町田の鍼灸(ハリキュウ)マッサージの治療院です。肩こり、腰痛からギックリ腰寝違いなど痛みの改善あらゆる体の不調和、歪みの改善に努力しています。

最新医療情報37

最新医療情報36

20120213~

対話ロボで認知能力向上 大阪市大確認、癒やしも

共同通信社 2月29日(水) 配信
 高齢者向け対話ロボット「うなずきかぼちゃん」に、認知能力向上や抗疲労、癒やしの効果が確認されたと、開発した医療衛生用品製造ピップ(大阪市)と大阪市立大が29日、発表した。
 かぼちゃんに話し掛けると「すごいね」「なるほど」などとゆっくり答え、うなずく。頭をなでると「気持ちいいな」。
 3歳の男の子をイメージした愛らしい姿で、400語を話し、全身の五つのセンサーやスイッチで、光や音、手の動きなどにも反応する。高さ約28センチ、重さ約1キロ。
 大阪市立大の田中雅彰(たなか・まさあき)講師らは、65歳以上の一人暮らしの女性18人に自宅で2カ月間、かぼちゃんと生活してもらった。
 すると、かぼちゃんと見た目は同じだが、うなずいたり話したりしない人形と生活した別の16人と比べ、記憶や判断力などの認知能力が向上。意欲が湧いて疲労が和らぎ、癒やしの効果が見られた。睡眠時間が長くなり、眠りの質も良くなった。
 田中講師は「独居世帯や介護施設などで効果が期待できる。認知症の予防にもつながるかもしれない」としている。
 かぼちゃんは、昨年11月から介護用品店などで売られている。価格は2万1千円。

患者塾 医療の疑問にやさしく答える 患者力トレーニング “闘病マラソン”完走を

毎日新聞社 2月28日(火) 配信
患者塾:医療の疑問にやさしく答える 患者力トレーニング “闘病マラソン”完走を /福岡
 「糖尿病、適度にさぼりつつ継続治療を!」のテーマで書いた12月のこの欄が大反響でした。
 最初に頂いた電話は「我が意を得たり」というもの。「医者は毎回、説教する。『忙しいのは分かるし、仕事でつきあいがあるのも分かる。しかし、そこを頑張って健康でいようという気持ちにならないとだめです。もう少し食べようと思ったら、そこで思いとどまるのです。運動を今日はサボろうと思ったら、ちょっとだけでも無理して玄関から一歩出るのです』と」。電話の多くはそうした説教をする医者への悪口でした。偉そうに説教してる医者が大酒を飲んで腹いっぱい食べているのを見たこともある、そんな医者が患者に説教する資格があるのか、などなど。要するに生活習慣病の患者さんの多くは、ストレスがたまりにたまっているのだと思います。だから、ほどほどの食事療法と運動療法をして長く継続することの方が大切なのだということを説明したつもりです。
 反対の趣旨の電話もたくさん寄せられました。例えば68歳のまだ現役で仕事をしている男性。「ああした患者を甘やかすやり方はよくないのではないか。私は5年前に糖尿病と言われ、すぐに薬を飲めと言われたが、ちゃんと食事療法をし運動も始めた。今は、自分でメニューを見たら大体何キロカロリーか分かるようになった。1日2万歩は歩いている。筋肉をつけることも大切と聞いて腹筋と腕立て伏せを数百回やっている。やれば楽しくなるということも伝えるべきではないか。今は薬なしでデータは正常」。おっしゃる通りです。食事療法も、慣れればすごいグルメなメニューを低カロリーで食べるコツを覚えます。運動も、しないと気持ち悪いようになってきます。しかし、そうした状態は決して10年単位で継続するものではないと私は考えています。
挫折しても歩いてもいい
 かかりつけ医を始めて20年になります。この間、初心貫徹の患者さんは一人もいませんでした。教育者も宗教家も、プロのスポーツ選手も経営者も主婦も、ありとあらゆる職業や年齢の人たちが見事に途中で挫折していきました。「燃え尽き症候群」なのだと思います。「もういい。糖尿病で倒れてもいい。こんな生活はとりあえず、もう終わりにして、好きなものを食べて休みたい時には休んでみたい。10年も頑張ったんだからいいでしょう」。私のクリニックでは、全員がこうして挫折していきました。
 だからだめなのではなくて、これを挫折と言うのなら挫折してもいいと思うのです。生活習慣病との戦いは、市民マラソンに似ています。時間内に完走すればいいのです。完走こそが目標です。全力で走れなかったら、途中から少しくらい歩いたっていいのです。立ち止まってもいいのです。だから「最初から全力で走るのではなく、完走を目指してぼちぼちのペースで走りましょう」というのが私の提案です。私たちは、オリンピック出場を目指したアスリートではありません。生活習慣病との戦いというマラソンを楽しむ、完走を目指す普通のよき市民ランナーになってほしいものだと思っています。
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 ◇相談室
 Q・頭部の動脈瘤は手術?
 最近、くも膜下出血が話題になっていますね。女性の場合、40歳を過ぎたら可能性があると聞きました。もし動脈のこぶが見つかったら手術になるんでしょうか。手術って頭を開けてするんですよね。見つかったら見つかったでこわい気がします。福岡市博多区、44歳、女性
 A・未経験の頭痛は検査を
 女性の12~13%にくも膜下出血の原因となる動脈瘤(りゅう)(動脈のこぶ)があると言われています。大きさが5ミリを超えると破れて出血する可能性があります。MRIの検査をすれば、こぶの有無をチェックできます。経験したことのない頭痛が続いたら警告出血(くも膜下出血の30%に見られる前兆)の可能性があり、検査をした方がいいでしょう。
 こぶが見つかった場合、予防のための手術に二つの方法があります。頭を開けてこぶに直接クリップをする方法(クリッピング)と、股のつけ根の動脈から頭の中までカテーテルを入れ、こぶの中にコイルを入れる方法(コイリング)です。日本ではまだ前者が少し多いですが、だんだん後者が増えています。家族にくも膜下出血の人がいたり、経験したことのない頭痛が続くようなら一度チェックしておいた方が安心だと思います。
 Q・馬肉の生食は大丈夫?
 以前、肉の生食が話題になりましたよね。その時、馬肉は大丈夫という話だったと思うのですが最近、友人から「馬肉も生で食べると食中毒になる」と聞きました。やはり馬肉も焼いて食べないとだめなのでしょうか。
北九州市小倉北区、41歳、男性
 A・ガイドラインで冷凍必要に
 馬肉はやはり生ですよね。馬肉に関しては生食の基準があり、ちゃんとした店で食べれば基準を満たしているので心配ないと以前、報道されました。しかし最近、寄生虫による食中毒の可能性があると分かりました。安全に食べるにはマイナス20度で48時間冷凍する必要があり、ガイドラインとして関係官庁から通知が出ました。冷凍すると味が落ち、全国どこでも食べられるので、熊本の業者には迷いがあったようですが結局、安全第一で冷凍してから提供することになったようです。やはりリスクは避けて食を楽しむべきでしょう。
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 回答まとめ・小野村健太郎さん
 質問は事務局へ
〒807-0111 福岡県芦屋町白浜町2の10「おのむら医院」内
 電話093・222・1234 FAX093・222・1235
〔福岡都市圏版〕

炭酸美容、はじける人気 パック、ヘッドスパ... 血行促進、化粧品も「経済ウイークリー」〈フロント特集〉

共同通信社 2月29日(水) 配信
 シュワッとした爽快感が味わえる炭酸。血行促進などの効果があるとされ、飲料や入浴剤ではおなじみだ。最近では顔用パックやヘッドスパといった美容に取り入れる動きが広がり、「炭酸泡」による効果をうたった化粧品も登場。美しさに敏感な女性たちの人気を集めている。
 ▽印象を「底上げ」
 透明なジェルを顔に塗ると、パチパチとはじける感触。塗った部分の肌がほんのり赤みを帯び、じわりと温まる-。大阪市のメディオン美容皮膚クリニックが開発した「スパオキシジェル」は、使う直前にジェルと顆粒(かりゅう)を混ぜ合わせて炭酸を発生させる顔用のパックだ。
 炭酸は二酸化炭素(CO2)が水に溶けた状態。パックを開発した日置正人(ひき・まさと)院長によると、CO2を肌から血管に送り込むと、血管内の酸素が皮膚の細胞に入り込む機能が活発になる。結果的に新陳代謝が上がって血流も良くなり、肌の弾力がよみがえったり顔色が明るくなったりするという。
 「自然にあるものを利用して、体がより活発に本来の仕事をするようにしている」と日置院長。炭酸に着目したのは床擦れ治療がきっかけだ。炭酸入浴剤を使った患者は傷の回復が早くなったと聞き、研究を開始。炭酸の濃度を保つ方法を見つけようと試行錯誤を繰り返し、パックの開発にこぎ着けた。
 クリニックでは、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患や、やけどの治療にも活用している。パックは百貨店や雑貨店を通じて販売もしており、好きな時に簡単にエステ後のような効果が得られると人気だ。購入した東京都大田区の女性医師(29)は「パックすると軽く運動した後のように上気した肌になる。顔全体の印象が底上げされる感じ」と満足げだ。
 ▽頭皮にも爽快感
 炭酸の温水で頭を洗う「炭酸ヘッドスパ」を体験できる美容室も増えている。CO2を温水に溶け込ませる機器を開発・販売するシルク・ハット(東京)の植原大貴(うえはら・ひろたか)社長は「頭皮の血行が良くなり、汚れも落ちやすくなる」と説明。爽快感が病みつきとなり、繰り返し利用する客も多い。
 この機器を導入した美容室は全国で約750店舗に広がり、ペットショップや高齢者介護施設で活用する例も増えているという。
 「炭酸泡が楽しめる」とカネボウ化粧品が昨年9月に発売したのは、「フレッシェル モイストリフト パック&マッサージフォーム」。押すだけでもっちりした泡がつくれ、顔に塗れば洗顔や保湿が一度にできる。
 噴射剤にCO2を使うことで弾力があるきめ細かい泡になり、マッサージすれば血行が良くなるといった効果が期待できるという。開発を担当した小沢啓子(おざわ・けいこ)さんは「エステの気持ち良さが家で手軽に体験できます」と話している。

