本産科婦人科学会は23日までに、胎児が順調に育っているかを調べる妊婦の超音波検査(エコー)は、出生前に胎児の病気や異常を把握する「遺伝学的検査」になりうるとして、検査結果の慎重な取り扱いを求める倫理指針改定案をまとめた。4月の総会で正式決定する。

 超音波検査では胎児が入っている胎嚢(たいのう)や心拍の様子などをみるが、奇形などが偶然見つかって染色体異常が疑われる場合があり、遺伝学的検査にもなるとしている。

 改定案では、偶然異常が見つかった場合、妊婦や家族に、検査結果をどう解釈すべきかや、どのような対応が選択できるのかなどを十分に伝える必要があるとした。初めから病気の有無を調べる目的の場合には、事前のカウンセリングを十分にするよう求めた。

 近年、妊娠中にダウン症などの病気を見つけるため、胎児の首の後ろのむくみ「後頸部(けいぶ)浮腫(NT)」の厚みを超音波検査で測定する方法が注目されているが、病気と判定するための信頼できるデータはないとして、積極的な位置付けはしなかった。

 また学会は、妊婦から採血し胎児の染色体異常の可能性を調べる「母体血清マーカー検査」に消極的な姿勢だったが、改定案では「妊婦や社会の認識やカウンセリング体制整備が進んだ」として、検査について適切に情報を提供すべきだとの方針に転じた。

英単語…難しいと右脳、簡単なら左脳

2011年2月24日 提供:読売新聞

 難しい英単語を聞くと、右脳の活動が高まり、易しい単語の時には左脳が活発に働くことが、首都大学東京の萩原裕子教授らが小学生約500人の脳活動を計測した研究でわかった。

 右脳は音のリズムや強弱の分析にかかわっているとされ、研究結果は、英語を覚えるにつれ、右脳から左脳に活動の中心が移る可能性を示している。外国語の習い始めには音を聞かせる方法が良いのかなど、効果的な学習法の開発につながるかもしれない。米専門誌電子版に25日掲載される。

 萩原教授らは、国内の小学1-5年生が、難度の異なる英単語を復唱している時の脳活動を測定した。abash、nadirなど難しい英単語を復唱する時は、右脳の「縁上回(えんじょうかい)」と呼ばれる場所の活動が活発になり、brother、pictureなど易しい英単語では左脳にある「角回(かくかい)」の活動が高まった。萩原教授によれば、新しい外国語を学ぶ時には、まず右脳で「音」の一種として聞くが、慣れるにつれ、日本語を聞く時のように意味を持つ「言語」として処理するようになるとみられるという。

 単語の意味を理解するなど言語を処理する能力は主に左脳がつかさどると考えられている。だが、子どもが外国語を覚える時の脳活動については、よくわかっていなかった。

製品・サービス 危険性学ぶ冊子発行…消費者庁

2011年2月24日 提供:読売新聞

 製品や食品、サービスに潜む危険性を知ってもらおうと、一般向け冊子「リスクの学習帖(がくしゅうちょう)」が消費者庁から発行された。

 暮らしを便利で快適にする製品やサービスは、法律や規格によって事故の起きないように提供されている。しかし、消費者が使い方を誤れば、健康を害したり、けがをしたりする可能性がある。

 冊子は、製品やサービスに「100%の安全」はないことを知ってもらうのが目的だ。幼児、若者、高齢者の年代ごとに、それぞれの年代に特徴的な事故の事例と原因、対策を紹介している。

 例えば、乳幼児の誤飲事故では、ジュースの空き缶を灰皿代わりに使わないこと、のみ込むと危険なものを床からの高さが1メートル以下の場所に置かないことなどを強調している。

 冊子を作った日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会主任研究員の葛西光子さんは「リスクを下げることは事業者側の責任だが、消費者も自らの判断と責任で安全を確保することが必要だ。冊子を通して身の回りのリスクを知ってもらいたい」と話している。

 冊子はA4判12ページ。2500部作成して全国の消費生活センターなどに配布した。冊子と同じ内容は、消費者庁のホームページ(http://www.caa.go.jp/safety/index8.html)でも見ることができる。

