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最新医療情報6

2010 12 06~

10年の成果にiPS細胞 米科学誌特集、はやぶさも

2010年12月17日 提供:共同通信社

 米科学誌サイエンスは16日付の最新号で、今世紀の10年間に科学的に大きな進展のあった10の分野を特集。山中伸弥(やまなか・しんや)京都大教授が作製に成功した、さまざまな細胞になる能力がある「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」に関する研究も選ばれた。

 今年の主な出来事を振り返る中では、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還(6月)や、遺伝資源の利益配分ルールを定める議定書を採択した生物多様性条約締約国会議(10月)にも触れた。

 「細胞の初期化」という項目で研究成果が取り上げられた山中教授は2006年と07年、それぞれマウスとヒトでiPS細胞を作製することに成功。細胞により治療する再生医療や、薬の開発への応用が期待され、同誌は「発生生物学における展望を一変させた」と評価した。

 特集では今年の「十大成果」も発表。最も重要な科学的進歩として、米カリフォルニア大サンタバーバラ校の物理学者らがつくった「世界初の量子装置」を選んだ。

 装置は、原子レベルの微小な世界で起こる現象を説明する、量子力学の法則に従った動きを再現するという。

インフル全国流行入り間近 患者は8週連続増

2010年12月17日 提供:共同通信社

 国立感染症研究所は17日、全国約5千の定点医療機関から6~12日の1週間に報告されたインフルエンザ患者は1医療機関当たり0・93人で、8週連続で増加したと発表した。全国的な流行開始の指標である1人に近づいた。

 都道府県別では、佐賀(4・87人)、北海道(4・48人)、長崎(3・74人)などが多く、一部では地域的な流行が起きている。検出されているウイルスは季節性のA香港型が最も多く、昨年発生した新型が続く。

 インフルエンザは例年12月に流行入りし、翌年1月にピークを迎える。

がんになる可能性、誰でも 甲状腺がん治療日記/7止

2010年12月17日 提供:毎日新聞社

甲状腺がん治療日記:/7止 がんになる可能性、誰でも /山梨

 ◇院長、「大丈夫」を重ねればいい

 9日に正式に退院。1週間後の16日、手術で切除した甲状腺の詳しい検査結果を聞くため、甲州市立勝沼病院を訪ねた。主治医の萩原純院長(50)が「おっ! 啓ちゃん入って。取材もしていくでしょ」と迎えてくれた。

 診察室の机に「病理組織診」と書かれた紙を広げ、「診断は乳頭がん。大きさは縦3・2センチ、横が2・7センチということが分かった」。甲状腺周辺から切除したリンパ節12個のうち9個に転移があったことも説明した。

 記者は「リンパ節の転移と聞くと、重病な感じがするのですが」と不安をぶつけた。

 「それほど気にかける必要はない。胃がんや乳がんのリンパ節転移に比べると、『心配し過ぎることの方が心配』と言える転移」と萩原院長。進行が遅く性質もおとなしい乳頭がんは、半年に1回検査し、リンパ節に再発しても簡単な日帰り手術で済むという。

 記者のがん再発率は20~30%。「がん治療は手術から始まる。定期的な検査で『大丈夫』と安心してもらって、万が一再発しても『手術すれば大丈夫』と思うこと。『大丈夫』をたくさん重ねていけばいいんだよ」と萩原院長は優しく語った。

 山梨大学医学部付属病院で甲状腺がんと診断されてから1カ月。患者としてではなく、記者として初めて、さまざまな質問をした。萩原院長は、がん治療のあり方まで率直な意見を聞かせてくれた。

 「僕はがんがそんなに悪い病気だとは思わない」。萩原院長の持論だ。「がんは医師と余命を語り合える病気。治療方針を選択したり、残された時間で身辺整理もできる。脳卒中で倒れて寝たきりになれば、納得いく死に方も選べない。人の死亡率は100%。がんになることをそんなに恐れないでほしい」

 萩原院長は、記者も含め多くの患者に「勉強してください」と、必要な書籍を貸し出している。病気への知識を患者自身が身につけることで、間違った治療を防ぎ、納得いく治療につながると考えるからだ。

 「後悔しない治療を受けるには」と質問してみた。「患者への協力を惜しまない医師を選ぶこと。そして、がん治療にとって大切な術後のアフターケアをしっかりとしてくれる病院を選んで」とアドバイスしてくれた。

 記者は、多くの読者から激励の手紙や電話をいただいた。古くからの知人の中にも、がん治療の経験を告白してくれた方がおり、「がん友だね」と気遣ってもらった。

 連載への反響を通じ、身近な人の多くががんと闘ってきたという現実を知った。取材の最後に、萩原院長は先輩医師から聞いたという言葉を教えてくれた。「がんになった人は、自分だけががんになっているわけではないこと、今健康な人もいつかはがんになる可能性があることを忘れないでいてほしい」【中西啓介】=おわり

子どもでも発症、周囲が理解し… 過敏性腸症候群/4止 あなたの処方箋/52

2010年12月17日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/52 過敏性腸症候群/4止 子どもでも発症、周囲が理解し…

 ◇子どもでも発症、周囲が理解し早めに治療

 東京都内の男子大学生(20)は中学生のころ、登校時間前の腹痛と下痢に悩まされていた。家族より早めの午前5時過ぎに起きてトイレにこもるのが日課。登校後も緊張すると腹痛に襲われ、一時は学校を休みがちになったこともあったという。

 過敏性腸症候群(IBS)は働き盛りの成人に多くみられるが、子どもでも珍しくない。関西医科大の石崎優子医師(小児科)によれば、患者の割合は小学校で1~2%▽中学校で2~5%▽高校で5~9%という報告がある。その割合は米国や中国など海外と大差ないという。

 石崎医師によると、子どものIBSの特徴は幼児から思春期までの間で症状が異なる点にある。4歳未満では急な腹痛や下痢を繰り返すが、不安など心の状態から起きるケースは少ない。小学校中学年くらいまでは腹痛を繰り返すタイプが増え、高学年から思春期になるに従い便秘型や下痢型といった成人の症状に近付く。高校生の女子ではガスがたまっておなかが張るタイプも多い。不安を感じやすい性格が患者に多い点では成人と同じ傾向だが、感染性腸炎後にIBSになる例もある。

 対処法は基本的には成人と変わらない。石崎医師は「規則正しい睡眠や繊維が多いバランスのとれた食事、決まった時間にトイレに行くという点は大人も子どもも同じ」と言う。思春期特有の心の問題も絡むこともあり、本人の認識だけでなく、家族や学校など周囲の理解も重要だ。まずは保護者。症状は午前中に出やすいため、冒頭の男性のように通学前にトイレに長時間こもることが続けば、それはサインかもしれない。早く気付いて治療に結びつけることが大切だろう。次に学校。多くの成人に経験があるように、子どもたちは校内での排便を極端に避ける。

 石崎医師は「トイレに行きやすいよう席を後ろにしたり、先生と簡単な合図を決めて、授業中にトイレに行けるようにするなどの方法がある」と配慮を求める。こうした対応で、不登校だった児童・生徒が学校に戻れるようになった例も多くある。=おわり(八田浩輔が担当しました。20日からは月経困難症です)

低温やけど、損傷深部まで ゆたんぽでも長時間接触は危険 皮下組織が壊死、手術も

2010年12月17日 提供:毎日新聞社

低温やけど:損傷深部まで ゆたんぽでも長時間接触は危険 皮下組織が壊死、手術も

 心地よく感じる温かさでも長時間接触していると、低温やけどをすることがある。見た目は軽く見えても、皮膚の深い部分まで損傷することが多く、治りにくいうえ、重傷化すると手術も必要になる。暖房器具を使うことが多いこの時期、使い方には注意が必要だ。【下桐実雅子】

 「ゆたんぽに長時間接触し、ふくらはぎにやけどした」「電気カーペットに寝ていたら、低温やけどを起こした」--。

 独立行政法人・製品評価技術基盤機構によると、低温やけどに関するこうした製品事故情報が、ここ数年増加傾向にある。06年度までは1けただったが、07年度は10件、08年度は30件、09年度は13件寄せられた。11~3月に多発し、ゆたんぽや電気あんかなど暖房器具によるものが多い。

 同機構によると、愛知県の20代男性は、ゆたんぽに湯を入れて、付属の袋や別に買った袋で二重に包んだ。足元に置いて就寝したところ、ふくらはぎに重傷の低温やけどを負った。就寝中に無意識に長時間接触し、やけどしたとみられる。

 また、睡眠薬の服用時や泥酔時にも起こりやすい。

 福岡県の40代女性は、就寝時に電気あんかを「強」に設定し、両足に触れないように置いていた。睡眠薬の服用で熟睡し、目覚めると両ふくらはぎの下に電気あんかがあり、重傷の低温やけどを起こした。

 ゆたんぽや電気あんかは、タオルや専用カバーで包んでも、低温やけどする恐れがあり、同機構は「就寝前に布団に入れて温め、寝るときは布団から出したり、スイッチを切って」と呼び掛けている。

 このほか、ノートパソコンや携帯電話の上に顔を載せて寝てしまったり、アダプターが足に接触して低温やけどした事例も、数は多くないが報告され、暖房器具ではない電気製品でも起こる可能性があるという。

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 低温やけどは、短時間の接触では問題にならない程度の温度でも、長時間同じ場所に接触することで起こるやけどを指す。医学的には「低温熱傷」と呼ばれる。

 普通のやけどは、火や熱湯、油など高温のものが原因で、皮膚の表層で起こる。一方、低温やけどは、熱いという自覚がないまま長時間接触するため、皮膚の深部まで損傷することが多く、あまり痛みを伴わないことが多い。このため、軽傷と思いがちで早期に受診する人は少ないという。

 しかし、皮膚や脂肪などの皮下組織で壊死(えし)した部分が次第にはっきりして、黒いかさぶたになったり、白っぽく変化する。筋肉や骨に達することもあるという。

 一般的には、温かいと感じる44度で3~4時間以上、46度で30分~1時間程度触れていると低温やけどを起こすとされる。

 伊藤正俊・東邦大名誉教授(皮膚科学)は「熱源との接触時間だけでなく、圧迫しているかどうかも関係する」と指摘する。通常は低温の熱源に触れても、皮膚の血流によって熱が放散される。しかし、圧迫されて接触部分の血流が悪くなると熱がこもり、蓄積された熱で低温やけどになるという。

 伊藤さんが週1回診察するM&Mスキンケアクリニック(東京都千代田区)には、低温やけどで受診する患者が少なくない。20~30代といった比較的若い世代のゆたんぽ使用によるものが目立つという。「この温度でやけどが起こるわけがないという思い込みがあるようだが、十分起こることを認識してほしい」と語る。

 治療には塗り薬による処置と手術の二つの方法があるが、塗り薬だと周辺の皮膚が伸びて治るまでに1~3カ月、中には半年かかる人もいるという。面積が小さければ、やけどした場所を縫い縮めた方が早く治りやすい。

 また、東京女子医大東医療センターの井砂司准教授(形成外科)によると、やけどの範囲が広いと皮膚移植することもある。塗り薬で治すより傷跡も残りにくい。井砂さんは「糖尿病の末梢(まっしょう)神経障害や下肢の血行障害のある人は、健康な人より低温やけどをしやすいので、特に注意してほしい」と指摘している。

「老い」と生きる 治療薬で「新時代」 認知症家族会30年/中

2010年12月17日 提供:毎日新聞社

「老い」と生きる:認知症家族会30年/中 治療薬で「新時代」 /群馬

 ◇ひずみや負担も

 「認知症の人と家族の会」県支部代表、田部井康夫さん(63)の母とし子さんが、認知症を発症したのは87年ごろだった。

 「お金をとられた」「家がつぶれちゃう」

 とし子さんは物盗(ものと)られ妄想に陥ったり、しつこく不安を訴えるようになった。認知症がまだ「身内の恥」と言われていた時代。田部井さんはなかなか現実を受け入れることができなかった。しかも、「そんな自分が駄目なのではないか」と悩み続けた。

 とし子さんは99年に83歳で亡くなった。田部井さんは「母に思うような介護ができなかった」と今も悔やんでいる。亡くなるまでの間、国内にはまだ認知症治療薬はなかった。

 アルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」が国内で初めて認可され、販売されたのは約10年後の09年11月。「家族の会県支部が発足した約30年前は『治らない病気だから仕方ない』とあきらめていた。今では認識が変わった」。田部井さんによると「家族の会」のメンバーは、アリセプトが使える現在を「認知症新時代」と呼んでいる。

 アルツハイマー型認知症は、脳内で情報を伝達する神経伝達物質アセチルコリンが濃度低下することなどにより、認知機能に影響が出ると考えられている。アリセプトはアセチルコリンの濃度低下を抑えることで症状の進行を遅らせ、認知機能の改善に効果があるとされる。しかし、認可された治療薬は、このアリセプト1種類だけ。この現実が、医療現場にさまざまなひずみをもたらしている。

 伊勢崎市東小保方町の精神科病院「大井戸診療所」の大澤誠医師によると、アリセプトを処方できるのはアルツハイマー型に限られるが、中には幻視を伴う「レビー小体型」の患者にも処方する医師がいるという。この場合、カルテには「アルツハイマー型認知症」と虚偽記載する。処方する理由は「アリセプトはレビー小体型にも効くのが定説」だから。大澤医師は「国は医療現場の実情を把握すべきだ」と訴える。

 一方、製薬会社は今年3月、海外で普及している3種類の治療薬を厚生労働省に製造、販売できるよう申請した。来年にも認可される見通しだ。これらの治療薬は、アリセプトで満足な効果を得られなかった患者から大きな期待が寄せられている。

 田部井さんによると、新薬の認可を待ちきれずに、高額な薬を海外から取り寄せる患者もいる。「『いくらお金がかかっても治りたい』と言われたら、家族は駄目とは言えない」。患者とその家族に希望を与える「認知症新時代」。そこには、新たな経済的負担などの困難も伴う。【鳥井真平】

