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最新医療情報23

[最新医療情報22]]

20110801~

米国でもiPS特許成立 欧州に続き、実用化に拍車 京大の山中教授が開発

2011年8月12日 提供:共同通信社
 京都大は11日、さまざまな組織や臓器の細胞になる能力がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製する技術に関する特許が米国で初めて成立したと発表した。iPS細胞は同大学の山中伸弥(やまなか・しんや)教授が世界で初めて開発した。
 作製技術に関する特許は今年5月、欧州でも成立。再生医療最前線の米国でも特許が成立したことで、iPS細胞の実用化に一層拍車がかかりそうだ。
 記者会見した山中教授は「特許成立は安心して研究開発するためにも大きな意義がある。さらに研究を進め、臨床の現場で役立つ技術にしていきたい」と話した。
 米国での特許をめぐっては、京大は今年1月、今回とは別の特許で取得を争っていた米バイオベンチャーのアイピエリアンから無償で権利譲渡を受けた。現在審査中だが、この特許取得でも優位に立った。
 京大はiPS細胞の基本的な作製技術に関する特許を米国で6件出願。今回はこのうち、ヒトの体細胞などに三つの遺伝子を使ったり、二つの遺伝子と細胞の増殖を促進するタンパク質を使用したりする技術が認められた。
 2006年12月に出願し、米国特許商標庁の審査を経て、今月5日に特許成立が通知された。有効期間は出願日から約20年間。作製技術については、これまでに欧州のほか日本、南アフリカ、ロシアなどでも特許が成立している。
 京大の知的財産を管理する会社が特許の使用を認めるライセンス契約を研究機関や個人と締結する。大学など、非営利目的の研究の場合には、無償での特許権の使用を認めている。
※iPS細胞
 神経や筋肉、血液などさまざまな組織や臓器の細胞になる能力がある新型万能細胞。皮膚などの体細胞に遺伝子などを導入して作る。京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授が2006年にマウスで、07年にヒトで作製成功を発表した。再生医療や新薬開発への利用が期待されるが、がん化などの懸念もあり、安全性向上が課題。特定企業が特許を独占すると多くの人が研究できなくなるため、同大学は特許取得後、実用化に向けて研究機関や個人と広くライセンス契約を結ぶ方針。

##私の場合は、ミトコンドリアの病気なので、Ipsでの視神経作成は無理ですか。
特許取得は喜ばしいことですが、維持していくのに毎年多くのお金が必要です。

中国遼寧省で皮膚炭疽

2011年8月12日 提供:共同通信社
 【北京共同】12日付の中国紙、新京報によると、遼寧省鞍山市で皮膚炭疽(たんそ)が発生、10日までに21の症例が報告され、うち3人の感染が確認された。21人は隔離されて病院で治療を受けており、死者はいない。
 炭疽病は炭疽菌が原因で家畜に起こる病気で、人間にも感染する。地元住民が感染牛に接触したのが原因とみられるという。

熱中症で4人死亡 重症19人、900人超搬送 46都道府県で

2011年8月12日 提供:共同通信社
 日本列島各地で連日の猛暑日となった11日、熱中症とみられる症状のため病院に搬送された人は、共同通信の同日夜のまとめで、沖縄県を除く46都道府県で計906人に上った。このうち4人が死亡、19人が重症。
 千葉県印西市ではビニールハウスの中で農作業中の男性(86)が倒れ死亡。同県流山市の工事現場で男性作業員(61)が熱中症の症状を訴え搬送先の病院で亡くなった。
 神奈川県綾瀬市では道路工事の交通整理をしていた男性(48)が死亡。静岡県掛川市でも女性(82)が温室で倒れているのが見つかり、間もなく死亡した。
 高知市で開催中のよさこい祭りでは男女計11人が搬送された。
 搬送が多かったのは東京120人、埼玉105人、神奈川67人、千葉65人など。
 906人とは別に、東京電力福島第1原発から半径20キロ圏内の警戒区域で、一時帰宅した住民のうち5人が熱中症の症状を訴え手当てを受けた。

転移性肺腫瘍でも自家移植 岡山大成功、肺がんに続き 呼吸機能低下を抑止

2011年8月12日 提供:共同通信社
 岡山大病院は11日までに、他の臓器からがん細胞が肺に転移した転移性肺腫瘍の患者の片肺をすべて摘出して冷却保存し腫瘍を切除後、正常な部分を体内に戻す「自家移植」手術に成功した。
 同様の手術は同病院が昨年肺がん患者で成功したのに続いて国内2例目で、転移性肺腫瘍の患者では初めて。
 転移性肺腫瘍は広い範囲に腫瘍ができるため、片肺を全摘出せざるを得ないケースが多い。執刀した同病院呼吸器外科の大藤剛宏(おおとう・たかひろ)准教授は「肺の一部を戻すので、呼吸機能の低下を抑えられる」としている。
 転移性肺腫瘍は、血管を通って流れてきたがん細胞が肺の複数の場所で定着し、同時に大きくなる。がんの一種だが、1カ所の腫瘍が大きくなっていく肺がんとは医学的に区別され、治療はより困難とされる。
 大藤准教授によると、全摘出した肺を冷却保存するのが自家移植の特徴。通常、摘出後約1時間で機能が著しく低下するが、脳死移植に用いられる特殊な保存液を使うことで約8時間の保存が可能となり、体内に戻す部分にがんの転移がないか病理検査する時間を確保できるようになった。
 転移性肺腫瘍の場合は(1)肺にがん細胞が広がっていない部分がある(2)がん細胞がもともとあった臓器のがん再発と肺以外への転移はない-ことが手術の条件。
 今回の患者は、子宮から左肺中枢部にがん細胞が転移していた関西地方の30代女性。左肺を全摘出し、約62%を切除し体内に戻した。女性は約70%の肺活量を確保できており経過は良好という。
 自家移植は、自分の臓器を戻すので拒絶反応が起きない利点がある。
※転移性肺腫瘍
 酸素を取り込むために全身の血液が通る肺に、ほかの臓器にできたがん細胞が流れてきて発症する。毛細血管の複数の場所でひっかかって腫瘍になるため、病巣の広がりが速い。使用する薬など治療方法はどの臓器から転移したかによって異なる。日本胸部外科学会によると、転移性肺腫瘍の手術は2008年に国内で約5500件実施された。肺の腫瘍手術では肺がんに次いで2番目に多い。

福島第1原発事故、妊娠初期から放射線影響を追跡 環境省が福島調査

2011年8月12日 提供:毎日新聞社
東日本大震災:福島第1原発事故 放射線影響、妊娠初期から追跡 環境省が福島調査
 東京電力福島第1原発事故を受け、環境省は、既に開始している疫学調査を活用し、放射線が子どもの健康に与える影響を調べる方針を固めた。全県民の健康調査を進める福島県から一部妊婦のデータ提供を受け、長期的な追跡を目指す。【江口一】
 疫学調査は「エコチル調査」と呼ばれる。全国15地区から母子約10万組を募り、血液や毛髪を分析。アレルギーやぜんそくといった疾患、化学物質との関連を妊娠初期から13歳まで追跡する。福島市や福島県伊達市など福島地区(14市町村)も対象で、約7000組を予定している。
 一方、福島県は約200万人の全県民の健康調査に着手、行動記録などから被ばく線量を推計する作業を進めている。
 当初、エコチル調査では放射線影響を調べる計画はなかった。しかし、環境省は住民の不安を踏まえ、福島県のデータを活用すれば、子どもへの影響の解明に役立つと判断し、追跡することにした。
 福島地区でエコチル調査を進める安村誠司・福島県立医科大教授(公衆衛生学)は「現在の線量では、健康影響は出ないと思われるが、長期に及ぶ研究で評価し、不安解消に役立てたい」と話す。

救急搬送1万7千人超 7月の熱中症、死亡29人

2011年8月11日 提供:共同通信社
 7月に熱中症で救急搬送された人は、前年同月比1%増の1万7963人だったことが10日、総務省消防庁がまとめた確定値で分かった。北日本では7月上旬、東日本では同月中旬の平均気温が1961年以降で最高を記録するなど、各地で厳しい暑さが続いていた。
 消防庁によると、搬送者の46%は65歳以上の高齢者。症状別では入院する必要のない軽症が62%と最も多く、中等症は33%、重症は2%だった。亡くなった人は前年同月の95人に対し29人。消防庁は「熱中症に対する理解や予防が進んだとも考えられる」としている。
 都道府県別で搬送者が多かったのは東京1427人、埼玉1257人、愛知1227人など。人口10万人当たりの搬送者は鳥取が25人で最多だった。

白血病に新治療法 免疫細胞改変し2人治る

2011年8月11日 提供:共同通信社
 【ワシントン共同】遺伝子操作で作った本人の免疫細胞を3人の白血病患者に投与した結果、2人が治ったとする研究結果を米ペンシルベニア大の研究チームが10日、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。
 米メディアによると、遺伝子治療でがんが治ったとの報告は初めて。より多くの患者で有効性の確認が必要だが、別の種類のがんにも効果がある可能性があり、新たながん治療法として注目を集めそうだ。
 チームは、慢性リンパ性白血病の患者から血液中の免疫を担うT細胞を採取。遺伝子組み換え技術で、がん細胞を特異的に攻撃する受容体を導入し、T細胞を体内に戻した。患者は数週間後から吐き気や発熱に見舞われたが、同時にがん細胞も減少し始め、1年以内に2人の患者の白血病症状が治ったという。
 患者の体内には9~12カ月後もT細胞が残っており、がんを攻撃する能力があることも確認した。チームは、より多くの白血病患者を対象とした研究を実施するほか、膵臓(すいぞう)がんや卵巣がんなどを対象に、この治療法の臨床試験を検討している。

脳神経細胞の再生の仕組み、名市大教授らが解明

2011年8月11日 提供:読売新聞
 脳内で古くなったり死んだりした神経細胞が新たな神経細胞と入れ替わる再生の仕組みを、名古屋市立大学の澤本和延教授や生理学研究所(岡崎市)の鍋倉淳一教授らの研究グループが解明した。再生医療による脳疾患の治療法開発につながる可能性があるという。10日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に掲載される。
 澤本教授らは、生きている動物の脳内細胞を観察できる「二光子顕微鏡」を活用。マウスの脳内で匂いの情報処理に関わる神経細胞を2か月間、観察し続け、古い細胞が死んだ後、同じ場所に新しい細胞が再生される様子を捉えることに成功した。
 また、鼻に栓をして匂いの情報を遮断し、脳への刺激を失わせると、細胞の再生が起こらなくなったことから、再生が脳の活動によって調整されていることも突き止めた。
 澤本教授は「再生効率を高める方法や、脳の活動が再生をどう調整しているかが分かってくれば、新型万能細胞(iPS細胞)などを用いた再生医療に貢献できるはず」と話している。

ペットボトル製の放射線センサー、9月市販化

2011年8月11日 提供:読売新聞
 京都大の中村秀仁助教(32)がペットボトル樹脂を改良して開発した放射線センサー「シンチレックス」を使ったカード型放射線検知器が、9月末にも市販されることになった。価格は1万円以下になる予定。原発事故で放射線への関心が高まる中、手頃な検知器として期待される。
 中村助教が10日、読売新聞の取材に明らかにした。商品の基本となる試作品は縦約8センチ、横約6センチ、厚さ約5ミリの透明なカード型。一定量の放射線を検知すると、センサーの樹脂が青く光る。中村助教は「ランドセルに付ければ、子供も使用できる」と話す。
 中村助教らのグループは今年6月、ペットボトル樹脂を活用した放射線センサーを開発し、欧州物理学会の速報誌で発表した。従来の測定器などに使われているセンサー素材が数万円以上かかるのに比べ、コストが10分の1以下に抑えられる。
 試作品は12日午後6時半から北海道根室市で開かれる放射線講演会(読売新聞北海道支社など主催)で披露される。

ヒトとチンパンジー共通 子どもの脳発達、京大指摘

2011年8月11日 提供:共同通信社
 ヒトとチンパンジーの赤ちゃんでは、意思決定や自己認識をつかさどる大脳の前頭前野が同じように未熟で、その後の経験で発達する余地が大きいことを京都大霊長類研究所のチームが突き止め、11日付米科学誌カレントバイオロジー電子版に発表した。
 チームは両者の脳の発達に違いも見つけ「脳の特異性の解明につながる」としている。
 今回、チームは生後6カ月から6歳までのチンパンジー3匹の脳を磁気共鳴画像装置(MRI)で解析。認知活動に関わる前頭前野のうち、神経線維の束である「白質」の割合をヒト、マカクザルと比較した。
 その結果、3歳のチンパンジーは大人のチンパンジーに比べ、白質の割合が半分程度と判明。同じ発達段階のヒト(6歳)は約75%で、ともに未熟な状態だった。これに対し、マカクザル(1・3歳)は約95%でほぼ大人の段階に達していた。
 ヒトやチンパンジーは親子関係を通じてさまざまな知識や社会性を身に付けるとされる。これまでにチンパンジーの脳と行動を関連づける研究はないが、こうした特性と成長過程での脳の発達が関係している可能性が高いという。
 一方、ヒトはチンパンジーと異なり、乳児期に白質の急速な増加があった。言語など、より高度な能力を身に付けるためとみられる。

