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20110912~

「避難生活で体調悪化」7割超…福島・楢葉町

2011年9月30日 提供:読売新聞
 東京電力福島第一原発事故で、大半が警戒区域にある福島県楢葉町が全世帯を対象に行ったアンケート調査で、避難生活中に体調が悪化した家族がいる世帯が7割以上に上ることがわかった。
 家族が病院に通う世帯も7割近いが、かかりつけ医の不在や治療費の心配などから必要な治療を受けていないケースも1割強に上った。収入が減った世帯も6割余で、避難者が健康や経済面で厳しい状況にあることがうかがえる。
 町が8月に全2900世帯にアンケートを郵送し、1995世帯(68・8%)から回答を得た。町民の多くは、隣のいわき市や役場機能がある会津美里町の仮設住宅や民間借り上げ住宅などに避難している。
 体調が「(避難生活で)非常に悪くなった家族がいる」17・7%、「少し悪くなった家族がいる」53・8%で、合計71・5%。病院などに「通院している」は66・6%だが、「必要だがかかっていない」が7・3%、「治療を中断」も5・5%。その理由は「かかりつけの医療機関ではない」が40・7%と多く、「近くに適当な医療機関がない」21・4%、「治療費や交通費が心配」18・5%と続いた。「先の見通しがつかず、精神的につらい」は72・2%に上っている。

ランセット日本特集号 記念シンポジウム 医療構造改革の課題と展望(3)高齢者医療へ人材育成を

2011年9月30日 提供:読売新聞
 東京大学教授 渋谷健司さん(国際保健政策)
 東日本大震災が発生した約2か月後の5月下旬、学生らとともに福島県飯舘村に赴き、住民の健診を行った。飯舘村は、非常に風光明媚(めいび)な村だが、福島第一原発の事故後、高い放射線量が計測された。この村は我が国の保健医療の将来を考える上で大きな教訓を与えてくれた。
 健診を受けた高齢の女性は震災前、毎日8時間、自分の畑で朝から晩まで働き、牛の世話もしていた。この女性は、健康保険に守られ、病気になっても家計の破綻を起こさずに治療を受けられる。日本人にとっては当たり前のことだが、これは世界的にはすごいことだ。
 女性は原発事故により、若夫婦と孫とともに避難した。畑や家畜など、今まで築いてきたものをほとんど失った。今後、収入が先細り、保険料も上がると支払えなくなり、保険医療を受けられなくなってしまうのではないかと心配している。
 高齢化の中で、国民皆保険制度を維持し、さらには医療の質をどう保っていくか。3月11日以後、これまで表面に出てこなかった日本の国民皆保険制度の課題が露呈した。
 こうした問題に対応するには、財政的な問題に加え、二つの大きな問題がある。
 一つは情報だ。飯舘村の放射線量が明らかにされたのは、原発事故が起きて約2週間後だった。情報をどのように公開していくかについては、医療分野でも大きな課題だ。日ごろから情報を蓄積し、それを分かりやすい形で国民に公開できるような仕組みを作ることが大切だ。
 もう一つは人材の育成だ。東北では、医師1人が年間75歳以上の高齢者を20人以上看取(みと)っている。2035年までには、北海道や関東などでも、そうした地域が増えていく。こうした現状に対応するための人材をいかにして育てていくかが重要になる。我が国は高齢化の最先端を行っている。世界の保健医療の一つの将来像と言える。
   ◇
ランセット 1823年に創刊された英国の医学誌。最新ニュースや臨床試験などの質の高さは定評があり、研究や評論は誌上のコメントなどで厳しく評価される。1996年に開設されたウェブ版は、各国の医師や研究者など200万人以上が利用している。先進国単独で特集を組むのは、日本が初めて。

国民医療費36兆円 09年度も過去最高 国民所得比1割超え

2011年9月30日 提供:共同通信社
 厚生労働省は29日、2009年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)は前年度比1兆1983億円増(3・4%増)の36兆67億円だったと発表した。国民1人当たりでは28万2400円で3・6%増え、いずれも過去最高額を更新した。
 高齢化が進み、医療技術も進歩しているためで、国民医療費の国民所得に対する割合は10・61%と、1954年度の調査開始以来、初めて10%を超えた。
 年齢別では、65歳以上の医療費は19兆9479億円で全体の55・4%を占めた。うち75歳以上は11兆7335億円、32・6%だった。
 年齢別の医療費を1人当たりでみると、65歳以上が68万7700円なのに対し、65歳未満は16万3千円だった。
 医療費を賄う財源は、患者の自己負担の割合が13・9%、保険料は48・6%といずれも前年度より0・2ポイント低下した一方、国と地方自治体による公費負担は37・5%と0・4ポイント上昇した。
 診療種類別では、薬局調剤費が前年度比7・9%増。医科が3・0%増、歯科が0・7%減だったのに比べ、薬局の伸びが目立った。
 国民医療費は、保険診療の対象になる病気やけがの治療に掛かった費用を推計したもので、正常な妊娠や出産、不妊治療などの費用は含まれない。

多剤耐性緑膿菌で1人死亡 新潟県立新発田病院

2011年9月30日 提供:共同通信社
 新潟県立新発田病院(新発田市)は29日、入院患者3人から9月に多剤耐性緑膿(りょくのう)菌を検出し、このうち40代の男性1人が感染による敗血症で死亡したと発表した。
 残る2人のうち、50代男性はもともとの疾患が原因で9月に死亡、女性1人は病状が安定しているという。
 同病院は院内感染の可能性もあるとして、菌を国立感染症研究所(東京)に送り、遺伝子型が一致するかどうか調べる。
 病院によると、3人はいずれも白血病で、血液内科病棟の同じ階にある別々の個室にいた。40代男性は3月から入院していたが、症状が急激に悪化し、9月20日に死亡。その後、血液検査などで多剤耐性緑膿菌の感染が分かった。
 50代男性と女性も症状が急激に悪化したため同様に検査し、菌を検出した。
 県立新発田病院は病床数約480。

わさび警報装置が化学賞 イグ・ノーベルで田島氏ら

2011年9月30日 提供:共同通信社
 【ケンブリッジ共同】ユーモアあふれる科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が29日、米マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で開かれた。わさびのにおいがする気体を噴射して聴覚障害者に火災を知らせる警報装置を開発した田島幸信(たじま・ゆきのぶ)・香りマーケティング協会理事長(57)、今井真(いまい・まこと)滋賀医科大講師(49)ら日本人7人が化学賞を共同受賞した。
 日本人のイグ・ノーベル賞受賞は5年連続。今回は「火災など緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発」が授賞対象となり、「非常にユニークかつ実用的」(同賞事務局)と評価された。
 授賞式前、田島理事長は「聴覚障害者に危険を知らせるために考えた技術が世界に評価されて、本当にうれしい」と述べ、今井講師も「受賞の知らせにびっくりした」と喜びを語った。
 警報装置はシームス(東京)が開発。同社の漆畑直樹(うるしはた・なおき)社長(46)も共同受賞者に入った。睡眠障害が専門の今井講師は臨床試験で貢献。気体噴射機の部分はエア・ウォーター防災(神戸市)が提供し、同社の2人も受賞した。
 このほか「強い尿意が意思決定に与える影響」を研究したオランダ、英国、米国などのチームに医学賞が、「違法駐車している高級車を装甲車で踏みつぶして問題解決」できることを示したリトアニアの首都ビリニュスの市長に平和賞が与えられた。

ランセット日本特集号 記念シンポジウム 医療構造改革の課題と展望(2)制度維持へ提言

2011年9月29日 提供:読売新聞
日本国際交流センター シニアフェロー 武見敬三さん
 我が国は、男女とも平均寿命が世界トップクラスだ。なぜ、健康な長寿社会を実現できたのか。この問いに答えるため、ランセット日本特集号では健康に関するデータを幅広く収集し、科学的根拠に基づき、精緻な分析を行った。
 日本の国民皆保険制度は、医療機関への受診機会や保険給付、患者負担額を平等にし、医療費を抑制させた。1960-70年代には、食事の塩分量を減らす減塩運動のほか、国民皆保険制度により、少ない経済負担で降圧薬を飲み続けられるようになり、脳卒中による死亡を減らすことができた。
 だが、日本経済の低迷や財政赤字、急速な高齢化などにより、国民の健康を支えてきたこの制度を維持することが著しく困難となってきた。
 東日本大震災では、高齢化が進んだ地域が被害に遭い、医師不足を抱える地域医療の在り方、財政難等の課題が顕在化した。我が国の医療制度が抱えるこの構造的な課題を確認し、災害からの復興計画とも一体となった構造改革を行うための提言につなげたい。
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ランセット 1823年に創刊された英国の医学誌。最新ニュースや臨床試験などの質の高さは定評があり、研究や評論は誌上のコメントなどで厳しく評価される。1996年に開設されたウェブ版は、各国の医師や研究者など200万人以上が利用している。先進国単独で特集を組むのは、日本が初めて。

細菌の核酸物質で免疫向上 抗がん剤開発に期待

2011年9月29日 提供:共同通信社
 細菌の細胞内で生成される核酸由来の化合物「c-di-GMP」を投与して、哺乳類の体内にあるタンパク質に刺激を与えると、免疫機能が活性化されることを愛知工業大と北海道大などの研究チームが突き止め、28日までに英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。
 この物質が大腸がん細胞の増殖を抑える効果も確認。マウスの実験では目立った副作用もないという。c-di-GMPには、さまざまなウイルスの感染を軽減する作用があることは知られていたが、詳しいメカニズムは解明されていなかった。チームの早川芳宏(はやかわ・よしひろ)愛知工業大教授(バイオ環境化学)は「将来、抗がん剤やエイズの予防・治療薬の開発につながる可能性がある」と期待している。
 試験管内とマウス体内のそれぞれで物質を投与し、黄色ブドウ球菌に対する効果を確かめると、マウスの方が低濃度の物質で感染を軽減する効果が見られたことにチームは着目。物質は菌に直接作用するのではなく、レセプター(受容体)と呼ばれるタンパク質と結び付いて宿主の免疫力を高め、菌感染に対する抵抗力を増強していると考えた。
 200ナノモル濃度の物質を投与したマウス15匹と、全く投与しないマウス14匹を黄色ブドウ球菌に感染させた結果、投与していないマウスは全て死亡したのに、投与したマウスは9匹が生き残った。
 別の化合物を投与して免疫機能を失ったマウスの遺伝子構造を調べると「STING」というタンパク質だけが壊れており、c-di-GMPと結び付いて免疫機能を高めるレセプターがSTINGであることが分かった。

人の肝細胞の体外培養成功…名大の研究グループ

2011年9月29日 提供:読売新聞
 人の肝臓の細胞(肝細胞)を体外で培養し、その主要な機能を維持することに、名古屋大学の小田裕昭准教授らの研究グループが世界で初めて成功した。
 肝臓での薬の分解機能は人種によって差が大きい。この方法で日本人由来の肝細胞を培養することによって、日本人に合った安全な新薬開発に役立てられるほか、臓器提供者が足りない肝移植に代わる人工肝臓に道を開く成果として注目されそうだ。米科学誌「J・セルラー・フィジオロジー(細胞生理学誌)」の電子版に29日掲載された。
 肝細胞を体外で培養し、機能を維持することは困難だったが、小田准教授らは肝細胞の一つ「FLC―4細胞」に着目。生体内部の環境により近づけるため、シャーレ上で立体的に培養できるよう工夫。その結果、血液の主成分のアルブミンを始め、分解作用のあるたんぱく質を作り出すなど、肝細胞の主要な機能維持が確認できたという。

ランセット日本特集号 記念シンポジウム 医療構造改革の課題と展望(1)3月11日の大災害を超えて

2011年9月28日 提供:読売新聞
長寿社会 支える
 権威ある英医学誌「ランセット」が、日本特集号を出版したことを記念するシンポジウム「医療構造改革の課題と展望--3月11日の大災害を超えて」が今月1日、東京都渋谷区の国連大学で開かれ、医療関係者ら約300人が参加した。編集長のリチャード・ホートン氏の開会あいさつの後、導入して50年を迎えた日本の国民皆保険制度をめぐり、執筆者の渋谷健司・東大教授や、内外の専門家が日本の直面する医療や介護の課題などを討論。参加者との活発な質疑応答も行われた。
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日本の経験 世界へ
 ランセット編集長 リチャード・ホートンさん
 日本では、国民皆保険制度が始まり今年50年を迎えた。この間、感染症や心臓病、脳卒中に対する対策がとられ、寿命を延ばした。健診や治療を受ける機会を平等にし、医療費も比較的抑制されている。
 しかし、同時に課題も出てきた。少子高齢化が進むとともに、喫煙、肥満などで病気になるリスク(危険性)が高まっている。また、自殺率も上がってきている。
 今回の特集号では、日本の国民皆保険制度を取り上げ、日本がこれまで成し遂げた成果と今後の課題について、日本と諸外国の専門家に報告してもらった。
 日本がこれまで経験してきた問題は今後、世界中の国々が抱えるようになり、その時、日本の経験は必ず役に立つと思う。今回の特集号は、その際の一助になることを願い出版した。
国民皆保険制度
 保険証1枚で、いつでも誰でも医療機関を自由に選び、低額な自己負担で受診できる制度。加入する医療保険は職業や年齢で異なり、サラリーマンには、大企業の従業員らの組合管掌健康保険(組合健保)や、中小企業の従業員らの全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)がある。自営業者や非正規労働者は、国民健康保険に加入するのが一般的。75歳以上が加入する後期高齢者医療制度については、政府が見直しを検討している。
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ランセット 1823年に創刊された英国の医学誌。最新ニュースや臨床試験などの質の高さは定評があり、研究や評論は誌上のコメントなどで厳しく評価される。1996年に開設されたウェブ版は、各国の医師や研究者など200万人以上が利用している。先進国単独で特集を組むのは、日本が初めて。

虫歯菌で脳出血リスク4倍 大阪大、日本人の8%

2011年9月28日 提供:共同通信社
 口の中で虫歯の原因となる「ミュータンス菌」の一種が脳出血のリスクを約4倍に高めることを大阪大や浜松医科大、横浜市立大などのチームが突き止め、27日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に掲載された。脳出血の新たな危険因子とみられ、予防や治療薬の開発につながる成果。
 ミュータンス菌は日本人の60~70%が保菌。チームは、ミュータンス菌のうち「コラーゲン結合タンパク質」を持っている特定の菌に着目。このタイプの菌は日本人の約8%が持ち、脳出血の患者では約30%が保菌していた。発症リスクは約4倍になる計算。菌は口移しなどで母子感染する恐れもある。
 特殊な光で血管を傷つけたマウスに、患者の唾液から採取した菌を投与すると、投与しないマウスと比べ脳出血の面積が5~6倍に拡大。高血圧のラットでは約7倍広がった。血管の傷に菌のコラーゲン結合タンパク質が集まり、血管の修復を妨げ出血が増えていた。
 健康な人が保菌していても問題ないが、高血圧やストレス、老化、喫煙などで血管が弱ると脳出血を起こしやすくなる。チームの和田孝一郎(わだ・こういちろう)大阪大准教授は「このタイプの菌を持っていたら、生活習慣に気を付けたり、子にうつさないようにしたりするなどの対処が必要だ」と話している。

新規エイズ患者が過去最多 潜在的な感染者数増加か

2011年9月28日 提供:共同通信社
 厚生労働省のエイズ動向委員会は27日、エイズウイルス(HIV)感染に気付かずに発症したエイズ患者が第2四半期(4~6月)に新たに136人報告され、1984年の調査開始以来、3カ月間ごとの集計では過去最多だったと発表した。
 委員長の岩本愛吉(いわもと・あいきち)東京大教授は「新規エイズ患者報告数の増加は、潜在的な感染者数の増加とHIV抗体検査の(受検)遅れを示唆している。早期発見は早期治療や感染拡大防止に結び付く。積極的に抗体検査をしてほしい」とのコメントを発表した。
 同じ期間に報告された発症前の新たなHIV感染者は217人で、直前の3カ月間と比較して減少した。感染の有無を調べる自治体の抗体検査は3万1553件実施され、前年同期と比べて減少した。3月の東日本大震災の発生が影響している可能性があるという。
 3カ月間ごとの新規患者報告数でこれまで最多だったのは、前年同期の129人。
##先進国で、hiv患者が増加しているのは、日本だけです。むとんちゃくなフリーセックスはやめましょう。

たばこ税引き上げ要望 厚労省、健康守る観点

2011年9月28日 提供:共同通信社
 厚生労働省は28日、2012年度の税制改正要望をまとめ、健康を守る観点から、たばこ税の引き上げを盛り込んだ。具体的な数値は明記していない。
 たばこ税をめぐっては、小宮山洋子厚労相が就任直後に増税に言及して物議を醸した。昨年10月の増税で1本当たり3・5円値上げしたばかりで、葉タバコ農家などは強く反発している。
 民主党の税制調査会は、東日本大震災の復興財源を賄う臨時増税の一環で、たばこ税を来年から一定期間引き上げる方針を既に決めているが、厚労省は恒久的な引き上げを求めている。
##たばこ税値上げは、健康のため、医療費削減のためとはっきり主張するべきである。増税のためなどと言わないで。

受精卵作製の是非を審議 iPSやES細胞から

2011年9月28日 提供:共同通信社
 ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)からつくった精子や卵子をもとにして受精卵を作製する研究を認めるかどうか検討するため、政府の総合科学技術会議の生命倫理専門調査会が28日、開かれた。
 研究の急速な進展を踏まえた対応。文部科学省の指針に基づき昨年5月に解禁されたヒトの精子や卵子などの生殖細胞をつくる研究の動向を調べた上で、生命倫理の課題について審議し、今後、意見をまとめる。
 不妊などの原因解明などに役立つと期待される一方、人間に成長する可能性のある受精卵を研究材料にすることへの倫理的な懸念がある。
 この日の会議では、今年8月、マウスのiPS細胞から精子をつくり、卵子と体外受精させて子が生まれたと発表した京都大の斎藤通紀(さいとう・みちのり)教授らの専門家から意見聴取。
 斎藤教授は、ヒトで生殖細胞を作製する研究はマウスよりも相当未熟だと説明し、「受精させることについては、今後必要に応じてあらためて慎重に検討するべきだ」と話した。
 総合科学技術会議は2004年、研究材料として使うためにヒトの受精卵をつくらないことを原則とする報告書をまとめた。文科省の指針は、これに基づきiPS細胞などから作製した生殖細胞を受精させることを禁じたが、生殖細胞をつくること自体は、不妊症や先天性疾患の原因解明などに役立つとして認めた。

値上げで禁煙、成功4割 3人に1人挑戦したが...

