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最新医療情報12

最新医療情報11

そううつに抗うつ薬、学会「勧められない」

2011年3月11日 提供:読売新聞

初の治療指針を公開

 日本うつ病学会は、そう状態とうつ状態を繰り返す「双極性障害」(そううつ病)の初の治療指針をまとめ、10日、ホームページで公開した。

 この病気のうつ状態の時に抗うつ薬を使う医師は少なくないが、「科学的根拠がなく、勧められない」と明記、抗うつ薬の安易な使用を戒めている。

 双極性障害は、100人中1-4人が発症するとされる精神疾患。国内では、この病気でうつ状態になった患者に対し、気分安定薬と抗うつ薬を併用したり、抗うつ薬を単独で使ったりする治療が少なくない。

 しかし指針では、海外の研究で、気分安定薬と抗うつ薬を併用する治療は、気分安定薬だけの治療と比べて、効果に差がなかったことを指摘。また、抗うつ薬を使うと、感情が不安定になる危険性が高いことなどを挙げ、「抗うつ薬の使用は推奨されない」と明示した。

9種の肝臓病、血1滴で判定…慶大先端生命研

2011年3月11日 提供:読売新聞

早期発見、負担軽減に期待

 慶応大先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)は10日、同研究所の曽我朋義教授(分析化学)らの研究グループが、患者の血液0・1ccを採取するだけで、9種類の肝臓病を一度に診断できる方法を開発したと発表した。

 従来、複数の検査を組み合わせて、入院まで必要だった診断が大幅に簡略化されることで、疾患の早期発見が期待される。

 曽我教授らは、山形大医学部付属病院(山形市)などで、肝臓に疾患を持つ患者と健常者計237人の血液を採取。血液のメタボローム(細胞内代謝で作られる物質の総称)を同研究所開発の分析計で網羅的に測定したところ、今まで知られていなかった十数種類の代謝物が見つかり、肝臓疾患を持つ患者には、それらの代謝物が明らかに増えていることがわかった。

 疾患ごとに代謝物の濃度が異なっていることも判明し、特徴を比較すると、C型肝硬変や単純性脂肪肝、B型慢性肝炎など、237人の病名をほぼ100%の確率で特定することができた。同様に検査した胃がん患者ではこれらの代謝物は増えておらず、肝臓疾患に特化した基準とみられるという。

 曽我教授によると、これまで肝臓病の診断は、内視鏡やMRI(磁気共鳴画像)、肝臓組織の採取など、複数の診断法を組み合わせ、1週間以上の入院も必要となるなど、患者の負担が大きく、熟練した医療従事者も必要だった。この方法は0・1ccの血液採取だけで診断ができ、採取から検査結果判明まで数日で済むという。

 今後、ほかの複数の病院で実証実験を重ねて精度を確認し、早ければ2、3年後にも実用化が可能という。曽我教授は「肝臓病診断の強力な手段ができた。早期発見で、多くの命を救いたい」と話している。

副作用救済制度へ検討会 抗がん剤、12年創設目指す イレッサ訴訟受け厚労省

2011年3月11日 提供:共同通信社

 厚生労働省は11日、抗がん剤の副作用で亡くなった患者を救済する制度をつくるため、4月にも有識者による検討会を設置することを決めた。医薬品の安全性確保策を盛り込む薬事法改正を2012年に行い、これに併せ救済制度の創設を目指す。新法制定の必要性も協議する。

 肺がん治療薬「イレッサ」の訴訟では、副作用をめぐる国の対応が争点になっている。2月の大阪地裁判決は国の賠償責任を否定したが、原告団の要望を受け、細川律夫(ほそかわ・りつお)厚労相が被害防止や救済策の検討を表明していた。検討会はがん患者のほか、製薬会社担当者や医師、学者らで構成する。

 厚労省はまた「医療現場で副作用の情報の伝え方に問題があった」として、抗がん剤の効果とリスクを患者に正確に伝えるため、12年度の診療報酬改定で新たに「インフォームドコンセント(十分な説明と同意)」の実施を点数に反映させることも検討する。

 現在も医薬品の副作用による死亡や病気に対し、製薬会社の拠出金で医療費や遺族年金などを支払う制度があるが、抗がん剤は「重い副作用が不可避で、患者もリスクを理解した上で服用するため制度になじまない」(厚労省)として対象外になっている。

 検討会では、救済の対象や水準、副作用と死亡との因果関係をどう判定するか協議。また抗がん剤という特殊性から、現行制度と同様に製薬会社の拠出金だけで賄う仕組みでは企業側の理解が得られにくいとの懸念もあり、どこが費用を負担するかも話し合う。

※イレッサの副作用問題

 「副作用が少ない抗がん剤」とされ、2002年7月に日本で販売が始まったが、間質性肺炎などによる死者が相次いだ。患者や遺族が国と輸入販売会社「アストラゼネカ」(大阪市)に損害賠償を求め大阪、東京両地裁に提訴。両地裁は今年1月、「注意喚起が不十分だった」と和解を勧告したが、国とア社は拒否した。大阪地裁は2月25日の判決で、添付文書が改訂されるまでの間に服用した患者について、ア社の賠償責任を認定。国への請求は退けた。東京地裁の判決は3月23日。

医療保険、非正規雇用の適用拡大検討へ

2011年3月11日 提供:読売新聞

 政府は10日、社会保障と税の一体改革で、パートや派遣社員などの非正規雇用者が健康保険などの医療保険に加入する要件を緩和する検討に入った。

 非正規雇用者の医療保険への加入を広げ、正社員との待遇の格差を改善する狙いだ。

 菅首相はすでに厚生年金の適用拡大に向けた加入基準の見直しに意欲を示しているが、10日の参院予算委員会で「(対応は)健康保険でも同様だと思う。しっかりやるべき分野だ」と述べた。細川厚生労働相も「非正規雇用の医療保険の適用拡大を年金制度と合わせて検討していきたい」と語った。

 現在、企業のサラリーマンが加入する健康保険組合などの加入基準は、厚生年金と同じで、非正規雇用者は労働時間や労働日数が正社員の4分の3以上でなければ加入できない。ただ、健康保険組合には会社側も保険料を支払うため、同じ仕組みである厚生年金の適用拡大と合わせて実施すると、企業の負担増が避けられない。多くの非正規雇用者を抱える流通・外食産業や中小企業などの反発も予想される。

EPAでの滞在を1年延長 外国人看護師候補者ら

2011年3月11日 提供:共同通信社

 政府は11日、経済連携協定(EPA)に基づき、看護師・介護福祉士を目指して2008~09年に来日したインドネシア・フィリピン両国の候補者約800人について、「国家資格取得の目的達成が容易ではないと判明した」とし、在留期間を1年間延長することを閣議決定した。

 EPAで来日した候補者の在留期間は、看護師が3年、介護福祉士は4年で、この間に国家試験に合格しないと帰国する決まりになっている。

 だが昨年の看護師試験で合格率が低調だった上、当初は学習支援が不十分だったこともあり、在留期間の延長で受験の機会を増やすことにした。

 10年に来日した候補者は、「本格的な学習支援を受けている」として対象外とした。

 08年に来日したインドネシア人91人については、先月の看護師試験で成績が良かった8割程度の中から、本人の意思などを確認した上で、在留期限を来年8月まで1年延長する。その他の候補者は、延長を認める条件を今後検討する。

 EPAに基づき、08年以降、計千人以上の候補者が来日。厚生労働省は、先月の看護師試験で、難しい言葉を簡単な表現に改めるなどの対策を実施した。

基金活用で保険料抑制 介護法改正案を閣議決定

2011年3月11日 提供:共同通信社

 政府は11日、2012年度の介護保険制度改正に向け、65歳以上の介護保険料の上昇を抑えるため、都道府県の基金を活用することなどを柱とした介護保険法等改正案を閣議決定した。今国会に提出し、成立を目指す。

 65歳以上の月額保険料は、全国平均で12年度からは最大で約5200円になる見込み。これを5千円程度に抑えるため、12年度に限り、都道府県の「財政安定化基金」を取り崩せるようにする。

 改正案は、医療と介護のサービスを同時に必要とする在宅高齢者への支援として、昼夜を問わず定期的に自宅を巡回する訪問サービスの導入を目指す。

 一つの事業所が介護と看護の訪問サービスをまとめて提供する「複合型事業所」を導入。たんの吸引など、医師や看護師に限られている医療行為を介護職員にも認め、在宅ケアの充実を図る。

 長期入院患者向けの介護型療養病床の廃止期限は11年度末から17年度末までに延長。有料老人ホームの入居一時金をめぐるトラブル防止のため、返金ルールを事業者に義務付ける。

 このほか、単身の認知症患者を支えるため、一般市民を対象にした「市民後見人」の育成を市町村に促す。

聴覚障害者に光の警報器を 消防庁検討会が法令化提言

2011年3月11日 提供:共同通信社

 総務省消防庁の有識者検討会は10日、聴覚に障害がある人のために、光で火災を知らせる警報器を、宿泊施設や病院などに設置していくことが必要として、促進のための法令整備を提言する報告書案をまとめた。

 消防庁は案を受け、ホテルなど一定以上の規模の施設を新たに建設する場合には、光警報器の設置を省令で義務付けることも視野に入れ、2011年度に別の検討会で協議を進める方針。

 報告書案は、光警報器は聴覚障害者のニーズが高いとして優先して普及を進めるよう提言。就寝時などに役立つとされる振動による警報器についても、設置を推奨するよう求めた。

 6月までに全国すべての住宅に設置が義務付けられる住宅用火災警報器については、光や振動による警報器を接続できる仕組みにするよう製造段階で義務付けることの検討が必要とした。

 国内の公共施設には音以外の方法で火災を知らせる警報器が少なく、聴覚障害者の逃げ遅れが懸念されている。

取り調べで配慮義務化 障害者基本法改正案 政府、投票所の整備も

2011年3月11日 提供:共同通信社

 政府の「障がい者制度改革推進本部」(本部長・菅直人首相)は11日、刑事事件で障害者が取り調べや裁判を受ける際、障害に応じて内容を分かりやすく伝えるなど意思疎通に配慮することを新たに義務付ける、障害者基本法改正案をまとめた。

 選挙などで投票しやすいよう、投票所の整備を国や地方自治体に義務付けるほか、教育の場で障害のない子どもと一緒に学ぶことができるよう配慮を求める規定を新設する。

 障害者権利条約の批准に向けた国内法整備の一環で、近く閣議決定し、今国会での成立を目指す。

 目的として「障害の有無によって分け隔てられることなく共生できる社会を実現する」と規定。障害者が障害のない人と同じ権利があるとの規定を現行法より強めた。

 司法手続きでは、刑事事件だけでなく民事裁判でも、難しい法律用語を分かりやすく言い換えたり、手話通訳をつけるなど配慮。関係する職員に対し研修を行わなければならないとしている。

 教育に関しては「障害者でない児童及び生徒とともに教育を受けられるよう配慮しつつ、教育の内容や方法の改善、充実を図るなどの施策を講じる」とし、希望に応じて普通学校で学べるよう明記。子どもの障害者は、身近な地域で支援を受けられるようにする。

 このほか(1)障害者施策の実施の際は当事者の意見を尊重するよう努める(2)内閣府に障害者政策委員会を設置し、必要に応じて首相に勧告できる-なども盛り込まれた。

障害者基本法改正案の要旨

2011年3月11日 提供:共同通信社

 障がい者制度改革推進本部が11日まとめた、障害者基本法改正案の要旨は次の通り。

 【目的】すべての国民が障害の有無により分け隔てられることなく共生する社会を実現する。

 【施策の基本方針】障害者施策の基本方針を実施する際には当事者の意見を尊重するよう努める。

 【教育】障害者でない児童や生徒とともに教育を受けられるよう配慮した上で、内容や方法を改善する施策を講じなければならない。

 【選挙などでの配慮】選挙などで投票しやすいよう、投票所を整備する。

 【司法手続きの配慮】刑事事件で被告人などになった場合、障害に応じて意思疎通の手段を確保するよう配慮する。民事裁判で当事者になった場合も同様の措置を取り、関係する職員に対し研修を行わなければならない。

 【障害者政策委員会】内閣府に障害者政策委員会を設置。委員会は必要に応じて首相に勧告できる。

娘放置死で猶予付き有罪 長崎、医療受けさせず

2011年3月11日 提供:共同通信社

 長崎県対馬市の自宅で衰弱した17歳の次女に医療措置を受けさせず死なせたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた無職大串時恵(おおぐし・ときえ)被告(45)の裁判員裁判の判決で、長崎地裁は10日、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役4年)を言い渡した。

 松尾嘉倫(まつお・よしみち)裁判長は判決理由で「それまで放置していたことを責められかねないと恐れ、娘が急激に衰弱したにもかかわらず医療措置を受けさせなかったのは母親としてあまりに無自覚、無責任」と指摘する一方、「愛する娘を失い、深く後悔している」と述べた。

 判決などによると、次女は皮膚の感染症にかかった際に病院を嫌がり、2009年12月ごろから自室に引きこもるようになった。大串被告は次女の症状が悪化し、食事を取れずに衰弱した後も医療措置を受けさせず、昨年3月16日ごろに死亡させた。

虫歯や真菌が原因の場合も 蓄のう症/5止 あなたの処方箋/106

2011年3月11日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/106 蓄のう症/5止 虫歯や真菌が原因の場合も

 蓄のう症の多くは、鼻風邪やアレルギー性鼻炎から起こる。しかし、東京都府中市の地方公務員、大下敏隆さん(48)の場合は違った。大下さんは昨年1月下旬、左の上の親知らずを抜歯。その際、左の上顎洞(じょうがくどう)(ほおの裏側の空洞)と口の中をつなぐ穴ができた。穴は10日間ほどでふさがったが、数日後、黄緑色の鼻汁が出た。さらに数週間後、抜歯部分に激しい痛みがあり、次いで鼻内に「どぶのような臭気」を感じて総合病院の口腔(こうくう)外科を受診すると、「歯性上顎洞炎」と診断された。虫歯や歯根の炎症が空洞の粘膜に広がって起こる蓄のう症だ。

 歯性上顎洞炎のように、顔の片側だけで起こる蓄のう症には、カビの一種である真菌の感染が原因になっていたり、悪性腫瘍(上顎洞がん)が見つかるケースもある。真菌が空洞(副鼻腔(びくう))内で異常増殖した場合には手術が必要だが、鼻の中から内視鏡を使って除去することが可能だ。また、神奈川歯科大の八尾和雄教授(耳鼻咽喉(いんこう)科学)は上顎洞がんについて、「患部を切除する手術と少量の放射線照射、抗がん剤投与を組み合わせた北里方式という治療法で、患者さんの7~8割は治る」と指摘する。

 特殊な蓄のう症としては他に、飛行機に搭乗中、機内の圧力の変化に空洞の内圧の変化が対応できずに起こる「航空性副鼻腔炎」などがある。蓄のう症による炎症が、目に波及する場合もある。特に、両目の間にある空洞(篩骨洞(しこつどう))と、眼球の入ったくぼみ(眼窩(がんか))を隔てる壁は紙のように薄く、炎症が広がりやすい。物が二重に見えたり、目が腫れたりしたら、一刻も早い受診が必要だ。

