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最新医療情報9

最新医療

インフル流行さらに拡大 九州、関東で多く

2011年2月4日 提供:共同通信社

 国立感染症研究所は4日、1月24~30日の1週間に全国約5千の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者は1医療機関当たり31・88人で、前週(26・41人)の約1・2倍になったと発表した。この1週間に全国で医療機関を受診したのは推定約176万人、14歳以下の割合がやや増えたという。

 都道府県別では、宮崎(60・88人)、長崎(56・61人)、福岡(47・17人)、佐賀(46・64人)、群馬(45・30人)、大分(44・36人)の順で、九州、関東地方で多い傾向が続いている。

 直近5週間に検出されたウイルスは新型が最も多く、季節性のA香港型、B型の順となっている。

インフルエンザ、流行ピーク…新型が8割以上

2011年2月4日 提供:読売新聞

 国立感染症研究所は4日、全国約5000医療機関を対象にしたインフルエンザの定点調査で、最新の1週間(1月24-30日)の1医療機関当たりの新規患者数が31・88人となり、警報レベルの30人を超えたと発表した。

 全国の推定患者数は、約176万人。流行のピークに差しかかっていると見られ、厚生労働省は手洗いやせきが出る場合のマスク着用などを呼びかけている。

 感染研によると、過去3週間で検出されたウイルスは、新型インフルエンザが8割以上。昨年10-11月は、季節性のA香港型が半数以上を占めていたが、12月以降は流行の中心が新型に移った。

 新型の感染者は昨シーズンと同様、子供たちが多いが、今季は特に、昨季は少なかった20代-30代の若者の感染が目立つ。年代別では0-4歳が13・1%、5-9歳19・9%、10-14歳13・1%、15-19歳7・4%、20歳代13・6%、30歳代は13・1%。小児から青壮年層まで幅広い世代に広がっている。

脱毛、白髪の仕組み解明 幹細胞にコラーゲン不可欠

2011年2月4日 提供:共同通信社

 毛根で「17型コラーゲン」というタンパク質が不足すると、脱毛と白髪の両方の原因となることをマウスの研究で突き止めたと、西村栄美(にしむら・えみ)東京医科歯科大教授(幹細胞医学)らが4日付米科学誌に発表した。

 西村教授は「頭皮でこのコラーゲンが作られるような薬を開発すると、一部の脱毛や白髪を治療できる可能性がある」としている。

 髪の毛と黒い色のもとは、毛根に貯蔵されている毛包幹細胞と色素幹細胞。毛が再生産される際に使われる。

 西村教授らによると、17型コラーゲンの働きで毛包幹細胞が枯渇せず脱毛を防いでいることが判明。このコラーゲンは、毛包幹細胞が「TGFベータ」というタンパク質を作るのにも不可欠で、このタンパク質の働きで色素幹細胞がなくなってしまわないことも分かったという。

 マウスは通常、生後約2年で老化し脱毛や白髪が起きるが、遺伝子操作で17型コラーゲンができないようにしたマウスでは、半年以内に白髪が目立つようになり、約10カ月で全身の毛が抜けた。TGFベータも作られていなかった。

 さらに人間の17型コラーゲンを作るよう遺伝子操作すると、再び毛包と色素の両方の幹細胞ができ、脱毛と白髪を抑えられた。

 TGFベータができても、色素幹細胞側で受け取れないように遺伝子操作をすると白髪になった。

 北海道大、金沢大との共同研究。

※米科学誌はセル・ステム・セル

悪性リンパ腫の新診断法 微量の血液で再発予測

2011年2月4日 提供:共同通信社

 血液中に含まれる特定の「マイクロRNA」を測定し、リンパ節などで起きるがん「悪性リンパ腫」の診断や再発のリスクを調べる方法を開発したと、東京医大の大屋敷一馬(おおやしき・かずま)教授と黒田雅彦(くろだ・まさひこ)教授らが3日、発表した。血液0・25ミリリットルで測定が可能という。

 マイクロRNAは、タンパク質を作らないRNAの一種で、遺伝子の働きの制御などに関与していると考えられている。人間では約850種類見つかっているが、血液中には200~300種類存在するという。

 研究チームは、日本で悪性リンパ腫の多くを占める「B細胞性リンパ腫」の患者の血液を調べ、「92a」という種類のマイクロRNAが健康な人の20分の1程度に減少していることを突き止めた。

 治療して腫瘍がなくなった患者53人の検査では、「92a」の量が少なかった人の半数がその後再発した。

 大屋敷教授は「少量の血液で再発のリスクを予測することができ、その後の治療方法を決めたり、過剰な治療を防ぐことができる」と話している。

 悪性リンパ腫は、日本では10万人当たり約10人が発症。B細胞性リンパ腫では、腫瘍が全身に広がらず限られている患者でも再発するケースが多いという。

※近く米科学誌PLOS・ONEに発表する

インフル流行、警報レベル…熱なくとも油断禁物

2011年2月4日 提供:読売新聞

 インフルエンザの流行が警報レベルに入った。

 今シーズン目立つのは20-30歳代の若者の感染だ。働き盛りのサラリーマンや集団活動が多い大学生らが「熱はないから大丈夫」と体調不良を我慢して外出し、感染を広げている可能性も指摘される。専門家は「少しでも感染を疑ったら受診を」と呼びかけている。

 インフルエンザの発症初期の典型的な症状は38度以上の高熱、全身の倦怠(けんたい)感、のどの痛みなど。しかし、実際には高熱が出ない感染例も珍しくない。インフルエンザに詳しいけいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師は「20-30歳代は、熱があっても頑張って出勤してしまうことが多い。軽症や自覚症状がなくても感染者の体内ではウイルスが増えるため、マスクもせずに学校や職場に行けば、感染を広げる恐れがある」と警告する。

神奈川県内全域にインフルエンザ警報

2011年2月4日 提供:毎日新聞社

インフルエンザ:県内全域に警報 /神奈川

 県は3日、インフルエンザの流行警報を県内全域に発令した。1月24~30日の定点当たりの患者報告数は38・42で、警報の指標である「30」を超えた。流行警報の発令は3季連続。新型インフルエンザの流行が拡大した昨季は09年11月に発令されたが、今季の流行時期は例年並み。県は引き続き手洗いなどの感染予防を呼びかけ、重症化を防ぐワクチン接種を勧めている。

 昨年9月からのウイルス検出は、新型の169件が最多で、A香港型が99件、B型が24件。当初はA香港型が最多だったが、年末年始から新型の感染が広がっている。保健所の管内別の患者報告数は、厚木の50・88が最も多くなっている。【木村健二】

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 ◇保健所管内別のインフルエンザ患者報告数◇

厚木   50.88

秦野   48.60

大和   44.45

茅ケ崎  43.55

横浜市  40.19

小田原  39.80

川崎市  35.87

横須賀市 35.21

藤沢市  34.79

相模原市 32.82

鎌倉   31.89

…警報の指標30…

平塚   26.36

足柄上  25.80

三崎   10.67

 ※県まとめ

「寝る前に靴下をはきなさい」 石田純一さん「かくれ不眠」大使に

2011年2月3日 提供:読売新聞

 2月3日は「不眠の日」。睡眠の大切さをPRするため医師らで作った「睡眠改善委員会」の発足記者発表会が同日、都内のイベント会場で行われ、俳優の石田純一さんと、妻でプロゴルファーの東尾理子さんが“かくれ不眠”広報大使に就任した。

 この委員会は、健康を維持するために、睡眠が食事や運動と同様に大切な要素のひとつであることを世の中に啓発するため、杏林大学医学部精神神経科主任教授の古賀良彦さんら睡眠の専門家が集まって発足した。

 委員会では、医療機関を受診するほどではない軽度な不眠を“かくれ不眠”と命名。2月3日と、毎月23日を「不眠の日」として制定し、“かくれ不眠”解消のための情報を発信し、すこやかな睡眠ができるよう支援していくという。

 古賀さんによると、日本は世界の中でも睡眠時間が少なく、20-40代の約8割がかくれ不眠だという。さらに、不眠を放っておくと、うつ病、肥満、糖尿病、高血圧などの疾患のリスクが高まり、寿命にも関わると指摘した。

 会見では、かくれ不眠を判定するチェックシートに石田・東尾夫妻が挑戦。早寝早起きを心がけているという東尾さんがパーフェクトだったのに対し、休日に寝だめをしたり、仕事が忙しいと夜更かしをしてしまうという石田さんは、かくれ不眠と判定された。

 石田さんは、「寝だめや、寝酒は逆効果。3食しっかりと食べ、ぬるめのお風呂にゆっくり入ること、朝の散歩が有効」とアドバイスを受けた。

 「仕事のせいにしないで、規則正しい生活を送り、健康で長生きしたい」と石田さん。一方、寝ることに貪欲で、ゴルフトーナメントの前日には夜9時に寝るという東尾さんは「美容のためにも早く寝ている。枕やベッドなど寝具にもこだわっている。夫にはかくれ不眠を解消して、長生きして欲しい」と、夫婦仲良く語った。

 最後に、古賀さんから、「睡眠不足解消には『頭寒足熱』が重要。寝る前にぜひ靴下をはいて温めてください」と、素足がトレードマークの石田さんに靴下が贈られた。

◇ ◇ ◇

 こんな人がかくれ不眠

 ★かくれ不眠チェックシート(睡眠改善委員会監修)
1.□ 集中力が途切れがちで、イライラすることが多い
2.□ 自分は寝なくても大丈夫なほうだ
3.□ 最近、面白そうなことがあってもあまりやる気が出ない
4.□ 夜中に何度か起きてしまうことがある
5.□ 寝つきが悪いことが多い
6.□ 眠れないのは異常ではない
7.□ 寝る時間は決まっておらず、毎日ばらばらである
8.□ 起きた時に「よく寝た」と思えない
9.□ 思ったよりも早く起きてしまうことがある
10.□ 平日にあまり寝られないため、休日に「寝だめ」をする
11.□ よく昼間に居眠りしてしまうことがある
12.□ 仕事が忙しいと、寝ないで夜遅くまで頑張ってしまう
(この中でどれか一つでも当てはまれば、かくれ不眠)

 睡眠改善委員のHP http://www.brainhealth.jp/suimin/

(京都)見えずとも 花開く絵心

2011年2月4日 提供:読売新聞

 視力を失いながらも、ひもを使った独自の技法で絵を描く左京区の画家、末冨綾子さん(47)が6日にパリで開かれる盲人アーティスト協会(本部・パリ)の交流会で作品を展示する。作品は、訪れた視覚障害者に手で触って鑑賞してもらう予定で、末冨さんは「『目が見えなくてもできることはたくさんある』という生きるヒントになれば」と期待に胸を膨らませる。(横田加奈)

 末冨さんは高校生の時に、視力が徐々に低下、40歳には失明する難病であると医師から宣告された。「見えるうちにやりたいことをしよう」。小さい頃から絵を描くことが好きだった末冨さんは武蔵野美術大に進学し、1990年にはフランスに留学、現在もパリのアトリエで年2回、作品に取り組む。

 画風は、症状とともに変えてきた。学生時代は色彩豊かにパリの街並みや人、物を細かく描いたが、色の識別が難しくなってくると、石こうの上に黒の顔料を塗り、彫刻刀で削った。

 だが、5年前にとうとう視力をほぼ失い、彫刻刀を使う手法も困難になった。「これ以上作品を作るのは無理だ」と末冨さんは初めて自暴自棄になり、失望した。そんな時、知人にもらったたこ糸を手にする。コシがあって思い通りの絵が作れると直感した。「もう一度やってみよう」。

 パネルにたこ糸や麻糸、ぶどうの枝など様々な種類のひもを張り付け、パリの街並みやカフェのほか、リンゴやさくらんぼなど身近なものをかたどって描く。使う色は主に白や黒だが、出来上がった作品はまるで洋菓子店に並ぶお菓子のようだ。オリーブの実はひもを結んで団子状にしたり、タルトケーキの縁をひもをほぐして表現したりするなど技法も豊かになった。

 これまでに大阪や東京で個展を開いた。作品を手でなぞって鑑賞した視覚障害者らが「美しい」「面白い」と喜んだ。目に障害を抱える息子を持つ母親は「勇気が出た」と涙を流しながら礼を言った。

 交流会には5つの作品を展示、ソファに座って読書をするようにくつろいで作品を触ってもらいたいという。末冨さんは「目が見えなくなるのはハンデなんかじゃない。自分を素直に受け入れて出来ることを楽しくやればいいんじゃないかな。同じような境遇の人たちに『私も何かやってみよう』と思ってもらえれば」と話している。

病気、障害「治療のせい?」 こうのとり追って 第2部・不妊治療を知る/5止

2011年2月4日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第2部・不妊治療を知る/5止 病気、障害「治療のせい?」

 ◇自責、後悔越え「生まれてくれてよかった」

 近畿地方の主婦(35)が1年半の不妊治療を経て授かった長男(2)は、生まれつき心臓や血管に疾患があった。妊娠は、夫の精子を医師が排卵に合わせて子宮に注入する人工授精だった。「不妊治療と疾患は関係がないだろう」と医師には言われたが、気持ちは揺れた。「何か特別なことをしたのは不妊治療しかない。治療で薬を使ったからなのか。苦しい思いをさせてまで、産んでよかったのか」と、自分を責めた。治療中は妊娠することが目的になっていたが、「子供を産んでからがスタートだった」。

 それでも、我が子はいとおしい。ひざの上に抱き上げると、自分が抱かれているような気がする。自分に見せる笑顔や、無条件に頼ってくれるのがうれしい。「この子がいなかったら生きていけない」と思う。最近、主婦は再び不妊治療を受け始めた。母親(66)は長男の疾患は不妊治療が原因という思いがぬぐえず、「無理に2人目を産まなくても」と言う。妊娠したら「治療しないで自然にできた」と伝えるつもりだ。

     ◇

 産業医科大小児科の白石美香・NICU(新生児集中治療室)医長は、これまで複数の病院で勤務し、赤ちゃんに障害や病気があったとき、精神的に受け入れられない母親を数多く見てきた。ある母親は、後遺症が残る可能性のある病気の赤ちゃんを見て「とても育てられない。呼吸器を外して」と頼んだ。病気の赤ちゃんを出産した別の母親は「こういう子はうちの家系には生まれないはず」と言い張った。「あんなに苦労してできた子なのに、障害があるなんて許せない」。そう訴える母親もいた。

 「不妊治療を受けて産んだお母さんには、産むことが最終ゴールになっている方も多い」と白石さんは語る。こうした女性たちに白石さんは、母乳を持ってきてもらい、赤ちゃんに触れるよう促すなど、少しずつ、母親としての自覚や愛情が芽生えていくように促していくという。

     ◇

 17年前、体外受精で双子の男児を出産した近畿地方の別の主婦(49)も自責の念にとらわれてきた。次男は仮死状態で生まれ、知的障害が残った。

 子宮に戻した受精卵は4個。日本産科婦人科学会は08年、多胎による母体への負担や早産といったリスクを減らすため、原則として子宮に戻す受精卵を1個とする見解をまとめている。しかし、主婦が治療を受けた当時は、いくつ戻すかは医師の判断次第で、受精卵が複数着床して多胎妊娠につながる可能性は、現在より高かった。

 医師は仮死状態だった次男に障害が残る可能性があると告げた。長男に比べ成長が遅かったが、はっきりと事実が分かったのは2歳になるころに受けた検査だった。

 夫の転勤で地元から離れて暮らしていたため、頼れる人は身近にいなかった。「死にたい」と毎日のように思い、治療を受けたことを後悔した。子供たちはかわいいが、疲れている時は、悪い考えがよぎった。「治療しなければ生まれてこなかった命なのに」「子供がいない人生を受け入れればよかった」

 この2~3年、次男が目に見えて成長してきた。以前は自分の思い通りにならないと我慢できなかったが、主婦が忙しい時は手が空くのを待てるようになった。主婦が着替えに手を貸そうとしても断るなど、少しずつ自立心が芽生えている。