禁煙5年間は糖尿病注意 6万人追跡調査で判明

共同通信社 2月29日(水) 配信
 喫煙者はたばこを吸わない人に比べ糖尿病になりやすく、禁煙しても5年未満だと発症リスクは高いまま、との調査結果を、国立がん研究センターを中心とした研究チームがまとめ29日、公表した。
 分析を担当した国立保健医療科学院(埼玉県)の大庭志野(おおば・しの)・特命上席主任研究官は「禁煙成功後も安心せずしっかり体調を管理してほしい」と話している。
 チームは10都府県の40~69歳の男女計約5万9千人を1990~2003年の期間で10年間にわたり追跡。喫煙者は男女ともに、たばこを吸わない人と比べて糖尿病を発症するリスクが高い傾向があることが裏付けられた。
 禁煙して5年未満の場合、女性は吸わない人に比べ発症リスクが2・84倍、男性は1・42倍と高いままだった。
 男性を対象とした分析では、禁煙前に吸っていた1日当たりの本数が多いほどリスクは高く、1日25本以上だと2・15倍と判明。また、5年以上禁煙していると、吸わない人と同程度までリスクが下がったという。

ダチョウが花粉症救う? 反応抑える抗体マスクに

共同通信社 2月29日(水) 配信
 ダチョウの卵からスギやヒノキの花粉によるアレルギーを抑える抗体を取り出すことに京都府立大のチームが成功したことが28日、分かった。企業と共同で、抗体を使ったマスクやエアコンフィルターなどを開発し、3月にも販売を始める。
 チームの塚本康浩(つかもと・やすひろ)京都府立大教授(獣医学)は「多くの日本人が花粉症に苦しんでおり、仕事の効率も下がっている。ダチョウが日本の経済を救う」と期待している。
 チームは、神戸市内の施設で飼育しているダチョウが春先にまぶたが腫れたり、涙目になったりすることに着目。40羽の血液を調べると、27羽がスギとヒノキの抗体値が高く「花粉症」であることが判明した。
 この花粉症のダチョウの卵から抗体を抽出。花粉症を引き起こすアレルゲンと一緒にヒトの皮膚に塗ると、アレルギー症状が抑えられたという。ヒトの抗体が反応する前に、ダチョウの抗体がアレルゲンの分子を覆うためと考えられる。
 卵1個から取り出せる抗体は約4グラムで、染み込ませたマスクは4万~8万枚作れる。ダチョウは年に約100個の卵を産むため大量生産でき、哺乳類の抗体を使った場合に比べるとコストも安いという。

肌のアレルギー、黄砂に含まれるニッケルが原因

読売新聞 2月29日(水) 配信
 中国内陸部から飛来する黄砂に含まれるニッケルが、肌のアレルギーを引き起こすことが、鳥取大学医学部の大西一成助教(33)の研究で分かった。
 黄砂の影響で、目や肌のかゆみ、鼻炎、喉の痛みなどのアレルギーを引き起こすことは知られているが、肌のアレルギーがニッケルによる金属アレルギーと実証されたのは初めてという。また、大西助教は、黄砂の飛来経路を特定し、経路によって黄砂に含まれる汚染物質の成分や量も異なることも解明。物質によって引き起こされるアレルギーが異なることから、症状ごとに患者が対策を取れるように、将来、「黄砂予報」が出せるように研究を進めるという。
 鳥取大学では2007年から鳥取砂丘(鳥取市)などの乾燥地についての研究を行っており、大西助教は08年からモンゴルのゴビ砂漠付近などから飛来する黄砂の健康への影響を調査。08年2-5月と09年2-5月、11年10、11月に米子市内の計約100人を対象に黄砂が飛来する日の自覚症状についてアンケートを行った。県衛生環境研究所が分析した黄砂の成分データを基に症状との相関関係を調べたところ、黄砂に含まれるニッケルの割合が多い日は肌のアレルギー症状を起こす人が増えることが判明。黄砂に含まれるニッケルによる金属アレルギーと実証された。この結果をまとめた大西助教の論文は昨年10月、英国の科学雑誌に評価され、掲載された。
 大西助教は「金属アレルギーのある人は、黄砂が飛来した時に肌がかゆくなるなどの症状が出るケースがあるので、黄砂の日は肌の露出を抑え、家に帰ったら洗顔やシャワーを浴びるなどして対策を心がけてほしい」と呼びかけている。
 また、大西助教は黄砂の飛来経路も米航空宇宙局(NASA)の人工衛星による写真などで特定。経路には▽中国の重工業地帯を通る西よりの経路▽ゴビ砂漠を発生源として中国の工業地帯を通る東よりの経路▽ゴビ砂漠から中国の北方を通って朝鮮半島を通る経路--の3パターンがあるとした。重工業地帯を通る黄砂は硫黄酸化物、鉛などの汚染物質が多く、健康への影響が大きいとみられる一方、朝鮮半島を通る経路では、汚染物質は少ないという。
 大西助教と共に黄砂の研究をしている同大学医学部健康政策医学分野の黒沢洋一教授(54)は「経路によってアレルギーを引き起こす汚染物質などが異なるのが分かったので、この研究を基に経路を事前に調べて、細やかな『黄砂予報』が出せるようにして、黄砂で苦しむ人を減らしていきたい」と話している。(大橋裕和)

アイスマン胃腸弱い? ゲノム解読で判明

共同通信社 2月29日(水) 配信
 イタリア北部のアルプスの氷河で見つかった約5300年前の男性のミイラ「アイスマン」は、血液型がO型で瞳は茶色、胃腸が弱かった可能性のあることがゲノム(全遺伝情報)解読で分かった。ドイツやイタリアのチームが、28日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した。
 アイスマンは1991年、凍った状態で発見された。チームは、骨盤の骨からDNAを取り出し解読、血液型と瞳の色を特定した。
 遺伝子の特徴から、乳製品などに含まれる乳糖の消化酵素をつくれず、下痢しやすかったことや、心臓に血液を送る冠動脈の流れが悪くなる病気になりやすい体質だったことが判明。関節炎などを引き起こすライム病の病原体に感染していた痕があり、最古の感染例とみられる。
 現代の欧州に住む人々と遺伝情報を比較したところ、地中海のコルシカ島やサルデーニャ島の人々に特徴が近かった。
 アイスマンについてはこれまでの調査で、左肩下に刺さったやじりによる失血死とみられることや、最後の食事がシカやヤギの肉だったことなどが分かっている。

脱メタボ、4人に1人…1年間の保健指導で

読売新聞 2月28日(火) 配信
 生活習慣病になりやすいメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と判定され、保健師らによる特定保健指導を受けた人を対象に、厚生労働省が行った大規模な追跡調査で、約4人に1人が1年間でメタボ状態を脱していたことが分かった。
 “メタボ健診”は、国の医療費抑制の切り札として、2008年度に導入された。腹囲の基準(男性85センチ以上、女性90センチ以上)、血液検査などをもとに、メタボ、または予備軍と判定。腹囲が基準内でも、血圧などの数値に異常がある人も含め、食事の改善や適度な運動の継続などの保健指導を行う。
 調査は、08年度に保健指導を終えた30万8000人のうち、09年度も健診結果が追跡できた23万3000人が対象。両年度の判定結果を比べたところ、メタボ該当者の割合は08年度の29%から21%に減少。予備軍も49%が31%になった。男女別では、男性のメタボ該当者が32%から24%に、女性は20%から15%に減った。

メタボ健診 肥満以外も指導 血圧や血糖、検査値高めなら対象

毎日新聞社 2月28日(火) 配信
メタボ健診:肥満以外も指導 血圧や血糖、検査値高めなら対象
 メタボリックシンドロームに注目した「特定健診・保健指導」について、厚生労働省の検討会は27日、肥満ではないため現制度では指導対象にならないものの、血圧などが高めの人にも丁寧な情報提供や保健指導の実施が必要と認め、制度を見直す方針に合意した。厚労省は、13年度からの制度見直しに反映させる。内臓脂肪の蓄積を生活習慣病の原因と位置づけ、腹部肥満を保健指導の第1条件としてきた現制度は、大きな転換点を迎える。
 見直しでは、腹部肥満を第1条件とする現制度の枠組みは変えないが、非肥満者への対応を医療保険者や市町村などに追加で求める予定。国内外の研究では、非肥満者でも血圧や血糖などの値が高めの場合、心筋梗塞(こうそく)など心血管疾患の危険性が高まることが分かっている。このため、現制度では抜け落ちてしまう非肥満者への対応が求められていた。
 また検討会は、腎臓病の検査値「血清クレアチニン」を、特定健診の検査項目に加える方向で合意した。慢性腎臓病患者には肥満でない人も多く、現制度では腎機能低下の兆候を見落とす恐れがあった。【永山悦子】

赤痢菌の「毒針」解明 大阪大、治療薬開発に

共同通信社 2月28日(火) 配信
 赤痢菌が人間に感染する時に使う極めて細いタンパク質の「毒針」の構造を、大阪大などの国際チームが解明し、27日付の米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。
 この微細構造の解析は困難だったが、タンパク質をマイナス220度で凍らせ、壊さないまま観察できる低温電子顕微鏡を使って成功した。
 赤痢菌は抗生物質が効かない耐性菌も問題となっている。チームの難波啓一(なんば・けいいち)大阪大教授は「毒針を壊す薬剤を開発できるかもしれない。毒針を標的にする薬剤なら、赤痢菌自体を殺すわけではないので耐性菌も生まれないのではないか」としている。
 赤痢菌は、表面に約100本ある毒針から毒素を出し、人間の腸などの細胞に穴を開けて中に侵入する。
 低温電子顕微鏡で観察した結果、直径7ナノメートル(ナノは10億分の1)、長さ50ナノメートルの毒針は「MxiH」というタンパク質がらせん状に積み重なってできており、毒素が通る直径約1・3ナノメートルの通路があった。
 毒素は細長い形で通路を通り、外に出ると球状に形を変えていた。
 赤痢菌による感染症は発展途上国を中心に発生し、多くの人が死亡している。