2011年9月28日 提供:共同通信社
 昨年10月のたばこ値上げを受け、喫煙者3人に1人が禁煙に挑戦したが、成功したのは4割弱にとどまることが27日、製薬会社ファイザー(東京)の調査で分かった。
 47都道府県の喫煙者各200人(男女100人ずつ)、計9400人を対象に8月、インターネットでアンケートし、6713人が回答した。
 調査によると、値上げ直前やそれ以降に2355人が禁煙に挑戦したが、調査時点で続けていたのは907人(39%)。挑戦理由は複数回答で「たばこの価格が上がったから」が1756人(75%)と最も多く、「健康が気になった」が864人(37%)で続いた。
 現在も喫煙している5806人中、価格次第で禁煙するとしたのは3095人。小宮山洋子厚生労働相が掲げた「1箱700円」まで値上げすれば、そのうち2397人(77%)が禁煙すると答えた。
 都道府県別では、禁煙挑戦者の割合が最も高かったのは沖縄県(46%)で、最も低かったのは山梨県(26%)。禁煙成功率は長野県が最高(58%)、新潟県が最低(21%)だった。

元運転手、起訴内容認める クレーン車事故初公判 6児童死亡、宇都宮地裁

2011年9月28日 提供:共同通信社
 栃木県鹿沼市の国道で4月、登校中の小学生6人がクレーン車にはねられ死亡した事故で、自動車運転過失致死罪に問われた元運転手柴田将人(しばた・まさと)被告(26)は28日、宇都宮地裁(佐藤正信(さとう・まさのぶ)裁判長)の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めた。
 事実関係に争いはなく、量刑が焦点。冒頭陳述で検察側は「てんかんの症状を抑える薬を事故前夜に服用しなかったのに、発作が起きないと軽信してクレーン車を運転した」と指摘。「持病を隠して免許を取得、更新し、医師の指導にもかかわらず運転した過失は極めて重大。今回の事故が他の患者への偏見を助長した」と述べた。
 弁護側は「被告は運転を必要とする肉体労働などで生計を立てるしかなかった。事故の背景に、患者への無理解と、制約の中でも人並みの生活をしたいとの思いがあった」と主張。柴田被告が二度と運転せず、自分の夢とも決別すると話していることを明らかにした。
 亡くなった児童6人の遺族が被害者参加制度で出廷した。
 起訴状によると、柴田被告は過去にてんかんの発作が原因で人身、物損事故を数回起こしたのに、4月18日午前7時45分ごろ、鹿沼市樅山町の国道293号でクレーン車を運転。走行中に発作で意識を失い、歩道にいた市立北押原小の児童の列に突っ込み、4~6年生の男女6人をはねて死なせた、としている。
 てんかん患者は、薬で発作を抑えるなど一定条件を満たせば運転免許を取得できる。道交法は取得時の申告を義務付けているが罰則規定はない。

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##持病の癲癇があり、運転するしかないと考えているなら、薬で絶対に発作を起こさないようにするのが当然である。それを怠って、重量車クレーン車を暴走させたのだから、未必の行為による殺人を適応するべきである。
トラックが脇見、居眠り、飲酒などで、停車中の自動車に突っ込み、罪のない人を死亡させる暴走行為も同様に未必の行為による殺人を適応するべきである。

ヒトiPSでマウスを治療 脊髄損傷、臨床に向け前進

2011年9月27日 提供:共同通信社
 さまざまな細胞になれる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を人間の皮膚の細胞からつくり、神経細胞などの元になる幹細胞に変化させた上で脊髄を損傷させたマウスに移植して歩行機能を回復させることに、慶応大医学部の岡野栄之(おかの・ひでゆき)教授らのチームが成功、米科学アカデミー紀要に26日発表した。
 岡野教授らは昨年、マウスのiPS細胞を使い脊髄損傷マウスの機能回復ができたと発表。今回は人間のiPS細胞でも有効性が確認でき、患者の治療にまた一歩近づいた。ただ、確実に機能する細胞の作製法や安全性の基準作りなど、必要な作業にはまだ数年かかりそうだ。
 チームは人間の皮膚にある線維芽細胞に四つの遺伝子を導入してiPS細胞を作製。これを培養して神経幹細胞にした上で、拒絶反応が起きないよう免疫不全にした脊髄損傷マウスに移植した。
 幹細胞は脊髄の中で神経細胞やそれを支える細胞に分化。刺激の伝達が改善し、栄養を供給する血管も作られるなど持続的に働く組織になり、足の動かなかったマウスは歩けるまでに回復した。
 また、人間では1年以上に相当する約4カ月にわたって観察しても、懸念されたがんの形成はなく、安全性も示せたとしている。

閉塞性動脈硬化症 薬でバイパス血管 国循が治療法開発 患部に注射、臨床へ

2011年9月27日 提供:毎日新聞社
閉塞性動脈硬化症:薬でバイパス血管 国循が治療法開発 患部に注射、臨床へ
 国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)は26日、足などの血管が詰まる病気「閉塞(へいそく)性動脈硬化症」について、人間の体内にも存在する合成たんぱく質を注射し、新たなバイパス血管を作る治療法を開発したと発表した。近く重症患者3人を対象に臨床試験を始める。
 国循によると、閉塞性動脈硬化症は喫煙や飲酒などの生活習慣が影響し、高血圧や糖尿病などの合併症として出やすい病気という。血流が悪くなるために足先や指などに痛みやしびれが出て、悪化すると組織が壊死(えし)し、足を切断しなければならない場合もある。全国で年間30万~40万人が発症する。
 治療に使う合成たんぱく質「アドレノメデュリン」は、寒川賢治・国循研究所長が93年に発見。血管を拡張する機能があり、患部の周囲に薬として注射すると、詰まった血管とは別の新たなバイパス血管が形成されるという。
 閉塞性動脈硬化症については、これまで人工血管を作るバイパス手術などの治療法を取るのが一般的だったが、足の血管は細いため手術自体が難しかった。国循は「アドレノメデュリンは元々体内にある物質。副作用の危険や患者への負担も少なく、将来的には心臓や脳にも活用できることが期待できる」としている。【林田七恵】

虐待経験、うつ病を深刻化 「医療新世紀」

2011年9月27日 提供:共同通信社
 幼児期に虐待された経験を持つうつ病患者は、症状が長期化したり、複雑化したりする傾向が2倍に増えるとの研究結果を、英ロンドン大キングスカレッジ精神医学研究所が発表した。
 約2万3千人の疫学調査と約3千人を対象にした臨床試験で、児童虐待を受けた患者の治療結果などを分析。その結果、虐待経験がある患者は、そうでない患者に比べて治療への反応が鈍く、うつ病の再発や長期化につながる高いリスクがあることが分かったという。
 虐待を受けた子どもの10人に1人がうつ病とされ、同研究所のアンドレア医師は「重いうつ病による健康悪化を防ぐためにも、児童虐待の早期予防や介入がとても大切だ」と話している。

蓮舫担当相に原則無料提言 障害福祉で改革会議

2011年9月27日 提供:共同通信社
 政府の障がい者制度改革推進会議は26日、障害者自立支援法に代わる新法「障害者総合福祉法」(仮称)について、障害福祉サービスの利用者負担を高所得者以外は原則無料とするよう求める提言を、蓮舫内閣府特命担当相(障害者施策担当)に手渡した。
 蓮舫氏は「今後も障害者施策をしっかり推進するため、努力したい」と述べた。厚生労働省がこの提言を骨格として法案を作成。来年の通常国会に提出し、2013年8月までの施行を目指す。
 提言では、食材費や光熱水費を除き、障害福祉サービスは原則無料とし、高所得者は、収入に応じて負担。利用者が介護保険対象年齢となっても、原則として継続してサービスを受けられるとした。

(大分)発達障害 支援の現状 発達障害(3) 学校メディカル・サポート

2011年9月27日 提供:読売新聞
佐伯市、専門医が教諭に助言
 山々に囲まれた佐伯市のある市立小学校。9月上旬、木の香りに包まれた教室で、医療関係者や市の保健師、支援学校教諭らが並び、6年生の男児(12)を見守っていた。
 「授業中の態度はいいですね」。大分療育センター(大分市)の作業療法士、梅木美由紀さん(49)は感心してつぶやいた。
 男児は、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの傾向があり、会話や集団行動が苦手。3歳児健診で障害の疑いが指摘され、入学時にセンターを受診した。
 男児は幼少の頃から、何でも口に入れる癖があり、ランドセルや鉛筆、家の柱などにかみついた。「かむことで情緒を安定させている。チューインガムをかめば、ほかの物をかまなくなるのでは」。母(42)はセンターでこう助言され、学校側に伝えた。「男児にとってガムは薬」と説明し、同級生にも理解してもらった。効果は間もなく表れた。
 こうしたことがきっかけとなり、市教委は2006年度から、発達障害に詳しい医師や臨床心理士らを学校に派遣する「学校メディカル・サポート」を始めた。この男児については、大分療育センターの作業療法士らが年に2回ほど、学校へ出向き、教師に助言している。
 「最初はどう対応したらいいのか困惑した」。昨年度から担任の女性教諭(43)は振り返る。男児は授業中に教室外へ出たり、興味を持つと、物でも人でも触ったりした。
 この教諭は専門医らの助言などを参考にし、男児に「立ち歩くのは教室内だけにできるかな」「触る前に、触ってもいいか聞いてみようね」などと諭し、徐々に落ち着かせてきた。
 この日は、苦手な国語の授業だったが、男児は最後まできちんと着席。教科書を熱心に見つめ、落ち着きのない行動は見られなかった。
 「中学に入ってからが心配です。新しい環境になるので、いろんな物を触り歩くのではないかと……」。授業後の会議で、教諭は不安を打ち明けた。
 梅木さんは「見るだけでは満足できず、触ることで物を確認してます。事前に中学校へ行って、教室などを見せ、気になる物を触らせたら、落ち着くでしょう。環境の変化が大きい時は、気持ちを抑え込まない方がいいです」と助言。教諭は熱心にメモを取っていた。
 「一生変わらないのではと不安でした。こんなに落ち着くとは……」。母親は驚きを隠さない。以前は一人で遊びがちだったが、最近は野球やサッカーにも加わるようになった。「いつ不登校になるかと恐れていましたが、学校が好きなようです」と笑顔を見せた。
 学校メディカル・サポートは、保護者の希望で実施される。今年度の市内の対象児童は8月現在22人。各児童が通う専門医療機関の医師らが学校を訪れる。市教委学校教育課指導主事の首藤公宏さん(44)は「支援を受けた児童は例外なく状況の改善が見られる」と胸を張る。
 大分療育センターの高取郁子・地域療育連携室参事は「教育委員会が独自に予算を組み、責任を持って手厚い支援を行っている」と評価する。
 こうした取り組みは、全国的にも珍しいのが現状だ。

(大分)発達障害 支援の現状 発達障害(2) 5歳児健診

2011年9月25日 提供:読売新聞
竹田市、独自に実施 小学校前から対応
 「ようやく最近、授業を落ち着いて聞けるようになりました。早めに対応できたお陰です」。竹田市の女性(45)は、小学3年の長男(8)の成長を振り返った。
 長男は、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの傾向があると指摘されている。かつては授業中、教室から抜け出してしまうほど、落ち着きがなかった。
 デジタルカメラの使い方や植物名などは覚えが良かった。知能の発達に問題はなかった。
 保育園では一人で遊ぶことが多かったが、友達がいない訳ではなかった。食事中にテレビに熱中し、箸が止まることはあったが、気になるほどではない。3歳児健診でも、問題はなかった。
 ところが、5歳児健診で意外な指摘を受けた。「少し、落ち着きがないですね」。医師からADHDの疑いを初めて示唆された。
 3歳児健診は法律で義務づけられ、どの市町村でも実施されている。5歳児健診は、竹田市が2007年度から独自に始めた。
 市健康増進課主任保健師の渡辺由美子さん(51)は「発育が進んだ5歳できちんと確認して、気になることがあれば速やかに家庭を支援し、スムーズに小学校へ入学させるのが目的」と説明する。
 健診では、事前に保護者に質問票を送り、「落ち着きがない」「一人遊びが多い」などという項目を確認してもらう。当日は、保健師らが直接、30項目の質問をする。
 「保育園のカレーとお母さんのカレーは、どっちがおいしい?」などと尋ね、子どもの表情や目線、答え方を観察する。かけっこや折り紙をして遊ぶ様子にも視線を送る。専門医の診察もある。
 健診後、必要に応じて、専門医の再診察を受け、臨床心理士らによる「フォロー相談会」を利用できる。
 「最初はショックを受けました」。女性は、専門医による再診結果を深刻に受け止め、「支援学校に進めた方がいいのでは」とも考えた。しかし、相談会で保健師から「学校とも情報を共有するから大丈夫」と言われ、安心した。自ら学校へ足を運び、長男の事情を説明した。
 だが、入学間もない授業参観で、教室を飛び出す長男を目の当たりにした。頭ごなしに叱るのではなく、「あまり格好よくないよ」と諭した。その後、だんだんと落ち着き、3年生になった今春頃から、授業中に席から離れなくなった。
 長男には、友達のけんかを仲裁し、泣いている子にハンカチを差し出すなど優しい一面がある。知能指数は高く、国語、算数、理科の成績も良い。「けんかになっても、自分から先に手を出さない」と自らを律することもできる。
 「早く障害が分かったからこそ、今はうまく適応できています。子どもの支援には、教育、行政の複数の機関が関わるので、より密接に連携してほしい」。女性は期待している。
 だが、5歳児健診を実施する市町村は少ない。県内では竹田と津久見の2市にとどまっている。
 注意欠陥多動性障害(ADHD)
 授業に集中できず、宿題を忘れる「不注意」、手足をそわそわと動かし、授業中に席を勝手に離れる「多動性」、質問が終わる前に答え、順番を待てない「衝動性」が特徴。アスペルガー症候群なども、同様の行動が見られることがある。