 一般的に、感覚器官の神経は繊細で再生しにくいとされる。食べ物の風味やにおいの異常も、放置すると嗅覚の喪失につながりかねない。聖路加国際病院(東京都中央区)の柳清・耳鼻咽喉科部長は、これまでの経験から「においがしなくなっても、早期の治療で8~9割の人は元に戻るが、5年以上過ぎてしまうと難しい」と話す。=おわり(須田桃子が担当しました。14日からは「水虫」です)

笑顔で運動し免疫力アップ 激しさ増すと逆効果/楽しさ感じ、続けてこそ

2011年3月11日 提供:毎日新聞社

免疫力:笑顔で運動しアップ 激しさ増すと逆効果/楽しさ感じ、続けてこそ

 春が近づき、そろそろ体を動かし始めようと思っている人も多いだろう。適度な運動は免疫力を高め、感染症やがんなどにかかるリスクを減らす。しかし、激しく無理に体を動かすと逆に免疫力を低下させてしまう。健康を維持するためには、どのような運動が効果的なのだろうか。【藤野基文】

 免疫は体内に微生物が侵入したり、がん細胞が生じた時にそれらを排除する体の防御の仕組みだ。白血球と総称されるさまざまな細胞が免疫にかかわる。

 中でも運動に最も反応するのが血液中を動き回って「敵」を攻撃するナチュラルキラー細胞(NK細胞)だ。NK細胞は運動を行うと活性化すると共に細胞数が増えるが、運動をやめると低下する。

 明治大の鈴井正敏教授(運動免疫学)によると、運動が適度であれば安静時の値と同程度まで戻るが、激しい運動の場合は活性は適度な運動時よりも大きく上昇し、運動後は数時間~24時間ほど安静時より低い状態が続く。1週間以上、元に戻らない場合もあるという。

 また、早稲田大の鈴木克彦准教授(運動免疫学)によると、激しい運動で体にストレスが加わると、それに対抗するために血糖値や心拍数を上げるストレスホルモンが血液中に放出される。これには免疫を抑制する作用があるという。

 実際、マラソンやトライアスロンのような過酷で持久力を必要とする競技の選手は、競技終了後2週間で、その50~70%にかぜの症状が見られるという。

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 運動による免疫力低下防止にはアミノ酸のシスチンとテアニンを摂取すると効果があることが確認されている。味の素(本社・東京都中央区)の栗原重一研究員と東京大の共同研究チームが発見し、09年の米国スポーツ医学会などで発表した。

 栗原研究員によると、アミノ酸から合成されるグルタチオンに免疫力を上げる効果があり、シスチンとテアニンを同時に摂取すると体内でのグルタチオンの合成量が上がる。

 免疫抑制を防ぐ効果は、東京大のボディービル選手15人(平均23歳)を調査した。14日間、夕食後に1回、8人にはシスチンとテアニンを摂取させ、7人には疑似食品を与えて比較。2週間のトレーニングの後、血液中のNK細胞活性を比べた。シスチンとテアニンを取っていない7人は2週間前よりも活性が平均69・2%に下がっていたが、取っていた8人は、平均101・7%とほとんど変化がなかった。

 同社はサプリメント「抵抗活力アミノ酸シスチン・テアニン」(30袋入り5250円)を発売している。これらのアミノ酸はスポーツ選手だけでなく、一般の人が摂取するとインフルエンザにかかりにくくなることも分かっている。また、免疫力が低下した手術後の患者の回復を早めることも確認されており、医療現場でも使われ始めている。

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 ただし、サプリメントはあくまでも補助的なもの。適切な運動を行うことが最も重要だ。鈴井教授も鈴木准教授も「ニコニコペース」を推奨する。

 1分間に120~130回の心拍数で行うジョギングやウオーキングなどの有酸素性運動が良いといわれているが、体への負担は個人差がある。目安としては「ハアハア」「ゼーゼー」と息切れするような運動は避け、文字通り笑顔でできる状態が効果的という。

 鈴井教授は「楽しみながら運動することも大切」と話す。楽しさや気持ちよさを感じると、βエンドルフィンというホルモンが脳下垂体から分泌される。βエンドルフィンはNK細胞と結合し、活性を高めるという。

 さらに、運動は継続することが大切だ。運動を続けていると体が適応し、運動後に免疫力が急激に下がるような変動を起こしにくくなる。また、運動の習慣がある人は安静時のNK細胞活性が標準より高いことも知られている。鈴木准教授は「普段から体を動かしていない人は急に激しい運動をすべきでない。ラジオ体操や散歩など軽い運動から始め徐々に運動量を増していくことが大切」と助言する。

二重の苦悩「許せない」 肝炎発症、母子感染も

2011年3月11日 提供:共同通信社

 発症から20年以上たった慢性肝炎患者と母子感染者の救済という問題をめぐり、10日も足踏みが続いたB型肝炎訴訟の和解協議。広島訴訟のある女性原告(53)は「20年問題」の当事者で、母子感染させたという事実にも苦悩し続けている。

 「治らない、治療しないとがんになると言われ、ただ恐怖を感じた」。1982年5月、妊婦健診で感染を知った。88年2月、倦怠(けんたい)感と微熱を感じる。その夏、広島市の病院で精密検査を受け、慢性肝炎と告げられた。

 さらに83、84年に産んだ長男長女の母子感染も判明。2人は未発症のキャリアーとなった。国の母子感染防止事業が始まったのは86年だった。

 「申し訳なくて泣いて暮らした。少しでもだるそうにしていると発症したかと不安になる」

 和解協議で国側が示した救済案に従えば、女性自身への補償は「未発症者への50万円が水準」。裁判所の和解案で慢性肝炎患者に示された和解金1250万円を大きく下回り、国側は母子感染の認定についても「ウイルスの遺伝子が比較できる血液検査」を求める。

 発症から23年。「なぜ区切られるのか。救済対象をできるだけ狭めようとする姿勢が許せない」

「苦しむ仲間減らす」 依存症で西日本初施設

2011年3月11日 提供:共同通信社

 ギャンブル依存症の人を受け入れ、社会復帰を目指す西日本初の施設「セレニティーパークジャパン」が4月、奈良県大和高田市にできる。同様の施設は横浜市などに数カ所あるだけで、全国的にも珍しい。自らも同じ依存症から回復した男性スタッフ(36)は「苦しんで自殺する仲間を減らしたい」と意気込む。

 男性によると、自身は16歳でパチスロにはまった。嫌なことを忘れられると就職後は回数も増え、25歳で結婚した妻ともギャンブルなどの影響で離婚。「後悔にふたをしたい」と一層のめり込んだ。ヤミ金に手を出し、借金は数千万円に。将来を悲観し、生きることに罪悪感すら感じても、やめられなかった。

 「助けて」。最後は両親にすがった。昨年1月、主に薬物依存症の人が回復を目指す奈良の施設を紹介され、プログラムの中で苦悩を打ち明けた。「本当につらかったのはあなただったのね」。母親の言葉に救われた。

 ギャンブル依存症は世界保健機関(WHO)が認める病気だ。国内で約200万人が苦しんでいるとされる。一度なると生涯、完治しないため、ギャンブルを何とかやめ続けて生きる方法を学ぶしかないという。施設では米国で約35年の実績があるプログラムを導入。この男性ら同じ依存症から回復したスタッフ2人と3カ月かけて学ぶ。

 男性が回復の糸口を見つけたころ、同じ依存症の仲間が自殺した。「解決策はあるのに...」。迷惑をかけた人が多い分、一生、苦しむ仲間の手助けをする覚悟だ。

 施設ではフロアタイル(約千枚)を買うための基金へ協力を呼び掛けている。1口2万円。問い合わせは事務局、電話0745(22)0207。

保険医協会が謝罪要求 メア氏発言

2011年3月11日 提供:共同通信社

 大阪府内の開業医らでつくる大阪府保険医協会(高本英司(たかもと・えいじ)理事長)は10日の理事会で、沖縄の人を「ごまかしとゆすりの名人」と発言し米国務省日本部長を更迭されたメア氏に対し、発言の撤回と謝罪を求める決議を採択した。

 決議では「いまだに続く占領支配者の民族差別意識。住民の命と健康を守る日本の医師団体として、発言は断じて容認できない」としている。

 協会はまた、日本政府に対し、米政府への毅然(きぜん)とした対応を求める決議も採択した。

子どもは早期治療で慢性化防いで 蓄のう症/4 あなたの処方箋/105

2011年3月10日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/105 蓄のう症/4 子どもは早期治療で慢性化防いで

 東京都中央区に住む中学1年の女子生徒(13)は09年11月、高熱と頭痛、片目のひどい腫れと痛みを訴えて緊急入院した。診断は、細菌による化のう性の炎症(蜂窩織炎(ほうかしきえん))。視神経に悪影響を与える恐れがあり、すぐに手術を受けた。まゆの下を切開して10日間ほどうみの排出用の管を差し、抗生物質の点滴もした。高熱のためほとんど食事をとれず、体重は5キロも減ったが、目の後遺症はなく回復した。

 炎症の引き金となったのは、目の近くの空洞(副鼻腔(びくう))で起きた蓄のう症だった。母親は「医師に聞いて驚いた。もっと早く病院に連れていけば」と悔やむ。女子生徒は時々、急性の蓄のう症になることがあった。発熱の数日前も緑色の鼻汁が出たが、すぐに止まったため、治ったと思い込んだという。

 一般的に、子どもは急性の蓄のう症にかかりやすい。鼻周辺の空洞が未発達で、細菌やウイルスが入り込みやすいからだ。耳鼻咽喉(いんこう)科専門、神尾記念病院(東京都千代田区)の神尾友信院長によると、主な症状は鼻づまりと鼻汁。口呼吸やいびき、注意力や記憶力の低下などから、家族が気付くことも多い。神尾院長は「子どもの場合は抗生物質の効果が出やすい。成人性の慢性蓄のう症への移行を防ぐには、早期の発見・治療が大事」と指摘する。顔面の骨が発育中のため、原則として15歳以下では鼻の手術はしないという。

 特に新生児や乳幼児では、上あごの骨の骨髄炎につながることもある。神奈川歯科大の八尾和雄教授(耳鼻咽喉科学)は「鼻の換気が蓄のう症の予防になる。鼻用の吸引器を使ったり、口で吸ってあげたりして、鼻汁がたまらないよう気を付けて」と話す。=つづく

途上国へのマラリアの簡易診断キット普及運動に取り組む満田久義さん 「時の人」

2011年3月10日 提供:共同通信社

 「発展途上国で毎年100万人以上の命を奪うマラリア。医学研究は進み、薬もあるのにそれを克服できずにいるのは何かが間違っている」

 マラリアの簡易診断キットを武器に途上国での感染拡大防止に取り組む仏教大教授は医者ではなく、社会学者だ。

 「マラリアの最大の犠牲者は社会の中で最も貧しい人。治療や予防、蚊の撲滅対策だけでは不十分で、貧困や女性差別の根絶、教育機会の拡大などの社会的な解決策に取り組まなければだめです」―。2007年から3年間、マラリアの大発生があったインドネシア・ロンボク島で行った疫学調査からの結論だ。

 02年に訪れた同島の最貧地域での経験が忘れられない。少数民族の母親がマラリアにかかった赤ちゃんを白い布にくるんで何時間も歩いて病院に連れてきた。だが、医者は母親に簡単な話をしただけで、母子を村に帰らせてしまった。

 「金なら出すから治療してやってくれと言ったら、医者に『薬が限られているのでここでは確実に救える時にしか治療ができないんだ』と言われた。早期診断と治療の大切さに気付いたのはその時です」

 「考えるより先に走りだす」というのが自己分析。亡父は、ビタミン強化米を開発して「かっけ」の克服に貢献。文化勲章も受けた京都大名誉教授。「学問は万人のため。研究室にこもっていては駄目だ」との父の言葉が耳に残る。「金や地位よりも社会貢献が自分にとって大切です」と笑う。京都市出身の62歳。

テレビで火がついた掛川茶、売り上げ大幅増

2011年3月10日 提供:読売新聞

 NHKのテレビ番組「ためしてガッテン」で健康増進に効果があると紹介され、人気が沸騰した掛川茶について、静岡県掛川市は8日、市内の茶加工販売業者を対象に行ったアンケートの結果、いずれも売り上げを大きく伸ばし、新たな顧客の獲得にもつながるなどの顕著な効果が上がっていると発表した。

 読売新聞の全国版に掲載された掛川茶の全面広告と相まって、掛川茶の人気を全国レベルに押し上げた格好だ。

 調査は掛川茶商協同組合を通して行い、市内42店舗のうち16社・店(38%)から回答があった。それによると、今年1月12日に番組が放映された後、各店には注文が殺到し、近年の1-2月の落ち込みを加味した実質で前年同月比2-5割増の売り上げを記録した。スーパーなどの店頭や通信販売が大きく伸びたほか、インターネット販売をしていない店舗も相互取引で在庫整理につながった。新規の顧客は計約1万件にも達したという。

 市内2か所の観光物産センターとJA掛川市の直販所では、1月の売り上げが前年同月比4-6・2倍に上ったほか、2月も2・5-3倍と好調だった。リピーター率が増えたほか、これまであまり茶に関心を示さなかったサラリーマンらが買い求めるなど、新たな購買層の開拓につながったという。

 番組放映の翌日の1月13日付の本紙全国版には、同組合と掛川茶振興協会の連名の全面広告が掲載され、掛川茶をPRした。

 各業者とも番組などの効果はまだ持続するとみており、間もなく迎える新茶シーズンでは原材料を積極的に仕入れる方針で、生葉や荒茶の価格に反映される見込み。松井三郎市長は、「売り上げは約5億円に上るだろう」との見方を示した。
##掛川茶でなくても、普通の煎茶を細かくひいてそれにお湯を注いで飲めば掛川茶と同様、それ以上のカテキンの効果が得られます、。コーヒーミルでヒイテモいいです。

資生堂 禁煙、来月から全面実施 オフィス、工場…営業車まで

2011年3月10日 提供:毎日新聞社

資生堂:禁煙、来月から全面実施 オフィス、工場…営業車まで

 資生堂は9日、4月1日から本社ビルや工場など国内の全事業所を、原則として全面禁煙にすることを明らかにした。接客が多い同社のイメージアップと、社員の健康増進を図る目的。オリックスも4月から就業時間中の全面禁煙を実施する予定で、“企業ぐるみ”で徹底的に禁煙に取り組む流れが強まりそうだ。

 資生堂が全面禁煙にするのは本社、全国各地の営業拠点、研究所、工場など同社の建物約100カ所(賃貸ビル含む)。営業用の社用車も禁煙にする。契約・派遣社員などを含むグループ従業員約2万5800人が対象で、そのうち百貨店などで働く美容部員約1万1000人は勤務中禁煙になる。外部からの来客にも協力を求める。