脳に行動を制御する新領域 東北大、前頭前野の内側

共同通信社 2月28日(火) 配信
 脳の前頭前野の内側に、行動制御に関わる新たな領域があることを東北大大学院の研究グループがサルの実験で突き止め、27日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。認知症の理解や治療研究への応用が期待できるという。
 研究グループの虫明元(むしあけ・はじめ)教授(生体システム生理学)は「『行動の選択の仕方を選択する』という高いレベルでの意思決定に関わる脳細胞と分かった」とした。
 研究グループによると、サルの頭部に電極を取り付け、緑の光は左ボタン、赤は右を押すよう訓練。実験では、光る場所の左右を入れ替え、それぞれ赤と緑の点灯パターンを組み合わせた。サルはどちらを押すかを随時判断、脳内の活動を調べた。
 その結果、単純な課題ではみられなかった新領域の細胞が活性化していた。サルの行動を解析すると、自らが見いだした複数の行動戦術の使い分けによるものと分かった。

がん検診受診率は50%目標 基本計画、算定年齢に上限

共同通信社 2月28日(火) 配信
 2012年度から5年間の国のがん政策をまとめる「がん対策推進基本計画」について、厚生労働省が検診受診率の目標を「5年以内に50%」と現行の数値を維持する一方、受診率を計算する対象年齢を69歳までに限る方針を27日、民主党厚生労働部門会議の幹部会議に示した。
 これまで上限はなかったが、高齢者の受診率が低いため全体の受診率が20~30%に低迷し、目標とかけ離れていた。次期計画では子宮頸(けい)がん検診の受診率は20~69歳、ほかのがんは40~69歳で算出する。厚労省は「受診率の国際比較は69歳が上限であることや、働く世代の対策の充実を掲げるため」としている。
 厚労省の方針によると、予防や早期発見の鍵となる検診受診率の目標は、死亡率が上昇している乳がんと子宮頸がんは50%とし、胃、肺、大腸のがんは当面40%とする。胃、肺、大腸のがんは10年の受診率が25~32%と伸び悩んでいるが、日常の医療でも検診の検査項目が実施されていることを考慮した。
 厚労省はこれらの数値を盛り込んだ基本計画をまとめ、近く公表する。

(大分)ヒト型スーパー抗体酵素開発

読売新聞 2月28日(火) 配信
ウイルス無害化一定の効果
 体内に侵入した有毒なウイルスなどを無害化する「スーパー抗体酵素」の研究に取り組んでいる大分大の研究グループが、人間への副作用が少ないとされる「ヒト型スーパー抗体酵素」を開発し、実験で一定の効果を上げた。研究成果は、HIVウイルスやがん細胞などへの応用で新たな医薬品の開発に結びつく可能性がある。
 「スーパー抗体酵素」は、体内の特定のたんぱく質に結合する「抗体」と、たんぱく質を分解する「酵素」の両方の特性を備え、人工的に作った高機能分子。同大工学部の宇田泰三教授が名付け、2007年からは全学研究推進機構の一二三恵美、医学部の西園晃の両教授と共同研究を進めている。
 グループはこれまで、HIVウイルス、胃がんなどの要因とされるヘリコバクター・ピロリ菌、花粉症の原因物質などに効果のある「スーパー抗体酵素」を開発。しかし、マウスから精製していることから、人間に投与するとアレルギーを引き起こす問題が指摘されていた。
 そこで、感染すれば致死率100%とされる狂犬病のワクチンを接種した人の血液を元に「ヒト型スーパー抗体酵素」を精製。狂犬病ウイルスとともにマウス10匹に注射して2週間、経過を観察。通常は11日以内に全滅するところ、5匹は生存したままだった。宇田教授は「結果は、ウイルスに対する効果の表れ。今後も研究を重ね、インフルエンザやがんといった関心の高い病気の新薬開発に応用していきたい」としている。

コウモリに新種のインフル 米CDC、中米で発見

共同通信社 2月28日(火) 配信
 【ワシントン共同】コウモリに感染する新種のインフルエンザウイルスを米疾病対策センター(CDC)の研究チームが発見し、米科学アカデミー紀要電子版に27日、発表した。
 人には感染しにくいと考えられるが、研究チームは「他の種類のインフルエンザウイルスと交雑して変異し、人や動物の間で大流行する恐れもある」として、監視強化を呼び掛けている。
 チームは、2009年と10年に中米グアテマラに生息する約300匹を調査。果物を主食とする3匹からウイルスを検出した。
 インフルエンザウイルスは遺伝子の特徴からさまざまな種類に分類され、これまで人やブタ、鳥のほか、イヌやウマ、アザラシ、クジラでも感染が報告されている。
 今回のコウモリのウイルスは、表面のタンパク質をつくる遺伝子の特徴が、これまでに発見されたものとは大きく異なるという。

成人に卵子の幹細胞発見? 減る一方との定説修正か

共同通信社 2月27日(月) 配信
 成人女性の卵巣組織で卵子の元となる「生殖幹細胞」とみられる細胞を見つけ、これが実際に卵子のような細胞をつくることを確かめたと、米マサチューセッツ総合病院と埼玉医大のチームが、26日付の米科学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。
 定説では女性は生まれたときに一生分の卵子を持っており、閉経まで減る一方だとされているが、大人にも新たに卵子をつくる細胞があれば、これに修正を迫るものになる。
 著者の一人ジョナサン・ティリー博士は、2004年に雌マウスの卵巣に生殖幹細胞があるのではないかとの論文で論争の口火を切った。09年には中国のチームが、分離した細胞を不妊マウスに移植し、子どもをつくれたと報告している。
 チームは、まず幹細胞の表面に現れる特定のタンパク質を目印にし、人の卵巣から幹細胞の候補を選別。これを人の卵巣組織片に注入した上でマウスに移植すると、中国チームが実験に使ったマウスの幹細胞とみられる細胞に似た遺伝子の働きが見られた。
 体外で培養すると、卵子のような細胞ができることも確認できた。人の細胞のため、これが本当に卵子かどうか受精させて確かめるなどの実験は倫理面への配慮から行っていない。
 今後、不妊の仕組みや、卵子がつくられる過程の研究などへの利用が考えられるという。埼玉医大で性別適合手術を受けた20~30代の女性6人から摘出された卵巣の組織を、同意を得て今回の研究に使った。

13府県で花粉シーズン突入 「今年は少なめ」予想

共同通信社 2月27日(月) 配信
 気象情報会社「ウェザーニューズ」(東京)は24日、愛知県や大阪府など13府県が同日、花粉シーズンに入ったと発表した。今シーズンの花粉の飛散量は、大量に観測された昨年に比べ3割程度にとどまる地点が多いと予想している。
 ウェザーニューズは花粉の量を測定する観測機を全国千カ所に設置し、花粉の飛散状況を調査。愛知、大阪のほか、福井、山梨、岐阜、静岡、兵庫、和歌山、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本の各県で、花粉に敏感な人に症状が出始めるレベルという。

エイズ患者2番目の多さ 2011年の速報値

共同通信社 2月27日(月) 配信
 厚生労働省のエイズ動向委員会は24日、2011年の1年間にエイズウイルス(HIV)感染に気付かないまま発症したエイズ患者は467人で、過去2番目に多かったと発表した。
 ただし最多だった10年の469人とほぼ同数。今回は速報値のため、確定段階では最多になる可能性があるという。患者を除き、HIV感染が新たに判明した人は1019人だった。
 新規の感染者・患者に占める患者の割合は31・4%で、3年連続で増加した。委員長の岩本愛吉東京大教授は「(患者が増えている傾向は)先進国として恥ずかしい。無症状のうちにHIV抗体検査を受けて感染に気付けば、薬を飲むことで発症しなくてすむ。国民は積極的に検査を受けてほしい」と訴えた。
 昨年1年間に保健所などで実施された抗体検査は約13万1千件で、10年からわずかに増えた。

性モラルの低下で、フリーセックスで感染が止まらない。

ライフワークの口臭研究…肝細胞できた

読売新聞 2月27日(月) 配信
 口臭の主な成分である硫化水素を使って、人間の歯の組織から肝臓の細胞を効率よく作ることに、日本歯科大の八重垣健教授(口腔(こうくう)衛生学)らの研究チームが成功した。
 虫歯の治療で抜いた歯を使って、肝細胞を作製することにつながる成果で、英医学誌に27日発表した。
 硫化水素は、卵の腐ったような臭いがする有害物質。研究チームは、歯の細胞に対する硫化水素の有害性を調べるなかで、細胞の変化を促す働きを発見した。
 研究チームは、歯髄と呼ばれる歯の内部組織から、様々な細胞に変化できる幹細胞を取り出し、化学物質などを添加することで肝細胞の作製に成功。さらに微量の硫化水素を加えたところ、2-4倍効率よく肝細胞に変化した。硫化水素を加えた方が、細胞の形や肝機能も良かった。
 硫化水素が肝細胞に効率よく変化させるメカニズムは、詳しく分かっておらず、今後調べるとしている。
 八重垣教授は「ライフワークの口臭研究が、今回の成果に結びついた」と話している。

鳥フル致死率は過大評価 H5N1、米研究者が指摘

共同通信社 2月24日(金) 配信
 【ワシントン共同】H5N1型の鳥インフルエンザウイルスが人に感染した場合の致死率は約60%と極めて高いとされているが、過大評価の可能性があるとの研究結果を、米マウントシナイ医大の研究チームが23日付の米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
 ただ、実際の感染者数は報告を上回る可能性があるといい、チームは「ウイルスの本当の感染率や致死率を確かめるために大規模な調査が必要だ」としている。
 チームは、鳥インフルエンザが小規模な流行を起こしたインドネシアを含む東南アジアで過去に実施された、住民の血清を調べた20の研究論文を精査した。
 対象となった約1万2700人のうち、1~2%の血清中にH5N1型ウイルスの抗体が見つかった。この抗体を持った人たちは主に、過去に感染はしたが、症状が軽かったか、発症しなかったことを意味する。
 世界保健機関(WHO)は2003年以降、今月22日現在までに、586人が発症し、うち346人が死亡したと発表しているが、無症状や症状が軽い例は患者の数に加えていない。こうした感染者を加えれば、H5N1型の致死率は今より低くなるという。