 今は「生まれてくれてよかった」と心から思う。そして「生まれてきて幸せだ」と、子供たちが感じてくれていたら、と願っている。=おわり(五味香織、丹野恒一、下桐実雅子、須田桃子、藤野基文が担当しました。3月に反響特集を掲載します)

プリン体控え、運動で肥満防いで 痛風/5止 あなたの処方箋/82

2011年2月4日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/82 痛風/5止 プリン体控え、運動で肥満防いで

 痛風を予防・改善するには、食生活のコントロールが基本となる。尿酸のもとになるプリン体を取りすぎないだけでなく、肥満を防ぐことが重要だ。

 プリン体はレバー類や一部の魚介類などに多く含まれる。酒では紹興酒やビールに多い。1日の飲酒量は日本酒で1合、ビールでは500ミリリットル、ウイスキーなら60ミリリットルまでが望ましいとされる。谷口敦夫・東京女子医科大付属膠原(こうげん)病リウマチ痛風センター教授は「プリン体を過度に制限すると、必要な栄養も取れなくなる恐れがあり、『食べ過ぎない、偏らない』食事を心がければいい。酒は種類に関係なく飲み過ぎは良くない」と指摘する。

 肥満解消には適度な運動も必要だ。ウオーキングや水泳などの有酸素運動を目安として1回30分以上、週3回程度続けると効果的とされる。ただ、激しい運動はかえって血液中の尿酸値を高める恐れがある。筋肉などの新陳代謝が活発化してプリン体が短時間で蓄積される一方、汗を多くかいて尿酸排せつを促す尿が出にくくなるためだ。赤坂中央クリニック(東京都)の日高雄二院長は「自分のペースで無理なく長期間続けられる運動を選んでほしい」とアドバイスする。

 このほか、規則正しい生活リズムやストレスをためないことも尿酸値の上昇を抑えるポイントとなる。

 日本痛風・核酸代謝学会は19日午後6時から、東京・新宿の京王プラザホテルで市民公開講座「痛風の予防と治療の最前線」を開く。入場無料で、参加者を募集している。入場整理券が必要。申し込みは痛風財団事務局(03・3597・9394)へ。=おわり(福永方人が担当しました。7日からは「結核」です)

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 ■プリン体が多い食品

 魚の干物、干しシイタケ、白子、レバー、エビ、カツオ、イカ、カキ、メンタイコ、マグロ、紹興酒、ビール

 ■プリン体が少ない食品

 卵、チーズ、イクラ、さつま揚げ、豆腐、コメ、ナメコ、空豆、オクラ、焼酎、ウイスキー、ワイン

iPS細胞の指標探せ 京大と島津製が共同研究

2011年2月4日 提供:共同通信社

 京都大と島津製作所(京都市)は3日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)が健全な組織や臓器になる能力があるかどうかなどの指標となるタンパク質を探すため、共同研究契約を締結したと発表した。

 iPS細胞は皮膚などの体細胞に特定の遺伝子を組み込んで作製。体のさまざまな組織や臓器の細胞に成長する「分化能」があるとされるが、がん化するなどの懸念がある。

 研究は約10人態勢で、細胞を遺伝子レベルで分析できる島津製作所の「質量分析装置」を使って、iPS細胞のタンパク質などを解析。正常な状態で作製できているかどうかや分化能を確認する指標を探す。

 京都大iPS細胞研究所の戸口田淳也(とぐちだ・じゅんや)副所長は「分化前のiPS細胞の評価は、確立された基準がなく難しい。安全性や能力を測る指標を探したい」と話した。

幹細胞培養液で脳神経細胞再生 名古屋大・ラットで成功 「大量生産」「安価」に道

2011年2月2日 提供:毎日新聞社

脳神経細胞:幹細胞培養液で再生 名古屋大・ラットで成功 「大量生産」「安価」に道

 ◇生きた細胞使わず がん化、拒絶反応のリスク軽減

 名古屋大の研究チームは、臓器などの細胞の基になる幹細胞を培養した液体を使い、脳梗塞(こうそく)を起こしたラットの脳神経細胞を再生させることに成功した。3月1日から東京都内で開かれる日本再生医療学会で発表する。生きた細胞を使わないため、将来、薬のように大量生産し、多くの患者に安価で使える可能性がある。【永山悦子】

 同大の上田実教授(顎(がく)顔面外科)らは、ヒトの乳歯から取り出した幹細胞の培養液を濃縮し、その粉末を生理食塩水に溶かして、脳梗塞で歩けなくなったラットの脳に注射した。すると、ラットは6日後に歩けるようになり、脳神経細胞が再生して脳梗塞の範囲が小さくなった。

 さらに、同じ粉末を溶かした生理食塩水を、ラットの鼻から2週間続けて注入したところ、歩けるようになったうえ、脳梗塞の範囲は脳に直接注射した場合の約3分の1まで小さくなった。

 チームは、幹細胞に含まれるたんぱく質が、体内に存在する別の幹細胞を患部へ誘導して細胞を再生させていると推測。培養液にも同じたんぱく質が溶け出し、幹細胞を移植しなくても、同じ効果があったとみている。

 上田教授は「再生医療の常識を変える結果だ。細胞を移植しないので、がん化や拒絶反応の心配が少ない。事前に準備でき、発症直後の治療が必要な脊髄(せきずい)損傷患者への効果が期待できる。作成コストも、幹細胞より大幅に安くすむ」と話す。

初期化不完全なiPS 「メチル化」の状況分析

2011年2月3日 提供:共同通信社

 体細胞を「初期化」して作った人間の人工多能性幹細胞(iPS細胞)には初期化が不完全な部分があるなど、iPS細胞の詳しい性質を解明したと、米ソーク研究所などが3日付英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 遺伝情報が書き込まれたDNAで起きている「メチル化」という現象の状況を分析した。薬の開発や再生医療にiPS細胞を利用するには、こうした特徴がどう影響するかを考慮する必要がありそうだ。

 「メチル化」は、DNAに特定の分子がくっつく現象で、遺伝子がどのように働くかに重要な役割を果たしている。

 研究グループは、脂肪細胞から作ったiPS細胞、もととなった脂肪細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、iPS細胞から分化させた細胞を分析。

 完全に初期化された状態と考えられているES細胞と比較すると、iPS細胞はメチル化のパターンが大きく異なり、初期化が不完全だった。iPS細胞から分化させた細胞には、もととなった脂肪細胞の特徴も引き継がれていた。

 iPS細胞に詳しい国立成育医療研究センターの阿久津英憲(あくつ・ひでのり)室長は「これまではiPS細胞の性質を遺伝子の働きで見ていたが、より詳しい性質が明らかになった。培養を続けた場合の影響などを含め、より多くの種類のiPS細胞で詳しく調べることが重要になるだろう」と話している。

生命に適した太陽系外惑星54個発見…NASA

2011年2月3日 提供:読売新聞

 【ワシントン=山田哲朗】米航空宇宙局(NASA)は2日、生命に適した環境を持つ可能性がある太陽系外の惑星54個を宇宙望遠鏡「ケプラー」で発見したと発表した。

 ケプラーは銀河系の400分の1をカバーしているに過ぎず、地球のように生命を宿せる惑星は予想以上に数多く存在する可能性が高まった。

 NASAエイムズ研究所のウィリアム・ボルーキ研究員は記者会見で「宇宙では生命はありふれたものだろう」と話した。

 NASAは2009年にケプラーを打ち上げ、惑星が前を横切ることによる恒星の光の微妙な変化を観測。1235個の惑星候補を特定し、うち54個は熱すぎず冷たすぎず、液体の水が存在して生命に適していると推定した。特に5個は地球に近い大きさだった。

 また、観測した恒星のうち、地球から約2000光年離れた「ケプラー11」には最多の6個の惑星が密集し、惑星の成り立ちを解明するのに役立ちそうだ。

 こうした「候補」を惑星と断定するには、追加観測による確認作業が必要だが、これまでの研究結果から、80-90%は本物の惑星とみられている。

火山灰にはマスクが有効 ぜんそくの人は要注意

2011年2月3日 提供:共同通信社

 新燃岳(しんもえだけ)の噴火で、周辺の広い範囲に火山灰が降り続けている。専門家は、特にぜんそくなど呼吸器の持病がある人では症状を悪化させる恐れがあり、マスクの着用などが有効だと指摘している。

 防災科学技術研究所によると、火山灰は、木を燃やした灰とは違って軽石が細かく砕けたもの。断面が鋭く、硬さもガラスに匹敵する。細かい粒子を吸い込むと鼻と喉の炎症や痛み、せきなどを起こすことがある。特に呼吸器系の持病がある人は、せきやたんに加えてぜーぜーとした呼吸、息切れなどの恐れが高まる。火山灰の粒子が気道を刺激し、気道が収縮したり分泌物が多くなったりするためだ。

 桜島(鹿児島県)の火山灰による健康影響を調べたことがある帝京大医学部の矢野栄二(やの・えいじ)主任教授(環境衛生学)は「ぜんそくの人は、火山灰でせきが出ると、それが次のせきを誘う悪循環になって発作が起きることがある」と指摘。マスクをつけ、降灰がひどいときは外出を控えることを勧めている。外で遊ぶ子どもや屋外で長時間作業する人も注意が必要だ。

 目に入ると、痛みだけでなく、こすって角膜を傷つけたり結膜炎を起こしたりすることも。同研究所の小園誠史(こぞの・ともふみ)研究員は「コンタクトレンズを使っている人は眼鏡に代えた方がいい」と話す。ゴーグルの着用も有効だ。

 酸性度が高い火山灰は、皮膚に付くと炎症を起こすことがあるが、今回の噴火による火山灰は特に心配する水準ではないとみられる。

 一方、直径100分の1ミリ以下の小さな灰は、肺の奥まで入り込むが、吸い込む量は少なく、じん肺などの心配はしなくていいという。火山灰が入った水は飲まない方がいいが、野菜などは灰を洗い流せば安全に食べられる。

長期間服薬し、尿酸値コントロール 痛風/4 あなたの処方箋/81

2011年2月3日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/81 痛風/4 長期間服薬し、尿酸値コントロール

 痛風の治療は大きく分けて2段階ある。発作が起きたら、まず抗炎症薬で関節の炎症を抑える。その後は尿酸降下薬を長期間服用し、血液中の尿酸濃度(血清尿酸値)を下げていく。谷口敦夫・東京女子医科大付属膠原(こうげん)病リウマチ痛風センター教授は「最初の発作時に尿酸降下薬を飲むと、かえって痛みが悪化することが多く、やめた方がいい」と話す。

 東京都内の男性会社員(37)は昨年12月下旬、朝起きると右足親指の付け根が赤く腫れ、「経験したことのない、刺されたような痛み」があったため、都内の診療所に駆け込んだ。尿酸値が1デシリットルあたり9・8ミリグラムとかなり高く、痛風と診断された。

 ステロイド薬の静脈注射を打ち、抗炎症薬を服用。2日後には痛みが消えた。以降は尿酸降下薬を1日1~2錠飲む一方、酒量を減らし、休肝日を設けるようにした。それまではビールをジョッキ2杯と酎ハイ約1リットル程度の量を毎日のように飲んでいた。現在も通院中だが、尿酸値は徐々に低下しているという。

 谷口教授は「ステロイド薬は、糖尿病を併発していると病状が悪化する恐れがあるなど、患者によっては使用を避けた方がいい」と指摘。また、「発作は一度治まれば半年から1年程度は起こらないが、治療をやめてしまうと尿酸値が上がって再発する可能性が高い。尿酸値のコントロールを根気よく続けてほしい」と訴える。

 発作時に自分でできる対処法は、患部を氷などで冷やし、足を心臓より高い位置に上げて安静にする。市販の鎮痛薬は効かない。動けるようになったら、なるべく早く医療機関を受診することが勧められている。=つづく

「未承認の細胞医療」注意 再生医療学会が声明

2011年2月2日 提供:共同通信社

 日本再生医療学会(理事長・岡野光夫(おかの・てるお)東京女子医大教授)は1日、国内の医療現場で正規の手続きを経ずに幹細胞治療をしている例があるとして、患者に対し、未承認の「再生、細胞医療」を安易に受診しないよう求める声明を発表した。

 同学会によると、国が定める指針や薬事法に基づく治験(臨床試験)などの申請をせずに、脂肪から採取した幹細胞を使って糖尿病や脳梗塞などを治療したケースがあるという。今後、国内の実態調査に取り組む。

 声明では、患者に対し、治療を受ける場合は、その医療機関が公的機関からの承認や臨床研究や治験の承認などを受けているかを確認することを推奨。また学会の会員には、患者の安全確保と再生医療の適正な早期実用化に向け、法令などを順守し、未認可の幹細胞を使った医療行為に関与しないよう求めている。

マッサージ師ら21人処分

2011年2月2日 提供:共同通信社

 厚生労働省は1日、患者へのわいせつ行為で有罪判決が確定するなどしたマッサージ師ら21人の行政処分を発表した。処分は15日付で、免許取り消し8人、業務停止12人、名称使用停止1人。

 処分者の大半はマッサージ師、はり師、柔道整復師ら。患者へのわいせつ行為が7人と目立ち、いずれも免許取り消し処分になった。

 ほかに免許取り消しになったのは、遠赤外線治療名目でがん患者から現金をだまし取り、詐欺罪で有罪判決が確定したマッサージ師(68)。

 医療機器納入をめぐって収賄罪などに問われ、有罪判決を受けた大分県国東市の放射線技師(61)は業務停止4年だった。

iPS細胞製造特許を譲渡 米ベンチャーから京大へ

2011年2月2日 提供:共同通信社

 京都大は1日、米バイオベンチャー企業のアイピエリアンから、さまざまな組織や臓器の細胞になることができる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を製造する特許の権利譲渡を受けたと発表した。

 iPS細胞は山中伸弥(やまなか・しんや)京都大教授が世界で初めて開発。京都大は国内や世界各国で特許出願しているが、米国ではア社が申請した製造特許と類似しており、米特許庁が審理に入ろうとしていた。

 譲渡されたのは、日本のバイエル薬品の神戸リサーチセンターが開発したiPS細胞製造技術から生じた特許で、後にア社に譲渡された。世界各国で出願中の約30件で、昨年英国で成立した特許も含まれている。

 ア社から京都大に昨年末、「山中教授の発明を尊重し、係争を回避したい」と申し出があった。金銭のやりとりはないという。一方、ア社は京都大のiPS細胞製造法に関する特許を使うライセンス契約を締結しており、創薬研究をする。

 山中教授は「(譲渡の)一番の利益は、より多くの時間を研究に割けること。今後はア社と連携し、創薬での実用化を進めたい」と話した。

費用・時間、負担大きく こうのとり追って 第2部・不妊治療を知る/3

2011年2月2日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第2部・不妊治療を知る/3 費用・時間、負担大きく

 ◇「経済的理由で治療ためらう」8割 仕事との両立、綱渡り

 東京都の女性会社員(39)は3年間の不妊治療の末、長女(1)を授かった。支払った治療費は総額で約200万円にのぼる。排卵日を特定するタイミング法に続いて、採取した精子を子宮内に注入する人工授精を7回試みたが失敗。4回目の体外受精でようやく妊娠、出産できた。費用が特にかさんだのは体外受精で、1回あたり約30万円だった。それでも女性は「1回50万円という施設もあるので、良心的な方だと思う」と語る。

 不妊で悩む人を支援するNPO法人Fineが、インターネットで10年に行った調査(回答数約1100人)では、治療開始からの治療費総額は「10万~50万円未満」と「100万~200万円未満」がそれぞれ4分の1ずつを占め、300万円以上支払った人も約1割いた。また、経済的な理由から高度な治療に進むのをためらったり延期したりした人は8割だった。

 治療費は施設によってばらつきがあるが、人工授精や体外受精などは保険が適用されない。治療が長引いてより高度な治療に進むほど経済的な負担感は増してくる。自治体の助成制度が04年度にできたものの、所得制限や助成回数に限りがあり、不満も出ている。

 都内の女性会社員は治療費を共働きでまかなうことができたが、最も苦労したのは治療と仕事との両立だった。治療は女性の体の周期に合わせて行われるため、予定を立てるのが難しい。