 ただし、全面禁煙に対する社員のストレスに配慮し、4月から1年間は暫定措置として、昼休みだけは従来の喫煙所での喫煙を認める。また、社員の「卒煙」を促すため、医療機関での禁煙治療費の助成制度などの利用を呼びかける。

 資生堂広報は「最終的な目標はあくまで全社の完全禁煙。社員に納得して参加してもらえるよう、慎重に進めていきたい」と話している。【浜中慎哉】

千葉・公立学校禁煙 敷地内全面は25市町村 船橋の団体が調査

2011年3月10日 提供:毎日新聞社

公立学校禁煙:敷地内全面は25市町村 船橋の団体が調査 /千葉

 県内で全公立学校を敷地内全面禁煙としている自治体は4割強の25市町村しかないことが、船橋市の禁煙団体「タバコ問題を考える会・千葉」(大谷美津子代表世話人)の調査でわかった。会は「成長期の若者に健康上、重大な悪影響を及ぼす」として県内全校の完全禁煙を求めている。

 調査は昨年5、6月に実施。千葉、市川、柏、浦安、習志野市など25市町村が全校一律で敷地内禁煙だった。他の自治体は、敷地内全面禁煙にする学校がある一方で、屋外や建物内に喫煙所を設ける分煙をしたり、一部の部屋を喫煙可能にしたりしている。

 特に船橋市は、市教委の最新の3月の調査でも、小中高と特別支援学校の83校中、敷地内全面禁煙はわずか15校。ほかは建物内全面禁煙36校、喫煙所による分煙22校、応接室など一部の部屋などで喫煙10校とまちまち。市教委は「職員や来客で喫煙する人がいるので各学校の判断に任せている」という。同会は「県内大規模都市で学校の喫煙対策を学校任せにしているのは船橋だけ」と改善を求めている。【橋本利昭】

たばこの陳列販売禁止へ 英政府、箱の簡素化も検討

2011年3月10日 提供:共同通信社

 【ロンドン共同】英保健省は9日、喫煙人口を減らして医療費を削減するため、2012年4月から順次、店頭でのたばこの陳列販売を禁止すると発表した。販売店はカウンターの下など客から見えない場所に置いて売ることになる。

 保健省は宣伝効果を抑えるため、箱のロゴを禁止するなど包装の簡素化も検討する。

 陳列販売の禁止は、英国の人口の約8割を占めるイングランド地方が対象。12年4月から大手の販売店で実施し、15年4月に中小店舗を含めた全体に広げる。

 保健省は08年に21%だったイングランドの成人喫煙率を、15年末までに18・5%以下に減らす目標を掲げている。

 英メディアによると、陳列販売の禁止はスコットランドや北アイルランドでも検討されているほか、カナダやフィンランドなど他国で先例があるという。

「幼児に向精神薬」3割 発達障害で専門医 成長への影響、懸念も 厚労省研究班が初調査

2011年3月10日 提供:共同通信社

 自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)といった「発達障害」がある小学校入学前の幼い子どもに、精神安定剤や睡眠薬などの「向精神薬」を処方している専門医が3割に上ることが9日、厚生労働省研究班の調査で分かった。

 小学校低学年(1~2年)まで含めると、専門医の半数を超えた。子どもを対象にした向精神薬の処方の実態が明らかになるのは初めて。向精神薬は使い方を誤れば精神に悪影響を及ぼす恐れがあり、慎重な処方が求められている。

 調査した国立精神・神経医療研究センター病院(東京都小平市)小児神経科の中川栄二(なかがわ・えいじ)医長は「神経伝達物質やホルモンの分泌に直接作用する薬もあるのに、幼いころから飲み続けた場合の精神や身体の成長への影響が検証されていない。知識の乏しい医師が処方する例もある」と懸念。製薬会社などと協力して安全性を早急に調査し、治療の指針を確立する必要があるとしている。

 昨秋、全国の小児神経専門医と日本児童青年精神医学会認定医計1155人を対象にアンケートを実施。回答した618人のうち、小学校入学前の子どもに向精神薬を処方しているのは175人(28%)だった。小学校低学年まで含めると339人(55%)に増え、高校生まで合わせると451人(73%)となった。

 向精神薬による治療の対象としている子どもの症状(複数回答)は「興奮」が88%、「睡眠障害」78%、「衝動性」77%、「多動」73%、「自傷他害」67%。

 使用している向精神薬(複数回答)は、衝動的な行動や興奮を静める薬「リスペリドン」(88%)、注意力や集中力を高めるADHD治療薬「メチルフェニデート」(67%)、睡眠薬(59%)などだった。

※発達障害

 興味・関心の特異な偏りやコミュニケーションの困難さに特徴がある自閉症のように、子どものころから症状が現れる。待つことが苦手だったり注意がおろそかになりがちだったりする注意欠陥多動性障害(ADHD)、読み書きや計算など特定の能力の習得が著しく困難な学習障害(LD)、自閉症に近いが知的な遅れは伴わないアスペルガー症候群などがある。いずれも脳機能の障害が原因とされるが、詳しいメカニズムは分かっていない。

※向精神薬

 中枢神経系に働き掛け、精神機能に影響を及ぼす薬剤の総称。抗精神病薬や抗うつ薬、抗不安薬(精神安定剤)、睡眠薬などがある。精神科のほか、内科や小児科などさまざまな診療科で処方されている。医師の不適切な大量処方やインターネットを通じた売買による乱用が社会問題化。過剰服用が自殺につながる可能性があるといった研究結果もあり、厚生労働省が対策に乗り出している。

市町村に後見機関を  認知症高齢者の保護で  厚労省研究会が報告書  「社会保障と税」

2011年3月10日 提供:共同通信社

 厚生労働省の老人保健健康増進事業の研究会が、認知症高齢者などの財産管理や権利を守る「成年後見制度」の普及を図るため、市町村ごとに「後見実施機関」を設置することを求める報告書をまとめたことが9日、分かった。

 成年後見制度は2000年、高齢化社会を支えるために介護保険制度と「車の両輪」として創設。認知症高齢者は今後30年で約400万人に達するともいわれるが、現状でも高齢者が悪質商法の被害に遭うケースは後を絶たない。後見人が必要でも利用に結びついておらず、後見機関が全国に置かれれば、高まるニーズに応える一歩となりそうだ。

 報告書では、後見機関は市町村が社会福祉協議会や市民後見NPOなどに委託。身寄りがない人を保護するため市町村長が申し立てるケースで、介護事業者らと連携し、認知症高齢者の発見から、後見の実施、支援までを一貫して担う「ワンストップセンター」の役割を果たす。一般市民を対象にした「市民後見人」の育成も行う。

 さらに、円滑な制度実現に向け、後見機関に対する行政の責任を明確にするとともに、市民を含めた地域の社会資源を活用しネットワーク化することが盛り込まれた。

 厚労省は11年度に20市町村程度を選んで市民後見人を育成、普及させるためのモデル事業を実施することにしている。報告書は、この事業の実施状況をにらみながら、早ければ新たな介護保険事業計画がスタートする12年度から3年の経過期間で後見機関を全市町村で設置するよう求めている。

※成年後見制度

 認知症や知的障害、精神障害などで判断力が不十分な人に対し、後見人が保護、支援して権利を守る制度。親族や市町村長らの申し立てで家庭裁判所が後見人を選任する「法定後見」と元気なうちに本人が選んでおく「任意後見」がある。支援の段階として本人の判断能力に応じて「後見」、「保佐」、「補助」の3種類がある。後見人には、財産管理のほか、各種契約時の代理権や取り消し権が与えられる。

【解説】効果とリスク見極めを

2011年3月10日 提供:共同通信社

 子どもへの向精神薬処方の実態が9日、初めて明らかになった。2002年の文部科学省調査によると、発達障害がある小中学生は通常の学級に通う児童・生徒の6・3%に達する。親の不安を解消するためにも、効果とリスクの双方を見極め、症状に応じて慎重に処方することが望まれる。

 向精神薬には、製薬会社が作る薬の説明書「添付文書」の中で「子どもへの安全性は確立していない」などと記載されているものが少なくない。そうした薬は医師の責任で処方することになるが、明確な指針がないため、出す薬は医師ごとに大きく異なる。「医師の経験に基づく『職人技』に頼っている」(厚生労働省担当者)状態だ。

 しかし、発達障害に注目が集まるようになったのは近年になってから。十分な知識を持つ医師ばかりではない。注意欠陥多動性障害(ADHD)やアスペルガー症候群などのさまざまな病態を適切に診断できなければ、効果的かつリスクを抑えた処方は難しい。

 今回の調査を踏まえ、成長過程の子どもの脳に与える影響など、安全性のさらなる確認が求められそうだ。

地域にネットワークを 悪質商法への対策急務

2011年3月10日 提供:共同通信社

 市町村ごとの「後見実施機関」の設置を求めた研究会の報告書は、自治体が中心となって地域の後見ニーズを把握し、確実に後見実施へとつなげるネットワークづくりがねらいだ。高まる需要に、専門家からも「実現すれば一歩前進だ」との声が上がる。

 研究会が示した仕組みでは、地域包括支援センターなどを通じ、認知症の疑いのある人物を特定。行政などの審査を通じて適切な市民後見人などを検討し、市町村長が家庭裁判所に申し立てる。

 これまでも介護事業者による自治体などへの通報はあった。だが、ヘルパーらが出入りしていても、認知症の女性が数百万円の契約を悪質な業者と結んでしまった例もある。今回の案が実現すれば、各機関が連携することで緊急性の高い事案に対応していくことが可能だ。

 ただ、都内で後見人を務める司法書士は「判断力が低下しているのに、一見して認知症とは分からない高齢者が最も消費者被害に遭いやすい」と話す。ある専門家は「後見が必要なすべての人にサービスが届くかが重要だ」と指摘。地域間格差や財産の有無にかかわらない仕組み作りも必要だ。

 財産管理だけでなく、一度結んだ契約を代わりに取り消すこともできる後見人が果たせる役割は大きい。権利が侵害されやすい認知症高齢者の「生活の質」をどれだけ高められるかが問われている。

国保は納付率低下 協会けんぽも財政難 「ほころび―社会保障の現場:揺らぐ医療」「国民皆保険」Q&A3回続きの(上)

2011年3月10日 提供:共同通信社

 すべての国民が何らかの公的医療保険に加入する国民皆保険制度が始まって50年を迎えます。

 Q 50年たってほころびはないのですか。

 A 市町村が運営する国民健康保険(国保)に問題が集中しています。もともとは、農家や自営業者を対象とした保険だったのですが、今は無職や非正規雇用の人が増えています。所得の低い人は保険料が払えないため、2009年度で納付率は88・01%まで落ち込んでいます。全体を集計すると、市町村国保は実質的には2633億円の赤字です。

 Q 国は将来的に国保をどうしようとしているのですか。

 A 厚生労働省は、個々の市町村に運営を委ねるのは負担が重すぎるとして、都道府県に運営を任せたい考えです。しかし、都道府県にしてみれば、赤字体質を置き去りにして、運営を押しつけられてはたまらないと反発しています。

 Q そのほかの保険制度はどうですか。

 A 中小企業の従業員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)は、景気低迷のあおりで保険料収入が伸びず、国に国庫補助率の引き上げを求めています。大企業の健康保険組合も、高齢者医療への支援金の負担にあえいでいます。

親に不安、慎重な医師も 「治療の指針必要」 【表層深層】子どもに向精神薬

2011年3月10日 提供:共同通信社

 幼い子どもへの処方が広がっていることが明らかになった向精神薬。発達障害の子どもが社会に適応する手助けになる一方で、安全性には未知数な面もある。親は不安を抱え、投与に慎重な医師も。専門医は「治療の指針が必要」と指摘する。

 ▽日課

 「使い始める前はすごく心配だった。ネット上には『覚せい剤と変わらない』というような書き込みまであったし...」

 注意力や集中力を高める薬を1錠、気持ちを静める薬を半錠―。埼玉県所沢市の女性(43)は毎日、小学3年の次男(9)に、2種類の向精神薬を飲ませている。

 次男は自閉症。長い間椅子に座ったり、人の話に注意を向けたりするのが難しく、市内の小学校の特別支援学級に通う。薬を使い始めたのは入学の少し前。通っていた施設の先生の勧めがきっかけだった。

 飲み始めたころは、耳が過敏になったせいで子どもの泣き声や電車の音を激しく嫌がり、先生を蹴ってしまうこともあった。医師と話し合い、薬の量や組み合わせを調整。すると徐々に授業に集中できるようになり、声を掛けたときの反応もよくなった。ただ、少しの不安は残る。

 「今では薬がないと心配で、飲み忘れたときは学校まで届けている。本人も、飲んだ方が調子がいいと感じているみたい。でも、依存症にはならないのだろうか」

 ▽未確認

 発達障害の原因は脳機能の異常とされる。向精神薬で症状を軽くすることはできるが、飲み続けなければならないケースもある。

 しかし向精神薬には、製薬会社が大人だけを使用対象にしたものが少なくない。国から承認を得る際に、子どもへの安全性が確認されていないためだ。そうした薬でも医師の責任で子どもに投与できるが、保険は適用されない。

 「メーカーとしては推奨できない。ただ、ほかに効く薬が少ないため、子どもにも使われているという話はよく耳にする」。ある製薬会社の担当者は打ち明ける。

 発達障害に関する著書があるお茶の水女子大(東京都文京区)の榊原洋一(さかきばら・よういち)教授は「海外では一定の安全性が確かめられている。日本でも多くの医師が使って効果を確認し、大きな問題も起きていない」と強調する。

 一方、発達障害の子どもの診療を40年近く続ける瀬川小児神経学クリニック(東京都千代田区)の瀬川昌也(せがわ・まさや)院長は「長期間の服用が子どもの脳の発達に与える影響を考えるべきだ」と指摘。クリニックでは15歳未満の子どもには原則として処方していない。

 ▽専門医不足

 発達障害児への専門的な医療体制の確保などを都道府県に義務付けた「発達障害者支援法」施行は2005年。厚生労働省の担当者は「まだ知識が乏しい医師が多い」と話す。

 9歳の長女が自閉症という東京都東村山市の女性(41)は「信頼して相談できる先生がいない」とため息をつく。今のところ向精神薬は使っていないが、将来必要になったらどうするか。

 今回の実態調査を担当した国立精神・神経医療研究センター病院小児神経科の中川栄二(なかがわ・えいじ)医長は「向精神薬は適切に使えば有用なことは間違いない。安全性を確かめ、薬物治療の指針を定めることが必要だ」と訴えている。

胎児不整脈の診断法開発 徳島大、超音波を利用

2011年3月10日 提供:共同通信社

 心臓の脈の打ち方が乱れる「不整脈」の症状がある胎児を、超音波を使って診断する手法を開発したと徳島大の加地剛(かじ・たかし)講師(産科婦人科学)が9日、発表した。

 加地講師によると、新生児の100人に1人に不整脈があるとされるがこれまで出生前の正確な診断は困難。「胎児期に診断することで早期治療が望めるほか、出生後に集中治療室にいる期間が短縮でき医療費の削減につながる可能性もある」としている。