ソマリアで伝染病拡大のリスク高まる WHOが警告

2011年8月11日 提供:共同通信社
 [ジュネーブ新華社=共同]世界保健機関(WHO)報道官は9日、干ばつの深刻化で食料危機に直面するソマリアで飲料水不足や栄養失調、避難民収容キャンプの過密化などが深刻化し、伝染病拡大のリスクが高まっていると警告した。首都モガディシオなどでは既にコレラやデング熱の感染が確認されているという。
 WHOはコレラやデング熱の感染者数は発表していないが、現地のポリオ(小児まひ)監視機関と協力して早期警告システムを稼働させるとともに、コレラ感染疑い例の分析結果と医薬品の提供を開始したことを明らかにした。

サルモネラ菌で女性死亡 宮崎、生卵が原因

2011年8月11日 提供:共同通信社
 宮崎県は10日、同県延岡市の70代の女性がサルモネラ菌による食中毒で死亡したと発表した。
 県によると、5日午後7時ごろ、70代の夫婦と孫2人の4人が延岡市の自宅で夕食に生卵を食べた。夫婦と孫1人が6日午前、嘔吐(おうと)や下痢などの症状を訴え市内の病院に入院。妻は7日午前に死亡した。夫と孫は快方に向かっているという。
 県は4人が食べた卵や、亡くなった妻の血液などからサルモネラ菌を検出した。卵は延岡市の加工業者「直栄興産」が県内の卸売市場などに出荷したという。県は同社に販売済みの卵の回収と出荷停止を指示するとともに、卵の衛生管理に問題がなかったか調べる。

油症救済で法改正へ 医療費支給、議連が発足

2011年8月11日 提供:共同通信社
 カネミ油症の被害者救済を目的とした超党派の議員連盟が10日、東京都内で設立総会を開き、被害者に医療費を支給する公的制度づくりに向け、法改正などを進める方針を決めた。
 メンバーは民主、自民、公明、共産、社民各党の37人。油症の一因となったポリ塩化ビフェニール(PCB)に着目し、PCBを含む廃棄物の適正処理を定めた特別措置法を改正することで、基金を通じて油症患者に医療費を支給する案を軸に検討する。早ければ今国会中にも改正法案を提出したいとしている。
 病院までの交通費や民間療法の費用助成が可能かどうかも議論。現在の基準では油症と認められない被害者を救済するため、認定基準の緩和についても話し合う。
 議連会長の坂口力・元厚生労働相は「(患者の)健康をいかに取り戻すか議論したい」と述べた。
 カネミ油症は1968年に西日本一帯で起きた食品公害で、米ぬか油にPCBやダイオキシン類が混入したことが原因。今も患者はさまざまな症状で苦しんでいる。

眼科リハビリの保険適用を 視覚障害者団体が要望

2011年8月11日 提供:共同通信社
 視覚障害者でつくる全日本視覚障害者協議会など18団体が10日、弱視者に対して眼科で行うリハビリについて、公的医療保険の適用を求める2万1153人分の署名を厚生労働省に提出した。
 団体によると、弱視や視野が極端に狭い場合、レンズや眼鏡を使って読む訓練をするなど、「ロービジョンケア」と呼ばれるリハビリをすることで、持っている視力を活用して日常生活の幅や行動範囲を広げることができるという。
 だが現在は保険診療の対象外のため、全国の眼科医約1万3千人のうち、ロービジョンケアを行っているのは約200人にとどまるとしている。
 署名を提出した下堂薗保(しもどうぞの・たもつ)さん(71)は「リハビリで働けるようになれば、展望が与えられ人生の質が上がる」と重要性を訴えた。

メタボの治療に光、肝臓の信号作用が関係、東北大大学院

2011年8月10日 提供:毎日新聞社
メタボ:治療に光 肥満・高血圧、関連解明 肝臓の信号作用--東北大大学院
 肥満になると血圧が高くなるメカニズムを東北大大学院医学系研究科の片桐秀樹教授(代謝学)らのグループが解明した。肝臓からの神経信号が一定の役割を果たしているとみられ、メタボリックシンドロームの治療につながることが期待される。研究内容は9日付の欧州循環器学会誌電子版で発表された。
 グループはこれまでに、肝臓が発する神経信号が交感神経に作用し、基礎代謝を活発にすることを発見。肝臓がカロリー蓄積のセンサーとして働き、基礎代謝を活発にさせて体重を調節するメカニズムを突き止めている。
 今回、実験で非肥満マウスに肝臓の脂肪を増やす遺伝子を注入したところ、血圧が上昇することを発見。ところが肝臓が発信する神経信号を遮断すると、血圧は上昇しなかった。肥満のマウスでも、神経信号を遮断すると非肥満のマウスと同様に血圧が上昇しないことを確認。肝臓からの神経信号によって血圧が一定程度上昇することを突き止めた。片桐教授は「(神経信号を)活性化させ、基礎代謝を上げれば、一時的に血圧が上昇しても、肥満の治療につながる」と話した。【須藤唯哉】

古川さん、少しスリムに 宇宙で身体測定と実験

2011年8月10日 提供:共同通信社
 宇宙航空研究開発機構は9日、国際宇宙ステーションに長期滞在中の古川聡(ふるかわ・さとし)飛行士(47)が、無重力での身体測定や体や感覚の変化を調べる医学実験9件を実施した映像を公開した。
 6月8日にカザフスタンからソユーズロケットで出発した古川さんは、約2カ月間、重力のないステーション内で過ごしている。8月2日の実験では、体液が上半身に移動して筋肉も萎縮した影響で、ふくらはぎは4センチ、太ももは1センチ、ウエストは6センチ、それぞれ細くなり、身長は1センチ伸びたことが判明。
 腕の重さを感じないため、目をつぶると、左右の腕を伸ばした指先をうまく合わせられなくなることや、力を抜くと肘や膝、背中が曲がった姿勢になること、歩くことがないため足の裏の皮膚が柔らかくなっていることなどが確かめられた。
 実験は一般公募で採用。当日は茨城県の宇宙機構筑波宇宙センターに提案者を招待。兵庫県の看護師酒井賀世(さかい・かよ)さん、岐阜県の大学院生岩田(いわた)ちひろさんら男女4人が、宇宙から送られる実験の映像を見守った。

8月第1週は搬送者56%減 前年比の熱中症、低温で

2011年8月10日 提供:共同通信社
 総務省消防庁は9日、今月1日からの1週間に熱中症で病院へ搬送された人は、前年同期比56%減の3149人にとどまり、死亡者は19人から3人に減ったとする全国速報値を発表した。オホーツク海高気圧の影響で気温が低かったため、猛暑だった前年同期より少ないが、前週の7月25~31日に比べると約3割多く、今夏の搬送者は増加傾向にある。
 速報値によると、都道府県別の搬送者数は、東京の197人が最多で、以下、愛知196人、埼玉164人、千葉150人、兵庫142人の順。死亡者は岩手、兵庫、岡山3県が各1人だった。
 3週間以上の入院を要する重症は68人。搬送者のうち65歳以上の高齢者が44%を占めた。
 5月30日から8月7日までの累計搬送者数は、前年同期比1%減の2万8114人となった。
 消防庁は「これからお盆で帰省する人も多いと思うが、車中でも小まめに水分を補給するなど対策に努めてほしい」と呼び掛けている。

保育所の幼児O111感染

2011年8月10日 提供:共同通信社
 金沢市は9日、市内の保育所に通う21人が下痢や腹痛の症状を訴え、このうち1~4歳の5人から腸管出血性大腸菌O111が検出されたと発表した。重症者はおらず、いずれも快方に向かっている。
 4人が死亡した焼き肉チェーン店の集団食中毒で検出されたものより毒素が弱いタイプで、市保健所が原因を調べている。
 先月29日に保育所に通う4歳の女児が症状を訴え、8月5日に医療機関の検査で感染が判明したため、ほかの子どもも検査した。

ヨーグルトでインフル感染率が大幅低下

2011年8月10日 提供:毎日新聞社
ヨーグルト:インフル感染率が大幅低下--効用報告
 R―1乳酸菌を含むヨーグルト飲料を飲んだ小中学生はインフルエンザの感染率が低かったとの調査結果を有田共立病院(佐賀県有田町)の井上文夫病院長が9日、東京都内のセミナーで発表した。
 昨年10月~今年3月、同町内の全小中学生約1900人にR―1乳酸菌入りヨーグルトを毎日飲んでもらった。インフルエンザの感染率を調べると小学生は0・31%、中学生は0・64%で、周辺の地域(約1・3~10%)や佐賀県全体の平均(約2・6~4・4%)より大幅に低かった。井上院長は「驚くほど低い。乳酸菌で免疫力が上がった可能性がある」と話した。

「5大疾病」に位置づけ、精神医療の充実期待、誤診や過剰投薬など課題も

2011年8月10日 提供:読売新聞
 厚生労働省は先月、精神疾患を、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病と並ぶ「5大疾病」と位置づけ、重点対策を行うことを決めた。
 諸外国に比べて遅れている精神医療の充実が期待できるが、課題も山積している。
 同省の2008年の調査では、精神疾患の患者は323万人にのぼり、237万人の糖尿病、152万人のがんなど他の4大疾病を大幅に上回った。
 今回の国の決定を受けて、各都道府県は、患者を減らす予防策や医療機関の連携強化などの医療計画を練る。その計画の柱となるのが、訪問診療や訪問看護などの在宅医療の充実だ。
 厚生労働省の調査によると、日本の精神病床数は35万床弱(09年)で、全病院の病床の約2割を占めている。平均在院日数は300日を超え、長さは世界でも突出している。
 一方で、精神病床の医師数は一般診療科の3分の1でよいと規定されており、幻覚や妄想に苦しむ統合失調症の患者に対して、手薄な入院治療が長い間行われてきた。
 患者の中には、在宅で十分な医療支援を受けられないため、長期入院を強いられる「社会的入院」も少なくない。厚労省の患者調査では、社会的入院は約6万2000人にのぼる。
 在宅医療の充実は、こうした不必要な入院を減らし、患者の社会復帰を促すなど、従来の施設収容型の精神医療を大きく転換させる契機になると期待される。
 また、未受診の患者を発症の初期に見つけて、悪化を防ぐ早期支援体制も拡大が予想される。
 統合失調症は、発症してすぐに治療を始めると脳のダメージが少なくなり、悪化や再発がしにくくなるという研究がある。しかし国内の患者は、発症から医療機関にかかるまでに平均17か月かかっており、早期に医療機関にかかれる体制づくりが求められていた。
 国立精神・神経医療研究センターの大野裕・認知行動療法センター長は「在宅医療が拡大すると、医療チームが患者の生活環境を改善しやすくなる。早期に対応すれば、薬物療法だけでなく、考え方の偏りを修正する認知行動療法も活用できる」と、5大疾病に位置づけられた意義を語る。
 ただし、課題もある。
 統合失調症では近年、誤診が多いことが専門家の間でも指摘されるようになった。特に、知的障害がないのに、円滑な対人関係を築けない「高機能広汎性発達障害」の人たちの特徴が、統合失調症の初期症状と誤解されてしまうのだ。
 これらの人たちに統合失調症の薬を投与すると、少量でも精神状態が著しく悪化するケースが多い。長男を誤診された母親は「今のままで早期発見の対策を推し進めると、被害者が増えかねない」と訴える。
 診断の問題は、うつ病でも存在する。大阪市で先月開かれた日本うつ病学会総会で、講演した複数の精神科医が「抗うつ薬の販路拡大を目指す製薬会社のキャンペーンに影響され、診断が過剰になった側面がある」と語った。
 病気ではないのにうつ病と過剰診断した結果、対人関係を原因とする一時的な落ち込みにまで抗うつ薬が処方され、休職期間をかえって長引かせた。
 今回のうつ病学会総会で製薬会社がPRに最も力を入れたのは、そうとうつ状態を繰り返す「双極性障害」だった。ある精神科医は、会場でこう皮肉った。
 「製薬会社の活動で、今度は双極性障害の“患者”が急増するだろう」
 薬物治療についても、統合失調症患者に不適切な薬を大量に処方する多剤大量投薬の問題が残る。抗うつ薬の服用で、自殺衝動が表れる人がいることも問題になった。
 今後、5大疾病の治療の一翼を担う精神科医の責任は、ますます重くなる。社会の信頼を得るためには、関連学会が精神医療の問題点を自ら洗い出し、専門医の実力を高めるための対策を早急に講じるべきだ。(医療情報部・佐藤光展)

高所得者は収入に応じ負担 障害者のサービス利用で

2011年8月10日 提供:共同通信社
 政府の障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会は9日、障害者自立支援法に代わる新法「障害者総合福祉法」(仮称)の骨格となる提言として、障害福祉サービスの利用者負担は高額所得者の場合は収入に応じて「応能負担」とするよう求める意見を示した。
 利用者負担については、前回の部会で(収入にかかわらず)無料としたが、各委員から「負担できる人まで無料にするのは、他の制度との公平性の観点から議論が必要」などの意見が出た。障害児の場合は世帯主の収入で判断するとした。
 このほか、障害者が65歳になった場合は、総合福祉法でのサービスと65歳以上が対象となる介護保険サービスのどちらか、利用しやすい方を選ぶか、併用できると規定。
 公費負担のうち市町村の負担分については、住所地だけでなく出身地の自治体も一定期間負担する仕組みの導入を提言。住所地の自治体の財政負担が軽減され、障害者の地域生活への移行が促進されるとした。
 提言案では、2012年の通常国会に法案を提出し、13年8月施行を目指すとの工程表も確認。部会は今年8月末に提言をまとめ、厚生労働省が法案を作成する。