医師信頼し、投薬や生活改善を 過敏性腸症候群/3 あなたの処方箋/51

2010年12月16日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/51 過敏性腸症候群/3 医師信頼し、投薬や生活改善を

 慢性的に下痢や便秘を繰り返す過敏性腸症候群(IBS)。最近、下痢型の男性に有効な新薬が現れた。

 川崎医科大の春間賢教授(食道・胃腸内科)によれば、IBSの症状は腸から分泌される神経伝達物質の一つ「セロトニン」がかかわっているという。春間教授は「セロトニンは脳の中にもあり、いらいらした時には増えて、落ち込んでいるときは減る。IBSは同じことが腸の中で起こっており、下痢の時は増えて便秘の時は減る」と説明する。

 2年前に認可された新薬は下痢の症状で苦しい場合に、腸内のセロトニンの働きを抑えるものだ。国内では男性への処方のみ認可されているが、近く女性を対象にした臨床試験も始まる予定だという。

 このほか、一時的な症状緩和には市販薬などもある。しかし、病気とうまく付き合うには、長期的な生活習慣や食事の改善、ストレスの排除などのほか、医師との信頼関係も欠かせない。

 鳥居内科クリニック(東京都世田谷区)の鳥居明院長は、来院するIBS患者に、1日3回の規則正しい食事や十分な睡眠などの基本事項だけでなく「75点主義」を勧める。「患者さんにはまじめな方が多い。いつも100点満点を目指そうとすると、理想と現実のギャップが生じる。75点でも合格だと思うと、ストレスから解放される」。強く不安を感じている患者の場合は、精神神経科の医師と連携をとりながら治療に当たることもある。

 春間教授は「現在の治療でうまくいかない時も、新しい薬がどんどん開発されている。時間がたてば回復する病気なので、希望を持ってほしい」とアドバイスする。=つづく

男女の治療、一律にせず コレステロールを考える/下

2010年12月17日 提供:毎日新聞社

コレステロールを考える:/下 男女の治療、一律にせず

 ◇頸動脈の肥厚を考慮 善玉・悪玉の比率にも着目

 佐賀県武雄市の「ニコークリニック」を受診した女性(60)は、悪玉のLDLコレステロールが212(1デシリットル当たり212ミリグラム)と高かった。日本動脈硬化学会の診断基準では、LDLが140以上の人は「脂質代謝異常」とされ、医療現場でもコレステロールを下げる薬が処方される例が少なくない。

 しかし、同クリニックの田中裕幸院長は「閉経後の女性は一般にLDL値が上がる。140を超えたからといって、すぐに薬を出すことはしない」。この女性は他に異常はなく、魚をよく食べ、運動もしていたため、特に治療はしなかったという。

 田中院長は薬を処方しない理由として、「一般的に女性はLDLが200程度まで上がっても、心筋梗塞(こうそく)の発症率が増えないという臨床研究報告が多い」ことを挙げる。

 同学会がまとめた「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」(07年)でも、「女性における冠動脈疾患の発生率は低く、女性の高LDLコレステロール血症は男性以上に他の危険因子の存在を考慮して管理することが必要」としている。「他の危険因子」とは高血圧や糖尿病、喫煙などで、併せ持つ人ほどリスクは高まる。

 田中院長は、コレステロール降下薬を処方するかを判断する際、頸(けい)動脈の「肥厚」(IMT=内膜中膜複合体厚)を調べるという。肥厚は超音波エコー検査で確認できる。頸動脈は動脈硬化を検査しやすい血管で、体全体の状況も反映するとされる。厚みが大きく、血管が狭くなっていれば、動脈硬化が進行している表れだ。

 田中院長は今年4月までに、患者の男女114人(45~69歳)を対象に、LDLの数値と頸動脈の肥厚を調べた。男性ではLDLが高いと肥厚も厚かったが、女性では相関が見られなかった。むしろ肥厚と関係していたのは、脂肪酸の一種のアラキドン酸だったという。「性差を考慮した治療が重要」と、田中院長は強調する。

 個々の数値ではなく、LDLとHDLの比率が重要だとする見方もある。三井記念病院総合健診センター(東京都千代田区)の山門實所長は、内外の人間ドック健診データの分析に基づき、「HDLに対するLDLの割合(LH比)が2・5倍以上だと、頸動脈の肥厚が厚くなる傾向がある」と指摘する。

 悪玉のLDLが正常値でも、善玉のHDLが極端に低ければ、動脈硬化症のリスクが高まることになる。

    *

 先月下旬、「血清コレステロールの管理基準を巡って」と題された公開討論会が、東京大で開かれた。日本脂質栄養学会が「コレステロールが高い方が長生きする」とする独自のガイドラインを発表したのを受け、NPO法人「臨床研究適正評価教育機構」が主催した。

 医療関係者3人が講演した後に討議し、会場から意見も募ったが、脂質栄養学会のガイドラインへの批判の声が多かった。北野病院(大阪市北区)の越山裕行・糖尿病内分泌センター長は「コレステロールを下げることは有害という考えは明らかに間違いだ」などと語気を強めた。

 一方、同NPOの桑島巌理事長(東京都健康長寿医療センター副院長)は「高コレステロール血症が動脈硬化を促す危険因子なのは多くの疫学調査で明らかであり、コレステロールの高い方が長生きと結論づけるのは危険」としながらも、次のように述べた。「脂質代謝異常の基準を男女一律にLDL140以上とすると、不要な治療を促す要因になりかねない。女性の更年期以前と以降の基準値も示す必要がある」

 日本脂質栄養学会は近く、反論の声明を出した日本動脈硬化学会に、質問書を出す予定だ。批判が多い今回のガイドラインだが、コレステロール論議に一石を投じたのも事実。生活習慣病の治療・予防にかかわり、多くの人が関心を寄せるコレステロールだけに、今後も徹底した前向きな論議が期待される。【小島正美】

「高いと長生き」巡り論争 コレステロールを考える/上

2010年12月16日 提供:毎日新聞社

コレステロールを考える:/上 「高いと長生き」巡り論争

 日本脂質栄養学会が「コレステロールは高い方が長生きする」とする見解をまとめ、波紋が広がっている。高コレステロールは心疾患などにリスクがあるという従来の医学の常識を覆すもので、反論も相次いでいる。コレステロールをどう考えるべきか、論争を追った。【小島正美】

 ◇脂質学会、常識覆す見解/動脈硬化学会は批判

 現在の診断基準は、日本動脈硬化学会(北徹理事長)が07年に定め、悪玉のLDLコレステロールが140(1デシリットル当たり140ミリグラム)以上を脂質代謝異常(高脂血症)とする。多くの医療現場でこの基準に沿い、治療や生活改善の指導が行われている。

 これに対し、日本脂質栄養学会は9月、「長寿のためのコレステロールガイドライン」をまとめた。学会理事長の浜崎智仁・富山大和漢医薬学総合研究所教授ら15人で策定委員会を構成。「総コレステロール値あるいはLDLコレステロール値が高いと、日本では総死亡率が低い」とした。全体は14章から成り、高コレステロールの方が脳卒中を発症しにくいことなども記した。

 特徴は「総死亡率」との関連を重視した点で、ガイドラインの名称にも「長寿のための」と冠した。浜崎教授は「95年以降に公表された日本の五つの大規模な臨床試験報告を見ると、40~50歳以上の集団ではコレステロールが高くても、がんや脳卒中、心臓疾患など総死亡率は増えていない」と語る。

 たとえば、大櫛陽一・東海大医学部教授らが解析した神奈川県伊勢原市の「老人基本健診」受診者約2万2000人の追跡調査(95~06年)。男性はLDL140~159の群で総死亡率が最も低く、女性では180以上で最も低かった。策定委員も務めた大櫛教授は「コレステロールが高めの方が肺炎やがんの死亡率が低い傾向にある」と話す。

 浜崎教授は「LDL140以上でも、たいていは薬を飲む必要はない」とし、現在の診断基準が「コレステロール降下薬の使い過ぎを促している」と警告している。

   *

 一方、日本動脈硬化学会は10月、反論の声明をホームページに載せた。日本脂質栄養学会が引用する論文を「ほとんどが査読(複数の研究者による検証)を受けた論文ではない」とし、コレステロール値と動脈硬化性疾患の発症との関係は「多くの科学的検証を経た疫学的論文の一致するところ」と記した。

 総死亡率との関連づけも「年齢や喫煙、高血圧などの要因を考慮して分析する必要がある」と一蹴した。動脈硬化性疾患の疫学を専門とする三浦克之・滋賀医科大教授は「肝臓疾患などでコレステロール値が下がることがあり、コレステロールと総死亡に因果関係があるとするのは無理」と批判する。

 日本医師会も会見で異議を唱え、「高いリスクをもつ家族性高コレステロール血症の患者に服薬を中止している例があると聞く」などと憂慮を示した。

 論争は疫学データの選択や統計処理の問題も絡み、複雑化している。厚生労働省生活習慣病対策室も「学会同士の学問的な論争。国が何かを言う立場ではない」と静観の姿勢だ。

   *

 日本脂質栄養学会のガイドラインを問題視しながらも、コレステロールについてさらなる議論を求める意見もある。

 日本疫学会のウェブ版で今月上旬、自治医科大の調査データの解析結果が報告された。92年から男女1万2334人(平均年齢55歳)を対象に調査し、約12年間追跡した。最初の5年間の死亡を除いても、総コレステロール値が160(LDLだと約80)以下で脳出血、心不全、がんが多かった。

 同データを解析した名郷直樹・東京北社会保険病院臨床研修センター長は、脂質栄養学会のガイドラインを「大きな問題がある」としながらも、「低コレステロールと死亡には関連がうかがわれる。コレステロール降下薬の使い方を含め、もっと議論すべきではないか」と話した。

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 ◇コレステロール

 細胞膜やホルモンなどに欠かせない脂質。肝臓で作られ、食事からも吸収される。結合するたんぱく質の違いによって、善玉のHDLコレステロールと悪玉のLDLコレステロールに区別され、HDLはLDLを減らす働きがある。日本動脈硬化学会は「LDLが140以上」のほか、HDLが40未満、中性脂肪が150以上も脂質代謝異常としている。

キノコ食べればインフルエンザ症状軽く

2010年12月16日 提供:読売新聞

 キノコを食べるとインフルエンザに感染しても症状が軽くなることを、富山大学大学院の安東嗣修准教授(薬理学)がマウスを使った動物実験で初めて確認した。普段からキノコで抵抗力をつけておけば感染予防につながるほか、副作用がある治療薬の使用量も減らせる可能性があるという。

 キノコ生産大手「ホクト」(長野市)との共同研究で、今月11、12日に滋賀県で開かれた日本機能性食品医用学会で発表した。

 実験では、マウスに体重の1000分の1に当たる約30ミリ・グラムのキノコを7日間与え、新型インフルエンザと同じA型H1N1ウイルスを感染させた。その後も9日間、キノコを食べさせた。

 生存率を比較すると、通常の餌しか与えなかったマウス群が5割だったのに対し、ブナシメジを食べた群は7割、ホワイトシメジの群は9割で、ホンシメジ群はほぼ10割だった。また、感染後の体重の減り具合もキノコを食べた群の方が少なかった。

 インフルエンザ予防はワクチン接種が一般的だが、卵を使って生産するワクチンには卵アレルギーの問題もある。安東准教授は「キノコは安くて安定供給できるうえ、副作用もない。今後は、どの成分が効いているか調べ、新薬開発に役立つ情報提供につなげたい」と話している。

骨髄移植でHIVが消滅 治療に新たな手掛かり

2010年12月16日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】白血病の治療のため、骨髄移植を受けたところ、感染していたエイズウイルス(HIV)が体内から消えたという珍しい患者の症例が、米国の医学誌に報告された。15日米メディアが報じた。

 提供された骨髄の遺伝子がHIVに耐性を持っていたことから起きたらしい。専門家らは「エイズ治療法として使うのは難しいが、新たな治療法や薬の開発の手掛かりになる」と指摘している。

 患者は40代の男性で、2007年にドイツの病院で白血病治療のための骨髄移植を受けた。移植から3年以上過ぎた時点で、白血病が治ったばかりか、以前から感染していたHIVも検出されなくなったという。

 骨髄移植は、薬によって患者の骨髄中にある血液をつくる細胞をいったん破壊し、提供者の骨髄液を点滴して、造血細胞を置き換える治療法。

 白血球の型が合う骨髄提供者が見つかった上に、提供者が白人の1%にしかみられないHIVに耐性がある遺伝子を持っていたという二重の幸運に恵まれたことになる。

過敏性腸症候群/2 精神的ストレスが大きく関与 あなたの処方箋/50

2010年12月15日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/50 過敏性腸症候群/2 精神的ストレスが大きく関与

 過敏性腸症候群(IBS)に苦しむ人は洋の東西を問わない。米国の故ジョン・F・ケネディ大統領もその一人だったとされる。症状と同様に原因はそれぞれ異なるが、大きく関与すると考えられているのが精神的ストレスだ。

 腸は「第2の脳」とも呼ばれるほど神経細胞が多く存在している臓器。ストレスや不安などを感じたら、信号が腸に伝わっておなかを直撃してしまう。しかし、下痢や便秘などの慢性的な便通異常は、IBS以外にも大きな病気が隠れていることもある。見極めるためには何が必要になるのだろうか。

 川崎医科大の春間賢教授(食道・胃腸内科)は「IBSの診断で一番重要な点は大腸や小腸にがんや炎症のないことを確認すること」と指摘する。そのため、便に血が混ざっていない▽体重減少がない▽発熱がない▽夜に寝ている時に痛みや排便に行くことがない、といったことを確かめる必要がある。