 新しい手法は、心臓につながる特定の静脈と動脈に超音波を当て、血流量の変化をそれぞれ画像化。血流の状況や脈の周期性を明らかにすることで診断する。平均で3分以内に実施でき、母体への負担も少ないとしている。

 これまでは、別の静脈と動脈に超音波を当て新手法と同じように診断していたが、画像上で両方の血管の血流の様子が重なって表示されることもあり、詳しい評価が難しいこともあった。

 出生後に不整脈が悪化した場合、心不全などで死亡することもある。

英国で高齢女性の肺がんが急増、男性は減少 英慈善団体の調査結果

2011年3月9日 提供:共同通信社

 [ロンドンAP=共同]がん研究やがん患者援助を行う英慈善団体「キャンサー・リサーチUK」は7日、英国では60歳以上の女性の肺がん患者数が1975年の約7800人から2008年には約1万7500人と倍以上増えたが、男性の肺がん患者は逆に同期間中に約2万3400人から約1万7400人に減少したとの調査結果を発表した。

 ほとんどの先進国では禁煙措置によって肺がん患者が全体として減少しているが、女性についてみると、喫煙開始年齢が男性に比べ大幅に高いうえ、喫煙を開始してからがんを発症するまでに数十年かかるという肺がんの特徴から、高齢の女性は肺がんが増える傾向を示している。

 同協会のキング理事は「喫煙禁止措置が人々の禁煙を支援するのにいかに重要かを裏付けた」と述べた。

TPPへの懸念当たらず 看護、医療などの自由化で 反対意見をけん制 政府の見解文書判明

2011年3月9日 提供:共同通信社

 環太平洋連携協定(TPP)に参加すると、看護、医療などの各分野で大幅な自由化を迫られるという「懸念は当たらない」などとする見解文書を、政府がまとめたことが8日、明らかになった。

 TPPでは農産物の関税撤廃への懸念に加え、最近は外国人の看護師などが大量に流入したり、医療自由化で国民皆保険が崩れるなど「国の形が(悪い方向に)変わる」という警戒感も高まっている。政府見解は反対意見をけん制し、冷静な議論を促す狙いがある。

 政府は「必ずしも正しい情報に基づかずに懸念を表明する声が広がっている」と強調。全国で開催中の「開国フォーラム」などで説明していくが、理解を得られるかどうかは不透明だ。

 菅直人首相は8日、TPPの交渉入り後でも、状況によっては参加を見送ることもあり得るとの考えを表明した。

 同文書は、単純労働者の受け入れは自由貿易協定(FTA)の対象とされず、TPPでも「議論されているという情報はない」と指摘。看護師、介護福祉士の候補者受け入れも「2国間交渉の結果によるもの」でTPPとは別問題とした。

 医療保険制度の見直しについては、TPP交渉の対象から除外されるとの見通しを明記。保険が効かない高額の自由診療と保険診療を組み合わせる「混合診療」が全面解禁されると、だれもが等しく高度な医療を受けることが困難になるとの見方があるが、「混合診療は専ら国内の問題として議論中」でTPPとは関係ないとした。

 米国から郵政民営化の見直しにストップをかけられるのでは、という指摘には「要請は事実」としながら、公平性に配慮して対応する従来の方針を繰り返した。

 地方自治体の公共工事入札に関しては「国と同程度、外国企業に開放することを要請する動きがある」と指摘。国際入札の対象基準を現行の23億円から引き下げるよう求められる可能性は否定せず、「交渉の中で議論がなされる」とした。

※環太平洋連携協定(TPP)交渉

 物品の関税の原則撤廃のほか、サービス、投資などの幅広い分野で自由化を目指す交渉。米国やオーストラリアなど9カ国が参加している。2月にチリで開かれた第5回交渉会合で関税分野の交渉が本格化。3月下旬にシンガポールで開かれる会合までに、各国はサービス、投資、政府調達の自由化案を提示する計画。日本は6月に交渉参加の是非を判断する。

農業以外も批判高まる 政府、火消しに躍起

2011年3月9日 提供:共同通信社

 【解説】政府が環太平洋連携協定(TPP)交渉に関する見解をまとめたのは、当初から反対が予想された農業分野だけでなく、医療など暮らしにかかわる幅広い分野で批判の声が急速に高まってきたためだ。政府は火消しに躍起だが、国民の不安を拭い去るのは簡単ではない。

 政府はTPPに参加するメリットを分かりやすく説明し、理解を得るほかない。

 関税の原則撤廃を求められる農産物の交渉に比べると、サービス、投資、政府調達などは、途上国に比べルール整備が進む日本にとっては「攻め」の分野との見方が多かった。

 しかし、日本政府はまだTPPの交渉に参加しておらず、24に上るTPPの作業部会で具体的に何が話し合われているのか十分に把握できていないのが実情だ。その中で、外国人労働者の受け入れ、医療といった分野で、医師会など関係者から具体的な懸念が指摘され、反対論が強まった。

 経済産業省関係者は「日本は早期に交渉入りし、その中で日本の立場を訴えていくべきだ」と主張。「関係者の懸念には誤解が含まれている」といら立ちを隠さない。

 TPPの交渉参加に米国から同意を得る条件として、日本は米国産牛肉の輸入規制や、郵政民営化の見直しで注文を付けられるとの警戒感も反対論の背景にある。

ワクチン同時接種、再開可否は次回判断 厚労省検討会

2011年3月9日 提供:毎日新聞社

ワクチン同時接種:再開可否は次回判断--厚労省検討会

 ヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンと他のワクチンを同時接種後、乳幼児が死亡する事例が5件報告された事態を受け、厚生労働省は8日、ワクチンの安全性を評価する専門家検討会を開いた。現時点では接種と死亡の直接的な因果関係は認められないが、同時接種の安全性などさらに情報収集が必要だとして、接種再開の可否は次回の会合で判断するという。

 検討会では、厚労省が各症例について主治医を含めた複数の医師に評価を依頼し、いずれも「ワクチンと死亡との因果関係が認められるケースはなかった」とする結果が報告された。

 委員からは「海外の多くの国で同時接種を実施しているが、死亡率が高いというデータはみられない」との発言があった。別の委員は、ヒブワクチンの単独接種と、ヒブと他のワクチンを同時接種した症例を比較した国内の研究結果でも副作用は増えていないと報告した。

 しかし、「現時点では各症例の基礎疾患の重さも分からず、責任を持って判断ができない」などと早急な接種再開に慎重な意見もあり、次回までに2月以降の接種者数や海外の状況などの詳細なデータを集めて判断することにした。心疾患などの基礎疾患がある子どもについては十分な注意が必要との見解では一致した。

 ヒブワクチンは08年12月、小児用肺炎球菌ワクチンは10年2月に国内販売が始まり、今年1月末までにそれぞれ155万人(推定)、110万人(同)が接種した。いずれも細菌性髄膜炎などの予防効果があり、子宮頸(けい)がんワクチンと併せ、10年11月~12年3月まで国と市区町村が公費接種を行っている。【佐々木洋】

接種引き続き見合わせ ワクチン安全性、検討継続

2011年3月9日 提供:共同通信社

 子どもの細菌性髄膜炎などを予防するインフルエンザ菌b型(ヒブ)や肺炎球菌ワクチンの接種後に乳幼児が死亡したとの報告が3月に5例続いたことを受け、厚生労働省は8日、医学の専門家らによる会議を開いたが安全性に関する結論は出ず、厚労省は4日から見合わせているワクチン接種の再開を見送った。

 5人は2種類以上のワクチンを同じ日に接種していたが、この日の会議では同時接種の安全性や接種を受けた子どもの数、海外での副作用の状況などのデータが示されず、追加の情報収集と分析が必要と指摘された。

 ただ、5人の死亡とワクチン接種との直接的な因果関係は現段階では認められないとされた。

 厚労省は追加のデータを早急に集め、次回の会議に接種再開の可否を諮る。会議の座長代理、岡部信彦(おかべ・のぶひこ)・国立感染症研究所感染症情報センター長は「2週間程度が目安」との見解を示した。

 厚労省によると、3月に死亡が報告されたのは神奈川、京都、兵庫、宮崎の2歳以下の乳幼児5人。心臓に先天的な持病のある子どもが含まれており、検討会は「こうした患者は十分な注意が必要」との見方を示した。

 これらのワクチンをめぐっては、市区町村が主体となって接種と公費補助をする場合に国が半額負担する事業が昨年11月に始まった。ほぼ全ての自治体が公費補助を始めたか、実施を決定済み。

[栄養調査] 肥満者男性の29.8%、体重を減らそうとしていない  厚労省

2011年3月9日 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

平成20年 国民健康・栄養調査報告(3/8)《厚労省》

  厚生労働省は3月8日に、平成20年の国民健康・栄養調査報告を公表した。この調査は、健康増進法に基づき、国民の身体の状況や栄養素等摂取量、生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康増進の総合的な推進を図るために実施されている(p15参照)。

  報告書は、(1)栄養素等摂取状況調査の結果(2)欠食・外食等の食事状況調査の結果(3)身体状況調査の結果(4)生活習慣調査の結果(5)栄養素等摂取量の分布(6)年次別結果-の6部構成。平成20年調査では、「体型」「身体活動・運動」「たばこ」分野について、重点的に把握・整理している。

  体型や食事の実践等に関する状況では、肥満者(BMI≧25)の割合は、男性28.6%、女性20.6%となっている。平成12年以降の年次推移をみると、男性の20-60歳代では、肥満者割合の増加傾向が、それ以前の5年間に比べ鈍化しており、女性の40-60歳代では、肥満者の割合が減少している。一方、やせの者(BMI<18.5)の割合は、男性4.3%、女性10.8%であり、女性では20歳代(22.5%)および30歳代(16.8%)で高い(p57参照)。体重を減らそうとする者の割合は、男性で40.5%、女性で51.6%。体型別に見ると、肥満者の男性では29.8%が体重を減らそうとしていないことがわかった。一方で、やせの女性では12.6%が体重を減らそうとしている(p63参照)。

  身体活動・運動習慣に関する状況では、運動習慣のある者の割合は、男性33.3%、女性27.5%であり、平成15年に比べ男女とも増加していることがわかった(p65参照)。また、意識的に体を動かすなどの運動をしている割合も、男女とも増加傾向にある(p67参照)。

  たばこに関する状況では、現在習慣的に喫煙している者の割合は、男性36.8%、女性9.1%であり、平成15年以降男女とも減少している(p71参照)。現在、習慣的に喫煙している者で、たばこをやめたいと思う者は、男性28.5%、女性37.4%であり、平成15年に比べ男性では増加していることがわかった(p78参照)。

  なお、平成20年調査の概要版は、すでに平成21年11月9日に公表されている。

(その1:10.4M)

重症なら手術、通院できる場所で 蓄のう症/3 あなたの処方箋/104

2011年3月9日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/104 蓄のう症/3 重症なら手術、通院できる場所で

 投薬や鼻周辺の空洞(副鼻腔(びくう))の洗浄でも症状が改善しない重症の場合は、手術での治療が必要になる。全身麻酔をかけ、医師が鼻の穴から直径4ミリの内視鏡を入れ、モニターに映った患部の画像を見ながら、鉗子(かんし)類で腫れた粘膜を切除したり、空洞と鼻の穴をつなぐ小さな穴(自然口)を広げるなどして、空気の通り道を確保する。以前は、歯茎から広く切開し、病変部の粘膜を根こそぎとる手術が一般的だったが、神奈川歯科大の八尾和雄教授(耳鼻咽喉(いんこう)科学)は「現在は、元々の形態や機能をできる限り温存する方法が主流で、患者さんの負担も減った」と説明する。

 東京都港区に住む会社員の女性(38)は一昨年から昨年にかけて頻繁に風邪を繰り返し、体の不調に悩まされた。頭が重く、息苦しいうえ、片頭痛もあった。近所の病院で蓄のう症と診断され、抗生物質を服用したが治らない。やがて嗅覚(きゅうかく)が鈍り、カレーを作っていても匂いがしなくなった。総合病院の耳鼻咽喉科に駆け込むと、レントゲンの画像から、鼻の穴の天井にある匂いを感じ取る粘膜が腫れでふさがっていることが分かった。

 女性の場合、左右の鼻の穴を隔てる壁が片側に曲がり、ぜんそくとアレルギー性鼻炎の既往症もあることが蓄のう症の慢性化につながっていた。昨年9月に入院し、曲がった壁の軟骨と骨の一部、さらに粘膜が腫れた鼻内の突起の一部を切り取るとともに、うみを洗い流す手術を受けた。退院後もかさぶたがとれるまで数回通院し、約1カ月後に完治した。女性は「両方の鼻が通り、料理はもちろん、花や風の匂いも感じられる。以前より集中力が増し、ぜんそくも軽くなった」と喜ぶ。

 手術の入院期間は通常、1週間前後。聖路加国際病院(東京都中央区)の柳清・耳鼻咽喉科部長は「鼻の手術は術後の処置がとても重要で、不十分だと癒着が起きる。手術は退院後も週に1度、最低1カ月は通えるところで受けるのが望ましい」と話す。日帰り手術を勧める病院もあるが、柳医師は「無理ができないので奥の方の患部を取りきれず、再発につながるケースもある」と指摘する。=つづく

脳の一部で神経機能が低下 自閉症、目合わせない原因

2011年3月8日 提供:共同通信社

 自閉症の人は他人の顔を認識する脳の部位で神経の機能が低下し、「視線を合わせない」という症状や「相手の気持ちを読めない」という社会性の障害が起きることを突き止めたと、浜松医大の鈴木勝昭(すずき・かつあき)准教授らが7日付米専門誌に発表した。

 研究チームの辻井正次(つじい・まさつぐ)中京大教授は「自閉症には、親の育て方が悪いなどの間違った見方があり差別や偏見をもたらしてきた。自閉症が脳の中の障害と関係していることを明らかにする研究結果であり、自閉症の人に対する理解を広げ、支援につながる」としている。

 研究チームは、脳全体の活動を調節する「アセチルコリン神経」と、他人の顔を認識する「紡錘状回(ぼうすいじょうかい)」という脳の部位の関係に注目。陽電子放射断層撮影(PET)で、18~28歳の20人の自閉症の人のアセチルコリン神経の働きを調べた。

 その結果、健康な人に比べ、紡錘状回での活動が約35%低下していることが判明。機能低下の程度が進むほど、「相手の気持ちが読めない」という症状が強くなることも分かった。

 自閉症は神経発達障害で、相手と視線を合わせないという症状のために、相手の気持ちが読めなかったり、自分の気持ちをうまく伝えられないという症状が出ると考えられていたが、どのようにして起きるかは分かっていなかった。

前立腺がん悪化の原因特定 遺伝子変異とタンパク質

2011年3月8日 提供:共同通信社

 前立腺がんでホルモン療法が効きにくくなる遺伝子変異と、症状悪化を促しているとみられるタンパク質をマウスの実験で見つけたと、東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明(かとう・しげあき)教授らが7日付米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