インフル患者、2週連続減 依然高水準、注意呼び掛け

共同通信社 2月24日(金) 配信
 国立感染症研究所は24日、13~19日の1週間に全国約5千の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は、1機関当たり35・44人となり、2週連続で減少したと発表した。
 41都道府県で前の週より減り、流行はおさまる傾向だが、感染研は「まだ高いレベルにある」と注意を促している。
 この1週間に全国の医療機関を受診した患者数は推計で約175万人。前週は約201万人だった。
 1機関当たりの患者数は、都道府県別では大分が52・26人で最多。次いで埼玉(50・40人)、秋田(48・24人)、千葉(48・09人)、宮崎(45・00人)の順。

歯周病治療で肝機能改善 非飲酒者も発症の脂肪肝炎

共同通信社 2月23日(木) 配信
 飲酒しない人も発症する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者が歯周病菌を保有する割合は健康な人の約4倍と高く、歯周病の治療で肝機能が大幅に改善することを22日までに、横浜市立大や大阪大などの研究チームが突き止めた。
 研究チームによると、歯周病と心臓病や脳卒中との関連は指摘されているが肝炎では初めて。チーム長の中島淳(なかじま・あつし)横浜市立大教授(消化器内科)は「脂肪肝の人は肝炎に進行させないように、口腔(こうくう)内を衛生に保つことが大切だ」と話している。
 NASHは成人男性の3人に1人程度とされる脂肪肝の人のうち、1~2割を占める。進行すると肝硬変や肝臓がんを引き起こし、肥満との関連が指摘されているが、発症メカニズムは解明されていない。
 研究チームがNASH患者102人の歯周病菌を調べたところ、保有率は52%で健康な人と比べて約3・9倍だった。また肥満状態のマウスに歯周病菌を投与すると、3カ月後に肝臓が平均約1・5倍に肥大化。肝炎が悪化するなどした。
 歯周病のNASH患者10人に歯石を除去したり抗生物質で歯茎の炎症を抑えたりして治療した結果、3カ月後には平均すると肝機能の数値がほぼ正常になった。
 研究成果は16日付英医学誌の電子版に掲載された。
※英医学誌はBMCガストロエンテロロジー

肝臓がん治療薬に「+糖尿病薬」で効果向上 ハーバード大チームが確認

毎日新聞社 2月22日(水) 配信
肝臓がん:治療薬に「+糖尿病薬」で効果向上 ハーバード大チームが確認
 効かないケースが多い肝臓がんの治療薬に糖尿病の治療薬を加えたところ、がん細胞を死滅させる効果が向上することを、森口尚史・米ハーバード大客員講師(幹細胞医学)らのチームが突き止めた。併用によって異常細胞が死滅するアポトーシス機能が復活した。肝臓がんは切除しても再発しやすく、手術後の効果的な治療薬になる可能性が期待されている。21日付の英科学誌ネイチャーの姉妹誌サイエンス・リポーツ(電子版)で発表した。
 肝臓がん再発予防薬「非環式レチノイド」(ACR)は効き目が表れない患者が多く、国内では未承認。チームは、米国人患者10人のがん細胞を調べたところ、ACRが効きにくい6人の細胞で、共通の酵素が大量に発生するのを確認した。
 この酵素がACRの効き目に影響しているとみて、酵素の生産を抑える薬剤を検討。糖尿病の合併症治療薬「ゾポルレスタット」をACRと合わせて6人のがん細胞にかけたところ、3日目までに正常な細胞に近い状態になってアポトーシス機能を取り戻し、6日目までに全て死滅した。ACRはがん細胞から排出されやすく、排出を促進する酵素を糖尿病治療薬が抑制したと結論づけた。
 チームは今後、米国内で臨床研究を実施する。森口客員講師は「正常な細胞に影響を与えず、がん細胞のみを死滅することができる。大腸など他のがんでも調べたい」と話している。【須田桃子】

ギャンブルためらう脳 京大解明、依存症治療も

共同通信社 2月22日(水) 配信
 記憶や意欲、覚醒などに関与する脳内の神経伝達物質「ノルアドレナリン」の働きを阻害する物質が少ない人ほど、ギャンブルをするのに慎重になる-。
 こんな実験結果を京都大と放射線医学総合研究所(千葉市)などのチームがまとめ、21日付の米神経科学誌電子版に発表した。ノルアドレナリンが十分に働き「損をするかもしれない...」と、ためらう判断をしたとみられる。
 チームの高橋英彦(たかはし・ひでひこ)京大准教授(精神医学)は「ギャンブル依存症の治療につながる成果。意思決定や情動に問題が出る精神疾患の治療薬開発も期待できる」としている。
 チームは、健常な成人男性19人で、表が出たら「勝ち」、裏なら「負け」のコイン投げで実験した。
 参加すると2500~1万5千円の間の4段階の金額で損する恐れがあるが、勝てば、損する額の最大10倍を得られると設定。勝った場合、負けた場合の何倍の金額を得られるのかを基準に、参加するかどうかを判断してもらった。
 実験後、脳内を陽電子放射断層撮影装置(PET)で計測。放出されたノルアドレナリンの阻害物質「ノルアドレナリントランスポーター」が少ない人ほど、高額の勝ち金が見込めないと参加しない傾向があった。
※米神経科学誌はモレキュラー・サイキアトリー

東日本大震災 避難所の高齢者、1カ月で6割に生活機能低下

毎日新聞社 2月22日(水) 配信
東日本大震災:避難所の高齢者、1カ月で6割に生活機能低下
 東日本大震災から1カ月で、被災地の避難所で過ごす高齢者の6割に歩行困難などの生活機能低下が起きていたことが、大川弥生・国立長寿医療研究センター生活機能賦活(ふかつ)研究部長と地元自治体の調査で分かった。日常生活レベルの身体活動をしていれば防げたはずの生活機能が低下したことは、今後の被災地支援の課題になりそうだ。22日、金沢市で開かれている日本集団災害医学会で発表する。
 調査は昨年4月、仙台市の避難所4カ所で実施。65歳以上で、要介護認定を受けていない102人を対象に、歩行や段差の移動などについて震災前との比較を聞いた。
 その結果、何らかの身の回りの活動が困難になったと答えた人が63%に達した。具体的に低下していたのは複数回答で歩行(47%)、床からの立ち上がり(35%)、段差の昇降(25%)などだった。
 また、昨年5月、宮城県南三陸町の避難所35カ所で141人を対象に実施した同様の調査でも、42%で生活機能が低下していた。
 災害後の生活機能低下は新潟県中越地震(04年)で確認された。避難所での暮らしは、身体を動かす機会が減るため、心肺機能や筋力が落ち、精神状態にも悪影響を及ぼし、「生活不活発病」と呼ばれている。散歩、食事や洗濯といった普段の活動を心がけることが予防にもつながるといい、チームは各避難所で機能低下した人に身体活動を増やすように助言し、追跡調査を進めている。
 大川部長は「東日本大震災では、これまでにない大規模な生活機能低下が起きた。災害直後から被災者の生活機能低下を防ぐ仕組みを作ることが必要だ」と話す。【永山悦子】

人の子は顔色見て育つ 京大、チンパンジーと比較

共同通信社 2月22日(水) 配信
 チンパンジーと違って人間の乳児は、他者の顔色を見ながら人の行為を理解し、物事を学んでいく-。京都大の明和政子(みょうわ・まさこ)准教授(発達科学)らのチームが、こんな研究結果を21日付の英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。
 明和准教授は「顔色を見ながら学ぶ能力は、人とチンパンジーが進化の道を分けた後に、人が独自に獲得した可能性がある。複雑な社会的環境に適応した学びのスタイルだと考えられる」としている。
 チームは、女性がペットボトルに入ったジュースをコップに注ぐ動画を、生後8カ月と1歳の乳児のほか、5~12歳のチンパンジーに見せて視線の動きを調べた。人間では小学生から高校生に相当する年齢という。
 乳児が女性の顔を長時間見ていたのに対し、チンパンジーの視線はペットボトルなどの物に集中し、ほとんど顔は見なかった。
 人間は、顔と物の情報を合わせ、目的を予測して他者の行為を理解していると考えられ、明和准教授は「赤ちゃんは顔を一生懸命見て、心の状態を読み取ろうとする。行為の表面的な部分だけではなく、心の状態と照らし合わせ、次の展開を予測するように発達していく」と話している。

骨粗しょう症治療に道 松本歯科大など、骨破壊のたんぱく質特定

毎日新聞社 2月21日(火) 配信
骨粗しょう症:治療に道 松本歯科大など、骨破壊のたんぱく質特定
 松本歯科大(長野県塩尻市)などの研究チームは、体内の特定のたんぱく質の働きによって骨の損傷が進むことが分かったと発表した。マウス実験で、そのたんぱく質の働きを抑える物質を投与すると、骨の劣化が止まった。応用することで、骨粗しょう症などの治療薬の開発に役立つ可能性があるという。
 同大総合歯科医学研究所の小林泰浩准教授によると、このたんぱく質は、骨を作る骨芽(こつが)細胞が分泌する「Wnt5a」。
 実験でマウスの体内にWnt5aが増えると、骨を壊す破骨(はこつ)細胞が増殖した。その際、Wnt5aが破骨細胞内の別のたんぱく質「Ror2」と結合して破骨細胞を形成していた。
 このため、Wnt5aと結合しやすい別の人工たんぱく質を関節リウマチ体質のマウスに投与。結果、Wnt5aはRor2より先に、この人工たんぱく質と結合し、破骨細胞は増殖せず、損傷を食い止めたという。
 実験結果をまとめた論文は19日の米科学誌「ネイチャーメディシン」電子版に掲載された。
 小林准教授は「将来的には、がんの骨転移や歯槽膿漏(のうろう)などの治療にも応用できることが期待される」と述べた。【古川修司】