 この時、場合によっては血液検査や内視鏡検査なども必要だという。逆に慢性の下痢などがあり、これらの症状を伴えば、若い人では潰瘍性大腸炎、中高年では大腸がんなどが疑われる。

 また、IBS診断には国際的に広く使われてきた基準がある。基準では、<過去3カ月のどこか1カ月で腹痛や腹部の不快感が少なくとも3日以上あり、(1)排便で症状が改善する(2)排便の頻度が変わる(3)便の形状が変わる----という三つのうち二つ以上を満たす>と定義されている。春間教授は基準について、「日本の患者さんは膨満感、腹痛、腹部不快感など多彩な症状を訴えることが多い。広い意味で腹部症状ととらえた方がよい」と話している。=つづく

がん探知犬、においで患者ピタリ…精度9割超

2010年12月11日 提供:読売新聞

 がん検診はお任せ--。

 九州大医学部第二外科の前原喜彦教授らのグループが、がん患者特有のにおいが分かる「がん探知犬」に、大腸がん患者の呼気などをかぎ分ける実証試験をした結果、9割以上の精度で患者を判別できた。研究成果は英国の医学誌「GUT」に掲載される。

 探知犬は、千葉県南房総市の「セントシュガー がん探知犬育成センター」が飼育しているラブラドルレトリバー(9歳、雌)。名前は「マリーン」で、海難救助犬として飼育されていたが、嗅覚や集中力が特に優れていたことから、がんのにおいをかぎ分ける訓練を受けている。

 グループは2008年6月から09年5月にかけ、福岡、佐賀県内の2病院で、消化管の内視鏡検査を受けた約300人から呼気と便汁を採取。内視鏡検査で大腸がんと分かった患者の1検体と、がんではなかった患者の4検体を一つのセットにして、探知犬に挑戦させた。呼気では36セットのうち33セット、便汁では38セットのうち37セットで「正解」をかぎ分けた。

酵母の酵素で神経難病治療 徳島大、遺伝子を操作

2010年12月13日 提供:共同通信社

 特定の酵素が作れずに神経症状が出る難病を、遺伝子操作した酵母に作らせた酵素を投与して治療することに徳島大や産業技術総合研究所(茨城)のグループがマウスで成功し、米科学誌の電子版に発表した。

 徳島大の伊藤孝司(いとう・こうじ)教授(薬学)は「人に応用できれば、中枢神経に異常を起こす遺伝病の治療法確立につながる可能性がある」と話している。

 遺伝子の異常で起きる難病、サンドホッフ病では、神経細胞内で糖脂質を分解する酵素「HexA」を作れず、歩行障害などの神経症状が出る。

 グループは、メタノールを栄養にして大量の酵素を生成する酵母に注目。人のHexAを作る遺伝子と、神経細胞内に取り込まれやすくする遺伝子を酵母に導入して作ったHexAを、サンドホッフ病のマウスの脳に投与したところ、歩行障害が改善。投与していないマウスに比べ寿命も平均約2週間延びた。

 HexAが作れない同様の難病、テイ・サックス病でも効果が見込めるという。

 これまでは遺伝子導入した動物の細胞でHexAを作っていたが、大量生成が難しかった。

 酵素を作れずに起きる遺伝病は酵素の種類により40種以上あり、ライソゾーム病と総称される。

米科学誌はアナルズ・オブ・ニューロロジー

拡張型心筋症に新治療…大阪大 有害な抗体 血液から除去

2010年12月13日 提供:読売新聞

 心臓移植以外に根治法がなく、補助人工心臓を装着している重い「拡張型心筋症」の患者に対し、病気を引き起こす体内物質を血液から取り除く治療法の臨床研究が、大阪大の倫理委員会で承認された。心臓の機能を回復させ、将来的には補助人工心臓を外すことを目指している。

 拡張型心筋症は心筋の収縮機能が低下する病気。原因は不明だが、本来は異物を攻撃して体を守る抗体が心臓の機能を低下させるのが一因と考えられている。

 同大学医学系研究科の澤芳樹教授らが取り組むのは、免疫吸着療法と呼ばれる治療法。血液を患者からいったん取り出し、害があるとされる抗体を吸着剤で除去して体に戻す。今後3年間で約10人の患者に、1回約5時間の治療を5日間実施して、安全性などを確認する予定。

 海外の研究では心臓の機能を改善させ、他の治療法との併用などで、補助人工心臓を外せるまで回復した例も報告されている。

筋ジスの進行遅らせる 犬で成功、炎症物質抑え

2010年12月13日 提供:共同通信社

 全身の筋肉が徐々に衰え動けなくなる筋ジストロフィーの進行を、筋肉周辺の炎症物質を抑えて大幅に遅らせることに大阪バイオサイエンス研究所(大阪府吹田市)と国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)のチームがビーグル犬で成功した。10日、日本分子生物学会と日本生化学会の合同大会(神戸市)で発表した。

 チームは、筋ジストロフィーの中で最も多いとされる「デュシェンヌ型」の患者の壊死(えし)した筋肉組織に、痛みやアレルギーに関係する炎症物質「プロスタグランジンD2」があるのを発見。この物質を作るのに必要な酵素の働きを抑える阻害剤を、筋ジストロフィーのビーグル犬(生後3カ月)に毎日投与した。

 11カ月後、無投与の犬は少し歩くと息が上がり座り込んだが、投与した犬は約20メートルある廊下を走りきった。

 マウスでは、阻害剤を投与すると、壊死する筋肉の量が約半分に減少することを確認した。

 製薬会社と協力し、臨床応用の準備中。同研究所の裏出良博(うらで・よしひろ)研究部長は「人でも効果が確認できれば、適切な治療法がない筋ジストロフィーの患者を救える。遺伝子治療などとも組み合わせられるだろう」としている。

※デュシェンヌ型筋ジス

 筋肉の構造を維持するタンパク質「ジストロフィン」が遺伝子の異常で失われ、筋肉が壊死(えし)する病気。患者のほとんどが男性で、日本筋ジストロフィー協会などによると男児約3300人に1人の割合で発症する。進行が速く、子どもの時から車いす生活となり、いずれ人工呼吸器が必要になる。進行を止めたり、筋力を回復させたりする根本的な治療法は見つかっていない。

ピロリ菌、アレルギーに効果? マウスでぜんそく発症抑制 筑波大など

2010年12月14日 提供:毎日新聞社

ぜんそく:ピロリ菌、アレルギーに効果? マウスで発症抑制--筑波大など

 ピロリ菌から抽出した物質を生後まもないマウスに与えるとアレルギー性気管支ぜんそくの予防効果があることを筑波大などの研究チームが突き止め、13日の米医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーションに発表した。花粉症などのアレルギー疾患に効く予防薬開発が期待できそうだ。

 研究チームは、胃炎などを引き起こすピロリ菌が作る「ChAcG」という物質に着目。この物質を生後2週間のマウスに与えた後、アレルギー物質を投与したが、気管支ぜんそくの発症を抑え込むことができた。しかし、生後8週間のマウスでは同様に投与しても効き目はなかった。

 また、生後2週間のマウスをインフルエンザに感染させた後、アレルギー物質を投与すると、同様に感染させた生後8週間のマウスに比べ、気管支ぜんそくの発症が大幅に抑えられた。

 免疫系の発達期にChAcGを投与されたり、インフルエンザに感染することで、細菌やウイルスを攻撃するリンパ球(ナチュラルキラーT細胞=NKT細胞)が活性化し、アレルギーを抑える物質を大量に分泌させたとみられる。筑波大大学院数理物質科学研究科の島村道夫研究員は「ヒトの予防薬は近い将来、実用化が十分可能だ。他のアレルギー性疾患にも効くだろう」と話している。【安味伸一】

乳がん5年以降の再発予測 滋賀医大、指標を発見

2010年12月14日 提供:共同通信社

 乳がん患者に5年以上の診療が必要かどうかを判断する際の指標となるタンパク質を特定するのに成功したと、滋賀医大と大阪府立成人病センターのチームが14日発表した。

 再発のリスクを予測でき、チームの茶野徳宏(ちゃの・とくひろ)・滋賀医大准教授(診断病理学)は「完治の目安を示すことで患者に安心感を与えられる」としている。

 一般的にがん治療後5年の生存が完治の一指針とされているが、乳がんは8~10年後に再発し死亡するケースがあり、いつまで診療を続けるかが課題だった。

 滋賀医大は、がん抑制タンパク質「RB1CC1」を特定。乳がん患者約320人の病理組織を調べた結果、「RB1CC1」と、がん抑制タンパク質の「p53」「RB1」の三つのうちのいずれかの機能不全が細胞核内であると、5年以上の死亡リスクが高いことが判明。患者の約40%でこれらのタンパク質の機能不全がみられたという。 RB1CC1は、がん細胞の増殖を抑えるRB1を増やす働きがある。

 成果の一部は米科学誌プロスワン電子版に掲載された。

幼少期に感染、免疫に記憶 アレルギー予防の可能性

2010年12月14日 提供:共同通信社

 免疫が発達する幼少期に、インフルエンザウイルスに感染したり、ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)が作る物質を注射したりすると、ぜんそくや花粉症、食物アレルギーなどになりにくいことをマウスの実験で確認したと島村道夫(しまむら・みちお)筑波大客員研究員らが13日付米医学誌に発表した。

 ピロリ菌が作る「ChAcG」という物質は、アレルギー性疾患の予防薬開発につながるのではないかとしている。島村研究員は「アレルギー疾患は、免疫が過剰に働いて起きる。免疫を整える幼少期に病原体にさらされると免疫に何らかの記憶が残り、成長後バランスを保てるようになる」と話している。

 島村研究員らは、授乳期に当たる生後2週のマウスで実験。インフルエンザウイルスに感染させると、リンパ球の一種が増殖し、成長した5~6週間後、気管支ぜんそくを起こすアレルゲンを投与しても、気道での炎症は抑えられた。

 生後2週で「ChAcG」を注射した場合も、同様の効果があった。

 だが生後8週になって初めてウイルスに感染したり、ChAcGを注射されたりしたマウスでは、炎症抑制効果はなかった。

 今回の結果は、衛生状態が改善されると、幼少期に病原体にさらされる機会が減少し、かえってアレルギー性疾患になりやすくなるという「衛生仮説」を実証したものだという。

※医学誌はジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション

手指の動き、脊髄も重要 まひ治療やリハビリに期待

2010年12月15日 提供:共同通信社

 コップをつかんだり、ペンを握ったりといった手の指の協調した動きには、脳だけでなく脊髄の神経が重要な役割を果たしていることを、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)などのチームが発見。15日付の米科学誌に掲載された。

 これまで指の筋肉の動きには、大脳皮質が直接関わっていると考えられていたが、脊髄は神経の活動を伝える単なる中継点ではなく、複雑な役割を担っていることになる。

 同センターの関和彦(せき・かずひこ)部長は「脊髄損傷や脳卒中などで手足の動きがまひした人の治療や、新たなリハビリ法の開発に役立つ」としている。

 大脳皮質が発達していない赤ちゃんでも物をつかむ動作ができることなどから、チームは脳と運動神経をつなぐ脊髄の神経に着目。

 サルの脊髄に電極を固定し、親指と人さし指を使って実験装置のつまみを動かした際の神経活動を記録することに成功した。脊髄の神経は一つ一つの筋肉を動かすのではなく、複数の指のさまざまな筋肉をコントロールしていたという。

※米科学誌はジャーナル・オブ・ニューロサイエンス

バナナで花粉症改善?マウス実験で効果

2010年12月14日 提供:読売新聞

 バナナを食べると花粉症が改善される可能性があることが、東京理科大の谷中昭典教授らの動物実験で分かった。

 バナナの成分が免疫バランスを改善し、アレルギー症状を抑えるらしい。大津市で開かれた日本機能性食品医用学会で、12日発表した。

 谷中教授らは花粉症のマウスに、1日約10グラムのバナナを3週間与え、通常のエサを与えたマウスと比較した。その結果、バナナを食べたマウスは、アレルギーを引き起こす物質の量が通常食のマウスの半分以下に減り、花粉症になると増える白血球の一種「好酸球」の数も、正常マウスと同レベルまで減少していることがわかった。谷中教授は「マウスにとっての約10グラムは人間では3-4本に相当する量だろう。人でも症状が軽くなるかを調べたい」と話している。

別称は「各駅停車症候群」 過敏性腸症候群/1 あなたの処方箋/49

2010年12月14日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/49 過敏性腸症候群/1 別称は「各駅停車症候群」

 「過敏性腸症候群」(IBS)は、腸に異常は見られないのに下痢や便秘を繰り返す病気だ。10人いれば1~2人は患者がいるとされる。通勤や通学時におなかの痛みや不快感に悩まされる人が多く、付けられた別称は「各駅停車症候群」。排便で一時的に症状が改善したり、死に直結する病気ではないために、つい我慢してしまう人も多いらしい。

 東京都内の会社員男性(30)は、通勤時間帯に下痢を伴う腹痛に数年来苦しんでいる。途中下車して駅のトイレに駆け込むことも多く、「コンビニとか近所の行動範囲のトイレの場所はだいたい把握している」と言う。

 IBSは、便の形状で、下痢型▽便秘型▽交互に繰り返す混合型の三つに大別される。おならが頻繁に出るタイプもあり、においが気になって精神的にふさぎ込んでしまうケースもある。

 一般的に男性は下痢型。女性は男性に比べて便秘型と混合型が多いのが特徴だ。鳥居内科クリニック(東京都世田谷区)の鳥居明院長(消化器内科)が健康な人を含む約2000人を対象にしたアンケート調査では、女性のIBS割合は男性の約3倍高かった。鳥居医師は「ただの便秘や下痢ではない。もらしそうになる切迫感や、いつ調子が悪くなるか分からない不安が長期間続くことが生活の質(QOL)を落とす原因になる」と話す。