桃色の口紅なじませる 治療薬変え、戻った笑顔 「いのちのコンパス-認知症・そのとき何が」7回続きの(4)

2011年2月24日 提供:共同通信社

 「このままでは本人と家族も倒れるのは時間の問題」。川崎市の相原敬子(あいはら・けいこ)さん(57)は認知症の母喜代子(きよこ)さん(79)の興奮状態が続く原因を必死で探した。父俊雄(としお)さん(82)とともに自宅で母を介護する日々は2年を過ぎていた。

 ある日、認知症を専門に治療する名古屋市の医師のブログで、喜代子さんが処方されたアルツハイマー病治療薬を長期間服用する患者に「頻尿と興奮がみられる」と書かれているのを見つけた。

 早速メールで相談すると薬の量を減らすよう指示された。半信半疑でその通りにしたら、うそのように興奮が収まった。

 「実際に一度、診断してもらった方がいいかもしれない」。2007年11月、すがるような思いで名古屋に3人で向かった。早朝まだ薄暗い中、タクシーで東京駅へ。新幹線と在来線を乗り継ぎ、ブログを書いた医師のいる病院を訪ねた。

 診断の結果は、アルツハイマー病ではなく、脳の前頭葉と側頭葉が萎縮する「前頭側頭型認知症」だった。

 病気に合った治療薬を処方してもらうと表情が穏やかになり、笑顔も戻ってきた。やがて自宅近くのデイサービスへも通えるようになった。

 元気だったころ、おしゃれで料理上手だった喜代子さん。正月はいつも、得意の大根の煮しめや自慢の料理が並んだ。

 昔はよく「お母さんの煮物はおいしいな」とほめていた俊雄さんは、妻が病気で料理をできなくなってから、その話題に触れなくなった。

 「お父さんにさみしい思いをさせたくない」。敬子さんは同じ物を作ろうと意地になった。台所で母の手元をのぞき込んだ記憶をたぐり寄せた。「やっと母の味に似てきましたけどね」。今年の元旦は、敬子さんの煮しめが食卓に並んだ。

 *  *  *

 喜代子さんはベッドで過ごす時間が増え「要介護度5」で日常生活すべてに介助が必要だ。昼間はなるべく起きて過ごせるように、敬子さんと俊雄さんは協力して車いすに移し、一緒に食事をしたり、テレビを見たりする。

 敬子さんは「わが家の介護は工夫の連続。困ったことがあってもあきらめないで、解決の糸口を探って何とか乗り切ってきた」と振り返る。

 昨年秋、喜代子さんは美容師に散髪とお化粧をしてもらった。訪問看護師から「すてきですね」と声を掛けられ、にっこりした。それ以来、デイサービスに行く前におしろいをはたき、桃色の口紅を塗ってあげると、鏡をのぞきこみ、唇をこすり合わせてなじませる。

 言葉を発する赤ちゃん人形から「おかあさん」と呼び掛けられ、顔いっぱいに笑みを浮かべて「はい」と答えることもある。

 「やっぱり、自分がお母さんだっていうことは分かるんでしょうね」と敬子さん。「認知症になっても、その人の人間性が完全に壊れるわけではないと思うんです」。ベッドに横たわる母の横顔を、穏やかに見つめた。

怖いショック症状、手放せない… 食物アレルギー/4 あなたの処方箋/95

2011年2月24日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/95 食物アレルギー/4 怖いショック症状、手放せない…

 ◇怖いショック症状、手放せない自己注射薬

 牛乳や卵などの食物アレルギーがある神奈川県の小5男子(11)は学校給食が食べられない。毎日母親(33)が作った弁当を持って登校している。弁当の袋にはいつも太いペンのような自己注射薬が添えられている。

 食物アレルギーの人は原因食材が体内に入るとスズメバチに刺されたような急激なショック状態を起こし、呼吸困難や意識障害で命を落とすこともある。特に学校生活では友達の給食が口に入ったり、こぼれた牛乳が体に触れる恐れがある。母親は「自己注射薬が手元にないと、本人が不安がる。命綱です」と話す。

 自己注射薬は国内では「エピペン」という商品名で03年から発売されている。安全キャップを外して太ももの前外側に垂直に強く押し付けると、針が出てアドレナリンを注射できる。アドレナリンには気管支を広げて呼吸困難を緩和するとともに、血圧を上げショック症状を改善する効果がある。