 京都府立医大、神戸大などとの共同研究。

 前立腺がんの多くには男性ホルモンがかかわり、初期には薬でホルモンの作用を抑える治療法が効くが、やがて効かなくなり治療法が限られる。今回見つけたタンパク質は人間の前立腺がん細胞にも多くあり、その働きを抑える薬を開発すれば、新しい治療法につながる可能性があるという。

 加藤教授らは、ホルモン療法が効きにくくなった人間の前立腺がん細胞では、細胞表面にある男性ホルモン受容体の遺伝子の特定の場所に変異があることが多いことに注目。この場所に変異があるマウスを作ると、通常のマウスより前立腺がんが急速に悪化することを確認した。

 また細胞の増殖にかかわるとされる物質との関係を調べ、「Wnt5a」というタンパク質の量が少ないと、遺伝子の変異があっても、がんの進行が遅れることを発見。加藤教授らは、がん細胞の周囲の細胞がWnt5aを分泌し、増殖を促していると推定した。

ヒブ接種後に乳児死亡 5例目、因果関係は不明

2011年3月8日 提供:共同通信社

 厚生労働省は7日、宮崎県都城市の6カ月未満の男児が、2月4日にヒブワクチンとBCGワクチンの同時接種を受け2日後に死亡したとの報告があったと発表した。同様の死亡例は5例目。報告した医師は、ワクチンと死亡の因果関係は「分からない」としている。男児には右心室肥大などの持病があったという。

 子どもの細菌性髄膜炎などを予防するヒブ、肺炎球菌ワクチンの接種を受けた乳幼児の死亡が今月2~4日に4例相次いで報告されたため、厚労省は4日にこれらの接種をいったん見合わせた。8日に専門家による会議を開いて、5例の経過などをもとにワクチンの安全性を再検討する。

 昨年11月から、市町村が接種費用を公費で補助する場合、国が半額を出す制度が始まり、厚労省によると、5例中4例の自治体では補助が始まっていたという。

子宮頸がんワクチン、新規接種を当分見合わせ

2011年3月7日 提供:読売新聞

 全額公費で接種を受けられる子宮頸(けい)がんワクチンが全国的に品薄になっている問題で、小宮山洋子・厚生労働副大臣は7日、▽当分の間、新規の接種を見合わせ、既に接種を始めた対象者への2、3回目の接種を優先する▽既に公費接種が始まった市町村で、初回接種を受けられない高1は、高2になってから接種を始めても公費助成の対象とする、との方針を発表した。

 このワクチンは、子宮頸がんの原因となるウイルスの感染を50-70%減らす効果があり、半年間に計3回接種する。厚労省は昨年11月、中1-高1を対象に、国と市区町村が接種費用を折半することを決定。全国の約半数の自治体で公費接種が始まっている。

 製造元の英グラクソ・スミスクライン社によると、1学年あたりの対象者を50万人と見込んで年間400万回分を供給する計画をたてていたが、予想を上回るペースで接種が進んだため、一部の地域で在庫が底をつく事態が起きているという。

子宮頸がんワクチン不足 高2も助成対象に、厚労省

2011年3月8日 提供:共同通信社

 子宮頸(けい)がん予防ワクチンの供給が全国的に不足しているとして、厚生労働省は7日、接種費用の助成対象年齢の上限である高1の女性は、3月末までに接種を受けられず高2になってから接種を始めても、当面は助成の対象にすることを決めた。

 このワクチンは初回、1カ月後、6カ月後と計3回の接種が必要。厚労省は自治体に対し、在庫が十分にない場合は、初回接種の人よりも2、3回目の人を優先するよう要請した。

 供給不足は昨年11月に国の費用助成が始まったことによる需要急増が原因とみられる。製造販売するグラクソ・スミスクラインによると、1~2月の注文数は、2009年12月の発売開始から今年1月までに出荷した約100万回分に迫る勢いとなり、2月末から在庫が逼迫(ひっぱく)し始めた。ただ年間の必要量400万回分は満たせる見通しで、7月ごろには安定供給が可能になりそうだという。

 市区町村が主体となってワクチンの接種と公費補助をする場合、国が半額負担する事業は11年度末までの予定。対象は原則として中1~高1の女性で、ほぼ全ての自治体が接種を始めたり、始める準備を進めている。

早期なら投薬や空洞洗浄で完治 蓄のう症/2 あなたの処方箋/103

2011年3月8日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/103 蓄のう症/2 早期なら投薬や空洞洗浄で完治

 鼻周辺の空洞(副鼻腔(びくう))の粘膜に炎症が起き、うみがたまる蓄のう症(副鼻腔炎)。急性の場合の治療は、抗生物質や消炎剤などの内服が主流だ。

 耳鼻咽喉(いんこう)科専門、神尾記念病院(東京都千代田区)の神尾友信院長は「最近は蓄のう症に有効な抗生物質が増えている」と話す。投薬により粘膜の腫れがひくと、うみは自然に排出される。並行して、鼻腔内と空洞をつなぐ小さな穴(自然口)などからノズルを入れ、空洞内に生理的食塩水や抗生物質を注いでうみを洗い流す処置をすることもある。聖路加国際病院(東京都中央区)の柳清・耳鼻咽喉科部長は「慢性化していても、空洞の洗浄で治る例がある」と指摘する。

 東京都府中市の地方公務員、大下敏隆さん(48)は昨年2月、倦怠(けんたい)感と鼻の中の不快な臭気を感じ、左のほおの裏側にある空洞の蓄のう症と診断された。二つの病院で治療を受け、抗生物質を延べ約4カ月半服用したが、ほおの違和感はなくならない。医師には内視鏡を使った手術を勧められた。

 「手術は避けたい」と悩み、知り合いの医師の紹介で、10月に柳医師の治療を受けた。空洞の洗浄を1週間に1回、計8回にわたって受け、服薬も続けた。症状は改善し、12月には空洞内のうみが消え、治療は完了した。大下さんは「洗浄は手術に比べ楽で、経済的負担も軽い。高い洗浄技術を持つ医師に出会え、感謝している」と話す。

 しかし、一般的には、慢性化するほど投薬や洗浄の効果は出にくい。神尾院長は「鼻の調子が悪くてもすぐには病院に行かない人が多いが、慢性化や重症化を防ぐには、早期発見、早期治療が大事。早めに耳鼻科を受診して」と呼び掛ける。=つづく

音楽で認知症予防

2011年3月7日 提供:読売新聞

施設職員 続々と研修

 高齢化に伴い認知症患者が増える中、認知症ケアの重要性が高まっている。そんな中、音楽を使って認知症を予防しようと、特別養護老人ホームなどの施設職員らを対象に福島県が行っている研修会に人気が集まっている。(船越翔)

 「職員を拒否して口も聞かなかった人が、氷川きよしさんのCDをかけたら、大きな声で歌ったんです。職員全員が驚きましたが、そこからつながりが生まれたように感じます」

 先月25日、福島学院大学(福島市宮代)の一室。伊達市内のグループホームに勤務する女性介護員(43)が、この日集まった同業者ら約30人を前に、「音楽療法」の成果について語った。

 音楽療法とは、音楽を使って心身の障害の回復、機能の維持改善などを図るもの。歌ったり音楽に合わせて体を動かしたりすることで脳や体に刺激が与えられ、認知症の予防や進行を遅らせることに効果があるという。県高齢福祉課の推計では、現在、県内の認知症患者は約4万人。今後も団塊世代の高齢化が進んでいくことなどから、同課は「認知症患者の数は増えるだろう」と見込む。

 県は、認知症の予防対策として音楽療法に注目。グループホームや特別養護老人ホームなどの施設の職員を対象とした研修会を2004年に始め、これまでに300人以上が受講した。今年度の研修会にも定員を超える応募者が集まり、人気は高いという。

 昨年9月の研修会では、音楽療法に詳しい福島学院大学の佐藤敦子教授が講師役を務め、脳の仕組みや音楽の機能、実践方法までを講義。音楽療法のポイントとして、〈1〉服用する薬など相手の症状を把握する〈2〉生まれた時代や音楽の好みなどを調べる--などを挙げて、「一人ひとりにあった療法を考えることが大切」と訴えた。その上で、歌の選び方や手作りの楽器の作り方などを指導した。

 表情明るく

 25日の研修会では、昨年9月の研修後、参加者が各施設で実践した音楽療法の事例報告が行われ、参加者からは「音楽が流れると皆すぐに集まるようになった」「表情が明るく豊かになった」などの声が上がった。

 佐藤教授は「個人の症状に沿ってきめ細かく取り組めば単なるレクリエーションにとどまらず、効果も高い。音楽は身体の機能回復だけでなく、心の開放にもつながる」と手応えを語る。

 ただ、今回の研修会の参加者を対象に行ったアンケートでは、音楽療法に関する問題点について、回答者の半数以上が「対応できる施設の職員が足りない」と答えた。この点について、県高齢福祉課は「各事業所に交付金を支給し、職員の処遇の改善を図っている。今後もこうした制度を使って、支援していきたい」としている。

識者談話 冷静に対応してほしい

2011年3月7日 提供:共同通信社

 国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦(おかべ・のぶひこ)センター長の話 今の段階でものを言うには資料が不足している。心配になるのは分かるが、慌ててワクチンを打つ必要はないし、危ないから一生やらない、というのも考えすぎだ。厚生労働省で専門家による会合が開かれるので、その結果が報告されるのを待って冷静に対応してほしい。

(山梨)「劇症1型糖尿病」解明

2011年3月5日 提供:読売新聞

山梨大治療薬開発に期待

 急に血糖値が上昇して昏睡(こんすい)状態に陥る「劇症1型糖尿病」は、血糖値を調整するインスリンを分泌するすい臓の細胞がウイルスに感染して破壊されて起こることを、山梨大医学部第3内科の小林哲郎教授(糖尿病学)の研究グループが解明した。研究成果は1日に発行された米国の糖尿病学会誌に掲載された。治療薬の開発などにつながるという。

 小林教授らが4日夜、同大で記者会見し、詳細を発表した。

 小林教授によると、劇症1型糖尿病は生活習慣とは関係なく発症する。のどが渇き、数日で体重が激減して死に至ることもある。現在、国内に推定約1万人の患者がいるとされるが、発症が急なため診断が難しく、根本的な治療法が見つかっていない。

 研究グループは劇症1型糖尿病で死亡した3人のすい臓を調べ、「エンテロ」というウイルスに感染していることを発見。さらに、エンテロウイルスを攻撃するすい臓の細胞が、過剰な免疫反応を起こし、細胞自身を攻撃し、すい臓を破壊していることを突き止めた。

 小林教授は「免疫反応を抑制すればいいと考えれば、治療薬が開発される可能性は十分ある」と話している。

10人に1人は永久歯欠損 かみ合わせに異常も 小児歯科学会が初の調査

2011年3月7日 提供:共同通信社

 28本の永久歯のうち、1~数本が何らかの原因により作られず、欠損している「先天欠如」の子どもが10人に1人いることが、日本小児歯科学会の初の全国調査で5日、分かった。

 全部が生えそろわないと、かみ合わせの異常など、さまざまな悪影響が出る可能性がある。担当した山崎要一(やまさき・よういち)鹿児島大教授(小児歯科学)は「かなり多い数だ。治療の多くは自費診療が必要な上、治療ができる専門の歯科医師の数も少なく、大きな問題だと考えている」と話している。

 2007~08年に、先天欠如以外の理由で歯科を受診した12都道府県の7歳以上の子ども1万5544人を調査。先天欠如は1568人(10・1%)で見つかった。男子では9・1%、女子では11・0%だった。

 上顎だけに欠損がある子は2・5%、下顎だけは5・7%、両方は1・9%。下顎で、中央から左右に向かって5本目にある第2小臼歯がないケースが最多で、2本目の側切歯がない子どもも多かった。

 7歳の段階でエックス線写真でも永久歯の芽(歯胚(しはい))が確認されないと、約99%の確率で欠如するとされる。乳歯は普通に生えていることが多い。

 永久歯の先天欠如は原因不明のため、予防はできない。かみ合わせを正常にするため、歯並びを整えたり、インプラント(人工歯根)治療をしたりするなど、かなり専門的な治療が必要になるという。

 山崎教授は「全国に歯科の病院は6万ほどあるが、きちんと対応できるのは数千程度。学会のホームページで紹介する専門医か矯正歯科医に相談してほしい」と話している。

※永久歯の先天欠如

 親知らずを除き、上下14本ずつ、計28本あるべき永久歯もしくは永久歯の芽(歯胚(しはい))が作られず、大人になっても生えてこない状態。永久歯がなく乳歯のまま大人になる人もいるが、かむ力に耐えきれずに割れることもある。一部の先天欠如は遺伝子の異常によるが、大部分は原因不明。1~2本が欠けるケースが多いが、遺伝が原因の場合は6本以上生えないこともある。歯がないと顎の骨の成長が不十分になったり、関節に負担がかかったりするなどの悪影響が出る。

隕石に地球外生命の化石か…NASA研究者

2011年3月7日 提供:読売新聞

 【ワシントン支局】米航空宇宙局(NASA)マーシャル宇宙飛行センターのリチャード・フーバー博士が、地球外の微生物とみられる化石を隕石(いんせき)の中に発見したと、4日の専門誌「ジャーナル・オブ・コスモロジー」電子版に発表した。

 ロイター電によると、生命が地球外で生まれ、彗星(すいせい)などによって運ばれてきた可能性を示すが、論争は必至で、同誌は多数の研究者に検証を呼びかけている。

 フーバー博士は、アフリカなどで採取された隕石3個の断面を調べ、原始的な生物の藍藻類に似た構造の痕跡を発見したという。痕跡には、生命を形作る基本元素のうち、窒素がほとんどなく、同博士は「太古の時期に抜けてしまった」と推測している。

 NASAは1996年にも、隕石から火星の微生物の化石を発見したと発表したが、決定的証拠が得られず、批判を集めた。

後遺障害の審査徹底へ 交通事故の脳損傷

2011年3月7日 提供:共同通信社

 損害保険会社を会員とする損害保険料率算出機構は4日、交通事故による脳損傷に関し「磁気共鳴画像装置(MRI)などの画像で確認できない」との理由で見逃されないよう、4月から自賠責保険の後遺障害認定に関する審査を徹底することを決めた。

 頭部の外傷による脳損傷は、実際には記憶力や判断力が低下するなど重度の「高次脳機能障害」に該当するのに、認知症やうつと間違えられたり、むち打ちなど軽症と診断されたりし、審査されないまま「門前払い」されるケースがあると指摘されていた。

 このため今回の見直しでは、画像で損傷が確認できなくても、患者や家族の話から高次脳機能障害が疑われる場合は審査手続きを行い、専門医らが症状の程度を判断することにした。