 ところが、「会社を休めない」「病院でたいしたことないと言われた」などの理由で通院による治療をあきらめてしまう人は多い。鳥居医師は「一人で悩まず、医療機関を受診して適切な治療を受けてほしい」と呼びかける。(八田浩輔が担当します)=つづく

抗がん剤副作用を大幅軽減 塩水港製糖などが共同開発

2010年12月13日 提供:共同通信社

 三菱商事系の精糖大手の塩水港製糖と岡山理科大の浜田博喜(はまだ・ひろき)教授などの研究チームは10日、乳がんへの抗がん剤投与時に起きる脱毛や神経痛、嘔吐(おうと)などの副作用を大幅に軽減するのに役立つ技術を開発したと発表した。今後、動物実験や安全性の検証を重ね、10年以内の実用化を目指すという。

 研究チームは、乳がんや子宮がんなどに抗がん作用のあるパクリタキセルに糖を結合させることで、リポソームと呼ばれる脂質膜内に封入することに成功した。リポソームはがん細胞だけに薬剤を届けるシステムとして研究が進められている。

 浜田教授は「抗がん剤が正常細胞に作用することがないので、理論上、副作用はなくなる。実用化すれば患者の負担は飛躍的に軽減される」と説明。研究チームは今後、パクリタキセルが有効な卵巣がんや胃がんなどへの適用についても研究を進める方針だ。

視力「0.3未満」の小学生、7.55%に

2010年12月10日 提供:読売新聞

過去最悪、要因にゲーム

 視力が「0・3未満」の小学生の割合が7・55%となり、過去最高を更新したことが9日、文部科学省の学校保健統計調査でわかった。

 小学生全体で推計すると50万人を超え、同省は「幼い頃からゲームなどで画面を見る時間が増えているため」と分析している。

 調査は今年4-6月、全国の2割にあたる約135万人を対象に実施。同省が最も低い視力と分類する「0・3未満」の小学生の割合は、前年度比0・28ポイント増の7・55%で、統計を取り始めた1979年度(2・67%)の3倍近くとなった。

 子どもの視力低下は長年続いており、小学生の「1・0未満」も29・91%(前年度比0・2ポイント増)と過去最高。低年齢化も進んでいるとみられ、幼稚園児の「0・3未満」も0・79%(同0・18ポイント増)で最も高かった。今年実施の全国学力テストの際の調査では、小6の48%はテレビゲームの時間が1日1時間を超えていた。

うつ病で表れるケースも 耳鳴り/4 あなたの処方箋/47

2010年12月9日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/47 耳鳴り/4 うつ病で表れるケースも

 近年は心因性の耳鳴り患者が増えているとされる。うつ病の症状として耳鳴りが表れるケースもある。

 東京都内の会社社長の男性(53)は、08年秋のリーマン・ショックにより株投資で数億円の損失を出したのを機に、「ジー」という激しい耳鳴りに見舞われた。「近くで100匹のセミが一斉に鳴いているような不快な音がやまず、夜も眠れなくなった」。病院で処方された睡眠導入剤を服用し、いったんは耳鳴りが緩和した。

 だが今年初め、改築する隣家との間で宅地の境界線を巡って争いとなり、耳鳴りが再発してうつ症状も出現。抗うつ薬などの薬物療法を受け、改築工事が終わった9月ごろには、うつはほぼ改善し、耳鳴りも気にならない程度に小さくなった。石井正則・東京厚生年金病院耳鼻咽喉(いんこう)科部長は「疲労、ストレス、寝不足が耳鳴りの3大誘因。耳鳴りでストレスや睡眠障害が進行し、耳鳴りもさらに悪化するという悪循環が起きやすく、最悪の場合はうつ病になってしまう」と指摘する。

 うつ病が耳鳴りの原因の場合、頭重(ずじゅう)感や気力の喪失、摂食障害、睡眠障害など多彩な症状も表れるのが特徴だ。軽いうつ症状を伴う程度の耳鳴りであれば、耳鼻咽喉科で抗うつ薬などの処方によって治療できる。抗うつ薬の中でも新種の「SSRI」(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、特に効果が高いとされる。

 石井部長は「耳鳴りに加え、気分が落ち込み、生きる気力がわかない状態が2週間以上続いて日常生活に支障が出ている場合は、重いうつ病を疑って精神科を受診した方がいい」とアドバイスする。=つづく

視力「0.3未満」の小学生、7.55%に

2010年12月10日 提供:読売新聞

過去最悪、要因にゲーム

 視力が「0・3未満」の小学生の割合が7・55%となり、過去最高を更新したことが9日、文部科学省の学校保健統計調査でわかった。

 小学生全体で推計すると50万人を超え、同省は「幼い頃からゲームなどで画面を見る時間が増えているため」と分析している。

 調査は今年4-6月、全国の2割にあたる約135万人を対象に実施。同省が最も低い視力と分類する「0・3未満」の小学生の割合は、前年度比0・28ポイント増の7・55%で、統計を取り始めた1979年度(2・67%)の3倍近くとなった。

 子どもの視力低下は長年続いており、小学生の「1・0未満」も29・91%(前年度比0・2ポイント増)と過去最高。低年齢化も進んでいるとみられ、幼稚園児の「0・3未満」も0・79%(同0・18ポイント増)で最も高かった。今年実施の全国学力テストの際の調査では、小6の48%はテレビゲームの時間が1日1時間を超えていた。

脳や全身の病気で発症も 耳鳴り/3 あなたの処方箋/46

2010年12月8日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/46 耳鳴り/3 脳や全身の病気で発症も

 脳や全身の病気によって発症する耳鳴りもある。

 東京都内の大学3年の男性(21)は約3年前から、右耳で「キーン」という小さな耳鳴りが消えなくなった。生活に特に支障はなかったが、「ずっと気になっていた」ため、約4週間前に都内の病院を受診。MRI(磁気共鳴画像化装置)による頭部検査で、右の内耳の器官から脳に伸びる聴神経に米粒大の腫瘍が見つかった。「聴神経腫瘍」と呼ばれるもので、神経を圧迫して耳鳴りを引き起こす。男性は当面、3カ月~半年ごとにMRI検査で腫瘍の状態を経過観察することになった。

 坂田英明・目白大学クリニック院長(耳鼻咽喉(いんこう)科)は「聴神経腫瘍はほとんどが良性で成長が遅く、耳鳴りの症状は軽いが、大きくなると目まいや顔面神経まひなども引き起こす恐れがある。腫瘍が直径3センチ以内と小さいうちに、『ガンマナイフ』という放射線治療で消失させることが多い」と指摘する。

 また、脳神経の異常興奮などにより両耳で耳鳴りが起こることもある。これを「頭鳴(ずめい)」と呼び、片頭痛の患者などに多いとされる。

 一方、耳や脳以外の病気で、耳鳴りを引き起こす代表例が糖尿病だ。糖尿病が進行すると、内耳の血流障害や神経障害が起こり、耳鳴りや目まいが表れる。処方薬の服用などで症状が改善する場合もあるが、対症療法にすぎないため、血糖値をコントロールする治療が必要になる。

 また、40代後半~50代前半の閉経前後の女性に多い更年期障害でも、女性ホルモンが減少して自律神経のバランスが崩れることにより耳鳴りや目まいが表れやすい。=つづく

最近は20~30代にも広がり 耳鳴り/1 あなたの処方箋/44

2010年12月6日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/44 耳鳴り/1 最近は20~30代にも広がり

 「キーン」「ゴー」など周囲にない音が聞こえる耳鳴りに悩む人が増えているとされる。耳鳴りは聴覚が衰える高齢者に多いが、近年は20~30代の女性ら若者にも広がり、原因がはっきりしないケースも少なくないという。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、耳鳴りを訴える人は07年には1000人当たり30・2人で、95年(21・0人)の約1・5倍となっている。

 東京都内のヨガインストラクターの女性(37)は7月から、耳鳴りが気になるようになった。連日、高温多湿の場所で行うホットヨガのレッスンが終わると「高層ビルのエレベーターに乗った時のように耳が詰まった感じになり、耳の中で『ゴー』という音が響いた」。8月下旬には耳鳴りが止まらなくなり、睡眠障害や食欲低下なども起こった。病院で脱水状態が原因の自律神経障害と診断され、女性はヨガをやめ、水分の十分な摂取と処方薬の服用で1カ月後には症状がほぼ治まった。

 石井正則・東京厚生年金病院耳鼻咽喉(いんこう)科部長は「ホットヨガは発汗量が多く、1時間のレッスンならスポーツドリンクなどを1~1・5リットルは飲んだ方がいい。無理なダイエットによる摂食障害も耳鳴りを引き起こすことがある」と指摘する。

 音は空気の振動として耳に入り、鼓膜を通じて内耳に伝わって電気信号に変換され、脳へ送られる。耳鳴りや難聴は耳のどこかの器官が異常興奮することで起こる。一般的に耳鳴りが「キーン」「ピー」といった高音の場合は内耳や聴神経の異常、「ブーン」「ゴー」など低音なら外耳や中耳の異常が疑われるが、耳鳴りの原因の約9割は内耳にあるとされる。石井部長は「耳鳴りは疲労やストレスで一時的に起こることもよくあるが、長引いたり繰り返す場合は医療機関を受診してほしい」と話す。(福永方人が担当します)=つづく

薬物依存症 仲間と一緒に克服 滋賀・現場から記者リポート

2010年12月7日 提供:毎日新聞社

現場から記者リポート:薬物依存症 仲間と一緒に克服 /滋賀

 ◇自助組織「びわこダルク」

 ◇グループセラピー、軸に 合法の薬乱用、苦しむ人も

 薬物依存症患者の自助組織「びわこダルク」(大津市丸の内町)が先月、開設から8年を迎えた。これまでに約90人の入所者を受け入れ、現在は25~64歳の14人が共同生活を送りながら回復プログラムに励んでいる。長年続けてきた薬物を「仲間がいるからやめられる」と語る入所者は多い。一方で、精神安定剤や睡眠薬など、合法の薬への依存症が年々増えているという。ダルクを訪ね、薬物依存の現状や課題を探った。【村瀬優子】

 住宅地に溶け込む木造2階建ての民家。その離れに集い、入所者たちはほぼ毎日グループミーティングを行う。この日のテーマは「薬を使ったきっかけ、やめるきっかけ」。テーマは毎回変わるが、「言いっぱなし、聞きっぱなし」の原則は揺るがない。質問も意見もしない。円になって座り、タバコをふかしたり瞳を閉じたり、思い思いの格好で静かに耳を傾ける。

 白髪交じりの男性(64)は「小さいころから劣等感の塊だった。女の子と話をすることもできなくてね。社会に出てから興味本位で薬をやったら、何でもはっきり言えて、やりたいことができるようになった。一生使おう、と気持ちが楽になった」と淡々と話した。生活費は薬に消え、妻や子供すら邪魔になった。金銭的にもたなくなってギブアップした。静かに語り終えると、次の発表者が話し始めた。

 回復プログラムはこうしたグループセラピーが中心だ。「自分の中にたまっているものを話すことで、悪い熱が出て、解放されていく」とスタッフの吉田充良さん(46)は言う。「仲間の話を聞くことで、自分を振り返ることもできる」。スタッフ全員が全国のダルクで治療したことがある薬物経験者だ。ボランティアスタッフのユウキさん(29)は愛知県出身。高校時代に友人に誘われて覚醒剤を始め、生活が立ちいかなくなるほど依存するようになった。07年に母親の勧めでダルクに入所。当初は薬を打ちたいと思ったが、「買いに行こう」と誘ってくる友人も近くにいない。周りは真剣に薬をやめようとしている人ばかりだ。次第に欲求は薄れていった。猪瀬健夫施設長(46)の勧めで、通信制の高校にも入学した。「次の人生に向けて、いくらでも協力してくれる環境。ダルクに来て希望が持てた」

 一方、17年間覚醒剤を使い続けた猪瀬施設長は、最後の使用から約11年経った現在も、「打ちたい」と思うことがあるという。「意志や根性ではどうにもならない領域に入り込むのが覚醒剤」と話す。風邪薬依存症のノブさん(37)はせき止め液の瓶を1日15本飲み続けた。何度も病院に運ばれ、月30万円は薬代に消えたが、近所の薬局で手軽に手に入り、やめられなかった。ダルクに来て薬を断って5年になるが、「仲間といるからやめていられる。1人になったら手を出してしまうと思う」と話す。妻とは離婚し、将来やりたいことも見つからない。「思い出すのは薬を使って楽しかったことばかり。自分がどこに行きたいか分からない」と胸中を漏らした。

 スタッフによると、風邪薬のように合法な薬物への依存症は増えているという。中でも、精神安定剤や睡眠薬は医師の処方によるため、本人や家族も危険を認識しにくい。びわこダルクに入所していた睡眠薬依存症の次男(26)がいる鳥取県の母親(54)は、「1年半で三十数件の交通事故を起こし、保険にも入れなくなった。息子を車に乗せ、夜の海にダイブできたらどんなに楽かと思ったこともあった」と苦しみを語る。うつ病が広がる社会で、薬物依存症は人ごとではない。回復しても、再発の危険はつきまとう。ある入所者は言った。「後悔しているのは最初の1回」と。

命を削る 遅かった障害年金支給 治療の支え/中

2010年12月7日 提供:毎日新聞社

命を削る:治療の支え/中 遅かった障害年金支給

 「障害年金の受給が決まったとき、夫は本当に喜んでいた。治療を受けた病院が制度をもっと早く教えてくれていたら……」

 埼玉県内のパート社員の女性(45)は昨年10月、夫を胃がんで亡くした。治療費を支えるはずだった待望の障害年金の、最初の振り込み予定日の約10日前だった。

 障害年金は、老齢年金などと同じ公的年金制度の一つ。けがや病気によって仕事や日常生活に支障がある人が対象だ。だが、医療関係者にもあまり知られておらず、がんなどの患者の受給者は少ないとみられる。