 エピペンは0・3ミリグラムの大人用とその半量の子ども用があり、医師の処方箋がないと購入できない。販売元のマイラン製薬によると、昨年の販売数は約2万5000本で年々増えている。ただし症状がひどいと本人が使えないため、国は08年、教職員が注射しても医師法違反にならないことを教育委員会に通知。今春からは保育士にも広げる方針だ。

 緊急時に適切に使えるよう講習会を開く医療機関もある。あいち小児保健医療総合センター(愛知県大府市)の伊藤浩明内科部長は「症状の見極めが重要で、例えば息がゼイゼイしている状態ならば使った方がいい。使用法を習熟していないと宝の持ち腐れになる」とアドバイスする。=つづく

医療保険改革法は合憲 米首都の連邦地裁判断

2011年2月24日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】米首都ワシントンの連邦地裁は23日までに、オバマ大統領が最大の内政実績とし、野党共和党が撤廃を求めている医療保険改革法で、2014年から国民に原則として保険加入を義務付けた条項は合憲とする判決を出した。

 この条項をめぐってはこれまで、2カ所の連邦地裁が合憲と判断した一方、2カ所の連邦地裁は、加入を迫るのは「憲法が議会に与えた権限を越える」などとして違憲だとしており、最高裁まで争われる公算となっている。

 今回の合憲判決を出したのは、クリントン政権下で任命されたリベラル系判事。2件の違憲判決は、いずれも保守系判事で、保守派とリベラル派の分断が際立っている。

生食ブーム、食中毒急増

2011年2月23日 提供:読売新聞

犯人は寄生虫アニサキス…来月、専門家講演

 東京都内で寄生虫による食中毒が増えている。サバやカツオ、サンマの身に潜んでいたものが原因で、背景には生食ブームがあるとみられる。こうした事態を受け、目黒区保健所は3月4日、寄生虫の専門家による講演会を開き、注意を呼びかける。(伊藤甲治郎)

 都食品監視課によると、寄生虫による食中毒は、統計を取り始めた1999年以降、0-2件で推移していたが、昨年は6件、今年は1月だけで2件発生した。昨年と今年の内訳は、すし店などで出されたしめサバ4件、市販の生カツオ1件、弁当店の生サンマすし1件などだった。

 調べたところ、寄生虫「アニサキス」の幼虫が原因だとわかった。回虫の仲間で体長2-3センチ、太さ0・5ミリ程度。鯨やイルカに宿るが、卵がフンと一緒に海中に出て孵化(ふか)し、オキアミの餌になる。それを食べたカツオやマグロなどの魚を、人間が刺し身で食べると、幼虫が胃の粘膜などに侵入して激痛に襲われる。87年、森繁久弥氏を舞台出演中に急性腸閉塞で入院させた寄生虫として知られている。

 急増の理由について、同課の服部大・食中毒調査係長は「昔なら冷凍して送っていたものが、様々な産地から生で都内に集まるようになったのが一因」とみている。アニサキスは、マイナス20度で2日間冷凍すれば死んで、食べても影響がないという。

 目黒区保健所が開く講演会「知っておきたい!食品の寄生虫-無視できない虫のはなし」では、同区内にある世界でも珍しい「目黒寄生虫館」(下目黒)の荒木潤研究室長(63)が講師を務める。インドネシアなどで寄生虫の研究、調査を重ねた獣医師で、調査捕鯨船に乗り込んで鯨の胃に寄生するアニサキスを調べた経験もある。

 荒木室長も「昔なら産地でしか生で食べられなかったマダラやアユなどが居酒屋や回転すし店に並ぶ生食ブーム」が背景にあるとみる。アニサキスによる食中毒が増えている理由は「鯨やイルカの生息数の増加とともにアニサキスが増えて近海で感染が広がっている可能性がある」と指摘。講演会ではスライドを見せながら身近な食品に潜む寄生虫の特徴や予防策を話す。