人肉カプセル、中国が調査 「取り締まる」と衛生省

2011年8月10日 提供:共同通信社
 【北京共同】死産した赤ん坊や生後1~2カ月の乳児の人肉からつくられた粉末入りのカプセルが中国から韓国に流入していると報じられた問題で、中国衛生省の報道官は9日の記者会見で、吉林省の衛生当局に調査を指示したことを明らかにした。
 韓国誌が先月、カプセルの材料となる乳児の遺体などは、ブローカーが吉林省の病院から買い取っていたと報じた。報道官は「中国は法令で医療機関が遺体を売買することを禁じている」と説明、「人体の組織や遺体を売る行為は断固として取り締まる」と強調した。
 報道によると、カプセルは大病に効く妙薬として韓国で密売されていた。韓国誌が入手したカプセルを分析すると、遺伝子情報が人間のものと99%一致したという。

3歳児は13分で熱中症に 気温45度の車内放置で

2011年8月9日 提供:共同通信社
 日が差し込む気温45度の密閉された車内などでは、3歳児はわずか13分で熱中症に-。名古屋工業大と金沢医科大の研究グループが8日までに実施したコンピューターによるシミュレーションで、こうした分析結果が出た。
 車内に放置された子どもが熱中症になるケースが各地で問題となる中、わずかな時間の放置にも警鐘を鳴らす結果で、米科学誌「電磁科学アカデミー」に掲載予定という。大人では熱中症になるのに同じ条件で1時間以上かかり、名古屋工大大学院の平田晃正(ひらた・あきまさ)准教授は「子どもは、大人の感覚以上に短時間で熱中症になる危険性がある」としている。
 体温の上昇や発汗に伴い、体内から体重の約3%の水分が失われると熱中症になるとされる。
 研究グループは、3歳児と成人について発汗や血流調節などの体温調整機能を計算し、気温45度と40度でいずれも太陽光を浴びた条件下で、水分が失われる時間を調べた。3歳児の場合、45度で13分、40度では17分だった。成人はいずれの条件でも1時間以上かかった。
 子どもは体重当たりの体の表面積が大人より大きいため、気温の影響を受けやすいのが原因という。

脳の「若返り」解明、認知症治療に応用も、産総研

2011年8月9日 提供:毎日新聞社
脳:「若返り」解明 認知症治療に応用も--産総研
 老化で減る脳の神経幹細胞を増やす仕組みを産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と筑波大の研究チームが解明し、8日発表した。運動をすると、特定の細胞から分泌されるたんぱく質の因子(Wnt3)が増え、これが起点となって神経が新生する現象をマウスの実験で突き止めた。うつ病や認知症の新治療法や創薬開発に役立つという。米実験生物学誌に掲載された。
 学習や記憶を担う脳の領域「海馬」にある神経幹細胞は老化で数が減り、細胞を生み出す力も衰える。実験では、生後22カ月の老齢マウスと、9週間の若いマウスの海馬からアストロサイト細胞(神経幹細胞を支える細胞)を取り出して培養。比較すると老齢マウスのWnt3産出量は若いマウスの30分の1しかなかった。さらに、マウスにベルトコンベヤー上で毎日10分間2回ずつ走らせる運動を2週間続けたところ、運動前と比べてWnt3産出量は若いマウスで10~15倍、老齢マウスでは20~30倍と飛躍的に増えた。
 運動すると脳が活性化する事実は知られているが、老化で低下した神経を作る機能が復活し脳の「若返り」につながる仕組みを細胞レベルで解明したのは初。研究チームの産総研幹細胞工学研究センターの桑原知子研究員は「アストロサイト細胞を活性化させれば神経幹細胞を呼び戻すことができ創薬開発などに応用できる」と説明している。【安味伸一】

夜尿症、目指せ早期治癒 薄い「病気」との認識 心の発達妨げる恐れ 「医療新世紀」

2011年8月9日 提供:共同通信社
 幼いころに誰もが経験するおねしょ。しかし、5歳を過ぎても週に3回以上繰り返す場合は「夜尿症」という病気だ。大半の子どもは成長とともに自然に治るが、治癒が遅れれば、健全な心の発達を妨げる恐れもある。病気という認識が薄く放置されがちだが、専門医は「適切な生活指導や投薬などで治癒を早められる。ぜひ、受診してほしい」と呼び掛けている。
 ▽アンバランス
 「夜尿症は5歳児の15%、10歳児の5%にみられる。15歳では1%に減るが、成人まで持ち越してしまう人も0・5%ぐらいいる」。日本夜尿症学会理事長の金子一成(かねこ・かずなり)・関西医大小児科教授はこう解説する。
 金子教授によると、夜尿症のベースには、眠りが深すぎて、尿意を感じても目覚めない覚醒障害がある。そこに、夜眠っている間に作られる尿の量と、尿をためるぼうこうの容量とのアンバランスが加わると夜尿症が引き起こされる。
 「育て方が悪かったと自分を責めるお母さんがいるが、科学的には関係ない。逆に言えば、育て方や子ども本人の自覚をいくら改めても、夜尿症は治らない」と金子教授は指摘する。
 正常な人の場合、夜間は抗利尿ホルモンがたくさん分泌され、尿量は昼間の50~60%に減る。一方、昼はぼうこうを収縮させている副交感神経の働きが夜には弱まり、ぼうこう容量は1・5~2倍に増える。排尿で安眠が妨げられないよう体が備えた絶妙な仕組みだ。
 ▽生活指導
 こうした調節機能が働かないのが夜尿症で、大きく3タイプに分けられる。まず、抗利尿ホルモンの分泌が夜になっても増えず、多量の尿が作られてしまう「多尿型」。二つ目は、尿量は少ないのに、夜間もぼうこうが小さいままで尿があふれ出てしまう「ぼうこう型」。最後が、多尿とぼうこうの容量不足が同時に起きる「混合型」で、最も重症のタイプだ。
 治療は三つのうちのどのタイプかを見極め、それぞれに適した生活指導を行うことが第一歩になる。多尿型の場合、夕食時以降の水分を制限し、尿の排出を遅らせる塩分やタンパク質は昼間に摂取するよう心掛ける。ぼうこう型では、排尿をできるだけがまんして、ぼうこうの容量を増やす訓練をする。
 「症状が軽ければ、生活指導だけで治るケースもある。効果が十分でなければ、薬物治療など次のステップに進む」と金子教授は説明する。
 ▽薬でピタリ
 2年前に金子教授が診た女児(11)は、毎日おねしょが続いていた。水分を制限したり、夕食時の塩分摂取を控えたりしたが改善せず、修学旅行を前に悩みは深まっていた。検査の結果、多尿型と判明し、金子教授は抗利尿ホルモンの点鼻薬を処方した。おねしょはピタリと止まった。
 4年前に来院した男児(6)も、おねしょが連日続いていた。年齢の割にぼうこうの容量が小さかったため、ぼうこう機能を安定させる抗コリン薬を処方すると、全くおねしょをしなくなった。
 薬剤ではこのほか、抗うつ薬も効果があるとされるが、副作用の懸念などから専門医による使用は減っているという。
 今年2月、協和発酵キリンなどが、夜尿症の子どもを持つ母親727人を対象にアンケートを実施した。医療機関を受診したことがない子どもが75%に上る一方、81%の母親は子どもの夜尿症をストレスと感じ、53%は「早く治るなら受診させたい」と答えた。
 金子教授は「夜尿症は子どもの自尊心を低下させ、不登校やいじめ被害にもつながる。治療すれば、自然に治るのを待つよりずっと早い治癒が望める。まずは専門医に相談してほしい」と助言する。(共同)

耳から幹細胞、軟骨再生 顔面の変形治療に応用も

2011年8月9日 提供:共同通信社
 人間の耳の軟骨を覆っている膜の中に、軟骨などのもとになる幹細胞があるのを発見したと、横浜市立大の谷口英樹(たにぐち・ひでき)教授(再生医学)らの研究グループが8日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。この幹細胞を培養してつくった軟骨細胞を使い、奇形や交通事故で変形した顔面の治療などへの応用を目指すという。
 現在、顔の変形の治療では主に、肋骨(ろっこつ)の端にある肋(ろく)軟骨を取り出して移植する大掛かりな手術が行われている。グループによると、今回見つけた幹細胞は耳の裏を1センチ四方そぎ取るだけで採取できる。つくった軟骨細胞は注射器で患部に注入でき、軟骨の形は長期間維持されるとしている。
 グループは、動物実験で幹細胞の存在が示唆されていた、耳の軟骨を覆う軟骨膜に着目。人間の軟骨膜と軟骨、それぞれを構成する細胞の表面にあるさまざまな分子を種類別に染色して比べた。
 すると軟骨膜で、成熟した軟骨と比べて特定の二つの分子が多い細胞を発見。この細胞を詳しく調べたところ、軟骨などの組織に分化できる幹細胞の性質を持っていることが分かった。
 さらに、この幹細胞を培養して軟骨細胞に分化させることにも成功。マウスに移植すると、人間の軟骨が再生した。

歯周病に大きな誤解 「医療新世紀」

2011年8月9日 提供:共同通信社
 ほとんどの人が「歯周病」という言葉は知っているものの、3割近くは虫歯と混同するなど、誤解が多いことがサンスターのインターネット調査で分かった。今年5月、全国の16~69歳の男女計千人に質問した。
 歯周病という言葉を知らない人は1・5%で、「名前だけ知っている」66・6%と「内容まで詳しく知っている」31・9%を合わせると、認知度は98・5%に達した。
 歯周病と虫歯が別の病気であると正しく理解していた人は71・4%。残る28・6%は「同じ病気」「一種」などと誤解していた。また、日本の成人の8割は歯周病とみられているが、69・2%の人は「自分は歯周病ではない」と考えており、実際と隔たりがあった。

[意見募集] 15歳未満者の臓器摘出に鑑み、脳死判定マニュアルを更改

2011年8月9日 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)
「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)の一部改正(案)」の意見募集について(8/6)《厚労省》
  厚生労働省は8月6日に、臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)の一部改正(案)に対する意見募集を開始した。
  平成22年の臓器移植法改正では、(1)本人の意思が不明でも、家族の承諾により脳死下での臓器摘出を認める(2)15歳未満の者からの臓器提供を認める―という大きく2つの制度見直しが行われた。このうち(2)に伴い、脳死判定の手順も見直されている。今回のガイドライン改正は、脳死判定を、この見直し内容(「法的脳死判定マニュアル」(厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学研究特別事業「脳死判定基準のマニュアル化に関する研究班」平成22年度報告書))に沿うことを定めるもの。
  資料には、ガイドラインの新旧対照表(p4参照)、平成22年度版の法的脳死判定マニュアル(p5-p39参照)、平成11年度版の法的脳死判定マニュアル(p40-p48参照)、平成21年度厚生労働科学研究費補助金による「小児法的脳死判定基準に関する検討」(p49-p79参照)が付されている。
  意見は、9月4日まで受け付けている(p1参照)。
資料1 P1~P15(その1:3.1M)
その他の記事はこちら
同日の記事
2011年8月9日号(WICレポート 8/8-8/12)
厚生政策情報センター
厚生政策情報センター(略称:WIC)は、国内最大級の医業経営コンサルティングファームである日本経営グループの事業部として、厚生行政(保健・医療・介護)や医業経営に関わる最新の情報を全国に提供しています。
過去4年分、薬2500本の記事と資料が厚生政策情報センター(WIC)のサイトでご覧いただけます。今なら1ヶ月無料。
詳細はWICのサイトへ

放射線情報を一元化 文科省がポータルサイト

2011年8月9日 提供:共同通信社
 文部科学省は8日、東京電力福島第1原発事故を受けて関係省庁や自治体、東京電力が調査した放射線量や放射性物質の情報を集約したインターネットのポータルサイト「放射線モニタリング情報」を開設した。URLは、http://radioactivity.mext.go.jp/
 文科省がまとめる各地の放射線量などを表示。また、食品や水道水に含まれる放射性物質は厚生労働省、水産物は農林水産省というように、調査を担当する省庁や自治体のホームページにリンクしている。
 事故後、関係省庁がそれぞれ調査結果を公表、自治体も独自に放射線量測定に乗り出し、情報の一元化が進まなかった。状況を改善するため、関係省庁の調整会議でサイト開設を決定していた。
http://radioactivity.mext.go.jp/

「子どもに安全な未来を」 チェルノブイリ被災者

2011年8月9日 提供:共同通信社
 「これから福島はチェルノブイリと同じ問題を抱えるだろう。でも、あなたたちは一人ではないと伝えたい」
 旧ソ連・チェルノブイリ原発事故で被災したロシアのアントン・ウトビチェンコさん(34)が、原水爆禁止世界大会に招かれ来日。福島市で住民の不安に耳を傾けたほか、原発を抱える新潟県や鹿児島県、被爆地の広島・長崎を訪れ「子どもたちの安全な未来のために一緒に頑張りましょう」と呼び掛けている。
 1986年のチェルノブイリ事故で飛散した放射性物質は、広島原爆の数百倍ともいわれ、今でも約600万人が汚染地域で暮らす。アントンさんが生まれ育った町ノボジプコフは原発から180キロ離れているが、まだら状に存在する汚染地域の一つだ。
 当時9歳。上空に流れてきた黒い雲を見た。周辺では、旧ソ連当局が首都モスクワに雲が達するのを阻止しようと、爆撃機でヨウ化銀をまいたり、高射砲を地上から発射したりして、降雨を促したという。
 多くの子どもが甲状腺がんなどを発症。アントンさんは「運良く」免れたが、25年後の今もキノコや川魚の食用は危険とされる中、支払われる補償は月約1500円だけだ。
 14歳の息子と7歳の娘がいる。町の人口は激減し、移住を考えなかったわけではない。だが「汚染の低い小さな村に行けば十分な教育を受けられず、大都市に行くのにはお金がない」。
 「政府はチェルノブイリを忘れさせようとしている。被害を伝え続けなければ」と憤るアントンさん。ロシアの汚染地域の子どもを支援する非政府組織(NGO)を運営し、毎年夏に約3週間のキャンプを行い、500~600人の子どもたちを汚染の低い地域に連れて行く。事故後に増えた、失業した若者の飲酒やドラッグの問題にも取り組み始めている。

