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最新医療情報44

最新医療情報43
20120625~

幹細胞移植せずに骨再生 名大、培養液を利用

共同通信社 7月2日(月) 配信
 骨髄などから採取される幹細胞そのものではなく、細胞の培養液を使って骨を再生させることに、名古屋大大学院医学系研究科の上田実(うえだ・みのる)教授(頭頸部(けいぶ)・感覚器外科学)らの研究チームがラットの実験で、世界で初めて成功、1日に米専門誌に発表した。
 チームは既に人間への臨床研究を開始。幹細胞を移植する従来の方法は細胞の腫瘍化などのリスクがあるが、上田教授は「この方法で安全性が大幅に向上する。将来的には培養液の製剤化も期待できる」と説明している。
 研究チームは、幹細胞を培養する際の培養液に「サイトカイン」と呼ばれる、細胞増殖や細胞死などの調整をするタンパク質が何種類か含まれているのに注目した。
 この培養液をコラーゲンスポンジに染み込ませ、頭蓋骨の一部分を欠損させたラットに移植して観察。4週間後を比較すると、何もしなかったラットでは20%程度しか骨が再生しなかったのに、移植したラットは90%以上再生されたという。
 またラットの頭蓋骨に移植した後に、尾の静脈に色をつけた骨髄の幹細胞を投与すると、幹細胞は頭蓋骨の移植部分に多く集まることが判明。上田教授は「培養液が細胞を寄せる効果がある」と話した。
※米専門誌は「ティッシュ・エンジニアリング」

無駄のない動き、「忘却」で促進…東大チーム

読売新聞 7月1日(日) 配信
 スポーツや楽器の演奏などの体の動きは、休息を入れ、動きのごく一部を忘れながら身につけるのが効率的--。
 東京大学のチームが、筋肉を動かす神経細胞の働きをコンピューターで再現した研究から、無駄のない動きは軽い忘却によって進む可能性が高いことが分かった。研究成果は29日付の生物学関係の専門誌に掲載された。
 平島雅也・東大助教(運動制御学)らは、コンピューター上で再現した腕の筋肉を動かす神経細胞1000個に、動作を指示する信号を送る実験を行った。指示通りの動作ができなかった場合、研究チームは神経細胞に指示を送る情報伝達の仕組みを修正したが、この時に神経細胞への伝達量を10万分の1減らして、動きをわずかに忘れるのと同じ状態にした。
 すると、500回以上修正した後から、指示通りの動作ができるようになり、脳の活動度も徐々に下がることが分かった。脳の活動度が低いほど、神経細胞も筋肉も無駄なエネルギーを使わず、効率的な動きができるという。

認知症、ミカンの皮で改善? マウスで確認 松山大

毎日新聞社 6月30日(土) 配信
認知症:ミカンの皮で改善? マウスで確認--松山大
 ミカンなど柑橘(かんきつ)類の皮に含まれる物質が脳機能を活性化させることを、松山大薬学部(松山市)の古川美子教授(60)=神経化学=と奥山聡助教(37)=行動薬理学=の研究チームが突き止めた。安全性が確認されれば臨床研究に移る。将来はエキスを取り出して錠剤にする方向で、認知症の改善に効果が期待できるという。【津島史人】
 動物実験の結果を今年2月、スイスの学術論文誌「インターナショナルジャーナル・オブ・モレキュラーサイエンス」で発表した。
 古川教授らは脂溶性の物質が脳に到達しやすい性質がある点に着目。油分を多く含む柑橘類の皮に脳機能改善を促す可能性があるとみて08年4月から地元特産のミカンを研究してきた。神経細胞を培養して活性化に効果のある物質がないか調べたところ、皮に含まれる有機化合物の「ヘプタメトキシフラボン」にその働きがあることが分かった。
 更にプラットホーム(避難場所)を取り付けた小さなプールで、避難場所への行き方を覚えさせたマウスを放して到達する時間を計測した結果、正常なマウスは11・6秒、薬で健忘症状態にしたマウスは33・6秒かかった。ところが、ヘプタメトキシフラボンを投与した健忘症マウスは11・3秒で到達した。
 また、約20種類の柑橘類を調べたところ、愛媛県が生産量日本一で「和製グレープフルーツ」と呼ばれる「河内晩柑(ばんかん)」に、ヘプタメトキシフラボンが0・024%と、他の倍以上含まれていることも分かった。
 古川教授は「愛媛が誇るミカン類に健康と暮らしに役立つ特長があると分かったことがうれしい」と話す。認知症を研究する三木哲郎・愛媛大医学部教授(62)=老年医学=は「認知症の薬は効用面でも安全面でも開発が難しいが、ミカンの皮なら安全性も問題ないのではないか」と評価している。

くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤(りゅう)は、7ミリ以上の大きさになると、

共同通信社 6月29日(金) 配信
 くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤(りゅう)は、7ミリ以上の大きさになると、年間約60人に1人が破裂するなどリスクが高まるとの研究結果を、日本脳神経外学会が28日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。
 脳ドックの普及に伴い、脳動脈瘤の発見は増えているが、手術すると後遺症の恐れもあり、治療すべきかどうかの判断が難しい。調査したNTT東日本関東病院(東京)の森田明夫(もりた・あきお)脳神経外科部長は「大きさはもとより、部位や形状などによる個別のリスクが分かってきた。診断の基礎にしたい」と話している。
 調査は2001年1月から04年4月までに、3ミリ以上の脳動脈瘤が見つかった男女5720人を最長8年間追跡。全体の破裂の割合は年間0・95%(105人に1人)で、3~4ミリは0・36%、5~6ミリは0・50%だったのに対し、7~9ミリでは1・69%(59人に1人)と上昇、10~24ミリは4・37%、25ミリ以上では33・40%が破裂していた。
 また、太い動脈をつないでいる「前・後交通動脈」にできたこぶが破裂するリスクは、主要な血管の一つである中大脳動脈にできたこぶに比べ約2倍、いびつな形のこぶのリスクは通常に比べ1・63倍となり、形や位置でもリスクが高まることが分かったという。