(大分)発達障害 支援の現状 発達障害(1) 求められる早期発見

2011年9月24日 提供:読売新聞
アスペルガー症候群、理解者得られず「回り道」
 真夏の太陽が照りつける大分市内の庭園。男性作業員(34)が流れる汗をぬぐいながら清掃にいそしんでいた。「暑くて大変ですが、働けることが本当にうれしい」。男性は声を弾ませた。
 男性は発達障害の一つ、アスペルガー症候群を抱えている。コミュニケーションがうまく取れず、人付き合いが苦手だ。
 生まれつきの脳の機能障害が原因とされ、発生頻度は約4000人に1人というデータもある。幼児期に言葉の発達に遅れがなく、知的な遅れもないためか、男性は長らく障害に気づかれなかった。
 大分市で生まれ育った。子どもの頃から、数学や理科、歴史が得意で、授業を受けるだけで理解できた。一方、英語や国語は大の苦手。文法や単語、現代語訳などを丸暗記して、受験を切り抜けた。
 「自分はなぜ、空気が読めないのだろう」。地元大学の教育学部へ進んだ頃、気になり始めた。
 テレビドラマの主人公が死ぬ場面で、友人が泣くのを見て、「こういう時、人は悲しむのか」と知った。自分はそうした感情がわかず、「いいシーンだったね」とつぶやくのが精いっぱいだった。
 振り返れば、中学の時、合唱コンクールで、ピアノ伴奏で失敗した女子生徒が泣いていたが、なぜ悲しむのか、全く理解できなかった。
 大学卒業後、小中学校で教壇に立った。しかし、けんかしている子供たちの言い分を聞いても理解できず、戸惑った。上司や同僚に相談しても冷たくされ、職場が気まずい雰囲気となった。体調を崩し、3年間で教職を去った。
 その後、専門学校で医療技術を学び、北九州市の医療機関で働いた。目の検査や眼鏡の作製などを担当し、技術には自信があった。しかし、患者と笑顔で接しようと努めると、かえって表情がこわばった。「リラックスさせたい」と思っても、冗談を言えなかった。同僚からは「表情が乏しい」「何かおかしい」と言われた。
 「専門医に診てもらったら」。勤務先の医師の勧めで受診すると、アスペルガー症候群と診断された。2年前、31歳の夏だった。病院は3か月で退職。県発達障がい者支援センター「ECOAL(イコール)」(豊後大野市)などで、同様の障害を抱えた人たちと触れ合いながら、職を探した。
 昨年6-8月、大分市の造園業者で就労訓練を受けた。草取りなどの作業は不慣れだが、必死だった。「きつい作業も粘り強くやる」と評価され、採用された。
 最近やっとわかったことがある。「自分は手先も精神的にも不器用だけど、意外とタフなんだ」。炎天下で毎日、8時間も作業できる自分の力を知った。「教師の時はわからなかったが、働くことってすごいことなんだと思う。一日一日を大事に生きたい」。
 しかし、こうも思う。「もっと早く障害のことが分かっていれば、回り道をしなくて済んだ。障害を理解する人が身近にいてくれたら……」
      ◇
 発達障害者支援法が施行されて6年が過ぎた。早期発見や支援の取り組みについて、県内の状況を報告する。
 発達障害
 人と意思疎通がうまくできない自閉症やアスペルガー症候群、衝動的に行動しがちな注意欠陥多動性障害(ADHD)、読み書きや計算の習得が困難な学習障害(LD)など幼少期から表れる先天的な脳の機能障害。2005年施行の発達障害者支援法は、障害の早期発見、支援を国と地方自治体の責務としている。

ドナー募集、活動支援を 命の2ml 骨髄バンク20年/5止

2011年9月27日 提供:毎日新聞社
命の2ml:骨髄バンク20年/5止 ドナー募集、活動支援を /鹿児島
 「骨髄バンクへのご協力をお願いします」。今月6日、県庁で3人のボランティアが呼びかけた。通路の向かいでは日赤職員ら10人が献血を求めている。
 「かごしま骨髄バンク推進連絡会議」の活動で年約60回、献血会場で呼びかける。献血者はバンク登録に理解を示す可能性が高いからだ。同会議の会員は約30人だが牧薗次男顧問(75)は「みな仕事や家庭があり活動できるのは約10人」。この日登録した人は7時間で2人だけだった。
 国は骨髄バンクに関する日赤の業務を採血とデータ管理と定めている。業務外のドナー募集を日赤職員が手伝うことはまれだ。「ボランティアでは限界がある。日赤が手伝ってくれれば助かるのだが」と牧薗さんはこぼす。
 国はドナー募集の担い手を「骨髄移植推進財団と地方自治体」と位置付けている。自治体では広報誌やポスターなどによる啓発活動が中心。財団も現場での募集活動の多くをボランティア団体に委託する。実際に県内登録者のうち、保健所など登録所9カ所での自主的登録は全体の約3割にすぎず、7割は同会議の呼びかけによるもの。ボランティア頼みなのが実情だ。
  ◇  ◇
 全国の骨髄バンク登録者数は対象年齢(18~54歳)の人口1000人あたり6・5人。鹿児島県は同4・9人。トップは沖縄県の24・4人で群を抜く。中心となって活動する沖縄日赤の上江洲(うえず)富夫事務部長(59)は「他県に比べ日赤が協力的。献血活動中、同僚が献血者に『骨髄バンク登録もどうですか』と勧めてくれる」。
 献血は法に基づき国が日赤に業務委託しているが、骨髄バンク登録は違う。上江洲さんは訴える。「骨髄登録の募集は『人』がどうにか支えているだけで持続可能な制度になっていない」
 一方、ドナーの負担軽減策が不十分なことも足かせとなっている。99年に骨髄提供した霧島市職員、養田健さん(43)は「公務員なので有給休暇が取れたが民間企業などでは難しいのでは」と言う。ドナーは入院支度金としてバンクから5000円支給されるだけで、休業、育児、介護などの補償はない。ドナー休暇制度がある企業はまだ少なく、自治体でドナー支援制度があるのは今年4月に2万円の支給を始めた新潟県加茂市だけだ。
  ◇  ◇
 全国のボランティア団体でつくる「全国骨髄バンク推進連絡協議会」(市川團十郎会長)は07年、将来構想を発表。法整備によって、骨髄移植▽末梢(まっしょう)血幹細胞移植▽経営が厳しい臍帯(さいたい)血移植の業務を「造血細胞バンク」に統合し、全業務を日赤に委託することを提案した。また骨髄提供者に休業、託児、介護の補償も求めている。
 造血細胞バンク構想について日赤本社(東京都)は「日赤は国から業務委託がないと動けず、方向性を示してほしい」。厚生労働省臓器移植対策室は「将来的に統合を検討する可能性はあるが、当面は個々のバンクが抱える課題の解決に努めたい」と話す。全国協議会の四方田(よもだ)淳副理事長(48)は「動きは遅いが、国、日赤に粘り強く働きかけるしかない」ともどかしげに語った。
  ◇  ◇
 わずか2ミリリットルの採血によるドナー登録が命を救う道を開く骨髄バンク。91年12月、遺族や元患者の運動が国を動かし発足した。20年になろうとする今も多くの課題に直面している。=おわり(この連載は福岡静哉が担当しました)

「iPS細胞で拒絶反応」に山中教授が反論

2011年9月22日 提供:読売新聞
 様々な臓器の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)は、免疫による拒絶反応を起こす例があるとする米国チームの論文に対し、京都大学の山中伸弥教授らが反論を米医学誌に発表した。
 実験で採用された方法が、医療応用で想定される方法とかけ離れているなどと指摘している。
 今年5月の米国チームの論文では、マウスのiPS細胞を、同じ遺伝情報を持つマウスに移植したところ、拒絶反応が複数例でみられたと報告した。
 山中教授らの論文は、実際の医療応用では、米国チームが行ったようなiPS細胞そのものの移植はせず、体細胞に変化させた後に移植すると指摘。仮にiPS細胞由来の体細胞で拒絶反応が起こる場合でも、免疫抑制療法で解決できるとしている。

熱中症搬送1・5倍に 残暑の先週、子ども急増

2011年9月22日 提供:共同通信社
 総務省消防庁は21日、熱中症で12~18日の1週間に病院に搬送された人は1926人だったと発表した。運動会の練習中に子どもが厳しい残暑のため相次いで倒れるなどしたため、前週の約1・5倍に増えた。死亡は三重県の1人。
 消防庁は、今後も一部地域で残暑が厳しいとみられることから「児童は体温調節機能が未熟で熱中症になりやすい。小まめに水分補給させるなど周囲の大人の配慮が必要だ」としている。
 気象庁によると、全国920カ所の観測地点のうち12~18日に最高気温が35度以上(猛暑日)になったのは延べ23カ所で、前週の3倍超に増えた。
 搬送者の年齢区分で、7歳以上18歳未満の「少年」の割合は24・1%と、8月の平均11・7%に比べ急上昇。都道府県別では、大阪の208人が最多で、埼玉159人、東京144人と続いた。
 集計を始めた5月30日から9月18日までの累計搬送数は4万6117人。同期間中の人口10万人当たりの搬送数が多かったのは群馬56・47人、鳥取51・40人、岡山49・10人などだった。
##われわれ子供のころは、水を飲むなといわれていました。特に中学以上の運動部は。でも、熱中症などは、なかったと思いますが、何が違っているのでしょう。

デング熱感染者1万8000人超 スリランカ、年初来の死者は129人

2011年9月22日 提供:共同通信社
 [コロンボ新華社=共同]スリランカ保健省伝染病局は20日、今年1月以来のデング熱感染者は1万8263人で、死者が129人になったと発表した。感染者のうち7170人が最大都市コロンボの住民だった。
 感染者数は前年同期の3万1553人を下回った。
 昨年1年間の感染者数は3万4105人、死者数は246人で、このうちコロンボの住民はそれぞれ5942人、58人だった。

[論点]出生前診断で中絶倍増(3)ダウン症 正しい情報を

2011年9月22日 提供:読売新聞
玉井邦夫(たまいくにお)氏
 ダウン症をもつ人とその家族でつくる財団法人「日本ダウン症協会」理事長。大正大学人間学部教授。52歳。

 やっぱりなというのが、調査結果を見た率直な感想だ。人工妊娠中絶が増えたのはエコー検査の影響だろう。エコー検査がダウン症の子は生まれない方がよいとの判断を助長していると考えられる。
 ダウン症は長年、出生前診断で見つかった場合、中絶する理由にされてきた。だが、そもそもダウン症という診断そのものは、中絶の理由にはならないはずだ。出生前診断は当初、お腹(なか)にいるうちにダウン症の特徴を知るなど、カップルを支えるためのものという触れ込みだった。
 しかし現実には、産むかどうかは「女性の自己決定」という名のもとで、中絶に結びついていくという実態がこの調査結果なのではないか。
 今回の調査で、中絶は10年で2・2倍と倍増した。しかも症例別の内訳では、ダウン症は3倍も増えている。これは、ダウン症の子の生まれる確率の高まる高齢出産が増えた影響だけではなく、ダウン症の可能性が早期に判明することが中絶に拍車をかけていると思わなければならない。
 確かに、個人の自由として出生前診断は許容されるという意見もある。しかし、障害者について、福祉や教育などに関する社会的な支援が整っているという前提がないため、妊婦やその家族は「障害者は生きにくい」と思ってしまう。
 診断の結果が告知されると、「中絶しかない」という社会の圧力から逃れられなくなるのが実情だ。社会的な支援があってはじめて、出生前診断は個人の選択肢の拡大という意義を持ち得るものだ。
 そもそも、中絶について定めた母体保護法は、中絶が可能な条件に「胎児の異常」は認めていない。異常があった場合、「母体の健康を害する恐れがある」という、中絶を認める条件に当たるとの拡大解釈が通用するのはおかしい。
 ただ、違法だから中絶を取り締まれというのはなじまないとは思う。でも、なんらかの歯止めは必要ではないか。
 医療機関が、ダウン症について、適切な情報を提供しているのかどうか疑問がある。
 ダウン症の子は短命です。普通の学校に行けません。仕事に就けません。みな施設で一生暮らします。そんな誤った説明をされたら、どんな親でも育てるのは無理だと思ってしまう。でも実際は違う。
 例えば、来年のNHKの大河ドラマ「平清盛」の題字を書いているのはダウン症の女流書家・金澤翔子さんだ。そんな傑出した例を出すまでもなく、ダウン症の中にも色々な人がいるのだ。
 出生前診断を実施する医療機関は、ダウン症に関する医学的な特性だけでなく、どうすれば育てられるのか、どのような支援制度があるのかなど多様な情報を提供してほしい。考える材料になるからだ。誰が育てても不幸な子だという説明と、教育や福祉に関する説明とともに、あなたがしっかり育てれば、とてもいい子だという情報では、全然違うから。
 根本的に、この国で足りないのは、政治の場での議論。命とは何かについて、国会で論戦されることはほとんどない。どの政党がどう考えているのかすらわからない。政党間の議論になじまないのかもしれないが、超党派になると議論にもならない。
 だから、役所の審議会を経ていつの間にか法律ができているなど内向きに議論になりがち。議論の仕方がフェアではない。政治家は自らの考えをもっと発信するべきだ。
   ◇
出生前診断 胎児に異常がないかどうかを調べる検査。エコー検査の他、ダウン症など染色体異常を調べる羊水検査や絨毛(じゅうもう)検査、妊婦への血液検査で胎児に異常のある確率を割り出す母体血清マーカーなどがある。

動くがん病巣を追尾、ピンポイントで放射線、京大開発

2011年9月22日 提供:毎日新聞社
がん:動く病巣を追尾 ピンポイントで放射線--京大開発
 京都大医学部の平岡真寛教授(放射線腫瘍学)らのグループは、呼吸によって動く肺がん病巣などを追尾し、ピンポイントで放射線を照射する技術を世界で初めて開発した。今月から実際の治療に適用し、放射線被ばく量を約2割減らすことができたという。
 放射線治療は病巣に十分な放射線を当てる一方で周りの正常な細胞への被ばくを抑えることが求められる。病巣の位置や形を正確に知る必要があるが、肺のほか肝臓や膵臓(すいぞう)なども呼吸などに伴い臓器自体が動くことが難点だった。
 研究グループは三菱重工業などと協力し、エックス線透視装置と放射線照射ヘッドを連動して制御できるシステムを開発。病巣を立体画像でリアルタイムにとらえながら、患者の呼吸による病巣の動きをコンピューターで予測して照射ヘッドを動かす装置を完成させた。
 平岡教授は「病巣を狙い撃ちすることで副作用も少なく、患者さんに優しい治療が実現できる。まず肺がんで治療を進め、肝臓や膵臓など複雑な動きをする臓器のがん治療にも広げていきたい」と話している。【榊原雅晴】

放射性ヨウ素、原発北西の土壌で高濃度の傾向

2011年9月22日 提供:読売新聞
 文部科学省は21日、東京電力福島第一原子力発電所事故で各地に広がった放射性ヨウ素による土壌の汚染状況を発表した。
 6月14日時点の結果で、放射性セシウムと同様に、原発から北西方向の地域で、高い濃度の傾向が確認されたほか、南方向の一部地域でも高い地点があった。同省では「放射性物質の放出状況の解明や住民の被曝(ひばく)線量の評価などに活用したい」としている。
 同省などは、原発から半径100キロ圏内を中心に、約2200地点の土壌のヨウ素131を測定した。
 最も高かったのは、立ち入り制限の警戒区域に指定されている福島県富岡町の測定地点で、1平方メートル当たり5万5391ベクレル。原発から北西に位置する飯舘村や浪江町、南側の楢葉町などでは同5000ベクレルを超える測定地点が点在していた。

患者15%救命、ドクターヘリ運航10年で5万回出動

2011年9月22日 提供:毎日新聞社
ドクターヘリ:患者15%救命 運航10年で5万回出動
 ヘリコプターに医師が同乗し、患者を治療しながら病院へ運ぶ「ドクターヘリ」の出動件数が、運航開始から10年を迎えた今年、7月末で5万回を超えたことが、日本航空医療学会のまとめで分かった。
 同学会によると、運ばれるのは極めて重篤な状態の患者がほとんどだが、少なくとも15%の患者を救命できたといい、これらの実績をドクターヘリの普及に役立てる考えだ。
 同学会によると、01年4月に岡山県(拠点病院・川崎医科大付属病院)でスタートしたドクターヘリの運航事業は現在、23道府県で27機が配備されている。
 01年に874回だった年間の出動件数は毎年増加、昨年度は9452回に上り、累計の出動件数は今年7月末で5万1113回となった。【合田月美】