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牙むくホットスポット 除染へ遠い道のり 「終わらぬ戦争被害 枯れ葉剤散布から50年」

2011年8月9日 提供:共同通信社
 ラオス国境に連なるチュオンソン山脈の山々が目の前に迫る。ベトナム中部トゥアティエン・フエ省アルオイ県にはベトナム戦争中、極めて大量の枯れ葉剤が散布された。同県ドンソン村は現在もダイオキシンの高汚染地域「ホットスポット」の一つだ。
 村の中心は米軍飛行場の跡地。米軍は建設のため、除草目的で一帯に枯れ葉剤を散布した。戦後、避難先のラオスから戻った村人たちはそれを知らずに跡地に住み、近くの池の水を飲んで、魚を食べ続けてきた。
 残留ダイオキシンは静かに牙をむき、現在村の人口約1300人のうち、脳障害や奇形などの健康被害者は80人、さらに400人に被害の疑いがあるという。
 政府調査で1990年代後半に初めて、土壌や、村人の血液や母乳中のダイオキシン濃度が高いことが判明。飛行場跡地の40戸を移住させ、立ち入りを禁じ、池の魚の内臓などを食べないように通達した。
 しかし、村人は不安を抱えながらも「自給自足で貧しいため今でも食べている」(同村幹部)。浄水の配水設備も7年前から故障。健康被害の拡大が懸念されている。
 ホットスポットの中で汚染が最も深刻とされるのが、戦争中に米軍が枯れ葉剤の貯蔵や積み込みなどに使用していた中部のダナンとフーカット、南部ビエンホアの計3空港。だがダイオキシンの除去・封じ込めは一部でしか進んでいない。
 国際線も発着し、新ターミナル建設が進むダナン空港。空軍の厳しい管理下にある北端の汚染地域では、強い刺激臭が鼻を突く。黄色い土の一帯には「戦後ずっと草が生えない」(空軍当局者)。土壌のダイオキシン濃度が国際的な環境基準の300~400倍に達する場所もある。今年6月、米国の資金援助を受けたベトナム国防省による除染プロジェクトがようやく始動した。
 近くに住むレ・ティ・キム・クックさん(33)は「周りにがん患者が増え、障害児も多い」と話す。クックさんも2度の流産を経て授かった長女タオちゃん(4)の脳と手足に障害がある。「健康が一番大事なのに。住民は皆、不安を感じている」と訴える。
 ベトナム全土のホットスポットは28カ所とされる。だが、枯れ葉剤問題に詳しいハノイ国家大のボー・クイ教授は「3空港とアルオイ以外は、米軍基地だった場所や被弾した米軍機が枯れ葉剤を緊急投下した場所などだが、実態はまだよく分かっていない」と明かす。場所も未公表で調査の見通しすら立っていない。(アルオイ、ダナン共同)

世界の死者数、2003年以来330人に 鳥インフルでWHO発表

2011年8月8日 提供:共同通信社
 [東京共同]世界保健機関(WHO)は4日までに、カンボジア保健省が新たに1人が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染して死亡したことを確認したのを受け、2003年以来の世界全体での死者は330人になったと発表した。
 死亡が確認されたのは北西部バンテアイミアンチェイ州の4歳の女児。7月11日に発症、18日に入院して治療を受けたが20日に死亡した。自宅の近くで鶏が死んでいたとの報告があり、女児は鳥インフルエンザに感染した鶏に接触して発症したとみられる。
 カンボジアでの死者は累計で15人、感染者は死亡した人を含め17人となった。
各国別の累計は以下の通り。
                感染者     死者
 アゼルバイジャン        8       5
 バングラデシュ         3       0
 カンボジア          17      15
 中国             40      26
 ジブチ             1       0
 エジプト          150      52
 インドネシア        178     146
 イラク             3       2
 ラオス             2       2
 ミャンマー           1       0
 ナイジェリア          1       1
 パキスタン           3       1
 タイ             25      17
 トルコ            12       4
 ベトナム          119      59
 合計            563     330

背の高い女性はガンになりやすい…英統計調査

2011年8月8日 提供:読売新聞
 ワシントン=山田哲朗】背の高い女性ほどがんになりやすいとする論文を、英オックスフォード大などの研究者が医学誌「ランセット・オンコロジー」に発表した。
 研究チームは、イギリスの50~60歳代の女性130万人を対象に1996年から2001年にかけ行われた大規模な健康調査のデータを統計分析し、10種のがんと身長に相関があることを確認した。身長が10センチ高くなるごとに、がんになる危険性が16%上がるという。
 背を伸ばす成長ホルモンなどが、がんにも作用しているためと考えられる。男性でもこうした傾向が報告されている。ただ、がんには身長以外に喫煙、生活習慣など多くの要因があり、研究チームは「背が高いからといって心配する必要はない」としている。

iPS細胞でマウス誕生 京大が世界初 「精子のもと」作り生命 不妊研究に、倫理課題も

2011年8月5日 提供:共同通信社
 さまざまな組織や臓器の細胞になる能力がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って精子を作り出し、卵子と体外受精させてマウスを誕生させることに京都大のグループが成功し、4日付の米科学誌セル電子版に発表した。
 雄マウスの細胞から作ったiPS細胞を、試験管内で精子や卵子のもとになる生殖細胞へと分化させた。iPS細胞を利用した生殖細胞の作製、この生殖細胞を使った生命誕生は世界で初めて。
 グループは、生物の成り立ちやヒトの生殖細胞の詳しい発生メカニズム解明のほか、不妊症の原因究明や治療法研究に役立つとしているが、ヒトの生殖細胞作りにもつながる技術で、生命倫理面から議論を呼びそうだ。
 グループは雄マウスの胎児の線維芽細胞から作ったiPS細胞を、タンパク質と薬剤で培養し、体のほぼ全ての細胞のもとになる多能性細胞集団に近い細胞を作製。この細胞に別のタンパク質による刺激を与え、生殖細胞にした。
 この生殖細胞を、生殖細胞がない雄のマウスの精巣に移植すると、約10週間で精子ができた。この精子で体外受精した受精卵を雌のマウス2匹の体内に戻し、健常な雄と雌のマウスを計7匹誕生させることに成功。これらのマウスを通常のマウスと掛け合わせると子どもも生まれた。
 iPS細胞と同様の能力を持つ胚性幹細胞(ES細胞)でも同じ方法でマウスを誕生させた。
 受精卵から子どもが生まれた割合はiPS細胞で約3割、ES細胞で約3~5割で、iPS細胞に由来しない精子の場合とほぼ同じだった。
 同じ方法で作った生殖細胞を使い、卵子の作製にも着手している。
 さまざまな組織に分化する前の状態に細胞を初期化して作るiPS細胞の研究や、遺伝が関係する病気の原因解明にも役立つとみられ、グループは今後、サルを使った研究を進める。
 グループの斎藤通紀(さいとう・みちのり)教授は「倫理的な問題もあるが、試験管内で(生殖細胞が)できれば、不妊症の原因究明に力を発揮する」としている。
※iPS細胞
 神経や筋肉、血液などさまざまな組織や臓器の細胞になる能力がある新型万能細胞。皮膚などの体細胞に遺伝子などを導入して作る。京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授が2006年にマウスで、07年にヒトで作製成功を発表した。事故や病気で失われた機能を回復する再生医療や、病気の原因解明、新薬開発への利用が期待されているが、がん化などの懸念があり安全性向上が課題。受精卵を壊して作る万能細胞「胚性幹細胞」(ES細胞)に比べ、倫理的な問題は少ないとされる。

関係者・識者談話

2011年8月5日 提供:共同通信社
▽課題残るが研究加速
 山中伸弥(やまなか・しんや)京都大iPS細胞研究所所長の話 10年はかかると思っていたマウスiPS細胞からの精子への分化があっという間に達成された。今回の成果はこれまでの研究に基づき緻密に立てられた戦略により達成された。人間を含む霊長類への応用には、技術的、倫理的な観点から課題が残るが、研究スピードは劇的に加速するだろう。
▽畜産、医学へ応用期待
 岡野栄之(おかの・ひでゆき)慶応大教授(生理学)の話 半永久的に増殖するES、iPS細胞から機能的な生殖細胞を作製したことの意義は大きく、生殖細胞の形成機構の解明や将来的には畜産、医学分野への応用が期待される。今後はヒトiPS細胞への適用などが課題と考えられる。
▽男性不妊の解明進む
 国立成育医療研究センター研究所の阿久津英憲(あくつ・ひでのり)幹細胞・生殖学研究室長の話 子どもができたことは、作った精子が本物であることを証明する意味で大きい。これまでも精子ができたとの報告はあったが、機能は不完全だった。現在、男性不妊の原因は、分子レベルではほとんど分かっていないが、今回の成果により、正常な精子の発生過程の詳細な研究が可能になるため、解明が進むだろう。同じ手法ですぐに人でも作製できるわけではないが、ある程度参考になるはずだ。
▽社会に開かれた議論を
 板井孝壱郎(いたい・こういちろう)宮崎大教授(生命・医療倫理学)の話 京都大の成果は生命誕生の在り方に大きな影響を与えかねず、ヒトへの応用が危惧される。国際競争が高まるiPS細胞の研究は、莫大(ばくだい)な利益につながり歯止めがかかりにくい。現在、生命倫理の問題はほとんどが各病院や研究機関の委員会で議論され、社会に開かれているかは疑問だ。だが再生医療を心待ちにする患者もおり、やみくもに禁止するのは問題。広く一般から意見を聞いたり、議論の内容が市民に見えるようにしたり、改善の余地がある。

「神の領域」線引きを

2011年8月5日 提供:共同通信社
 【解説】人工多能性幹細胞(iPS細胞)から生殖細胞を作った京都大グループの成果は、ヒトへの応用が可能となれば不妊などの治療法開発につながる一方で、生命をつくり出す新たな技術ともなり得る。神の領域について「やれるけれど、やらない」という線をどこで引くのか、議論が必要だ。
 生殖細胞は、遺伝病や不妊症の原因にも関わりがあるとされる。試験管内で生殖細胞の発生を再現できれば治療に大きく役立つ。
 だが今回の技術を用いれば多くのハードルはあるものの、理論上は雌のマウスから精子、雄のマウスから卵子を作ることも可能。さらに、1人の"親"から子どもが生まれる可能性さえ否定できないという。
 グループはヒトでの生殖細胞の作製も目指している。ただグループの斎藤通紀(さいとう・みちのり)教授はiPS細胞に由来する精子を、不妊症の男性の生殖医療に利用することに否定的だ。「生殖細胞は生命の神秘中の神秘。研究としては最大限の注意を払う必要がある。現時点の技術では、次世代をつくることは不可能」と強調した。
 文部科学省は研究指針で、ヒトのiPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)から生殖細胞を作ることは解禁したが、作製した生殖細胞から得た精子や卵子を受精させることを禁じている。

中枢神経再生を促進する物質 横浜市大准教授ら、マウスの脳で発見

2011年8月5日 提供:毎日新聞社
中枢神経:再生を促進する物質 横浜市大准教授ら、マウスの脳で発見
 けがや病気でいったん傷つくと元に戻るのが難しい脳や脊髄(せきずい)などの中枢神経で、再生を促進する方向に作用するとみられる物質を、横浜市立大の竹居光太郎准教授(神経科学)らがマウスの脳内から見つけた。脳にはもともと、神経が束になって成長するのを抑える仕組みがある。新たに発見された物質は、この仕組みを妨害していた。こうした働きをする薬があれば、神経再生につながるとして注目されている。
 竹居准教授はこの物質を「LOTUS(ロータス)」と名付けた。ヒトにも存在し、将来的には神経の再生医療につながる可能性があるという。米科学誌サイエンス(電子版)に5日、論文が掲載される。
 竹居准教授は、中枢神経の中でもにおいを伝える「嗅索」という部分は比較的再生しやすいため、神経再生にかかわる物質があるのではないかと着目。マウスの胎児の脳をすりつぶして別のマウスに与え、体内で数百種類の抗体を作成。その抗体を別の胎児マウスの脳に添加し、神経の伸びに異常が出るかどうかを調べた。すると束になるはずの神経が、束にならなくなる異常を引き起こす抗体が見つかった。その抗体と反応する物質を調べたところ、膜たんぱく質の一種で、神経の成長を阻む仕組みを妨害していた。【野田武】