遺伝子欠損で脳室拡大 アルツハイマー病解明も

共同通信社 2月23日(木) 配信
 アルツハイマー病や白血病との関連が注目されている「CALM」(カルム)という遺伝子が欠損すると、脳室の拡大や脳皮質の萎縮が起きることを奈良女子大大学院(奈良市)の大学院生鈴木麻衣(すずき・まい)さんと渡辺利雄(わたなべ・としお)教授(分子生物学)が初めて発見し、22日発表した。
 渡辺教授は「これらはアルツハイマー病の症状の一つ。発症の仕組みの解明につながる成果」としている。
 鈴木さんらはCALM遺伝子が働かないマウスを作製。すると脳室の拡大や、脳皮質の萎縮が見られた。また通常のマウスよりも小さく、ひどい貧血の症状があったほか、赤血球の減少や形態異常があった。
 CALM遺伝子は細胞内外の物質輸送に関わり、輸送が正常に行われないと細胞内で滞留が生じ、アルツハイマー病や白血病になるのではないかと考えられている。
 今回の研究で、赤血球を作るのに重要な遺伝子であることも分かった。
 成果は米科学誌プロスワン電子版に発表した。

長寿遺伝子、哺乳類でも効果…なぜかオスだけ

読売新聞 2月23日(木) 配信
 酵母で発見された長寿遺伝子「サーチュイン(Sirt)」の働きを高めると、マウスのオスで寿命が延びることを、イスラエルの研究チームが突き止めた。

 哺乳類でSirtの寿命延長効果を確認したのは初めて。詳しい仕組みがわかれば、健康長寿に役立つと期待される。23日付の英科学誌ネイチャーに発表する。
 Sirtの仲間の遺伝子は、人間を含む多くの生物が持ち、線虫やショウジョウバエでは寿命延長効果があるとされる。しかし、効果を疑問視する結果も最近発表され、議論が活発になっている。哺乳類は7種類のSirtを持つが、寿命を延ばす効果は確認されていなかった。
 同国バール・イラン大学の研究チームは、このうち欠損すると加齢症状に似た異常が出るSirt6に注目。遺伝子組み換え技術で、この遺伝子の働きを高めたマウスを2系統作成し、寿命の変化を調べた。オスのマウスでは、平均寿命がそれぞれ14・8%と16・9%延びた。しかし、メスでは効果は見られなかった。

精子と卵子出会いの酵素 大阪大発見、不妊治療も

共同通信社 2月21日(火) 配信
 精子が卵管を通り、受精のために卵子と出会うのに必要なタンパク質を作る酵素を、大阪大のチームがマウスで突き止め、20日付の米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。
 伊川正人(いかわ・まさひと)大阪大准教授は「人間の不妊は原因不明なことが多いが、この酵素が異常となっている可能性がある。治療や診断薬を開発できるかもしれない」としている。
 チームの徳弘圭造(とくひろ・けいぞう)大阪大特任研究員らは、精子のもととなる精細胞で働き、他のタンパク質の立体構造を作る酵素「PDILT」に着目。遺伝子操作でこの酵素を持たないマウスを作製したところ、精子が他の細胞とくっつくのに必要なタンパク質「ADAM3」ができなくなった。
 このマウスは正常に交尾し、精子の見た目や運動性に異常はなかった。だが精子は雌の卵管を通れず、4匹の雄を計31回交尾させても一度も妊娠しなかった。通常のマウスの妊娠率は90%以上。卵管の卵子付近に精子を直接注入すると妊娠した。精子が卵管の壁にくっつけないため通れなくなったとみられる。
 PDILTの働きを抑える薬ができれば、人口爆発が問題となっているアフリカや、ペットなどで避妊にも役立つ可能性があるという。

パーキンソン病 ES細胞で改善 京大、サルで世界初

毎日新聞社 2月22日(水) 配信
パーキンソン病:ES細胞で改善 京大、サルで世界初
 京都大再生医科学研究所の高橋淳准教授(神経再生学)らは21日、ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)から作成した神経細胞をパーキンソン病のサルの脳に移植し、症状を改善させるのに世界で初めて成功したと発表。米国の専門誌・ステムセルズ電子版に掲載された。
 ラットなどで改善した研究はあるが、霊長類では初めて。同グループは人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った神経細胞をサルに移植し、機能させることにも成功している。3~5年後をめどに、患者から作ったiPS細胞を本人に移植する臨床試験を目指す。
 パーキンソン病は神経細胞が減ることで脳内の神経伝達物質「ドーパミン」が不足し、手足が震えたりする進行性の難病。日本に約14万人の患者がいる。薬で症状を抑えても根本治療にはならず、神経細胞の移植などが期待されている。
 研究グループは、ヒトES細胞から42日かけて作った神経細胞をパーキンソン病のカニクイザル4頭に約1000万個ずつ移植し、1年間観察した。3カ月目から手足の震えが収まったり、ほとんど動けなかったサルがゆっくり歩けたりするなど、症状が改善した。効果は1年後も続き、移植細胞がドーパミンを作っていることも確認された。【榊原雅晴】

「節食」遺伝子欠け、高脂肪食で肥満リスク 京大発表

毎日新聞社 2月20日(月) 配信
肥満:「節食」遺伝子欠け、高脂肪食でリスク 京大発表
 特定の遺伝子が損なわれると、脂肪のとりすぎによる肥満リスクが高まることを京都大の辻本豪三教授(ゲノム創薬科学)らが突き止めた。遺伝的に太りやすい人の診断や、肥満予防薬の開発などにつながるという。20日付の英国の科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 「GPR120」という遺伝子が、食べ物に含まれる脂肪酸を感知して、インスリン分泌を促したり、食欲を抑えたりする働きに関係することが既に知られている。研究グループはこの遺伝子を壊したマウスと通常のマウスそれぞれ数十匹ずつに低脂肪(13%)と、高脂肪(60%)の餌を与え、16週間飼育して比較した。
 低脂肪食のマウスの体重は共に平均約30グラムでほとんど差はなかった。高脂肪食の通常マウスは同約40グラムだったが、遺伝子欠損マウスは同約44・4グラム。特に肝臓の重量は欠損マウスの方が約70%も重く、中性脂肪の多い脂肪肝だった。
 さらにフランスの研究所が持つ欧州人約1万4600人の遺伝情報を肥満度別に解析。肥満グループの2・4%にGPR120の変異(機能低下)があったが、非肥満グループでは変異は1・3%だった。辻本教授は「西洋型の高脂肪の食生活と遺伝子の機能低下が重なると、肥満や糖尿病のリスクが高まる」と話している。【榊原雅晴】

[家計調査] 平成23年の消費支出、総世帯で前年に比べ1.7%減少  家計調査

厚生政策情報センター 2月20日(月) 配信
家計調査報告[家計収支編]―平成23年平均速報結果の概況―(2/17)《総務省》
  総務省は2月17日に、「家計調査報告[家計収支編]―平成23年平均速報結果の概況―」を公表した。
  報告書によると、平成23年の消費支出は、総世帯で前年に比べ実質1.7%の減少、2人以上の世帯で実質2.2%の減少、単身世帯で実質0.4%の減少となった(p1参照)(p17参照)。
  総世帯の消費支出を費目別にみると、交通・通信、教養娯楽が減少に多く寄与している(p1参照)(p21-p22参照)。うち、保健医療は実質2.0%増加している(内訳としては、保健医療サービスは0.05%、医薬品は0.03%と増加、保健医療用品・器具は0.01%減少)(p23参照)。
  勤労者世帯の家計では、平成23年の実収入は前年に比べて実質1.7%の減少。世帯構成人数別に見ると、2人以上世帯では実質1.7%の減少、単身世帯では実質0.8%の減少となっている(p2参照)(p27-p28参照)。
  勤労者世帯の可処分所得(実収入から直接税、社会保険料などの非消費支出を差し引いた額)の四半期ごとの推移を原因別にみると、平成23年は実収入の減少の寄与が非消費支出の増加の寄与を上回ったことなどから、可処分所得は全ての四半期で実質減少。平均消費性向要因も、1-3月期および7-9月期で消費支出の減少に寄与したことから、全ての四半期で実質減少となった。3月の東日本大震災が大きく影響している結果だ。ほか、税・社会保険等関係の事象として、(1)健康保険(協会けんぽ)料率の引上げ(3月)(2)介護保険第2号保険料率の引上げ(3月)(3)厚生年金保険料の引上げ(9月)―などの影響があげられる(p2参照)(p29-p31参照)。
  世帯属性別では、2人以上の世帯のうちで消費支出の対前年実質増減率をみると、30歳未満の世帯を除く各階級で実質減少、単身世帯では35歳未満は男女共に実質増加となった(p4参照)(p39-p43参照)。また、世帯主が高齢無職の世帯(世帯主が60歳以上の無職世帯)の可処分所得は、実収入の約9割を占める公的年金などの社会保障給付が実質減少となったことなどから、前年対比実質0.7%の減少。ちなみに世帯主が60歳以上の世帯に占める無職世帯の割合は68.3%で、前年対比0.5ポイントの上昇となっている(p5参照)(p51-p55参照)。
  また、資料2として平成23年10-12月の家計調査報告[家計収支編]を付した(p71-p88参照)。
資料1 P1~P70(1.0M)
資料1 P71~P88(1.9M)
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ぐしゃっと集まり染色体に 生命設計図の定説覆す