 女性の夫は07年、43歳で胃がんが見つかり手術を受けた。翌年再発、夫は治療の副作用に苦しみながら仕事を続けていたが、保険適用による3割負担でも窓口の支払いが1回4万円近い時もあり、家計を圧迫していた。

 女性が、がん患者も障害年金を受給できることを知ったのは患者会のブログ。昨年初め、社会保険労務士が作るNPO「障害年金支援ネットワーク」に相談し、必要な書類を準備するため、社会保険事務所(現・年金事務所)や市役所、病院に何度も足を運んだ。

 書類にはショックな内容もあった。「予後6カ月程度~1年未満」と余命が書かれた病院の診断書。治療の効果に関する一般的な話は主治医から何度も聞いていたが、夫に残された時間がそれほど短いとは信じられなかった。「年金を受給するため」と自分に言い聞かせた。すべての書類が受理されるまで約1カ月、年約80万円の支給決定通知が届くまで、さらに約3カ月かかった。最初の振り込みは、その3カ月後。夫の治療にはついに間に合わなかった。

    ◇

 障害年金は、国民年金などに加入し、保険料の納付状況、生活への支障の程度などの要件を満たせば支給される。がんや間質性肺炎など重い病気の患者も対象だ。日本年金機構や各共済組合が認定基準などに基づき、医学的な診断と、生活や仕事への影響などを総合的に判断して受給の可否を決める。だが医療関係者でも障害者手帳を持つ人だけが受給できると誤解している人も多い。請求用の診断書は記入の仕方が特殊で、「がんなどの患者が請求しやすくなるには、書類の改善が必要だ」と指摘する医師もいる。

 北海道小樽市の会社員の女性(39)は進行性大腸がんを患う夫のため、当時の社会保険事務所に通った。窓口担当者でも「がんだけでは受給できない」と手続きを知らない人がいた。3度目の相談でやっと必要な書類をもらい、08年末から年約190万円を受給できるようになった。

 夫は治療を続けることができたが、昨年7月に死亡。女性は「病院窓口での支払いが月30万円近い時もあり、受給できて本当に助かった。窓口に(がんなどのときの受給要件について)詳しい人が常時いてほしい」と訴える。

 障害年金支援ネットワークの藤井雅勝代表理事は「健康保険、雇用保険、年金など患者が経済的負担軽減のために使える制度はあるが、どれも複雑で、病院など一つの窓口で情報を得るのが困難になっている。病院や市町村役場の関係者に制度の存在だけでも知ってもらい、専門家や適切な窓口につなげる仕組みが必要だ」と話す。

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ストレス起因のメニエール病 耳鳴り/2 あなたの処方箋/45

2010年12月7日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/45 耳鳴り/2 ストレス起因のメニエール病

 耳鳴りは、さまざまな病気が原因で起こる場合もある。耳の病気で代表的なのが「メニエール病」だ。

 東京都内の主婦(50)は6月中旬から「ゴー」という耳鳴りがするようになった。1週間後には目まいも起こったが、自宅休養で改善した。だが7月初め、突然激しい目まいと耳鳴りに襲われて嘔吐(おうと)を繰り返し、救急車で搬送され入院。高音と低音の聴力がかなり低下しており、メニエール病と診断された。

 原因は「気付かないうちにストレスがたまっていた」ことだった。中学受験を控えた次男の成績が振るわず、パート先や役員を務めるPTAでの人間関係もうまくいっていなかった。7月の発作は、次男の模擬試験の結果が出た直後だった。ストレス発散のため、医師の指導で水泳やヨガに取り組み、抗不安薬などを服用。現在は症状が落ち着いているという。

 メニエール病は、強いストレスなどにより、内耳に水ぶくれ(内リンパ水腫)ができることで発症する。目がぐるぐる回る激しい目まいが繰り返し起き、難聴や低音の耳鳴りを伴う。国内の患者は10万人程度と推定され、働き盛りの30~40代に多い。石井正則・東京厚生年金病院耳鼻咽喉(いんこう)科部長は「近年は女性の社会進出に伴い女性患者が増え、患者の低年齢化も進んでいる。適度な運動などでストレスをためないよう心がけてほしい」と訴える。

 耳鳴りを引き起こす耳の病気には、主に片耳が突然聞こえなくなる「突発性難聴」や、鼓膜の奥に水がたまる「滲出(しんしゅつ)性中耳炎」などもある。治療法は、突発性難聴がステロイド剤の投与、滲出性中耳炎は消炎剤の投与や鼓膜を切開して水を抜くなどとなる。=つづく

保湿し手荒れ防いで 乾燥で代謝、肌防御機能乱れ/手袋、クリームこまめに

2010年12月10日 提供:毎日新聞社

手荒れ:保湿し防いで 乾燥で代謝、肌防御機能乱れ/手袋、クリームこまめに

 指先がささくれたり手のひらがかさつく季節になった。関節のひび割れ、かゆみ、ざらつきも典型的な手荒れの症状だ。荒れる仕組みや、肌を美しく保つ秘訣(ひけつ)を専門家に尋ねた。【林田七恵】

 ◆大切な角層と皮脂

 大阪労災病院(堺市)の土居敏明医師(皮膚科)によると、肌は、表層の「角層」と、表面に分泌された皮脂・汗の2段階で守られている。

 角層は、肌の奥から押し上げられた細胞が数~十数層に積み重なり、最終的にあかとしてめくれ落ちる代謝を繰り返している。細胞の間に脂質や、アミノ酸を主成分とする天然保湿因子(NMF)が並んで潤いを保っている。表面の皮脂と汗は膜のように肌を覆い、水分の蒸散を防いだり細菌などの侵入を防ぐ。特に皮脂は、肌の表面にいる“善玉”の表皮ブドウ球菌に分解されて脂肪酸になり、肌を弱酸性に保って“悪玉”細菌を食い止めている。

 こうした機能が乱れると、肌が乾燥してめくれやすくなり、荒れる。特に冬に荒れやすいのは、空気が乾燥して肌の水分が蒸散しやすく、保湿機能が追いつかないからだ。

 紫外線も肌に炎症を起こし乾燥を促す。資生堂スキンケア研究開発センター(横浜市)の原英二郎・主任研究員は「荒れた肌は紫外線の影響を強く受けて更に荒れる。紫外線が強くなる冬から春にかけては要注意」とも指摘する。

 同センターは、肌荒れが悪循環する仕組みも調べた。肌表面をわざと荒れさせて健康な肌と比べると、荒れた肌の方が、内部でたんぱく質分解酵素が活性化した。そのために代謝が本来よりも速くなりすぎ、脂質やNMFがきれいに並ぶ前に角層の上部まで細胞が押し上げられた。脂質やNMFが整わない角層は保湿機能が低下し、更に肌が荒れることになる。

 ◆別の皮膚病の場合も

 こうした仕組みは手でも顔でも一緒だ。では、なぜ手の方が荒れやすいのか。

 手は、顔や腹など他の部位と比べて角層が厚い。守る層が厚いほど荒れにくそうに思えるが、実際はその逆だ。分厚い角層は曲がりにくいので、割れやすい。また、手のひらには皮脂腺がなく、表面を覆う皮脂が少ない。指紋や掌紋などの溝も多く、ひび割れのきっかけとなる。

 手は頻繁に水に触れるが、ぬれた皮膚はふやけて傷付きやすい。特に洗剤は大敵だ。表面の皮脂・汗や角層の脂質・NMFが失われ、保湿機能が低くなると同時に、ひびや傷口などの隙間(すきま)から細菌などが侵入しやすくなる。水分をふき取らずに自然乾燥させると、被害はさらに拡大する。「角層の中も表面の膜も整わないまま、水分が気化し続ける」と土居医師は警告する。

 手は一度荒れるとなかなか治らない。外からの刺激が多いせいもあるが、手は体の他の部位と比べて、大腸菌や黄色ブドウ球菌、カンジダ菌などさまざまなばい菌に触れる機会も多い。荒れた肌は弱酸性ではなくなり“悪玉”菌を抑えられず、炎症を起こす。

 土居医師は「手荒れに見えても、手の水虫や、(手足に膿疱(のうほう)が繰り返しできる)掌蹠(しょうせき)膿疱症など別の皮膚病を発症していることもある。治らない時は近くの専門医を訪ねてほしい」と話す。日本皮膚科学会のホームページで最寄りの専門医を検索できる。

 ◆症状に合わせて

 刺激を減らし、潤いを補う点で、手荒れ予防と治療の方法はほぼ共通する。

 毎日の水仕事などを避けられれば一番だが、そうもいかない。となると、次善の策は手袋をはめること。例えばゴム手袋で水を防ぐ。ゴム製品にかぶれやすい場合は、木綿の手袋を下にはめる。また、外出時の手袋は、乾燥や紫外線を防ぐことができる。

 ハンドクリームは、角層の潤いを保つと同時に表面からの水分蒸散も抑える。原さんらの実験では、荒れた肌の水分蒸散量は健康な肌の倍以上だったが、クリームを塗ると3分の2程度に抑えられた。

 尿素が入ったクリームはべたつかないのに表面のささくれを整え便利だが、荒れが進んで角層の奥まで既に傷付いていると、染みて痛いこともある。「ヒアルロン酸やアミノ酸類も保湿効果が高く、尿素ほど刺激はない」と原さん。土居医師は「かぶれにはステロイドの入ったクリームを使うが、保湿したいだけなら入っていないものを選ぶなど、症状によって使い分けた上でこまめに塗るとよい」と勧めている。

生活習慣、食事の改善で予防 耳鳴り/5止 あなたの処方箋/48

2010年12月10日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/48 耳鳴り/5止 生活習慣、食事の改善で予防

 耳鳴りの予防や改善のために日常生活でできることは何か。

 坂田英明・目白大学クリニック院長(耳鼻咽喉(いんこう)科)は「疲労やストレス、寝不足が耳鳴りを誘発する。規則正しい生活とバランス良い食事を心がけ心身を健康に保つことが大切」と訴える。

 まず、食事や睡眠の時間を一定にする。睡眠の質を上げるため、食事は就寝の3時間前までに済ませ、寝る前に半身浴でぬるめの湯にゆっくりつかる。耳鳴りで眠れない時は、波や小川の音のCDなどを聴くと、耳鳴りの音が紛れるという。

 食事では、ビタミンB群が耳鳴りの改善に効果的とされる。ビタミンB12は末梢(まっしょう)神経の代謝を促す作用があり、耳鳴りの治療薬としても使われる。B1は疲れやすくなるのを防ぎ、B2は疲労や老化の原因となる過酸化脂質を分解、B6は免疫機能を高める。ビタミンCやカルシウムも、ストレスやイライラを抑える効果がある。

 また、酒とたばこは控え、カフェインや香辛料を取りすぎないよう注意する。石井正則・東京厚生年金病院耳鼻咽喉科部長は「カフェインの過剰摂取は神経を異常興奮させ、怒りっぽくなったり耳鳴りを誘発する。1日の摂取量は250ミリグラムを上限とすべきだ」とアドバイスする。

 一方、騒音や強い振動は聴覚器を傷つけ、耳鳴りや難聴の原因となる恐れがある。ヘッドホンの長時間使用や、パチンコ店など大音響の空間に長くいることは避けた方がいい。首や肩のストレッチで筋肉の緊張をこまめにほぐすことも推奨されている。=おわり(福永方人が担当しました。14日からは「過敏性腸症候群」です)

支える側の高齢化課題 障害者の介護実態調査

2010年12月10日 提供:共同通信社

 自宅で障害者の介護をしている母親ら家族の53%が60代以上で、障害者を支える側の高齢化が課題となっていることが9日までに、民間の障害者団体の調査で分かった。

 介護する家族の大半は親で、回答で「私に何かあった時が心配だ」と、子どもの将来を不安視する声が多かった。

 調査は、障害者が働く、小規模作業所でつくる「きょうされん」が今年7~9月に実施。全国の12~86歳までの障害者3277人と、介護する家族ら4123人が回答。

 静岡県の94歳の父親が精神障害がある娘(58)を介護したり、東京都の93歳の母親が身体・知的障害がある息子(72)の面倒を見たりするケースもあった。

 介護する家族の内訳は、母親が64%で全体の3分の2近くに上り、父親は25%。介護する母親のうち、60代以上は全体のほぼ半数を占めた。

 家族の85%が「負担を感じる」と回答。内訳は複数回答で、ストレスになるなどの精神的負担が69%と最も多く、次いで身体的負担(52%)、経済的負担(41%)の順だった。

わずかな煙でも肺を損傷 米報告書、たばこの害訴え

2010年12月10日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】米国の公衆衛生政策を指揮するベンジャミン医務総監は9日、直接喫煙か受動喫煙かにかかわらず、わずかでもたばこの煙を吸い込むだけで肺やDNAを即座に損傷し、がんの発症につながると警告する報告書を公表した。

 報告書はまた、習慣性を高めるため、たばこ会社がより素早くニコチンが脳に吸収されるよう製品にアンモニアを加えたり、煙をより深く吸い込みやすいようにフィルターを設計したりしているとも指摘。たばこを試した人々のうち約3分の1が常習的に喫煙するようになるとしている。

 公衆衛生局長官は「たばこの煙は人体のほぼすべての臓器を傷つける」とし、たった1本のたばこが心臓発作のきっかけになり得るとも訴えた。喫煙が原因で死亡するのは米国で毎年、44万3千人に上るという。

 オバマ政権はニコチン含有量を制限したり、「ライト」など健康被害が軽減できると思わせる広告を禁じる包括的なたばこ規制法を成立させたりするなどして、喫煙者の減少に取り組んでいる。