ぜい肉の3分の1は米国 「肥満は食料需給に影響」

共同通信社 6月29日(金) 配信
 【ワシントン共同】体格指数(BMI)が30を超える「肥満」の大人が抱えている余分な肉の重さは2005年現在、世界合計は352万トンで、米国が3分の1を占めるとの研究結果を英ロンドン大衛生熱帯医学大学院の研究チームが28日までにまとめた。
 BMIが25を超える「太りすぎ」の超過体重は計1548万トン。これを維持するエネルギーを国別に比較した肥満ランキングは、米国が1位で、以下クウェート、クロアチア、カタール、エジプトの順。日本は155カ国中、118位だった。
 太った人は標準的な人より余分にエネルギーが必要なため、世界で米国並みに肥満や太りすぎが増えれば、4億7千万人分の食料が追加的に必要になるという。チームは「世界的な肥満増加は食料需給にも影響を与えかねない」として、対策強化を訴えている。
 チームは、世界保健機関(WHO)のデータなどを使い、BMIや体重を求め分析。「太りすぎ」の超過体重を維持するため世界で消費されている食料は、標準体重の1億1千万人分に上った。
 日本は世界的には優等生で、平均BMIは22・9。世界各国が日本並みのBMIの割合になると、1億1千万人分の食料消費を抑制できるという。米国の平均BMIは28・7。
 肥満ランキングは、超過体重を維持するのに使っている国別の総エネルギーを人口で割り、1人当たりを求めて比較した。人口が世界の1万分の1以下の国は除外した。
 BMIは、体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った数値。日本では、日本肥満学会がBMI25以上を「肥満」と定めている。

老化iPS細胞で血管再生 名大、マウスで実証

共同通信社 6月28日(木) 配信
 老化したマウスから作製された人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って、血管となる細胞をつくり出すことに名古屋大大学院医学系研究科の柴田玲(しばた・れい)特任講師(血管生物学)と室原豊明(むろはら・とよあき)教授(同)らの研究チームが成功、若いマウスでつくる際と再生効果がほぼ同じことを突き止め、米オンライン科学誌プロスワンに28日発表した。
 研究チームは脳梗塞や動脈硬化など血管の異常が原因の病気に、iPS細胞を利用した治療ができる可能性を示したとしており、柴田特任講師は「高齢者から採取したiPS細胞でも、血管再生医療への応用が期待できる」と話している。
 研究チームは実験で、胎児のマウスと、人間では80歳に相当する生後20カ月の老化したマウスから作製されたiPS細胞を使い、血管となる細胞をつくり出す効率を比較した。その結果、老化マウスのiPS細胞でも、胎児マウスのiPS細胞と同じ機能を持つことが分かったという。
 さらにチームは、動脈を切除し、動脈硬化の状態をつくり出したマウスの脚に、胎児マウスと老化マウスのiPS細胞から作製した血管となる細胞をそれぞれ注入して観察。14日後の変化を比較すると、ほぼ同程度に血管が再生、血流が改善されたという。

妊娠糖尿病 20歳「痩せすぎ」は注意 インスリン分泌量増えず 筑波大センター分析

毎日新聞社 6月27日(水) 配信
妊娠糖尿病:20歳「痩せすぎ」は注意 インスリン分泌量増えず--筑波大センター分析
 20歳のときに痩せている女性が妊娠すると、妊娠糖尿病になる危険性が高まることが、筑波大水戸地域医療教育センターの谷内洋子博士研究員らの分析で明らかになった。欧米の研究で肥満が妊娠糖尿病を起こしやすいことは知られていたが、痩せていることとの関連が確認されたのは初めて。英糖尿病学会誌電子版に発表した。
 妊娠をきっかけにインスリンの働きが落ち、インスリン分泌量が十分に増えずに血糖値が高くなる状態を妊娠糖尿病という。妊娠糖尿病になると、胎児が大きくなりすぎたり、早産や妊娠高血圧症候群を起こす恐れがある。
 研究チームは08~10年に、糖尿病になったことがない妊娠初期の女性624人を追跡調査した。その結果、妊娠中期までに28人が妊娠糖尿病を発症した。女性たちの20歳時点の体重を聞き、分析した結果、BMI(体格指数)が18未満の「痩せている」に該当する体重だった女性は、BMIが18以上で肥満でもない女性と比べ、妊娠糖尿病を発症する可能性が4・85倍も高かった。
 痩せている女性は、青年期に必要な栄養の不足や筋肉量が少ないことが血糖値を高めている可能性があるという。チームの曽根博仁・筑波大教授(内科)は「30代ぐらいまで痩せすぎの女性が多いのが日本の特徴。痩せていることが美しいとの風潮や意識を見直す必要がある」と話している。【永山悦子】

O157、酵素で重症化 食中毒対策、千葉大大学院

共同通信社 6月28日(木) 配信
 集団食中毒の原因となるO157などの腸管出血性大腸菌は、一酸化窒素(NO)還元酵素を持っている場合に感染力が強く、毒素を増していることが27日までに、千葉大大学院医学研究院の野田公俊(のだ・まさとし)教授(病原分子制御学)らの研究で分かった。
 野田教授によると、腸管出血性大腸菌で、感染症が重症化する要因が分かったのは初めて。食中毒対策に役立つとしている。研究成果は英専門誌電子版に掲載された。
 野田教授と清水健(しみず・たけし)准教授らの研究チームは、O157が出す2種類のベロ毒素のうち、強毒型の毒素に注目。O157がNO還元酵素を持っている場合は、白血球の一種のマクロファージが毒素の殺菌に使うNOを分解するため、感染しやすくなることを突き止めた。
 また、NOが分解されたマクロファージ内では、強毒型の毒素が2~3倍に増えたことを初めて計測した。
 野田教授は「大腸菌がNO還元酵素を持っているかどうかを早期に判断することも可能で、重症化の予防につながる」としている。
 腸管出血性大腸菌による感染症は、重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などを併発する。昨年4月に起きた焼き肉チェーン店の食中毒では、HUSを発症した5人が死亡した。
※腸管出血性大腸菌
 O157やO111などの種類があり、激しい腹痛や血便などを発症して食中毒の原因となる。堺市で1996年に発生した集団食中毒では、9千人以上が感染し、小学生3人が死亡。昨年4月に焼き肉チェーン店「焼肉酒家(やきにくざかや)えびす」で起きた食中毒では、神奈川、富山、石川、福井4県の5人が死亡し、厚生労働省は生の牛レバー(肝臓)の提供禁止を決めた。
※英専門誌は「モレキュラー・マイクロバイオロジー」