 「世間は不妊治療中だからといって配慮してくれるわけではない。会社には遅刻したくなかった」。診察がある日は朝一番にクリニックに入り、タクシーを飛ばして職場に駆け込んだ。治療の日程に出張が重ならないかと冷や冷やした。「本当に綱渡りだった」

 近畿地方の公立高校で講師を務めていた女性(34)は昨春、念願の教員に正式採用された。今年の4月から学級担任を任される可能性があり、不妊治療と両立できるのか悩んでいる。人工授精の治療を受けている不妊専門クリニックは学校から約1時間かかる。担任を持てば今よりも時間の融通は利かなくなるため、転院せざるを得ないと考えている。

 治療していることは、親しい女性の同僚にしか話していない。「ホルモンに作用する薬のためか、感情のコントロールも難しい。学校では出さないようにしているので、その分、家では涙がボロボロこぼれたりする」。治療は大きな負担だが「いま子どもをあきらめて仕事にまい進したら、きっと後悔する」と、女性は唇をかむ。

 体外受精させた卵をより自然に近い状態で子宮に戻すため、そのタイミングは医師が判断する。横浜市の女性会社員(34)は、治療前日に電話で連絡を受けた。会社の上司には「家の都合で」と説明して、欠勤した。

 「治療のために仕事を辞めたいが、子どもができたら、もっとお金がかかるし、将来への不安もある」。治療の間だけでも、会社を休めれば、と思う。会社の就業規則には「不妊治療を受けるために休職してもよい」と記載されているが「復職後に会社を辞めるかどうかの判断をしてください」とも書かれている。休職も簡単ではなさそうだ。

   ◇

 高齢出産をテーマにしたインターネット掲示板「高齢出産VOICE」を運営するbabycom代表の鈴木賀世子さん(54)は、多くの女性の悩みを聞いてきた。掲示板の参加者は30代後半~40代半ばが中心で、この2、3年、不妊の悩みを訴える投稿が増えている。「老後や住宅取得の資金をつぎ込んでしまった」「教育資金など子どもができた後の経済的負担が心配」という不安を抱える女性は多い。

 治療費を捻出するために仕事を辞められない人がいる一方で、「子どもを授からなかった場合、自分の中になにも残らない」と仕事を続ける人もいるという。「治療する女性の立場はそれぞれだが、職場の理解は必要だ。カウンセリングの場が多くあれば、心の持ち方も違ってくるかもしれない」と鈴木さんは指摘する。=つづく

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反響特集 認知症の夫抱える妻「私も同じ思いした」 千葉・老いの未来図

2011年2月2日 提供:毎日新聞社

老いの未来図:反響特集 認知症の夫抱える妻「私も同じ思いした」 /千葉

 今年元日の県版でスタートした企画「老いの未来図 介護・医療の現場で」に手紙や電話、電子メールなどで県内外から多数の反響が寄せられた。高齢者を巡る問題への読者の関心の高さをうかがわせる。反響の中で、認知症を伴う老老介護の問題を手紙で訴えた女性を取材し、併せて反響の一部を紹介する。

 ◇認知症の夫抱える妻、老老介護を克明に記録 「助けて」「気が狂いそう」

 京葉地域に住む女性(74)の自宅居間の壁一面に、観光地の土産物店で買った小さなちょうちんが多数飾られている。それぞれ訪ねた土地の名が入っている。夫婦で全国各地を旅した証しだが、80歳の夫は認知症で一つも思い出せない。女性は5年近くも夫を一人で介護し、その記録を克明につづってきた。小さなメモ帳を埋め尽くす記述は、「絶望」などと簡単な言葉で片付けられない、当事者にしか分かり得ぬ「老老介護の真実」だった。【黒川晋史】

 女性は、私が企画で担当した記事を読み、長文の手紙を送ってきた。その記事は1月8日「預け先なく精神科入院/認知症男性帰らぬ人に 妻倒れ万策尽きる」。女性は「私も同じ思いをした」とつづっていた。

 私は夫がデイサービスで出ている時間帯を見計らって女性宅を訪ね、話を聞いた。その訴えは同27日の記事「認知症理由に退院か/心筋梗塞(こうそく)4日目に 病院への不信感募らせる妻」にまとめた。

   ◇  ◇

 夫は大手企業の元管理職で読書家だった。1男1女をもうけ、2人とも独立して家庭を築く。夫の退職後、小さな一戸建てで夫婦水入らずの生活を楽しんできた。

 夫の異変に気付いたのは06年5月。自分の家がわからなくなって隣家に入ったり、自宅の前を素通りする。カーペットやこたつにたばこで焼け穴をたくさん作る……。

 女性がつけている介護記録を読ませてもらった。長年連れ添う夫の人格が、認知症で少しずつ崩れていく。それを24時間365日見守り、介護してきた。

   ◇  ◇

▼06年11月 尿漏れがはじまる。認知症の診断が出る

 明けて1月、要介護度2と認定される。

▼07年8月 私が(椅子から落ちて)右足首を骨折。主人は家事を一切せず、庭木をせん定し、私に向けてはさみやのこぎりを放り投げる。危険

▼08年2月 楽しみにする趣味のサークルを欠席するようになる

▼10月 夜中大声で意味不明なことを言う

 09年には全く外出しなくなる。症状は変わらないが認定基準が厳しくなり、要介護度は1に下がった。

 昨年からは切迫した記述が増える。

▼10年2月27日 夜中寝室へ歯ブラシとコップを持ち込み「4人分持ってきた」。うつろな目。驚いてしまう

▼4月23日 夜中布団の上に座り、運転免許がない、ないを連発。3度も起こされる

▼26日 風呂から石けんの泡だらけで出てきた。流そうと言うと金切り声を上げて怒る

▼5月16日 便をもらし、布団にもこぼした。こんな日が増えると思うと気が狂いそうだ。大声で叫びたい

▼21日 夜9時半に起きて「子どもたちが30人くらい襲ってきて眠れない。助けて」

▼7月8日 「頭を取り換えて」と言って自分の頭をたたく

▼8月14日 夜起きて自分の口に指を入れ「お前の歯が取れそうだ。どうしてお前の歯がここにあるんだ」。思わず笑ってしまう

▼9月24日 「伝票を紛失した」と言って本棚を探し始める。「明日探してあげるから」と言うと逆切れ。「仕方ないから始末書を提出しましょう」と言うと眠ってしまった。会社勤めの失敗が頭の隅に残っているのか

▼11月3日 夕食後、包丁を握り締め仁王立ち。驚いたが、新聞を切り始める。目的が分からない。目はうつろ。恐ろしかった

▼11月30日 朝起きて布団、毛布すべて(尿で)びしょ濡(ぬ)れにし、知らぬ間に出て行く。助けて!

▼12月26日 「何もかもわからなくなったので人間廃業したい」と言う。「食欲があるのでそう簡単にはいきませんよ」と答える

   ◇  ◇

 女性は取材の途中に一度だけ表情を変え、こう言った。「死んでくれないかと思ったこともある」。私は返す言葉を探したが、見つからなかった。

 今年の元旦。2人の子や孫計8人が新年のあいさつに来た。女性はメモ帳の欄外に、俳句を2句記した。

 「静かさや 初日に広げ 濯(すす)ぎ物」

 「初春や 唯々諾々と 看取妻(みとりづま)」

▼11年1月4日 ぽつりと「子どもたちはいつ来るんだ」。1日に来たと言っても覚えていない

▼22日 近所の人がゆずをたくさん持ってきてくれる。主人がゆず湯が好きなのを忘れていなかったのか。ありがとう。人の親切が骨身に染みてうれしい

   ◇  ◇

 私は1月28日、改めて電話した。私が自宅を訪ねて間もなく、夫は「ぶっ殺してやる」と激高し、女性を「孫の手」で殴るようになったという。「寝顔を見ると、どうしてこの人が……と、悲しくなります」。今後、ケアの方法について医師に相談するという。

 ◆預け先なく精神科入院

 ◇認知症者、安易に受け入れるな--千葉県・精神科看護師・匿名男性(58)

 記事を読んで悲しくなった。一つは、男性が短期間で亡くなったこと。病気で面倒を見られなくなった妻の思い。男性を預かった施設関係者や精神科に入院させるしかなかったケアマネジャー。二つ目は、入院を受け入れた病院の職員。何もしなかったわけではないだろうが、釈明の機会は与えられていない。三つ目は県内で認知症高齢者の施設が圧倒的に不足している現実。行政は何をしているのかと腹が立つ。

 精神科の看護師として言いたい。精神科でも、老人専門病棟(認知症病棟)や合併症病棟ならば、記事のような男性を受け入れることも守備範囲だと言える。しかし、一般の精神科病棟には、認知症に対応する知識や技術を持った医師や看護師は少ない。私もその中で働いている。

 本来そんな状況で認知症者を安易に受け入れるべきではない。勤務者が少なく、治療や事故防止で身体拘束を余儀なくされる。精神安定剤も処方する。拘束も投薬も高齢者に高いリスクを強いる。

 記事のようなケースを私も体験している。そういう患者さんに予防措置を含めて精いっぱい対応すれば、精神疾患で入院する数十人の本来の患者さんが「ほったらかし状態」となってしまう。

 ケアマネジャーや医師などあらゆる関係者や家族が正確な情報を交換し、入院の是非を検討してほしい。精神科病院は、自分たちの守備範囲、できることとできないことをはっきり表明すべきだ。

 ◇医療介護政策の貧困こそ問題だ--奈良県・精神科医・国本昌善

 民間精神科病院に勤務する臨床精神科医として、意見したい。

 <妻は発熱で5日間ほど寝込んだ。回復したが、自宅で介護を続ける自信をすっかりなくしていた。男性はそのまま入院を続けた>とある。ご家族を責めるのはもとより本意でないが、回復されたのならなぜ在宅介護をもう一度検討できなかったか。十分な在宅介護サービスが望めなかったのだろうか。介護制度の問題を考慮することなく、精神科病院での「社会的入院」を批判するのは公平性を欠きはしないか。

 <(男性が)病院でどのような状況だったのか、今も分からないという>とある。記事のケースは医療保護入院と思われるが、その場合入院患者の人権を守る立場として保護者の役割が規定されており、保護者が入院診療の状況を関知していないのは不自然だ。入院診療に問題があったのなら、保護者はなぜ退院させなかったのか。

 問題の根本は、国や地方公共団体の医療介護政策の貧困にあるはずだ。精神科病院は「安上がりな手段」として医療介護政策の不備の尻拭いをさせられているのではないのか。批判すべきは精神科病院ではなく、医療介護政策の不備ではないのか。記事は、今この瞬間にも全国各地で嘆かれているであろう制度のはざまに置かれた苦悩を取り上げたかったのだろうと思う。にもかかわらず、政策の不備を指摘するのではなく、病という困難に対して本来手を携えるべき患者・家族と医療従事者を対立させるかのような内容に偏っているのは残念でならない。

 ◆「お泊まりデイ」ドアと門施錠

 ◇無施錠前提で考えるべきだ--山口県・小規模多機能ハウスひだまり倶楽部統括責任者・能野信一

 施設の代表者は「お泊まりデイ」について、「介護行政がしっかりすればなくなるし、なくすべきかもしれない」と語る。その現状は否めないが、自分たちの行為を行政に責任転嫁しているだけではないのか。その行政と本気で向き合い、議論してきたのか、と言いたい。高齢者を「かごの鳥」扱いし、生活を援助しているといえるのか。「利用者の家庭が崩壊する」という理由を「錦の御旗(みはた)」に、自分たちを正当化しているとしか思えない。

 現に社会的ニーズがあるのはその通りで、代表者の気持ちも同じ業界人として十分理解できる。だからといって何をやってもいいわけではない。高齢者や障害者を施設に隔離せず、健常者と一緒に助け合いながら暮らすノーマライゼーションの理念は忘れてはいけない。施錠しない前提でどうするかを考えるべきだ。人件費をかけられないのはどこも一緒で、単独施設ならなおさらだ。問題から目を背けている国や政治家に腹も立つ。

 デイサービスの限界を超えた対応が必要というなら、高齢者の在宅生活を24時間切れ目なく支える「小規模多機能型居宅介護」になぜ取り組まないのか。「小規模多機能~」はまだあまり知られていない。国は06年度から介護保険制度に導入した責任をもっと考えるべきだ。マスコミもその仕組みや役割をきちんと報じてほしい。

 ◇「たまゆら」の悲劇を忘れるな--東京都・介護施設経営・匿名男性

 都内で通所介護事業所を営む立場から、私見を述べたい。

 「お泊まりデイ」とはある意味、施設の有効活用と言える。連泊させれば翌日のデイの利用も確実で、事業所の稼働率は上がり、経営上非常に有効な手段だ。利用者や家族からも喜ばれるだろう。

 だが、助かるから、喜ばれるからというだけでよいのだろうか。利用者のケアプランを立てているケアマネジャーは、安全性についてどのように考えているのだろうか。

 他の介護事業では、施設や人員の基準、損害賠償保険加入など事故防止に最低限の歯止めがある。「お泊まりデイ」の事故で誰がどんな責任を持つのかはっきりしない中での国の動き(予算化)も、私としては全く理解できない。

 記事にもあったが、群馬県で09年3月、火災で10人が焼死した「たまゆら」の悲劇を忘れてはならない。

 ◆企画全体

 ◇老老介護いつか自分の身にも--流山市・無職・匿名女性(71)

 記事を読み、心の中がぞーっと寒くなりました。現在、81歳の夫と2人暮らし。いつか近い将来、自分たちの身の上に起こるであろう老老介護。その時どうすればよいのか見通しがつかず、不安でいっぱいです。

 他県に2人の息子がいますが、仕事に追われ、自分たちの暮らしで手いっぱいで、当てにはしていないし、できません。専門家が指摘するような宅老所などの施設を国や自治体でぜひ考え、早急に作ってほしいと願うばかりです。

 ◇付き添い妻の介護も看護師が--和歌山県・病院看護師・匿名女性

 高齢化による「老老介護」は、医療の現場で問題を引き起こしている。

 がんで入院している高齢患者に付き添う妻も高齢で、腰痛があり、ポータブルトイレの処理や食膳の世話など介護を看護師がしている。報酬はない。「病棟では付き添っている妻の介護ができない」と、家に帰るようケアマネジャーとともに説得しても、「お願いします。自分でトイレに行くからここに置いていて下さい」と頑として離れない。看護師の負担と疲弊は増すばかりです。

 ◇制度依存強い現場から行動を--東京都・介護支援専門員・栗岡清英

 私は現在、江戸川区で介護支援専門員(ケアマネジャー)として働いています。

 江戸川区では、制度に依存せず地域が持つ力を高めるための「地域ネットワーク」が盛んで、その活動の一つとして、「お年寄り体験プロジェクト」が新年度から始まります。今後の高齢社会を担う子供たちなどに高齢者が生活の中で感じる障害を実体験してもらう内容で、地域のケアマネジャーやヘルパー、病院の医療相談員など多数の職種の方がボランティアとして協力します。

 プロジェクトでは10人ほどで学校を訪れ、子供たちに体験キットを使って障害をリアルに感じてもらい、バリアフリーの必要性や、高齢者問題も見方を変えれば可能性や将来性があることに気づいてもらうという狙いがあります。

 介護現場は「国が何とかすべきだ」と制度依存の考えが強く、現場が率先して行動することが少ないように感じます。今は小さな活動ですが、今後各方面の協力を得ながら、地域の輪を広げていきたいと思っています。

 ◆取材後記

 ◇「自宅で暮らすのが一番いい」

 昨年10月ごろから高齢者を取り巻く現場を歩き、数々の困難な現状を紹介してきた。限られた介護サービスと人員のもと、まともなケアを受けられず高齢者や家族が苦しむ様子を見聞きした。「高齢者支援の仕組みは、すでに崩壊しているのではないか」。そんな印象を、取材しながら記者同士で何度も語りあった。