[医療解説] 新生児治療室 深夜の看護ルポ…守る 小さな命の鼓動

2010年12月9日 提供:読売新聞

 患者や家族に最も近い場所で医療を支えながら、過酷な労働環境や人員不足が問題となっている看護師。なかでも勤務が厳しいとされる新生児集中治療室(NICU)で、深夜に働く看護師の奮闘ぶりを追った。(文・岩永直子、写真・工藤菜穂)

 神奈川県相模原市の北里大学病院。午前0時。重い病や低体重で生まれた赤ちゃんをみるNICUでは、照明を落とした暗がりの中で、保育器やベッドを囲む人工呼吸器の空気音や、ピッピッピッという機械音が絶えず鳴り響いていた。

 「小さく生まれた赤ちゃんのいるエリアは、母親の胎内環境に近づけ、日中も暗くしてあります」。この日、深夜勤務(午後11時-翌朝8時半)に当たる8人のうち、最年長の看護師(35)が説明してくれた。病児の体温を保つため、室温は30度近くに設定。汗ばむほどで、いるだけで体力を消耗するようだ。

 容体がやや安定した「回復期」の病床を含め、定員(35床)を超える36人が入院。手術前後の重症児が重なり、ベテランの彼女は1人で6人の病児をみる。370-1700グラムで生まれた小さな赤ちゃんばかりだ。

 大人の中指ほどの太さしかない腕にそっと触れ、点滴の管が外れていないか確認。人工呼吸器を付けたのどや鼻から、手際よくたんを吸い出す。その間もあちこちでアラーム音が鳴り、手を止めては駆けつける。

 「準夜」(午後3時半-11時45分)、「深夜」を連続2日ずつ務めるのが一般的な勤務。月に6、7回は深夜勤務につく。 ストレスからか、ぜんそくやアトピーを発症し、「疲れ果てた」3年前、実は一度辞めた。それでも今年復職したのは、仕事にやりがいを感じるからだ。「自分で症状を訴えられない患者ですから、私たちの責任は重大。元気になって退院してくれると、とてもうれしい」

 午前5時過ぎ。心臓手術を受けたばかりの重症児2人を担当していた田中詩穂さん(24)が、女児(1)の尿の出が悪いのに気付いた。医師の指示を受け、血液製剤を投与する。体調を崩した同僚に代わり、3日連続の深夜勤務。疲れてミスをしないか不安がよぎることもある。

 朝8時半。勤務終了の時間になっても看護は続く。看護記録や引き継ぎはこれから。今日も1、2時間の残業になりそうだ。

過酷な労働環境

 日本看護協会の調査では、深夜勤務を担う看護師のうち、月60時間超の時間外勤務をしている「過労死危険レベル」は23人に1人。全国で推計約2万人に上る。疲労を強く感じている看護師の53・1%が常に医療事故の不安を抱えており、過酷な労働環境は患者の安全も脅かす。

 今回取材したNICU病棟では、医療事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット事例」が毎月約30件起きる。一般病棟の約1年分だ。担当の看護師長の川谷弘子さん(49)は、「現場は使命感で踏ん張っているが限界がある。患者の安全を守るためにも、人員配置の増加が必要」と訴える。

男子の身長、止まった 17歳平均170.7センチ 文科省調査

2010年12月10日 提供:毎日新聞社

学校保健統計調査:男子の身長、止まった 17歳平均170.7センチ--文科省調査

 ◇1948年以降初 「日本人の遺伝的要因」

 5~17歳の男子の平均身長が、全年齢層で前年度を上回らなかったことが、文部科学省の10年度学校保健統計調査(速報値)で分かった。身長が伸びた年齢層がなかったのは、調査が始まった1948年以降で初めて。女子も13歳と17歳しか前年度を上回らず、文科省は「日本人の骨格などから考えると、身長はこれで頭打ち」と分析した。

 調査は今年4~6月、全国の幼稚園と小中高校の計7755校から対象者を抽出し、約69万人の発育状況と約335万人の健康状態を調べた。

 その結果、男子の身長はすべての年齢層で前年度より低いか同じ。特に15歳は0・3センチ低い168・2センチで、92年度と同じ数値となった。女子も5歳、8歳、10歳、11歳、14歳、15歳で前年度より低かった。身長の横ばい傾向は男女とも97年度ごろから見られ始め、文科省は「栄養状態が悪化しているわけではなく、日本人の遺伝的要因が強い」と結論付けた。17歳の身長は男子が170・7センチ、女子が158・0センチ。

 一方で女子の体重は02年度ごろから10歳以上の年齢層で減少を続けており、今回調査でも同年度比で12歳が1・1キロ軽い43・8キロ、13歳が1キロ軽い47・3キロとなった。文科省は「ダイエットの影響」としている。【篠原成行】

中1虫歯、最少の1・29本 26年前の3割以下に

2010年12月10日 提供:共同通信社

 中学1年生(12歳)1人当たりの永久歯の虫歯本数は、処置済みを含め前年度より0・11本減の平均1・29本で、過去最少を更新したことが9日、文部科学省の2010年度学校保健統計調査(速報値)で分かった。

 中1のみを対象とする本数調査を始めた1984年度(4・75本)の3割以下の値。本数は90年度を除き減り続けており、文科省は「学校歯科医による歯磨き指導などの効果ではないか」としている。

 虫歯がある子どもの割合の推移を80年度と今回で比較すると、幼稚園は87%から46%、小学生が94%から60%、中学生が94%から51%、高校生が96%から60%にそれぞれ減少した。

 年齢別では、8歳と9歳が最多で66%、次いで17歳64%、7歳61%、10歳と16歳60%、15歳56%などの順。

 今年4~6月、幼稚園児と小中高校生の計約340万人を対象に調査した。

感染性胃腸炎 神奈川県が警報発令 ノロウイルスなど原因

2010年12月10日 提供:毎日新聞社

感染性胃腸炎:県が警報発令 ノロウイルスなど原因 /神奈川

 県は9日、ノロウイルスなどを原因とする感染性胃腸炎の流行警報を発令したと発表した。11月29日~今月5日の週に県内の定点医療機関1カ所当たりの患者数が20・11人と、警報レベル(20人)を超えたため。ノロウイルスについては、県が11月15日にも食中毒警戒情報を発令している。新型インフルエンザが流行した昨季に比べ、今季は手洗いやうがいなどの予防策が不十分とみられており、県は感染予防の徹底を呼びかけている。【木村健二】

筋線維づくりの機構解明 治療の手掛かりに期待

2010年12月10日 提供:共同通信社

 呼吸や心臓の拍動といった生命活動に不可欠な筋肉の収縮を担う細長い「アクチン線維」が、細胞内でつくられる仕組みを、千葉大の遠藤剛(えんどう・たけし)教授らのチームがマウスを使った実験で解明し、米科学誌サイエンス電子版に9日発表した。

 生まれつき筋力が弱い「ネマリンミオパチー」などの筋疾患は、アクチン線維が正しくつくられないのが原因の一つ。遠藤教授は「遺伝子の異常によってこうした働きに影響が出る仕組みが詳しく分かれば、治療の手掛かりが得られるかもしれない。心肥大や心筋症の解明にも役立ちそうだ」と話している。

 チームは、筋肉の一種である骨格筋の成長を促すホルモンをマウスに投与して実験。ホルモンによって細胞内でネブリンという巨大タンパク質と別のタンパク質が協調して働き、小さな部品をつなぎ合わせるようにして細長いアクチン線維がつくられることを突き止めた。

国循検証、妊産婦死因3割「羊水塞栓症」 検査充実など提言へ

2010年12月10日 提供:毎日新聞社

妊産婦:国循検証、死因3割「羊水塞栓症」 検査充実など提言へ

 国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)の池田智明周産期・婦人科部長らが、今年死亡した全国の妊産婦35人の死因を検証したところ、羊水が母体の血管に詰まる「羊水塞栓(そくせん)症」だった人が全体の約3分の1いた。妊産婦の死亡者数や詳しい死因などは詳細な統計がなく、初めての具体的なデータとなる。国循を中心に今年発足した「症例検討評価委員会」の初成果で、11日の大阪府医師会の研修会で発表される。

 国内での妊産婦の死亡者数は統計的に年間数十人とも言われるが、死因などの十分な統計はない。一方、学会などではここ数年、肺の動脈に血栓が詰まる肺塞栓症など分娩(ぶんべん)と直接関係のない「間接死亡」が多いことが報告されるようになり、死因の把握や再発防止が課題とされている。

 同委員会は日本産婦人科医会の協力を得て死因を検証。羊水塞栓症の割合が高いことが明らかになった。また、同症は主に肺の血管に羊水が混入して呼吸障害やショックを引き起こすと思われていたが、羊水が子宮内の血管に詰まることが多いことも解明した。

 同症は血液検査などで早期発見すれば症状を管理することが可能。池田部長は11日の研修会で、検査の充実▽迅速な輸血▽高血圧予防への注意喚起--など6項目の提言案を発表する。提言は専門医らの意見も踏まえて冊子にまとめ、全国の産科医らに配る。【林田七恵】

減少するあん摩マッサージ師、増える無資格店

2010年12月8日 提供:読売新聞

 「あん摩マッサージ指圧師」として働く視覚障害者が減り続けている。

 三重県鍼灸マッサージ師会の伊藤由尋会長によると、市部などで増えた無資格マッサージ店の影響が一因となっているという。無資格者が業務としてマッサージを行うことは禁止されており、国家資格の有無が国民に分かるような制度の整備が求められている。

 厚生労働省が2年に1度実施している調査によると、2008年末現在、視覚障害者のあん摩マッサージ指圧師は2万5102人。ピークだった1992年の3万5495人に比べ、1万人以上も減少し、県内でも386人から193人に半減した。

 「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」によると、人の体を押したり、もんだりするマッサージを医師以外が業務として行うには、国家資格を取得しなければならない。

 ところが、国家資格を持たない従業員が都市部の駅前などで急増している「リラクゼーション」や「ボディーケア」などと称する施設で、マッサージに似たような行為を行うケースが目立っている。

 ただ、厚労省医事課では、「マッサージの定義自体は法律で明確に定められていない」としており、無資格者が行っている行為を直ちにマッサージ業として摘発することは難しいという。

 津市で35年前に開院した視覚障害者の男性マッサージ師(65)は「国家資格を得るために盲学校で勉強してきたのに、無資格の人が簡単に開業できるなら資格の意味がなくなる。健常者のように出張マッサージもできず、このままでは視覚障害者が生活できなくなる」と訴える。

 一方、津市でリフレクソロジー(足裏健康法)の店を経営する男性(56)は「我々はあくまで『癒やし』を提供しており、治療としてマッサージをしているわけではない」と説明。客の女性(71)は「音楽やアロマオイルの香りが気持ち良く、憩いの場として来ている」と話した。

75歳以上で"歯20本"26% 「運動の効果」と厚労省

2010年12月8日 提供:共同通信社

 75~84歳で自分の歯が20本以上ある人は、前回(2004年)より3・8ポイント増の26・8%で、4人に1人の割合を超えたことが7日、厚生労働省の国民健康・栄養調査で分かった。過去1年間に歯石除去や歯科検診を受けた人の割合も増えた。

 厚労省は、80歳で自分の歯が20本以上あることを目指す「8020(ハチマルニイマル)運動」を推進しており「運動の効果ではないか」としている。

 75歳以上で「何でもかんで食べることができる」割合は、歯が19本以下は46・6%だったのに対し、20本以上では83・8%と大きく差が出た。

 一方、虫歯予防のためにフッ化物(フッ素)入り歯磨きを使用している6~14歳の子どもは前回に比べ29・8ポイント増の86・3%で、1~5歳の幼児でフッ素を歯に塗ったことがある割合は14・7ポイント増の57・6%だった。

ワクワク感に伝達物質関与 PETで脳内の受容体研究

2010年12月8日 提供:共同通信社

 宝くじに当せんするような低い確率を主観的に高く見積もってしまう「ワクワク感」や、逆に高い確率を低く見積もる「ハラハラ感」の強さに、脳内の神経伝達物質ドーパミンが関与していることが、放射線医学総合研究所(千葉市)などのチームの研究で分かった。8日付の米科学誌に掲載された。

 確率をゆがんだ形で見積もる度合いが強すぎると、ギャンブルへの依存症などにつながる恐れがあるという。チームは「研究を進め、依存症の客観的な診断や原因の解明、治療につなげたい」としている。

 チームは20~30代の男性を対象に、宝くじの当せん確率をどのように見積もるか検証。多くの人は経済理論などで提唱されている通り、低い当せん確率は高く、高い確率は低く見積もる傾向にあった。

 この際、陽電子放射断層撮影装置(PET)を使って、脳内のドーパミン受容体を調べたところ、大脳の線条体という部位にある特定の受容体の密度が低い人ほど、低い確率を高く見積もったり、高い確率を低く見積もったりする傾向の強さが見られた。

 受容体の密度が低い理由は解明されていないが、遺伝的な原因のほか、生活習慣が影響している可能性もあるという。

※米科学誌はTHE JOURNAL OF NEUROSCIENCE電子版

消化管伸縮の謎解明 便通改善薬開発に期待

2010年12月8日 提供:共同通信社

 排便を促すために小腸などの消化管が伸び縮みするメカニズムをマウス実験で解明したと、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の富永真琴(とみなが・まこと)教授らが8日付米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス電子版に発表した。

 便通を良くする医薬品の開発や、消化不良感をもたらす機能性胃腸症の原因解明などに役立つ可能性があるという。

 食べた物は消化管が伸縮を繰り返すことで肛門へ押しやられ排便される。消化管はもともと縮む性質があり、一酸化窒素(NO)が増えると筋肉が緩んで伸びることが分かっていたが、詳しいメカニズムは謎だった。

 富永教授らは、小腸などの神経細胞内にあり、温度感知センサーとして働くタンパク質「TRPV2(トリップブイツー)」の働きを解明。食べた物が腸に入ってくると働きが活性化し、細胞の外にあるカルシウムを取り込んでNOを合成する酵素の活動を強めることが分かった。