RSウイルス感染症拡大 04年以来最多ペース 乳幼児の重い肺炎の原因

2011年9月21日 提供:共同通信社
 毎年冬に流行し、乳幼児の重い肺炎の原因となるRSウイルス感染症が今年は既に拡大傾向だ。全国約3千の小児科定点医療機関から報告される患者数は、今年は6月ごろから、データのある2004年以降で最多ペースで推移していることが国立感染症研究所の21日までの分析で分かった。
 同研究所の安井良則(やすい・よしのり)主任研究官は「RSウイルス感染症はインフルエンザより知名度が低いが、小児科では最も恐れられている感染症の一つ。初めてかかる乳幼児で重症化しやすく、感染力も強い。家族、医師、保育園などは既に流行が始まっていることに注意してほしい」と話している。
 最新の速報値は今月5日~11日の1週間分で1321人。この時期としては、最多だった08年の836人の約1・6倍となっている。都道府県別では大阪(209人)、宮崎(147人)、東京(97人)、福岡(85人)、香川(74人)の順で多い。例年、夏は患者は少ないが、今年は6月から拡大傾向が顕著になってきた。
 乳幼児のRSウイルス感染症は、せきや鼻水、発熱から始まり、熱は下がったとしても、ぜーぜーという呼吸が続き、吐くようにせき込むなどして肺炎に悪化する場合がある。毎年約2万人が肺炎になって入院しているとされ、乳幼児の肺炎の約50%は同ウイルスが原因との報告もある。年齢によらずに繰り返しかかるが、年長以上では鼻風邪程度が多い。
 患者の唾液や鼻水、たんの接触で感染するため、感染防止にはマスクの着用や手洗いが有効。せきが強く、ぜーぜーと息苦しそうな場合は、早めに医療機関を受診すべきだという。
※RSウイルス感染症
 乳幼児の肺炎や気管支炎の主要な原因ウイルスで、感染力は強く、感染者のせきやくしゃみなどによるしぶきを吸い込んだり鼻水、たんに接触したりして広がる。2歳までにほぼ100%が感染する。特に初感染では1~3%が入院が必要なほど重症化するとされる。合併症に無呼吸があり、乳幼児突然死症候群(SIDS)との関連も指摘される。有効な治療法はなく、輸液などの対症療法が基本。早産や心臓、肺に基礎疾患を持つ子どもについては、特に重症化の危険性が高いため、流行前から月1回、予防用の抗体を接種する。

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診療報酬改定 厚労相「上乗せ目指す」

2011年9月21日 提供:毎日新聞社
診療報酬改定:厚労相「上乗せ目指す」
 小宮山洋子厚生労働相は20日の会見で、12年度の診療報酬改定に関し「大幅は無理だが、少しでも上乗せしたい」と述べ、プラス改定を目指す意向を示した。厚労相就任後「従来の方針通りにしたい」とプラス改定を示唆していたが増額を明言したのは初めて。
 診療報酬はほぼ2年に1回改定され、政権交代後初の改定となった前回10年度は0・19%増と10年ぶりにプラスとなった。ただ、今回は東日本大震災の影響で財政状況が厳しく、プラス改定は難しいとの見方もある。【鈴木直】

専門家「悪影響心配なし」 胎児も100ミリシーベルトが目安に 「日本の試練―放射線と健康不安」

2011年9月21日 提供:共同通信社
 低線量被ばくの長期的影響は十分解明されていないが、100ミリシーベルトを超えるかどうかが健康影響の一つの目安とされる。これは胎児にも当てはまるとするのは、放射線の胎児への健康影響に詳しい京都医療科学大の大野和子(おおの・かずこ)教授(放射線医学)だ。
 大野教授は、計画的避難区域などになっていない地域から自主避難する福島県の妊婦の心情に「母親がナーバスになるのは当たり前」と理解を示す一方、「胎児も大人と同じで、悪影響が出てくるのは100ミリシーベルトを超えた場合。現在の線量は心配するレベルではない」と指摘する。
 胎児は成人より細胞分裂が激しいため、放射線への感受性も高いとする考え方もあるが、大野教授によると、外部被ばくについては子宮を含む母体そのものが放射線をさえぎる役目を果たす。
 食品などを通じた内部被ばくの影響については「胎盤は母親が取り込んだ放射性ヨウ素を通すものの、原発事故で胎児の発がんリスクが高まるほどの量を取り込んだ可能性は少ない」。
 半減期が長い放射性セシウムはどうなのか。
 厚生労働省研究班の検査では原発事故以降、福島県などの女性の母乳から微量の放射性セシウムが検出されたが、大野教授は「心配する量ではない。抵抗力をつけるためにも母乳はあげた方がいい」と話す。
 大野教授によると、広島、長崎の原爆で被爆した母親の胎内にいた子ども約3600人を成人まで追跡調査した研究もあるが、低線量での影響はみられなかったという。
 大野教授は「低い線量の放射線の場合、染色体の修復作用がきちんと働くからではないか」と推測する。
 日本産科婦人科学会は7月、セシウムに関して「約30年という半減期の長さから影響はよく知られておらず、用心に越したことはない」とする見解を公表。
 同学会理事の水上尚典(みなかみ・ひさのり)北海道大教授は「胎児や新生児にはこれから長い人生が待っており、積算線量は少ない方がいい。妊産婦は食べ物に気をつけるなど、できる範囲で対策をしてほしい」と呼びかけている。

発がんリスク低減を 国民が信頼できる基準値に 「日本の試練―放射線と健康不安」

2011年9月21日 提供:共同通信社
 放射線による発がんリスクをどう考えればいいのか。国際放射線防護委員会(ICRP)専門委員で大分県立看護科学大の甲斐倫明(かい・みちあき)教授(放射線保健・リスク学)に聞いた。
  ×  ×  ×
 コメや野菜、肉、魚介類について「1キログラム当たり500ベクレル」と定められた放射性セシウムの暫定基準値は、ICRPなどの基準をベースに内部被ばくの上限を年間5ミリシーベルトとし、それぞれの食品がどれくらい食べられているかも考慮して決められている。食品の国際的基準を作る政府間組織のコーデックス委員会や、米国などの事故時の基準に比べても厳しい数値だ。
 それでも、これはあくまで緊急事態下の短期的対応で、復興に向けたこれからの長期的な基準値はさらに厳しい数値を目標に、かつ被災地が農業を続けられる現実的なものにする必要がある。
 なぜ基準値を下げていくことが必要かを考えるには、放射線の影響について次の点を理解しておかなければならない。
 積算線量が100ミリシーベルトを下回っていれば、がんなどの晩発影響は増加しないだろうと国際的に理解されている。これは生活習慣など他のがんの原因と放射線の影響が区別できないためで、放射線の影響が低線量で起こり得るとしても他の原因に比べ大きくないためだ。
 しかし、低線量でも放射線が遺伝子を傷つけることを慎重に考慮すると、100ミリシーベルト以下でも将来の発がんの可能性はゼロではないだろうとして、国際的には確率的な影響として捉え「リスクがある」という考え方をする。これはリスクを想定することでより厳しい対応を要求し、安全性を高めることにつながると判断されているからだ。
 リスクは確率の問題なので、たとえ確率が大きくなくても論理的に「線量がこれ以下なら安全」と簡単に線引きできない。被ばく量を低減することによって社会が受ける影響と、人々の健康影響とのバランスを考慮しながら、リスクをできる限り低く抑えようということになる。リスクを合理的に低くするために、実行可能な目標値として基準値がある。
 問題は、リスクという考え方が社会的に十分理解されていない点だ。「どこからが安全か」という基準を求め、基準値以下でもリスクがゼロではないと分かると「まやかしじゃないか」と思われてしまう。国が「基準値以下なら安全」と繰り返しても、消費者にあまり信用してもらえないことになってしまう。
 リスクを低くするため、少しでも内部被ばくの可能性があるものを食べないという消費者を責めることはできないが、それが社会全体に広がれば福島などでは農業をするな、復興するなということにつながっていき、暮らしが成り立たなくなる。
 冷静に考えてもらいたいのは、現在の暫定基準値をクリアした食品と比べて、喫煙(間接喫煙も含む)など発がん性についてより注意しなければならないものが身近にあるという点だ。
 例えば排ガスに含まれるベンゼンなどの大気汚染物質にも発がんリスクがある。それでもパニックにならず規制値が国民に受け入れられているのは「リスクがきちんと管理されているのだろう」との信頼があるからだ。
 食品についても同じことが言える。基準値は国民が信頼できるものでなければならない。その前提として、政府は規制に有効性を持たせるために食品の測定を十分実施するとともに、測定結果や基準値を超えたときの意味を国民に丁寧に説明することが必要だ。
  ×  ×  ×
 かい・みちあき 56歳。大分市出身。東京大大学院修士課程修了。同大大学院医学系研究科助手などを経て現職。国際放射線防護委員会(ICRP)第4専門委員会委員、文部科学省放射線審議会委員、内閣府原子力安全委員会専門委員も務める。

基準厳格化へ厚労省本腰 乳幼児用食品も検討対象に 「日本の試練―放射線と健康不安」

2011年9月21日 提供:共同通信社
 厚生労働省は、食品に含まれる放射性物質の安全指標となる暫定基準値の見直しに着手、秋以降、新たな基準策定作業を本格化させる。リスク評価機関である内閣府の食品安全委員会が示した放射線の健康影響についての見解を踏まえると、新基準は現行より厳しい数値になる見通し。
 同省は放射性セシウムについて乳幼児用食品の基準も新設する方向で検討している。
 暫定基準値見直しの前提となる放射性物質のリスク評価を厚労省から依頼された食安委は7月末「自然放射線や医療被ばくを除き、内部被ばくと外部被ばくを合わせた生涯累計で100ミリシーベルト以上になると健康への悪影響が見いだされる」との見解をまとめた。
 仮に「人生80年」とすると生涯100ミリシーベルトは年1・25ミリシーベルトと換算される。現在の暫定基準値は放射性セシウムで年5ミリシーベルトを超えないように設定されており、このままでは計算上、生涯の積算線量を100ミリシーベルトより低く抑えることができない。
 食安委は9月中にも厚労省に正式に答申する予定。これを受け同省の薬事・食品衛生審議会で具体的な数値が検討されるが、同省幹部は「現在の基準より厳しくなることは確実」とする。
 ただ、生涯100ミリシーベルトのうち外部被ばくの線量をどのように想定するかで、食品を通じた内部被ばくをどの程度に抑えるべきかが異なってくる。
 このため、まず内閣官房に新設された放射性物質汚染対策室で100ミリシーベルトのうち外部被ばくと内部被ばくの割合を決める予定だが、原発周辺や放射線量が局所的に高いホットスポットと、それ以外の地域で異なる外部被ばくのリスクをどう扱うかなど難題も。厚労省は「年内に新基準をまとめたい」との立場だが、議論が長期化する可能性もある。半減期が短い放射性ヨウ素は「現在は検出される恐れがほとんどない」とし、暫定基準値の撤廃も含め検討する。
 また、食安委がまとめた見解は「小児は大人より影響を受けやすい可能性がある」と指摘した。
 食品の国際的な基準を策定する政府間組織コーデックス委員会や欧州連合(EU)では、粉ミルクや市販のベビーフードなど子どもしか摂取しない乳幼児用食品に基準値を設けている。放射性セシウムについては国内では乳幼児用食品に限った暫定基準値がなく、厚労省は「子どもを持つ母親らの要望も多い」として基準新設に前向きだ。
 一方、基準違反の食品が流通していないか監視する体制にも大きな課題がある。検査主体は自治体だが、体制などの違いから実施件数にはばらつきがあるのが実情だ。
 厚労省は8月、市場流通品を買い上げ国が独自に調べる抜き打ち検査を開始。特に岩手、宮城、山形、埼玉、東京、神奈川の6都県については「検査頻度が少ない」として重点的に行っている。同省担当者は「食品の汚染はいつまで続くか分からない。状況に応じてベストな方法を考え、対策を講じたい」としている。

見直しを再三助言 事故長期化で原子力安全委 「日本の試練―放射線と健康不安」

2011年9月21日 提供:共同通信社
 原子力利用の安全規制を監視する原子力安全委員会は6~8月に計5回、食品の暫定基準値の早急な見直しを政府に助言した。暫定基準値は、原子力安全委の防災指針で「緊急時に政府が出荷停止などの検討を始める目安」とする数値を適用しており、長期間にわたって使い続けられることへの懸念が背景にある。
 原発事故から半年が過ぎた現在、食品汚染が問題になるのは主に半減期が長い放射性セシウムだ。防災指針の数値は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告や日本人の食品摂取量などを参考に、摂取制限の検討を始める目安を「年5ミリシーベルト」とした上で、5種類の食品群に均等に振り分けて算出された。
 原子力安全委員会は、国内の現在の被ばく状況について、(1)福島第1原発周辺の警戒区域など防護措置が必要な地域(2)住民の避難には至らないが、周辺と比べ線量が高く土壌の除染など対策が必要な地域(3)被ばく量が年間1ミリシーベルト以下で通常時と変わらない地域―の三つが併存していると指摘。
 原子力安全委事務局の担当者は「緊急時のものをいつまでも使い続けるのは現実的でない」とする。
 食品安全委員会も3月に「緊急とりまとめ」を公表。暫定基準値について「かなり安全側に立ったもの」と評価する一方、「通常の状況におけるリスク管理の根拠として用いることは適当でない」と留意点を挙げた。
 見直しの方向性について、原子力安全委の関係者は「摂取量が多い主食のコメは基準を厳しくし、摂取量が少ない食品については緩和することも理論上は可能。被ばく線量の低減を目指しながら、国民や業界の了解を得られるかどうかが課題となる」と話す。
 ただ、食品の規制権限がない原子力安全委が食品の基準値について「具体的数値を示すと越権行為になる」といい、見直し作業は厚生労働省の判断に委ねざるを得ないのが実情だ。

女性の体脂肪率 より正確に 宮崎公立大・宮元教授、算出式導く

2011年9月18日 提供:毎日新聞社
女性の体脂肪率:より正確に 宮崎公立大・宮元教授、算出式導く /宮崎
 ◇健康には22~32%が理想
 女性の体脂肪率を測る専用の算出式を宮崎公立大の宮元章次教授(運動生理学)が導き出した。現在普及している体脂肪率測定器には男性用の算出式が用いられており、研究を応用すれば、女性の体のより正確な体脂肪率を計ることできるという。女性専用の算出式は初めてで、日本運動生理学会の学会誌に掲載され、先月学会賞を受賞した。【川上珠実】
 宮元教授によると、きっかけは前任の琉球大時代。学生にハンドボールを指導し、けがをした学生らの骨密度や体脂肪率を診断するうち、体内の組織の密度を測定する「密度法」に関心を持ったという。
 これまでの体脂肪率の算出法は、1950年代に米国の研究者、ブローゼックが男性を基準にして作った計算式が基になっていた。その点に着目し、女性34人を標準体重、高体重、低体重の3グループに分けてそれぞれ身体密度を計算。高体重群と低体重群の差から、標準的な女性の脂肪組織の密度を求めた。
 従来の算出式では、体重が重いほど誤差が大きくなるため、体脂肪率30%の女性の場合、32~33%が本当の体脂肪率だという。
 「数%の誤差だが、限界まで体脂肪率を調整するスポーツ選手をはじめ、一般女性も気になるところではないか」と宮元教授。将来的には測定機器への応用も可能だという。
 ちなみに、女性の好ましい体脂肪率は22~32%という。「太りすぎてもいけないが、ある程度高い方が健康にいい」とか。

ダニに刺され感染、死亡 広島、日本紅斑熱で

2011年9月20日 提供:共同通信社
 広島県福山市保健所は16日、同市内の70代の男性2人がダニに刺され、日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)を発病、うち1人が死亡したと発表した。もう1人は回復に向かい、命に別条はない。
 厚生労働省によると、日本紅斑熱による死者は、2008年に宮崎市で70代の女性が死亡して以来。
 福山市保健所によると、感染した2人は別々の場所でダニに刺された。
 亡くなった男性は11日、発熱や発疹を訴え、同市内の医療機関で受診。日本紅斑熱の疑いがあるとして入院したが、14日に多臓器不全で死亡した。農作業や野山を散歩中にダニに刺されたとみられる。
 日本紅斑熱は病原体「リケッチア」に感染しているダニに刺され、2~8日で発病。頭痛や悪寒、高熱と発疹などが特徴。人から人へは感染しない。薬を服用すれば回復するが、発見が遅れると重症化することもあるという。