 同機構は今後、医療機関にリーフレットを配布するなどして周知を徹底する。

海外より大幅に遅れ導入 公費補助で接種者増

2011年3月7日 提供:共同通信社

 日本は海外に比べ、新しいワクチンを導入するのが著しく遅いとの批判があり、細菌性髄膜炎を引き起こし、死亡したり重い後遺症の場合もある肺炎球菌とインフルエンザ菌b型(ヒブ)のワクチンは、待ち望む声が高まる中で国内に導入された。昨年暮れから接種費用を公費で補助する事業が始まり、接種する人が急激に増加したとみられる。

 ヒブワクチンの場合、米国で承認されたのは1987年だが、日本では20年後の2007年、小児用肺炎球菌ワクチンは米国は00年、日本は09年と10年近い差があった。

 製薬会社から厚生労働省への報告によると、1月31日現在、肺炎球菌ワクチンは昨年2月の発売以来推定110万人に接種、重い副反応は58例。ヒブワクチンは08年12月の発売以来、推定155万人に接種、重い副反応は55例で、うち1人が死亡したが、因果関係は不明とされている。

 この中には2種類のワクチンを同時に接種した2例があり、アナフィラキシー反応やけいれんなどの症状が出た。

携帯パソコンで手話通訳 神奈川のNPOが実証実験

2011年3月7日 提供:共同通信社

 聴覚障害者が携帯用パソコンを持ち運び、インターネットのテレビ電話機能を使って手話通訳者と会話、病院や行政機関、商店などでのコミュニケーションを円滑にする実証実験に神奈川県藤沢市のNPO法人「シュアール」が取り組んでいる。

 手話通訳者が現場に同行する必要がないため、手間や費用が軽減できるのがメリット。聴覚障害者15人や市、IT企業の協力で行った実証実験はおおむね順調で、シュアールは費用の負担方法などを詰め、秋以降の事業化を目指す。

 携帯用パソコンにはカメラと高速通信端末が付いており、事務所に24時間態勢で詰めている手話通訳者とお互いの姿を見ながら話すことができる。例えば病院の職員が手話が分からない場合、通訳がパソコンを通じて声を出し、職員に病状を説明することが可能だ。

 各地の自治体は手話通訳の派遣サービスなどを行っているが利用には限界があり、緊急時に間に合わない恐れもある。一方、自費で通訳を確保するのは障害者にとって大きな負担。わずかな時間で用が済む場合もあり、ネット活用が注目されているという。

 シュアールの大木洵人(おおき・じゅんと)理事長は「飲食店で味の好みを伝えることも可能になり、障害者の生活の質向上につながる」と意気込んでいる。

がんのリハビリ 今年度から保険適用になり、徐々に普及。

2011年3月6日 提供:毎日新聞社

医療ナビ:がんのリハビリ 今年度から保険適用になり、徐々に普及。

 ◆がんのリハビリ 今年度から保険適用になり、徐々に普及。

 ◇手術前開始、回復早める

 ◇呼吸法、筋トレ…効果高く 専門医不足、病院の体制課題

 病気や事故、手術などによって体に障害を負った後から行うものというイメージが強いリハビリテーション。だが、急な手術などが少ないがんでは、手術前から適切なリハビリを導入することにより、手術後の身体機能の回復を早め、生活の質を向上させることができる。10年度から、化学療法なども含めたがんの治療前後のリハビリが保険適用になり、取り組む病院が徐々に広がっている。

 早期の食道がんが見つかり、1月末に慶応大病院(東京都新宿区)に入院した町田市の男性会社員(48)は手術を待つ5日間、腹式呼吸や、たんをうまく吐き出すための息の吐き方などを練習した。

 この男性の場合、頸部(けいぶ)や胸部、腹部を切開する手術が必要で、身体に大きなダメージを与えることが予想された。こうした場合、痛みで深い呼吸ができなくなり、肺活量が健康時の4割ほどに落ちるケースもある。また、せきをすると痛みが増すため、たんをうまく排出できなくなり、肺炎の原因になることもある。

 主治医から男性の手術前リハビリを依頼された同病院の辻哲也講師は、事前に深くゆっくりした呼吸のコツを身につけてもらおうと「呼吸リハビリ」を指導した。さらに、食道を摘出すると、食べ物がのみ込みにくくなったり、声が出にくくなることも説明した。

 男性は約8時間がかりで食道をほぼ全部摘出する大がかりな手術を受けた。2日後には立って歩く訓練を始めた。男性は「最初は50メートルほどしか歩けなかった。事前に、早く起きて歩いた方がいいと聞いていたのでできた」と振り返る。

 「昔は『手術後は安静』が常識だったが、寝たままだと体力が落ちるし、たんもたまりやすい。なるべく早く離床した方がいい」と辻さん。抗がん剤の使用などで体力が落ちた患者が手術を受ける場合には、事前に歩行訓練や筋力トレーニングをすることもある。

 辻さんが以前勤務していた静岡がんセンターで、手術前後に呼吸リハビリを実施した食道がん患者109人を調べたところ、後に肺炎になった患者は10人。これは、手術前の呼吸リハビリをしない場合に比べて3分の1以下だという。

     *

 このほか、乳がん手術の前にリンパ浮腫を予防するための体操を覚えたり、舌がんや咽頭(いんとう)がんの手術に備えて発声法を練習するなど、さまざまながんに対して治療前のリハビリが有効だ。手術前にリハビリ担当チームと顔を合わせることで、患者の不安を取り除き、スムーズに手術後のリハビリに移れる効果もある。

 辻さんは「医学の進歩でがんが不治の病ではなくなり、がんと共存しながら生活の質を向上させることが重視される時代になった。入院日数も短縮でき、病院の経営者にとっても魅力的なはずだ。がんのリハビリの需要はますます高まるだろう」と話す。

     *

 一方、リハビリ専門医は全国的に不足気味だ。特にがん専門の病院は治療に重点を置いてきたため、リハビリにあまり目が向いてこなかった。国内のがんセンターでは、02年に静岡がんセンターに初めてできるまで、独立したリハビリ科はなかった。

 「リハビリの依頼を出す要件が分からない」「(病院内の)多職種間で共通の認識を持っていない」「患者は精神的に不安定になりがちで、リハビリを拒否されることもある」。2月26日、昭和大医学部付属看護専門学校(品川区)で開かれた「がんのリハビリテーション研修会」では、全国42の病院から参加した医師、看護師、理学療法士らが、自分たちの病院でのがん患者への対応の問題点を出し合った。この研修は厚生労働省の委託で開かれ、この研修を修了することが、がんのリハビリを保険適用するための条件になっている。

 研修を企画した水間正澄・昭和大教授は「リハビリ医は受け身になりがちで、スタッフ間のコミュニケーションは病院間で差がある。治療後の患者の生活までみることは全ての医療従事者に必要なことだ。研修を受けた人たちが地域の核になり、理念が広がってほしい」と話している。【西川拓】

花粉症などとの合併が増加 蓄のう症/1 あなたの処方箋/102

2011年3月7日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/102 蓄のう症/1 花粉症などとの合併が増加

 横浜市内に住む会社員の女性(35)は今年1月、インフルエンザを発症した際、ひどい鼻づまりに悩まされた。鼻汁やたんは濃い黄色で、医師は「急性副鼻腔(びくう)炎(蓄のう症)を併発」と診断。女性は「常に不快なにおいを感じ、食べ物の味もいつもと違った」と振り返る。インフルエンザの回復とともに鼻の症状も消えた。

 鼻の周りには、副鼻腔と呼ばれる大小の空洞がある。蓄のう症は、空洞の内側を覆う粘膜に炎症が生じた状態で、正式には副鼻腔炎と呼ばれる。代表的な症状は、鼻づまりや黄色や緑色の粘り気の強い鼻汁、のどの後方にたんが下がってくるような感覚だ。「蓄膿(ちくのう)」の名の通り、空洞に膿(うみ)がたまるため、臭気を発したり、うみが骨を圧迫し、頭や鼻の付け根、ほお、目などに痛みを感じることも多い。1カ月以内に症状が消える急性の症状を繰り返すうちに慢性に移行する。

 鼻は、吸い込んだ空気を温めて加湿し、空気中のほこりを取り除く機能を果たす。鼻や空洞の内部を覆う粘膜の表面には繊毛があり、ほこりを吸着した鼻汁をベルトコンベヤーのように少しずつ送り出し体外に排出する。

 八尾和雄・神奈川歯科大教授(耳鼻咽喉(いんこう)科学)によると、風邪などで粘膜が腫れると繊毛機能が低下し、鼻汁が排出されずにたまる。そこに外部から混入した細菌が感染・増殖し、鼻汁がうみになる。粘膜の腫れやうみで、空洞と鼻をつなぐ穴(自然口)がふさがると空気が通らなくなり、慢性化する。八尾教授は「生活環境や栄養状態の向上で免疫力が高まり、風邪などに続いて起こる単純な蓄のう症は減った一方、花粉症などのアレルギー性鼻炎と合併して発症する人が増えている」と指摘する。(須田桃子が担当します)=つづく

崩れる「国民皆保険」 個人も企業も苦境に 「ほころび―社会保障の現場」「揺らぐ医療」3回続きの(上)

2011年3月7日 提供:共同通信社

 駐車場に止まった1台の車。中にいた男性(59)は意識がなく、呼び掛けに応じなかった。両足の先は壊死(えし)していた。

 昨年4月、長野市内。糖尿病を患っていた男性は近くの住民に発見され入院。一時は会話ができるまで回復したが、1カ月後に敗血症で息を引き取った。「もっと早く診察を受けていれば最悪の事態は免れたはず」。この病院のソーシャルワーカーの女性は、今もやり切れない思いを引きずる。

 男性は独身で、会社勤務の傍ら認知症の母親を介護していた。その母は数年前に死亡。介護や仕事の忙しさで治療を中断しており、2009年末に体調不良を理由に退職した。サラリーマン時代は全国健康保険協会(協会けんぽ)に入っていたが、国民健康保険(国保)の加入手続きをせず「無保険」になっていた。

 無保険や、保険証はあっても医療費の自己負担分を払えないなどの理由で病院に行くのが遅れ亡くなった人が昨年、全国で71人に上ったことが、全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で判明した。

 厚生労働省によると、09年度の国保の保険料収納率は88・01%で過去最低を更新した。保険証があれば、誰でもどの病院でも一部自己負担のみで治療を受けられる「国民皆保険」。民医連は「制度は崩壊した」と警鐘を鳴らす。

 大企業の社員が加入する健康保険組合も状況は厳しい。健康保険組合連合会(健保連)によると、10年度の全体の収支は過去最悪の6935億円の赤字を見込む。主な原因は、支出の約4割を占め高齢者の医療費に回される「拠出金」だ。

 赤字を埋めるため、多くの組合が保険料率を上げている。昨年の調査で、協会けんぽの保険料率9・34%(全国平均)以上の組合は53。「協会を上回ると、独自に健保を運営するメリットが薄れる」(関係者)といい、解散し協会に移行する例が増加。組合数は今年2月現在でピーク時の8割の1458まで減った。その協会けんぽも、4月から保険料率が9・50%(全国平均)に上がる。

 協会に移行したある百貨店では「無料だった子宮がん検査がなぜこんなに高いのか」「妻の健康診断が有料になった」と問い合わせが相次いだという。担当者は「解散後に健保組合の良さを実感したようだ」と話した。

  ×  ×  ×

 世界に誇っていたはずの保険や病院の仕組みが揺らいでいる。命と健康を守るとりでの現場を見た。

※健康保険制度

 国民皆保険制度は1961年に始まった。自営業や非正規労働者などが加入するのが国民健康保険(約3900万人)。中小企業のサラリーマンは協会けんぽ(約3500万人)、大企業は健康保険組合(約3千万人)、公務員は共済組合(約900万人)に入る。

人生を考える転機に がんを生きる 36歳会社員の場合/上

2011年3月6日 提供:毎日新聞社

がんを生きる:36歳会社員の場合/上 人生を考える転機に /大阪

 ◇つらい闘病、家族の有り難さ痛感

 主婦の妻と2人の幼い子どもを持つ、働き盛りの36歳会社員。ある日突然、がんを宣告されたら……。

 現在大阪市住之江区のガス導管・材料商社「新和産業」に勤める川上秀和さん(41)=京都市下京区=は05年12月30日、突然、「キーン」と左耳筋から頭にかけて痛みを感じた。微熱と首のしこりも現れ、年明けに当時の勤務先の広島市内で病院の診察を受けた。血液のがん・悪性リンパ腫の一種「非ホジキンリンパ腫B細胞型高悪性度悪性リンパ腫4期(バーキットリンパ腫)」だった。

 「やばすぎる。死ぬのか」。診察室で川上さんは体が固まった。無限にあると思っていた人生の時間が有限になったと感じた。妻由美子さん(41)と小学1年の長男、園児の長女の顔が目に浮かんだ。隣で凛(りん)とした様子で医師の説明を聞いていた由美子さんは涙を流し、「頑張ろう」と一言だけ言った。転職10年目だった会社に事情を話し、休職した。

 06年2月、入退院を繰り返す生活が始まった。抗がん剤投与や白血球をコントロールする治療は第6クールまで続いた。高熱で意識が無くなりかけたり、副作用で髪が抜け、激しい口内炎に苦しんだ。友人らから励ましの手紙が届いたが、暗に「死なないか、大丈夫か」ととれるものもあり、「治ります、ご安心を」と自分を鼓舞するように返信した。同年7月の長女の6歳の誕生日は自宅で過ごせたが、「来年は一緒に祝えないかもしれない」という不安が脳裏をよぎった。

 治療期間中、常に死への恐怖と「なぜ自分だけ」という孤独感に襲われた。「いつ死んでも直前の思いが家族に分かるように」と小まめに闘病記を書いた。感覚が研ぎ澄まされ、感情の起伏が激しくなった。見舞いや子育てを献身的にしてくれる由美子さんに感謝する一方、ささいなことで腹を立ててしまった。「後悔しないように」とスケッチや読書、作詩など趣味を広げた。輸血の際、善意の提供者の存在を思い、「一度も献血したことがない自分はなんて愚かだったのだろう」と後悔して泣いた。

 つらい治療が効き、07年1月、病院から症状が安定する「寛解」と認められた。翌2月、約1年ぶりに職場復帰した。

 入院中、家族の有り難さを心から感じた川上さんは言う。「自分は病気になって、仕事第一主義から家族第一主義に変わった。病気の人もそうでない人も、時には歩みを止めて『人生で一番大事なもの』を考えてほしい」【土本匡孝】

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 ご意見や情報提供は、毎日新聞おおさか支局(ファクス06・6346・8444、メールat-osaka@mainichi.co.jp)まで。

復帰早めた会社の温情 がんを生きる 36歳会社員の場合/下

2011年3月7日 提供:毎日新聞社

がんを生きる:36歳会社員の場合/下 復帰早めた会社の温情 /大阪

 ◇患者会の存在、不安を軽減

 血液のがん・悪性リンパ腫で死への恐怖と向き合いながら、約1年間闘病生活を送った会社員、川上秀和さん(41)=京都市下京区。闘病中、家族や友人はもちろん、会社のバックアップと患者会の存在が心の支えになった。