「細胞内の運び屋」仕組み解明

2011年8月5日 提供:読売新聞
「細胞内の運び屋」仕組み解明
 ほとんどの生物が保有し、「細胞内の運び屋」としての機能を持つ「モーターたんぱく質」が回転するメカニズムを、金沢大理工研究域数物科学系の安藤敏夫教授(60)らの研究グループが解明した。
 同大によると、将来的には医療やバイオマス技術への応用にもつながる画期的な研究成果といい、5日付の米科学誌「サイエンス」にも発表された。
 モーターたんぱく質は、ナノレベル(1ナノ・メートルは10億分の1メートル)の極めて小さな物質で、生物が生命活動に必要とするエネルギーを細胞内に行き渡らせる役割を担っている。
 モーターたんぱく質は、軸となる「回転子」と、軸を取り巻く「固定子」の2要素で成り立っている。これまでの研究は、固定子と回転子が相互に影響しあうことで初めて回転の動きが生まれるという説が有力だったが、安藤教授らは、たんぱく質の動きを分子レベルで撮影できる超高性能の「原子間力顕微鏡」を用いて、回転子を取り除いたモーターたんぱく質の動きを詳細に観察。その結果、固定子だけのモーターたんぱく質でもスムーズに回転できることを証明し、従来の定説を覆した。

介護利用が過去最多 10年度、492万人

2011年8月5日 提供:共同通信社
 2010年度に介護サービス(介護予防を含む)を利用した人は09年度を24万1千人上回り、過去最多の492万8千人だったことが厚生労働省が4日発表した介護給付費実態調査で分かった。
 サービス別の内訳では、訪問介護は124万8千人で前年度比7万8千人増。通所介護は145万1千人で12万4千人増えた。
 施設サービスの利用者は、特別養護老人ホームが53万9千人、老人保健施設は48万4千人といずれも増加。介護型療養病床は13万6千人で、前年度から1万人減った。

生食肉の表面加熱義務化 罰則付き新基準施行へ

2011年8月5日 提供:共同通信社
 焼き肉チェーン店の集団食中毒事件を受けて、ユッケなどの生食用牛肉の加工基準を議論していた食品安全委員会は4日、生食で提供する場合は肉の表面の加熱を義務付ける厚生労働省の新基準案を大筋で了承した。
 厚労省は新基準を早ければ10月に施行する方針。現行基準に罰則はないが、新基準に違反した場合は食品衛生法に基づき営業停止処分や、2年以下の懲役または200万円以下の罰金を科す。
 新基準では、食肉処理業者は枝肉から切り出した生食用の肉を、まず気密性のある容器に密封。湯につけるなどして肉の表面から深さ1センチ以上の部分を60度で2分以上加熱・殺菌した後、10度以下に冷却し飲食店などに販売する。飲食店は、加熱された部分を削り取る「トリミング」をして客に提供する。
 食肉処理業者と飲食店には、生食用専用の施設や調理器具の使用も義務付ける。
 現行基準でも肉の表面をトリミングすることになっているが、新基準ではより多くの部分を削り取る必要がある。処理方法がより厳格化されることもあり、ユッケなどを提供する飲食店が減ることも予想される。
 食安委は、新基準によって腸管出血性大腸菌とサルモネラ菌が安全目標値を下回ると評価した。一方で「必ずしも常に効果が得られない可能性もある」と指摘。新基準で処理された生食用牛肉のサンプルを25検体以上集め、微生物検査する必要があるとした。
 集団食中毒は金沢市のフーズ・フォーラスが運営する「焼肉酒家(やきにくざかや)えびす」の神奈川、富山、石川、福井各県の店舗で発生。4月にユッケなどを食べた約170人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴え4人が死亡した。多くの患者から腸管出血性大腸菌O111が検出された。

高いストレス、PTSDも 津波被害、放射線の不安...

2011年8月5日 提供:共同通信社
 東日本大震災や津波で受けた衝撃に加え、福島第1原発事故による放射線への不安や、先行きが見えない生活...。福島県の被災地では住民のストレスが高まっており、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったり、精神疾患の病状が悪化したりするケースが目立つという。
 同県相馬市教育委員会の臨床心理士須藤康宏(すとう・やすひろ)さんは「津波で流される人を見た場合など、強い衝撃でPTSDになる例がある」と説明。「県民性なのか、つらい経験をしても言葉や態度に表さない人も多い」と患者が潜在化している恐れを指摘する。
 福島県立医大の大川貴子(おおかわ・たかこ)准教授は「精神科は治療の継続性が非常に大切。患者が一番つらいのは、信頼していた主治医に会えなくなることだ」と閉鎖した病院の患者たちを心配する。
 交通事情の悪さも壁になる。相馬市を含む相双地域ではJR常磐線が不通のまま。津波で車を流された被災者も多く、特に避難所にいる患者は通院のための交通手段に苦労しているとみられる。
 大川准教授は「新たに設ける心のケアの拠点では、患者の置かれた状況に柔軟に対応し、巡回診療などに取り組みたい」としている。

被爆者診療 長崎原爆病院、入院患者が過去最多2032人 昨年度

2011年8月5日 提供:毎日新聞社
被爆者診療:長崎原爆病院、入院患者が過去最多2032人--昨年度 /長崎
 日赤長崎原爆病院(長崎市)と同長崎原爆諫早病院(諫早市)は3日、10年度の原爆被爆者診療概況を発表した。長崎原爆病院への被爆者の入院患者数は前年比132人増の2032人(諫早病院は401人)と、過去最多となった。
 発表によると、同病院の10年度の被爆者新患者数は同74人減の4193人(同279人)で過去5年間で微減傾向にある。入院患者の平均年齢は77・1歳で高齢化が進み、疾病別で最も多いのはがん(682人、33・5%)で、内訳は▽肺がん210人▽肝がん69人▽悪性リンパ腫64人――の順。更にがん患者のうち36人が複数のがんを発症しており、亡くなった68人のうち42人の死因ががんだった。
 長崎原爆病院の朝長万左男院長は「重複がんは一般の患者よりも被爆者の方が発生率が高い。半世紀以上にわたる放射線の影響が明らかになってくるので、十分な解析をしていきたい」と話した。【蒲原明佳】

ストレッチ体操 転倒予防に兵庫・加東市が考案 DVD、ポスターも作製

2011年8月5日 提供:毎日新聞社
ストレッチ体操:転倒予防に加東市が考案 DVD、ポスターも作製 /兵庫
 加東市は高齢者の転倒予防のため、歌に合わせたストレッチ体操「楽らく勇躍体操」を考案した。市民病院の理学療法士による振り付けで、体操と解説を映像で収めたDVDや歌詞と体操の写真付きポスターも作製した。
 市によると、転倒時の骨折などで外出ができなくなったり、寝たきりになったりすると、生活の質や自由度、医療・介護費に影響が及ぶため、転倒予防はお年寄りの健康増進策の一つになっている。
 勇躍体操の歌は、公募の歌詞に作曲家のキダ・タローさんが曲を付け、フォーク・デュオ「紙ふうせん」が歌う市の応援歌「勇躍加東」を利用。体操は立ったままと座ったままの2種類があり、3分50秒の歌に合わせて腕を上げたり、上体をひねったり、ももを引き上げたりする。
 考案した理学療法士、井平千暁さん(32)は「筋力トレーニングに比べ、体の負担を抑えているので、気軽に体をほぐしてほしい」と話している。問い合わせは市地域包括支援センター(0795・43・0431)。【浜本年弘】
〔播磨・姫路版〕

「極めて珍しいケース」 30歳代の心筋梗塞

2011年8月5日 提供:共同通信社
 34歳の現役選手だった松田直樹さんが心筋梗塞で倒れてそのまま亡くなったことについて、東大副学長の武藤芳照(むとう・よしてる)教授(身体教育学)は「極めて珍しいケース」と驚きを口にした。
 30歳代の若い男性が心筋梗塞で倒れる要因として(1)幼少時に「川崎病」を患った経験がある(2)喫煙習慣がある(3)家族に若くして突然死した人がいる-という点が考えられるという。「川崎病」は主に乳幼児がかかり、高熱や発疹といった症状が出る病気で、武藤教授は「若い人が急死する原因の一つとして知られている」と説明した。
 松田さんが今季から加入した松本山雅FCの百瀬能成(ももせ・たかしげ)チームドクターは「1~2月のメディカルチェックでは全く予兆がなかった。血液検査や心電図、負荷をかけた場合の心電図など、Jリーグ並みの検査をしていた」と述べ、体調面に問題がなかったとしている。
 予防策として武藤教授は「普段と違う異様なだるさ、疲れを感じたら休むこと」と力説。体力に自信がある人ほど体が発する警告サインに鈍感なため「元気な人ほど要注意」と警鐘を鳴らした。

サッカー界、再発防止へ AED常備などを徹底

2011年8月5日 提供:共同通信社
 松田さんの急死を受け、サッカー界では自動体外式除細動器(AED)の常備など再発防止に向けた方策が求められる。日本フットボールリーグ(JFL)によると、各クラブにAEDを備えるように指導していたが、松本山雅は練習場に置いていなかった。加藤桂三(かとう・けいぞう)専務理事は「徹底されていなかったのは管理不足。あらためて各クラブに話をする」と説明した。
 Jリーグでは2003年にJ1、J2全クラブにAEDを常備するように通達。日本女子リーグは現在、各クラブの判断に任せているが、田口禎則(たぐち・よしのり)専務理事は「今後は検討しないといけない。9月の実行委員会、理事会で議題に上がると思う」と話した。
 日本協会の田嶋幸三(たしま・こうぞう)副会長は「今後こういうことが起こらないように協会の医学委員会で検証しないといけない」と再発防止に全力を尽くす姿勢を示した。

食物繊維で循環器病を予防 ただし非喫煙者のみ

2011年8月4日 提供:共同通信社
 たばこを吸わない人の場合、野菜などに含まれる食物繊維を多く取ると脳卒中や虚血性心疾患の発症リスクが低くなるとの研究結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎(つがね・しょういちろう)国立がん研究センター予防研究部長)がまとめ、4日公表した。
 研究班は岩手や沖縄など8県の45~74歳の男女約8万7千人を、2004年まで平均約10年間追跡。この間、2553人が脳卒中、684人が虚血性心疾患を発症した。
 食生活のアンケートから計算した食物繊維の摂取量に従って5グループに分けてみると、たばこを吸わない人の場合、最も食物繊維の摂取が多いグループでは、最も摂取が少ないグループより発症リスクが約4割少なかった。逆に、たばこを吸う人では、食物繊維の摂取が増えてもリスクは減らなかったという。
 研究を担当した小久保喜弘(こくぼ・よしひろ)・国立循環器病研究センター予防健診部医長は「健康を目指すには1日20グラムは摂取するのが望ましいが、今回の調査では最も多いグループでようやく到達するレベルで、全体的に足りていない。野菜などをもっと食べ、喫煙を避けるよう心掛けて」と話している。

金かけずとも減量可能 動機付けだけで3キロ減

2011年8月4日 提供:共同通信社
 ダイエットを動機付ける短時間の講義や、それに加えて教材などを提供するだけでも、半年間で3~5キロ程度の減量効果があることを実験で確かめたと、筑波大の研究チームが3日発表した。
 自治体や企業が肥満者の減量支援を行うケースがあるが、人件費不足で指導者を雇えない状況でも、減量は実現できることを示す結果だという。
 研究チームはこれまでに、(1)肥満の怖さなどを教えてダイエットを動機付ける2時間程度の講義(2)運動法や食事法を示した教材や食事記録ノートなどの提供(3)これらの教材を使って15~30人の集団で受ける7回の講義と助言-の3段階を半年間で実施する減量プログラムを開発、平均8キロ減という成果を挙げている。
 今回は、3段階を通じてではなく、各段階での効果を見極めるため、肥満の男女188人を、動機付けの講義のみのグループ、教材などの提供を追加したグループ、さらに集団指導を追加したグループの三つに分け、半年間観察した。
 その結果、1番目のグループは平均で2・9キロ減、2番目は同4・7キロ減、3番目は同7・7キロ減を達成した。
 研究チームの中田由夫(なかた・よしお)助教は「自治体の中には、資金が無くて3段階のプログラムでは十分な数の肥満者を指導できないというところもあった。今回の成果を提案していきたい」と話した。

全国に作業員の相談窓口 厚労省、長期的線量を把握

2011年8月4日 提供:共同通信社
 東京電力福島第1原発の事故処理に従事する作業員の長期的な健康管理のため、被ばく放射線量のデータベースづくりなどを検討してきた厚生労働省は3日、作業員が離職した後も健康状態を把握、管理ができるよう全国に相談窓口をつくる方針を明らかにした。
 また一定の線量を超えた作業員について、国による健康診断を実施することにしており、その前提となるデータベースの運用を早ければ年明けに始める考えだ。
 同省の専門家会議がまとめた中間報告では「被ばく線量の増加に応じて健康障害の発生リスクが高まる」とし、特に100ミリシーベルトを超えた被ばくの場合に「長期の潜伏期間を経て、がんなどの重大な疾病の発生が懸念される」と指摘した。
 データベースは数万人規模を想定し、(1)作業員の氏名や所属事業所(2)作業内容や総被ばく線量(3)健康相談の実施状況(4)健康診断の結果-などを記録。作業員には登録証を配布し、全国に設置する窓口で、本人が記録を照会できるようにする。
 厚労省は、長期的に必要な予算を確保するため、法改正なども検討している。