世界標準の対策急務 ワクチン“後進国”なぜ/下

2011年9月19日 提供:毎日新聞社
ワクチン“後進国”なぜ:/下 世界標準の対策急務
 ◇家族間、性交渉での感染例も--B型肝炎
 ◇乳幼児中心に年10人前後死亡--水痘
 世界は天然痘をすでに根絶し、次いでポリオ(急性灰白髄炎、いわゆる小児まひ)やB型肝炎を制圧しようとしている。だが、「日本のB型肝炎対策は世界の水準から、あまりにもかけ離れ、途上国並みにも達していない」。済生会横浜市東部病院こどもセンターの藤澤知雄・肝消化器分野専門部長はきっぱりと言う。ワクチン接種で予防できるのに、あまり認知されていないという嘆きだ。
 日本小児科学会などによると、世界ではタイ、ベトナムなど170カ国以上が、世界保健機関(WHO)の推奨に基づき、子供たちにB型肝炎のワクチンを接種している。台湾では84年から全出生児に接種させ、子供への感染や肝がんの発症が激減した。
 日本では、B型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリアー)は推計110万~140万人とされる。集団予防接種での注射器使い回しによる被害患者も含まれている。大半は発症しないが、10~15%の人は慢性肝炎となり、肝硬変や肝がんになる患者もいる。
 死亡者は年間5000人前後と多いが、ワクチンは「任意接種」だ。藤澤さんは「ワクチンで救える数や有効性から言えば、B型肝炎ワクチンの優先順位は高い」と語る。
 ウイルスは血液のほか唾液、尿、汗、涙からも見つかる。口移しで食べものを与えたり、歯ブラシを共有したり、傷口が触れあったりするうちに家族間で感染する恐れもある。
 母子感染を防ぐため86年からは、妊婦の検査でウイルスが見つかった場合は、子供にワクチンを接種する事業が始まった。予防に成功しない例も約5~10%あるとみられるが、それでも母から子への感染は10分の1程度に減った。
 一方、父子感染が今も少なくない。大阪府立急性期・総合医療センターの田尻仁・小児科主任部長らは昨年、検査でB型肝炎と分かった187人の感染源を調べた。85年以前に生まれた102人のうち6人(約6%)、86年以降に生まれた85人では13人(約15%)が父子感染だった。田尻さんは「父子感染はこの30年間減っておらず、対策が放置されてきた」と指摘し、「妊婦検診に合わせ、夫も検査を実施すべきだ」と訴える。
 「肝臓病」(岩波新書)を著した順天堂大医学部の渡辺純夫教授によると、B型肝炎ウイルスは遺伝子の型からA~Hの八つのタイプがある。日本や中国、韓国はB、Cタイプが大半を占め、欧米やアフリカではAタイプが多い。最近は日本でも、思春期以降に「Aタイプ」のB型肝炎に感染するケースが目立っており、性交渉による感染が増えているとみられる。
 B型肝炎ウイルスは、エイズウイルス(HIV)よりも感染力が強い。渡辺さんは「事前にワクチン接種をしておけば、Aタイプを含め、ほとんどのB型急性肝炎は防げる」と強調する。
     *
 ウイルスで起きる水痘(水ぼうそう)も、ワクチンは任意接種のままだ。かゆみの強い水ぶくれが体中にできる。毎年、1~4歳の乳幼児を中心に約70万~90万人が感染。うち4000人前後が重症化して入院し、10人前後が死亡するとされる。
 米国では予防接種の導入で入院患者は約10分の1に減り、死亡者も約3分の1に減ったが、日本の接種率は3割前後と低い。峯真人・峯小児科院長(さいたま市)は「重症の新生児だと約2~3割が死亡する。たかが水痘と軽く見てはいけない。水痘ワクチンの安全性は高く、国の定期接種化が必要」と訴える。
 ワクチン接種の推進を訴える医師は増えている。「おおた小児科」(千葉市)の太田文夫院長らはワクチンの重要性を知ってもらうため、全国の医師とともに自費で啓発広告を掲げ、接種を呼びかけている。09年からは広島市で、風疹や麻疹(はしか)の撲滅を目指すキャンペーンを行い、マツダスタジアムや電車内に看板や広告を掲示している。
 日本小児科学会など13学会は昨年11月、「全国民が無料で予防接種が受けられるよう国策として実施すべきだ」と予防接種法の改正を厚生労働相に要望した。「予防接種で予防できるすべての疾患」について、無料化を求めた。定期接種と任意接種の区分が、他の先進国との「ワクチンギャップ」を招いているとも批判した。
 ワクチン接種のあり方を審議している厚生科学審議会予防接種部会は今年7月上旬、B型肝炎、水痘、おたふくかぜ、ヒブ、子供と成人の肺炎球菌、子宮頸(けい)がんの七つの疾患で「ワクチン接種の促進が望ましい」との意見をまとめた。七つの疾患で当初は約5000億円、その後は年間約2000億円の費用がかかるとの試算も示した。
 一方、ワクチン接種の有効性に疑問をもつグループもある。シンポジウムなどを通じワクチンの在り方を問う活動を続ける「ワクチントーク全国」(東京都)事務局の青野典子さん(保育園園長)は「ワクチンすべてに反対ではないが、結核予防のBCG接種は6カ月以内に接種すると副作用が多いという報告がある。国は副作用情報も含め、もっと情報を一般に知らせることが必要」とし、改善すべき点は多いと話す。
 ワクチンと感染症に詳しい斎藤昭彦・新潟大医学部教授は「乳児へのワクチン接種は、太ももに打つのが世界標準なのに、日本はいまだに痛みや腫れが出やすい腕の皮下に打っている。世界の標準から遅れないことが大切」とし、「国や政治がもっと積極的に国民的コンセンサスを得ながら、ワクチン接種を積極的に進めてほしい」と話した。【小島正美】

危ない睡眠時ブラキシズム 歯の摩耗や顎関節障害 悪影響を最小限に 「医療新世紀」

2011年9月20日 提供:共同通信社
 睡眠の最中、無意識に歯をこすり合わせて「ガリガリ」「ボリボリ」と耳障りな音を発する「歯ぎしり」。音は立てないものの、強い力で歯をかみしめてしまう「食いしばり」と合わせ、「睡眠時ブラキシズム」と呼ばれる。一緒に寝ている人の安眠を妨げるだけでなく、歯の摩耗や折損、顎の関節の障害など重大なトラブルを引き起こす。
 なぜブラキシズムが起きるのか詳しい原因は分かっておらず、それ自体を止めることはできないが、悪影響を最小限にとどめる方法はある。人から歯ぎしりを指摘されたり、歯や顎に異変を感じたりしたら、早めに歯科医に相談したい。
 ▽妻の指摘
 「歯が欠けて食事がしづらい」。昭和大歯科病院(東京都大田区)を訪れた男性(68)はこう訴えた。馬場一美(ばば・かずよし)教授(歯科補綴(ほてつ)学)の問診に、男性は「朝起きた時、顎に疲労感がある。妻に歯ぎしりを指摘されている」と告げた。口の中を調べると、奥歯が2本欠けており、残った奥歯も表面のエナメル質がすっかりすり減っていた。馬場教授は、歯の欠損によるそしゃく障害と睡眠時ブラキシズムと診断した。
 馬場教授は「人口の5~15%が睡眠時ブラキシズムといわれる。歯ぎしりと食いしばり、どちらか一方の人もいれば、両方混在する人もいる」と説明する。
 症状のうち最も多いのは歯の摩耗で、進行すると歯が割れたり折れたりする。歯が部分的に鋭利になり、頬の内側や舌、唇などの軟らかい組織を傷つけることもある。歯の動揺によって歯周病も悪化する。
 ▽眠りの周期
 顎への影響も大きい。睡眠中の持続的な筋収縮で、そしゃく筋の痛みや疲労感が引き起こされる。この症状は起床時に最も強く、時間がたつと消えるのが特徴だ。だが、関節にかかる力が過度になれば、それだけでは済まない。口が開けにくく、関節内の雑音などの異常が起きる「顎(がく)関節症」の発症につながる。
 「通常、奥歯にかかる力は最大で自分の体重ぐらい。ところが、睡眠時ブラキシズムでは、さらに大きな力がかかることがある。覚醒時には『これ以上かむと歯が壊れてしまう』というフィードバックが働くが、睡眠中はこうした回路が機能しない」(馬場教授)
 睡眠には、眠りが深いノンレム睡眠と、浅いレム睡眠があり、ノンレム睡眠はさらに、比較的浅い1、2段階と深い3、4段階に分けられる。浅いノンレムから深いノンレム、さらにレムへというサイクルが一晩に4~5回繰り返される。
 ▽力を配分
 睡眠時ブラキシズムの多くは、浅いノンレム睡眠で発生することが分かっている。しかし、なぜ起きるのか、根本原因は不明のまま。かみ合わせやストレスの影響を指摘する説もあるが、科学的に証明されていない。
 問診ではまず、一緒に寝る人(睡眠同伴者)からの指摘があるかどうかを確認する。指摘があれば、歯ぎしりの可能性が高い。指摘がない場合や同伴者がいない場合は、起床時の歯や顎の疲労感や痛み、歯の摩耗の有無などを調べ、歯ぎしりか食いしばりか、あるいはブラキシズムではないのかを見極める。
 治療では悪影響を可能な限り減らすことが目標となる。「重要なのは歯の保護と、歯や顎関節にかかる力の分布を制御すること」と馬場教授。
 そこで有効なのが、患者に合わせて作製する「スプリント」という樹脂製のマウスピースだ。歯の表面を摩耗から守るとともに、歯にかかる力を歯列全体に均等に配分する。顎関節内の圧力もコントロールし、ダメージを防げるという。

1番染色体長腕部分トリソミー症候群 難病カルテ 患者たちのいま/12

2011年9月18日 提供:毎日新聞社
難病カルテ:患者たちのいま/12 1番染色体長腕部分トリソミー症候群 /佐賀
 ◇笑顔見せ日々成長 呼吸器や発達の不安も
 滑り台に上ったり、ミニカーを飛ばしたり、せわしなく部屋中を駆け回る。時折、近くにいる人の顔をのぞき込むように、くしゃっとした無邪気な笑顔を見せる。小城市の幸篤志さん(32)、直子さん(28)の長男奏汰ちゃん(2)は、国内でも極めて少ない染色体異常症(1番染色体長腕部分トリソミー症候群)を持ち、生まれ、育った。
 出生前診断で心臓の疾患が見つかった。生後半年間は集中治療室で過ごした。医師は「寝返りもできないだろう」と告げた。合併症も多発した。愛知県で働いていた篤志さんは仕事を辞め、寄り添った。
 退院後の在宅生活で、2人が最も不安な時間を過ごすのが夜だ。奏汰ちゃんは呼吸の力が弱く、就寝時は酸素吸入器装着が不可欠。3時間ごとに交代で様子を見る。熟睡できない日々が続いた。
 6月には、水分や栄養分を直接胃に入れる器具「胃ろう」をつける手術を受けた。この手術によって気管切開や声を失うリスクもあった。しかし、鼻から胃に通した管を嫌がる奏汰ちゃんの姿が焼き付いていて決意した。1週間に1回、体を押さえつけて管を取り換えるつらさもあった。
 手術は成功。しかし今後も、医師にも予想がつかない状態が続く。「できるのは経過観察だけだから……。先が見えないのは怖い」。篤志さんは複雑な心境をのぞかせる。
 声で意思表示をするようにはなったが「言葉」は多くない。発達の遅れも見込み、療育、医療ケアに対応できる施設を探しているが、地域の保育園にも通わせたいとも思う。感染症の恐れなどで外遊びがしづらく、同年代の子とほとんど遊べていないからだ。
 「病気は自分のせいではないか」と悩んでいた直子さんの救いになったのは、インターネットのサイトで同じ症状の子供を持つ家族と出会えたことだった。奏汰ちゃんより年少の子を持つその親は「(奏汰ちゃんの)成長が励みになります」と漏らした。その言葉が支えになった。
 胃ろうの手術後、つかまり立ち程度だった奏汰ちゃんは、部屋の中を走り回っている。満面の笑みもたたえるようになった。身長も体重も順調に伸び始めた。
 命の覚悟を常に迫られた。先に何が待っているのかも分からない。でも、一日一日成長する姿を見せてくれる。「病気がなければ、と思ったことはありません。つらいこともあるけど、それを含めて奏汰です」。篤志さんがそう言うと、直子さんも応じる。「かわいそう、どん底、と思われても、私たちは不幸ではない。いろんな困難を乗り越えて生まれてきてくれたのだから」【蒔田備憲】
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 ◇1番染色体長腕部分トリソミー症候群
 人の染色体計23組46本のうち、最も大きく、遺伝情報も多いのが1番染色体。専門家によると、受精卵の約3割に何らかの染色体異常が起こり、異常を持って実際に生まれる子の割合は約160人に1人。ただし1番染色体の異常は症例が少なく、奏汰ちゃんと同じようなケースは極めて珍しい。さまざまな合併症が起こるが、それも人によって異なるため、成長過程での経過観察、対応が不可欠になる。

R-1乳酸菌 腸内整え免疫力アップ

2011年9月19日 提供:毎日新聞社
ヘルシーリポート:R-1乳酸菌 腸内整え免疫力アップ
 ◇NK細胞、活性化 インフルエンザ感染防止に効果
 風邪やインフルエンザに負けない免疫力を維持するにはどうすればよいか。こんなテーマで8月上旬、東京都内でセミナーが開かれた。奥村康・順天堂大医学部特任教授(免疫学)と井上文夫・有田共立病院(佐賀県有田町)院長が講演した。ストレスを避けて、腸を元気にする。これが肝心のようだ。【小島正美】
 「長生きしたいなら、気持ちをおおらかに持ち、くよくよしないことです」
 奥村教授は、悩みを引きずらないことが大事だと強調した。
 ストレスの目安は、自分の腸が元気かどうかを見ればわかるという。腸と脳は神経でつながっており、腸はストレスに敏感に反応する。強い不安やあせり、緊張を感じると自律神経を介して、腸に伝わり、腹痛、下痢、便秘などが生じる。「腸は第二の脳」といわれるほどだ。
 ストレスが長く続くと腸内細菌のバランスも崩れ、善玉細菌が減って悪玉細菌が優勢になる。中国の故事で子猿を失った母猿の気持ちを「断腸の思い」と形容したように、人は深い悲しみや極度の緊張に追い込まれると頭だけでなく、腸も反応する。
 また、皮膚は内臓の鏡といわれるほど腸の状態を反映する。その意味で便秘は大敵だ。
 では、腸を元気にするにはどうすればよいか。
 まずはストレスをできるだけ避ける。何かをやって失敗したとき、その原因を自分のせいにして、もんもんと悩むタイプは長生きできないという。「何事も楽天的に構え、失敗しても他人のせいにするくらいの不良っぽさがよい」
 笑うと免疫力が上がるので、1日に1回は大笑いしよう。
 もうひとつは、善玉細菌を増やして腸内細菌のバランスをよくする乳酸菌を取ることだ。悪玉細菌が優勢だと腸内で腐敗物質が増え、肌荒れやくすみの原因にもなる。
 免疫力を上げるうえでもうひとつ鍵を握るのがNK(ナチュラルキラー)細胞だ。不審な侵入者を退治するリンパ球のひとつだ。ウイルスに感染した細胞やがん化した細胞を見つけては撃退する。人の体内では毎日、5000個前後の細胞ががん化するといわれるが、そのがん化した細胞を撃退するのがNK細胞だ。腸に元気がないとNK細胞の働きも低くなる。
 大笑いすることでNK細胞が活性化されることは人の試験で確かめられている。納豆などの発酵食品やキノコを食べても、NK細胞の活性が上がる。
 逆に、NK細胞の活性を下げる要因を知っておくことも必要だ。高齢が最大の要因だが、これは避けられない。
 NK細胞の働きは夜11時を過ぎると下がりやすくなり、免疫力もダウンする。その意味で昼夜逆転の生活は免疫にはマイナスだ。徹夜、夜更かし、長距離運転など交代勤務による生活リズムの乱れもマイナス要因だ。
 学校の入試や社内の昇進試験など緊張を強いるストレスもNK細胞の活性を下げる。活性が下がると風邪をひきやすくなるので、入試時期には特に注意が必要だ。
 スポーツは一見よいように見えるが、激しい運動はかえってNK活性を下げるから気をつけたほうがよさそうだ。
 奥村教授は「あまりにもまじめだと早死にする恐れもある。何事もほどほどにして、多少いいかげんに生きていくのがよい」と呼びかけた。
 一方、井上院長はR―1乳酸菌を含むヨーグルト飲料の摂取がインフルエンザの感染防止になる調査結果を発表した。
 昨年9月~今年3月半ば、有田町の全小中学生約1900人に毎日、同飲料(約110ミリリットル)を飲んでもらった。その結果、インフルエンザの感染率は小学生で0・64%、中学生で0・31%だった。周辺の伊万里市、武雄市、嬉野市の3市と佐賀県全体の平均と比べたところ、どれよりも低かった(表参照)。
 R―1乳酸菌はマウスの実験でNK細胞の活性を高めることが分かっている。井上院長は「予想以上に感染率が低く、驚いた。腸内細菌を殺したマウスはインフルエンザにかかりやすいことから考えて、ヨーグルト飲料が腸内細菌のバランス調節を通じて免疫機能を高め、感染を防止した可能性が考えられる」と話した。
 奥村教授は「これほど大規模な集団での長期試験は珍しい。今度の結果は、私たちが行ってきた動物実験や基礎的な論文の内容に合っており、研究として意義深い」と語った。続けて、「東日本大震災で被災された方たちのストレスは強く、免疫の低下が心配だ。そうした面でもR―1乳酸菌の働きが期待できるのでは」と話した。
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 ◇有田町と周辺地域のインフルエンザ感染率(有田共立病院まとめ)
        小学生   中学生
有田町    0.64% 0.31%
伊万里市   9.74% 1.66%
武雄市   10.48% 7.06%
嬉野市    1.90% 1.31%
佐賀県平均  4.37% 2.57%
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 ◇腸を元気にする奥村式健康法◇
(1)悩みがあれば、だれかに打ち明ける
(2)体を動かすと気がまぎれる。歩く、頭のマッサージ、雑巾がけなど全身を動かす
(3)冷え性は大敵。ヨーグルトを電子レンジで温めて食べたり、おへそにホットシャワーをあてたりする
(4)自分でおなかを動かしたり、腸をマッサージしたりする
(5)1日に1回は爆笑する
(6)早起きして日光を浴びる
(7)何事もほどほどにし、くよくよしない
(8)夜更かしをしない
(9)ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆やキノコなどをよく食べる