 困難が生じた原因について関係者から「日本の社会構造の変化」という話をよく耳にした。核家族化、さらには無縁社会化が進み、高齢者を支える家族が減った。個々人が家族の介護に縛られない自由な生き方を望むようになった。地域の支え合いも衰えた。これを補うために介護保険制度が生まれ、老人を施設に預けるのが常態化した――というのだ。こうした社会は私たちが自ら選択した結果であり、否定は難しい。だが、高齢者の窮状を見るにつけ、「ある程度の高負担は覚悟しなければいけない」と肌で感じた。

 一方で、介護事業者からこんな事を言われた。「本人にとって自宅で暮らすのが一番いいに決まっている」。その言葉に私ははっとした。入所施設を増やし、そこに収容すれば事足りる――という安易な考え方に流れ、発言力のない高齢者本人の声を聞き漏らしてはいなかったか。

 私の家族も、私自身もいずれ必ず老いを迎える。負担と給付、地域の支え合いのあり方など最適解を導くのは確かに難しい。だが、まずは私たち一人一人が現実から目をそらさず、将来の自身の問題として向き合うことが、解決の第一歩だろう。

 事実、高齢者が安心して暮らせる施設運営やまちづくりに熱心に取り組む人たちが県内にも少なからずいる。今後も企画を続け、そんな挑戦を描き、暗いばかりではない「未来図」も示したい。【黒川晋史】

 ◇危機的状況を直視すべきだ

 「ぎりぎりまで追い込まれている」「現状を何とかしてほしい」。県内の医療や介護の現場を取材し、最も多く聞いたのがこの二つの言葉だ。

 日帰りを原則とするデイサービス事業所に半年以上も連泊する高齢者がいる。医療的なケアが必要なのに、受け入れる病院も在宅医療サービスもなく、自宅やショートステイでしのぐ利用者や家族。その実態を取材で初めて知り、彼らの言葉に耳を傾けた。

 バブル崩壊から続く長い景気後退で、経済的に厳しい環境に置かれてきた高齢者も少なくない。現役時代に健康保険・介護保険料が未納で、国の制度からこぼれ、必要なサービスを受けられない高齢者が想像以上に多い現実にも気付かされた。

 以前なら、厳しい状況に追い込まれる一歩手前で、地域や親族が支えてきたのではないか。「我が子に経済的負担はおろか、仕事を休んで介護してなんて言えるはずがない」。取材した80歳代の女性の言葉だ。

 健康保険も介護保険も、ひと昔前の家族のあり方や「中流世帯」の所得を前提に設計されたものだと思う。今や家族の基盤も中流層も切り崩され、制度で救われない高齢者が増えている。彼らは、記事で紹介した「施錠されたお泊まりデイ」のような、介護の質を疑わせる施設を利用せざるを得ない状況に追い込まれていた。

 来年は介護保険制度の改正が予定されている。政治家や官僚だけでなく、国民一人一人が従来の制度の前提を疑い、高齢者や家族の今の危機的状況を直視すべきだと感じている。厳しい状況を踏まえた上で、国民的な議論を深め、誰もが安心して年を重ねていける国や制度を作っていかなければならないと思う。【森有正】

 ◆デスク後記

 人間は結局、見たくないと思う現実から目をそらし続ける生き物か――。担当記者2人と高齢者の介護や医療を巡る問題に取り組みながら、自分たちが制度や現状をあまりにも知らないことに驚き、恥ずかしくなった。

 苦しむ人びとは、周囲に山のようにいる。老老介護を巡る悲しい事件を多数、県版に雑報として載せてきた。にもかかわらず、問題とまともに向き合ったことはなかった。記事で取り上げたケースは氷山の一角だと感じている。水面下にどれだけ「問題」が沈んでいるのか、考えるだけで空恐ろしい。だが、2人の若い記者も書くように、厳しい現実を直視することが解決や改善のきっかけになると信じたい。

 私にも、老いた1人暮らしの母親がいる。企画のタイトルには、若い世代にも「老い」が避けがたい問題だという思いを込めた。明るい「未来図」が描けるかどうかは、私たちの今の行動次第だ。【千葉支局次長・井上英介】

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 今後も企画「老いの未来図」を続けます。取り上げるべきテーマや要望、高齢者の医療や介護を巡る情報や体験談、これまでの記事に対する意見や感想をお寄せ下さい。宛先は〒260―0026千葉市中央区千葉港7の3毎日新聞千葉支局「老いの未来図」取材班。ファクス043・247・0508、電子メールchiba@mainichi.co.jp

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 ◇主な企画記事の見出しと内容◇

 ▼「悲劇」越え老老送迎(1月1日)高齢者で作る木更津のNPO法人が老人の足となる地域バスを運行。▼いずれ自分も世話に(同)船橋の団地で元気な高齢者が弱った高齢者の生活を支援。▼「雲の中」睡眠薬常用(3日)認知症の妻を一人で10年在宅介護した77歳男性が疲労で自らも要支援に。▼東京から「介護難民」流入(6日)廃業したパチンコ店舗を転用した老人ホームが都内の高齢者を受け入れている。▼特養に「看取り部屋」(7日)介護施設で入所者の死と向き合う若者たち。▼預け先なく精神科入院(8日)認知症の高齢男性を介護していた妻が倒れ、男性は預け先がなく精神科病院に入院、2カ月後に死亡。▼「お泊まりデイ」ドアと門施錠(11日)日帰りが原則のデイサービス施設が空き民家で高齢者を預かり、ドアや門扉を厳重に施錠▼ドア施錠の施設に連泊1年(12日)この福祉事業者が高齢者を1年連泊させていたことなどを証言▼施設退去恐れる日々(17日)86歳の認知症の母親を「お泊まりデイ」に預ける男性の不安の日々▼「医療難民」も流入(24日)療養病床を持つ県内の病院が東京の区の要請で高齢患者を受け入れる。▼認知症理由に退院か(27日)心筋梗塞(こうそく)で入院した認知症の男性が、十分回復していない状態で認知症を理由に退院させられた疑い。

習慣流産特有の塩基配列 藤田保健衛生大が発見

2011年2月2日 提供:共同通信社

 流産を繰り返す女性に特徴的な遺伝子の塩基配列を突き止めたと、藤田保健衛生大(愛知県豊明市)の倉橋浩樹(くらはし・ひろき)教授(分子遺伝学)らが1日発表した。英医学誌モレキュラー・ヒューマン・リプロダクション電子版に近く掲載される。

 流産を3回以上繰り返す「習慣流産」は約6割が原因不明だが、倉橋教授は「事前の遺伝子検査で流産を防ぐ新たな治療法につながるかもしれない」と話した。

 「アネキシンA5遺伝子」が産出するタンパク質が、胎児と母胎をつなぐ胎盤で血液が凝固するのを防ぐことは分かっていた。

 倉橋教授らは正常な妊婦と原因不明の習慣流産の患者で、この遺伝子の塩基配列を比較し、患者に特徴的な型があることを発見した。産出するタンパク質が少ないため、胎盤の血液が凝固し、胎児の発育が阻害されているとみられるという。

筋萎縮治療、臨床試験へ ステロイドの副作用解明

2011年2月2日 提供:共同通信社

 ステロイド剤の服用による副作用の一つ、筋肉が衰える筋萎縮のメカニズムを解明したと、東京大医科学研究所の田中広寿(たなか・ひろとし)准教授(内科学)らが2日付米医学誌に発表した。筋萎縮を防ぐ治療法を開発し、春以降、臨床試験を始める予定。

 田中さんは「筋萎縮は軽視されているが、患者の日常生活に与える影響は大きい。今回の治療法は、生活習慣病などによる筋萎縮にも効果がある可能性がある」と話している。

 ステロイド剤は膠原(こうげん)病などの代表的治療薬。服用により筋力が低下するが、特に高齢者では運動能力が落ちて転倒や骨折のリスクが上昇、運動できなくなり、さらに筋萎縮が進行するという悪循環も起きる。

 田中さんらは、ステロイド剤の成分であるホルモン「グルココルチコイド」の作用をラットで研究。このホルモンが筋肉の細胞にある受容体と結合すると、この受容体がタンパク質分解を促進する遺伝子や合成を抑制する遺伝子の働きを強め、筋萎縮を引き起こすことを突き止めた。

 特定の酵素複合体がこの受容体の働きを抑え、筋萎縮を防ぐことが判明。この酵素複合体を活性化させる3種類の必須アミノ酸(BCAA)を投与すると、筋力低下を防ぐことができた。

 臨床試験は、ステロイド剤を投与している膠原病の患者20人程度にBCAAを投与して効果を確かめる。

※医学誌はCELL・METABOLISM

「恐怖消す」プロセス解明 北大、脳内の作用部位発見

2011年2月1日 提供:共同通信社

 恐怖や不安の記憶を消し去る脳内マリフアナ「内在性カンナビノイド」を伝達するシナプス(神経細胞の接合部)を北海道大学医学研究科の渡辺雅彦(わたなべ・まさひこ)教授(神経解剖学)のグループがマウスの研究で突き止め、31日の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。

 脳内で作用するプロセスが具体的に分かったのは初めて。心的外傷後ストレス障害(PTSD)の新薬開発などにつながる可能性があるという。

 脳内では無数の神経細胞が結合しあい、シナプスが視覚や聴覚をはじめ、さまざまな情報を伝達する役割を果たす。

 研究グループによると、カンナビノイドを受け取るシナプスは、恐怖や不安など「負の感情」をつかさどる大脳の扁桃体の中の「基底核」と呼ばれる部分にあった。神経細胞に食い込むような特殊な形をしており「陥入型シナプス」と名付けた。

 陥入型シナプス周辺の神経細胞にはカンナビノイドの合成酵素も集中。神経細胞で生成されたカンナビノイドがシナプスに働きかけ、基底核の活動を活発化させて恐怖の記憶を消去していると考えられるという。

 渡辺教授は「カンナビノイドを含む薬は食欲増進などに使われている。プロセス解明によって、PTSDへの薬効に注目した新薬開発が進む可能性がある」と話している。

「男性に原因」が3分の1:こうのとり追って 第2部・不妊治療を知る/2 

2011年2月1日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第2部・不妊治療を知る/2 「男性に原因」が3分の1

 ◇偏見や情報不足、早期受診の壁に

 新婚当初から2人は、ある話題になるといつも険悪なムードになった。「第三者から精子をもらう方法もあるそうよ」「なぜそこまでして子どもが欲しいんだ」。東北地方の会社員の夫(36)は第2次性徴が起こる年ごろの変化が少なく、大人になっても射精したことがなかった。「子どもは無理」という告白を受け入れて結婚した妻(38)だが、「女として生まれたからには一度は子どもを産みたい」との思いは断ち切れなかった。

 結婚から2年半が過ぎた08年の夏、夫が折れて非配偶者間人工授精(AID)の治療を受けることにした。治療に必要な「無精子症」の証明書を出してもらうため、国際医療福祉大病院(栃木県那須塩原市)を受診すると、男性不妊が専門の岩本晃明教授(泌尿器科)から意外な言葉をかけられた。「薬で治る可能性があります」

 夫は、精子を作るために必要なホルモンの分泌に異常がある「低ゴナドトロピン性性腺機能低下症」と診断された。2000-1万人に1人の割合というごくまれな症例だ。性腺ホルモンを補充するため週3回、自宅で自己注射する治療を約1年間続けたところ、昨年3月までに精液が出るようになり精子も現れた。精子は数も運動率も十分で、岩本教授は「自然妊娠も不可能ではない」と説明した。夫婦は「治療の余地があるとは想像すらしなかった。男性不妊の情報はあまりにも少ない」と振り返る。

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 不妊の原因は不明のケースも多いが、少なくとも3分の1は、精子が少ないなど男性側に原因があるといわれている。しかし、男性不妊専門の「恵比寿つじクリニック」(東京都渋谷区)の辻祐治院長(泌尿器科)は「昔から不妊の原因は女性にあるという誤解があり、それは今も続いている」と指摘する。辻院長のクリニックでも「婦人科系の不妊治療クリニックで妻が妊娠できなかった男性が、受診してくるのが現実」といい、男性不妊を最初から疑って来院するケースは多くない。

 辻院長によると、男性不妊の75%は精子の数が少ないか動きが悪い乏精子症や精子無力症。精液中にまったく精子がない無精子症が15%で、10%は勃起障害、射精障害などだ。治療法としては、精子の状態をよくする薬物治療や、血流障害を治す手術などがある。近年は、無精子症の人でも顕微鏡を使いながら精巣から直接精子を取り出す治療法も進んでおり、「3-5割は治療によって何らかの効果が期待できる」という。ただ、多くの場合、症状が改善するまでに1年程度の時間がかかる。

   ◇

 「一つでも精子があれば授精させられる時代が来て、不妊治療は変わった」。日本生殖医学会副理事長の市川智彦・千葉大教授(泌尿器科)は、そう話す。卵子に針を刺して精子を注入する顕微授精が不妊治療で行われるようになると、男性側の精子の数がごくわずかであっても、妊娠が可能になった。市川教授は「90年代より以前は、時間がかかっても泌尿器科で男性不妊を治療するニーズがあった。顕微授精ができるようになってから、男性不妊を取り扱う泌尿器科は減った」と語る。

 日本生殖医学会が認定する生殖医療専門医388人のうち、約9割は産婦人科医が占めており、男性不妊を専門とする泌尿器科は35人と全体の1割にも満たないのが現状だ。

 「IVF詠田(ながた)クリニック」(福岡市)の詠田由美院長(産婦人科)は、夫側に不妊の原因があると分かった場合、連携している泌尿器科を紹介している。しかし、そこでぱったり治療を中断してしまう患者夫婦も少なくない。男性不妊の事実を、夫が受け入れられないことが多いという。「男性にはプライドもあってつらいかもしれない。しかし、妻に年齢的な問題がないなら、じっくり精子を改善することで、より自然な方法での妊娠も期待できる」と詠田院長は話している。=つづく

妊婦に遠い"無痛"分娩 実施わずか2・6% 背景に医師不足、痛み美化

2011年2月1日 提供:共同通信社

 お産の痛みを麻酔で和らげる"無痛分娩(ぶんべん)"と呼ばれる出産法の普及が進まない。出産の6割とされる米国をはじめ欧米では一般的だが、日本は2・6%と極端に少ないことが厚生労働省の初の調査で判明。背景には、医師不足や「痛みに耐えてこそ」という根強い意識もありそうだ。

 「痛みが軽く、余裕を持って産めました」

 昨年11月2日、埼玉県川越市の埼玉医大総合医療センター。茂呂仁子(もろ・ひろこ)さん(34)は出産直後とは思えない元気な様子だ。

 前回は陣痛中に意識を失ってしまい、出産の瞬間を覚えていない。激痛への恐怖もあって無痛分娩を選んだという。

 11月5日に東京都内で長男を出産した難波悠子(なんば・ゆうこ)さん(33)も、少し痛くなった段階で麻酔が入り、楽になった。「ひたすら耐えていた1人目と違い、あまりにスムーズでこれでいいのかなという感じ。絶対無痛がいいってみんなにメールしちゃいました」

 無痛分娩は、痛みを脳に伝える脊髄のすぐ近くにある「硬膜外腔」に、細いチューブで麻酔薬を注入する硬膜外無痛分娩という方法が一般的。感覚は鈍るが体は動かせるので、赤ちゃんを押し出す「いきみ」はできる。痛みによる血圧上昇も避けられるため高血圧や心臓病がある妊婦に向くという。

 田中ウィメンズクリニック(東京)の田中康弘(たなか・やすひろ)院長は「お産の痛みは体を切られるレベルに近い。懲りて産みたくなくなる人もおり、無痛分娩は少子化対策になるかもしれない」と話す。

 だが、厚労省研究班が昨年まとめた初の調査では、全国1176施設が2007年に手掛けた出産計約40万件のうち、無痛分娩は1万件強(2・6%)にとどまった。調査した埼玉医大総合医療センターの照井克生(てるい・かつお)准教授は「無痛分娩の要望は増える傾向にあるが、安全に実施できる麻酔科医や産科医が不足している。産科医が技術を学ぶ機会はほとんどないし、麻酔科医にとっても少ない」と要因を分析する。