共同通信社 2月20日(月) 配信
 DNAが規則正しく束ねられてできていると思われていた人の染色体が、実はかなり「いいかげん」につくられていることを国立遺伝学研究所(静岡県)の前島一博(まえしま・かずひろ)教授らのチームが突き止め、17日付の欧州分子生物学機構専門誌に発表した。
 DNAは不規則にぐしゃっと集まった状態で、「X」のような形の染色体に収納されているらしい。生命の設計図をめぐり、高校の教科書にも載っている定説を覆す成果という。
 1970年代にノーベル賞学者らによって提唱された定説によると、ひも状のDNAは、まず糸巻きのような形のタンパク質に巻き付き、それが次々と規則的に折り畳まれ、染色体をつくる。
 ところが、チームが大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)で、染色体の内部構造を解析したところ、きちんと折り畳まれていれば観察できるはずの構造が、存在しないことが判明。DNAは不規則に凝縮していると判断した。
 折り畳まれなくても、染色体の中心部にあるタンパク質が骨格の役割をして、Xの形状を保っているとみている。
 前島教授は「DNAは合理的に、少ないエネルギーで集まり染色体をつくっているのだろう」と話している。

握力が強いほど長生き、循環器病発症も低リスク

読売新聞 2月20日(月) 配信
 握力が強いほど長生きする傾向があることが、厚生労働省研究班(研究代表者=熊谷秋三・九州大教授)の約20年間にわたる追跡調査で明らかになった。
 死亡リスクだけでなく、心臓病や脳卒中といった循環器病の発症リスクも下がっていた。健康状態を表す指標として、握力が使える可能性があるという。
 調べたのは、福岡県久山町在住の2527人(男性1064人、女性1463人)。男女別に握力が弱い順から人数が均等になるように各4組に分け、年齢や飲酒状況などを補正し、死亡原因との関係を調べた。握力の最も弱い組(男性35キロ・グラム未満、女性19キロ・グラム未満)を基準に各組を比べたところ、男女とも握力が強いほど死亡リスクが下がる傾向があった。最も握力の強い組(男性47キロ・グラム以上、女性28キロ・グラム以上)の死亡リスクは、最も弱い組より約4割も低かった。

インフル流行、峠越えか 患者減少、まだ高水準

共同通信社 2月17日(金) 配信
 国立感染症研究所は17日、2月6日から12日の1週間に全国約5千の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は、1機関当たり40・34人となり、前の週の42・62人から減少したと発表した。30都府県で前週より減少しており、全国的には今シーズンの流行のピークを越えたとみられる。
 ただ、依然として全国平均で40人を超える高水準。大分や秋田などで前週の1・3~1・4倍に急増したほか、九州地方は熊本と宮崎以外は増えている。
 検出されたウイルスはA香港型がほとんどだが、2~3月に地域的にB型が流行することもあるため、警戒が必要だ。
 この1週間に全国の医療機関を受診した患者数は推計で約201万人。前週は約211万人だった。
 1機関当たりの患者数は、都道府県別では、大分が60・88人で最多。次いで石川(53・92人)、岩手(52・63人)、宮崎(52・15人)、鹿児島(52・09人)の順。ほかに埼玉(50・04人)と秋田(50・00人)で50人以上となった。
 推計患者は、年代別には5~9歳が約52万人(約26%)、0~4歳と10~14歳がそれぞれ約31万人(約15%)と子どもが6割近くを占める。

インフル対策かテロ対策か WHO、研究の在り方議論

共同通信社 2月17日(金) 配信
 【ジュネーブ共同】米政府が日欧の科学者による鳥インフルエンザ研究論文の一部削除を求めた問題で、世界保健機関(WHO)は16日、ジュネーブで国際会議を開催した。2日間の日程。
 新型インフルエンザに関する研究成果を共有するため、積極的に情報公開すれば、生物テロの危険が拡大する恐れがある。会議では、これらの兼ね合いをどう付けるかが焦点となる。
 米政府は2001年の中枢同時テロ直後に国内で起きた炭疽(たんそ)菌事件を背景に、生物テロ対策を重視。一方、WHOは09年の新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)の再発を防止するため、研究成果の共有に重きを置いている。
 WHO総会は昨年、インフルエンザワクチンを迅速に開発するため、ウイルス検体を国際社会が共有する枠組みに合意した。感染者が多い発展途上国からウイルス検体の提供を受ける見返りに、製薬業界がワクチンを製造して途上国に優先的に配分、情報を共有する。テロ対策を重視して情報閲覧が制限されれば、途上国からの反発を招きかねない。
 16日からの会議には論文を科学誌に投稿した東京大医科学研究所の河岡義裕(かわおか・よしひろ)教授らウイルス研究の専門家のほか、米当局者が出席。双方の立場から意見を聴取することで、緊急対応の必要性の有無を検討する。
 生物テロ防止に関しては、生物兵器禁止条約の加盟国間でも議論が進められている。昨年12月には、ジュネーブで開かれた条約運用検討会議で、鳥インフルエンザウイルスなどウイルス検体の管理体制を念頭に、専門家会合を開くことで合意した。

「うつ」誘発、たんぱく質特定…新薬開発に期待

読売新聞 2月17日(金) 配信
 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所(春日井市)は、体内のたんぱく質の一種に、恐怖や不安の増幅、ストレスによる活動低下など、うつ症状を誘発する働きがあることを突き止めた。
 この働きを抑制する化合物をマウスに投与したところ、抗うつ薬を投与した場合と同様の効果も確認できたといい、同研究所は「うつ病の解明や新薬の開発につながる」としている。研究成果は米・学術誌「プロスワン」に掲載された。
 このたんぱく質は「HDAC6(ヒストン脱アセチル化酵素6)」。同研究所はマウスを使った実験で、うつ病や自閉症と関連があるとされる脳内神経細胞に多く含有されることを発見した。さらに、HDAC6をなくしたマウスは、普通のマウスと比べ、慣れない環境に置かれても活発に行動し、不安や恐怖を感じにくくなることも分かった。

脳卒中防ぎ、1日8千歩 「健康寿命」を重視 厚労省が次期健康計画

共同通信社 2月16日(木) 配信
 厚生労働省は15日、2013~22年度の第2次「健康日本21」計画の素案をまとめ、専門委員会で公表した。2000年にまとめた現行計画を引き継ぐもので、脳卒中や心臓病の死亡率を減らし、1日の歩数を8千歩以上に増やす内容。介護を必要とせず元気に過ごせる「健康寿命」を重視する考えも打ち出した。
 少子高齢化が進む中、生活習慣病の予防に取り組む必要性が今後さらに高まるとし、専門委の議論を経て夏までに最終的な目標数値をまとめる。
 素案によると、脳卒中の10万人当たりの年間死亡率を、男性は10年の49・5人から23年には37・7人に、女性は26・9から23・1に減らす。心臓病の死亡率は、男性が36・9から23年に28・9、女性は15・3から12・8とする。
 1日の平均歩数は、男性が10年の7136歩から8500歩、女性が6117歩から8千歩を目標とする。70歳以上では、男性が4890歩から6千歩、女性が3872歩から5千歩。
 健康寿命は現在70歳前後で、平均寿命を上回る延びを目指す。健康寿命は都道府県により3~4年程度の格差があり、縮める必要があるとした。
 食塩の摂取量を1日10・7グラム(09年)から8グラムに減らし、逆に野菜や果物は50グラムずつ増やす。喫煙率は19・5%(10年)から12・2%に下げる。
 がん死亡率は、次期がん対策推進基本計画に合わせて設定するとし、具体的数値は盛り込まなかった。

無花粉スギ花粉症に効果? 全国初、富山県が開発 苗、今秋出荷

毎日新聞社 2月14日(火) 配信
無花粉スギ:花粉症に効果? 全国初、県が開発 苗、今秋出荷 /富山
 ◇愛称は「立山 森の輝き」
 県が全国で初めて開発した無花粉スギの苗が今秋から本格出荷されることになった。苗の愛称も「立山 森の輝き」に決定。今秋の出荷本数は5000本だが、今後生産体制を強化し、2014年には1万本に増やす計画。普及すれば「国民病」とされる花粉症対策にも効果が期待される。【岩嶋悟】
 無花粉スギは、92年に県が全国で初めて発見。96年には一対の劣性遺伝子により雄花の中の花粉が正常に成長しない仕組みを発見した。その後、県森林研究所が09年から全国で初めて種子から無花粉スギの大量生産に着手。無花粉スギの雌花に、無花粉の遺伝子を持ち、材木の原木として優れた性質を持つスギの花粉を交配させると50%の確率で無花粉スギになる。さらにその中でより品質に優れたものを選別し、出荷する。今秋出荷分の苗5000本は標高300メートル以下の人工林伐採跡地に植栽する予定で、今後、生産体制を強化していく。
 県の森づくりプランの後期計画では、無花粉スギを40ヘクタールに8万本の植栽を予定している。県森林政策課は「短期では効果が表れないかもしれないが、無花粉スギが全国に普及すれば、将来的には花粉症対策に何らかの効果があるかもしれない」としている。

脳フィルターで目くっきり カメラ開発に応用も

共同通信社 2月15日(水) 配信
 目から脳への情報伝達の中継点にあるシナプス(神経細胞の接合部)がフィルターのような役割をして必要な視覚情報を取捨選択し、脳が「くっきり」とした整合性のあるイメージをつくり出していることを、愛知県岡崎市の自然科学研究機構生理学研究所の松井広(まつい・こう)助教(神経生理学)らの研究チームが突き止め、15日、米科学誌電子版で発表した。
 松井助教は「中継点にあるシナプスの役割解明で、より人間に近い高い画像情報処理機能を持ったカメラ開発に応用できる可能性もある」と話している。
 目から入った情報は視神経から大脳皮質に送られる途中で、脳の中心部の視床という部位で中継される。研究チームは、この中継点にあるシナプスに着目した。
 研究チームによると、中継点には無数の視神経が集積しているが、それぞれにシナプスが5~30個程度並んでいた。そのうちの複数に視覚情報が入力されると、そこから神経伝達物質のグルタミン酸が放出。周囲のシナプスに漏れ出して弱い刺激を与え、周囲のシナプスの反応を低下させることが分かった。
 この作用により、立て続けに視覚情報が入ってきても一部だけが強調され、その他の情報を取り除き鮮明にするという。
※米科学誌はジャーナル・オブ・ニューロサイエンス