 3月4日午後2時開演。同区総合庁舎(上目黒2)2階大会議室で。定員150人で予約不要。問い合わせは区保健所(03・5722・9506)へ。

若年性認知症 88%「仕事失った」…広島県が実態調査

2011年2月23日 提供:読売新聞

 65歳未満が発症する若年性認知症について、広島県は初の実態調査結果を発表した。最初の異変に気づいた平均年齢は56・3歳で、少なくとも88・8%が仕事を失い、年収の減少は58・3%に上った。患者の多くが現役世代で、経済的に苦境に陥っている実態が改めて浮き彫りになった。(野中明子)

 調査は昨年11月-今年1月、患者60人とその家族58人に面談方式で実施した。その結果、最初に異変を感じた人(複数回答)は、配偶者36人、子ども18人、本人15人で、症状(同)は物忘れ42件、行動の変化38件の順で多かった。

 診断時の平均年齢は57・8歳。45人が発症前に仕事に就いていたが、診断後も働いているのは5人にとどまり、正社員は19人から1人に減少した。残りは非常勤2人、アルバイト1人、主夫・主婦1人だった。

 「ハローワークでは『資格があるので、すぐ採用される』と言われたが、何回も不採用通知が来た」「職場では効率・生産性を迫られるので、退職した」など、本人の意欲だけではどうにもならない現実への不安が多く聞かれた。

 一方、家族では、発症後に就労者数が17人から37人に増加。正社員は4人から10人になった。苦しくなった家計を介護しながら支えているため、「頼るところがない。支援体制を整えてほしい」「専門知識を持つ人に定期訪問してもらい、負担を軽減してほしい」といった切実な要望が寄せられた。

 県高齢者支援課は「患者はまだまだ働ける世代だけに、高齢者とは異なる課題が多い。企業への啓発活動など対策を講じたい」としている。

成人患者の注意点 食物アレルギー/3 あなたの処方箋/94

2011年2月23日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/94 食物アレルギー/3 成人患者の注意点

 特定のものを食べて運動するとじんましんやショック症状を起こす「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」という疾患がある。子どものころアレルギー体質ではなかった成人が突然かかることが多く、最近はせっけんや化粧品の成分で体質が変わったことを引き金に発症する例が相次いでいる。

 東京都小平市の女性看護師(32)は一昨年春、トーストを食べてからスポーツジムに行って汗を流している途中、突然じんましんが出て激しい腹痛と下痢に見舞われた。体を休めると症状は治まったが、以来、パスタやピザを食べて自転車通勤しても同じ症状が出るように。国立病院機構相模原病院(相模原市)を受診し、小麦による運動誘発アナフィラキシーと診断された。「過去にアレルギーはなかったのでショックだった」と女性は話す。

 なぜ突然発症したのか。この女性の場合、小麦由来成分の「加水分解コムギ末」が配合されたせっけんで毎日洗顔しており、同院の福冨友馬医師は「皮膚や粘膜が小麦成分に刺激され、アレルギーが誘発された可能性が高い」と指摘する。

 加水分解コムギ末は小麦を工業的に加工したもので、せっけんやシャンプーの泡立ちを良くする。美容師が運動誘発アナフィラキシーを発症することもある。厚生労働省は昨年10月、加水分解コムギ末を含む化粧品などについて、異常があった場合は使用をやめるよう呼び掛ける通知を出した。運動誘発アナフィラキシーと診断されたら、誤って原因食材を食べてしまった後は運動を控えたほうがいい。

 これ以外でも、若者や成人は突然食物アレルギーになることがあり、その原因食材は多様だ。厚労省研究班の診療の手引きによると、子どもは原因食材は鶏卵や乳製品、小麦が大半を占めるのに対し、20歳以上は(1)カニ、エビなど甲殻類18%(2)小麦15%(3)果物類13%(4)魚類11%(5)そば7%--の順で多い。福冨医師は「大人になって発症すると子どもより治りにくく、症状が急激に表れることも多い。食生活に一層注意が必要」と話す。=つづく

「食べ過ぎ」を尿で判定 タニタ、2年以内に製品化

2011年2月23日 提供:共同通信社

 計量器メーカーのタニタ(東京)は22日、尿中の微量な糖分を計測することで「食べ過ぎ」を判定する試作機を開発した、と発表した。ダイエットや食生活の見直しに役立ててもらうため、2年以内の商品化を目指す。