 TRPV2の働きを薬で抑えると、消化管は伸びることができなくなったという。

細胞治療へ研究進む がん化防止課題に (2)

2010年12月8日 提供:共同通信社

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、体の失われた機能を回復させる再生医療での利用が特に期待され、岡野栄之(おかの・ひでゆき)慶応大教授らがサルの治療に成功した脊髄損傷など、治療が困難だった病気をiPS細胞で治療する研究が世界中で進んでいる。

 ただ治療に使う場合に最も重要なのは安全性。iPS細胞自体ががん化したり、目的の細胞に分化させてから移植した細胞の中に未分化の細胞が残っているとがん化する恐れがあり、重要な課題として残っている。

 iPS細胞を開発した山中伸弥(やまなか・しんや)京都大教授が「iPS細胞を使った最初の再生医療になるだろう」と予想しているのは、脊髄損傷と加齢黄斑変性という目の病気。

 このうち脊髄損傷は、研究が先行している胚性幹細胞(ES細胞)を使い、米国のジェロン社が人間の患者で臨床試験を始めている。だがES細胞は受精卵を壊して作る倫理的課題が残る。

 iPS細胞はそうした課題はなく、患者自身の細胞から作ることができ、移植した場合に拒絶反応がないメリットがある。だが脊髄損傷の場合、治療のために神経細胞を移植するのは、10日以内でなければ効果が期待できない。患者自身のiPS細胞を作るには時間がかかるため、さまざまなタイプのiPS細胞を保存しておくバンク整備も必要になる。

iPSでサルの脊髄治療 歩行機能回復に成功 慶応大、臨床応用近づく (1)

2010年12月8日 提供:共同通信社

 人間の皮膚細胞から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を利用した治療により、脊髄損傷で首から下がまひしたサルが歩けるようになるなど運動機能を回復させることに成功したと、岡野栄之(おかの・ひでゆき)慶応大教授が7日、神戸市で開催中の日本分子生物学会で発表した。世界初という。

 岡野教授らは同様の方法で脊髄損傷のマウスの治療に成功していたが、人間に近い霊長類のサルでの成功でiPS細胞による治療の臨床応用に一歩近づいた。岡野教授は「今後はより安全で高品質なiPS細胞を使って実験し、臨床応用につなげたい」と話している。

 岡野教授らはサルの一種、マーモセットで実験。人間の皮膚細胞に4種類の遺伝子を導入してiPS細胞を作製し、これを神経前駆細胞に分化させた。遺伝子の"運び屋"にはウイルスを使った。

 マーモセットに人為的に脊髄損傷を起こして首から下をまひさせ、9日目に、この神経前駆細胞を移植。約6週間で歩き回れるようになり、後ろ脚で立ったり手の握力が回復したりするなど運動機能が著しく改善した。約3カ月間、経過を観察したが、がん化はみられなかった。今回は、拒絶反応を抑えるため免疫抑制剤を使った。

 脊髄損傷は、交通事故やスポーツなどで背骨の中の神経が傷ついて歩行などの運動機能がまひするが、根本的な治療法は開発されていない。胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞などの万能細胞を利用した治療法が期待されており、米国のベンチャー企業はES細胞を利用し患者を治療する臨床試験を始めている。

※iPS細胞

 神経や筋肉、血液などさまざまな細胞になる能力がある新型万能細胞。皮膚など分化が進んだ体細胞に外部から遺伝子などを導入して作る。山中伸弥京都大教授が2006年にマウス、07年に人間で作製に成功したと発表。再生医療や病気のメカニズム解明、新薬開発や薬の毒性試験など幅広い分野での利用が期待されている。万能細胞の代名詞だった胚性幹細胞(ES細胞)は、赤ちゃんになる可能性がある受精卵を壊して作るため倫理的課題があった。ただiPS細胞はがん化などの懸念があり、製造法の改良など安全性を高める研究が進んでいる。

乳幼児・中高年の7割超、新型インフル免疫なし

2010年12月7日 提供:読売新聞

 乳幼児や35歳以上の中高年の7割以上が新型インフルエンザに対する免疫(抗体)を持っていないことが、厚生労働省の調査で7日、あきらかになった。

 免疫のない人が感染すれば重症化する恐れがある。厚労省はワクチン接種や手洗いの励行などを呼びかけている。

 調査は今年7-9月、全国23都道府県の6035人を対象に、血液中の抗体を調べた。

 昨年発生した新型は、小中高校生などの若年層が流行の中心だった。そのため、10歳代では65%が抗体を持っており、5-9歳や20-24歳でも抗体を持っている人が6割弱に上った。

 一方、35-49歳では抗体保有率は約3割、50歳以上では1-2割と少なく、0-4歳の乳幼児でも25%にとどまった。

 今シーズンの流行が予測されているのは季節性インフルエンザのA香港型だが、厚労省は「新型に対する免疫を持っていない人はまだ多く、今シーズンも流行する可能性がある」と注意を呼びかけている。

命を削る がん発病で退職、降格 治療の支え/上

2010年12月5日 提供:毎日新聞社

命を削る:治療の支え/上 がん発病で退職、降格

 1年前、自分がこんな状況に追い込まれるとは思いもしなかった。来年のことは想像もできない--。

 横浜市の女性(48)は今年10月、乳がんの発病をきっかけに10年以上勤めた通信関係の会社を退職した。「会社からクビに追い込まれたのではないかと思うと、本当に怒りを感じる。病気になり、高い治療費を抱え、職まで失うなんて……」

 今年1月、会社の健康診断で異常が見つかった。精密検査でがんと判明。女性は5月、抗がん剤治療や手術を受けるため、半年間の休職を会社に申し出ると、人事担当者から一枚の紙を渡された。「休職は1カ月。休職期間が終わって復帰できない場合は退職することに合意する」

 頭が真っ白になった。「治療費を考えると辞められない」。女性はサインを拒否。治療の副作用でしびれる脚を引きずりながら、満員電車に乗って出社を続けた。通院や副作用がつらい日は有給休暇を使ったが、やがて有休を使い果たし、欠勤がちになった。

 夏ごろ、会社が業績不振に陥ると、女性の席の内線電話が鳴った。リストラの通告だった。今度は拒否できず退職した。女性は、がん発覚前は月約45万円の収入があったが、月約20万円の失業保険に頼らざるを得ず、再就職しなければ無収入になる。もしがんが再発すれば、高額の抗がん剤治療を受けなければならないが、貯蓄もあまりない。

 女性は両親の住む長野県に戻ることを考えている。「景気も悪く、病気を抱えての再就職は厳しい。病気によって、余裕のない企業ではしっかり休職できず、就労者が簡単に切られる社会はおかしいと思うが……」。抗がん剤による脱毛を隠すカツラの毛先を見つめながら、つぶやいた。

    ◇

 「がんが再発して休みばかり取られたら、他の人に示しが付かないから降格だ」

 岐阜県の男性会社員(41)は5年前、右脇下の肉腫の手術を受け、約14カ月の休職を経て職場に復帰した。だが08年、新しい上司に思わぬ言葉を突きつけられた。反論は許されず、2階級降格の「ヒラ社員」になった。「復帰後、仕事の責任は果たしたつもり。それなのになぜ、とせつなかった」と、男性は唇をかんだ。

 男性は専業主婦の妻と子供2人の4人暮らし。入院前は約600万円あった年収が、今は約400万円まで減った。貯蓄も治療で使い切った。「がん患者でも働いて税金をきちんと納め、社会に貢献できる人はたくさんいる。企業や国は、もっと病気を抱える人のことを理解してほしい」

 一方、従業員約50人が働く食品卸会社「桜井謙二商店」(千葉県銚子市)の桜井公恵(きみえ)社長(43)は「従業員は会社の財産です」と断言する。同社では社員が病気などで通常通り働けなくなった場合、短時間労働を選ぶことができる。昨年、乳がんで10カ月間休職した従業員は復帰後の1カ月間、午前10時から2時間働く形で体調を整えた後、ほぼフルタイムでの職場復帰を果たした。桜井社長は「一生何もなく働ける人の方が珍しい。病気であっても会社の力になることを忘れてはいけない」と話す。

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 医療の進歩で治療費が高額化する一方、長期の治療が必要な働き盛りのがん患者らがリストラされたり、収入減を強いられるケースが相次いでいる。雇用や収入の不安定化は治療の継続を困難にする。国の高額療養費制度をはじめ、患者の経済的負担を軽減するための公的な支援が十分に機能しない中、治療を支える手だてを探った。

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 この連載は河内敏康、大場あいが担当します。

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命を削る 薬や治療に「経済評価」 海外を知る/3

2010年12月5日 提供:毎日新聞社

命を削る:海外を知る/3 薬や治療に「経済評価」

 ◇医療費増大でアジアでも関心 データ活用も課題に

 医療技術の進歩や高齢化などによって、各国で医療費が増大している。英国やフランス、ドイツなど欧州では、有効性だけでなく、費用対効果に基づく経済性などを考慮する「経済評価」を踏まえながら、公的保険で使える薬や治療を決めている。東京大の福田敬准教授(医療経済学)は「最近ではアジアの国々でも、こうした薬剤の経済評価に多くの関心が集まっている」と解説する。

 韓国もその一つ。福田さんによると、韓国は日本にならって国民皆保険制度を導入し、89年に達成した。しかし、保険でカバーする範囲が拡大し、使った分だけ支払われる出来高払いだったため、医療費が増大した。経済協力開発機構(OECD)のデータなどによると、総医療費に占める薬剤費の割合も06年は約25%。保険が適用される薬の数は06年時点で約2万1000種類もあった。

 薬剤の支払いなどによる保険財政への影響を抑えようと、韓国は薬の保険適用の可否を決める際、欧州と同様に有効性だけでなく、費用対効果も重視する方針に転換した。レセプト(診療報酬明細書)を審査する公共団体の健康保険審査評価院(HIRA)に、費用対効果などを評価する部署を発足させた。

 07年以降、製薬企業が新薬の保険適用を申請する場合、経済評価のデータが原則必要になった。既存の保険適用薬も費用対効果に基づく再評価を実施したところ、高脂血症薬のスタチンの一部で保険適用から外されたものもある。この結果、保険適用薬は10年時点で約1万5000種類に減少。総医療費に占める薬剤費の割合も07年以降は顕著に低下している。

 製薬企業側には戸惑いもみられる。経済評価をするためのデータをそろえるのが困難だからだ。保険適用される薬から外れれば使われなくなるという危機感から、価格交渉の過程で薬価を値引きする場合もあるという。
 一方、HIRAの役割は薬剤の経済評価だけではない。韓国では、レセプトのオンライン化が全国に普及しており、そのデータを使って医療の質の評価や向上に役立てている。国立保健医療科学院の研究報告によると、HIRAでは心筋梗塞(こうそく)や脳卒中の治療成績の評価結果をインターネットで公表し、医療機関の医療の質を国民が簡単に分かるような仕組みがあるという。

 財団法人の研究機関・医療経済研究機構の満武巨裕(みつたけなおひろ)・研究部副部長(医療情報学)は「日本はデータベースの整備が遅れている。韓国のように蓄積したデータを活用し、病気の予防や最適な医療の選択などに利用すべきだ」と指摘する。

 英国や韓国のように、保険適用を受けるためには薬剤の経済評価のデータを提出しなければならない国がある一方、日本は保険適用されるよう申請する際、経済評価データの提出は義務付けられてはいない。国際医療福祉大などが08年までの5年間に薬剤の保険適用を申請した製薬企業を対象に調査したところ、保険適用となった薬168品中、経済評価の資料が提出されたのはわずか8品(4・8%)しかなかった。理由は「資料提出のメリットがない」「社内に(分析をする)担当者がいない」などだった。

 国際医療福祉大の池田俊也教授(医療経済学)は「医薬品の経済評価は、診療ガイドラインや予防接種の導入の決定など幅広く活用できる。経済評価の方法については課題もあるため、学術団体を中心に各国の行政当局や製薬企業、医療者などと情報交換を進めていくことが重要」と話す。【河内敏康】=つづく

命を削る 治療の支え 最後まで「働きたい」

2010年12月5日 提供:毎日新聞社

 治療が難しいと考えられてきたがんなどの病気になっても、医療が進歩し、日常生活への復帰が可能になった。たとえば、国民の2人に1人がなるがんは、その半分以上が治る時代だ。ところが、治療の多くは高額化し、治療中断による病状悪化や経済的負担の増加で、患者の体と生活を脅かす。患者を支援するはずの国の制度も、治療費確保のため働き続ける環境も、現状は十分とは言い難い。患者の負担軽減を求める声は高まる一方だ。【河内敏康、大場あい】

 高額な医療費の負担に苦しんだ盛岡市在住の慢性骨髄性白血病(CML)患者、柏崎周一さんが先月27日未明、58歳で亡くなった。経済苦から特効薬の服用を中断して容体が悪化、骨髄移植も受けたが、回復しなかった。「貧乏人は薬が使えず、死ぬしかないんでしょうか」。周一さんの妻、木の実さん(53)は、こう言って嘆いた。

 周一さん夫婦が苦しみ、負担軽減を願う姿を今年5月9日の毎日新聞で紹介した。その後、厚生労働省は国の高額療養費制度で一般所得者の低所得層の患者負担上限額引き下げなどについて議論を始めた。だが、周一さんが息を引き取った5日後、来年度からの引き下げ開始を見送る方針を決めた。

 周一さんはパスタ店を経営、特効薬服用で症状は安定し、店の切り盛りに力を注いでいた。ところが店の経営悪化に伴い薬代の負担が重くなり、4年前に薬の服用を中断。その後治療を再開したが、病状は重く、今年11月に受けた骨髄移植後の合併症で亡くなった。