光で免疫を活性化 感染防止に効果、防衛医大

共同通信社 6月27日(水) 配信
 けがや手術をしたところに光を当てることで体の免疫を活性化させ、細菌への感染を防ぐことにマウスの実験で成功したと、防衛医大などのチームが26日付の米科学誌プロスワンに発表した。
 けがをした後や手術後などは感染症にかかりやすく、特に薬が届きにくい骨や関節などでは細菌が増殖したり、抗生物質が効かない薬剤耐性菌に変化したりすることが問題となっていた。
 チームは、光を当てると化学反応を起こし、がん細胞や細菌などを攻撃する「活性酸素」を発生させる薬剤を使った手法を応用。
 従来、この薬剤を使って発生させた活性酸素だけでは、治療効果は十分ではなかった。しかしチームは、光の強さや薬剤の濃度をうまく調整すると、光を当てた周囲に、細菌やウイルスを食べる「好中球」を呼び寄せる働きがあることを発見した。この場合活性酸素ではなく、薬剤が光と反応し発生する別の化学物質が関係しているらしい。
 ある細菌を膝関節に感染させたマウスで、関節近くに薬剤を注入し光を当てると、細菌を死滅させることができた。あらかじめ処置をすれば、後から細菌を膝関節に注入しても感染を防ぐことを確認したという。

アミノ酸でメタボ発見も 「医療新世紀」

共同通信社 6月26日(火) 配信
 血液に含まれるさまざまなアミノ酸の濃度バランスが、内臓脂肪の蓄積量に応じて特徴的な変化を示すことを、味の素や三井記念病院(東京)などの研究チームが突き止めた。メタボリック症候群の早期発見に役立つ可能性がある。肥満研究の国際学術誌に発表した。
 人間ドック利用者1449人について、血中アミノ酸濃度とコンピューター断層撮影(CT)で算出した内臓脂肪量とを比較。数種類のアミノ酸が脂肪量と強く相関し、濃度バランスを解析すれば、体格指数(BMI)が高くない「隠れ肥満」も高精度に判別できることが分かったという。
 アミノ酸の濃度バランスから病気を探る方法は「アミノインデックス技術」と呼ばれ、既にがんで臨床応用されている。
※学術誌は国際肥満研究学会の公式ジャーナル「clinical obesity」

薬物4種を麻薬に指定へ 近く閣議決定、8月施行

共同通信社 6月28日(木) 配信
 政府は27日までに、麻薬に似た幻覚症状や興奮作用があり、薬事法で製造、販売、輸入が罰則付きで禁止されている「指定薬物」4種類を麻薬に指定する政令改正案を29日に閣議決定する方針を決めた。8月上旬にも施行する。
 麻薬に指定するのは、JWH―018、カンナビシクロヘキサノール、MDPV、メフェドロンで、麻薬と同等の乱用の恐れと有害作用があると確認できたため。麻薬指定により所持と使用が禁止され、麻薬取締法違反で摘発されるようになる。
 一方、国内で販売されていた脱法ドラッグから見つかった九つの化学物質を新たに指定薬物とする改正省令も7月1日に施行される。

和漢薬データベースが好評 富山大の研究所

共同通信社 6月28日(木) 配信
 富山大和漢医薬学総合研究所(富山市)がインターネット上に開設した和漢薬のデータベース「和漢薬ウィキ」が好評だ。各分野の専門家が記事を掲載し、和漢薬全体を網羅しているのが特徴で、アクセス数は約1年半で12万超に。田中謙(たなか・けん)准教授は「和漢薬のことならここを見れば分かると認知されるようなデータベースにしたい」と意気込む。
 国立大で唯一、漢方薬をはじめとする伝統医薬の研究に取り組む同研究所。所長の済木育夫(さいき・いくお)教授は「皆に効く薬を良いとする西洋医学と異なり、同じ病気でも体質や状態によって処方する薬が違う『個の医療』であることが東洋医学の特徴だ」と話す。
 和漢薬は、副作用が少ないというメリットの一方で、処方は百人百様のため画一的な基準がなく分かりづらい難点も。組み合わせることで効果を発揮する生薬もあることから、「複雑な和漢薬をひもとき、関係性を明らかにしよう」とデータベース作りに2008年1月、着手した。
 文部科学省が01年に改訂した医学教育のカリキュラムのガイドラインには漢方医学が盛り込まれており、済木教授は「漢方の裾野は確実に広がってきた」。
 和漢薬ウィキは専門家から一般の人まで、幅広いニーズに応えられるデータベースを目指しており、現在はニンジンやカンゾウなどの「生薬」182種類と、生薬を組み合わせた「方剤」の348処方を掲載。生薬の原料や薬効も調べることができる。
 田中准教授が力を入れているのが生薬の成分研究だ。生薬は植物が主な原料のため、産地や毎年の気候によって含まれる成分のパターンが違う。「その違いを利用し、収穫年や産地の違う生薬の成分データを蓄積、比較することで、どの成分が何に有効なのかを探り、和漢薬の仕組みを明らかにできないか」と同研究所。データベースを活用した新たな取り組みも進めている。