 ご飯やパン、イモ類に多く含まれ、体内で糖分に変わる糖質は一定水準を超えて取りすぎると脂肪となり、太る原因となる。食事で過剰に糖質を取ると、尿中の糖分が多くなることが同社の研究で判明した。

 試作機はハンドバッグに入るサイズ。食事をしてから約2時間後に、センサー部分に尿をかけて糖分量を計測し、数値と5段階の絵柄で食べ過ぎかどうかを表す。一定基準以下なら糖分が原因で太ることはないという。

 製品化に向けて糖分だけではなく、尿中のさまざまな成分を総合的に計測できる仕組みを開発する。価格は「1万円前後に抑えたい」としている。

花粉症の季節は沖縄へ 50~60代の長期滞在 旅行業界に期待も「経済ウイークリー」〈フロント特集〉

2011年2月23日 提供:共同通信社

 くしゃみ、鼻水、目のかゆみ。鼻が詰まって、頭もボーッ。今年はスギなどの花粉の飛散量が多いといわれているだけに、こうした症状が出る心配が少ない場所で花粉症の季節を過ごそうと、沖縄県に長期滞在する人が目立っている。北海道の一部地域とともに、旅行業界では旅のきっかけづくりとして期待する動きもある。

 ▽マスクいらず

 気温が20度を超えた2月初旬の那覇市。横浜市の主婦、児玉麻里(こだま・まり)さん(52)は花粉から逃れることと、沖縄への移住準備を兼ねて、夫と一緒に昨年12月から約3カ月間、市内のマンスリーマンションに滞在。「今年は花粉症の症状が出ないと思うと安心していられる」と児玉さんは喜ぶ。20代のころから花粉症に悩まされてきた。「若いころは、ティッシュの箱を持ち歩くような状態。薬の影響もあって眠くなってしまうし、大変だった」。近年、症状は落ち着いてきたものの、それでも横浜にいたころは、マスクを着用することが多かった。沖縄に来てからは無縁になったという。

 沖縄で短期滞在のマンションを展開するSUMUKA(スムカ、那覇市)は、花粉症からの避難や避寒を兼ねた滞在予約や問い合わせが増えている。50~60代の夫婦が予約の中心で、1月ごろから2、3カ月程度滞在する人が多い。部屋料金は2人で滞在する場合、1カ月約16万円。同社総務部の仲宗根和美(なかそね・かずみ)さんは「症状が出なかったことを喜んで次の年の予約をする方もいます」と話す。

 キャンピングカーで寝泊まりしているのは大阪府吹田市の矢間文夫(やざま・ふみお)さん(63)。毎年、2~5月のゴールデンウイーク明けまで、沖縄県内に滞在している。もともとキャンピングカーで全国を回るのが夢だったこともあり、定年退職後に花粉症に悩まされる季節は「沖縄に逃げよう」と思い立った。今年で3回目だ。「マンゴー農園を手伝ったり酒盛りに参加したり、地元の人との交流を楽しんでいます」と笑う。

 ▽宿泊プランも

 旅行会社JTBの店舗、トラベルゲート横浜では、2月に開催した顧客向けのセミナーで花粉症対策を取り上げ、沖縄旅行を提案した。2回、3回と訪れている人もいる場所だけに、旅行の新たなきっかけづくりとしての期待がある。

 北海道上士幌町の「ぬかびら源泉郷」でもスギがないことをアピール。糠平舘(ぬかびらかん)観光ホテルでは、今年から個人向けに「スギ花粉避難宿泊プラン」を提供している。専用の食事メニューや温泉入浴、森林浴などで免疫力を高め、花粉症による日ごろのストレスを解消してもらうのが狙いだ。

 ただ、この季節に長期間休める人は多くない。JTBトラベルゲート横浜の太田裕基子(おおた・ゆきこ)さんは「週末に1日プラスして、少しでも花粉から離れるだけでも気分が変わるはずです」と提案する。

がれきからの救出急げ クラッシュ症候群懸念

2011年2月23日 提供:共同通信社

 ニュージーランド地震では倒壊建物の下敷きになった人が多数いるとみられ、一刻も早い救出が求められている。体の一部ががれきに挟まれて死に至ることもある「クラッシュ症候群」も懸念されるからだ。阪神大震災などから得た教訓や対策を関係者から聞いた。