高血糖、高まるがんリスク…有害な活性酸素が過剰に

2011年8月4日 提供:読売新聞
 糖尿病ではなくても血糖値が高い人は、がんで死亡する確率が高まることが、九州大グループの研究でわかった。
 研究をまとめた同大大学院医学研究院医師、平川洋一郎さんは「糖尿病だと、がんの危険が高まることは知られていたが、血糖値が高めの人も早くから生活習慣に気を配り、適切な食事や運動の心がけが重要」としている。
 調査は、福岡県久山町に住む男女約2400人を対象に行われた。1988年に、40-79歳でがんでない人を選び、空腹時と食後2時間の血糖値の検査結果により、4グループに分けた。2007年までの19年間に229人が、がんで死亡した。
 空腹時血糖が100(単位はミリ・グラム/デシ・リットル)未満の人が、がんで死亡する危険度を1とした場合、糖尿病が強く疑われる126以上では2・1倍、糖尿病ではないが高め(110-125)では、1・9倍高かった。
 食後血糖についても、120未満の人の危険度を1とすると、糖尿病が強く疑われる200以上では2倍、高め(140-199)の人は、1・4倍だった。
 がんの種類別では、空腹時血糖が100以上の人は、それ未満の人より胃がんで死亡する危険度が2・1倍、食後血糖が140以上の人は、それ未満の人に比べ、肺がんが2倍、肝臓がんが2・7倍高かった。その他のがんは明確な差はみられなかった。
   ◇
 血糖値が高いと、がんの発症が増えるのはなぜなのか。順天堂大病院糖尿病・内分泌内科教授の綿田裕孝さんによると、血液中に余分なブドウ糖が増えると、細胞内でそれを代謝しようとする働きが強くなる。この際、有害な活性酸素という物質が過剰に増えることなどにより、細胞の遺伝子を傷つけ、がん化させるという。
 また、血糖値を下げるホルモンのインスリンは、細胞を増殖させる働きがあるが、綿田さんは「正常な細胞とともにがん細胞も増やし、がんの進行が早まる危険性も否定できない」としている。(利根川昌紀)

森林セラピー 環境適性、生理・心理実験 奈良・吉野

2011年8月4日 提供:毎日新聞社
森林セラピー:環境適性、生理・心理実験--吉野 /奈良
 「森林セラピー基地」の認定をNPO法人「森林セラピーソサエティ」(東京)に申請した吉野町で、3日から2日間、町内の森林などで被験者12人を使い、環境の適性を調べる生理・心理実験が行われている。
 同基地は、医学的な裏付けがある森林浴の場で、森林セラピーとは、心を和ませ体もリラックスさせる森林浴に医学的な方法を取り入れ、予防医学、健康増進を目指すもの。
 実験は、同町内の「神仙峡・龍門の里コース」と「吉野・宮滝 万葉コース」の森林部と都市部の橿原市の大和八木駅周辺で実施。被験者が半分ずつ両地域で歩行と椅子に座って周囲に向き合う座観をした後、心拍の揺らぎからリラックス度とストレス度を数値化し、血圧、脈拍も測定する。アンケートで主観的な心理も調査。都市部との比較で同町森林の適性を評価する。
 基地の認定は実験結果と地域の文化、歴史など、宿泊施設などを勘案して決める。結果が出るのは来年3月の予定で、認定されれば県内初となる。
 吉野町は「『基地』を呼び物に観光客に来てもらい、地域活性化を図りたい」と期待している。【栗栖健】

アルツハイマー病電気治療 マウスの実験で効果

2011年8月3日 提供:共同通信社
 重症のうつ病患者らの治療に使われる電気刺激療法が、アルツハイマー病にも有効であるとするマウスの実験結果を、加藤伸郎(かとう・のぶお)金沢医大教授と国立病院機構宇多野病院(京都市)の山本兼司(やまもと・けんじ)医師らのチームが、3日付の米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに発表した。
 病気の進行を遅らせることに主眼を置いた現在の治療薬とは異なり、アルツハイマー病の主な原因物質のタンパク質「ベータアミロイド」の作用を直接抑えるのが特長だという。
 研究チームは、細胞の内外を出入りする複数のイオンの通り道のうち、細胞を死滅から守るカリウムイオンの通り道が、必要な時にベータアミロイドの影響で開けなくなっている現象に注目。
 ベータアミロイドが細胞内にたまるよう遺伝子改変したマウスの耳に電極を付け、電気刺激を与えたところ、通り道が開きやすくなる別のタンパク質が発現。道が開くようになったといい、細胞の死滅を防ぐことができると考えられる。
 将来の人への応用の可能性について加藤教授は「細胞の死滅が進んでいない初期のアルツハイマー病患者への適用が有望だが、倫理的な手続きを慎重に進める必要がある」と話している。

2カ月の搬送者2万4千人 熱中症、7月は過去最多

2011年8月3日 提供:共同通信社
 5月30日~7月31日の2カ月間に熱中症で救急搬送された人は2万4790人に達し、前年同期を約3600人上回っていることが2日、総務省消防庁の速報値で分かった。このうち死者は43人だった。また7月に限ると救急搬送された人は、集計を開始した2008年以降、同月として過去最多の1万7788人に達した。
 北日本の7月上旬と東日本の同月中旬の平均気温が、上中下旬ごとの統計を気象庁が取り始めた1961年以降で、それぞれ最高を記録するなど猛暑が続いたためで、特に暑い日が続いた11~17日は前年同期比で搬送者が約4倍に増えた。
 7月下旬からは台風の襲来などで気温が低下しているが、消防庁は「8月に入り、熱中症患者がさらに増える恐れがある。室温が28度を超えないようにするなど注意してほしい」としている。
 2カ月間の集計を症状別にみると、軽症が1万5091人(61%)、中等症8439人(34%)、重症637人(3%)など。年齢別では65歳以上の高齢者が1万1816人(48%)と約半数を占めた。都道府県別では、愛知の2022人が最多。東京1844人、埼玉1789人、大阪1456人、神奈川1116人と続いた。

ベトナムの苦しみ、今も 枯れ葉剤散布から50年

2011年8月3日 提供:共同通信社
 ベトナム戦争中、密林を拠点とする南ベトナム解放民族戦線の活動を抑えるため、米軍が1961年に初めて枯れ葉剤を散布してから、8月10日で50年。枯れ葉剤には強い発がん性や催奇形性などを持つ猛毒ダイオキシンが含まれていた。ベトナムでは今も、枯れ葉剤の影響とみられる障害児が生まれ続けている。
 同国南部ホーチミンのトゥーズー病院の一角にある「平和村」。90年に開設されたこのリハビリ施設には現在、約60人の障害児らが暮らす。
 床の上で身体を揺すり続ける女児(9)。その顔には両目がない。細い腕と足を折り曲げてベッドに横たわったままの水頭症の少女(15)。瞳にはわずかながら力が残っているようにも感じられるが、「介護に対する反応はない」(看護師)。
 いずれも親が枯れ葉剤の散布を直接受けたり、散布地域で活動したりしており、枯れ葉剤の関連が強く疑われる。施設の長を務めるグエン・ティ・フオン・タン医師は「大半の子は奇形、障害がひどく、リハビリもできません。短い命なんです。来て1カ月で亡くなった子もいます」と語る。
 米軍は71年まで10年間にわたり、中部や南部に7200万リットル以上の枯れ葉剤を散布し続けた。被害者は第3世代にまで及び、300万人とも400万人ともいわれるが、多くの被害者や家族は満足な支援も得られず、生活に困窮しているのが現状だ。米国は責任を認めず、賠償も一切していない。
 ベトナム戦争は36年前に終結した。しかし、戦争の苦しみには終わりが見えない。

あなたの熱中症は遺伝かも…重症化遺伝子あった

2011年8月2日 提供:読売新聞
 熱中症で高熱や意識障害に陥った患者の約半数が、特定の遺伝子の型を持っていることを、東京医科大と徳島大の研究チームが突き止めた。
 熱中症の重症化にかかわる体質がわかったのは初めて。予防や治療につながると期待される。
 この遺伝子は、エネルギー産生に関係する酵素を作る「CPT2」。研究チームは、遺伝子の塩基配列が1か所だけ違う型に着目した。この型を持つ人は40度以上の高熱が続くと、酵素が不安定になってエネルギーを作れなくなり、インフルエンザ脳症になりやすいことを徳島大の木戸博教授らが明らかにしている。
 東京医大病院に40度の高熱、意識障害または熱けいれんの重篤な熱中症で運ばれた11人を調べた結果、死者1人を含む5人(45・5%)がこの型だった。
 重いインフルエンザ脳症(46%)とほぼ同じ割合で、日本人全体の保有率(14-21%)に比べて高かった。

血圧調節たんぱく質発見…高血圧発症率を左右

2011年8月2日 提供:読売新聞
 血管細胞で血圧の調節にかかわっているたんぱく質を、京都大薬学研究科の竹島浩教授や山崎大樹・特定助教らのグループがマウスを使った実験で突き止めた。
 このたんぱく質を作る遺伝子タイプのわずかな違いで、高血圧の発症率が上がることもわかった。米医学誌セル・メタボリズム電子版に2日、発表する。
 グループは、血管内の細胞で情報伝達役を務めるたんぱく質群に着目。これらのたんぱく質のうち、「TRIC-A」を作れなくしたマウスは血管収縮の調節がうまくいかず、高血圧状態になった。
 TRIC-Aの遺伝子について、30-59歳の高血圧患者と45歳以上の健康な人をそれぞれ約1100人ずつ調べたところ、高血圧患者の7%と健常者の4%に、遺伝子の特定部位にわずかな変異がみられた。この変異がある人は、ない人と比べて、高血圧の発症率が18%も高かった。

光る耳で血糖値示す マウスで4カ月継続

2011年8月2日 提供:共同通信社
 ブドウ糖の濃度に応じて光る強さが変化する特殊なチューブをマウスの耳に埋め込み、血糖値を継続して4カ月以上測ることに成功したと、東京大生産技術研究所の竹内昌治(たけうち・しょうじ)准教授と技術研究組合「BEANS研究所」などが1日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
 将来、人に応用できれば、糖尿病患者が採血せずに毎日の血糖値を管理したり、糖尿病予備軍を把握したりするのに役立つとしている。
 竹内准教授らは、ポリアクリルアミドというゼリー状の物質に、ブドウ糖があると光を出す別の物質をくっつけた。体内に入れても炎症などが起きにくいよう特殊なポリマーを混ぜ、直径約1ミリのチューブに加工した。
 これをマウスの耳に埋め込んで観察すると、血糖値に応じて光る強さが変わり、血糖値の変化を把握できた。血管から染み出すブドウ糖と反応したとみられる。
 竹内准教授らは2年前、同様の性質がある微小な粒を体内に埋め込み、血糖値を把握するマウス実験に成功したが、時間がたつと粒はどこにあるか分からなくなった。今回のチューブは4カ月後も埋め込んだ位置から動かず、簡単に取り出すこともできるという。

手足口病が全国で大流行 82年以来最多、東へ拡大 大きな発疹、高熱も

2011年8月1日 提供:共同通信社
 乳幼児の口の粘膜や手、足に水疱(すいほう)のような発疹(ほっしん)が現れる感染症「手足口病」が全国的に大流行している。国立感染症研究所が30日までにまとめた全国約3千の小児科定点医療機関の最新データ(7月11~17日分)によると、1機関当たりの患者数は11・0人で、1982年の調査開始以来最多となった。全報告数の約73%を0~3歳児が占めている。
 患者数の多い西日本では減少傾向に転じているが、兵庫県以東では福井県を除いて増加しており、流行は東に広がっている。
 感染研によると、今年は例年とは異なり「コクサッキーA6」というウイルスが流行の主流。発疹の大きさは5~10ミリで例年の2~3ミリより大きく、手や足だけでなく腕や太ももにも生じる。発症初期に高熱が出ることもあるという。
 近年、同じウイルスによる手足口病が発生した欧州では、治った数週間後につめが浮き上がってはがれたり変形したりする事例が報告されているという。感染研は日本でも今後、同様の症状がみられる可能性があるとしている。
 手足口病はひまつや便の接触を通じて感染。保育施設や幼稚園などで集団感染が起こりやすい。基本的には軽症で数日間で治る。感染研の安井良則(やすい・よしのり)主任研究官は「感染しても発症しない人もいるので、全員がしっかり手洗いをする必要がある。おむつを適正に処理し、タオルの共用は避けた方がいい」と話す。
 まれに髄膜炎や脳炎などの合併症が起こるため、経過を丁寧に観察し、治りかけに高熱が出たり、意識がぐったりしたら注意が必要という。
 感染研によると、1機関当たりの患者数は5月から増加。都道府県別の最新データでは佐賀(39・7)、福岡(37・2)、熊本(30・3)、兵庫(26・2)、愛媛(24・9)の順に多かった。

がん抑制メカニズムを解明 特定タンパク質関与、九大

2011年8月1日 提供:共同通信社
 細胞核内の特定のタンパク質が減少すると、がんを抑制するタンパク質が活性化するメカニズムを、九州大生体防御医学研究所の鈴木聡(すずき・あきら)教授らのグループが解明し、7月31日付米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。がんの新薬開発や、高度な予後予測につながる可能性がある。
 鈴木教授らは人間の細胞核内にある「PICT1」というタンパク質の性質を解明。PICT1の量が減ると、がんを抑制する別のタンパク質「p53」が著しく増加することを発見した。
 さらに大阪大の森正樹(もり・まさき)教授らと共同でがん患者の病理組織を調べた結果、PICT1の発現が低い患者はがんの進行が抑えられ、発現が高い患者よりも5年生存率が高くなることが分かった。
 ただ、PICT1減少の効果が大きいのは、p53の機能が正常な状態の場合に限られ、がんの進行によってp53が変異した患者には、影響はみられなかったという。
 食道がん患者でp53が正常な場合の5年生存率は、PICT1が多い患者が約15%だったのに対し、少ない患者は約52%。大腸がんで多い患者が約54%だったが、少ない患者は約90%だった。
 PICT1はこれまで全容が分かっておらず、がんを抑える作用があると予想されていた。