ミトコンドリアの遺伝子変異でリンパ腫発症も

毎日新聞社 6月26日(火) 配信
ミトコンドリア:遺伝子変異でリンパ腫発症も
 生命活動に必要なエネルギーを作るミトコンドリアの遺伝子に突然変異があると、リンパ腫や糖尿病を発症しやすいことを、筑波大や千葉県がんセンターなどのチームが突き止めた。11日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
 ミトコンドリアは呼吸で取り入れた酸素を使いエネルギーを作るが、酸素の一部は活性酸素となって細胞を傷つけ、がんなどの原因になると言われる。
 チームは、ミトコンドリアの遺伝子を操作して過剰に活性酸素を出すマウス35匹を作成。寿命(平均2年半)まで生かして調べると、半数近くの16匹がリンパ腫を発症した。一方、活性酸素を多く出さないようにしたマウスでは18匹中1匹しか発症しなかった。
 同じように、活性酸素を過剰に出すマウス5匹を誕生から1年半後に検査するといずれも血糖値が上昇していた。
 これに対し、出さないマウス5匹では異常はなかった。異常になったマウスに1週間、抗酸化剤を与えると、活性酸素の生成が抑えられ、血糖値も正常レベルに改善した。
 筑波大の林純一教授(分子細胞遺伝学)は「抗酸化剤は有効な予防手段となる。今後、リンパ腫以外のがんを発症しない理由を探りたい」と話す。【安味伸一】

世界で最も細い針作製…痛みのない注射などに応用へ

読売新聞 6月26日(火) 配信
千葉大研究グループ
 千葉大大学院融合科学研究科の尾松孝茂教授らの研究グループが、世界で最も細い金属針を作ることに成功した。
 先端部分の直径は約50ナノ・メートル(約2万分の1ミリ)で長さ0・01ミリ・メートル。ナノは「10億分の1」を示す指数で、今まで最も細い針の直径は先端部で1000ナノ・メートル(1000分の1ミリ)だった。研究成果は12日に米国のナノ技術の専門誌「ナノレターズ」電子版に掲載された。
 針は希少金属のタンタル製で、今後、金や半導体など様々な素材で実験する。分子レベルの微小な機械(ナノマシン)の部品や、痛みのない皮下注射針などへの応用が期待されるという。
 尾松教授らは、らせん状の波形を持つ特殊レーザー光を金属板に照射する手法を取った。光が当たった場所が溶けて渦状に変形し、渦の中心に集まった金属がソフトクリームのような形の突起になるという。
 従来、微細な針を作るには薬品を使い、真空中で作業する必要があるといった条件があった。尾松教授らの手法では、通常の室温の空気中で、1秒間に2万5000本以上の針を製作できるという。尾松教授は「無駄な薬品を使わず環境にも安全な技術。工学、医療など様々な分野への応用が期待できる」と話している。

インプラント 歯科医6割「トラブル」 学会指針作成へ

毎日新聞社 6月25日(月) 配信
インプラント:歯科医6割「トラブル」 学会指針作成へ
 あごの骨に金属製の人工歯根を埋め込んで人工の歯を取り付けるインプラント治療で、治療している歯科医の6割が何らかのトラブルを経験していたことが、日本歯科医学会の初めての全国調査で分かった。手術設備や治療前の検査にもばらつきがあった。同学会は調査結果を基に、インプラント治療のガイドライン作りを始める方針だ。
 インプラント治療は、入れ歯よりも自分の歯のように強くかめる半面、治療を巡るトラブルがあとを絶たない。日本歯科医学会は3月、全国の歯科医師会を通じて歯科診療所の医師1000人に調査票を送り、423人から回答を得た。
 その結果、この治療に取り組む289人のうち、60・8%が治療による何らかのトラブルを経験していた。具体的には▽人工歯の破損が67・5%▽インプラント周囲の炎症が55・4%――などだった。
 また、4人に1人が「神経のまひ」や「異常出血」などの重い医療トラブルを経験していた。手術を手術室でするかや治療前の検査内容にばらつきがあることも分かった。
 インプラント治療はほとんどが自由診療でこれまで治療のガイドラインがなかった。調査を担当した栗原英見広島大教授は「他の歯科診療所の取り組みを知る機会を設けるなど、ガイドラインが守られるための仕組みも作りたい」と話している。【斎藤広子】

自閉症、表情より言葉重視 関係する脳の領域特定

共同通信社 6月25日(月) 配信
 自閉症の人は相手が友好的かどうかを判断する際、表情より言葉の内容を重視する傾向があり、この傾向に「内側前頭前野」という脳の領域が関わっていることを、東京大の研究チームが米オンライン科学誌プロスワンに23日発表した。
 人とうまく意思疎通できないコミュニケーション障害の客観的な診断法や新たな治療法の開発につながる成果という。
 知的障害のない自閉症と診断された成人男性15人が調査に参加。「ひどいね」など否定的な言葉を俳優が明るく笑顔で話している画像と、「素晴らしいね」など肯定的な言葉を嫌悪感を示す表情と声音で話している画像を見てもらい、友好的か敵対的かどちらに感じるかを調べた。同時に、脳活動の変化を機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で測定した。
 その結果、表情や声音より言葉を重視して友好的かどうか判断する傾向があり、内側前頭前野と呼ばれる、他人の意図や感情の理解に関わる脳の領域の活動は低下していることが判明。この領域の活動が弱い人ほど、コミュニケーション障害が重いことも分かった。
 自閉症でない成人男性17人に同じ調査をしたところ、言葉よりも表情を重視していることが多く、内側前頭前野が強く活動していた。
 山末英典(やますえ・ひでのり)准教授は「自閉症の患者には、表情と言葉が食い違う冗談や皮肉が通じにくいことが知られていたが、今回の結果でそれが裏付けられた」としている。