 救出直後は元気に見えた人の容体が急変、最悪の場合、死に至るクラッシュ症候群。挟まれた腕や足などの筋肉の細胞が壊死(えし)し、カリウムなどが蓄積。がれきを取り除き血液が再び流れると、全身に運ばれ急性心不全などを引き起こす。

 「一般的には4時間以上経過すると必ず発症するとされるが、1時間で起きた報告例もある。時間との闘いだ」と警告するのは国立病院機構災害医療センターの小井土雄一(こいど・ゆういち)救命救急センター長。「挟まれている段階から、救助と並行して医療を開始することが重要だ」としている。

 脱水と高カリウム血症を防ぐため、挟まれた状態のままでもすぐに点滴などで水分補給する。救出後はカリウムを抜くために、人工透析ができる医療機関にいち早く搬送することも必要だ。

 宮城県の「技術系災害ボランティアネットワーク」の災害救援アドバイザー黒沢司(くろさわ・つかさ)さんは「身体に圧力がかかっている部分を取り除き、空間をつくることが先決。バールやジャッキがあれば女性でもかなりのことができる」と強調する。

 チェーンソーやロープ、大きなハンマーも地域が備えるよう訴え、「ガソリンスタンドには必ずジャッキがあるし、工場には発電機があって夜の作業も可能になる。地域の資源をフルに使いたい」と指摘する。

 黒沢さんが力を込めるのは、阪神大震災でがれきの中から救助された人の約8割は家族や近隣住民に助けられたからだ。

 「助けを呼べるように、それぞれが普段から笛やペンライトなどを持つべきだ」と話している。

建物の隙間で救出例も 日本語で心のケア必要

2011年2月23日 提供:共同通信社

 ニュージーランド地震について、災害医療の専門家は一刻も早い救出の必要性を強調する一方、倒壊した建物に隙間があれば、助かる可能性が十分あると指摘する。救出された人には日本語での心のケアも必要だ。

 兵庫県災害医療センターの小沢修一(こざわ・しゅういち)センター長は「被災から72時間を越えると救命が難しいとされる。とにかく一刻も早く救出することが大事だ」と強調する。ただ条件によっては、その後も助かる可能性がある。小沢さんは「ハイチ大地震では(倒壊した建物に)空間があり、水も飲むことができたために、長時間たっても生存できた人がいた」と説明する。

 一方、国立病院機構災害医療センターの原口義座(はらぐち・よしくら)室長は、以前にクライストチャーチの病院を視察した経験から「救急の搬送システムや、けがの重さに応じて手当ての優先度を決めるトリアージはしっかりしていた印象がある」と話す。

 原口室長は「被災者の心のケアも必要。特に日本人に対しては、日本語が話せる精神科の医師が対応できると望ましい。正確な情報で被災者を安心させることも重要だ」と語る。

泣きじゃくる母どうすれば 「支えよう」決意の切符 「いのちのコンパス―認知症・そのとき何が」7回続きの(3)

2011年2月23日 提供:共同通信社

 ボロボロになった電車の切符を、父は今も捨てずにいる。「妻をしっかり支えていこう」。そう決心した6年前のあの日の出来事を忘れまいとするように。

 *  *  *

 2005年1月9日夕方。勤め先から帰宅した長女の相原敬子(あいはら・けいこ)さん(57)は胸騒ぎがした。家にいるはずの母喜代子(きよこ)さん(79)がいない。

 喜代子さんは前年の秋、茶道のお点前の手順が思い出せなくなり「先生や皆さんに迷惑をかける」と20年余り通ったけいこを自分からやめていた。知人に用もないのに電話をかけたり、不思議な行動も目立っていた。

 夫の俊雄(としお)さん(82)と一緒に築き上げた会社で40年余り、経理を担当したしっかり者だったが、68歳で仕事を引退してから間もなく、会話で言葉が出なくなりだした。