 「温かい会社を目指そう」。川上さんが治療を始めた当時、川上さんが勤める新和産業(大阪市住之江区)社長だった井口昭則さん(63)=現同社会長=は広島市内の病院で治療中の川上さんを見舞い、その後社内に対応を指示した。創業約60年、社員約70人の中小企業で、長期療養者は川上さんが初めてのケースだったからだ。

 それまでの就業規則では「休職期間中の給与は支給しない」としていたが、06年4月に「別途定める」と改定。川上さんは入院から職場復帰までの約1年間、給与をもらい続けることができた。「自分はもちろん、家族が落ち着いて日々を過ごすことができた」と川上さんは感謝する。

 井口さんは「大企業ほどではない」と謙遜するが、「『長期戦』に耐えられるよう、また次に長期療養者が出ても対応できるように就業規則を変更した。中小企業にとって厳しい時代だが、会社の存続のためには社員の幸せがないといけないと思うから」と語る。

    ◇

 「がんの素人」だった川上さんにとって、医師の説明だけでは「自分がどんな状態で何をされているのか」十分に分からず不安だった。患者会の存在は「自分が一般的な治療をされている」という安心感を与えてくれた。入院数日後に妻由美子さんがインターネットで見つけたNPO法人の悪性リンパ腫患者・家族連絡会「グループ・ネクサス」(東京都)から取り寄せた治療に関する冊子を読み、絶望感の中、「治る可能性がある」と分かりうれしかった。「丸顔」のハンドルネームでメールを出し、同じ病気の見ず知らずの患者仲間から激励のメールが返ってきてうれし泣きもした。今、川上さんは同団体のボランティアスタッフとして時間の許す限り、患者らの集まりに参加している。

    ◇

 「治療前の20%」と体力に自信がなく、会社の配慮で事務職をしていた川上さんは昨年10月、約5年ぶりに営業職に復帰した。東海や北陸地方のガス会社などへ営業活動に走り回る多忙な生活だが、病気前と心構えが違う。「どんなことが急に起こっても、その時大きな後悔で押しつぶされないように。人生の一瞬一瞬を納得して送りたい」【土本匡孝】

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 ご意見や情報提供は、毎日新聞おおさか支局(ファクス06・6346・8444、メールat-osaka@mainichi.co.jp)まで。

ジストニア 紡げぬ右手「難病理解を」 ピアニストの智内さん、翻訳本計画

2011年3月7日 提供:毎日新聞社

ジストニア:紡げぬ右手「難病理解を」 ピアニストの智内さん、翻訳本計画

 脳の運動制御機能の障害が原因とされる疾患「ジストニア」のため、左手だけで演奏活動をしているピアニスト、智内威雄(ちないたけお)さん(34)=大阪府箕面市=が、病気を分かりやすく解説した「音楽家のジストニア」の翻訳本出版への協力を、演奏会などで呼びかけている。音楽家以外もかかる病気で、国内の患者は数万人とされる。智内さんは「日本ではほとんど知られていない。本を通じて理解が広がれば」と訴える。

 智内さんは、東京音大卒業後に留学したドイツの音大で01年に発症。右手の指がうまく動かせなくなり、ピアノが弾けなくなった。リハビリを続けたが、繊細な指の動きは戻らなかった。

 「ピアニストとしては絶望的だ」と苦悩していたところ、留学先の音大教授から、左手だけの演奏を勧められた。05年の卒業試験では、コルンゴルトの「左手のための室内楽」を弾き、最優秀の評価を受けた。卒業後は日本を中心に演奏活動を続けている。病気を知ってもらおうとチャリティーコンサートも開いている。

 09年に患者や医師らでつくるNPO法人「ジストニア友の会」(川崎市)が企画したコンサートで演奏した縁で、会が「音楽家のジストニア」の日本語訳を出版する計画を知った。スペインの医師が書いた英語の本で、約300ページ。ジストニアに罹患(りかん)した演奏者の症状や診断・治療法などが記されている。

 現在、ボランティアが翻訳を進めているが、出版が決まったわけではない。友の会が1月末からホームページ(HP)で出版を要望する声を募ったところ、200通以上が寄せられている。近く交渉中の出版社に届ける。

 智内さんは先月25日、演奏会を開いた。右手を太ももの上に置いたまま、左手とペダルで流れるように演奏し、「あともう一歩で出版が実現します。皆さんも協力してください」などと呼びかけた。智内さんは「腱鞘炎(けんしょうえん)と誤診されたり、気持ちの問題だと誤解されたりしている日本の現状を変えたい」と出版を願っている。【矢島弓枝】

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 要望の宛先は、友の会のHP(http://www.geocities.jp/dystonia2005/)など。問い合わせは友の会の佐藤治子副理事長(080・2009・1273)。

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 ■ことば

 ◇ジストニア

 筋肉が異常収縮して、全身や首がねじれたり、指が硬直する症状が出る。ピアニストが演奏の時だけ指が動かせなかったり、理髪師がはさみを持つと手がこわばるなど、特定の動作時だけ症状が出ることもある。国内の患者数は約2万人とされるが、「ジストニア友の会」によると、実数は5万人ともいわれる。脳深部刺激や筋緊張緩和の注射などの治療があるが保険適用外で医療費負担が大きく、治療法は確立されていない。友の会は08年、難病(特定疾患)指定を求めて国会に請願をしている。

薬害ヤコブ病 札幌の患者ヒロ君 闘病・介護、13年 探’11

2011年3月7日 提供:毎日新聞社

探’11:薬害ヤコブ病 札幌の患者ヒロ君 闘病・介護、13年 /北海道

 ◇いつも人工呼吸器のそばに 両親「再発防止に責任を」

 札幌に住む匿名の「ヒロ君」は、13年前、汚染された硬膜の移植が原因で難病の「クロイツフェルト・ヤコブ病」を発症し、動くことも意思を伝えることもできなくなった。国は薬害を起こした責任を認めて謝罪し、02年に裁判の和解が成立。それ以降、薬害ヤコブ病の存在が世間で取り上げられることは極端に少なくなった。しかし、ヒロ君と両親の闘病生活が終わったわけではない。2月のある日、両親が看病を続ける自宅を訪ねた。【久野華代】

 スーッ、スーッという人工呼吸器の音が、日当たりのいいリビングに静かに響く。「ヒロ君、気分はどう?」。母(61)が頬に触れながら呼び掛ける。言葉は返ってこないし、体も動かないが「起きてるわね」。顔色を見れば、母にはそれが分かる。

 ヒロ君は私(記者)と同じ28歳。私が高校を卒業して上京し、大学を出て社会人になった長い時間を、ずっとベッドの上で過ごしてきた。指はとても細い。顔は同じ年とは思えないほど、きれいな肌をしていた。

 薬害ヤコブ病は、ヒトの遺体から採取した医療用の脳硬膜が、病原体に汚染されていたために起きた。ヒロ君は1歳で脳腫瘍が見つかり、硬膜の移植手術に成功。後遺症もなく育ち、98年の高校入学時には身長が170センチ以上あった。子供の頃から続けた水泳の成果で、逆三角形の立派な体つき。「手術を乗り越えて大きくなった分、ほれぼれして涙が出てきた」と母は振り返る。だが、入学間もなく、希望は暗転した。

 体調を崩したヒロ君は徐々に一人で食事や歩行ができなくなり、秋には寝たきりになった。「何も悪いことをしていないのに、なんでこんな病気になるの?」。意識を失う直前の言葉が、母の耳に焼き付いている。

 介護に専念するため、父(59)は5年程前に仕事を辞めた。毎晩、夫婦交代で午前3時まで起きている。それから朝までは、どちらか一人がヒロ君のベッドの隣に布団を敷いて横になる。呼吸器の異常を知らせるアラームが鳴ったら跳び起きるためだ。たんが漏れていないか、呼吸器がずれていないか、そのたびに確認し、また目を閉じる。昼間は介護ヘルパーや看護師が手伝ってくれるが、慢性的な疲労は抜けない。

 昨年末、ヒロ君は糖尿病を発症し、緊急入院した。これまで内臓疾患は一つもなかった。体がどんどんしぼんでいくように見えて、両親は「今度こそ駄目か」と覚悟した。幸い回復し、今は服薬治療を続けている。

 玄関に「願望」と書かれた色紙が飾られていた。東京地裁で係争中だった01年、坂口力厚生労働相(当時)が見舞いに訪れ、渡したものだという。一番の願望であるヒロ君の奇跡的な回復は、その兆しが見えない。行政が引き起こした健康被害も、いまだなくならない。「薬害が起きてからでは遅い。官僚は問題の教訓をしっかり引き継ぎ、再発防止に責任を持ってほしい」。両親の訴えが、胸に響いた。

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 ■ことば

 ◇クロイツフェルト・ヤコブ病

 100万人に1人程度がかかるとされ、発病から数年で死亡するケースが多い。日本では73年に輸入承認された独ビー・ブラウン社製のヒト乾燥硬膜を移植した患者に発症者が多発したが、国は97年まで使用禁止の措置を取らなかった。96年以降、患者が薬害を訴えて国と企業を相手に順次提訴し、02年3月、患者1人につき6000万円を支払う内容で和解した。昨年12月までに和解したのは116人。潜伏期間が長いため、今も患者は増えている。

華岡青洲の世界的偉業 Dr.中川のがんから死生をみつめる/97

2011年3月6日 提供:毎日新聞社

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/97 華岡青洲の世界的偉業

 江戸時代の医師、華岡青洲が煎じ薬「通仙散」を使った全身麻酔で、乳がんの治療を実施してから約100年遅れ、米国の外科医、ハルステッドが「定型的乳房切除術」という乳がんの手術法を確立しました。“疑わしきは切除”という考えのもと、乳房はもちろん胸の筋肉、脇の下のリンパ節も全て取り除くという手術でした。この手術を受けると胸が「洗濯板」のようになってしまいましたし、腕がむくんだり、感覚が鈍るという後遺症がつきものでしたが、治癒率は格段に向上しました。

 そして、この「ハルステッド手術」は、それから約70年以上も、乳がんの標準治療となりました。僕が医者になった26年前も、日本では、この手術が全盛でした。一方、欧米では、すでに「乳房温存療法」が主流となっていましたから、日本は随分遅れていたことになります。

 一方、青洲が実施した乳がんの手術は、自ら考案したメスやハサミを使い、がんの部分だけを乳房から摘出する方法で、現在の「乳房部分切除術」に相当します。青洲は、世界初の全身麻酔を使った手術をしただけでなく、世界初の「乳房温存手術」を実現したことにもなります。

 青洲が生きた幕末の日本は、男性の睾丸(こうがん)と並び、乳房は女性の急所と考えられ、取ってしまえば命にかかわると信じられており、手術などもってのほかでした。青洲は、村の農婦が牛の角で乳房を切り裂かれた後も、元気に暮らしていることを目にします。「解体新書」で有名な蘭学医の杉田玄白を通じて、西洋では乳がんの切除手術が実施されていることも知ります。さらに、妹の於勝(おかつ)が乳がんで亡くなったことも、この治療に対する思いを強くさせたに違いありません。

 全国2000を超える寺の過去帳をもとに、青洲の手術を受けた乳がん患者全152人のうち33人の死亡日を明らかにした調査があります。手術後の生存期間は最短8日、最長41年で、平均すると2~3年でした。当時のことですから、多くの患者の女性は進行乳がんだったはずです。それを考えると、青洲の手術がいかに素晴らしいものだったか分かります。日本が世界に誇る偉業です。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

便秘と下痢防ぎ、予防・改善 痔/5止 あなたの処方箋/101

2011年3月4日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/101 痔/5止 便秘と下痢防ぎ、予防・改善

 生活習慣病の痔(じ)は、日常生活の心がけによって予防・改善できる。特に、痔の最大の原因である便秘と下痢(排便の異常)を防ぐことが重要だ。

 社会保険中央総合病院大腸肛門病センターの岡本欣也部長は「便意を我慢すると便秘になりやすい。毎朝、朝食後に排便する習慣を身につけてほしい」とアドバイスする。そのためには、時間に余裕を持って起床し、コップ1杯の牛乳や水を飲んで大腸を刺激、朝食は食物繊維を多く取った方がいいという。また、小食を続けると便秘のリスクが高まるため、過度なダイエットは禁物だ。

 一方、酒など水分の取りすぎやストレスは下痢の原因になるので注意が必要という。正常な便の目安について、平田肛門科医院(東京都港区)の平田雅彦院長は「太くて練り歯磨きのような軟らかさで、においが少ない便が理想的だ」と指摘する。

 このほか、便座に長く座っていると肛門に負担がかかり、うっ血しやすくなるため、「トイレでは本や新聞は読まず、なるべく3分以内で出た方がいい」(平田院長)という。温水洗浄便座は、水圧が強すぎると肛門粘膜の炎症を招く恐れがある。最近、噴射された温水を肛門内に入れる簡易かん腸をする人が若い女性を中心に増えているが、それに慣れてしまうと自然な排便ができなくなるケースも多く、注意が必要だという。

 スポーツでは、ゴルフはボールを打つ瞬間に尻に力が入って肛門がうっ血しやすいほか、乗馬やサイクリングも肛門を圧迫するため、痔になったり悪化することがある。=おわり(福永方人が担当しました。7日からは「蓄のう症」です)

リンゴ病、全国で増加 妊婦は特にご用心

2011年3月4日 提供:共同通信社

 両頬が赤くなるのが特徴で、「リンゴ病」と呼ばれる感染症「伝染性紅斑」の患者が全国で増え、1月からの累計は2000年以降では07年に次いで多いことが国立感染症研究所のまとめで4日、分かった。

 4~6年周期で流行しており、専門家は「今年は流行する可能性がある」と指摘している。

 せきやくしゃみのほか接触によって感染し、感染自体を防ぐことは難しい。患者は子どもが多いが、妊婦が感染すると、胎児の組織などに液体がたまる「胎児水腫」や流産の恐れもある。同研究所は「保育園や幼稚園、小学校で流行している場合は、妊婦は施設に立ち入らないようにするなど、注意が必要だ」と呼び掛けている。

 最新となる2月14~20日の集計では、全国約3千の小児科から報告された患者は1596人で、1機関当たり0・51人。都道府県別では福岡の1・65人が最多で、宮崎1・56人、石川1・21人、宮城1・12人の順。31都府県で前週より増えた。

 1月からの累計は、4~5歳が32・9%、6~7歳が25・9%、2~3歳が17・0%。

 例年は夏ごろがピークで、多い年では1週間に1機関当たりの患者が1人を超えることもある。

 原因ウイルスは「ヒトパルボウイルスB19」。頬や腕、脚などが赤くなるほか、かぜのような症状を示すが、症状が出ない不顕性感染も多い。成人の場合は頬が赤くなることは少ないが、関節痛や関節炎が起きる。