幹細胞治療の仕組み解明 岡山大、免疫疾患で

共同通信社 6月25日(月) 配信
 骨髄や脂肪組織から採取される「間葉系幹細胞」の移植が、糖尿病やリウマチ、強皮症などの自己免疫疾患の治療につながる仕組みの一部を岡山大の秋山謙太郎(あきやま・けんたろう)助教(再生歯科医療学)のグループが解明し、22日発表した。間葉系幹細胞は免疫細胞を死滅させ、過剰な免疫反応を抑えていた。
 グループは「より効果が高く、副作用が少ない治療法の開発が期待される」としている。
 1型糖尿病などの自己免疫疾患は、免疫細胞が体の組織を異物と捉え攻撃して起きる。間葉系幹細胞は骨や筋肉、神経などの細胞になることができるが、これまで、なぜ治療効果があるのか詳しい仕組みは不明だった。
 今回の研究では、移植された間葉系幹細胞は特有のタンパク質を出し、免疫を担当するT細胞を呼び寄せて接触、T細胞を刺激して細胞死を誘導していたことが判明。
 ヒトでは、強皮症の患者に幹細胞を移植後、T細胞の減少を確かめた。
 自己免疫疾患の大腸炎、強皮症にしたマウスにそれぞれ幹細胞を移植すると効果があった。一方、特有のタンパク質と、T細胞を刺激する物質が出ないようにした幹細胞を移植すると、効果はほとんど見られなかった。
 成果は米科学誌セル・ステム・セルに発表した。

毛は免疫のスイッチ? 皮膚炎の解明にも期待

共同通信社 6月25日(月) 配信
 哺乳動物の毛には、皮膚から微生物などが入り込む危険を察知すると、侵入者と戦う免疫細胞を呼び集める働きがあることを、慶応大医学部皮膚科の永尾圭介(ながお・けいすけ)専任講師と天谷雅行(あまがい・まさゆき)教授らが発見し、24日付の米科学誌ネイチャーイムノロジー電子版に発表した。
 従来、毛には外からの衝撃や紫外線の影響を和らげるなどの物理的な防御機能があることが知られていたが、免疫を働かせるスイッチの役割も果たしていることになる。免疫細胞が毛を攻撃して起きる脱毛症や、免疫に関係して起こるアトピー性皮膚炎などの治療研究にもつながりそうだ。
 実験で、マウスの耳に接着テープを貼ってはがす刺激を加えると、毛を支える毛包に約1時間で免疫細胞が集結。中でも、異物を取り込んでほかの免疫細胞に攻撃対象を示す樹状細胞と呼ばれる免疫細胞は、毛包を伝って表皮へ移動した。
 毛包の細胞の遺伝子を調べると、特定の細胞が免疫細胞を呼び寄せるケモカインという物質を作っていた。人間の頭髪の解析でも同じような構造が見つかったという。
 体の表面にいる微生物は、皮膚が傷つくなどすると体内に入り、害になることがある。毛は外からの刺激を侵入の兆候とみて、免疫のスイッチを入れているとみられる。

機嫌悪い・起きない…中学生の7割、睡眠に問題

読売新聞 6月24日(日) 配信
 歯ぎしり、いびきや目覚めた時の機嫌の悪さなど睡眠に関する何らかの問題を抱える子どもは、中学生で約7割にのぼることが厚生労働省研究班(分担研究者=三島和夫国立精神・神経医療研究センター部長)の調査で明らかになった。
 朝の目覚めの悪さも目立ち、背景には夜更かし傾向があるものとみられる。28日から横浜市で開かれる日本睡眠学会で発表する。
 研究班は2009年12月、北海道、秋田、富山、長野、埼玉など全国10道県の148小学校、71中学校に調査票を郵送し、10年4月に回収した児童生徒2万5211人のデータを分析した。歯ぎしり、いびき・呼吸停止、目覚めの機嫌が悪いといった23項目のいずれかについて、あてはまる頻度を保護者らに尋ねたところ、週2回以上と回答したのは小学生で59・4%、中学生では69・3%に上った。週5-7日は小学生で29・1%、中学生では36・6%だった。
 中でも、「目が覚めた時に機嫌が悪い」、「寝床からなかなか起き出せない」など、朝の目覚めに関する5項目のいずれかが週2回以上みられるのは、小学生の42・0%、中学生の43・3%。就寝時間が午後10時以降の小学生は35・6%、中学生は94・0%だった。

「羊が1匹…」眠れない?日本語だからという理由

読売新聞 6月24日(日) 配信
 「羊が1匹、羊が2匹……」と数えると早く眠れるというのは本当か。
 広島国際大学の田中秀樹教授(精神生理学)らが大学生を使って実験したところ、腹式呼吸のほうが効果的という結果が出た。29日に横浜市で開かれる日本睡眠学会で発表する。
 田中教授らは、眠くない状態の大学生14人を昼間に眠らせる実験を行った。それぞれの学生について、羊を数えることと、鼻から吸った空気を口から吐く腹式呼吸の2通りで実験した。
 その結果、まどろんだ際に出る脳波が表れるまでの平均時間は、羊を数えたときは14分4秒。それに対し、腹式呼吸は9分32秒と短かった。実験を行った20分の間に3分以上継続する眠りまで至ったのは、羊を数えた場合の5人に対して腹式呼吸は9人と約2倍だった。
 田中教授は、英語なら、「シープ(羊)」という発音を繰り返せば自然に腹式呼吸になることもあるが、日本語の「ひつじ」だとそうはならないと指摘。「日本人には単調な雨音やせせらぎ、電車に揺られる音を聞く方が効果的ではないか」と話している。