 「母がいなくなりました」。認知症を疑っていた敬子さんはすぐに警察に電話した。

 警察から保護の知らせがあったのは、捜索願を出して4時間後の午後8時半ごろ。川崎市の自宅から21キロ離れた私鉄沿線の商店にさまよい込んでいた。ポケットには、俊雄さんの会社があるJRの駅行きの切符が未使用のまま、入っていた。

 喜代子さんがあの日、どうやって移動したかは今も分からない。

 どこかにまた出て行ってしまわないように、片時も目を離せなくなった。敬子さんと俊雄さんの2人で、自宅での介護が始まった。家中の戸口には人が通るとチャイムが鳴るセンサーを設置。2階からの階段の下り口に鍵のかかる木戸も取り付けた。

 それでも木戸をガタガタ動かして外に出ようとする時もあり、やめさせようとすると激しく暴れて抵抗した。そんな時は、喜代子さんの好物の甘い物を食べさせ、調子を合わせながら優しく接するようにした。

 夏の終わり、妻の病気を受け入れられずにいた俊雄さんが、ようやく神経内科医の診断を受けさせた。結果はアルツハイマー病。「認知症の特効薬」と処方された薬の服用も始まった。

 06年春、喜代子さんは自分で服を着ることもできなくなっていた。年老いた父が付きっきりの介護や炊事洗濯を1人で背負うのは無理だと案じ、敬子さんは仕事をやめて全面的に介護に当たることにした。

 医師が処方した薬をのみ始めて2年目。喜代子さんは徘徊(はいかい)がひどくなった。真夜中に突然、布団をたたみ始め、手当たり次第に物をかばんに詰め込んで外に出て行こうとする。トイレに間に合わず、失禁することも。

 主治医に伝えると、薬の量を増やされた。ところが、症状はさらに悪化。興奮状態はどんどん激しくなった。日が暮れると、家の中を疲れ果てるまで歩き回った揚げ句、子どものように泣きじゃくった。敬子さんはどうすればいいか分からず、ただ悲しかった。

最大の障害は「関心不足」 がん検診で自治体調査

2011年2月23日 提供:共同通信社

 住民がん検診の受診率向上の最大の障害は、住民の関心不足とみる自治体が72%に達していることが22日、共同通信社の調査でわかった。普及啓発活動の充実が必要と考える自治体も49%あり、早期発見・治療に欠かせない検診を浸透させるためには、積極的なアピールが求められている。

 がんは日本人の死因のトップ。しかし、2007年国民生活基礎調査では、検診受診率は職場や自治体を合わせても20~30%程度。厚生労働省は11年度末までに胃がんなど五つのがんの受診率を50%以上にするとし、健康増進法で検診を市区町村の努力義務とした。

 こうした検診について自治体に聞いた(複数回答)。受診率向上の障害では、関心不足に次ぎ「マンパワーの不足」や「ノウハウの不足」が続いた。必要な対策は、普及啓発のほか「対象者や受診者の把握」や「個別受診の勧奨」が挙げられ、住民への働き掛けに力を入れるべきだとした。

 がん検診で重要と考える取り組みでは「受診率向上」を1位とした自治体が58%で最多。死亡率の低下効果が科学的に明らかな「国が推奨する検診の実施」を1位としたのは5%にとどまった。

 国立がん研究センターの斎藤博(さいとう・ひろし)検診研究部長は「受診率向上に個別受診勧奨など仕組みが必要だ。ただ、科学的根拠がある検診を正しく行わないと効果は上がらない。検診の質向上に目を向けるべきだ」と指摘している。

 調査は1月実施。1797自治体のうち1416自治体が回答した。

※国のがん対策

 10年以内で75歳未満のがん死亡率20%減を目指し、2007年「がん対策推進基本計画」を策定。五つのがん検診について「受診率50%以上」を個別目標の一つに定めた。検診の手法は、乳がんのマンモグラフィーなど効果が科学的に明らかになっているものを推奨している。

お泊まりデイを試行へ 厚労省

2011年2月23日 提供:共同通信社

 高齢者が日帰りで通う通所介護(デイサービス)事業所で宿泊サービスも可能となるよう要望する声があることから、厚生労働省は22日、宿泊した際の使いやすさや安全性などを調べるため、モデル事業を実施することを決めた。