ALS講演会 患者ら支える医療を 200人参加 福島・南相馬

2011年3月4日 提供:毎日新聞社

ALS講演会:患者ら支える医療を 200人参加--南相馬 /福島

 筋力が次第に弱まる難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)について、患者や家族を支える医療を考える講演会が2日、南相馬市で開かれ、浜通りの医師ら約200人が参加した。国立病院機構「宮城病院」(宮城県山元町)の診療部長、今井尚志医師が「病気について患者がよく理解するよう、患者と医師、地域病院、専門医療機関の4者が連携を強め、生活不安を取り除くことが大事だ」と訴えた。

 県相双保健福祉事務所が企画した。ALSは重度になると手足が動かせず、呼吸も困難になる。治療法は確立されておらず、県内には9年度末で140人、相双地方には今年2月末で21人の患者がいる。

 今井医師は「医療には、患者が病状に適応できるよう継続的なメンタルサポートが求められている。また、患者が患者を支える『ピアサポート』が有効で、病気をどう乗り越えるか、患者の言葉が心を和らげる」と指摘した。

 昨年12月にALSと診断された男性も、病状や告知を受けた心境を語った。親類に患者がいるという南相馬市の女性は「医師や介護の人が少しでも患者の生活を改善しようと努力していることを知った。助けてくれると知って心強い」と話した。【神保圭作】

反響特集 過酷な実態、理解して こうのとり追って 第2部・不妊治療を知る

2011年3月4日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第2部・不妊治療を知る 反響特集 過酷な実態、理解して

 不妊の原因や治療方法を取り上げた連載企画「こうのとり追って第2部 不妊治療を知る」(1月31日~2月4日)には、メールや手紙などで多くの反響が寄せられました。記事で取り上げた男性が原因の不妊や、子どもを産める年齢には限界があることなどについて、不妊の経験がある人だけでなく、幅広く意見をいただきました。みなさんの声の一部を紹介します。【五味香織、下桐実雅子、藤野基文、須田桃子】

 ◇原因の夫、ショック強く つらい体験切々と

 「おれと結婚しなければ良かったね」「そんなことないよ」

 埼玉県の主婦(33)は昨秋、夫(36)と不妊の検査を受けた。主婦の卵巣にも不調が見つかったが、それ以上に夫の精子の少なさは深刻だった。医師は「自然妊娠は難しい」と言い、夫はしばらく泣き続けた。

 結婚してから2年がたち、仕事のストレスが不妊の原因と思った主婦は13年勤めた銀行を退職したばかりだった。がんを患う父に早く孫の顔を見せたい気持ちも募っていた。

 夫は治療は受けるものの積極さが感じられない。「忙しい」「眠い」と言って、連載記事にも目を通そうとしなかった。主婦が連日の服薬や注射のつらさを訴えてけんかになった時、夫は「おれが種なしだと思っているから言うんだろう!」と怒鳴った。主婦は「この人と結婚していなければ」と思ってしまう瞬間があるのが悲しい。

 治療費には主婦の独身時代の貯蓄を取り崩している。採取した卵子に細い管で精子を注入する顕微授精は1回数十万円かかり、いつまで持つか心もとない。もし夫の精子が採取できなくなったら、という不安もある。主婦は、第三者の精子を使う非配偶者間人工授精(AID)や、養子縁組も考えようかと悩み続けている。

   *

 不妊治療を中断している福岡県の派遣社員の女性(33)は以前、夫にも不妊の検査を受けるよう求めたが、「自分に原因があったら嫌だ」と拒まれた。女性は「どうにもならない。記事を読んで変わってくれればいいけれど」という思いを抱いた。やはり3年間続けた治療を中断している三重県四日市市の女性看護師(38)は「不妊の原因が明らかでなく、不安と焦りが募る毎日だった」という。「自然妊娠した人に、治療がどんなに過酷か知ってもらいたい」と訴える。

 かさむ治療費を負担に感じる声も多かった。大阪府の女性会社員(27)は「子どもがいる家庭にも大変なことはあると思うが、子宝に恵まれない夫婦も経済的、精神的につらい。出口の見えない治療が何年も続くのか」と漏らす。一方、4回目の顕微授精で妊娠中というベルギー在住の主婦(34)は医療保険で治療費はほとんどかからなかったという。「日本だったら費用がかかりすぎて、子供をあきらめていたかもしれない」と話す。

 連載では通院先選びの難しさも取り上げた。神奈川県茅ケ崎市のパート女性(41)は、夫に精子をつくる機能がなく、医師に「実子は望めない」と言われたが、転院したクリニックの治療で妊娠した。「一つの答えを受け入れるだけでなく、セカンドオピニオンを考えたほうがいい」と呼びかける。

 金沢市の主婦、長谷川智子さん(51)は、連載記事で高齢になると妊娠中や出産時のリスクが増えたり、妊娠率が下がることに触れたことを受け、「自分の体だからもっと能動的に情報を探すことも大切」と指摘する。茨城県牛久市の作業療法士の女性(28)は「加齢が原因の不妊治療には補助はいらないのでは」と意見を寄せた。長年にわたる子育てに責任を持てるかが疑問といい、高齢出産は「親のエゴとさえ思える」という。

 相模原市の女性(42)は、治療費や副作用の負担に耐えても子供が欲しいか自問自答し、「子供は世間体を取り繕う道具ではない」と考える。そのうえで「産む自由も産まない自由もある。子供を授からなくても肩身の狭い思いをしないで堂々と生きてほしい」と思いをつづった。

ママが集うサロンを主宰する小児科医の佐山さん

2011年3月4日 提供:読売新聞

子育て中のママが集うサロンを主宰する小児科医、佐山圭子さん(46)

 夜間に救急外来を受診する小児の9割は、緊急の治療は必要のない軽症だ。翌日の受診を心がければ、小児科医の負担は大きく減る。

 だが、新米の母親は少しの急変でも不安に思うもの。昨年11月、東京都内の自宅を改装し、そんな育児中のママが悩みを相談できる「ひだまりサロン」を開いた。

 小児救急の一線で働いていたが、12年前、出産を機に病院を辞めざるを得なくなった。その5か月後、上司の小児科医が自殺。過重労働が社会問題化した。

 過労死裁判の支援をきっかけに、親の会に出会い、協力医を買って出た。病院勤務の傍ら、発熱や腹痛、嘔吐(おうと)などの症状について、緊急性の見極めや家での看病法を伝授。育児体験に基づくコツは、わかりやすいと評判を呼んだ。

 「子どもの病気を知れば、救急受診も減るし、親の安心にもつながると思うんです」

 18歳から8歳まで3人の子の母。10畳ほどの日差しのあふれる部屋で月2回開くサロンは、母親たちの憩いの場でもある。「救急現場には立てないけれど、別の形で役に立てれば」とほほ笑んだ。(医療情報部 館林牧子)

ルーバッグ病手術のジョエルさん、自力での歩行可能に 徳島大病院

2011年3月4日 提供:毎日新聞社

ルーバッグ病:手術のジョエルさん、自力での歩行可能に--徳島大病院 /徳島

 徳島大学病院は3日、神経の異常で手足が勝手に動くなどの症状が出る遺伝病「ルーバッグ病」を患うフィリピン人、モンセラテ・ジョエルさん(49)に2月に施した手術結果を公表した。症状は現時点で約8割改善し、ジョエルさんは「まっすぐ歩けるようになり、生活が楽になった。できれば船舶工の仕事に戻りたい」と喜んでいる。

 病院は2月15日、微弱な電気信号を発する電極を後頭部2カ所に、電源を両胸にそれぞれ埋め込む手術を実施した。電気による刺激を与えることで、神経活動が正常化。手術前には、勝手に手足が動いたり、体がねじれたりといった症状があったが、現在はほとんど見られず、自力での歩行も可能になった。術後の半年間は症状の改善が期待でき、病院は「経過次第で仕事復帰も可能」としている。

 ジョエルさんはこの日、病院スタッフに感謝の言葉を述べ、「同じ病気の患者に『あきらめないで』と伝えたい」と笑顔で話した。5日に帰国し、母国の病院で治療を続ける。

 病院によると、ルーバッグ病は手足の震えや静止などの症状が全身に広がる進行性の遺伝病で、同国を中心に少なくとも6000人の患者がいると推定される。【井上卓也】

自賠責保険 脳損傷の後遺障害認定見直し 画像所見なしでも「高次脳機能障害」

2011年3月4日 提供:毎日新聞社

自賠責保険:脳損傷の後遺障害認定見直し 画像所見なしでも「高次脳機能障害」

 国土交通省は交通事故で負った脳損傷について、自動車損害賠償責任(自賠責)保険の後遺障害認定を4月から見直す方針を決めた。MRI(磁気共鳴画像化装置)などの画像で損傷が確認できない場合も、自賠責の「高次脳機能障害」として認定することを可能にする。症状が分かりにくいためこれまでむち打ち症などと診断されてきた軽度外傷性脳損傷(MTBI)の患者らの後遺障害等級が見直されるケースが増えそうだ。【伊澤拓也】

 関係者によると、国交省は、医師による高次脳機能障害の認定条件について、MTBIの患者が漏れることのないよう明確化し、保険会社に渡す書類などの記載方法を修正。損害保険料率算出機構は4月から、新たな認定の条件を適用して審査を行う。

 自賠責では「MRIやCT(コンピューター断層撮影)による画像所見が必要」と定め、異常がない場合は一般的に脳損傷と認められなかった。しかし、交通事故被害者や担当医師から「画像で発見できない損傷もある」という指摘が相次ぎ、国交省は10年9月に同機構内に外部委員会(座長・大橋正洋医師)を設置し、認定条件の見直しを検討していた。

 外部委の報告書は、画像診断を「発症直後などに撮影されることが重要」と記述。画像上の異常がないだけで脳損傷が形式的に除外されることを防ぐため「検査所見などを併せ検討されるべきだ」と結論付けた。

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 ■解説

 ◇患者の声が制度動かす

 軽度外傷性脳損傷(MTBI)を巡っては、世界保健機関(WHO)が04年に診断基準を報告した。米国などでは周知が進むが、国内には「軽度」の概念すらなく、患者の数も不明だ。自動車損害賠償責任(自賠責)の見直しは、国がMTBIを初めて症例として認めたことを意味し、事故を巡る民事訴訟や労災認定にも影響することは必至だ。

 制度を動かしたのは患者の悲痛な声だ。画像所見がなく、後遺障害を低く認定されるケースは全国で相次いでいる。手足のまひや注意力の低下などで仕事を続けられず、収入も失う「二重苦」に追い込まれる人もいる。

 04年12月に交通事故で左半身の自由を失った千葉県習志野市の男性(48)は、トラック運転手を辞めざるを得なかったが、自賠責の認定は最も低い14級(75万円)。男性は保険会社に異議を申し立て中で、自賠責見直しで高次脳機能障害と認定されれば9級(616万円)以上になるという。

 10年4月には長妻昭前厚生労働相がMTBIを巡る労災の診断ガイドライン作成を明言。同9月には、東京高裁が画像所見がない患者をMTBIを事実上認めるなど理解は広がりつつあった。

 一方、自賠責見直しで患者救済が予想される半面、保険金目当ての詐病の増加も懸念される。医師は従来以上に慎重な判断が求められる。【伊澤拓也】

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 ■ことば

 ◇軽度外傷性脳損傷(MTBI)

 交通事故や揺さぶり症候群、戦場での爆風など外部からの物理的な力で脳の神経細胞をつなぐ線維が微細な損傷を受けた状態。言語や記憶の機能が低下する高次脳機能障害や、手足のまひ、味覚や視力の低下などの症状を引き起こす。重度の場合と異なり画像に異常が見つかりにくく見逃されやすい。07年の世界保健機関報告によると、重度も含めた外傷性脳損傷(TBI)の患者は年1000万人発生し、9割は軽度と推測される。

交通事故の治療は、自賠責で鍼灸治療が受けられます。当院にお問い合わせください。

声明文案作成で検証チーム 厚労省、イレッサ訴訟で

2011年3月4日 提供:共同通信社

 肺がん治療薬「イレッサ」の訴訟をめぐり、厚生労働省が東京、大阪両地裁の和解勧告を批判する内容の声明文案を作成し、日本医学会(高久史麿(たかく・ふみまろ)会長)に渡していた問題で、厚労省は3日、小林正夫政務官ら3人による検証チームを設置した。

 高久会長は「厚労省から声明文を出すよう依頼された」としており、職員や学会関係者に話を聴き、事実関係を調べる。

 国会内で同日開かれた民主党議員連盟の会合で小林政務官は「下書き問題も含め、厚労省の関与の実態を解明する」と述べ、他の学会についても調査する方針を明らかにした。メンバーはほかに足立信也元政務官と同省監察本部の外部有識者を務める弁護士。

 原告の近沢昭雄(ちかざわ・あきお)さん(67)は「(働き掛けが事実とすれば)厚労省のやり方はあまりにもひどい」と批判。原告・弁護団も「3人は事実上厚労省関係者で公平性に欠ける」とメンバーの見直しを求めた。

全国12カ所で先端技術実験 経団連が選定

2011年3月4日 提供:共同通信社

 日本経団連は3日、民間主導の地域活性化策として検討していた「未来都市モデルプロジェクト」の実施地域として、愛媛県西条市や愛知県豊田市など全国の12都市・地域を選んだ。主要企業が交通やIT、医療、農業などの分野の最先端技術を持ち寄り、自治体とも協力して実証実験を行う。7日の会長・副会長会議で正式に決定する。

 豊田市では、トヨタ自動車などが参加。車に搭載したセンサーで計測したドライバーの心拍や血圧などのデータと、医療機関での診療結果などをセットで蓄積し、健康管理に役立てるシステムの実験を行う。

 住友化学や三菱重工業などは西条市で衛星利用測位システム(GPS)を使った無人作業など、ITによる農業の生産性向上を目指す。

 このほか、選定された都市・地域は岩手県南部、福島県、茨城県日立市、千葉県柏市、東京都江東区、神奈川県藤沢市、京都市、山口市、北九州市、沖縄県。新日本製鉄や日立製作所、パナソニックなどが参加する。

 プロジェクトは2年から5年程度を予定。規制緩和などが必要な部分もあり、政府が進める「総合特区制度」などの活用も念頭に置いている。事業化は参加企業が個々に判断する。

脳脊髄液減少症、損賠訴訟 事故で発症とは認めず 東京地裁判決

2011年3月4日 提供:毎日新聞社

脳脊髄液減少症:損賠訴訟 事故で発症とは認めず--東京地裁判決

 04年の交通事故で脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)を発症したなどとして、東京都練馬区の中学3年、前原海斗君(15)と両親が、ニッセイ同和損害保険(提訴当時)と運転していた男性を相手取り、治療費など総額約2億1600万円の支払いを求めた訴訟で、東京地裁は3日、同社と男性に計725万円余の支払いを命じた。中西茂裁判長は、日本神経外傷学会などの診断基準から、髄液漏れの発症を認めなかった。

 前原君側は高次脳機能障害の発症も主張したが、判決はこれも退け、左足のけがに伴う急性ストレス障害だけを認めた。前原君の代理人の弁護士は「被害の深刻さや髄液漏れへの理解がなく、あまりにひどい判決だ」と話している。【渡辺暖】

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