 実施にはリスクもある。低血圧や頭痛などの副作用が起きることがあるほか、出産時間が長引くケースがある。緊急対応が可能な医療機関で、技術に習熟した医師による管理が欠かせない。費用面でも通常の出産より高くなる。

 一方「おなかを痛めた方が愛情がわく」という考え方も強く、「とがめられそうで」夫の親に言い出せなかった女性もいる。

 生活コラムニスト、ももせいづみさんは「日本では家事に愛情や修業などの意味づけをするが、出産の痛みの美化もその流れだろう。妊婦が一つの選択肢として、メリット、デメリットを考えた上で選べるようになればいい」と話している。

脳卒中、腎臓病…合併症リスク高く 痛風/2:あなたの処方箋/79

2011年2月1日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/79 痛風/2 脳卒中、腎臓病…合併症リスク高く

 痛風は、高血圧や血液中の中性脂肪、コレステロールが多い脂質異常症といった生活習慣病のほか、腎臓病や脳卒中、心臓病などを合併するケースが少なくない。

 東京都内の男性会社員(51)は昨年5月、痛風の発作で、右足親指の付け根に激痛が起こったため、都内のクリニックを受診した。右手にしびれがあったため、別の病院でMRI(磁気共鳴画像化装置)による頭部検査を受けたところ、軽度の脳梗塞(こうそく)も発症していることが分かった。脳梗塞は脳の血管が詰まる病気。血液が固まるのを抑える飲み薬を処方され、約1週間で改善した。

 男性は単身赴任。食事は高カロリーの外食やコンビニ弁当が多く、「毎日缶ビール(350ミリリットル)2本程度の量の酒を飲んでいた」という。医師からは血液中の尿酸値を下げる飲み薬を処方されたほか、バランスの良い食事とこまめな水分補給を心がけ、1日1時間程度ウオーキングなどの運動をするよう指導された。

 赤坂中央クリニック(東京都)の日高雄二院長は「食生活などが乱れると、脂質異常症や高血糖により動脈硬化が進行するほか、尿酸値が上がって血管の内皮細胞の機能が低下し、血が流れにくくなるため、血管が詰まりやすくなる」と指摘する。痛風にかかると、心臓に十分な血液が送られない心筋梗塞のリスクが約25%上昇するという米国の調査結果もある。

 痛風と特に関係が深い合併症が腎臓病だ。尿酸は腎臓から尿と一緒に排せつされるため、尿酸が過剰に増えると腎臓にたまって腎機能が低下し、腎不全や尿路結石が起きやすくなる。=つづく

胃がん腹腔鏡手術を実況 徳島大、若手の技術向上

2011年2月1日 提供:共同通信社

 徳島大病院の島田光生(しまだ・みつお)教授のグループは31日、若手医師の技術向上のため、癌研有明病院(東京)の消化器外科の比企直樹(ひき・なおき)医長を招いて胃がんの腹腔(ふくくう)鏡手術を公開、手術の実況映像を徳島県内の遠隔地にある二つの病院に配信した。

 比企医長の指導のもと、徳島大病院の吉川幸造(よしかわ・こうぞう)助教が手術を担当。徳島県の60代の男性患者を治療した。映像は県西部の三好病院や南部の日和佐病院に配信され、外科医ら十数人が映像に見入り、質問が飛び交った。

 手術は腹部の数カ所に10ミリ前後の穴を開け、鉗子(かんし)や先端にカメラの付いた腹腔鏡を挿入。医師はモニターを見ながら切開装置を操作、胃の病巣やリンパ節などを取り除いた。開腹手術に比べ患者の負担が少なく、傷痕も目立たないが、目視ができないため難易度が高いという。

 比企医長は「特殊な器具に慣れないといけない手術だが(患者の)生活の質を維持できる方法だ」と話した。

生体ガスで病気診断を 国循、千人を10年調査 数千種類を分析

2011年1月31日 提供:共同通信社

 息や皮膚から発散される「生体ガス」で体調を調べ、病気の診断もできるようにしようと、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)のチームが約千人を対象に10年間、ガスと体の状態との関係を見る調査に乗り出したことが29日、分かった。

 こうした規模の調査は国内初。センターの下内章人(しもうち・あきと)循環病態生理研究室長は「ガスの採取は、採血と違い体への負担がほとんどない。疾患の判断ができれば、健康診断で広く使われるようになるだろう」としている。

 生体ガスに含まれる気体は窒素や酸素のほか水素、一酸化窒素、一酸化炭素、アセトンなど数千種類に上る。ガスの種類や量は生活習慣や疾患の有無が影響し、微妙に変わる。

 チームは健診に来た人に依頼し、ガスの採取を開始。2年に1度採取し、成分の変化と病気、体調との関係を解析する。

 息は樹脂製のバッグに吹き込んでもらい、手から発生するガスは密閉した手袋でとる。息と、手のひらから発生したガスを同時に採取し、直接分析できる高感度装置も独自に開発した。

 生体ガスは近年注目され、国内外で研究が進行中。エタノールは飲酒、アセトアルデヒドは食道がんや咽頭がん、アセトンは糖尿病と関係することが分かってきた。

 実際に、腸内細菌の発酵作用で発生する水素を測って食べ物が消化される時間を調べたり、禁煙外来では喫煙すると増える一酸化炭素量を測定したりするのに利用されている。

探知犬、がん患者かぎ分け 呼気実験で成功率9割超

2011年1月31日 提供:共同通信社

 犬の嗅覚を利用して、がん患者の呼気などをかぎ分ける「がん探知犬」を使った九州大の研究者らの実験で、9割以上の精度で判別に成功したことが、29日までに分かった。近く英国の医学誌「GUT」で発表される。

 実験は、セントシュガーがん探知犬育成センター(千葉県南房総市)と、九州大大学院消化器総合外科(福岡市)の園田英人(そのだ・ひでと)助教らが約300人分の検体を集めて実施。2008年11月から09年6月にかけ、ラブラドルレトリバーのマリーン(9歳、雌)にかぎ分けさせた。

 五つの容器のうち一つだけに大腸がん患者の呼気を詰めて並べ、マリーンがどれを選ぶかを試したところ、計36回のうち33回は正解を選んだ。

 呼気の代わりに便から採取した液状の検体を使った実験では、38回中37回正解した。

 同センターの佐藤悠二(さとう・ゆうじ)所長によると、マリーンは嗅覚が特に優れていたため「体内の臭いで、病気をかぎ分けられるのではないか」と考え、呼気で食べた物を当てるなどの訓練を積んだという。

 乳がんや胃がん、前立腺がんで数例試した場合も、かぎ分けに成功したといい、園田助教は「がん特有の臭いに反応したと推測できる。臭いの原因物質を特定できれば、がんの早期発見にもつながる」と話している。

血管の老化メカニズム解明 動脈硬化の治療に道

2011年1月31日 提供:共同通信社

 老化を制御するホルモンが欠乏すると、血管の壁にカルシウムが流入して動脈硬化を引き起こすメカニズムを31日までに、京都府立医大の松原弘明(まつばら・ひろあき)教授らのチームが突き止めた。

 高齢者や糖尿病患者などの動脈硬化の治療法につながる可能性がある。

 チームは、腎臓などから分泌されるホルモン「クロトー」が欠乏すると、動脈硬化や骨密度の低下など、老化に伴って起こる現象が見られることに着目。

 マウスでクロトーを働かないようにすると、血管内皮細胞の結合が緩んで血管の壁が脆弱(ぜいじゃく)になり、ここからカルシウムが流入。血管の石灰化を招き、動脈硬化を引き起こすことを突き止めた。

 クロトーには老化を予防する効果があるとされてきたが、仕組みはよく分かっていなかった。

 松原教授は「クロトーの分泌を促す薬を開発できれば、動脈硬化などの治療や老化予防に役立てられる可能性がある」と話している。成果は米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

ヤコブ病の確定診断可能に 超高感度でプリオン検出

2011年1月31日 提供:共同通信社

 脳で異常型のプリオンタンパク質が増殖し、認知症などが起きるクロイツフェルト・ヤコブ病を高い精度で判別する検査法を、長崎大の新竜一郎(あたらし・りゅういちろう)助教(微生物学)らが開発し、30日付米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。

 症状の進行で神経細胞が破壊されると、異常型プリオンが脳の周囲を満たす髄液に出ると考えられている。この方法は髄液に1千兆分の1グラム程度のごく微量でも異常型が含まれていれば検出でき、新さんは「腰から髄液を採取して調べれば、これまで困難だった確定的な診断が病気の初期に可能になるかもしれない」と話している。

 異常型プリオンは、もともと生体内にある正常型と立体構造が異なる。正常型に異常型が結合すると形が変わり、異常型に変異するとされる。新さんらは、この仕組みに着目。人工合成した正常型プリオンを試薬に入れ、そこに髄液中の異常型が結合すると蛍光物質が集まるようにし、光の強さを測定して異常型を検出する方法を開発した。

 日本とオーストラリアのヤコブ病患者らの髄液を使った検査で、83~88%で異常型を検出。ヤコブ病ではない人の検査で異常型があると誤判定するケースはなかった。

 脳の一部を採取して異常型プリオンの有無を調べる方法はあるが、生きている患者では難しい。現在は、病気の進行に伴って出る別のタンパク質を調べる補助的な検査法が使われている。

カレーや牛乳で水素増加 ユニーク研究、続々

2011年1月31日 提供:共同通信社

 カレーを食べると水素が急増-。生体ガスの長期調査を始めた国立循環器病研究センターのチームは水素に着目し、ユニークな研究を欧米医学誌などに発表してきた。水素は、老化に関わる活性酸素を消失させる効果があるとされるからだ。

 生体ガス中の水素は腸内の細菌が食べ物を発酵させる際に増加する。

 チームは男女8人に普通のカレーと、香辛料のターメリックが入っていないカレーを食べてもらい、水素量を測定。普通のカレーでは30分後に水素量が約1・5倍に増えたが、ターメリックがないものではこうした急増が起きなかった。ターメリックで腸の運動が活発になり、細菌による発酵が促進されたという。

 一方、牛乳を飲むと水素量が1時間後から徐々に増加。水素添加水を飲んだ場合は15分で急増しすぐに減少したのに比べ、9時間たっても効果が続き、水素量は水素添加水の40~50倍に達した。

 センターの下内章人(しもうち・あきと)室長は「生体ガスの存在は以前から分かっていたが、採取法や分析技術の問題があった。長期調査を通じて有用性を示したい」としている。

企業検診、高まる重要性 Dr.中川のがんから死生をみつめる/92

2011年1月30日 提供:毎日新聞社

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/92 企業検診、高まる重要性

 米アップル社の時価総額は、マイクロソフト社を抜いて、ハイテク企業の世界一です。しかし、アップル社の創始者で、最高経営責任者(CEO)のスティーブ・ジョブズ氏が膵臓(すいぞう)がんのために療養に入ったことが報道されると、株価は一時6%も下がりました。カリスマ経営者の存在の大きさを感じます。

 企業における最大の財産は人材です。「長年育ててきた事業が担当者の戦線離脱で暗礁に乗り上げた」。そんな事例も耳にします。その企業人の死亡の約半分が、がんによることは、あまり知られていません。

 がんによる死亡を防ぐ最良の手段は、がんを避ける生活習慣とがん検診です。がん検診は企業単位でも多く実施されていますが、受診率は低迷しています。昨年度から、企業で働く人のがん検診の受診率向上を目指す「がん検診企業アクション」という取り組みが始まりました。厚生労働省の委託事業で、僕もアドバイザー会議の議長の立場で応援しています。27日現在、407社(従業員総数122万人)が「パートナー企業」として登録しています。

 私は今後、ますます企業におけるがん検診の重要性が高まると信じています。理由は二つ、「女性の社会進出」と「定年延長」です。

 今や女性も働くのが当たり前の時代ですが、若い世代のがん発症は、男性よりも女性の方がはるかに多くなっています。これは子宮頸(けい)がん、乳がんという女性の2大がんが、30~40歳代に最も多いことが理由です。それにもかかわらず、がん検診企業アクションが実施した調査では、この二つのがんの検診受診率が一番低いという結果でした。

 また、与謝野馨・経済財政担当相は21日、新成長戦略を検討する会議で、「人生90年を前提として定年延長も考えるべきだ」と述べました。定年が延びると、どんな影響が考えられるでしょうか。男性のがんは50歳ごろから急増して55歳で女性を抜き、年齢とともに増えます。60歳以降も働く人が増えれば、がんになる男性社員が増えるということです。

 この二つのキーワードへの理解が、企業検診への関心を高めるきっかけになれば、と願います。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

「閉経まで望める」と誤解 こうのとり追って 第2部・不妊治療を知る/1

2011年1月31日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:第2部・不妊治療を知る/1 「閉経まで望める」と誤解

 ◇30代後半妊娠率下降、卵子老化、学ぶ機会少なく

 「そんなこと言っている場合じゃない」。男女の産み分けについて尋ねた東京都目黒区の主婦(43)は、医師の言葉に驚いた。結婚を控えていた約2年前、婦人科系疾患がないかを確認するため、診察を受けた時のことだ。結婚したら子供がほしいと思っていた主婦は、軽い気持ちで質問した。だが、医師は主婦の年齢から「出産できる時間は限られている」と説明した。

 結婚から半年後の09年夏、主婦は自然妊娠したが、秋に死産した。胎児の染色体異常が原因だった。体調が戻った昨年4月、不妊治療クリニックで本格的な治療を受け始めた。

 クリニックでは「外見が若い人でも、子宮や卵巣は年相応に老化する」と知らされた。体外受精をするために計4回採卵を試みたが、うち2回は卵子の採取さえできなかった。

 昨年10月、主婦が最後の機会と思って臨んだ3回目の体外受精が失敗。「老後は二人で支え合おう。見取ってくれる人がいないから一緒に死にたいね」という主婦の言葉に、夫(45)は涙を浮かべた。

 日本産科婦人科学会の調査によると、08年に不妊治療を受けた患者は30代後半がピークで、妊娠数は35歳を境に減少。出産率は32歳からゆるやかに下り始め、流産率は反比例して上がっていく。卵子の老化に伴い、染色体異常が起きやすいためとされている。

 主婦は通っていた女子高の保育の授業で子育ての魅力を知った。だが「高齢になると妊娠が難しくなることは教わらなかった」。国の学習指導要領には、小中高校で妊娠しやすい年齢や不妊治療について教える規定はない。文部科学省は「早く産んだ方がいいというメッセージになりかねず、不妊についてどのように教えるかは難しい」(学校健康教育課)という。

 主婦は「高齢での出産は難しいだろうと思っていても、40代で出産したタレントなどのニュースを見ると、自分も大丈夫だと錯覚してしまう」と話す。

 不妊治療歴4年の奈良県の主婦(37)は治療を受けながら、自分でも不妊について調べ、30代後半になると妊娠率が下がることを知った。「治療を始める前は、閉経まで赤ちゃんを望めると思っていた。治療を受けたことがない人が、誤解や偏見を持つのは仕方がないと思う」

     ◇

 昨夏、衆院議員の野田聖子さん(50)が米国で卵子提供を受け妊娠したことを発表した。横浜市で不妊治療クリニックを営む医師は「野田さんの発表後、45歳を超えるような高齢の患者が明らかに増えた」と話す。

 野田さんは予定日の2月より早い1月6日に男児を出産した。ブログを通して、子宮から出血が続いたため再入院し、21日に緊急手術を受けたことを明らかにしている。

 日本産科婦人科学会と日本生殖医学会の理事長を務める吉村泰典慶応大教授は「体外受精による40代の妊娠率は10%ぐらい。そのうち25~30%は流産している。高齢での出産は大量出血や早産のリスクも高まる」と指摘する。同大病院では第三者から卵子提供を受けた妊婦を受け入れたケースも複数あるが、吉村教授は「3人に1人は大量出血が原因で輸血をしたり、子宮を摘出している」と話す。