 11月22日夜、人工呼吸器を装着する前、周一さんは意識がもうろうとする中、両手でスパゲティをゆで上げる仕草をしながら、「早く仕上げないと。お客さんが待っている」と語った。周一さんの最後の言葉だった。木の実さんは「最後まで職場復帰を願っていた。病気になっても、誰もが安心して暮らせる制度を作り、夫のような思いをする人が二度と出ないようにしてほしい」と訴える。

 厚労省は今回、通院患者が医療機関の窓口で自己負担分を立て替え、約3カ月後に上限額を超えた分が戻ってくる現在の仕組みから、立て替えなくてもすむよう改める方針を決めた。だが、制度見直しの根幹だった負担上限額引き下げが見送られたことに、患者団体からも批判の声が上がっている。

 議論した社会保障審議会医療保険部会では、70歳未満で収入が約300万円以下の患者の負担上限額を、現行の月8万円余から半分程度にする試算が示されたが、財政状況の悪化している健康保険組合など医療保険者が反発した。

 がん患者会「グループ・ネクサス」理事長で厚労省がん対策推進協議会会長代理の天野慎介さんは「負担が大きいから見直しできないというだけでは、議論は不十分だ」と指摘。血液疾患患者の会「フェニックスクラブ」事務局の野村英昭さんは「患者が長期に高額な負担を強いられるという現状に、医療保険制度が対応できていない。(柏崎さんのように)薬の服用を中断したり、休薬している患者は潜在的に多い。早く対応しなければ状況は悪化する」と早期の抜本的な見直し実現を求めている。

 ◇4人に1人、年収100万~200万円減 がん診断「仕事に影響」34%

 患者にとって医療費の負担軽減策が進まない今、「働き続ける」ことは、治療継続の支えともいえる。

 だが、がん経験者で作るグループ「CSRプロジェクト」などが今年6~7月に実施した調査では、20~69歳の就労者(有効回答数770人)のうち、がんと診断後に依願退職した人は18%▽解雇2%▽廃業4%▽休職・休業中10%――に上り、仕事に影響があった人が計34%に達した。診断後も働いている人でも41%は収入が減り、4人に1人は100万~200万円減った。

 がん患者に限らない。国内に70万人いる関節リウマチ患者らの団体「日本リウマチ友の会」が昨年6月、8307人の患者らに調査した結果、41%が「職業生活に影響があった」と回答。そのうち60%が、リウマチのため休職や退職、廃業を余儀なくされたと答えた。

 治療が長期に及ぶ慢性疾患の患者が働きにくい背景の一つに、働く能力のある患者の雇用に配慮する法律が国内にないことが挙げられる。労働契約法は「合理的な理由のない解雇は無効」と定めるが、実際の交渉の多くは雇用主と労働者の関係に委ねられる。病気の従業員の就業制限や休業に配慮するよう雇用主に義務付ける労働安全衛生法には、「病気を理由とした不採用につながる」との指摘もある。

 高齢・障害者雇用支援機構障害者職業総合センターの春名由一郎研究員(保健管理学)によると、世界的には「誰もが生涯のうちに健康の悪化を経験する」という考え方に転換しつつあり、政策としてがんなどの病気の人も含めた社会的支援を考える傾向にあるという。

 ドイツは障害者の雇用義務(従業員の5%)の対象に病気の人を含めている。米国の連邦法では、雇用主が通院のための勤務時間の変更など、理にかなった必要な配慮をしないことも違法とされる。

 がん患者らの就労支援に取り組むNPO「HOPEプロジェクト」の桜井なおみ理事長は「少子高齢化で就労人口が減り始めている日本でこそ、病気を抱えた人も働ける労働環境を整備すべきだ」と訴える。

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 ■ことば

 ◇高額療養費制度

 患者の負担軽減のため各月の医療費自己負担の上限額を超える分について、健康保険組合など保険者から払い戻される国の制度。上限額は保険加入者の年齢や所得に応じて異なる。70歳未満の場合、年間約600万円以上の高所得者や住民税非課税の低所得者を除く一般所得者だと、上限額は月8万円余。過去1年間に3回以上払い戻しを受けると、4回目から上限額は月4万4400円になる。

最近は20~30代にも広がり 耳鳴り/1 あなたの処方箋/44

2010年12月6日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/44 耳鳴り/1 最近は20~30代にも広がり

 「キーン」「ゴー」など周囲にない音が聞こえる耳鳴りに悩む人が増えているとされる。耳鳴りは聴覚が衰える高齢者に多いが、近年は20~30代の女性ら若者にも広がり、原因がはっきりしないケースも少なくないという。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、耳鳴りを訴える人は07年には1000人当たり30・2人で、95年(21・0人)の約1・5倍となっている。

 東京都内のヨガインストラクターの女性(37)は7月から、耳鳴りが気になるようになった。連日、高温多湿の場所で行うホットヨガのレッスンが終わると「高層ビルのエレベーターに乗った時のように耳が詰まった感じになり、耳の中で『ゴー』という音が響いた」。8月下旬には耳鳴りが止まらなくなり、睡眠障害や食欲低下なども起こった。病院で脱水状態が原因の自律神経障害と診断され、女性はヨガをやめ、水分の十分な摂取と処方薬の服用で1カ月後には症状がほぼ治まった。

 石井正則・東京厚生年金病院耳鼻咽喉(いんこう)科部長は「ホットヨガは発汗量が多く、1時間のレッスンならスポーツドリンクなどを1~1・5リットルは飲んだ方がいい。無理なダイエットによる摂食障害も耳鳴りを引き起こすことがある」と指摘する。

 音は空気の振動として耳に入り、鼓膜を通じて内耳に伝わって電気信号に変換され、脳へ送られる。耳鳴りや難聴は耳のどこかの器官が異常興奮することで起こる。一般的に耳鳴りが「キーン」「ピー」といった高音の場合は内耳や聴神経の異常、「ブーン」「ゴー」など低音なら外耳や中耳の異常が疑われるが、耳鳴りの原因の約9割は内耳にあるとされる。石井部長は「耳鳴りは疲労やストレスで一時的に起こることもよくあるが、長引いたり繰り返す場合は医療機関を受診してほしい」と話す。(福永方人が担当します)=つづく

認知症薬が心臓病に効果 死亡率低下、高知大

2010年12月6日 提供:共同通信社

 アルツハイマー型認知症に有効な治療薬「塩酸ドネペジル」が心臓病予防にも効果を示すとする研究結果を、高知大医学部と米バンダービルト大のチームが4日までにまとめた。

 研究では、米国の認知症患者の中から塩酸ドネペジル服用者と、服用していない患者を約80人ずつ無作為に抽出。

 平均3年間の経過を調べた結果、服用していない患者は36人が心筋梗塞などの心血管疾患で死亡したが、服用者では18人で、死亡する割合が低かった。

 チームの佐藤隆幸(さとう・たかゆき)・高知大教授(循環制御学)によると、塩酸ドネペジルは神経伝達を促す物質アセチルコリンの働きを強め、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせるが、心臓の働きを抑制する可能性があるため、心機能の低下した患者への投薬は控えられている。

 佐藤教授は、アセチルコリンが心筋細胞でも作られることを発見。心機能が低下したマウスに塩酸ドネペジルを投与すると生存率が改善したため、研究を開始した。塩酸ドネペジルがアセチルコリンの働きを強め、心筋細胞などの再生を促したことが心臓病予防に役立ったとみている。

 佐藤教授は「日本人の死因で心臓病はがんに次いで多く、新薬の開発が急務。塩酸ドネペジルが心臓病予防の薬にもなるように研究を進めたい」と話している。

糖尿病の「元」、突き止めた…京大チーム

2010年12月6日 提供:読売新聞

 血糖値を下げるインスリンの分泌や働きを妨げ、糖尿病発症の原因になる体内物質を、京都大ウイルス研究所の増谷弘准教授、吉原栄治研究員らが突き止め、科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した。この物質を減らす薬を開発すれば新薬として期待できるという。

 この体内物質は、細胞の核にあるTBP2というたんぱく質。吉原研究員らは遺伝子を操作してTBP2を持たないマウスを誕生させた。マウスは、膵臓(すいぞう)のβ細胞から分泌されるインスリンの量が約1・5倍に増加。いくら食べて太っても血糖値が正常に保たれ、糖尿病にならなくなった。

 普通のマウスは3日間絶食させても平気だったが、TBP2を持たないマウスは9割が死んだ。TBP2は、食べるものがなくても血糖値が下がりすぎないようにし、生命を維持するために働いているらしい。

 増谷准教授は「かつては生存に欠かせない物質だったが、飽食の時代を迎え、病気の原因になってしまったのだろう」と話している。

眼球に電極つけ視覚回復 失明患者、指で光追う 国内初、大阪大

2010年12月6日 提供:共同通信社

 失明した患者の眼球に網膜を刺激する電極をつけ、光の動きを追えるまでに視覚を回復させたと大阪大大学院医学系研究科(大阪府吹田市)の不二門尚(ふじかど・たかし)教授が5日明らかにした。

 国内で初めての成功で、網膜色素変性症など視力が失われる病気の患者に朗報になりそうだ。

 不二門教授は「色の識別はできず、まだ白黒でしか認識できないが、2年後には大きな文字を読めるようにしたい。数年以内につえがなくても歩けるようになるかもしれない」と話している。

 大阪大チームは、10年以上前に失明した網膜色素変性症の兵庫県の女性(72)に4月、千葉県の女性(67)に7月、それぞれ眼球の網膜の外側にある強膜に49の電極が付いた白金製のチップ(約7ミリ四方)を埋め込み、眼球内にも約1ミリの電極を一つ装着した。

 女性の額に取りつけた電荷結合素子(CCD)カメラでとらえた映像を、体外のコンピューターで白黒映像に変換。この映像情報を、こめかみに埋め込んだ小型装置に無線送信し、装置につながったチップで網膜に電気刺激を与える仕組み。

 刺激は視神経を通って脳に伝わり、視覚化。2人ともパソコン画面の光を指で追えたという。

 2005年と08年にも4人に、チップを手術中のわずかな時間だけ装着し、効果を確認。今回は約1カ月間装着し、効果や安全性を調べた。千葉の女性は網膜の神経が活発に働くようになり、チップを外した後もろうそくの光が見えるという。

 米国などでは網膜を直接電気刺激する研究が進んでいるが、大阪大の手法は強膜にチップをつけるため網膜を傷つけにくく、より安全性が高いという。「将来は眼鏡型CCDカメラと、持ち運べる小型の体外コンピューターを開発したい」(不二門教授)としている。

※網膜色素変性症

 カメラのフィルムに当たる目の網膜に異常を来す遺伝性、進行性の難病。暗い所で見えにくくなったり視野が狭くなったりする症状で始まり、視力低下や色覚障害を生じる。失明することもある。難病情報センターによると、患者は推定で4千~8千人に1人。遺伝子治療や網膜移植、人工網膜の研究が進んでいるが、進行を確実に止める治療法はない。

新型インフル重症例、「季節性」の抗体原因

2010年12月6日 提供:読売新聞

 昨年世界的に流行した新型インフルエンザでは免疫力の強い青壮年層にも重症例や死亡例が出たが、もともと体内に持っていた季節性インフルエンザの抗体による異常な免疫反応が原因であることが、米バンダービルト大学などの研究で明らかになった。

 新型ウイルスによる重症例の効果的治療法の開発につながると期待される。6日、科学誌ネイチャー・メディシン電子版で発表する。

 研究チームは、新型で入院した17-57歳の54人の血液や肺の組織などを詳しく調べた。その結果、過去に季節性に感染した際にできた抗体は、新型ウイルスとも反応することを確認。この抗体は新型ウイルスの感染を防ぐ力はないが、異常な免疫反応を起こし、肺や腎臓にウイルスたんぱく質などを蓄積する結果、重症化することを解明した。

 この現象は季節性ウイルスの感染では起きないが、1957年に発生した「アジアかぜ」で死亡した中年患者の肺で同じ症状が確認され、新型に特有の現象とみられるという。

インフル患者に早期治療徹底を…感染症学会提言

2010年12月4日 提供:読売新聞

 日本感染症学会(岩本愛吉理事長)は3日、インフルエンザにかかった患者に積極的に治療薬を投与することを推奨する提言を公表した。

 新型インフルエンザが流行した昨シーズンは、早期診断、早期治療が徹底されたため、海外に比べ国内の死亡者が少なかったと分析。今シーズンも同様の対策が望ましいと判断した。

 提言では、季節性インフルエンザによる死亡例は高齢者が大多数を占めるのに対し、新型では30-50歳代の死亡が世界的に多いと指摘。新型に感染した30-50歳代は4-5日目に急に重症化することが多く、とくに注意が必要だという。

 今シーズンは季節性のA香港型が多く、新型は現時点では2-3割。A香港型は小児や高齢者で重症化しやすく、「A香港型の流行が大きくなれば死亡者数は昨シーズンを大幅に上回る」と警戒を呼びかけている。

インフル報告、6週連続増 流行の兆し、注意呼び掛け

2010年12月6日 提供:共同通信社

 国立感染症研究所は3日、全国約5千の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数(11月22~28日)が、1機関当たり0・44人になったと発表した。10月後半から6週連続の増加。季節性のA香港型が中心とみられる。

 全国的な流行入りの指標である「1人」には達していないが、北海道(2・43人)では既に流行状態。関東、近畿の大都市圏でも複数の学級閉鎖が報告され、流行の兆しが表れ始めている。

 典型的なシーズンでは12月に流行入りし、翌年1月にピークを迎えるため、厚生労働省は感染拡大に注意を呼び掛けている。予防接種の効果が出るのは接種後2週間以降とされており、厚労省は「これから受けるなら月内に」と勧めている。

 1機関当たりの患者が多いのは北海道、大分(1・31人)、沖縄(0・88人)の順。

 最近5週間で検出されたウイルスはA香港型が新型を上回っている。A香港型は11月、秋田県の病院で高齢の患者8人が死亡した集団感染の原因になった。

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