心臓発作患者の幹細胞で心筋再生、損傷を半分に

読売新聞 2月14日(火) 配信
 【ワシントン=山田哲朗】心臓発作を起こした患者から心筋のもとになる幹細胞を採取、培養したうえで心臓に戻し、心筋を再生する臨床試験に米研究チームが成功した。
 英医学誌ランセットで13日、発表した。
 臨床試験は、シダーズ・サイナイ心臓研究所(カリフォルニア州)とジョンズホプキンス大学病院(メリーランド州)で17人の患者を対象に行われた。患者の首の静脈からカテーテル(細長い管)を挿入して心臓組織の小片を採取。研究室で幹細胞を1200万~2500万個に増やしてから、冠動脈に注入した。治療後1年で、心筋の損傷部が半分に縮小する効果があった。
 これまで、心筋組織はいったん壊死(えし)すると再生は難しいとみられてきた。研究チームは「心臓発作を起こした患者の治療法が変わる可能性がある」と期待している。

国民に「マイナンバー」 納税、年金を管理 共通番号法案を閣議決定 情報漏えいに罰則

共同通信社 2月14日(火) 配信
 政府は14日、国民一人一人に番号を割り振って納税実績や年金などの情報を管理する共通番号制度を導入する「個人識別番号法案」を閣議決定した。番号に「マイナンバー」という名前を付け、2015年1月の利用開始を想定している。個人情報の保護に向け、行政組織などを監視する第三者機関の設置や情報漏えいに対する罰則を盛り込んだ。
 政府は社会保障と税の一体改革に関連し、共通番号制を消費税増税に伴う低所得者対策に活用することも検討。番号制を使い、所得をより正確に把握することで、低所得者に所得税を払い戻したり、給付金を支給したりする「給付付き税額控除」の導入につなげたい考えだ。
 古川元久経済財政担当相は14日の閣議後の記者会見で「社会保障の仕組みを大きく変え、真に必要な社会保障給付を行うためのインフラだ」と意義を強調。情報漏えいへの懸念には「法案化でより具体的な説明もできるので、国民のさまざまな不安の解消につながっていくと思う」と述べた。
 番号制は、所得や社会保障の受給実態を把握し、個人や世帯の状況に応じた社会保障給付を実現することが目的。年金の受給手続きの簡略化や、災害時の金融機関による被災者への保険金支払いなどにも活用できるようにする。
 個人情報の漏えいを防ぐため、法案では第三者機関に国や自治体などへの立ち入り検査を認めるなどの強い権限を与えた。情報漏えいに関わった行政職員らに最高で4年以下の懲役、または200万円以下の罰金を科すとした。
 ただ、内閣府が実施した世論調査では、8割以上が制度の内容を「知らない」と答え、周知の低さが浮き彫りになっている。
※共通番号制度
 国民一人一人に番号を割り振り、納税実績や年金などの情報を政府が一体的に管理できるようにする仕組み。社会保障の負担と給付の公平性を保つため、正確な情報を把握するのが狙い。スウェーデンや米国に似た仕組みがあり、日本でも自民党政権時代から導入を検討してきた。民主党政権は、年金保険料と税金を一体的に徴収する「歳入庁」の創設も視野に入れている。

骨髄バンク設立20年 ドナー登録40万人到達 「一人でも多く」目標に 「医療新世紀」

共同通信社 2月14日(火) 配信
 骨髄バンクを運営する骨髄移植推進財団が昨年12月、設立20周年を迎えた。白血病などの患者を救おうと、骨髄提供者(ドナー)として登録している人は昨年末現在で40万人に到達、移植を受けた患者は累計で1万3700人を超えた。だが、それでもなお適合ドナーが見つからず、移植を受けられないまま亡くなる患者が数多くいる。「一人でも多くドナー登録を」。財団の普及啓発への取り組みが続く。
 ▽病名告知 埼玉県に住む木村千加子(きむら・ちかこ)さん(39)が急性骨髄性白血病と診断されたのは、高校を卒業して就職した1991年のことだった。春から体のだるさを感じていたが、慣れない生活で疲れがたまっているのだと思っていた。
 12月、脚のむくみで大学病院を受診し病気が判明。すぐに入院治療が始まったが「白血病の告知はなく、貧血という説明でした」。しかし、吐き気や高熱、脱毛などの副作用に「これは貧血じゃない」と気づいた。
 93年春、病名告知とともに骨髄移植のドナーが見つかったことを知らされた。その1年ほど前、主治医は発足後間もない骨髄バンクに木村さんを患者登録していた。
 「治療途中で亡くなる方をたくさん見ました。ドナー登録者数も少なかった当時、短期間で見つかったのは本当に運が良かった」。化学療法で寛解(症状が落ち着き安定した状態)にこぎ着けていたため迷ったが、運命の後押しを感じ、移植に踏み切ったという。
 ▽啓発活動
 財団によると、92年1月のドナー登録開始から昨年末までの登録者の累計は52万7023人。ここから年齢制限の55歳を迎えて登録取り消しとなった人や、病気などで登録を継続できなくなった人を除いた現在数が40万972人となった。
 この間、3万4642人(累計)が患者登録を行い、1万3713人(同)が移植を受けた。
 財団の大久保英彦(おおくぼ・ひでひこ)広報渉外部長は、2005年7月1日の出来事を鮮明に思いだす。「朝から電話が鳴りっぱなしで、4本あるフリーダイヤルの回線はずっとふさがった状態でした」。元サッカー日本代表の井原正巳(いはら・まさみ)さんを起用したACジャパン(旧公共広告機構)の啓発キャンペーン「メンバーが、足りない」が始まり、テレビの視聴者らからドナー登録についての問い合わせが殺到したのだ。
 ほかにも白血病で亡くなった女優の夏目雅子(なつめ・まさこ)さん、歌手の本田美奈子(ほんだ・みなこ)さんなど、有名人を前面に出した啓発活動が展開されてきた。さらに献血会場での登録受け付けや登録要件の緩和など、さまざまな方策でドナー登録増加が図られてきた。
 ▽新たな移植
 移植を希望する患者の9割以上に、少なくとも1人以上のドナーが見つかるようになった。しかし、ドナー側の都合が悪かったり病院の受け入れ態勢が整わなかったりして、実際に移植に至るのはこのうちの6割程度にとどまるという。また、HLA(白血球の型)が珍しいタイプのため、どうしても適合ドナーが見つからない患者もいる。
 「骨髄だけでは限界」と大久保さん。そこで10年10月に導入されたのが、血液のもとになる造血幹細胞を健康な人の血液から採取、移植する「末梢(まっしょう)血幹細胞移植」だ。骨髄移植に比べてドナーの体の負担が少ないなどの利点がある。現在、実施施設は全国に33施設。まだ2例しか行われていないが、ドナーを増やす効果など、患者のチャンス拡大が期待されている。
 移植から18年余り、木村さんはいま、看護師として元気に働いている。「多くの方々の助けがありました。私も誰かの力になろうと、看護師の道を選びました。ドナー登録がさらに増え、すべての患者さんが救われるよう願っています」と話した。

15%が慢性疼痛 「医療新世紀」

共同通信社 2月14日(火) 配信
 18歳以上の15%は慢性疼痛(とうつう)を持っている-。慶応大医学部の戸山芳昭(とやま・よしあき)教授らのグループが実施したインターネット調査で、こんな結果が出た。
 調査は全国から無作為に抽出した1万1507人を対象に実施。その結果、全体の15・4%が筋骨格系の慢性疼痛を持っており、特に働き盛りの30~50代で多いことが分かった。痛みの部位は腰が65%と最も多く、55%の頸部(けいぶ)と肩、さらに26%の膝と続いている。
 また、慢性疼痛を持っている人の42%が何らかの治療を求めているが、そのうち医療機関を受診している人は19%にすぎなかった。治療法で多いのはマッサージ、次いで薬物療法、理学療法、はり・きゅうの順だった。

インフルエンザ患者、211万人に 05年に次ぐ流行、9割A香港型

毎日新聞社 2月11日(土) 配信
インフルエンザ:患者、211万人に 05年に次ぐ流行、9割A香港型
 国立感染症研究所は10日、1月30日~2月5日の1週間に全国約5000カ所の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者は1医療機関あたり42・62人(前週35・95人)で、過去10年間では05年の同50・07人に次いで2番目に多くなったと発表した。
 定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者は推計約211万人(前週約173万人)。警報レベル(1医療機関あたり30人)を超えている地域は前週の285カ所(42都道府県)から369カ所(47都道府県)に広がった。検出された約9割はA香港型。
 都道府県別では、福井64・41人、岩手58・98人、石川55・65人の順。36都道府県で前週より増えたが、早く流行を迎えた愛知、三重など11県で減少した。休校や学級閉鎖に追い込まれた保育所や幼稚園、小中高校は8578施設で、昨年同期の約2倍に達している。厚生労働省結核感染症課は「A香港型を主とする流行は5年ぶりで、免疫を持たない子供を中心に広がった可能性がある」と話している。【佐々木洋】
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 ◆都道府県別の1医療機関あたりの患者数(人)
 ※1月30日~2月5日、国立感染症研究所調べ
北海道 42.15
青森  42.18
岩手  58.98
宮城  26.17
秋田  35.09
山形  44.29
福島  46.95
茨城  35.39
栃木  36.22
群馬  18.41
埼玉  50.94
千葉  50.84
東京  45.20
神奈川 48.86
新潟  23.27
富山  34.21
石川  55.65
福井  64.41
山梨  37.83
長野  41.42
岐阜  36.15
静岡  50.83
愛知  47.38
三重  39.78
滋賀  38.09
京都  41.57
大阪  44.81
兵庫  42.46
奈良  41.45
和歌山 37.22
鳥取  29.76
島根  21.84
岡山  30.51
広島  35.94
山口  51.64
徳島  45.58
香川  45.82
愛媛  37.25
高知  54.21
福岡  42.66
佐賀  31.87
長崎  24.33
熊本  44.93
大分  45.67
宮崎  55.36
鹿児島 47.74
沖縄  32.52
全国  42.62