5カ所の変異で強い感染力 テロ懸念の論文公開 鳥フルでオランダ研究者

共同通信社 6月22日(金) 配信
 【ワシントン共同】毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザウイルスが、わずか5カ所の遺伝子変異で、イタチの仲間である哺乳類のフェレット間で感染しやすくなったとする結果をオランダ・エラスムス医療センターのロン・フーシェ博士らの研究チームが21日、米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
 チームは「ウイルスが自然に変異し、世界的流行を起こすこともあり得る」として、警戒強化を呼び掛けている。
 同研究は、テロに悪用される恐れがあるとして、米政府の科学諮問委員会が、東京大医科学研究所の河岡義裕(かわおか・よしひろ)教授の研究とともに、内容の一部削除を勧告。その後、世界の研究者らの反対により勧告は撤回された。
 チームはまず、過去にインフルエンザウイルスで自然に起こり、人の間での流行の原因となった三つの遺伝子変異を、H5N1型のウイルスに人工的に加えた。その上で、ウイルスをフェレットの鼻から接種し、数日後に鼻やのどの粘液などを採取して、別のフェレットの鼻に接種する実験を繰り返した。
 こうしてフェレット間で感染を繰り返すと、ウイルスはさらに2カ所で変異を起こした。このウイルスは、隣り合ったおりに入ったフェレット同士でも感染。容易に飛沫(ひまつ)感染で広がるようになったことが確認された。
 フェレットは、このウイルスを直接、喉に大量に接種して感染させた場合は死んだが、飛沫感染では死ぬことはなかったという。
※鳥インフルエンザ論文の削除問題
 遺伝子操作で鳥インフルエンザウイルスの哺乳類への感染力が高まることを示した二つの論文をめぐり、米科学諮問委員会が昨年末「生物テロへの悪用などを招く」という理由で、ウイルスの作り方を削除して掲載するよう科学誌に勧告した。世界の研究者は「ウイルス対策上、研究は重要」と反発。世界保健機関(WHO)が間に入る形で調整が進み、諮問委は今年3月末、削除勧告を事実上撤回した。一方、研究への理解を得るために科学者らは同種の研究を一時停止しており、今も再開されていない。

食欲抑制のペプチド創出 埼玉大、メタボ対策期待

共同通信社 6月22日(金) 配信
 埼玉大の坂井貴文(さかい・たかふみ)教授らの研究チームは21日、食欲を刺激するホルモン「グレリン」の働きを抑えるペプチド(アミノ酸化合物)を人工的につくり出すことに成功したと発表した。研究成果は米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。
 坂井教授によると、将来的にはメタボリック症候群に効果がある抗肥満薬を低コストで製造することが期待できる。
 グレリンは胃から分泌され、受容体と結合することで摂食を促す。坂井教授らは、高速分子進化技術という手法を使い、256億種のペプチドとその配列情報が記録されたDNAの混合液を、細胞膜上の受容体に振りかけるなどの作業を繰り返した。
 これらの受容体と結び付いたペプチド数種類を取り出し、グレリンを掛け合わせて解析すると、既存の配列とは異なる新規の1種類で、グレリンが受容体と結合しようとするのを阻む作用を持っていることが判明。このペプチドを投与したマウスでも実際に抑制効果が認められた。
 坂井教授は「まだ抑制する効果は小さいが、改良で高められる。今回の手法をさまざまな受容体に応用できる可能性がある」と話している。

心臓難病の新手術に成功 国循、不整脈も治療

共同通信社 6月22日(金) 配信
 心臓の筋肉が厚くなり、息切れや呼吸困難が起きる難病「肥大型心筋症」に不整脈を併発した重症患者から、余分な心筋を切り取る新手術に成功したと国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が21日、発表した。
 心臓の左心室の下部に穴を開け、心筋を切除する。患者の負担が軽く、不整脈も治療できた。同センターによると、実施は国内初とみられ、根本的な治療法になる可能性がある。
 患者は、心筋が厚くなり左心室が約半分に狭くなった奈良県の40代男性。5月下旬、肥大型心筋症が原因とみられる不整脈により人工呼吸器を付けた状態で同センターに運ばれ、翌日、手術を受けた。
 手術では左心室下部の「心尖(しんせん)」を長さ約6センチにわたり切開。血の逆流を防ぐ心臓の弁を傷つけないようにしながら専用のはさみで心筋約32グラムを切り取った。さらに不整脈を引き起こす心尖の細胞を凍らせて取り除いた。
 コンピューター断層撮影(CT)で確認すると、左心室の空間が健康な人と同じ程度まで拡大。経過は良好で、男性は約10日後に退院した。
 従来の方法は左心房に穴を開けるもので、心臓の弁も切り取って人工弁に置き換えるため、血が固まらないようにする薬剤を一生飲む必要がある。不整脈は、植え込み型除細動器で突然死を防ぐ治療が大半だった。
 執刀した小林順二郎(こばやし・じゅんじろう)心臓血管外科部門長は「検証は必要だが、多くの患者さんに広がってほしい」としている。

イチゴに花粉症抑える効果…7日以上食べれば

読売新聞 6月22日(金) 配信
 イチゴに、花粉症などのアレルギー症状を抑える成分が含まれていることを、北九州工業高等専門学校(北九州市小倉南区)の川原浩治教授(47)(細胞工学)が突き止めた。
 この成分を濃縮した機能性食品の開発が期待され、川原教授は「研究成果を様々な国で利用してもらえれば」と国際特許を出願している。
 米国ボストン市で18-21日に開かれた「国際バイオ展示会」で発表した。
 川原教授は、人間の血液から採取した細胞の培養液にスギ花粉を入れ、花粉症を発症したモデルとなるヒト細胞を作製し、ニンジンやタマネギなど約190種類の食品で試した。
 その結果、すり潰したイチゴから抽出した液を加えると、アレルギーの引き金となる物質「IgE抗体」が減少し、イチゴの成分を分析した結果、「GAPDH」という酵素が作用していることがわかった。
 品種により抑制効果に違いがあることもわかり、「とよのか」ではIgE抗体の量が22・3%、「あまおう」は16・7%減少した。人為的にアレルギーを起こした状態のマウスを使った実験では、一日1回イチゴの抽出液100マイクロ・グラムを与えると、アトピー性皮膚炎や鼻炎の症状が1週間過ぎから改善した。
 ただ、マウスに与えた量を体重60キロの人に換算すると、一日に「とよのか」(1個15グラム)を20個以上、1週間以上続けて食べる必要があるという。(中村明博)

サフランの黄色色素、大腸がん予防に効果

読売新聞 6月22日(金) 配信
 香辛料や食品着色料の原料となる植物、サフランの雌しべなどに含まれる黄色色素が、大腸がんの予防に効果があることを、東海中央病院(岐阜県各務原市)の川端邦裕内科医や長崎国際大学薬学部などの研究グループが突き止めた。
 研究成果は、22日から岐阜市で始まる日本がん予防学会で発表される。
 この黄色色素は、緑黄色野菜などに含まれる化合物カロテノイドの一種「クロシン」。研究グループは、昨年4月から1年かけて、発がん性物質を投与した生後4週目のマウスに、3種類の濃度のクロシンを混ぜた餌を与え、変化を調べた。
 マウスの大腸内にがんが出来るかや、がんによる大腸粘膜の炎症の様子を比較したところ、実験開始から18週目には、クロシンを投与していないマウスでは1匹あたり3・15個のがんが確認された。しかし、クロシンの濃度が高い餌を食べたマウスは、がんが平均0・5個に抑えられたという。