 目黒区の主婦は昨年末、あきらめきれない思いから再び、クリニックに通い始めた。6月の誕生日までは治療を続けようと思っている。「たいていのことは努力やお金で何とかなるけれど、妊娠は違うみたい。私のように悲しい思いをする人が増えないでほしい」と、自嘲(じちょう)気味に語った。

     ◇

 不妊治療を経て生まれる子供の数は毎年増えているが、治療を受ける患者のつらさは消えない。不妊の原因と治療方法、心身・経済的な負担をはじめとする不妊治療の基本を探った。=つづく(五味香織、丹野恒一、下桐実雅子、須田桃子、藤野基文が担当します)

ベルギーの場合 顕微授精児を長期追跡 こうのとり追って

2011年1月30日 提供:毎日新聞社

こうのとり追って:ベルギーの場合 顕微授精児を長期追跡

 体外で卵子と精子を受精させる体外受精で初めての子どもが誕生して32年がたった。体外受精をはじめとする生殖補助医療(ART)の医学的安全性については、大きな問題はないとみる専門家が多いものの、さまざまな研究報告があり、評価は定まっていない。ARTで生まれた子の追跡調査を実施し、きめ細かい検証を続けるベルギーの施設を訪ねた。【須田桃子】

 ◇発育・発達への影響、2歳以降も数年に1度調査

 ブリュッセル自由大病院遺伝医学センターの診察室で、生後3カ月の男児ランダーちゃんの最初の健診が始まった。ランダーちゃんは、ARTの一つで、体外で顕微鏡を使い、卵子に針を刺して1個の精子を注入する顕微授精で生まれた。

 「お子さんの健康状態で気になることは」「ここ4週間ほど風邪気味。気管が少し弱い気がします」

 専属でこの健診に携わる小児科医のフェリックス・ドゥ・スクレーバー医師(69)の質問に両親が答えていく。問診内容は、家族や近親の病歴、妊娠・出産の経過、子どもの聴覚や睡眠の状況など多岐にわたった。

 ランダーちゃんの全身を診ながら、スクレーバー医師が顕微授精で起こりうる子どものリスクを挙げた。「小さく生まれることが多い。奇形が生じる率がやや高い。染色体異常の発生率は約2%で、自然妊娠の約4倍」。両親は落ち着いた表情で耳を傾けた。最後に、少額の費用負担で受けられる任意の血液検査について説明があり、約15分間の健診は終わった。

 終始ご機嫌のランダーちゃんを抱き、母ベーレさん(32)は「来るのは面倒ではない。子どものために重要だと思っている」と話した。

   *

 同病院では、これまでに約1万6000人がARTで生まれた。妊娠中に親から承諾を得て、基本的に全員が2歳までに2~3回、身体発育や精神発達に関する健診を受ける。1割の親子は国外在住で、来院できなければ郵送のアンケートに答える。生後2~3カ月の最初の健診の参加率は9割。1・5~2歳時には6~7割と低くなるが、アンケートにはほとんどの親が答えるという。協力率の高い理由について、スクレーバー医師は「調査の意義が社会に浸透していることと、ここで受けた治療やケアに対する満足度が高いからでは」と分析する。

 印象的だったのはリスクの説明だ。両親はARTを受ける前にも同様の説明を受けるが、スクレーバー医師は「不妊治療中の患者にとっては、妊娠が最大の目的。リスク情報が頭に入っておらず、後で『聞いていなかった』と言う親もいる。誕生後に改めて伝える必要がある」と説明した。実際に発育や発達に問題があったり、血液検査で染色体異常が判明したりした場合は専門家を紹介するという。

 同病院は92年に世界初の顕微授精による出産を手がけ、ARTの中でもこの技術の検証に最も力を注ぐ。94~96年に顕微授精で生まれた子約150人が2歳以降も数年に1度、身体発育や学校の成績、肥満度やホルモン分泌、両親との関係などの調査に参加し、所要約2・5時間の体力・知能テストを受ける。研究を統括するマリセ・ボンデュエル教授(57)は「18歳時の調査では、本人の承諾を得て生殖機能も調べたい」と話す。

 比較のため、自然妊娠の約150人にも同様の調査を続けるほか、受精卵の段階で先天性疾患の有無を調べる着床前診断の検証にも取り組む。費用は主に製薬会社など民間の延べ5企業からの補助金で賄う。

 ボンデュエル教授は追跡調査の意義をこう語った。「新しい技術導入には責任を伴う。子どもへの影響は長期で見なければ分からない。ここにある約1万5000人分のデータは、技術の質の管理や、今後新しい技術を取り入れる際の比較などに役立つだろう」

 ◇ART検証、日本は今春開始

 日本では、ARTの実施施設の登録制度を持つ日本産科婦人科学会(理事長、吉村泰典・慶応大教授)が07年から、ARTによる子の生後1カ月までのデータをオンラインで集めている。しかし、先天性異常の種類によっては生後すぐには判明しない場合も多いうえ、妊娠の約1割は経過が不明だ。一方、吉村教授が代表を務める厚生労働省研究班が国内初の大規模な長期調査を今春開始し、今後3年間で生まれた約3000人を15歳まで追跡する。

食生活変化、ストレス増加で患者急増 痛風/1 あなたの処方箋/78

2011年1月31日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/78 痛風/1 食生活変化、ストレス増加で患者急増

 働き盛りの男性に多い痛風に悩む人が増えている。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、07年の国内の患者数は約85万人で、98年(約59万人)の約1・4倍。食生活の変化やストレスの増加などにより、以前に比べ若い人も発症しやすくなったことが原因とされる。

 痛風は、急に足の親指の付け根などが赤く腫れて激痛が走る生活習慣病。「骨が削られるような痛み」で動けないこともある。原因はプリン体の老廃物である尿酸が血液中に過剰に増え、関節にたまって結晶化すること。体が結晶を異物と見なして排除しようとするため、激痛を伴う発作が起こる。足の甲やかかと、くるぶし、アキレスけん、ひざなどが痛む場合もある。

 谷口敦夫・東京女子医科大付属膠原(こうげん)病リウマチ痛風センター教授は「発作は片足の親指に表れる場合が多い。むずむずするような違和感が寝る前から始まり、朝には激痛になっているなど、1日以内に痛みがピークに達する」と指摘する。

 痛風は欧州などでは紀元前から報告があり、フランスのルイ14世やレオナルド・ダビンチら多くの著名人もかかったとされる。日本では明治時代まではほとんど知られておらず、食生活の欧米化が進んだ1960年代以降に患者が増えたという。

 患者の98~99%は男性。女性ホルモンに尿酸の排せつを促す働きがあり、血液中の尿酸濃度(血清尿酸値)は男性の方が高いためだ。特に、よく食べよく酒を飲む30~60代の肥満男性が痛風になりやすい。谷口教授は「メタボリックシンドロームの人はリスクが高い。足に原因不明の痛みが出たら痛風を疑い、内科や整形外科を受診した方がいい」と話す。(福永方人が担当します)=つづく

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 ■痛風になりやすい人の主な特徴

▽30代以上の男性

▽過去に部活などで激しい運動をしていた

▽大食いで肥満

▽酒を大量に飲む

▽仕事などのストレスが多い

▽腎臓に障害がある

▽血縁者に痛風の人がいる

タミフル耐性ウイルス、リレンザより出現率高め

2011年1月29日 提供:読売新聞

 インフルエンザ治療薬「タミフル」は、服用した小児患者の8%で、この薬が効かなくなる耐性ウイルスが見つかり、同じインフルエンザ治療薬「リレンザ」よりも耐性があらわれやすいことが、東京大などの研究でわかった。

 米国の感染症専門誌に発表した。

 タミフルの耐性ウイルスは多く見つかっているが、リレンザでは報告は少ない。タミフルの使用量が多い分、耐性が出現しやすいともみられていたが、薬の性質の違いで、あらわれやすさに差がついている可能性がある。

 東大の河岡義裕教授らは、2005-09年、季節性インフルエンザでタミフルの治療を受けた4-15歳の72人と、リレンザの治療を受けた同年代の72人を調べた。タミフルのグループは6人(8・3%)で耐性ウイルスが見つかったが、リレンザのグループからは見つからなかった。

3~4月に花粉のピーク 飛散開始は2~3月

2011年1月28日 提供:共同通信社

 環境省は27日、スギ花粉が飛び始める時期は関東から西では2月ごろ、東北と北陸では3月ごろになる見込みだと発表した。スギとヒノキの花粉の飛散が最も多い時期は関東から西では3月上旬~同下旬、北陸は3月中旬、東北では3月下旬~4月上旬で、飛散量は全国的に昨年に比べ増える。

 同省が飛散のピーク時期を予測するのは初めて。

 昨年夏の日照や気温、降水量、昨年11~12月のスギ雄花の調査から飛散量を予測。気象庁による気温の長期予報を踏まえ、関東、北陸、東海、近畿では1カ月以上にわたって飛散量の多い日が続く可能性があるとした。

 東海や近畿の一部では飛散量の少なかった昨年に比べ10倍以上に。東北、関東、西日本でも昨年の2~6倍になる地域が多いと予想している。

 1月の気温が低かった影響で、スギ花粉が飛び始めるのは関東から西では例年よりやや遅く、東北と北陸ではほぼ例年並みになる見通し。

 環境省は「例年より飛散量が多いと予測される地域では、急激に花粉の飛散が増える場合もありうる。早めの予防対策をしてほしい」と呼び掛けている。

コスメ感覚で歯のケアをする人が増えています。

2011年1月27日 提供:毎日新聞社

装うナビ:コスメ感覚で歯のケアをする人が増えています。

 ◆コスメ感覚で歯のケアをする人が増えています。

 ◇歯磨き、パックで「美白」

 口元からのぞく歯は、髪や肌と同じように見た目の印象を左右する。これまで美容面から考えられることは少なかったが、最近はアンチエイジングやコスメ(化粧)感覚で歯のケアをする人が増えている。関連のグッズも続々と発売され、人気を集めている。

 ライオンは昨年2月、美白歯磨き剤「プラチアス」を発売した。独自の「イオンホワイトパック」を処方しており、くすみを浮かせて除去できるという。バラの花をアレンジしたおしゃれなパッケージにし、売り場も従来のオーラルケアから化粧品コーナーにまで拡大した。昨年末までに約150万本を売り上げ、当初の販売目標の1・5倍超だった。

 同社オーラルケア事業部の井上洋さんは「アンチエイジングが意識される中、歯のくすみや黄ばみを気にする人が増えてきた。スキンケアと同じ感覚で、歯磨きする女性に受け入れられた」と話す。

 花王は09年2月から、歯磨き剤「薬用ピュオーラ ナノブライト」を販売している。歯の沈着汚れを落とす天然由来の成分「フィチン酸」(光沢剤)を配合し、「つやのある白い歯にする作用がある」という。イメージキャラクターに女優の真矢みきさんを起用し、40代以上の女性をターゲットにした。

 歯磨き剤以外も他のメーカーでは、こするだけで歯の着色や黄ばみを落とす「消しゴムタイプ」の商品や、美白シートで歯をパックする商品などが登場している。

 また、パナソニックの携帯用の電動歯ブラシ「ポケットドルツ」は、昨年4月の発売以来、一時品切れ状態になるほど。ランチの後、トイレで化粧直しをする感覚で、気軽に歯磨きできるのが受けているという。

 デザインをマスカラに似た形とし、色もピンクを中心にカラフルな10色をそろえた。同社広報チームで美容商品を担当している佐々木真弓さんは「化粧ポーチに入るサイズで、コスメ感覚のものを狙って作ったのがズバリ当たった」と話す。

 ライオンが実施したオーラルケアに関するネット調査では、20~50代の女性の86%が「歯を美しく保つ」ことを意識して磨いていた。コスメ感覚で歯磨き剤を選ぶ人も、半数近くにのぼった。テレビを見ながら、お風呂に入りながらの「ながら歯磨き」で1回4~5分かける人も目立ち、歯磨きがおしゃれの一つになっている。【小川節子】

遺伝子組み換えの蚊を自然界に デング熱撲滅でマレーシア政府が実験終了

2011年1月27日 提供:共同通信社

 [クアラルンプールAP=共同]マレーシア天然資源・環境省当局者は26日、デング熱を撲滅するために遺伝子を組み換えたオスの蚊を自然界に放す実験を昨年12月以降に実施したことを明らかにした。

 遺伝子組み換えのオスの蚊が自然界でメスの蚊と交尾すれば寿命の短い新種の蚊が生まれ、徐々に蚊の生体数が減少する事態を作り出すのが目的。この種の実験はアジアでは初めてだが、カリブ海のケイマン諸島では公表されていない実施例があるといわれる。

 同当局者によると、マレーシア政府所轄の医療研究所は昨年12月21日、同国東部の無人の森林地帯にオスの蚊約6000匹を放した。比較調査のために、通常の野生の蚊約6000匹も放ったという。

 実験の詳細は明らかにされていないが、「今年1月5日に実験は成功裏に終了した」としており、実験に使われた蚊はすべて殺処分されたという。研究所で実験の結果が精査されるまで、新たな実験は行わないとしている。

 マレーシアのナジブ首相は昨年10月、計画の概要を記者団に公表し、自然保護運動家などから予測できない結果を招く恐れがあるとして激しい批判にさらされていた。

 マレーシアでは昨年、蚊が感染を媒介するデング熱が大流行して患者数が前年比52%増と報告され、死者は前年の88人から134人に急増した。

(徳島)携帯翻訳 外国人を案内

2011年1月27日 提供:読売新聞

 高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」の翻訳や地図機能を活用して、県内に訪れた外国人観光客を観光案内したり、コミュニケーションを図ったりしようと、国土交通省四国運輸局が3月に、中国人らを対象に実証実験を行う。県観光協会など関係機関でつくる検討委員会の初会合が26日開かれた。

 外国人観光客の移動や言語の環境を整備することで、外国人観光客の増加につなげようと「みずほ情報総研」(東京都)が「外国人観光客の移動容易化のための言語バリアフリー化事業」を提案、国交省の事業に採択された。

 県などが中国人を対象にに進めている医療観光は、医師や看護師らとのコミュニケーションがかみ合わず、検査や診察に支障があった。「情報通信研究機構」が開発した音声翻訳ソフトウェア「Voice Tra(ボイス トラ)」を活用し、日本語で「血圧を測ります」などをしゃべると、中国語の音声に変換。中国語を日本語に翻訳することができる。徳島大病院が協力し、必要な用語集を加える。

 また、観光案内では目的地や経路をiPhoneに送信、地図上でルートと現在地が表示されるサービスも実験する。「阿波おどり」「眉山」など、県特有の用語を加えていくという。

介護・医療の現場で 認知症理由に退院か(その2止) 千葉・老いの未来図

2011年1月27日 提供:毎日新聞社

老いの未来図:介護・医療の現場で 認知症理由に退院か(その2止) /千葉

 ◇「どの病院も起こりうる」人手不足で態勢とれず

 負傷や疾患の治療で入院した高齢者が、認知症を理由に病院から出されてしまうようなケースについて、行政や専門機関は具体的に把握しておらず、統計もない。だが、認知症に詳しい県内の医療関係者は「どんな病院でも起こりうるし、実際に起きているだろう」と語り、こうした事例が医療現場で日常的に起きている可能性を指摘する。

 県内の総合病院に勤務し、認知症に詳しいベテラン医師は「本当はあってはならないことだ」と断った上で、「認知症の患者は治療の趣旨を理解しなかったり、暴れたりして手が掛かる。認知症への理解不足から対応し切れず、やむを得ず入院や治療を断るケースも実際にあるだろう」と証言する。

 こうしたケースが起きる背景について、医師は「認知症に対処できる医師や精神科医を置き、支援する態勢がとれればいいが、医療現場はどこも採算ギリギリで、普段から人手が足りない状態。専門的な医師やスタッフを置く余裕のある病院は少ない」と語る。さらに、「一般病床と療養病床の連携や役割分担ができていないことも一因」と指摘する。速やかな治療を要する急性期患者を受け入れる一般病床に対し、療養病床は、症状は安定しているが長期療養が必要な主に高齢患者を受け入れる。症状に応じた両者の使い分けは現状では不十分だという。