医療費地域差が1・6倍 最高は高知、09年度

2011年8月1日 提供:共同通信社
 2009年度の国民1人当たり医療費の全国平均は44万5千円で、最も高かった高知県の57万2千円と最も低い千葉県の36万3千円では、1・6倍の差があることが29日までに、厚生労働省の調査で分かった。
 厚労省は「入院費用が高く高齢者が多い地域ほど、医療費も高くなる傾向がある」としている。
 都道府県別でみると、高知に次いで高いのは山口(56万1千円)、広島(55万8千円)など。低い順では、千葉に次いで沖縄(36万9千円)、埼玉(37万円)と続いた。
 75歳以上の後期高齢者医療制度と、74歳以下の自営業者らが加入し市町村が運営する国民健康保険(国保)の実績を厚労省が合計してまとめた。
 後期医療では、福岡が最も高く110万1千円。ほかにも北海道と高知、広島、長崎の各県が100万円を超えた。最低は新潟で71万5千円。
 国保では最高の広島が34万8千円で、最低は沖縄の23万9千円だった。

粉じんの影響、せき込む人多い JMAT、健康被害を報告 東日本大震災

2011年7月31日 提供:毎日新聞社
東日本大震災:粉じんの影響、せき込む人多い JMAT、健康被害を報告 /岡山
 東日本大震災の被災地で活動した県医師会の「日本医師会災害医療チーム(JMAT)おかやま」が29日、岡山衛生会館(中区)で報告会を行った。宮城県石巻市での粉じんなどの健康被害について発表した医師らは「現地ではせきを訴える人が多い。微生物などを含む粉じんの影響の可能生がある」と指摘した。
 長島愛生園の江谷勉医師らのチームは6月上旬に大気中の粉じんを調査した。海からの風が強い日は多量の粉じんを観測し、多くの微生物も検出されたという。江谷医師は「健康被害を防ぐためにもマスクを着用し、早急な海岸沿いのヘドロの撤去が必要だ」と訴えた。【石井尚】

"泥縄式"の政府対応 長期化にらみ新基準も 「放射性物質と安全」

2011年8月1日 提供:共同通信社
 政府は野菜や茶葉、牛肉など食品汚染の広がりに伴い次々と対応を迫られたが、肉牛の飼料となる稲わらへの規制が完全に後手に回るなど、いずれも"泥縄式"の印象が拭えない。食品安全委員会は7月下旬、生涯に許容できる累積線量を100ミリシーベルトに設定。対応の長期化に備えるためだが、今後作成を進める新たな基準値との関係は必ずしも明確ではない。
 食品安全委は作業部会で「リスクをゼロにするのは不可能」(部会メンバー)として、許容できる放射線量について議論を進め、外部被ばくと内部被ばくを合わせた一人一人の生涯の累積線量を定めた。
 「小児に関しては甲状腺がんや白血病などで影響を受けやすい可能性がある」との食品安全委の指摘を受け、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会では、子どもを対象に基準を厳しくする方向で議論する見通しだ。
 厚労省は福島第1原発の事故当初、原子力安全委員会の示した指標を急きょ暫定的な基準値と定め、検査を行うよう都道府県などに指示した。食品安全委は3月下旬、暫定基準値は「十分に安全」と評価したものの、内部被ばくへの不安の高まりなど事態は深刻化しており、厚労省は年内にも新基準値を設定するよう作業を急ぐ。
 ただ茶葉の検査では、生茶葉を乾燥させた荒茶にどのような基準を適用するかをめぐって厚労省と農林水産省が対立し、政府による公式見解の提示が大幅に遅れた経緯がある。新基準をめぐっても曲折が予想される。

研究生かし「福島守る」 世界のヒバクシャを調査 「被ばく医療の系譜」

2011年8月1日 提供:共同通信社
 3月16日。福島第1原発事故の対策拠点となったオフサイトセンターを通じ、福島県に「作業員が負傷」と受け入れの要請が来た。県に派遣されていた長崎大国際ヒバクシャ医療センターの医師、熊谷敦史(くまがい・あつし)助教(38)は福島県立医大に向かった。
 長崎大の看護師らが自衛隊のへリコプターで搬送に向かったが、原子炉の状況や、なぜ負傷したのか情報がない。「再臨界による爆発では」。後に14日の水素爆発による負傷と分かったが「次にどんな爆発が起こるか分からない恐怖があった」と熊谷助教は振り返る。
 福島県立医大は、国が定める「二次被ばく医療機関」。だが、医師や看護師らは講習を受けた程度だった。地震や津波による負傷者の治療で疲弊しきった中で「重度に被ばくした患者が大量に来るかもしれない」との懸念。「自分たちに何ができるのか」と無力感も漂っていたという。
 熊谷助教は病院内に寝泊まりし、被ばく患者の受け入れを想定した訓練を繰り返した。「除染と治療、どちらを優先するか、まず判断を」「手袋は一つの処置ごとに取り換える」と指示。スタッフも徐々に落ち着きを取り戻していった。
 熊谷助教は、母親が広島で原爆の被害に遭った被爆2世。長崎大を卒業した後、長崎大大学院で甲状腺がんを研究。その間、山下俊一(やました・しゅんいち)教授の仕事に触れた。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故、セミパラチンスク核実験場など世界各地で行った「ヒバクシャ」の健康調査。「スケールの大きさに憧れた」のが今の仕事に就くきっかけになった。
 国際ヒバクシャ医療センター長を務めていた山下氏は、事故後間もなく、福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーになり、7月には長崎大を休職、福島県立医大副学長に就任した。
 3月19日に福島に入り見たのは「放射線恐怖症」とも言える状況だったと振り返る。目に見えない脅威に、医療関係者も県内から相次いで退避していた。「放射線は正しく理解し、正しく怖がる」が持論。しかし「『子どもを外で遊ばせていい』など安全を強調し無責任だ」と批判も浴びた。
 6月、山下氏は福島県の健康調査の検討委員会座長として「広島、長崎、チェルノブイリのノウハウを生かし、福島県民を守りたい」と述べた。この言葉は、少なくとも今後数十年にわたり試されることになる。(共同)
※緊急被ばくの医療態勢
 最も重い患者を診る「三次被ばく医療機関」が、放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)と広島大(広島市)。その下に大学病院などの「二次被ばく医療機関」、応急処置をする「初期被ばく医療機関」が、原子力関連施設がある自治体や、隣接する自治体にある。

「広島・長崎の英知を」 "人体実験"と批判の過去 「被ばく医療の系譜」

2011年8月1日 提供:共同通信社
 「広島・長崎の英知を福島へ」。広島赤十字・原爆病院の土肥博雄(どひ・ひろお)院長の熱弁に拍手が湧いた。東京電力福島第1原発事故から3カ月が経過した6月上旬、広島市。原爆被害の研究者が毎年成果を発表する「後障害(こうしょうがい)研究会」。テーマは急きょ「福島」に変更され、例年にない熱気に包まれた。
 日本の放射線医療の原点となった原爆。戦後、米軍は情報を制限し資料を没収。米国の科学者は「NATURAL LABORATORY(自然の実験所)」と呼んだ。
 広島県呉市の久保美津子(くぼ・みつこ)さん(82)は16歳の時、広島市内で被爆し、腕や脚をやけどした。2年が経過したある日、原爆を投下した米国が自ら設置した「原爆傷害調査委員会」(ABCC)から突然出頭を命じられた。
 「私の血はあげたくない」と言うと、迎えの男性は片言の日本語で「軍法会議にかけますよ」。血を採られ、やけどの場所をスケッチされた。治療は一切なし。「あれは次の戦争のための人体実験だった。一番腹が立ったのは、調査結果を日本人の医師には一切見せなかったことだ」。今も怒りは消えない。
 ABCCは1975年、日米両政府が出資する財団法人「放射線影響研究所」(放影研)に改組。「多くの批判や反発があったのは事実。不幸な時期があったのは申し訳ない」。パンフレットには今、こう書かれている。
 今は研究者も日本人が中心。広島と長崎で2年に1度の被爆者の健康診断を続け、放射線量とがんの発症率・死亡率の関係を突き止めるなど、実績を重ねてきた。大久保利晃(おおくぼ・としてる)理事長は「信頼度の高いデータを世界に提供している」と強調する。
 だが、将来は不透明だ。被爆者は今後さらに減る。予算のほとんどを占める日米両政府の補助金は、95年の約47億円をピークに2011年は約32億円まで落ち込んだ。
 福島県の全県民健康調査に「放影研の存在意義がかかる」と意気込む声も上がるが、被爆2世への影響など、今も解明できていないことは多い。今後最大の課題になる内部被ばくや低線量被ばくについては、蓄積がほとんどない。
 「この国から被ばく者は二度と生んでほしくなかった」。つらい過去を振り返り、久保さんはこう結んだ。「戦争に利用される科学は、もうたくさん。今度こそ福島の人のために調査結果を生かしてほしい」(共同)
 ×   ×   ×
 日々深刻化する原発事故。先の見えない被ばく医療に取り組む「ヒロシマ・ナガサキ」を報告する。
※被爆と被ばく
 放射線を浴びた被害のうち、広島と長崎の原爆によるものが「被爆」。原発事故などで放射線を受けることを広い意味で表す場合「被曝=被ばく」と言う。

厚労省指示の臨時健診低調 不明作業員は184人

2011年8月1日 提供:共同通信社
 東京電力福島第1原発事故で厚生労働省は29日、東電や元請け企業に指示していた1カ月を超えて働く作業員に対する臨時健康診断の実施率が、6月末段階で60・7%にとどまっていると発表した。5月末時点での対象者は3410人で、血液検査などを求めていたが、受けたのは2071人。「受診率が低く、注意喚起したい」としている。
 東電は同日、最新の作業員の被ばく状況調査の結果を厚労省に報告。7月20日現在で約1万6千人が従事。3~4月に働いた作業員のうち連絡の取れない人が184人おり、内部被ばく線量を測れていなかったり、結果の評価が終わっていなかったりする作業員が約440人いるという。
 6月に新たに従事した作業員は約2300人で、外部被ばく線量の平均値は1・94ミリシーベルトと、5月の新規従事者の平均値1・85ミリシーベルトよりも増えた。最大値は38・66ミリシーベルトだった。
 厚労省は、東電に外部被ばくの低減を指示。また内部被ばくを減らすため、全面マスクが適切に装着できているかの調査などを求めた。
 東電は29日、福島第1原発1号機の原子炉格納容器の内部から放射性物質を含む気体を採取した。原子炉建屋外への放出量推定などに役立てるためで、濃度や核種の分析結果を近く公表する。格納容器からの気体採取は2号機でも準備を進めている。

10分間でデータ採取 全身の内部被ばく測定 「放射性物質と安全」

2011年8月1日 提供:共同通信社
 放射性物質の拡散による内部被ばくの影響を正確に知るには、特殊な測定機器「ホールボディーカウンター(全身測定装置)」が使われる。体内に入った放射性物質の種類や量を精密に調べることができ、福島県が行っている全県民を対象とする被ばく影響調査でも活用されている。
 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)が保有している装置は、自然界にある放射線を遮るため、厚さ25センチの鉄板でつくった一辺2メートル程度の立方体の容器に格納されている。原医研の細井義夫(ほそい・よしお)教授(放射線医学)によると、鉄板は広島湾沖で沈没した戦艦「陸奥」の船底から切り取ったものだという。
 1回の測定に要する時間は、備え付けられた検出器の数や種類によって異なるが、一般的には10分間程度でほぼ正確なデータを得られる。
 政府の原子力被災者生活支援チームの集計によると、装置は国内に100台余りあり、全国の原発や緊急被ばく医療機関に指定された大学病院などが保有している。
 福島第1原発の事故が起きるまでは、大学病院では「一般住民の測定は受け付けていなかったし、そもそも希望者がいなかった」(細井教授)。しかし内部被ばくに対する不安の高まりを受け、行政が主導する形で、6月下旬から放射線医学総合研究所(千葉市)などで福島県民を対象にした測定が始まった。広島大の原医研でも一般の受け付けを検討中だ。
 装置開発のきっかけは、米国が1954年に南太平洋のマーシャル諸島・ビキニ環礁で行った水爆実験にさかのぼる。
 第五福竜丸の乗組員も犠牲になった「死の灰」を浴びた島民200人以上が船で米国本土へ運ばれ、内部被ばくが明らかになった。米国は翌55年に装置を完成させ、日本では60年代初頭に利用が始まった。
 細井教授は今回、福島第1原発事故の収束作業に当たった消防士らを測定したが、いずれも住民の被ばくの年間線量限度である1ミリシーベルトより大幅に低かった。「福島県民の方も健康に影響の出る線量ではないと思うが、測ってみたい気持ちはよく理解できる」と話す。
 細井教授の気掛かりは、子どもへの影響だ。甲状腺がんを誘引する恐れのある放射性ヨウ素の代表的な半減期は8日と短い。「念のため、事故直後に原発周辺にいた子どもの放射性ヨウ素の内部被ばく量を正確に測定するべきだった」
 86年のチェルノブイリ原発事故では、子どもたちの内部被ばくへの対応が遅れたことが問題になった。細井教授は「過去の教訓が十分に生かされなかった」と指摘している。
※ホールボディーカウンター
 体内に取り込まれた放射性物質の量を計測し、全身の内部被ばくの程度を調べる装置。自然界からの放射線を遮蔽(しゃへい)して測定する「精密型」と、遮蔽しない「簡易型」に大別される。ガンマ線を出す放射性ヨウ素やセシウム、コバルトなどが計測の対象。椅子に座った状態や寝た状態などで計測する。政府の集計によると、国内の原発や関連施設、大学病院などに計106台(6月6日現在)ある。民間の医療機関などが保有している事例もある。