神経細胞に胎児期の影響 九州大が初めて解明

共同通信社 6月21日(木) 配信
 大脳皮質の神経細胞の機能は、胎児のときにどの神経幹細胞からできたかによってほぼ決まることを、九州大の大木研一(おおき・けんいち)教授(神経科学)と米マサチューセッツ大のチームがマウスを使った実験で解明し、20日付の米科学誌電子版に発表した。
 神経細胞の機能は遺伝的に決まるのか、生後の脳の活動や外界からの刺激で決まるのか、長く議論されてきたが、大木教授らは、今までまったく分からなかった胎児期の影響が大きいことを初めて突き止めた。神経回路発生のメカニズムを解明する重要な手掛かりになりそうだ。
 実験では、遺伝子組み換えマウスを使い、大脳皮質の視覚に関係する神経細胞が胎児期に、どの神経幹細胞からできるかを観察。生きたまま脳内を観察できる「2光子顕微鏡」で、特定の神経幹細胞からできた神経細胞について、光の刺激に対する反応を計測した。
 この結果、同じ神経幹細胞からできた神経細胞の約60%が、同じ機能を持つことが判明。胎児期に多くの機能が決まることが分かった。
 残る約40%の神経細胞は別の機能を持っていたため、生後の発達過程も機能の決定に影響していると考えられるという。
 大木教授は「神経細胞の機能がどのように決まるかは、マウスよりも高等な、ヒトなどの哺乳類でも胎児期の影響が大きい可能性がある」と話している。
※米科学誌は「ニューロン」

凝固タンパク異常が原因 名大、血栓症で新たな発見

共同通信社 6月21日(木) 配信
 けがなどで出血した際に血液を凝固させるタンパク質の異常で、血液の凝固にブレーキがかからず、血栓症の原因になることを名古屋大大学院医学系研究科のグループが突き止め、21日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。
 血栓症が関わる病気は高齢者に多く、いくつかの要因が重なって起こることが多いが、グループの小嶋哲人(こじま・てつひと)教授は「今回の発見は脳梗塞や心筋梗塞などの新しい治療法や予防法の開発につながる」と話している。
 けがなどで出血すると、プロトロンビンと呼ばれ、血液を凝固させるタンパク質が、トロンビンと呼ばれる酵素に変化し、トロンビンの作用により血管内で血が固まる。
 その一方、トロンビンはアンチトロンビンと呼ばれる血液の凝固を抑制するタンパク質と結合して凝固を止め、血液が固まりすぎないようにする。
 しかし、研究グループが今回発見した遺伝子に異常を持つ変異型のプロトロンビンは、トロンビンに変化してもアンチトロンビンとほとんど結合せず、血液が凝固し続けて血栓症につながることが分かった。
 小嶋教授は「超高齢化社会を迎える日本で、今回の研究成果がもたらす医学的・社会的意義は大きい」と強調している。

がん転移の鍵握る酵素特定 働き抑える治療に道

共同通信社 6月21日(木) 配信
 がん細胞の転移に大きな役割を果たす酵素を特定したと、慶応大医学部の岡田保典(おかだ・やすのり)教授(病理学)と望月早月(もちづき・さつき)講師らのチームが21日までに米国立がん研究所雑誌に発表した。マウスの実験でこの酵素の働きを阻害すると、転移を減らすことができたという。
 がん細胞は通常、血管に入るとほとんどが死滅するが、ごく一部が生き残って他の臓器に転移する。チームは、肺がんや乳がんの細胞で強く働いているADAM28という酵素が血液中のVWFという分子を分解し、がん細胞はこの分子が引き起こす細胞死を免れることを確認した。
 遺伝子操作で酵素が働かないようにした肺がんの細胞をマウスに注射すると、通常の肺がん細胞を投与した場合に比べ、肺への転移が6分の1に抑えられた。酵素が働かないようにした乳がんの細胞を乳房に注射した場合、脳や腎臓、肺、肝臓などへの転移も5分の1程度に抑制できた。
 岡田教授は「将来的には、ADAM28の働きをコントロールすることで、がんの転移を抑制できるようになるかもしれない」と話している。

悪性リンパ腫治療効果に差 ウイルスの血中遺伝子量

共同通信社 6月20日(水) 配信
 通常の抗がん剤がほとんど効かない悪性リンパ腫「NK細胞リンパ腫」に有効な治療法「SMILE療法」は、リンパ腫の腫瘍に含まれるウイルスが血液中に出した遺伝子の量が少ないほど治療効果が大きく、副作用も出にくいことを、名古屋大医学部・医学系研究科の鈴木律朗(すずき・りつろう)准教授らの研究チームが突き止め、米専門誌に19日までに発表した。
 SMILE療法は、NK細胞リンパ腫に5種類の抗がん剤を投与する治療法。効果は高いが、白血球の減少や肺障害などの副作用が出ることがあった。鈴木准教授は「治療を受ける前にこのウイルスが出した血中遺伝子量を測定すれば、より安全で効果的な治療を受けることができる」と話している。
 このウイルスは「EBウイルス」で、研究チームはSMILE療法を受けた患者の血液からEBウイルス遺伝子(DNA)の量を測定。その結果、血液1ミリリットル当たりのDNAが10万本以下の患者では、腫瘍の縮小率が90%だったのに対し、10万本以上の患者では20%だった。
 また、10万本以下の患者では副作用の発生確率が35%だったのに対し、10万本以上の患者は100%。血中のEBウイルスDNAの量により治療効果や副作用の発生率に差が出た。
※米専門誌はクリニカル・キャンサー・リサーチ電子版