 また、県内でデイサービス施設を経営する看護師の女性も、「同じようなケースは多数ある」と前出の医師の証言を裏付ける。

 女性によると、多くの病院では専門知識を持ったスタッフや看護師が足りず、認知症の高齢者を常に見守る態勢は整っていない。認知症で勝手にチューブを外すなど治療が困難な場合には全身麻酔などを施すこともあるが、この処置は高齢者にはリスクが高いという。しかし、女性は「退院させた病院の判断は責められない」とも語る。「退院後、医師の往診や訪問看護など在宅医療が充実していれば家族の負担も減らせるのではないか。患者自身も、慣れない病院より自宅でケアされたほうがいいはずだ」と語り、在宅医療サービスの遅れを指摘する。【黒川晋史】

介護・医療の現場で 認知症理由に退院か(その1) 千葉・老いの未来図

2011年1月27日 提供:毎日新聞社

老いの未来図:介護・医療の現場で 認知症理由に退院か(その1) /千葉

 ◇心筋梗塞、4日目に 病院への不信感募らせる妻

 認知症を患う80歳の男性が昨年夏、県内の総合病院に心筋梗塞(こうそく)で入院し、十分に回復していない状態で、認知症を理由に4日目に退院させられた疑いのあることが分かった。男性は入院時肺に水がたまり、入院は1週間の予定だった。男性は今も自宅療養を続けているが、妻(74)は「退院させられた際、認知症を理由に挙げられた」と不信感を募らせている。病院側は「医師が回復したと判断した」と反論している。【黒川晋史】

 男性は京葉地域に住み、大手企業の管理職を退職して妻と2人暮らしの生活を送っていたが、06年5月ごろ、認知症を発症。現在も妻の介護を受けながら自宅で暮らしている。

 妻によると、男性は昨年6月16日、一緒に散歩している際、突然「ぜえ、ぜえ」と苦しみ始めた。慌てて自宅へ戻り、タクシーで近くの総合病院に連れていった。診断結果は心筋梗塞と心不全で、肺に水がたまり、心臓の一部は壊死(えし)。その場で手続きし入院させた。男性は水を抜くなどの治療を受け、1週間入院する予定だった。

 ところが、妻は入院3日目の18日午前9時ごろ、自宅で病院から電話を受け、「これから退院して下さい」と切り出された。急いで病院へ行くと、「点滴を抜いたり、夜中に病院内を歩き回ったりする。他の患者に迷惑がかかる」と退院させる理由について説明されたという。

 妻は退院を延ばしてもらうよう交渉。結局もう1泊し、4日目の19日午後1時半ごろ退院した。新たな入院先は紹介されず、やむなく自宅で看病した。

 男性は退院から10日目の28日、この総合病院を外来受診した。この時の診断では、肺にはまだ水が残っていたという。

 妻は、男性が入院する前から介護記録をつけており、総合病院とのやり取りも詳細に記録。退院時の心情については、こう書き記している。「ありがとうございました、という言葉で腹立たしさを隠すが、隠しきれない。顔がこわばっているのが自分でもわかる」

 妻は、毎日新聞の取材に「明らかに退院できる状態ではなかった。認知症の介護だけでもつらいのに、また倒れたら、一体どうすればいいのか」と話し、今も憤りと不信、不安を募らせている。

 この総合病院は取材に対し、「認知症が退院理由ではなく、医師の判断で回復したとみられたため退院していただいた。事実、男性は回復している」と回答。その上で「ご家族が嫌な気持ちで退院されたことは申し訳なく思う」と陳謝した。病院には認知症に詳しい医師がおらず、「知識を持った医師がいればもっと長く入院させられたのでは」との質問には、「そういう見方もある」と答えた。

 ◇受け皿「センター」構想 県、年度内に2病院指定へ

 認知症患者が別の病気で速やかな治療が必要となった際、受け入れる医療機関が県内に乏しいことを踏まえ、県は、既存病院をその受け皿とする「認知症疾患医療センター」の指定制度を構想している。今年度中に県内2病院を「センター」に指定する予定という。

 さらに、県は09年8月、認知症患者の支援体制を築く狙いから、医療や介護関係者らでつくる「認知症対策推進協議会」を設置。医療・福祉の両分野にまたがって▽認知症高齢者の生活や病状などの情報を、医療機関と介護機関で共有する▽あらかじめ入院時に、退院後の行き先の見通しをつけるようコーディネートする▽認知症患者を包括的に支援する窓口を作る――などの対策を講じていくとしている。

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 介護や医療など高齢者を取り巻く問題について体験談や情報、意見、記事への感想、要望をお寄せください。宛先は〒260―0026千葉市中央区千葉港7の3毎日新聞千葉支局「老いの未来図」取材班。ファクス043・247・0508、電子メールchiba@mainichi.co.jp

完治難しい「乾癬」 肌の乾燥/4 あなたの処方箋/76

2011年1月27日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/76 肌の乾燥/4 完治難しい「乾癬」

 ただの乾燥肌と思っていたら、実は難治性の皮膚病ということもある。

 東京都杉並区の大蔵由美さん(52)は中学生のころ腕に湿疹に似た炎症ができ、頭のふけのように皮膚がめくれ始めた。「乾燥して肌が荒れたのか」と思ったが、受診すると「乾癬(かんせん)」という病気だった。

 乾癬は表皮が通常の10倍以上の速さで次々と入れ替わる病気で、皮膚が赤く盛り上がり、角質がかさぶた状に厚くなってはがれ落ちる。国内には20万~30万人の患者がいるとみられるが、原因はまだはっきり解明されておらず、完治が難しいとされる。

 患者の大半は皮膚症状やかゆみが中心の「尋常性乾癬」だが、進行すると全身の関節に炎症や変形が起きて関節リウマチに似た症状が出る「関節症性乾癬」になることがある。

 大蔵さんも初めは炎症の部分が小さく塗り薬で対処していたが、発症から十数年後に突然、全身に広がり、関節の激痛に襲われ職場で倒れた。1年ほど寝たきりになり、仕事を辞めて治療に専念する中で出合ったのが、患者会「東京乾癬の会P―PAT」だった。

 患者会は全国に14団体あり、専門医と連携した治療情報の勉強会や患者同士の交流、温泉ツアーなどの活動を行っている。乾癬は認知度が低く、専門医や治療に関する情報が少ない。感染する病気ではないが周囲の誤解も多く、一人で悩みを抱え込みがちだ。大蔵さんは「根治が難しいので仲間は大切。一緒に頑張りましょう」と参加を呼びかけている。

 各地の患者会についての問い合わせは日本乾癬患者連合会(電話011・303・9912)へ。=つづく

ステロイド剤、怖がらずしっかり塗って 肌の乾燥/3 あなたの処方箋/75

2011年1月26日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/75 肌の乾燥/3 ステロイド剤、怖がらずしっかり塗って

 肌の乾燥でかゆみが激しくなり、かいて炎症を起こして皮膚科を受診すると、ステロイドの塗り薬が処方されることがある。強力に炎症を抑える効果があり即効性も高い一方で、副作用を心配して使用を控える人も少なくない。

 乾燥肌に悩む東京都の女性(27)は昨年、湿疹が出たため近くの皮膚科を受診し、ステロイド剤を処方された。「何となく不安」と少量しか塗らず、症状が治まったので使用をやめた。すると湿疹は再発し、同じことを繰り返すうちに症状は悪化。医師に相談すると「薬をきちんと塗っていませんね。今の薬は段々効かなくなるので、今度はしっかり塗ってください」と強いステロイド剤を処方された。今は湿疹が治まっても指示通り塗り続け、再発はしていないという。

 神奈川県立こども医療センターの馬場直子皮膚科部長は「自己判断で使用をやめると悪化を招くことが多い。一見良くなった状態になっても、組織レベルで炎症は残っている」と指摘する。馬場医師によると、ステロイドの塗り薬は強さが5ランクに分かれ、症状の出る場所や程度に応じて医師がランクや期間を判断する。内服薬と異なり全身的な副作用はほとんどなく、塗った部位の皮膚が薄くなったり血管が拡張したりすることがあっても、ステロイド治療が終われば元に戻るという。「必要以上に怖がって中途半端にしか使わないと炎症がくすぶり続け、結局は長期間塗り続けることになります」

 約0・5グラムで手のひら2枚分の面積を塗るのが標準だ。人さし指の先から第1関節までに通常のチューブ(口径5ミリ)から出すとこの分量になるため、1FTU(ワン・フィンガー・ティップ・ユニット)という単位で呼ばれる。馬場医師は「実際に塗ると『かなり多い』と感じる人が多いが、しっかりと適量塗ることが肝心」と話す。=つづく

篠沢教授 人生の答え

2011年1月26日 提供:読売新聞

難病と闘いながら自伝

 テレビ番組「クイズダービー」(1976-92)で解答者の一人として人気を博した学習院大名誉教授の篠沢秀夫さん(77)(新宿区西落合)が難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)と闘っている。

 2年前に病気が判明してから徐々に症状が進行し、最近は歩くこともままならなくなったが、今月8日に自伝「明るい はみ出し」を書き上げた。篠沢さんは筆談での取材に応じ、「今ある姿を楽しむ」と力強い字で書いた。

 「今」を楽しむ

 〈今ある姿を楽しむ古代の心という心境に達したころ、この難病と判明しました。以後、まさに古代の人のように家族とのみ暮らしています。我家(わがや)へ来て下さる方は、家族のように感じます〉

 17日午後、呼吸器を付けて自宅ベッドで横になっていた篠沢さんに話しかけると、口元にうっすらと笑みを見せ、意識ははっきりしていた。妻礼子さん(70)らが見守る部屋で、現在の心境を紙にマジックですらすらと書いた。「古代の心」とは、古代人のようにありのままを受け入れるという意味だという。

 77年から11年間出演した番組では珍解答を連発し、人気があった。だが本業はフランス文学研究。70歳で定年を迎えた後も執筆や研究を続けてきた。

 口がうまく動かせなくなるなどの不調が続き、2009年2月に東大医学部付属病院(文京区)で診察を受けたところ、ALSだとわかった。最初は自覚症状がなかったが、やがて呼吸ができなくなり、食べ物をこぼすように。最近は数歩歩くのがやっと。1日の大半をベッドで過ごす。

 かろうじて動く親指を使ってキーボードをたたき、昨年6月、自伝を書き始めた。苦労の末に脱稿したA4判195枚は、礼子さんも主人公だ。フランスで交通事故に遭って前妻を亡くした後、礼子さんと出会い、病に襲われるまでの歳月を感謝の気持ちを込めてつづった。タイトルの「明るい はみ出し」についてはこう書いている。

 〈礼子のイメージだ。私のイメージは、呑気(のんき)な はみ出し だろう〉

 篠沢さんは近い将来、自伝を演劇にし、礼子さん役を親交のある女優長山藍子さん(69)に演じてもらいたいと思っている。自伝の執筆を勧めたのが長山さんだからだ。

 「本人が前向きに頑張っているのが救いです。主人が表に出ることで、少しでもこの病気への理解が進むのであればうれしい」。礼子さんはそう話している。(河村武志)

 ※ALS(筋萎縮性側索硬化症) 身体を動かすための神経が侵され、全身の筋肉が徐々に萎縮していく難病。体幹や言語、呼吸などに障害が起こる。日本ALS協会によると、10万人に1-2人の割合で発症するとされ、有効な治療法は確立されていない。昨年3月時点での国内患者数は8490人。

[解説]健康・日本への道

2011年1月26日 提供:読売新聞

社会格差の拡大 脅かされる健康

 記録的猛暑だった昨年夏、熱中症の救急搬送件数も過去最高の約5万6000件に上ったことが分かった。約半数は65歳以上の高齢者。独り暮らしの年金生活者が目立つ。

 首都圏在住のある高齢女性は、暑さで衰弱し持病が悪化して危機的状態に陥った。寝込んでいたところ、心配した娘が駆けつけて命を取り留めた。月約6万円の年金で生活費も治療費も惜しみ、40度近い室内にこもっていたのだという。

 「低所得だと健康に気遣うゆとりがなくなり、ぎりぎりの状態なので、何か起こると瞬く間に大事に至るのです。医療の機会も奪われてしまう例は少なくありません」。川崎市内で地域住民にボランティア福祉活動を展開する「すずの会」の鈴木恵子代表は語る。猛暑も経済苦を直撃したわけだ。

 日本に「格差社会」という言葉が定着して久しい。病気になった時、窓口での費用を気にして受診を控える人は低所得者に多い。しかも病気になる前から健康状態に格差があるとしたら、それも、自分の責任でない、生まれた時からの格差だとしたら……。この問題に熱心に取り組むのは日本福祉大学の近藤克則社会福祉学部教授だ。

 高齢者約3万人を対象にした同教授らの大規模調査では、年収や受けた教育年数など社会的条件によって健康状態に明らかな差があった。格差が最も顕著だったのは男性でのうつ状態。年間所得400万円以上の高所得層で2・3%に対して100万円未満の低所得層では15・8%と6・9倍の差だった。睡眠障害、転倒経験率、健診受診率などにも明らかな差があった。

 格差の影響は、低所得者、失業者など社会の底辺層にとどまらず社会全体に及ぶことも分かってきた。山梨大の近藤尚己講師らが日米欧などの研究をもとに分析・検証した報告では、社会格差の指標となるジニ係数が、格差が広く認識され始める目安とされる0・3を超えるあたりから健康への影響が強まり、0・05上がるごとに一人一人の死亡リスクが9%ずつ増すと推計された。この傾向は所得や年齢、性別によらず認められた。

 さらに日本では、格差のために失われている命が計算上年間2・3万人程度とはじき出されたという。米国のように貧富の差が大きい国ほど寿命が短く、北欧のように貧富の差が小さい国ほど住民の健康水準が良いことは事実だ。格差拡大が社会全体の健康を脅かすことが検証されつつある。

 実は、世界保健機関(WHO)では1998年、所得、教育、就業状態などの「社会経済的地位」が健康に影響するとした報告書「健康の社会的決定要因」を公表している。欧州では早くから、健康の社会的格差について報告が相次いでいた。

 生活の保障された公務員だけを対象に25年間追跡調査した英国の研究報告では、高級官僚からノンキャリアまで階層別に死亡率を比べた結果、低階層では高階層の約2倍にも上り、その傾向は退職後の70-89歳でも変わらなかったという。

 格差が広がり過ぎれば連帯や相互信頼は薄れ、人間関係の絆が切れて社会から排除され孤立する人が増える「無縁社会」を助長する。そこでは、住民のストレスが増し健康が脅かされることも想像に難くない。

 マーガレット・チャンWHO事務局長は昨秋、都内で講演し「世界の健康の不平等をなくすよう努力してきたが、WHO設立の48年より格差は拡大している」と述べ、“健康優等生”日本に先導的役割を求めた。だが日本社会は足元から崩れつつある。心して社会再生を急がねば、後に禍根を残すことになりかねない。(編集委員・南 砂)

ビフィズス菌の酢酸が効果 O157に抵抗力高める

2011年1月27日 提供:共同通信社

 ビフィズス菌が腸の中で作る酢酸が、病原性大腸菌O157に対する抵抗力を高めるとの研究結果を、理化学研究所の大野博司(おおの・ひろし)チームリーダーらが27日付英科学誌ネイチャーに発表した。

 大野さんは「酢酸で腸の表面の状態が変わり、O157が出す毒素に対するバリアーが壊れにくくなると考えられる。ただ、お酢を飲むだけでは、必要な部分に届かず、効果は期待できない」と話している。

 ビフィズス菌は人間の腸などにいる細菌で、O157に予防効果がある菌とない菌がある。

 大野さんらは、無菌状態にしたマウスで実験。予防効果のあるビフィズス菌を投与すると、腸の中の酢酸の量は、効果がない菌を投与した場合の2倍近くになり、炎症や細胞死などを抑える遺伝子がよく働いていた。