食事に欠かせぬ唾液=山根源之 口福学入門/4

2011年8月1日 提供:毎日新聞社
口福学入門:/4 食事に欠かせぬ唾液=山根源之
 「つばを吐き捨てる」「つばをつける」など唾液についての言葉はいずれも良いイメージはありません。一方、「口角泡を飛ばす」や「生つばをのむ」などの表現は、人間の動作や感情を強調しています。このように唾液は私たちにとって身近なものなのに、十分に評価されていません。
 水道が断水したり、チョロチョロとしか出てこないと、直ちに生活を直撃し、長引けば社会全体の衛生状態が悪化して伝染病がまん延します。唾液はほとんどが水分で口の中にわき出る泉のようなもの。1日に約1500ミリリットル出て、本来はきれいで無味無臭です。しかし、口の中の状況次第では多くの微生物を含んだ危険な汚水になります。
 唾液は口腔(こうくう)粘膜の表面を洗い流し、食べ物に水分を加え咀嚼(そしゃく)と嚥下(えんげ)がしやすい状態にします。また、水に溶けなければ味センサーである味蕾(みらい)は食べ物の味を認識できず、おいしい食事には十分な量の唾液が必要です。クッキーやゆで卵の黄身は唾液を急激に吸収するので、目を白黒させた経験をお持ちではないでしょうか。
 皆さんの生活で唾液が気になるのは、分泌量が減少したり、減少していなくても口の中に乾燥感がある時でしょう。口腔乾燥を主な症状とし、病態が明確なシェーグレン症候群は有名ですが、実際には口腔乾燥を訴える人のごく一部です。緊張した時や、脱水状態の時の口腔乾燥は水分補給で解決します。多くの人は病因も治療法もはっきりしないまま口の乾燥感に悩んでいるのが実情です。この中には精神的ストレスから発症する口腔心身症もあり、診断と治療に苦慮します。
 高齢者はいろいろな薬を飲んでいるため、口腔乾燥が起こりやすい状況です。がん化学療法を受けている人の副作用の口腔乾燥も深刻です。しかし、外観上の変化がないため周囲の理解を得られず、精神的苦痛が増幅します。口腔乾燥には、粘膜湿潤剤の応用や粘膜炎への予防的対応が進んでいます。
 最近は、唾液から身体の情報を知る研究が進み、実用化も目前です。血液検査は採血が必要ですが、唾液は痛みもなく採取できるので期待されています。(やまね・げんゆき=東京歯科大名誉教授)=次回は22日掲載

精神科医が出す地ビール 京都・一乗寺ブリュワリー 「関西くろすろーど」

2011年8月1日 提供:共同通信社
 京都市左京区の下町情緒が残る一角に精神科医が経営する地ビールの店がある。天井に星くずをちりばめた、おしゃれで落ち着いたデザインの内装。沖縄料理が出て、知り合いの音楽家が生演奏で楽しませてくれる。先生の趣味が高じただけ? いやいや、実は深い意味があるんです―。
 高木俊介(たかぎ・しゅんすけ)さん(54)は、重い精神障害者を在宅でケアするACT(包括型地域生活支援)と呼ばれる新たな精神科医療を展開し、今、最も注目される医師の一人だ。
 店は1年前の7月7日に開業。店名は音楽仲間で店を任されている真栄城謙英(まえしろ・けんえい)さん(44)の出身地、沖縄の方言で「天の川」を意味する「てぃんがーら」。あらゆる人が集える店との願いを込めた。
 高木さんにすれば、障害者が施設に押し込められ、作業所などしか居場所がない現状は「健常者と一緒に暮らせる『地域』がなくなってきたから」。店は障害者でも気軽に立ち寄れ、ゆくゆくはスタッフとして働ける場所にしたいと思う。
 当初から地ビールを出す予定が、税務署からすぐに製造免許が出ず"看板商品"不在のまま営業をスタート。ことし6月ようやく本格営業にこぎつけた。初仕込み分は完売したため、次回の提供は8月中旬になる。
 地ビールは店に併設する10畳ほどの醸造所「一乗寺ブリュワリー」でつくられる。200リットルのたる二つだけと規模は\x87\x80極小\x87≠ナ、ナノブリュワリーと呼ばれる。まだ2種類だが、試飲した「エール」は酸味や苦味の一方、ほわんとしたフルーティーさが広がる逸品だ。
 高木さんは「いろんなテイストに挑戦し、大手ビール企業が画一化してしまった味を打ち破りたい」と目を輝かせる。30万床以上の精神科のベッドを持ち、世界でも類を見ない「病院大国」の日本で、小さな単位だがACTに挑み続ける自身の信条と重なる。
 店で地ビールが初めて振る舞われた7月23日。セルビア在住で、アコーディオン奏者の竹下史子(たけした・ふみこ)さん(35)が、目まぐるしく変調する曲を次々と披露した。壁一枚隔てた醸造所のたるで寝かせている地ビールは、さて、どんな味に仕上がるか。

生き物と縁が深い放射線 Dr.中川のがんの時代を暮らす/4

2011年7月31日 提供:毎日新聞社
Dr.中川のがんの時代を暮らす:/4 生き物と縁が深い放射線
 全国各地の肉牛から高い放射性セシウムが検出されて、大騒ぎとなっています。福島県南相馬市の生産者から東京都の食肉処理場に搬入された牛では、国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)の6倍以上の3200ベクレルが検出されました。この事態を引き起こした原因は、3月に東京電力福島第1原発から大気中に放出された放射性セシウムです。
 原発から風に流され、雨と一緒に地上へ落ちたセシウムは土などに蓄積し、ガンマ線を出しています。これが今も福島で「空間放射線量」が高い原因となっています。降り注いだセシウムは、牧草地も汚染しました。牧草については、4月の時点で暫定許容値(1キロ当たり300ベクレル)が設定され、検査が実施されてきました。ただし、肉牛の飼料となる「稲わら」については、検査が徹底されませんでした。
 屋外に置かれて、セシウムを含む雨にぬれた稲わらが、宮城県や福島県などから、全国に出荷されていたのです。セシウム137の半減期は約30年ですから、4カ月前に汚染された稲わらの放射能は、ほとんど減っていません。行政が農家などに繰り返し注意を呼びかけるべきだった、と残念に思います。
 一方、牛の体内に入ったセシウムは尿などと一緒に排せつされますから、3カ月程度で半減します。また、仮に1キロ当たり3200ベクレルの牛肉を、ステーキとして200グラム食べても、0・01ミリシーベルト程度を被ばくするに過ぎません。
 そもそも私たちは、食物から年間で0・4ミリシーベルトの「内部被ばく」を受けています。主な原因は、野菜や果物などに含まれる天然の放射性カリウムです。カリウムを多く含むバナナ1本で、約0・0001ミリシーベルトの被ばくになります。
 生命の維持に不可欠なカリウムの約0・01%が放射性カリウムです。体重60キロの男性の場合、体内に約120グラムのカリウムが存在しますが、放射性カリウムは、そのうち0・012グラムで、放射能に換算すると4000ベクレルに上ります。
 つまり、私たちは、放射線を被ばくするとともに、体内から放射線を出してもいます。隣に寝ている人に対して、年間0・02ミリシーベルトくらいの被ばくをさせていると言われます。つくづく、生き物と放射線は縁が深いのです。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

##行政の責任も重いですが、農家の問題意識、管理意識が重要です。静岡、宇治のお茶が問題になっているのですから。

SLE(全身性エリテマトーデス) 難病カルテ 患者たちのいま/7

2011年7月31日 提供:毎日新聞社
難病カルテ:患者たちのいま/7 SLE(全身性エリテマトーデス) /佐賀
 ◇ハードル高い再就職 子供のため「仕事つかみたい」
 福岡県久留米市にあるスポーツクラブの体育館。迫絵梨さん(30)=みやき町=の長女姫歌ちゃん(7)は、足を180度に開いて柔軟運動し、ロープを使って集団演技を披露する。母を気にしながら、真剣な表情で跳びはねる。迫さんはその姿を眺め、つぶやく。「私の体調がよければ、もっと好きなことをさせてあげられるのにな」
 妊娠中、たんぱく尿が出続け、病院を転々とした。行き着いた大学病院で「胎児はこれ以上大きくならない。産みましょう」と急きょ出産。予定日より1カ月早かった。
 出産後も変調は続いた。尿が出ず、産前より体重が増えた。検査で、膠原(こうげん)病の一種の難病、全身性エリテマトーデス(SLE)と判明。難病という自覚はあったが、大きな不安は抱えていなかった。
 06年、子育てが一段落すると、県の出先機関で事務を始めた。週3回勤務に抑えたが、2週間後、体調が悪化。1年で3回の入退院を繰り返し、姫歌ちゃんの2回目の誕生日は病院で迎えた。
 08年から農協の事務職員としてフルタイムで働いた。職場の理解はあったが、繁忙期は残業もあり、疲労が蓄積。高熱で病院に搬送されるペースが1年に1回から、半年に1回、2~3カ月に1回、と早まっていった。「勤務を減らしたい」と直訴したが、受け入れてはもらえなかった。
 3月末に離職後、ハローワークに通い続けるが、就職はかなわない。障害者手帳は持っておらず、障害者向け支援策の対象外になってしまうことがハードルを高くしている。
 失業手当の日数も、手帳を持っていれば「就職困難者」として300日以上受給(被保険者期間1年以上5年未満、45歳未満)できたが、90日にとどまった。
 「なぜ手帳の有無で峻別(しゅんべつ)されなければならないの」。制度上の線引きだけで区切られてしまう状況に、憤りを隠さない。
 就職、症状悪化、離職――。何度も繰り返してきた。疲れがたまると何週間も発熱・関節痛が続く。紫外線を浴びると水ぶくれのようになり、長時間の外出も難しい。十数種類飲む薬の副作用で手の震えもあり、運転も怖い。
 それでも仕事にこだわるのは「子供にやりたいことをさせてあげたい」からだ。おねだりをせず、物わかりが良くで我慢強い。そんな姫歌ちゃんがスポーツに熱意を見せている。だからこそ「早く仕事をつかみたい」と必死になっている。【蒔田備憲】
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 ◇全身性エリテマトーデス(SLE)
 発熱や、内臓、血管の病気などさまざまな症状が次々に起こる病気。原因は分からないが、本来は細菌などから体を守る「免疫」に異常が起こることで、逆に体を攻撃するようになってしまい、全身に炎症を起こすようになると考えられている。発病率は10万人当たり10~100人と推定されており、男女比1対9で、圧倒的に女性に多い。医療費助成の対象になる特定疾患に指定されており、09年度に助成を受けたのは約5万7000人。

真健康論 第4回 スッキリ目覚めてますか=當瀬規嗣

2011年7月31日 提供:毎日新聞社
真健康論:第4回 スッキリ目覚めてますか=當瀬規嗣
 「今日は徹夜だ!」とか「寝ずの番」など、寝ないことが頑張りの程度を強調する言葉があります。逆に言うと、私たちは毎日、寝るのが当たり前だということです。
 眠らないと、どういう問題が生じるのでしょう。何日間も眠るのをこらえてみた実験の結果が残っています。集中力欠如、イライラ、倦怠感(けんたいかん)といった症状が出てきます。これらは一種の精神症状で、脳の働きがちゃんとしていないことを示しています。それに伴い頭痛、めまいなどの身体症状が表れますが、これは脳が不安定になっている影響と考えられます。ここまでくると大抵の人はたまらず眠ってしまうのですが、さらに我慢を続けると、幻聴や幻覚が出てきます。まさしく脳の働きの異常です。記録では11日間不眠を続けた人がいますが、最後は瞬間的に意識を失う「フラッシュスリープ」が出て苦しんだそうです。
 ただし全般的にみると、体の不調を示す症状は多くありません。つまり、人の睡眠が体の休息というより、脳の休息のためにあることを示しています。確かに、体の疲れをとるだけなら、リラックスして座っていたり、体を横にしているだけでかなり効果があります。
 しかし、眠くなったら、すなわち“脳が疲れてしまったら”眠らない限り気分がスッキリすることはありません。快眠、熟睡は健康に生活するための基本なのです。
 どのぐらい眠るのが適当でしょうか。20歳代の平均睡眠時間は平日で6・5時間ですが、休日には8時間になるので、現代人は十分眠ったとは感じていないようです。ただ、年をとるにつれ睡眠時間は短くなります。平日は仕事のためにほとんど変わりませんが、50歳代の休日の睡眠時間は7・2時間程度になります。年をとると早起きになるのはごく当たり前のことなのです。
 さらに米国での睡眠習慣の調査では、毎日8時間睡眠の人の死亡率が7時間睡眠の人より高いことが示されて世界に衝撃を与えました。加えて、この調査は4時間睡眠の人と8時間睡眠の人の死亡率が同じであることも示しています。
 とすれば、睡眠は時間より質が大事といえます。難しくはありません。毎朝、スッキリ目が覚めるかどうかということです。いかがでしょうか。(とうせ・のりつぐ=札幌医科大教授)

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