予防接種「早く」「同時に」 スケジュール、小児科で相談を 「任意」でも積極的に

2011年9月18日 提供:毎日新聞社
予防接種:「早く」「同時に」 スケジュール、小児科で相談を 「任意」でも積極的に
 小児用肺炎球菌やヒブなどのワクチンが加わり、0歳児から受けられる予防接種は近年、ぐっと増えている。今冬には感染力の強い胃腸炎を起こすロタウイルスのワクチン供給も始まる。接種のスケジュールはどう立てればよいだろう。【田村佳子】
 川崎市の主婦、河口典子さん(28)は8日、1歳になる双子におたふくかぜ、水ぼうそう、不活化ポリオの三つのワクチンを同時に受けさせた。生後3カ月で予防接種を始めた。育児雑誌などを参考にスケジュールを立て、同じ時期に打てるものは同時に接種しているという。「双子を連れて何度も来るのは大変」と一度に受けられることにほっとしている。
 30代の会社員も「早めに免疫をつけたい」と長男(4カ月)にヒブ、肺炎球菌、三種混合、BCG、ポリオを既に受けさせた。同時接種に不安があり、一つずつ受けているため、ほぼ毎週小児科に通う。接種完了には当分かかり「同時接種にしてもいいかなと思い始めた」と苦笑する。
   *
 就学前に受けられる一般的な予防接種は現在10種ある。決められた年齢なら国が全額負担する「定期接種」はこのうち5種。ほかは「任意接種」だが、「任意の方が重要性が低いことはない。定期と任意の区別に合理的な説明はつかない」と日本小児科学会の予防接種・感染対策委員会の田島剛委員は指摘する。世界保健機関(WHO)が「すべての子どもに接種を勧める」ヒブも日本では任意だ。学会はすべての接種を勧める。
 厚生労働省結核感染症課は「重症度や感染力の高いものが定期接種になっている。ただ任意でも感染力の強いものもあり、定期接種にどう入れるべきか検討している」と話す。
 保護者の悩みは回数の多さだ。0歳児では定期接種(BCG、ポリオ、三種混合)にヒブ、肺炎球菌を加えると12回、B型肝炎も入れると15回が必要。次の接種までに決められた日数を空ける必要もあり、効果的なスケジュールを「親が組むには無理がある」とおおた小児科(千葉市)の太田文夫院長は話す。
 小児科医などで作る「VPD(ワクチンで防げる病気)を知って、子どもを守ろう。」の会(以下、VPDの会)によると、ポイントは「受けられる時期が来たらすぐ受ける」ことだ。一番早いのは生後2カ月で受けられるヒブと肺炎球菌。運営副代表でもある太田院長は「予防接種の時間帯が混み合い、予約が取れない病院もある。子どもが生まれたらすぐ、小児科に相談を」と勧める。
 同会運営委員の片岡正・かたおか小児科クリニック(川崎市)院長によると、重症化しやすい細菌性髄膜炎は生後6カ月から増えるので、ヒブ、肺炎球菌ワクチンで予防する。優先すべきはこの2種と三種混合だ。「集団接種の多いBCGと時期が重なりがちで、BCG接種後4週間はワクチンが打てない。BCGの前に1度でも受けて」
   *
 乳幼児が毎週通院するのは親子ともに負担が大きい。体調不良で思うように接種が進まないこともある。
 解決策は複数のワクチンの同時接種だ。0歳児ならヒブ、肺炎球菌、三種混合、B型肝炎を同時に受ければ、ほぼ1カ月に1度で済む。片岡院長は「何カ所も注射するのは気の毒と思う親もいるが、早い段階で免疫がつけられる」と勧める。
 厚生労働省は3月、ヒブと肺炎球菌の同時接種後に乳幼児が7人死亡していたとの報告で接種を一時見合わせた。だが原因は別の病気の可能性が高いとの専門家の報告を受け、安全性を認め再開した。この影響で同時接種を敬遠する保護者が増え、実施しない医師もいる。一方、学会は「子どもたちをVPDから守るために必要な医療行為」として同時接種を勧めている。
 田島委員によると、海外では同時接種は一般的で、副作用が増えたりワクチンの効果が落ちたりすることはない。「三種混合はワクチンが混ざった状態で『同時接種』している。海外では5種、6種混合もある。先に混ぜれば問題なく、別々のものを同時に打つのが危険というのはナンセンス」と話す。
 今冬から始まるロタワクチンは初回と接種完了の月齢が決まっており、同時接種しなければほかの重要なワクチンと並行して受けられない。太田院長は「接種を待つ間に病気にかかる悲劇を防ぐため、同時接種で早く免疫をつけてほしい」と呼びかけている。

アルツハイマー、歯に注意 かみ合わせ悪いと影響

2011年9月16日 提供:共同通信社
 歯のかみ合わせが悪いと、アルツハイマー病の原因とされる「アミロイドベータ」と呼ばれるタンパク質が脳の海馬に増えることを岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学(もりた・まなぶ)教授のチームがラットで突き止め、15日発表した。
 アルツハイマー病はアミロイドベータが脳内に蓄積し、海馬では神経細胞に影響して記憶障害を起こすのが一因とされる。チームは「歯が抜けたり、入れ歯が合わなかったりする人は、治療をすることでアルツハイマー病の予防や進行を抑えられる可能性がある」としている。
 実験では上の奥歯を削ってかみ合わせを悪くしたラットは8週間後、血中のストレスホルモンが増えたことにより、歯を削っていないラットに比べ、アミロイドベータが4~5倍多く蓄積した。
 また、削った奥歯を治療してかみ合わせを直したラットは4週間後、ストレスホルモンとアミロイドベータがほとんど増えず、歯を削っていないラットとほぼ同じ数値にとどまった。
 同チームは「かみ合わせが悪いと脳に刺激が伝わりにくくなり、ストレスを感じて、アミロイドベータが増えるのではないか」と分析している。
 成果は米神経科学雑誌に掲載された。

乳幼児食品に新基準を検討 セシウム汚染で厚労省 母親の不安に配慮

2011年9月16日 提供:共同通信社
 東京電力福島第1原発の事故による放射性セシウムの食品汚染に関連し、厚生労働省が粉ミルクや市販のベビーフードなど「乳幼児用食品」をほかの食品と分け、新たに基準値を設ける方向で検討していることが15日、分かった。
 内閣府の食品安全委員会が7月末、「子どもは放射性物質の影響を大人より受けやすい可能性がある」との見解をまとめたことを受けての対応。セシウムの半減期は30年と長く、母親らの不安を払拭(ふっしょく)するための対策が必要と判断した。
 今秋に本格化する暫定基準値の見直し作業と併せ、同省内の審議会の検討課題に盛り込み、専門家らで議論する方針。実現すれば、現在の暫定基準値より厳しい値になるとみられる。
 厚労省が原発事故直後の3月17日に定めた放射性セシウムの暫定基準値は「飲料水」「牛乳・乳製品」が1キログラム当たり200ベクレル、「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」が同500ベクレル。粉ミルクは「乳製品」、ベビーフードは「その他」に分類されている。
 大人と子どもの区別はないが、厚労省は成人、乳児、幼児それぞれが食べる量などから体内に取り込むセシウムの量を食品群ごとに計算。「最も厳しい数値を共通の基準値にしており、子どもの安全は守られている」としている。だが「子どもは厳しい値で規制してほしい」との要望が強い。
 食安委は7月末、被ばく線量の限度を「生涯で100ミリシーベルト」とする見解をまとめている。

感染で後遺症負う恐れ、ワクチン“後進国”なぜ(中)

2011年9月16日 提供:毎日新聞社
ワクチン“後進国”なぜ:/中 感染で後遺症負う恐れ
 ◇ロタウイルス、年80万人受診 1割は入院
 ◇細菌性髄膜炎、高い致死率 手足にまひも
 「その日の朝まで元気だったのに、重症化するとは思ってもみなかった」と、大阪府内の女性(32)は医師に語った。生後1歳7カ月だった長男が突然、白い便の下痢と嘔吐(おうと)を始めた。「ロタウイルス」による胃腸炎だった。自宅で処方薬を服用していたが、けいれんが起き、名前を呼んでも反応がなくなった。治療で何とか回復したものの、脳症の後遺症で左半身がやや不自由に。5歳になった長男は、現在もリハビリを続けている。
 治療に当たった大阪市立住吉市民病院の外川正生・小児科部長は「ワクチン接種が広がれば、こういう悲しいケースは減るでしょう」と話した。
 下痢を起こす感染症の原因としては、病原性大腸菌O157やノロウイルスがよく知られているが、ロタウイルスは実は、乳幼児の急性胃腸炎の最大の原因。ほとんどの乳幼児が5歳までに感染する。嘔吐や発熱が生じ、コメのとぎ汁のような白い下痢便が続くのが特徴だ。
 川崎市で小児科医院を開業する片岡正医師も以前、1歳児の患者を診た。意識がもうろうとし、口呼吸ができないほどぐったりしており、大学病院に緊急搬送した。「たかが下痢とあなどってはいけない。ロタウイルスは重症化すると脳炎を起こし要注意だ」と警告する。
 大阪労災病院の川村尚久・小児科部長によると、乳幼児に生じる脳炎、脳症の原因で最多はインフルエンザウイルス、次に突発性発疹で、3番目がロタウイルスという。国立感染症研究所によると、毎年約80万人の乳幼児が受診し、うち約1割がけいれんなどで入院し、死亡例もある。現在まで、ロタウイルスを撃退する抗ウイルス薬はない。
 米国では06年から、本格的にワクチン接種が始まった。導入前は乳幼児の入院患者が年間6万人以上いたが、導入後は約7500人と約9割減ったという。今夏に来日し、厚生労働省と情報交換した米国予防接種呼吸器疾患センターのメリンダ・ウォートン副所長は「死亡する子供が毎年数十人いたが、ワクチンの導入でほとんどなくなった」と語った。
 世界保健機関(WHO)は09年、ロタウイルスのワクチンを乳幼児の感染症防止で最重要ワクチンの一つと位置づけた。世界では既に100カ国以上がワクチン接種を導入している。一方、日本では外資系製薬会社が開発したワクチンが、今年7月に承認されたばかり。年内には使える見込みだが、公費の定期接種ではなく任意接種となる。
 ワクチンの臨床試験に携わった川村さんは「日本でもワクチン接種が徹底されれば、重症化する乳幼児は9割以上減る」とみる。定期接種にした場合でもコストは100億円程度といい、「集団感染に伴う治療費や親が仕事を休む損失を考えれば、財政面でも、ワクチン接種は国全体にプラスだ」と強調した。
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 乳幼児を襲う「細菌性髄膜炎」も発症すると、約3割が死亡または後遺症を負う怖い病気だが、ワクチンは定期接種ではない。
 患者や医師らでつくる「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」(大阪市)の高畑紀一事務局長は04年、3歳だった長男が突然発熱と嘔吐に苦しみ、意識を一時失った。幸い、抗生物質の投与などで回復したが、医師からは「3分の1の確率で死に、3分の1の確率で後遺症が残るところだった」と言われた。高畑さんは当時、ワクチンのことを全く知らず、「海外ではヒブワクチンの接種で感染が激減している」と聞き、さらに驚いた。
 細菌性髄膜炎を起こす主な原因菌は、細菌のヒブ(インフルエンザ菌b型)と肺炎球菌。脳の髄膜につくと発熱、頭痛、嘔吐、けいれんなどの症状を引き起こし、初期は風邪と判別しにくい。年間約1000人がかかり、知的障害や手足のまひが残る場合もある。
 守る会によると、米国や英国ではワクチン接種が導入され、細菌性髄膜炎の発症率は100分の1程度に激減し、もはや脅威とはいえない状態になっているという。同会は「ヒブワクチンの接種は世界約130カ国で行われ、デンマークでは発症がほぼゼロだ」とし、デモ行進もして定期接種化を広く訴えている。
 日本ではヒブワクチンが08年12月、小児用肺炎球菌ワクチンが昨年2月に、任意接種として始まった。多くの自治体が助成制度を設け、約9割の地域で自己負担はない。
 ところが今年3月、ワクチン接種が一時中止された。二つのワクチンの同時接種後に、全国で7人の乳幼児が死亡していたことが明らかになり、厚労省は接種の見合わせを自治体に通知。その後、専門家の検討会議で「明確な因果関係は認められない」との結論が出て、4月1日から再開された。だが、「接種率は元に戻っていない」(同省)という。
 日本赤十字社医療センターの薗部友良・小児科顧問は「両ワクチンは10年以上前から、海外で数億回も接種されているが、死亡との因果関係は認められていない。重い副作用がゼロではないが、ワクチンをしない方が子供を危険にさらす確率は高い」と指摘する。
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 接種による副作用のリスクと、接種しない場合の感染・重症化のリスクは、最終的には本人や保護者の判断。一方で「任意接種」のままで助成がなければ、接種の機会を狭めかねない。薗部さんは「自己負担を伴う接種では、受けられない人が出てくる。命に格差があってはいけない」と訴えている。【小島正美】=次回は19日掲載
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 ◇母子手帳とワクチン接種
 乳幼児期に接種するワクチンのうち、国が行う「定期接種」は種類や接種スケジュールが母子健康手帳に記されているが、自己負担の「任意接種」は手帳に記載がなく、行政からの情報提供も少ない。片岡正医師は「任意、定期とも疾患予防の重要度に差はない」と話している。
 母子手帳には定期接種を受けたかどうかの履歴が残るため、成人後も保管しておくと、感染症が流行した時や海外旅行などの際に役立つ。母子手帳と分離し、「予防接種手帳」などを配布している自治体もある。

運動会の練習で熱中症 群馬、千葉で相次ぐ

2011年9月16日 提供:共同通信社
 15日午前、群馬県玉村町の町立南小学校と千葉県山武市の市立大富小学校で、運動会の練習をしていた児童が熱中症の症状を相次いで訴え、計49人が病院に運ばれた。消防や小学校によると、いずれも命に別条はない。
 南小によると、午前9時すぎ、校庭で運動会の開会式の練習をしていた児童が相次いでけいれんや頭痛、吐き気の症状を訴え、2~6年生の男女41人が病院に運ばれた。練習は8時半ごろに始めた。
 群馬県の伊勢崎市消防本部によると、搬送されたうち3人は一時、自力で歩けない状態だったが、全員が回復し帰宅した。前橋地方気象台によると、現場に近い伊勢崎市の気温は午前9時時点で27・3度だった。
 午前10時ごろには、大富小で1~5年生の男女8人が熱中症の症状を訴え、近くの病院に救急搬送された。地元消防によると、軽度の熱中症。午前9時15分ごろから、全校児童で運動会の練習をしていた。