 予防効果がある菌は、果物などに含まれる果糖を分解して酢酸を作る能力を持っていると判明。O157に感染した場合に炎症が起きる大腸の下部で、酢酸が腸の粘膜を保護するとみられる。

子ども終末期医療 本人の意思尊重 学会が指針案、「治療中止検討」明記

2011年1月27日 提供:毎日新聞社

子ども終末期医療:本人の意思尊重 学会が指針案、「治療中止検討」明記

 日本小児科学会(五十嵐隆会長)の倫理委員会作業部会は、重い病気やけがを抱える子どもの終末期医療に関する指針案を作成した。年齢にかかわらず、本人の気持ちや意見を最大限尊重することを原則とし、治療中止や差し控えを検討する事態を認める一方、方針を決める際の留意点や手順を示している。【永山悦子】

 終末期医療をめぐっては07年に厚生労働省が患者本人の意思決定を基本とする指針を発表したが、子どものルールはなかった。同学会は会員や一般の意見を聞いた上で年内の正式決定を目指す。

 指針案は、医師や看護師らの医療者が子どもに分かりやすく説明し、子どもが自分の気持ちや意見を自由に発言する機会を確保するとともに、両親(保護者)はその意思を尊重して治療方針を決めることを求めている。

 治療の差し控えや人工呼吸器の取り外しなどの治療中止については、子どもの最善の利益にかなうと考えられる場合に「提案できる」と明記した。ただし、両親と医療者の納得いくまでの話し合い▽決定過程への多くの医療者の参加▽判断根拠の書面への記録――などの点検項目を提示した。さらに虐待の有無について、関係機関と協力して確認する、としている。

 ただし、治療中止・差し控えと判断する基準は、子どもの病気や状態が患者で違いが大きいことを背景に、明記すると機械的な治療中止の判断が起きかねないとの理由で定めなかった。

 同学会は一般の意見を聞くため、2月26日午後1時半、早稲田大井深大記念ホール(東京都新宿区)で公開討論会を開く。問い合わせは学会事務局(03・3818・0091)。

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 ■解説

 ◇「年齢」線引き示さず 現場には裁量広く

 富山県射水市の病院で起きた末期患者の人工呼吸器外し問題(09年に医師は不起訴)を受け、厚生労働省が07年にまとめた終末期医療の指針は、主に大人を対象に検討していた。一方、回復が見込めないまま、集中治療室にいる子どもがいるのも現実だ。また、08年に国立成育医療センター(当時)は、家族の同意を得て心肺停止が予想される小児30人の治療中止を実施したと公表。透明性を確保するルールが必要になっていた。

 日本小児科学会は子どもにとって、客観的にも最善といえる治療の保障を目指した。指針案は、子どもの「気持ち」を尊重して方針決定の当事者に加え、両親、医療者を含む関係者全員が話し合い、納得できる意見の一致を目指す手続きや点検項目を提示している。

 子どもの意思の確認法は、子どもの終末期医療の課題だが、指針案は年齢についての線引きはしなかった。子どもの発達や病状は一様ではなく、状況に応じて「ケース・バイ・ケース」に対応することが子どもの最善の利益になるとの判断からだ。同じ理由で、回復力が高いとされる子どもの治療の中止・差し控えの基準も定めていない。その結果、説明の仕方など現場の裁量に委ねられた点も多い。

 指針案作成の意義について、担当者は「子ども本人、両親、医療者が後悔しない手続きを示せた」と話す。同学会が指針作りに乗り出したことは、ぎりぎりの判断を迫られていた医療現場にとって朗報になるとみられるが、同時に小児科医の間には「安易な治療中止をもたらさないようにすべきだ」との声は残る。指針案をきっかけに議論を深めることが求められる。【永山悦子】

インフルで休校や閉鎖2621校、17倍に急増

2011年1月27日 提供:読売新聞

 厚生労働省は26日、16-22日の1週間にインフルエンザで休校や学年閉鎖、学級閉鎖を実施した保育所や幼稚園、小中高校が計2621校となり、前週の151校から約17倍に急増したと発表した。

 冬休みが終わって授業が再開された結果、インフルエンザの流行が急速に広がっているとみられる。

 小学校が最も多く、1652校を占めている。全体の内訳は、休校98校、学年閉鎖702校、学級閉鎖1821校。都道府県別では、東京の198校に千葉145校、埼玉139校、大阪114校が続いた。
 全ての都道府県でインフルエンザ警戒状態になっています。

薬ネット販売、もろ刃の剣 安全性確保が課題

2011年1月27日 提供:共同通信社

 政府の行政刷新会議が規制緩和を打ち出した風邪薬、漢方薬のインターネット販売。実現すれば地方の患者らは格段に購入しやすくなる。半面、薬の副作用などの被害が発生した場合、対面販売に比べて問題が大きくなる恐れがあり、医薬品業界関係者は「もろ刃の剣」と指摘する。販売時に安全性をどう確保するのかが課題だ。

 規制に反発してきた医薬品のネット通販大手ケンコーコムによると、改正薬事法でうがい薬やビタミン剤を除く一般医薬品の通販が禁止された2009年6月以降、購入履歴がない顧客からの注文は断らざるを得なくなった。その数は月に約2千件に上るといい、同社は「近所に薬局がないなど不便を感じている人は多い」と規制緩和実現に向けた動きを歓迎する。

 ただ医薬品メーカーや調剤薬局からは「ネット販売で十分な説明ができるか疑問」との声も。ケンコーコムがネット通販規制は違法と提起した行政訴訟で、一審の東京地裁判決は、患者の顔色や質問への返答を見聞きできる対面販売に比べ、情報提供の実効性に有為な差があると指摘した。

 ケンコーコムは刷新会議の議論に対し、「購入時の問診票記入や薬剤師による電話対応など安全対策のルールを確立してほしい」と求めている。

花粉症、今年はキツイぞ…飛散10倍の地域も

2011年1月27日 提供:読売新聞

 花粉症の人にとっては、例年以上につらいシーズンになりそう--。

 花粉の本格的な飛散がもうすぐ始まるが、環境省は、今年の飛散量は、全国的に多くなり、東海、近畿地方の一部では昨年の10倍以上になると予測している。原因の一つは、“酷暑”となった昨夏の日照時間の長さ。すでにドラッグストアなどでは、対策グッズの特設コーナーを設置しており、専門家は「早めの対策が必要」と呼び掛けている。

 ◆日照時間が関係

 「息が止まってしまうんじゃないか」

 民間の気象情報会社が花粉飛散予測を発表した昨秋から、環境省には、こんな悲痛な声や質問が相次いでいる。担当者は「昨年の飛散量は少なかったが、それでも苦しんだ人からの問い合わせが多い」と話す。

 担当者は「夏場の日照時間が関係している」と言う。スギ、ヒノキの雄花は夏頃作られるため、主に7月の日照時間が長いと細胞分裂が活発となり、花粉の量が多くなる。気象庁によると、昨年7月の日照時間は、仙台市で平年比41時間増の169時間、東京都青梅市で同21時間増の161時間、岐阜市で同22時間増の192時間だった。

 ◆雄花がびっしり

 環境省の委託を受け、花粉の飛散観測を行っているNPO法人「花粉情報協会」事務局長の佐橋紀男さんは昨年12月、関東、東北地方などのスギやヒノキを観察した。過去最大規模の飛散量だった2005年を上回るほどではないが、「びっしりと雄花が付いていた」という。

 同省は、今年の飛散量について、東北から近畿地方にかけては平年の1・2倍-2・5倍近く、中国、四国、九州地方では平年並みか平年より少なめになると予測。東海、近畿地方の一部では、昨年の10倍以上になる地域もあるとしている。

厚労省、年内にES細胞の作製指針制定へ

2011年1月26日 提供:読売新聞

 厚生労働省は、人体に移植できるヒト胚性幹細胞(ES細胞)の作製に関する指針を整備する方針を固めた。

 患者を対象にした臨床研究へのES細胞の使用を解禁するためのもので、病気やけがで傷ついた組織をよみがえらせる再生医療の実現に向けて動き出す。

 ES細胞は、iPS細胞(新型万能細胞)とともに「万能細胞」と呼ばれる。現段階では、iPS細胞より安全性などで優れ、米国では昨年10月から脊髄損傷の患者を対象に治験がスタートした。国内でも脊髄損傷や小児の糖尿病などの研究者、患者から臨床研究を望む声が高まっていた。

 厚労省は今月、研究班を組織し、具体的な検討を開始する。ES細胞は、生命の萌芽(ほうが)である受精卵を壊して作るため、その提供者の権利を含めた倫理的な問題を抱える。そのため意識調査などを行い、対策を検討する。

 その上で、厚生科学審議会科学技術部会で指針案をまとめ、年内の早い時期の制定を目指す。

入浴後20分以内に保湿剤を塗ろう 肌の乾燥/2 あなたの処方箋/74

2011年1月25日 提供:毎日新聞社

あなたの処方箋:/74 肌の乾燥/2 入浴後20分以内に保湿剤を塗ろう

 「皆さん、毎日歯磨きしますよね。肌も同じ。毎日のお手入れが大切です」。東京逓信病院(千代田区)で不定期開催される「アトピー教室」。医師がさまざまな皮膚疾患の患者たちに、皮膚の仕組みやケアの方法、薬の使い方などを丁寧に教え、好評だ。

 厚生労働省研究班が作成した「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」で、スキンケアは原因特定や薬物療法と並ぶ治療の3本柱の一つに挙げられている。最近はスキンケア指導をする医療機関が増えており、江藤隆史皮膚科部長は「アトピー患者向けのスキンケアは、乾燥肌傾向の人にも効果がある。肌の乾燥がひどくて悩んでいる人は、一度近くの皮膚科などに相談してみてほしい」と話す。

 江藤医師によると、最も重要なのは風呂上がりのケアだ。入浴中は水分が浸透し、肌の水分量は入浴前の倍近くまで増える。ところが風呂から上がると急激に失われ、約20分後には入浴前とほぼ同程度になる。さらにそれ以上たつと入浴前より乾燥した状態になってしまう。肌に浸透した水分が蒸発する際、元々あった水分まで奪われていくためだ。

 そこで入浴後は20分以内に保湿剤を塗ろう。保湿剤は、皮膚科ではヘパリン類似物質製剤の「ヒルドイド」や高純度ワセリン保湿剤「プロペト」が多く処方されている。ワセリンはべたつきが気になる人も多いが、高純度のものはべたつきが少なく、市販薬でも「白色ワセリン」や「サンホワイト」が手に入る。

 尿素配合の保湿剤は、かかとなど硬くなった角質部分には適しているが、乾燥肌には逆に刺激になることも多い。=つづく

岸本、平野氏に日本国際賞 リウマチに関係の物質発見

2011年1月26日 提供:共同通信社

 国際科学技術財団は25日、科学技術分野で大きな成果を挙げた研究者をたたえる2011年の日本国際賞を、関節リウマチなどに関係するタンパク質「インターロイキン6」(IL6)を発見した大阪大の岸本忠三(きしもと・ただみつ)名誉教授(71)と平野俊夫(ひらの・としお)教授(63)、コンピューターの基本ソフト(OS)「UNIX」を開発した米国の2氏の計4人に贈ると発表した。

 岸本、平野両氏は「生命科学・医学」分野での受賞。1986年、細胞に情報を伝えるIL6の遺伝子の構造を突き止め、関節リウマチ患者の関節液に多量に存在することや、多発性骨髄腫にも関係することを明らかにした。岸本氏は製薬会社と共同でIL6の働きを抑える薬を開発、世界90カ国以上で承認されている。

 米国の2氏はベル研究所特別名誉技師のデニス・リッチー氏(69)と、グーグル社特別技師のケン・トンプソン氏(67)で、「情報・通信」分野での受賞。

 記者会見で岸本氏は「多くの人を病気の苦しみから救うことにつながり、大変うれしい」と、平野氏は「現在の医療は過去の基礎研究の成果で成り立っている。受賞が基礎科学の重要性を認識する機会になることを祈っている」と述べた。

 授賞式は4月20日に都内で開かれ、分野ごとに賞金5千万円が贈られる。

不整脈、飲酒量の増加で誘発 筑波大研究チームが解明

2011年1月26日 提供:毎日新聞社

不整脈:飲酒量の増加で誘発 筑波大研究チームが解明

 心臓の脈拍が乱れる不整脈を起こす危険性が、飲酒量の増加に伴い高まることが、筑波大の児玉暁(さとる)研究員らのチームの解析で明らかになった。25日、米国心臓病学会誌に発表した。「酒は百薬の長」といわれ、適度な飲酒は健康によいとされるが、不整脈との関係が明らかになったのは初めて。【永山悦子】

 研究チームは、1980年代以降の欧米の14本の論文に掲載された、飲酒習慣と代表的な不整脈である「心房細動」に関するデータを統合し、解析した。その結果、飲酒量が最も多いグループが心房細動を発症する危険性は、最も少ないグループの約1・5倍になった。最も多いグループの飲酒量は、エタノール換算で1日18グラムから72グラム(ビール中瓶1本で約20グラム)だった。

 さらに、あまり飲まない人の飲酒量について、エタノール換算の数値が明記された9研究を解析したところ、飲酒量の増加によって、心房細動の危険性が一方的に高まることが分かった。1日の飲酒量がエタノール換算で10グラム増えると、心房細動の危険性は約8%高まった。

 心房細動が起きると、心臓内の血がよどんで血のかたまりができやすくなり、それが脳の血管に詰まると重症の脳梗塞(こうそく)につながる。曽根博仁・筑波大教授(内科)は「心房細動は高齢になると増える。一般に、適量の飲酒は心筋梗塞や死亡率の低下に役立つと知られるが、心房細動に関しては異なることが分かった。過去に不整脈を起こしたことがある人は、禁酒によって再発の危険性を減らせる可能性がある」と話している。

重症筋無力症 内視鏡“ダビンチS”使い、ロボット手術に成功 鳥取大病院

2011年1月26日 提供:毎日新聞社

重症筋無力症:内視鏡“ダビンチS”使い、ロボット手術に成功--鳥取大病院 /鳥取

 ◇全国初の重症筋無力症患者--胸腺を全摘出

 鳥取大医学部付属病院(米子市)は25日、昨夏に導入した内視鏡手術ロボット「ダビンチS」を使った難病、重症筋無力症患者の胸部外科手術に成功したと発表した。患者は手術8日目の24日に退院した。手術ロボットによる胸部手術は全国で十数例あるが、重症筋無力症患者は初めてという。患者は県内の60代女性で、検診で心臓前にある胸腺(せん)の一部に腫瘍(しゅよう)が見つかった。今月17日に約5時間かけ、胸腺の全摘出手術を受けた。【小松原弘人】

 手術は、右側胸に鉗子(かんし)やカメラのため4カ所の穴を開け、医師ら8人態勢で実施。医師が鉗子などのアーム部分を遠隔操作した。出血はわずか5グラム。患者の都合で入院を延ばしたが、必要期間は5日だった。従来の内視鏡だと、切開部は7カ所になり、出血は50グラム程度、入院は7日程度になるという。

 患者は手術翌日には食事を始め、トイレにも行った。3日後には院内を自由に歩けるようになり、24日に退院した。現在は、薬の服用もなく日常生活を送っているという。

 重症筋無力症は、まぶたが重たくなり、手足の力も落ち、進行すると呼吸困難に陥る。胸腺腫を合併した場合、胸腺の全摘出がよいとされる。胸腺は、心臓の前にある「H」形をした長さ17センチほどの臓器。ロボットを使って胸腺の全摘手術をしたのも全国初という。

 ダビンチSは、4本の鉗子アームが付いた手術台、遠隔操作用コントロールブース、患部の毛細血管までわかる3次元映像モニターを備える。手術の精度と安全性向上につながるだけでなく、患者負担の軽減、手術時間と入院日数短縮にもなるという。米国製。

 国内の内視鏡手術ロボットは十数台しかない。同病院でのロボット手術は11例目。

 執刀した中村広繁・胸部外科長(51)は「経験を積めば手術時間は2時間程度にできる。遅れている日本の手術ロボット分野に貢献したい」と話した。

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