白血病をワクチン治療へ 大阪大、今月中にも 国内初の臨床研究

共同通信社 2月13日(月) 配信
 成人T細胞白血病(ATL)を患者自身の免疫力を使って治すワクチン治療の臨床研究の実施を、大阪大の医学倫理委員会が承認したことが10日、大学への取材で分かった。大阪大免疫学フロンティア研究センターと大阪大病院が今月中にも、食道がんや悪性黒色腫などと共に実施する。
 同センターの坂口志文(さかぐち・しもん)教授によると、ATL患者をワクチンで治療する臨床研究は国内初。
 坂口教授は「体の免疫を利用するので、患者の負担が小さく副作用も少ない。高齢者でも安全で有効な治療法となる可能性がある」としている。
 ATLは免疫に関わる「制御性T細胞」がウイルスにより、がん化。感染者の約5%が発症する。感染者は国内で120万人、世界で1千万~2千万人とされる。
 発症すると免疫力が落ち、国内では感染症などで毎年約千人が死亡している。平均発症年齢は60歳で、有効な治療法の骨髄移植が高齢のため実施できないことも多い。
 坂口教授と西川博嘉(にしかわ・ひろよし)特任准教授らは、患者のうち約6割でみられるがん化したT細胞に特徴的なタンパク質「NY-ESO-1」に着目。通常、がん細胞には免疫が働かないが、このタンパク質をもつT細胞には免疫が働くことを突き止めた。
 このタンパク質をワクチンとして接種し、タンパク質を狙って攻撃する免疫細胞を増やす。安全性を確認し、治療や予防につなげる方針。20~80歳の重症患者数人に、3週間ごとに計6回接種して半年以上、経過を観察する。
※成人T細胞白血病(ATL) 
 免疫にかかわる白血球の一種、T細胞がHTLV-1ウイルスに感染して起きる。全身のリンパ節が腫れたり、皮膚が赤くなったり、肝臓が腫れたりする。ウイルス感染者は、日本では九州などに多い。母乳や性行為などで感染する。治療法は抗がん剤を使った化学療法や、骨髄移植などがある。

脳 高齢者、運動で判断力向上 「右脳」が「左脳」補完 筑波大など解明

毎日新聞社 2月12日(日) 配信
脳:高齢者、運動で判断力向上 「右脳」が「左脳」補完 筑波大など解明
 高齢者が短時間の運動をすると、右脳の特定の領域が活発に働き、判断力を担う左脳の機能を補うことを、筑波大と自治医科大の研究チームが突き止めた。衰えた脳の「代償機能」が運動によって高まる仕組みを世界で初めて解明したという。成果は米科学誌「ニューロバイオロジー・オブ・エイジング」に掲載された。
 征矢(そや)英昭・筑波大教授(運動生化学)らのチームは、筑波大の学生・院生20人(平均21・5歳)▽茨城県つくば市在住の健康な高齢者16人(同69・3歳)の2班を編成。「あお」など文字の色と意味が一致しているかどうかを判断するテストを解かせ、正答率や判断にかかる時間を集計。さらにテストの後10分間自転車をこぎ、15分間休んで同じテストに再挑戦。脳のどの部位が活発化するかを調べた。
 学生班は運動後のテストでは、判断速度が平均50%速くなり、左脳の一部が活発化していたのに対し、高齢者班は、右脳にある「右前頭極」が運動前に比べて非常に活発化し、速度は平均16%向上した。判断力は左脳の一部が担うことから、チームは、高齢者では加齢による脳の機能低下を、別の場所が働くことで補っていると結論付けた。
 運動強度は、最大酸素摂取量の半分にあたる「中程度」。習慣的な運動が認知機能を高めることは知られているが、一過性の運動が直接、脳に作用するメカニズムはよく分かっていなかったという。
 征矢教授は「短時間の運動は代償機能を高める効果が初めて分かった」と説明している。【安味伸一】

iPS細胞、遺伝性疾患治療に道 京大、自然修復した細胞選別

毎日新聞社 2月10日(金) 配信
iPS細胞:遺伝性疾患治療に道 京大、自然修復した細胞選別
 京都大再生医科学研究所の多田高(たかし)准教授(幹細胞生物学)らは、遺伝性疾患のマウスから作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、遺伝異常が自然に修復された細胞だけを選別し、正常なマウスを誕生させることに成功した。再生医療を遺伝性疾患の治療に利用する道を開く可能性がある。米国のオンライン科学誌「プロスワン」に10日掲載された。【榊原雅晴】
 iPS細胞はあらゆる臓器になる能力を持ち、移植用臓器を患者自身の細胞から作ることで拒絶反応をなくすなど、再生医療の切り札と期待されている。だが、DNA情報は元のまま残るため、遺伝性疾患への応用には壁があった。
 研究グループは、細胞が分裂する際に、傷ついたDNAが修復する性質があることに着目。多発性嚢胞腎(のうほうじん)という遺伝性疾患と関連する遺伝子に異常を持つマウスからiPS細胞を作り、それを約1万個に増えるまで培養。全細胞を調べたところ、うち1個の細胞でDNA配列が正常に修復されていた。このiPS細胞を正常なマウスの受精卵に注入してマウスを誕生させたところ、腎臓は正常だった。
 傷ついたDNAでは、父母から受け継ぐ2本の染色体のうち正常な1本の遺伝子情報を基に異常のあるもう1本の修復が行われる。このため、遺伝的異常が父母のどちらか片方だけに由来する優性遺伝性疾患の場合に、この手法が有効になる可能性があるという。
 異常を持つ遺伝子の修復は現在、特殊な酵素を使ってDNAの特定部位を切断し、正常な配列を持つものに効率的に置き換える方法が注目されているが、多田准教授は「人工的にDNAを操作する試みよりも、細胞が持つ本来の修復能力を利用した方が安全性が高いというメリットがある」と話している。

(東京)神経細胞死の仕組み解明…東京薬科大の柳教授ら

読売新聞 2月11日(土) 配信
アルツハイマー薬開発に期待
 パーキンソン病やアルツハイマー病などを引き起こすとされる神経細胞死のメカニズムを、東京薬科大(八王子市)の研究グループが解明した。神経疾患の新たな治療薬開発につながる成果で、1月30日、米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。
 研究は、同大生命科学部の柳茂教授(47)らの研究グループによるもの。体内で血圧の調整などに重要な役割を果たす一酸化窒素が神経細胞内で著しく増えると、ミトコンドリアにある特定の酵素の働きが鈍り、神経細胞が死ぬことを突き止めた。
 ミトコンドリアは動物や植物などの細胞内にある小器官で、ブドウ糖や脂肪を燃料にエネルギーを生み出す。一つの細胞内に数千個存在する。
 アルツハイマー病などの神経疾患の患者は、ミトコンドリアの機能低下に伴い、神経細胞が死滅するなどの現象が観察されている。更に血圧の調整や記憶、物事を考える際などに重要な役割を果たす一酸化窒素が細胞内に特に多い状態になると、神経細胞死が起きることもわかっていた。
 そこで研究グループは、2005年頃からミトコンドリアの研究を開始。ミトコンドリア上にある酵素を06年に発見し、「MITOL(マイトル)」と名付けた。その後のマウスを使った実験で、何らかの理由により細胞内の一酸化窒素濃度が高い状態になるとマイトルの働きが鈍くなり、ミトコンドリアの動きが抑制され、細胞が破壊されやすくなったことが確かめられた。
 柳教授は「神経疾患の患者はマイトルの働きが鈍くなっている可能性が高い。この酵素を活性化させる新薬を開発して神経細胞死を防げば、治療につながる」と話している。

肺がん原因遺伝子を発見 治療薬の候補も

共同通信社 2月13日(月) 配信
 肺腺がんの原因となる異常な遺伝子を発見したと、国内外の3チームが12日付の米科学誌ネイチャーメディシン電子版に同時発表した。甲状腺がんなどの治療薬の中に、この遺伝子によるがんを抑制する効果が期待できるものがあることも分かったという。
 発見されたのは、二つの遺伝子が何らかの原因でくっついた「KIF5B-RET融合遺伝子」。別々に研究していた(1)がん研究会や自治医大など(2)国立がん研究センターなど(3)米国の研究所や名古屋市立大など-の3チームが発表した。
 肺腺がんは、肺がんの約7割を占めるとされる。各チームが患者の組織を調べたところ、1~2%の患者にこの融合遺伝子が見つかった。マウスの細胞などを使った実験で、この融合遺伝子にがんをつくる性質があることや、甲状腺のがんの治療薬などで、この融合遺伝子によりがん化した細胞を殺せることも確かめた。
 また、がん研究会のチームは、ROS1という遺伝子が別の遺伝子とくっついてできた融合遺伝子が肺腺がんの約1%に見られ、がんの原因になっていることも明らかにした。
 現在分かっているだけで、肺腺がん患者の半数には治療に直結する何らかの異常な遺伝子があるとされ、これらを対象にしたゲフィチニブ(商品名イレッサ)やクリゾチニブなどの治療薬が登場している。今回の研究も、患者のがんの特徴に合った効果的な治療薬を選べるオーダーメード医療の拡大に貢献しそうだ。

歯のエナメル質の元、iPS細胞使い作製成功

読売新聞 2月11日(土) 配信
 東北大学は10日、マウスのiPS細胞(新型万能細胞)を使って歯のエナメル質の元になる細胞を作り出すことに、同大大学院歯学研究科の福本敏教授らのグループが世界で初めて成功したと発表した。
 研究成果は、米国科学雑誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」電子版で紹介されている。
 福本教授らは、歯の元になるラットの歯原性上皮細胞とマウス由来のiPS細胞を混ぜて培養。iPS細胞をエナメル質を構成しているたんぱく質の一つ、アメロブラスチンを含む細胞に分化することができた。この細胞をエナメル質に変化させることができれば、歯の再生につながる可能性があるという。
 福本教授はすでにiPS細胞から歯の象牙質の元になる細胞を作り出すことに成功しており、「全身のどの細胞からも、歯を作り出せる可能性が高まった」としている。

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