小学生13人が熱中症か 甲府、運動会の練習中

2011年9月16日 提供:共同通信社
 16日午前9時50分ごろ、甲府市羽黒町527の市立羽黒小学校から「具合の悪い子どもがいる」と119番があった。消防によると、児童13人が熱中症とみられる症状を訴え、病院に運ばれた。いずれも症状は軽いという。
 羽黒小によると、午前8時50分ごろから全校児童が参加して校庭で運動会の練習をしており、このうち2年から6年の男女13人が体調不良などを訴えた。
 甲府地方気象台によると、甲府市の午前9時の気温は26・2度だった。

認知症事故疑いで書類送検 同乗の2人も、京都府警

2011年9月16日 提供:共同通信社
 京都市北区で2月、1人が死亡、12人が負傷した多重衝突事故で、京都府警は16日、最初に衝突した乗用車を運転していた京都市中京区の無職の男性(61)が認知症の発作で意識を失ったことが事故原因として、自動車運転過失致死傷容疑で書類送検した。
 同乗していた男性の兄(68)と兄の妻(63)も、持病を知りながら運転を止めなかったとして、重過失致死傷容疑で書類送検した。
 府警によると、認知症の患者が引き起こした交通事故で、同乗者も含めて立件するのは珍しい。男性は「病気が治ってから運転すべきだった」と容疑を認め、同乗の2人は「病気だとは知らなかった」と否認している。
 男性の書類送検容疑は、2月27日正午ごろ、京都市北区の市道で、乗用車を運転中に認知症の発作で意識を失い、信号待ちの車5台やミニバイクに接触、ミニバイクの大学生=当時(20)=を死亡させ、12人にけがを負わせた疑い。同乗の2人は男性が運転した場合に危険があることを認識していながら、運転を止めなかった疑い。
 捜査関係者によると、男性は2008年ごろ認知症と診断され、医師から運転を控えるように言われていた。

欧州で多剤耐性結核菌が拡大、年8万人以上感染 WHOが警告

2011年9月15日 提供:共同通信社
 [ロンドンDPA=共同]世界保健機関(WHO)は14日、欧州全域で、ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性結核菌に毎年、推定8万1000人が感染、「警戒を要する速度で」患者数が増加していると警告する報告書を発表した。
 WHOは多剤耐性結核菌患者の死亡率が50%に達すると指摘。患者数は欧州27カ国のうち上位15カ国が東欧に集中、アジアでも患者数が増加していると報告した。
 新たに結核と診断された患者の約12%が多剤耐性結核菌の感染者であるのに対し、結核再発と診断された患者の場合は37%に達したという。
 一方、ロンドンに限定すれば毎年3500人が多剤耐性結核菌に感染し、西欧の都市では最多という。

3次補正は11兆円規模 復興・円高で8兆円半ば 年金穴埋め、肝炎和解も 10月中旬にも国会提出

2011年9月15日 提供:共同通信社
 政府は14日、東日本大震災からの復興費や歴史的な円高への対応策などを盛り込む2011年度第3次補正予算案について、11兆円規模とする方向で最終調整に入った。このうち復興関連と円高対策は合計8兆円台半ばとし、震災復旧に流用した年金財源の穴埋めに2兆5千億円程度、B型肝炎訴訟の和解費用に約500億円をそれぞれ充てる。
 被災自治体向けに新設する復興交付金を活用して実施する事業について、国と地方の負担割合などを詰めた上で、週内にも補正予算の概要を固める。政府は与野党協議を経て月内に予算案を閣議決定し、10月中旬にも国会提出したい考えだ。
 財源は、主に通常の国債とは別枠で管理する「復興債」を発行して確保し、臨時増税による税収を復興債の償還に充てる。政府税制調査会が週内にも複数の増税案をまとめるが、与党内には増税に異論も多く、政府、与党の協議が難航し、補正予算案の国会提出がずれ込む可能性もある。
 3次補正予算案について、財務省は今月9日に各省からの要求を締め切った。復興関連では住宅の高台への集団移転や、福島県内での再生可能エネルギー研究開発拠点の整備、がれきやヘドロなどの災害廃棄物処理費などの費用を計上する方針。円高対策では、工場などの国内立地を促す補助制度や雇用創出事業などを盛り込む。

健保財政、2千億円悪化 「労働週20時間」で試算 非正規雇用の加入拡大 「社会保障と税」

2011年9月15日 提供:共同通信社
 パートなど非正規労働者をサラリーマン向け健康保険に加入できるよう要件を緩和すると、健康保険制度全体の財政収支が2460億円悪化するとの試算を、健康保険組合連合会が14日までにまとめた。収支を改善するには、労使双方に保険料の追加負担が生じることになる。
 非正規労働者の多くは現在、国民健康保険に加入するか配偶者の被扶養者扱い。正社員中心の健康保険や厚生年金への加入拡大に向け、厚生労働省が制度改正の議論を始めているが、負担増につながる試算が示されたことで事業主などから反発の声も出そうだ。
 非正規労働者の健康保険加入要件は労働時間が正社員の「4分の3(週30時間)以上」。試算では、厚労省が改正で想定する「週20時間以上」に引き下げると、新たに477万人が健保組合などに加入すると推計した。
 保険料率を仮に8・2%(労使で負担)とすれば、加入者増に伴い保険料収入は3200億円増加する。しかし医療給付費が3800億円膨らむ上、高齢者医療向け拠出金が1860億円増えるため、健保制度全体で差し引き2460億円のマイナスとなるという。
 また、健保組合加入者の平均月収は36万円なのに対し、新規加入者の平均月収は7万8千円と大きな開きがあると指摘。非正規雇用の多い飲食業や小売業の健保組合では、加入者の平均収入の低下で保険料収入が減り、保険料率の大幅引き上げも予想されるとした。

除染基準、年内に省令決定 有識者検討会が初会合

2011年9月15日 提供:共同通信社
 東京電力福島第1原発の事故による放射性物質の除染の在り方を議論する環境省の有識者検討会は14日、初会合を開いた。国を除染主体に定めた特別措置法の全面施行を来年1月に控え、環境省は除染地域の選定基準や汚染土壌の保管方法などを検討会に諮り、年内に省令として決定する方針。
 細野豪志環境相は初会合の冒頭で「今回の放射性物質汚染は、恐らく歴史上最も大きな環境汚染のひとつ。除染をどう進めれば効果を生むか助言や提案を」と要請した。
 これを受け検討会では、政府や自治体が先行的に実施している除染のモデル事業のデータ分析なども行い、効果的な除染方法についても議論する。初会合では、除染の中長期目標の提示や、除染で出る汚染土壌や廃棄物の総量試算などを政府に求める意見が相次いだ。
 特措法は、汚染が著しい地域を環境相が指定した上で、国が除染すると規定。そのほかの地域でも除染が必要なケースは知事が計画を策定、国と自治体が分担して除染する。

宇宙医学で長寿に 古川さん、お年寄りに助言

2011年9月15日 提供:共同通信社
 無重力の宇宙空間で骨や筋肉が弱くなるのを防ぐ取り組みを、高齢者の健康問題に生かしてもらおうと、国際宇宙ステーションに長期滞在している古川聡(ふるかわ・さとし)さんが14日、お年寄りを支援するNPO法人などと交信した。
 宇宙航空研究開発機構の筑波宇宙センター(茨城県つくば市)との交信には、宮城や栃木、群馬、神奈川などの医療法人や自治体、NPO法人など10団体が参加。
 参加者から「宇宙で骨折することはあるのか」と問われた古川さんは「(飛行士の骨折は)聞いたことがないが、歩かなくてよいので安静が保たれ、早く治るかも」と笑顔で答えていた。
 宇宙では重力による負荷が体にかからず、筋萎縮や骨粗しょう症などを発症しやすいという高齢者と同じ悩みを抱えている。古川さんは薬や毎日の運動で予防に取り組んでいる。

日本「運動不足」65% WHO、慢性疾患の原因に

2011年9月14日 提供:共同通信社
 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は14日、がんや糖尿病など慢性的な非伝染性疾患による死者に関する国別の統計を発表、日本は2008年の死者全体の約8割に当たる計90万8700人が非伝染性疾患による死者だった。15歳以上の約65%が、「運動不足」となっていることが要因とみられる。
 中国でも、同年の死者全体の8割を超える約800万人が非伝染性疾患により死亡。ただ、運動不足人口は3割にとどまっている。
 世界全体では、同年の死者全体の63%、3610万人が非伝染性疾患により死亡した。
 統計では、ジョギングなど適度な運動が1週間に30分未満といった基準に当てはまる場合に運動不足と定めている。WHOは運動不足に加え、喫煙習慣が非伝染性疾患の主な原因としている。

体外で幹細胞から精子作製 「生殖能力温存に期待」

2011年9月14日 提供:共同通信社
 マウスの精子の元になる精原幹細胞を、体外で精子にまで成長させることに横浜市立大医学部の小川毅彦(おがわ・たけひこ)准教授(泌尿器病態学)らのチームが成功し、13日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(電子版)に発表した。
 これまで精原幹細胞を培養することはできたが、精子にするためには、いったん精巣に戻す必要があり、完全に体外でつくったのは初めて。この精子を使った子どもも生殖能力があることが確認された。
 小川准教授は「人でも同じことが可能になれば、がん治療で不妊になる恐れがある男性の生殖能力を温存することが期待できる」としている。
 チームは生後8日の子どもである雄のマウスから精原幹細胞を取り出し、別の生後5~8日のマウスから切り出した精巣の組織片に注入。43日間培養すると丸い精子とみられる細胞に成長した。
 これを元に体外受精で52個の受精卵をつくり、雌の体内に入れ妊娠させると、最終的に5匹の雌の子どもが生まれた。マウスは正常に成長し、そのうち3匹を自然交配させると計21匹の孫マウスが生まれた。これにより、精子の機能を持つことが確認できた。

「光る猫」誕生…下村博士の研究を応用

2011年9月13日 提供:読売新聞
 【ワシントン=山田哲朗】米ミネソタ州のメイヨー・クリニックの研究者らが、蛍光たんぱく質の遺伝子を組み込んだ「光る猫」を誕生させた。
 学術誌「ネイチャー・メソッズ」電子版で発表した。
 研究チームは、猫の後天性免疫不全症候群(AIDS)を遺伝子レベルで予防する研究の過程で、猫の卵母細胞に、ウイルスを使って緑色蛍光たんぱく質(GFP)の遺伝子を挿入した。3匹の子猫が無事に成長し、暗闇で特定の波長の光を当てると、GFPが発現している全身が緑色に光った。
 GFPは、ノーベル化学賞を受賞した下村脩博士が光るクラゲから抽出するのに初めて成功。生命科学では、狙った物質を追跡しやすくするためGFP遺伝子を組み込むことが多く、すでに光るハエやマウス、豚などが生まれている。

憎悪の連鎖に決別 「許し」説き平和訴える 被爆した少年の半世紀 「地球人間模様@アメリカ」

2011年9月14日 提供:共同通信社
 プロペラ機の窓から米国の大地が見えた。被爆者の少年はノートを取り出し、ページいっぱいに「復讐(ふくしゅう)」と書いた。原爆で家族6人を失い18歳で渡米した胤森貴士(たねもり・たかし)
(73)は今「戦争は一人一人の心が起こす。憎い相手を許そうとして初めて平和な世界が築ける」とはにかむような笑顔で語る。
 米カリフォルニア州バークリーに住む胤森は米各地で講演し「許し」を説き、平和を訴える。復讐を誓い「何とかして米国人を不幸にしてやる」と思いをたぎらせていた少年の半世紀後の姿だ。
 原爆で胤森は困窮のどん底に落とされた。身を寄せた親類には疎まれ、中卒後に神戸で住み込んだ質店では「職場の金を盗んだ」とぬれぎぬを着せられて追い出された。
 「この不幸は米国が原爆を落としたせいだ。何十年かかっても米国に渡って敵(かたき)を取る」。父の墓前で誓った。機会は意外に早くやってきた。米国への労働移住を広島市があっせんしていたのだ。
 ▽不条理
 仕事はカリフォルニア州デレーノのブドウ農園。過酷な労働の末に食中毒で病院に運ばれた。広島出身と分かると検査漬けになり、胤森は「研究材料では」と疑った。3カ月後、髄液採取の激痛に耐えきれず激しく抵抗、精神科に移された。
 メアリーという女性看護師がいた。他のスタッフと違い、胤森の手を優しく握った。忘れていた温かさ。「ぬくもりが体中を巡り、憎しみで凍っていた心が溶け始めた。敵であるはずの白人が人間の温かさをくれた」
 メアリーは胤森が退院できるよう尽力した。胤森は「自分も苦しんでいる人に手を差し出そう」とキリスト教の道を志し、神学校に入った。
 牧師になった胤森は神の愛を説き、地域に貢献する。だが、夜になると復讐心がよみがえり「父の墓前で約束したことを忘れない」という思いが支配する。神学校で知り合った妻にも言えない「二重の人生」だった。
 教会での生活は74年、あっけなく終わる。ある日、白人の上司に言われた。「胤森牧師、教会の人たちは日本人に導いてもらいたくないんだ。残念だが去ってください」
 妻と3人の子を養うために働いた洗車場で、客として来たその白人牧師に再会した。右手を出したが、相手は腕組みして仏頂面。こんな不条理があるのか。ショックと憤りで耐えられずトイレに駆け込み吐いた。吐くものがなくなると指をのどに突っ込み吐き続けた。
 「やはり復讐しかない」。反戦、反核集会で、被爆者として反米感情をむき出しにした講演を繰り返すようになる。
 「米国は芯からうそつきの国だ。キリスト教精神どころか、私を精神科にぶち込み、あらゆる場で差別する。アメリカンドリームではなく地獄の国だ…」。カリフォルニア州北部では名を知られるようになっていた。
 ▽白昼夢
 被爆40年目の1985年8月5日、この日も集会で講演する予定だった。会場に車で向かう胤森は真夏の太陽に輝く白い雲を見た。突然、これまでの人生が白昼夢のようによみがえり、苦しくなり車を止めた。
 11歳の長女、恵美(めぐみ)の声が聞こえる。「お父さんが復讐すると米国人がまた復讐する。それは私たちに来るんだよ」。生前の父の言葉も聞こえた。「戦争ではどの国の子供も傷つくのだぞ」
 講演では草稿は見ずに「許すことが大切」と話していた。「転換点だった」と胤森は振り返る。
 以来、集会で「許し」を訴えた。「真珠湾も許せというのか」と詰め寄る男性、南京大虐殺の本を突きつけた女性。言葉に詰まり、説明して逆に怒らせたこともある。
 米中枢同時テロに激しく怒り、ビンラディン殺害を喜ぶ米国民を見てきた。「自分も歩んできた道。理解できる。でも復讐は復讐を呼ぶ。許しに行きつかない限り、同じことが繰り返される」
 あと25年は生きたい-。ガンで胃を全摘、視力も低下し盲導犬と暮らすが、何でも食べるし酒も飲む。「ろうそくのような小さな灯かもしれないが、暗ければ暗いほど求められるような存在でありたい」と願う。(共同通信ニューヨーク支局)

100歳以上が4万7千人 41年連続増、男女とも最多 トップは2年続けて島根

2011年9月13日 提供:共同通信社
 100歳以上の高齢者は今年、過去最多の4万7756人に上ることが13日、「敬老の日」を前にした厚生労働省の調査で分かった。昨年より3307人増え、41年連続の増加。男女ともに過去最多を更新した。100歳以上の割合が最も高かったのは島根県で、2年連続。
 新たに100歳になるのは、1683人増の2万4952人。昨年は高齢者不明問題が発覚し、所在確認の在り方が問題となった。厚労省は毎年、新たに100歳になる人に記念品を贈っており「自治体が面接や医療保険・介護保険の利用状況で生存を確認した」と説明。
 一方、101歳以上は住民基本台帳を基に各自治体が報告した人数で、東日本大震災で行方不明となったままの人が含まれている可能性もあるが「調査しておらず分からない」としている。
 9月15日で100歳以上になる人数を1日時点でまとめた。男性は6162人(昨年比293人増)、女性は4万1594人(同3014人増)。女性の占める割合は87・1%で最も高くなった。
 国内最高齢は佐賀県基山町の長谷川(はせがわ)チヨノさんで、1896(明治29)年11月20日生まれの114歳。男性は京都府京丹後市の木村次郎右衛門(きむら・じろうえもん)さんで1897(明治30)年4月19日生まれの114歳で、男性の世界最高齢としてギネスブックに登録されている。
 人口10万人当たりの100歳以上の人数は37・29人。都道府県別では島根(75・70人)が1位、次いで高知(67・58人)、沖縄(66・04人)の順。沖縄は2009年まで37年連続1位だったが、昨年は2位。さらに3位になった点について厚労省は「沖縄は人口が増え、島根、高知は減少したため、相対的に高齢者の割合が小さくなったのだろう」としている。
 少ないのは埼玉(21・13人)、愛知(23・80人)、千葉(25・49人)。
 調査を始めた1963年は100歳以上は153人だった。98年に1万人を超え、2009年に4万人を突破した。