 同省は「宿泊できれば、介護する家族の負担が減り、利用者も通い慣れた環境なら不安が少ない」として、2012年度の制度改正に合わせた実施を検討。ただ、昨年の社会保障審議会では、高齢者の安全を配慮し、慎重な対応を求める声が目立った。

 そのため厚労省はモデル事業で(1)宿泊サービスを利用した高齢者数と家族らの感想(2)介護計画を担うケアマネジャーからの評価(3)具合が悪くなった際の緊急対応が適切かどうか-などについて調べることを決めた。

 認知症対応のデイサービスなどが対象で、今年4月以降、全国から約50の市区町村を選んで実施。得られたデータを基に今後の対応を検討する。宿泊場所で確保すべき面積基準をあらかじめ設け、夜勤職員を常時1人以上配置するなど、利用者の安全確保を徹底する。

[人口動態] 平成21年の合計特殊出生率は1.37、死亡率は9.1

2011年2月23日 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

平成23年我が国の人口動態(平成21年までの動向)(2/18)《厚労省》

  厚生労働省は2月18日に、平成23年我が国の人口動態(平成21年までの動向)を公表した。人口動態統計とは、出生・死亡・婚姻・離婚および死産の5 種類の「人口動態事象」を把握し、厚生労働行政施策の基礎資料とする基幹調査のこと。

  平成21年10月1日の人口は1億2751万人。老年人口(65歳以上)は22.7%となっており、老年人口割合は大都市を有する都道府県で少ないことが分かる(p5-p6参照)。

  次に、出生の動きを見てみると、平成21年の合計特殊出生率は1.37で、前年と同率だった。この数値は、「近年、欧米諸国と比べて低い」と報告されている(p13参照)。合計特殊出生率を都道府県別にみると、最も高いのは沖縄1.79、次いで宮崎1.61、熊本1.58、鹿児島1.56、福井・島根1.55となっている。一方、最も低いのは東京1.12、次いで北海道1.19、京都1.20、奈良1.23、宮城1.25となっており、おおむね大都市を有する都道府県とその周辺で低い傾向がみてとれる(p8-p10参照)。

  死亡の動きを見てみると、平成21年の死亡数は114万1865人で前年より542人減少し、死亡率(人口千対)は、9.1と同率だった(p14参照)。主な死因別の死亡率(人口10万対)をみると、がん273.5、心臓病143.7、脳卒中97.2、肺炎89.0、不慮の事故30.0などとなっている。年次推移をみると、がんは一貫して上昇を続け、昭和56年以降死因順位の第1位となっている(p16参照)。男は肺がんが第1位、女は大腸がんが第1位だった(p17-p18参照)。

  なお、我が国は男女とも肺炎が、諸外国と比べて高いことが分かった(p22参照)。

(その1:0.1M)

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2011年2月23日号(WICレポート 2/21-2/25)

厚生政策情報センター

厚生政策情報センター(略称:WIC)は、国内最大級の医業経営コンサルティングファームである日本経営グループの事業部として、厚生行政(保健・医療・介護)や医業経営に関わる最新の情報を全国に提供しています。

「定住自立圏」49地域に 総務省が取り組み報告

2011年2月23日 提供:共同通信社

 総務省は22日、複数の市町村が連携して地域活性化を図る「定住自立圏構想」の取り組み状況(3日現在)を同省の有識者懇談会に報告した。中核的役割を担う「中心市」を宣言したのは32道県の62市。医療や産業振興などの連携策を盛り込んだ協定を結んだのは29道県の49地域(参加市町村は延べ192)で、1年前(2月11日現在)の23地域から倍増となった。

 都道府県別で中心市が多いのは北海道の7、秋田、島根の4など。松江市と鳥取県米子市、高知県宿毛市と四万十市は2市で中心市を構成している。

 政策分野別では医療や産業振興のほか地域公共交通などで共同の取り組みが目立ち、「病気、病後の子どもの保育」(長野県飯田市など)、「図書館ネットワーク」(滋賀県彦根市など)といったユニークな事業も。

 総務省によると、人口4万人超としている中心市要件の緩和などを求める意見が自治体から出ているという。

 自立圏構想は09年度に本格始動。一定の条件を満たした圏域の市町村は、特別交付税などの支援措置が受けられる。

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