隔離環境で脳に異常か 横浜市大がラット実験

共同通信社 6月19日(火) 配信
 生後まもなく隔離されたラットは、脳の神経の情報伝達に異常が起きることを、高橋琢哉(たかはし・たくや)横浜市立大教授(生理学)らのチームが見つけ、19日付の米医学誌に発表した。
 チームは、ネグレクト(育児放棄)の環境に置かれた幼児も同様の状況になる可能性があるとみており、虐待などがきっかけで起きる精神疾患の治療薬開発につながる成果としている。
 チームは、生後まもないラットを1日6時間隔離し数日間飼育、生後2~4週間に脳の神経細胞を調べた。
 神経細胞では通常、情報がやりとりされるが、隔離したラットは情報を受け取ることができるタンパク質が少なくなっていることを発見。一方、母親や仲間と共に飼育したラットには異常がなかった。また隔離したラットでは、社会的行動に重要な役割をする「ひげ」により障害物を感知する能力が落ちていた。
 高橋教授は「人でも同じような異常が起きている可能性がある。劣悪な養育環境によって引き起こされる社会性障害のメカニズム解明にもつながる」と話している。
※米医学誌はジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション

脳梗塞悪化防げる 炎症起こすたんぱく質特定

毎日新聞社 6月19日(火) 配信
脳梗塞:悪化防げる 炎症起こすたんぱく質特定
 脳梗塞(こうそく)の発症後、脳の炎症を起こすたんぱく質を、慶応大の吉村昭彦教授と七田崇助教(免疫学)らのチームが特定した。炎症が起きると脳がはれ、梗塞が広がり病状が悪化する。このたんぱく質の作用を抑えると、梗塞部分が大幅に減少した。同じたんぱく質はヒトにもあり、治療法の開発につながりそうだ。米医学誌ネイチャー・メディシン6月号で発表した。
 脳梗塞は年間患者数が96万人、死亡率が高く後遺症が残ることも多い。最初に脳の血管が詰まって神経細胞が壊死した後、周囲の細胞が炎症を起こし、死滅していく。これまでの研究で、最初に壊死した部分で免疫細胞「マクロファージ」が活性化し、炎症を起こすことが知られている。
 チームは、マウスの脳の抽出液を調べ、たんぱく質「ペルオキシレドキシン(Prx)」が活性化の引き金と突き止めた。Prxは細胞内で有毒な活性酸素を無毒化するが、壊死した細胞から放出されるとマクロファージに結合し、さらに炎症を起こす別のたんぱく質を作らせていた。
 Prxの放出は発症12~24時間後がピークで、実際に炎症が拡大し始める時期と一致。Prxの働きを抑える抗体を脳梗塞マウスに与えると、梗塞部分の体積が約3割減り、まひ症状も大幅に改善した。【奥野敦史】

ヒトES細胞から立体網膜 世界初、目の再生医療に 理研、保存法も開発

共同通信社 6月14日(木) 配信
 ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)から、立体的な網膜組織を作ることに理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(CDB、神戸市)と住友化学が成功し、13日付の米科学誌セル・ステム・セルに発表した。
 ヒトES細胞からはさまざまな組織が作られているが、研究チームによると、多層構造を持つ立体網膜組織は世界初。視細胞が変性し失明することもある難病「網膜色素変性症」など、治療や予防法がない目の病気の患者に組織を移植する再生医療への応用に役立つ。
 短期間で大量に作製する手法や、組織の凍結保存法も開発しており、実用化に有用としている。
 理研などは、細胞の塊を培養液に浮かせ、細胞塊が自発的に複雑な構造を生み出す培養技術を開発。2011年にはマウスのES細胞から、杯状の構造を持ち成長すると網膜になる眼杯(がんぱい)と、網膜組織を立体的に作った。
 ヒトのES細胞は培養条件が違うため、チームは今回、眼杯を構成する神経網膜組織と色素上皮組織が、同程度できるように培養液の組成を工夫。ヒトの胎児の網膜と同じ直径約5ミリの網膜組織を約4カ月で作ることに成功した。
 チームは、細胞の成長を遅らせるタンパク質の働きを阻む薬剤を培養中に加え、培養期間を短縮した上で大量に作る技術や、網膜組織を凍結保存する技術も開発。高いレベルの品質管理を可能にし、遠隔地の病院で利用できるなど実用化に近づけた。
 ES細胞と同様の性質を持つ人工多能性幹細胞(iPS細胞)でも、将来的には立体網膜組織の作製が可能という。CDBの笹井芳樹(ささい・よしき)グループディレクターは「小脳や腎臓などの複雑な器官の形成にもつながる」と話している。
※ES細胞
 受精卵の一部を取り出して作る胚性幹細胞。さまざまな組織や細胞に分化する能力を持ち、万能細胞とも呼ばれる。病気や事故で傷ついたり失われたりした組織などの機能を回復する再生医療や、病気の原因解明、創薬への応用が期待されるが、受精卵を壊して作るため、生命倫理の観点から問題も指摘されている。作製した組織などを移植すると、がん化する恐れがあったり、拒絶反応が起きたりする課題もある。

安全性や質が課題

共同通信社 6月14日(木) 配信
 【解説】理化学研究所などのチームが、ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)から立体網膜組織を作るのに成功したことで、重い視力障害や失明の恐れがある網膜変性症の治療の前進が期待される。
 だが今後、患者への移植など再生医療への応用を実現するには、安全性の確保のほか、移植しても拒絶反応なく生着するかや、実際に光の刺激に反応するかなどが大きな課題だ。
 作製した立体網膜組織には、通常と同じように、視細胞など6種類の主要な細胞が確認できたほか、暗いところで感度良く物を見るための細胞や、明るいところではっきり見たり色を判別したりする細胞も形成されていた。さらにチームは、この網膜は高純度で網膜細胞以外の細胞を含まず、マウスへの移植実験でも奇形腫などの腫瘍はできなかったとしている。
 網膜や脳など中枢神経系の組織は再生力が低く、障害を受けると回復は難しい。このため再生医療の応用が強く望まれており、動物実験などでの安全性と質の検証は今後も欠かせない。

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