マラリア死者10年間で38%減、2015年末に死者ゼロも WHO関連機関報告

2011年9月13日 提供:共同通信社
 [ロンドン・ロイター=共同]世界保健機関(WHO)が支援する組織「マラリア撲滅」(RBM)は12日、報告書を発表し、アフリカの11カ国を含む計43カ国でマラリアの感染者や死者を50%減少させた結果、世界のマラリアによる死者は過去10年間に推定38%減少した、と述べた。
 この進展は、一部はマラリア撲滅のための資金がかなり増加したことによるもので、この流れが続けば、マラリアによる死者は2015年末までにほぼゼロにすることも可能だと指摘した。WHOも、撲滅措置の促進のため巨額の投資が行われれば、2015年末までに死者をゼロにできるとしているが、専門家の間では、これはかなり野心的な目標とみられている。一部専門家はマラリアの根絶にはさらに40―50年かかるとみている。
 WHOによると、マラリアの死者は2000年の約100万人から2009年には78万1000人に減少した。しかし、依然マラリア感染者件数は年間2億2500万件にのぼり、106カ国で流行している。

イクメンほどホルモン減少 子供できると分泌抑制か

2011年9月13日 提供:共同通信社
 子供を持って父親になると、主要な男性ホルモンである「テストステロン」が少なくなるとの研究結果を、米国とフィリピンの研究チームが12日、米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。子育てに関わる父親"イクメン"ほど、テストステロンが少ないことも判明。チームは「パートナーを得るまでは男性ホルモンが多いが、父親や子育てといった役割では分泌が抑制されるようだ」としている。
 チームは、フィリピンに住む約620人の20代男性を5年近く追跡、唾液に含まれるテストステロンの量を調べた。その結果、調査開始時にテストステロンが多かった独身男性ほど、後に父親になっている傾向がみられた。ところが、父親になると、独身だったときと比べテストステロンが30%前後減少。独身のままの男性は約10%の減少にとどまった。
 また、子育てに毎日1時間以上関わる男性のテストステロンは、全く子育てに関わらない男性よりも20%ほど少なかった。

高血圧の遺伝子発見 26万人解析、治療応用も

2011年9月13日 提供:共同通信社
 愛媛大や横浜市立大、滋賀医大などが参加する国際チームは12日、全世界で約26万人を対象にゲノム(全遺伝情報)を解析し、高血圧の原因になる遺伝子28カ所を見つけたと発表した。成果は英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
 高血圧は心疾患や脳卒中を起こし、日本では患者数は推定約4千万人とされる。遺伝要因(体質)と、食生活や運動不足など環境要因により発症する。遺伝子発見は原因特定や治療、創薬へ応用が期待できる。
 チームによると、解析対象者のうち約3万人は日本人を含む東アジア人。東アジア人の高血圧に関与する遺伝子は9カ所あった。
 28カ所の遺伝子の型によって高血圧になる危険性が増減する。愛媛大の田原康玄(たばら・やすはる)講師らが、日本人に最も影響が大きい4カ所の遺伝子を調べた結果、最もリスクが高い型の人は、最も低い型の人の約2・3倍高血圧になりやすかった。
 遺伝子は体内の水分量の調節や腎機能に関連するが、中には働きが分からないものもある。
 田原講師は「遺伝子の発見は、個々人の遺伝子に合わせて予防や治療法が選択できるテーラーメード医療にも役立つ」と話す。チームには24カ国、400人以上の研究者が参加した。

滲出型加齢黄斑変性症、発症関係遺伝子見つかる

2011年9月13日 提供:読売新聞
 九州大医学研究院の石橋達朗教授(眼科学)らの研究グループは12日、失明や視力低下を引き起こす「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑(おうはん)変性症」の発症に関係する遺伝子を発見したと発表した。この遺伝子の型を血液検査などで調べることで、発症リスクの高さがわかるという。研究成果は同日(日本時間)、米国の科学雑誌「ネイチャー ジェネティクス」電子版に掲載された。
 この病気は、光を感じる網膜に出血やむくみが発生し、急激に視力が落ちる。国内に三十数万人の患者がいるとされ、失明原因で4番目に多い。
 研究グループは患者1536人と健康な人1万8894人の血液について遺伝子情報を比較。この遺伝子の特定の型を持つ人は、持たない人に比べ、発症リスクが約1・4倍に上ることを突き止めた。グループの荒川聡医師(眼科学)は「発症の仕組みの解明や、新たな治療法の開発につながる可能性がある」としている。

腎臓病進行の仕組み解明 京大、治療薬開発に期待

2011年9月13日 提供:共同通信社
 慢性腎臓病(CKD)になると必ず起こる腎臓の線維化と腎性貧血の仕組みを、京都大の柳田素子(やなぎた・もとこ)特定准教授らのグループがマウス実験で解明し、12日付の米医学誌電子版に発表した。
 柳田特定准教授は「尿細管の間にある健康な線維芽細胞が悪玉化して、二つの現象は起きていた。いずれも薬剤で回復したため、治療薬開発が期待される」としている。
 慢性腎臓病が進行すると、赤血球を作る腎臓のホルモン「エリスロポエチン」(EPO)が出なくなり腎性貧血になる。
 EPO産生細胞は線維芽細胞の一種で、これまではEPOの低下は、健康な線維芽細胞の死滅が原因とされてきた。
 グループは、胎児期に全身を巡ってさまざまな組織に分化する1種類の細胞に注目。この細胞が発光するように遺伝子を改変したマウスを作製し、光を目印に細胞の動きを追跡した。
 すると、この細胞がEPO産生細胞になり、慢性腎臓病では悪玉の線維芽細胞に変化し、線維化を引き起こしていた。
 悪玉の線維芽細胞に、細胞を保護する働きがある二つの薬剤を投与すると、低下したEPO産生機能が回復。乳がんの治療薬をマウスに投与すると、EPO産生の低下と線維化の両方を抑えた。
※米医学誌はジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション

禁煙か分煙を義務化 労働者の受動喫煙防止 厚労省、法案提出へ

2011年9月13日 提供:共同通信社
 厚生労働省は12日、受動喫煙による労働者の健康被害を防ぐため、事業所や工場などで、全面禁煙か、一定の基準を満たす喫煙室をつくることによる分煙を事業主に義務付ける労働安全衛生法の改正案を、2011年度第3次補正予算案を審議する臨時国会に提出することを決めた。12年度中にも施行を目指す。
 日本は04年に「たばこ規制枠組み条約」を批准、受動喫煙防止対策を進めている。しかし厚労省の07年の調査では、全面禁煙と喫煙室をつくっての分煙のいずれも実施していない事業所は全体の約54%。喫煙対策の改善を職場に望む労働者の割合も90%を超えるなど、対策の強化が求められていた。
 改正案では、飲食店や旅館、ホテルなど客が喫煙を望み分煙が難しい場合には、換気設備を導入して、浮遊粉じん濃度を1立方メートル当たり0・15ミリグラム以下にするなど、事業主が労働者の受動喫煙を減らすことを義務付ける。
 国の事業者への支援策として、粉じん濃度の測定器を無償貸与したり、喫煙室を設置した場合は補助金を出すことも盛り込む。
 実施状況は各地の労働基準監督署が指導、監督する。違反した場合の罰則は当面見送り、実施状況を見ながらさらに検討していくとした。
 政府は昨年6月、新成長戦略の一環として、20年までに受動喫煙の職場をゼロにする目標を掲げている。

たばこ千円に、と禁煙学会 「700円安すぎ」

2011年9月13日 提供:共同通信社
 医師らでつくる日本禁煙学会の作田学(さくた・まなぶ)理事長(杏林大客員教授)が12日、厚生労働省で記者会見し、小宮山洋子厚労相が「1箱700円に」と言及したたばこの増税について「700円でも安すぎる。千円にすべきだ」と訴えた。同日、厚労省に要請書を提出した。
 作田理事長は「先進国では700円は最低水準。千円なら平均的な値段と言える。未成年者の喫煙防止にも効果がある」と指摘。「日本が批准する『たばこ規制枠組み条約』でも増税が求められている」と強調した。
 愛煙家とされる野田佳彦首相に対しては「トップリーダーとして直ちに禁煙を」と呼び掛けた。
 日本禁煙学会によると、会員数は約3千人。

ED薬、偽造品に注意 ネット購入で健康被害 甘い「自分は大丈夫」「医療新世紀」

2011年9月13日 提供:共同通信社
 男性のED(勃起不全)治療薬は、医療機関受診への抵抗感からインターネットなどを通じて購入されるケースが多い。だが、正規の流通ルート以外での購入には、偽造品による健康被害の危険が潜んでいる。一方、国内でED治療薬を製造・販売する4社が今年実施した合同調査では、ネット購入者の大半が偽造品の横行を認識しながら、9割の人が「自分が買った薬は本物だと思う」と回答。「自分だけは大丈夫」という甘い考えが浮き彫りになった。
 ▽不純物が混入
 昨年6月、ED治療薬の偽造品を飲んだ奈良県内の40代男性が、服用から数時間後にけいれんや意識低下などの症状を訴え、病院に搬送された。男性は脳の静脈に血栓が確認されて入院、その後回復したが、同県薬務課は今年4月、「症状と服用との因果関係は否定できない」として注意を呼び掛けた。
 同県では今年1月にも、間質性肺炎で死亡した男性の自宅から数種類の偽造ED治療薬が発見された。分析の結果、いずれの偽造品からも表示された薬剤名とは別の薬の成分が検出された。
 「偽造品の品質は全く予測できない。有効成分を含まないもの、含んでいても少ないものは効果がない。逆に多ければ副作用が強く出る。ほかの成分を含むもの、不衛生な場所で製造されて不純物が混入しているものもある」と佐々木春明(ささき・はるあき)・昭和大准教授(泌尿器科)は解説する。
 ▽過半数が偽物
 佐々木さんによると、海外では偽造ED治療薬に血糖降下剤が含まれていたために、服用した人が低血糖による意識障害を起こし、死亡する事件も発生している。
 「一体何なのか、特定できない不純物が非常に多い。内容物が分からないと、副作用が出ても適切な処置ができず、重症化する危険がある」と佐々木さんは警告する。
 もう一つ大きな問題がある。EDを疑われる人は高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を合併している例が多いが、医師の診察を受けずにネット購入に走ると、こうした病気を見つける機会を逃してしまう。
 ED治療薬を製造・販売するファイザー、バイエル薬品、日本イーライリリー、日本新薬の4社は2008~09年、個人輸入を装ってネットサイトから約180品を購入し、成分を分析した。すると、実に55・4%が偽物だった。
 ▽見分けつかず
 偽造品は中国などアジア諸国で製造されたものが多い。だが、米国など先進国から送られてきたからといって本物とは限らない。また、外見はかなり精巧に作られている。本物と並べれば微妙な違いが分かるが、通常は見分けがつかないという。
 4社は今年2~3月、ネットまたは受診医療機関でED治療薬の購入経験がある30歳以上の男性計564人を対象に意識調査を行った。
 ネット上に偽造品が出回っていると思うか尋ねると、ネット購入者の97・5%、医療機関受診者の97・2%が「はい」と回答。大半が偽造品の存在を認識していた。
 ネット購入者の75・4%は本物と偽物を区別できないと答えたが、自分が買ったものについては87・7%が「本物だと思う」と答え、購入サイトへの過信がうかがえた。
 佐々木さんは「リスクに対する認識が甘い」と分析。「EDは加齢とともに誰にでも起こる疾患で、恥ずかしいものではない。医療機関を受診して、自分の症状に合った治療を受けることが最も重要だ」と話している。

血液がんの遺伝子発見 東大、骨髄異形成症候群で

2011年9月12日 提供:共同通信社
 血液のがんの一種「骨髄異形成症候群」の原因遺伝子を発見したと、小川誠司(おがわ・せいし)・東大特任准教授(がん分子遺伝学)らのグループが12日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 同症候群の原因遺伝子が判明したのは初めて。新たな診断法や治療薬の開発に役立つという。
 グループは、日本、ドイツ、台湾の24~88歳の患者29人の遺伝子を詳しく解析。2人以上に共通して変異していた遺伝子を複数見つけた。
 その中には、生体内でDNAの情報をもとにタンパク質がつくられる際に、不要な情報を切り取る編集作業のために働く遺伝子があった。
 そこで、同じ役割を持つ遺伝子に着目。約300人の患者を調べると、病気のタイプにより、患者の45~85%で変異している遺伝子を8個発見、原因遺伝子と判断した。
 マウスで代表的な一つの遺伝子を変異させたところ、血液が正常につくられなくなり、病気の症状を再現したという。
 小川さんは「タンパク質を生成する仕組みが壊れることが、がんの発症に関わっていることを示せた」としている。

新たな骨作る指令細胞 病気の原因解明に道

2011年9月12日 提供:共同通信社
 新しい骨を作るために古い骨を壊す「破骨細胞」を育てているのは、骨の中にある「骨細胞」であることを見つけたと、高柳広(たかやなぎ・ひろし)東京医科歯科大教授らが12日、米医学誌ネイチャーメディシンに発表した。破骨細胞を育てることで骨を作りかえる指令を出す役割を果たしているという。
 骨の破壊と新生のバランスが崩れると、骨粗しょう症や関節リウマチなどによる骨の破壊のほか、骨が硬くなり死亡することもある大理石骨病などになる場合がある。そうした病気の原因解明や治療法開発につながる可能性があるとしている。
 高柳教授らは、骨に埋め込まれたような状態で存在し、神経細胞のように網目状のネットワークを形成している骨細胞に着目。骨細胞だけが蛍光発色するよう遺伝子操作したマウスをつくり、酵素などを使って化学処理して高純度の骨細胞を分離した。さらに別のマウス実験で、破骨細胞を育てるのに欠かせない分子を骨細胞が出していることを確かめた。

依然ドナー不足 改正臓器移植法、全面施行1年

2011年9月11日 提供:毎日新聞社
改正臓器移植法:全面施行1年 依然ドナー不足
 日本移植学会などでつくる臓器移植関連学会協議会は10日、改正臓器移植法の全面施行(10年7月)から1年が経過したことを受け、成果や課題を話し合う会合を開いた。
 改正法はドナー(臓器提供者)不足解消を狙ったもの。臓器提供に関して本人の意思が不明でも、家族の承諾で提供が可能になったほか、15歳未満からの脳死後の提供が解禁された。
 肺や膵臓(すいぞう)、肝臓は施行後1年間の移植実施件数が8倍程度に増加。心臓も数倍に増え「海外より国内で心臓移植を受ける人が増えた」という。半面、臓器提供や移植を実施する医療施設の負担が増え、労働過重になっている実態も報告された。
 腎臓は、心停止後の提供を含む移植実施件数が1・5倍の約200件となったが、移植を希望する人は約1万2000人と、圧倒的なドナー不足の現状は変わっていない。小腸移植については4件と低迷。保険適用の対象外となっていることが増加を阻んでいるとの指摘もあった。

25万人の雇用を創出 厚労省、医療再生も

2011年9月12日 提供:共同通信社
 厚生労働省は9日、東日本大震災の復興に向けた2011年度第3次補正予算案の要求項目を発表した。全国で延べ25万人の雇用創出や地域医療再生、介護・福祉サービスの充実など、特別会計を含め総額約6500億円を見込んでいる。
 雇用対策では、若者からお年寄りまで働く意欲がある全ての被災者が仕事に就けるよう、産業復興にもつながる仕事を自治体が民間企業やNPO法人に委託する事業を新設。長期雇用支援や円高対策を含め、全国規模の雇用創出を目指す。
 医療では、壊滅的な被害を受けた太平洋沿岸部の地域医療再生を最重要課題と位置付けた。拠点病院の再建のほか、在宅医療などで拠点病院と連携する医療機関も補助対象とした。災害派遣医療チーム(DMAT)が携帯する衛星電話の購入や、自家発電設備の増強に使える基金も積み増す。
 最先端の医療機器開発により地域経済を活性化させる「復興特区」構想も推進する。

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